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油中型乳化油脂組成物とその製造方法

阅读:1发布:2020-09-26

专利汇可以提供油中型乳化油脂組成物とその製造方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】油中 水 型乳化油脂組成物およびそれを添加した焼成品の甘味とうま味およびこれらの持続性に優れた油中水型乳化油脂組成物とその製造方法を提供すること。 【解決手段】飽和 脂肪酸 量が35〜60質量%、トリグリセリドの2位に結合したラウリン酸量が1.0〜12.5質量%である油脂と、濃縮生クリームおよび濃縮ホエイの混合物であるホエイチーズとを含有する油中水型乳化油脂組成物とする。 【選択図】なし,下面是油中型乳化油脂組成物とその製造方法专利的具体信息内容。

3飽和トリグリセリド(SSS)の含有量が10〜21質量%である油脂と、 濃縮生クリームおよび濃縮ホエイの混合物であるホエイチーズとを含有する油中型乳化油脂組成物。前記ホエイチーズは、濃縮生クリームと濃縮ホエイとの混合比が、質量比で4:6〜6:4である請求項1に記載の油中水型乳化油脂組成物。前記ホエイチーズは、濃縮生クリームの脂肪分含有量が65質量%以上である請求項1または2に記載の油中水型乳化油脂組成物。前記ホエイチーズは、水分量が20〜25質量%である請求項1から3のいずれかに記載の油中水型乳化油脂組成物。前記ホエイチーズを水相に含有する請求項1から4のいずれかに記載の油中水型乳化油脂組成物。濃縮生クリームおよび濃縮ホエイの混合物であるホエイチーズを水相に添加し、3飽和トリグリセリド(SSS)の含有量が10〜21質量%である油脂を含有する油相と乳化する油中水型乳化油脂組成物の製造方法。

说明书全文

本発明は、油中型乳化油脂組成物とその製造方法に関する。

マーガリン等の油中水型乳化油脂組成物は、バターの代替品として、スプレッド、バタークリーム、製菓製パンの練り込みや折り込み用、調理用等として広く使用されている。

マーガリンは、バターに比べて可塑性、乳化安定性に優れ、取り扱い易い反面、風味の点で劣るため、香料や呈味剤等の呈味成分を添加したり、乳脂肪を添加したりすることにより、風味を向上させることが行われている。

しかし、バター特有の風味をマーガリンで再現することは難しく、口中に含んだときの甘味やうま味に優れ、かつ口中に広がってこれらが長く持続するものが消費者の嗜好として強く望まれているが、満足するものは得られていなかった。

さらに、油中水型乳化油脂組成物に香味や呈味などの呈味成分を添加しても、これを生地に添加して焼成したベーカリー製品は、焼成工程における加熱等により、呈味成分に由来する風味は低減してしまう場合が多く、また口中で直ぐに感じる風味は出ても、風味の持続性が弱くなるという問題があった。

従来、油中水型乳化油脂組成物の風味を改良する技術として、次のような技術が提案されている。

特許文献1には、乳清とクリームの混合物を酵素処理した乳酸発酵組成物を用いる技術が提案されている。しかし、発酵および酵素処理した乳製品を使用しているため、風味を十分増強するために多めに添加した場合、発酵生成物による酸味や、酵素分解生成物による苦味とエグ味が強くなる。酵素分解生成物はある種のアミノ酸を含み、乳清ミネラルなどの灰分と共存すると、エグ味や苦味を強くしてしまう傾向がある。また、苦味とエグ味の影響を低減するために少量添加した場合では甘味やうま味が得られにくくなる。

特許文献2には、乳脂肪高含有のハイファットクリームチーズを油中水型乳化油脂組成物に添加することが記載されている。しかし、甘味が十分でなく、甘味とうま味に優れたものを得ることはできない。

特許文献3は、ホエイタンパクを変性させた熱処理クリームを用いたスプレッドが提案されている。しかし、クリームを熱処理しているため自然な風味が低下してしまう。特に、甘味とうま味に優れたものを得ることはできない。

特開2013-74904号公報

特開2011-109960号公報

特開昭62-259542号公報

本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、油中水型乳化油脂組成物およびそれを添加した焼成品の甘味とうま味およびこれらの口中での持続性に優れた油中水型乳化油脂組成物とその製造方法を提供することを課題としている。

本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のホエイチーズを添加し、かつ油脂組成を特定のものとすることによって、甘味とうま味およびこれらの口中での持続性に優れたものが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

すなわち本発明の油中水型乳化油脂組成物は、飽和脂肪酸量が35〜60質量%、トリグリセリドの2位に結合したラウリン酸量が1.0〜12.5質量%である油脂と、濃縮生クリームおよび濃縮ホエイの混合物であるホエイチーズとを含有することを特徴としている。

本発明の油中水型乳化油脂組成物の製造方法は、濃縮生クリームおよび濃縮ホエイの混合物であるホエイチーズを水相に添加し、飽和脂肪酸量が35〜60質量%、トリグリセリドの2位に結合したラウリン酸量が1.0〜12.5質量%である油脂を含有する油相と乳化することを特徴としている。

本発明によれば、油中水型乳化油脂組成物およびそれを添加した焼成品の甘味とうま味およびこれらの口中での持続性に優れている。

以下に、本発明を詳細に説明する。 1.ホエイチーズ 本発明の油中水型乳化油脂組成物は、濃縮生クリームおよび濃縮ホエイの混合物であるホエイチーズ(以下、単にホエイチーズとも言う。)を含有する。このホエイチーズを使用することで、油中水型乳化油脂組成物およびそれを添加した焼成品の甘味とうま味に優れたものとすることができ、かつ飽和脂肪酸量およびトリグリセリドの2位に結合したラ ウリン酸量が上記特定範囲である油脂と併用することによって、甘味とうま味の口中での持続性に優れたものとすることができる。

このホエイチーズは、CODEX STAN 192-1995 Annex B 01.6.3の記載に従ったものである。

本発明においてホエイチーズに使用される濃縮生クリームは、生クリームを必要に応じて低温殺菌した後、濃縮したもの等を用いることができる。ここで生クリームは、生乳、乳等から乳脂肪分以外の成分を除去したものである。通常の生クリームでは、コーヒー用で脂肪分18〜30質量%程度、ホイップ用で30〜48質量%程度であるが、本発明においてホエイチーズに使用される濃縮生クリームは、それ以上に濃縮したものである。ホエイチーズは、濃縮生クリームの脂肪分含有量が好ましくは65質量%以上、より好ましくは70〜75質量%である。

本発明においてホエイチーズに使用される濃縮ホエイは、乳を乳酸菌で発酵させ、または乳に酵素もしくは酸を加えてできた乳清を濃縮し、固形状にしたものである。この濃縮ホエイは、乾物含量が好ましくは65質量%以上、より好ましくは70〜85質量%である。

ホエイチーズは、例えば、濃縮生クリームと、濃縮ホエイを計量し、均一に混合した後、フィルタを通過させて濾過することによって得ることができる。

ホエイチーズは、例えば、Corman社の製品が商業的に入手可能である。

ホエイチーズは、濃縮生クリームと濃縮ホエイとの混合比が、好ましくは質量比で4:6〜6:4である。また、ホエイチーズは、水分量が好ましくは20〜25質量%、脂肪分含有量が好ましくは30〜40質量%、無脂乳固形分が好ましくは40〜50質量%である。

本発明の油中水型乳化油脂組成物におけるホエイチーズの含有量は、組成物全量に対して好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.2〜70質量%であり、さらに好ましくは0.2〜60質量%であり、最も好ましくは0.2〜40質量%である。この範囲内であると、甘味とうま味が良好で、油中水型乳化油脂組成物の製造も容易である。 本発明の油中水型乳化油脂組成物は、ホエイチーズを水相に含有することが好ましい。ホエイチーズを水相に添加し、飽和脂肪酸量およびトリグリセリドの2位に結合したラウリン酸量が上記特定範囲である油脂を含有する油相と乳化することによって、ホエイチーズを水相に含有する油中水型乳化油脂組成物を得ることができる。このようにして得られたものは、油中水型乳化油脂組成物およびそれを添加した焼成品の甘味とうま味およびこれらの口中での持続性に優れている。

2.油脂 本発明において、飽和脂肪酸Sは、油脂中に含まれるすべての飽和脂肪酸である。飽和脂肪酸Sとしては、特に限定されないが、例えば、酪酸(4)、カプロン酸(6)、カプリル酸(8)、カプリン酸(10)、ラウリン酸(12)、ミリスチン酸(14)、パルミチン酸(16)、ステアリン酸(18)、アラキジン酸(20)、ベヘン酸(22)、リグノセリン酸(24)などが挙げられる。なお、上記の数値表記は、脂肪酸の炭素数である。

不飽和脂肪酸Uは、油脂中に含まれるすべての不飽和脂肪酸である。また、各トリグリセリド分子に結合している2つまたは3つの不飽和脂肪酸Uは、同一の不飽和脂肪酸であってもよいし、異なる不飽和脂肪酸であってもよい。

不飽和脂肪酸Uとしては、特に限定されないが、例えば、ミリストレイン酸(14:1)、パルミトレイン酸(16:1)、ヒラゴン酸(16:3)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1)、エルカ酸(22:1)、セラコレイン酸(24:1)等が挙げられる。なお、上記不飽和脂肪酸についての括弧内の数値表記は、左側が脂肪酸の炭素数であり、右側が二重結合数を意味する。

油脂中のトリグリセリドとは、1分子のグリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合した構造を有するものである。トリグリセリドの1位、2位、3位とは、脂肪酸が結合した位置を表す。なお、トリグリセリドの構成脂肪酸の略称として、S:飽和脂肪酸、U:不飽和脂肪酸、を用いる。

本発明の油中水型乳化油脂組成物に使用される油脂は、飽和脂肪酸を含む。

本発明の油中水型乳化油脂組成物に使用される油脂は、2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドを含み、2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの1、3位の構成脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。2位がラウリン酸であるトリグリセリドとしては、例えば、SLS型トリグリセリド、SLU型トリグリセリド(位置異性体も含む)、ULU型トリグリセリド等が挙げられるが、特に限定されない。なお、「L」とは、トリグリセリドの構成脂肪酸であるラウリン酸を意味する。本発明の効果を得る点から、2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸である場合、炭素数4〜24の飽和脂肪酸であることが好ましい。2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が不飽和脂肪酸である場合、炭素数14〜18の不飽和脂肪酸(ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等)であることが好ましい。2位にラウリン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸である場合、上述の飽和脂肪酸(炭素数4〜24の飽和脂肪酸)と不飽和脂肪酸(炭素数14〜18の不飽和脂肪酸)であることが好ましい。

本発明の油中水型乳化油脂組成物に使用される油脂は、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドを含んでいてもよく、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1、3位の構成脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。2位がオレイン酸であるトリグリセリドとしては、例えば、SOS型トリグリセリド、SOU型トリグリセリド(位置異性体も含む)、UOU型トリグリセリド等が挙げられるが、特に限定されない。なお、「O」とは、トリグリセリドの構成脂肪酸であるオレイン酸を意味する。本発明の効果を得る点から、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸である場合、炭素数4〜24の飽和脂肪酸であることが好ましい。2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が不飽和脂肪酸である場合、炭素数14〜18の不飽和脂肪酸(ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等)であることが好ましい。2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸である場合、上述の飽和脂肪酸(炭素数4〜24の飽和脂肪酸)と不飽和脂肪酸(炭素数14〜18の不飽和脂肪酸)であることが好ましい。

本発明の油中水型乳化油脂組成物に使用される油脂は、1位、2位、3位のすべてに飽和脂肪酸Sが結合した3飽和トリグリセリド(SSS)を含んでいてもよく、1分子のグリセロールに2分子の飽和脂肪酸Sと1分子の不飽和脂肪酸Uが結合した2飽和トリグリセリドとして、1位および3位に飽和脂肪酸Sが結合し、かつ2位に不飽和脂肪酸Uが結 合した対称型トリグリセリド(SUS)と、1位と2位、または2位と3位に飽和脂肪酸Sが結合し、かつ3位または1位に不飽和脂肪酸Uが結合した非対称型トリグリセリド(SSU)とを含む。また、1分子のグリセロールに2分子の不飽和脂肪酸Uと1分子の飽和脂肪酸Sが結合した2不飽和トリグリセリド(UUS、SUU、USU))を含んでよく、1位、2位、3位のすべてに不飽和脂肪酸Uが結合した3不飽和トリグリセリド(UUU)を含んでよい。

本発明の油中水型乳化油脂組成物において、飽和脂肪酸の含有量は、油脂全量に対して35〜60質量%である。飽和脂肪酸の含有量をこの範囲内とすることで、口溶けや製パン等の焼成品の製造適性が良好となり、油中水型乳化油脂組成物およびそれを添加した焼成品の甘味とうま味の口中での持続性が向上する。飽和脂肪酸の含有量が35質量%以上であると、主に焼成品の製造適性が良好となり、飽和脂肪酸の含有量が60質量%以下であると、主に口溶けが良好となる。特に、本発明の油中水型乳化油脂組成物がスプレッド用である場合は、飽和脂肪酸の含有量が35〜56質量%、ロールイン用である場合は、40〜60質量%であることが好ましい。

本発明の油中水型乳化油脂組成物において、トリグリセリドの2位に結合したラウリン酸量は、油脂全量に対して1.0〜12.5質量%である。トリグリセリドの2位に結合したラウリン酸量をこの範囲内とすることで、口溶けが良好となり、油中水型乳化油脂組成物およびそれを添加した焼成品の甘味とうま味の口中での持続性が向上する。トリグリセリドの2位に結合したラウリン酸量が1.0質量%以上であると、口溶けが向上し、トリグリセリドの2位に結合したラウリン酸量が12.5質量%以下であると、口溶けが良すぎることに起因する甘味とうま味の口中での持続性の低下を抑制できる。

本発明の油中水型乳化油脂組成物において、3飽和トリグリセリド(SSS)の含有量は、油脂全量に対して好ましくは10〜21質量%である。

本発明の油中水型乳化油脂組成物において、トリグリセリドの2位に結合されたオレイン酸量は、油脂全量に対して好ましくは35〜52質量%である。

本発明の油中水型乳化油脂組成物は、油脂の構成脂肪酸としてトランス酸を含んでもよく、含まなくてもよいが、トランス酸の摂取量が多くなると、人体に摂取された際のLDLコレステロールが増加しうる。よって、これを抑制しやすい点から、本発明においては、油脂の構成脂肪酸中のトランス酸の含有量は、油脂の構成脂肪酸全体の質量に対して10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、3質量%未満であることが最も好ましい。

本発明の油中水型乳化油脂組成物の製造に用いられる油脂としては、特に限定されないが、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、シア脂、サル脂、マンゴー油、イリッペ脂、カカオ脂、豚脂(ラード)、牛脂、乳脂、それらの分別油またはそれらの加工油(硬化およびエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)等が挙げられる。油脂中の飽和脂肪酸量およびトリグリセリドの2位に結合したラウリン酸量を適宜調整するために、これらの油脂としては、1種あるいは2種以上を選択して含有させることが好ましい。

本発明の油中水型乳化油脂組成物は、急冷捏和し、可塑化して使用する場合、油脂としてエステル交換油脂を含有することが好ましい。エステル交換油脂の中でも、パーム系油脂単独のエステル交換油脂や、ラウリン系油脂とパーム系油脂とのエステル交換油脂が好ましい。なお、上記エステル交換油脂の原料であるラウリン系油脂は、全構成脂肪酸中のラウリン酸含有量が30質量%以上の油脂であり、例えば、パーム核油、ヤシ油、これらの分別油、硬化油等が挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。上記エステル交換油脂の原料であるパーム系油脂は、全構成脂肪酸中の炭素数16以上の脂肪酸含有量が35質量%以上の油脂であり、例えば、パーム油、パーム分別油、これらの硬化油等が挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。パーム分別油としては、硬質部、軟質部、中融点部等を用いることができる。

3.油中水型乳化油脂組成物とその製造方法、それを添加した焼成品 本発明の油中水型乳化油脂組成物には、以上の各原材料以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、他の原材料を添加することができる。このような他の原材料としては、乳化剤、乳化安定剤、酸味料、調味料、着色料、糊料、粉末油脂、酸化防止剤、保存料、糖質、乳素材、呈味剤、香料、強化剤、香辛料抽出物、酵素、食塩等の、マーガリン類等に通常添加される食品素材や食品添加物等が挙げられる。これらの中でも、食塩を添加することが好ましい。食塩としては、精製塩、岩塩等が挙げられる。本発明の油中水型乳化油脂組成物に食塩を添加する場合、スプレッド用では、ホエイチーズのもたらす甘味とうま味およびこれらの口中での持続性をさらに向上させる点で、組成物全量に対して0.1質量%以上添加することが好ましく、0.15〜1.5質量%添加することがより好ましい。同様に、練り込み用、ロールイン用では、焼成品の甘味とうま味およびこれらの口中での持続性をさらに向上させる点で、組成物全量に対して0.1〜1質量%添加することが好ましく、0.15〜0.6質量%添加することがより好ましい。

本発明の油中水型乳化油脂組成物における水分の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは組成物全量に対して5〜45質量%である。

本発明の油中水型乳化油脂組成物における油脂の含有量は、特に制限されるものではないが、好ましくは組成物全量に対して55〜95質量%である。

本発明の油中水型乳化油脂組成物は、次の手順で製造することができる。

まず、ホエイチーズを含有する水相を調製する。一方で、油脂を含有する油相を調製する。これらの水相と油相は、50〜90℃、好ましくは65〜85℃に加熱し、添加した成分を完全に溶解しておくことが望ましい。これらの水相と油相を加熱下で混合し乳化する。例えば、加熱された油相に加熱された水相をゆっくりと添加しながら乳化する。その後、必要に応じて、香料等の他の添加成分を加えてもよい。

その後、加熱された乳化物をコンビネーター、パーフェクター、ボテーター、ネクサス等の冷却混合機により急冷捏和し、可塑化して本発明の油中水型乳化油脂組成物を可塑性油脂組成物として得ることができる。さらに、必要に応じて、可塑性油脂組成物を15〜35℃で熟成してもよい。また、冷却混合機において不活性ガスを添加してもよい。

本発明の油中水型乳化油脂組成物は、甘味とうま味およびこれらの口中での持続性が良好で、マーガリンやファットスプレッド等のマーガリン類に好適である。本発明において、マーガリンは、油脂を80質量%以上含む、ファットスプレッドは、油脂を80質量%未満含む油中水型乳化油脂組成物である。

また本発明の油中水型乳化油脂組成物を原料に用いて生地を作製し、この生地を焼成することによって焼成品が製造される。この焼成品は、甘味とうま味およびこれらの口中での持続性が良好である。

本発明の油中水型乳化油脂組成物は、練り込み用可塑性油脂組成物として焼成品の生地に練り込んで使用することで、パンや菓子等の焼成品を得ることができる。また、スプレッド用可塑性油脂組成物としてパンや菓子などのベーカリー製品の表面に塗り広げて、あるいはベーカリー製品に充填(注入)、サンドしたり、また食材や呈味素材を入れるパンや菓子などに塗布することができ、ロールイン用可塑性油脂組成物として生地へ層状に折り込んで、生地と可塑性油脂組成物の薄い層を何層にも作り上げることで、デニッシュ、クロワッサン等の焼成品を得ることができる。

生地は穀粉を主成分とし、穀粉としては、通常、焼成品の生地に配合されるものであれば、特に限定されないが、例えば、小麦粉(強粉、中力粉、薄力粉等)、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉等が挙げられる。

生地には、穀粉と油中水型乳化油脂組成物以外にも、通常、焼成品の生地に使用されるものであれば、特に制限なく配合することができる。また、これらの配合量も、通常、焼成品の生地に配合される範囲を考慮して特に制限なく適宜の量とすることができる。具体的には、例えば、水、乳、乳製品、蛋白質、糖質、卵、卵加工品、澱粉、塩類、乳化剤、乳化起泡剤(乳化油脂)、粉末油脂、イースト、イーストフード、カカオマス、ココアパウダー、チョコレート、コーヒー、紅茶、抹茶、野菜類、果物類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、肉類、魚介類、豆類、きな粉、豆腐、豆乳、大豆蛋白、膨張剤、甘味料、調味料、香辛料、着色料、香料等が挙げられる。

焼成品としては、例えば、食パン、テーブルロール、菓子パン、調理パン、フランスパン、ライブレッド等のパン類、シュトーレン、パネトーネ、クグロフ、ブリオッシュ、ドーナツ等のイースト菓子、デニッシュ、クロワッサン、パイ等のペストリー、バターケーキ、パウンドケーキ、スポンジケーキ、ドーナツ、ブッセ、ホットケーキ、ワッフル等のケーキ、ビスケット、クッキー等が挙げられる。

以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表2および表3に示す配合量は質量部を示す。 (1)測定方法 飽和酸脂肪酸量、トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸量、トリグリセリドの2位に結合されたオレイン酸量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2-2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2-2013 2位脂肪酸組成」)で測定した。3飽和トリグリセリド(SSS)の含有量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2-2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2-2013 2位脂肪酸組成」)で測定し、それぞれ脂肪酸量を用いて計算にて求めた。なお、油脂全量を基準としている。

(2)油中水型乳化油脂組成物の作製 (エステル交換油脂1) パーム核油15質量%、パーム核極度硬化油7.5質量%、パーム油70質量%、パーム極度硬化油7.5質量%を混合して110℃に加熱し、十分に脱水させた後、化学触媒としてナトリウムメチラートを油脂量の0.08質量%添加し、減圧下、100℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応後、水洗して触媒を除去し、活性白土を用いて脱色し、さらに脱臭を行ってエステル交換油脂1を得た。

(エステル交換油脂2) パーム分別軟質部(ヨウ素価56)について、エステル交換油脂1の製法に準じてエステル交換反応等を行い、エステル交換油脂2を得た。

(エステル交換油脂3) パーム油(ヨウ素価53)について、エステル交換油脂1の製法に準じてエステル交換反応等を行い、エステル交換油脂3を得た。

(乳製品1) 濃縮生クリームおよび濃縮ホエイの混合物であるホエイチーズを用いた。その詳細は表1に示すとおりである。低温殺菌した生クリームを脂肪分75質量%に濃縮したものと、乾物含量76質量%の濃縮ホエイを47.5:52.5になるように計量し、均一に混合した後、孔径3mmのフィルタを通過させ濾過することによって得られたホエイチーズを-18℃で保管し、使用に供した。なお、乾物含量とは、水分量を除いたものである。

(乳製品2) 生クリーム 脂肪分含有量 47.3質量%、水分量 47.7質量%、炭水化物量 3質量%、タンパク質量 1.6質量%、灰分量 0.4質量%

(乳製品3) ホエイパウダー 脂肪分含有量 1.1質量%、水分量 2.3質量%、炭水化物量 78.4質量%、タンパク質量 12.1質量%、灰分量 6.1質量%

(乳製品4) ハイファットクリームチーズ 脂肪分含有量 55質量%、水分量 33質量%、炭水化物量 6質量%、タンパク質量 5質量%、灰分量 1質量%

(乳製品5) 生クリームと乳清の乳酸発酵物 脂肪分含有量 36.1質量%、水分57.5質量%、無脂乳固形分6.4質量%

<練り込み用、スプレッド用マーガリンの作製> 表2〜表5の油脂を75℃で溶解、混合し、油脂80質量部に乳化剤としてモノグリセリン脂肪酸エステルを0.2質量部添加し、75℃に調温して油相とした。一方、表2〜5の水に対し乳製品および食塩を適宜添加し、85℃で加熱殺菌して水相を得た。次に、該油相に該水相を添加し、プロペラ攪拌機で撹拌して、油中水型に乳化した後、パーフェクターによって急冷捏和して、下記の配合割合のマーガリンを練り込み用、スプレッド用油中水型乳化油脂組成物として得た。得られたマーガリンは、5℃で保管した。

<ロールイン用マーガリンの作製> 表6および表7の油脂を75℃で溶解、混合し、油脂80質量部に乳化剤としてモノグリセリン脂肪酸エステルを0.2質量部添加し、75℃に調温して油相とした。一方、表6および表7の水に対し乳製品および食塩を添加し、85℃で加熱殺菌して水相を得た。次に、該油相に該水相を添加し、プロペラ攪拌機で撹拌して、油中水型に乳化した後、パーフェクターによって急冷捏和し、25cm×21cm×1cmのシート状に成型し、下記配合割合のマーガリンをロールイン用油中水型乳化油脂組成物として得た。得られたマーガリンは、5℃で保管した。

<練り込み用マーガリンを使用した焼成品の作製> 上記練り込み用マーガリンを用いて、下記の配合と工程により食パンを製造した。 <食パンの配合および工程> ・中種配合 強力粉 70質量部 イースト 2.5質量部 イーストフード 0.1質量部 水 40質量部 ・中種工程 ミキシング 低速3分 中低速1分(フック使用) 捏上温度 24℃ 発 酵 発酵室温27℃ 湿度75% 4時間 ・本捏配合 強力粉 30質量部 上白糖 6質量部 食塩 1.8質量部 脱脂粉乳 2質量部 練り込み用マーガリン 5質量部 水 25質量部 ・本捏工程(本捏配合の全素材および中種生地全量を添加) ミキシング 低速3分 中低速3分 (マーガリンを投入)、低速3分 中低速4分 捏上温度 28℃ フロアータイム 28℃ 20分 生地分割 230g ベンチタイム 28℃ 20分 成 型 モルダーで延ばしロール型に成型 U型にしてプルマン型に6本詰め ホイロ 室温38℃ 湿度80% 40分 焼 成 200℃ 40分

<ロールイン用マーガリンを使用した焼成品の作製> 下記の配合および製造条件でデニッシュを作製した。具体的には実施例および比較例のロールイン用マーガリンおよびショートニングZ(ミヨシ油脂株式会社製)以外の材料をミキサーに投入し、低速3分、中低速5分ミキシングを行った後、ショートニングZを入れ低速2分、中低速4分ミキシングを行い、生地を得た。この生地を、フロアータイムをとった後、0℃で一晩リタードさせた。この生地にロールイン用マーガリンを折り込み、3つ折り2回を加え-10℃にて30分リタードし、3つ折り1回を加え-10℃にて60分リタードさせた。その後シーターゲージ厚3mmまで延ばし、10cm(10cm×10cm)にカットし、ホイロ後、焼成してデニッシュを得た。 〈デニッシュの配合〉 強力粉 90質量部 薄力粉 10質量部 上白糖 10質量部 食塩 1.8質量部 脱脂粉乳 3質量部 全卵 6質量部 ショートニングZ 8質量部 イースト 5質量部 イーストフード 0.1質量部 水 53質量部 ロールイン用マーガリン 生地100質量部に対して21質量部 〈デニッシュ生地の作製条件〉 ミキシング: 低速3分、中低速5分、(ショートニングを投入)、低速2分、 中低速4分 捏上温度: 25℃ フロアータイム:27℃ 75% 30分 リタード: 0℃ 一晩 ロールイン: 3つ折り×2回 -10℃にてリタード30分 3つ折り×1回 -10℃にてリタード60分 成型: シーターゲージ厚3mm 10cm角(10cm×10cm)にカット ホイロ: 35℃ 75% 60分 焼成: 200℃ 14分

(3)評価 以下の評価において、パネルは、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準臭覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された20〜40代の男性5名、女性7名を選抜した。

[マーガリンを口に含んだときの初期の甘味] 得られた練り込み用マーガリンまたはスプレッド用マーガリンをパネル12名で試食し、マーガリンの初期の甘味を以下の基準で評価した。 評価基準 ◎◎:パネル12名中11〜12名が、初期の甘味があると評価した。 ◎:パネル12名中8〜10名が、初期の甘味があると評価した。 ○:パネル12名中5〜7名が、初期の甘味があると評価した。 △:パネル12名中3〜4名が、初期の甘味があると評価した。 ×:パネル12名中初期の甘味があると評価したのは2名以下であった。

[マーガリンを口に含んだときの甘味の持続性] 得られた練り込み用マーガリンまたはスプレッド用マーガリンをパネル12名で試食し、マーガリンの甘味の持続性を以下の基準で評価した。 評価基準 ◎◎:パネル12名中11〜12名が、甘味の持続性があると評価した。 ◎:パネル12名中8〜10名が、甘味の持続性があると評価した。 ○:パネル12名中5〜7名が、甘味の持続性があると評価した。 △:パネル12名中3〜4名が、甘味の持続性があると評価した。 ×:パネル12名中甘味の持続性があると評価したのは2名以下であった。

[マーガリンを口に含んだときのうま味によるボディー感の持続性] 得られた練り込み用マーガリンまたはスプレッド用マーガリンをパネル12名で試食し、マーガリンのうま味によるボディー感の持続性を以下の基準で評価した。 評価基準 ◎◎:パネル12名中11〜12名が、うま味によるボディー感の持続性があると 評価した。 ◎:パネル12名中8〜10名が、うま味によるボディー感の持続性があると 評価した。 ○:パネル12名中5〜7名が、うま味によるボディー感の持続性があると 評価した。 △:パネル12名中3〜4名が、うま味によるボディー感の持続性があると 評価した。 ×:パネル12名中うま味によるボディー感の持続性があると評価したのは 2名以下であった。

[焼成品を口に含んだときの初期の甘味] 得られた食パンまたはデニッシュをパネル12名で試食し、焼成品の初期の甘味を以下の基準で評価した。 評価基準 ◎◎:パネル12名中11〜12名が、初期の甘味があると評価した。 ◎:パネル12名中8〜10名が、初期の甘味があると評価した。 ○:パネル12名中5〜7名が、初期の甘味があると評価した。 △:パネル12名中3〜4名が、初期の甘味があると評価した。 ×:パネル12名中初期の甘味があると評価したのは2名以下であった。

[焼成品を口に含んだときの甘味の持続性] 得られた食パンまたはデニッシュをパネル12名で試食し、焼成品の甘味の持続性を以下の基準で評価した。 評価基準 ◎◎:パネル12名中11〜12名が、甘味の持続性があると評価した。 ◎:パネル12名中8〜10名が、甘味の持続性があると評価した。 ○:パネル12名中5〜7名が、甘味の持続性があると評価した。 △:パネル12名中3〜4名が、甘味の持続性があると評価した。 ×:パネル12名中甘味の持続性があると評価したのは2名以下であった。

[焼成品を口に含んだときのうま味によるボディー感の持続性] 得られた食パンまたはデニッシュをパネル12名で試食し、焼成品のうま味によるボディー感の持続性を以下の基準で評価した。 評価基準 ◎◎:パネル12名中11〜12名が、うま味によるボディー感の持続性があると 評価した。 ◎:パネル12名中8〜10名が、うま味によるボディー感の持続性があると 評価した。 ○:パネル12名中5〜7名が、うま味によるボディー感の持続性があると 評価した。 △:パネル12名中3〜4名が、うま味によるボディー感の持続性があると 評価した。

×:パネル12名中うま味によるボディー感の持続性があると評価したのは 2名以下であった。

評価結果を表2〜表7に示す。

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