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Laminated film

阅读:214发布:2022-01-21

专利汇可以提供Laminated film专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a laminated film which has superior properties such as take-up, easy slippage and handling and also, other properties such as electro magnetic conversion, dropout, traveling of a magnetic layer and durability. SOLUTION: This laminated film consists of a coated layer B containing a core shell structure comprising a more pliable outer part than an inner part with an average grain size dB of 5-100nm and water resin, laminated on at least, one of the faces of a thermoplastic resin layer A containing 5,000-50,000pcs/mm of particle A representing the frequency of a surface protrusion with an average grain size of 40-400nm and a volumetric shape factor of 0.1-π/6. In addition, the average grain size (dB) (nm), the grain size dcB (nm) of the core part of the particle B and the layer thickness (tB) (nm) of the coated layer B satisfy formulae 1.01 )-(1×10 )pcs/mm , and the frequency of the protrusion which is formed of the macroaggregate of the particle B is 50 pcs/cm or less.,下面是Laminated film专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 平均粒径40〜400nm、体積形状係数0.1〜π/6の粒子Aを表面の突起頻度が0.5万〜5万個/mm 2となる量含有する熱可塑性樹脂層Aの少なくとも片面に、水性樹脂及び平均粒径d Bが5〜1
    00nmである内部より外部が柔軟なコアシェル型構造の粒子Bを含有する皮膜層Bを積層した積層フイルムであって、粒子Bの平均粒径d B (nm)、粒子Bのコア部の粒径dc B (nm)、及び皮膜層Bの層厚みt
    B (nm)が下記式(1)、(2)を同時に満足し、粒子Bによる表面突起の頻度が1×10 6 〜1×10 8個/mm 2であり、かつ粒子Bのマクロ凝集物による高さが0.5μm以上の突起頻度が50個/cm 2以下であることを特徴とする積層フイルム。 【数1】 1.01≦d B /dc B ≦3.0 ……(1) 【数2】 0.05≦t B /dc B ≦0.8 ……(2)
  • 【請求項2】 皮膜層B中の粒子Bの凝集率が10%以下である請求項1に記載の積層フイルム。
  • 【請求項3】 水性樹脂がアクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル―ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも一種の水性樹脂からなる請求項1に記載の積層フイルム。
  • 【請求項4】 原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した皮膜層Bの表面粗さARa B (nm)及び10点平均粗さARz B (nm)が下記式(3)、(4)を同時に満足する請求項1に記載の積層フイルム。 【数3】 0.3≦ARa B ≦5.0 ……(3) 【数4】 10≦ARz B ≦100 ……(4)
  • 【請求項5】 熱可塑性樹脂層Aの皮膜層Bとは接していない面に、不活性粒子Cを含有する皮膜層Cを積層している請求項1に記載の積層フイルム。
  • 【請求項6】 皮膜層Cが塗布層である請求項5に記載の積層フイルム。
  • 【請求項7】 皮膜層C中の不活性粒子Cが単独粒子又は大きさの違う2種以上の粒子からなり、単独粒子の平均粒径又は2種以上の粒子のうち最も大きい粒子の平均粒径が20〜200nmであり、かつ不活性粒子Cの含有量が1〜50重量%である請求項6に記載の積層フイルム。
  • 【請求項8】 皮膜層Cが共押出層で構成されている請求項5に記載の積層フイルム。
  • 【請求項9】 皮膜層C中の不活性粒子Cが単独粒子又は大きさの違う2種以上の粒子からなり、単独粒子の平均粒径又は2種以上の粒子のうち最も大きい粒子の平均粒径が0.1〜1μmであり、かつ不活性粒子の含有量が0.001〜5.0重量%である請求項8に記載の積層フイルム。
  • 【請求項10】 積層フイルムの全厚みが2.5〜20
    μmである請求項1〜9のいずれかに記載の積層フイルム。
  • 【請求項11】 磁気記録媒体のベースフイルムである請求項1〜10のいずれかに記載の積層フイルム。
  • 【請求項12】 磁気記録媒体が金属薄膜型磁気記録媒体である請求項11に記載の積層フイルム。
  • 【請求項13】 磁気記録媒体が磁性層の厚みが1μm
    以下の塗布型磁気記録媒体である請求項11に記載の積層フイルム。
  • 【請求項14】 磁気記録媒体がデジタル信号記録型磁気記録媒体である請求項11、12又は13に記載の積層フイルム。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は積層フイルムに関する。 詳しくは、巻取り性、易滑性、ハンドリング性等に優れ、電磁変換特性、ドロップアウト、磁性層の走行性、耐久性に優れた磁気記録媒体、特に高密度磁気記録媒体用として用いるのに適した熱可塑性樹脂積層フイルムに関する。

    【0002】

    【従来の技術】近年、磁気記録の高密度化の進歩はめざましく、例えば強磁性金属薄膜真空蒸着やスパッタリング等の物理沈着法又はメッキ法により非磁性支持体上に形成せしめた強磁性金属薄膜磁気記録媒体、またメタル粉や酸化鉄粉等の針状磁性粉体を2μm以下に塗布した薄層塗布型磁気記録媒体の開発実用化が進んでいる。

    【0003】前者の例としては、例えば、Coの蒸着テープ(特開昭54―147010号公報)、Co―Cr
    合金からなる垂直磁気記録媒体(特開昭52―1347
    06号公報)が知られている。 後者の例としては、例えば極薄層塗布型媒体による高密度磁気記録(電子通信学会技術報告MR94―78(1995―02))等が知られている。

    【0004】従来の塗布型磁気記録媒体(磁性粉末を有機高分子バインダーに混入させて非磁性支持体上に塗布してなる磁気記録媒体)は、記録密度が低く、記録波長も長い為に、磁性層の厚みが2μm程度以上と厚いのに対して、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティング等の薄膜形成手段によって形成される金属薄膜は、厚みが0.2μm以下と非常に薄く、また極薄層塗布型媒体の場合も、非磁性下地層を設けるものの0.1
    3μmの厚みと非常に薄くなっている。

    【0005】上記の高密度磁気記録媒体においては、非磁性支持体の表面状態が磁気記録層の表面性に大きな影響を及ぼし、特に金属薄膜型の磁気記録媒体の場合には、非磁性支持体の表面状態がそのまま磁気記録層表面の凹凸として発現し、それが再生信号の雑音の原因となる。 従って、非磁性支持体の表面は出来るだけ平滑であることが望ましい。

    【0006】一方、ベースフイルムの製膜、加工工程での搬送・傷付き、巻取り、巻出しといったハンドリングの観点からは、フイルム表面が平滑過ぎると、フイルム―フイルム相互の滑り性が悪化し、ブロッキング現象が発生し、ロールに巻いたときの形状(ロールフォーメーション)が悪化し、製品歩留りの低下、ひいては製品の製造コストの上昇を来す。 従って、製造コストという観点からは、支持体の表面は出来るだけ粗いことが望ましい。

    【0007】この様に、電磁変換特性という観点からは非磁性支持体の表面は平滑であることが要求され、ハンドリング性、フイルムコストの観点からは粗いことが要求される。

    【0008】更に、蒸着金属薄膜型磁気記録媒体の場合には、実際に使用されるときの重大な問題点として、金属薄膜面の走行性がある。 磁性体粉末を有機高分子バンダー中に混入させてベースフイルムに塗布してなる塗布型磁気記録媒体の場合には、該バインダー中に潤滑剤を分散させて磁性面の走行性を向上させることが出来るが、蒸着金属薄膜型磁気記録媒体の場合には、この様な対策をとることが出来ず、走行性を安定して保つのは非常に難しく、特に高温高湿条件下の走行性が劣るなどの問題点をかかえている。

    【0009】そこで、優れた品質の高密度記録媒体用ベースフイルムを安価に供給する為には、上記の相反する性質を同時に満足することが必要となる。

    【0010】この具体的な方策として、フイルム表面に特定の塗剤を塗布し、不連続皮膜を形成させる方法(特公平3―80410号、特開昭60―180839
    号、特開昭60―180838号、特開昭60―180
    837号、特開昭56―16937号、特開昭58―6
    8223号等)、微細突起を有する連続皮膜を形成する方法(特開平5―194772号、特開平5―210
    833号)、共押し出し等の技術により表裏異面化する方法(特開平2―214657号、特公平7―802
    82号)、前記の+又は+の組み合わせによる方法(特開平3―73409号)等が提案されている。

    【0011】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、不連続皮膜や微細突起を有する連続皮膜を形成する従来の方法に於いては、フイルム―フイルム間の滑り、ブロッキングといった課題は解決できているが、皮膜中に微細な不活性粒子を均一分散させることが難しく、凝集粒子による粗大突起を生じやすいために電磁変換特性が悪化するなど磁気テープとしての品質が安定しないという問題があった。 また凝集粒子は単分散粒子と比較して製膜工程で各種ガイドロールとの接触によって削り取られやすく、ベースフイルム上に付着堆積して突起となり、磁気テープとしたときにドロップアウトの原因となる問題もある。 また微細視野で見た場合に皮膜中での分散性に優れていても、マクロ視野で見た場合の粗大凝集粒子が存在すると、磁気テープとしたときにドロップアウトの増加が起こるなどの問題がある。

    【0012】一般に、無機粒子は硬度が高く変形しにくいため、磁気ヘッドのクリーニング性に優れており、また種々のサイズの微粒子の製造が容易であるが、ポリマーとの親和性に乏しく粒子の脱落を生じやすい傾向が見られる。 一方、有機粒子はポリマーとの親和性は優れるものの、硬度が無機粒子に比べ低く、粒子全体に熱や機械的摩擦による変形等が加わるため、テープの電磁変換特性がテープの走行を繰り返すことにより劣化していくという問題がある。

    【0013】本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を解消し、製膜工程での削れ性、巻取り性に優れ、蒸着金属薄膜型磁気記録媒体や極薄層塗布型磁気記録媒体として用いられた場合に電磁変換特性、ドロップアウト特性、走行耐久性に優れた積層フイルムを提供することにある。

    【0014】

    【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明によれば、第一に、平均粒径40〜400nm、体積形状係数0.1〜π/6の不活性粒子Aを表面の突起頻度が0.5万〜5万個/mm 2となる量含有する熱可塑性樹脂層Aの少なくとも片面に、性樹脂及び平均粒径d
    Bが5〜100nmである内部より外部が柔軟なコアシェル型構造の粒子Bを含有する皮膜層Bを積層した積層フイルムであって、粒子Bの平均粒径d B (nm)、粒子Bのコア部の粒径dc B (nm)及び皮膜層Bの層厚みt B (nm)が下記式(1)、(2)を同時に満足し、粒子Bからなる表面突起の頻度が1×10 6 〜1×
    10 8個/mm 2であり、かつ粒子Bのマクロ凝集物による高さが0.5μm以上の突起頻度が50個/cm 2
    以下であることを特徴とする積層フイルムによって達成される。

    【0015】

    【数5】 1.01≦d B /dc B ≦3.0 ……(1)

    【0016】

    【数6】 0.05≦t B /dc B ≦0.8 ……(2)

    【0017】本発明における熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を例示することができる。 これらのうちポリステル系樹脂、更には芳香族ポリエステルが好ましい。

    【0018】この芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、
    ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ―1,4―シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート等を好ましくは例示することができる。 これらのうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレートが好ましい。

    【0019】上記ポリエステルはホモポリエステルであってもコポリエステルであってもよい。 コポリエステルの場合、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレートの共重合成分としては、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p―キシレングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸(但しポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレートの場合)、2,6―ナフタレンジカルボン酸(但しポリエチレンテレフタレートの場合)、5―ナトリウムスルホイソフタル酸等の他のジカルボン酸成分、p―オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸成分等があげられる。 尚、共重合成分の量は20モル%以下、更には1
    0モル%以下とするのが好ましい。

    【0020】更に、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3官能以上の多官能化合物を共重合させることもできる。 この場合ポリマーが実質的に線状である量、例えば2モル%以下共重合させることがよい。

    【0021】更に、上記のポリエステルは、該ポリエステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導体、
    該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレングリコール等の少なくとも一つを5重量%を超えない程度に混合してもよい。

    【0022】本発明における熱可塑性樹脂層Aは、平均粒径が40〜400nm、好ましくは50〜200n
    m、更に好ましくは60〜120nmであり、かつ体積形状係数が0.1〜π/6の粒子Aを表面の突起頻度が0.5〜5(万個/mm 2 )、好ましくは0.75〜4
    (万個/mm 2 )、更に好ましくは1〜3(万個/mm
    2 )となる量含有している。 粒子Aの平均粒径が40n
    m未満では磁性層の対VTRヘッド摩擦が高く、磁性層の繰り返し走行耐久性が悪く、またフイルム製膜工程での巻取り性も悪い。 一方、平均粒径が400nmより大きいと、高密度磁気記録媒体としての電磁変換特性に支障を来す。 また粒子Aによる表面突起頻度が0.5(万個/mm 2 )未満ではやはり磁性層の対VTRヘッド摩擦が高く、磁性層の繰り返し走行耐久性が悪く、またフイルム製膜工程での巻取り性も悪い。 一方、頻度が5
    (万個/mm 2 )より大きいと高密度磁気記録媒体としての電磁変換特性に支障を来す。 さらにまた粒子Aの形状は、下式

    【0023】

    【数7】f=V/d A 3 (ここで、Vは微粒子の体積を、d Aは微粒子の平均粒径を表す。)で定義される体積形状係数fが0.1〜π
    /6を満たす必要がある。 さらに体積形状係数fが0.
    3〜π/6のものが好ましく、特に体積形状係数fが0.4〜π/6の実質的に球或いはラグビーボール状の楕円球が好ましい。 fが0.1より小さい、例えば薄片状粒子では薄膜磁性層の磁気特性の劣化を来す。

    【0024】粒子Aの種類としては、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋スチレン―ジビニルベンゼン共重合体、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合体、架橋メチルメタクリレート共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂等の如き耐熱性有機高分子からなる微粒子、シリカ、
    アルミナ、二酸化チタン、カオリン、タルク、グラファイト、炭酸カルシウム、長石、二硫化モリブデン、カーボンブラック、硫酸バリウム等の如き無機化合物からなる微粒子のいずれでもよい。

    【0025】本発明における皮膜層Bを構成する水性樹脂とは、水溶性有機樹脂及び水分散有機樹脂のことを言い、水性のアルキッド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体等を例示することができるが、熱可塑性樹脂層Aに対する密着性、突起保持性、易滑性などの点から、水性のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル―ポリエステル樹脂が好ましい。 これら水性樹脂は単一重合体でも共重合体でもよく、また混合物でも良い。

    【0026】前記水性アクリル樹脂は、例えばアクリル酸エステル(アルコール残基としては、メチル基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピル基、n―ブチル基、イソブチル基、t―ブチル基、2―エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基等を例示できる);メタクリル酸エステル(アルコール残基は上記と同じ);2―ヒドロキシエチルアクリレート、2―ヒドロキシエチルメタクリレート、2―ヒドロキシプロピルアクリレート、2―ヒドロキシプロピルメタクリレート等の如きヒドロキシ含有モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N―メチルメタクリルアミド、N―メチルアクリルアミド、N―
    メチロールアクリルアミド、N―メチロールメタクリルアミド、N,N―ジメチロールアクリルアミド、N―メトキシメチルアクリルアミド、N―メトキシメチルメタクリルアミド、N―フェニルアクリルアミド等の如きアミド基含有モノマー;N,N―ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N―ジエチルアミノエチルメタクリレート等の如きアミノ基含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等の如きエポキシ基含有モノマー;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、及びこれらの塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等の如きスルホン酸基又はその塩を含有するモノマー;クロトン酸、イタコン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、及びそれらの塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等の如きカルボキシル基又はその塩を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の無水物を含有するモノマー;その他ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、
    アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、
    メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等の単量体の組合せからつくられたものであるが、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体の如き(メタ)アクリル単量体の成分が50モル%以上含まれているものが好ましく、特にメタクリル酸メチルの成分を含有しているものが好ましい。

    【0027】かかる水性アクリル樹脂は分子内の官能基で自己架橋することができるし、メラミン樹脂やエポキシ化合物等の架橋剤を用いて架橋することもできる。

    【0028】また前記水性ポリエステル樹脂を構成する酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、
    フタル酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン酸、2,
    6―ナフタレンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、コハク酸、5―ナトリウムスルホイソフタル酸、2―カリウムスルホテレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p―ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩等の多価カルボン酸を例示することができる。 また、ヒドロキシ化合物成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3―プロパンジオール、1,4―ブタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、p―キシリレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロパン酸カリウム等の多価ヒドロキシ化合物を例示することができる。 これらの化合物から常法によってポリエステル樹脂をつくることができる。 水性塗料をつくる点からは、5―ナトリウムスルホイソフタル酸成分又はカルボン酸塩基を含有する水性ポリエステル樹脂を用いるのが好ましい。 かかるポエステル樹脂は分子内に官能基を有する自己架橋型とすることができるし、メラミン樹脂、エポキシ樹脂のような硬化剤を用いて架橋することもできる。

    【0029】更にまた、前記水性アクリル―ポリエステル樹脂はアクリル変性ポリエステル樹脂とポリエステル変性アクリル樹脂とを包含する意味で用いており、アクリル樹脂成分とポリエステル樹脂成分とが互いに結合したものであって、例えばグラフトタイプ、ブロックタイプ等を包含する。 アクリル―ポリエステル樹脂は、例えばポリエステル樹脂の両端にラジカル開始剤を付加してアクリル単量体の重合を行わせたり、ポリエステル樹脂の側鎖にラジカル開始剤を付加してアクリル単量体の重合を行わせたり、あるいはアクリル樹脂の側鎖に水酸基を付け、末端にイソシアネート基やカルボキシル基を有するポリエステルと反応させてくし形ポリマーとする等によって製造することができる。

    【0030】本発明における内部より外部の方が軟質な粒子(以下、シェルコア粒子と呼ぶ)Bとは、内外部のそれぞれが性質の異なる物質で構成される多層構造の粒子をいう。 この場合多層とは2層以上のことをいい、性質が径方向に連続的に変化するものであっても良い。 この粒子の外部(以下シェル部と呼ぶ)はフイルム上に塗布後フイルム基部と反応し、または熱処理を行うことにより反応、溶融、軟化もしくは変形してフイルム基部に固着する機能を有し、内部(以下、コア部と呼ぶ)はシェル部と共にフイルムに適度のすべり性及び磁気ヘッドとの最適なスペーシングを与える、いわゆる粒子としての機能を担うと考えられる。 上記シェル、コア部それぞれの機能分担の観点から、シェル部にはフイルム基部との親和性に優れ、かつ製膜、熱処理温度での適切な物理的、化学的、熱的特性を持つことが要求され、コア部には機械的摩擦等によって変形せず、シェル部もしくは基層フイルムに対し相対的に大なる硬度を持つことが求められる。

    【0031】このシェルコア粒子Bのコア部の材質としては、ポリスチレン、ポリスチレン―ジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合体、メチルメタクリレート共重合架橋体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、
    ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂等の如き有機質、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、カオリン、
    タルク、グラファイト、炭酸カルシウム、長石、二硫化モリブデン、カーボンブラック、硫酸バリウム等の如き無機質のいずれを用いてもよい。

    【0032】シェル部の材質については、一般に熱可塑性樹脂が好ましく、特にアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましく、さらにはフイルム基部との親和性を高めるため、その分子中に任意の割合でフイルム基部との反応性もしくは親和性を有する官能基、具体的にはカルボキシル基、水酸基、グリシジル基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入したものが良い。
    これらの官能基は単独、場合によっては二種以上併用しても良い。 またシェル部のガラス転移温度(以下、Tg
    とする)は好ましくは80℃以下、さらに好ましくは2
    0℃以下が良い。 Tgが80℃を超えるとシェルコア粒子のフイルム上からの脱落が目立つようになる。 かかる上記組成のポリマーをシェル部に使用することにより優れた耐削れ性を発現させることができる。

    【0033】シェルコア粒子Bの粒子径d B (nm)とコア部の粒径dc B (nm)の比(d B /dc B )は、
    1.01〜3.0、好ましくは1.02〜2.0、更に好ましくは1.04〜1.5である。 この比(d B /d
    B )が3.0を超えると、多層構造を持たないシェル部の材質のみからなる有機粒子のような性質を強く帯びるようになり、熱や機械的摩擦による変形が大きくなる。 一方、1.01より小さくなると、無機粒子的な性質が強くなり、フイルムとの固着性低下、該粒子の脱落等が増加する傾向になり、また凝集率も増加する傾向になる。 いずれの場合もフイルムの加工性、磁気テープの性能に悪影響を及ぼし易く、好ましくない。

    【0034】シェルコア粒子Bの平均粒径は5〜100
    nm、好ましくは10〜50nmである。 更に粒度分布が均一であるものが好ましい。 平均粒径が5nmを下げまわるとすべり性、耐削れ性が悪化し、ロール状に巻取ったときにブロッキング現象が発生する。 一方平均粒径が100nmを超えると、粒子の脱落が発生し、耐削れ性が悪化する。 また、磁気ヘッドとのスペーシングが大きくなり、高密度の磁気記録媒体として供することが困難となる。

    【0035】シェルコア粒子Bの皮膜層Bでの凝集率は10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下である。 この凝集率が10%を超えると、粒子凝集体の異常突起としての性質が顕著となり、また粒子の脱落も発生しやすくなり、磁気テープとしての性能に悪影響を及ぼし易くなる。

    【0036】またシェルコア粒子Bのマクロ凝集物による、高さが0.5μm以上の突起頻度は50個/cm 2
    以下、好ましくは25個/cm 2以下である。 このマクロ凝集物による突起頻度が50個/cm 2を超えると、
    ドロップアウトが著しくなり、実用上問題となる。

    【0037】シェルコア粒子Bは、皮膜層Bの表面突起頻度が1×10 6 〜1×10 8個/mm 2となる量を該皮膜層B中に含有される。 この表面突起頻度が1×10
    6個/mm 2未満では磁気記録媒体としたときの走行耐久性が不足する。 一方、1×10 8個/mm 2を超えると、電磁変換特性に悪影響を及ぼす。 より好ましくは表面突起頻度は2×10 6 〜5×10 7個/mm 2 、更に好ましくは3.0×10 6 〜3.0×10 7個/mm 2
    である。

    【0038】皮膜層Bの層厚みt B (nm)とシェルコア粒子Bのコア部の粒径dc Bの比(d B /dc B
    は、0.05〜0.8、好ましくは0.08〜0.6、
    更に好ましくは0.1〜0.5である。 この比(d B
    dc B )が0.8を超えると、シェルコア粒子Bの突起形成作用が減少し、磁気記録媒体としたときの走行耐久性が不足する。 一方、0.05より小さくなると、製膜工程で各種ガイドロールとの接触によって粒子が削りとられて走行耐久性が不足したり、削り取られた粒子がフイルム上に付着堆積してドロップアウトの増加を引き起こしたりする。

    【0039】シェルコア粒子Bは、例えばコア部の粒子が存在する系で、シェル部の重合性単量体を乳化重合せしめ、コア部の粒子表面を被覆する方法で製造することができるが、粒子の製造方法によって限定されるものではない。

    【0040】本発明における皮膜層Bは熱可塑性樹脂層Aの少なくとも片面に、前述したシェルコア粒子及び水性樹脂を含む塗液、好ましくは水性塗液を塗布、乾燥することで形成するが、この塗液の固形分濃度は0.2〜
    10重量%、さらには0.5〜5重量%、特に0.7〜
    3重量%であることが好ましい。 そしてこの塗液、好ましくは水性塗液には本発明の効果を損わない範囲であれば、所望により他の成分、例えば界面活性剤、安定剤、
    分散剤、UV吸収剤、増粘剤等を添加することができる。

    【0041】塗布は最終延伸を施す以前の熱可塑性樹脂フイルムに行い、塗布後にフイルムを少なくとも一軸方向に延伸することが好ましい。 この延伸の前乃至途中で塗膜は乾燥される。 その中で、塗布は未延伸熱可塑性樹脂フイルム又は縦(一軸)延伸熱可塑性樹脂フイルムに行うことが好ましい。 塗布方法としては特に限定されないが、例えばロールコート法、ダイコート法等が好ましく挙げられる。

    【0042】本発明におけるシェルコア粒子Bを使用することによって、皮膜層B中での粒子凝集率及びマクロ凝集物の頻度が、従来の無機、有機粒子を使用した場合に比べて格段に改善されるが、その理由として粒子表面の電位変化による粒子相互の反発の増加、安定pH領域の変化、などが考えられる。

    【0043】皮膜層Bの表面の、原子間力顕微鏡(AF
    M)による表面粗さARa Bは0.3〜5.0nm、さらに0.5〜4.0nm、特に0.7〜2.5nmであり、且つ10点平均粗さARz Bは10〜100nm、
    さらに15〜70nm、特に20〜40nmであることが好ましい。 このARz Bが5.0nmを超える場合、
    あるいはARz Bが100nmを超える場合は、特に金属薄膜型磁気記録媒体としたときに電磁変換特性が悪化する。 一方、ARz Bが0.3nm未満の場合、あるいはARz B (nm)が10nm未満の場合は、滑り性が極度に悪化して走行耐久性が不足したり、磁気ヘッドに貼り付いてテープ鳴きを生じたりして実用に供することができなくなり易い。

    【0044】本発明ではフイルムの巻取り性を付与するために、熱可塑性樹脂層Aの、皮膜層Bとは接しない面に不活性粒子Cを含有する皮膜層Cを設けることが好ましい。

    【0045】皮膜層Cは塗布層として形成してもよく、
    また後述する共押出し法により形成してもよい。 皮膜層Cが塗布層である場合は、含有する不活性粒子Cは単独粒子又は大きさの違う2種以上の粒子からなり、単独粒子及は2種以上の粒子の場合の最も大きい粒子の平均粒径は20〜200nm、好ましくは30〜100nmである。 皮膜層C中の不活性粒子Cの含有量は3〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。 粒子Cの平均粒径が20nm未満、あるいは含有量が3重量%未満であると、フイルムの巻取り性、製膜工程での搬送性等の点で不十分であり、またブロッキングを起こし易くなる。 一方、平均粒径が200nmを超える場合は、粒子が塗膜から脱落しやすくなる。 また皮膜層C中の不活性粒子Cの含有量が50重量%を超える場合は皮膜層C自体の強度が低下し、削れ易くなる。

    【0046】製膜層Cに含有する不活性粒子Cとしては、ポリスチレン、ポリスチレン―ジビニルベンゼン、
    ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合体、メチルメタクリレート共重合架橋体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂等の如き有機質からなる粒子、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、カオリン、タルク、グラファイト、炭酸カルシウム、長石、二硫化モリブデン、カーボンブラック、硫酸バリウム等の如き無機質からなる粒子のいずれを用いてもよい。 また皮膜層Bに用いるシェルコア粒子であってもよい。

    【0047】前記粒子Cを含有して、塗布層を形成する樹脂としては、皮膜層Bの形成に用いた水性樹脂と同じ樹脂を例示することができる。 またこれらに更にセルロース系樹脂を含有させてもよい。

    【0048】皮膜層Cが共押出し法により形成される場合は、含有する不活性粒子Cが単独粒子又は大きさの違う2種以上の粒子からなり、単独粒子及は2種以上の粒子の場合の最も大きい粒子の平均粒径は100〜100
    0nm、好ましくは100〜500nmである。 皮膜層C中の不活性粒子Cの含有量は0.001〜5.0重量%、好ましくは0.005〜1.0重量%である。 平均粒径が100nm未満、あるいは含有量が0.001重量%未満であると、フイルムの巻取り性、製膜工程での搬送性等の点で不十分であり、またブロッキングを起こし易くなる。 一方、平均粒径が1000nmを超える場合、あるいは含有量が5.0重量%を超える場合は、皮膜層B側の面への突き上げ効果が著しくなり、電磁変換特性の悪化が起こる。 不活性粒子Cの種類としては皮膜層Cを塗布層とした場合に用いた粒子と同じ粒子を例示できる。

    【0049】本発明の積層フイルムは、従来から知られている、或いは当業界に蓄積されている方法で製造することができる。

    【0050】例えば、二軸配向ポリエステルフイルムで説明すると、塗布法の場合まず、前記熱可塑性樹脂Aを口金より融点Tm℃〜(Tm+70)℃の温度でフイルム状に押出した後、40〜90℃で急固化し未延伸フイルムを得る。 しかる後に、該未延伸フイルムを常法に従って一軸方向(縦方向又は横方向)に(Tg−10)
    〜(Tg+70)℃の温度(但し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5〜8.0倍の倍率で、好ましくは3.0〜7.5倍の倍率で延伸し、次いで、皮膜層B、Cを形成する塗液をフイルム両面に塗布し、その後に前記方向とは直方向にTg〜(Tg+70)℃温度で2.5〜8.0倍の倍率で、好ましくは3.0〜
    7.5倍の倍率で延伸する。 更に必要に応じて縦方向及び/又は横方向に再度延伸しても良い。 即ち、2段、3
    段、4段、或いは多段の延伸を行うと良い。 全延伸倍率は、面積延伸倍率として通常9倍以上、好ましくは12
    〜35倍、更に好ましくは15〜26倍である。 更に引き続いて、二軸配向フイルムを(Tg+70)〜(Tm
    −10)℃の温度、例えば180〜250℃で熱固定結晶化することによって優れた寸法安定性が付与される。
    なお、熱固定時間は1〜60秒が好ましい。

    【0051】共押出し法の場合、層A、層C用の、2種の熱可塑性樹脂を押出し口金内又は口金以前(一般に前者はマルチマニホールド方式、後者はフィードブロック方式と呼ぶ)で溶融状態にて積層複合し、好適な厚み比となして共押出しをして二層積層の未延伸フイルムとし、かつ一軸延伸後に皮膜層Bを形成する塗液を塗布する以外は前記塗布法と同様に行うと良い。 かかる方法により、層間密着性の良い二軸配向積層ポリエステルフイルムが得られる。

    【0052】なお、積層フイルムの製造に際し、熱可塑性樹脂に、所望により上述の不活性粒子以外の添加剤、
    例えば安定剤、着色剤、溶融ポリマーの固有抵抗調整剤等を添加含有させることができる。

    【0053】本発明の積層フイルムは、皮膜層Bの表面に、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法により、鉄、コバルト、クロム又はこれらを主成分とする合金もしくは酸化物より成る強磁性金属薄膜層を形成し、またその表面に、目的、用途、必要に応じてダイアモンドライクカーボン(DLC)等の保護層、
    含フッ素カルボン酸系潤滑層を順次設け、更に熱可塑性樹脂層A又は皮膜層Cの表面に公知のバックコート層を設けることにより、特に短波長領域の出力、S/N,C
    /N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用蒸着型磁気記録媒体とすることが出来る。 この蒸着型電磁記録媒体は、アナログ信号記録用Hi8、ディジタル信号記録用ディジタルビデオカセットレコーダー(DVC)、データ8ミリ、DD
    SIV用テープ媒体として極めて有用である。

    【0054】本発明の積層フイルムは、また、皮膜層B
    の表面に、鉄又は鉄を主成分とする針状微細磁性粉を塩化ビニール、塩化ビニール・酢酸ビニール共重合体等のバインダーに均一分散し、磁性層厚みが1μm以下、好ましくは0.1〜1μmとなるように塗布し、更に熱可塑性樹脂層A又は皮膜層Cの表面に公知の方法でバックコート層を設けることにより、特に短波長領域での出力、S/N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用メタル塗布型磁気記録媒体とすることが出来る。 また、必要に応じて皮膜層Bの上に、該メタル粉含有磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー中に分散、塗設することもできる。 このメタル塗布型磁気記録媒体は、アナログ信号記録用8ミリビデオ、Hi8、βカムSP、W―VHS、
    ディジタル信号記録用ディジタルビデオカセットコーダー(DVC)、データ8ミリ、DDSIV、ディジタルβ
    カム、D2、D3、SX等用テープ媒体として極めて有用である。

    【0055】本発明の積層フイルムは、また、皮膜層B
    の表面に、酸化鉄又は酸化クロム等の針状微細磁性粉、
    又はバリウムフェライト等の板状微細磁性粉を塩化ビニール、塩化ビニール・酢酸ビニール共重合体等のバインダーに均一分散し、磁性層厚みが1μm以下、好ましくは0.1〜1μmとなるように塗布し、更に熱可塑性樹脂層A又は皮膜層Cの上に公知の方法でバックコート層を設けることにより、特に短波長領域での出力、S/
    N,C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、
    エラーレートの少ない高密度記録用塗布型磁気記録媒体とすることが出来る。 また、必要に応じて皮膜層Bの上に、該メタル粉含有磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー中に分散、塗設することも出来る。 この酸化物塗布型磁気記録媒体は、ディジタル信号記録用データストリーマー用QIC等の高密度酸化物塗布型磁気記録媒体として有用である。

    【0056】上述のW―VHSはアナログのHDTV信号記録用VTRであり、またDVCはディジタルのHD
    TV信号記録用として適用可能なものであり、本発明のフイルムはこれらHDTV対応VTR用磁気記録媒体に極めて有用なベースフイルムと言うことができる。

    【0057】

    【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。 尚、本発明において用いた測定法は次の通りである。

    【0058】(1)粒子の平均粒径I(平均粒径:0.
    06μm以上) 島津製作所製CP―50型セントリフューグル パーティクル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle
    Size Analyzer)を用いて測定する。 得られる遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、50マスパーセントに相当する粒径「等価球直径」を読み取り、この値を上記平均粒径とする(Book
    「粒度測定技術」日刊工業新聞発行、1975年、頁2
    42〜247参照)。

    【0059】(2)粒子の平均粒径II(平均粒径:0.
    06μm未満) 小突起を形成する平均粒径0.06μm未満の粒子は、
    光散乱法を用いて測定する。 即ち、Nicomp In
    struments Inc. 社製のNICOMP M
    ODEL 270 SUBMICRON PARTIC
    LE SIZER により求められる全粒子の50重量%の点にある粒子の「等価球直径」をもって表示する。

    【0060】(3)体積形状係数f 走査型電子顕微鏡により用いたサイズに応じた倍率にて各粒子の写真を撮影し、画像解析処理装置ルーゼックス500(日本レギュレーター製)を用い、投影面最大径及び粒子の体積を算出し、次式により算出する。

    【0061】

    【数8】f=V/d 3式中、fは体積形状係数、Vは粒子の体積(μm 3 )、
    dは投影面の最大径(μm)を表す。

    【0062】(4)層厚及びコアシェル粒子のコア部粒径 フイルムの全厚はマイクロメーターにてランダムに10
    点測定し、その平均値を用いる。 層厚は、薄い側の層厚を以下に述べる方法にて測定し、また厚い側の層厚は全厚より薄い側の層厚に引き算して求める。 即ち、二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層から深さ5000nmの範囲のフイルム中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃度比(M + /C + )を粒子濃度とし、表面から深さ500
    0nmまで厚さ方向の分析を行う。 表層では表面という界面の為に粒子濃度は低く、表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。 本発明の場合、粒子濃度は一旦安定値1になった後、上昇或いは減少して安定値2になる場合と、単調に減少する場合とがある。 この分布曲線をもとに、前者の場合は(安定値1+安定値2)/2の粒子濃度を与える深さをもって、また後者の場合は粒子濃度が安定値1の1/2になる深さ(この深さは安定値1
    を与える深さよりも深い)をもって、当該層の層厚とする。

    【0063】測定条件は以下の通りである。 測定装置 二次イオン質量分析装置(SIMS):PERKIN
    ELMER社製 6300 測定条件 一次イオン種 :O2+ 一次イオン加速電圧:12KV 一次イオン電流:200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10 -9 Torr E―GUNN :0.5KV―3.0A

    【0064】尚、表層から5000nmの範囲に最も多く含有する粒子がシリコーン樹脂以外の有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面からエッチングしながらFT―IR(フーリエトランスフォーム赤外分光法)、粒子によってはXPS(X線高電子分光法)等で上記同様の濃度分布曲線を測定し、層厚を求める。

    【0065】以上は共押出し層の場合に有効な測定法であって、塗布層の場合はフイルムの小片をエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロトームにて約60nmの厚みの超薄切片(フイルムの流れ方向に平行に切断する)を作成し、この試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所製H―
    800型)にて観察し、層の境界面より層厚みを求める。 コアシェル粒子のコア部の粒径もこの超薄切片の断面より観察し、求める。

    【0066】(5)AFM表面粗さARa及びARz Digital Instruments社製の原子間力顕微鏡Nano ScopeIII AFMのJスキャナーを使用し、以下の条件で算出されるARa(2乗平均粗さ)及びArz(10点平均粗さ)を測定する。 探針:単結合シリコンセンサー 走査モード:タッピングモード 走査範囲:2μm×2μm 画素数:256×256データポイント スキャン速度:2.0Hz 測定環境:室温、大気中

    【0067】(6)粒子突起の個数、凝集率 SEM(走査電子顕微鏡、日本電子製T―300型)を使用して、積層フイルムの表面を倍率5千倍あるいは3
    万倍、角度0°で20枚写真撮影して、粒状突起の数をカウントし、その平均値を面積換算により個/mm 2当たりの突起個数として算出する。 また凝集率は同じSE
    M写真を用いて下記式にて算出する。 凝集率(%)=[(2個以上の粒子が凝集した凝集塊の総数)/(1個以上の粒子塊の総数)]×100

    【0068】(7)マクロ凝集物による突起の高さと頻度 積層フイルムの皮膜層Bの面に真空蒸着法により傾斜角45°の角度から0.2μmの厚みになるようにアルミニウム薄膜を形成し、透過顕微鏡にて倍率400倍で1
    cm 2を走査観察し、突起の影による非蒸着部の最大長さ(突起高さに相当)が0.2mm以上の透過光の個数をカウントする。 (即ち、高さが0.2mm/400=
    0.5μm以上の粗大なマクロ凝集物による突起頻度をカウント。 )

    【0069】(8)耐削れ性 フイルムを25〜30cm長さ、幅1/2インチにサンプリングし、レザー刃を皮膜層Bの面に対し90°の角度、深さ0.5mmの条件であてがい、荷重500g/
    0.5インチ、速度6.7cm/secで走行させたときに、レザー刃に付着した削れ粉の深さ方向の幅を顕微鏡写真撮影(×160倍)して求めた。 削れ粉の深さ方向の幅が3μm以下を(◎)、3μm〜5μmを(○)、5μm以上を(×)とした。 削れ粉の深さ方向の幅が小さいほど削れ性に優れている。

    【0070】(9)巻き取り性 スリット時の巻き取り条件を最適化後、幅560mm×
    長さ9000mのサイズで、10ロールのスリットを行い、1週間放置後の、フイルムシワの発生のないロール本を良品として、以下の基準にて巻き取り性の評価をする。 良品ロール本数 判定基準 8本以上 ◎ 5〜7本 ○ 3〜4本 × 2本以下 ××

    【0071】(10)磁気テープの製造及び特性評価 積層フイルムの皮膜層Bの表面に、真空蒸着法により、
    コバルト100%の強磁性薄膜を0.02μmの厚みになるように2層(各層厚約0.1μm)形成し、その表面にダイアモンドライクカーボン(DLC)膜、更に含フッ素カルボン酸系潤滑層を順次設け、更に熱可塑性樹脂A又は皮膜層Cの表面に公知方法でバックコート層を設ける。 その後、8mm幅にスリットし、市販の8mm
    ビデオカセットにローディングする。 次いで、以下の市販の機器を用いてテープの特性を測定する。 使用機器: 8mmビデオテープレコーダー:ソニー(株)製EDV
    ―6000 C/N測定:シバソク(株)製ノイズメーター

    【0072】C/N測定 記録波長0.5μm(周波数約7.4MHz)の信号を記録し、その再生信号の6.4MHzと7.4MHzの値の比をそのテープのC/Nとし、市販8mmビデオ用蒸着テープのC/NをOdBとし、相対値で表す。 ◎ :+2dB以上 ○ :−1〜+2dB × :−4〜−2dB ××:−4dB以下

    【0073】 ドロップアウト(D/O)測定 ドロップアウトカウンターを用いて、15μs/18d
    Bにて1分間当たりの個数を測定する。 ◎ :0〜10個/分 ○ :10〜20個/分 × :20〜50個/分 ××:50個/分以上

    【0074】走行耐久性 40℃、80%RHで、テープ、走行速度85cm/分で記録再生を500回繰り返した後のC/Nを測定し、
    初期値からのずれを次の基準で判定する。 ◎ :初期値に対して+0.0dB以上 ○ :初期値に対して−1.0dB〜+0.0dB × :初期値に対して−1.0dB未満

    【0075】[実施例1]ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤として亜燐酸を、更に滑剤として表1に示す不活性粒子を添加して常法により重合し、ポリエチレンテフタレート(PET)を得た。

    【0076】このポリエチレンテレフタレートを70℃
    で3時間乾燥後、押出し機に供給し、溶融温度280〜
    300℃にて溶融して、ダイよりシート状に押し出し、
    急冷して厚さ84μmの未延伸フイルムを得た。

    【0077】得られた未延伸フイルムを予熱し、更に低速・高速のロール間でフイルム温度95℃にて縦方向に3.2倍に延伸し、急冷し、次いで縦延伸フイルムの一方の面に表1の皮膜層Bの水性樹脂および粒子Bを含む水性塗液を、もう一方の反対の面に表2の皮膜層Cの樹脂および粒子Cを含む水性塗液を各々0.005μm、
    0.015μm(延伸乾燥後)の厚みになるよう塗布し、続いてステンターに供給し、110℃にて横方向に4.1倍に延伸した。 得られた二軸延伸フイルムを22
    0℃の熱風で4秒間熱固定し、厚み6.4μmの積層二軸配向ポリエステルフイルムを得た。

    【0078】[実施例2、比較例4、7、9]皮膜層B
    と皮膜層Cの樹脂及び粒子、熱可塑性樹脂層Aの厚みを表1、2のように変更する以外は実施例1と同様の方法で積層二軸配向ポリエステルフイルムを得た。

    【0079】[実施例3、比較例2、6]表1、2の熱可塑性樹脂層A、皮膜層C用のポリエチレンテレフタレートをそれぞれ2台の押し出し機に供給して、マルチマニホールド型共押出しダイを用いて積層し、表1の皮膜層Bの水性樹脂及び粒子Bを含む水性塗液を皮膜層C側の面と反対の面に塗布する以外は実施例1と同様の方法で積層二軸配向ポリエステルフイルムを得た。

    【0080】[実施例4、5、比較例1、3、5、1
    0]表1に示す粒子を用い、かつジメチルテレフタレートの代わりに2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチルを同モル量使用した以外は実施例1と同様の方法でポリエチレン―2,6―ナフタレート(PEN)を得た。

    【0081】このポリエチレン―2,6―ナフタレートを170℃で6時間乾燥後、実施例1と同様にして、各実施例、比較例を満たす未延伸フイルムを得た。

    【0082】得られた未延伸フイルムを予熱し、更に低速・高速のロール間でフイルム温度135℃にて縦方向に3.6倍に延伸し、急冷し、次いで表1、2に示す皮膜層B及び皮膜層Cの水性塗液を実施例1と同様に塗布し、続いてステンターに供給し、155℃にて横方向に6.0倍に延伸した。 得られた二軸延伸フイルムを20
    0℃の熱風で4秒間熱固定し、積層二軸配向ポリエステルフイルムを得た。

    【0083】[実施例6、比較例8]ポリエチレンテレフタレートの代りに、表1に示すようにポリエチレン―
    2,6―ナフタレートを用いる以外は実施例3と同様の方法で積層二軸配向ポリエステルフイルムを得た。

    【0084】

    【表1】

    【0085】

    【表2】

    【0086】実施例1〜6及び比較例1〜10で得られた積層二軸配向フイルムの表面特性、シェルコア粒子の粒子径d Bとコア部の粒径の比d B /dc B 、皮膜層B
    の層厚みt Bとシェルコア粒子のコア部の粒径dc Bの比t B /dc B 、耐削れ性、巻き取り性、このフイルムを用いた強磁性薄膜蒸着磁気テープの特性を表3に示す。

    【0087】

    【表3】

    【0088】表3から明らかなように、本発明による積層フイルムは製膜工程での削れ性、巻取り性に優れ、磁気記録媒体として用いられる場合に電磁変換特性、ドロップアウト特性、走行耐久性に極めて優れる。 一方、本発明の要件を満たさないものはこれらの特性を同時に満足することはできない。

    【0089】

    【発明の効果】本発明によれば、製膜工程での削れ性、
    巻取り性に優れ、かつ電磁変換特性、ドロップアウト特性、走行耐久性に優れた磁気記録媒体のベースフイルムとして有用な積層フイルムを提供することができる。

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