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Production of ferromagnetic tunnel junction element

阅读:441发布:2021-10-11

专利汇可以提供Production of ferromagnetic tunnel junction element专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a process for producing a ferromagnetic tunnel junction element capable of adequately maintaining a good insulation state between first and second ferromagnetic layers by a tunnel barrier layer. SOLUTION: The process for producing the ferromagnetic tunnel junction element formed by holding the tunnel barrier layer 35 between the first ferromagnetic layer 33 and the second ferromagnetic layer 6 has a stage for simultaneously polishing the end faces of the first ferromagnetic layer 33, the tunnel barrier layer 35 and the second ferromagnetic layer 36. This polishing stage successively includes a first polishing treatment to mechanically polish the end faces described above and a second polishing treatment to dry etch the end faces.,下面是Production of ferromagnetic tunnel junction element专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 第1の強磁性層と第2の強磁性層との間にトンネルバリア層を挟んで成る強磁性トンネル接合素子の製造方法において、 前記第1の強磁性層、前記トンネルバリア層及び前記第2の強磁性層の端面を一括して研磨する工程が、前記端面を機械的に研磨する第1の研磨処理と、前記端面をドライエッチングする第2の研磨処理とを順次に含むことを特徴とする強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  • 【請求項2】 前記研磨工程が、前記強磁性トンネル接合素子の幅方向と直交する素子高さを規定する工程である、請求項1に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  • 【請求項3】 前記第2の研磨処理が、プラズマエッチング、励起ガスエッチング、反応性イオンエッチング、
    スパッタエッチング、反応性イオンビ−ムエッチング、
    イオンビ−ムエッチング、又は、イオンミリングである、請求項1又は2に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  • 【請求項4】 前記第1及び第2の強磁性層の少なくとも一方が、Fe、Co、Ni又はこれらを含む合金から成る、請求項1乃至3の内の何れか1項に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  • 【請求項5】 前記トンネルバリア層が、ランタノイドに属する金属、Al又はMgの酸化膜から成ることを特徴とする請求項1乃至4の内の何れか1項に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、強磁性トンネル接合素子の製造方法に関し、特に、高密度磁気ディスク装置における磁気ヘッドの読出しセンサに用いられる強磁性トンネル接合素子の製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来の強磁性トンネル接合素子には、厚みが数nm程度の絶縁体から成るトンネルバリア層を一対の強磁性層で挟み込んだ構造のものがある。 このような強磁性トンネル接合素子では、強磁性層双方の間に一定電流を流した状態で強磁性層面内に外部磁界を印加したとき、両磁性層の磁化の相対度に対応して抵抗値が変化する磁気抵抗効果が現れる。 この磁化の方向が相互に平行する場合に抵抗値は最小になり、平行でない場合に抵抗値は最大になる。 従って、両磁性層に保磁差を付与することにより、磁界の強さに対応して磁化の平行及び非平行状態が実現できるので、抵抗値の変化を検出することによって磁界を検出できる。

    【0003】近年、トンネルバリア層にAlの表面酸化膜を用いることによって20%近い磁気抵抗変化率を示す強磁性トンネル接合素子が得られたことにより、磁気ヘッドや磁気メモリへの応用の可能性が高まっている。
    このように大きな磁気抵抗変化率に関する技術は、例えば、「1996年4月、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス、79巻、4724〜4729頁(Journal of Applied
    Physics, vol.79, 4724〜4729, 1996)」に記載されている。

    【0004】上記磁気抵抗変化率に関する技術では、例えば、CoFeから成る第1の強磁性層をガラス基板上に蒸着マスクを用いて真空蒸着し、引き続きマスクを交換して、厚みが約1.2〜2.0nmのAl層を蒸着する。 次いで、Al層の表面を酸素グロー放電に曝すことにより、Al 23から成るトンネルバリア層を形成する。 更に、トンネルバリア層を介して第1の強磁性層に重なるように、Coから成る第2の強磁性層を成膜して十字電極型の強磁性トンネル接合素子を完成させる。 この方法によると、最大18%の大きな磁気抵抗変化率を得ることができる。

    【0005】他の文献として、特開平5-63254号公報、
    特開平6-244477号公報、特開平8-70148号公報、特開平8
    -70149号公報及び特開平8-316548号公報、「1997年、日本応用磁気学会誌、21巻、493〜496頁」等が存在する。
    これらの公報や磁気学会誌には、成膜後のAl層を大気中に曝してAl 23を成長させる方法がトンネルバリア層の形成方法として記載されている。

    【0006】ところで、高密度磁気ディスク装置の磁気ヘッドに強磁性トンネル接合素子を適用する場合に、熱雑音の影響を低減するには、実用素子寸法下で抵抗値をある程度低くする必要がある。 この実現のため、強磁性トンネル接合素子の端面を研磨し、この接合素子の幅方向と直交する素子高さを高精度で規定して抵抗値を低くする研磨技術がある。 強磁性トンネル接合素子の端面は、この接合素子を磁気ヘッドに適用する場合には、磁気ディスクの記録面に対向して磁界を直接的に検知する対向面になる。

    【0007】従来の研磨工程では、粒径が数μm以下のダイヤモンド等の硬質粒子を懸濁した又は油を滴下した研磨盤に加工面を押し付け、硬質粒子の研削作用と塑性流動作用とによって加工面を機械的に研削し、平滑化する。 研削作用では、加工面から材料を切り屑として除去することによって素子高さを規定し、塑性流動作用では、研磨方向に加工面の材料を塑性変形且つ流動させることにより表面の平滑化を促す。

    【0008】

    【発明が解決しようとする課題】強磁性トンネル接合素子では、厚みが数nm程度のトンネルバリア層によって第1及び第2の強磁性層が相互に絶縁されることが必要である。 しかし、強磁性トンネル接合素子を機械的に研磨する際に、第1の強磁性層と第2の強磁性層とが塑性流動作用により局所的に短絡することがある。 つまり、
    トンネルバリア層が数nm以下と極めて薄いため、機械研磨工程により第1の磁性層が塑性変形を受けて研磨方向に流動すると、電子がトンネルバリア層を越えて第2
    の強磁性層に達することがある。 第1及び第2の強磁性層が相互に直接接触する短絡状態が発生すると、トンネルバリア層を介したトンネル効果が十分に得られず、良好な素子特性が損なわれる。

    【0009】本発明は、上記に鑑み、強磁性トンネル接合素子の素子高さを高精度で規定できる製造方法でありながらも、トンネルバリア層による第1及び第2の強磁性層間の良好な絶縁状態を適正に保持できる強磁性トンネル接合素子の製造方法を提供することを目的とする。

    【0010】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の強磁性トンネル接合素子の製造方法は、第1の強磁性層と第2の強磁性層との間にトンネルバリア層を挟んで成る強磁性トンネル接合素子の製造方法において、前記第1の強磁性層、前記トンネルバリア層及び前記第2の強磁性層の端面を一括して研磨する工程が、
    前記端面を機械的に研磨する第1の研磨処理と、前記端面をドライエッチングする第2の研磨処理とを順次に含むことを特徴とする。

    【0011】本発明の強磁性トンネル接合素子の製造方法では、第1の研磨処理で機械的に研磨した端面を第2
    の研磨処理でドライエッチングするので、機械的研磨の際に、第1及び第2の強磁性層間に局所的な短絡箇所が生じたとしても、短絡箇所を効果的に除去することができる。 従って、強磁性トンネル接合素子を磁気ヘッドに用いる際の再生特性を向上させることができる。

    【0012】ここで、研磨工程が、強磁性トンネル接合素子の幅方向と直交する素子高さを規定する工程であることが好ましい。 これによると、強磁性トンネル接合素子を磁気ヘッドに適用する場合に、強磁性トンネル接合素子の端面を高精度に研磨して抵抗値を低く設定することができる。

    【0013】更に好ましくは、第2の研磨処理が、プラズマエッチング、励起ガスエッチング、反応性イオンエッチング、スパッタエッチング、反応性イオンビ−ムエッチング、イオンビ−ムエッチング、又は、イオンミリングである。 この場合、第2の研磨処理における実際の処理を状況に応じて選択することができる。

    【0014】好適には、第1及び第2の強磁性層の少なくとも一方が、Fe、Co、Ni又はこれらを含む合金から成る。 この場合、第1の強磁性層及び第2の強磁性層の材料を適宜選択して、所望の性質の強磁性トンネル接合素子を得ることが可能になる。

    【0015】また、トンネルバリア層が、ランタノイドに属する金属、Al又はMgの酸化膜から成ることが好ましい。 この場合、トンネルバリア層の材料を適宜選択して、所望の性質の強磁性トンネル接合素子を得ることが可能になる。

    【0016】

    【発明の実施の形態】図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。 図1は、本発明の一実施形態例に係る強磁性トンネル接合素子の製造時の様子を模式的に示す断面図である。 まず、真空状態のチャンバ内で所定の基板上に第1の強磁性層11と導電層12とを連続的に成膜し(図1(a))、チャンバ内に純酸素を導入し、導電層1
    2の表面を自然酸化することによってトンネルバリア層13を形成する(図1(b))。 次いで、トンネルバリア層13上に第2の強磁性層14を形成する(図1
    (c))。

    【0017】ここで、本発明の製造方法を検証するため、図1で説明した強磁性トンネル接合素子を使用し、
    磁気ヘッドに加工する前の試料1〜6に関して説明する。 図2は、試料を製造する際の様子を模式的に示す断面図である。 以下の成膜時には、直径4インチのターゲット4基を備えた高周波マグネトロンスパッタ装置を用いる。 スパッタ条件は、バックグランド圧力を1×10
    -7 Torr以下、Ar圧力を10mTorr、及び高周波電力を200Wにする。

    【0018】まず、試料1の製造工程について説明する。 図2(a)に示すように、表面を熱酸化したSi基板31上に、厚みが50nmのAl膜から成る第1の配線層32と、厚みが10nmのFe膜から成る第1の強磁性層33と、厚みが2nmのAl膜から成る導電層34
    とを順次にスパッタ蒸着する。 次いで、スパッタ装置内に純酸素を導入し、酸素圧力を20mTorr〜200Torr
    の範囲で10分間保持し、Al導電層34表面を酸化してトンネルバリア層35を形成する。 更に、酸素の排気によりバックグランド圧力に達した後に、厚みが20n
    mのCoFe膜から成る第2の強磁性層36をスパッタ蒸着して、接合構成層を完成させる。

    【0019】次に、通常のフォトリソグラフィ技術及びイオンミリング技術を用いて接合構成層における全層を下部配線形状に加工し、Si基板31上の一部を除去する(図2(b))。 更に、図2(c)に示すように、接合寸法を規定するためのレジストパターン37を第2の強磁性層36上に形成すると共に、第1の配線層32上で、
    第2の強磁性層36から第1の強磁性層33までをイオンミリングによって除去する。

    【0020】次いで、レジストパターン37を残した状態で、厚みが300nmのAl 23膜から成る絶縁層3
    8を、Si基板31及び第1の配線層32上に電子ビームによって蒸着した後に、レジストパターン37をリフトオフ法で除去する(図2(d))。 更に、上部配線を設けるためのレジストパターン39を形成した後に、第2
    の強磁性層36と後述の第2の配線層40との間の電気的な接触を得るため露出させた試料表面に対し、逆スパッタクリーニングを行う(図2(e))。 次いで、厚みが200nmのAl膜から成る第2の配線層40を試料表面に蒸着した後に、レジストパターン39をリフトオフ法で除去することにより上部配線層を形成し、強磁性トンネル接合素子の試料1を完成させる(図2(f))。

    【0021】試料2は、試料1におけるAl膜から成る導電層34に代えて、厚みがAl膜と同じ2nmのMg
    膜から成る導電層34を用い、これ以外の材料及び製造工程は試料1の場合と同様である。

    【0022】試料3は、試料1におけるAl膜から成る導電層34に代えて、厚みがAl膜と同じ2nmのLa
    膜から成る導電層34を用い、これ以外の材料及び製造工程は試料1の場合と同様である。

    【0023】試料4は、試料1におけるSi基板31に代えて、Al 23・TiCセラミック基板を用い、これ以外の材料及び製造工程は試料1の場合と同様である。

    【0024】試料5は、試料2におけるSi基板31に代えて、Al 23・TiCセラミック基板を用い、これ以外の材料及び製造工程は試料2の場合と同様である。

    【0025】試料6は、試料3におけるSi基板31に代えて、Al 23・TiCセラミック基板を用い、これ以外の材料及び製造工程は試料3の場合と同様である。

    【0026】ここで、例えば図2(f)の紙面手前〜奥方向における長さ、つまり素子高さを出すための機械的研磨を行うため、ダイシングソ−を用いて試料1〜6の夫々から棒状試料を作製する。 機械研磨工程では、平均粒径が約0.25μm程度の多結晶ダイヤモンド粒子を含む油性研磨液を研磨盤に滴下し、研磨盤の回転速度を3
    0RPMに且つ押付け荷重を5gに夫々設定した状態で、
    研磨盤に各試料を夫々押し付ける。 この場合に、素子抵抗値を連続的に測定しつつ、素子抵抗値が所定値に達した時点で機械的な研磨を終了する。

    【0027】

    【実施例】次に、上記機械研磨工程を終了した試料1〜
    6の研磨面に対してドライエッチングを施した実施例について述べる。

    【0028】 実施例1試料1の研磨面に対してプラズマエッチングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を製造した。 プラズマエッチングでは、プラズマ発生方式として誘導結合方式を用い、ガス圧力が0.3TorrのO 2 +CCl 4混合ガスをエッチングガスとして用いた。 印加高周波電力は20
    0W、基板加熱温度は60℃、エッチング時間は20
    分、エッチング量は約20nmとした。

    【0029】 実施例2試料1の研磨面に対して励起ガスエッチングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を製造した。 励起ガスエッチングでは、プラズマ発生方式としてエッチトンネルマイクロ波励起方式を用い、ガス圧力が0.2TorrのCCl 4 +O 2混合ガスをエッチングガスとして用いた。
    印加高周波電力は250W、基板加熱温度は50℃、エッチング時間は100分、エッチング量は約20nmとした。

    【0030】 実施例3試料1の研磨面に対して反応性イオンエッチングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を製造した。 反応性イオンエッチングでは、電極配置として平行平板型を用い、ガス圧力が100TorrのCF 4 +H 2混合ガスをエッチングガスとして用いた。 印加高周波電力は200
    W、基板加熱温度は50℃、エッチング時間は40分、
    エッチング量は約20nmとした。

    【0031】 実施例4試料1の研磨面に対してスパッタエッチングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を製造した。 スパッタエッチングでは、電極配置として平行平板方式を用い、
    ガス圧力が10TorrのArガスをエッチングガスとして用いた。 印加電力は200W、基板加熱温度は25℃、
    エッチング時間は5分、エッチング量は約30nmとした。

    【0032】 実施例5試料5の研磨面に対して反応性イオンビ−ムエッチングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を製造した。 反応性イオンビ−ムエッチングでは、イオン銃方式を用い、ガス圧力が8×10 -4 TorrのCCl 4ガスをエッチングガスとして用いた。 イオン加速電圧は500
    V、イオン電流密度は0.3mA/cm 2 、基板加熱温度は5
    0℃、エッチング時間は10分、エッチング量は約50
    nmとした。

    【0033】 実施例6試料6の研磨面に対してイオンビ−ムエッチングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を製造した。 反応性イオンビ−ムエッチングでは、イオン銃方式を用い、
    ガス圧力が8×10 -3 TorrのArガスをエッチングガスとして用いた。 イオン加速電圧は600V、イオン電流密度は0.2mA/cm 2 、基板加熱温度は70℃、エッチング時間は30分、エッチング量は約50nmとした。

    【0034】 実施例7〜11試料2〜6の各研磨面に対してプラズマエッチングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を夫々製造した。 プラズマエッチングでは、各処理における諸条件は実施例1の場合と同様である。

    【0035】 実施例12〜16試料2〜6の各研磨面に対して励起ガスエッチングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を夫々製造した。 励起ガスエッチングでは、各処理における諸条件は実施例2の場合と同様である。

    【0036】 実施例17〜21試料2〜6の各研磨面に対して反応性イオンエッチングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を夫々製造した。 反応性イオンエッチングでは、各処理における諸条件は実施例3の場合と同様である。

    【0037】 実施例22〜26試料2〜6の各研磨面に対してスパッタエッチングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を夫々製造した。 スパッタエッチングでは、各処理における諸条件は実施例4の場合と同様である。

    【0038】 実施例27〜31試料2〜6の各研磨面に対して反応性イオンビ−ムエッチングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を夫々製造した。 反応性イオンビ−ムエッチングでは、各処理における諸条件は実施例5の場合と同様である。

    【0039】 実施例32〜36試料2〜6の各研磨面に対してイオンビ−ムエッチングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を夫々製造した。 イオンビ−ムエッチングでは、各処理における諸条件は実施例6の場合と同様である。

    【0040】 実施例37試料1の研磨面に対してイオンミリングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を製造した。 イオンミリングでは、電極配置として平行平板方式を用い、ガス圧力が2×10 -4 TorrのArガスをエッチングガスとして用いた。 印加電圧は200V、イオン電流密度は0.6mA
    /cm 2 、基板加熱温度は50℃、エッチング時間は10
    分、エッチング量は約40nmとした。

    【0041】 実施例38試料1の研磨面に対してイオンミリングを施すことにより、強磁性トンネル接合素子を製造した。 イオンミリングでは、電極配置として平行平板方式を用い、ガス圧力が2×10 -4 TorrのAr+O 2混合ガスをエッチングガスとして用いた。 印加電圧は200V、イオン電流密度は0.6mA/cm 2 、基板加熱温度は50℃、エッチング時間は15分、エッチング量は約30nmとした。

    【0042】以上の実施例1〜38、及び、機械的研磨まで施した試料1〜6の計44種の強磁性トンネル接合素子及び試料を用いて浮上量20nmの浮上型磁気ヘッドを作製し、磁気ディスクに対する再生特性を測定することにより、ドライエッチングがもたらす効果を検証した。 磁気ディスクとしては、ガラス基板、厚み10nm
    のCr下地層、厚み20nmのCoCrTaPt磁性層、厚み10nmのカ−ボン保護膜、及び厚み2nmの潤滑膜が順次に積層され、磁界の強さHcが2400Oeで、磁束密度と厚みの積Brtが100Gμmのものを使用した。 浮上量が20nmの薄膜磁気ヘッドを用いて所定の孤立波を予め磁気ディスクに記録しておき、各実施例及び試料に係る強磁性トンネル接合素子を実装した磁気ヘッドによって上記孤立波を再生した。 このとき、得られたセンス電流密度5×10 3 A/cm 2の再生出力[mV]を表1に示す。

    【0043】

    【表1】

    【0044】

    【表2】

    【0045】表1及び表2から理解できるように、ドライエッチングを施さず機械的研磨のみ施した試料1〜6
    の場合には、再生出力はいずれも0.7[mV]以下と極めて低い値である。 しかし、機械的研磨に加えてドライエッチングを施した実施例1〜38の場合には、最小の値であっても実施例24の1.8[mV]であり、これ以外の実施例では1.8[mV]以上の値であり、全ての実施例で良好な再生出力が得られた。

    【0046】以上のように、本製造方法によると、機械的に研磨した端面をドライエッチングするので、機械的研磨の際に、第1及び第2の強磁性層33、36間に局所的な短絡箇所が生じたとしても、短絡箇所を効果的に除去することができる。 従って、強磁性トンネル接合素子の素子高さを高精度で規定できる製造方法でありながらも、トンネルバリア層35による第1及び第2の強磁性層間の良好な絶縁状態を適正に保持できる強磁性トンネル接合素子を得ることができ、歩留まりが向上する。
    また、強磁性トンネル接合素子を高密度磁気ディスク装置における読出しセンサに用いる場合に、磁気ヘッドの媒体対向面を平滑化することができ、実用上必要な抵抗値及び信号出力電圧特性を備え再生出力が極めて高い磁気ヘッドを得ることができる。 例えば、従来の製造方法では、再生可能な磁気ヘッドの歩留まりは30%程度であったが、機械研磨工程にドライエッチング工程を併用した本発明の製造方法によれば、70%を越える歩留まりを達成することができた。

    【0047】以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の強磁性トンネル接合素子の製造方法は、上記実施形態例(実施例)にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例から種々の修正及び変更を施した強磁性トンネル接合素子の製造方法も、本発明の範囲に含まれる。

    【0048】

    【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
    強磁性トンネル接合素子の素子高さを高精度で規定できる製造方法でありながらも、トンネルバリア層による第1及び第2の強磁性層間の良好な絶縁状態を適正に保持できる強磁性トンネル接合素子を得ることができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の一実施形態例に係る強磁性トンネル接合素子の製造時の様子を模式的に示す断面図であり、
    (a)は第1の強磁性層及び導電層を成膜する際の様子、
    (b)はトンネルバリア層を形成する際の様子、(c)は第2
    の強磁性層を形成する際の様子を夫々示す。

    【図2】試料を製造する際の様子を模式的に示す断面図であり、(a)は接合構成層の完成時の様子、(b)はSi基板上の一部を除去する際の様子、(c)は強磁性層等を除去する際の様子、(d)はレジストパターンを除去する際の様子、(e)は逆スパッタクリーニング工程、(f)は接合素子の完成時の状態を夫々示す。

    【符号の説明】

    11、33 第1の強磁性層 12、34 導電層 13、35 トンネルバリア層 14、36 第2の強磁性層 31 Si基板 32 第1の配線層

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松寺 久雄 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 中田 正文 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 上條 敦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内

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