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Organic photoelectric conversion element and manufacturing method therefor

阅读:817发布:2020-08-11

专利汇可以提供Organic photoelectric conversion element and manufacturing method therefor专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an organic photoelectric conversion element (bulk heterojunction-type organic solar cell), having a charge transport layer which has superior block capability, in a low-temperature film forming process, with respect to the recombination of electronsdes generated by light absorption and holes (charge carriers) and having improved energy conversion rate, and to provide a method for manufacturing the element. SOLUTION: The organic photoelectric conversion element 10 is formed, by laminating at least a photoelectric conversion layer 14 and a hole transport layer or electron transport layer between a first electrode 12 and a second electrode 15, and has the hole transport layer or electron transport layer made of a thermal conversion material, and the thermal conversion material is converted into a composition of the hole transport layer or electron transport layer by heat. COPYRIGHT: (C)2010,JPO&INPIT,下面是Organic photoelectric conversion element and manufacturing method therefor专利的具体信息内容。

  • 第1の電極と第2の電極との間に少なくとも光電変換層と正孔輸送層または電子輸送層とを積層してなる有機光電変換素子であって、当該正孔輸送層または電子輸送層が熱変換材料からなり、当該熱変換材料が熱により正孔輸送層または電子輸送層の組成物に変換されたことを特徴とする有機光電変換素子。
  • 前記正孔輸送層または電子輸送層の少なくとも一部に、(i)熱変換材料または熱変換材料を含むエリアと、(ii)前記熱変換材料または熱変換材料を含むエリアに隣接もしくは近接して、電磁波吸収能を持つ物質または電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアとが、配置され、電磁波が照射された際に、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料が正孔輸送層または電子輸送層の組成物に変換されたことを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
  • 前記正孔輸送層または電子輸送層の少なくとも一部に、熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアとが配置され、電磁波が照射された際に、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料が正孔輸送層または電子輸送層の組成物に変換されたことを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
  • 前記電磁波吸収能を持つ物質が、導電性の金属酸化物であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の有機光電変換素子。
  • 前記熱変換材料が、少なくとも3種類以上の金属元素を含む無機半導体前駆体であり、無機半導体に変換されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
  • 前記無機半導体が、少なくとも、In、Zn、Snのいずれかの元素を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機光電変換素子。
  • 前記無機半導体が、Ga、Alのいずれかを含むことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
  • 前記無機半導体が、金属酸化物半導体であることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
  • 前記熱変換材料が、有機半導体前駆体であり、有機半導体に変換されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
  • 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機光電変換素子を製造する有機光電変換素子の製造方法であって、正孔輸送層または電子輸送層の少なくとも一部に、(i)熱変換材料または熱変換材料を含むエリアと、(ii)前記熱変換材料または熱変換材料を含むエリアに隣接もしくは近接して電磁波吸収能を持つ物質又は電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアとを、配置し、電磁波を照射して、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料を正孔輸送層または電子輸送層の組成物に変換することを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
  • 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機光電変換素子を製造する有機光電変換素子の製造方法であって、正孔輸送層または電子輸送層の少なくとも一部に、熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアを配置し、電磁波を照射して、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料を正孔輸送層または電子輸送層の組成物に変換することを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
  • 基板の一方の面に形成した電磁波吸収能を持つ電極層上に、熱変換材料を含む層を塗布形成し、電磁波照射することによって、当該電極から発生する熱により、当該熱変換材料を含む層を正孔輸送層または電子輸送層に変換することを特徴とする請求項10に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  • 電磁波吸収能を持つ基板の一方の面に形成した電極層上に、熱変換材料を含む層を塗布形成し、電磁波照射することによって、当該基板から発生する熱により、当該熱変換材料を含む層を正孔輸送層または電子輸送層に変換することを特徴とする請求項10に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  • 基板の一方の面に形成した電極層上に、熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質を含む層を塗布形成し、電磁波照射することによって、当該電磁波吸収能を持つ物質から発生する熱により、当該熱変換材料を含む層を正孔輸送層または電子輸送層に変換することを特徴とする請求項11に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  • 前記電磁波が、マイクロ波であることを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか一項に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、エネルギー変換効率を向上させた有機光電変換素子とその製造方法に関する。

    バルクヘテロジャンクション型の有機太陽電池(有機光電変換素子)は、光吸収によって形成した励起子を失活する前に効率よく電荷分離できることが特徴だが、発生したフリーキャリアは、有機ドナー材料または有機アクセプター材料がそれぞれ相分離した形で存在するパーコレーション構造中を拡散によって移動するため、両極性のフリーキャリア同士が電極上で再結合してしまい、エネルギー変換効率の低下を起こしやすいといった問題があった。

    それに対し、発電層と電極間に励起子ブロック層を設けることで電極上でのキャリア再結合を抑制する技術が紹介されており(例えば特許文献1参照)、高効率化に向けて重要な知見と言える。 同じような技術として、パルスレーザー製膜法を用いて発電層と電極の間に酸化ニッケルからなる層を形成し、高いキャリア分離能を得る技術が紹介されている(例えば非特許文献1)。 しかしながら、これらの製法では、真空下で均一性の高い層を形成する必要があり、有機太陽電池の高い生産性をスポイルしていた。

    更に、この様なブロック能を有する層(電荷輸送層)を塗布法で形成する方法として、光電変換層と電極の間にバンドギャップ1.8eV以上の共役ポリマー層を形成する方法(例えば特許文献2)や、熱変換型のベンゾポルフィリン層を形成する方法(例えば特許文献3)、金属アルコキシドの溶液を塗布し、大気中で加分解させることで金属酸化物層とする方法(例えば、特許文献4または特許文献5)等が紹介されている。

    しかし、この様な塗布型の電荷輸送層では、未だキャリアの分離能が低く、電極上でのフリーキャリア同士の再結合を十分に抑制できていなかった。 上述した金属酸化物を電荷輸送層に用いる場合、高いブロック能を付与するためには、少なくとも300℃以上の焼成プロセスが必要になり、有機物を用いた素子や、フレキシブルな樹脂基板を用いた素子においては不適であり、低温製膜プロセスで優れたブロック能を有する電荷輸送層を形成する方法が望まれていた。

    米国特許第7,026,041号明細書

    国際公開第04/017422号パンフレット

    特開2008−135622号公報

    国際公開第07/011741号パンフレット

    特開2007−273939号公報

    Michael D. Irwin et al. ,PNAS,vol. 105,No. 8,2783−2787

    本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、光吸収によって発生した電子と正孔(電荷キャリア)の再結合に対し低温製膜プロセスで優れたブロック能を有する電荷輸送層を備え、エネルギー変換効率を向上させた有機光電変換素子(バルクヘテロジャンクション型の有機太陽電池)及びその製造方法を提供することである。

    本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。

    1. 第1の電極と第2の電極との間に少なくとも光電変換層と正孔輸送層または電子輸送層とを積層してなる有機光電変換素子であって、当該正孔輸送層または電子輸送層が熱変換材料からなり、当該熱変換材料が熱により正孔輸送層または電子輸送層の組成物に変換されたことを特徴とする有機光電変換素子。

    2. 前記正孔輸送層または電子輸送層の少なくとも一部に、(i)熱変換材料または熱変換材料を含むエリアと、(ii)前記熱変換材料または熱変換材料を含むエリアに隣接もしくは近接して、電磁波吸収能を持つ物質または電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアとが、配置され、電磁波が照射された際に、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料が正孔輸送層または電子輸送層の組成物に変換されたことを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子。

    3. 前記正孔輸送層または電子輸送層の少なくとも一部に、熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアとが配置され、電磁波が照射された際に、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料が正孔輸送層または電子輸送層の組成物に変換されたことを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子。

    4. 前記電磁波吸収能を持つ物質が、導電性の金属酸化物であることを特徴とする前記2又は前記3に記載の有機光電変換素子。

    5. 前記熱変換材料が、少なくとも3種類以上の金属元素を含む無機半導体前駆体であり、無機半導体に変換されたことを特徴とする前記1から前記4のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。

    6. 前記無機半導体が、少なくとも、In、Zn、Snのいずれかの元素を含むことを特徴とする前記5に記載の有機光電変換素子。

    7. 前記無機半導体が、Ga、Alのいずれかを含むことを特徴とする前記4から前記6のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。

    8. 前記無機半導体が、金属酸化物半導体であることを特徴とする前記5から前記7のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。

    9. 前記熱変換材料が、有機半導体前駆体であり、有機半導体に変換されたことを特徴とする前記1から前記4のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。

    10. 前記1から前記9のいずれか一項に記載の有機光電変換素子を製造する有機光電変換素子の製造方法であって、正孔輸送層または電子輸送層の少なくとも一部に、(i)熱変換材料または熱変換材料を含むエリアと、(ii)前記熱変換材料または熱変換材料を含むエリアに隣接もしくは近接して電磁波吸収能を持つ物質又は電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアとを、配置し、電磁波を照射して、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料を正孔輸送層または電子輸送層の組成物に変換することを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。

    11. 前記1から前記9のいずれか一項に記載の有機光電変換素子を製造する有機光電変換素子の製造方法であって、正孔輸送層または電子輸送層の少なくとも一部に、熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアを配置し、電磁波を照射して、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料を正孔輸送層または電子輸送層の組成物に変換することを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。

    12. 基板の一方の面に形成した電磁波吸収能を持つ電極層上に、熱変換材料を含む層を塗布形成し、電磁波照射することによって、当該電極から発生する熱により、当該熱変換材料を含む層を正孔輸送層または電子輸送層に変換することを特徴とする前記10に記載の有機光電変換素子の製造方法。

    13. 電磁波吸収能を持つ基板の一方の面に形成した電極層上に、熱変換材料を含む層を塗布形成し、電磁波照射することによって、当該基板から発生する熱により、当該熱変換材料を含む層を正孔輸送層または電子輸送層に変換することを特徴とする前記10に記載の有機光電変換素子の製造方法。

    14. 基板の一方の面に形成した電極層上に、熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質を含む層を塗布形成し、電磁波照射することによって、当該電磁波吸収能を持つ物質から発生する熱により、当該熱変換材料を含む層を正孔輸送層または電子輸送層に変換することを特徴とする前記11に記載の有機光電変換素子の製造方法。

    15. 前記電磁波が、マイクロ波であることを特徴とする前記10から前記14のいずれか一項に記載の有機光電変換素子の製造方法。

    本発明の上記手段により、光吸収によって発生した電子と正孔(電荷キャリア)の再結合に対し低温製膜プロセスで優れたブロック能を有する電荷輸送層を備え、エネルギー変換効率を向上させた有機光電変換素子(バルクヘテロジャンクション型の有機太陽電池)及びその製造方法を提供することができる。

    本発明の有機光電変換素子の基本構造を示す概略断面図。

    熱変換材料が電荷輸送層の組成物に変換される工程の概念図。

    本発明の、有機光電変換素子は、第1の電極と第2の電極との間に少なくとも光電変換層と正孔輸送層または電子輸送層(以下、「正孔輸送層」と「電子輸送層」を総じて「電荷輸送層」ともいう。)とを積層してなる有機光電変換素子であって、当該正孔輸送層または電子輸送層が熱変換材料からなり、当該熱変換材料が熱により正孔輸送層または電子輸送層の組成物に変換されたことを特徴とする。 この特徴は、請求項1から請求項15に係る発明に共通する技術的特徴である。

    本発明の実施態様としては、発明の効果の観点から、前記電荷輸送層の少なくとも一部に、(i)熱変換材料または熱変換材料を含むエリアと、(ii)前記熱変換材料または熱変換材料を含むエリアに隣接もしくは近接して、電磁波吸収能を持つ物質または電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアとが配置され、電磁波が照射された際に、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料が電荷輸送層の組成物に変換された態様であることが好ましい。 また、当該電荷輸送層の少なくとも一部に、熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアとが配置され、電磁波が照射された際に、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料が電荷輸送層の組成物に変換された態様であることも好ましい。

    本発明においては、前記熱変換材料が、少なくとも3種類以上の金属元素を含む無機半導体前駆体であり、無機半導体に変換された態様であることが好ましい。 また、当該無機半導体が、少なくとも、In、Zn、Snのいずれかの元素を含むことが好ましい。 更に、当該無機半導体が、Ga、Alのいずれかを含むことが好ましい。

    また、前記無機半導体が、金属酸化物半導体であることが好ましい。

    本発明においては、前記熱変換材料が、有機半導体前駆体であり、有機半導体に変換された態様であることも好ましい。

    一方、前記電磁波吸収能を持つ物質が、導電性の金属酸化物であることが好ましい。

    本発明の有機光電変換素子を製造する有機光電変換素子の製造方法としては、電荷輸送層の少なくとも一部に、(i)熱変換材料または熱変換材料を含むエリアと、(ii)前記熱変換材料または熱変換材料を含むエリアに隣接もしくは近接して電磁波吸収能を持つ物質又は電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアとを、配置し、電磁波を照射して、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料を電荷輸送層の組成物に変換する態様の製造方法であることが好ましい。 また、電荷輸送層の少なくとも一部に、熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアを配置し、電磁波を照射して、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料を電荷輸送層の組成物に変換する態様であることも好ましい。

    本発明においては、基板の一方の面に形成した電磁波吸収能を持つ電極層上に、熱変換材料を含む層を塗布形成し、電磁波照射することによって、当該電極から発生する熱により、当該熱変換材料を含む層を電荷輸送層に変換する態様の製造方法であることが好ましい。 また、電磁波吸収能を持つ基板の一方の面に形成した電極層上に、熱変換材料を含む層を塗布形成し、電磁波照射することによって、当該基板から発生する熱により、当該熱変換材料を含む層を電荷輸送層に変換する態様の製造方法であることも好ましい。 更に、基板の一方の面に形成した電極層上に、熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質を含む層を塗布形成し、電磁波照射することによって、当該電磁波吸収能を持つ物質から発生する熱により、当該熱変換材料を含む層を電荷輸送層に変換する態様であることが好ましい。

    なお、本発明においては、前記電磁波が、マイクロ波であることが好ましい。

    以下、本発明とその構成要素、及び、本発明を実施するための最良の形態・態様について詳細な説明をする。

    (本発明の有機光電変換素子の基本構造)
    本発明の有機光電変換素子は、第1の電極と第2の電極との間に少なくとも光電変換層と電荷輸送層とを積層してなる有機光電変換素子であるが、その有機光電変換素子の基本構造の一例の概略断面図を図1に示す。 図1において、有機光電変換素子10は、基板11の一方面上に、第1電極12、第1の電荷輸送層13、バルクヘテロジャンクション構造(p型半導体層及びn型半導体層を含む混合により形成されたドメイン構造)を有する光電変換層14(以下「バルクヘテロジャンクション層」ともいう。)、第2の電荷輸送層15、及び第2電極16が図1に示すように順次積層された構造からなる。

    光電変換層14に外部光を入射させるためには、前記基板11及び第1電極12、もしくは第2電極が発電に寄与する光の波長域に対して実質透明であることが好ましい。 基板11と第1電極が透明で、且つ第2電極が第1電極側から入射して、光電変換層14を透過してきた光を反射させる構成であることがより好ましい。 また、基板11及び第1電極、第2電極が共に透明である構成も、本発明において好ましく用いることができる。

    第1電極が正極である場合は、正孔と電子からなるフリー電荷の内、正孔を主に取り出す構成のため、上述した第1の電荷輸送層13は正孔輸送層であることが好ましい。 同様に、第2電極が陰極である場合は電子を主に取り出す構成のため、第2の電荷輸送層15は電子輸送層であることが好ましい。

    本発明において、第1の電荷輸送層と第2の電荷輸送層で輸送される電荷は、電子または正孔のどちらでもよく、好ましくは対になる選択することがより好ましい。 また、本発明の有機光電変換素子は、第1の電荷輸送層と第2の電荷輸送層の少なくともどちらかの層を有していればよく、図1に示されるように、光電変換層14を上下から挟む様な形態で、第1の電荷輸送層、第2の電荷輸送層それぞれを有することがより好ましい。

    (熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質)
    本発明に係る電荷輸送層は、その少なくとも一部に、(i)熱変換材料または熱変換材料を含むエリアと、(ii)前記熱変換材料または熱変換材料を含むエリアに隣接もしくは近接して、電磁波吸収能を持つ物質または電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアとが、配置され、電磁波が照射された際に、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料が電荷輸送層の組成物に変換される態様であることが好ましい。 また、当該電荷輸送層の少なくとも一部に、熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアとが配置され、電磁波が照射された際に、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料が電荷輸送層の組成物に変換される態様であることも好ましい。

    〈熱変換材料〉
    本発明に係る前記熱変換材料は、少なくとも3種類以上の金属元素を含む無機半導体前駆体であり、無機半導体に変換される材料であることが好ましい。

    また、当該無機半導体が、少なくとも、In、Zn、Snのいずれかの元素を含む半導体であることが好ましい。 更に、当該無機半導体が、Ga、Alのいずれかを含む半導体であっても良い。

    本発明においては、当該無機半導体が、金属酸化物半導体であることが特に好ましい。 また、熱変換材料として、有機半導体前駆体であり、有機半導体に変換される材料を用いることも好ましい。

    以下、熱変換材料について更に詳しく説明する。

    本発明において、熱変換材料である半導体前駆体としては、金属酸化物半導体前駆体、また有機半導体前駆体材料も用いることができる。

    (金属酸化物半導体)
    金属酸化物半導体前駆体としては、金属元素含有化合物が挙げられ、金属元素含有化合物には、金属元素を含む、金属塩、ハロゲン化金属化合物、有機金属化合物等を挙げることができる。

    金属塩、ハロゲン金属化合物、有機金属化合物の金属としては、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等を挙げることができる。

    それらの金属元素のうち、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)、のいずれかの金属イオンを含むことが好ましく、それらを併用して混合させてもよい。

    また、その他の金属元素として、Ga(ガリウム)、Al(アルミニウム)を含むことが好ましい。

    金属塩としては、硝酸塩、酢酸塩等を、ハロゲン金属化合物としては塩化物、ヨウ化物、臭化物等を好適にもちいることができる。

    有機金属化合物としては、下記の一般式(OMI)で示すものが挙げられる。

    一般式(OMI) R MR
    式中、Mは金属、R はアルキル基、R はアルコキシ基、R はβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基であり、金属Mの価数をmとした場合、x+y+z=mであり、x=0〜m、またはx=0〜m−1であり、y=0〜m、z=0〜mで、いずれも0または正の整数である。 R のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができる。 R のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基等を挙げることができる。 またアルキル基の水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。 R のβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基としては、β−ジケトン錯体基として、例えば、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトン或いはアセトアセトンともいう)、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸エステル錯体基として、例えばアセト酢酸メチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、アセト酢酸プロピルエステル、トリメチルアセト酢酸エチル、トリフルオロアセト酢酸メチル等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸として、例えば、アセト酢酸、トリメチルアセト酢酸等を挙げることができ、またケトオキシとして、例えば、アセトオキシ基(またはアセトキシ基)、プロピオニルオキシ基、ブチリロキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を挙げることができる。 これらの基の炭素原子数は18以下が好ましい。 また直鎖または分岐のもの、また水素原子をフッ素原子にしたものでもよい。 有機金属化合物の中では、分子内に少なくとも1つ以上の酸素を有するものが好ましい。 このようなものとしてR のアルコキシ基を少なくとも1つを含有する有機金属化合物、またR のβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基を少なくとも1つ有する金属化合物が最も好ましい。 金属塩のなかでは、硝酸塩が好ましい。 硝酸塩は高純度品が入手しやすく、また使用時の媒体として好ましい水に対する溶解度が高い。 硝酸塩としては、硝酸インジウム、硝酸錫、硝酸亜鉛、硝酸ガリウム等が挙げられる。

    以上の金属酸化物半導体前駆体のうち、好ましいのは、金属の硝酸塩、金属のハロゲン化物、アルコキシド類である。 具体例としては、硝酸インジウム、硝酸亜鉛、硝酸ガリウム、硝酸スズ、硝酸アルミニウム、塩化インジウム、塩化亜鉛、塩化スズ(2価)、塩化スズ(4価)、塩化ガリウム、塩化アルミニウム、トリ−i−プロポキシインジウム、ジエトキシ亜鉛、ビス(ジピバロイルメタナト)亜鉛、テトラエトキシスズ、テトラ−i−プロポキシスズ、トリ−i−プロポキシガリウム、トリ−i−プロポキシアルミニウムなどが挙げられる。

    (金属酸化物半導体前駆体薄膜の成膜方法)
    これらの金属酸化物半導体の前駆体となる金属を含有する薄膜を形成するためには、公知の成膜法、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法などを用いることができるが、本発明については金属塩、ハロゲン化物、有機金属化合物等を適切な溶媒に溶解した溶液を用いて基板上に連続的に塗設することで生産性を大幅に向上することが出来好ましい。 この点からも、金属化合物としては、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、金属アルコキシド等を用いること事が溶解性の観点からより好ましい。

    溶媒としては、水の他、用いる金属化合物を溶解するものであれば特に制限されるところではないが、水や、エタノール、プロパノール、エチレングリコールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等グリコールエーテル系、また、アセトニトリルなど、更に、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、m−クレゾール等の芳香族系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、トリデカンなどの脂肪族炭化水素溶媒、α−テルピネオール、また、クロロホルムや1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、N−メチルピロリドン、2硫化炭素等を好適に用いることができる。

    金属ハロゲン化物及び/又は金属アルコキシドを用いた場合には比較的極性の高い溶媒が好ましく、中でも沸点が100℃以下の水、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセトニトリル、又はこれらの混合物を用いると乾燥温度を低くする事ができため、樹脂基板に塗設することが可能となりより好ましい。

    また、溶媒中に金属アルコキシドと種々のアルカノールアミン、α−ヒドロキシケトン、β−ジケトンなどの多座配位子であるキレート配位子を添加すると、金属アルコキシドを安定化したり、カルボン酸塩の溶解度を増加させる事ができ、悪影響が出ない範囲で添加することが好ましい。

    半導体前駆体材料を含有する液体を基材上に適用して薄膜を形成する方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、バーコート法、ダイコート法など塗布法、また、凸版、凹版、平版、スクリーン印刷、インクジェットなどの印刷法等、広い意味での塗布による方法が挙げられ、また、これによりパターン化する方法などが挙げられる。 また、塗布膜からフォトリソグラフ法、レーザーアブレーションなどによりパターン化してもよい。 これらのうち、好ましいのは薄膜の塗布が可能な、インクジェット法、スプレーコート法等である。

    成膜する場合、塗布後、150℃程度で溶媒を揮発させることにより金属酸化物の前駆体の薄膜が形成される。 尚、溶液を滴下する際、基板自体を150℃程度に加熱しておくと、塗布、乾燥の2プロセスを同時に行えるため好ましい。

    (金属の組成比)
    好ましい、金属の組成比としては、Inを1とした時、Zn Sn 1−y (ここにおいてyは0〜1の正数)は0.2〜5、好ましくは0.5〜2とする。 さらにInを1とした時に、Gaの組成比は0.2〜5、好ましくは0.5〜2とする。

    また、前駆体となる金属を含む薄膜の膜厚は1〜200nm、より好ましくは5〜100nmである。

    (非晶質酸化物)
    形成される金属酸化物半導体としては、単結晶、多結晶、非晶質のいずれの状態も使用可能だが、好ましくは非晶質の薄膜を用いる。

    (有機半導体材料)
    有機半導体前駆体材料としては、例えば、前記特開2003−304014号公報に記載のような環状構造をもつビシクロ化合物(ビシクロポルフィリン化合物)が挙げられる。 これらの化合物で形成された膜は、加熱により、脱エチレン化反応が進行して、平面性の高いテトラベンゾポルフィリン等の膜を得ることができ高効率の有機半導体層を形成する。 半導体前駆体として、これらのビシクロポルフィリン化合物又その金属錯体を用いることで、ITO電極の電磁波吸収による発熱によって同じく平面性の高い有機半導体層が形成できる。

    これらビシクロポルフィリン化合物の具体的化合物例としては、前記有機特開2003−304014号明細書、段落(0022)〜(0025)に記載されており、これらの化合物、また例えば銅等の金属錯体を用いることができる。 具体例を以下に挙げる。

    これらのビシクロ化合物も必要に応じ溶媒に溶解して塗布することができる。 特に脱エチレン反応にて変換される分子が溶媒に難溶なものが有用である。 塗布の方法としては、キャスティング法、スピンコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、ディップコート法、バーコート法、ダイコート法など塗布法、また、凸版、凹版、平版、スクリーン印刷、インクジェットなどの印刷法等、広い意味での塗布による方法を用いることができる。 また、これによりパターン化する方法などが挙げられる。 また、塗布膜からフォトリソグラフ法、レーザーアブレーションなどによりパターン化してもよい。

    〈電磁波吸収能を持つ物質を含むエリア〉
    本発明に係る電磁波吸収能を持つ物質は、照射された電磁波を吸収し熱変化することで、当該物質自身が発熱して熱源となるため、誘電損失または抵抗損失が大きく効率よく発熱する材料が好ましい。

    電磁波吸収能を持つ材料としては、金属酸化物が好ましい。 金属酸化物としては、チタン、銅、ニッケル、亜鉛、錫、インジウムの酸化物が好ましい。

    また、酸素の存在下で電磁波を照射することにより酸化して金属酸化物となる場合には、金属原子を含む、金属塩、ハロゲン化物、有機金属化合物を用いることもできる。

    金属塩、金属酸化物、有機金属化合物、ハロゲン金属化合物、金属水素化合物の金属としては、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等を挙げることができる。

    金属塩としては、硝酸塩、酢酸塩等を、ハロゲン化物としては塩化物、ヨウ化物、臭化物等を好適に用いることができる。

    有機金属化合物としては、下記一般式(I)で示すものが挙げられる。

    一般式(I) R MR
    式中、Mは金属、R はアルキル基、R はアルコキシ基、R はβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基であり、金属Mの価数をmとした場合、x+y+z=mであり、x=0〜m、またはx=0〜m−1であり、y=0〜m、z=0〜mで、いずれも0または正の整数である。

    のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができる。 R のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基等を挙げることができる。 また、アルキル基の水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。

    のβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基としては、β−ジケトン錯体基として、例えば、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトンまたはアセトアセトンともいう)、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸エステル錯体基として、例えばアセト酢酸メチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、アセト酢酸プロピルエステル、トリメチルアセト酢酸エチル、トリフルオロアセト酢酸メチル等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸として、例えば、アセト酢酸、トリメチルアセト酢酸等を挙げることができ、またケトオキシとして、例えば、アセトオキシ基(またはアセトキシ基)、プロピオニルオキシ基、ブチリロキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を挙げることができる。 これらの基の炭素原子数は18以下が好ましい。

    また、直鎖または分岐のもの、また水素原子をフッ素原子にしたものでもよい。 有機金属化合物の中では、分子内に少なくとも1つ以上の酸素を有するものが好ましい。 このようなものとしてR のアルコキシ基を少なくとも1つを含有する有機金属化合物、また、R のβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基を少なくとも1つ有する金属化合物が最も好ましい。

    金属塩の中では、硝酸塩が好ましい。 硝酸塩は高純度品が入手しやすく、また使用時の媒体として好ましい水に対する溶解度が高い。 硝酸塩としては、硝酸インジウム、硝酸錫、硝酸亜鉛、硝酸ガリウム等が挙げられる。

    以上のうち、好ましいのは、金属の硝酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド類である。 具体例としては、硝酸インジウム、硝酸亜鉛、硝酸ガリウム、硝酸スズ、硝酸アルミニウム、塩化インジウム、塩化亜鉛、塩化スズ(2価)、塩化スズ(4価)、塩化ガリウム、塩化アルミニウム、トリ−i−プロポキシインジウム、ジエトキシ亜鉛、ビス(ジピバロイルメタナト)亜鉛、テトラエトキシスズ、テトラ−i−プロポキシスズ、トリ−i−プロポキシガリウム、トリ−i−プロポキシアルミニウム等が挙げられる。

    本発明で好ましく用いることができる電磁波吸収能を持つ物質として、金属を好適に用いることができ、例えば、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等を用いることができる。

    本発明に係る電磁波吸収能を持つ物質は、熱源として用いるため粒子として添加することも好ましい。

    前記粒子からなる電磁波吸収能を持つ物質(電磁波を吸収する粒子)は、前記の熱変換材料に隣接するエリアに埋設させる形で存在してもよいが、熱変換材料の存在する層に混合して存在してもよい。

    より具体的には、電磁波を吸収する粒子を含む熱変換材料層を形成した後、前記熱変換材料層に電磁波を照射し、当該熱変換材料層に含まれる電磁波を吸収する粒子を発熱させることにより、当該熱変換材料が電荷輸送層の組成物に変換される形態も好ましく用いることができる。

    本発明の好ましい形態である電磁波を吸収する粒子は、照射された電磁波を吸収し熱変化することで、粒子自身が発熱して熱源となるため、誘電損失または抵抗損失が大きく効率よく発熱する材料が好ましい。

    更に、電磁波を吸収する粒子の粒径を小さくする必要はないが、平均粒径1〜500nmの微粒子を用いることが好ましい。 さらに好ましくは1〜100nmであり、より好ましくは5〜50nmである。 また、有機光電変換素子においては、ミー散乱領域の粒径として、光散乱能を併せ持った構成としてもよい。

    (熱変換材料が電荷輸送層の組成物に変換される工程)
    本発明は、電荷輸送層の少なくとも一部に、(i)熱変換材料または熱変換材料を含むエリアと、(ii)前記熱変換材料または熱変換材料を含むエリアに隣接もしくは近接して電磁波吸収能を持つ物質又は電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアとを、配置し、電磁波を照射して、当該電磁波吸収能を持つ物質が発生する熱により、当該熱変換材料を電荷輸送層の組成物に変換することを特徴とする有機光電変換素子の製造方法である。

    本発明に係る熱変換材料が電荷輸送層の組成物に変換される工程について、図2(A)〜(C)を用いて説明する。

    図2(A)は、本発明の好ましい形態であり、図示しない基板の一方の面に形成した電磁波吸収能を持つ電極層上に、熱変換材料を含む層を塗布形成し、電磁波照射することによって、当該電極から発生する熱により、当該熱変換材料を含む層を正孔輸送層または電子輸送層(第1の電荷輸送層)に変換する形態を例示した図である。

    図2(B)は、本発明の好ましい形態であり、電磁波吸収能を持つ基板の一方の面に形成した電極層上に、熱変換材料を含む層を塗布形成し、電磁波照射することによって、当該基板から発生する熱により、当該熱変換材料を含む層を正孔輸送層または電子輸送層(第1の電荷輸送層)に変換する形態を例示した図である。 本発明においては、この基板自体に電磁波を吸収する物質を選択してもよいし、上述した電磁波吸収能を持つ物質を混合またはコンポジットした基板や、電磁波吸収能を持つ物質を表面に薄膜形成させた2層以上の積層構造からなる基板としても本発明において好ましく用いることができる。 ここで言う基板は上述の電磁波吸収能を有する電極とは異なり、必ずしも導電性を有している必要は無いことが本発明において好ましい。

    図2(C)は、本発明の好ましい形態であり、図示しない基板の一方の面に形成した電極層上に、熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質とを含む層を塗布形成し、電磁波照射することによって、当該電磁波吸収能を持つ物質から発生する熱により、当該熱変換材料を含む層を正孔輸送層または電子輸送層に変換する形態を例示した図である。

    上述した図2(A)〜(C)に示される熱変換材料が電荷輸送層の組成物に変換される工程においては、電磁波吸収能を持つ物質に隣接または近接させて熱変換材料を含む層を形成してから、上層を積層せず、すぐに電磁波を照射し熱変換させてもよいが、当該熱変換材料を含む層を形成した上に、光電変換層やその他の機能層を積層した後、電磁波を照射して当該熱変換材料を熱変換させ電荷輸送層の組成物とする方法も好ましく用いることができる。

    (電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアの形成方法)
    上述した図2(A)または(B)に関係し、電磁波吸収能を持つ物質を含むエリアを形成する方法としては特に限定されず、真空蒸着法、スパッタ法、スプレー熱分解法、プラズマCVD法、塗布法、印刷法など如何なる方法を用いてもよい。 生産性の観点からより、好ましくは、当該電磁波吸収能を持つ物質を適切な溶媒に分散または溶解した分散液または溶液を用いて、基板または光電変換層等の機能層上に連続的に塗布により成膜する方法(「ウェットプロセス」ともいう。)が好ましい。

    (熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質の分散液の調製)
    上述した図2(C)に関係して、熱変換材料と電磁波吸収能を持つ物質とを含む層を塗布(ウェットプロセス)で行う場合には、上記の電磁波吸収能を持つ物質を適当な分散媒に分散させ、当該熱変換材料を分散媒に同じく分散または溶解させたコロイド分散液を用いることが好ましい。

    (電磁波の照射)
    本発明に係る電磁波とは、電離放射線(X線やガンマ線)、紫外線、可視光線(人間の目に見える光)、赤外線、電波(マイクロ波等)をいうが、本発明においては、0.3GHz〜50GHzの周波数を持つマイクロ波を用いることが好ましい。

    以下、上記以外の構成要素等について詳細な説明をする。

    (基板)
    基板は、順次積層された第1電極、好ましく用いられる第1の電荷輸送層、光電変換層、第2の電荷輸送層、及び第2電極を保持する部材である。 本実施形態では、少なくとも第1電極または第2電極、更には両方の電極から光電変換される光が透過することが可能なように、光電変換すべき光の波長に対して透明な基板であることが望ましい。

    基板(以下「透明基板」ともいう。)は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適な例として挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることがより好ましい。 本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。

    例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜780nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。

    中でも、透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。

    本発明に用いられる透明基材には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。 表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。 例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。 また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。

    透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基材と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。 屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。

    易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。 また、透明基材にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、透明導電層を転写する反対側にはハードコート層が予め形成されていてもよい。

    (第1の電極)
    第1の電極(「第1電極」ともいう。)は、陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することができる。 光電変換層において光電変換される光を透過させることが可能な電極であることが好ましく、300〜800nmの光を透過する電極であることがより好ましい。

    本発明における第1の電極は、電磁波照射に対して吸収能を持ち、発熱する物質であり、且つ、電極としての導電性、隣接する機能層との電気的な接合性を併せ持った特性であることも本発明において好ましく用いることができる形態である。

    具体的な材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO 、フッ素ドープSnO (FTO)、ZnO、アルミニウムドープZnO(AZO)等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、導電性高分子を用いることができる。

    (第2の電極)
    対電極の第2の電極(「第1電極」ともいう。)は、金属(例えば、金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、あるいは第1電極の材料等を用いることができるが、これに限らない。

    (光電変換層)
    光電変換層は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を有して構成される。 p型半導体材料は相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。 ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。

    本発明に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が挙げられる。

    縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。

    共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。

    また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーの内、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。

    その他、高分子p型半導体の例としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリカルバゾール、ポリイソチアナフテン、ポリヘプタジイン、ポリキノリン、ポリアニリンなどが挙げられ、更には特開2006−36755号公報などの置換−無置換交互共重合ポリチオフェン、特開2007−51289号公報、特開2005−76030号公報、J. Amer. Chem. Soc. ,2007,p4112、J. Amer. Chem. Soc. ,2007,p7246などの縮環チオフェン構造を有するポリマー、国際公開第08/664号パンフレット、Adv. Mater. ,2007,p4160、Macromolecules,2007,Vol. 40,p1981などのチオフェン共重合体などを挙げることができる。

    更に、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン類、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等、更にポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開2000−260999号公報に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。

    n型半導体材料としては、比較的高い光電変換効率を実現するために、例えば、フラーレン誘導体化合物等が用いられる。

    具体例としては、フラーレン、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物が挙げられる。

    中でも、フラーレン含有高分子化合物が好ましい。 フラーレン含有高分子化合物としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等を骨格に持つ高分子化合物が挙げられる。 フラーレン含有高分子化合物では、フラーレンC60を骨格に持つ高分子化合物(誘導体)が好ましい。

    電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、本発明においては塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。 そして、光電変換層は光電変換率を向上すべく、製造工程中において所定の温度でアニール処理され、微視的に一部結晶化されている。

    (電荷輸送層)
    電荷輸送層としては、具体的には正孔輸送層、電子輸送層が挙げられる。 本発明においては、電荷輸送層のうち、正孔輸送層もしくは電子輸送層の少なくともどちらかが、上述したように、熱変換材料からなり、熱によって当該正孔輸送層もしくは電子輸送層へと変換される材料からなることが好ましい。

    〈正孔輸送層〉
    これらの層を構成する材料としては、例えば、正孔輸送層(電子ブロック層)としては、スタルクヴイテック製、商品名BaytronP等のPEDOT、ポリアニリン及びそのドープ材料、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、国際公開第06/19270号パンフレット等に記載のシアン化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。

    また、本発明においては、バルクヘテロジャンクション層(光電変換層)に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。

    〈電子輸送層〉
    また、電子輸送層(正孔ブロック層)としては、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。

    また、バルクヘテロジャンクション層(光電変換層)に用いたn型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。

    (タンデム型構成)
    太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、有機光電変換素子を積層したタンデム型の構成としてもよい。 タンデム型構成の場合、基板上に順次透明電極、第1の光電変換層を積層した後、電荷再結合層を積層した後、第2の光電変換層、次いで対電極を積層することで、タンデム型の構成とすることができる。 第2の光電変換層は、第1の光電変換層の吸収スペクトルと同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層である。 また、電荷再結合層の材料としては、透明性と導電性を併せ持つ化合物を用いた層であることが好ましく、ITO、AZO、FTO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au等の非常に薄い金属層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等が好ましい。

    (封止)
    また、作製した有機光電変換素子が環境中の酸素、水分等で劣化しないために、公知の手法によって封止することが好ましい。 例えば、アルミまたはガラスでできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上を接着剤で貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)を直接堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。

    更に本発明においては、エネルギー変換効率と素子寿命向上の観点から、素子全体を2枚のバリア付き基板で封止した構成でもよく、好ましくは、水分ゲッター等を同封した構成であることが本発明においてより好ましい。

    以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

    〔有機光電変換素子SC−101の作製〕
    バリア層付きPENフィルム基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(シート抵抗13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて1cm幅にパターニングして、フレキシブル透明電極を形成した。 パターン形成した透明電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素による乾燥を行い、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。

    次に、脱水エタノールにTi−イソプロポキシドを0.05mol/lになるように溶解した液を調製し、膜厚が20nmになるように塗布を行い、室温に放置して乾燥させた。 続けて、取り出し電極部を拭き取りパターニングし、水蒸気量を調節した窒素チャンバーに搬送し放置して電子輸送層を製膜した。

    次に、クロロベンゼンにP3HT(プレクトロニクス社製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン)(Mn=52000、高分子p型半導体材料)とPCBM(フロンティアカーボン:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)(Mw=911、低分子n型半導体材料)を3.0質量%になるように1:1で混合した液を調製し、フィルタでろ過しながら膜厚が100nmになるように塗布を行い、窒素雰囲気中、室温で乾燥させバルクヘテロジャンクション型の光電変換層(BHJ層)を形成した。 続けて、導電性高分子であるBaytron P 4083(スタルクヴィテック社製)を膜厚が50nmになるように塗布した後、大気下にて120℃で10分間乾燥させ、光電変換層上に正孔輸送層を成膜した。

    次に、分散液として調製した銀ナノワイヤーを目付け量80mg/m となるように塗布し、乾燥させることで銀ナノワイヤー層を形成した。 更に、銀ナノワイヤー上に導電性高分子であるBaytron PH510(スタルクヴィテック社製)を塗布した後、室温で乾燥させることで電極層を形成した。

    銀ナノワイヤーはAdv. Mater. ,2002,14,833〜837に記載の方法を参考に、平均直径75nm、平均長さ35μmの銀ナノワイヤーを作製し、限外濾過膜を用いて銀ナノワイヤーを濾別かつ水洗処理した後、エタノール中に再分散して銀ナノワイヤー分散液(銀ナノワイヤー含有量5質量%)を調製した。

    得られた素子を窒素雰囲気グローブボックスに移動し、ホットプレート上で140℃で30分間加熱処理を行った。 更に、バリア付きPENフィルムとUV硬化樹脂を用いて封止を行って、受光部が10×100mmサイズの有機光電変換素子SC−101を得た。

    〔有機光電変換素子SC−102の作製〕
    前記SC−101の作製において、電子輸送層を製膜後、Niフォームを通して500Wの出で2.45GHzのマイクロ波を15分間照射した。 このとき、マイクロ波は間欠照射し、電子輸送層表面温度は約250℃であったが、基板の変形や湾曲は見られなかった。

    電子輸送層の形成以外はSC−101の作製と同様にしてSC−102を得た。

    〔有機光電変換素子SC−103の作製〕
    前記SC−102の作製において、電子輸送層をIn:Zn金属比率が1:1になるように、それぞれの金属の硝酸塩を水/エタノール=9/1(質量比)溶媒に10質量%溶解した溶液を調製し、乾燥膜厚が20nmになる様に塗布し、120℃で乾燥して製膜した以外はSC−102と同様にしてSC−103を得た。 このとき、電子輸送層はInおよびZnを含む金属酸化物層を形成した。

    〔有機光電変換素子SC−104の作製〕
    前記SC−102の作製において、電子輸送層をIn:Ga:Zn金属比率が1:1:1になるように、それぞれの金属の硝酸塩を水/エタノール=9/1(質量比)溶媒に10質量%溶解した溶液を調製し、塗布乾燥して製膜した以外はSC−102と同様にしてSC−104を得た。 このとき、電子輸送層はIn、GaおよびZnを含む金属酸化物層を形成した。

    〔有機光電変換素子SC−105の作製〕
    前記SC−102の作製において、電子輸送層をIn:Al:Zn金属比率が1:1:1になるように、それぞれの金属の硝酸塩を水/エタノール=9/1(質量比)溶媒に10質量%溶解した溶液を調製し、塗布乾燥して製膜した以外はSC−102と同様にしてSC−105を得た。 このとき、電子輸送層はIn、AlおよびZnを含む金属酸化物層を形成した。

    〔有機光電変換素子SC−106の作製〕
    バリア層付きPENフィルム基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(シート抵抗13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて1cm幅にパターニングして、フレキシブル透明電極を形成した。 パターン形成した透明電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素による乾燥を行い、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。

    次に、例示化合物1(〔化1〕)の前駆体をトルエンに1質量%溶解した液を塗布し、正孔輸送層を乾燥膜厚が40nmの膜厚になるよう製膜した。 正孔輸送層を製膜後、Niフォームを通して500Wの出力で2.45GHzのマイクロ波を15分間照射した。 このとき、マイクロ波は間欠照射し、正孔輸送層表面温度は約250℃であったが、基板の変形や湾曲は見られなかった。

    次に、クロロベンゼンにP3HT(プレクトロニクス社製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン)(Mn=52000、高分子p型半導体材料)とPCBM(フロンティアカーボン:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)(Mw=911、低分子n型半導体材料)を3.0質量%になるように1:1で混合した液を調製し、フィルタでろ過しながら膜厚が100nmになるように塗布を行い、窒素雰囲気中、室温で乾燥させバルクヘテロジャンクション型の光電変換層(BHJ層)を形成した。

    次に、脱水エタノールにTi−イソプロポキシドを0.05mol/lになるように溶解した液を調製し、膜厚が20nmになるように塗布を行い、室温に放置して乾燥させた。 続けて、取り出し電極部を拭き取りパターニングし、水蒸気量を調節した窒素チャンバーに搬送し放置して電子輸送層を製膜した。

    次に、分散液として調製した銀ナノワイヤーを目付け量80mg/m となるように塗布し、乾燥させることで銀ナノワイヤー層を形成した。 更に、銀ナノワイヤー上に導電性高分子であるBaytron PH510(スタルクヴィテック社製)を塗布した後、室温で乾燥させることで電極層を形成した。

    銀ナノワイヤーはAdv. Mater. ,2002,14,833〜837に記載の方法を参考に、平均直径75nm、平均長さ35μmの銀ナノワイヤーを作製し、限外濾過膜を用いて銀ナノワイヤーを濾別かつ水洗処理した後、エタノール中に再分散して銀ナノワイヤー分散液(銀ナノワイヤー含有量5質量%)を調製した。

    得られた素子を窒素雰囲気グローブボックスに移動し、ホットプレート上で140℃で30分間加熱処理を行った。 更に、バリア付きPENフィルムとUV硬化樹脂を用いて封止を行って、受光部が10×100mmサイズの有機光電変換素子SC−106を得た。

    〔有機光電変換素子SC−107の作製〕
    前記SC−104の作製において、PEN基板上に電磁波吸収能を持つ物質としてSnO ゾルをコートし、さらに分散液として調製した銀ナノワイヤーを目付け量40mg/m となるように塗布し、乾燥させることで銀ナノワイヤー層を形成した。 更に、銀ナノワイヤー上に導電性高分子であるBaytron PH510(スタルクヴィテック社製)を塗布した後、室温で乾燥させることで電極層を形成した(シート抵抗15Ω/□)。

    銀ナノワイヤーはAdv. Mater. ,2002,14,833〜837に記載の方法を参考に、平均直径75nm、平均長さ35μmの銀ナノワイヤーを作製し、限外濾過膜を用いて銀ナノワイヤーを濾別かつ水洗処理した後、エタノール中に再分散して銀ナノワイヤー分散液(銀ナノワイヤー含有量5質量%)を調製した。

    上記作製した電極層上に電子輸送層を形成した以外は、SC−104の作製と同様にしてSC−107を得た。

    〔有機光電変換素子SC−108の作製〕
    前記SC−104の作製において、電子輸送層をIn:Ga:Zn金属比率が1:1:1になるように、それぞれの金属の硝酸塩を水/エタノール=9/1(質量比)溶媒に10質量%溶解した溶液を調製し、更に、溶液に電磁波吸収能を持つ物質としてITO微粒子(シーアイ化成製NanoTech)を5質量%混合し均一に分散して半導体前駆体溶液を調製した。

    上記の分散溶液を塗布乾燥して製膜した以外はSC−104と同様にしてSC−108を得た。 このとき、電子輸送層はIn、GaおよびZnを含む金属酸化物層を形成した。

    《エネルギー変換特性評価》
    上記方法で作製した有機光電変換素子について、ソーラーシミュレーターを用いたAM1.5Gフィルタ、100mW/cm の強度の光を照射し、マスクを受光部に重ね、I−V特性を評価し、特性値として、短絡電流密度Jsc(mA/cm )及び開放電圧Voc(V)、フィルファクターffから式1を用いてエネルギー変換効率η(%)を得て、SC−101のエネルギー変換効率を100としたときの相対値を表1に示した。

    (式1):Jsc(mA/cm )×Voc(V)×ff=η(%)
    《素子寿命評価》
    上記作製した素子を、60℃90%RHの高温高湿条件化に500時間放置し、この素子について、上述の方法と同様にしてエネルギー変換効率を求め、式2に従って保持率を求め、表1に示した。

    (式2)保持率(%)=高温高湿放置後の変換効率/放置前の変換効率×100
    上記各種評価結果を表1にまとめて示す。

    表1から明らかなように、本発明の実施によって、エネルギー変換効率と高温高湿条件での耐久性を向上させた有機光電変換素子及びその製造方法を提供できることが示された。

    詳しくは、SC−101でTiイソプロポキシドを塗布後、自然乾燥に続いて、空気中の水分との反応を促進させることで酸化チタンの層を形成させた素子に対し、SC−102以降では、例としてマイクロ波を素子に照射し、表中に示すマイクロ波吸収エリア/物質がマイクロ波を吸収することで発熱し、その熱を受ける形で電荷輸送層前駆体材料が正孔輸送層または電子輸送層の組成物に変換するといった構成により、高いエネルギー変換効率と熱湿耐久性を示す結果となった。

    更には、SC−103〜SC−105において、In、Ga(Al)、Znといった3元素以上の金属元素からなる金属酸化物層を電子輸送層として用いると、更に高いエネルギー変換効率と耐久性を示すことがわかる。 これは、3種類以上の元素を用いることで、より低い温度で電子輸送性に優れる薄膜が形成できるためと推察される。

    SC−106では、有機物からなる材料を用い、同様に熱変換させて正孔輸送層の組成物を形成させた例であり、有機物の薄膜においても同様な効果が得られたことが示された。

    SC−107〜108では、新たにマイクロ波吸収エリア/物質を付与し、そこから発せられる熱によって熱変換を起こさせる構成であり、特にマイクロ波吸収物質を、熱変換材料を含む層に混在させると、高いエネルギー変換効率を示すことが明らかになった。

    10 有機光電変換素子 11 基板 12 第1電極 13 第1の電荷輸送層 14 光電変換層 15 第2の電荷輸送層 16 第2電極

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