【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、装置用のユーザインターフェースの分野に係り、とりわけ機能拡張され広くアクセスできるユーザインターフェース機能を与えるためにウェブアクセス機能を装置に組み込むことに関する。

【０００２】

【従来の技術】事務機器、家庭用機器、研究所用機器や、さまざまな他の種類の装置を含め、広範囲のさまざまな装置は一般に、装置特有のユーザインターフェース機能を備える。 そのような装置はガジェットと呼ぶこともできる。 事務機器には例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写機、さまざまな種類の通信装置および電話装置が含まれる。 家庭用装置には、テレビジョン、ビデオプレーヤおよびビデオレコーダ、オーディオプレーヤおよびオーディオレコーダなどの家庭娯楽機器や、セキュリティシステム、自動車、電気器具、サーモスタット、ホットタブが含まれる。 研究所用機器には、オシロスコープ、分光分析計、その他の種類の測定機器や、ネットワーク化機器が含まれる。

【０００３】このような装置のユーザインターフェース機構は一般に、比較的簡単で低コストのユーザ入力機構およびユーザ表示機構を含む。 例えば、ＬＥＤ／ＬＣＤ
素子などの発光素子や、さまざまな種類の簡単な入力ボタンまたは入力スイッチを含めることができる。 通常、
装置の全体的なコストを最小限に抑えるように低コストになるように構築される。 また、通常、小型であり、装置の寸法を比較的小さくできるようにする。 残念なことに、これらユーザインターフェース機構は、装置から与えられるユーザインターフェース機能の範囲および融通性を厳しく制限する。

【０００４】装置のユーザインターフェース機能は、装置内で画面ベースのユーザインターフェース機構を実施することによって強化拡張することができる。 例えば、
表示画面と、特定の種類の装置に適した豊富なグラフィカルユーザインターフェースを生成する適当なソフトウェアと一緒になったレンダリングプロセッサとを含むことができる。 しかし、このような画面表示装置およびレンダリング機構は通常、高価であり、装置の全体的なコストを増加させる。 高いコストは、比較的大規模な市場向けの低コストの装置には適していない。 さらに、表示画面および関連するハードウェアは、大きすぎて多くの装置の寸法制約を満たさないことがある。

【０００５】外部のコンピュータシステムを使用する装置に画面ベースのユーザインターフェースを設けることができる。 例えば、シリアルポート接続部やパラレルポート接続部などの標準接続部と特殊ハードウェアインターフェースのどちらかを通じて装置をコンピュータシステムに接続することができる。 外部コンピュータシステムは通常、装置との通信およびユーザインターフェース用の１組のソフトウェアを実行する。 外部コンピュータシステムは、装置用の画面ベースのユーザインターフェースを実施することができる。 外部コンピュータシステムは、外部ウェブブラウザがコンピュータシステムにアクセスし、さらに装置のユーザインターフェースにアクセスすることができるようにするウェブサーバソフトウェアを実行することもできる。

【０００６】残念なことに、そのような外部コンピュータシステムは、装置用の画面ベースのユーザインターフェースを設けるコストを大幅に増大させる。 また、そのような従来技術のコンピュータシステムベースの解決策では通常、特定の各装置タイプごとに特殊ソフトウェアを開発する必要がある。 さらに、特定の製造業者の特定の装置用のこのような特殊ソフトウェアは通常、それぞれのタイプのコンピュータシステムプラットフォーム向けに開発しなければならない。 それぞれの異なるプラットフォーム用のさまざまな異なるソフトウェアのために、装置をサポートするというタスクは著しく複雑になる。 さらに、さまざまなソフトウェアの開発コストおよびサポートコストは通常、装置用の画面ベースのユーザインターフェースを設ける全体的なコストを増加させる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】よって本発明は、装置用の広くアクセス可能で低コストであり強化拡張されたユーザインターフェース機能を与える解決策与えることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この解決策では、装置ウェブページを与えるウェブサーバを含む装置にウェブアクセス機能が組み込まれる。 この装置は、ウェブブラウザから装置ウェブページにアクセスできるようにする組み込みネットワークインターフェースを含む。 ウェブブラウザのユーザは、装置ウェブページを通じて装置用のユーザインターフェース機能にアクセスする。 ウェブサーバ機能は、通常、装置特有の機能を実行する、既存のプロセッサ、メモリ、入出力回路など、装置内の既存の回路を用いて実施され、それによって装置用の専用ウェブサーバハードウェアに必要な余分のコストおよび空間を回避することができる。

【０００９】装置に組み込まれたウェブサーバ機能によって、インターネットのワールドワイドウェブ（ＷＷ
Ｗ）部分を含むさまざまな通信機構を介した装置ユーザインターフェースアクセスが可能になる。 画面ベースのユーザインターフェース機構を装置に設けるコストは不要になり、外部コンピュータなしで装置ウェブサーバを構成することができる。 本明細書で開示する方法および機構は、それぞれの異なる装置用の高価なハードウェアアプリケーションおよびソフトウェアアプリケーションを開発する必要なしにさまざまな装置の、ユーザに優しい画面ベースのインターフェースを提供する。 本発明の方法および機構は、装置ユーザインターフェースへのアクセスが、使用されるコンピュータシステムプラットフォームと、実行されるウェブブラウザソフトウェアと、
ユーザの位置から独立したものになるように、ウェブ方法を使用する。

【００１０】ユーザインターフェース情報は、ハイパーテキストマークアップ言語（ＨＴＭＬ）を使用してパッケージングされ、ハイパーテキストトランスファプロトコル（ＨＴＴＰ）に従って転送される。 ＨＴＭＬおよびＨＴＴＰプロトコルによって、ウェブブラウザを実行するプラットフォームから独立した既存のウェブブラウザと通信することができる。 本発明の方法では、業界で広く使用されているアプリケーションプログラミングインターフェース（ＡＰＩ）の必要なしに機器の制御および使用を統合することができる。

【００１１】本発明の他の特徴および利点は下記の詳細な説明から明らかになろう。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は、装置特有のユーザインターフェース機能を備える組み込み（embedded）ウェブアクセス機能を含む装置１０を示す。 装置１０は、ネットワークインターフェース１２とウェブサーバ１４をモニタ１６と共に含む。 ネットワークインターフェース１２
によって、通信経路２２を介した通信が可能になる。 モニタ１６は、装置１０のさまざまな装置特有の機能を制御し、装置１０に関する１組の情報を制御／モニタ経路２０を介して監視する。 ウェブサーバ１４は、通信経路２２を介してウェブクライアントにウェブサーバ機能を与える。 ウェブサーバ１４は、ハイパーテキストトランスファプロトコル（ＨＴＴＰ）に従ってウェブサーバ機能を与える。

【００１３】ウェブサーバ１４は、装置１０用の所定のユニバーサルリソースロケータ（ＵＲＬ）を指定するネットワークインターフェース１２を通じてＨＴＴＰコマンドを受信する。 ＨＴＴＰコマンドは、装置状況情報などの情報を装置１０から読み取るためにウェブクライアントによって使用することができる。 ＨＴＴＰコマンドは、装置１０の機能または動作状態を制御する情報などの情報を装置１０へ転送するために使用することもできる。 そのようなＨＴＴＰコマンドには、ＨＴＴＰ ＧＥ
ＴコマンドとＨＴＴＰ ＰＯＳＴコマンドとＨＴＴＰ
ＰＵＴコマンドとが含まれる。

【００１４】装置１０へ送られたＨＴＴＰコマンドに応答して、ウェブサーバ１４は、装置１０用の１組のユーザインターフェース機能を定義するウェブページ１８を生成する。 ウェブページ１８とは、ハイパーテキストマークアップ言語（ＨＴＭＬ）ファイルである。 ネットワークインターフェース１２は、ウェブページ１８を通信経路２２を介して要求側ＨＴＴＰクライアントへ転送する。

【００１５】ウェブサーバ１４は、ウェブページ１８
を、モニタ１６によって維持される装置１０に関する情報の更新済み状態を反映するように動的に生成する。 ウェブページ１８は、装置１０用のさまざまな制御機能を通信経路２２を介してウェブクライアントから開始できるようにするＨＴＴＰプロトコルに従って制御ボタンを定義することもできる。 ウェブページ１８は、ＨＴＴＰ
プロトコルおよびＨＴＭＬプロトコルによってサポートされるテキストや、画像、マルチメディアファイル、フォーム、テーブル、オブジェクトタイプを含むことができる。

【００１６】また、ウェブページ１８は、装置１０内に配置された追加ウェブページを指定する１つまたは複数のＵＲＬを含むことができる。 ウェブページ１８は、他の位置、すなわち装置１０の外部に配置された追加ウェブページを指定する１つまたは複数のＵＲＬを含むこともできる。 装置１０の外部の追加ウェブページは例えば、ローカル通信網またはインターネットＷＷＷ上に配置することができる。

【００１７】装置１０は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写機、通信装置、電話装置などの装置、テレビジョン、ビデオ装置、オーディオ装置などの家庭娯楽装置、冷蔵庫や洗濯機などの電化製品、セキュリティシステム、自動車、ホットタブを含め、さまざまな装置を表す。 装置１０は、オシロスコープ、分光分析計、その他のタイプの測定装置を含め、さまざまな計器を表す。 また、装置１０は、回転媒体記憶装置などの大容量記憶装置を含め、さまざまなコンピュータ周辺装置を表す。

【００１８】通信経路２２は、ＨＴＴＰウェブプロトコルに従ってＨＴＭＬファイルを転送することができる通信手段を表す。 通信経路２２は、ローカルエリアネットワーク、携帯電話リンクを含む電話回線、シリアル通信リンク、パラレル通信リンク、送電線通信リンク、無線通信リンク、赤外線通信リンクを含め、さまざまな通信機構によって実現することができる。 通信経路２２は、
ＷＷＷとの直接インターネット接続でもよい。

【００１９】図２は、装置１０のハードウェアブロック図である。 装置１０は、プロセッサ２００と、メモリ２
１０と、１組の装置特有のハードウェア３００を、通信経路２２を介した通信を可能にする１組の入出力回路２
２０と共に含む。 プロセッサ２００は、装置１０用の装置特有機能を、装置特有のハードウェア３００と組み合わせて実行する。 プロセッサ２００は、装置１０においてウェブサーバ機能を実行するためにも使用される。 一実施形態では、プロセッサ２００は、通常の装置特有機能に関連付けられた情報を記憶するためにも使用できるメモリ２１０にウェブページ１８を記憶する。

【００２０】一実施形態では、装置１０はプリンタ装置であり、プロセッサ２００およびメモリ２１０は画像レンダリング機能を実行し、装置特有のハードウェア３０
０はプリンタハードウェアと関連する回路とを含み、入出力回路２２０はプリンタ装置へのネットワークアクセスを行う。 ウェブサーバ機能は、プロセッサ２００用のソフトウェアまたはファームウェアを設け、メモリ２１
０内の利用可能な空間を使用し、イーサネット回路など既存の入出力回路２２０を使用してＨＴＭＬファイルを転送することによって、プリンタ装置に組み込まれる。

【００２１】他の実施形態では、装置１０はビデオプレーヤ／レコーダであり、プロセッサ２００およびメモリ２１０は、磁気テープや光学記憶媒体などの記憶媒体からビデオ情報およびオーディオ情報を読み取り、そのような媒体にビデオ情報およびオーディオ情報を書き込む機能を実行する。 装置特有のハードウェア３００は、モータや磁気ヘッドなどの媒体作動ハードウェアと、情報を読み取り記憶媒体上に与える関連回路とを含む。 ウェブサーバ機能は、プロセッサ２００用のソフトウェアまたはファームウェアを設け、メモリ２１０内の利用可能な空間を使用し、ビデオ装置に入出力回路２２０を付加することによって、ビデオ装置に組み込まれる。

【００２２】他の実施形態では、装置１０は洗濯機であり、プロセッサ２００およびメモリ２１０は、洗濯サイクルを制御する機能を実行する。 装置特有のハードウェア３００は、モータ、弁、センサ、関連回路などのハードウェアを含む。 ウェブサーバ機能は、プロセッサ２０
０用のソフトウェアまたはファームウェアを設け、メモリ２１０内の利用可能な空間を使用し、ビデオ装置に入出力回路２２０を付加することによって、ビデオ装置に組み込まれる。

【００２３】装置１０用のウェブサーバ機能には、ＨＴ
ＴＰプロトコルを実施しＨＴＭＬフォーマット済みファイルを生成するプロセッサ２００によって実行されるソフトウェアが含まれる。 一実施形態でのウェブページ１
８は、メモリ２１０に記憶され、あるいはただちに生成することができる。 プロセッサ２００は、入出力回路２
２０を駆動しネットワークインターフェース１２の機能を与える通信ソフトウェアも実行する。 プロセッサ２０
０は、モニタ１６の制御・情報監視機能および制御・情報ロギング（logging）機能を実行するソフトウェアも実行する。

【００２４】他の実施形態では、装置１０のウェブサーバ機能は、プロセッサと、ＨＴＴＰプロトコルを実施するソフトウェアを保持するメモリとを含む単一の集積回路チップ上で実施される。 このような実施形態では、ネットワークインターフェース１２のハードウェア部分は、プロセッサと同じ集積回路チップ上で実施することも、そのチップの外部に存在することもできる。

【００２５】他の実施形態では、装置１０のウェブサーバ機能は状態マシンを用いて実施される。

【００２６】他の実施形態では、装置１０は、自動車に含まれるコントローラモジュールまたは制御コンピュータである。 セルラ送信機／受信機回路などの入出力回路２２０によって、ウェブブラウザは、ウェブページ１８
に含まれる自動車に関する制御情報および状況情報にアクセスすることができる。

【００２７】他の実施形態では、装置１０は、ディスクドライブやＣＤ−ＲＯＭドライブなどの大容量記憶装置である。 ローカルエリアネットワークインターフェース回路などの入出力回路２２０によって、ウェブブラウザは、ウェブページ１８に含まれる大容量記憶装置に関する制御情報および状況情報にアクセスすることができる。

【００２８】他の実施形態では、装置１０は、オーディオシステムなどの家庭娯楽装置である。 赤外線通信回路や送電線通信回路などの入出力回路２２０によって、家庭のコンピュータなどのウェブブラウザは、ウェブページ１８に含まれるオーディオ装置に関する制御情報および状況情報にアクセスすることができる。

【００２９】メモリ２１０は、読取り専用メモリや、フラッシュメモリや、ディスクドライブなどの静的メモリでも、あるいはランダムアクセスメモリなどの揮発性メモリでもよい。 ウェブページは、静的メモリまたはランダムアクセスメモリにＨＴＭＬ形式で記憶することも、
あるいは装置１０に記憶せずにただちに生成することもできる。

【００３０】図３は、ウェブブラウザ４０が装置１０のユーザインターフェース機能にアクセスできるようにする家庭ベースのネットワーク３０を示す。 家庭ベースのネットワーク３０は、送電線通信リンク、ツイストペア線通信リンク、無線周波数通信リンク、赤外線通信リンクを含め、家庭に適したさまざまな通信機構を用いて実施することができる。

【００３１】ウェブブラウザ４０は、テキスト、画像、
マルチメディアオブジェクト、グラフィカルユーザインターフェースオブジェクトを含むビジュアルオブジェクトを生成するディスプレイ４２を含む。 ウェブブラウザ４０は、ユーザが、ディスプレイ４２上に示されたオブジェクトおよびＵＲＬリンクを選択できるようにする選択装置４４を含む。 ウェブブラウザ４０は、オーディオ情報をユーザに示すことができるようにするオーディオ機能を含むこともできる。

【００３２】家庭ベースのネットワーク３０は、１組の装置５０〜５２間の通信を可能にすることもできる。 装置５０〜５２には、電気器具、ホームセキュリティシステム、家庭娯楽装置、空気調和システム、ホットタブなどの装置を含むことができる。 本明細書で開示した装置ウェブページ機構を実施する装置５０〜５２は、装置特有のユーザインターフェースウェブページを家庭ベースのネットワーク３０を介してウェブブラウザ４０に与えることができる。

【００３３】ウェブブラウザ４０は、１組のウェブブラウザソフトウェアを実行するコンピュータシステムで具体化することができる。 ウェブブラウザ機能を有するそのようなコンピュータシステムは、Ｗｉｎｄｏｗｓプラットフォーム、Ｍａｃｉｎｔｏｓｈプラットフォーム、
Ｕｎｉｘプラットフォームや、ＨＴＴＰクライアント機能を備えＨＴＭＬファイルをレンダリングするウェブブラウザソフトウェアを実行することができるその他のプラットフォームを含め、さまざまな利用可能なコンピュータシステムプラットフォームのうちの１つによって実現することができる。

【００３４】ウェブブラウザ４０は、ＨＴＴＰクライアント機能を備えＨＴＭＬファイルをレンダリングするさまざまな他の装置において具体化することもできる。 そのような装置には、テレビジョンシステムまたは電話システム向けに設計された特殊ハードウェアと、低コストのウェブブラウザ装置やネットワークコンピュータが含まれる。

【００３５】ユーザは、ウェブブラウザ４０を使用して装置１０のユーザインターフェース機能にアクセスしそれを制御する。 ユーザは、装置１０に対応するＵＲＬをウェブブラウザ４０に入力する。 これに対して、ウェブブラウザ４０は、入力されたＵＲＬを含むＨＴＴＰコマンドを家庭ベースのネットワーク３０を介して転送する。 装置１０は、ＨＴＴＰコマンドを通信経路２２を介して受信し、それに含まれているＵＲＬを認識する。

【００３６】一実施形態では、ウェブページ１８に関する情報は、プロセッサ２００によって定期的に更新され、メモリ２１０にＨＴＭＬ形式で記憶される。 そのような実施形態では、プロセッサ２００は、ＨＴＴＰコマンドに応答してメモリ２１０からウェブページ１８を読み取り、そのウェブページ１８を家庭ベースのネットワーク３０を介してウェブブラウザ４０へ転送する。

【００３７】代替実施形態では、プロセッサ２００は、
ウェブブラウザ４０からのＨＴＴＰコマンドに応答してただちにウェブページ１８を生成する。 そのような実施形態では、プロセッサ２００は、ＨＴＴＰコマンドを受信しそれに含まれているＵＲＬを認識した後に、装置特有のハードウェア３００から装置に関する情報を得る。
プロセッサ２００は、この情報を、ウェブページ１８を定義するＨＴＭＬ形式でフォーマットし、このＨＴＭＬ
フォーマット済み情報を家庭ベースのネットワーク３０
を介してウェブブラウザ４０へ転送する。

【００３８】ＨＴＭＬファイルは、ウェブブラウザ４０
に対応するＵＲＬを指定するＨＴＴＰプロトコルに従って転送される。 ウェブブラウザ４０は、ＨＴＭＬファイルを受信しウェブページ１８をディスプレイ４２上に表示する。

【００３９】下記に、装置１０がプリンタ装置である実施形態においてウェブページ１８を定義するＨＴＭＬファイルの例を示す。

【００４０】

【表１】

【００４１】図４は、装置１０がプリンタである、上記に示したＨＴＭＬファイルの例に関するウェブページ１
８を示す。 ウェブページ１８は、上記で説明したＨＴＭ
Ｌコードの例に応答してウェブブラウザ４０によってディスプレイ４２上に表示される。 ウェブページ１８は、
ページタイトル７０と、ヘッダ部６０と、１組のＡＳＣ
ＩＩテキスト６２と、テーブル部６４と、１組のハイパーリンク６６〜６８とを含む。

【００４２】ページタイトル７０は、上記に示したHTML
<TITLE>プリンタホームページ(Printer Home Page)</TI
TLE>コードによって定義される。 ヘッダ部６０は、上記に示したＨＴＭＬファイルの<H1>装置１０のホームページ(Home Page for device 10)</H1>によって定義される。 ＡＳＣＩＩテキスト６２は、上記に示したＨＴＭＬ
ファイルに含まれるＡＳＣＩＩテキストである。 テーブル部６４は、上記に示したＨＴＭＬファイル内にコードを用いて定義され、プリンタ名と管理者とプリンタの位置とを含む、プリンタに関する情報を与える。

【００４３】上記に示したＨＴＭＬファイルに定義されるハイパーリンク６６〜６８は、さまざまなプリンタサポート機能に関する他のウェブページにウェブブラウザ４０を方向付ける。 例えば、ハイパーリンク６６「サービス契約(Service Contract)」は、プリンタ補修契約に関する情報のＵＲＬ「http://www.hpsc.com」にウェブブラウザ４０を方向付ける。 同様に、ハイパーリンク６
７、６８は、プリンタ消耗品を注文し、プリンタ装置の製造業者から将来のプリンタ製品に関する情報を得るためのウェブページへのリンクを与える。

【００４４】プリンタに関するウェブページ１８は、マニュアルや、部品リストや、その他の関連文献を含むこともできる。 このような文献は、装置１０、例えば非揮発性メモリ内に記憶することも、あるいはウェブページ１８に含まれるハイパーリンクを介して他の場所で参照することもできる。 このような文献は、更新済みマニュアルなどの動的情報と、装置１０用の新しい更新済みソフトウェアドライバルーチンを含む。

【００４５】図５は、装置１０、５０〜５２の装置ウェブページにアクセスできるようにする大組織網８０を示す。 大組織網８０は、イントラネットと呼ぶことができ、さまざまなタイプの通信リンクによって接続されたローカルエリアネットワークを含めさまざまな通信機構を用いて実施することができる。

【００４６】大組織網８０に結合された１つまたは複数の１組のコンピュータシステム９０〜９２は、装置１
０、５０〜５２の装置ウェブページにアクセスすることができる。 コンピュータシステム９０〜９２が１つまたは複数のさまざまな利用可能なウェブブラウザソフトウェアを実行することも、あるいはコンピュータシステム９０〜９２にウェブブラウザ機能を組み込むこともできる。

【００４７】１つのコンピュータシステム９０〜９２のユーザは、装置１０、５０〜５２のうちの所望の装置に対応するＵＲＬを、対応するウェブブラウザアプリケーションに入力する。 これに応答して、ＨＴＴＰクライアントとしての特定のウェブブラウザアプリケーションは、所望のＵＲＬを指定するＨＴＴＰコマンドを大組織網８０を介して転送する。 ＨＴＴＰコマンドによって指定された装置は、このコマンドに含まれるＵＲＬを認識する。 これに応答して、対象である装置は、その装置ウェブページを定義するＨＴＭＬファイルを大組織網８０
を介して転送する。 ＨＴＭＬファイルを転送することによって、コンピュータシステム９０〜９２のうちの発信側ＨＴＴＰクライアントコンピュータシステムのＵＲＬ
が指定される。 発信側ＨＴＴＰクライアントコンピュータシステムは、そのＵＲＬを認識し、装置ウェブページを受信し、次いでユーザに示す。

【００４８】図６は、ワールドワイドウェブ（ＷＷＷ）
１００との直接インターネット接続を通じた装置ウェブページへのアクセスを示す。 装置１０のウェブページ１
８は、ウェブブラウザ４０を含め、ＷＷＷ１００上の任意のウェブクライアントからアクセスすることができる。

【００４９】また、通信システム１０２はＷＷＷ１００
とローカルエリアネットワーク１２０との間の通信ブリッジとして働き、通信システム１０４はＷＷＷ１００と家庭ベースネットワーク１３０との間の通信ブリッジとして働く。 したがって、ローカルエリアネットワーク１
２０または家庭ベースネットワーク１３０に結合された他のＨＴＴＰクライアントは、装置１０８内の装置ウェブページにアクセスすることも、あるいは装置１０６内の装置ウェブページにアクセスすることも、あるいは装置１０内の装置ウェブページにアクセスすることもできる。 また、ＷＷＷ１００上のウェブブラウザ４０または任意のＨＴＴＰクライアントは、装置１０６、１０８の装置ウェブページにアクセスすることができる。

【００５０】本明細書で説明した組み込みウェブサーバ機能によって、特定の装置ならびに数組の装置用の広くアクセス可能なさまざまな装置問い合わせ機能および制御機能が可能になる。 例えば、Laundromatsチェーンの各洗濯機にウェブページを組み込み、事務所のコンピュータのオペレータが、補修を必要とする洗濯機を判定し、それに応じてLaundromatsへの毎日の補修ルーティングを計画することができる。

【００５１】本発明の前述の詳細な説明は、例示のために与えたものであり、網羅的なものでも、あるいは開示した厳密な実施形態に本発明を制限するためにものでもない。 したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。

【００５２】以下に本発明の実施の形態を要約する。 １． 装置に組み込まれたウェブアクセス機構であって、前記装置用の１組のユーザインターフェース機能を備える装置ウェブページを生成するウェブサーバと、ウェブブラウザのユーザが前記装置ウェブページを通じて前記装置用の前記ユーザインターフェース機能にアクセスできるような前記ウェブブラウザによって前記装置ウェブページへのアクセスを可能にするネットワークインターフェースとを具備したウェブアクセス機構。

【００５３】２． 前記ウェブサーバが前記ネットワークインターフェースを介してＨＴＴＰコマンドを受信し、次いで前記ＨＴＴＰコマンドに応答して前記装置ウェブページを定義するＨＴＭＬファイルを生成する上記１に記載のウェブアクセス機構。

【００５４】３． 前記ＨＴＴＰコマンドが前記装置に対応するＵＲＬを指定する上記２に記載のウェブアクセス機構。

【００５５】４． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置に関する１組の情報を含む上記３に記載のウェブアクセス機構。

【００５６】５． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置用の１組の所定の機能を制御する１組のＵＲＬを含み、各ＵＲＬが前記装置の内部に配置されたウェブページを指し示すことも、あるいは前記装置の外部に配置されたウェブページを指し示すこともできる上記３に記載のウェブアクセス機構。

【００５７】６． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置に関する追加情報を指定する外部ウェブページへのハイパーリンクを含む上記３に記載のウェブアクセス機構。

【００５８】７． 装置用の１組のユーザインターフェース機能を備え前記装置に関する１組の情報を含む装置ウェブページを生成するプロセッサと、前記装置ウェブページを記憶するメモリと、ウェブブラウザが通信経路を介して前記装置ウェブページにアクセスできるように前記通信経路を介した通信を可能にする入出力回路とを備える装置。

【００５９】８． 前記プロセッサが前記入出力回路を介してＨＴＴＰコマンドを受信し、次いで前記ＨＴＴＰ
コマンドに応答して前記装置ウェブページを定義するＨ
ＴＭＬファイルを生成する上記７に記載の装置。

【００６０】９． 前記ＨＴＴＰコマンドが前記装置に対応するＵＲＬを指定する上記８に記載の装置。

【００６１】１０． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置用の１組の所定の機能を制御する１組のＵＲＬを含み、
各ＵＲＬが前記装置の内部に配置されたウェブページを指し示すことも、あるいは前記装置の外部に配置されたウェブページを指し示すこともできる上記８に記載の装置。

【００６２】１１． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置用の１組の所定の機能を制御する１組のグラフィカル機構を定義する上記８に記載の装置。

【００６３】１２． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置に関する追加情報を指定する外部ウェブページへのハイパーリンクを含む上記８に記載の装置。

【００６４】１３． 装置用のユーザインターフェース方法であって、前記装置用の１組のユーザインターフェース機能を備える装置ウェブページを前記装置内で生成し、前記装置の外部のウェブブラウザのユーザが前記装置ウェブページを通じて前記装置用の前記ユーザインターフェース機能にアクセスするように、前記ウェブブラウザから前記装置ウェブページにアクセスするユーザインターフェース方法。

【００６５】１４． 装置ウェブページを生成するステップが、前記ウェブブラウザから受信されたＨＴＴＰコマンドに応答して、前記装置ウェブページを定義するＨ
ＴＭＬファイルを生成するステップを含む上記１３に記載の方法。

【００６６】１５． 前記ＨＴＴＰコマンドが前記装置に対応するＵＲＬを指定する上記１４に記載の方法。

【００６７】１６． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置に関する１組の情報を含む上記１４に記載の方法。

【００６８】１７． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置用の１組の所定の機能を制御する１組のＵＲＬを含み、
各ＵＲＬが前記装置の内部に配置されたウェブページを指し示すことも、あるいは前記装置の外部に配置されたウェブページを指し示すこともできる上記１４に記載の方法。

【００６９】１８． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置に関する追加情報を指定する外部ウェブページへのハイパーリンクを含む上記１４に記載の方法。

【００７０】１９． 装置に組み込まれたユーザインターフェース装置であって、前記装置用の１組のユーザインターフェース機能を備える装置ウェブページを装置内で生成する手段と、前記装置の外部のウェブブラウザのユーザが前記装置ウェブページを通じて前記装置用の前記ユーザインターフェース機能にアクセスするように、
前記ウェブブラウザから前記装置ウェブページにアクセスできるようにする手段とを備えるユーザインターフェース装置。

【００７１】２０． 前記装置ウェブページを生成する手段が前記ウェブブラウザによって生成されたＨＴＴＰ
コマンドに応答して前記装置ウェブページを定義するＨ
ＴＭＬファイルを生成する手段を含む上記１９に記載の装置。

【００７２】２１． 前記ＨＴＴＰコマンドが前記装置に対応するＵＲＬを指定する上記２０に記載の装置。

【００７３】２２． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置に関する１組の情報を含む上記２０に記載の装置。

【００７４】２３． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置用の１組の所定の機能を制御する１組のＵＲＬを含み、
各ＵＲＬが前記装置の内部に配置されたウェブページを指し示すことも、あるいは前記装置の外部に配置されたウェブページを指し示すこともできる上記２０に記載の装置。

【００７５】２４． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置に関する追加情報を指定する外部ウェブページへのハイパーリンクを含む上記２０に記載の装置。

【００７６】２５． 前記装置用の１組のユーザインターフェース機能を備え前記装置に関する１組の情報を含む装置ウェブページを生成する組み込みウェブサーバを有し、通信網を介して前記装置ウェブページにアクセスできるようにするネットワークインターフェースも有する装置と、前記ウェブブラウザのユーザが前記装置ウェブページを通じて前記装置用の前記ユーザインターフェース機能にアクセスする前記通信網に結合されたウェブブラウザとを備えるシステム。

【００７７】２６． 前記装置内の前記ウェブサーバが前記通信網および前記ネットワークインターフェースを介してＨＴＴＰコマンドを受信し、次いで前記ＨＴＴＰ
コマンドに応答して前記装置ウェブページを定義するＨ
ＴＭＬファイルを生成する上記２５に記載のシステム。

【００７８】２７． 前記ＨＴＴＰコマンドが前記装置に対応するＵＲＬを指定する上記２７に記載のシステム。

【００７９】２８． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置用の１組の所定の機能を制御する１組のＵＲＬを含み、
前記装置の前記所定の機能を制御するために前記ウェブブラウザの前記ユーザがＵＲＬを選択し、各ＵＲＬが前記装置の内部に配置されたウェブページを指し示すことも、あるいは前記装置の外部に配置されたウェブページを指し示すこともできる上記２６に記載のシステム。

【００８０】２９． 前記ＨＴＭＬファイルが前記装置に関する追加情報を指定する前記通信網上の他の任意の場所に配置された外部ウェブページへのハイパーリンクを含む上記２６に記載のシステム。

【００８１】３０． 前記通信網が家庭ベースの通信網を備える上記２５に記載のシステム。

【００８２】３１． 前記通信網が大組織通信網を備える上記２５に記載のシステム。

【００８３】３２． 前記通信網がインターネットのワールドワイドウェブを備える上記２５に記載のシステム。

【００８４】

【発明の効果】本発明では、装置ウェブページを与えるウェブサーバを含む装置にウェブアクセス機能が組み込まれる。 ウェブサーバ機能は、通常、装置特有の機能を実行する、既存のプロセッサ、メモリ、入出力回路など、装置内の既存の回路を用いて実施され、それによって装置用の専用ウェブサーバハードウェアに必要な余分のコストおよび空間を回避することができる。 また、装置に組み込まれたウェブサーバ機能によって、インターネットのワールドワイドウェブ（ＷＷＷ）部分を含むさまざまな通信機構を介した装置ユーザインターフェースアクセスが可能になる。 よって、画面ベースのユーザインターフェース機構を装置に設けるコストは不要になり、外部コンピュータなしで装置ウェブサーバを構成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】装置ウェブページを通じて装置特有のユーザインターフェース機能を与える組み込みウェブアクセス機能を含む装置を示す図である。

【図２】装置ウェブページを通じて装置特有のユーザインターフェース機能を与える組み込みウェブアクセス機能を含む装置を示す図である。

【図３】ウェブブラウザが装置ウェブページを通じてユーザインターネット機能にアクセスできるようにする家庭用ネットワークを示す図である。

【図４】プリンタ装置用の装置ウェブページの例を示す図である。

【図５】それぞれの異なる装置の装置ウェブページにアクセスできるようにする大型組織網またはイントラネットを示す図である。

【図６】インターネットワールドワイドウェブを通じた装置ウェブページへのアクセスを示す図である。

【符号の説明】

１０ 装置 １２ ネットワークインターフェース １４ ウェブサーバ １６ モニタ １８ ウェブページ ２０ 制御／モニタ経路 ２２ 通信経路 ３０、１３０ 家庭ベースのネットワーク ４０ ウェブブラウザ ４２ ディスプレイ ４４ 選択装置 ５０〜５２、１０６、１０８ 装置 ６０ ヘッダ部 ６２ ＡＳＣＩＩテキスト ６４ テーブル部 ６６〜６８ ハイパーリンク ７０ ページタイトル ８０ 大組織網 ９０〜９２ コンピュータシステム １００ ワールドワイドウェブ（ＷＷＷ） １０２、１０４ 通信システム １２０ ローカルエリアネットワーク ２００ プロセッサ ２１０ メモリ ２２０ 入出力回路 ３００ 装置特有のハードウェア