【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワークに於ける被監視部からの各種のイベント通知を基に、被監視部の状態を表示して監視するクライアント・サーバ構成を有するイベント情報管理システム及びイベント情報管理方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】図１７は従来例のイベント情報管理システムの説明図であり、７０はネットワークに於ける被監視部、７１はサーバ部、７２はクライアント部、７３はローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）を示し、又サーバ部７１とクライアント部７２との概要を示し、７４はイベント受付処理部、７５とデータベースを示し、クライアント・サーバ構成のオペレーティング・システム（ＯＰＳ）を示す。

【０００３】被監視部７０は、ネットワークに散在して配置される交換装置等を示し、各種のイベント発生についてサーバ部７１に通知する。 サーバ部７１は、ネットワークの監視，管理，運用等に関する処理を行い、又Ｌ
ＡＮ７３を介してクライアント部７２と接続し、被監視部７０からのイベント通知に対して、クライアント部７
２にイベント通知に関連する表示用通知を行う。 又データベース７５は、例えば、ノードｎｏｄｅ１〜ｎｏｄｅ
Ｙ対応に、それぞれの内部の箇所１〜ｙについて、警報の有無を格納するもので、例えば、ノードｎｏｄｅＸの箇所ｘの障害発生を示すイベント通知を受信した場合、
斜線を施して示すように、警報有りを格納することができる。

【０００４】又クライアント部７２は、サーバ部７１からの通知に従って画面表示部に、イベント内容等のイベント表示画面を表示し、又被監視部７０について階層構造として管理し、監視画面には、指定した階層対応に警報状態等を表示する。 図示した画面表示部は、上位層監視画面と、その下位層監視画面１，２とについて警報有りと警報無しとして表示した場合を示し、下位層監視画面２の更に下位層監視画面３として、サーバ部７１のデータベース７５の内容に対応して、ノードｎｏｄｅＸの箇所ｘに警報有り等をウインドウ形式で表示する。

【０００５】図１８は従来例のシーケンス説明図であり、図１７を参照して説明する。 被監視部７０から、
警報等のイベント通知をサーバ部７１に送出する。 このイベント通知により、サーバ部７１のイベント受付処理部７４は、データベース７５への書込処理を行う。 そして、サーバ部７１は、クライアント部７２に、リアルタイム表示用通知を行う。 それにより、クライアント部７２のイベント表示画面に、イベント通知の内容が表示される。

【０００６】又クライアント部７２の監視画面の、例えば、下位層監視画面３を開く時に、この下位層監視画面３に対応する画面情報読出要求をサーバ部７１に送出する。 それにより、サーバ部７１はデータベース７５
から、下位層監視画面３に対応する情報を読出し、画面情報読出応答として示すように、クライアント部７２
に送出する。 従って、下位層監視画面３には、ノードｎ
ｏｄｅＸの箇所ｘに警報有りが表示される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】サーバ部７１は、イベント情報の管理のみでなく、ネットワークの監視，管理，運用等の各種の処理を行うものであり、クライアント部７２からの画面情報読出要求に従ってデータベース７５等から読出した画面情報を転送するもので、サーバ部７１の処理負担が大きく且つＬＡＮ７３等を介したサーバ部７１とクライアント部７２との間のトラフィックが大きくなる問題がある。 本発明は、サーバ部の処理負担の軽減及びサーバ部とクライアント部との間のトラフィックの低減を図ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のイベント情報管理システムは、（１）被監視部からのイベント通知を受信処理するサーバ部１と、このサーバ部１との間で情報転送を行い、且つ被監視部の状態を表示する画面表示部６を有するクライアント部２とを含むイベント情報管理システムであって、サーバ部１は、被監視部からのイベント通知を受付けて処理するイベント受付処理部３を備え、クライアント部２は、イベント処理部５と、イベント表示画面９及び監視画面１０の表示機能を有する画面表示部６とを備え、イベント処理部５は、少なくともサーバ部１からのイベント通知の中の警報発生中を示す警報イベントを、被監視部の階層構造に対応して保持する階層型監視データ保持部８を備えている。

【０００９】又（２）サーバ部１は、イベント受付処理部３と、このイベント受付処理部３により受付けたイベント通知によるイベント情報を保持する全イベントデータベース４とを備え、クライアント部２のイベント処理部５は、イベント受付部７と階層型監視データ保持部８
とを有し、イベント受付部７によりサーバ部１からのイベント通知を受付けて、警報発生中の警報イベントについて階層型監視データ保持部８に保持する構成を備えている。

【００１０】又（３）サーバ部１は、イベント受付処理部３を備え、クライアント部２は、イベント処理部５と画面表示部６とを備え、イベント処理部５は、イベント受付部７と、このイベント受付部７により受付けたイベント通知についてのイベント情報を保持する全イベントデータ保持部と、イベント通知による警報発生中の警報イベントを保持する階層型監視データ保持部８とを備えている。

【００１１】又（４）クライアント部２は、イベント処理部５とイベント表示画面及び監視画面の表示機能を有する画面表示部６とを備え、イベント処理部５は、イベント受付部７と、このイベント受付部７により受付けたイベント通知についてのイベント情報を保持する全イベントデータ保持部と、イベント通知による警報発生中の警報イベントを保持する階層型監視データ保持部８と、
画面表示部に於けるオープン画面に対応したオブジェクト情報を保持する画面オブジェクト保持部とを備えている。

【００１２】又（５）階層型監視データ保持部８は、被監視部の階層構造に対応して、警報イベントについて下位層の最も高い警報の重要度を上位層の警報の包括重要度として格納し、且つ警報回復した警報イベントを削除して、上位層の包括重要度の更新を行う構成を備えている。

【００１３】又本発明のイベント情報管理方法は、
（６）被監視部からのイベント通知を受信処理するサーバ部１と、このサーバ部１との間で情報転送を行い、且つ被監視部の状態を表示する画面表示部６を有するクライアント部２とを含み、イベント情報を管理するイベント情報管理方法であって、サーバ部１は、イベント受付処理部３により受付けた被監視部からのイベント通知を処理して、クライアント部２に送出し、クライアント部２のイベント受付部７は、サーバ部１のイベント受付処理部５からのイベント通知が警報発生を示す警報イベントの時は、この警報イベントを階層型監視データ保持部８に保持し、警報解除を示す警報イベントの時は、対応する警報イベントを削除し、この階層型監視データ保持部８に保持された警報イベントを画面表示部６の監視画面１０に表示する過程を含むものである。

【００１４】又（７）クライアント部２は、イベント処理部５と、画面表示部６とを含み、イベント処理部５
は、イベント受付部７と、階層型監視データ保持部８
と、全イベントデータ保持部と、画面オブジェクト保持部とを備え、イベント受付部７によりサーバ部１からのイベント通知を受付けた時に、全イベントデータ保持部にイベント情報を順次格納し、このイベント通知が警報発生を示す警報イベントの時は、この警報イベントを階層型監視データ保持部に保持し、警報解除を示す警報イベントの時は、対応する警報イベントを削除し、且つ画面表示部６のオープン中のイベント表示画面９と監視画面１０とのオブジェクト情報を、画面オブジェクト保持部に保持し、イベント受付部７は、画面オブジェクト保持部からイベント通知に対応したオブジェクト情報を読出して、イベント表示画面及び監視画面に表示する過程を含むものである。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１は本発明の第１の実施の形態の説明図であり、１はサーバ部、２はクライアント部、
３はイベント受付処理部、４は全イベントデータベース、５はイベント処理部、６は画面表示部、７はイベント受付部、８は階層型監視データ保持部、９はイベント表示画面、１０は監視画面を示す。 画面表示部６は、ブラウン管や液晶パネル等の表示部と、表示制御処理部とを含み、ウインドウ形式或いは２画面としてイベント表示画面９と監視画面１０とを表示可能としている。

【００１６】又サーバ部１は、図示を省略した被監視部からのイベント通知を受信するイベント受付処理部３
と、受付けたイベント通知を格納する全イベントデータベース４とを含み、又ネットワークの監視，管理，運用等の処理を行うものである。 又クライアント部２は、イベント処理部５と画面表示部６とを備え、サーバ部１とクライアント部２とは、図示を省略したＬＡＮ等により接続されている。 又クライアント部２のイベント処理部５は、イベント受付部７と階層型監視データ保持部８とを含み、サーバ部１からのイベント通知をイベント受付部７に於いて受付け、警報イベントについて、階層型監視データ保持部８に、例えば、警報イベント１〜警報イベントＭとして示すように格納する。

【００１７】図２は本発明の第１の実施の形態のシーケンス説明図であり、図１を参照して説明する。 被監視部からのイベント通知をサーバ部１のイベント受付処理部３が受信すると、サーバ部１の全イベントデータベース４にイベント通知に従ったイベント情報を、イベント１〜イベントｍとして示すように格納し、且つクライアント部２のイベント受付部７へイベント通知を行う。

【００１８】クライアント部２のイベント受付部７は、
イベント通知の種別が被監視部の立上げや変更等の通常のイベントであるか、又は障害発生による警報イベントであるかを判別し、警報発生を示す警報イベントの場合、階層型監視データ保持部８に、階層型監視データ更新として示すように、警報イベントを保持し、又警報解除を示す警報イベントの場合、対応する警報イベントを削除する。 そして、画面表示部６の監視画面の内容に対応した監視画面情報読出要求を、画面表示部６から階層型監視データ保持部８に送出し、それに対して、
監視画面読出応答を画面表示部６に送出し、監視画面１
０に表示させる。

【００１９】又イベント表示画面９が起動時に、サーバ部１に対して全イベント情報読出要求を送出し、サーバ部１は、全イベントデータベース４からの全イベント情報読出応答を送出し、イベント表示画面９にイベント内容を表示することができる。

【００２０】従って、監視画面１０については、イベント受付部５の階層型監視データ保持部８との間で、監視画面読出要求と監視画面読出応答との転送で済むことになる。 即ち、サーバ部１とクライアント部２との間は、
イベント通知と、全イベント情報読出要求と、全イベント情報読出応答とのみとなり、データ量の多い監視画面情報読出要求及び監視画面情報読出応答は、
クライアント部２の内部だけで済むから、サーバ部１の処理負担を軽減し、且つサーバ部１とクライアント部２
との間のトラフィックを低減することが可能となる。

【００２１】図３はイベント電文の説明図であり、
（Ａ）は警報イベント、（Ｂ）は一般イベントの場合を示し、ヘッダ部とデータ部とから構成され、ヘッダ部は、ホスト名とポート番号とオブジェクト情報（Ｏｂｊ
ｅｃｔ Ｒｅｆ． ）とを含み、データ部は、被監視部の階層構造に対応した上位ノード（ｎｏｄｅ）と、下位ノード（ｎｏｄｅ）と、ノード内の箇所と、イベントの種別と、警報の重要度と、付加情報とを含み、警報の重要度としては、重度ｍａｊと、軽度ｍｉｎと、無しとの３
段階の場合を示す。 なお、警報の重要度としては、更に多数の段階とすることも可能である。

【００２２】このようなイベント電文を用いることにより、クライアント部２の階層型監視データ保持部８の警報イベントは、例えば、図４に示すものとなる。 即ち、
イベント種別は警報の場合のみで、且つ重要度は重度ｍ
ａｊ又は軽度ｍｉｎの何れかを保持する。 なお、階層型監視データ保持部８のインデックス（ＩＮＤＥＸ）の１
〜Ｍの領域に警報イベントが保持された状態を示す。 警報解除の場合は、それに対応する警報イベントを削除する。 従って、階層型監視データ保持部８には、警報発生中の警報イベントのみが格納される。

【００２３】図５は本発明の第１の実施の形態のイベント受付部のフローチャートを示し、イベント受信か否かを判定し（Ａ１）、イベント受信により、階層型監視データ保持部８への格納処理を行う（Ａ２）。 この格納処理（Ａ２）は、イベント電文の種別が警報か否かを判定し（Ａ２１）、警報の場合のみ上位ノードが同一値（重要度）の警報データ有りか否かを判定し（Ａ２２）、同一値の場合、下位ノードが同一値の警報データ有りか否かを判定し（Ａ２３）、同一値の場合、箇所が同一値の警報データ有りか否かを判定し（Ａ２４）、同一値の場合、警報回復と判定し、該当番目の通知データを削除する（Ａ２５）。 即ち、同一内容の警報イベントを２回受信した場合に、その警報は解除したものと判定し、階層型監視データ保持部８から対応した警報イベントを削除する。 この場合、警報イベントを削除した空き領域を順次シフトして、最新の警報イベントがインデックスの最後となるように更新する。 なお、このような処理をアドレス制御によって実現することも可能である。

【００２４】又ステップ（Ａ２２），（Ａ２３），（Ａ
２４）に於いて、同一値でない場合は、新たな警報イベントと判定して、図４に示すように、インデックス１〜
Ｍに既に警報イベントが保持されている場合に、Ｍ＋１
番目に格納する（Ａ２６）。 なお、イベント電文の例えば種別として警報、重要度として無しを表示し、警報解除を示す場合は、この重要度を判別して、階層型監視データ保持部８から警報イベントを削除することも可能である。

【００２５】このように、階層型監視データ保持部８には、被監視部の階層構造に対応して、現在の警報状態の上位ノード，下位ノード，箇所についての情報が格納されている。 なお、警報イベントの識別と、階層型監視データ保持部８への書込み、読出し等の制御は、イベント受付部７又は階層型監視データ保持部８の書込読出制御部によって行う構成とすることができる。

【００２６】図６は重要度の更新説明図であり、階層型監視データ保持部８に保持された警報イベントについて、被監視部の階層構造に対応し、下位層の重要度を上位層に反映させるもので、実線枠内をイベント重要度、
点線枠内を包括重要度とする。 例えば、第１層を最上位層として、ノードｎｏｄｅ−Ａ、第Ｘ層を最下位層として、箇所１，２、その上の第Ｘ−１層として、ノードｎ
ｏｄｅ−ａ，ｎｏｄｅ−ｂを有する場合、（Ａ）に示すように、箇所１，２が何れも重要度が軽度ｍｉｎの場合、第Ｘ−１層及び第１層の包括重要度を軽度ｍｉｎとする。

【００２７】この状態に於いて、新たに、ノードｎｏｄ
ｅ−ａの下位層、即ち、第Ｘ層の箇所３に重要度が重度ｍａｊの警報が発生した場合、（Ｂ）に示すように、箇所３の上位層のノードｎｏｄｅ−ａの包括重要度、更にその上の第１層のノードｎｏｄｅ−Ａの包括重要度をそれぞれ重度ｍａｊに更新する。

【００２８】又（Ａ）の状態に於いて、ノードｎｏｄｅ
−ａの下位層の箇所２について、図５のステップ（Ａ２
５）について説明したように、警報解除を示す場合に、
階層型監視データ保持部８から、ノードｎｏｄｅ−ａの下位層の箇所２の警報イベントを削除して、（Ｃ）に示す状態とする。 この場合、重要度が軽度ｍｉｎの警報解除であり、包括重要度は軽度ｍｉｎであったから、包括重要度の変更はない。 これに対して、（Ｂ）の状態に於いて、ノードｎｏｄｅ−ａの下位層の箇所３の警報が解除されると、重度ｍａｊの重要度の警報がなくなるから、包括重要度は、（Ａ）に示す状態に更新される。

【００２９】図７は包括重要度更新のフローチャートを示し、保持されている警報総数をＭ、該当下位ノードまでの警報データ検索数をｘ、該当箇所までの警報データ検索数をｙとする。 先ず、イベント通知の種別が警報か否かを判定し（Ｂ１）、警報イベントの場合、上位監視層情報に、同一上位ノード（ｎｏｄｅ）の有無を判定し（Ｂ２）、同一上位ノードが無しの場合、例えば、図４
に於ける階層型監視データ保持部のインデックスＭの次のＭ＋１に警報イベントを格納する（Ｂ８）。 又同一上位ノード有りの場合、上位包括重要度と警報イベントによる重要度とを比較し（Ｂ３）、受信した警報イベントの重要度が高い場合、上位包括重要度を、その警報イベントの重要度に更新する（Ｂ９）。

【００３０】又受信した警報イベントの重要度が包括重要度より低い場合は、下位監視層情報に同一下位ノード（ｎｏｄｅ）の有無を判定し（Ｂ４）、同一下位ノードが無い場合、該当下位ノードまでの検索数をｘとすると、階層型監視データ保持部のｘ＋１番目に警報イベントを格納する（Ｂ１０）。 又同一下位ノード有りの場合は、下位包括重要度と警報イベントの重要度とを比較し（Ｂ５）、下位包括重要度が警報イベントの重要度より低い場合、その重要度により下位包括重要度を更新する（Ｂ１１）。

【００３１】又下位包括重要度が警報イベントの重要度より高い場合、最下位監視層情報に同一箇所の有無を判定し（Ｂ６）、同一箇所無しの場合は、該当箇所までの警報イベントの検索数をｙとすると、階層型監視データ保持部のｙ＋１番目に警報イベントを格納する（Ｂ１
２）。 又同一箇所有りの場合は、階層型監視データ保持部の該当番目の警報イベントを削除する（Ｂ７）。 この場合も、イベント電文の重要度に無しを表示して、警報解除を示す場合に、階層型監視データ保持部から該当する警報イベントを削除するように制御することができる。

【００３２】図８は階層型監視データ保持部の説明図であり、警報イベントを階層構造に対応して保持する場合を示す。 即ち、上位監視層情報と、下位監視層情報と、
最下位監視層情報と、イベント情報とからなる場合を示し、上位監視層情報は、上位ノードと包括重要度、下位監視層情報は、下位ノードと包括重要度、最下位監視情報は、箇所と重要度とを含み、又イベント情報は、警報データ情報として、ホスト名、番号、参照情報Ｒｅｆ．
各種の情報とを含むものである。

【００３３】又図示した内容は、上位ノードｎｏｄｅ−
Ａの下位ノードｎｏｄｅ−ａ，ｎｏｄｅ−ｃ、上位ノードｎｏｄｅ−Ｂの下位ノードｎｏｄｅ−ｄ、下位ノードｎｏｄｅ−ａに対する最下位の箇所１，９、下位ノードｎｏｄｅ−ｃに対する最下位の箇所５、下位ノードｎｏ
ｄｅ−ｄに対する最下位の箇所６，２が警報イベントを送出した場合に、階層構成として、警報イベントを格納した場合を示す。

【００３４】そして、箇所９，６の重要度が重度ｍａｊ
であることにより、下位ノードｎｏｄｅ−ａ，ｎｏｄｅ
−ｄの包括重要度は重度ｍａｊとし、それにより、上位ノードｎｏｄｅ−Ａ，ｎｏｄｅ−Ｂの包括重要度は重度ｍａｊとする。 このような階層型監視データ保持部８
は、イベント受付部７又は図示を省略した警報イベントの書込制御部により、イベント電文のノード情報を参照することにより、容易に実現することができる。

【００３５】図９は本発明の第２の実施の形態の説明図であり、１１はサーバ部、１２はクライアント部、１３
はイベント受付処理部、１５はイベント処理部、１６は画面表示部、１７はイベント受付部、１８は階層型監視データ保持部、１９はイベント表示画面、２０は監視画面、２１は全イベントデータ保持部を示す。

【００３６】この実施の形態は、クライアント部１２のイベント処理部１５に、イベント受付部１７と、階層型監視データ保持部１８と、全イベントデータ保持部２１
とを設けた場合を示し、全イベントデータ保持部２１
は、図１に於けるサーバ部１に設けた全イベントデータベース４に相当する構成である。 以下〜のシーケンスについて図１０を参照して説明する。 図示を省略した被監視部からのイベント通知を、サーバ部１１のイベント受付処理部１３により受信処理し、クライアント部１２のイベント受付部１７にイベント通知を行う。 イベント受付部１７は、全イベントデータ保持部２１にイベント１〜ｍとして示すように順次格納し、又イベント種別を判定し、警報イベントについては、階層型監視データ保持部１８に対して階層型監視データ更新を行う。

【００３７】この階層型監視データ保持部１８と、画面表示部１６の監視画面２０との間は、図１に於ける階層型監視データ保持部８と、監視画面１０との間と同様の処理により、所望の監視層の画面を表示することができる。 又イベント表示画面１９を起動中は、サーバ部１１
に対してアクセスすることなく、イベント処理部１５の全イベントデータ保持部２１に、全イベント情報読出要求を行い、それに対する全イベントデータ読出応答により、イベント表示を可能とすることができる。

【００３８】図１１は全イベントデータ保持部への格納動作のフローチャートを示し、イベント受信か否かを判定し（Ｃ１）、イベント受信により全イベントデータ保持部２１にイベント情報の格納を行い（Ｃ２）、イベント通知が警報イベントか否かを判定し、警報イベントの場合は、階層型監視データ保持部１８へ、その警報イベントの格納を行う（Ｃ３）。 この階層型監視データ保持部１８への警報イベントの格納は、図７のステップ（Ｂ
１）〜（Ｂ１２）に従ったステップにより行うものである。

【００３９】又前述の全イベントデータ保持部２１へのイベント情報の格納（Ｃ２）は、ステップ（Ｃ２１）〜
（Ｃ２３）に示すように、先ず、サイクリックか否かを判定する（Ｃ２１）。 即ち、全イベントデータ保持部２
１が、１〜ｎ番目の領域を有する場合に、１番目から順にイベントを格納し、ｎ番目の領域にイベントを格納した時に、サイクリックと判定するもので、その時に、ｍ
＝０として（Ｃ２３）、ｍ＋１番目、即ち、１番目の領域にイベント情報を格納する。 それ以外は、イベント格納前の領域をｍ番目として、ｍ＋１番目の領域にイベント情報を格納する（Ｃ２２）。

【００４０】この場合、１番目の領域から順次イベント情報を格納し、最後のｎ番目の領域にイベント情報を格納した次のイベント情報を、最初の１番目の領域に上書きするように格納する場合を示すが、最後のｎ番目の領域にイベント情報を書込んだ後のイベント情報を、一番古い１番目の領域のイベント情報を削除し、順次１番目の領域方向にシフトして、最後のｎ番目の領域を空きにして、その空きの領域に書込む制御を行うことも可能である。

【００４１】図１２は全イベントデータ保持部の説明図であり、インデックスｉｎｄｅｘ１〜ｍの領域に、イベント電文形式のイベント情報を順次格納した場合を示し、インデックスｉｎｄｅｘ１が最も古いイベント情報で、インデックスｉｎｄｅｘｍが最も新しいイベント情報である。 このように受信した情報をサイクリックに格納する為のメモリ制御手段は、既に知られている各種の手段を適用することできる。

【００４２】図１３は本発明の第３の実施の形態の説明図であり、３１はサーバ部、３２はクライアント部、３
３はイベント受付処理部、３５はイベント処理部、３６
は画面表示部、３７はイベント受付部、３８は階層型監視データ保持部、３９はイベント表示画面、４０は監視画面、４１は全イベントデータ保持部、４２は画面オブジェクト保持部を示す。

【００４３】この実施の形態は、イベント処理部３５
に、階層型監視データ保持部３８と全イベントデータ保持部４１と共に、画面オブジェクト保持部４２を設け、
イベント表示画面３９及び監視画面４０に対して、イベント情報を自動的且つリアルタイムに表示可能としたものである。 この画面オブジェクト保持部４２は、例えば、図１４に示すように、オープン中のイベント表示画面と、監視画面ａ，ｂ，・・・ｈと、オブジェクト情報とを対応させて格納したものである。

【００４４】なお、階層型監視データ保持部３８と全イベントデータ保持部４１とは、図９に於ける階層型監視データ保持部１８と全イベントデータ保持部２１と同様な構成を有するものであり、サーバ部３１のイベント受付処理部３３に於いて図示を省略した被監視部からのイベント通知を受付けて、クライアント部３２のイベント受付部３７に通知し、イベント受付部３７は、全イベントデータ保持部４１にイベント情報を格納し、且つイベント種別を識別して、警報発生中の警報イベントを示す時は、階層型監視データ保持３８に格納する。

【００４５】図１５は本発明の第３の実施の形態のシーケンス説明図であり、図１３の〜，（ａ）〜（ｅ）
を参照して説明する。 画面表示部３６のイベント表示画面３９は、全イベントデータ保持部４１に対して、全イベント情報読出要求を行い、全イベントデータ保持部４１は、全イベント情報読出応答をイベント表示画面３９に返送し、イベント表示を行い、画面オブジェクト保持部４２に、イベント表示画面オープン通知を行い、イベント表示画面のオブジェクト情報の保持を行わせる。

【００４６】又監視画面４０は、階層型監視データ保持部３８に、監視画面情報読出要求を行い、階層型監視データ保持部３８は、監視画面情報読出応答を監視画面４０に返送し、監視画面の表示を行い、画面オブジェクト保持部４２に、監視画面オープン通知を行い、監視画面のオブジェクト情報の保持を行わせる。

【００４７】そして、図示を省略した被監視部からのイベント通知により、サーバ部３１のイベント受付処理部３３は、クライアント部３２のイベント受付部３７
に、イベント通知を行う。 イベント受付部３７は、全イベントデータ保持部４１に、全イベントデータ格納を行い、又このイベント通知のイベント種別が警報イベントを示す場合は、階層型監視データ保持部３８に、
（ａ）階層型監視データの格納を行う。

【００４８】又イベント受付部３７は、画面オブジェクト保持部４２に対して、（ｂ）画面オブジェクト情報読出要求を行い、これに対して、画面オブジェクト保持部４２は、（ｃ）画面オブジェクト情報読出応答として、
オープン中画面のオブジェクト情報を返送する。 イベント受付部３７は、オープン中画面を認識することが可能となり、イベント表示画面３９に、（ｄ）リアルタイム表示用通知を行い、又監視画面４０に対して、（ｅ）リアルタイム表示用通知を行う。 それにより、イベント表示画面３９と、監視画面４０とを、イベント通知に従って自動的に且つリアルタイムで表示可能とすることができる。

【００４９】図１６は本発明の第３の実施の形態のイベント受付部のフローチャートを示し、サーバ部３１からのイベント通知を受信したか否かを判定し（Ｄ１）、受信すると、全イベントデータ保持部４１への格納を行う（Ｄ２）。 この格納処理は、図１１のステップ（Ｃ２
１）〜（Ｃ２３）により行う。

【００５０】又イベント種別が警報イベントを示す時に、階層型監視データ保持部３８への格納を行う（Ｄ
３）。 この格納処理は、図７のステップ（Ｂ１）〜（Ｂ
１２）により行う。 そして、画面オブジェクト保持部４
２に対して、画面オブジェクト情報読出要求を行って読出しを行い（Ｄ４）、イベント表示画面３９に対して、
リアルタイム表示通知を行い（Ｄ５）、監視画面４０に対して、リアルタイム表示通知を行う（Ｄ６）。

【００５１】本発明は、前述の各実施の形態のみに限定されるものでなく、種々組合せることも可能であり、又サーバ部に対して複数のクライアント部を設けたシステムにも適用可能である。

【００５２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、被監視部からのイベント通知をサーバ部１のイベント受付処理部３で受付け、クライアント部２のイベント受付部７にこのイベント通知を送出し、クライアント部２は、イベント受付部７に於いて警報発生を示す警報イベントであることを識別すると、階層型監視データ保持部８にこの警報イベントを保持し、又警報解除を示す場合は、対応する警報イベントを削除するもので、階層型監視データ保持部８には、警報発生中の警報イベントのみが格納されていることになる。 そして、この階層型監視データ保持部８からの警報イベントの情報を基に、画面表示部６
の監視画面１０に表示することができる。 従って、サーバ部１の処理負担を軽減し、且つサーバ部１とクライアント部２との間のトラフィックを低減できる利点がある。

【００５３】更に、画面表示部６のイベント表示画面９
に表示する為の全イベント情報を保持する全イベントデータ保持部をイベント処理部に設けることにより、一層、サーバ部１の処理負担及びトラフィックの低減を図ることができる。 又画面表示部にオープン中のイベント表示画面及び監視画面に従った画面オブジェクト保持部を設けることにより、サーバ部１の処理負担並びにトラフィックを増加することなく、イベント通知に従って自動的に且つリアルタイムで警報発生状態の表示が可能となる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態の説明図である。

【図２】本発明の第１の実施の形態のシーケンス説明図である。

【図３】イベント電文の説明図である。

【図４】階層型監視データ保持部の説明図である。

【図５】本発明の第１の実施の形態のイベント受付部のフローチャートである。

【図６】重要度の更新説明図である。

【図７】包括重要度更新のフローチャートである。

【図８】階層型監視データ保持部の説明図である。

【図９】本発明の第２の実施の形態の説明図である。

【図１０】本発明の第２の実施の形態のシーケンス説明図である。

【図１１】全イベントデータ保持部への格納動作のフローチャートである。

【図１２】全イベントデータ保持部の説明図である。

【図１３】本発明の第３の実施の形態の説明図である。

【図１４】画面オブジェクト保持部の説明図である。

【図１５】本発明の第３の実施の形態のシーケンス説明図である。

【図１６】本発明の第３の実施の形態のイベント受付部のフローチャートである。

【図１７】従来例のイベント情報管理システムの説明図である。

【図１８】従来例のシーケンス説明図である。

【符号の説明】

１ サーバ部 ２ クライアント部 ３ イベント受付処理部 ４ 全イベントデータベース ５ イベント処理部 ６ 画面表示部 ７ イベント受付部 ８ 階層型監視データ保持部 ９ イベント表示画面 １０ 監視画面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松沢 光芳 石川県金沢市本町１丁目５番２号 富士通 北陸通信システム株式会社内 (72)発明者 荒木 直樹 石川県金沢市本町１丁目５番２号 富士通 北陸通信システム株式会社内 (72)発明者 加戸 成樹 石川県金沢市本町１丁目５番２号 富士通 北陸通信システム株式会社内 (72)発明者 福岡 智代 石川県金沢市本町１丁目５番２号 富士通 北陸通信システム株式会社内 Ｆターム(参考） 5B089 GA11 GA21 GB09 JA35 KA06 KA08 KC28 KC39 KC51 LB14 5K035 AA02 JJ03 KK04 MM03 MM07