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Inflatable structure developing method, folded structure developing method and foldable structure

阅读:1018发布:2021-02-26

专利汇可以提供Inflatable structure developing method, folded structure developing method and foldable structure专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a developing method for inflatable structure foldable in a compact form and predictable in the expanded and developed shape, a method of folding and developing a compactly foldable and expansible structure, and the foldable and developable structure.
SOLUTION: A cylindrical membrane member is formed so that the lines intersecting a plurality of faces orthogonal to a cylinder axis respectively become trough lines, and folded beforehand so that each trough line forms a regular N-angular form (N is an integer of 3 or more) and that the regular N-angular forms formed by axially adjacent trough lines are shifted by (180÷N)° around the cylinder axis. A filler is filled inside the folded membrane member to form the membrane member in cylindrical shape.
COPYRIGHT: (C)2003,JPO,下面是Inflatable structure developing method, folded structure developing method and foldable structure专利的具体信息内容。

  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】膨張展開によって円筒形状となる膜部材を備えるインフレータブル構造の展開方法であって、 円筒形状とした膜部材を、 円筒軸に対して直交する複数の面と交差する線がそれぞれ谷線となるようにし、各谷線が各々正N角形(Nは3
    以上の整数)を形成するように、かつ軸方向に隣り合う谷線によって形成された正N角形同士は円筒軸の軸心を中心として、(180÷N)°だけずらすように、予め折り畳んでおき、 折り畳まれた膜部材の内部に充填物質を充填して、該膜部材を円筒形状にすることを特徴とするインフレータブル構造の展開方法。 【請求項2】前記膜部材は、内部に気密空間を形成する気密層と、該気密層の外側に設けられ、強化繊維の三軸織物で形成される硬化層と、を有する多層構造の膜を用い、 前記膜部材に充填材を充填して円筒形状にした後に、前記硬化層を硬化させることを特徴とする請求項1に記載のインフレータブル構造の展開方法。 【請求項3】展開された状態では円筒形状となる膜部材を備える、折り畳まれた構造物の展開方法であって、 円筒形状とした膜部材を、 円筒軸に対して直交する複数の面と交差する線がそれぞれ谷線となるようにし、各谷線が各々正N角形(Nは3
    以上の整数)を形成するように、かつ軸方向に隣り合う谷線によって形成された正N角形同士は円筒軸の軸心を中心として、(180÷N)°だけずらすように折り畳み、 円筒軸方向に伸びるように展開することを特徴とする、
    折り畳まれた構造物の展開方法。 【請求項4】展開された状態では円筒形状となる膜部材を備える折り畳み可能な構造物であって、 円筒形状の膜部材が、 円筒軸に対して直交する複数の面と交差する線がそれぞれ谷線となるようにし、各谷線が各々正N角形(Nは3
    以上の整数)を形成するように、かつ軸方向に隣り合う谷線によって形成された正N角形同士は円筒軸の軸心を中心として、(180÷N)°だけずらすように折り畳まれ、 円筒軸方向に伸縮するように折り畳み及びその展開が可能に構成されたことを特徴とする折り畳み可能な構造物。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、宇宙空間に配置される物体の支持や補強を行うインフレータブル構造の展開方法、及び一般的な折り畳まれた構造物の展開方法及び折り畳み可能な構造物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】インフレータブル構造は、宇宙空間に配置される物体(例えばアンテナなど)の支持や補強を行うことを目的とするものである。 そして、このインフレータブル構造は、近年、研究開発がなされ、また、実用化が図られている。 【0003】インフレータブル構造は、密閉された袋状の部材で構成される。 そして、この袋状の部材が折り畳まれた状態で、その内部にガス等が充填されることによって、その内圧により、チューブ状あるいはバルーン状等の所望の形状に再現されるというものである。 【0004】チューブ状のインフレータブル構造の場合には、それ自体が支柱やトラス構造などのユニット部材となることもある。 また、環や円環状のリングチューブとして構成し、その内側にアンテナ素子を実装した膜面を展張する、アンテナを支持するための構造とすることもできる。 【0005】このようなインフレータブル構造の具体的な一例を、図27を参照して説明する。 図27は、宇宙空間に配置するアンテナをインフレータブル構造によって支持した状態を示す斜視図である。 【0006】図27に示すように、アンテナ100は、
    概略、インフレータブル構造101と、インフレータブル構造101によって支持された平面アンテナ102
    と、インフレータブル構造101によって平面アンテナ102を支持するための複数の展張ケーブル103と、
    から構成されている。 【0007】平面アンテナ102は、アンテナ素子を実装した円盤状の膜面から構成されている。 そして、インフレータブル構造101は、リングチューブ形状であり、平面アンテナ102を取り囲むように配置される。 【0008】そして、インフレータブル構造101が展開されると、平面アンテナ102は、複数の展張ケーブル103により展張される。 これにより、平面アンテナ102は平面方向の異なる方向にそれぞれ引っ張られることで、平面形状を維持するようにインフレータブル構造101に支持される。 【0009】このようなアンテナ100を衛星軌道などの宇宙空間に配置する手順について説明する。 【0010】まず、平面アンテナ102と共にインフレータブル構造101を、巻いた状態あるいは折り畳んだ状態で、ロケットのフェアリング内に格納する。 【0011】そして、ロケットを打ち上げて、アンテナ100を衛星軌道上に載せる。 その状態で、インフレータブル構造101にガスや発泡ウレタンなどを充填することで、インフレータブル構造101をリングチューブ形状に展開(再現)する。 【0012】これにより、巻かれた状態、あるいは、折り畳まれた状態の平面アンテナ102を展開し、展張ケーブル103によって、平面アンテナ102の膜面周縁を均一に引っ張って歪のない平面に展張する。 【0013】このようなインフレータブル構造を用いれば、宇宙空間に配置するアンテナなどの大型な構造物についても、ロケットにより打ち上げる際には、折り畳んだりすることによって容積を小さくすることができる。 【0014】これらの構造上の特性は、限られた、ロケットの打ち上げ質量(ペイロード)及びフェアリング格納容積のもとで、衛星軌道に機材を配置する上で有効である。 また、衛星軌道上に配置する人工衛星の各構造を軽量化し、打ち上げコストを低減する上で有効である。
    このため、インフレータブル構造は、衛星に搭載するアンテナなどに好適な構造として、広く応用が検討されている。 【0015】ここで、衛星軌道などの宇宙空間に配置する構造物については、近年、宇宙開発の進展に伴い大型化の要求が高まっている。 【0016】例えば、上記アンテナの場合には、低軌道の衛星に直接固定して搭載する比較的小型のアンテナから、静止衛星軌道の衛星に搭載するアンテナのようにエリア利得を大きくするために開口径を大きくすることが求められるようになっている。 【0017】また、用途面でも、高速データ通信,電波観測衛星,リモートセンシング用合成開口レーダーやソーラアレー実装用などの多くの用途に実用化が図られるようになっている。 【0018】これらを実用化するには、アンテナや反射鏡などの構造物の大型化が必要である。 また、アンテナの場合には、更にエリア利得,サイドローブレベルや指向性などの電気的性能の向上が求められ、一層の高精度化が欠かせないものとなっている。 【0019】このような要求を満たすため、インフレータブル構造を採用した平面アンテナなどでは、現在開発中のものでも一辺のサイズが10mを超えるものとなり、また、一辺のサイズが数十mに及ぶものも計画されている。 【0020】従って、インフレータブル構造をどれだけコンパクトに折り畳むかが重要な課題の一つである。 【0021】ここで、上述のインフレータブル構造を構成する素材は、膨張展開される前の状態においては、任意の箇所に折り目をつけて折り畳むことができるように、柔軟なものが利用される。 【0022】しかし、規則的な折り目で折り畳まないと膜面に皺が生じるため、嵩張る部分ができて、収納効率が低下してしまう。 【0023】そこで、例えば、Guest,S. ,
    D. and S. Pellegrino: The
    Folding of Triangulated
    Cylinders, Part 1: Geomet
    ric Conssiderations, Jour
    nal of Applied Mechanic,T
    ransactions of the ASME,
    Vol. 61(1994), 773−777には、
    円筒形状の構造をコンパクトに折り畳む手法が開示されている。 【0024】この従来例について、図28を参照して簡単に説明する。 図28は、従来技術に係る円筒構造物の折り畳み方を示した図であり、折り畳んだ際に上から見た形状が(a)正5角形,(b)正6角形及び(c)正7角形の場合について、それぞれ上側に展開途中の斜視図を示し、下側に折り畳んだ際の上から見た図を示している。 【0025】図28に示す従来例においては、谷線Pと山線Q1,Q2とで三角形のパネルRを形成するように、かつ、谷線Pが螺旋状となるように折り畳む方法である。 そして、円筒状の膜面に螺旋状の谷線Pの折り目を交差するように二列配置し、それぞれが交差してできる三角形のパネルRがほぼ平面を維持した状態で展開する。 この方法を採用すれば、皺が形成されることなく、
    コンパクトに折り畳むことが可能である。 【0026】ところで、一般的に、宇宙で展開されるインフレータブル構造は一様に展開される必要性がある。
    この点について簡単に説明する。 【0027】宇宙で展開されるインフレータブル構造は、展開反による衛星構体の外乱を把握するために、
    また、周辺の機器や衛星構体への衝突及びセンサ視野への干渉等を防ぐために、展開途中の形状を予測する必要がある。 【0028】宇宙インフレータブル構造は、ガスを内部に導入して膨張させる仕組みであるため、展開時の挙動、それも宇宙の微小重力環境化での挙動を把握することは極めて難しい。 また、展開時における挙動や、展開途中の形状の再現性も低い。 【0029】そこで、インフレータブル構造の展開途中の形状が予測可能で、かつ、地上の重力環境下での挙動の確認ができるような展開方法の実現が望まれる。 【0030】これまで、インフレータブル構造の内部を複数の部屋に分けて、端から順に膨張させる方法や、ケーブルやバネで拘束しておいて、展開を制御する方法が試みられている。 【0031】しかし、このような付加物を伴う方法では、膜の製造が困難になったり、インフレータブル構造の質量を増加させたり、折り畳みに支障を来たすなどの問題がある。 従って、付加物を用いずに、折り畳まれた状態から膨張展開することが望まれる。 そして、構造物を、折り畳まれた状態から、一様かつ均一に膨張展開させることができれば、付加物を用いずに膨張展開の形状を予測することが可能である。 【0032】このように、円筒状のインフレータブル構造において、折り畳まれた状態から展開する際に、全体を均一な形状に維持した状態で展開することにより、展開途中の形状が予測できるようにする必要がある。 こうすることにより、展開時の形状が解析で予測可能になり、展開時に周囲の機器や構造物との干渉を避けることができる。 【0033】また、円筒状のインフレータブル構造自体にセンサなどを配置して、インフレータブル構造の展開途中においてもセンサを使用する場合には、常にセンサの位置を特定できるようにする必要がある。 【0034】更に、インフレータブル構造を精度良く展開するためには、折り目の加工が容易で、折り目の精度が全体の形状精度に与える影響を少なくする必要がある。 【0035】一方、上述した従来例の折り畳み方法をインフレータブル構造に適用する場合を考えると、折り畳む際の谷線は螺旋状の線となるため、構造物の軸方向の長さが長い場合に、谷線を1本の螺旋で繋ぐのが非常に困難である。 つまり、螺旋状の折り目を入れる必要があるが、展開図に折り目加工を施すのが非常に困難であり、かつ、その作業も極めて困難である。 従って、わずかな位置ずれであっても、全体としてみれば、ずれの蓄積により全体形状が歪んでしまうおそれが大きい。 【0036】また、上述した従来例の場合には、谷線が螺旋を形成するように折り畳むため、展開の際にひねりが入ってしまうことを確認している。 【0037】従って、上記従来例を用いた場合には、折り畳んだ状態から膨張展開する際の展開途中の形状を予測することは困難である。 【0038】また、膨張展開によってひねりが入ってしまうような場合には、円環形状のものやトラス構造のように、端部でジョイントするような構造に適用することはできない。 更に、従来例の場合には、先端が揃わないため、ジョイントが困難であり、また、収納もコンパクトに行うのが困難である。 【0039】このように、インフレータブル構造の先端をジョイントする場合には、その先端形状が揃っており、かつ、膨張展開の際に真っ直ぐに伸びることが要求される。 また、ジョイントしない場合であっても、インフレータブル構造の先端に機器を取り付ける場合には、
    同様に、機器への負担を少なくするために、その先端形状が揃っており、かつ、膨張展開の際に真っ直ぐに伸びることが要求される。 【0040】 【発明が解決しようとする課題】上述のように、インフレータブル構造においては、コンパクトに折り畳むことができることと、膨張展開の形状を予測できることとの両立を図ることの要求がある。 【0041】また、特に円筒形状のものについて、皺を形成することなく、コンパクトに折り畳み、これを伸縮自在に展開可能とすることは、インフレータブル構造に限らずとも様々な用途でも要求される場合がある。 【0042】本発明の目的は、コンパクトに折り畳むことができ、かつ膨張展開の形状を予測可能なインフレータブル構造の展開方法を提供する。 【0043】また、本発明の他の目的は、コンパクトに折り畳むことができ伸縮可能な構造物の折り畳み展開方法及び折り畳み展開可能な構造物を提供することにある。 【0044】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明のインフレータブル構造の展開方法にあっては、円筒形状とした膜部材を、円筒軸に対して直交する複数の面と交差する線がそれぞれ谷線となるようにし、
    各谷線が各々正N角形(Nは3以上の整数)を形成するように、かつ軸方向に隣り合う谷線によって形成された正N角形同士は円筒軸の軸心を中心として、(180÷
    N)°だけずらすように、予め折り畳んでおき、折り畳まれた膜部材の内部に充填材を充填して、該膜部材を円筒形状にする。 【0045】ここで、上記円筒形状には、円筒軸に垂直な断面の円の直径がいずれも等しい円筒形状の他、例えば、円錐台のように、円筒軸に垂直な断面の円の直径が異なっているような筒も含むものとする。 また、膜部材の内部に充填する充填材としては、ガスや発泡ウレタンなどを適用できる。 また、インフレータブル構造として適用される具体的な例としては、特に宇宙空間で利用される、伸展マスト,ストラット,トーラス,光学系フードあるいはスペーサなどがある。 【0046】上記のような折り畳み方を行うと、隣接する谷線が各々形成する正N角形の頂点間で形成される山線群は折り畳んだ状態では、正2N角形を形成する。 【0047】上記のような折り畳み方を用いれば、皺が生じることなく規則正しく折り畳むことが可能である。
    また、折り畳みの形状がインフレータブル構造の全体にわたって一様である。 更に、折り畳みによって、充填材を充填させるための流路を閉ざしてしまうこともない。 【0048】従って、充填材を充填した場合には、全体に素早く行き渡らせることができ、また、膨張展開は、
    いずれの場所においても一様かつ均一に行われる。 この場合に、谷線は、全て円筒軸に対して垂直な位置に設けられることから、膨張展開の際にねじれが生じるおそれもない。 【0049】また、膨張展開後の形状が、円筒軸に垂直な断面の円の径がいずれも等しい円筒形状の場合には、
    谷線間の間隔は全て等しく、かつ、膜部材を平面に展開した状態においては、山線も谷線も規則正しい直線であるため、折り目加工が極めて容易である。 従って、折り目をつける位置を精度良く容易に行うことができる。 そして、折り畳みの際には、各谷線はそれぞれ独立して繋げて正N角形を形成すれば良いので、ずれが蓄積していくという問題はない。 【0050】そして、折り目は全体的に一様であり、その位置精度も高いので、膨張展開する際の展開は、より一層、一様かつ均一に行われる。 【0051】従って、本発明のインフレータブル構造の展開方法によれば、膨張展開時の予測が可能である。 特に、宇宙空間のように重力の影響がないような場合には、ほぼ完全に一様かつ均一に展開することと考えられ、展開時の形状等の予測を容易に行うことが可能であると考えられる。 【0052】また、膜部材は、気密層と、気密層の外側に設けられる硬化層とから構成し、硬化層を三軸織物で形成すると良い。 【0053】このようにすれば、硬化層は、強化繊維の三軸織物で形成されるため、硬化層の軽量化及び精度向上を容易に実現できる。 これは、三軸織物はその構造上、擬似等方性を有するため、異方性を解消するために積層する必要がないからである。 また、これにより織り密度を低くする必要もないからである。 【0054】上述した折り畳み方は、インフレータブル構造の場合に限らず、一般的な構造物に対しても適用する価値が高い。 【0055】この場合、上述したインフレータブル構造の展開方法における特有の課題を解決するものではないが、円筒形状の構造物をコンパクトに折り畳むことができ、しかも皺等が生じることもないという利点を活かすことで、様々な分野に適用可能である。 【0056】ただし、円筒形状の構造物に関して、製品段階では、完全に展開した際の形状が、その使用目的に応じて、円筒形状に限られることはなく、円筒形状になる前の段階で、それ以上は展開できないようにしても良い。 また、製品段階では、円筒形状の一部を切断して、
    展開した状態では、円筒形状にはならないようにしても良い。 【0057】 【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。 ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
    材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。 【0058】(第1の実施の形態)本実施の形態では、
    特に宇宙空間で利用されるインフレータブル構造の展開方法の実施の形態について説明する。 【0059】まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造自体について説明する。 【0060】図1は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造の一部を示しており、説明のために一部を破断した状態を示している。 なお、図1に示すインフレータブル構造の一部は、円筒形状であり、例えば、リングチューブ状のインフレータブル構造の一部として用いられるものである。 【0061】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造は、内部に充填材としてのガスが密閉されるような袋状の膜部材で構成されるものである。 ただし、図1
    では、その一部のみを図示したものであるので、袋状にはなっていない。 【0062】そして、本実施の形態では、袋状の膜部材は、複数の層で構成された多層構造で構成されている。 【0063】すなわち、多層構造で構成されたインフレータブル構造10の膜部材は、内部に気密空間を形成する気密層11と、その外側に設けられる硬化層12と、
    更にその外側に設けられる保護層13と、を備える。 ただし、使用環境等に応じて、保護層13を設けない構成とすることもできる。 【0064】このような構成により、インフレータブル構造は、ロケットのフェアリング内に折り畳んだ状態で収納しておき、ロケットを打ち上げた後に、宇宙空間で展開して、元の形状に再現する。 【0065】この展開は、気密層11の内部空間に充填材としてのガスを充填して、気密層11を膨張させることにより行う。 この場合、例えば、バルブに結合されたインフレーションシステム及びフレキシブルパイプ等を用いてガスの充填を行う。 【0066】そして、本実施の形態では、硬化層12は強化繊維の三軸織物で構成されている。 図2を参照して、三軸織物について説明する。 図2は三軸織物の平面図であり、硬化層12の母材として適用されるものである。 【0067】三軸織物の織り構造は、相互に60度の等しい交差角度で強化繊維束12x,12y,12zが組み合わされて織り込まれている。 【0068】この構造により、強化繊維の高弾性率を発揮できるのみでなく、平面に沿う機械的な特性が均等な擬似等方性となる。 従って、三軸織物を構造物に適用した場合には、二軸織物の場合のように、織り構造に起因する歪や変形は生じない。 【0069】更に、図から明らかなように、緩み無く組み合わされた、この織り構造は、硬化層12の剛性を高めることができる。 【0070】従って、織り密度の小さい織物構造で、大きな剛性を実現できる。 これにより、大型化した構造物に必要な剛性を得ることができ、さらに大型化に伴う歪や変形を抑制した高精度の構造物を構築できる。 【0071】さらに、硬化層12に用いる三軸織物は、
    その織り構造から三軸の各強化繊維束が緩まないように隙間無く組み合わされた構造とする。 これにより、フェアリング格納時に小さく巻いたり、折り畳んだりする際に、織り構造にズレが生じる事を防止できる。 従って、
    フェアリング内に、容易に格納できると共に宇宙空間で展開した状態で、高い精度で元に形に再現することができる。 【0072】特に硬化層として、低織密度三軸織物を用いることにより、その特性が発揮され、三次元曲面追従性に優れると共に、軽量且つ高剛性の構造を得ることができる。 【0073】また、硬化層12は、インフレータブル構造が展開した後に硬化されるように構成されるもので、
    未硬化樹脂が含浸された樹脂で構成されている。 【0074】未硬化樹脂としては、各種硬化方法に対応したものを適用できる。 例えば、熱,圧力,紫外線,反応性ガス,電気によって硬化するものを適用できる。 【0075】次に、本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造の折り畳み方及び展開方法について説明する。 【0076】上述したように、一般的に、宇宙で展開される構造物は一様に展開され、かつ、展開途中の形状を予測する必要性がある。 そこで、本願発明者らは、膜部材の折り畳み方を工夫することで、膨張展開途中の形状の予測が可能で、理想的な展開を実現する方法を模索した。 【0077】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造の展開方法は、円筒形状とした膜部材を、円筒軸に対して直交する複数の面と交差する線がそれぞれ谷線となるようにし、各谷線が各々正N角形(Nは3以上の整数)を形成するように、かつ軸方向に隣り合う谷線によって形成された正N角形同士は円筒軸の軸心を中心として、(180÷N)°だけずらすように、予め折り畳んでおき、折り畳まれた膜部材の内部に充填材を充填して、該膜部材を円筒形状にするものである。 【0078】ただし、上記Nについて全ての整数の場合を説明するのは不可能であるので、ここでは、Nが3の場合と4の場合について、具体的に図面を参照して説明する。 【0079】まず、Nが3の場合について、図3〜図8
    を参照して説明する。 【0080】図3は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳み方を説明する展開図である。 図4は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態を上から見た際の谷線と山線の位置関係図である。 図5は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態を示す斜視図である。 図6は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態から展開し始めた様子を示す斜視図である。 図7は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態からおおよそ展開され終わりの状態を示す斜視図である。
    図8は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材が完全に展開された状態を示す斜視図である。 【0081】図3に示すように、本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造の展開方法を用いる場合の折り畳み展開図は、谷線xも山線yも全て直線で構成される。 なお、図中山線は実線で示し、谷線は点線で示している。 【0082】そして、展開図における谷線xどうしは全て等間隔に設けられる。 また、展開図における山線y
    は、谷線xに対して、30°と150°の傾きをもった2種類の直線があり、これらはいずれも各々等間隔に設けられ、かつ、谷線x上でそれぞれが交差するように設けられる。 【0083】以上のことから、円筒を形成する前の状態で、折り目を付けておく必要があるが、折り目、つまり山線yと谷線xはいずれも直線で、かつ全体的に一様であるので、折り目付けの作業が容易である。 このことから、折り目の位置精度も容易に高精度なものとすることができる。 【0084】次に、折り畳みの手順について説明する。
    まず、図3に示す両端l1,l2をそれぞれ接続することによって、円筒を形成する。 つまり、両端l1,l2
    は円筒形状における母線の切断線に相当するものである。 そして、図3に示す山線yと谷線xにそって折り畳む。 【0085】完全に折り畳んだ際における谷線xと山線yの位置関係を示したのが図4である。 【0086】一直線の谷線は図3に示すように正三角形を形成する。 そして、隣接する谷線でそれぞれ形成される正三角形どうしは円筒軸に対して60°だけ回転方向にずらした位置関係にある。 【0087】つまり、図3の展開図におけるある谷線x
    1と、これに隣接する谷線x2に着目すると、図4に示すように、谷線x1によって独立する正三角形を形成し、谷線x2によって、谷線x1によって形成された正三角形に対して円筒軸を中心に60°だけ回転方向にずらした正三角形を形成する。 【0088】なお、谷線x2に隣接する谷線x3によって形成する正三角形は、谷線x1によって形成された正三角形と重なり、谷線x3に隣接する谷線x4によって形成する正三角形は、谷線x2によって形成された正三角形に重なる。 このように、交互に同じパターンで折り畳まれていくことになる。 【0089】また、隣接する谷線で形成される正三角形の接点を結んで構成される山線群は正六角形を形成する。 【0090】つまり、図3に示すように、谷線x1と谷線x2との間の山線y1,y2,y3,y4,y5,y
    6により、折り畳まれた状態では、図4に示すように、
    正六角形を形成する。 【0091】このような折り畳み方をすることによって、皺を生じさせることなく折り畳むことができる。 更に、円筒軸を含むように、断面が正六角形となる空洞部S、すなわち充填材となるガスの流路を十分に確保することができる。 【0092】また、各谷線xはそれぞれ独立して正三角形を形成するように折り畳めばよい。 従って、上記従来例の場合のように谷線を繋げて螺旋を形成する場合のように、ずれが蓄積してしまうようなことはない。 従って、折り畳んだ際の全体の形状精度も高い。 【0093】このような手順に従って、折り畳んだ状態を示したのが、図5である。 以下、この折り畳まれた状態からの展開方法及びその挙動について説明する。 【0094】図に示すように、完全に折り畳まれた膜部材は、上から見ると正六角形の膜部材が多数重ねられたような状態となる。 【0095】これにガスを充填していくと、まず、図6
    に示すように、膜部材は多数重ねられた正六角形の膜部材同士がそれぞれ離間するように展開されていく。 【0096】更に、ガスを充填していくと、図7に示すように、膜部材は、蛇腹形状へと変形していく。 【0097】そして、更に、ガスを充填すると、図8に示すように、元の円筒形状の膜部材に復元される。 【0098】このように、本実施の形態に係る折り畳みを行えば、次のような利点がある。 【0099】まず、第一に、上述のように、円筒軸上に空洞部Sがあるため、完全に折り畳んだ状態であっても、円筒軸を貫くようにガスの流路を確保することができる。 【0100】また、予め定められた谷線と山線以外の部分には、折り目を必要としないため、全く皺がないように折り畳むことができる。 【0101】更に、折り畳んだ形状自体が、展開すべき円筒軸方向に伸びるばね性を有することから、インフレータブル構造の展開時の展開性に優れる。 【0102】以上のことから、ガスを導入することにより、短時間で全体にガスを行き渡らせることができるので、展開速度の制御が容易であり、かつ、ガスが行き渡らないことに起因する膨張ミスを防止できるため、ほぼ100%の再現性が期待できる。 【0103】そして、規則正しく一様な展開がなされることから、展開時における挙動の予測ができる。 【0104】また、先端が揃っており、かつ、膨張展開の際には真っ直ぐに伸びるため、他のインフレータブル構造にジョイントしても好適に適用できる。 更に、先端に機器を取り付けて利用する場合にも、機器への負担が少ない。 【0105】次に、Nが4の場合について、図9〜図1
    4を参照して説明する。 【0106】図9は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳み方を説明する展開図である。 図10は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態を上から見た際の谷線と山線の位置関係図である。 図11
    は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態を示す斜視図である。 図12は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態から展開し始めた様子を示す斜視図である。 図13は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態からおおよそ展開され終わりの状態を示す斜視図である。 図14は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材が完全に展開された状態を示す斜視図である。 【0107】図9に示すように、本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造の展開方法を用いる場合の折り畳み展開図は、N=3の場合と同様に谷線xも山線y
    も全て直線で構成される。 なお、図中山線は実線で示し、谷線は点線で示している。 【0108】そして、展開図における谷線xどうしは全て等間隔に設けられる。 また、展開図における山線y
    は、谷線xに対して、22.5°と157.5°の傾きをもった2種類の直線があり、これらはいずれも各々等間隔に設けられ、かつ、谷線x上でそれぞれが交差するように設けられる。 【0109】以上のことから、円筒を形成する前の状態で、折り目を付けておく必要があるが、折り目、つまり山線yと谷線xはいずれも直線で、かつ全体的に一様であるので、折り目付けの作業が容易である。 このことから、折り目の位置精度も容易に高精度なものとすることができる。 【0110】次に、折り畳みの手順について説明する。
    まず、図9に示す両端l1,l2をそれぞれ接続することによって、円筒を形成する。 つまり、両端l1,l2
    は円筒形状における母線の切断線に相当するものである。 そして、図9に示す山線yと谷線xにそって折り畳む。 【0111】完全に折り畳んだ際における谷線xと山線yの位置関係を示したのが図10である。 【0112】一直線の谷線は図10に示すように正方形を形成する。 そして、隣接する谷線でそれぞれ形成される正方形どうしは円筒軸に対して45°だけ回転方向にずらした位置関係にある。 【0113】つまり、図9の展開図における谷線x1
    と、これに隣接する谷線x2に着目すると、図10に示すように、谷線x1によって独立する正方形を形成し、
    谷線x2によって、谷線x1によって形成された正方形に対して円筒軸を中心に45°だけ回転方向にずらした正方形を形成する。 【0114】なお、谷線x2に隣接する谷線x3によって形成する正方形は、谷線x1によって形成された正方形と重なり、谷線x3に隣接する谷線x4によって形成する正方形は、谷線x2によって形成された正方形に重なる。 このように、交互に同じパターンで折り畳まれていくことになる。 【0115】また、隣接する谷線で形成される正方形の接点を結んで構成される山線群は正八角形を形成する。 【0116】つまり、図9に示すように、谷線x1と谷線x2との間の山線y1,y2,y3,y4,y5,y
    6,y7,y8により、折り畳まれた状態では、図10
    に示すように、正八角形を形成する。 【0117】このような折り畳み方をすることによって、上記N=3の場合と同様に、皺を生じさせることなく折り畳むことができ、また、円筒軸を含むように、断面が正八角形となる空洞部T、すなわち充填材となるガスの流路を十分に確保することができる。 【0118】また、各谷線xはそれぞれ独立して正方形を形成するように折り畳めばよい。 従って、上記従来例の場合のように谷線を繋げて螺旋を形成する場合のように、ずれが蓄積してしまうようなことはない。 従って、
    折り畳んだ際の全体の形状精度も高い。 【0119】このような手順に従って、折り畳んだ状態を示したのが、図11である。 以下、この折り畳まれた状態からの展開方法及びその挙動について説明する。 【0120】図に示すように、完全に折り畳まれた膜部材は、上から見ると正八角形の膜部材が多数重ねられたような状態となる。 【0121】これにガスを充填していくと、まず、図1
    2に示すように、膜部材は多数重ねられた正八角形の膜部材同士がそれぞれ離間するように展開されていく。 【0122】更に、ガスを充填していくと、図13に示すように、膜部材は、蛇腹形状へと変形していく。 【0123】そして、更に、ガスを充填すると、図14
    に示すように、元の円筒形状の膜部材に復元される。 【0124】このように、本実施の形態に係る折り畳みの場合にも、上記N=3の場合の折り畳み及びその展開の場合と同様の利点がある。 【0125】以上のように、円筒形状とした膜部材を、
    円筒軸に対して直交する複数の面と交差する線がそれぞれ谷線となるようにし、各谷線が各々正N角形(Nは3
    以上の整数)を形成するように、かつ軸方向に隣り合う谷線によって形成された正N角形同士は円筒軸の軸心を中心として、(180÷N)°だけずらすように、予め折り畳んでおき、折り畳まれた膜部材の内部に充填材を充填して、該膜部材を円筒形状にするようにすることで、ガスの流路を確保でき、皺がないように折り畳むことができ、展開時の挙動(形状)の予測ができるなどの利点がある。 【0126】なお、展開図については、谷線は全て等間隔かつ平行な直線で、山線は、谷線に対して(90÷
    N)°及び(180−90÷N)°の傾きをもつ2種類の直線であって、各々2種類の直線を各々等間隔に設け、かつ、谷線上でこれら2種類の直線が交差するように設ければ良い。 【0127】次に、図15〜図18を参照して、インフレータブル構造の展開方法の参考例を説明する。 【0128】図15は参考例に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳み方を説明する展開図である。 図16は参考例に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態を上から見た際の谷線と山線の位置関係図である。 図17は参考例に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態を示す斜視図である。 図18は参考例に係るインフレータブル構造を構成する膜部材が完全に展開された状態を示す斜視図である。 【0129】本参考例においても、円筒状の膜部材のうち、円筒軸に対して直交する複数の面と交差する線が谷線となるように折り畳まれる。 【0130】そして、図15に示す通り、展開図においては、本実施の形態の場合と同様に、谷線xと山線yはいずれも直線であり、谷線どうしは全て等間隔に設けられ、山線yは、谷線xに対して、45°及び135°の傾きを持った2種類の直線があり、これらはいずれも各々等間隔に設けられ、かつ、谷線上でそれぞれが交差するように設けられる。 【0131】しかし、図16に示すように、折り畳んだ状態では、隣接する谷線x1,x2はそれぞれ交差するように構成され、本実施の形態のように正N角形を形成することはない。 【0132】この参考例のような展開方法を用いる場合にも、図17に示すように、折り畳んだ状態から、内部にガスを充填していくと、本実施の形態の場合と同様に、円筒軸方向に伸びるように展開され、最終的に図1
    8に示すように、円筒形状となる。 【0133】この展開方法を用いた場合でも、折り目は全て規則正しく一様であり、皺も形成されないので、比較的、一様かつ均一に展開するため、展開形状等の予測が可能である。 【0134】ただし、この展開方法を用いる折り畳みの場合には、谷線と谷線の交点、すなわち、円筒軸に相当する部分のみ流路が確保される構成であるので、本実施の形態の場合に比べて、流路の確保の点でやや劣ると考えられる。 【0135】これまで説明した、折り畳み方(本実施の形態における折り畳み方(N=3〜10)と参考例における折り畳み方)を用いた場合の、収納効率,展開効率及び折り線数等の関係について、図19〜図22を参照して説明する。 【0136】図19は各種折り畳み方を用いた場合の収納効率の関係を示したものである。 図20は各種折り畳み方を用いた場合の展開倍率の関係を示したものである。 図21は各種折り畳み方を用いた場合の折り線数の関係を示したものである。 図22は各種折り畳み方における収納効率,展開効率及び折り線数等についてまとめたものである。 【0137】ここで、これらの各図面においては、各種折り畳み方に関して、折り畳んだ際に上から見た形状によって、各々区別している。 つまり、参考例の場合には4角形とし、本実施の形態の場合には、N=3の場合には6角形,N=4の場合には8角形,・・・N=10の場合には20角形というように区別して示している。 【0138】また、測定にあたっては、直径300m
    m,長さ10m,厚さ50μmの円筒形状の膜部材(シームレスチューブ)を用いて行った。 【0139】収納効率の関係については、図19に示す通りである。 ここで、収納効率は、折り畳み前、すなわち円筒形状の場合の体積をV1とし、折り畳んだ後の状態における体積をV2とした場合に、 (V2÷V1)×100(%) で表されたものである。 【0140】展開倍率の関係については、図20に示す通りである。 ここで、展開倍率は、折り畳み前、すなわち円筒形状の場合の体積をV1とし、折り畳んだ後の状態における体積をV2とした場合に、 V1÷V2 で表されたものである。 【0141】また、上記膜部材において、膜部材全体に形成された折り線数(山折り線の数と谷折り線の数との総数)について図21に示している。 【0142】以上の結果から、Nが大きくなると折り線数が大きくなり、収縮効率も低下する。 従って、実用的にはNが7以上ではあまり効果的に利用できないと考えられる。 【0143】ところで、円筒形状のインフレータブル構造の展開図から見ても分かるように、谷線と山線との交わる角度はNによって定まり、展開図の幅方向における谷線と山線の交点の数もNによって定まる。 【0144】従って、円筒形状のインフレータブル構造における、長手方向の長さ(膨張展開された状態における膨張展開方向の長さ)と径との関係には、制約があることになる。 従って、必要な長手方向の長さと径に応じて、適宜、上記Nを選択すれば良い。 【0145】また、これまでの説明では、膜部材の素材が、三軸織物で構成された硬化層を有する積層構造のものを利用する場合について示した。 これにより、折り畳みによる歪変形等が生じず、軽量かつ剛性が高いため、
    本実施の形態に係るインフレータブル構造の折り畳み方及び展開方法に対して非常に効果的である。 【0146】ただし、膜部材の素材については、三軸織物で構成された硬化層を有する積層構造のものを利用しない場合であっても、上述したように、ガスの流路を確保できるとか、皺がないように折り畳めるとか、膨張展開時の展開性に優れるなどの効果を発揮することができることは言うまでもない。 【0147】(第2の実施の形態)上述した第1の実施の形態で説明したような、折り畳み方は、インフレータブル構造の場合に限らず、一般的な構造物に対しても適用する価値が高い。 また、その構造自体のデザイン性が高いことからも、利用価値が高い。 以下、インフレータブル構造以外に、上記折り畳み方を適用する場合の各種実施の形態について説明する。 【0148】なお、折り畳み方については上記第1の実施の形態の場合と同様であるのでその説明は省略する。
    また、展開方法については、上記第1の実施の形態の場合には内部に充填材を充填することによって展開する構造であったが、本実施の形態の場合には、そのような展開もできる場合もあるが、通常は、ユーザが自分で折り畳んだものを伸ばすように展開する点で、上記第1の実施の形態の場合とは異なる。 しかし、展開方法については、説明するまでもないので、その説明は省略する。 【0149】第一に、容器への適用が可能である。 この点について、図22及び図23を参照して説明する。 図22及び図23は本発明の第2の実施の形態に係る一般的な折り畳み可能な構造物を示す斜視図である。 図22
    は小さく畳んだ状態を示し、図23は展開した状態を示している。 【0150】図示のように、本実施の形態においては、
    基本的な構造が円筒形状である容器に、上記第1の実施の形態で説明した折り畳み方を適用したものである。 つまり、図示のように容器20は、上記第1の実施の形態における膜部材の場合と同様に展開した状態では、円筒形状である。 【0151】そして、容器20の場合には、一端は塞がれた構造であり、他端は開放された構造である。 つまり、図示のように一端側にのみ開口部21を有している。 ここで、開放部分に関しては、図示のように、単に円筒形状の端部がそのまま開放された構造でも良いが、
    蓋を設けたり、開口面積を小さくするような構造としたりしても良い。 【0152】より具体的な適用例としては、歯磨きやマヨネーズなどのチューブ状の容器への適用がある。 この場合には、残量に応じて容器を図22のように折り畳んでいくことで、皺なく非常にコンパクトに折り畳めることから中身をほとんど残すことがないというメリットがある。 【0153】また、残ったワインや写真の現像液を保存するための容器への適用も効果的である。 この場合には、保存する量に応じて容器を伸縮させることで、保存するものの空気に触れる量が減ることから酸化による劣化を抑えるというメリットがある。 【0154】その他、ごみ箱,携帯用コップ,筒,ポリタンク,絵の具の水入れ、あるいはペン立て等への適用も効果的である。 【0155】いずれへの適用の場合にも、入れるものの数や量に応じて、容器を伸縮できるため、必要以上に大きくならないというメリットがある。 【0156】また、展開した状態では、円筒形状にはならないような形態での利用も可能である。 例えば、上記のような各種容器に適用する場合に、円筒形状になるまでは伸びきらずに途中の段階まで伸びたら、それ以上は伸ばすことができないような構造(例えば、ストッパを設ける構造)とすることも可能である。 【0157】このメリットとしては、円筒形状になるまで完全に伸ばすと、次に折り畳む際に、側面側から折り畳みを補助しなければ、うまく折り畳むことができないなど、折り畳み作業がやや面倒になることも考えられるため、そのようなことを防止できるということが考えられる。 【0158】更に、円筒形状の一部を切断させた形態での利用も可能である。 このような場合について、図24
    を参照して説明する。 図24は本発明の第2の実施の形態に係る一般的な折り畳み可能な構造物を示す斜視図である。 【0159】図24では、上述した図22あるいは図2
    3において、円筒軸を通るように、縦に切断した構造となっており、収容ケース30として用いられるものである。 【0160】図示のように図22及び図23に示したものを縦に切断すると、その内部には、水平な複数の段3
    1,32,33,34,35,36が形成される。 【0161】従って、この段を利用して、各種物品を収納するケースとして、好適に利用することができる。 【0162】例えば、各種ディスク(コンパクトディスク(光ディスク)やデジタルビデオディスク(光磁気ディスク))の収納ケースとして効果的に利用できる。 この場合も、収納していない部分は折り畳んでおくことも可能である。 【0163】また、円筒形状の両端を完全に密封する形態での利用も可能である。 このような場合について、図25及び図26を参照して説明する。 図25及び図26
    は本発明の第2の実施の形態に係る一般的な折り畳み可能な構造物を示す斜視図である。 図25は小さく畳まれた状態を示し、図26は展開された状態を示している。 【0164】図示の例は、緩衝材40として用いられるものである。 なお、ばねとして用いることもできるものである。 【0165】図のように、内部に気体や液体を封入して、上下を密封することで、通常状態では、図26に示すように、ある程度伸びた形状としておく。 【0166】これにより、図25に示すように、縮める方向に力を作用させたり、伸ばす方向に力を作用させたりすると、元に戻ろうとする力が働く。 従って、緩衝材やばねとして利用することが可能である。 【0167】また、上面の一部に孔を空けてホースやパイプを接続することによって、ポンプとして利用することも可能である。 【0168】また、その他の利用例としては、円筒形状の場合には、デジタルカメラの液晶モニタのフードや照明用フードなどがあり、円筒形状の一端が閉じた形状の場合には、植木鉢のカバー(室内用植木鉢の化粧カバー)や傘を入れるための携帯用カバーなどがあり、円筒形状を縦に切断した形状の場合には、開閉式の屋根やビニールハウスの建築構造物等が挙げられる。 【0169】このように様々な分野への応用が可能である。 【0170】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のインフレータブル構造の展開方法により、コンパクトに折り畳むことができ、かつ膨張展開の形状を予測することができる。 【0171】また、コンパクトに折り畳むことができ伸縮可能な構造物の折り畳み展開方法及び折り畳み展開可能な構造物を提供できる。

    【図面の簡単な説明】 【図1】図1は本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造の一部破断斜視図である。 【図2】図2は三軸織物の平面図である。 【図3】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳み方を説明する展開図である。 【図4】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態を上から見た際の谷線と山線の位置関係図である。 【図5】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態を示す斜視図である。 【図6】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態から展開し始めた様子を示す斜視図である。 【図7】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態からおおよそ展開され終わりの状態を示す斜視図である。 【図8】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材が完全に展開された状態を示す斜視図である。 【図9】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳み方を説明する展開図である。 【図10】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態を上から見た際の谷線と山線の位置関係図である。 【図11】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態を示す斜視図である。 【図12】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態から展開し始めた様子を示す斜視図である。 【図13】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態からおおよそ展開され終わりの状態を示す斜視図である。 【図14】本発明の実施の形態に係るインフレータブル構造を構成する膜部材が完全に展開された状態を示す斜視図である。 【図15】参考例に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳み方を説明する展開図である。 【図16】参考例に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態を上から見た際の谷線と山線の位置関係図である。 【図17】参考例に係るインフレータブル構造を構成する膜部材の折り畳んだ状態を示す斜視図である。 【図18】参考例に係るインフレータブル構造を構成する膜部材が完全に展開された状態を示す斜視図である。 【図19】各種折り畳み方を用いた場合の収納効率の関係を示したものである。 【図20】各種折り畳み方を用いた場合の展開倍率の関係を示したものである。 【図21】各種折り畳み方を用いた場合の折り線数の関係を示したものである。 【図22】本発明の第2の実施の形態に係る一般的な折り畳み可能な構造物を示す斜視図である。 【図23】本発明の第2の実施の形態に係る一般的な折り畳み可能な構造物を示す斜視図である。 【図24】本発明の第2の実施の形態に係る一般的な折り畳み可能な構造物を示す斜視図である。 【図25】本発明の第2の実施の形態に係る一般的な折り畳み可能な構造物を示す斜視図である。 【図26】本発明の第2の実施の形態に係る一般的な折り畳み可能な構造物を示す斜視図である。 【図27】宇宙空間に配置するアンテナをインフレータブル構造によって支持した状態を示す斜視図である。 【図28】従来技術に係る円筒構造物の折り畳み方を示した図である。 【符号の説明】 10 インフレータブル構造11 気密層12 硬化層12x,12y,12z 強化繊維束13 保護層20 容器21 開口部30 収容ケース31,32,33,34,35,36 段40 緩衝材100 アンテナ101 インフレータブル構造102 平面アンテナ103 展張ケーブル

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 博明 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内(72)発明者 仙北谷 由美 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内

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