专利汇可以提供Baking apparatus, method for forming resist pattern, method for manufacturing photo mask, and method for manufacturing mold for nanoimprint专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To form a high quality pattern with a high residual film ratio and a high contrast ratio, even if a mask substrate is composed of synthetic quartz with the thickness of 0.250 inch in forming a resist pattern with a chemically-amplified resist.SOLUTION: In a baking apparatus 50 for subjecting PAB or PEB treatment to a chemically-amplified resist, the temperatures of a second hotplate 52 and subsequent hotplates are adjusted and held at a predetermined baking temperature, and the temperature of a first hotplate 51 is adjusted and held at a higher temperature than the predetermined baking temperature so that the temperature of the surface of a mask substrate 1 can reach the predetermined baking temperature within 90 seconds.,下面是Baking apparatus, method for forming resist pattern, method for manufacturing photo mask, and method for manufacturing mold for nanoimprint专利的具体信息内容。
本発明は、半導体高集積回路等の製造に用いられるフォトマスク及びナノインプリント用モールドの作製等に使用されるベーク処理装置、及び、当該ベーク装置を用いたレジストパターン形成方法、当該レジストパターン形成方法によるフォトマスクの製造方法、及び、ナノインプリント用モールドの製造方法に関する。
電子線リソグラフィは、30nm以下の高い解像度が得られる描画あるいは露光(以降、描画という)の方式として、極微細なパターン寸法を必要とする少量生産の先端半導体集積回路や、次世代半導体集積回路の開発試作、フォトマスク製造やナノインプリント用モールド製造などの用途で既に実用化されている。
一方、電子線リソグラフィが優れた解像度を提供するにもかかわらず、半導体集積回路等の大量生産に実用化されていない理由は、一度に描画できる面積が光リソグラフィ(即ち、縮小投影露光)と比較して小さいこと、即ち描画に長時間を必要とすることにある。
この処理速度の改善を実現する手段として、さらに具体的には、レジストの感度を高感度化する手段として、化学増幅型レジストがある。 化学増幅型レジストは半導体製造用微細加工材料として現在既に利用されている。
従来の電子線リソグラフィ用“非”化学増幅型レジストが電子線の照射(即ち、描画)による分解反応あるいは重合反応を基本としているのに対し、化学増幅型レジストは、描画による反応でレジスト膜中に酸を発生させ、酸を触媒として、描画後のベーク処理により連鎖的に反応が進むために、高い感度が得られる。 即ち、少ない電子線照射量でレジストパターンを形成でき、電子線描画において高い生産性が得られる。
ところで、光露光と化学増幅型レジスト(即ち、光リソグラフィ)を用いて大量生産が行われている半導体集積回路の製造ラインでは、現在既に、最小で約45nm以下のサイズの微細加工が行われている。 しかしながら、半導体集積回路等の高性能化や高集積化などの要求を満たすには、さらに微細で精密且つ高品質なレジストパターンの形成が求められる。 特に、電子線描画と化学増幅型レジストを用いて製造されるフォトマスクやナノインプリント用モールドなど、半導体集積回路などの製造に用いられるリソグラフィのための原盤の作製では、より高品質なレジストパターンとそれを形成する技術が求められている。
ここで、特許文献1には、「レジスト用重合体および化学増幅型レジスト組成物」に係り、シリコンウエハ上に化学増幅型レジストをスピンコートした後、塗布後ベーク処理(Post Apply Bake:以降、PABという)をホットプレートにより120℃で60秒間行い、次いで、ArFエキシマレーザー露光機にて露光した後、さらに露光後ベーク(Post Exposure Bake:以降、PEBという)をホットプレートにより120℃で60秒間行うレジストパターンを形成する技術が記載されている。
また、特許文献2には、「感放射線性組成物、化合物、化合物の製造方法およびレジストパターン形成方法」に係り、シリコンウエハ上に化学増幅型非高分子型レジスト組成物を回転塗布し、PAB処理した後、電子線描画装置で露光し、ベーク温度を90℃、100℃、110℃として且つベーク時間は90秒間に固定してPEB処理し、その後現像処理して、レジストパターンを形成する技術が記載されている。 また、同様に特許文献2には、SiO 2基板上に化学増幅型非高分子型レジスト組成物を回転塗布し、110℃で90秒間PAB処理し、次いで電子線描画装置で露光し、110℃で90秒間PEB処理し、現像処理して、レジストパターンを形成する技術が記載されている。
また、特許文献3には、「レジストパターン寸法の面内分布の評価方法、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクブランク、及びレジストパターン形成工程の管理方法」に係り、Cr遮光膜を設けた6インチ角(152x152mm)フォトマスクブランク上に、EB用ポジ型化学増幅型レジストをスピンコートし、ホットプレートにより120℃で10分間のプリベーク(即ち、PAB)を行い、EB描画機によりテストパターンを描画した後、ホットプレートにて120℃で10分間の現像前ベーク(即ち、PEB)を行い、現像処理し、リンス及びスピンドライを行い、レジストパターンを形成する、フォトマスク製造方法が記載されている。
さらに、特許文献4には、「レジストパターンの寸法制御方法及びベーク処理装置」に係り、6インチのCrマスク上にポジ型化学増幅レジストが塗布され、電子線描画装置を用いてパターン描画され、その後、90℃で、600秒間(ルーチン条件)でPEB処理を行う、フォトマスク製造方法が記載されている。
Hideo Kobayashi、Proceedings of SPIE Vol. 5853−17
ここで挙げた化学増幅型レジスト(組成物)の開発試作は、例えば特許文献1あるいは特許文献2に記載のように、半導体業界標準の形状(外形寸法及び厚み等)に作られたシリコンウエハ(例えば6インチ・シリコンウエハ:150mm径、厚み0.675mm)を用いて行われる。 あるいはまた、当該シリコンウエハ表面に例えばアルミ膜等を成膜した基板を用いる。 そして、化学増幅型レジストの溶液をシリコンウエハ(以降、ウエハともいう)に回転塗布し、その後、化学増幅型レジスト膜が形成された前記ウエハを所定の温度に調整保持されたホットプレートに90秒間静置してベークし、次いで連続して、例えば室温に設定保持された冷却プレートに前記ウエハを移載し静置して十分に冷却して、PAB処理を終了する。 次に、電子線描画装置による描画を行う。 続いて、描画を経た前記ウエハを、前述のPAB処理と同様に、所定の温度に調整保持されたホットプレートに90秒間静置してベークし、次いで連続して、例えば室温に調整保持された冷却プレートに前記ウエハを移載し静置して十分に冷却して、PEB処理を終了する。 その後、所定の現像液でレジスト膜を現像処理して、化学増幅型レジストのレジストパターンは形成される。
ところで、ある化学増幅型レジストの最も良好なレジストパターン形状が得られるベーク条件の決定は、下記の手段によって行われる。
前述に代表される化学増幅型レジストのレジストパターン形成工程(以降、レジストパターン形成工程という)により、且つ、前記レジストパターン形成工程においてPAB及びPEBでのベーク温度を幾つかの水準に振って、レジストパターン形成し、その後、得られたレジストパターンを走査型電子顕微鏡等により観察して、最も良好なレジストパターン形状が得られるベーク条件を決定する、即ち、PAB温度とPEB温度の組み合わせを決定する。
ここで、例えば特許文献1あるいは2に記載されているように、レジストパターン形成工程におけるPAB及びPEBの処理時間は、前記ウエハを基板とした場合、両ベーク処理において共に90秒間(または60秒間)と、同一固定した処理時間が使われる。
ところで、最先端光リソグラフィ用のフォトマスクには、必要なパターン面積と形状安定性から、半導体業界標準の形状(外形寸法及び板厚等)に作られた、大きさ6インチ角、厚さ0.250インチの合成石英からなる基板(以降、マスク基板ともいう)が使われている。 また、ナノインプリント用モールドは、その製造コストの低減を目的に、フォトマスク製造用の処理装置及びプロセス並びに前記マスク基板を流用して作製される場合がある。 その場合、前記マスク基板に所望のモールドパターンが形成される。 そして、モールドパターン形成を終えた後に、必要に応じて所望所定の形状に切断加工され、ナノインプリント用モールドは完成する。
ここで、前記マスク基板をベーク処理する装置は、ウエハ用のべーク処理装置とほぼ同じ構成であって、所定の温度に設定保持されたホットプレートが用いられる。
そして、前記ウエハを基板とした場合、80〜160℃程度の所望のベーク温度に基板表面(即ち、レジスト膜)が到達するまでの時間は5〜20秒程度である(図6(a)参照)。 一方、前記マスク基板の場合、前出の80〜160℃程度の所望のベーク温度に基板表面(即ち、レジスト膜)が到達するには、ベーク処理装置の構成にも依るが、一例として500秒以上を必要とする(図6(b)参照)。 これは、前記ウエハと前記マスク基板との熱伝導性及び板厚の差異に因る。
前記マスク基板の場合、所定のベーク温度に基板表面(即ち、レジスト膜)が到達してからもなお、基板表面温度の面内均一性を確保するための安全を考慮して、例えば特許文献3あるいは特許文献4に記載されているように、10分間(600秒)のベーク処理が行われている。
ところで、ある化学増幅型レジストが、前記マスク基板からなるフォトマスク作製の用途あるいはナノインプリント用モールド作製の用途に開発試作される場合であっても、当該化学増幅型レジストにおいて最も良好なレジストパターン形状が得られるベーク条件を決定するためには、即ち、PAB温度とPEB温度の組み合わせを決定するためには、前記半導体業界標準の形状を持ったシリコウエハが使われている。 当該シリコンウエハ表面に、特許文献3または特許文献4に記載の、クロム遮光膜を形成してあるいは直接に、その上に化学増幅型レジストを回転塗布して、最も良好なレジストパターン形状が得られるベーク条件が決定される。
これは、以下に記す実情を背景とする。
即ち、前記マスク基板は、前記ウエハに対比して高価であること、また、フォトマスクまたはナノインプリント用モールド製造業者以外では入手し難いこと、に因る。
さらには、フォトマスクまたはナノインプリント用モールド製造業者以外(換言すると、化学増幅型レジストの開発試作を行うレジスト製造業者)には、前記マスク基板をPAB処理あるいはPEB処理するためのベーク処理装置がない、という現実に因る。 前記45nm以下の高い解像度を持つ化学増幅型レジストの主たる消費者は半導体製造業者等であって、フォトマスク製造業者またはナノインプリント用モールド製造業者ではない。 従って、レジストの開発コスト低減のために、レジスト製造業者においては、たとえフォトマスクまたはナノインプリント用モールドを製造するための化学増幅型レジストの開発試作であっても、前記マスク基板(即ち、大きさ6インチ角、厚さ0.250インチの合成石英からなる基板)ではなく、前記ウエハ(即ち、6インチ・シリコンウエハ:150mm径、厚み0.675mm)が基板に使用される。
前述のとおり、化学増幅型レジストでは、前記ウエハを使った前述の手法により、最も良好なレジストパターン形状が得られるベーク条件の決定、即ち、PAB温度とPEB温度の組み合わせの決定が行われている。 従って、当該ベーク条件でベーク処理されなければ、その性能を最大に発現できない。 そして、化学増幅型レジストの組成あるいは化学増幅型レジストの溶液を構成する溶媒の種類に依るのであるが、慣行的に、このベーク処理時間は60秒または90秒である。
一方、前記マスク基板上であっても、本来90秒以内または60秒以内で当該マスク基板の表面を所定のベーク温度に到達させるべきところを、従来既存のベーク処理装置では、装置構成に依るが、一例として500秒以上掛かってしまう(図6(b)参照)。 その結果、レジスト膜が受ける積算熱量が著しく過剰なベーク処理となってしまい、レジスト種によっては、その未描画部の残膜率が大きく劣化し、パターンコントラスト(γ値)も大きく劣化し、結果として、レジストパターン品質が大きく劣化してしまう。
他方、フォトマスクまたはナノインプリント用モールドの製造用途に化学増幅型レジストを開発試作するに際しては、敢えて前記ウエハを基板に使いながらも、前記ウエハを基板とした場合の代表的なベーク処理時間である60秒あるいは90秒のベーク時間に代えて、前記マスク基板の表面が所定の温度(80〜160℃)に到達できる時間である任意の時間(例えば600秒)に相当するベーク処理時間を採用して、最も良好なレジストパターン形状が得られるベーク条件を決定する、即ち、PAB温度とPEB温度の組み合わせを決定する方法、も考えられる。
本発明者は、実際に当該手法を試みた(非特許文献1参照)。
具体的には、現像処理後の未描画部の残膜率(以降、残膜率ともいう)がベーク時間に対して直線的且つ急峻に変化するポジ型化学増幅型レジストを使用し、前記マスク基板を600秒間ベーク処理するのに相当する前記ウエハでのベーク処理時間を443秒に決定した。
敢えて前記ウエハを基板に使いながら、ベーク処理時間を90秒ではなく、前記マスク基板を600秒ベーク処理するに相当するベーク時間(即ち、前記443秒)で処理することはできる((a)条件という、図8(a)参照)。 比較例として、マスク基板1を600秒ベーク処理した場合の結果を示す((b)条件という、図8(b)参照)。 しかしながら、前記ウエハと前記ウエハで標準的なベーク時間である90秒ベーク処理を使って開発試作された化学増幅型レジストは、前記(a)条件及び(b)条件では、その性能を最大限に発現することはできなかった。 具体的には、前記ウエハを基板としてPAB及びPEB処理をそれぞれ90秒とした条件下((c)条件という、図8(c)参照)で取得された残膜率と描画量(電子線照射量)との関係(以下、残膜感度曲線ともいう)に対比して、前記(a)条件及び(b)条件下で取得された残膜感度曲線は、未描画部の残膜率が低下し、かつ、パターンコントラスト(γ値)が劣化した(以上、図8参照)。
繰り返しになるが、前記マスク基板の場合とウエハを基板とした場合とでは、基板をホットプレートに静置したときの基板表面温度の上昇速度、あるいはまた、ベーク処理の後に連続して、基板を例えば室温に設定保持した冷却プレートに移載し静置したときの基板表面温度の降下の速度には、大きな差異がある(図6参照)。 この影響を受けて、前記ウエハを基板を使用して且つPAB及びPEBのベーク処理時間を90秒として開発試作された化学増幅型レジスト、その最も良好なパターン形状(即ち、未描画部の残膜率とコントラスト(γ値))は、前記マスク基板では再現あるいは達成できない。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、フォトマスクを作製するための、あるいは、ナノインプリント用モールドを作製するための、大きさ6インチ角、厚さ0.250インチの合成石英からなる基板(マスク基板)であっても、化学増幅型レジストにおいて、所定の現像処理の後に、未描画部については高い残膜率を維持でき、かつ、高いパターンコントラストを有し、高品質なレジストパターンを提供することができるベーク処理装置を提供することにある。 また、当該ベーク処理装置を用いたレジストパターン形成方法、当該レジストパターン形成方法を用いたフォトマスクの製造方法、及び、ナノインプリント用モールドの製造方法を提供することにある。
本発明者は、電子線あるいはレーザー光等による描画あるいは露光する(以降、描画という)際、レジストの感度(即ち、描画生産性)の面から化学増幅型レジストを用いながらも、且つ前記マスク基板であっても、より高品質なレジストパターンを形成し提供する手段について種々検討した。
その検討の際、本発明者は、化学増幅型レジストの塗布後ベーク(PAB)及び露光後ベーク(PEB)の処理時間、及び、前記マスク基板と前記ウエハを基板とする場合とのベーク処理の時間の差異が、あるいは、前記マスク基板と前記ウエハとの基板表面のベーク開始時の昇温速度及び冷却開始時の降温速度が、レジストパターンの品質に大きく影響を与えていることを発見した。
従来、化学増幅型レジストのPAB及びPEBの条件は、大別してベーク温度とベーク時間からなる。
ベーク温度に関しては、そもそも化学増幅型レジストの材料や組成やその溶液を構成する溶媒に依り最適な温度(所定のベーク温度)が決定される。
一方、ベーク時間は、生産性等を考慮して慣行的に、また特許文献1及び特許文献2に示されるように、PABにおいてもPEBにおいても、化学増幅型レジストの材料や組成やその溶液を構成する溶媒に依るが、60秒または90秒に固定されているのが従来または現状である。 これは、前記ウエハであれば、60秒あるいは90秒のベーク時間であっても、その基板表面温度(即ち、前記ウエハに形成されたレジスト膜)は、80〜160℃程度の所定のベーク温度に十分に到達し得るとの理由にもよる。
また前述のように、前記マスク基板を使うフォトマスクあるいはナノインプリント用モールドの作製を用途とする化学増幅型レジストの場合であっても、その開発試作では、基板には前記ウエハが使われ、そのベーク処理時間は90秒あるいは60秒であることは既述のとおりである。
ところが、前記マスク基板の場合、そもそも80〜160℃程度のベーク温度に基板表面が、即ちレジスト膜が、到達するに要する時間は、ベーク処理装置に構成にも依るが、90秒を大きく超えて、おおよそ600秒以上である。 60秒のベーク時間では、前記マスク基板の表面温度は80℃にも到達できない。
これに対し、本発明者は、前記マスク基板であっても、所定のベーク処理温度に基板表面を、即ちレジスト膜を、化学増幅型レジストの開発試作時に用いられたベーク処理時間である90秒あるいはそれ以内で到達させる得る方法について鋭意研究した。
その結果、本発明者は、ベーク処理に使われるホットプレートを複数且つ連続に配置して備え、2台目のホットプレートをベーク処理の対象である化学増幅型レジストの所定のベーク温度に調整保持し、
一方で、マスク基板をベーク処理を開始する1台目のホットプレートは、前記ベーク温度より高い温度に調整保持し、
且つ、ベーク処理を開始した直後における前記マスク基板の表面の昇温速度は、ベーク処理される化学増幅型レジストのための所定のベーク処理温度をレジスト設計開発時のベーク処理時間で割り算した値より大きくなるように、温度調整及び保持して、ベーク処理装置として構成し、
且つ、前記マスク基板が1台目のホットプレートに静置される時間(以降、静置時間ともいう)は、PABまたはPEB処理中に前記マスク基板の表面が到達する最高温度と前記静置時間との関係を予め求めて決定することで、
前記マスク基板であっても、その基板表面は、即ちレジスト膜は、所定のベーク処理温度(80〜160℃)に、オーバーシュートすることもなく、90秒以内で到達することを見出した。
本発明の第1の態様は、フォトマスクあるいはナノインプリント用モールドを作製するための基板(以降、マスク基板ともいう)に、
化学増幅型レジスト(以降、レジストともいう)を塗布して、その後、塗布後ベーク処理(Post Apply Bake:以降、PABという)を行うためのベーク装置であって、
及び/または、前記レジストを塗布してレジスト膜を形成し、PAB処理を施し、所望のパターンを描画した前記レジスト膜を有する前記マスク基板の、露光後ベーク処理(Post Exposure Bake:以降、PEBという)を行うためのベーク装置であって、
複数且つ連続して配置したホットプレートと、単数または複数からなる冷却プレートからなることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に記載のベーク処理装置であって、前記複数且つ連続して配置したホットプレートのうち、最初に前記マスク基板を移載し静置してベーク処理を開始する1台目のホットプレートは、ベーク処理される前記レジストの所定のベーク温度よりも高い温度に設定されており、1台目のホットプレートでのベーク処理に続いて、マスク基板を移載し静置してレジストのベーク処理を継続して行う2台目あるいは2台目以降のホットプレートは、ベーク処理される前記レジストの所定のベーク温度に設定されていることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、前記第1又は第2の態様に記載のベーク処理装置であって、
最初に前記マスク基板を移載し静置してベーク処理を開始する1台目のホットプレートによる、ベーク開始後の前記マスク基板の表面の昇温速度(以降、Rampともいう)は、ベーク処理される化学増幅型レジストのための所定のベーク処理温度(以降、Tempともいう)をレジスト設計開発時のベーク処理時間(以降、Timeともいう)で割り算した値より大きい、即ち、(Ramp)>((Temp)/(Time))であることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、前記第1ないし第3の態様のいずれかに記載のベーク処理装置であって、1台目のホットプレートに前記マスク基板を移載し静置してベーク処理を開始してから且つ複数台の最終のホットプレートを離れるまで、即ち2台目あるいは3台目のホットプレート以降のベーク処理の最後に使用されるホットプレートをマスク基板が離れるまで、このベーク処理時間(以降、BakeTimeともいう)は、レジスト設計開発時のベーク処理時間(以降、TimeOriginともいう)を超えないこととする、即ち、(BakeTime)≦(TimeOrigin)、であることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、前記第1ないし第4の態様のいずれかに記載のベーク処理装置であって、1台目のホットプレートに前記マスク基板を移載した後に静置した時間(以降、静置時間1ともいう)は、PABまたはPEB処置中に前記マスク基板の表面が到達する最高温度と当該静置時間1との関係を予め求めて決定することを特徴とする。
本発明の第6の態様は、前記第1ないし第5の態様のいずれかに記載のベーク処理装置であって、
前記複数且つ連続して配置したホットプレートに続き、単数または複数の冷却プレートの少なくとも1台目は、露点近傍で結露を生じない温度に設定保持されることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、フォトマスクあるいはナノインプリント用モールドを作製するための基板で、大きさ6インチ角、板厚0.250インチの合成石英からなる基板(以降、マスク基板ともいう)に、
化学増幅型レジスト(以降、レジストともいう)を塗布して、その後、塗布後ベーク処理(Post Apply Bake:以降、PABという)を行うレジストパターン形成方法であって、
及び/または、前記レジストを塗布してレジスト膜を形成し、PAB処理を施し、所望のパターンを描画した前記レジスト膜を有する前記マスク基板の、露光後ベーク処理(Post Exposure Bake:以降、PEBという)を行うレジストパターン形成方法であって、
前記マスク基板の処理は、複数且つ連続して配置したホットプレートの少なくとも2台以上を連続して使用して、前記マスク基板を1台目のホットプレートに移載し静置する工程と、1台目のホットプレートに移載し静置した前記マスク基板を2台目あるいは2台目以降のホットプレートに移載し静置して、ベーク処理を行う工程と、前記ベーク処理に連続して、単数又は複数の冷却プレートに前記マスク基板を移載し静置して冷却する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の第8の態様は、前記第7の態様に記載のレジストパターン形成方法であって、前記複数且つ連続して配置したホットプレートのうち、最初に前記マスク基板を移載し静置してベーク処理を開始する1台目のホットプレートは、ベーク処理される前記レジストの所定のベーク温度よりも高い温度に設定されており、1台目のホットプレートでのベーク処理に続いて、マスク基板を移載し静置してレジストのベーク処理を継続して行う2台目あるいは2台目以降のホットプレートは、ベーク処理される前記レジストのための所定のベーク温度に設定されることを特徴とする。
本発明の第9の態様は、前記第7又は第8の態様に記載のレジストパターン形成方法であって、
最初に前記マスク基板を移載し静置してベーク処理を開始する1台目のホットプレートによる、ベーク開始後の前記マスク基板の表面の昇温速度(以降、Rampともいう)は、ベーク処理される化学増幅型レジストのための所定のベーク処理温度(以降、Tempともいう)をレジスト設計開発時のベーク処理時間(以降、Timeともいう)で割り算した値より大きい、
即ち、(Ramp)>((Temp)/(Time))であることを特徴とする。
本発明の第10の態様は、前記第7ないし第9の態様のいずれかに記載のレジストパターン形成方法であって、
1台目のホットプレートに前記マスク基板を移載し静置してベーク処理を開始してから且つ複数台の最終のホットプレートを離れるまで、即ち2台目あるいは3台目のホットプレート以降のベーク処理の最後に使用されるホットプレートをマスク基板が離れるまで、このベーク処理時間(以降、BakeTimeともいう)は、レジスト設計開発時のベーク処理時間(以降、TimeOriginともいう)を超えないこととする、即ち、(BakeTime)≦(TimeOrigin)、であることを特徴とする。
本発明の第11の態様は、前記第7ないし第10の態様のいずれかに記載のレジストパターン形成方法であって、1台目のホットプレートに前記マスク基板を移載した後に静置した時間(以降、静置時間1ともいう)は、PABまたはPEB処置中に前記マスク基板の表面が到達する最高温度と当該静置時間1との関係を予め求めて決定することを特徴とする。
本発明の第12の態様は、前記第7ないし第11の態様のいずれかに記載のレジストパターン形成方法であって、前記複数且つ連続して配置したホットプレートに続き、単数または複数の冷却プレートの少なくとも1台目は、露点近傍で結露を生じない温度に設定保持されることを特徴とする。
本発明の第13の態様は、大きさ6インチ角、板厚0.250インチの合成石英からなる基板(以降、マスク基板ともいう)に、化学増幅型レジスト(以降、レジストともいう)を塗布して、その後、塗布後ベーク処理(Post Apply Bake:以降、PABという)を行うフォトマスクの製造方法であって、及び/または、前記レジストを塗布してレジスト膜を形成し、PAB処理を施し、所望のパターンを描画した前記レジスト膜を有する前記マスク基板の、露光後ベーク処理(Post Exposure Bake:以降、PEBという)を行うフォトマスクの製造方法であって、前記マスク基板の処理は、複数且つ連続して配置したホットプレートの少なくとも2台以上を連続して使用して、前記マスク基板を1台目のホットプレートに移載し静置する工程と、
1台目のホットプレートに移載し静置した前記マスク基板を2台目あるいは2台目以降のホットプレートに移載し静置して、ベーク処理を行う工程と、前記ベーク処理に連続して、単数又は複数の冷却プレートに前記マスク基板を移載し静置して冷却する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の第14の態様は、大きさ6インチ角、板厚0.250インチの合成石英からなる基板(以降、マスク基板ともいう)に、化学増幅型レジスト(以降、レジストともいう)を塗布して、その後、塗布後ベーク処理(Post Apply Bake:以降、PABという)を行うナノインプリント用モールドの製造方法であって、及び/または、前記レジストを塗布してレジスト膜を形成し、PAB処理を施し、所望のパターンを描画した前記レジスト膜を有する前記マスク基板の、露光後ベーク処理(Post Exposure Bake:以降、PEBという)を行うナノインプリント用モールドの製造方法であって、前記マスク基板の処理は、複数且つ連続して配置したホットプレートの少なくとも2台以上を連続して使用して、前記マスク基板を1台目のホットプレートに移載し静置する工程と、1台目のホットプレートに移載し静置した前記マスク基板を2台目あるいは2台目以降のホットプレートに移載し静置して、ベーク処理を行う工程と、前記ベーク処理に連続して、単数又は複数の冷却プレートに前記マスク基板を移載し静置して冷却する工程と、を有することを特徴とする。
本発明のベーク処理装置によれば、大きさ6インチ角、厚さ0.250インチの合成石英からなるマスク基板であっても、当該マスク基板に塗布された化学増幅型レジスト膜を、当該化学増幅型レジストの設計開発あるいは試作時のベーク処理時間以内で、且つ、所定のベーク温度で処理することが可能となる。 その結果、化学増幅型レジスト膜が過剰にベーク処理されることを回避でき、未描画部については高い残膜率を維持でき、かつ、高いパターンコントラストを確保でき、高品質なレジストパターンを形成して提供することができる。 また、当該高品質なレジストパターンにより、高品質なフォトマスク及びナノインプリント用モールドを作製して提供できる。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態を、ナノインプリント用モールドの製造工程を説明するための断面概略図である図1と、本発明のベーク処理装置の断面概略図である図2に基づいて説明する。
(ベーク処理装置の構成)
まず、ホットプレート51及び52と冷却プレート53が順に連続に配置され、また、大きさ6インチ角、板厚0.250インチの合成石英から成るマスク基板1(以降、マスク基板1ともいう)を、ホットプレート51及び52と冷却プレート53の順に移載し、且つ、それぞれに異なる所定の静置時間で静置してマスク基板1のベーク処理を進めるための基板搬送機構54を備えた、ベーク処理装置50を用意する。
ここで、ホットプレート51及び52は、例えば250mm角で厚さ25mmの2枚のアルミ板で構成される。 そして、マスク基板1が載置されるホットプレート51及び52の上面(表面)温度が当該上面の面内(250mm角、特にその中心6インチ角)で均一になるように設計されたマイカヒーターを前記2枚のアルミ板に挟んだ加熱機構を持ち、且つ、上面側の25mmアルミ板の中央部付近且つ表面近傍に温度調節器に接続された白金抵抗測温体等の測温体を配置してなる(当該加熱機構、温度調節器、測温体は図示しない)。 また、前記温度調節器は、前記マイカヒーターのON/OFFあるいは出力を連続且つ段階的に調整することで、ホットプレート51及び52をそれぞれ所定の温度に調整保持する。 また、前記マイカヒーターの能力は700Wであったが、マスク基板1がホットプレート51または52の上面に載置された際、ホットプレート51または52の温度が前記所定の温度から低下しないヒーター電力またはヒーター容量であれば良い。
次に、冷却プレート53は、例えば、250mm角で厚さ50mmのアルミ板をくり抜いて中空とし、この中空部に恒温水供給装置により所定の温度に調整した冷媒を満たし、且つ、前記恒温水供給装置との間で循環させる熱交換機構であれば良い(熱交換機構、恒温水供給装置は図示しない)。 また、ベークされた後のマスク基板1を可能な限り急速に冷却するために、冷却プレート53及び前記冷媒は、結露を生じない範囲であって可能な限り露点に近い温度に調整保持される。 具体的には、一例として室温22.5℃、相対湿度40%の周囲環境では、12.5℃とした。
また、ホットプレート51及び52並びに冷却プレート53の上面には、マスク基板1を載置した際、マスク基板1の裏面と前記上面とが直接接触しないように、例えば厚さ100μmの耐熱性樹脂からなるテープ55を複数(例えば3カ所)挟み、スペーサー(Proximity Gapともいう)としての機能を担わせた。 これは、マスク基板1の裏面にキズが入らないようにするためと、ホットプレート51及び52並びに冷却プレート53の上面且つ表面の温度の不均一性が前記マスク基板1に直接反映することを緩和させる役割を担う。 なお、前記耐熱性樹脂からなるスペーサーに代えて、サファイア球あるいはサファイア球を先端に配したピンをスペーサーとして用いても良い。 マスク基板1の裏面と、ホットプレート51及び52並びに冷却プレート53、それぞれの上面との平行度が維持できるよう配備されれば良い。
ここで、前記ベーク処理装置は、ホットプレートを2台と冷却プレート1台を連続に配置して構成したが、ホットプレートを3台あるいはそれ以上で構成しても良いし、また、冷却プレートの2台あるいはそれ以上で構成しても良い。 また、前記ベーク処理装置では、ホットプレートを2台と冷却プレート1台を連続に配置して構成したが、斜めに配置しても良いし、また、2台のホットプレートは直線に配置する一方で冷却プレートは前記直線方向に対して垂直な方向に配置しても良い。 いずれ、可能な限り迅速且つ短い移動(移載)時間で、ホットプレート間、ホットプレートと冷却プレート間、あるいは冷却プレート間を前記マスク基板1が移動できる搬送機構54が構成できれば良い。
また、本実施の形態では、ホットプレートは、ホットプレート上面にスペーサーを介して前記マスク基板を静置する比較的単純な構成であるが、ホットプレート上に静置された前記マスク基板1の上面側に、一定の距離を取って熱反射板あるいは別のホットプレートを配置しても良い。 また、本実施の形態では、ホットプレート51及び52並びに冷却プレート53を固定して、搬送機構54でマスク基板1を移載及び静置する機構を取ったが、マスク基板1を固定し、ホットプレート51及び52並びに冷却プレート53が順に移動してベーク処理を進める構成であって良い。
(1台目のホットプレートの調整保持温度の事前決定)
次に、1台目のホットプレート51に前記マスク基板を移載し静置してベーク処理を開始した直後の前記マスク基板の表面の必要な昇温速度(Ramp)を予め決定し、さらに、1台目のホットプレート51の調整保持温度を予め決定する。
ここで、所定のベーク温度は80〜160℃(前記Temp)、所定のベーク時間は90秒(前記Time)とすると、当該所定のベーク温度に所定のベーク時間内に到達するための前記マスク基板の昇温速度(前記Ramp)は、0.89℃/秒(80℃/90秒)〜1.78℃/秒(160℃/90秒)である。 当該昇温速度(Ramp)の高い側(即ち、1.78℃/秒)までを実行できるホットプレート51の設定温度として225℃を選択した。 そして、ホットプレート51を予め225℃に調整保持した。 225℃に調整保持した場合の実際の昇温速度(Ramp)は、約2℃/秒であり、90秒のベーク時間(Time)内に、マスク基板1の基板表面を所定のベーク温度(ここでは160℃(Temp))に到達させることができる。 なおここで、前記マスク基板1とホットプレート51上面との間隔は100μmとした。
また、前記昇温速度をさらに高めるには、前記前記マスク基板とホットプレート51上面との間隔をさらに狭める、ホットプレート51のヒーター容量をさらに大きくする、ホットプレート51にマスク基板1を静置した際、その上面に熱反射板あるいは別のホットプレートを設ける、等を行えば良い。 ここで、図7(a)は、ホットプレート51を225℃に調整保持してベーク処理を開始した場合のマスク基板1の表面の昇温速度を示す。 また、図7(b)は、参考例として、ホットプレート51を同じく225℃に調整保持したが、マスク基板1とホットプレート51上面との間隔を約60μmとした場合のマスク基板1の表面の昇温速度を示す。
(マスク基板のホットプレートへの静置時間の事前決定)
次に、前記マスク基板1の表面の中央125mm角の範囲に熱電対を25本均等(5x5、間隔25mm)に配置して貼り付けた基板表面温度計測用のマスク基板2を準備した。
そして、前記ベーク処理装置50を使って、前記マスク基板2に対して、擬似的なPAB処理あるいはPEB処理を行って、その際の、マスク基板2の表面温度とベーク処理開始後の時間経過との関係を求めた。 また、その際、マスク基板2がホットプレート51上に移載され静置された直後からの経過時間(以降、静置時間1という)を、10秒から5秒毎に、65秒まで変化させた。
ここで図3は、上記のマスク基板2の表面温度とベーク処理の時間経過との関係を求めた結果の例である。 例として、静置時間1を(a)、(b)、(c)及び(d)と、順に短くしたときの結果を示す。
図3のとおり、静置時間1を(b)とした場合に、マスク基板2の表面温度は、所定のベーク温度(ここでは、130℃とした)を越えることなく、最も急速に当該所定のベーク温度に到達している。
これに対し、静置時間1を(c)、(d)と短くするに従い、マスク基板2の表面温度は、前記所定のベーク温度に接近するに従い、マスク基板2の表面温度昇温速度は徐々に低下し、結果として、マスク基板2の表面温度が記所定のベーク温度に到達する時間は遅れている。 また一方、静置時間1を(a)とした場合、あるいはそれより長くする従って、マスク基板2の表面温度は、前記所定のベーク温度を越えてオーバーシュートした。
上記の結果から、ホットプレート51を225℃に調整保持し、且つスペーサー厚100μmとした場合、ホットプレート51での静置時間1を、予め、(b)の条件に決定した。
なお、図5前記静置時間1を(b)の条件にすることで、マスク基板2の表面は、おおより80秒で所定のベーク温度に到達することがわかる。
なお、前記マスク基板2を用いて計測したマスク基板2の表面温度は、前記25本の熱電対の温度表示値の平均値を求めて代表値とした。
次に、所定のベーク温度を90℃、110℃、150℃として、同様の関係を求め、マスク基板の表面温度が所定にベーク温度それぞれ対してオーバーシュートすることなく且つ最も迅速に到達することが可能な、ホットプレート51へのマスク基板1の静置時間1を求めた。 そして、当該静置時間1と所定のベーク温度との関係を求めた(図4参照)。 両者の関係はおおむね2次関数で近似される。 そこで、前記、90℃、110℃、130℃、150℃に限定されず、任意の所定のベーク温度からホットプレート51へのマスク基板1の静置時間1は予め算出して求めておくことができる。
(基板の準備)
まず、ナノインプリント用モールドとなるマスターモールド20作製のためのマスク基板1を用意する(図1(a))。 マスク台板1は、大きさ6インチ角、厚さ0.250インチで、合成石英からなるマスク台板である。
このマスク台板1は、マスターモールド20として用いることができるのであれば、その形状や材質は問わない。 また、台板1の形状は、ベーク処理装置50で処理が可能であれば、形状は問わない。
一方で、マスク基板1は、前記実施の態様に記載のベーク処理装置50でベーク処理する際、1台目のホットプレート51から2台目のホットプレート52にマスク基板1が移載される最中に、即ち1台目のホットプレート51をマスク基板1が離れた直後にその表面温度が低下しない挙動を示す材質及び板厚からなる。 例えば前記ウエハでは、1台目のホットプレート51から2台目のホットプレート52にマスク基板1が移載される最中に、前記ウエハが1台目のホットプレート51を離れると同時に前記ウエハの表面温度は低下してしまうため、本発明の処理基板の対象には適さない。
本実施形態においては、フォトマスク製造用に標準規格に準じた、大きさ6インチ角、厚さ0.250インチで、合成石英からなるマスク基板1を用いて説明する。
(基板へのハードマスク層の形成)
まず、必要に応じて適宜研磨し洗浄したマスク基板1(図1(a))をスパッタリング装置に導入する。 そして本実施形態においては、クロム(Cr)からなるターゲットをアルゴンガスと窒素ガスでスパッタリングし、窒化クロムからなるハードマスク膜2を形成する(図1(b))。
なお、本実施形態におけるハードマスク膜2は、単一又は複数の層からなり、後出のレジストパターン4の溝(以降、溝部という)に対応する部位のハードマスク膜2をエッチングして除去した後、マスク基板1をエッチングして溝部を形成する際のマスク材として作用し、溝部以外を保護することができる膜のことを指す。 ここで、ハードマスク膜2は、レジスト膜3との密着性が良好であるものが好ましい。 また、ハードマスク膜2は、レジスト膜3とのエッチング選択性が良好であるものが好ましい。 また、ハードマスク膜2の膜厚は、マスク基板1に溝を形成するエッチングが完了するまで残存する厚さであることが好ましい。
(化学増幅型レジストの塗布)
前記ハードマスク膜2を形成したマスク基板1に対して、必要に応じ、適宜洗浄し、また、密着性向上策としてのベーク処理を行った後、本実施形態においては、図1(c)に示すように、化学増幅型レジストをマスク基板1に対して塗布する。 塗布方法としては、本実施形態においては所定の回転数にて回転させつつマスク基板1の上方からレジスト溶液を滴下して塗布するスピンコート法を用いる。 こうしてマスク基板1上に化学増幅型レジスト膜3(以降、レジスト膜3ともいう)を形成する。 なお、レジスト膜3を設ける前に、ハードマスク膜を形成したマスク基板1上に密着層を設け、その上にレジスト膜3を設けても良い。
なお、この化学増幅型レジストとしては、公知のものでよい。 エネルギビームを照射したときに反応性を有するものであればよい。 具体的には、PAB及びPEB処理を行う必要のあるレジストであればよい。
また、この時のレジスト膜3の厚さは、マスク基板1へのエッチングが完了するまで残存する程度の厚さであることが好ましい。 エッチングする際、マスク基板1のみならずレジスト膜3も少なからず除去されていくためである。
なお、レジスト膜3は複数層設けてもよい。 例えば、レジスト膜3の下層に別途電子線に感度を持たない樹脂膜を塗布形成して、その上に化学増幅型レジストからなるレジスト膜3を形成してもよい。
(PAB処理)
前述の通りに構成して準備したベーク処理装置50(図2参照)により、PAB処理は、具体的には、下記のように行われる。 まず、ハードマスク膜2及び化学増幅型レジスト膜3を形成したマスク基板1は、所定の温度に調整保持されたホットプレート51の上面に載置され、前記スペーサーを挟んで、所定の時間静置される。
ここで、ホットプレート51の温度は、ホットプレート52の温度より高い。 また、ホットプレート51によるベーク開始後の前記マスク基板の表面の昇温速度は、ベーク処理される化学増幅型レジストのための所定のベーク処理温度をレジスト設計開発時の所定のベーク処理時間で割り算した値より大きくなるように、ホットプレート51の温度は設定する。 例えば、前記所定のベーク処理時間を90秒として、また、前記所定のベーク温度を130℃とする場合、前記昇温速度は1.44℃/秒上が確保できるように、ホットプレート51の設定温度を決定して調整保持する。
また、マスク基板1の移載が完了し静置が開始したと同時にタイマーを起動させ、先に説明した決定手法に従って決定された所定の時間だけ、マスク基板1はホットプレート51に静置される。
ホットプレート51に所定の時間静置されたマスク基板1は、続けて、マスク基板1の表面の温度がレジスト3に適した所定のベーク温度と同じになるように調整保持されたホットプレート52、その上面且つ表面に移載され、前記スペーサーを挟んで、所定の時間、静置される。
そして、ホットプレート51にマスク基板1を移載し静置を開始した時点から、ホットプレート52にマスク基板1を移載し静置してなるPAB処理時間の合計が、即ち、ホットプレート51への静置時間、ホットプレート51からホットプレート52への移載(移動)時間、ホットプレート52での静置時間、これらの合計が90秒に達したところで、マスク基板1をホットプレート52から離す。
次に連続して、マスク基板1を例えば12.5℃に調整保持された冷却プレート53に移載して静置する。 その後、マスク基板1が室温になるまで冷却プレート53上に静置し、そして、PAB処理は終了する。
このPAB処理により、レジスト膜3に残存している溶媒を除去し、レジスト膜3を緻密にすることができる。
(パターン描画)
次に、電子線描画機を用いて、前記PAB処理までを経たマスク基板1(即ち、化学増幅型レジスト膜3)に所望のパターンを描画する。
ここで描画される微細なパターンは、ミクロンオーダーであってもよいが、近年の電子機器の性能という観点からはナノオーダーであってもよいし、ナノインプリントモールドなどにより作製される最終製品の性能を考えると、その方が好ましい。
なお、レジスト膜3がポジ型化学増幅型レジストであるならば、電子線による描画を行った箇所が現像処理によって溶解除去され、ひいてはその箇所が完成するモールド20の溝の位置に対応する。 一方、レジスト層がネガ型レジストであるならば、電子線描画した箇所が現像処理によって残存し、ひいてはその箇所が完成するモールド20の溝以外の位置に対応する。
本実施形態においては、ポジ型レジストを用いた場合、すなわち、レジスト膜3の上の描画部がモールド20における溝の位置に対応する。
ここで、化学増幅型レジストの組成物の一例を挙げれば、ポリヒドロキシスチレン(PHS)系樹脂とオニウム塩系の酸発生剤からなる、化学増幅型レジストである。
(PEB処理)
次に、パターン描画した後のレジスト膜3を有するマスク基板1に対して、露光後ベーク(PEB)を行う。 このPEB処理は、PAB処理と全く同様に、前述の通りに構成して準備したベーク処理装置50(図2参照)により、具体的には、下記のように行われる。
まず、ハードマスク膜2及び化学増幅型レジスト膜3を形成し、描画を経たマスク基板1は、所定のPEB温度に調整保持されたホットプレート51の上面に移載され、前記スペーサーを挟んで、所定の時間静置される。
ここで、ホットプレート51の温度は、ホットプレート52の温度より高い。 また、ホットプレート51によるベーク開始後の前記マスク基板1の表面の昇温速度は、ベーク処理される化学増幅型レジスト膜3のための所定のベーク処理温度をレジスト設計開発時の所定のベーク処理時間で割り算した値より大きくなるように、ホットプレート51の温度を調整保持する。 例えば、前記所定のベーク処理時間を90秒として、また、前記所定のベーク温度を130℃として、前記昇温速度は1.44℃/秒上が確保できるように、ホットプレート51の設定温度を決定して調整保持する。
また、マスク基板1の移載が完了し静置が開始したと同時にタイマーを起動させ、先に説明した決定手法に従って決定された所定の時間だけ、マスク基板1はホットプレート51に静置される。
ホットプレート51に所定の時間静置されたマスク基板1は、続けて、前記マスク基板表面の温度がレジスト膜3に適した所定のベーク温度と同じになるように調整保持されたホットプレート52、その上面に移置され、前記スペーサーを挟んで、所定の時間、静置される。
そして、ホットプレート51にマスク基板1を移載し静置を開始した時点から、ホットプレート52にマスク基板1を移載して静置してなるPEB処理時間の合計が、即ち、ホットプレート51への静置時間、ホットプレート51からホットプレート52への移載(移動)時間、ホットプレート52での静置時間、これらの合計が90秒に達したところで、マスク基板1をホットプレート52から離す。
次に連続して、マスク基板1を例えば12.5℃に調整保持された冷却プレート53に移載して静置する。 その後、マスク基板1が室温になるまで冷却プレート53上に静置し、そして、PEB処理は終了する。
このPEB処理により、前記描画によって酸発生剤から発生した酸は熱拡散し、且つ、連鎖的にレジスト膜3の保護基を脱離させ、レジスト膜3の電子線描画された部分が現像液に溶解可能となるように変化する。
(現像)
所望の微細パターンを電子線描画した後、図1(d)に示すように、レジスト膜3を所定の現像剤で現像し、レジスト膜3において電子線描画された部分(レジスト溶解部)を除去し、所望の微細パターンに対応するレジストパターン4を形成する。
なお、現像剤としては公知のものを用いて構わない。 一例を挙げると、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)の2.38%水溶液を用いた現像液が挙げられる。 当該現像剤を例えば60秒間マスク基板1に対してスプレー等して、現像処理は終わる。
(リンス)
その後、レジストパターン4を有するマスク基板1に対し、前記現像剤を洗い流すために、マスク基板1を回転させながらマスク基板1の上方からリンス剤をスプレーして処理する。 このリンス剤は純水で良い。 あるいはまた、表面張力の低減するために純水に界面活性剤等を添加してリンス剤として用いる、あるいは表面張力の小さな有機溶媒等をリンス剤に用いることで、後の、乾燥工程におけるパターン倒壊を抑制あるいは低減できる。 当該リンス液は、レジストパターン4に対して貧溶媒であれば良い。
(乾燥)
上記のリンス処理を行ったレジストパターン4を形成したマスク基板1に対して乾燥処理を行う。 この乾燥処理は、リンス処理を行った後にリンス剤の供給を止め、所定の回転数にてマスク基板1を回転させることによって行う。 これにより、リンス剤が遠心力により基板外縁部から流れ落ちる、又は、蒸発する。 こうして、レジスト溶解部とレジスト非溶解部からなる所望のレジストパターン4が形成される。 また、レジストパターン4が形成されたハードマスク膜2付きのマスク基板1が得られる。
なお、形成されたレジストパターン4の中に残存している現像剤あるいはリンス剤の除去と、レジストパターン4とハードマスク膜2との密着性を向上させることを目的に、必要に応じて、乾燥工程に次いでベーク処理を行っても良い。
(レジストパターンのデスカム:第1のエッチング)
その後、レジストパターン4が形成されたハードマスク膜2付きのマスク基板1を、ドライエッチング装置に導入する。 そして、酸素ガスとアルゴン(Ar)ガスの混合ガスによる第1のエッチングを行い、レジスト溶解部の残渣(スカム)を除去する。 ここで、酸素ガスに代えて、例えばCH 4等のフッ素系ガスを用いても良い。 また、ヘリウム(He)が添加されても良い。
(ハードマスク層のエッチング:第2のエッチング)
続いて、第1のエッチングで用いたガスを排気した後、塩素ガスと酸素ガスからなる混合ガスにより、第2のエッチングを行い、前記現像処理と上記第1のエッチング処理により露出したハードマスク膜2を除去する。
こうして図1(e)に示すように、レジストパターン4に対応する溝加工がマスク基板1上のハードマスク膜2に施される。
なお、この時のエッチング終点は、例えば反射光学式の終点検出器又はプラズマモニター等を用いることで判別する。
(基板のエッチング:第3のエッチング)
続いて、第2のエッチングで用いたガスを排気した後、フッ素系ガスを用いた第3のエッチングをマスク基板1に対して行う。
こうして図1(f)に示すように、レジストパターン4に対応する溝加工がマスク基板1に施され、溝部以外が残存したハードマスク膜2及びレジストパターン4の残存が除去される前のモールド20が作製される。
なお、ここで用いるフッ素系ガスとしては、C x F y (例えば、CF 4 、C 2 F 6 、C 3 F 8 )、CHF 3 、これらの混合ガス又はこれらに添加ガスとして希ガス(He、Ar、Xeなど)を含むもの等が挙げられる。
(レジストパターンの除去)
続いて、硫酸と過酸化水素水の混合液からなるレジスト剥離剤によって、前記第3のエッチングの後に生じたレジストパターン4の残存を除去し、レジストパターン4を完全に剥離除去する。
具体的には、マスク基板1を前記レジスト剥離剤に所定の時間浸漬し、その後、リンス剤(ここでは、常温または加熱された純水)によりレジスト剥離剤を洗い流す。 次いで前記乾燥処理と同様な手法で、マスク基板1を乾燥させる。
なお、ここで用いるレジスト剥離剤としては、前記の硫酸と過酸化水素水の混合液の他、有機溶剤、オゾン水等が挙げられる。 レジストを膨潤溶解又は化学的に分解して剥離除去できる化合物であれば良い。 また、これらのレジスト剥離剤は、加熱して、レジスト剥離除去能力を高めても良い。 さらには、酸素プラズマを用いた灰化処理であって良い。
また、当該レジストパターン4の除去は、前記第2のエッチング処理の後、前記第3のエッチング処理の前に実施しても良い。
(ハードマスク膜の除去:第4のエッチング)
引き続いて、第1のエッチングと同様の手法で、残存ハードマスク膜2を除去する前のモールド20上に残存する前記レジストパターン4に対応してパターン形成されたハードマスク膜2を、ドライエッチングにて剥離除去する工程が行われる。 なお、ハードマスク膜を溶解除去できる薬液が存在する場合(例えば、窒化クロム(CrN)膜)、ウェットエッチングにてハードマスク膜の除去を行っても良い。
以上の工程を経た後、必要があればハードマスクの除去まで行われたマスク基板1の洗浄等を行う。 こうして、図1(g)に示すようなナノインプリント用モールド20(マスタモールド)は完成する。
以上のような本実施形態においては、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本発明のベーク処理装置によれば、大きさ6インチ角、厚さ0.250インチの合成石英からなるマスク基板であっても、当該基板に塗布された化学増幅型レジスト膜を、当該化学増幅型レジストの設計開発あるいは試作時のベーク処理時間以内で、且つ、所定のベーク温度で処理することが可能となる。 その結果、化学増幅型レジスト膜が過剰にベーク処理されることを回避でき、未描画部については高い残膜率を維持でき、かつ、高いパターンコントラストを確保でき、高品質なレジストパターンを形成して提供することができる。 また、当該高品質なレジストパターンにより、高品質なフォトマスク及びナノインプリント用モールドを作製して提供できる。
なお、実施の形態1におけるベーク処理装置、化学増幅型レジストのパターン形成方法、並びに、ナノインプリント用モールド及びフォトマスクの作製方法は、ナノイプリントモールド作製用途以外にも、以下の用途に好適に適用できる。 例えば、LCD用フォトマスク、半導体製造、マイクロ電気機械システム(MEMS)、センサ素子、光ディスク、回折格子や偏光素子等の光学部品、ナノデバイス、有機トランジスタ、カラーフィルター、マイクロレンズアレイ、免疫分析チップ、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、光導波路、光学フィルター、フォトニック結晶等の作製にも幅広く適用できる。
以上、本発明に係る実施の形態を挙げたが、上記の開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。 本発明の範囲は、上記の例示的な実施形態に限定されるものではない。 本明細書中に明示的に記載されている又は示唆されているか否かに関わらず、当業者であれば、本明細書の開示内容に基づいて本発明の実施形態に種々の改変を加えて実施し得る。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。 もちろんこの発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
本実施例においては、マスク基板1として、大きさ6インチ角、厚さ0.250インチの合成石英からなるマスク基板を用いた(図1(a))。
まず、前記マスク基板1をスパッタリング装置に導入し、クロム(Cr)からなるターゲットをアルゴンガスと窒素ガスでスパッタリングし、厚さ2nmの窒化クロムからなるハードマスク膜2を形成した(図1(b))。
次に、ハードマスク膜2を形成したマスク基板1をレジストコータにセットした。 そして、ポリヒドロキシスチレン系樹脂とオニウム塩系の酸発生剤からなるポジ型化学増幅型レジストを、PGMEAを溶剤とした溶液として、これをマスク基板1上に3ml程滴下し、次いで、1500rpmで60秒間マスク基板1を回転させて、膜厚50nmにレジスト膜3を塗布した。
ここで、ホットプレート51とホットプレート52と冷却プレート53が順に連続に配置され、
また、ホットプレート51及びホットプレート52と冷却プレート53に順に、且つ、それぞれに異なる静置時間で、前記マスク基板1を静置し、次いで移載する、マスク基板1を搬送する搬送機構54を備えたベーク処理装置を用意した。
ここで、ホットプレート51は225℃に調整保持され、ホットプレート52は、前記マスク基板1がホットプレート52に移載され静置された際に、前記ポジ型化学増幅型レジストのベーク処理温度である130℃に、その基板表面温度がなるように、適宜温度調整保持した。
次に冷却プレート53は、12.5℃に温度調整保持した。
また、ホットプレート51及びホットプレート52と冷却プレートの上面(表面)には、厚さ100μmのポリイミドからなる耐熱性樹脂テープを前記マスク基板1の略外周上に位置する場所に配置して、スペーサーとした。
そして、上記の通り、ホットプレート51は225℃に調整保持し、また、前記マスク基板1がホットプレート52に静置されたときに当該マスク基板1の表面が130℃になるように、ホットプレート52は145℃に調整保持した。 そして、冷却プレートは12.5℃に調整保持した。
次に、前記マスク基板1の表面の中央125mm角の範囲に熱電対を25本均等(5x5、間隔25mm)に配置して貼り付けた基板表面温度計測用のマスク基板2を準備した。
そして、前記温度設定にして準備した前記ベーク処理装置を使って、前記マスク基板2をベーク処理し、仮装のPAB処理あるいはPEB処理を行って、その際の、マスク基板2の表面温度とベーク処理の時間経過との関係を求めた。 また、その際、マスク基板2がホットプレート51上に移載され静置された直後からの経過時間(以降、静置時間1という)を、10秒から5秒毎に、45秒まで変化させた。
ここで図3は、上記のマスク基板2の表面温度とベーク処理の時間経過との関係を求めた結果の例である。
図3に示された結果の通り、静置時間1を40秒とした場合に、マスク基板2の表面温度は、所定のベーク温度である130℃を越えることなく、最も急速に当該130℃に到達している。
これに対し、静置時間1を35秒あるいはそれより短くするに従い、マスク基板2の表面温度は、前記所定のベーク温度130℃に接近するに従い、マスク基板2の表面温度昇温速度は徐々に低下し、結果として、マスク基板2の表面温度が記所定のベーク温度130℃に到達する時間は遅れた。 また一方、静置時間1を45秒あるいはそれより長くする従って、マスク基板2の表面温度は、前記所定のベーク温度130℃を越えてオーバーシュートしてしまった。
上記の結果から、ホットプレート51を225℃に調整維持し、且つスペーサー厚100μmの場合、ホットプレート51での静置時間1を、予め、40秒に決定した。
なお、前記静置時間1を40秒にすることで、マスク基板2の表面は、約60秒で所定のベーク温度である130℃に到達した。
なお、前記マスク基板2を用いて計測したマスク基板2の表面温度は、前記25本の熱電対の温度表示値の平均値を求めて代表値とした。
次に、前記の化学増幅型レジストと回転塗布したマスク基板1をPAB処理した。
前記マスク基板2のベーク処理と同様に、ホットプレート51は225℃に調整保持し、また、前記マスク基板1がホットプレート52に静置されたときに当該マスク基板1の表面が130℃になるように、ホットプレート52は145℃に調整保持した。 そして、冷却プレートは12.5℃に調整保持した。
そして、搬送機構54により、前記マスク基板1を、まずホットプレート51に移載して静置した。 そして、当該静置が開始されると同時にタイマーを起動させ、静置が開始されてから40秒が経過したところで、前記マスク基板1を、搬送機構54により、ホットプレート52に移載して静置した。 このとき、ホットプレート51からホットプレート52にマスク基板1を移載するに必要な移動時間(以降、移載時間1という)以降、は、15秒であった。 そこで、所望のベーク時間90秒から、前記静置時間1の40秒と移載時間1の15秒を加算した55秒を差し引き、ホットプレート52にマスク基板1を静置する時間(静置時間2)を35秒とした。
そして、前記静置時間2の35秒が経過したところで、前記マスク基板を、前記搬送機構54により、冷却プレート53に移載して静置して、表面温度が130℃のマスク基板1が室温に冷却されるまで、150秒経過した後、前記搬送機構54により、マスク基板1を冷却プレート53から取り出し、PAB処理を完了した。
次に、加速電圧20kVの電子線描画装置(エリオニクス(株)、ELS−3700)により、200μm角の矩形パターンを描画した。 このとき、露光量は0.5μC/cm2から10μC/cm2まで、0.25μC/cm2の間隔として、合計39個の前記矩形パターンを電子線描画した。
描画後、このマスク基板1に対して、PEB処理した。
前記PAB処理と同様に、ホットプレート51は225℃に調整保持し、また、前記マスク基板1がホットプレート52に静置されたときに当該マスク基板1の表面が130℃になるように、ホットプレート52は145℃に調整保持した。 そして、冷却プレートは12.5℃に調整保持した。
そして、搬送機構54により、前記マスク基板1を、まずホットプレート51に移載して静置した。 そして、当該静置が開始されると同時にタイマーを起動させ、静置が開始されてから40秒が経過したところで、前記マスク基板1を、搬送機構54により、ホットプレート52に移載して静置した。 このとき、ホットプレート51からホットプレート52にマスク基板1を移載するに必要な移動時間(以降、移載時間1という)以降、は、15秒であった。 そこで、所望のベーク時間90秒から、前記静置時間1の40秒と移載時間1の15秒を加算した55秒を差し引き、ホットプレート52にマスク基板1を静置する時間(静置時間2)を35秒とした。
そして、前記静置時間2の35秒が経過したところで、前記マスク基板を、前記搬送機構54により、冷却プレート53に移載して静置して、表面温度が130℃のマスク基板1が室温に冷却されるまで、150秒経過した後、前記搬送機構54により、マスク基板1を冷却プレート53から取り出し、PEB処理を完了した。
その後、このマスク基板1の電子線描画を経たレジスト膜3を、2.38%のTMAH水溶液にて60秒間回転スプレー現像処理装置で現像処理した。 現像後、マスク基板1を250rpmで回転させながら、リンス液として純水を60秒間スプレーし、リンス処理した。
その後、マスク基板1を1500rpmで回転させ、乾燥処理を行った。 こうして、実施例に係る試料である化学増幅型レジストのレジストパターンをマスク基板1上に形成した。
なお、この実施例1に係る試料について、残膜感度曲線を求めた。 具体的には、電子線描画とPEB処理を終えた後、分光反射式膜厚測定機にて、レジスト膜厚(現像処理前膜厚)を測定し、前記現像処理を終えた後に、前記39個の200μm角の矩形パターンについて、当該箇所の現像処理後の残膜厚を計測し、そして前記現像処理前膜厚と対比して、残膜率を算出し、残膜率と電子線照射量の関係である残膜感度曲線を求めた。 また、現像処理後の未描画部残膜率とコントラスト(γ値)を求めた。 これらの結果を図4の(a)と(b)に示す。
<実施例2>
実施例2においては、電子線描画パターンを、実施例の200μm角の矩形パターンに代えて、50nmのラインアンドスペースパターンとした以外は、実施例1と同様に実施例2に係る試料、即ち、前記ポジ型化学増幅型レジストのレジストパターン4を形成した。
さらに、実施例2では、前記実施の形態1に従って、レジストパターン4のディスカム、ハードマスク膜2のエッチング、マスク基板1のエッチング、レジストパターンの除去、ハードマスク膜の除去を行って、ナノインプリント用モールドを作製した。
<比較例>
実施例1では、ホットプレート51を225℃に調整保持し、ホットプレート52を145℃に調整保持し、冷却プレート53を12.5℃に調整保持して、且つ、前記静置時間1を40秒、前記静置時間2を35秒として、ホットプレート51とホットプレート52の間の移載時間1の15秒を加えて、PAB及びPEB処理として、130℃で90秒間、マスク基板1をベーク処理して、レジストパターンを形成した。
比較例1においては、ホットプレート51及びホットプレート52共に145℃に調整保持し、マスク基板1が移搭され静置されたときに、マスク基板1の表面温度が130℃となるようにした。 そして、前記静置時間1及び静置時間2を300秒として、移載時間1の15秒を加えて、合計615秒間、PAB処理とPEB処理した以外は、実施例1及び2と同様に試料を作製した。
そして、残膜感度曲線、γ値、残膜率についても、実施例1と同様に調査した。
<評価>
実施例1においては、図4(a)に示すとおり、未露光部の残膜率がパターンコントラスト(γ値)とも良好であった。
一方、比較例1においては、図4(b)に示すとおり、未露光部の残膜率、パターンコントラスト(γ値)とも、実施例1に大きく劣っていた。
1 マスク基板2 ハードマスク膜3 レジスト膜4 レジストパターン10 残存ハードマスク及び残存レジストパターン除去前モールド20 インプリントモールド(マスターモールド)
50 ベーク処理装置51、52 ホットプレート53 冷却プレート54 搬送機構55 テープ
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