Molten carbonate fuel cell

阅读:1020发布:2020-10-31

专利汇可以提供Molten carbonate fuel cell专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To predict the life of a molten carbonate fuel cell, and to support the determination of its operation plan and of the amount of electrolyte supplied when its performance is lowered. SOLUTION: This fuel cell is composed of a fuel cell body 1, a memory device 2 and a computing device 3. The computing device 3 calculates the amount of electrolyte consumed during operation and the performance and lifetime obtained by supplying electrolytes from data such as a cell voltage, an AC resistance and transient response data, which are taken in the memory device 2, and from database such as database about temporal change of the consumed amount of electrolyte due to corrosion or evaporation, and database about temporal change of electronic resistance, and database about distribution of pores in an oxygen pole, a fuel pole and an electrolyte base, and database about relationship between the amount of electrolyte and ion resistance in the electrolyte base, and database about relationship between the amount of electrolyte in an electrode and reaction resistance.,下面是Molten carbonate fuel cell专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 電解質基板の両面を酸素極と燃料極で挟み、前記電解質基板、酸素極及び燃料極内に溶融炭酸塩電解質を保持させて構成した単セルをセパレータを介して積層した燃料電池スタックと、 前記セパレータと前記燃料極の間に燃料を流し、前記セパレータと前記酸素極の間に酸化剤ガスを流すガス流路と、 前記電解質基板、燃料極又は酸素極に電解質を補給する機構とを備える溶融炭酸塩型燃料電池において、 少なくとも1つの前記単セル又は燃料電池スタックの燃料及び酸化剤ガスの入口及び出口の組成及び流量、運転圧力、負荷電流密度、セル電圧、電池温度並びに電解質補給量の経時変化を記録する記録装置と、 前記記録装置に記録されたデータを用いて電解質が蒸発及び腐食により損耗する量、セル電圧の経時変化、電解質損耗量と電解質補給量の差である電解質不足量及び電解質不足量を補給したときのセル電圧の予測を行う演算装置を備え、 前記演算装置による演算結果に基づいて運転条件の設定、電解質不足量に見合う量の電解質補給又は運転停止の決定の支援を行うことを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池。
  • 【請求項2】 請求項1記載の溶融炭酸塩型燃料電池において、 腐食による電解質消耗量の時間変化に関するデータベース、蒸発による電解質消耗量の時間変化に関するデータベース、電子抵抗の時間変化に関するデータベース、酸素極と燃料極と電解質基板の細孔分布に関するデータベース、電解質基板内の電解質量とイオン抵抗の関係に関するデータベース、及び電極内に保持される電解質量と反応抵抗の関係に関するデータベースを備え、 前記演算装置は、前記腐食による電解質消耗量の時間変化に関するデータベース、蒸発による電解質消耗量の時間変化に関するデータベース、及び前記記録装置に記録されたデータに基づいて電解質消耗量から電解質補給量を求めるとともに、前記電子抵抗の時間変化に関するデータベース、酸素極と燃料極と電解質基板の細孔分布に関するデータベース、前記電解質基板内の電解質量とイオン抵抗の関係に関するデータベース、及び電極内に保持される電解質量と反応抵抗の関係に関するデータベースを用いて電解質補給後の電池電圧を予測することを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池。
  • 【請求項3】 請求項1記載の溶融炭酸塩型燃料電池において、 電極内に保持される電解質量と反応抵抗の関係に関するデータベース、電解質基板内に保持される電解質量とイオン抵抗の関係に関するデータベース、及び電子抵抗の時間変化に関するデータベースを備え、 前記演算装置は、直流抵抗と交流抵抗の差より反応抵抗を算出し、前記反応抵抗から前記電極内に保持される電解質量と反応抵抗の関係に関するデータベースを用いて電極内に保持されている電解質量を求め、初期電解質量との差より電解質補給量を求めるとともに、前記各データベースを用いて電解質補給後の電池電圧を予測することを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池。
  • 【請求項4】 請求項3記載の溶融炭酸塩型燃料電池において、 電極内電解質量と反応抵抗の緩和時間に関するデータベースを備え、前記演算装置は、電極内に保持される電解質量と反応抵抗の関係に関するデータベースに代えて電極内電解質量と反応抵抗の緩和時間に関するデータベースを用い、前記燃料電池の負荷電流を変えたときの電池電圧の応答速度から電極内の電解質量を求めることを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池。
  • 【請求項5】 請求項4記載の溶融炭酸塩型燃料電池において、 負荷を変化させたときの電池電圧を0.1ms以下の間隔で記録することを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池。
  • 【請求項6】 請求項4又は5記載の溶融炭酸塩型燃料電池において、 負荷電流を1Hz以下の矩形波で変化させ、前記負荷電流の周波数と同期させて電池電圧の応答速度を求めることを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池。
  • 【請求項7】 請求項4又は5記載の溶融炭酸塩型燃料電池において、 負荷電流を10kHz以上から10Hz以下の範囲にわたる周波数の正弦波で変化させ、負荷電流の周波数と同期させて電池電圧の応答速度及び前記交流抵抗を求めることを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池。
  • 【請求項8】 前記電池電圧の予測を次式に基づいて行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の溶融炭酸塩型燃料電池。 V(t)=V o −η nl −i{z(t)+R i (t)+R c (t)} 〔上式中、V oはネルンストの式で求まる入口ガス組成での起電力、η nlはネルンストロス、iは負荷電流密度、z(t)は反応抵抗、R i (t)は電解質基板のイオン抵抗、R c (t)は電子抵抗である。 〕
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業乗の利用分野】本発明は燃料電池に関し、より詳細には溶融炭酸塩型燃料電池に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池は、電気的に絶縁性の多孔質体である電解質基板の両面を電導性の多孔質体である酸素極と燃料極で挟み、電解質基板、酸素極及び燃料極内にイオン伝導体である溶融炭酸塩電解質を保持させて構成した単セルをセパレータを介して積層し、
    セパレータと燃料極の間に燃料を、セパレータと酸素極の間に酸化剤ガスを流すガス流路を形成したものである。 一般的には、電解質基板としてリチウムアルミネート多孔質体、酸素極には酸化ニッケル系多孔質体、燃料極にはニッケル系多孔質体、電解質としては炭酸リチウムと炭酸カリウムの混合炭酸塩等、セパレータ及びガス流路には高耐食性金属材料が用いられる。

    【0003】溶融炭酸塩型燃料電池は、電解質が蒸発、
    腐食生成物への取り込み及び漏洩等により損耗し、電解質が不足するため、酸素極及び燃料極の反応抵抗、電解板のイオン抵抗増加、金属材料の腐食による抵抗増加、
    酸素極材料である酸化ニッケルが電解質中に溶解してニッケルとして析出することによる短絡、多孔質である酸素極、燃料極及び電解質基板の細孔変化による反応抵抗やイオン抵抗の増加等により経時的に性能が劣化する。

    【0004】経時的な性能劣化の抑制のために高耐食材の開発等が行われているが、長期的には電解質の損耗は避けられないため、特開平5−343086号公報、特開昭61−49381号公報等に示されるように、電解質補給に関しての検討が行われている。 その際、電解質の不足は交流抵抗の増大あるいはセル電圧の低下で検出し、電解質補給終了を交流抵抗の低下あるいはセル電圧の上昇で検出している。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】従来の電解質補給は、
    電解質を補給する量、補給した結果得られるべき電池電圧等は明らかではないため、セル電圧が低下あるいは交流抵抗が上昇したとき少量ずつ電解質を補給してセル電圧の上昇が小さくなるまで補給するというように経験的に補給量を決定している。 しかしながら、電解質量が不足しても過剰でも溶融炭酸塩型燃料電池の電池電圧は低くなり、発電効率が低下して発熱量が増加し、プラントとしてのバランスが損なわれるため、電池内の電解質の補給を行うためには電池内の電解質量を評価する手段が必要である。

    【0006】本発明は、電池内の電解質量の評価及び電解質の補給により期待できる電池電圧を求め、運転方法の決定のための支援を行う手段を備える燃料電池を提供することを目的とする。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】本発明においては、電解質を補給する機構を有する燃料電池において、燃料電池の燃料及び酸化剤ガスの入口及び出口の組成及び流量、
    運転圧、負荷電流密度、燃料電池を構成する各セル毎のセル電圧、電池温度及び電解質補給量の経時変化を記録する記録装置と、記録されたデータを用いて電解質が蒸発及び腐食により損耗する量、セル電圧の経時変化予測、電解質損耗量と電解質補給量の差である電解質不足量及び電解質不足量を補給したときのセル電圧の予測を行う演算装置で構成される。

    【0008】演算装置は、腐食による電解質消耗量の時間変化に関するデータベース、蒸発による電解質消耗量の時間変化に関するデータベース、酸素極と燃料極と電解質基板の細孔分布に関するデータベース、電極内に保持される電解質量と反応抵抗の関係に関するデータベース、電解質基板内の電解質量とイオン抵抗の関係に関するデータベース、電子抵抗の時間変化に関するデータベース、電極内電解質量と反応抵抗の緩和時間等のデータベースを必要に応じて備え、電解質補給量の算出及び電解質補給後の電池電圧の予測に利用する。

    【0009】演算装置における演算結果をもとに運転条件の設定、電解質不足量の補給あるいは運転停止の決定が行われる。 運転を停止するか電解質補給等のメンテナンスを行うかの決定は、電力の需要予測及び燃料電池発電プラントの効率予測による経済性予測による。 演算結果は、メンテナンスの方法及びメンテナンスの有無による燃料電池発電プラントの効率予測を行い、運転方法決定の支援を行うための用いられる。

    【0010】燃料電池発電プラントの効率η pは次の〔数1〕で表される。

    【0011】

    【数1】η p =η i・η e・η t +η wここで、η iは電流効率(燃料利用率)、η eは電圧効率、η tは直交変換器等周辺機器の効率、η wはボトミングサイクルの効率である。 η iは運転条件により決まる値であり、η t及びη wは既存の技術であり効率は容易に求まる。 η eは次の〔数2〕で表される。

    【0012】

    【数2】η e =(V(t)/V0)・(ΔG/ΔH) ここで、V(t)は時刻tにおける電池電圧、V0は開路電圧、ΔGは反応のギプスの自由エネルギー、ΔHは反応のエンタルピーであり、V0、ΔG及びΔHは定数である。 従って、η eは電池の電圧によって決定されるので、燃料電池発電プラントの効率計算のためには電池電圧の経時変化を求めればよい。

    【0013】カソードの溶解/析出による短絡のないとき、時間tでの一定ガス利用率での電池のi−Vは次の〔数3〕で表すことができる。

    【0014】

    【数3】 V(t)=V o −η nl −i{z(t)+R i (t)+R c (t)} ここで、V oはネルンストの式で求まる入口ガス組成での起電力、η nlはネルンストロスである。 この2項は電解質基板の破損等によるガスクロス、ガスリーク等がない条件ではほぼ定数とみなせる。 iは負荷電流密度、z
    (t)は反応抵抗であり、R i (t)は電解質基板のイオン抵抗、R c (t)は電子抵抗(腐食層抵抗)である。 反応抵抗z(t)は、カソードの反応抵抗z c (t)とアノードの反応抵抗z a (t)の和である。

    【0015】電池性能の経時変化を表現するためにはこれらの抵抗値を時間関数で表せばよい。 なお、電解質基板の健全性の確認方法としては、燃料ガス出口のガス分析を行う。 健全な場合には、燃料ガスの出口で窒素は検出されない。 燃料ガス出口で窒素が検出された場合には、電解質基板が割れている、あるいは電解質基板に含浸されている電解質が不足している。

    【0016】燃料電池を構成する材料の腐食抵抗及び電解質基板のイオン抵抗の増加速度のデータベースの例として、電子抵抗とイオン抵抗の和の交流抵抗としての測定がある。 交流抵抗測定時の周波数としては500Hz
    以上が望ましい。 上記〔数3〕中のR i (t)+R c (t)が測定値として求まり、電解質基板の気孔率及び厚さで決まる初期抵抗値に対する増加分が腐食抵抗分と電解質基板のイオン抵抗の増加分の和として求まる。 交流抵抗は、直流に正弦波を重畳させた信号によって測定することも可能である。

    【0017】燃料電池を構成する材料の腐食速度及び炭酸塩蒸発速度データベースから電極内に保持される電解質量を求める例を示す。 電解質は主に腐食により損耗し、蒸発による損耗はほとんど認めない。 一般に、電極及び電解質基板の細孔分布の経時変化は非常に小さく、
    電解質基板細孔が電極細孔に比べて十分小さいので、電解質は毛管力の強いより小さな細孔に分布する。 電極細孔分布及び初期電極内炭酸塩量と電解質損耗量よりある時間での電極内炭酸塩量が求まる。

    【0018】反応抵抗及び電極内炭酸塩量を求めるデータベースのもうひとつの例を示す。 ある時点の反応抵抗は直流抵抗と交流抵抗の差として求まる。 反応抵抗の電極内炭酸塩量(電解質占有率)依存性は特開昭61−1
    40072号公報に示されるように電極の細孔分布によって決まる。 長時間の運転では、経時的に電極細孔分布が変化するので、運転時間毎の細孔分布をデータベースとして持つことにより、その時点の反応抵抗から電極内電解質量が求まる。 さらに、電極内電解質量と反応抵抗の関係から電解質添加量と電解質添加後の反応抵抗が求まる。

    【0019】以上のデータベースを用いることにより、
    運転時間と電解質を補給すべき量及び期待できる電池電圧を予測することができる。 これらのデータベースは電池を構成する材料及び形状、電極及び電解質基板の細孔分布及び運転条件により決定されるものである。 長時間運転ではカソードのNiOが溶解して電解質基板内にN
    iとして析出し、電池内で短絡がおこる。 この時、上記〔数3〕は、短絡によって負荷電流密度が大きくなることから次の〔数4〕のようになる。

    【0020】

    【数4】V(t)=V o −(η nl +Δη nl )−{i+i
    s (t)}{z(t)+R i (t)}+i・R c (t) ここで、i s (t)は負荷時の短絡電流密度、Δη nlは短絡によるネルンストロスの増加分である。 無負荷の状態において燃料ガスの入口と出口の炭酸ガス濃度を測定して、出入口の炭酸ガスの濃度差よりi s (t)及びΔη nl
    が求まる。 燃料ガス出口の炭酸ガス濃度が入口の濃度より高くなっていれば、電解質基板内に金属ニッケルが析出していて内部短絡が生じている。 この手法については「電気化学及び工業物理化学」電気化学会(1994
    年)、第62巻624ページに記載されている。

    【0021】電極内電解質量を直接測定する手段として、負荷電流を変えたときの電池電圧の応答速度の測定があげられる。 電極内に保持されている電解質量が多いほど、電極の厚さ方向の反応ガスの濃度分布が定常になるまでの時間が長くなるためである。 電極内の濃度分布が定常になるまでの時間は10 -4 s以上10 -1 s以下なので、電解質量を評価するためには電池電圧の測定を0.1ms以下で行うことが望ましい。 電池電圧の応答速度の測定法としては矩形波あるいは正弦波を用いる方法がある。 矩形波を用いる場合には定常になる時間より低い周波数を用いて測定を行い、電流を変化させて約1
    ms以下の初期の電圧変化より交流抵抗を求め、定常に達するまでの時間で電解質量が求まる。 正弦波を用いる場合には交流抵抗を測定する10kHz以上の周波数から定常に達する時間より長い10Hz以下の周波数まで変化させた測定を行うことにより、交流抵抗と定常に達するまでの時間が求まる。

    【0022】以上述べたように、本発明は、電解質基板の両面を酸素極と燃料極で挟み、電解質基板、酸素極及び燃料極内に溶融炭酸塩電解質を保持させて構成した単セルをセパレータを介して積層した燃料電池スタックと、セパレータと燃料極の間に燃料を流し、セパレータと酸素極の間に酸化剤ガスを流すガス流路と、電解質基板、燃料極又は酸素極に電解質を補給する機構とを備える溶融炭酸塩型燃料電池において、少なくとも1つの単セル又は燃料電池スタックの燃料及び酸化剤ガスの入口及び出口の組成及び流量、運転圧力、負荷電流密度、セル電圧、電池温度並びに電解質補給量の経時変化を記録する記録装置と、記録装置に記録されたデータを用いて電解質が蒸発及び腐食により損耗する量、セル電圧の経時変化、電解質損耗量と電解質補給量の差である電解質不足量及び電解質不足量を補給したときのセル電圧の予測を行う演算装置を備え、演算装置による演算結果に基づいて運転条件の設定、電解質不足量に見合う量の電解質補給又は運転停止の決定の支援を行うことを特徴とする。

    【0023】より具体的には、腐食による電解質消耗量の時間変化に関するデータベース、蒸発による電解質消耗量の時間変化に関するデータベース、電子抵抗の時間変化に関するデータベース、酸素極と燃料極と電解質基板の細孔分布に関するデータベース、電解質基板内の電解質量とイオン抵抗の関係に関するデータベース、及び電極内に保持される電解質量と反応抵抗の関係に関するデータベースを備え、演算装置は、腐食による電解質消耗量の時間変化に関するデータベース、蒸発による電解質消耗量の時間変化に関するデータベース、及び記録装置に記録されたデータに基づいて電解質消耗量から電解質補給量を求めるとともに、電子抵抗の時間変化に関するデータベース、酸素極と燃料極と電解質基板の細孔分布に関するデータベース、電解質基板内の電解質量とイオン抵抗の関係に関するデータベース、及び電極内に保持される電解質量と反応抵抗の関係に関するデータベースを用いて電解質補給後の電池電圧を予測することができる。

    【0024】また、電極内に保持される電解質量と反応抵抗の関係に関するデータベース、電解質基板内に保持される電解質量とイオン抵抗の関係に関するデータベース、及び電子抵抗の時間変化に関するデータベースを備え、演算装置は、直流抵抗と交流抵抗の差より反応抵抗を算出し、反応抵抗から電極内に保持される電解質量と反応抵抗の関係に関するデータベースを用いて電極内に保持されている電解質量を求め、初期電解質量との差より電解質補給量を求めるとともに、各データベースを用いて電解質補給後の電池電圧を予測することができる。

    【0025】また、電極内電解質量と反応抵抗の緩和時間に関するデータベースを備え、演算装置は、電極内に保持される電解質量と反応抵抗の関係に関するデータベースに代えて電極内電解質量と反応抵抗の緩和時間に関するデータベースを用い、燃料電池の負荷電流を変えたときの電池電圧の応答速度から電極内の電解質量を求めてもよい。

    【0026】負荷を変化させたときの電池電圧を0.1
    ms以下の間隔で記録するのが好ましい。 また、負荷電流を1Hz以下の矩形波で変化させ、負荷電流の周波数と同期させて電池電圧の応答速度を求めてもよいし、負荷電流を10kHz以上から10Hz以下の範囲にわたる周波数の正弦波で変化させ、負荷電流の周波数と同期させて電池電圧の応答速度及び交流抵抗を求めてもよい。

    【0027】電池電圧の予測は、前記〔数3〕又は〔数4〕に基づいて行われる。

    【0028】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。 〔実施の形態1〕図1に、本発明による燃料電池の基本的な構造を示す。 この燃料電池は、電解質を補給する機構を有する燃料電池本体1、燃料電池の燃料及び酸化剤ガスの入口及び出口の組成及び流量、運転圧力、負荷電流密度、燃料電池を構成する各セル毎のセル電圧、電池温度及び電解質補給量の経時変化を記録する記録装置2、及び記録されたデータを用いて電解質が蒸発及び腐食により損耗する量、セル電圧の経時変化予測、電解質損耗量と電解質補給量の差である電解質不足量及び電解質不足量を補給したときのセル電圧の予測を行う演算装置3で構成される。 演算結果をもとに運転条件の設定、
    電解質不足量の補給あるいは運転停止の決定を行う。 燃料電池本体1は、電解質基板、燃料極、又は酸素極に電解質を補給する機構を有する。 この電解質補給機構は既知のものであり、例えば特開平5−343086号公報に記載されているような、電解質補給孔を介して電解質補給通路から各単位セルに電解質を補給する機構とすることができる。

    【0029】図2は、本発明の溶融炭酸塩型燃料電池を用いて発電試験を行った結果を示す図である。 運転時間約7000hで性能低下率が大きくなり、この時点で電解質の不足量を補給することによりセル電圧が回復するとともに、性能低下率が運転時間約5000hまでの値とほぼ等しくなった。 燃料電池内の電解質量及び性能予測の方法について説明する。 補給する電解質量は、腐食及び蒸発による電解質損耗量に関するデータベースを用いて求めた。

    【0030】図3は、腐食による炭酸塩損耗量のデータベースの一例である。 腐食は放物線則に従って進行するため、時間の平方根に比例して損耗量が増大する。 図中の4は650℃での損耗量、5は600℃での損耗量、
    6は運転時間2500hまで650℃で運転したあと、
    600℃で運転した場合の損耗量である。 6は2500
    h以降では600℃で運転した場合と同じ傾きの直線となった。

    【0031】図4は、蒸発による炭酸塩損耗量のデータベースの一例である。 蒸発は直線則に従って進行するため、時間に比例して損耗量が増大する。 図中の7は65
    0℃での損耗量、8は600℃での損耗量、9は運転時間2500hまで650℃で運転したあと、600℃で運転した場合の損耗量である。 9は2500h以降では600℃で運転した場合と同じ傾きの直線となった。 ここでは、温度以外の運転条件を一定としているが、電流負荷量に応じて燃料ガス量を変化させると燃料ガス量にほぼ比例して蒸発速度が変化する。

    【0032】図2に示すように、運転時間7000hで補給を行ったところ、セル電圧が上昇して性能低下率も小さくなった。 このときのセル電圧上昇分の予測は図5
    に示す初期の細孔分布より求めた。 図5中の曲線10、
    11及び12はそれぞれ、カソード、アノード及び電解質基板の細孔分布である。 電解質は毛管力の強い小径の細孔に存在するので、例えば図5の斜線部のように存在する。 初期電解質量と図3及び図4のデータベースで求まる電解質損耗量の差よりセル内の電解質量が求まり、
    図5の細孔分布よりカソード、アノード及び電解質基板内のそれぞれの電解質量が求まる。

    【0033】図6及び図7は、650℃でのそれぞれ電極内電解質量と反応抵抗及び電解質基板内電解質量とイオン抵抗の関係を示すデータベースの一例である。 計算により、電解質の補給によって反応抵抗は図6の14から15に、イオン抵抗は図7の16から17になると求まる。 図2の電解質補給時のセル電圧上昇分は、図6及び図7の抵抗変化を前記〔数3〕に当てはめて求まられる値と一致した。 ここで、反応抵抗及びイオン抵抗はアルレニウス則に従う温度依存性を持つので、650℃以外での予測では温度補正を行う。

    【0034】図8は、腐食による電子抵抗増加のデータベースの一例である。 腐食は放物線則に従って進行するため、時間の平方根に比例して電子抵抗も増大する。 図中の18は650℃での電子抵抗、19は600℃での電子抵抗、20は運転時間2500hまで650℃で運転したあと、600℃で運転した場合の電子抵抗である。 20は2500h以降では600℃で運転した場合と同じ傾きの直線となった。

    【0035】本実施の形態の、セル電圧の予測の計算においては、「電気化学及び工業物理化学」電気化学会(1994年)、第62巻624ページに記載された内部短絡予測法に基づく計算も行ったが、本実施の形態の運転時間範囲は内部短絡発生時間より短く、燃料ガス出口の炭酸ガス濃度上昇も検知できなかった。 以上のデータベースより、上記〔数3〕を用いてセル電圧の予測を行うことができ、本発明の有効性を確認できた。 また、
    これらのデータベースはセルの大きさ、セパレータの構造、電極の細孔構造に依存し、これらのデータベースの内容は図示した特定の値に限定されるものではない。 また、図5の細孔分布関数を時間関数としてデータベース化することにより、電解質補給量及びセル電圧の予測の精度が向上する。 〔実施の形態2〕本発明による第2の実施の形態について説明する。 燃料電池の基本的な構成は実施の形態1と同様であり、図1に示される。

    【0036】本実施の形態では、記録装置2に500H
    z以上の交流で測定された交流抵抗を取り込む点が実施の形態1と異なる。 交流抵抗と図8の電子抵抗のデータベースの差からイオン抵抗が求められ、図7のデータベースより電解質基板内の電解質量が求められる。 また、
    直流抵抗と交流抵抗の差より反応抵抗が求まる。 電極内電解質量の設計値は反応抵抗が最小となる点であり、燃料電池運転時には電解質量は損耗するので、電極内電解質量と反応抵抗の関係のうち、反応抵抗の最小値より低電極内電解質量側のみに注目することにより、図6のデータベースの反応抵抗から電極内電解質量が唯1点求まる。

    【0037】電極内電解質量と電解質基板内電解質量の和が測定時点における電池内電解質量となり、設計時の電解質量と測定時点における電池内電解質量の差が電解質補給量となる。 図2の電池試験において交流抵抗の測定を行って電解質補給量を求めたところ、実施の形態1
    のデータベースによる値とほぼ等しい電解質補給量となり、本法の有効性を確認できた。 〔実施の形態3〕本発明による第3の実施の形態について説明する。 燃料電池の基本的な構成は実施の形態1と同様であり、図1に示される。

    【0038】本実施の形態は、負荷投入時に0.1ms
    以下の間隔で電圧測定を行った結果を記録装置2に取り込む点を特徴とする。 測定結果より電池電圧が一定になるまでの緩和時間を求め、図9の関係を用いて電極内電界質量を求める。 500Hz以上の交流で測定された交流抵抗と、図8に示した電子抵抗の時間変化に関するデータベースから求められる電子抵抗の差からイオン抵抗を求める。 そのイオン抵抗と、図7に示した電解質基板内電界質量とイオン抵抗の関係に関するデータベースとから電解質基板内の電界質量を求めることができる。 電極内電界質量と電解質基板内電界質量の和が測定時点における電池内電解質量となり、設計時の電解質量と測定時点における電池内電解質量の差が電解質補給量となる。

    【0039】図2の電池試験において交流抵抗の測定を行って電解質補給量を求めたところ、実施の形態1のデータベースによる値とほぼ等しい電解質補給量となり、
    本方法の有効性が確認された。 〔実施の形態4〕本発明により長時間運転を行った第4
    の実施の形態について説明する。 図10の21、22はそれぞれ、電解質量が適正値で運転したときの本発明による開路時及び150mA/cm 2負荷時のセル電圧の予測値、22、23はそれぞれ、開路時及び150mA
    /cm 2負荷時のセル電圧の実測値である。

    【0040】本実施の形態では、負荷時のセル電圧の予測値22と実測値24の差が0.03Vとなった時点で電解質補給量を計算して補給を行うことにより予測値のセル電圧に戻った。 運転時間約30000hより開路電圧21、23が低下した。 これは内部短絡が始まったためである。 その後、セル電圧予測値22とともに実測値24も急速に低下した。 この時点では電解質補給によりセル電圧の回復は見込めないため運転終了とした。

    【0041】

    【発明の効果】本発明によれば、電解質補給時の電解質量を定量的に求めることができ、適正な電解質量での長時間運転が可能となる。 また、セル電圧の予測が可能となり、運転計画の支援を行うことができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明による燃料電池の基本構成を示す図。

    【図2】本発明を用いて発電試験を行った結果の一例を示す図。

    【図3】腐食による炭酸塩消耗量のデータベースの一例を示す図。

    【図4】蒸発による炭酸塩消耗量のデータベースの一例を示す図。

    【図5】電極及び電解質基板の細孔分布の一例を示す図。

    【図6】電極内電解質量と反応抵抗の関係のデータベースの一例を示す図。

    【図7】電解質基板内電解質量とイオン抵抗の関係のデータベースの一例を示す図。

    【図8】電子抵抗のデータベースの一例を示す図。

    【図9】電極内電解質量と反応抵抗の緩和時間の関係のデータベースの一例を示す図。

    【図10】本発明を用いて長時間の発電試験を行った結果の一例を示す図。

    【符号の説明】

    1…燃料電池本体、2…記録装置、3…演算装置、4,
    5,6…腐食による炭酸塩消耗量のデータベースの例、
    7,8,9…蒸発による炭酸塩消耗量のデータベースの例、10,11,12…電極及び電解質基板の細孔分布の例、18,19,20…電子抵抗のデータベースの例。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山賀 賢史 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 加茂 友一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

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