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真空ポンプ

阅读:743发布:2024-02-09

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ポンプロータを回転駆動するモータと、 正弦波駆動指令を生成する正弦波駆動指令生成部と、 前記正弦波駆動指令に基づいてPWM駆動指令を生成するPWM駆動指令生成部と、 前記PWM駆動指令に基づいてオンオフ制御される複数のスイッチング素子を有し、前記複数のスイッチング素子のオンオフにより生成される駆動電流をモータに供給あるいは、モータから回生するインバータ回路と、 前記モータの逆起電圧情報を含む信号を検出して、前記モータの磁極電気および回転速度を推定する推定部と、 モータ始動時の加速動作あるいは停止時の減速動作の、停止状態から所定回転速度までの低速期間は、前記インバータ回路を介して電源から前記モータに供給あるいは、モータから電源へ回生される駆動電流の生成および遮断を繰り返し行わせる駆動電流制御部と、を備え、 回転速度が前記所定回転速度よりも小さく、回転速度ゼロを挟んだ所定の正逆回転速度範囲が予め設定され、 前記推定部は、前記低速期間においては、前記遮断時の前記信号を検出して前記磁極電気角および回転速度を推定し、推定した回転速度が前記正逆回転速度範囲にある場合には、推定した回転速度に代えて一定の回転速度値を出すると共に、該回転速度値を用いて磁極電気角を生成し、 前記正弦波駆動指令生成部は、回転を減速させる減速電流設定の正弦波駆動指令を生成する、真空ポンプ。請求項1に記載の真空ポンプにおいて、 前記駆動電流制御部は、前記低速期間において、前記PWM駆動指令に基づくオンオフ指令に基づく前記駆動電流の供給あるいは回生と、前記複数のスイッチング素子の全てをオフ状態にすることによる前記駆動電流の遮断とを繰り返し行わせ、 前記推定部は、前記低速期間においては、前記遮断時のモータ相電圧を前記信号として検出し、前記磁極電気角および回転速度を推定する、真空ポンプ。請求項1に記載の真空ポンプにおいて、 前記駆動電流制御部は、前記低速期間において、前記PWM駆動指令に基づくオンオフ指令に基づく前記駆動電流の供給あるいは回生と、前記モータの各相の電位を同一電位とする短絡制御による前記駆動電流の遮断とを繰り返し行わせ、 前記推定部は、前記低速期間においては、前記遮断時のモータ相電流を前記信号として検出し、前記磁極電気角および回転速度を推定する、真空ポンプ。請求項1乃至3のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、 前記遮断の期間はPWM周期よりも長く、 前記遮断は、前記遮断の期間における回転周期よりも短い繰り返し周期で繰り返し行われる、真空ポンプ。請求項1に記載の真空ポンプにおいて、 回転速度が前記所定回転速度よりも小さく、回転速度ゼロを挟んだ所定の正逆回転速度範囲が予め設定され、 前記ポンプロータを磁気浮上支持するラジアル磁気軸受およびアキシャル磁気軸受と、 前記ラジアル磁気軸受およびアキシャル磁気軸受を制御する磁気軸受制御部と、をさらに備え、 モータ始動時の回転速度が前記正逆回転速度範囲にある場合には、 前記インバータ回路によるモータ駆動は停止され、 前記磁気軸受制御部は、前記ラジアル磁気軸受の吸引力により前記ポンプロータをモータ正回転方向と逆方向に公転運動させるともにモータ正回転方向に自転運動させる、真空ポンプ。請求項1乃至5のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、 検出された前記逆起電圧情報を含む信号を増幅し、増幅ゲインが複数段で切り換え可能な増幅部と、 前記低速期間において、回転速度が小さいほど増幅ゲインが大きくなるように、前記増幅部の増幅ゲインを切り換えるゲイン切換部と、を備える、真空ポンプ。ポンプロータを回転駆動するモータと、 正弦波駆動指令を生成する正弦波駆動指令生成部と、 前記正弦波駆動指令に基づいてPWM駆動指令を生成するPWM駆動指令生成部と、 前記PWM駆動指令に基づいてオンオフ制御される複数のスイッチング素子を有し、前記複数のスイッチング素子のオンオフにより生成される駆動電流をモータに供給あるいは、モータから回生するインバータ回路と、 前記モータの逆起電圧情報を含む信号を検出して、前記モータの磁極電気角および回転速度を推定する推定部と、 モータ始動時の加速動作あるいは停止時の減速動作の、停止状態から所定回転速度までの低速期間は、前記インバータ回路を介して電源から前記モータに供給あるいは、モータから電源へ回生される駆動電流の生成および遮断を繰り返し行わせる駆動電流制御部と、を備え、 前記推定部は、前記低速期間においては、前記遮断時の前記信号を検出して前記磁極電気角および回転速度を推定し、 前記駆動電流制御部は、前記低速期間における前記繰り返し周期および前記遮断の期間を、前記モータの回転速度が大きくなるに従って短くなるように複数段階で切り換える、真空ポンプ。請求項7に記載の真空ポンプにおいて、 前記繰り返し周期をT1、前記遮断の期間をT2としたとき、 前記複数段階の各々における比(T2/T1)は、前記回転速度が大きな段階ほど小さく設定されている、真空ポンプ。請求項7または請求項8に記載の真空ポンプにおいて、 検出された前記逆起電圧情報を含む信号を増幅し、増幅ゲインが複数段で切り換え可能な増幅部と、 前記低速期間において、回転速度が小さいほど増幅ゲインが大きくなるように、前記増幅部の増幅ゲインを切り換えるゲイン切換部と、を備え、 前記増幅ゲインの切換段数と前記繰り返し周期および前記遮断の期間の切換段数とが同一とされ、かつ、前記増幅ゲインの切換時回転速度と前記繰り返し周期および前記遮断の期間の切換時回転速度とが同一とされる、真空ポンプ。

说明书全文

本発明は、例えばターボ分子ポンプのように、ロータをモータで回転駆動する真空ポンプに関する。

ターボ分子ポンプなどの軸流式真空ポンプは、真空排気するために動翼を有するロータを高速回転する。このような真空ポンプは、希薄ガスに対して圧縮仕事をしながら排気するので、ロータは一方向のみに回転させることになる。以下では、この回転方向を正回転と呼ぶことにする。従って、通常は、真空ポンプにおけるロータ回転は、静止〜正回転領域での加速および減速運転となる。

従来は、ロータを回転させるためのモータ駆動制御に必要な情報として、回転速度情報およびモータロータの磁極位置情報を、回転センサの検出信号に基づいて取得している。しかし、ロータに設けられたターゲット(段差を有する)をインダクタンス式のギャップセンサを一つ用いて検出する方式の真空ポンプでは、回転センサのみで回転方向を検知するのは困難である。

そのため、通常は、モータ駆動時(特に、逆回転の発生する可能性が比較的高い始動時)の制御シーケンスの工夫により対処している(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、制御シーケンスの工夫により対処する方法では、ロータを正回転させるまでの起動時間が長くかかるという欠点がある。

特許4692891号公報

ところで、上述のようなインダクタンス式ギャップセンサを回転センサに用いる方式とは別に、信頼性向上、コスト低減のために回転センサレス制御が提案されている。また、省エネルギーの観点からDCブラシレスモータが適用され、駆動方法として正弦波駆動が多く用いられている。そのような真空ポンプでは、モータロータに装着されている永久磁石の回転に伴う逆起電圧に基づいて磁極位置、回転速度を推定している。

通常、中高速回転速度域では、実際のモータ定数に近似した電気等価回路(電流、電圧関係を規定したもの)定数と、検知したモータ電流信号および電圧信号とから、逆起電圧を算出して磁極位置を求めている。逆起電圧は回転数に比例する電圧なので、モータ始動時のように低速回転領域では微弱な電圧値となる。一方、3相インバータの出電圧は、定格回転における逆起電圧と同等以上の電圧値(例えば、ターボ分子ポンプの場合には数十V)に設定されるのが一般的である。

従って、例えば、定格回転数が1000rpsの真空ポンプでは、始動開始直後となる1rpsにおける逆起電圧値は、定格時の逆起電圧値の1000分の1となり、数十mV程度である。数十V以上でオンオフを繰り返すPWM出力電圧から、このような微弱な逆起電圧を精度良く抽出することは非常に難しい。

本発明の好ましい実施形態による真空ポンプは、ポンプロータを回転駆動するモータと、正弦波駆動指令を生成する正弦波駆動指令生成部と、正弦波駆動指令に基づいてPWM駆動指令を生成するPWM駆動指令生成部と、PWM駆動指令に基づいてオンオフ制御される複数のスイッチング素子を有し、複数のスイッチング素子のオンオフにより生成される駆動電流をモータに供給あるいはモータから回生するインバータ回路と、モータの逆起電圧情報を含む信号を検出して、モータの磁極電気および回転速度を推定する推定部と、モータ始動動作時の停止状態から所定回転速度までの低速期間には、インバータ回路を介して、電源からモータに供給あるいは、逆にモータから電源へ回生される駆動電流の生成および遮断を繰り返し行わせる駆動電流制御部と、を備え、回転速度が所定回転速度よりも小さく、回転速度ゼロを挟んだ所定の正逆回転速度範囲が予め設定され、推定部は、低速期間においては、遮断時の前記信号を検出して前記磁極電気角および回転速度を推定し、推定した回転速度が正逆回転速度範囲にある場合には、推定した回転速度に代えて一定の回転速度値を出力すると共に、該回転速度値を用いて磁極電気角を生成し、正弦波駆動指令生成部は、回転を減速させる減速電流設定の正弦波駆動指令を生成する。 さらに好ましい実施形態では、駆動電流制御部は、前記領域において、PWM駆動指令に基づくオンオフ指令に基づく駆動電流の供給あるいは回生と、複数のスイッチング素子の全てをオフ状態にすることによる駆動電流の遮断とを繰り返し行わせ、推定部は、前記領域においては、遮断時のモータ相電圧を前記信号として検出し、磁極電気角および回転速度を推定する。 また、駆動電流制御部は、前記領域において、PWM駆動指令に基づくオンオフ指令に基づく駆動電流の供給あるいは回生と、モータの各相の電位を同一電位とする短絡制御による駆動電流の遮断とを繰り返し行わせ、推定部は、前記領域においては、遮断時のモータ相電流を前記信号として検出し、磁極電気角および回転速度を推定するようにしても良い。 さらに好ましい実施形態では、遮断の期間はPWM周期よりも長く、遮断は、遮断の期間における回転周期よりも短い繰り返し周期で繰り返し行われる。 さらに好ましい実施形態では、回転速度が所定回転速度よりも小さく、回転速度ゼロを挟んだ所定の正逆回転速度範囲が予め設定され、ポンプロータを磁気浮上支持するラジアル磁気軸受およびアキシャル磁気軸受と、ラジアル磁気軸受およびアキシャル磁気軸受を制御する磁気軸受制御部と、をさらに備え、モータ始動時の回転速度が正逆回転速度範囲にある場合には、インバータ回路によるモータ駆動は停止され、磁気軸受制御部は、ラジアル磁気軸受の吸引力によりポンプロータをモータ正回転方向と逆方向に公転運動させるともにモータ正回転方向に自転運動させる。 さらに好ましい実施形態では、検出された逆起電圧情報を含む信号を増幅し、増幅ゲインが複数段で切り換え可能な増幅部と、前記低速期間において、回転速度が小さいほど増幅ゲインが大きくなるように、増幅部の増幅ゲインを切り換えるゲイン切換部と、を備える。 本発明の好ましい実施形態による真空ポンプは、ポンプロータを回転駆動するモータと、正弦波駆動指令を生成する正弦波駆動指令生成部と、正弦波駆動指令に基づいてPWM駆動指令を生成するPWM駆動指令生成部と、PWM駆動指令に基づいてオンオフ制御される複数のスイッチング素子を有し、複数のスイッチング素子のオンオフにより生成される駆動電流をモータに供給あるいは、モータから回生するインバータ回路と、モータの逆起電圧情報を含む信号を検出して、モータの磁極電気角および回転速度を推定する推定部と、モータ始動時の加速動作あるいは停止時の減速動作の、停止状態から所定回転速度までの低速期間は、インバータ回路を介して電源からモータに供給あるいは、モータから電源へ回生される駆動電流の生成および遮断を繰り返し行わせる駆動電流制御部と、を備え、推定部は、低速期間においては、遮断時の前記信号を検出して磁極電気角および回転速度を推定し、駆動電流制御部は、前記低速期間における繰り返し周期および遮断の期間を、モータの回転速度が大きくなるに従って短くなるように複数段階で切り換える。 さらに好ましい実施形態では、繰り返し周期をT1、遮断の期間をT2としたとき、複数段階の各々における比(T2/T1)は、回転速度が大きな段階ほど小さく設定されている。 さらに好ましい実施形態では、検出された逆起電圧情報を含む信号を増幅し、増幅ゲインが複数段で切り換え可能な増幅部と、前記領域において、回転速度が小さいほど増幅ゲインが大きくなるように、増幅部の増幅ゲインを切り換えるゲイン切換部と、を備え、増幅ゲインの切換段数と繰り返し周期および遮断の期間の切換段数とが同一とされ、かつ、増幅ゲインの切換時回転速度と繰り返し周期および遮断の期間の切換時回転速度とが同一とされる。

本発明によれば、逆起電圧が微弱となる低速回転領域においても、回転速度および磁極電気角を精度良く推定することができる。

図1は、本実施の形態の真空ポンプにおけるポンプユニット1の構成を示す図である。

図2は、コントロールユニットの概略構成を示すブロック図である。

図3は、モータMに関するモータ駆動制御系を示す図である。

図4は、正弦波駆動制御部400を説明するブロック図である。

図5は、d軸およびq軸の方向を説明する図である。

図6は、回転速度・磁極位置推定部407の詳細を示す図である。

図7は、回転座標dq系における磁極位相ズレを説明する図である。

図8は、オープン区間設定の一例を示す図である。

図9は、オープン区間設定時のモータMの一相に流れる電流を示す図である。

図10は、ショート区間におけるPWM電圧波形の一例を示す図である。

図11は、ショート区間設定の一例を示す図である。

図12は、推定回転速度ωとIq設定との関係を示す図である。

図13は、軸方向から見た磁気軸受37の電磁石37x,37yとシャフト30aの位置を示す図である。

図14は、始動動作を説明する図であり、図13に続く動作を示す。

図15は、始動動作を説明する図であり、図14に続く動作を示す。

図16は、磁気軸受電磁石による強制回転駆動を行う場合の、推定回転速度ωとIq設定との関係を示す図である。

図17は、始動時にオープン区間T2を周期T1で繰り返した場合の加速動作例を示す図であり、回転抵抗が小さい場合を示す。

図18は、始動時にオープン区間T2を周期T1で繰り返した場合の加速動作例を示す図であり、回転抵抗が大きい場合を示す。

図19は、推定された磁極電気角θと実際の磁極電気角θrとの関係を示す図である。

図20は、T1,T2の変更の一例を示す図である。

図21は、第4の実施の形態における正弦波駆動制御部400を説明するブロック図である。

図22は、正弦波駆動制御部400を開ループ制御系とした場合の構成を示すブロック図である。

図23は、第5の実施の形態を示す図である。

図24は、加速可能条件を満たすT2/T1例を示す図である。

以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。 −第1の実施の形態− 図1は、本実施の形態の真空ポンプを説明する図である。図1に示す真空ポンプは磁気浮上式ターボ分子ポンプであって、図1ではターボ分子ポンプのポンプユニット1の構成を示している。ターボ分子ポンプは、図1に示すポンプユニット1と、ポンプユニット1を駆動するコントロールユニット(不図示)とを備えている。

ポンプユニット1は、回転翼4aと固定翼62とで構成されるターボポンプ段と、円筒部4bとネジステータ64とで構成されるドラッグポンプ段(ネジ溝ポンプ)とを有している。ここではネジステータ64側にネジ溝が形成されているが、円筒部4b側にネジ溝を形成しても構わない。回転側排気機能部である回転翼4aおよび円筒部4bはポンプロータ4に形成されている。ポンプロータ4はシャフト30aに締結されている。ポンプロータ4とシャフト30aとによって回転体ユニットRが構成される。

ポンプロータ4の外周の一周にわたって複数のタービン翼を形成することにより、一段分の回転翼が構成される。ポンプロータ4には、その一段分の回転翼が軸方向に複数団形成されている。複数段の固定翼62は、軸方向に対して回転翼4aと交互に配置されている。各固定翼62は、スペーサリング63を介してベース60上に載置される。ポンプケーシング61の固定フランジ61cをボルトによりベース60に固定すると、積層されたスペーサリング63がベース60とポンプケーシング61の係止部61bとの間に挟持され、固定翼62が位置決めされる。

シャフト30aは、ベース60に設けられたラジアル磁気軸受37,38およびアキシャル磁気軸受39によって非接触支持される。各磁気軸受37,38,39は電磁石と変位センサとを備えている。変位センサによりシャフト30aの浮上位置が検出される。なお、アキシャル磁気軸受39を構成する電磁石は、シャフト30aの下端に設けられたロータディスク55を軸方向に挟むように配置されている。シャフト30aはモータMにより回転駆動される。

モータMは同期モータであって、例えば、永久磁石同期モータが用いられる。モータMは、ベース60に配置されるモータステータ10と、シャフト30aに設けられるモータロータ11とを有している。モータロータ11には、永久磁石が設けられている。磁気軸受が作動していない時には、シャフト30aは非常用のメカニカルベアリング26a,26bによって支持される。

ベース60の排気口60aには排気ポート65が設けられ、この排気ポート65にバックポンプが接続される。回転体ユニットRを磁気浮上させつつモータMにより高速回転駆動することにより、吸気口61a側の気体分子は排気ポート65側へと排気される。

図2は、コントロールユニットの概略構成を示すブロック図である。外部からのAC入力は、コントロールユニットに設けられたAC/DCコンバータ40によってDC出力(DC電圧)に変換される。AC/DCコンバータ40から出力されたDC電圧はDC/DCコンバータ41に入力され、DC/DCコンバータ41によって、モータM用のDC電圧と磁気軸受用のDC電圧とが生成される。

モータM用のDC電圧はインバータ43に入力される。モータMの回転駆動状態において、加速駆動時には、DC/DCコンバータ(DC電源)41で生成された電力によりインバータ43を介してモータMへ駆動電流が供給される。一方、減速駆動時には、モータロータの回転エネルギが変換された電力により、モータMからインバータ43を介して駆動電流が回生され、DC/DCコンバータ(DC電源)41へ電力が戻される。なお、電力を戻されるDC/DCコンバータ(DC電源)41は、出力電圧を一定に保つ能力を有している。磁気軸受用のDC電圧は磁気軸受用のDC電源42に入力される。磁気軸受37,38,39は5軸磁気軸受を構成しており、磁気軸受37,38は各々2対の電磁石46を有し、磁気軸受39は1対の電磁石46を有している。5対の電磁石46、すなわち10個の電磁石46には、それぞれに対して設けられた10個の励磁アンプ45から個別に電流が供給される。

モータMの駆動および磁気軸受の駆動を制御する制御部44は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のディジタル演算器とその周辺回路により構成される。制御部44は、インバータ43に対しては、インバータ43に含まれる複数のスイッチング素子をオンオフ制御するためのPWM制御信号441を出力し、各励磁アンプ45に対しては、各励磁アンプ45に含まれるスイッチング素子をオンオフ制御するためのPWM制御信号442をそれぞれ出力する。また、制御部44には、後述するようにモータMに関する信号(相電圧や相電流に関する信号)443が入力される。また、磁気軸受に関する信号(励磁電流信号や変位信号)444が入力される。

図3は、モータMに関するモータ駆動制御系を示す図である。モータ駆動制御系は、正弦波駆動制御部400およびインバータ43を有する。インバータ43は、複数のスイッチング素子SW1〜SW6と、スイッチング素子SW1〜SW6をオンオフ駆動するためのゲートドライブ回路4300とを備えている。スイッチング素子SW1〜SW6には、MOSFET やIGBT などのパワー半導体素子が用いられる。なお、スイッチング素子SW1〜SW6の各々には、環流ダイオードD1〜D6が並列接続されている。

モータステータ10のU,V,W相コイルに流れる電流は電流検知部50によってそれぞれ検出され、検出結果としての電流検知信号はローパスフィルタ409を介して制御部44の正弦波駆動制御部400に入力される。また、U,V,W相コイルの各端子および中性点の電圧は電圧検知部51によって検出され、検出結果としての電圧検知信号はローパスフィルタ410を介して正弦波駆動制御部400に入力される。

正弦波駆動制御部400は、ローパスフィルタ409、410でノイズ除去された電流検知信号および電圧検知信号に基づいて、スイッチング素子SW1〜SW6をオンオフ制御するためのPWM制御信号を生成する。ゲートドライブ回路4300は、PWM制御信号に基づいてゲート駆動信号を生成し、スイッチング素子SW1〜SW6をオンオフする。これにより、正弦波変調されPWM化された電圧が、U,V,W相コイルにそれぞれ印加される。

本実施の形態では、モータ電流検知信号およびモータ電圧検知信号に基づいて回転速度、磁極位置を推定している。なお、本実施の形態のように、モータロータ11の回転位置を検出する回転センサを有しないセンサレスのモータの場合には、モータ電流検知信号およびモータ電圧検知信号に基づいて回転速度、磁極位置を推定するのが一般的である。

(正弦波駆動制御部400の説明) 図4は、正弦波駆動制御部400を説明するブロック図である。図3においても説明したが、モータMに流れる3相電流は電流検知部50により検出され、検出された電流検知信号はローパスフィルタ409に入力される。一方、モータMの3相電圧は電圧検知部51により検出され、検出された電圧検知信号はローパスフィルタ410に入力される。

ローパスフィルタ409を通過した電流検知信号およびローパスフィルタ410を通過した電圧検知信号は、それぞれ回転速度・磁極位置推定部407に入力される。詳細は後述するが、回転速度・磁極位置推定部407は、電流検知信号および電圧検知信号に基づいて、モータMの回転速度ωおよび磁極位置(電気角θ)を推定する。なお、磁極位置は電気角θで表されるので、以下では、磁極位置のことを磁極電気角θと呼ぶことにする。回転速度・磁極位置推定部407は、推定されたωの値に応じて、回転速度ωsおよび磁極電気角θsを出力する。回転速度ωsは、速度制御部401,Id・Iq設定部402,等価回路電圧変換部403および測定区間信号生成部408に入力される。磁極電気角θsは、dq−2相電圧変換部404に入力される。

なお、本実施の形態では、推定された回転速度ωおよび磁極電気角θがそのまま回転速度ωsおよび磁極電気角θsとして(ωs=ω、θs=θ)出力されるが、後述する第2の実施の形態等においては、推定された回転速度ωに応じて出力される回転速度ωsおよび磁極電気角θsが異なる。そのため、第1の実施の形態においても、推定された回転速度ωおよび磁極電気角θと出力される回転速度ωsおよび磁極電気角θsとを区別して表すことにする。

速度制御部401は、入力された目標回転速度ωiと回転速度・磁極位置推定部407から出力された現在の回転速度ωsとの差分に基づいて、PI 制御(比例制御および積分制御)あるいはP制御(比例制御)を行い、電流指令Iを出力する。詳細は後述するが、Id・Iq設定部402は、電流指令Iおよび回転速度ωsに基づき、回転座標dq系における電流指令Id,Iqを設定する。図5に示すように、回転座標dq系のd軸は、回転しているモータロータ11のN極を正方向とする座標軸である。q軸はd軸に対して90度進みの直角方向の座標軸で、その向きは正回転時の逆起電圧方向となる。

等価回路電圧変換部403は、モータMの電気等価回路定数および回転速度・磁極位置推定部407から入力された回転速度ωsに基づく次式(1)を用いて、電流指令Id,Iqを回転座標dq系における電圧指令Vd,Vqに変換する。なお、等価回路はモータコイルの抵抗成分rおよびインダクタンス成分Lに分けられる。r、Lの値はモータ仕様等から得られ、予め記憶部(不図示)に記憶されている。

dq-2相電圧変換部404は、変換後の電圧指令Vd,Vqと回転速度・磁極位置推定部407から入力された磁極電気角θsとに基づいて、回転座標dq系における電圧指令Vd,Vqを固定座標αβ系の電圧指令Vα,Vβに変換する。2相-3相電圧変換部405は、2相の電圧指令Vα,Vβを3相電圧指令Vu,Vv,Vwに変換する。PWM信号生成部406は、3相電圧指令Vu,Vv,Vwに基づいて、インバータ43に設けられた6つのスイッチング素子SW1〜SW6をオンオフ(導通または遮断)するためのPWM制御信号を生成する。インバータ43は、PWM信号生成部406から入力されたPWM制御信号に基づいてスイッチング素子SW1〜SW6をオンオフし、モータMに駆動電圧を印加する。

(回転速度・磁極位置推定部407の説明) 図6は、回転速度・磁極位置推定部407の詳細を示す図である。電圧検知部51から出力された相電圧検知信号vv,vu,vwは、ローパスフィルタ410を介して3相-2相変換部4072に入力される。3相-2相変換部4072は3相の電圧信号を2相の電圧信号vα’,vβ’に変換する。変換後の電圧信号vα’,vβ’は逆起電圧演算部4074に入力される。

一方、電流検知部50から出力された相電流検知信号iv,iu,iwは、ローパスフィルタ409を介して3相-2相変換部4071に入力される。3相-2相変換部4071は、3相の電流検知信号iv,iu,iwを2相の電流信号iα,iβに変換する。変換後の電流信号iα,iβは等価回路電圧変換部4073に入力される。

等価回路電圧変換部4073は、モータMの電気等価回路定数に基づく次式(2)を用いて、電流信号iα,iβを電圧信号vα,vβに変換する。変換後の電圧信号vα,vβは逆起電圧演算部4074に入力される。なお、等価回路はモータコイルの抵抗成分rおよびインダクタンス成分Lに分けられる。r、Lの値はモータ仕様等から得られ、予め記憶部(不図示)に記憶されている。

逆起電圧演算部4074は、モータ3相電圧に基づく電圧信号vα’,vβ’とモータ3相電流に基づく電圧信号vα,vβとに基づいて、次式(3)を用いて逆起電圧Eα,Eβを算出する。そして、後述するように、回転速度・磁極位置推定部407は、逆起電圧演算部4074で算出された逆起電圧Eα,Eβに基づいて、回転速度ωおよび磁極電気角θを推定する。

本実施の形態では、逆起電圧演算部4074で逆起電圧Eα,Eβを算出した後、後述するように逆起電圧Eα,Eβに基づいて回転速度ωと磁極位相ズレ補正量Δφとを算出し、それらから磁極電気角θを推定するようにしている。

回転速度ωは、磁極電気角θの周期性に関係する量である。一方、磁極位相ズレ補正量Δφは、実際の磁気電気角θrと推定した磁極電気角θとの間の位相ズレに関係する量である。そして、算出された回転速度ω(ω=ωs)と磁極位相ズレ補正量Δφとから、θ=∫(ωs)dt+Δφにより磁極電気角θ(=θs)を算出するようにした。

まず、磁極位相ズレ補正量Δφの演算について説明する。モータロータ11の回転速度は、ロータ回転慣性により回転1周期内で急激に変化することはなく、少なくとも数周期にかけてゆっくりと変化し、定常応答とみなすことができる。そこで、2相-dq電圧変換部4075は、式(4)に示す変換により、入力された逆起電圧(Eα,Eβ)を回転座標dq系における逆起電圧(Ed,Eq)に変換する。なお、式(4)におけるθsには、所定時間間隔T(上述した制御サンプリングタイミングの間隔)で行われる演算において前回の演算タイミングで算出された磁極電気角θsがフィードバックされる。

ここで、複素表示を用いて座標変換を考えると次のようになる。逆起電圧(Eα,Eβ)のα成分Eαおよびβ成分Eβは、ωs>0の場合、E×exp(j(θr+π/2))の実部および虚部に対応している。また、ωs<0の場合には、EαおよびEβは、E×exp(j(θr−π/2))の実部および虚部に対応している。Eは逆起電圧の大きさで、θrは実際の磁極電気角である。

これに対して、推定された磁極電気角θ(=θs)を適用した2相-dq座標変換は、複素表示された逆起電圧にexp(−jθs)を乗算することで表される。従って、2相-dq座標変換後の逆起電圧(Ed,Eq)は、ωs>0の場合にはE×exp(j(θr+π/2−θs))の実部および虚部で表される。ωs<0の場合には、E×exp(j(θr−π/2−θs))の実部および虚部で表される。

位相角演算部4076は、回転座標dq系における逆起電圧(Ed,Eq)のベクトル位相角Ψを、4象限表現の逆正接関数を適用して、Ψ=tan−1(Eq/Ed)により算出する。ωs>0の場合の位相角ΨはΨ=θr+π/2−θsとなり、ωs<0の場合にはΨ=θr−π/2−θsとなる。図7は、回転座標dq系における磁極位相ズレを説明する図であり、(a)は正回転(ωs>0)の場合を示し、(b)は逆回転(ωs<0)の場合を示している。従って、推定される磁極電気角θsを実際の磁極電気角θrに収束させる場合、ωs>0の場合にはΨ−π/2がゼロに収束するように制御し、ωs<0の場合にはΨ+π/2がゼロに収束するように制御する。

補正量Δφ演算部4077では、上述した磁極位相ズレを補正するための磁極位相ズレ補正量Δφを演算する。すなわち、正回転の場合にはΨ−π/2がゼロに収束するように、逆回転の場合にはΨ+π/2がゼロに収束するように磁極位相ズレ補正量Δφを推定磁極電気角へ加算補正する制御を行う。

ωs>0の場合の、磁極位相ズレ補正量Δφは、式(5)に示すように、Ψ−π/2(rad)の値(正負の変化の大きさ)に基づいて適当なゲインg1(比例制御のゲインまたは比例制御・積分制御のゲイン)を乗じて生成される。式(5)によれば、図7(a)のようにΨ−π/2<0(すなわちθr<θ)の場合には、Δφ<0となる。すなわち、実際の磁極電気角θrよりも進み位相になっている磁極電気角θをθrに近づけることになる。 Δφ=g1×(Ψ−π/2) :Ψ−π/2≠0の場合 Δφ=0 :Ψ−π/2=0の場合 …(5)

ωs<0の場合の、磁極位相ズレ補正量Δφは、式(6)のように設定される。例えば、図7(b)に示す場合にはΨ+π/2>0(すなわちθr>θs)なので、Δφ>0となり、実際の磁極電気角θrよりも遅れ位相になっている磁極電気角θsをθrに近づけることになる。 Δφ=g1×(Ψ+π/2) :Ψ+π/2≠0の場合 Δφ=0 :Ψ+π/2=0の場合 …(6)

一方、上述した磁極位相ズレ補正量Δφの演算とは別に、回転速演算部4078において回転速度ω(=ωs)の推定演算が行われる。回転速演算部4078の2相-dq電圧変換部4110は、逆起電圧演算部4074から入力された逆起電圧(Eα,Eβ)と、符号反転部4116から出力された電気角θmとに基づいて、次式(7)により回転座標dq系における逆起電圧(Emd,Emq)を算出する。ここで用いられる電気角θmは、2相-dq電圧変換部4075で用いられる磁極電気角θとは異なり、符号反転部4116において推定磁極電気角θsに(−1)を乗算したものである。

次いで、位相角演算部4111は、次式(8)により位相角Ψmを算出する。上述したように、固定座標αβ系においては、逆起電圧ベクトル(Eα,Eβ)は回転速度ω(=ωs)で回転している。一方、回転座標dq系においては、推定される回転速度ω(=ωs)が実際の回転速度ωrに収束していれば、磁極電気角θmを用いて2相-dq電圧変換された逆起電圧(Emd,Emq)の位相Ψmは一定値となる。逆に、収束していなければ位相Ψmは変化する。

差分演算部4113は、位相Ψmの差分ΔΨmを演算する。この場合、制御サンプリング時間Tで繰り返し演算が行われているときの、今回算出された現在の位相角Ψmと、Tの自然数倍の所定時間T1毎に算出された位相角Ψmを過去(前回)の位相角として予め記憶しておき、現在の位相角から過去(前回)の位相角との差ΔΨmを演算する。一方、差分演算部4114では、位相角演算部4076から出力される位相角Ψを用いて、差分ΔΨを演算する。なお、差分演算に代えて微分演算を行うようにしても良い。

上述したように、Ψの値は、ωs>0の場合にはΨ=θr+π/2−θsとなり、ωs<0の場合にはΨ=θr−π/2−θsとなる。しかし、所定時間T1間で差分ΔΨを取ると、回転方向(ωsの正負)には関係なく、ΔΨ=Δθr−Δθs=(ωr−ωs)T1と表される。同様に、Ψmの場合には、ΔΨm=Δθr−Δθm=Δθr+Δθs=(ωr+ωs)T1と表される。

差分演算部4113から出力された差分ΔΨmと、差分演算部4114から出力された差分ΔΨとを加算点で加算すると、ΔΨ+ΔΨm=2ωr・T1となる。ω生成部4115では、入力されたΔΨm+ΔΨ=2ωr・Tに0.5を乗算し、さらに時間T1で除算することにより回転速度ωを推定する。本実施の形態では、推定された回転速度ωは回転速度ωsとしてω生成部4115から出力される。ω生成部4115から出力された回転速度ωsは、積分演算部4079、補正量ΔΦ演算部4077および等価回路電圧変換部4073に入力されるとともに、回転速度・磁極位置推定部407から出力される。

次いで、積分演算部4079では、回転速度ωsの積分値が演算される。上述の制御サンプリング時間Tを用いてこの積分値を表すと、積分値(次回)=積分値(現在値)+ωs×Tのように表される。そして、この積分値と補正量Δφ演算部4077で算出された磁極位相ズレ補正量Δφとの和(次式(9))を、今回の制御タイミングから時間Tが経過した次回に制御タイミングにおける磁極電気角θsとして、2相-dq電圧変換部4075に入力するとともに、回転速度・磁極位置推定部407から出力する。 θs(次回)=積分値(次回)+Δφ …(9)

上述のように、ω生成部4115では、(ΔΨm+ΔΨ)/2T=ωrのように実回転速度ωrを抽出するような処理となっている。ただし、実際にはΔΨmおよびΔΨには誤差が含まれているので必ずしもωrと一致するわけではない。しかしながら、このように、実回転速度ωrが抽出されるような処理となっているので、回転速度ωsおよびその積分値∫(ωs)dtをより精度良く推定することができる。このことは、回転速度が小さい場合や、制御サンプリング間隔Tが長く設定されている場合に、特に有効である。

(低速回転領域における制御について) ところで、上述した逆起電圧算出に関する式(3)は、比較的電流、電圧の振幅の時間的な変動が小さい、定常応答と見なせる場合に成立する式であるが、通常の運転では、上記変動が十分に小さいとみなせるので適用可能である。電圧ベクトル(Eα,Eβ)の大きさE(=√ (Eα ^2+Eβ ^2))は回転数に比例する電圧で、超低速の回転領域(例えばモータ始動時)では微弱な電圧値となる。一方、インバータ43の出力電圧は、通常、PWM出力であるが、この電圧値は、定格回転における逆起電圧と同等以上の電圧値(ターボ分子ポンプの一例として、数十V)である。

従って、例えば、定格回転数が1000rpsの回転機械(真空ポンプなど)で始動開始直後の1rps程度における逆起電圧値は、定格回転時の逆起電圧値の1000分の1となり、数十mV程度となる。そのため、数十V以上でオンオフを繰り返すPWM出力電圧から、始動時における数十mV値の微弱な逆起電圧成分を精度良く抽出することは、ローパスフィルタを適用しても非常に難しい。以下に説明するように、本発明は、上述のような微弱な逆起電圧を精度良く測定し、かつ、その測定結果に基づいて速やかにモータを始動開始できるようにしたものである。

先ず、逆起電圧が微弱な回転領域における逆起電圧の検出方法について説明する。式(3)を用いた従来の検出制御において、逆起電圧が検出可能な回転速度の下限値をω1(ω1>0)とする。すなわち、従来の方法では、正回転および逆回転に関係なく、回転速度ωsが−ω1<ωs<+ω1である場合には正確な逆起電圧を求めることが難しい。以下では、この回転速度範囲(−ω1<ωs<+ω1)を低速回転領域と呼ぶことにする。この低速回転領域においては、図4の測定区間信号生成部408からの信号に基づいて以下のような逆起電圧測定動作を行う。

測定区間信号生成部408は、回転速度・磁極位置推定部407から出力された回転速度ωsが低速回転領域であった場合には、図3に示したインバータ43の3相のハイサイドおよびローサイドの全スイッチング素子SW1〜SW6をオフして、インバータ43とモータMとの接続を遮断し、モータMに発生する逆起電圧のみを検知できるようにする。すなわち、モータMとインバータ43との間が遮断されるオープン区間では、モータ相電流は流れず、式(3)におけるiαおよびiβはiα=iβ=0となる。その結果、式(3)は次式(10)のようになる。

すなわち、検出された3相の相電圧検知信号vv,vu,vwを3相-2相変換して得られた2相の電圧信号vα’,vβ’に基づいて、逆起電圧Eα,Eβが得られる。オープン区間においてはモータMにインバータ43からのPWM駆動電圧が印加されないので、式(10)は、超低速回転時における微弱な逆起電圧をそのまま検出できることを示している。

図8は、オープン区間設定の一例を示す図である。図8(a)において、横軸は時間を示し、縦軸はインバータ43による電圧印加状態を示している。電圧印加状態における「PWM駆動印加」と示す状態は、図4の2相-3相電圧変換部405からの3相電圧指令Vu,Vv,Vwに基づくPWM制御信号によって、スイッチング素子SW1〜SW6がオンオフ駆動されている通常の状態を示している。一方、「遮断」と示す状態は、スイッチング素子SW1〜SW6の全てがオフされた状態を示す。符号T2で示すオープン区間では、遮断状態とされる。一方、(T1−T2)期間のPWM電圧印加区間では、通常のPWM駆動印加状態とされる。

すなわち、回転速度ωsが低速回転領域(−ω1<ωs<+ω1)であって、図4の測定区間信号生成部408から図8(a)に示すような指令がPWM信号生成部406に入力されると、PWM信号生成部406は、PWM電圧印加区間(T1−T2)においては2相-3相電圧変換部405からの3相電圧指令Vu,Vv,Vwに基づいてPWM制御信号を生成し、オープン区間T2においては、スイッチング素子SW1〜SW6の全てをオフとする制御信号が生成される。

図8(b)は、PWM電圧印加区間およびオープン区間において検出される相電圧を模式的に示す図である。PWM電圧印加区間では、インバータ43により印加されるPWM変調矩形波電圧に逆起電圧が重畳された電圧が検出されるが、オープン区間T2においては、正弦波状に変化する逆起電圧のみが検出される。よって、このオープン区間T2において電圧検出が行われる。図8(b)の黒丸が検出タイミングを示している。オープン区間T2における電圧検出は、少なくとも1点行えば良い。また、FPGAなどの演算素子の処理能力にも依るが、同一のオープン区間T2内にて複数点検知して平均化しても良い。

図9は、図8(a)の指令が測定区間信号生成部408から出力された場合における、モータMの一相に流れる電流を示す図である。相電流は、オープン区間T2ではゼロとなり、PWM電圧印加区間(T1−T2)においてのみ電流が流れる。

ところで、本実施の形態のように微弱逆起電圧情報を得るためにオープン区間T2を設けると、オープン区間T2を設けた分だけ、インバータ43によるモータ駆動励磁の期間(T1−T2)が短くなり、モータ始動時における始動開始時間(回転速度がゼロから+ω1に上昇するまでの時間)が長くなることになる。逆に、始動開始時間の延長を抑えるためにオープン区間T2を短くしすぎると、オープン区間T2の電圧検出時の電圧に、遮断直前のPWM駆動の影響による過渡応答が含まれるおそれがあり、過渡応答の影響による逆起電圧の検出誤差が大きくなってしまう。この誤差を低減するためには、PWMキャリア周期Tpwmに比べて十分な時間が経過した後に電圧検出を行う必要がある。

例えば、オープン区間T2における遮断状態の継続時間をT2、オープン区間の繰り返し周期をT1としたとき、Tpwm≪T2

図8の例では、PWMキャリア周期Tpwm=50μs、繰り返し周期T1=20ms、オープン区間の継続時間T2=4msとした。図8(b)のように電圧検出を行う場合、オープン区間の繰り返し周期T1は電圧データのサンプリング周期でもある。この場合、サンプリング周期は20msであるが、これは中高速回転時における電圧データサンプリング周期よりも非常に長い。ちなみに、中高速域のサンプリング周期は20μs程度である。しかしながら、モータ回転も超低速回転であるため、サンプリング周期が20msであっても何ら問題ない。また、過渡応答の影響を避けるためのオープン区間T2内における電圧検出タイミングとしては、オープン区間T2の後半、例えば、オープン区間T2(4ms)の終了時点から1ms以内で電圧検出を行うようにすれば良い。

上述した実施の形態では、図8に示すようにオープン区間T2を設けて、そのオープン区間において検出される電圧情報を用いて、式(10)により逆起電圧を算出するようにしたが、モータMをショート状態にして得られる電流情報に基づいて逆起電圧を算出するようにしても良い。オープン区間を設ける代わりに、モータ3相配線を短絡(ショート)状態にできれば、モータMヘのインバータ43からの駆動電圧の影響を無くすことができる。この状態は、図4の測定区間信号生成408からの信号に基づいて以下のように短絡制御することで可能になる。

測定区間信号生成部408は、回転速度・磁極位置推定部407から出力された回転速度ωsが低速回転領域であった場合には、図3に示したインバータ43の3相のハイサイドのスイッチング素子SW1〜SW3のみを導通(オン)させる、あるいはローサイドのスイッチング素子SW4〜SW6のみを導通(オン)させることで、インバータ43とモータMとの接続を遮断するとともに、モータMの3相配線を短絡(ショート)し、モータMに発生する逆起電圧のみを検知できるようにする。

また、上記以外でも以下のように短絡制御することでも可能になる。PWM駆動においては、モータMに印加される電圧はH/Lの矩形波電圧であり、この場合においてショートに相当するのは、3相電圧の全てが、同一デューティで、かつ、H状態およびL状態が同期している場合である。特に、正弦波駆動の場合には、図10に示すようにデューティ50%で駆動される場合である。この場合は、3相ともH(電源電圧)になる区間では、インバータ43のハイサイドにてモータ3相配線が接続され、3相ともL(GND)になる区間では、インバータのローサイドにてモータ3相配線が接続される。この場合、PWMキャリアの半周期ごとに3相の各電位が同時に変化し、三相の接続がショート状態となる。

すなわち、モータMの3相配線がインバータ43のスイッチング素子SW1〜SW6の開閉により短絡状態とされるショート区間では、モータ相電圧は立たたずVα=Vβ=0となる。この場合、低速回転のため、電気等価回路におけるリアクタンス成分は無視できて抵抗成分のみと考えることができ、上述した式(3)は、次式(11)のようになる。

ショート区間においては、電流検知部50により相電流検知信号iv,iu,iwを検出し、それを2相の電流信号iα,iβに変換し、式(11)に示すように、電流信号iα,iβの各々を(−r)倍することで、逆起電圧Eα 、Eβ が求められる。ショート区間においては、インバータ43からのPWM駆動電圧が印加されないので、インバータ43からの電流流入は無く、低速回転時の微弱な逆起電圧のみに起因する微弱電流が検出される。その結果、式(11)から、逆起電圧が検出できることになる。

図11は、ショート区間設定の一例を示す図であり、図8に示したオープン区間の場合と同様のものである(Tpwm=50μs、T1=20ms、T2=4ms)。ショートの場合には、インバータ電圧印加状態は、PWM駆動印加状態と、短絡状態(デューティ50%固定の場合)とのいずれかを取る。T2はショート区間の継続時間であり、T1はショート区間の繰り返し周期である。図11(b)は相電流を示している。ショート区間においては、逆起電圧のみによる正弦波状の相電流となり、黒丸で示すタイミングにおいて電流検出が行われる。一方、PWM駆動印加区間では、印加電圧および逆起電圧による相電流が流れる。

ショート区間で電流を検出する場合も、ショート区間の繰り返し周期T1、ショート区間の継続時間T2、T2における検出タイミングは、オープン区間で電圧を検出する場合と同様に設定される。ただし、図10に示したショート区間の一例においてはPWMデューティ50%で駆動させるため、図10のように、PWMキャリア周期Tpwmの半周期に1回、モータ動力3線の電位がHとLとの間で変化する。そのため、電位変化タイミングから極力時間をおく観点から、検出タイミングは、継続時間T2の終了間際で、かつ、PWMキャリア周期レベルのL終了間際であることが望ましい。代表例としてはL状態が終了する時点から遡って10μs以内が好ましい。

本実施の形態では、低速回転領域においてオープン区間またはショート区間を繰り返し生成して、その区間においてモータMの3相電圧または3相電流を検出することで、微弱な信号である逆起電圧情報のみが検出されるような構成とした。その結果、逆起電圧情報を精度良く検出することができ、逆起電圧情報に基づく回転速度および磁極電気角の推定を高精度に行うことができる。

−第2の実施の形態− 上述した第1の実施の形態では、回転数が数十rps以下(例えば、30rps以下)という低速回転領域(ω<ω1の領域)において、回転速度ωおよび磁極電気角θを高精度に推定するために、上述したようなオープン区間やショート区間を設けて微弱信号(電圧、あるいは電流)を検出するようにした。しかしながら、このような測定を行っても、回転速度が極限的にゼロ(ロータ停止)に近い場合には、推定誤差が大きくなるのを避けることができない。

そこで、第2の実施の形態では、推定誤差が大きくなるロータ停止近傍の所定の回転数区間を予め強制区間(−ωO≦ω≦+ωO)として設定し、推定した回転速度ωの値がこの強制区間内にある場合は、正回転化を促進すべく以下に説明するような手段を適用する。なお、ωOとしては、第1の実施の形態の方法で回転速度ωが推定可能な閾値とする。例えば、0.5〜1rps程度に設定される。

第2の実施の形態では、回転速度・磁極位置推定部407における回転速度ωs,磁極電気角θs、Id・Iq設定部402におけるIdおよびIqは、下記のように設定される。測定区間信号生成部408の処理は、推定された回転速度ωの値に関係なく第1の実施の形態の場合と同様の処理が行われる。 (a)回転速度ωs(出力される回転速度)の設定 ω<−ωO ・・・ ωs=ω(推定回転速度) −ωO≦ω≦+ωO ・・・ ωs=ω2(所定の正の固定値) +ωO<ω ・・・ ωs=ω(推定回転速度) (b)磁極電気角θs(出力される磁極電気角)の設定 ω<−ωO ・・・ θs=θ(推定磁極電気角) −ωO≦ω≦+ωO ・・・ θs=∫(ω2)dt +ωO<ω ・・・ θs=θ(推定磁極電気角) (c)Id=0とし、Iqは下記のように設定 ω<−ωO ・・・ Iq<0に設定(常に減速駆動) −ωO≦ω≦+ωO ・・・ Iq<0に設定(駆動方向は不定) +ωO<ω ・・・ Iq<0に設定(減速指令の場合) Iq>0に設定(加速指令の場合)

(+ωO<ωの場合) 回転速度・磁極位置推定部407で推定された回転速度ωがこの範囲である場合には、回転速度・磁極位置推定部407はこの推定されたωを回転速度ωsとして出力し、推定されたθを磁極電気角θsとして出力する。この場合、正回転(+ωO<ω)と推定されているので、Id・Iq設定部402は、減速指令の場合には回転速度が低下するようにIq<0に設定する。逆に、加速指令の場合には、回転速度が上昇するようにIq>0に設定する。

(−ωO≦ω≦+ωOの場合) 回転速度ωが強制区間(−ωO≦ω≦+ωO)である場合には、誤差が大きいので推定値の信頼性が非常に低く、正しい推定を行うのは不可能である。そのため、推定された回転速度ωに基づいて電流を設定した場合、モータ回転速度が−ωO≦ω≦+ωOに停留してしまうおそれがある。そこで、本実施の形態では、推定値ωには関係なく、予め決めた一定の回転速度ω2で強制的に回転磁界を形成し、モータ回転方向が正回転・逆回転のいずれであっても、強制区間(−ωO≦ω≦+ωO)から逆起電圧に基づく推定が可能な強制区間外へと速やかに移行させるようにした。

そのために、回転速度・磁極位置推定部407は、推定された回転速度ωの代わりに一定の値ω2(ω2>0)を回転速度として出力する。すなわち、図6のω生成部4115では、入力されたΔΨm+ΔΨ=2ωr・Tに0.5を乗算し、さらに時間T1で除算することにより回転速度ωを推定するが、推定されたωが−ωO≦ω≦+ωOであった場合には、回転速度ωsとしてω2を出力する。

この場合、モータロータの磁極位置は不定であり、この状況で始動トルクを確実に作用させるには、モータステータが発生する回転磁界の位相が適切な位置(モータロータN極より90°進んだ位相)に存在する時間を十分に確保するのが好ましい。そのような観点で、ゆっくりと位相位置を変化させるために、通常、ω2はω0よりも小さい値に設定するのが効果的である。例えば、ωO=2π・0.5[rad/S]の場合には、ω2=2π・0.25[rad/S]のように設定する。もちろん、ω2の値はこれに限らず、ωO≦ω2であっても良い。

また、モータMの磁極位置に関係なく強制回転させるので、補正量Δφ演算部4077は、位相角演算部4076から入力される位相角Ψに関係なく、磁極位相ズレ補正量ΔφとしてΔφ=0を出力する。よって、磁極電気角θsは、θs=∫(ω2)dtとなる。さらに、Id・Iq設定部402におけるIqの設定については、駆動方向は不定ではあるが、Iq<0に設定する。このように、強制区間内では、常に減速(回転速度の符号に関係なく回転速度=0へ近づける)させる電流設定を行うことにより、強制区間の上下閾値付近で停留してしまうのを防止し、速やかに正回転方向へ移行する機会を増やすことができる。

(ω<−ωOの場合) ω<−ωOの場合には、第1の実施の形態の方法を用いることで回転速度を推定することができるので、ω生成部4115は、推定した回転速度ωをωs=ωとして出力する。磁極電気角θsの設定に関しても、補正量Δφ演算部4077で推定された磁極位相ズレ補正量Δφと、上述の回転速度ωsとを用いて算出された磁極電気角(θ=∫(ωs)dt+Δφ)を磁極電気角θsに設定する。さらに、ω<−ωOは逆回転を示しているので、真空ポンプへの適用上、Id・Iq設定部402においてIq<0と設定して常に減速駆動させる。図12は、推定回転速度ωとIq設定との関係を示す図である。

上述したように、第2の実施形態では、推定された回転速度ωが強制区間(−ωO≦ω≦+ωO)であった場合には、推定された回転速度や磁極電気角とは関係なくωs=ω2、θs=∫(ω2)dt、Iq<0のように設定してモータMを強制駆動し、回転速度が速やかに強制区間外となるように制御することで、モータの正回転化を促進することができる。また、逆回転と推定された場合(ω<−ωO)にも、Iq<0と設定することで、逆回転状態から速やかに正回転方向へと反転させることができる。

ところで、図1に示す真空ポンプのように磁気軸受装置により回転体ユニットRを磁気浮上する構成の場合には、特開2011−231760号公報に開示されているように、磁気軸受電磁石に回転磁界も合わせて発生させることで、モータロータ11が設けられた回転体ユニットRを強制的に正回転させることが可能である。

図13〜15は、磁気軸受37,38の吸引力を利用した回転体ユニットRの正回転駆動の概略を説明する図である。図13は、軸方向から見た磁気軸受37の電磁石37x,37yとシャフト30aの位置を示す図である。なお、図13では、座標軸のプラス側に配置された電磁石37x,37yは符号37x+,37y+で表し、マイナス側に配置された電磁石37x,37yは符号37x−,37y−で表すようにした。下側のラジアル磁気軸受38の電磁石38x、38yも電磁石37x,37yの場合と同様に配置されており、同様の括弧付きの符号で示した。なお、破線で示す円は、メカニカルベアリング26a,26bの内周位置を示したものである。シャフト30aのラジアル方向の移動範囲は、メカニカルベアリング26a,26bによって破線円内に制限されている。

磁気軸受37,38の吸引力を利用して回転体ユニットRを正回転方向に自転させる場合には、シャフト30aの位置は、例えば、図13に示すような位置から始める。この場合、アキシャル磁気軸受39は通常と同様に制御され、シャフト30aはアキシャル方向(z軸方向)に関して浮上している。一方、ラジアル磁気軸受37,38に関しては、x軸方向の電磁石37x,38xは各々対向するプラス側とマイナス側の吸引力の合力がゼロの状態とされ、y軸方向の電磁石37y、38yについては、シャフト30aをy軸マイナス方向に吸引する状態とされる。このときのシャフト30aの位置は、ラジアル磁気軸受37,38の中心軸を原点として(0,−L)である。ここでは、シャフト30aはメカニカルベアリング26a,26bに接触しない位置とされる。

図13に示す位置状態から、電磁石37y+,37y−の吸引力の合力を減少させてゼロにするとともに、電磁石37x+,37x−を制御して、シャフト30aを電磁石37x+に引きつけるようなx軸プラス方向の吸引力(+,0)を発生させる。ここで、吸引力(+,0)の「+」はx軸方向の吸引力がプラス方向であることを示し、「0」はy軸方向の電磁石37y+,37y−を制御して減少させることでy軸方向の吸引力がゼロであることを示す。なお、ここでは、磁気軸受37の電磁石37x、37yの動作についてだけ説明しているが、磁気軸受38についても磁気軸受37の場合と同様の制御を行う。以下の説明についても同様である。

図13のように磁気軸受中心に対して位置(0,−L)に偏心したシャフト30aに、x軸プラス方向の吸引力(+、0)が働くと、シャフト30aは電磁石37x+方向に引きつけられるとともに、モーメントM=f・Lが作用してシャフト30aが矢印R1方向(正回転方向)に自転することになる。以下ではR1方向の自転のことを前回りの自転と称することにする。なお、正回転方向が逆の−R方向である場合には、逆方向の吸引力(−,0)を発生させれば良い。

吸引力(+、0)によって、シャフト30aの位置が図14(a)に示すような位置(L、0)となったならば、電磁石37x+、37x−を制御して吸引力合力をゼロにするとともに電磁石37y+,37y−を制御して、シャフト30aを電磁石37y+に引きつけるようなy軸プラス方向の吸引力(0,+)を発生させる。次いで、シャフト30aの位置が図14(b)に示すような位置(0、L)となったならば、電磁石37y+,37y−を制御して吸引力合力をゼロにするとともに電磁石37x+、37x−を制御して、シャフト30aを電磁石37x−に引きつけるようなx軸マイナス方向の吸引力(−,0)を発生させる。

さらに、シャフト30aの位置が図15に示すような位置(−L、0)となったならば、電磁石37x+、37x−を制御して吸引力合力をゼロにするとともに電磁石37y+,37y−を制御して、シャフト30aを電磁石37y−に引きつけるようなy軸マイナス方向の吸引力(0,−)を発生させる。

このように、吸引力を(+,0)→(0,+)→(−,0)→(0,−)の順に発生させてラジアル磁気軸受37,38による回転磁界を生成することにより、シャフト30aは磁気軸受中心の回りに正回転方向と逆回転の公転(振れ回り)運動R2、すなわち後ろ回りの公転運動R2をすることになる。図13〜15に示すように、公転運動中のシャフト30aの中心軸はラジアル磁気軸受37,38の中心軸からずれている。さらに、ラジアル磁気軸受37,38による回転磁界は公転運動R2に対して回転の位相が90deg進んでいるので、シャフト30aに対して常に自転方向のモーメントが作用する。そのため、シャフト30aは、後ろ回りの公転だけではなく前回りの自転を開始する。そして、磁気軸受37,38を用いた回転駆動を停止すると、公転運動R2は停止し、正回転方向の自転運動のみが残ることになる。

図16は、このように磁気軸受電磁石による強制回転駆動を行う場合における、推定回転速度ωとIq設定との関係を示す図である。強制区間(−ωO≦ω≦+ωO)では、磁気軸受電磁石により強制駆動をするので、Iq=0に設定される。また、強制区間においては、測定区間信号生成部408はオープン区間設定の信号を出力する。この場合、モータMによる駆動は行わないので、強制区間の全区間がオープン区間となるようにT1=T2に設定される。そのため、強制区間においては常に逆起電圧のみが検出される。

−第3の実施の形態− 上述した第1および第2の実施の形態では、低速回転領域(−ω1<ω<+ω1)において、インバータ43からの駆動電圧成分による悪影響の低減を図るために、図8、11に示すようにオープン区間(あるいはショート区間)を周期的に設けるようにした。しかしながら、オープン区間やショート区間においては、インバータ43からモータ駆動のための電流が流れないので、その分だけ駆動能力が落ちて始動開始後の起動時間が長くなってしまうという問題がある。

図17、18は、始動時にオープン区間T2を周期T1で繰り返した場合の加速動作例を示す図である。図17は回転抵抗が小さい場合を示し、図18は回転抵抗が大きい場合を示す。回転抵抗が大きい場合には、オープン区間T2に回転速度が低下して起動時間が著しく大きくなってしまう。そのため、周期T1に対するオープン区間T2の割合を小さくする必要がある。ただし、オープン区間T2の割合を小さくし過ぎると、オープン(あるいはショート)直後の検出タイミングにおいて、過渡応答の影響を受けるため検知誤差が大きくなるという問題が生じる。特にロータ停止近傍の回転速度では、逆起電圧信号が微弱であり、その影響が顕著である。

さらに、T1周期で検出された信号に基づいて、T1周期サンプリングで離散的に推定演算されるため、T1周期はロータ回転周期よりも十分に短い必要がある。そのため、具体的には、前述の図8に黒丸で示す検出点は、回転1周期(± π)の間に少なくとも5点以上の演算結果が必要である。図19は、推定された磁極電気角θと実際の磁極電気角θrとの関係を示す図である。図19において、黒丸は検出点を示し、実線は実際の磁極電気角θrを示し、破線は推定された磁極電気角θを示す。しかし、T1周期が一定のままであると、回転速度の上昇とともに一周期におけるサンプリング点の数が減少し、電気角の生成が困難になる。

第3の実施の形態では、測定区間信号生成部408でT1、T2を設定する際に、回転速度ωsがゼロからω1までの回転領域においてT1およびT2を一定とせずに以下のように設定することにより、モータ回転信号(電圧あるいは電流信号)に基づいて、円滑に加速、減速させるようにした。

まず、回転速度ωsがゼロからω1までの回転領域においては、精度良く磁極電気角θsを生成するために、測定区間信号生成部408は、回転速度ωsの上昇に応じてT1、T2を複数段階で減少させるようにする。もちろん、回転速度ωsの上昇に応じて、T1、T2を連続的減少させるようにしても良い。また、回転速度に比例する逆起電圧を精度良く検出すべく、回転速度ωsが低くなるに従ってT2を長くする。例えば、ωsがゼロからω1へと変化する間に3段階T1(A)→T1(B)→T1(C)、および、T2(A)→T2(B)→T2(C)で変化させる場合、T1(A)>T1(B)>T1(C)、および、T2(A)>T2(B)>T2(C)のように設定する。

図20は、T1,T2の変更の一例を示す図である。図20は、回転速度ωが図8で示す場合の3倍に上昇した状態を示す。ここでは、回転速度が3倍に上昇したのにあわせて、T1,T2の周期を1/3にしている。そのため、検出点の数を図8の場合と同数とすることができ、回転速度および磁極電気角の演算精度をを同程度に維持することができる。

例えば、回転するポンプロータを支持する軸受として、非接触支持の磁気軸受でなく、接触支持のボールベアリングを適用する場合は、ポンプロータの回転抵抗が大きくなる。一般にポンプロータの回転速度が増すに従って、減速トルク作用は増大する。駆動トルクが作用しないT2区間(オープン区間)では、減速トルク作用により減速し、T2以外の駆動区間(T1−T2)では、減速トルク分を差し引いた駆動トルク分にて加速される。

ここで、抵抗の影響を概算式を用いて説明すると、以下のようになる。ロータ回転系の運動方程式は次式(12)によって表せる。なお、Ipはポンプロータの極慣性モーメント、ωは回転速度、cは速度起因の減速トルク比例定数、Ttはq軸電流に比例する回転駆動トルク、Trは速度以外の要因による減速トルクである。 Ip×(dω/dt)+c×ω=Tt−Tr ・・・(12)

オープン区間T2(q軸電流=0)では、駆動トルクTt=0なので、減速分△ωdは、近似的に次式(13)のように表せる。 △ωd={(Tr+c×ω)/Ip}×T2 ・・・(13)

一方、区間(T1−T2)の非オープン区間(q軸電流≠0)では、加速分△ωuは次式(14)のように表せる。ここで加速可能条件は、△ωu>△ ωdである。 △ωu={(Tt−Tr−c×ω)/Ip}×(T1−T2) ・・・(14)

ここで、加速可能条件は△ωu>△ωdであり、式(13)、式(14)より、Tt−Tr−c×ω>(T2/T1)×Ttの関係を満たす必要がある。さらに(T2/T1)×Tt>0であるから、少なくとも、Tt>(Tr+c×ω)を満たすように駆動トルクTtを大きく(すなわち、q軸電流値を大きく)とる必要があるが、モータq軸電流があまり大きく取れない場合は、駆動区間(T1−T2)を長くとる、すなわちオープン区間T2を短くする必要がある。

一般に、起動時間を短縮すべく、回転速度によらずにモータ電流は許容電流値近くまで流されるが、回転速度ωが大きくなるに従って加速に寄与する実際の駆動トルク分(Tt−Tr−c×ω)が小さくなるので、それを補うべく、周期時間T1に対するT2区間の比率を低下させて、加速可能限界のトルク分(T2/T1)Ttを低下させることが効果的である。このことは、図24に示すように、加速可能条件の不等式Tt−Tr−c×ω>(T2/T1)×Ttの右辺にA,B、C3段階のT1およびT2の設定を適用し、実際の駆動トルク分である左辺との不等号関係を、Tt、Trおよびcを各々一定値として図示することでより一層明確にできる(図24)。

−第4の実施の形態− 図21は、第4の実施の形態における正弦波駆動制御部400を説明するブロック図である。第4の実施の形態では、図21に示す信号増幅ゲイン設定部412をさらに設け、上述した第3の実施の形態の構成に、さらに以下に示すようなゲイン切換制御を加えるようにした。

上述したオープン区間(あるいはショート区間)で検出される、逆起電圧に起因するモータ電圧(あるいは電流)信号値は、回転速度に比例するので、静止近傍では極限的に小さく、本質的に検出精度が悪い。そのため、検出したアナログ信号段階で、増幅度を高く設定する必要がある。一方で、信号レベルが微弱ではない、回転速度領域(−ω1<ωs<+ω1)の後半において検出された信号に対しては、ADコンバータや増幅アンプのダイナミックレンジの制約から増幅度を大きくすることは適切でない。

信号増幅ゲイン設定部412は、増幅部と増幅ゲイン切換部とを含んでおり、−ω1<ωs<+ω1の区間においては、回転速度に応じて増幅ゲインを切り替える。例えば、T1,T2の切り替えの場合と同じように、回転速度の上昇に合わせて複数段で増幅度を減少させる。または、−ω1<ωs<+ω1の静止付近で増幅度を大きくし、所定回転速度になったならば増幅度を低下させるというように、増幅度を2段階で変化させても良い。また、T1,T2を段階的に切り換える場合には、運転条件の管理の観点や、切り換え時の過渡応答などを考慮すると、切り替え運転条件の場合分けが無用に増大することを防ぐために、増幅ゲインの切り替えタイミングをT1,T2区間の切り替えと同タイミングにしても良い。なお、ここでは、上記T1,T2区間の切り替えと併用する場合について説明したが、T1,T2が一定である場合にも適用可能であり、同様の効果を奏する。また、切り替え時のチャタリングの防止を図るべく加速、減速で切り替えタイミングの回転速度閾値を代えたり、ヒステリシスを持たせたりしても良い。

図4や図21に示す正弦波駆動制御部400では、速度フィードバック制御の構成を採用している。すなわち、ωsと目標速度ωとの差分に基づき、P制御(比例制御)やPI 制御(比例制御および積分制御)にて設定電流の大きさIを出力する構成としている。ところで、上述した低速回転領域の制御の役割は、静止から正回転の所定回転数(ω1)まで加速して、中高速域運転までの橋渡しであり、また、高速域の定格回転から減速の場合には、中高速域制御域での減速を引き継いでさらにロータ静止まで減速することである。そのため、特定の目標回転数へ収東させるような制御は不要である。従って、図22に示すように、設定電流を一定値とした開ループ制御系でも良い。

−第5の実施の形態− また、上述した第1〜第4の実施の形態では、インバータ43のスイッチング素子SW1〜SW6のオンオフを制御してオープン区間またはショート区間を生成して遮断区間(T2)を形成した。しかし、遮断区間(T2)を生成する方法はこれに限らず、インバータ43とモータMとの間の動力ラインにスイッチを設けて、オープン状態またはショート状態を生成するようにしても良い。本実施の形態と第1〜第4の実施の形態との相違点は、オープン区間およびショート区間の生成機構のみが異なるので、以下では、オープン区間およびショート区間の生成動作のみを説明する。

図23は、第5の実施の形態を示す図である。図23では、図3に示す構成に、開放用スイッチ群SW10と短絡用スイッチ群SW20をさらに設けたものである。開放用スイッチ群SW10には、3相コイル(U相コイル、V相コイル、W相コイル)の各々を開放するためのスイッチが設けられている。短絡用スイッチ群SW20には、U相コイルとV相コイルとを短絡するためのスイッチと、V相コイルとW相コイルとを短絡するためのスイッチが設けられている。

第1実施形態におけるオープン区間を生成する場合には、開放用スイッチ群SW10の3つのスイッチが全て開放状態とされる。また、ショート区間を生成する場合には、開放用スイッチ群SW10の3つのスイッチを全て開放状態とした後に、短絡用スイッチ群SW20の2つのスイッチを短絡状態とする。

(1)以上説明したように、本発明の真空ポンプは、PWM駆動指令に基づいてオンオフ制御される複数のスイッチング素子SW1〜SW6を有し、複数のスイッチング素子SW1〜SW6のオンオフにより生成される駆動電流をモータMに供給あるいは、モータMから回生するインバータ43と、モータMの逆起電圧情報を含む信号を検出して、モータMの磁極電気角および回転速度を推定する回転速度・磁極位置推定部407と、モータ始動時の加速動作あるいは停止時の減速動作の、停止状態から所定回転速度(+ω1)までの低速期間は、インバータ43を介して電源からモータMに供給あるいは、逆にモータMから電源へ回生される駆動電流の生成および遮断を繰り返し行わせる測定区間信号生成部408と、を備える。そして、逆起電圧信号が微弱な前記領域においては、インバータ43からの電圧が印加されない遮断時の信号を検出するようにしているので、逆起電圧信号をより精度良く検出することができる。その結果、逆起電厚信号に基づいて推定される磁極電気角および回転速度の推定精度の向上を図ることができる。なお、所定回転速度(+ω1)としては、例えば、従来の方法で逆起電圧が検出可能な回転速度の下限値が用いられる。

(2)駆動電流の生成および遮断を繰り返し行わせる方法としては、インバータ43の全てのスイッチング素子SW1〜SW6をオフ状態としたオープン区間(遮断状態)と、PWM信号生成部406のPWM駆動指令に基づく駆動状態(供給あるいは回生状態)とを繰り返し行わせても良い。この場合には、オープン区間時に検出されたモータ相電圧に基づいて、磁極電気角および回転速度が推定される。

(3)また、遮断状態の他の生成方法としては、モータMの各相の電位を同一電位とする短絡制御でもよい。すなわち、図10に示すように、3相に印加されるPWM電圧が、同一デューティで、かつ、H状態およびL状態が同期している状態(ショート区間)とすることで、インバータ43からの駆動電流の供給あるいは回生を遮断し、モータ動力3線を短絡(ショート)することができる。この場合には、ショート区間時に検出されたモータ相電流に基づいて、磁極電気角および回転速度が推定される。

(4)遮断の期間T2はPWM周期Tpwmよりも長く設定され、遮断は、遮断の期間における回転周期よりも短い繰り返し周期T1で繰り返し行われる。そのように設定することで、回転周期の1周期における検出点の数を複数とすることができ、磁極電気角および回転速度の推定精度を高めることができる。

(5)回転速度が前記所定回転速度よりも小さく、回転速度ゼロを挟んだ所定の正逆回転速度範囲(−ω0≦ω≦+ω0)が予め設定され、推定される回転速度が正逆回転速度範囲にある場合には、推定した回転速度に代えて一定の回転速度値ω2を出力すると共に、該回転速度値を用いて磁極電気角を生成する。一定の回転速度値ω2を用いて強制回転させることにより、回転速度を正逆回転速度範囲外に速やかに移行させることができる。

(6)また、磁気軸受装置を備える真空ポンプの場合には、正逆回転速度範囲におけるモータ駆動を停止して、磁気軸受装置を利用してモータを正回転方向に強制的に回転駆動させるようにしても良い。この場合、ラジアル磁気軸受の吸引力により、ポンプロータをモータ正回転方向と逆方向に公転運動させるともに、モータ正回転方向に自転運動させるようにする。

(7)さらにまた、領域(−ω1<ω<+ω1)における繰り返し周期T1および遮断の期間T2を、モータMの回転速度が大きくなるに従って短くなるように複数段階で切り換えることにより、回転速度の上昇により回転周期が短くなっても、回転周期一周期において十分な検出点を確保することができる。

(8)さらに、検出された逆起電圧情報を含む信号を増幅するための増幅ゲインを、低速回転領域(−ω1<ω<+ω1)において、回転速度が小さいほど増幅ゲインが大きくなるように、複数段で切り換えることにより、超低速回転においても逆起電圧を精度良く検出することができる。

(9)また、上記増幅ゲインの切り換えと、繰り返し周期T1および遮断の期間T2の切り換えとを行う場合には、両方の切換段数を同一とすると共に、増幅ゲインの切換時回転速度と繰り返し周期T1および遮断の期間T2の切換時回転速度とを同一とするのが好ましい。切り換え時には信号の検出に過渡応答の影響が生じるので、上記のように制御することで切り換え頻度を抑えるのが望ましい。

上述した各実施の形態では、モータ始動時の停止状態から所定回転速度ω1までの加速動作を例に説明したが、モータ停止動作時の所定回転速度ω1から停止状態までの減速動作にも適用することができる。なお、モータ電流検出およびモータ電圧検出を、いずれも3相入力として説明したが、2相のみを入力して残りの1相を他の2相から算出するようにしても良い。例えば、W相を計算で出す場合には、Iw=−Iu−Iv、Vw=−Vu−Vvと算出する。

また、図6の位相角演算部4076および位相角演算部4111におけるベクトル位相角の演算では、逆タンジェント演算を用いて演算しているが、他の演算により近似計算しても良い。

なお、以上の説明はあくまでも一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。例えば、2極モータに限らず、4極モータなど多極モータの場合も、電気角を多極対応に置き換えることで適用可能である。また、上述した実施の形態ではターボポンプ段とドラッグポンプ段とを有するターボ分子ポンプを例に説明したが、回転体をモータで回転駆動する真空ポンプであれば、同様に適用することができる。さらに、本発明は、ボールベアリングで支持する方式のターボ分子ポンプにも適用することができる。

上述した実施の形態では、ωs≧ω1の制御において、電圧検知部51で検出された相電圧と電流検知部50で検出された相電流とに基づいて回転速度ωsおよび磁極電気角θsを推定する構成としたが、一方の検出情報に基づいて回転速度ωsおよび磁極電気角θsを推定する場合にも本発明は適用できる。

また、上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。

1:ポンプユニット、4:ポンプロータ、4a:回転翼、4b:円筒部、10:モータステータ、11:モータロータ、30a:シャフト、37〜39:磁気軸受、43:インバータ、44:制御部、50:電流検知部、51:電圧検知部、400:正弦波駆動制御部、401:速度制御部、402:Id・Iq設定部、403:等価回路電圧変換部、404:dq−2相電圧変換部、405:2相-3相電圧変換部、406:PWM信号生成部、407:回転速度・磁極位置推定部、408:測定区間信号生成部、412:信号増幅ゲイン設定部、4071,4072:3相-2相変換部、4073:等価回路電圧変換部、4074:逆起電圧演算部、4075,4110:2相-dq電圧変換部、4076,4111:位相角演算部、4077:補正量Δφ演算部、4078:回転速度演算部、4079:積分演算部、4300:ゲートドライブ回路、M:モータ、R:回転体ユニット、SW1〜SW6:スイッチング素子

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