【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像情報を取り扱う異なる装置間で、画像情報を簡単にコピー又は移動するための画像情報管理システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子カメラ（デジタルスチルカメラ）で撮像された画像を電子メールで送信する場合、電子カメラで撮像された画像が記録されているカードメモリなどの記録媒体から、画像情報をコンピュータ内のメモリにダウンロードし、次いでファイルマネージャにより所定の画像をメール用データとして選択した後に送信していた。 また、送信する画像を確認してから送信したい場合、その都度、ファイルマネージャにより所定の画像を選択して画像を表示した後に、更にメール用画像として選択した後に送信していた。 このように、電子カメラで撮影された画像を電子メールで送信する場合は面倒な操作を必要としていた。

【０００３】また、遠隔操作により電子カメラの方向や撮影条件などを制御して被写体を撮影し、該撮影された画像をメールサーバを経由して電子メールで送信したり、上記撮影された画像をカードメモリに記録した後に、上記メモリカードを電子カメラに装着して電子カメラの液晶表示画面で表示したり、上記メモリカードをプロジェクターに装着して表示したい場合がある。 このような場合、画像を確認するのに手間がかかり、相互の画像の送受信を簡単に行うことは難しかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように従来、サーバ又はコンピュータのメモリに記憶されている画像、電子カメラに着脱可能なカードメモリ等の記録媒体に記憶された画像、遠隔操作により撮影された画像を移動又はコピーしたり、それらの画像を電話回線を通じて直接クライアントに送信したり、インターネット経由で電子メールにより送信する場合、多大な手間がかかる問題があった。

【０００５】本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、異なる装置間で画像の移動やコピーを簡単な操作で行うことができ、かつ電話回線を通じて直接クライアントに送信したり、インターネット経由で電子メールにより送信する場合にも、画像を確認しながら簡単な操作でこれらを行い得る画像情報管理システムを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】（構成）上記課題を解決するために本発明は次のような構成を採用している。

【０００７】即ち本発明は、画像情報管理システムにおいて、モニタを備えたコンピュータと、前記コンピュータに接続された電子カメラの記録媒体に記録された画像のディレクトリツリー構造と手動操作に応じて該ディレクトリツリー構造から選択された特定のディレクトリに記憶された画像を表示するカメラ画像ウィンドウ、前記コンピュータと通信回線（ＬＡＮ（Local Area Networ
k），電話回線（携帯電話等の無線を含む））を介して接続されるメールサーバに対し指定された画像の送受信を指示するためのメール送受信ウィンドウを前記モニタに同時表示するためのモニタ制御手段と、所定の手動操作に応じて、前記カメラ画像ウィンドウに表示された画像を、前記メール送受信ウィンドウにコピー又は移動するための制御手段と、前記メール送受信ウィンドウにコピー又は移動された画像を通信回線を通じて送信するための送信手段と、を備えたことを特徴とする。

【０００８】また本発明は、画像情報管理システムにおいて、モニタを備えたサーバと、前記サーバに接続された第１の電子カメラの記録媒体に記録された画像のディレクトリツリー構造と手動操作に応じて該ディレクトリツリー構造から選択された特定のディレクトリに記憶された画像を表示するカメラ画像ウィンドウ、前記サーバに通信回線を介して接続される第２の電子カメラを遠隔操作するための第１のダイアログボックスと該カメラで撮影された画像を表示するための遠隔制御ウィンドウ、
前記サーバに通信回線を介して接続されるクライアントに画像を送信するための第２のダイアログボックスと送信の対象となる画像を表示するための直接送受信ウィンドウを前記モニタに同時表示するためのモニタ制御手段と、所定の手動操作に応じて、前記カメラ画像ウィンドウに表示された画像又は前記遠隔制御ウィンドウに表示された画像を、前記直接送受信ウィンドウにコピー又は移動するための制御手段と、前記直接送受信ウィンドウにコピー又は移動された画像を通信回線を通じて前記クライアントに送信するための送信手段と、を備えたことを特徴とする。

【０００９】また本発明は、画像情報管理システムにおいて、モニタを備えたサーバと、前記サーバに通信回線を介して接続される電子カメラを遠隔操作するためのダイアログボックスと該カメラで撮影された画像を表示するための遠隔制御ウィンドウ、前記コンピュータと通信回線を介して接続されるメールサーバに対し指定された画像の送受信を指示するためのメール送受信ウィンドウを前記モニタに同時表示するためのモニタ制御手段と、
所定の手動操作に応じて、前記遠隔制御ウィンドウに表示された画像を前記メール送受信ウィンドウにコピー又は移動するための制御手段と、前記メール送受信ウィンドウにコピー又は移動された画像を通信回線を通じて前記メールサーバに送信するための送信手段と、を備えたことを特徴とする。

【００１０】また本発明は、モニタを備えたコンピュータと、前記モニタに複数のウィンドウを同時に表示するためのモニタ制御手段とを備えた画像情報管理システムであって、前記モニタ制御手段は、前記コンピュータ本体の内部のメモリに記憶された画像及び該メモリのディレクトリツリー構造を表示するディスク画像ウィンドウと、前記コンピュータと接続された第１の電子カメラの記録媒体に記憶された画像及びディレクトリツリー構造を表示するカメラ画像ウィンドウと、前記コンピュータに通信回線を介して接続されるメールサーバに対し指定された画像の送受信を指示するためのメール送受信ウィンドウと、前記コンピュータに通信回線を介して接続される第２の電子カメラを遠隔操作するためのダイアログボックスと該カメラで撮影された画像を表示するための遠隔制御ウィンドウと、前記コンピュータに通信回線を介して接続されるクライアントに対し指定された画像を送受信するための第２のダイアログボックスと送受信の対象となる画像を表示するための直接送受信ウィンドウと、を同時表示するものであることを特徴とする。

【００１１】また、上記の画像情報管理システムにおいて、所定の手動操作に応じて、前記ディスク画像ウィンドウ，カメラ画像ウィンドウ，メール送受信ウィンドウ，遠隔制御ウィンドウ，及び直接送受信ウィンドウに表示されたそれぞれの画像を他のウィンドウにコピー又は移動するための制御手段を備えたことを特徴とする。

【００１２】（作用）本発明によれば、モニタ上に異なる装置の画像情報等を表す複数のウィンドウが同時表示されるため、これらのウィンドウ間でドラッグ＆ドロップ等の操作を行うことにより、画像を確認しながら異なる装置間で画像の移動やコピーを簡単な操作で行うことができる。 また、電話回線を通じて直接クライアントに送信したり、インターネット経由で電子メールにより送信する場合にも、画像を確認しながら簡単な操作でこれらを行うことが可能となる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。

【００１４】図１は、本発明の一実施形態に係わる画像情報管理システムを示す概略構成図である。

【００１５】１０はパーソナルコンピュータ等のコンピュータ、２０はこのコンピュータ１０に接続されたモニタであり、モニタ２０にはコンピュータ１０の制御の下に、ディスク画像表示、カメラ画像表示、メール送受信、遠隔制御、直接送受信・待受送受信のそれぞれのウィンドウ２１，２２，２３，２４，２５が同時表示されるようになっている。

【００１６】ディスク画像ウィンドウ２１には、コンピュータ１０の記録媒体（ハードディスク，リムーバブルディスク）に記録された画像及び他のファイルのディレクトリツリー構造と手動操作に応じて選択された特定のディレクトリに記憶された画像が表示される。

【００１７】カメラ画像ウィンドウ２２には、コンピュータ１０とシリアルケーブル３１を介してつながっている電子カメラ（第１の電子カメラ）４１の中において、
着脱可能なカードメモリ等の記録媒体に記憶された画像のディレクトリツリー構造と、手動操作に応じて選択された特定のディレクトリに記憶された画像が表示される。

【００１８】メール送受信ウィンドウ２３は、コンピュータ１０との通信回線（ＬＡＮ／ダイアルアップ）３２
を介して、指定された画像をインターネットサービスプロバイダ（メールサーバを兼ねている）４２経由でＥメールとして相手（コンピュータや電子カメラ）４３に送信し、又は相手４３からプロバイダ４２経由で送られてきた画像を受信するためものである。 そしてこのウィンドウ２３には、送受信された画像が送受信操作のダイアログボックスと共に表示される。

【００１９】遠隔制御ウィンドウ２４は、コンピュータ１０との通信回線（電話回線）３３を介して電子カメラ（第２の電子カメラ）４５を遠隔操作し、撮影及び画像のダウンロードを行うものである。 そしてこのウィンドウ２４には、ダウンロードされた画像が遠隔制御のダイアログボックスと共に表示される。

【００２０】直接送受信・待受送受信ウィンドウ２５
は、コンピュータ１０と通信回線（電話回線）３４を介して接続されたクライアント（コンピュータや電子カメラ）４７に対し、指定された画像を特定のクライアントと直接送受信するためものである。 そしてこのウィンドウ２５には、送信の対象画像及び受信の結果画像が直接送受信のダイアログボックスと共に表示される。

【００２１】図２は、モニタ２０の表示画面の例を示す図である。 ディスク画像ウィンドウ２１は画面の左上、
カメラ画像ウィンドウ２２は左下、メール送受信ウィンドウ２３は右下、遠隔制御ウィンドウ２４は右上、直接送受信・待受送受信ウィンドウ２５は中央上に位置している。 また、各々のウィンドウの一つを表示した例を図３〜図７に示す。 図３はディスク画像ウィンドウ２１、
図４はカメラ画像ウィンドウ２２、図５はメール送受信ウィンドウ２３、図６は遠隔制御ウィンドウ２４、図７
は直接送受信・待受送受信ウィンドウ２５である。 何れのウィンドウにおいても、画像はサムネイル表示されている。

【００２２】本実施形態では、マウスのドラッグ＆ドロップ操作により、上記各独立ウィンドウ２１〜２５に表示されていた画像を簡単に他のウィンドウにコピー又は移動することができ、直ぐ該当の操作を始めることができる。 しかも、ユーザーにとっては画像そのものを確認しながらコピー又は移動ができるため、操作性が優れており、誤操作を防止することができる。

【００２３】ここで、画像をコピー又は移動する際の具体的な例の幾つかを説明する。 以下の (1)〜(5) は図８
中に示す(1)〜(5)に示す相互間の操作に相当している。

【００２４】(1) カメラ画像ウィンドウ＜−＞ディスク画像ウィンドウ ディスク画像ウィンドウ２１とカメラ画像ウィンドウ２
２との間で画像のドラッグ＆ドロップ操作を行うのみで、コンピュータ１０に対し電子カメラ４１からシリアルケーブル３１経由で画像のダウンロードができ、更にコンピュータ１０から電子カメラ４１に画像のアップロードができる。

【００２５】(2) カメラ／ディスク画像ウィンドウ＜―
＞メール送受信ウィンドウ 電子カメラ４１の画像及びコンピュータ１０のディスクに記録された画像をメール送受信ウィンドウ２３上でＥ
メールの送信シートにコピーし、プロバイダ４２経由で相手４３に送信することができる。 また、受信した画像を電子カメラ４１にアップロード及びコンピュータ１０
のディスク上の好きなところにコピー／移動し、直ぐに整理ができる。

【００２６】(3) 遠隔制御ウィンドウ＜−＞メール送受信ウィンドウ 遠隔制御で電子カメラ４５により得られた画像を直ぐＥ
メールの送信シートに渡して、プロバイダ４２経由で相手４３に送信することができる。

【００２７】(4) 遠隔制御ウィンドウ＜−＞直接送受信・待受送受信ウィンドウ 遠隔制御で電子カメラ４５により得られた画像を直ぐ直接送受信に渡し、通信回線３４を介して特定のクライアント４７に直接送信することができる。

【００２８】(5) 直接送受信・待受送受信ウィンドウ＜
−＞メール送受信ウィンドウ 特定のクライアント４７から直接送られた画像を直ぐＥ
メールの送信シートに渡して、プロバイダ４２経由で相手４３に送信する。 また、プロバイダ４２経由で相手４
３から送られた画像を直ぐ直接送受信に渡し、電話回線３４を介して特定のクライアント４７に直接送信することができる。

【００２９】上記に示したウィンドウ間の操作以外にも本実施形態では、任意のウィンドウ間で画像を確認しながら、該画像のコピー又は移動を簡易に行うことが可能である。

【００３０】また本実施形態では、メール送受信ウィンドウ２３、遠隔制御ウィンドウ２４及び直接送受信ウィンドウ２５に表示された画像に対して、ディスク画像ウィンドウ２１と同じように以下の処理ができるようにしている。

【００３１】(a) ダブルクリックよって全画像の表示ができる。

【００３２】(b) 表示された全画像に対して、サイズ変更，色数変更，反転，フィルタ，テキスト及び撮影情報スタンプの挿入ができる。

【００３３】(c) 画像のサイズ，撮影及びカメラ情報の表示ができる。

【００３４】(d) コメントの表示及び入力（変更）ができる。

【００３５】(e) サムネイルの詳細表示への切り替えができる。

【００３６】このような機能を備えることにより、操作の利便性や統一性につながり、処理の効率が大幅にアップする。

【００３７】また、全てのウィンドウにおいて、サムネイルの詳細表示は、通常のファイルアイコンの代わりに画像アイコンを使用することにより、各画像の中身を簡単に確認できる。 さらに、ウィンドウに表示される全ての画像サムネイル上に、撮影日時とコメントが同時に表示され、確認，検索，及びソートには非常に便利である。

【００３８】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、モニタ上に異なる装置の画像情報等を表す複数のウィンドウが同時表示されるため、これらのウィンドウ間でドラッグ＆ドロップ等の操作を行うことにより、画像を確認しながら異なる装置間で画像の移動やコピーを簡単な操作で行うことができる。 また、電話回線等を通じて直接クライアントに送信したり、インターネット経由で電子メールにより送信する場合にも、画像を確認しながら簡単な操作でこれらを行うことが可能となる。

【００３９】具体的には、サーバのメモリに記憶されている画像、電子カメラに着脱可能なカードメモリ等の記録媒体に記憶された画像、遠隔操作により撮影された画像を簡単な操作で移動やコピーを行うことができると共に、それらの画像を簡単な操作で通信回線を通じて第三者に送信することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係わる画像情報管理システムを示す概略構成図。

【図２】モニタ上の表示画面の例を示す図。

【図３】ディスク画像ウィンドウを示す図。

【図４】カメラ画像ウィンドウを示す図。

【図５】メール送受信ウィンドウを示す図。

【図６】遠隔制御ウィンドウを示す図。

【図７】直接送受信・待受送受信ウィンドウを示す図。

【図８】実施形態におけるウィンドウ間の画像のコピー又は移動の様子を説明するための図。

【符号の説明】

１０…コンピュータ ２０…モニタ ２１…ディスク画像ウィンドウ ２２…カメラ画像ウィンドウ ２３…メール送受信ウィンドウ ２４…遠隔制御ウィンドウ ２５…直接送受信・待受送受信ウィンドウ ３１…シリアルケーブル ３２，３３，３４…通信回線 ４１…電子カメラ（第１の電子カメラ） ４２…プロバイダ ４３…相手 ４５…電子カメラ（第２の電子カメラ） ４７…クライアント

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. ⁷識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｈ０４Ｎ 5/76 Ｇ０６Ｆ 15/403 ３８０Ｆ 15/413 ３１０Ａ