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縮合二環式SGC刺激剤

阅读:0发布:2021-01-10

专利汇可以提供縮合二環式SGC刺激剤专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本開示は、本開示は、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の刺激剤、これを含む医薬製剤、および、単独または1以上の追加的薬剤との組み合わせでの、さまざまな疾患を処置するためのその使用に関する。これに関し、 酸化 窒素(NO)の濃度上昇またはサイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)の濃度上昇またはその両方、あるいはNO経路のアップレギュレーションが望ましい。 化合物は式(I)である。 【選択図】なし,下面是縮合二環式SGC刺激剤专利的具体信息内容。

式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩 [式中: 環EおよびAは、分子のコアを形成し、芳香族であり;XおよびYの各事例は、NまたはCから独立して選択され;これに関し、XおよびYの最大4事例は同時にNであり; Wは、 i)存在せず、JBが、2つのJ基を持つ炭素原子に直接接続しており、各Jは、独立して素またはメチルから選択され、nは1であり、JBは、最大9事例のフッ素によって置換されていてもよいC1−7アルキル鎖であるか:あるいは ii)環Bであり、該環Bは、フェニル、C3−7シクロアルキル環、または1もしくは2個の環窒素原子を含有する5もしくは6員ヘテロアリール環であり; 環Bがフェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール環である場合;各Jは、独立して水素またはメチルから選択され;nは、0〜3から選択される整数であり;各JBは、独立して、ハロゲン、−CN、C1−6脂肪族基、−ORB、またはC3−8脂環式環から選択され; 環BがC3−7シクロアルキル環である場合;各Jは水素であり;nは、0〜3から選択される整数であり、各JBは、独立して、ハロゲン、−CN、C1−6脂肪族基または−ORB1から選択され; C1−6脂肪族基である各JB、およびC3−8脂環式環である各JBは、独立して、最大3事例のR3で置換されていてもよく; 各RBは、独立して、C1−6脂肪族基またはC3−8脂環式環から選択され;前記RBは、独立して、最大3事例のR3aで置換されていてもよく; 各RB1は、独立して、水素、C1−6脂肪族基またはC3−8脂環式環から選択され;これに関し、前記C1−6脂肪族基のそれぞれ、および前記C3−8脂環式環のそれぞれは、独立して、最大3事例のR3bで置換されていてもよく; 各R3、R3aおよびR3bは、各事例において、独立して、ハロゲン、−CN、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、−O(C1−4アルキル)または−O(C1−4ハロアルキル)から選択され; pは、1、2または3から選択される整数であり; 各JCは、独立して、水素、ハロゲン、C1−4脂肪族基、C1−4アルコキシまたは−CNから選択され;これに関し、各前記C1−4脂肪族基およびC1−4アルコキシは、独立して、最大3事例のC1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、−OHまたはハロゲンによって置換されていてもよく; Q、GおよびZは、それぞれ独立してN、SまたはOであり、これに関し、Q、GおよびZの少なくとも2つはNであり; qは、0、1または2であり; R10は、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい5もしくは6員ヘテロアリール、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、または独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい3〜8員ヘテロシクリルであり;これに関し、前記5〜6員ヘテロアリール環のそれぞれ、および前記3〜8員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し; R11は、H、−NRa2Rb2、−C(O)NRa2Rb2、−C(O)R15a、−SO2Rb2、−SRb2、ハロ、−OCF3、−CN、ヒドロキシル、独立して0〜2個の存在のRb2で置換されていてもよいC2−6アルケニル、独立して0〜2個の存在のRb2で置換されていてもよいC2−6アルキニル;独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキル、独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい5〜6員ヘテロアリール、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、または独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい3〜8員ヘテロシクリルであり;これに関し、前記5〜6員ヘテロアリールのそれぞれ、および前記3〜8員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し;あるいは、 R10がZの置換基である場合、R10およびR11は、Z、およびR11が付着している炭素と一緒になって、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい3〜10員複素環式環を形成し;これに関し、前記3〜10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し; R15は、ハロ、−ORb2、−SRb2、−NRa2Rb2、−C(O)Rb2、−C(O)NRa2Rb2、−NRb2C(O)ORb2、−OC(O)NRa2Rb2、C2−4アルケノキシ、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよい5もしくは6員ヘテロアリール、または独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルであり;これに関し、前記5もしくは6員ヘテロアリール環のそれぞれ、および前記3〜10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し; R15aは、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよい5もしくは6員ヘテロアリール、または独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルであり;これに関し、前記5もしくは6員ヘテロアリール環のそれぞれ、および前記3〜10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し; 各R18は、独立して、ハロ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキルまたはフェニルから選択され; Ra2は、水素、−C(O)Rb2、C1−6アルキルまたはC1−6ハロアルキルであり;そして Rb2は、水素、C1−6アルキルまたはC1−6ハロアルキルである]。Wが環Bであり、化合物が、式IIB: の1つ、または医薬的に許容しうるその塩である、請求項1に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。nが、1または2から選択される整数であり、各JBが、独立して、ハロゲン、C1−4アルキル、−ORBまたは−ORB1から選択される、請求項2に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。nが1である、請求項3に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。各JBが、独立してハロゲン原子から選択される、請求項3もしくは請求項4に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。各JBが、独立してフルオロまたはクロロから選択される、請求項5に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。各JBがフルオロである、請求項6に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。各JBがC1−4アルキルである、請求項3もしくは請求項4に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。各JBがエチルまたはメチルから選択される、請求項8に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。各JBがメチルである、請求項9に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。nが2であり、各JBがハロゲン原子である、請求項3に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。各JBが、独立してクロロまたはフルオロから選択される、請求項11に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。一方のJBがフルオロで、もう一方のJBがクロロである、請求項12に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。各JBがフルオロである、請求項12に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。nが0である、請求項2に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。環Bがフェニルである、請求項2に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。nが1または2である、請求項16に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。JBが、環Bと分子のコアとの間のメチレンリンカーの付着部に対しオルト位にあり、JBがハロゲンである、請求項17に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。JBがフルオロである、請求項18に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。JBがクロロである、請求項18に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。環Bが6員ヘテロアリール環である、請求項2に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。環Bがピリジル環である、請求項21に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。環Bがピリミジニル環である、請求項21に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。Wが存在せず、化合物が、式IIA: [式中、JBは、最大9事例のフッ素によって置換されていてもよいC1−7アルキル鎖である] の1つ、または医薬的に許容しうるその塩である、請求項1に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。JBが、最大5事例のフッ素によって置換されていてもよいC1−4アルキル鎖である、請求項24に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。JBが、最大5事例のフッ素によって置換されていてもよいC1−2アルキル鎖である、請求項25に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。JBが、3または5事例のフッ素によって置換されていてもよいエチル鎖である、請求項26に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。G、ZおよびQがそれぞれNである、請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。化合物が、式III: の1つ、または医薬的に許容しうるその塩、またはその任意の互変異性体である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R11が、H、NRa2Rb2、−C(O)NRa2Rb2、−C(O)R15a、−SO2Rb2、−SRb2、ハロ、−OCF3、−CN、ヒドロキシル、独立して0〜2個の存在のRb2で置換されていてもよいC2−6アルケニル、独立して0〜2個の存在のRb2で置換されていてもよいC2−6アルキニル;独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい5または6員ヘテロアリール、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、または独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい3〜8員ヘテロシクリルである、請求項1〜29のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R11が、Hであるか、独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキルである、請求項30に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R11が、独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキルである、請求項31に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R11が、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいメチルである、請求項32に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。各事例においてR15がハロである、請求項33に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。各事例においてR15がフルオロである、請求項34に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R11が非置換メチルである、請求項33に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R11が、2個の存在のR15で置換されているメチルである、請求項33に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R15がハロである、請求項37に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R11が−CF2Hである、請求項38に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R11が、独立して3個の存在のR15で置換されているメチルである、請求項33に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R15がハロである、請求項40に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R11が−CF3である、請求項31に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R11が、独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいエチルである、請求項32に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R11が、独立して5個の存在のR15で置換されていてもよいエチルであり、R15がハロである、請求項43に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。R15がフルオロである、請求項44に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。qが0である、請求項1〜45のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。環EおよびAによって形成されるコアが以下: [式中、記号*が付いているC原子は、G、ZおよびQを含有する環への付着点を表し;記号**が付いているC原子は、2事例のJの付着点を表す] から選択される、請求項1〜46のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。環EおよびAによって形成されるコアが以下: から選択される、請求項47に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。各事例のJCが水素である、請求項47もしくは請求項48に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。前記化合物が、表1に挙げた化合物から選択される、請求項1に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩。請求項1〜50のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容しうるその塩と、少なくとも1つの医薬的に許容しうる賦形剤またはキャリヤーとを含む医薬組成物。疾患、健康状態または障害の処置を必要としている被験対象におけるその処置方法であって、治療的有効量の請求項1〜50のいずれか一項に記載の化合物、または医薬的に許容しうるその塩、または請求項51に記載の医薬組成物を、処置を必要としている被験対象に投与することを含む方法、これに関し、該疾患、健康状態または障害は、以下から選択される中枢神経系(CNS)の疾患、健康状態または障害である: ・アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはルー・ゲーリック病)、ダウン症候群、認知症、血管性認知症、血管性認知障害、ビンスワンガー型認知症(皮質下動脈硬化性脳症)、皮質下梗塞および白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASILまたはCADASIL症候群)、前頭側頭葉変性症または認知症、HIV関連認知症、レビー小体型認知症、初老期認知症(軽度認知障害、MCI)、緑内障、ハンチントン病(または舞踏病、HD)、多発性硬化症(MS)、多系統萎縮症(MSA)、パーキンソン病、パーキンソニズム・プラス、脊髄小脳運動失調症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー疾患(進行性核上性麻痺)、注意欠陥障害(ADD)および注意欠陥多動性障害(ADHD); ・神経障害痛; ・双極性障害、統合失調症、一般的精神病、薬物誘発性精神病、妄想性障害、分裂情動性障害、強迫性障害(OCD)、抑うつ障害、不安障害、パニック障害、または外傷後ストレス障害(PTSD)から選択される精神医学的、精神的、気分的または情動的障害; ・脳への外傷性(非開放性または開放性、貫通性頭部損傷)または非外傷性(脳卒中、動脈瘤、低酸素症)損傷、あるいは脳損傷または神経変性疾患に起因する認知機能障害または機能不全; ・筋緊張異常、例えば、全身性、局所性、分節性、性的、中間型、急性筋緊張異常反応、および遺伝性/原発性筋緊張異常;ならびに運動障害、例えば、急性、慢性/晩発性、および非運動性およびレボドーパ誘発性運動障害(LID); ・シナプス可塑性およびシナプスプロセスの相対的低下によって特徴付けられる障害、例えば、脆弱X、レット障害、ウィリアムズ症候群、レンペニング症候群、自閉症スペクトラム障害、例えば、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害および小児期崩壊性障害; ・ケモブレイン、レボドーパ誘発性常習性挙動、アルコール依存症、麻薬依存症(アンフェタミン、アヘンまたは他の物質を含む)および物質乱用。疾患、健康状態または障害が、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはルー・ゲーリック病)、ダウン症候群、認知症、血管性認知症、血管性認知障害、ビンスワンガー型認知症(皮質下動脈硬化性脳症)、皮質下梗塞および白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASILまたはCADASIL症候群)、前頭側頭葉変性症または認知症、HIV関連認知症、レビー小体型認知症、初老期認知症(軽度認知障害、MCI)、緑内障、ハンチントン病(または舞踏病、HD)、多発性硬化症(MS)、多系統萎縮症(MSA)、パーキンソン病、パーキンソニズム・プラス、脊髄小脳運動失調症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー疾患(進行性核上性麻痺)、注意欠陥障害(ADD)および注意欠陥多動性障害(ADHD)から選択される、請求項52に記載の方法。疾患、健康状態または障害が神経障害痛である、請求項52に記載の方法。疾患、健康状態または障害が、双極性障害、統合失調症、一般的精神病、薬物誘発性精神病、妄想性障害、分裂情動性障害、強迫性障害(OCD)、抑うつ障害、不安障害、パニック障害、または外傷後ストレス障害(PTSD)から選択される精神医学的、精神的、気分的または情動的障害である、請求項52に記載の方法。疾患、健康状態または障害が、脳への外傷性または非外傷性損傷、あるいは脳損傷または神経変性疾患に起因する認知機能障害または機能不全から選択される、請求項52に記載の方法。疾患、健康状態または障害が、アルツハイマー病または前アルツハイマー病、軽度〜中等度のアルツハイマー病または中等度〜重度のアルツハイマー病から選択される、請求項52に記載の方法。疾患、健康状態または障害が、筋緊張異常または運動障害から選択される、請求項52に記載の方法。疾患、健康状態または障害が、シナプス可塑性およびシナプスプロセスの相対的低下によって特徴付けられる障害、例えば、脆弱X、レット障害、ウィリアムズ症候群、レンペニング症候群、自閉症スペクトラム障害、例えば、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害および小児期崩壊性障害から選択される、請求項52に記載の方法。疾患、健康状態または障害が、ケモブレイン、レボドーパ誘発性常習性挙動、アルコール依存症、麻薬依存症(アンフェタミン、アヘンまたは他の物質を含む)および物質乱用から選択される、請求項52に記載の方法。疾患、健康状態または障害の処置を必要としている被験対象におけるその処置方法であって、治療的有効量の請求項1〜50のいずれか一項に記載の化合物、または医薬的に許容しうるその塩、または請求項51に記載の医薬組成物を、処置を必要としている被験対象に投与することを含む方法、これに関し、該疾患、健康状態または障害は、以下から選択される: ・高血圧および冠動脈血流量減少に関連する障害、急性および慢性冠動脈血圧上昇、動脈高血圧、心臓および腎臓の合併症に起因する血管障害、心疾患、脳卒中、脳虚血、腎不全、抵抗性高血圧、糖尿病性高血圧、うっ血性心不全、拡張期または収縮期機能障害、冠動脈機能不全、不整脈、心室前負荷の減少、心肥大、心不全/心腎症候群、門脈圧亢進、内皮機能不全または損傷; ・血栓塞栓性障害、虚血、心筋梗塞、脳卒中、一過性虚血発作(TIA)、閉塞性血栓性血管炎、安定または不安定狭心症、冠動脈痙攣、異型狭心症、プリンツメタル狭心症、血栓溶解療法後の再狭窄の予防、血栓形成障害; ・以下から選択される中枢神経系疾患、健康状態または障害:アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症候群、認知症、血管性認知症、血管性認知障害、ビンスワンガー型認知症、皮質下梗塞および白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症、前頭側頭葉変性症または認知症、HIV関連認知症、レビー小体型認知症、初老期認知症、緑内障、ハンチントン病、多発性硬化症、多系統萎縮症、パーキンソン病、パーキンソニズム・プラス、脊髄小脳運動失調症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー疾患、注意欠陥障害および注意欠陥多動性障害、アルツハイマー病または前アルツハイマー病、軽度〜中等度のアルツハイマー病または中等度〜重度のアルツハイマー病、外傷性(非開放性または開放性、貫通性頭部損傷)脳損傷(TBI)、脳への非外傷性(脳卒中、動脈瘤、低酸素症)損傷、脳損傷または神経変性疾患に起因する認知機能障害または機能不全、筋緊張異常、運動障害、シナプス可塑性およびシナプスプロセスの相対的低下によって特徴付けられる障害、脆弱X、レット障害、ウィリアムズ症候群、レンペニング症候群、自閉症スペクトラム障害、例えば、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、小児期崩壊性障害、神経障害痛、双極性障害、統合失調症、一般的精神病、薬物誘発性精神病、妄想性障害、分裂情動性障害、強迫性障害、抑うつ障害、不安障害、パニック障害、外傷後ストレス障害、ケモブレイン、レボドーパ誘発性常習性挙動、アルコール依存症、麻薬依存症または物質乱用; ・末梢動脈疾患、末梢閉塞性動脈疾患、末梢血管疾患、筋緊張亢進、レイノー症候群または現象、重篤な下肢虚血、血管炎、末梢塞栓症、間欠性跛行、血管閉塞性発症、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、微小循環異常、血管漏出または透過性の制御; ・ショック、敗血症、心原性ショック、白血球活性化の制御、血小板凝集の阻害または調節; ・高血圧、肺動脈高血圧、関連する肺血管リモデリング、限局性血栓症、右心肥大、肺筋緊張亢進、原発性肺高血圧、続発性肺高血圧、家族性肺高血圧、散発性肺高血圧、前毛細血管性肺高血圧、特発性肺高血圧、血栓性肺動脈症、多因性肺動脈症、嚢胞性線維症、気管支収縮または肺気管支収縮、急性呼吸窮迫症候群、肺線維症、肺移植; ・以下に付随または関連する肺高血圧:左心室機能不全、低酸素血症、WHOグループI、II、III、IVおよびVの高血圧、僧帽弁疾患、収縮性心膜炎、大動脈弁狭窄、心筋症、縦隔線維症、肺線維症、肺静脈還流異常、肺静脈閉塞性疾患、肺血管炎、膠原血管病、先天性心疾患、肺静脈高血圧、間質性肺疾患、睡眠呼吸障害、睡眠時無呼吸、肺胞低換気障害、高高度への慢性的暴露、新生児肺疾患、肺胞−毛細血管異形成、鎌状赤血球症、他の凝固障害、慢性血栓塞栓症、肺塞栓症(腫瘍、寄生生物または異物に起因する)、結合組織病、狼瘡、住血吸虫症、サルコイドーシス、慢性閉塞性肺疾患、喘息、気腫、慢性気管支炎、肺毛細血管血管腫症、組織球症X、リンパ管腫症、および圧縮肺血管(腺症、腫瘍または線維化性縦隔炎に起因するものなど); ・アテローム性動脈硬化症(例えば、内皮損傷、血小板および単球の付着および凝集、平滑筋増殖および遊走に関連するもの)、再狭窄(例えば、血栓溶解療法、経皮経腔的血管形成術(PTA)、経皮経腔的冠動脈血管形成術(PTCA)およびバイパス手術後に発現するもの)、炎症; ・メタボリックシンドロームに関連する心臓血管疾患(例えば、肥満、脂質異常症、糖尿病、高血圧)、脂質異常症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、脂肪肝疾患、肝炎、子癇前症、多嚢胞腎疾患進行、皮下脂肪、肥満; ・慢性肝疾患、肝線維症、肝星細胞活性化、肝線維コラーゲンおよび全コラーゲン蓄積に関連する肝硬変;壊死炎症性および/または免疫由来の肝疾患;慢性腎疾患または腎機能不全(例えば、蓄積/沈着および組織損傷、進行性硬化症、糸球体腎炎に起因するもの)に起因する腎線維症および腎不全;前立腺肥大全身性硬化症;心臓間質性線維症;心臓のリモデリングおよび線維症;心肥大;非アルコール性脂肪肝炎またはNASH; ・虚血、再潅流傷害;臓器移植、肺の移植、肺移植、心臓移植に関連する虚血/再潅流;外傷患者における代用血液維持; ・勃起障害;インポテンス;早漏;女性性的機能不全、膣萎縮、性交疼痛、萎縮性膣炎;良性前立腺過形成(BPH)または肥大または拡大;膀胱出口閉塞;膀胱痛症候群(BPS)、間質性膀胱炎(IC)、過活動膀胱、神経因性膀胱および失禁;糖尿病性腎症; ・緑内障、網膜症、糖尿病性網膜症、眼瞼炎、ドライアイ症候群、シェーグレン症候群; ・難聴、部分的または全体的聴損失;部分的または全体的聴覚消失;鳴り;雑音性聴力損失; ・真皮線維症、強皮症、皮膚線維症; ・微小血管潅流改善(例えば、損傷後、周術期ケアにおける炎症性応答に対抗するため)、裂肛、糖尿病性潰瘍;ならびに、 がん転移、骨粗鬆症、胃不全麻痺;機能性消化不良;糖尿病性合併症、内皮機能不全に関連する疾患、酸化窒素産生減少に関連する神経障害、アカラシアまたは食道アカラシア。疾患、健康状態または障害の処置または予防を必要としている被験対象におけるその処置または予防方法であって、治療的有効量の請求項1〜50のいずれか一項に記載の化合物を単独または併用療法で被験対象に投与することを含む方法、これに関し、該疾患または障害は、sGCの刺激またはNOもしくはcGMPもしくはその両方の濃度上昇から、あるいはNO経路のアップレギュレーションから、利益を得るものである。さらに、治療薬に適した第2の量の添加剤を含む、請求項52〜62のいずれか一項に記載の方法。混合型認知症の処置を必要としている被験対象における混合型認知症の処置方法であって、治療的有効量の請求項1〜50のいずれか一項に記載の化合物、または医薬的に許容しうるその塩、または請求項51に記載の医薬組成物を、処置を必要としている被験対象に投与することを含む、前記方法。

说明书全文

関連出願 [0001]本出願は、35 U.S.C.§119(e)に基づき、2016年9月2日出願の米国仮特許出願第62/382942号;2016年11月17日出願の米国仮特許出願第62/423445号;2017年3月8日出願の米国仮特許出願第62/468598号;および2017年4月6日出願の米国仮特許出願第62/482486号の出願日の利益を主張するものである。上記出願のそれぞれの内容全体を、本明細書中で参考として援用する。

[0002]本開示は、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の刺激剤、これを含む医薬製剤、および、単独または1以上の追加的薬剤との組み合わせでの、さまざまな疾患を処置するためのその使用に関する。これに関し、酸化窒素(NO)の濃度上昇またはサイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)の濃度上昇またはその両方、あるいはNO経路のアップレギュレーションが望ましい。

[0003]可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)は、in vivoにおける酸化窒素(NO)の主要な受容体である。sGCは、NO依存性およびNO非依存性の両機序を介して活性化されることができる。この活性化に対する応答において、sGCはグアノシン5’−三リン酸(GTP)を二次伝達物質の環状GMP(cGMP)に変換する。cGMPのレベル上昇は、プロテインキナーゼ、ホスホジエステラーゼ(PDE)およびイオンチャネルを含む下流エフェクターの活性を調整する。

[0004]体内において、NOは、さまざまな酸化窒素シンターゼ(NOS)酵素により、および無機硝酸塩の逐次還元により、アルギニンおよび酸素から合成される。NOSの3つの異なるアイソフォームが同定されている:活性化マクロファージ細胞に見いだされる誘発性NOS(iNOSまたはNOS II);神経伝達および長期増強に関与する構成性ニューロンNOS(nNOSまたはNOS I);ならびに、平滑筋弛緩および血圧を調節する構成性内皮NOS(eNOSまたはNOS III)。実験的および臨床的証拠は、内因的に産生されたNOの低下した濃度、生物学的利用能および/または内因的に産生されたNOに対する応答性の低下が、発病の一因となることを示している。

[0005]NO非依存性、ヘム依存性のsGC刺激剤は、他のタイプのsGCモジュレーターと比較した場合、それらの活性に関する還元された補欠分子ヘム部分の存在への極めて重大な依存性、NOと組み合わせた場合の強い相乗的酵素活性化、およびNOに依存しないsGCの直接刺激によるcGMP合成の刺激を含む、いくつかの重要な識別特性を有する。ベンジルインダゾール化合物YC−1は、はじめて同定されたsGC刺激剤であった。それ以来、改善された効およびsGCに対する特異性を有する追加的なsGC刺激剤が開発されてきた。

[0006]NOに依存しないでsGCを刺激する化合物は、異常なNO経路を標的とするか、NO経路のアップレギュレーションが有益な疾患を対象とする、現行の他の代替療法と比べ大きな利点を提供する。sGCの新規刺激剤の開発が必要とされている。これらの化合物はさまざまな疾患の処置に有用であり、これに関し、該疾患または障害は、sGCの刺激または酸化窒素(NO)もしくはサイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)もしくはその両方の濃度上昇から利益を得ると思われるもの、あるいはNO経路のアップレギュレーションが望ましいものである。

[0007]本発明は、式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩を対象とする

[式中: 環EおよびAは、分子のコアを形成し、芳香族であり;XおよびYの各事例は、NまたはCから独立して選択され;これに関し、XおよびYの最大4事例は同時にNであり; Wは、 i)存在せず、JBが、2つのJ基を持つ炭素原子に直接接続しており、各Jは、独立して素またはメチルから選択され、nは1であり、JBは、最大9事例のフッ素によって置換されていてもよいC1−7アルキル鎖であるか:あるいは ii)環Bであり、該環Bは、フェニル、C3−7シクロアルキル環、または1もしくは2個の環窒素原子を含有する5もしくは6員ヘテロアリール環であり; これに関し、環Bがフェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール環である場合;各Jは、独立して水素またはメチルから選択され;nは、0〜3から選択される整数であり;各JBは、独立して、ハロゲン、−CN、C1−6脂肪族基、−ORB、またはC3−8脂環式環から選択され; 環BがC3−7シクロアルキル環である場合;各Jは水素であり;nは、0〜3から選択される整数であり、各JBは、独立して、ハロゲン、−CN、C1−6脂肪族基または−ORB1から選択され; C1−6脂肪族基である各JB、およびC3−8脂環式環である各JBは、独立して、最大3事例のR3で置換されていてもよく; 各RBは、独立して、C1−6脂肪族基またはC3−8脂環式環から選択され;前記RBは、独立して、最大3事例のR3aで置換されていてもよく; 各RB1は、独立して、水素、C1−6脂肪族基またはC3−8脂環式環から選択され;これに関し、前記C1−6脂肪族基のそれぞれ、および前記C3−8脂環式環のそれぞれは、独立して、最大3事例のR3bで置換されていてもよく; 各R3、R3aおよびR3bは、各事例において、独立して、ハロゲン、−CN、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、−O(C1−4アルキル)または−O(C1−4ハロアルキル)から選択され; pは、1、2または3から選択される整数であり; 各JCは、独立して、水素、ハロゲン、C1−4脂肪族基、C1−4アルコキシまたは−CNから選択され;これに関し、各前記C1−4脂肪族基およびC1−4アルコキシは、独立して、最大3事例のC1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、−OHまたはハロゲンによって置換されていてもよく; Q、GおよびZは、それぞれ独立してN、SまたはOであり、これに関し、Q、GおよびZの少なくとも2つはNであり; qは、0、1または2であり; R10は、独立して0〜3個の存在(occurrence)のR15で置換されていてもよいC1−6アルキル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい5もしくは6員ヘテロアリール、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、または独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい3〜8員ヘテロシクリルであり;これに関し、前記5〜6員ヘテロアリール環のそれぞれ、および前記3〜8員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し; R11は、H、−NRa2Rb2、−C(O)NRa2Rb2、−C(O)R15a、−SO2Rb2、−SRb2、ハロ、−OCF3、−CN、ヒドロキシル、独立して0〜2個の存在のRb2で置換されていてもよいC2−6アルケニル、独立して0〜2個の存在のRb2で置換されていてもよいC2−6アルキニル;独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキル、独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい5〜6員ヘテロアリール、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、または独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい3〜8員ヘテロシクリルであり;これに関し、前記5〜6員ヘテロアリールのそれぞれ、および前記3〜8員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し;あるいは、 R10がZの置換基である場合、R10およびR11は、Z、およびR11が付着している炭素と一緒になって、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい3〜10員複素環式環を形成し;これに関し、前記3〜10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し; R15は、ハロ、−ORb2、−SRb2、−NRa2Rb2、−C(O)Rb2、−C(O)NRa2Rb2、−NRb2C(O)ORb2、−OC(O)NRa2Rb2、C2−4アルケノキシ、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよい5もしくは6員ヘテロアリール、または独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルであり;これに関し、前記5もしくは6員ヘテロアリール環のそれぞれ、および前記3〜10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し; R15aは、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよい5もしくは6員ヘテロアリール、または独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルであり;これに関し、前記5もしくは6員ヘテロアリール環のそれぞれ、および前記3〜10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し; 各R18は、独立して、ハロ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキルまたはフェニルから選択され; Ra2は、水素、−C(O)Rb2、C1−6アルキルまたはC1−6ハロアルキルであり;そして Rb2は、水素、C1−6アルキルまたはC1−6ハロアルキルである]。

[0008]本発明はまた、式Iに従った化合物または医薬的に許容しうるその塩と、少なくとも1つの医薬的に許容しうる賦形剤またはキャリヤーとを含む医薬組成物を対象とする。本発明はまた、該医薬組成物を含む医薬製剤または剤形を対象とする。

[0009]本発明はまた、疾患、健康状態または障害の処置または予防を必要としている被験対象におけるその処置または予防方法であって、治療的有効量の式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩を単独または併用療法で被験対象に投与することを含む方法を提供する;これに関し、該疾患は、sGCの刺激またはNOもしくはcGMPもしくはその両方の濃度上昇から、あるいはNO経路のアップレギュレーションから、利益を得るものである。

[0010]図1は、野生型(WT)マウス海馬切片(1番上の曲線)、R6/2マウス海馬切片(1番下の曲線)、および7nMの化合物I−1で処理したR6/2マウス海馬切片(中間の曲線)の長期増強作用のプロットである。

[0011]図2は、野生型(WT)マウス海馬切片(1番上の曲線、中間の曲線と重なっている)、R6/2マウス海馬切片(1番下の曲線)、および46nMの化合物I−1で処理したR6/2マウス海馬切片(中間の曲線、1番上の曲線と重なっている)の長期増強作用のプロットである。

[0012]図3は、野生型(WT)マウス海馬切片(1番上の曲線、中間の曲線と重なっている)、R6/2マウス海馬切片(1番下の曲線)、および308nMの化合物I−1で処理したR6/2マウス海馬切片(中間の曲線、1番上の曲線と重なっている)の長期増強作用のプロットである。

[0013]図4は、末梢に限定されるsGC刺激剤で処置したラットの脳の写真(左)および本発明の化合物で処置したラットの脳の写真(右)である。




[0014]ここで、本発明の特定の態様について詳細に記載し、その例を、添付の構造および化学式に例示する。本発明を列挙態様と併せて記載するが、これは本発明をその態様に限定することを意図したものではないことは理解されるであろう。むしろ、本発明は、請求項によって定義されるような本発明の範囲内に包含されることができるすべての選択肢、修正および等価物を対象とすることを意図している。本発明は、本明細書中に記載する方法および材料に限定されず、本発明を実施する際に用いることができる本明細書中に記載するものと同様または同等のあらゆる方法および材料を包含する。組み込んだ参照文献、特許または同様の材料の1以上が、本出願、例えば、限定されるものではないが、定義された用語、用語の使用法、記載される技術などと異なるか相反する場合、本出願を優先する。 定義および一般的専門用語 [0015]本開示の目的に関し、化学元素は、元素の周期表、CASバージョン、およびHandbook of Chemistry and Physics,第75版、1994年に従って識別される。これに加えて、有機化学の一般的原理は、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999年、および“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,Smith,M.B.およびMarch,J.,編集,John Wiley & Sons,New York:2001年に記載されており、これらを全体として本明細書中で参考として援用する。


[0016]本明細書中に記載する場合、式Iの化合物は、1以上の置換基、例えば、以下で一般的に例示するもの、または本発明の特定のクラス、サブクラスおよび種によって例証するもので置換されていてもよい。“置換されていてもよい”というフレーズは、“置換または非置換の”というフレーズと互換的に用いられる。一般に、“置換されている”という用語は、所定の構造中の1以上の水素基が、特定置換基の基で置き換えられていることをさす。特記しない限り、置換されていてもよい基は、基の置換可能な各位置に置換基を有することができる。所定の構造中の1より多くの位置を、特定の群から選択される1より多くの置換基で置換することができる場合、置換基は、特記しない限り、同一であるか、各位置で異なっていることができる。“所望により独立して”という用語は、この状態を記載するために用いることができる。一例として、本明細書中に開示する置換基の1つはR10であり、これは、いくつかある選択肢の中でとりわけ、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキルであることができる。この場合、C1−6アルキルは“置換されていてもよい”ことができる:これは非置換である(すなわち、0個の存在のR15)ことができ、または置換されている(すなわち、1、2または3個の存在のR15)ことができる。複数の存在のR15(例えば2個)がある場合、各R15は同一の置換基(例えば2個のフルオロ原子)であることができ、または異なっている(例えば−OHおよびクロロ)ことができる。当業者には明らかであるように、−H、ハロゲン、−NO2、−CN、−OH、−NH2または−OCF3などの基は置換可能な基ではないであろう。


[0017]本明細書中で用いる場合、“最高”というフレーズは、ゼロまたはフレーズに続く数字以下である任意の整数をさす。例えば、“最高3”は、0、1、2または3のいずれか1つを意味する。本明細書中に記載する場合、特定数範囲の原子は、その範囲内の任意の整数を包含する。例えば、1〜4個の原子を有する基は、1、2、3または4個の原子を有することができる。0〜3個の原子を有する基は、0、1、2または3個の原子を有することができる。任意の位置で任意の変数が1回より多くの存在する場合、各存在についての定義は、他のすべての存在に依存しない。


[0018]本開示によって想定される置換基および組み合わせの選択は、安定または化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすもののみである。そのような選択および組み合わせは当業者には明らかであり、過度の実験を行うことなく決定することができる。本明細書中で用いられる“安定な”という用語は、生産、検出、およびいくつかの態様では、回収、精製、および本明細書中に開示する目的の1以上のための使用を可能にする条件に付したときに、実質的に変化しない化合物をさす。いくつかの態様において、安定な化合物は、水分または他の化学的反応性条件の非存在下で25℃以下の温度を少なくとも1週間にわたり維持したときに、実質的に変化しない化合物である。化学的に実現可能な化合物は、当業者なら、本明細書中の開示内容に基づき、必要に応じて当分野の関連する知識を補足して、調製することができる化合物である。


[0019]本明細書中に開示する式Iもしくは表Iの化合物または他の化合物のような化合物は、フリーな形態(例えば、非晶質形態、または結晶質形態、または多形体)で存在することができる。特定の条件下で、化合物は、コ−形態(co-form)を形成することもできる。本明細書中で用いる場合、コ−形態は、多成分結晶質形態という用語と同意語である。塩の形成は、混合物を形成するパートナー間のpKaの差の大きさによって決定される。本開示の目的に関し、化合物は、“医薬的に許容しうる塩”という用語が明確に言及されていなくても、医薬的に許容しうる塩を包含する。


[0020]異性体の1つのみが具体的に記載または指名されている場合を除き、本明細書中で表現される構造はまた、構造のすべての立体異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体およびシス−トランス異性体)形態;例えば、各不斉中心に関するRおよびS配置、各非対称軸に関するRaおよびSa配置、(Z)および(E)二重結合配置、ならびにシスおよびトランス配座異性体を包含することが意図される。したがって、本化合物の単一の立体化学的異性体のほか、ラセミ化合物、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマーおよびシス−トランス異性体(二重結合または配座異性体)の混合物は、本開示の範囲内にある。特記しない限り、本開示の化合物のすべての互変異性形態も、本発明の範囲内にある。


[0021]本開示はまた、本明細書中に挙げる化合物と同一であるが、実際は、1以上の原子が、自然に通常見いだされる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている、同位体標識化合物を包含する。明記する任意の特定の原子または元素のすべての同位体は、本発明の化合物およびそれらの使用の範囲内にあると意図される。本発明の化合物に組み込むことができる代表的同位体としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体、例えば、それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iが挙げられる。本発明の特定の同位体標識化合物(例えば、3Hおよび14Cで標識されているもの)は、化合物および/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム化(すなわち3H)および炭素−14(すなわち14C)同位体は、調製が容易で検出能が高いため有用である。さらに、ジュウテリウム(すなわち2H)など、より重い同位体での置換は、より高い代謝的安定性に起因する特定の治療上の利点(例えば、in vivo半減期の延長または必要投与量の減少)を提供することができ、したがって、状況によっては好ましい可能性がある。15O、13N、11Cおよび18Fなどの陽電子放出同位体は、基質受容体占有率を試験するための陽電子放射断層撮影(PET)試験に有用である。本発明の同位体標識化合物は、一般に、本明細書中の以下のスキームおよび/または実施例に開示するものに類似する手順に従って、同位体標識試薬で非同位体標識試薬を置き換えることにより、調製することができる。


[0022]本明細書中で用いる場合、“脂肪族”または“脂肪族基”または“脂肪族鎖”という用語は、直鎖(すなわち非分枝状)または分枝状で置換または非置換の炭化水素鎖であって、完全に飽和しているか、1以上の不飽和単位を含有するものを意味する。特記しない限り、脂肪族基は1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの態様において、脂肪族基は1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。他の態様において、脂肪族基は1〜8個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の態様において、脂肪族基は1〜6個の脂肪族炭素原子を含有する。他の態様において、脂肪族基は1〜4個の脂肪族炭素原子を含有し、さらに他の態様において、脂肪族基は1〜3個または1〜2個の脂肪族炭素原子を含有する。適した脂肪族基としては、限定されるものではないが、線状または分枝状で置換または非置換のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基が挙げられる。脂肪族基の具体例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、ビニル、sec−ブチル、tert−ブチル、ブテニル、プロパルギル、アセチレンなどが挙げられる。脂肪族基は“Cx−y脂肪族”という用語によって表され;これに関し、xおよびyは、脂肪族鎖を形成する炭素原子の最小および最大数である。


[0023]本明細書中で用いる場合、“アルキル”(“アルキル鎖”または“アルキル基”においてのような)という用語は、飽和した線状または分枝鎖状の一価炭化水素基をさす。特記しない限り、アルキル基は1〜20個の炭素原子(例えば、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子または1〜3個の炭素原子)を含有する。アルキル基の例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル(sec−ブチル)、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが挙げられる。アルキル基は“Cx−yアルキル”という用語によって表され;これに関し、xおよびyは、アルキル鎖を形成する炭素原子の最小および最大数である。


[0024]“アルケニル”(“アルケニル鎖”または“アルケニル基”においてのような)という用語は、線状または分枝鎖状で、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素−炭素、sp2二重結合を有する一価の炭化水素基をさし、アルケニル基は、“シス”および“トランス”配向または“E”および“Z”配向を有する基を包含する。特記しない限り、アルケニル基は、2〜20個の炭素原子(例えば、2〜20個の炭素原子、2〜10個の炭素原子、2〜8個の炭素原子、2〜6個の炭素原子、2〜4個の炭素原子または2〜3個の炭素原子)を含有する。例としては、限定されるものではないが、ビニル、アリルなどが挙げられる。アルケニル基は“Cx−yアルケニル”という用語によって表され;これに関し、xおよびyは、アルケニル鎖を形成する炭素原子の最小および最大数である。


[0025]“アルキニル”(“アルキニル鎖”または“アルキニル基”においてのような)という用語は、線状または分枝鎖状で、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素−炭素sp三重結合を有する一価の炭化水素基をさす。特記しない限り、アルキニル基は、2〜20個の炭素原子(例えば、2〜20個の炭素原子、2〜10個の炭素原子、2〜8個の炭素原子、2〜6個の炭素原子、2〜4個の炭素原子または2〜3個の炭素原子)を含有する。例としては、限定されるものではないが、エチニル、プロピニルなどが挙げられる。アルキニル基は“Cx−yアルキニル”という用語によって表され;これに関し、xおよびyは、アルキニル鎖を形成する炭素原子の最小および最大数である。


[0026]“炭素環式”という用語は、炭素および水素原子によってのみ形成される環系をさす。特記しない限り、本開示の全体にわたり、炭素環式化合物は、“非芳香族炭素環式化合物”または“脂環式”の同意語として用いられる。場合によっては、該用語を“芳香族炭素環式化合物”というフレーズで用いることができ、この場合、これは以下に定義する“アリール基”をさす。


[0027]“脂環式”(または“非芳香族炭素環式化合物”、“非芳香族カルボシクリル”、“非芳香族炭素環式”または“脂環式環”)という用語は、完全に飽和しているか、1以上の不飽和単位を含有するが芳香族ではなく、分子の残部への付着点を1つ有する、環状炭化水素をさす。一態様において、“脂環式”という用語は、単環式C3−12炭化水素をさす。脂環式環は“Cx−y脂環式”という用語によって表され;これに関し、xおよびyは、脂環式環を形成する炭素原子の最小および最大数である。適した脂環式基としては、限定されるものではないが、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびシクロアルキニルが挙げられる。脂環式基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、ノルボルニル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルなどが挙げられる。


[0028]本明細書中で用いる場合、“シクロアルキル”または“シクロアルキル環”は、完全に飽和していて、分子の残部への付着点を1つ有する環系をさす。一態様において、“シクロアルキル”という用語は、単環式C3−12飽和炭化水素をさす。適したシクロアルキル基としては、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、ノルボルニル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルなどが挙げられる。シクロアルキル環は“Cx−yシクロアルキル”という用語によって表され;これに関し、xおよびyは、シクロアルキル環を形成する炭素原子の最小および最大数である。


[0029]本明細書中で用いる場合、“複素環”(または“ヘテロシクリル”または“複素環式”または“複素環式環”)は、1以上の環員が、独立して選択されるヘテロ原子である、環系であって、完全に飽和しているか、1以上の不飽和単位を含有するが芳香族ではなく、分子の残部への付着点を1つ有する、前記環系をさす。特記しない限り、本開示の全体にわたり、複素環は“非芳香族複素環”の同意語として用いられる。場合によっては、該用語を“芳香族複素環”というフレーズで用いることがあり、この場合、それは以下に定義する“ヘテロアリール基”をさす。いくつかの態様において、複素環は3〜10個の環員を有し、1以上の環員が、酸素または窒素から独立して選択されるヘテロ原子である。他の態様において、複素環は、3〜7個の環員(2〜6個の炭素原子および1〜4個のヘテロ原子)を有する単環であることができる。


[0030]複素環式環の例としては、限定されるものではないが、以下の単環が挙げられる:2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリノ、3−モルホリノ、4−モルホリノ、2−チオモルホリノ、3−チオモルホリノ、4−チオモルホリノ、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−テトラヒドロピペラジニル、2−テトラヒドロピペラジニル、3−テトラヒドロピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、5−ピラゾリニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、2−チアゾリジニル、3−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、5−イミダゾリジニル。


[0031]単独、または“ヘテロアリールアルキル”または“ヘテロアリールアルコキシ”のようにより大きな部分の一部として用いられる“ヘテロアリール”(または“複素環式芳香族”または“ヘテロアリール基”または“芳香族複素環”または“ヘテロアリール環”)という用語は、芳香族であり、1以上のヘテロ原子を含有し、5〜6個の環員を有し、分子の残部への付着点を1つ有する、環系をさす。ヘテロアリール環としては、限定されるものではないが、以下の単環が挙げられる:2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、N−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、ピリダジニル(例えば3−ピリダジニル)、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、テトラゾリル(例えば5−テトラゾリル)、トリアゾリル(例えば、2−トリアゾリルおよび5−トリアゾリル)、2−チエニル、3−チエニル、ピラゾリル(例えば2−ピラゾリル)、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル。


[0032]“環原子”という用語は、芳香環、脂環式環、複素環式環またはヘテロアリール環の環の一部であるC、N、OまたはSなどの原子をさす。“置換可能な環原子”は、少なくとも1つの水素原子に結合している環炭素または窒素原子である。水素は、所望により適した置換基で置き換えられることができる。したがって、“置換可能な環原子”という用語は、2つの環が縮合している場合に共有される環窒素または炭素原子を包含しない。これに加えて、“置換可能な環原子”は、構造が、環炭素または窒素原子が水素以外の1以上の部分に既に付着していて、置換に利用可能な水素がないことを表している場合、環炭素または窒素原子を包含しない。


[0033]“ヘテロ原子”は、窒素、硫黄の任意の酸化形態、任意の塩基性窒素の四級化形態、あるいは複素環またはヘテロアリール環の置換可能な窒素、例えば、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリル中のものなど)、NH(ピロリジニル中のものなど)またはNR+(N−置換ピロリジニル中のものなど)を含む、酸素、硫黄、窒素の1以上をさす。


[0034]いくつかの態様において、2つの独立した存在の変動要素(variable)は、各変動要素が結合している原子(1以上)と一緒になって、5〜8員のアリール環またはヘテロアリール環または3〜8員の脂環式環またはヘテロシクリルを形成することができる。2つの独立した存在の置換基が、各変動要素が結合している原子(1以上)と一緒になったときに形成される代表的環としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:a)2つの独立した存在の置換基が同じ原子に結合していて、その原子と一緒になって環を形成している、これに関し、両方の存在の置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、脂環式またはアリール環を形成し、該基は、単一の付着点により分子の残部に付着している;ならびに、b)2つの独立した存在の置換基が、異なる原子に結合していて、その原子の両方と一緒になってヘテロシクリル、ヘテロアリール、脂環式またはアリール環を形成している、これに関し、形成した環は、分子の残部との付着点を2つ有する。


[0035]2つの独立した存在の置換基が、各置換基が結合している原子(1以上)と一緒になったときに、さまざまな他の環が形成する可能性があり、先に詳述した例は、限定することを意図したものではないことは、明らかであろう。


[0036]本明細書中に記載するように、置換基から多環式環系内の1つの環の中心に引かれた結合(以下に示す)は、多環式環系内の任意の環の任意の置換可能な位置における置換基の置換を表す。例えば、式D3は、式D4に示す任意の位置における考えうる置換を表す:






[0037]これは、所望による環系に縮合している多環式環系(点線で表す)にも当てはまる。例えば、式D5において、Xは、環Aおよび環Bの両方に関する所望による置換基である。






[0038]しかしながら、多環式環系内の2つの環のそれぞれが、各環の中心から引かれた異なる置換基を有する場合、特記しない限り、各置換基は、それが付着している環上の置換基のみを表す。例えば、式D6において、Yは、環Aのみに関する所望による置換基であり、Xは、環Bのみに関する所望による置換基である。






[0039]本明細書中で用いる場合、先に定義したように、“アルコキシ”という用語は、分子または他の鎖または環に、酸素(“アルコキシ”、すなわち−O−アルキル)原子を介して付着しているアルキル基をさす。


[0040]本明細書中で用いる場合、“ハロゲン”または“ハロ”は、F、Cl、BrまたはIを意味する。 [0041]“ハロアルキル”、“ハロアルケニル”、“ハロ脂肪族”および“ハロアルコキシ”という用語は、場合によっては1以上のハロゲン原子で置換されているアルキル、アルケニル、脂肪族またはアルコキシを意味する。例えば、C1−3ハロアルキルは−CFHCH2CHF2であることができ、C1−2ハロアルコキシは−OC(Br)HCHF2であることができる。この用語は、−CF3および−CF2CF3などの過フッ素化アルキル基を包含する。


[0042]本明細書中で用いる場合、“シアノ”という用語は−CNまたは−C≡Nをさす。 [0043]“シアノアルキル”、“シアノアルケニル”、“シアノ脂肪族”および“シアノアルコキシ”という用語は、場合によっては1以上のシアノ基で置換されているアルキル、アルケニル、脂肪族またはアルコキシを意味する。例えば、C1−3シアノアルキルは−C(CN)2CH2CH3であることができ、C1−2シアノアルケニルは=CHC(CN)H2であることができる。


[0044]本明細書中で用いる場合、“アミノ”基は−NH2をさす。 [0045]“アミノアルキル”、“アミノアルケニル”、“アミノ脂肪族”および“アミノアルコキシ”という用語は、場合によっては1以上のアミノ基で置換されているアルキル、アルケニル、脂肪族またはアルコキシを意味する。例えば、C1−3アミノアルキルは−CH(NH2)CH2CH2NH2であることができ、C1−2アミノアルコキシは−OCH2CH2NH2であることができる。


[0046] “ヒドロキシル”または“ヒドロキシ”という用語は、−OHをさす。 [0047] “ヒドロキシアルキル”、“ヒドロキシアルケニル”、“ヒドロキシ脂肪族”および“ヒドロキシアルコキシ”という用語は、場合によっては1以上の−OH基で置換されているアルキル、アルケニル、脂肪族またはアルコキシを意味する。例えば、C1−3ヒドロキシアルキルは−CH2(CH2OH)CH3であることができ、C4ヒドロキシアルコキシは−OCH2C(CH3)(OH)CH3であることができる。


[0048]本明細書中で用いる場合、単独または他の基と関連して用いられる“カルボニル”は、−C(O)−または−C(O)Hをさす。例えば、本明細書中で用いる場合、“アルコキシカルボニル”は、−C(O)O(アルキル)などの基をさす。


[0049]本明細書中で用いる場合、“オキソ”は=Oをさす。これに関し、オキソは通常、必ずしもではないが、炭素原子に付着している(例えば、硫黄原子に付着していることもできる)。脂肪族鎖は、所望によりカルボニル基によって遮断されていることができ、または所望によりオキソ基によって置換されていることができ、どちらの表現も同一のもの:例えば−CH2−C(O)−CH3をさす。“オキソ”基が環または他の部分もしくは基(例えばアルキル鎖)上の考えうる置換基として挙げられる場合、前記オキソ基中の酸素と、環、またはそれが付着している部分との間の結合は、場合によっては包括的に単線で引かれていることがあるが、二重結合であることが理解されるであろう。例えば、以下に表現する例において、環に付着しているJDは、いくつかの異なる置換基から選択することができる。JDがオキソである場合、JDと環の間の結合は二重結合であることが理解されるであろう。JDがハロゲンである場合、JDと環の間の結合は単結合であることが理解されるであろう。場合によっては、例えば環が不飽和を含有するか、芳香族特性を有する場合、化合物は2以上の考えうる互変異性形態で存在することができる。そのうちの1つにおいて、オキソ基と環の間の結合は二重結合であろう。もう1つでは、原子と環中の置換基の間で水素結合が交換され、これにより、オキソはヒドロキシになり、追加的二重結合が環中に形成する。化合物がD7またはD8として表現されているとしても、両者は、特定の化合物のすべての互変異性体の一群を表すとみなされる。






[0050]他のすべての状況において、本明細書中で用いる場合、“リンカー”は、2つの自由原子価が、異なる原子(例えば炭素またはヘテロ原子)上にあるか、同一原子上にあるが、2つの異なる置換基によって置換されていることができる、二価の基をさす。例えば、メチレン基は、2つの異なる基によって置換されることができ、1つで自由原子価のそれぞれに対応するC1アルキルリンカー(−CH2−)であることができる(例えば、メチレンが2つのフェニル環の間のリンカーとして働くPh−CH2−Phにおいてのように)。エチレンは、2つの自由原子価が異なる原子上にあるC2アルキルリンカー(−CH2CH2−)であることができる。例えば、アミド基は、鎖の内部の位置に置かれている場合、リンカーとして働くことができる(例えば−CONH−)。本発明の化合物は、本明細書中で、それらの化学構造および/または化学名によって定義される。化合物が化学構造と化学名の両方で記載されていて、化学構造と化学名が矛盾する場合、化学構造が化合物の素性(identity)を決定する。


化合物の態様 [0051]本発明は、式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩を対象とする






[式中: 環EおよびAは、分子のコアを形成し、芳香族であり;XおよびYの各事例は、NまたはCから独立して選択され;これに関し、XおよびYの最大4事例は同時にNであり; Wは、 i)存在せず、JBが、2つのJ基を持つ炭素原子に直接接続しており、各Jは、独立して水素またはメチルから選択され、nは1であり、JBは、最大9事例のフッ素によって置換されていてもよいC1−7アルキル鎖であるか:あるいは ii)環Bであり、該環Bは、フェニル、C3−7シクロアルキル環、または、1もしくは2個の環窒素原子を含有する5もしくは6員ヘテロアリール環であり; これに関し、環Bがフェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール環である場合;各Jは、独立して水素またはメチルから選択され;nは、0〜3から選択される整数であり;各JBは、独立して、ハロゲン、−CN、C1−6脂肪族基、−ORB、またはC3−8脂環式環から選択され; 環BがC3−7シクロアルキル環である場合;各Jは水素であり;nは、0〜3から選択される整数であり、各JBは、独立して、ハロゲン、−CN、C1−6脂肪族基または−ORB1から選択され; C1−6脂肪族基である各JB、およびC3−8脂環式環である各JBは、独立して、最大3事例のR3で置換されていてもよく; 各RBは、独立して、C1−6脂肪族基またはC3−8脂環式環から選択され;前記RBは、独立して、最大3事例のR3aで置換されていてもよく; 各RB1は、独立して、水素、C1−6脂肪族基またはC3−8脂環式環から選択され;これに関し、前記C1−6脂肪族基のそれぞれ、および前記C3−8脂環式環のそれぞれは、独立して、最大3事例のR3bで置換されていてもよく; 各R3、R3aおよびR3bは、各事例において、独立して、ハロゲン、−CN、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、−O(C1−4アルキル)または−O(C1−4ハロアルキル)から選択され; pは、1、2または3から選択される整数であり; 各JCは、独立して、水素、ハロゲン、C1−4脂肪族基、C1−4アルコキシまたは−CNから選択され;これに関し、各前記C1−4脂肪族基および各前記C1−4アルコキシは、独立して、最大3事例のC1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ、−OHまたはハロゲンによって置換されていてもよく; Q、GおよびZは、それぞれ独立してN、SまたはOであり、これに関し、Q、GおよびZの少なくとも2つはNであり; qは、0、1または2であり; R10は、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい5もしくは6員ヘテロアリール、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、または独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい3〜8員ヘテロシクリルであり;これに関し、前記5〜6員ヘテロアリール環のそれぞれ、および前記3〜8員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し; R11は、H、−NRa2Rb2、−C(O)NRa2Rb2、−C(O)R15a、−SO2Rb2、−SRb2、ハロ、−OCF3、−CN、ヒドロキシル、独立して0〜2個の存在のRb2で置換されていてもよいC2−6アルケニル、独立して0〜2個の存在のRb2で置換されていてもよいC2−6アルキニル;独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい5〜6員ヘテロアリール、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、または独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい3〜8員ヘテロシクリルであり;これに関し、前記5〜6員ヘテロアリールのそれぞれ、および前記3〜8員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し;あるいは、 R10がZの置換基である場合、R10およびR11は、Z、およびR11が付着している炭素と一緒になって、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい3〜10員複素環式環を形成し;これに関し、前記3〜10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し; R15は、ハロ、−ORb2、−SRb2、−NRa2Rb2、−C(O)Rb2、−C(O)NRa2Rb2、−NRb2C(O)ORb2、−OC(O)NRa2Rb2、C2−4アルケノキシ、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよい5もしくは6員ヘテロアリール、または独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルであり;これに関し、前記3〜10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し; R15aは、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよい5もしくは6員ヘテロアリール、または独立して0〜3個の存在のR18で置換されていてもよい3〜10員ヘテロシクリルであり;これに関し、前記5もしくは6員ヘテロアリール環のそれぞれ、および前記3〜10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3個の環ヘテロ原子を含有し; 各R18は、独立して、ハロ、ヒドロキシル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキルまたはフェニルから選択され; Ra2は、水素、−C(O)Rb2、C1−6アルキルまたはC1−6ハロアルキルであり;そして Rb2は、水素、C1−6アルキルまたはC1−6ハロアルキルである]。


[0052]式Iのいくつかの態様において、Wは存在せず、化合物は、式IIAの1つ、または医薬的に許容しうるその塩である






[式中、JBは、最大9事例のフッ素によって置換されていてもよいC1−7アルキル鎖である]。式IIAのいくつかの態様において、JBは、最大5事例のフッ素によって置換されていてもよいC1−4アルキル鎖である。他の態様において、JBは、最大5事例のフッ素によって置換されていてもよいC1−2アルキル鎖である。さらに他の態様において、JBは、3または5事例のフッ素によって置換されていてもよいエチル鎖である。


[0053]式Iのいくつかの態様において、Wは環Bであり、化合物は、式IIBの1つ、または医薬的に許容しうるその塩である:






[0054]式IIBのいくつかの態様において、nは、1または2から選択される整数であり、各JBは、独立して、ハロゲン、C1−4アルキル、−ORBまたは−ORB1から選択される。他の態様において、各JBは、独立してハロゲン原子から選択される。さらに他の態様において、各JBは、独立してフルオロまたはクロロから選択される。さらに他の態様において、各JBはフルオロである。


[0055]式IIBのいくつかの態様において、各JBはC1−4アルキルである。これらの態様のいくつかにおいて、JBはエチルまたはメチルである。いくつかの態様において、JBはメチルである。


[0056]式IIBのいくつかの態様において、nは0である。 [0057]式IIBのいくつかの態様において、nは1である。 [0058]式IIBのいくつかの態様において、nは1であり、JBは、独立して、ハロゲン、C1−4アルキル、−ORBまたは−ORB1から選択される。いくつかの態様において、JBはハロゲンである。いくつかの態様において、JBはクロロまたはフルオロである。他の態様において、JBはフルオロである。さらに他の態様において、JBはC1−4アルキルである。さらに他の態様において、JBはメチルまたはエチルである。


[0059]式IIBのいくつかの態様において、nは2であり、各JBはハロゲン原子である。これらの態様のいくつかにおいて、各JBは、独立して、クロロまたはフルオロから選択される。他の態様において、一方のJBはフルオロであり、もう一方のJBはクロロである。さらに他の態様において、各JBはフルオロである。


[0060]式IIBのいくつかの態様において、環Bはフェニルである。これらの態様のいくつかにおいて、nは1または2である。これらの態様のいくつかにおいて、JBは、環Bと分子のコアとの間のメチレンリンカーの付着部に対しオルト位にあり、JBはハロゲンである。これらの態様のいくつかにおいて、JBはクロロである。他の態様において、JBはフルオロである。


[0061]式IIBのいくつかの態様において、環Bは6員ヘテロアリール環である。他の態様において、環Bはピリジル環である。さらに他の態様において、環Bはピリミジニル環である。


[0062]式IIBのいくつかの態様において、環BはC3−7シクロアルキル環である。 [0063]式I、式IIAまたは式IIBのいくつかの態様において、G、ZおよびQは、それぞれNである。


[0064]式Iまたは式IIBのいくつかの態様において、化合物は、式IIIの1つ、または医薬的に許容しうるその塩、またはその任意の互変異性体である:






[0065]式I、式IIA、式IIBおよび式IIIのいくつかの態様において、R11は、H、NRa2Rb2、−C(O)NRa2Rb2、−C(O)R15a、−SO2Rb2、−SRb2、ハロ、−OCF3、−CN、ヒドロキシル、独立して0〜2個の存在のRb2で置換されていてもよいC2−6アルケニル、独立して0〜2個の存在のRb2で置換されていてもよいC2−6アルキニル;独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい5または6員ヘテロアリール、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、または独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい3〜8員ヘテロシクリルである。他のいくつかの態様において、R11は、Hであるか、独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキルである。他のいくつかの態様において、R11は、0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキルである。他のいくつかの態様において、R11は、0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいメチルである。他のいくつかの態様において、R11は、0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいメチルであり、R15はハロ(例えばフルオロ)である。他のいくつかの態様において、R11は、0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいメチルであり、R15はフルオロである。他のいくつかの態様において、R11は非置換メチルである。他のいくつかの態様において、R11は、2個の存在のR15で置換されているメチルである。他のいくつかの態様において、R11は、2個の存在のR15で置換されているメチルであり、R15はハロである。他のいくつかの態様において、R11は−CF2Hである。いくつかの態様において、R11は、3個の存在のR15で置換されているメチルである。いくつかの態様において、R11は、3個の存在のR15で置換されているメチルであり、R15はハロである。いくつかの態様において、R11は−CF3である。


[0066]式I、式IIA、式IIBおよび式IIIのいくつかの態様において、R11は、0〜5個の存在のR15で置換されているエチルである。他のいくつかの態様において、R11は、5個の存在のR15で置換されているエチルであり、R15はハロである。他のいくつかの態様において、R11は、5個の存在のR15で置換されているエチルであり、R15はフルオロである。


[0067]式IIIのいくつかの態様において、nは、1または2から選択される整数であり、各JBは、独立して、ハロゲン、C1−4アルキル、−ORBまたは−ORB1から選択される。他の態様において、各JBは、独立してハロゲン原子から選択される。さらに他の態様において、各JBは、独立してフルオロまたはクロロから選択される。さらに他の態様において、各JBはフルオロである。


[0068]式IIIのいくつかの態様において、各JBはC1−4アルキルである。これらの態様のいくつかにおいて、JBはエチルまたはメチルである。いくつかの態様において、JBはメチルである。


[0069]式IIIのいくつかの態様において、nは0である。 [0070]式IIIのいくつかの態様において、nは1である。 [0071]式IIIのいくつかの態様において、nは1であり、各JBは、独立して、ハロゲン、C1−4アルキル、−ORBまたは−ORB1から選択される。いくつかの態様において、JBはハロゲンである。いくつかの態様において、JBはクロロまたはフルオロである。他の態様において、JBはフルオロである。さらに他の態様において、JBはC1−4アルキルである。さらに他の態様において、JBはメチルまたはエチルである。


[0072]式IIIのいくつかの態様において、nは2であり、各JBはハロゲン原子である。これらの態様のいくつかにおいて、各JBは、独立して、クロロまたはフルオロから選択される。他の態様において、一方のJBはフルオロであり、もう一方のJBはクロロである。さらに他の態様において、各JBはフルオロである。


[0073]式IIIのいくつかの態様において、環Bはフェニルである。これらの態様のいくつかにおいて、nは1または2である。これらの態様のいくつかにおいて、JBは、環Bと分子のコアとの間のメチレンリンカーの付着部に対しオルト位にあり、JBはハロゲンである。これらの態様のいくつかにおいて、JBはクロロである。他の態様において、JBはフルオロである。


[0074]式IIIのいくつかの態様において、環Bは6員ヘテロアリール環である。他の態様において、環Bはピリジル環である。さらに他の態様において、環Bはピリミジニル環である。


[0075]式IIIのいくつかの態様において、環BはC3−7シクロアルキル環である。 [0076]式I、式IIA、式IIBおよび式IIIのいくつかの態様において、qは0である。これらの態様のいくつかにおいて、R11は、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキルである。他のいくつかの態様において、R11は、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいメチルであり、R15はハロ(例えばフルオロ)である。他のいくつかの態様において、R11は、独立して2個の存在のR15で置換されているメチルであり、R15はハロ(例えばフルオロ)である。いくつかの態様において、R11は、独立して3個の存在のR15で置換されているメチルであり、R15はハロ(例えばフルオロ)である。


[0077]式I、式IIA、式IIBおよび式IIIのいくつかの態様において、環EおよびAによって形成されるコアは、以下から選択される:






[式中、記号*が付いているC原子は、G、ZおよびQを含有する環への付着点を表し、記号**が付いているC原子は、2事例のJの付着点を表す]。これらの態様のいくつかにおいて、各事例のJCは水素である。


[0078]式I、式IIA、式IIBおよび式IIIのいくつかの態様において、環EおよびAによって形成されるコアは、以下から選択される:






これらの態様のいくつかにおいて、各事例のJCは水素である。 [0079]式I、式IIA、式IIBおよび式IIIのいくつかの態様において、Q、GおよびZは、それぞれ独立してN、NH、SまたはOであり、これに関し、Q、GおよびZの少なくとも2つは、NまたはNHである。


[0080]式Iのいくつかの態様において、化合物は、式IVの1つ、または医薬的に許容しうるその塩である:






[式中: 各Yは、独立して、N、NJc、CHまたはCJcから選択され; 各Xは、N、NJc、CHまたはCJcのいずれかであり; これに関し、XおよびYの最大3事例は同時にNまたはNJcであり; Jcは、ハロまたはCNであるか、または1〜3個のハロで置換されていてもよいC1−3アルキルであり; 各JBは、独立して、ハロまたはC1−4アルキルから選択され; nは、0、1、2または3であり; R10は、独立してハロ、−C(O)Rb2、フェニルおよび5または6員ヘテロアリールから選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいC1−4アルキルであり、これに関し、フェニルおよび5または6員ヘテロアリールは、1、2または3個のハロまたはC1−4アルキルで置換されていてもよく、ヘテロアリールは、独立してN、OおよびSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を包含し; qは0または1であり; R11は、H、ハロ、−NRa2Rb2、C1−4アルキル、5〜6員ヘテロアリール、またはC3−6シクロアルキルであり、これに関し、C1−4アルキル、5〜6員ヘテロアリールおよびC3−6シクロアルキルはそれぞれ、ハロから独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよく、ヘテロアリールは、独立してN、OおよびSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を包含し; Ra2は、水素またはC1−4アルキルであり;そして Rb2は、水素またはC1−4アルキルである]。


[0081]式Iのいくつかの態様において、化合物は、式Vの1つ、または医薬的に許容しうるその塩である:






[式中: Yは、NまたはCHであり; 各JBは、独立して、ハロまたはC1−4アルキルから選択され; nは、0、1、2または3であり; R11は、H、ハロ、−NRa2Rb2、C1−4アルキル、5〜6員ヘテロアリール、またはC3−6シクロアルキルであり、これに関し、C1−4アルキル、5〜6員ヘテロアリールおよびC3−6シクロアルキルはそれぞれ、ハロから独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよく; Ra2は、水素またはC1−4アルキルであり;そして Rb2は、水素またはC1−4アルキルである]。


[0082]式Iのいくつかの態様において、化合物は、式VIの1つ、または医薬的に許容しうるその塩である:






[式中: Yは、NまたはCHであり; 各JBは、独立して、ハロまたはC1−4アルキルから選択され; nは、0、1、2または3であり; R11は、H、ハロ、−NRa2Rb2、C1−4アルキル、5〜6員ヘテロアリール、またはC3−6シクロアルキルであり、これに関し、C1−4アルキル、5〜6員ヘテロアリールおよびC3−6シクロアルキルはそれぞれ、ハロから独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよく; Ra2は、水素またはC1−4アルキルであり;そして Rb2は、水素またはC1−4アルキルである]。


[0083]式IV、VおよびVIのいくつかの態様において、R11は、1、2または3個のハロで置換されていてもよいC1−4アルキルである。 [0084]いくつかの態様において、式Iの化合物は、表Iに挙げるものから選択される。






























いくつかの態様において、式Iの化合物は、その中性形態にあるか、または医薬的に許容しうる塩として存在する。 本発明の医薬的に許容しうる塩 [0085]本明細書中で用いる場合、“医薬的に許容しうる塩”というフレーズは、式Iの化合物の医薬的に許容しうる有機または無機塩をさす。式Iの化合物の医薬的に許容しうる塩は、医薬品に用いられる。しかしながら、医薬的に許容しえない塩は、式Iの化合物またはそれらの医薬的に許容しうる塩の調製に有用であることができる。医薬的に許容しうる塩は、酢酸イオン、コハク酸イオン、または他の対イオンのような他の分子の包含を含むことができる。対イオンは、親化合物上の電荷を安定化する任意の有機または無機部分であることができる。さらに、医薬的に許容しうる塩は、構造中に1より多くの荷電原子を有することができる。多数の荷電原子が医薬的に許容しうる塩の一部である例は、多数の対イオンを有することができる。したがって、医薬的に許容しうる塩は、1以上の荷電原子および/または1以上の対イオンを有することができる。


[0086]本明細書中に記載する化合物の医薬的に許容しうる塩は、無機酸、有機酸または塩基を含む化合物から誘導されるものを包含する。いくつかの態様において、塩は、化合物の最終的な単離および精製中にその場で調製することができる。他の態様において、塩は、別個の合成段階において遊離形態の化合物から調製することができる。


[0087]式Iの化合物が酸性であるか、十分に酸性の生物学的等価体(bioisostere)を含有する場合、適した“医薬的に許容しうる塩”は、無機塩基および有機塩基を含む医薬的に許容しうる非毒性塩基から調製される塩をさす。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。特定の態様としては、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩が挙げられる。医薬的に許容しうる有機非毒性塩基から誘導される塩としては、第一級、第二級および第三級アミン、天然由来の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが挙げられる。


[0088]式Iの化合物が塩基性であるか、十分に塩基性の生物学的等価体を含有する場合、塩は、無機および有機酸を含む医薬的に許容しうる非毒性酸から調製することができる。そのような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。特定の態様としては、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸が挙げられる。他の代表的塩としては、限定されるものではないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))が挙げられる。


[0089]上記医薬的に許容しうる塩および他の典型的な医薬的に許容しうる塩の調製法は、Berg et al.,“Pharmaceutical Salts,”J.Pharm.Sci.,1977:66:1-19に十分に記載されており、これを全体として本明細書中で参考として援用する。


[0090]本明細書中に記載する化合物に加え、それらの医薬的に許容しうる塩も、本明細書中で特定する疾患を処置または予防するための組成物に採用することができる。 医薬組成物および投与方法。


[0091]本明細書中に開示する化合物、およびその医薬的に許容しうる塩は、医薬組成物または“製剤”として配合することができる。 [0092]典型的な製剤は、式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩と、キャリヤー、希釈剤または賦形剤を混合することにより調製する。適したキャリヤー、希釈剤および賦形剤は当業者に周知であり、炭水化物、ワックス、水溶性および/もしくは水膨潤性ポリマー、親水性もしくは疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水などのような材料を包含する。用いる特定のキャリヤー、希釈剤または賦形剤は、式Iの化合物を配合する手段および目的に依存する。溶媒は、一般に、哺乳類に投与するのに安全(GRAS−一般に安全とみなされる(Generally Regarded as Safe))であると当業者に認められている溶媒に基づき選択する。一般に、安全な溶媒は、非毒性水性溶媒、例えば、水、および水中で溶解性または混和性を示す他の非毒性溶媒である。適した水性溶媒としては、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)など、およびそれらの混合物が挙げられる。製剤はまた、見栄えの良い薬物(すなわち、式Iの化合物またはその医薬組成物)を提供するために、または医薬製品(すなわち医薬品)の製造を補助するために、他のタイプの賦形剤、例えば、1以上の緩衝剤、安定剤、付着防止剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、バインダー、懸濁化剤、崩壊剤、充填剤、収着剤、コーティング(例えば、腸溶性または徐放性)、防腐剤、酸化防止剤、不透明化剤(opaquing agent)、流動促進剤(glidant)、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤および他の公知の添加剤を包含することができる。


[0093]製剤は、従来の溶解および混合手順を用いて調製することができる。例えば、バルクの薬物物質(すなわち、式Iの化合物、医薬的に許容しうるその塩、または該化合物の安定化形態、例えば、シクロデキストリン誘導体もしくは他の公知の複合体形成剤との複合体)を、1以上の上記賦形剤の存在下で、適した溶媒に溶解する。望ましい純度を有する化合物を、凍結乾燥製剤、ミル粉砕粉末または水溶液の形態で、医薬的に許容しうる希釈剤、キャリヤー、賦形剤または安定剤と混合してもよい。配合は、周囲温度、適したpH、および望ましい純度で、生理学的に許容しうるキャリヤーと一緒に混合することにより行うことができる。製剤のpHはおもに化合物の特定用途および濃度に依存するが、約3〜約8の範囲であることができる。本明細書中に記載する薬剤が、溶媒プロセスによって形成される固体非晶質分散物である場合、後に噴霧乾燥することができるスラリーとしての溶液中に添加剤を溶解または懸濁させるように、混合物を形成するときに添加剤を噴霧乾燥溶液に直接加えてもよい。あるいは、添加剤は、最終的な配合製品の形成を補助するために、噴霧乾燥プロセス後に加えてもよい。


[0094]式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩は、典型的には、容易に制御可能な薬物投与量を提供し、処方されたレジメンでの患者の服薬順守を可能にするような、医薬剤形に配合される。式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩の医薬製剤は、さまざまな投与経路および投与タイプに合わせて調製することができる。異なる医学的状態では異なる投与経路が当然必要であるので、同一化合物に関しさまざまな剤形が存在することができる。


[0095]キャリヤー材料と組み合わせて単一剤形をもたらすことができる活性成分の量は は、処置する被験対象および特定の投与方法に応じて変動する。例えば、ヒトへの経口投与を意図した持効性製剤は、約1〜1000mgの活性材料を、全組成物の約5〜約95%(重量:重量)であることができる適切で好都合な量のキャリヤー材料と配合して、含有することができる。医薬組成物は、容易に測定可能な投与量が提供されるように調製することができる。例えば、静脈内注入を意図した水溶液は、約30mL/時間の割合での適した注入体積をもたらすことができるように、溶液1ミリリットルにつき約3〜500μgの活性成分を含有することができる。一般的計画として、投与される阻害薬の初期医薬的有効量は1用量あたり約0.01〜100mg/kg、すなわち1日あたり患者の体重1kgにつき約0.1〜20mg/kgの範囲であり、用いられる化合物の典型的な初期範囲は0.3〜15mg/kg/日である。


[0096]本明細書中で用いられる“治療的有効量”という用語は、研究者、獣医、医師または他の臨床家により探求されている組織、系、動物またはヒトにおける生物学的または医薬的応答を生じさせる、活性化合物または医薬品の量を意味する。投与される化合物の治療的または医薬的有効量は、そのような考慮対象の影響を受け、疾患または障害またはその1以上の症状の改善、治癒または処置に必要な最小量である。


[0097]式Iの医薬組成物は、優良医療規範(good medical practice)と一致する方法、すなわち、量、濃度、スケジュール、コース、ビヒクルおよび投与経路で、配合し、投与量に分け(dosed)、投与される(adminstered)。この文脈における考慮対象の要因としては、処置される特定の障害、処置される特定の哺乳類、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与のスケジューリング、および医療従事者に知られている他の要因、例えば、個々の患者の年齢、体重および応答が挙げられる。


[0098]“予防的有効量”という用語は、疾患もしくは障害を防ぐまたは疾患もしくは障害を獲得する可能性を実質的に低下させるか、獲得前に疾患または障害の重症度を低下させるか、症状が発現する前に1以上の症状の重症度を低下させるのに有効な量をさす。おおまかに、予防的方策は、一次予防(疾患の発現を予防する)と二次予防(疾患が既に発現している場合に、その経過の悪化から患者を保護する)に分けられる。


[0099]許容しうる希釈剤、キャリヤー、賦形剤および安定剤は、採用される投与量および濃度において受容者に毒性を示さないものであり、緩衝剤、例えば、ホスフェート、シトレート、および他の有機酸;酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸およびメチオニン;防腐剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾール);タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンまたはリシン;単糖類、二糖類、および他の炭水化物、例えば、グルコース、マンノースまたはデキストリン;キレート化剤、例えばEDTA;糖類、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトール;塩形成対イオン、例えばナトリウム;金属複合体(例えばZn−タンパク質複合体);および/または非イオン性界面活性剤、例えば、TWEENTM、PLURONICSTMまたはポリエチレングリコール(PEG)を包含する。活性医薬成分は、例えば、コロイド薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミン小球体、マイクロエマルション、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロエマルションにおいてコアセルベーション技術または界面重合により調製されるマイクロカプセル、例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ−(メタクリル酸メチル)マイクロカプセルに、封入することもできる。そのような技術は、Remington’s:The Science and Practice of Pharmacy,第21版,University of the Sciences in Philadelphia編集,2005年(以下、“Remington’s”)に開示されている。


[00100]“制御された薬物送達システム”では、薬物が、薬物および処置される状態に適合するように正確に制御された方法で身体に供給される。第1の目的は、作用部位において望ましい持続期間にわたり治療的薬物濃度を達成することである。“制御放出”という用語は、剤形からの薬物の放出を改変するさまざまな方法をさすために用いられることが多い。この用語は、“徐放性放出”、“遅延放出”、“改変(modified)放出”または“持続放出”とよばれる調製物を包含する。一般に、本明細書中に記載する薬剤の制御放出は、多種多様なポリマーキャリヤーおよび制御放出システム、例えば、浸食性および非浸食性マトリックス、浸透性制御デバイス、さまざまなレザバーデバイス、腸溶性コーティングならびに多微粒子性制御デバイスの使用により、提供することができる。


[00101]“持続放出調製物”は、制御放出のもっとも一般的な適用である。持続放出調製物の適した例としては、化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、該マトリックスは、造形品、例えばフィルム、またはマイクロカプセルの形態をしている。持続放出マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許公報第3773919号)、L−グルタミン酸とガンマ−エチル−L−グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン−酢酸ビニル、分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げられる。


[00102]“即時放出性調製物”を調製することもできる。これらの製剤の目的は、薬物を血流に入れて作用部位にできるだけ迅速に到達させることである。例えば、迅速に溶解させるために、ほとんどの錠剤は、顆粒への急速な崩壊を経た後、微粒子に離解(deaggregation)するように設計されている。これにより、溶解媒体に暴露される表面積がより大きくなり、より迅速な溶解速度がもたらされる。


[00103]本明細書中に記載する薬剤は、浸食性または非浸食性ポリマーマトリックス制御放出デバイスに組み込むことができる。浸食性マトリックスとは、純水中で浸食性または膨潤性または可溶性であるか、あるいは、浸食または溶解が生じるようにポリマーマトリックスを十分にイオン化するのに酸または塩基の存在が必要であるという意味において、水性浸食性または水膨潤性または水溶性であることを意味する。水性使用環境と接触すると、浸食性ポリマーマトリックスは水を吸収して水性膨潤ゲルまたはマトリックスを形成し、これが本明細書中に記載する薬剤を取り込む。水性膨潤マトリックスは、使用環境において徐々に浸食、膨潤、崩壊、または溶解し、これにより、使用環境への本明細書中に記載する化合物の放出が制御される。この水膨潤マトリックスの一成分が、水膨潤性、浸食性、または可溶性ポリマーであり、これは一般に、オスモポリマー、ヒドロゲル、または水膨潤性ポリマーと記載されることがある。そのようなポリマーは、線状、分枝状であるか、または架橋されていることができる。ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーであることができる。特定の態様において、これらは、ビニル、アクリレート、メタクリレート、ウレタン、エステルおよびオキシドモノマーから誘導される合成ポリマーであることができる。他の態様において、これらは、天然由来のポリマーの誘導体、例えば、多糖類(例えば、キチン、キトサン、デキストランおよびプルラン;ゴム寒天、アラビアゴム、カラヤゴム、ローカストビーンガム、トラガカントゴム、カラゲナン、ガッティガム、グアーガム、キサンタンガムおよびスクレログルカン)、デンプン(例えば、デキストリンおよびマルトデキストリン)、親水性コロイド(例えば、ペクチン)、リン脂質(例えば、レシチン)、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、カリウムまたはカルシウム、プロピレングリコールアルギネート)、ゼラチン、コラーゲン、およびセルロース系材料であることができる。セルロース系材料は、糖の繰り返し単位上のヒドロキシル基の少なくとも一部を化合物と反応させてエステル連結またはエーテル連結置換基を形成することにより修飾されている、セルロースポリマーである。例えば、セルロース系エチルセルロースは、糖の繰り返し単位に付着しているエーテル連結エチル置換基を有し、セルロース系酢酸セルロースは、エステル連結アセテート置換基を有する。特定の態様において、浸食性マトリックスのためのセルロース系材料は水溶性を含み、水性−浸食性セルロース系材料としては、例えば、エチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート(HPMCAT)、およびエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)を挙げることができる。特定の態様において、セルロース系材料は、さまざまなグレードの低粘度(50000ダルトン以下の分子量、例えば、Dow MethocelTMシリーズE5、E15LV、E50LVおよびK100LY)および高粘度(50000ダルトンをこえる分子量、例えば、E4MCR、E10MCR、K4M、K15MおよびK100M、ならびにMethocelTM Kシリーズ)HPMCを含む。他の市販のタイプのHPMCとしては、Shin Etsu Metolose 90SHシリーズが挙げられる。


[00104]浸食性マトリックス材料として有用な他の材料としては、限定されるものではないが、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、エタクリル酸またはメタクリル酸のコポリマー(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm America, Inc.,Piscataway,ニュージャージー州)、ならびに他のアクリル酸誘導体、例えば、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレートおよび(トリメチルアミノエチル)メタクリレートクロリドのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。


[00105]あるいは、本発明の薬剤を、非浸食性マトリックスデバイスによって投与するか、またはそれに組み込むことができる。そのようなデバイスでは、本明細書中に記載する薬剤を、不活性マトリックス中に分散させる。薬剤は、不活性マトリックスを通して拡散することによって放出される。不活性マトリックスに適した材料の例としては、不溶性プラスチック(例えば、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチルコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン)、親水性ポリマー(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドンとしても知られる))、および脂肪族化合物(例えば、カルナバろう、ミクロクリスタリンワックス、およびトリグリセリド)が挙げられる。そのようなデバイスは、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,第20版(2000)においてさらに記載されている。


[00106]上記のように、本明細書中に記載する薬剤は、浸透性制御デバイスに組み込むこともできる。そのようなデバイスは一般に、本明細書中に記載するような1以上の薬剤を含有するコアと、該コアを包囲する水透過性で非溶解性の非浸食性コーティングであって、使用環境へのコアの一部またはすべての押し出しによって薬物放出がもたらされるように、水性使用環境からコア内への水の流入を制御する、前記コーティングとを含む。特定の態様において、コーティングは、ポリマーであり、水透過性であり、少なくとも1つの送達ポートを有する。浸透性デバイスのコアは、そのような半透膜を介して周囲環境から水を吸収するように作用する浸透圧剤を含んでいてもよい。このデバイスのコアに含有される浸透圧剤は、水膨潤性親水性ポリマーであることができ、または、オスマゲント(osmagent)としても知られるオスモゲン(osmogen)であることができる。デバイス内で圧力が生じ、これにより、薬剤(1以上)は、オリフィス(静水圧ヘッドの増大を防止しつつ、溶質拡散を最小限に抑えるように設計されたサイズのもの)を介してデバイスの外へと押し出される。浸透性制御デバイスの非限定的例は、米国特許出願公開第09/495061号に開示されている。


[00107] コア内に存在する水膨潤性親水性ポリマーの量は、約5〜約80重量%(例えば10〜50重量%など)の範囲であることができる。コア材料の非限定的例としては、親水性ビニルおよびアクリルポリマー、アルギン酸カルシウムなどの多糖類、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)および架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマー、およびメタクリル酸メチル、酢酸ビニルなどのような疎水性モノマーとのPVA/PVPコポリマー、大きなPEOブロックを含有する親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラゲナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびカルボキシエチルセルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、およびデンプングリコール酸ナトリウムが挙げられる。他の材料としては、付加重合または縮合重合によって形成することができるポリマーの相互貫入網目構造を含むヒドロゲルが挙げられ、それらの構成要素は、まさに上記したもののような親水性および疎水性モノマーを含むことができる。水膨潤性親水性ポリマーとしては、限定されるものではないが、PEO、PEG、PVP、クロスカルメロースナトリウム、HPMC、デンプングリコール酸ナトリウム、ポリアクリル酸、およびそれらの架橋バージョンまたは混合物が挙げられる。


[00108]コアは、オスモゲン(またはオスマゲント)を含むこともできる。コア中に存在するオスモゲンの量は、約2〜約70重量%(例えば、10〜50重量%など)の範囲であることができる。適したオスモゲンの典型的なクラスは、水を吸収して、それにより周囲コーティングのバリアの全体にわたり浸透圧勾配をもたらすことができる、水溶性有機酸、塩、および糖である。典型的な有用なオスモゲンとしては、限定されるものではないが、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、マンニトール、キシリトール、尿素、ソルビトール、イノシトール、ラフィノース、スクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、クエン酸、コハク酸、酒石酸、およびそれらの混合物が挙げられる。特定の態様において、オスモゲンは、グルコース、ラクトース、スクロース、マンニトール、キシリトール、塩化ナトリウムであり、それらの組み合わせを含む。


[00109]薬物送達の速度は、コーティングの透過性および厚さ、薬物含有層の浸透圧、ヒドロゲル層の親水性の程度、およびデバイスの表面積などの要因によって制御される。当業者なら、コーティングの厚さが増大するにつれて放出速度は低下するが、以下:コーティングの透過性の上昇;ヒドロゲル層の親水性の上昇;薬物含有層の浸透圧の上昇;またはデバイスの表面積の増大;のいずれかが放出速度を上昇させることを、理解するであろう。


[00110]特定の態様において、本明細書中に記載する薬剤の粒子は、そのような浸透性デバイスの動作中に押し出される流体中に取り込まれることが望ましい。粒子が十分に取り込まれるように、粒子が錠剤コアに沈降する状況になる前に、薬剤薬物形態を流体に分散させる。これを達成する手段の1つは、圧縮コアをその微粒子構成要素に解体する働きをする崩壊剤を加えることによる。標準的な崩壊剤の非限定的例としては、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、ExplotabTM CLV)、微結晶セルロース(例えば、AvicelTM)、微結晶ケイ化セルロース(例えば、ProSolvTM)およびクロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac−Di−SolTM)などの材料、ならびに当業者に公知の他の崩壊剤が挙げられる。特定の製剤によっては、いくつかの崩壊剤は他のものよりも良好に作用する。いくつかの崩壊剤は水で膨潤するとゲルを形成し、これにより、デバイスからの薬物送達を妨げる傾向がある。非ゲル化性で非膨潤性の崩壊剤は、水がコアに入ると、コア内での薬物粒子のより迅速な分散をもたらす。特定の態様において、非ゲル化性で非膨潤性の崩壊剤は、樹脂、例えばイオン交換樹脂である。一態様において、樹脂はAmberliteTM IRP88(Rohm and Haas,Philadelphia,ペンシルベニア州から入手可能)である。用いる場合、崩壊剤は、コア薬剤の約1〜25%の範囲の量で存在する。


[00111]浸透性デバイスの他の例は、浸透性カプセルである。カプセルシェルまたはカプセルシェルの一部は、半透性であることができる。カプセルには、本明細書中に記載する薬剤、水を吸収して浸透可能性をもたらす賦形剤、および/または水膨潤性ポリマー、または所望により可溶化賦形剤、からなる粉末または液体のいずれかを充填することができる。カプセルコアは、上記の二層、三層または同心形状に類似する二層または多層剤を有するように作製することもできる。


[00112]本発明に有用な浸透性デバイスの他のクラスは、欧州特許EP378404号に記載されているような、コーティングされた膨潤性錠剤を含む。コーティングされた膨潤性錠剤は、本明細書中に記載する薬剤および膨潤性材料、好ましくは親水性ポリマーを含む錠剤コアを含み、該コアは、水性使用環境において、親水性ポリマーが薬剤を押し出して外へ出すことができる穴または細孔を含有する膜でコーティングされている。あるいは、膜は、ポリマーまたは低分子量水溶性ポロシゲン(porosigen)を含有することができる。ポロシゲンは、水性使用環境において溶解して、親水性ポリマーおよび薬剤が押し出されることができる細孔をもたらす。ポロシゲンの例は、HPMC、PEGなどの水溶性ポリマー、ならびに、グリセロール、スクロース、グルコースおよび塩化ナトリウムなどの低分子量化合物である。これに加えて、レーザーまたは他の機械的手段を用いてコーティング中に穴を開けることによって、細孔をコーティング中に形成することができる。このクラスの浸透性デバイスでは、錠剤コア上に付着した膜が多孔質であるか、水溶性ポロシゲンを含有するか、水の進入および薬物放出のための肉眼的穴を持つという条件で、膜材料は任意のフィルム形成性ポリマー、例えば、水透過性または不透過性であるポリマーを含むことができる。このクラスの持続放出デバイスの態様は、例えば、欧州特許EP378404号に記載されているように、多層であることもできる。


[00113] 本明細書中に記載する薬剤が、液体または油、例えば、国際公開WO05/011634に記載されているような脂質ビヒクル製剤などである場合、浸透性制御放出デバイスは、複合壁で形成され、液体製剤を含むソフトゲルまたはゼラチンカプセルを含むことができ、これに関し、該壁は、カプセルの外表面上に形成されたバリヤー層、バリヤー層上に形成された発泡性層、および発泡性層上に形成された半透性層を含む。送達ポートにより、液体製剤は水性使用環境に接続される。そのようなデバイスは、例えば、米国特許公報第6419952号、同第6342249号、同第5324280号、同第4672850号、同第4627850号、同第4203440号、および同第3995631号に記載されている。


[00114]さらに上記したように、本明細書中に記載する薬剤は、概して約10μm〜約2mm(例えば、直径約100μm〜1mmなど)の範囲のサイズである微小微粒子の形態で提供することができる。そのような多微粒子(multiparticulate)は、例えば、ゼラチンカプセル、またはHPMCAS、HPMCもしくはデンプンなどの水溶性ポリマーから形成されるカプセルなどのカプセルに包装するか;液体中の懸濁液またはスラリーとして投与するか;あるいは、圧縮または当分野で公知の他のプロセスによって錠剤、カプレットまたは丸剤に形成することができる。そのような多微粒子は、湿式および乾式造粒プロセス、押出/球状化(spheronization)、ローラー圧縮、溶融凝固など任意の公知のプロセスによるか、またはシードコアの噴霧コーティングによって、作製することができる。例えば、湿式および乾式造粒プロセスでは、本明細書中に記載する薬剤および所望による賦形剤を、望ましいサイズの多微粒子が形成するように造粒することができる。


[00115]薬剤は、界面活性剤分子の界面フィルムによって安定化されている油と水のような2つの不混和性液体からなり、概して熱力学的に安定で等方的に明澄な分散液であるマイクロエマルションに、組み込むことができる(Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,New York: Marcel Dekker,1992,第9巻)。マイクロエマルションを調製するためには、界面活性剤(乳化剤)、補助界面活性剤(補助乳化剤)、油相および水相が必要である。適した界面活性剤としては、エマルションの調製に有用な任意の界面活性剤、例えば、典型的にはクリームの調製に用いられる乳化剤が挙げられる。補助界面活性剤(または“補助乳化剤”)は一般に、ポリグリセロール誘導体、グリセロール誘導体、および脂肪族アルコールの群より選択される。好ましい乳化剤/補助乳化剤の組み合わせは一般に、必ずしもではないが、モノステアリン酸グリセリルおよびポリオキシエチレンステアレート;ポリエチレングリコールおよびエチレングリコールパルミトステアレート;ならびにカプリル酸およびカプリン酸トリグリセリドおよびオレオイルマクロゴールグリセリド;からなる群より選択される。水相としては、水だけでなく、典型的には、緩衝剤、グルコース、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、好ましくは、低分子量ポリエチレングリコール(例えば、PEG300およびPEG400)、および/またはグリセロールなどが挙げられ、油相は一般に、例えば、脂肪酸エステル、変性植物油、シリコーン油、モノ−、ジ−およびトリグリセリドの混合物、PEGのモノ−およびジ−エステル(例えば、オレオイルマクロゴールグリセリド)などを含む。


[00116]本明細書に記載する化合物は、医薬的に許容しうるナノ粒子、ナノ球体およびナノカプセル製剤に組み込むことができる(DelieおよびBlanco−Prieto,2005,Molecule 10:65〜80)。ナノカプセルは一般に、安定的かつ再現可能な状態で、化合物を取り込むことができる。細胞内ポリマー過負荷による副作用を回避するために、in vivoで分解され得るポリマー(例えば、生分解性ポリアルキル−シアノアクリレートナノ粒子)を用いて、超微粒子(約0.1μmのサイズ)を設計することができる。そのような粒子は、従来技術に記載されている。


[00117]本発明の化合物でコーティングされた埋め込み型デバイスは、本発明のもう一つの態様である。化合物を埋め込み型医療デバイス、例えばビーズ上にコーティングするか、ポリマーまたは他の分子と合剤化して“薬物デポ剤”をもたらすこともでき、これにより、薬物の水溶液を投与した場合より長期間にわたり薬物を放出させることが可能なる。コーティングされた埋め込み型デバイスの適したコーティングおよび一般的調製物は、米国特許公報第6099562号;同第5886026号;および同第5304121号に記載されている。コーティングは、典型的には、生体適合性ポリマー材料、例えば、ヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレン酢酸ビニル、およびそれらの混合物である。コーティングを、所望により、フルオロシリコーン、多糖類、ポリエチレングリコール、リン脂質またはそれらの組み合わせの適したトップコートによりさらに覆って、組成物の制御放出特性を付与してもよい。


[00118]製剤としては、本明細書中に詳述する投与経路に適したものが挙げられる。製剤は、単位剤形で好都合に提供されることができ、薬学技術分野で周知の方法のいずれかにより調製することができる。技術および配合は一般に、Remington’sに見いだされる。そのような方法は、活性成分を、1以上の補足成分を構成するキャリヤーと関連づける段階を包含する。一般に、製剤は、活性成分を液体キャリヤーまたは微粉固体キャリヤーまたは両方と均一かつ密接に関連づけた後、必要に応じて、産生物を付形することにより調製される。


[00119]本発明の化合物、組成物または製剤に関する“投与する”、“投与すること”または“投与”という用語は、該化合物を、処置を必要としている動物の器官系に導入することを意味する。本発明の化合物を1以上の他の活性薬剤と組み合わせて提供する場合、“投与”およびその変形はそれぞれ、化合物および他の活性薬剤を同時および/または逐次的に導入することを包含すると理解する。


[00120]本明細書中に記載する組成物は、処置される疾患の重症度およびタイプに応じて、全身的に、または局部的に、例えば、経口的に(例えば、カプセル、粉末、溶液、懸濁液、錠剤、舌下錠剤などを用いて)、吸入により(例えば、エアロゾル、ガス、吸入器、ネブライザーなどで)、に(例えば点耳液を用いて)、局所に(例えば、クリーム、ゲル、リニメント剤、ローション、軟膏、ペースト、経皮パッチなどを用いて)、眼に(例えば、点眼液、眼科用ゲル、眼軟膏で)、経直腸的に(例えば、浣腸剤または坐剤を用いて)、経鼻的に、口腔内に、経膣的に(例えば、潅注液、子宮内器具、膣坐剤、膣リングまたは膣錠などを用いて)、埋め込まれたレザバーなどを介して、または非経口的に、投与することができる。本明細書中で用いる場合、“非経口的”という用語は、限定されるものではないが、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内への注射または注入技術を包含する。組成物は、経口、腹腔内または静脈内に投与されることが好ましい。


[00121]本明細書中に記載する医薬組成物は、任意の経口的に許容しうる剤形、例えば、限定されるものではないが、カプセル、錠剤、水性懸濁液または水溶液で、経口投与することができる。経口投与のための液体剤形としては、限定されるものではないが、医薬的に許容しうるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。活性化合物に加えて、液体剤形は、当分野で一般に用いられている不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(とりわけ、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含有することができる。不活性希釈剤のほかに、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤および芳香剤などのアジュバントも包含することができる。


[00122]経口投与のための固体剤形としては、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、および顆粒が挙げられる。そのような固体剤形では、活性化合物を、少なくとも1つの不活性な医薬的に許容しうる賦形剤またはキャリヤー、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、および/またはa)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、b)バインダー、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなど、c)保湿剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケート、および炭酸ナトリウム、e)溶液抑制剤、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど、h)吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイト粘土、ならびにi)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物と混合する。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、あるいは、公知の技術、例えば、不快な味を隠すため、または胃腸管での崩壊および吸収を遅らせて、これにより長期間にわたる持続作用をもたらすためのマイクロカプセル化により、コーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの遅延材料を、単独またはワックスと一緒に採用することができる。水溶性味質マスキング剤、例えば、ヒドロキシプロピル−メチルセルロースまたはヒドロキシプロピル−セルロースを採用してもよい。


[00123]経口投与に適した式Iの化合物の製剤は、錠剤、丸剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルション、硬もしくは軟カプセル、例えばゼラチンカプセル、シロップ、またはエリキシルなどの別個の単位として、調製することができる。経口使用を意図した化合物の製剤は、医薬組成物の製造に関する当技術分野で公知の任意の方法に従って調製することができる。


[00124]圧縮錠は、粉末または顆粒など自由に流動する形態にある活性成分を、所望により、バインダー、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、界面活性剤または分散剤と混合して、適した機械で圧縮することにより調製することができる。湿製錠は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状活性成分の混合物を適した機械で成形することにより作製することができる。


[00125]経口使用のための製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセルとして、または、活性成分が水溶性キャリヤー、例えば、ポリエチレングリコールもしくは油性媒体、例えば、落花生油、液体パラフィンもしくはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルとして、提供することもできる。


[00126]活性化合物は、1以上の上記賦形剤と一緒にマイクロカプセル化された形態にあることもできる。 [00127]水性懸濁液が経口使用で求められている場合、活性成分を乳化剤および懸濁化剤と組み合わせる。望ましい場合、特定の甘味剤および/または香味剤を加えてもよい。シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースと一緒に配合することができる。そのような製剤は、粘滑剤、防腐剤、香味剤および着色剤および酸化防止剤を含有することもできる。


[00128]本明細書中に記載する組成物の滅菌注射用形態(例えば、非経口投与用)は、水性または油性懸濁液であることができる。これらの懸濁液は、適した分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、当技術分野で公知の技術に従って配合することができる。滅菌注射用調製物は、非毒性で非経口的に許容しうる希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液であることもできる。採用することができる許容しうるビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および生理食塩水がある。これに加えて、従来、滅菌固定油が溶媒または懸濁化媒体として採用されている。この目的では、任意の無菌性固定油、例えば、合成モノ−またはジ−グリセリドを採用することができる。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体のような脂肪酸は、天然の医薬的に許容しうる油、例えば、特にポリオキシエチル化バージョンのオリーブ油またはヒマシ油のように、注射剤の調製に有用である。これらの油性溶液または懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、またはエマルションおよび懸濁液など医薬的に許容しうる剤形の製剤に一般に用いられている同様の分散剤を、含有することもできる。他の一般に用いられている界面活性剤、例えば、Tween、Span、および医薬的に許容しうる固体、液体または他の剤形の製造に一般に用いられている他の乳化剤または生物学的利用能増強剤も、注射用製剤の目的に用いることができる。


[00129]油状懸濁液は、式Iの化合物を、植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油か、または液体パラフィンのような鉱油中に懸濁させることにより、配合することができる。油状懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜ろう、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。口当たりがいい経口調製物を提供するために、上記のような甘味剤、および香味剤を加えてもよい。これらの組成物は、酸化防止剤、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソールまたはアルファ−トコフェロールを添加することにより保存することができる。


[00130]式Iの化合物の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混加物(admixture)中に活性材料を含有する。そのような賦形剤としては、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロース、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴム、ならびに分散剤または湿潤剤、例えば、天然由来のホスファチド(例えばレクチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合物(例えばポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合物(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)が挙げられる。水性懸濁液は、1以上の防腐剤、例えばエチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシ−ベンゾエート、1以上の着色剤、1以上の香味剤、および1以上の甘味剤、例えばスクロースまたはサッカリンを含有することもできる。


[00131]注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターに通して濾過することによるか、あるいは、使用前に滅菌水または他の滅菌注射用媒体中に溶解または分散させることができる滅菌固体組成物の形態にある滅菌剤を組み込むことにより、滅菌することができる。


[00132]本明細書中に記載する化合物の効果を長引かせるために、皮下注射または筋肉注射からの化合物の吸収を遅くすることがしばしば望ましい。これは、水溶性が低い結晶質または非晶質材料の液体懸濁液を用いることにより、達成することができる。つまり、化合物の吸収速度はその溶解速度に依存し、溶解速度は、結晶サイズおよび結晶質形態に依存する可能性がある。あるいは、非経口投与された化合物形態の遅延吸収は、化合物を油状ビヒクル中に溶解または懸濁することにより達成される。注射用デポ形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドのような生分解性ポリマー中の化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することにより作製する。化合物とポリマーの比、および採用する特定ポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポ注射用製剤は、体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルション中に化合物を取り込むことによっても調製される。


[00133]注射用溶液またはマイクロエマルションは、局所ボーラス注射によって患者の血流中に導入することができる。あるいは、本化合物の血中濃度が一定に維持されるように溶液またはマイクロエマルションを投与することが、有利である可能性がある。そのような一定濃度を維持するために、連続式静脈内送達デバイスを用いることができる。そのようなデバイスの例は、Deltec CADD−PLUSTM モデル5400静脈ポンプである。


[00134]直腸内または膣内投与のための組成物は、本明細書中に記載する化合物を、適した非刺激性賦形剤またはキャリヤー、例えば、ココアバター、蜜ろう、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスと混合することにより調製することができる坐剤であって、周囲温度では固体であるが体温では液体であり、したがって、直腸または膣腔で溶融して活性化合物を放出するものであることが好ましい。膣内投与に適した他の製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレーとして提供することができる。


[00135]本明細書中に記載する医薬組成物は、特に、処置の標的が、眼、耳、皮膚または下部腸管の疾患など、局所施用により容易に到達することができる領域または器官を包含する場合、局所投与することもできる。適した局所製剤は、これらの領域または器官のそれぞれについて容易に調製される。


[00136]本明細書中に記載する化合物の局所または経皮投与のための剤形としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤またはパッチが挙げられる。活性構成要素を、滅菌条件下で、医薬的に許容しうるキャリヤー、および要求に応じて、任意の必要な防腐剤または緩衝剤と一緒に混加する。眼科用製剤、点耳剤、および点眼剤も、本発明の範囲内にあることが企図される。これに加えて、本発明は、経皮パッチの使用を企図しており、これは、体への化合物の制御送達を提供するという追加的利点を有する。そのような剤形は、化合物を適した媒体に溶解または分配することにより作製することができる。皮膚全体にわたる化合物の流速を増大させるために、吸収増強剤を用いることもできる。速度は、速度制御膜を提供するか、化合物をポリマーマトリックスまたはゲルに分散させることにより、制御することができる。下部腸管に関する局所施用は、肛門坐剤製剤(上記参照)または適した浣腸製剤で達成することができる。局所的な経皮パッチを用いることもできる。


[00137]局所施用の場合、医薬組成物を、1以上のキャリヤーに懸濁または溶解させた活性構成要素を含有する適した軟膏状に配合することができる。本発明の化合物の局所施用のためのキャリヤーとしては、限定されるものではないが、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が挙げられる。あるいは、医薬組成物を、1以上の医薬的に許容しうるキャリヤーに懸濁または溶解させた活性構成要素を含有する適したローションまたはクリーム状に配合することができる。適したキャリヤーとしては、限定されるものではないが、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられる。


[00138]眼科的使用の場合、医薬組成物を、塩化ベンジルアルコニウムなどの防腐剤の有無にかかわらず、pH調整された等張性滅菌生理食塩水中の微粉化懸濁液として、または、好ましくは、pH調整された等張性滅菌生理食塩水中の溶液として、配合することができる。あるいは、眼科的使用の場合、医薬組成物を、ワセリンなどの軟膏状に配合してもよい。眼または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置の場合、製剤を、活性成分(1以上)を例えば0.075〜20%重量/重量の量で含有する局所軟膏またはクリームとして施用することができる。軟膏に配合する場合、活性成分を、油性、パラフィン系または水混和性軟膏ベースのいずれかと一緒に用いることができる。


[00139]あるいは、活性成分を、水中油型クリームベースを用いてクリーム状に配合してもよい。望ましい場合、クリームベースの水性相は、多価アルコール、すなわち、2以上のヒドロキシル基を有するアルコール、例えば、プロピレングリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG400を含む)およびそれらの混合物を包含することができる。局所製剤は、望ましくは、皮膚または他の患部を経る活性成分の吸収または浸透を増進する化合物を包含することができる。そのような皮膚浸透増進剤の例としては、ジメチルスルホキシドおよび関連類似体が挙げられる。


[00140]式Iの化合物を用いて調製されるエマルションの油相は、公知の方法で公知の成分から構成されることができる。該相は乳化剤(ほかにエマルゲント(emulgent)として知られる)のみを含むことができるが、少なくとも1つの乳化剤と、脂肪または油、または脂肪および油の両方との混合物を含むことが望ましい。親水性乳化剤を、安定剤として働く親油性乳化剤と一緒に包含させることもできる。いくつかの態様において、乳化剤は、油および脂肪の両方を包含する。総合して、安定剤(1以上)の有無にかかわらず乳化剤(1以上)はいわゆる乳化ワックスをもたらし、該ワックスは、油および脂肪と一緒になって、クリーム製剤の油状分散相を形成するいわゆる乳化軟膏ベースをもたらす。式Iの化合物の配合における使用に適したエマルゲントおよびエマルション安定剤としては、TweenTM−60、SpanTM−80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリルおよびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。


[00141]医薬組成物は、経鼻エアロゾルまたは吸入により投与することもできる。そのような組成物は、医薬製剤の分野で周知の技術に従って調製され、ベンジルアルコールまたは他の適した防腐剤、生物学的利用能を増強するための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を用いて、生理食塩水中の溶液として調製することができる。内投与または経鼻投与に適した製剤は、例えば0.1〜500ミクロンの範囲にある粒子サイズ(例えば0.5、1、30、35ミクロンなどのミクロンのきざみで0.1〜500ミクロンの範囲にある粒子を含む)を有し、肺胞嚢に達するように鼻道を経る急速吸入または口を経る吸入により投与される。


[00142]使用するための医薬組成物(または製剤)は、薬物の投与に用いられる方法に応じて多様な方法で包装することができる。一般に、分配品は、適した形態の医薬製剤が入っている容器を包含する。適した容器は当業者に周知であり、ボトル(プラスチックおよびガラス)、小袋、アンプル、プラスチック袋、金属シリンダーなどの材料を包含する。容器は、包装の内容物への無分別な接近を防ぐために、不正開封防止機能が付いたセット(assemblage)を包含することもできる。これに加えて、容器の上部には、容器内容物を記載したラベルを付着させておく。ラベルは、適した注意書きも包含することができる。


[00143]製剤は、単位用量または複数回用量のための容器、例えば、密封アンプルおよびバイアルに包装することができ、使用直前に注射用滅菌液体キャリヤー、例えば水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保管することができる。即時注射溶液または懸濁液は、上記種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製する。好ましい単位投与量製剤は、本明細書中で先に挙げた1日用量または単位1日サブ用量、またはその適した割合(fraction)の活性成分を含有するものである。


[00144]他の観点において、式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩は、獣医学的キャリヤーを含む獣医学的組成物の状態に配合することができる。獣医学的キャリヤーは、組成物の投与の目的に有用な材料であり、通常なら不活性である固体、液体またはガス状材料であることができる。獣医学分野において、活性成分に適合する。これらの獣医学的組成物は、非経口、経口または他の任意の望ましい経路により、投与することができる。 治療法 [00145]第3の観点において、本発明は、単独または組み合わせでのsGC刺激剤、またはそれらの医薬的に許容しうる塩、またはそれらを含む医薬組成物を用いることによる、特定の障害の処置を必要としている患者における前記処置に関する。


[00146]本開示は、NO濃度の増大またはcGMP濃度の増大が望ましい可能性があるさまざまな疾患を処置および/または予防するための、可溶性グラニル酸シクラーゼ(sGC)の刺激剤、その医薬製剤、および単独または1以上の追加的薬剤との組み合わせでのそれらの使用に関する。処置することができる疾患としては、限定されるものではないが、肺高血圧、動脈高血圧、心不全、アテローム性動脈硬化症、炎症、血栓症、腎線維症および腎不全、肝硬変、勃起障害、女性性的機能不全、糖尿病関連の疾患、眼疾患、および他の関連心臓血管疾患が挙げられる。


[00147]cGMP濃度の増大は、血管拡張、血小板凝集および血小板粘着の阻害、降圧作用、抗リモデリング作用、抗アポトーシス作用、抗炎症作用、および神経シグナル伝達作用をもたらす。したがって、sGC刺激剤は、さまざまな疾患および障害、例えば、限定されるものではないが、末梢、肺、肝臓(hepatic)、肝臓(liver)、心臓または脳血管/内皮の疾患または状態、泌尿生殖器−婦人科的または性的な障害または状態、血栓塞栓性疾患、虚血性疾患、線維性疾患、局所または皮膚疾患、肺または呼吸器疾患、腎または肝疾患、代謝障害、アテローム性動脈硬化症、あるいは脂質関連疾患が挙げられる。


[00148]他の態様において、本明細書中に開示する化合物は、NOに対する望ましくない低下した生物学的利用能および/または感受性によって特徴付けられる疾患および障害、例えば、酸化ストレスまたはニトロソ化ストレスの状態と関連する疾患および障害の予防および/または処置に有用であることができるsGC刺激剤である。


[00149]他の態様において、本明細書中に開示する化合物は、神経炎症の増大によって特徴付けられる疾患および障害の予防および/または処置に有用であることができるsGC刺激剤である。本発明の一態様は、神経炎症の低減を必要としている被験対象における神経炎症の低減方法であって、被験対象に、式I、IIA、IIB、II、III、IV、V、VI、I−1、I−2、I−3、I−4、I−5、I−6、I−7、I−8、I−9、I−10、I−11、I−12、I−13、I−14、I−15、I−16、I−17からI−39まで、I−41、I−42、I−47、I−48、I−50、I−51、I−53、I−54、I−56からI−60まで、I−62からI−68まで、I−70、I−7、およびI−72、または医薬的に許容しうるその塩の化合物のいずれか1つを投与することによる方法である。とりわけ、該疾患および障害は、以下の(9)〜(16)項に記載する中枢神経系疾患または障害である。


[00150]他の態様において、本明細書中に開示する化合物は、神経毒性の増大によって特徴付けられる疾患および障害の予防および/または処置に有用であることができるsGC刺激剤である。本発明の一態様は、神経毒性の低減を必要としている被験対象における神経毒性の低減方法であって、被験対象に、式I、IIA、IIB、II、III、IV、V、VI、I−1、I−2、I−3、I−4、I−5、I−6、I−7、I−8、I−9、I−10、I−11、I−12、I−13、I−14、I−15、I−16、I−17からI−39まで、I−41、I−42、I−47、I−48、I−50、I−51、I−53、I−54、I−56からI−60まで、I−62からI−68まで、I−70、I−7、およびI−72、または医薬的に許容しうるその塩の化合物のいずれか1つを投与することによる方法である。とりわけ、該疾患および障害は、以下の(9)〜(16)項に記載する中枢神経系疾患または障害である。


[00151]他の態様において、本明細書中に開示する化合物は、神経再生の障害によって特徴付けられる疾患および障害の予防および/または処置に有用であることができるsGC刺激剤である。本発明の一態様は、神経再生の回復を必要としている被験対象における神経再生の回復方法であって、被験対象に、式I、IIA、IIB、II、III、IV、V、VI、I−1、I−2、I−3、I−4、I−5、I−6、I−7、I−8、I−9、I−10、I−11、I−12、I−13、I−14、I−15、またはI I−16、I−17からI−39まで、I−41、I−42、I−47、I−48、I−50、I−51、I−53、I−54、I−56からI−60まで、I−62からI−68まで、I−70、I−7、およびI−72、または医薬的に許容しうるその塩の化合物のいずれか1つを投与することによる方法である。とりわけ、該疾患および障害は、以下の(9)〜(16)項に記載する中枢神経系疾患または障害である。


[00152]他の態様において、本明細書中に開示する化合物は、シナプス機能の障害によって特徴付けられる疾患および障害の予防および/または処置に有用であることができるsGC刺激剤である。本発明の一態様は、シナプス機能の回復を必要としている被験対象におけるシナプス機能の回復方法であって、被験対象に、式I、IIA、IIB、II、III、IV、V、VI、I−1、I−2、I−3、I−4、I−5、I−6、I−7、I−8、I−9、I−10、I−11、I−12、I−13、I−14、I−15、またはI−16、I−17からI−39まで、I−41、I−42、I−47、I−48、I−50、I−51、I−53、I−54、I−56からI−60まで、I−62からI−68まで、I−70、I−7、およびI−72の化合物のいずれか1つ、または医薬的に許容しうるその塩を投与することによる方法である。とりわけ、該疾患および障害は、以下の(9)〜(16)項に記載する中枢神経系疾患または障害である。


[00153]他の態様において、本明細書中に開示する化合物は、神経伝達物質のダウンレギュレーションによって特徴付けられる疾患および障害の予防および/または処置に有用であることができるsGC刺激剤である。本発明の一態様は、神経伝達物質の正常化を必要としている被験対象における神経伝達物質の正常化方法であって、被験対象に、式I、IIA、IIB、II、III、IV、V、VI、I−1、I−2、I−3、I−4、I−5、I−6、I−7、I−8、I−9、I−10、I−11、I−12、I−13、I−14、I−15、またはI−16、I−17からI−39まで、I−41、I−42、I−47、I−48、I−50、I−51、I−53、I−54、I−56からI−60まで、I−62からI−68まで、I−70、I−7、およびI−72の化合物のいずれか1つ、または医薬的に許容しうるその塩を投与することによる方法である。とりわけ、該疾患および障害は、以下の(9)〜(16)項に記載する中枢神経系疾患または障害である。具体的には、疾患はアルツハイマー病である。具体的には、疾患は混合型認知症である。


[00154]他の態様において、本明細書中に開示する化合物は、脳血流の障害によって特徴付けられる疾患および障害の予防および/または処置に有用であることができるsGC刺激剤である。本発明の一態様は、脳血流の回復を必要としている被験対象における脳血流の回復方法であって、被験対象に、式I、IIA、IIB、II、III、IV、V、VI、I−1、I−2、I−3、I−4、I−5、I−6、I−7、I−8、I−9、I−10、I−11、I−12、I−13、I−14、I−15、またはI−16、I−17からI−39まで、I−41、I−42、I−47、I−48、I−50、I−51、I−53、I−54、I−56からI−60まで、I−62からI−68まで、I−70、I−7、およびI−72の化合物のいずれか1つ、または医薬的に許容しうるその塩を投与することによる方法である。とりわけ、該疾患および障害は、以下の(9)〜(16)項に記載する中枢神経系疾患または障害である。具体的には、疾患は血管性認知症またはアルツハイマー病である。具体的には、疾患は混合型認知症である。他の態様において、中枢神経系障害は、脳への外傷性(非開放性または開放性の貫通性頭部損傷)、外傷性脳損傷(TBI)、または非外傷性(脳卒中、動脈瘤、低酸素症)損傷、あるいは脳損傷または神経変性疾患に起因する認知機能障害または機能不全から選択される。


[00155]他の態様において、本明細書中に開示する化合物は、神経変性の増大によって特徴付けられる疾患および障害の予防および/または処置に有用であることができるsGC刺激剤である。本発明の一態様は、神経変性の低減を必要としている被験対象における神経変性の低減方法であって、被験対象に、式I、IIA、IIB、II、III、IV、V、VI、I−1、I−2、I−3、I−4、I−5、I−6、I−7、I−8、I−9、I−10、I−11、I−12、I−13、I−14、I−15、またはI−16、I−17からI−39まで、I−41、I−42、I−47、I−48、I−50、I−51、I−53、I−54、I−56からI−60まで、I−62からI−68まで、I−70、I−7、およびI−72の化合物のいずれか1つ、または医薬的に許容しうるその塩を投与することによる方法である。とりわけ、該疾患および障害は、以下の(9)〜(16)項に記載する中枢神経系疾患または障害である。


[00156]他の態様において、本明細書中に開示する化合物は、神経保護性であるsGC刺激剤である。とりわけ、式I、IIA、IIB、II、III、IV、V、VI、I−1、I−2、I−3、I−4、I−5、I−6、I−7、I−8、I−9、I−10、I−11、I−12、I−13、I−14、I−15、またはI−16、I−17からI−39まで、I−41、I−42、I−47、I−48、I−50、I−51、I−53、I−54、I−56からI−60まで、I−62からI−68まで、I−70、I−7、およびI−72の化合物、または医薬的に許容しうるその塩は、神経の保護を必要としてる被験者において神経を保護するのに有用であることができる。とりわけ、該疾患および障害は、以下の(9)〜(16)項に記載する中枢神経系疾患または障害である。


[00157]他の態様において、本明細書中に開示する化合物は、オーファン性疼痛の徴候(orphan pain indication)の予防および/または処置に有用であることができるsGC刺激剤である。本発明の一態様は、希少な痛みの徴候の処置を必要としている被験対象における希少な痛みの徴候の処置方法であって、被験対象に、式I、IIA、IIB、II、III、IV、V、VI、I−1、I−2、I−3、I−4、I−5、I−6、I−7、I−8、I−9、I−10、I−11、I−12、I−13、I−14、I−15、またはI−16、I−17からI−39まで、I−41、I−42、I−47、I−48、I−50、I−51、I−53、I−54、I−56からI−60まで、I−62からI−68まで、I−70、I−7、およびI−72の化合物のいずれか1つ、または医薬的に許容しうるその塩を投与することによる方法である。とりわけ、オーファン性疼痛の徴候は、アセタゾラミド応答性ミオトニー、自己赤血球感作症候群、常染色体優性シャルコー・マリー・トゥース病 タイプ2V、神経障害痛を伴う常染色体優性中間型シャルコー・マリー・トゥース病、常染色体劣性肢帯筋ジストロフィー タイプ2、チャネロパチーが関連する先天性無痛症、髄腔内無痛を要する慢性疼痛、複合性局所疼痛症候群、複合性局所疼痛症候群タイプ1、複合性局所疼痛症候群タイプ2、発汗過多を伴う先天性無痛症、重度の知的障害を伴う先天性無痛症、先天性無痛症−発汗減少症候群、有痛性のひび割れを伴うびまん性掌蹠皮症、家族性偶発性疼痛症候群、主に下肢が関与する家族性偶発性疼痛症候群、主に上半身が関与する家族性偶発性疼痛症候群、遺伝性有痛性胼胝、遺伝性の感覚性および自律性神経障害 タイプ4、遺伝性の感覚性および自律性神経障害 タイプ5、遺伝性の感覚性および自律性神経障害 タイプ7、間質性膀胱炎、有痛性の眼窩および全身性神経線維腫−マルファン様体質症候群(marfanoid habitus syndrome)、発作性激痛性障害、持続性特発性顔面痛、カルパインの質的または量的欠乏、ならびにトローザ・ハント症候群から選択される。


[00158]本開示の全体にわたり、“高血圧”、“動脈高血圧”または“高い血圧(HBP)”という用語は互換的に用いられ、動脈の血圧(BP)が正常値より高い、極めて一般的で高度に予防可能な慢性状態をさす。それは、適切に制御されない場合、いくつかの重篤な心臓血管状態および腎臓状態の顕著なリスク因子を示す。高血圧は“本態性高血圧”または“特発性高血圧”とよばれる原発性疾患であることができ、あるいは他の疾患に起因することがあり、この場合は“続発性高血圧”と分類される。本態性高血圧が全症例の90〜95%を占める。


[00159]本明細書中で用いる場合、“抵抗性高血圧”という用語は、異なる抗高血圧剤クラスに属する3つの抗高血圧薬の同時使用にもかかわらず、目標血圧(通常140/90mmHg未満であるが、合併症を伴う糖尿病または腎疾患を有する患者では、130/80mmHg未満というより低い目標が推奨される)を超える血圧を維持する高血圧をさす。血圧の制御に4種以上の薬物を必要とする人も、抵抗性高血圧を有するとみなされる。高血圧は糖尿病において極めて一般的な併発状態で、肥満、民族性および年齢に応じて糖尿病患者の約20〜60%が影響を受けている。このタイプの高血圧を本明細書中では“糖尿病性高血圧”とよぶ。二型糖尿病では、高血圧は、中心性肥満および脂質異常症も含むインスリン耐性のメタボリックシンドロームの一部として現れることが多い。一型糖尿病では、高血圧は糖尿病性腎症の発症を反映する可能性がある。


[00160]本明細書中で用いる場合、“肺高血圧(PH)”は、肺血管系(肺動脈、肺静脈および肺毛細血管)における血圧の持続的上昇によって特徴付けられる疾患であり、右心肥大を生じさせて、最終的に右心不全および死をもたらす。PHの一般的症状としては、息切れ、めまいおよび失神が挙げられ、これらはすべて激しい運動により悪化する。処置を行わないと、診断後の平均余命は2.8年である。PHは多種多様な形態で存在し、病因に従って分類される。カテゴリーとしては、肺動脈高血圧(PAH)、左心疾患を伴うPH、肺疾患および/もしくは低酸素血症に関連するPH、慢性血栓性および/もしくは塞栓性疾患に起因するPH、ならびに混合型PHが挙げられる。PAHは一般集団では稀であるが、HIV感染、強皮症および鎌状赤血球症など特定の一般的状態に関連して有病率は上昇する。PHの他の形態は概してPAHより一般的であり、例えば、PHと慢性閉塞性肺疾患(COPD)との関連はとりわけ懸念されている。肺高血圧の現行の処置は、疾患の病期および機序に依存している。


[00161]本明細書中で用いる場合、“心不全”は、左心室(LV)心筋リモデリングの進行性障害であり、最終的に心機能障害および循環うっ血が決定的な特徴である複雑な臨床的症候群になり、体組織への血液および栄養素の送達が不十分になる。該状態は、心臓が損傷を受けるか過度に働き、体循環から戻ってきた血液のすべてを送り出すことができないときに生じる。送り出される血液が少なくなるので、心臓に戻ってくる血液が逆流し、体液が体の他の部分に集まっていく。心不全はまた、ナトリウムおよび水を取り除く腎臓の能力を害して、体液うっ滞をさらに悪化させる。心不全は、自律神経機能障害、神経ホルモン活性化およびサイトカインの過剰産生によって特徴付けられ、これらは進行性循環障害の一因となる。心不全の症状としては、以下が挙げられる:運動もしくは休憩中の呼吸困難(息切れ)および突然の息切れ(breathlessness)による夜間の目覚め、両方とも肺水腫を示唆している;全身疲労または衰弱;足、くるぶしおよび脚の浮腫;急激な体重増加、粘液もしくは血液をもたらすものを含む慢性咳。臨床所見に応じて、心不全は、デノボ(de novo)、一過性または慢性に分類される。急性心不全、すなわち、緊急治療を必要とする症状の急速または段階的発症は、デノボで、または非代償性になっている慢性心不全の結果として、発現する可能性がある。糖尿病は心不全患者における一般的な共存症で、不良転帰に関連するほか、処置の効力を損なう可能性がある。他の重要な共存症としては、全身性高血圧、慢性気流閉塞、睡眠時無呼吸、認知機能障害、貧血、慢性腎疾患および関節炎が挙げられる。慢性左心不全は、肺高血圧の発現に関連することが多い。特定の共存症の頻度は性別によって異なる:女性では、高血圧および甲状腺疾患がより一般的であるが、男性はより一般的に慢性閉塞性肺疾患(COPD)、末梢血管疾患、冠動脈疾患および腎不全を患う。抑うつは心不全で頻発する共存症であり、2つの状態が互いを悪化させる可能性があり、しばしば実際に悪化させる。悪液質は、長い間、心不全の重篤で頻発する合併症と認識されおり、すべての心不全患者の最大15%が罹患し、不良な予後に関連づけられている。心臓悪液質は、6カ月の期間で体重の少なくとも6%の非水腫性で不随意の損失と定義される。


[00162]“睡眠時無呼吸”という用語は、睡眠呼吸障害のもっとも一般的なものをさす。これは、気流の間欠的、周期的減少または完全停止によって特徴付けられる状態で、上気道の閉塞が関与していても関与していなくてもよい。3つのタイプの睡眠時無呼吸がある:もっとも一般的な形態の閉塞性睡眠時無呼吸、中枢性睡眠時無呼吸、および混合型睡眠時無呼吸。


[00163]“中枢性睡眠時無呼吸(CSA)”は、気道の物理的遮断ではなく、むしろ脳の正常な呼吸シグナルの機能不全によって引き起こされる。呼吸努力の欠如が血中二酸化炭素の増大をもたらし、これにより患者は目を覚ますことがある。CSAは一般集団においてはまれであるが、収縮期心不全の患者では比較的一般的に発生する。


[00164]本明細書中で用いる場合、“メタボリックシンドローム”、“インスリン抵抗性症候群”または“X症候群”という用語は、代謝状態(腹部肥満、空腹時血糖上昇、“脂質異常”(すなわち脂質レベル上昇)および血圧上昇(HBP))の群または集団をさし、これらの状態は、偶発的に単独で生じるよりも一緒に生じることが多く、一緒になって2型糖尿病および心臓血管疾患の発現を促す。メタボリックシンドロームは、トリグリセリド上昇、高密度リポタンパクコレステロール(HDL−コレステロール)低下および場合によっては低密度リポタンパクコレステロール(LDL−コレステロール)レベルの適度な上昇という特異的脂質プロフィールのほか、構成リスク因子の圧力による“アテローム性動脈硬化疾患”の進行加速によって特徴付けられる。脂質異常にはいくつかのタイプがある:“高コレステロール血症”は、コレステロールのレベル上昇をさす。家族性高コレステロール血症は、第19染色体の欠損(19p13.1〜13.3)に起因する高コレステロール血症の特異的形態である。“高グリセリド血症”は、グリセリドのレベル上昇(例えば、“高トリグリセリド血症”はトリグリセリドのレベル上昇を包含する)をさす。“高リポタンパク血症”は、リポタンパクのレベル上昇をさす(特記しない限り通常はLDL)。


[00165]本明細書中で用いる場合、“末梢血管疾患(PVD)”という用語は、一般に“末梢動脈疾患(PAD)”または“末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)”ともよばれ、冠動脈、大動脈弓血管系または脳の内部ではない大動脈の閉塞をさす。PVDは、アテローム性動脈硬化症、狭窄をもたらす炎症過程、塞栓症、または血栓形成に起因することができる。それは、急性または慢性“虚血(血液供給の不足)”のいずれかを引き起こす。PVDは、下肢で見いだされるアテローム硬化性遮断をさすために用いられることが多い用語である。PVDはまた、偶発性の動脈の狭小化(例えば“レイノー現象”)または拡張(先端紅痛症)、すなわち血管痙攣に起因する微小血管疾患として分類される疾患のサブセットを包含する。


[00166]“血栓症”という用語は、循環系を通る血流を遮る血管内部での血餅(“血栓”)形成をさす。血管が傷つくと、体は血小板(栓球)およびフィブリンを用いて血餅を形成して失血を妨げる。あるいは、血管が傷ついていなくても、適した状態が現れた場合、体内で血餅が形成する可能性がある。凝固が非常に重症で血餅が抜け出した場合、移動する血餅はここで“塞栓”として知られる。“血栓塞栓症”という用語は、血栓症とその主要な合併症である“塞栓症”の組み合わせをさす。血栓が動脈内腔の表面積の75%超を占めると、組織へ供給される血流は、酸素の減少(低酸素症)および乳酸などの代謝産物の蓄積(“痛風”)に起因する症状を引き起こすのに十分な程度に減少する。90%を超える閉塞は、酸素の完全な欠乏である無酸素症、および細胞死のモードである“梗塞症”をもたらす可能性がある。


[00167]“塞栓症”(複数形の塞栓症)は、塞栓(発生源から遠い部位で動脈性毛細管床を塞ぐことができる剥離した血管内腫瘤)が動脈床の細い毛細血管内に留まり、体の離れた部分で詰まり(血管閉塞)を引き起こす事象である。これは、発生源の部位で詰まらせる血栓と混同すべきでない。


[00168]“脳卒中”すなわち脳血管発作(CVA)は、脳への血液供給の妨害に起因する脳機能(1以上)の急激な喪失である。これは、遮断(血栓症、動脈塞栓症)または出血(血液の漏出)によって引き起こされる“虚血”(血流の欠如)に起因することができる。結果として、脳の病変部は機能することができず、体の片側の四肢の1以上を動かすことができなくなり、発言の理解または系統立てた説明ができなくなり、または視野の片側を見ることができなくなる可能性がある。脳卒中のリスク因子としては、高齢、高血圧、脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)の既往歴、糖尿病、高コレステロール、喫煙、および心房細動が挙げられる。高血圧は、脳卒中のもっとも重要で修正可能なリスク因子である。“虚血性脳卒中”は、場合によっては血栓溶解(“クロットバスター(clot buster)”としても知られる)により病院で処置され、一部の出血性脳卒中は脳神経外科が有効である。再発防止は、アスピリンおよびジピリダモールなどの抗血小板薬の投与、高血圧の制御および軽減、およびスタチンの使用を包含することができる。選ばれた患者において、頸動脈内膜切除および抗凝固薬の使用が有効である可能性がある。


[00169]“虚血”は、組織への血液供給における制限であり、(組織の生存を維持するための)細胞代謝に必要な酸素およびグルコースの不足を引き起こす。虚血は、一般に血管に関連する問題によって引き起こされ、結果として組織の損傷または機能不全が生じる。うっ血(血管収縮、血栓症または塞栓症など)に起因することがある体の所定部位における局所貧血も意味する。


[00170]American Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,第4版(DSM−IV)によると、“性的機能不全”という用語は、“性的欲求および性反応周期に関連する心理生理学的変化における障害によって特徴付けられる”一連の状態を包含する;一方、このタイプの問題は一般的であり、性的機能不全は、患者が問題を苦痛に感じたときにのみ存在するとみなされる。性的機能不全は、原因が身体的または心理的のいずれかであることができる。これは、一般に実質上ホルモン性の一次状態として存在することができるが、他の医学的状態または前記状態のための薬物療法に続発することがもっとも多い。すべてのタイプの性的機能不全は、さらに、終生型、後天性、状況性または汎発性(またはそれらの組み合わせ)として分類することができる。


[00171]DSM−IV−TRは“女性性的機能不全”の5つの主要カテゴリーを明確化している:性的欲求/関心の障害;“性的興奮障害(生殖器、主観的、および組み合わせを含む)”;オルガスム障害;性交疼痛および膣痛;ならびに持続性性的興奮障害。


[00172]“女性性的興奮障害(FSAD)”は、十分なレベルの性的興奮を達成または維持することが持続的または反復してできず、個人的な苦痛をもたらすこととして定義される。FSADは、主観的な興奮感覚の欠如(すなわち、主観的性的興奮障害)ならびに潤滑および膨潤などの身体反応の欠如(すなわち、生殖器/身体的性的興奮障害)の両方を包含する。FSADは、原因が厳密に心理学的であることができるが、一般に医学的または生理学的因子によって発生または悪化する。低エストロゲン症はFSADに関連するもっとも一般的な生理学的状態であり、泌尿生殖器萎縮および膣潤滑の低下をもたらす。


[00173]本明細書中で用いる場合、“勃起障害(ED)”は、性行為中にペニスの勃起を発現または維持することができないことにより特徴付けられる男性性的機能不全である。ペニス勃起は、ペニス内に入ってきて海綿様体に保持される血液の水力学的作用である。この過程は、性的興奮の結果として、シグナルが脳からペニスの神経に伝えられると開始することが多い。勃起が生じにくいときに、勃起障害が示される。もっとも重要な器質的原因は、心臓血管疾患および糖尿病、神経学的問題(例えば、前立腺切除術からのトラウマ)、ホルモン不足(性腺機能低下症)および薬物の副作用である。


[00174]本明細書中で用いる場合、“気管支収縮”という用語は、周囲の平滑筋の緊張に起因し、結果として咳、喘鳴および息切れを伴う肺気道の収縮を定義するために用いられる。該状態にはいくつかの原因があるが、もっとも一般的なのは喘息である。運動およびアレルギーが、通常なら無症状の個人に症状を生じさせることがある。慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような他の状態も、気管支収縮を呈することがある。


[00175]本発明のsGC刺激剤を投与することにより処置および/または予防することができる具体的な疾患または障害としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:高血圧(例えば、糖尿病性高血圧、動脈高血圧、肺高血圧、抵抗性高血圧、末梢動脈疾患など)、心不全(例えば、左心室拡張期機能不全(LVDD)および左心室収縮期機能不全(LVSD)、心不全に関連する睡眠時無呼吸)、動脈硬化性疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症)、血栓塞栓性障害(例えば、慢性血栓塞栓性肺高血圧、血栓症、脳卒中(とりわけ、虚血性脳卒中)、塞栓症、肺塞栓症)、アルツハイマー病、腎疾患(例えば、腎線維症、虚血性 腎疾患、腎不全、腎機能不全、慢性腎臓病)、肝疾患(例えば、肝線維症または肝硬変)、呼吸器疾患(例えば、肺線維症、喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺疾患)、性的障害(例えば、勃起障害、男性及び女性性的機能不全、膣萎縮)、鎌状赤血球貧血、神経炎症性の疾患または障害、および代謝障害(例えば、脂質関連疾患)。


[00176]本発明のsGC刺激剤を投与することにより処置および/または予防することができる他の具体的な疾患または障害としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:加齢に伴う記憶障害、混合型認知症、睡眠覚醒障害、およびスネドン症候群。


[00177]本発明のsGC刺激剤を投与することにより処置および/または予防することができる他の具体的な疾患または障害としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:急性疼痛、中枢性疼痛症候群、化学療法誘発性の神経障害および神経障害痛、糖尿病性神経障害、線維筋痛症、炎症性疼痛、神経障害痛、中枢神経系疾患に関連する神経障害痛、有痛性糖尿病性末梢神経障害、術後疼痛、持続性疼痛、および内臓痛。


[00178]本発明のsGC刺激剤を投与することにより処置および/または予防することができる他の具体的な疾患または障害としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:高所(高山)病、脳小血管疾患、脳血管炎、脳血管攣縮、糖尿病性心不全(糖尿病性HF)、糖尿病性血管障害、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性微小血管障害、駆出率が保持されている心不全(HFpEF)、肝性脳症、モヤモヤ病、非糖尿病性腎症、およびパーキンソン病の嚥下障害。


[00179]本発明のsGC刺激剤を投与することにより処置および/または予防することができる他の具体的な疾患または障害としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:狭心症、血管拡張性失調症(ataxia telangliectasia)、自閉症スペクトラム障害、慢性疲労、慢性外傷性脳症(CTE)、糖尿病に関連する認知障害、多発性硬化症に関連する認知障害、閉塞性睡眠時無呼吸に関連する認知障害、統合失調症に関連する認知障害(CIAS)、鎌状赤血球に関連する認知障害、振盪症、嚥下障害、眼線維症、ファブリー病、ゴーシェ病、グリア芽細胞腫、大脳マラリアに起因する炎症(SoC)、伝染性疾患に起因する炎症、知的障害、微小血管狭心症、近視性脈絡膜血管新生、視神経脊髄炎、多発性硬化症に伴う神経障害痛、帯状疱疹(帯状ヘルペス)に伴う神経障害痛、脊椎手術に伴う神経障害痛、パーキンソン病の認知症、末梢性および自律性神経障害、末梢性網膜変性、外傷後ストレス症候群、ヘルペス後神経痛、術後認知症、増殖性硝子体網膜症(vitroretinopathy)、放射線誘発性線維症、神経根障害、難治性てんかん、網膜静脈閉塞、シェーグレン症候群、脊髄損傷、脊髄性筋萎縮症、脊椎亜脱臼、タウオパチー、潰瘍、および湿潤加齢性黄斑変性症。


[00180]sGC刺激剤のような式Iの化合物および医薬的に許容しうるその塩は、sGC刺激またはNO経路のアップレギュレーションが有益でありうる以下のタイプの疾患、状態および障害の予防および/または処置に有用である: (1)末梢、肺、肝臓、腎臓、心臓または脳の血管/内皮の障害/状態または他の循環に関連する疾患: ・高血圧および冠動脈血流量減少に関連する障害、例えば、急性および慢性冠動脈血圧上昇、動脈高血圧、および心臓および腎臓の合併症に起因する血管障害(例えば、心疾患、脳卒中、脳虚血、腎不全);抵抗性高血圧、糖尿病性高血圧、うっ血性心不全;拡張期または収縮期機能障害;冠動脈機能不全;不整脈;心室前負荷の減少;心肥大;心不全/心腎症候群;門脈圧亢進;内皮機能不全または損傷; ・血栓塞栓性障害および虚血、例えば、心筋梗塞、脳卒中(とりわけ虚血性脳卒中)、一過性虚血発作(TIA);閉塞性血栓性血管炎;安定または不安定狭心症;冠動脈痙攣、異型狭心症、プリンツメタル狭心症;血栓溶解療法後の再狭窄の予防;血栓形成障害; ・末梢動脈疾患、末梢閉塞性動脈疾患;末梢血管疾患;筋緊張亢進;レイノー症候群または現象、重篤な下肢虚血、血管炎;末梢塞栓症;間欠性跛行;血管閉塞性発症;デュシェンヌおよびベッカー型筋ジストロフィー;微小循環異常;血管漏出または透過性の制御; ・ショック;敗血症;心原性ショック;白血球活性化の制御;血小板凝集の阻害または調節; ・肺/呼吸器状態、例えば、肺高血圧、肺動脈高血圧、および関連する肺血管リモデリング(例えば、限局性血栓症および右心肥大);肺筋緊張亢進;原発性肺高血圧、続発性肺高血圧、家族性肺高血圧、散発性肺高血圧、前毛細血管性肺高血圧、特発性肺高血圧、血栓性肺動脈症、多因性肺動脈症;嚢胞性線維症;気管支収縮または肺気管支収縮;急性呼吸窮迫症候群;肺線維症、肺移植; ・以下に付随または関連する肺高血圧:左心室機能不全、低酸素血症、WHOグループI、II、III、IVおよびVの高血圧、僧帽弁疾患、収縮性心膜炎、大動脈弁狭窄、心筋症、縦隔線維症、肺線維症、肺静脈還流異常、肺静脈閉塞性疾患、肺血管炎、膠原血管病、先天性心疾患、肺静脈高血圧、間質性肺疾患、睡眠呼吸障害、睡眠時無呼吸、肺胞低換気障害、高高度への慢性的暴露、新生児肺疾患、肺胞−毛細血管異形成、鎌状赤血球症、他の凝固障害、慢性血栓塞栓症、肺塞栓症(腫瘍、寄生生物または異物に起因する)、結合組織病、狼瘡、住血吸虫症、サルコイドーシス、慢性閉塞性肺疾患、喘息、気腫、慢性気管支炎、肺毛細血管血管腫症;組織球症X、リンパ管腫症、および圧縮肺血管(腺症、腫瘍または線維化性縦隔炎に起因するものなど); ・動脈硬化性疾患または状態、例えば、アテローム性動脈硬化症(例えば、内皮損傷、血小板および単球の付着および凝集、平滑筋増殖および遊走に関連するもの);再狭窄(例えば、血栓溶解療法、経皮経腔的血管形成術(PTA)、経皮経腔的冠動脈血管形成術(PTCA)およびバイパス手術後に発現するもの);炎症; ・メタボリックシンドロームに関連する心臓血管疾患(例えば、肥満、脂質異常症、糖尿病、高血圧);脂質関連疾患、例えば、脂質異常症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症(sitosterolemia)、脂肪肝疾患、および肝炎;子癇前症;多嚢胞腎疾患進行;皮下脂肪;肥満; ・慢性肝疾患、肝線維症、肝星細胞活性化、肝線維コラーゲンおよび全コラーゲン蓄積に関連する肝硬変;壊死炎症性および/または免疫由来の肝疾患;および泌尿生殖器系疾患、例えば、慢性腎疾患または腎機能不全(例えば、蓄積/沈着および組織損傷、進行性硬化症、糸球体腎炎に起因するもの)に起因する腎線維症および腎不全;前立腺肥大全身性硬化症;心臓間質性線維症;心臓のリモデリングおよび線維症;心肥大;非アルコール性脂肪肝炎またはNASH; (2)虚血、再潅流傷害;臓器移植、肺の移植(lung transplant)、肺移植(pulmonary transplant)、心臓移植に関連する虚血/再潅流;外傷患者における代用血液維持; (3)以下の状態の性的、婦人科的および泌尿器科的障害:勃起障害;インポテンス;早漏;女性性的機能不全(例えば、女性性的興奮機能障害、性的興奮低下障害)、膣萎縮、性交疼痛、萎縮性膣炎;良性前立腺過形成(BPH)または肥大または拡大、膀胱出口閉塞;膀胱痛症候群(BPS)、間質性膀胱炎(IC)、過活動膀胱、神経因性膀胱および失禁;糖尿病性腎症; (4)眼の疾患または障害:緑内障、網膜症、糖尿病性網膜症(増殖性および非増殖性を含む)、眼瞼炎、ドライアイ症候群、シェーグレン症候群; (5)聴力疾患または障害:難聴、部分的または全体的聴力損失;部分的または全体的聴覚消失;耳鳴り;雑音性聴力損失; (6)局所または皮膚の疾患または状態:真皮線維症、強皮症、皮膚線維症; (7)創傷治癒:例えば、糖尿病患者;微小血管潅流改善(例えば、損傷後、周術期ケアにおける炎症性応答に対抗するため)、裂肛、糖尿病性潰瘍におけるもの; (8)他の疾患または状態:がん転移、骨粗鬆症、胃不全麻痺;機能性消化不良;糖尿病性合併症、内皮機能不全に関連する疾患、および酸化窒素産生減少に関連する神経障害;アカラシアまたは食道アカラシア。 (9)以下から選択される中枢神経系疾患、健康状態または障害:アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはルー・ゲーリック病)、ダウン症候群、認知症、血管性認知症、血管性認知障害、混合型認知症、ビンスワンガー型認知症(皮質下動脈硬化性脳症)、皮質下梗塞および白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASILまたはCADASIL症候群)、前頭側頭葉変性症または認知症、HIV関連認知症(例えば、無症候性神経認知障害(ANI)、軽度神経認知障害(MND)、およびHIV関連認知症(HAD)(AIDS認知症症候群(AIDS dementia complex)[ADC]またはHIV脳症ともよばれる)、レビー小体型認知症、初老期認知症(軽度認知障害、MCI)、緑内障、ハンチントン病(または舞踏病、HD)、またはHDに関連する認知欠損;多発性硬化症(MS)(臨床的に分離される症候群(Clinically isolated syndrome)(CIS)、再発寛解型MS(PPMS)、原発性進行性MS(PPMS)、および続発性進行性MS(SPMS)を含む) 、多系統萎縮症(MSA)、パーキンソン病、パーキンソニズム・プラス、脊髄小脳運動失調症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー疾患(進行性核上性麻痺)、注意欠陥障害(ADD)および注意欠陥多動性障害(ADHD); (10)アルツハイマー病または前アルツハイマー病、軽度〜中等度のアルツハイマー病または中等度〜重度のアルツハイマー病から選択される、中枢神経系障害または状態; (11)中枢神経系障害は、脳への外傷性(非開放性または開放性、貫通性頭部損傷)、外傷性脳損傷(TBI、例えば、振盪症および慢性外傷性脳症(CTE)を含む)、または非外傷性(脳卒中(虚血性脳卒中を含む)、動脈瘤、低酸素症)損傷、あるいは脳損傷または神経変性疾患に起因する認知機能障害または機能不全から選択される; (12)中枢神経系疾患または状態は、筋緊張異常、例えば、全身性、局所性、分節性、性的、中間型、急性筋緊張異常反応、および遺伝性/原発性筋緊張異常など;ならびに、運動障害、例えば、急性、慢性/晩発性、および非運動性およびレボドーパ誘発性運動障害(LID)などから選択される; (13)中枢神経系疾患または状態は、シナプス可塑性およびシナプスプロセスの相対的低下によって特徴付けられる障害、例えば、脆弱X、レット障害(Rhett's disorder)、ウィリアムズ症候群、レンペニング症候群(Renpenning's syndrome)、自閉症スペクトラム障害、例えば、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害および小児期崩壊性障害などから選択される; (14)中枢神経系障害は、神経障害痛である; (15)中枢神経系障害は、双極性障害、統合失調症、一般的精神病、薬物誘発性精神病、妄想性障害、分裂情動性障害、強迫性障害(OCD)、抑うつ障害、不安障害、パニック障害、外傷後ストレス障害(PTSD)から選択される精神医学的、精神的、気分的または情動的障害である;あるいは (16)中枢神経系障害は、ケモブレイン、レボドーパ誘発性常習性挙動、アルコール依存症、麻薬依存症(例えば、限定されるものではないが、アンフェタミン、アヘンまたは他の物質)および物質乱用から選択される。


[00181]他の態様において、式Iの化合物および医薬的に許容しうるその塩は、sGC刺激またはNO経路のアップレギュレーションが有益でありうる以下のタイプの疾患、状態および障害の予防および/または処置に有用である: 高血圧、抵抗性高血圧、糖尿病性高血圧、肺高血圧(PH)、肺動脈高血圧、COPDに関連するPH、慢性気流閉塞、喘息または肺線維症、血栓症、塞栓症、血栓塞栓性障害、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、右心肥大、心不全、拡張期機能不全、収縮期機能不全、心不全に関連する睡眠時無呼吸、肝硬変、腎線維症、慢性腎疾患または腎機能不全に起因する腎不全、代謝異常、脂質異常症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、脂肪肝疾患、肝炎、勃起障害、女性性的機能不全、女性性的興奮機能障害および膣萎縮。


[00182]いくつかの態様において、本発明は、被験対象における疾患、健康状態または障害の処置方法であって、治療的有効量の任意の上記式の化合物または医薬的に許容しうるその塩を、処置を必要としている被験対象に投与することを含む方法に関し、これに関し、該疾患、健康状態または障害は、先に挙げた疾患の1つから選択される。


[00183]他の態様において、疾患、健康状態または障害は、以下から選択される、末梢、肺、肝臓、腎臓、心臓または脳の血管/内皮の障害または状態、あるいは他の循環に関連する疾患から選択される:急性および慢性冠動脈血圧上昇、動脈高血圧、および心臓および腎臓の合併症に起因する血管障害、心疾患、脳卒中(とりわけ虚血性脳卒中)、脳虚血、腎不全;抵抗性高血圧、糖尿病性高血圧、うっ血性心不全;拡張期または収縮期機能障害;冠動脈機能不全;不整脈;心室前負荷の減少;心肥大;心不全/心腎症候群;門脈圧亢進;内皮機能不全または損傷;心筋梗塞;脳卒中または一過性虚血発作(TIA);閉塞性血栓性血管炎;安定または不安定狭心症;冠動脈痙攣、異型狭心症、プリンツメタル狭心症;血栓溶解療法に起因する再狭窄および血栓形成障害。


[00184]さらに他の態様において、疾患、健康状態または障害は、以下から選択される、末梢血管/内皮の障害または状態、あるいは他の循環に関連する疾患から選択される:末梢動脈疾患、末梢閉塞性動脈疾患;末梢血管疾患;筋緊張亢進;レイノー症候群または現象または疾患;重篤な下肢虚血;血管炎;末梢塞栓症;間欠性跛行;血管閉塞性発症;デュシェンヌおよびベッカー型筋ジストロフィー;微小循環異常;および血管漏出または透過性の問題。


[00185]さらに他の態様において、疾患、健康状態または障害は、以下から選択される、肺の障害または状態、あるいは他の循環に関連する疾患である:肺高血圧;肺動脈高血圧、および関連する肺血管リモデリング;限局性血栓症;右心肥大;肺筋緊張亢進;原発性肺高血圧、続発性肺高血圧、家族性肺高血圧、散発性肺高血圧、前毛細血管性肺高血圧、特発性肺高血圧、血栓性肺動脈症、多因性肺動脈症;嚢胞性線維症;気管支収縮または肺気管支収縮;急性呼吸窮迫症候群;肺線維症および肺移植。これらの態様のいくつかにおいて、肺高血圧は、以下に付随または関連する肺高血圧である:左心室機能不全、低酸素血症、WHOグループI、II、III、IVおよびVの高血圧、僧帽弁疾患、収縮性心膜炎、大動脈弁狭窄、心筋症、縦隔線維症、肺線維症、肺静脈還流異常、肺静脈閉塞性疾患、肺血管炎、膠原血管病、先天性心疾患、肺静脈高血圧、間質性肺疾患、睡眠呼吸障害、睡眠時無呼吸、肺胞低換気障害、高高度への慢性的暴露、新生児肺疾患、肺胞−毛細血管異形成、鎌状赤血球症、凝固障害、慢性血栓塞栓症;腫瘍、寄生生物または異物に起因する肺塞栓症;結合組織病、狼瘡、住血吸虫症、サルコイドーシス、慢性閉塞性肺疾患、喘息、気腫、慢性気管支炎、肺毛細血管血管腫症;組織球症X;リンパ管腫症、および腺症、腫瘍または線維化性縦隔炎に起因する圧縮肺血管。


[00186]さらに他の態様において、健康状態または障害は、以下から選択される、血管または内皮の障害または状態、あるいは他の循環に関連する疾患である:動脈硬化性疾患;アテローム性動脈硬化症、内皮損傷に関連するアテローム性動脈硬化症、血小板および単球の付着および凝集に関連するアテローム性動脈硬化症、平滑筋増殖および遊走に関連するアテローム性動脈硬化症;再狭窄、血栓溶解療法後に発現する再狭窄;経皮経腔的血管形成術後に発現する再狭窄;経皮経腔的冠動脈血管形成術およびバイパス手術後に発現する再狭窄;炎症;メタボリックシンドロームに関連する心臓血管疾患、肥満、脂質異常症、糖尿病または高血圧;脂質関連疾患、脂質異常症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、脂肪肝疾患、および肝炎;子癇前症;多嚢胞腎疾患進行;および皮下脂肪。


[00187]さらに他の態様において、疾患、健康状態または障害は、肝硬変、慢性肝疾患、肝線維症、肝星細胞活性化、肝線維コラーゲンおよび全コラーゲン蓄積に関連する肝硬変;および壊死炎症性または免疫由来の肝疾患から選択される。


[00188]さらに他の態様において、疾患、健康状態または障害は、腎線維症;慢性腎疾患または腎機能不全に起因する腎不全;蓄積または沈着および組織損傷、進行性硬化症または糸球体腎炎に起因する腎不全;および前立腺肥大;から選択される泌尿生殖器系疾患である。


[00189]さらに他の態様において、疾患、健康状態または障害は、全身性硬化症である。 [00190]さらに他の態様において、疾患、健康状態または障害は、心臓間質性線維症;心臓のリモデリングおよび線維症および心肥大;から選択される心臓疾患である。


[00191]いくつかの態様において、疾患は、以下から選択される中枢神経系疾患、健康状態または障害である:アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはルー・ゲーリック病)、ダウン症候群、認知症、血管性認知症、混合型認知症、血管性認知障害、ビンスワンガー型認知症(皮質下動脈硬化性脳症)、皮質下梗塞および白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASILまたはCADASIL症候群)、前頭側頭葉変性症または認知症、HIV関連認知症(例えば、無症候性神経認知障害(ANI)、軽度神経認知障害(MND)、およびHIV関連認知症(HAD)(AIDS認知症症候群[ADC]またはHIV脳症ともよばれる)、レビー小体型認知症、初老期認知症(軽度認知障害、MCI)、緑内障、ハンチントン病(または舞踏病、HD)、またはHDに関連する認知欠損;多発性硬化症(MS)、多系統萎縮症(MSA)、パーキンソン病、パーキンソニズム・プラス、脊髄小脳運動失調症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー疾患(進行性核上性麻痺)、注意欠陥障害(ADD)および注意欠陥多動性障害(ADHD)。


[00192]いくつかの態様において、疾患、健康状態または障害は、アルツハイマー病または前アルツハイマー病、軽度〜中等度のアルツハイマー病または中等度〜重度のアルツハイマー病から選択される、中枢神経系障害または状態である。


[00193]他の態様において、中枢神経系障害は、脳への外傷性(非開放性または開放性、貫通性頭部損傷)、外傷性脳損傷(TBI)、または非外傷性(脳卒中(とりわけ虚血性脳卒中)、動脈瘤、低酸素症)損傷、あるいは脳損傷または神経変性疾患に起因する認知機能障害または機能不全から選択される。


[00194]他の態様において、中枢神経系疾患または状態は、筋緊張異常、例えば、全身性、局所性、分節性、性的、中間型、急性筋緊張異常反応、および遺伝性/原発性筋緊張異常など;ならびに、運動障害、例えば、急性、慢性/晩発性、および非運動性およびレボドーパ誘発性運動障害(LID)などから選択される。


[00195]他の態様において、中枢神経系疾患または状態は、シナプス可塑性およびシナプスプロセスの相対的低下によって特徴付けられる障害、例えば、脆弱X、レット障害、ウィリアムズ症候群、レンペニング症候群、自閉症スペクトラム障害、例えば、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害および小児期崩壊性障害などから選択される。


[00196]他の態様において、中枢神経系障害は神経障害痛である。 [00197]他の態様において、中枢神経系障害は、双極性障害、統合失調症、一般的精神病、薬物誘発性精神病、妄想性障害、分裂情動性障害、強迫性障害(OCD)、抑うつ障害、不安障害、パニック障害、外傷後ストレス障害(PTSD)から選択される精神医学的、精神的、気分的または情動的障害である。


[00198]他の態様において、中枢神経系障害は、ケモブレイン、レボドーパ誘発性常習性挙動、アルコール依存症、麻薬依存症(例えば、限定されるものではないが、アンフェタミン、アヘンまたは他の物質)および物質乱用から選択される。


[00199]いくつかの態様において、疾患または障害は、アカラシアまたは食道アカラシアである。 [00200]他の態様において、疾患または障害は、非アルコール性脂肪肝炎またはNASHである。


[00201]他の態様において、疾患、健康状態または障害は、虚血、再潅流傷害;臓器移植、肺の移植、肺移植または心臓移植に関連する虚血/再潅流;外傷患者における代用血液維持から選択される。


[00202]他の態様において、疾患、健康状態または障害は、以下から選択される性的、婦人科的および泌尿器科的障害または状態である:勃起障害;インポテンス;早漏;女性性的機能不全;女性性的興奮機能障害;性的興奮低下障害;膣萎縮、性交疼痛、萎縮性膣炎;良性前立腺過形成(BPH)または肥大または拡大;膀胱出口閉塞;膀胱痛症候群(BPS);間質性膀胱炎(IC);過活動膀胱、神経因性膀胱および失禁;糖尿病性腎症。


[00203]他の態様において、疾患、健康状態または障害は、膣萎縮、性交疼痛および萎縮性膣炎から選択される。 [00204]他の態様において、疾患、健康状態または障害は、良性前立腺過形成(BPH)または肥大または拡大;膀胱出口閉塞;膀胱痛症候群(BPS);間質性膀胱炎(IC);過活動膀胱、神経因性膀胱および失禁から選択される。


[00205]他の態様において、疾患、健康状態または障害は、勃起障害;インポテンス;早漏;女性性的機能不全;女性性的興奮機能障害および性的興奮低下障害から選択される性的状態である。


[00206]他の態様において、疾患または障害は糖尿病性腎症である。 [00207]他の態様において、疾患、健康状態または障害は、デュシェンヌおよびベッカー型筋ジストロフィーである。


[00208]他の態様において、疾患は、緑内障、網膜症、糖尿病性網膜症(増殖性および非増殖性を含む)、眼瞼炎、ドライアイ症候群およびシェーグレン症候群から選択される眼の疾患または障害である。


[00209]他の態様において、疾患は、難聴、部分的または全体的聴力損失;部分的または全体的聴覚消失;耳鳴り;および雑音性聴力損失から選択される聴力疾患または障害である。


[00210]他の態様において、疾患は、真皮線維症、強皮症および皮膚線維症から選択される局所または皮膚の疾患または状態である。 [00211]他の態様において、処置は、創傷治癒;糖尿病患者における創傷治癒;微小血管潅流改善;損傷後の微小血管潅流問題の改善;裂肛の処置;および糖尿病性潰瘍の処置を包含する。


[00212]他の態様において、疾患または障害は、がん転移;骨粗鬆症;胃不全麻痺;機能性消化不良;糖尿病性合併症;内皮機能不全に関連する疾患、および酸化窒素産生減少に関連する神経障害から選択される。


[00213]他の態様において、疾患または障害は、加齢に伴う記憶障害、混合型認知症、睡眠覚醒障害、およびスネドン症候群から選択される。 [00214]他の態様において、疾患または障害は、急性疼痛、中枢性疼痛症候群、化学療法誘発性の神経障害および神経障害痛、糖尿病性神経障害、線維筋痛症、炎症性疼痛、神経障害痛、中枢神経系疾患に関連する神経障害痛、有痛性糖尿病性末梢神経障害、術後疼痛、持続性疼痛、および内臓痛から選択される。


[00215]他の態様において、疾患または障害は、高所(高山)病、脳小血管疾患、脳血管炎、脳血管攣縮、糖尿病性心不全(糖尿病性HF)、糖尿病性血管障害、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性微小血管障害、駆出率が保持されている心不全(HFpEF)、肝性脳症、モヤモヤ病、非糖尿病性腎症、およびパーキンソン病の嚥下障害から選択される。


[00216]他の態様において、疾患または障害は、狭心症、血管拡張性失調症、自閉症スペクトラム障害、慢性疲労、慢性外傷性脳症(CTE)、糖尿病に関連する認知障害、多発性硬化症に関連する認知障害、閉塞性睡眠時無呼吸に関連する認知障害、統合失調症に関連する認知障害(CIAS)、鎌状赤血球に関連する認知障害、振盪症、嚥下障害、眼線維症、ファブリー病、ゴーシェ病、グリア芽細胞腫、大脳マラリアに起因する炎症(SoC)、伝染性疾患に起因する炎症、知的障害、微小血管狭心症、近視性脈絡膜血管新生、視神経脊髄炎、多発性硬化症に伴う神経障害痛、帯状疱疹(帯状ヘルペス)に伴う神経障害痛、脊椎手術に伴う神経障害痛、パーキンソン病の認知症、末梢性および自律性神経障害、末梢性網膜変性、外傷後ストレス症候群、ヘルペス後神経痛、術後認知症、増殖性硝子体網膜症、放射線誘発性線維症、神経根障害、難治性てんかん、網膜静脈閉塞、シェーグレン症候群、脊髄損傷、脊髄性筋萎縮症、脊椎亜脱臼、タウオパチー、潰瘍、および湿潤加齢性黄斑変性症から選択される。


[00217]他の態様において、疾患または障害は、オーファン性疼痛の徴候から選択される。とりわけ、オーファン性疼痛の徴候は、アセタゾラミド応答性ミオトニー、自己赤血球感作症候群、常染色体優性シャルコー・マリー・トゥース病 タイプ2V、神経障害痛を伴う常染色体優性中間型シャルコー・マリー・トゥース病、常染色体劣性肢帯筋ジストロフィー タイプ2、チャネロパチーが関連する先天性無痛症、髄腔内無痛を要する慢性疼痛、複合性局所疼痛症候群、複合性局所疼痛症候群タイプ1、複合性局所疼痛症候群タイプ2、発汗過多を伴う先天性無痛症、重度の知的障害を伴う先天性無痛症、先天性無痛症−発汗減少症候群、有痛性のひび割れを伴うびまん性掌蹠角皮症、家族性偶発性疼痛症候群、主に下肢が関与する家族性偶発性疼痛症候群、主に上半身が関与する家族性偶発性疼痛症候群、遺伝性有痛性胼胝、遺伝性の感覚性および自律性神経障害 タイプ4、遺伝性の感覚性および自律性神経障害 タイプ5、遺伝性の感覚性および自律性神経障害 タイプ7、間質性膀胱炎、有痛性の眼窩および全身性神経線維腫−マルファン様体質症候群、発作性激痛性障害、持続性特発性顔面痛、カルパインの質的または量的欠乏、ならびにトローザ・ハント症候群から選択される。


[00218]他の態様において、本発明の化合物は、ステントなどの埋め込み型デバイスの形態で送達することができる。ステントは、疾患に誘発される局所的な流れの阻害を予防または防止するために、体の天然の通路/導管に挿入されるメッシュ状の“管”である。この用語はまた、外科手術のためのアクセスを可能にするために、そのような天然の導管を一時的に開いたままにするために用いられる管をさすことができる。


[00219]薬物溶出性ステント(DES)は、狭窄し、病変している末梢または冠動脈に留置される末梢または冠動脈用ステント(スキャフォールド)であって、細胞増殖、通常は平滑筋細胞増殖を遮断するための薬物をゆっくり放出するものである。これは、通常なら血餅(血栓)と一緒になってステント動脈を遮断する可能性がある線維症を予防し、この過程は再狭窄とよばれる。ステントは、通常、インターベンション心臓病専門医またはインターベンション放射線医によって、血管形成の処置中に末梢または冠動脈内に留置される。細胞増殖を遮断するためにDESに一般に用いられる薬物としては、パクリタキセルまたはラパマイシン類似体が挙げられる。


[00220]本発明のいくつかの態様において、本発明のsGC刺激剤は、前記sGC刺激剤でコーティングされた薬物溶出性ステントにより送達させることができる。本発明のsGC刺激剤でコーティングされた薬物溶出性ステントは、経皮的冠動脈インターベンション中のステント再狭窄および血栓形成の予防に有用であることができる。本発明のsGC刺激剤でコーティングされた薬物溶出性ステントは、平滑筋細胞増殖を予防することができるほか、ステントが挿入された動脈の内皮組織の再血管化および再生を補助することができる。


[00221]冠動脈閉塞性疾患による難治性狭心症を処置するための経皮的冠動脈インターベンションの代替手段は、冠動脈バイパス移植術(CABG)とよばれる手順である。CABGは、グラフトアテローム硬化症の急速な発現によってさらに悪化する進行中の過程の唯一の緩和法である。伏在静脈グラフトは、CABG外科手術においてもっとも一般的に用いられる導管である。静脈CABGの長期にわたる臨床上の成功は、以下の3つの主な理由で阻まれる:グラフトアテローム性硬化症の加速、不完全な内皮化、および血栓形成。


[00222]いくつかの態様において、本発明のsGC刺激剤は、CABG中の伏在グラフトの故障を予防するために用いることができる。本発明の化合物は、内皮化の過程を補助し、血栓形成の予防を促進することができる。この適応において、sGC刺激剤は、ゲルの形態で局所に送達される。


[00223]本明細書中、“疾患”、“障害”および“状態”という用語は、sGC、cGMPおよび/またはNOが媒介する医学的または病理学的状態をさすために、互換的に用いることができる。


[00224]本明細書中で用いる場合、“被験対象”および“患者”という用語は、互換的に用いられる。“被験対象”および“患者”という用語は、動物(例えば、ニワトリ、ウズラもしくはシチメンチョウなどの鳥類、または哺乳類)、具体的には、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、モルモット、ラット、ネコ、イヌおよびマウス)および霊長類(例えば、サル、チンパンジーおよびヒト)を含む“哺乳類”、より具体的にはヒトをさす。いくつかの態様において、被験対象は、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ブタまたはヒツジ)またはペット(例えば、イヌ、ネコ、モルモットまたはウサギ)のような非ヒト動物である。いくつかの態様において、被験対象はヒトである。


[00225]本発明はまた、被験対象において上記疾患、状態および障害の1つを処置するための方法であって、処置を必要としている被験対象に、治療的有効量の式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩を投与することを含む、前記方法を提供する。あるいは、本発明は、これらの疾患、状態および障害の1つの処置での、処置を必要としている被験対象における、式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩の使用を提供する。本発明はさらに、式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩を用いることを含む、これらの疾患、状態および障害の1つの処置に有用な医薬品の作製または製造方法を提供する。


[00226]本明細書中で用いる場合、“生体試料”という用語は、in vitroまたはex vivo試料をさし、制限なしで、細胞培養物またはその抽出物;哺乳類から得られる生検材料またはその抽出物;血液、唾液、尿、糞便、精液、涙、リンパ液、眼液、硝子体液、脳脊髄液(CSF)、もしくは他の体液、またはそれらの抽出物を包含する。


[00227]障害または疾患に関する“処置する”、“処置している”または“処置”は、障害または疾患の原因および/または作用を軽減または妨げることをさす。本明細書中で用いられる“処置する”、“処置”および“処置している”という用語は、1以上の治療(例えば、本発明の化合物または組成物のような1以上の治療薬)の投与に起因する、sGC、cGMPおよび/またはNOが媒介する状態の進行、重症度および/または持続期間の低減または改善、あるいは前記状態の症状の1以上(好ましくは、1以上の識別可能な症状)の改善(すなわち、状態を“治癒”させることなく“制御”すること)をさす。具体的態様において、“処置する”、“処置”および“処置している”という用語は、sGC、cGMPおよび/またはNOが媒介する状態の測定可能な身体的パラメーターの少なくとも1つの改善をさす。他の態様において、“処置する”、“処置”および“処置している”という用語は、sGC、cGMPおよび/またはNOが媒介する状態の進行を、例えば識別可能な症状の安定化により身体的に、または例えば身体的パラメーターの安定化により生理学的に、またはその両方により、阻害することをさす。


[00228]本明細書中で用いられる“予防すること”という用語は、疾患または障害の1以上の症状の出現を回避または未然に防ぐために、事前に医薬品を投与することをさす。医学分野の技術者なら、“予防する”という用語が絶対的な用語ではないことを認めるであろう。医学分野において、それは、状態、またはその状態の症状の可能性または重篤性を実質的に低減するための薬物の予防的投与をさすと理解され、これが、本開示で意図する意味である。当分野の標準的テキストであるPhysician’s Desk Referenceでは、“予防する”という用語が数百回用いられている。このテキストで用いられている場合、障害または疾患に関する“予防する”、“予防すること”および“予防”という用語は、疾患または障害が完全に発現する前に、疾患または障害の原因、作用、症状または進行を回避することをさす。


[00229]一態様において、本発明の方法は、sGC、cGMPおよび/またはNOが関連する疾患、障害または症状を発現する素因(例えば遺伝学的素因)を有する患者、具体的にはヒトに対する予防的または“先制的”手段である。


[00230]他の態様において、本発明の方法は、sGC、cGMPまたはNOが関連する疾患、障害または症状を発現するリスクをもたらす疾患、障害または状態を患っている患者、具体的にはヒトに対する予防的または“先制的”手段である。


[00231]本明細書中に記載する化合物および医薬組成物は、sGC、cGMPおよび/またはNOによって媒介、調節、または影響される疾患または障害を処置または予防するために、単独または併用療法で用いることができる。


[00232]本明細書中に開示する化合物および組成物は、コンパニオンアニマル、外来動物および家畜、例えば、制限なしで、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ハムスター、アレチネズミ、モルモット、ウサギ、ウマ、ブタおよびウシの獣医学的処置にも有用である。


[00233]他の態様において、本発明は、生体試料においてsGC活性を刺激する方法であって、前記生体試料を本発明の化合物または組成物と接触させることを含む方法を提供する。生体試料におけるsGC刺激剤の使用は、当業者に公知のさまざまな目的に関し有用である。そのような目的の例としては、制限なしで、生物学的アッセイおよび生物試料の保存が挙げられる。


併用療法 [00234]本明細書中に記載する化合物および医薬組成物は、1以上の追加的治療薬との併用療法に用いることができる。活性薬剤が別個の剤形にある1より多くの活性薬剤との併用処置の場合、活性薬剤は、別個に、または併せて投与することができる。これに加えて、1つの要素の投与は、他の薬剤の投与前、投与と同時、または投与後であることができる。


[00235]他の薬剤と同時投与する場合、例えば、他の疼痛薬と同時投与する場合、第2の薬剤の“有効量”は、用いる薬物のタイプに依存する。適した投与量は、承認薬の場合は公知であり、当業者なら、被験対象の状態、処置される状態(1以上)のタイプ、および用いられる本明細書中に記載する化合物の量に従って調整することができる。量が明示されていない場合、有効量は推測すべきである。例えば、本明細書中に記載する化合物は、約0.01〜約10000mg/kg体重/日、約0.01〜約5000mg/kg体重/日、約0.01〜約3000mg/kg体重/日、約0.01〜約1000mg/kg体重/日、約0.01〜約500mg/kg体重/日、約0.01〜約300mg/kg体重/日、約0.01〜約100mg/kg体重/日、の投与量範囲で、被験対象に投与することができる。


[00236]“併用療法”を採用する場合、有効量は、第1の量の式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩と、第2の量の追加的な適した治療薬を用いて達成することができる。


[00237]本発明の一態様において、式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩、および追加的治療薬はそれぞれ、有効量(すなわち、それぞれ、単独で投与した場合に治療的に有効であろう量)で投与される。他の態様において、式Iの化合物および追加的治療薬はそれぞれ、単独では治療効果をもたらさない量(治療量未満の用量)で投与される。さらに他の態様において、式Iの化合物は有効量で投与することができるが、追加的治療薬は治療量未満の用量で投与される。さらに他の態様において、式Iの化合物は治療量未満の用量で投与することができるが、追加的治療薬、例えば、適したがん治療薬は、有効量で投与される。


[00238]本明細書中で用いる場合、“組み合わせで”または“同時投与”という用語は、1より多くの治療(例えば、1以上の予防薬および/または治療薬)の使用をさすために互換的に用いることができる。該用語の使用は、治療(例えば、予防薬および/または治療薬)を被験対象に投与する順序を限定するわけではない。


[00239]同時投与は、第1および第2の量の化合物を、例えば、固定比率の第1および第2の量を有するカプセルもしくは錠剤のように単一の医薬組成物で、または、それぞれ多数の別個のカプセルもしくは錠剤で、実質的に同時に投与することを包含する。これに加えて、そのような同時投与は、各化合物をいずれかの順序で逐次的に使用することも包含する。同時投与が、第1の量の式Iの化合物と第2の量の追加的治療薬を別個に投与することを包含する場合、化合物は、望ましい治療効果を有するのに十分な接近した時間内に投与される。例えば、望ましい治療効果をもたらすことができる各投与間の時間は、数分〜数時間であることができ、各化合物の特性、例えば、効力、溶解度、生物学的利用能、血漿内半減期、および動態学的プロフィールを考慮して決定することができる。例えば、式Iの化合物および第2の治療薬は、任意の順序で、互いに約24時間以内に、互いに約16時間以内に、互いに約8時間以内に、互いに約4時間以内に、互いに約1時間以内に、または互いに約30分以内に、投与することができる。


[00240]より詳細には、第1の治療(例えば、本明細書中に記載する化合物などの予防薬または治療薬)は、第2の治療(例えば、抗がん剤などの予防薬または治療薬)の投与前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)、投与と同時に、または投与後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後)に、被験対象に投与することができる。


[00241]別個に、または同一の医薬組成物で投与される、式Iの化合物または医薬的に許容しうるその塩と組み合わせることができる他の治療薬の例としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる: (1)内皮由来の放出因子(EDRF)またはNOガス。


(2)NO供与体、例えば、ニトロソチオール、ニトリット、シドノンイミン、NONOエート、N−ニトロソアミン、N−ヒドロキシルニトロソアミン、ニトロソイミン(nitrosimine)、ニトロチロシン、ジアゼチンジオキシド(diazetine dioxide)、オキサトリアゾール5−イミン、オキシム、ヒドロキシルアミン、N−ヒドロキシグアニジン、ヒドロキシ尿素またはフロキサン。これらのタイプの化合物のいくつかの例としては、以下が挙げられる:三硝酸グリセリン(GTN、ニトログリセリン(nitroglycerin)、ニトログリセリン(nitroglycerine)およびトリニトログリセリンとしても知られる)、グリセロールの硝酸エステル;酸化窒素分子が金属鉄に配位して正方形両錐錯体(square bipyramidal complex)を形成している、ニトロプルシドナトリウム(SNP);モルホリンとシドノンイミンの組み合わせによって形成される両性イオン性化合物である、3−モルホリノシドノンイミン(SIN−1);ニトロソチオール官能基を有するN−アセチル化アミノ酸誘導体である、S−ニトロソ−N−アセチルペニシラミン(SNAP);ジエチレントリアミンに共有結合している酸化窒素化合物である、ジエチレントリアミン/NO(DETA/NO);アセチルサリチル酸のm−ニトロキシメチルフェニルエステル。これらのクラスのNO供与体のいくつかのより詳細な例としては、以下が挙げられる:標準的なニトロ血管拡張薬、例えば、有機硝酸エステルおよび亜硝酸エステル、例えば、ニトログリセリン、亜硝酸アミル、二硝酸イソソルビド、5−一硝酸イソソルビド、およびニコランジル;イソソルビド(Dilatrate(登録商標)−SR、Imdur(登録商標)、Ismo(登録商標)、Isordil(登録商標)、Isordil(登録商標)、Titradose(登録商標)、Monoket(登録商標))、3−モルホリノシドノンイミン;リンシドミンクロロ水和物(“SIN−1”);S−ニトロソ−N−アセチルペニシラミン(“SNAP”);S−ニトロソグルタチオン(GSNO)、ニトロプルシドナトリウム、S−ニトロソグルタチオン モノエチルエステル(GSNO−エステル)、6−(2−ヒドロキシ−1−メチル−ニトロソヒドラジノ)−N−メチル−1−ヘキサンアミンまたはジエチルアミンNONOエート。


(3)cGMP濃度を上昇させる他の物質、例えば、プロトポルフィリンIX、アラキドン酸およびフェニルヒドラジン誘導体。 (4)酸化窒素シンターゼ基質:例えば、N−ヒドロキシグアニジンに基づく類似体、例えば、N[G]−ヒドロキシ−L−アルギニン(NOHA)、1−(3,4−ジメトキシ−2−クロロベンジリデンアミノ)−3−ヒドロキシグアニジン、およびPR5(1−(3,4−ジメトキシ−2−クロロベンジリデンアミノ)−3−ヒドロキシグアニジン);L−アルギニン誘導体(例えば、ホモ−Arg、ホモ−NOHA、N−tert−ブチルオキシ−およびN−(3−メチル−2−ブテニル)オキシ−L−アルギニン、カナバニン、イプシロングアニジン−カプロン酸(carpoic acid)、アグマチン、ヒドロキシル−アグマチン、およびL−チロシル−L−アルギニン);N−アルキル−N’−ヒドロキシグアニジン(N−シクロプロピル−N’−ヒドロキシグアニジンおよびN−ブチル−N’−ヒドロキシグアニジンなど)、N−アリール−N’−ヒドロキシグアニジン(N−フェニル−N’−ヒドロキシグアニジン、およびそれぞれ−F、−Cl、−メチル、−OH置換基を持つそのパラ置換誘導体など);3−(トリフルオロメチル)プロピルグアニジンなどのグアニジン誘導体。


(5)eNOS転写を増強する化合物。 (6)NO非依存性ヘム非依存性sGC活性化因子、例えば、限定されるものではないが:BAY58−2667(特許公報DE19943635号に記載)






HMR−1766(アタシグアトナトリウム、特許公報WO2000002851号に記載)






S3448(2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド(特許公報DE19830430号およびWO2000002851号に記載)






および HMR−1069(Sanofi−Aventis)。 (7)ヘム依存性NO非依存性sGC刺激剤、例えば、限定されるものではないが: YC−1(特許公報EP667345号およびDE第19744026号参照)






リオシグアト(BAY63−2521、Adempas(登録商標)、DE第19834044号に記載)






ネリシグアト(BAY60−4552、WO2003095451号に記載)






ベリシグアト(BAY1021189)






BAY41−2272(DE第19834047号およびDE第19942809号に記載)






BAY41−8543(DE第19834044号に記載)






エトリシグアト(WO2003086407号に記載)






CFM−1571(特許公報WO2000027394号に記載)






A−344905、そのアクリルアミド類似体A−350619およびアミノピリミジン類似体A−778935






および、公報:米国特許出願公開第20090209556号、米国特許公報第8455638号、米国特許出願公開第20110118282号(WO2009032249号)、米国特許出願公開第20100292192号、米国特許出願公開第20110201621号、米国特許公報第7947664号、米国特許公報第8053455号(WO2009094242号)、米国特許出願公開第20100216764号、米国特許公報第8507512号、(WO2010099054号)米国特許出願公開第20110218202号(WO2010065275号)、米国特許出願公開第20130012511号(WO2011119518号)、米国特許出願公開第20130072492号(WO2011149921号)、米国特許出願公開第20130210798号(WO2012058132号)の1つに記載されている他のsGC刺激剤、およびTetrahedron Letters(2003),44(48):8661−8663に記載されている他の化合物。


(8)cGMPの分解を阻害する化合物、例えば: PDE5阻害剤、例えば、シルデナフィル(Viagra(登録商標))、および関連薬剤、例えば、アバナフィル、ロデナフィル、ミロデナフィル、クエン酸シルデナフィル(Revatio(登録商標))、タダラフィル(Cialis(登録商標)またはAdcirca(登録商標))、バルデナフィル(Levitra(登録商標))およびウデナフィル;アルプロスタジル;ジピリダモールおよびPF−00489791;および PDE9阻害剤、例えばPF−04447943など;および PDE10阻害剤、例えばPF−02545920(PF−10)など。


(9)以下のタイプのカルシウムチャネル遮断薬: ジヒドロピリジンカルシウムチャネル遮断薬、例えば、アムロジピン(Norvasc(登録商標))、アラニジピン(Sapresta(登録商標))、アゼルニジピン(Calblock(登録商標))、バルニジピン(HypoCa(登録商標))、ベニジピン(Coniel(登録商標))、シルニジピン(Atelec(登録商標)、Cinalong(登録商標)、Siscard(登録商標))、クレビジピン(Cleviprex(登録商標))、ジルチアゼム、エホニジピン(Landel(登録商標))、フェロジピン(Plendil(登録商標))、ラシジピン(Motens(登録商標)、Lacipil(登録商標))、レルカニジピン(Zanidip(登録商標))、マニジピン(Calslot(登録商標)、Madipine(登録商標))、ニカルジピン(Cardene(登録商標)、Carden SR(登録商標))、ニフェジピン(Procardia(登録商標)、Adalat(登録商標))、ニルバジピン(Nivadil(登録商標))、ニモジピン(Nimotop(登録商標))、ニソルジピン(Baymycard(登録商標)、Sular(登録商標)、Syscor(登録商標))、ニトレンジピン(Cardif(登録商標)、Nitrepin(登録商標)、Baylotensin(登録商標))、プラニジピン(Acalas(登録商標))、イスラジピン(Lomir(登録商標)); フェニルアルキルアミンカルシウムチャネル遮断薬、例えば、ベラパミル(Calan(登録商標)、Isoptin(登録商標))






およびガロパミル(Procorum(登録商標)、D600); ベンゾチアゼピン、例えば、ジルチアゼム(Cardizem(登録商標));






および 非選択性カルシウムチャネル遮断薬、例えば、ミベフラジル、ベプリジル、フルスピリレン、およびフェンジリン。


(10)エンドセリン受容体アンタゴニスト(ERA)、例えば、二重(ETAおよびETB)エンドセリン受容体アンタゴニストのボセンタン(Tracleer(登録商標))、シタキセンタン(Thelin(登録商標))またはアンブリセンタン(Letairis(登録商標))。


(11)プロスタサイクリン誘導体または類似体、例えば、プロスタサイクリン(プロスタグランジンI2)、エポプロステノール(合成プロスタサイクリン、Flolan(登録商標))、トレプロスチニル(Remodulin(登録商標))、イロプロスト(Ilomedin(登録商標))、イロプロスト(Ventavis(登録商標));開発中の経口および吸入形態のRemodulin(登録商標)。


(12)以下のタイプのような抗脂質異常症薬: 胆汁酸金属イオン封鎖剤、例えば、コレスチラミン、コレスチポール、コレスチラン、コレセベラムまたはセベラマー; スタチン、例えば、アトルバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンおよびプラバスタチン; コレステロール吸収阻害剤、例えばエゼチミブ; 他の脂質低下薬、例えば、イコサペントエチルエステル、オメガ−3−酸エチルエステル、レデュコール(Reducol); フィブリン酸誘導体、例えば、クロフィブラート、ベザフィブラート、クリノフィブラート、ゲムフィブロジル、ロニフィブラート、ビニフィブラート、フェノフィブラート、シプロフィブラート、コリンフェノフィブラート; ニコチン酸誘導体、例えば、アシピモックスおよびナイアシン; スタチン、ナイアシンおよび腸コレステロール吸収阻害サプリメント(エゼチミブなど)およびフィブラートの組み合わせ;ならびに 抗血小板療法、例えば、重硫酸クロピドグレル。


(13)以下のタイプのような抗凝固薬: クマリン(ビタミンKアンタゴニスト)、例えば、ワルファリン(Coumadin(登録商標))、セノクマロール(cenocoumarol)、フェンプロクモンおよびフェニンジオン; ヘパリンおよび誘導体、例えば、低分子量ヘパリン、フォンダパリヌクスおよびイドラパリヌクス; 直接トロンビン阻害剤、例えば、アルガトロバン、レピルジン、ビバリルジン、ダビガトランおよびキシメラガトラン(Exanta(登録商標));ならびに 血餅を融解し動脈の閉塞を取り除くために用いる組織プラスミノーゲン活性化因子、例えばアルテプラーゼ。


(14)抗血小板薬:例えば、トロピドグレル、チクロピリジン、ジピリダモールおよびアスピリン。 (15)ACE阻害薬、例えば以下のタイプ: スルフヒドリル含有薬、例えば、カプトプリル(Capoten(登録商標))およびゾフェノプリル; ジカルボキシレート含有薬、例えば、エナラプリル(Vasotec/Renitec(登録商標))、ラミプリル(Altace(登録商標)/Tritace(登録商標)/Ramace(登録商標)/Ramiwin(登録商標))、キナプリル(Accupril(登録商標))、ペリンドプリル(Coversyl(登録商標)/Aceon(登録商標))、リシノプリル(Lisodur(登録商標)/Lopril(登録商標)/Novatec(登録商標)/Prinivil(登録商標)/Zestril(登録商標))およびベナゼプリル(Lotensin(登録商標)); ホスホネート含有薬、例えばフォシノプリル; 天然由来のACE阻害薬、例えば、カソキニンおよびラクトキニン、これらは、乳製品、特に発酵乳の摂取後に自然に生じるカゼインおよび乳清の分解産物である; プロバイオティックLactobacillus helveticusによって産生されるか、カゼインから誘導される、ラクトトリペプチドVal−Pro−ProおよびIle−Pro−Proも、ACE阻害作用および抗高血圧作用を有する; 他のACE阻害薬、例えば、アラセプリル、デラプリル、シラザプリル、イミダプリル、トランドラプリル、テモカプリル、モエキシプリルおよびピラプリル。


(16)酸素補給療法。 (17)以下のタイプのようなベータ遮断薬: 非選択性薬剤、例えば、アルプレノロール、ブシドロール、カルテオロール、カルベジロール、ラベタロール、ナドロール、ペンブトロール、ピンドロール、オキシプレノロール (oxprenonol)、アセブトロール、ソタロール、メピンドロール、セリプロロール、アロチノロール、テルタトロール、アモスラロール、ニプラジロール、プロプラノロールおよびチモロール; β1選択性薬剤、例えば、セブトロール(cebutolol)、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、セリプロロール、ドブタミン塩酸塩、イルソグラジンマレイン酸塩、カルベジロール、タリノロール、エスモロール、メトロプロロールおよびネビボロール;ならびに β2選択性薬剤、例えばブタキサミン。


(18)以下のタイプのような抗不整脈薬: タイプI(ナトリウムチャネル遮断薬)、例えば、キニジン、リドカイン、フェニトイン、プロパフェノン; タイプIII(カリウムチャネル遮断薬)、例えば、アミオダロン、ドフェチリドおよびソタロール;ならびに タイプV、例えば、アデノシンおよびジゴキシン。


(19)利尿薬、例えば、チアジド利尿薬、例えば、クロロチアジド、クロルタリドンおよびヒドロクロロチアジド、ベンドロフルメチアジド、シクロペンチアジド、メチクロチアジド、ポリチアジド、キネタゾン、キシパミド、メトラゾン、インダパミド、シクレタニン;ループ利尿薬、例えば、フロセミドおよびトレサミド(toresamide);カリウム保持性利尿薬、例えば、アミロリド、スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、エプレレノンおよびトリアムテレン;これらの薬剤の組み合わせ;他の利尿薬、例えば、アセタゾラミドおよびカルペリチド。


(20)直接作用性血管拡張薬、例えば、塩酸ヒドララジン、ジアゾキシド、ニトロプルシドナトリウム、カドララジン;他の血管拡張薬、例えば、二硝酸イソソルビドおよび5−一硝酸イソソルビド。


(21)外因性血管拡張薬、例えば、Adenocard(登録商標)およびアルファ遮断薬。 (22)アルファ−1−アドレナリン受容体アンタゴニスト、例えば、プラゾシン、インドラミン、ウラピジル、ブナゾシン、テラゾシンおよびドキサゾシン;心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、エタノール、ヒスタミン誘発物質、テトラヒドロカンナビノール(THC)およびパパベリン。


(23)以下のタイプの気管支拡張薬: 短時間作用型β2アゴニスト、例えば、アルブタモールまたはアルブテロール(Ventolin(登録商標))およびテルブタリン; 長時間作用型β2アゴニスト(LABA)、例えば、サルメテロールおよびホルモテロール; 抗コリン作用薬、例えば、プラトロピウム(pratropium)およびチオトロピウム;ならびに 気管支拡張薬およびホスホジエステラーゼ阻害薬であるテオフィリン。


(24)コルチコステロイド、例えば、ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、フルチカゾン、フルニソリド、ヒドロコルチゾン、およびコルチコステロイド類似体、例えばブデソニド。


(25)栄養補助食品、例えば、オメガ−3油;葉酸、ナイアシン、亜鉛、銅、高麗紅参根、イチョウ、松樹皮、Tribulus terrestris、アルギニン、Avena sativa、ホーニーゴートウィード(horny goat weed)、マカ根、ムイラプアマ、ノコギリヤシ、およびスウェーデンフラワーポーレン(Swedish flower pollen);ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK2;テストステロンサプリメント、テストステロン経皮パッチ;ゾラキセル(Zoraxel)、ナルトレキソン、ブレメラノチドおよびメラノタンII。


(26)PGD2受容体アンタゴニスト。 (27)免疫抑制薬、例えば、シクロスポリン(シクロスポリンA、Sandimmune(登録商標)、Neoral(登録商標))、タクロリムス(FK−506、Prograf(登録商標))、ラパマイシン(Sirolimus(登録商標)、Rapamune(登録商標))および他のFK−506タイプの免疫抑制薬、ミコフェノレート、例えば、ミコフェノール酸モフェチル(CellCept(登録商標))。


(28)非ステロイド性抗喘息薬、例えば、β2−アゴニスト、例えば、テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、サルメテロール、ビトルテロールおよびピルブテロール;β2−アゴニスト−コルチコステロイドの組み合わせ、例えば、サルメテロール−フルチカゾン(Advair(登録商標)、ホルモテロール−ブデソニド(Symbicort(登録商標))、テオフィリン、クロモリン、クロモリンナトリウム、ネドクロミル、アトロピン、イプラトロピウム、臭化イプラトロピウム、ロイコトリエン生合成阻害薬(ジロートン、BAY1005)。


(29)非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、プロピオン酸誘導体、例えば、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸およびチオキサプロフェン);酢酸誘導体、例えば、インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、オキシピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシンおよびゾメピラク;フェナム酸誘導体、例えば、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸およびトルフェナム酸;ビフェニルカルボン酸誘導体、例えば、ジフルニサルおよびフルフェニサル;オキシカム、例えば、イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよびテノキシカム(tenoxican);サリチレート、例えば、アセチルサリチル酸およびスルファサラジン;およびピラゾロン、例えば、アパゾン、ベズピペリロン(bezpiperylon)、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾンおよびフェニルブタゾン。


(30)シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、例えば、セレコキシブ(Celebrex(登録商標))、ロフェコキシブ(Vioxx(登録商標))、バルデコキシブ、エトリコキシブ、パレコキシブおよびルミラコキシブ;オピオイド鎮痛薬、例えば、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィンおよびペンタゾシン。


(31)抗糖尿病薬、例えば、インスリンおよびインスリン模倣薬;スルホニル尿素、例えば、グリブリド、グリベンクラミド、グリピジド、グリクラジド、グリキドン、グリメピリド、メグリナチド(meglinatide)、トルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミドおよびオラザミド(olazamide);ビグアニド、例えば、メトホルミン(Glucophage(登録商標));α−グルコシダーゼ阻害薬、例えば、アカルボース、エパルレスタット、ボグリボース、ミグリトール;チアゾリジノン化合物、例えば、ロシグリタゾン(Avandia(登録商標))、トログリタゾン(Rezulin(登録商標))、シグリタゾン、ピオグリタゾン(Actos(登録商標))およびエングリタゾン;インスリン増感薬、例えば、ピオグリタゾンおよびロシグリタゾン;インスリン分泌促進物質、例えば、レパグリニド、ナテグリニドおよびミチグリニド;インクレチン模倣薬、例えば、エキセナチド(exanatide)およびリラグルチド;アミリン類似体、例えば、プラムリンチド;グルコース降下薬、例えば、ビオチンと組み合わされていてもよいピコリン酸クロム;ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サクサグリプチン、アログリプチンおよびリナグリプチン。


(32)HDLコレステロール上昇剤、例えば、アナセトラピブおよびダルセトラピブ。 (33)抗肥満薬、例えば、塩酸メタンフェタミン、塩酸アンフェプラモン(Tenuate(登録商標))、フェンテルミン(Ionamin(登録商標))、塩酸ベンズフェタミン(Didrex(登録商標))、酒石酸フェンジメトラジン(Bontril(登録商標)、Prelu−2(登録商標)、Plegine(登録商標))、マジンドール(Sanorex(登録商標))、オルリスタット(Xenical(登録商標))、塩酸シブトラミン一水和物(Meridia(登録商標)、Reductil(登録商標))、リモナバン(Acomplia(登録商標))、アンフェプラモン、ピコリン酸クロム;フェンテルミン/トピラマート、ブプロピオン/ナルトレキソン、シブトラミン/メトホルミン、ブプロピオンSR/ゾニサミドSR、サルメテロール、キシナホエート/プロピオン酸フルチカゾンなどの組み合わせ;塩酸ロルカセリン、フェンテルミン/トピラマート、セチリスタット、エキセナチド、リラグルチド、塩酸メトホルミン、シブトラミン/メトホルミン、ブプロピオンSR/ゾニサミドSR、CORT−108297、カナグリフロジン、ピコリン酸クロム、GSK−1521498、LY−377604、メトレレプチン、オビネピチド(obinepitide)、P−57AS3、PSN−821、キシナホ酸サルメテロール/プロピオン酸フルチカゾン、タングステン酸ナトリウム、ソマトロピン(組み換え型)、テサモレリン、テソフェンシン、ベルネペリト、ゾニサミド、ヘミシュウ酸ベロラニブ(beloranib hemioxalate)、インスリノトロピン、レスベラトロール、ソベチロム、テトラヒドロカンナビバリン、およびベータ−ラパコン。


(34)アンギオテンシン受容体遮断薬、例えば、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、シレキセチル、エプロサルタン(Eprosaran)、イルベサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン(Olmesartran)、メドキソミル、アジルサルタンおよびメドキソミル。


(35)レニン阻害剤、例えばアリスキレンヘミフマル酸塩(aliskiren hemifumirate)。 (36)中枢作用性アルファ−2−アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、メチルドパ、クロニジン、グアンファシン。


(37)アドレナリン作動性ニューロン遮断薬、例えば、グアネチジンおよびグアナドレル。 (38)イミダゾリンI−1受容体アゴニスト、例えば、リン酸二水素リルメニジン(rimenidine)および塩酸モキソニジン水和物。


(39)アルドステロンアンタゴニスト、例えば、スピロノラクトンおよびエプレレノン。 (40)カリウムチャネル活性化因子、例えばピナシジル。


(41)ドーパミンD1アゴニスト、例えば、メシル酸フェノルドパム;他のドーパミンアゴニスト、例えば、イボパミン、ドペキサミンおよびドカルパミン。 (42)5−HT2アンタゴニスト、例えばケタンセリン。


(43)バソプレシンアンタゴニスト、例えばトルバプタン。 (44)カルシウムチャネル増感薬、例えば、レボシメンダン、またはニコランジルなどの活性化因子。


(45)PDE−3阻害剤、例えば、アムリノン、ミルリノン、エノキシモン、ベスナリノン、ピモベンダン、およびオルプリノン。 (46)アデニル酸シクラーゼ活性化因子、例えばコルホルシンダロパート(dapropate)塩酸塩。


(47)陽性変力薬、例えば、ジゴキシンおよびメチルジゴキシン;代謝性強心剤、例えばユビデカレノン;脳性ナトリウム利尿ペプチド、例えばネシリチド。 (48)勃起障害の処置に用いられる薬物、例えば、アルプロスタジル、アビプタジル、およびメシル酸フェントラミン。


(49)肥満の処置に用いられる薬物、例えば、限定されるものではないが、 塩酸メタンフェタミン(Desoxyn(登録商標))、塩酸アンフェプラモン(Tenuate(登録商標))、フェンテルミン(Ionamin(登録商標))、塩酸ベンズフェタミン(Didrex(登録商標))、塩酸フェンジメトラジン((Bontril(登録商標)、Prelu−2(登録商標)、Plegine(登録商標))、マジンドール(Sanorex(登録商標))およびオルリスタット(Xenical(登録商標))。


(50)以下のタイプのような、アルツハイマー病および認知症の治療に用いられる薬物: アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、例えば、ガランタミン(Razadyne(登録商標))、リバスチグミン(Exelon(登録商標))、ドネペジル(Aricept(登録商標))およびタクリン(Cognex(登録商標)); NMDA受容体アンタゴニスト、例えばメマンチン(Namenda(登録商標));および オキシドレダクターゼ阻害薬、例えばイデベノン。


(51)以下のタイプような精神医学的投薬: ジプラシドン(GeodonTM)、リスペリドン(RisperdalTM)、 オランザピン(ZyprexaTM)、バルプロエート; ドーパミンD4受容体アンタゴニスト、例えばクロザピン; ドーパミンD2受容体アンタゴニスト、例えばネモナプリド; 混合型ドーパミンD1/D2受容体アンタゴニスト、例えばズクロペンチキソール; GABA A受容体モジュレーター、例えばカルバマゼピン; ナトリウムチャネル阻害薬、例えばラモトリギン; モノアミンオキシダーゼ阻害薬、例えば、モクロベミドおよびインデロキサジン; プリマバンセリン(primavanserin)、ペロスピロン;および PDE4阻害薬、例えば、ロルミラスト(rolumilast)。


(52)以下のタイプのような、運動障害の治療に用いられる薬物: カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害薬、例えばエンタカポン; モノアミンオキシダーゼB阻害薬、例えばセレギリン; ドーパミン受容体モジュレーター、例えばレボドーパ; ドーパミンD3受容体アゴニスト、例えばプラミペキソール; デカルボキシラーゼ阻害薬、例えばカルビドーパ; 他のドーパミン受容体アゴニスト、例えば、ペルゴリド、ロピニロール、カベルゴリン;リチゴニド(ritigonide)、イストラデフィリン、タリペキソール、ゾニサミドおよびサフィナミド;ならびに シナプス小胞アミントランスポーター阻害薬、例えばテトラベナジン。


(53)以下のタイプのような、気分的もしくは情動的障害またはOCDの治療に用いられる薬物: 三環系抗うつ薬、例えば、アミトリプチリン(Elavil(登録商標))、デシプラミン(Norpramin(登録商標))、イミプラミン(Tofranil(登録商標))、アモキサピン(Asendin(登録商標))、ノルトリプチリンおよびクロミプラミン; 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、例えば、パロキセチン(Paxil(登録商標))、フルオキセチン(Prozac(登録商標))、セルトラリン(Zoloft(登録商標))、およびシトラロプラム(Celexa(登録商標)); ドキセピン(Sinequan(登録商標))、トラゾドン(Desyrel(登録商標))およびアゴメラチン; 選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)、例えば、ベンラファキシン、レボキセチンおよびアトモキセチン;ドーパミン作動性抗うつ薬、例えば、ブプロピオンおよびアミネプチン。


(54)以下のタイプのようなシナプス可塑性を増強するための薬物: ニコチン性受容体アンタゴニスト、例えばメカミラミン;および 混合5−HT、ドーパミンおよびノルエピネフリン受容体アゴニスト、例えばルラシドン。


(55)ADHDの治療に用いられる薬物、例えばアンフェタミン;5−HT受容体モジュレーター、例えばボルチオキセチン、およびアルファ−2−アドレナリン受容体アゴニスト、例えばクロニジン。


(56)中性エンドペプチターゼ(NEP)阻害薬、例えば、サクビトリル、オマパトリラート;ならびに (57)メチレンブルー(MB)。 キット [00242]本明細書中に記載する化合物および医薬製剤は、キットに含有させることができる。キットは、それぞれ個々に包装もしくは配合されている2以上の薬剤の単回もしくは複数回用量、または組み合わせて包装もしくは配合されている2以上の薬剤の単回もしくは複数回用量を包含することができる。したがって、1以上の薬剤が第1の容器に存在することができ、キットは、所望により1以上の薬剤を第2の容器に包含することができる。容器または容器(複数)は包装内に置かれ、包装は、所望により投与または用量の使用説明書を包含することができる。キットは、追加的な構成要素、例えば、シリンジ、または薬剤および希釈剤を投与するための他の手段、または他の配合手段を包含することができる。したがって、キットは、a)本明細書中に記載する化合物と、医薬的に許容しうるキャリヤー、ビヒクルまたは希釈剤とを含む医薬組成物;ならびにb)容器または包装を含むことができる。キットは、所望により、本明細書中に記載する1以上の方法(例えば、本明細書中に記載する疾患および障害の1以上の予防または処置)での医薬組成物の使用方法を記載した使用説明書を含んでいてもよい。キットは、所望により、同時療法で使用するための本明細書中に記載する1以上の追加的薬剤を含む第2の医薬組成物、医薬的に許容しうるキャリヤー、ビヒクルまたは希釈剤を含んでいてもよい。本明細書中に記載する化合物を含む医薬組成物と、キットに含有される第2の医薬組成物は、所望により、同一の医薬組成物の状態に組み合わせてもよい。


[00243]キットは、医薬組成物を含有するための容器または包装を包含し、分割ボトルまたは分割ホイルパケットなどの分割容器を包含することもできる。容器は、例えば、紙もしくは段ボール製の箱、ガラスもしくはブラスチック製のボトルもしくはジャー、再封止可能な袋(例えば、別の容器に入れるための錠剤の“レフィル”を保持するためのもの)、または治療スケジュールに従ってパックから押し出すための個別用量を有するブリスターパックであることができる。単一剤形を市販するために、1より多くの容器を単一包装で一緒に用いることができるようにすることは、実現可能である。例えば、錠剤をボトルに入れ、これを箱に入れることができる。


[00244]キットの例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは包装業界で周知であり、医薬単位剤形(錠剤、カプセルなど)の包装に広く用いられている。ブリスターパックは一般に、透明プラスチック材料であることが好ましいホイルで覆われた比較的硬い材料のシートからなる。包装工程中に、プラスチックホイルに凹部を形成する。凹部は、包装される個々の錠剤またはカプセルのサイズおよび形状を有し、あるいは、包装される複数の錠剤および/またはカプセルを収容できるサイズおよび形状を有していてもよい。つぎに、錠剤またはカプセルを適宜に凹部に置き、比較的硬い材料のシートを、プラスチックホイルに対して、凹部が形成された方向とは逆のホイル面において密封する。結果として、錠剤またはカプセルは、要望に応じて、プラスチックホイルとシートの間の凹部に個々に密封されるか、集合的に密封される。シートの強度は、凹部に手で圧力を加え、これによりシートの凹部の場所に開口部を形成することによって、錠剤またはカプセルをブリスターパックから取り出すことができるような強度であることが好ましい。その後、錠剤またはカプセルを前記開口部から取り出すことができる。


[00245]投薬を行う時期に関する情報および/または指示を含有する、医師、薬剤師または被験対象に向けた書面による記憶補助手段が提供されることは、望ましい可能性がある。“1日用量”は、所定の日に摂取すべき単一の錠剤もしくはカプセルまたはいくつかの錠剤もしくはカプセルであることができる。キットが別個の組成物を含有する場合、キットの1以上の組成物の1日用量は1つの錠剤またはカプセルからなることができる一方、キットの他の1以上の組成物の1日用量は、いくつかの錠剤またはカプセルからなることができる。キットは、意図した使用順に1日用量を1つずつ分配するように設計されたディスペンサーの形態をとることができる。ディスペンサーは、さらにレジメンの服薬順守を促進するために、記憶補助手段を備えていることができる。そのような記憶補助手段の例は、分配し終えた1日用量の数を示す機械的計数器である。そのような記憶補助手段の他の例は、液晶の読み出しと連結された電池式のマイクロチップメモリー、あるいは、例えば最後の1日用量を摂取した日付を読み出し、および/または次の用量を摂取すべき時期を思い出させる、可聴式リマインダー信号機である。



[00246]実施例で提供される参考資料はすべて、本明細書中で参考として援用する。本明細書中で用いるすべての略語、記号および慣例は、現代の科学文献で用いられているものと一致している。例えば、Janet S.Dodd,編集,The ACS Style Guide:A Manual for Authors and Editors,第2版,Washington,D.C.:American Chemical Society,1997参照。これを、全体として本明細書中で参考として援用する。


実施例1:化合物の合成 中間体1a






8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル(1a):表題化合物を、特許文献の手順(WO2015/187470A1号)に従って2段階で、黄色固体(0.60g、2段階全体での収率39%)として合成した。1H NMR (500 MHz,メタノール-d4)δ(ppm) 9.09 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 7.91 (s, 1 H), 7.35 (t, 1 H), 7.28 (m, 1 H), 7.10 (m, 2 H), 4.60 (s, 2 H). 1aと同様の合成手順を用いて、以下のニトリル中間体を調製した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。


8−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル; 8−ベンジルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル; 8−(4−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル; 8−(2,3−ジフルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル; 8−(2,5−ジフルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル; 8−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル、 8−(2−フルオロベンジル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル; 8−(3,5−ジフルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル; 8−(3,5−ジフルオロ−4−メチルベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル。


あるいは、中間体1aおよび関連類似体(中間体1bなど)は、以下の手順により合成することができる: 段階1:6−ブロモ−8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジンの合成 THF(750mL)中の乾燥亜鉛粉末(47g、720mmol、減圧下での加熱により乾燥)の懸濁液を1,2−ジブロモエタン(1mL)で処理し、得られた混合物を50℃に加熱した。クロロトリメチルシラン(1mL)を加えた。48〜50℃で30分間攪拌後、混合物を周囲温度に冷却した。乾燥塩化リチウム(30g、710mmol、減圧下での加熱により乾燥)を加えた後、THF(100mL)中の2−フルオロベンジルブロミド(74g、390mmol)の溶液を滴下して加えた(注意:発熱性、反応温度を48℃未満に維持した)。混合物を周囲温度で1時間撹拌した。THF(500mL)中の6,8−ジブロモイミダゾ[1,2−a]ピラジン(99g、360mmol)およびPd(PPh3)2Cl2(7.8g、11mmol)のスラリーを、窒素で10分間バブリングすることにより脱ガスし、THF(100mL)を用いて2−フルオロベンジル亜鉛ブロミド試薬に迅速に加えた。反応容器に窒素をパージし、出発材料が完全に消費されるまで、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応を、飽和NH4Cl溶液(800mL)でクエンチした。褐色有機相を濃縮乾固し、DCM(1.3L)に再び溶解させ、セライト床に通して濾過した。濾液中の有機層を収集し、活性炭(45g)で脱色し、セライトに通して濾過し、濃縮乾固した。粗製材料をトルエン(2×500mL)で共沸乾燥し、精製なしで次の段階で用いた。


段階2:8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリルの合成 DMF(800mL)中の前段階からの粗製材料(360mmol、理論的収量)、シアン化亜鉛(35g、300mmol)、Pd2(dba)3(16g、18mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)(14g、25mmol)、および亜鉛粉末(1.0g)で構成される反応混合物を、窒素下で10分間脱ガスした後、出発材料が完全に消費されるまで85℃で加熱した。反応物を周囲温度に冷却し、EtOAc(1.5L)、10%NH4Cl溶液(1.1L)および5%NaCl溶液(1.0L)中に注ぎ入れた。有機層をセライト床に通して濾過し、EtOAc(2×750mL)で洗浄した。有機濾液を10%NaCl液(2×1.0L)で洗浄し、活性炭(75g)で脱色し、セライトに通して濾過し、EtOAc(2×300mL)で洗浄した。濾液を濃縮乾固し、DCM(150mL)とMTBE(300mL)の混合物中に懸濁させた。1時間攪拌後、生成物を濾過により収集し、MTBE(2×100mL)で洗浄し、45℃のオーブンで減圧乾燥した。表題化合物を褐色固体として得た(52g、収率57%)。1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.09 (s, 1 H), 8.13 (s, 1 H), 7.91 (s, 1 H), 7.35 (app. t, 1 H), 7.27 (m, 2 H), 7.13 - 7.06 (m, 2 H), 4.60 (s, 2 H). 中間体1b






8−(3−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル(1b):表題化合物を2段階で合成した。 段階1:6−ブロモ−8−(3−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジンの合成 THF(50mL)中の乾燥亜鉛粉末(2.6g、40mmol)の懸濁液を1,2−ジブロモエタン(0.3mL、3.5mmol)で処理し、得られた混合物を50℃で5分間加熱した。その後、クロロトリメチルシラン(0.30mL、2.4mmol)を加え、混合物を周囲温度に冷却した。乾燥塩化リチウム(1.7g、40mmol)を加えた後、THF(25mL)中の3−フルオロベンジルブロミド(4.8g、26mmol)の溶液を滴下して加えた(注意:発熱性、反応温度を35℃未満に維持した)。混合物を周囲温度で1時間撹拌した後、THF(75mL)中の6,8−ジブロモイミダゾ[1,2−a]ピラジン(5.9g、21mmol)およびPd(PPh3)2Cl2(0.25g、0.36mmol)のスラリーを加えた。反応混合物を窒素で脱ガスし、出発材料が完全に消費されるまで、周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、DCM(100mL)および10%NH4Cl溶液(100mL)で希釈した。濃厚な混合物をセライト床に通して濾過し、濾液中の有機層を収集した。有機層を乾燥し、Na2SO4(10g)および活性炭(7g)で脱色し、セライトに通して濾過し、濃縮すると、粗製橙色オイルが生じ(7.1g)、これを精製なしで次の段階で用いた。


段階2:8−(3−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリルの合成 DMF(70mL)中の前段階からの粗製材料(21mmol、理論的収量)、シアン化亜鉛(3.0g、26mmol)、Pd2(dba)3(1.9g、2.1mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)(1.5g、2.7mmol)、および亜鉛粉末(0.30g、4.6mmol)で構成される反応混合物を、窒素下で5分間脱ガスした後、出発材料が完全に消費されるまで110℃で加熱した。反応物を周囲温度に冷却し、EtOAc(150mL)で希釈し、セライト床に通して濾過した。有機濾液を10%NH4Cl溶液(2×100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濃縮すると褐色オイルが得られ、これをカラムクロマトグラフィー(15〜40%EtOAc/ヘキサンの勾配)によって精製して、表題化合物をオフホワイト色固体として得た(2.4g、収率45%)。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 9.37 (s, 1 H), 8.25 (s, 1 H), 7.98 (s, 1 H), 7.29 - 7.39 (m, 1 H), 7.23 (d, 2 H), 6.99 - 7.12 (m, 1 H), 4.45 - 4.56 (m, 2 H). 中間体1aおよび1bと同様の合成手順を用いて、以下のニトリル中間体を調製した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。


8−(2,6−ジフルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル; 8−(3−フルオロ−4−メチルベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル。


中間体2






8−ベンジル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−6−カルボニトリル(2):表題化合物を、特許文献の手順(WO2016/081668A1号)に従って2段階で、金色残渣(0.12g、2段階全体での収率23%)として合成した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 9.96 (s, 1 H), 8.94 (s, 1 H), 7.39 (d, 2 H) 7.30 (dd, 2 H), 7.23 (t, 1 H), 4.53 (s, 2 H). 2と同様の合成手順を用いて、以下のニトリル中間体を調製した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。


8−(2−フルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−6−カルボニトリル。 8−(2,3−ジフルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−6−カルボニトリル; 8−(3−フルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−6−カルボニトリル; 8−(2,5−ジフルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−6−カルボニトリル; 8−(3,5−ジフルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン−6−カルボニトリル。


化合物I−1






一般的手順A:8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−1) メタノール(40mL)中の8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル(1a)(4.0g、16mmol)の溶液に、無水ヒドラジン(3.1mL、100mmol)を加えた。周囲温度で一晩撹拌した後、出発材料の完全な消失が観察された。反応物を減圧濃縮し、残留ヒドラジンをメタノールおよびトルエンで追跡(chasing)して除去し、得られたフォームを減圧下で一晩乾燥した。褐色フォームをDCM(75mL)に取り、2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物(3.8mL、27mmol)を、強い発熱反応を防ぐために滴下して加えた。反応物を、アミドラゾン中間体が完全に消費されるまで周囲温度で撹拌した。溶媒を減圧除去し、乾燥すると、黄色残渣が生じた。残渣をAcOH(10mL)およびEtOH(100mL)に取り、90℃で1時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、反応物の体積が半分になるまで濃縮した。得られた濃厚懸濁液を濾過し、濾液を濃縮すると、褐色オイルが生じた。その粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィー(10〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配)を用いて精製して、表題化合物(4.0g、収率69%)を黄褐色固体として単離した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.46 (s, 1 H), 9.45 (s, 1 H), 8.26 (s, 1 H), 7.87 (s, 1 H), 7.43 (t, 1 H), 7.22 - 7.32 (m, 1 H), 7.14 - 7.22 (m, 1 H), 7.09 (t, 1 H), 4.60 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 363.1 化合物I−2






8−(3−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−2)を、一般的手順Aに従ってオフホワイト色固体(170mg、収率60%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ (ppm) 9.22 (s, 1 H), 8.17 (s, 1 H), 7.87 (s, 1 H), 7.35-7.24 (m, 3 H), 6.92 (app. t, 1 H), 4.61 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 363.2 化合物I−3






6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール5−イル)−8−(3−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−3)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Aに従って、オフホワイト色固体(160mg、収率55%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.17 (s, 1 H), 8.17 (s, 1 H), 7.86 (s, 1 H), 7.35-7.25 (m, 3 H), 6.92 (m, 1 H), 6.90 (t, 1 H), 4.61 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 345.2 化合物I−17






8−(2,3−ジフルオロベンジル)−6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(I−17)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Aに従って、白色固体(120mg、収率62%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.3 (s, 1 H), 9.58 (s, 1 H), 8.83 (s, 1 H), 7.27 - 7.35 (m, 2 H), 7.08 - 7.19 (m, 2 H), 4.69 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 364.2 化合物I−19






8−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−19)を、一般的手順Aに従ってオフホワイト色固体(300mg、収率87%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.3 (s, 1 H), 9.43 (s, 1 H), 8.25 (s, 1 H), 7.85 (s, 1 H), 7.37 (m, 1 H), 7.08 (app. t, 2 H), 4.63 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 381.2 化合物I−20






8−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−20)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Aに従って、オフホワイト色固体(240mg、収率72%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 14.9 (s, 1 H), 9.38 (s, 1 H), 8.24 (s, 1 H), 7.84 (s, 1 H), 7.37 (m, 1 H), 7.13 (t, 1 H), 7.08 (app. t, 2 H), 4.62 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 363.2 化合物I−21






6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−8−(3−フルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(I−21)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Aに従って、白色固体(110mg、収率29%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.3 (s, 1 H), 9.55 (s, 1 H), 8.83 (s, 1 H), 7.30 -7.37 (m, 3 H), 7.19 (t, 1 H), 7.04 - 7.09 (m, 1 H), 4.61 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 346.2 化合物I−22






8−(3−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(I−22)を、一般的手順Aに従ってオフホワイト色固体(140mg、収率49%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.7 (s, 1 H), 9.62 (s, 1 H), 8.85 (s, 1 H), 7.32 -7.36 (m, 3 H), 7.05 - 7.08 (m, 1 H), 4.62 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 364.2 化合物I−23






8−(2,5−ジフルオロベンジル)−6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(I−23)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Aに従って、オフホワイト色固体(120mg、収率72%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.49 (s, 1 H), 8.65 (s, 1 H), 7.25 (m, 1 H), 7.11 (m, 1 H), 7.01 (m, 1 H), 6.91 (t, 1 H), 4.71 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 364.2 化合物I−24






8−(3,5−ジフルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(I−24)を、一般的手順Aに従って白色固体(120mg、収率42%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.7 (s, 1 H), 9.63 (s, 1 H), 8.86 (s, 1 H), 7.23 (d, 2 H), 7.11 (t, 1 H), 4.63 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 382.2 化合物I−25






8−(3,5−ジフルオロベンジル)−6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(I−25)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Aに従って、白色固体(157mg、収率57%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.2 (s, 1 H), 9.50 (s, 1 H), 8.77 (s, 1 H), 7.16 (d, 2 H), 7.14 (t, 1 H), 7.03 (m, 1 H), 4.55 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 364.1 化合物I−4






一般的手順B:8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン メタノール(2.0mL)中の8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボニトリル(1a)(110mg、0.45mmol)の溶液に、無水ヒドラジン(0.08mL、2.7mmol)を加えた。周囲温度で40時間撹拌した後、出発材料の完全な消失が観察された。反応物を減圧濃縮し、残留物を減圧下で一晩乾燥した。残留物をDCM(6.0mL)に取り、無水酢酸(0.09mL、0.89mmol)を、強い発熱反応を防ぐために滴下して加えた。反応物を、アミドラゾン中間体が完全に消費されるまで周囲温度で撹拌した。溶媒を減圧除去し、乾燥すると、黄色残渣が生じた。残渣をAcOH(0.2mL)およびEtOH(10mL)に取り、電子レンジにおいて120℃で5時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、減圧濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中10〜30%アセトニトリル/MeOH(7:1)の勾配)を用いて精製して、表題化合物(85mg、収率62%)をオフホワイト色固体として単離した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.03 (s, 1 H), 8.15 (s, 1 H), 7.81 (s, 1 H), 7.30 (app. t, 1 H), 7.23 (m, 1 H), 7.10-7.02 (m, 2 H), 4.66 (s, 2 H), 2.48 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 309.2 化合物I−5






8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(ペルフルオロエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジンを、アシル化剤として2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、固体(1.5mg、収率1.5%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.26 (s, 1 H), 8.18 (s, 1 H), 7.85 (s, 1 H), 7.34 (t, 1 H), 7.24 (s, 1 H), 7.09 (m, 2 H), 4.69 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 413.2 化合物I−6






8−ベンジル−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−6)を、アシル化剤として2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、白色固体(57mg、収率52%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.09 (s, 1 H), 8.05 (s, 1 H), 7.75 (s, 1 H), 7.41 (d, 2 H), 7.15 (t, 2 H), 7.04 - 7.10 (m, 1 H), 4.50 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 345.2 化合物I−7






8−ベンジル−6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−7)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、白色固体(15mg、収率16%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.05 (s, 1 H), 8.06 (s, 1 H), 7.75 (s, 1 H), 7.41 (d, 2 H), 7.13 - 7.18 (m, 2 H), 7.05 - 7.10 (m, 1 H), 6.68 - 6.91 (m, 1 H), 4.50 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 327.2 化合物I−8






8−(2,5−ジフルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−8)を、アシル化剤として2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、白色固体(18mg、収率31%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ (ppm) 9.14 (s, 1 H), 8.09 (s, 1 H), 7.77 (s, 1 H), 7.07 (m, 1 H), 7.00 (m, 1 H), 6.86 - 6.92 (m, 1 H), 4.57 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 381.2 化合物I−9






8−(2,5−ジフルオロベンジル)−6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−9)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、オフホワイト色固体(32mg、収率36%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.10 (s, 1 H), 8.09 (s, 1 H), 7.76 (s, 1 H), 7.06 (m, 1H), 7.00 (m, 1 H), 6.87 - 6.92 (m, 1 H), 6.79 (t, 1 H), 4.56 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 363.2 化合物I−10






8−(2,3−ジフルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−10)を、アシル化剤として2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、白色固体(110mg、収率39%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.25 (s, 1 H), 8.19 (s, 1 H), 7.86 (s, 1 H), 7.17-7.10 (m, 2H), 7.05 (m, 1 H), 4.72 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 381.2 化合物I−11






8−(2,3−ジフルオロベンジル)−6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−11)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、オフホワイト色固体(55mg、収率25%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.21 (s, 1 H), 8.19 (s, 1 H), 7.86 (s, 1 H), 7.17-7.09 (m, 2H), 7.04 (m, 1 H), 6.89 (t, 1 H), 4.71 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 363.2 化合物I−12






8−(4−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−12)を、アシル化剤として2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、オフホワイト色固体(75mg、収率84%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.50 (s, 1 H), 9.41 (s, 1 H), 8.24 (s, 1 H), 7.88 (s, 1 H) 7.56 (dd, 2 H), 7.10 (dd, 2 H), 4.52 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 363.2 化合物I−13






8−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−13)を、アシル化剤として2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、淡黄色固体(30mg、収率60%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.24 (s, 1 H), 8.19 (s, 1 H), 7.86 (s, 1 H), 3.59 - 3.66 (m, 2 H), 2.93 - 3.07 (m, 2 H). LCMS [M+H] = 401.2 化合物I−14






8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−14)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、オフホワイト色固体(46mg、収率56%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.28 (s, 1 H), 8.29 (s, 1 H), 8.00 (s, 1 H), 7.35 (t, 1 H), 7.27 (d, 1 H), 7.09 (m, 2 H), 6.90 (m, 1 H), 4.69 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 345.2 化合物I−15






8−ベンジル−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(I−15) を、アシル化剤として2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、白色固体(60mg、収率33%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.72 (s, 1 H), 9.60 (s, 1 H), 8.84 (s, 1 H), 7.50 (d, 2 H) 7.30 (app. t, 2 H), 7.21 (t, 1 H), 4.59 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 346.2 化合物I−16






8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(I−16)を、一般的手順Bに従ってオフホワイト色固体(1.2mg、収率10%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.51 (s, 1 H), 8.65 (s, 1 H), 7.43 (app. t, 1 H), 7.27 (m, 1 H), 7.10 (t, 2 H), 4.74 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 364.1 化合物I−18






8−(2,3−ジフルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(I−18)を、一般的手順Bに従って白色固体(89mg、収率44%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.7 (s, 1 H), 9.64 (s, 1 H), 8.84 (s, 1 H), 7.30 -7.35 (m, 1 H), 7.27 - 7.30 (m, 1 H), 7.12 - 7.15 (m, 1 H), 4.69 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 382.2 化合物I−26






6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−8−(2−フルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン(I−26)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、白色固体(180mg、収率88%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.3 (s, 1 H), 9.57 (s, 1 H), 8.81 (s, 1 H), 7.46 (app. t, 1 H), 7.32-7.09 (m, 4 H), 4.64 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 346.2 化合物I−27






8−(3−フルオロ−4−メチルベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−27)を、アシル化剤として2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、淡黄色固体(110mg、収率61%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.5 (s, 1 H), 9.41 (s, 1 H), 8.24 (s, 1 H), 7.88 (s, 1 H), 7.30 (d, 1 H), 7.15 - 7.23 (m, 2 H), 4.50 (s, 2 H), 2.15 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 377.1 化合物I−28






6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−8−(3−フルオロ−4−メチルベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−28)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、淡黄色固体(130mg、収率76%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.1 (s, 1 H), 9.36 (s, 1 H), 8.24 (s, 1 H), 7.87 (s, 1 H), 7.14 - 7.35 (m, 4 H), 4.49 (s, 2 H), 2.15 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 359.2 化合物I−29






8−(3,5−ジフルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−29)を、アシル化剤として2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、淡黄色固体(150mg、収率68%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.5 (s, 1 H), 9.43 (s, 1 H), 8.26 (s, 1 H), 7.90 (s, 1 H), 7.23 (d, 2 H), 7.08 (t, 1 H), 4.56 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 381.1 化合物I−30






8−(3,5−ジフルオロベンジル)−6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−30)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、淡黄色固体(140mg、収率70%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.1 (s, 1 H), 9.38 (s, 1 H), 8.26 (s, 1 H), 7.89 (s, 1 H), 7.04 - 7.29 (m, 4 H), 4.55 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 363.1 化合物I−31






8−(2−フルオロベンジル)−2−メチル−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−31)を、アシル化剤として2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、白色固体(35mg、収率55%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, CDCl3)δ(ppm) 11.6 (br. s, 1 H), 8.88 (s, 1 H), 7.61 (s, 1 H), 7.39 (app. t, 1 H), 7.26-7.32 (m, 1 H), 7.09-7.15 (m, 2 H), 4.69 (s, 2 H), 2.60 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 377.3 化合物I−32






6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−8−(2−フルオロベンジル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−32)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、白色色固体(44mg、収率85%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, CDCl3)δ(ppm) 11.5 (br. s, 1 H), 8.89 (s, 1 H), 7.61 (s, 1 H), 7.38 (app. t, 1 H), 7.26-7.34 (m, 1 H), 7.08-7.14 (m, 2 H), 6.77 (t, 1 H), 4.69 (s, 2 H), 2.60 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 359.2 化合物I−33






8−(2,5−ジフルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピラジン (I−33)を、アシル化剤として2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、白色固体(72mg、収率41%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, Methanol-d4)δ(ppm) 9.51 (s, 1 H), 8.66 (s, 1 H), 7.20 - 7.29 (m, 1 H), 7.06 - 7.15 (m, 1 H), 7.01 (m, 1 H), 4.72 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 382.2 化合物I−34






8−(3,5−ジフルオロ−4−メチルベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−34)を、アシル化剤として2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、白色固体(81mg、収率65%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, CDCl3)δ(ppm) 11.9 (br. s, 1 H), 9.02 (s, 1 H), 7.94 (s, 1 H), 7.85 (s, 1 H), 6.95 (d, 2 H), 4.58 (s, 2 H), 2.14 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 395.2 化合物I−35






8−(3,5−ジフルオロ−4−メチルベンジル)−6−(3−(ジフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−35)を、アシル化剤として2,2−ジフルオロ酢酸無水物を用いた点を除き一般的手順Bに従って、白色固体(83mg、収率62%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, CDCl3)δ(ppm) 11.7 (br. s, 1 H), 9.02 (s, 1 H), 7.92 (s, 1 H), 7.83 (s, 1 H), 6.98 (d, 2 H), 6.81 (t, 1 H), 4.58 (s, 2 H), 2.15 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 377.2 化合物I−36






4−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(I−36):表題化合物を3段階で合成した。


段階1:6−クロロ−4−(2−フルオロベンジル)−1−メチルl−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジンの合成 周囲温度においてTHF(2.0mL)中にビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(290mg、0.42mmol)、塩化リチウム(350mg、8.3mmol)および4,6−ジクロロ−1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(840mg、4.2mmol)を含有する混合物に、(2−フルオロベンジル)亜鉛(II)クロリド(THF中の0.5M溶液、10mL、5.0mmol)を加えた。混合物を周囲温度で24時間撹拌した。該混合物を、EtOAc(100mL)および水(100mL)に取った。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、蒸発させると、オイルが生じた。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜80%EtOAc/ヘキサンの勾配)を用いて精製して、6−クロロ−4−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(1.0g、収率70%)を黄色固体として得た。 1H NMR (500 MHZ, CDCl3)δ(ppm) 7.87 (s, 1 H), 7.63-7.79 (m, 1 H), 7.26 (br. s, 1 H), 7.12-7.19 (m, 1 H), 6.96-7.07 (m, 2 H), 4.60 (br. s, 2 H), 3.80 (s, 3 H). 段階2:4−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリルの合成 DMF(18mL)中にシアン化亜鉛(850mg、7.3mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(420mg、0.36mmol)および6−クロロ−4−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(1.0g、3.6mmol)を含有する混合物を、100℃に24時間加熱した。反応混合物を水(10mL)およびEtOAc(20mL)でクエンチし、セライトのパッドに通して濾過した。濾液をEtOAc(100mL)で抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、蒸発させると、固体が生じた。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配)を用いて精製して、不純な4−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(130mg)を白色固体として得た。 1H NMR (500 MHz, CDCl3)δ(ppm) 8.08 (s, 1 H), 7.72 (s, 1 H), 7.65-7.71 (m, 1 H), 7.32 (m, 1 H), 6.98-7.09 (m, 2 H), 4.64 (s, 2 H), 3.92 (s, 3 H). 段階3:4−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(I−36)の合成 MeOH(2.5mL)中に無水ヒドラジン(0.092mL、2.9mmol)および4−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボニトリル(130mg)を含有する混合物を、周囲温度で24時間撹拌した。混合物を減圧濃縮し、MeOHおよびベンゼンで共沸乾燥した。得られた混合物をDCM(10mL)に溶解し、ピリジン(0.24mL、2.9mmol)および2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物(0.21mL、1.5mmol)で処理した。周囲温度で2時間撹拌後、反応物をEtOAc(100mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、蒸発させると、オイルが生じた。粗製材料を分取HPLCにより精製して、4−(2−フルオロベンジル)−1−メチル−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(6.3mg、2段階全体での収率0.47%)を淡褐色固体として得た。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 8.57 (s, 1 H), 8.41 (s, 1 H), 7.18-7.28 (m, 2 H), 6.97-7.12 (m, 2 H), 4.67 (s, 2 H), 4.04 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 377.1 化合物I−72






8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン(I−72):表題化合物を3段階で合成した。


段階1:6−ブロモ−8−(2−フルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジンの合成 周囲温度におけるTHF(5.9mL)中のビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(62mg、0.088mmol)および6−ブロモ−8−クロロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン(410mg、1.8mmol)の溶液をアルゴンで5分間パージし、(2−フルオロベンジル)亜鉛(II)クロリド(THF中の0.5M溶液、5.3mL、2.6mmol)で処理した。混合物を60℃で24時間撹拌した。反応物を飽和NH4Cl溶液(15mL)でクエンチし、EtOAc(4×50mL)で抽出した。有機層を合わせたものをブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗製材料を、逆相HPLC(0.1%ギ酸を用いた5〜95%アセトニトリル/水の勾配)を用いて精製して、6−ブロモ−8−(2−フルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン(110mg、純度43%、望ましくない位置異性体が混在、収率9.1%)を褐色固体として得た。


段階2:8−(2−フルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−6−カルボニトリルの合成 亜鉛末(4.7mg、0.072mmol)、シアン化亜鉛(63mg、0.54mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン付加物(29mg、0.036mmol)および6−ブロモ−8−(2−フルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン(110mg、純度43%、0.15mmolの望ましい位置異性体および0.21mmolの望ましくない位置異性体)を含有する固体混合物を窒素で15分間パージした後、DMF(3mL)中に溶解した。反応物を120℃に8時間加熱した。得られた混合物を、水(10mL)、ブライン(10mL)およびEtOAc(20mL)に分配した。水層をEtOAc(20mL)で抽出した。有機層を合わせたものをNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィー(20〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配)を用いて精製して、8−(2−フルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−6−カルボニトリル(24mg、収率61%)を淡黄褐色固体として得た。


段階3:8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン(I−72)の合成 無水メタノール(1.5mL)中の8−(2−フルオロベンジル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−6−カルボニトリル(24mg、0.094mmol)の懸濁液をナトリウムメトキシド(メタノール中の0.50N溶液、19μL、9.4μmol)で処理した。3.5時間後、無水ヒドラジン(18μL、0.57mmol)を加え、反応物を周囲温度で23時間撹拌した。得られた混合物を濃縮し、減圧乾燥した後、DCM/THF(2mL、3:1の割合)に再び溶解した。2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物(21μL、0.15mmol)。40分後、混合物を濃縮し、EtOH(2mL)および酢酸(0.2mL)に溶解し、90℃で15時間加熱した。得られた溶液を水(10mL)に注ぎ入れ、飽和NaHCO3溶液でpH6に中和し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機層を合わせたものをNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィー(20〜90% EtOAc/ヘキサンの勾配)により精製して、8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン(1.4mg、収率4.1%)を淡黄色フィルムとして得た。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.43 (s, 1 H), 9.22 (s, 1 H), 7.47 (app. t, 1 H), 7.29 (m, 1 H), 7.13-7.08 (m, 2 H), 4.76 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 364.2 化合物I−37






6−(2−フルオロベンジル)−9−メチル−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−9H−プリンI−37):表題化合物を3段階で合成した。


段階1:2−クロロ−6−(2−フルオロベンジル)−9−メチル−9H−プリンの合成 周囲温度においてTHF(17mL)中にビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(240mg、0.34mmol)、塩化リチウム(290mg、6.8mmol)および2,6−ジクロロ−9−メチル−9H−プリン(690mg、3.4mmol)を含有する混合物に、2−フルオロベンジル亜鉛(II)クロリド(THF中の0.5M溶液、7.5mL、3.7mmol)を加えた。反応物を周囲温度で24時間撹拌した。得られた混合物を、EtOAc(100mL)および水(100mL)で希釈した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、蒸発させると、オイルが生じた。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘキサンの勾配)を用いて精製して、2−クロロ−6−(2−フルオロベンジル)−9−メチル−9H−プリン(620mg、収率66%)を白色固体として得た。 1H NMR (500 MHz, CDCl3)δ(ppm) 8.02 (s, 1 H), 7.37 (m, 1 H), 7.18-7.25 (m, 1 H), 7.02-7.10 (m, 2 H), 4.54 (s, 2 H), 3.88 (s, 3 H). 段階2:6−(2−フルオロベンジル)−9−メチル−9H−プリン−2−カルボニトリルの合成 DMF(12mL)中にシアン化亜鉛(530mg、4.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(260mg、0.22mmol)および2−クロロ−6−(2−フルオロベンジル)−9−メチル−9H−プリン(620mg、2.2mmol)を含有する混合物を、100℃に24時間加熱した。混合物を水(50mL)およびEtOAc(10mL)でクエンチし、セライトのパッドに通して濾過した。濾液をEtOAc(100mL)で抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、蒸発させると、オイルが生じた。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配)を用いて精製して、6−(2−フルオロベンジル)−9−メチル−9H−プリン−2−カルボニトリル(490mg、収率82%)を白色固体として得た。 1H NMR (500 MHz, CDCl3)δ(ppm) 8.22 (s, 1 H), 7.39 (t, 1 H), 7.20-7.26 (m, 1 H), 7.01-7.12 (m, 2 H), 4.61 (s, 2 H), 3.95 (s, 3 H). 段階3:6−(2−フルオロベンジル)−9−メチル−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−9H−プリン(I−37)の合成 MeOH(2.4mL)中に無水ヒドラジン(0.090mL、2.9mmol)および6−(2−フルオロベンジル)−9−メチル−9H−プリン−2−カルボニトリル(130mg、0.48mmol)を含有する混合物を、60℃で2時間加熱した。混合物を減圧濃縮し、MeOHおよびベンゼンで共沸乾燥した。得られた固体をDCM(5.0mL)に溶解し、ピリジン(0.23mL、2.9mmol)および2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物(0.20mL、1.4mmol)で処理した。周囲温度で24間撹拌後、反応物をDCM(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、蒸発させると、オイルが生じた。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘキサンの勾配)を用いて精製して、2,2,2−トリフルオロ−N’−((6−(2−フルオロベンジル)−9−メチル−9H−プリン−2−イル)(イミノ)メチル)アセトヒドラジド中間体を回収した。固体をMeOH(1.0mL)および数滴の酢酸と組み合わせた。得られた混合物を、電子レンジにおいて120℃で1時間加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、減圧濃縮して、6−(2−フルオロベンジル)−9−メチル−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−9H−プリン(25mg、収率14%)を白色固体として得た。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 8.50-8.54 (m, 1 H), 7.28-7.41 (m, 1 H), 7.14-7.27 (m, 1 H), 6.97-7.12 (m, 2 H), 4.63 (s, 2 H), 4.01 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 378.1 化合物I−38および化合物I−39






一般的手順C:8−(2−フルオロベンジル)−6−(5−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−38)および8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−39) DMF(3.0mL)中の8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(69mg、0.22mmol)および炭酸カリウム (68mg、0.49mmol)の懸濁液に、トリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(0.050mL、0.31mmol)を加えた。周囲温度で15時間攪拌後、反応混合物を水とブラインの混合物(1:2、20mL)中に注ぎ入れ、DCM(2×20mL)で抽出した。有機層を合わせたものをNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィー(20〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配)を用いて精製して、8−(2−フルオロベンジル)−6−(5−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−38)(18mg、収率21%)を淡黄色固体として、および8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−39)(52mg、収率60%)を淡黄色固体として単離した。化学構造を1H NMR nOe実験を用いて特定した。この場合、考えうる第3の位置異性体(通常は微量)は観察されなかった。 化合物I−38: 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 9.19 (s, 1 H), 8.23 (s, 1 H), 7.80 (s, 1 H), 7.34 (app. t, 1 H), 7.27 (m, 1 H), 7.17 (app. t, 1 H), 7.08 (app. t, 1 H), 5.34 (q, 2 H), 4.56 (s, 2 H), 2.53 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 391.2 化合物I−39: 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 9.39 (s, 1 H), 8.30 (s, 1 H), 7.93 (s, 1 H), 7.48 (app. t, 1 H), 7.35 (m, 1 H), 7.21-7.15 (m, 2 H), 5.41 (q, 2 H), 4.64 (s, 2 H), 2.31 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 391.2 化合物I−41および化合物I−42






8−(2−フルオロベンジル)−6−(1−(4−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−41)および8−(2−フルオロベンジル)−6−(1−(4−フルオロベンジル)−3−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン (I−42)を、アルキル化剤として1−(ブロモメチル)−4−フルオロベンゼンを用いた点を除き一般的手順Cに従って、固体(I−41:1.3mg、収率3.9%、およびI−42:2.9mg、収率8.6%)として合成した。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 化合物I−41: 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 9.15 (s, 1 H), 8.21 (s, 1 H), 7.79 (s, 1 H), 7.32 (m, 3 H), 7.21 (m, 4 H), 7.08 (app. t, 1 H), 5.44 (s, 2 H), 4.54 (s, 2 H), 2.48 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 417.3 化合物I−42: 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 9.34 (s, 1 H), 8.29 (s, 1 H), 7.91 (s, 1 H), 7.37 (app. t, 1 H), 7.20 (m, 1 H), 7.03 (m, 6 H), 5.61 (s, 2 H), 4.63 (s, 2 H), 2.25 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 417.4 化合物I−47






8−(2−フルオロベンジル)−6−(1−(3−フルオロベンジル)−5−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−47)を、アルキル化剤として1−(ブロモメチル)−4−フルオロベンゼンを用いた点を除き一般的手順Cに従って、固体(4.2mg、収率12%)として合成した。他の位置異性体は単離されなかった。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.04 (s, 1 H), 8.11 (s, 1 H), 7.78 (s, 1 H), 7.38 (m, 1 H), 7.23 (m, 2 H), 7.06 (m, 5 H), 5.47 (s, 2 H), 4.65 (s, 2 H), 2.51 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 417.4 化合物I−48






1−(3−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−5−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オンを、アルキル化剤として1−ブロモ−3,3−ジメチルブタン−2−オンを用いた点を除き一般的手順Cに従って、固体(7.6mg、収率23%)として合成した。他の位置異性体は単離されなかった。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 9.15 (s, 1 H), 8.22 (s, 1 H), 7.79 (s, 1 H), 7.32 (app. t, 1 H), 7.25 (m, 1 H), 7.17 (app. t, 1 H), 7.08 (app. t, 1 H), 5.54 (s, 2 H), 4.54 (s, 2 H), 2.31 (s, 3 H), 1.22 (s, 9 H). LCMS [M+H] = 407.4 化合物I−50






8−(2−フルオロベンジル)−6−(1−(4−フルオロブチル)−5−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−50)を、アルキル化剤として1−ブロモ−4−フルオロブタンを用いた点を除き一般的手順Cに従って、固体(0.9mg、収率2.8%)として合成した。他の位置異性体は単離されなかった。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.03 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 7.81 (s, 1 H), 7.26 (m, 2 H), 7.06 (m, 2 H), 4.67 (s, 2 H), 4.55 (t, 1 H), 4.45 (t, 1 H), 4.27 (t, 2 H), 2.56 (s, 3 H), 2.05 (m, 2 H), 1.77 (m, 2 H). LCMS [M+H] = 383.3 化合物I−51






3−((3−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−5−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル)−5−メチルイソオキサゾール(I−51)を、アルキル化剤として3−(ブロモメチル)−5−メチルイソオキサゾールを用いた点を除き一般的手順Cに従って、固体(4.1mg、収率13%)として合成した。他の位置異性体は単離されなかった。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.05 (s, 1 H), 8.13 (s, 1 H), 7.80 (s, 1 H), 7.26 (m, 2 H), 7.08 (m, 1 H), 7.04 (m, 1 H), 6.20 (s, 1 H), 5.50 (s, 2 H), 4.66 (s, 2 H), 2.58 (s, 3 H), 2.42 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 404.3 化合物I−53






6−(1−エチル−5−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−53)を、アルキル化剤としてヨードエタンを用いた点を除き一般的手順Cに従って、固体(3.0mg、収率11%)として合成した。他の位置異性体は単離されなかった。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.02 (s, 1 H), 8.13 (s, 1 H), 7.81 (s, 1 H), 7.25 (m, 2 H), 7.08 (m, 1 H), 7.04 (m, 1 H), 4.67 (s, 2 H), 4.26 (q, 2 H), 2.56 (s, 3 H), 1.50 (t, 3 H). LCMS [M+H] = 337.3 化合物I−54






8−(2−フルオロベンジル)−6−(5−メチル−1−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−54)を、アルキル化剤として3−(ブロモ)−1,1,1−トリフルオロプロパンを用いた点を除き一般的手順Cに従って、固体(2.9mg、収率8.8%)として合成した。他の位置異性体は単離されなかった。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.06 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 7.81 (s, 1 H), 7.25 (m, 2 H), 7.09 (m, 1 H), 7.04 (m, 1 H), 4.67 (s, 2 H), 4.49 (t, 2 H), 2.94 (m, 2 H), 2.57 (s, 3 H). LCMS [M+H] = 405.3 化合物I−56






6−(1−ブチル−5−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−56)を、アルキル化剤として1−ブロモブタンを用いた点を除き一般的手順Cに従って、固体(2.0mg、収率6.8%)として合成した。他の位置異性体は単離されなかった。反応条件(試薬の比率、温度および反応時間など)は必要に応じて変更した。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.02 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 7.80 (s, 1 H), 7.26 (m, 2 H), 7.08 (m, 1 H), 7.04 (m, 1 H), 4.67 (s, 2 H), 4.22 (t, 2 H), 2.55 (s, 3 H), 1.90 (app. quin, 2 H), 1.41 (m, 2 H), 1.00 (t, 3 H). LCMS [M+H] = 365.3 化合物I−57






5−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン(I−57): 水(8mL)中のS−メチルイソチオ尿素ヘミ硫酸塩(510mg、1.8mmol)、8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキシイミドヒドラジド(520mg、1.8mmol)および水酸化ナトリウム(73mg、1.8mmol)の懸濁液を、電子レンジで60分間にわたり120℃に加熱した。反応混合物を、メタノールを溶離液として用いて濾過し、得られた濾液を濃縮して、粗生成物を得た。この材料を逆相HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸を用いた12〜37%アセトニトリル/水の勾配) により精製すると橙色オイルが生じ、これは2つの化合物の混合物であった(360mg)。この生成混合物を、さらに生成することなく次の反応に用いた。


この材料の少量試料を逆相HPLC(0.1%ギ酸を用いた10〜55%アセトニトリル/水の勾配)で精製して、5−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン(I−57)(3.0 mg)を白色固体として得た。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 12.1 (br. s, 1 H), 8.92 (br. s, 1 H), 8.21 (s, 1 H), 7.77 (s, 1 H), 7.35 - 7.40 (m, 1 H), 7.25 - 7.29 (m, 1 H), 7.15 - 7.19 (m, 1 H), 7.06 - 7.11 (m, 1 H), 6.09 (s, 2 H), 4.53 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 310.1 化合物I−58






1−(3−フルオロベンジル)−3−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−アミン(I−58): DMF(4mL)中の粗製5−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン(360mg)の溶液に、1−(ブロモメチル)−3−フルオロベンゼン(0.11mL、0.88mmol)、続いて炭酸カリウム(210mg、1.6mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した後、50℃に24時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水(50mL)で希釈し、EtOAc(4×30mL)で抽出した。有機相を合わせたものをNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濃縮して、褐色残渣を得た。シリカゲルクロマトグラフィーによる粗生成物の初回通過精製(first pass purification)により、混合物が生じた。この材料を逆相HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸を用いた10〜60%アセトニトリル/水の勾配)して、1−(3−フルオロベンジル)−3−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−アミン(I−58)(6.9mg)を淡黄色固体として得た。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 9.01 (s, 1 H), 8.22 (s, 1 H), 7.81 (s, 1 H), 7.40 - 7.44 (m, 1 H), 7.30 - 7.34 (m, 1 H), 7.24 - 7.27 (m, 1 H), 7.12 - 7.18 (m, 2 H), 7.06 - 7.10 (m, 3 H), 6.78 (br. s, 2 H), 5.25 (s, 2 H), 4.52 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 418.3 化合物I−59および化合物I−60






3−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−アミン(I−59)および5−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン(I−60): DMF(4mL)中の粗製5−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン(550mg)、トリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(0.30mL、2.2mmol)および炭酸カリウム(540mg、3.90mmol)の懸濁液を、周囲温度で16時間撹拌した。その後、反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機相を合わせたものをNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濃縮して、残渣を得た。初回通過精製は、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配)による達成した。シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0〜50%アセトニトリル/MeOH(7:1)の勾配)を用いた2回目の精製により、5−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン(I−60)(40mg)を金色固体として得た。化合物I−59はこのキャンペーン(campaign)で検出されたが、単離しなかった。


第2のキャンペーンにおいて、DMF(4mL)中で粗製5−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン(330mg)、トリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(0.18mL、1.3mmol)および炭酸カリウム(320mg、2.4mmol)を組み合わせて、同様の生成物混合物を得た。この混合物を逆相HPLC(0.1%ギ酸を用いた10〜55%アセトニトリル/水の勾配)を用いて精製して、3−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−アミン(I−59)(3.5mg)を白色固体として得た。 化合物I−60: 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 9.19 (s, 1 H), 8.31 (d, 1 H), 7.92 (d, 1 H), 7.45 - 7.50 (m, 1 H), 7.30 - 7.36 (m, 1 H), 7.14 - 7.20 (m, 2 H), 5.64 (s, 2 H), 5.21 (q, 2 H), 4.62 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 392.2 化合物I−59: 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 8.98 (s, 1 H), 8.22 (s, 1 H), 7.78 (s, 1 H), 7.30 - 7.34 (m, 1 H), 7.24 - 7.29 (m, 1 H), 7.15 - 7.19 (m, 1 H), 7.06 - 7.09 (m, 1 H), 6.76 (s, 2 H), 4.98 (q, 2 H), 4.43 (s, 2 H). 位置化学的帰属は、1H NMR nOe実験により確認した(約3%のnOeがCH2CF3プロトンとNH2基の間に存在する)。 LCMS [M+H] = 392.2 化合物I−62および化合物I−63






6−(3−クロロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−62)および6−(3−(1H−イミダゾl−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−63): THF(4mL)中に8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキシイミドヒドラジド(140mg、0.51mmol)および1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)(410mg、2.5mmol)を含有する溶液を、周囲温度で40時間撹拌した。黄褐色懸濁液が観察された。DCM/MeOH(60mL、1:1の比率)を加え、得られた混合物を徐々に温めて固体を溶解した。粗製混合物を濃縮し、減圧乾燥した。三塩化ホスホリル(3.0mL、32mmol)を加え、得られた混合物を120℃で16時間加熱した。反応混合物を濃縮し、氷で慎重に処理し、飽和NaHCO3溶液で中和した。粗製混合物をDCM/イソプロパノール(5:1の比率、3×20mL)で抽出した。有機相を合わせたものをNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中に0〜25%アセトニトリル/MeOH(7:1))により精製して、表題化合物I−62(23mg、収率14%、最初の溶離生成物)をオフホワイト色固体として、I−63(18mg、収率9.9%、2番目に溶離した副生成物)を淡黄褐色固体として得た。 化合物I−62: 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 14.9 (s, 1 H), 9.31 (s, 1 H), 8.25 (s, 1 H), 7.85 (s, 1 H), 7.43 (app. t, 1 H), 7.27 (m, 1 H), 7.17 (app. t, 1 H), 7.09 (app. t, 1 H), 4.58 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 329.2 化合物I−63: 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 14.8 (s, 1 H), 9.36 (s, 1 H), 8.32 (m, 2 H), 7.86 (s, 1 H), 7.76 (s, 1 H), 7.43 (app. t, 1 H), 7.28 (m, 1 H), 7.20-7.15 (m, 2 H), 7.10 (app. t, 1 H), 4.60 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 361.3 化合物I−64および化合物I−65






rac−6−(3−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)−8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−64)および5−(8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)−N,N−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン(I−65): DMF(2.0mL)中のrac−2,2−ジフルオロシクロプロパン−1−カルボン酸(89mg、0.70mmol)の溶液を、HATU(400mg、1.0mmol)および4−メチルモルホリン(0.23mL、2.1mmol)で連続して処理した。琥珀色溶液を周囲温度で30分間撹拌した後、0,50mLのDMFを用いて8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−カルボキシイミドヒドラジド(200mg、0.70mmol)を加えた。18時間後、反応物をEtOAc(100mL)および水(50mL)で希釈した。水層をEtOAc(25mL)で逆抽出した。有機層を合わせたものをブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、2,2−ジフルオロ−N’−((8−(2−フルオロベンジル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−6−イル)(イミノ)メチル)シクロプロパン−1−カルボヒドラジド(400mg、収率>99%)を褐色固体として得た。これを、さらに処理することなく用いた。この中間体を、エタノール(10mL)および酢酸(1.0mL)に懸濁させた。反応物を90℃で15.5時間加熱した。内容物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(20〜10% EtOAc/ヘキサン勾配およびDCM中の0〜4%アセトニトリル/MeOH(7:1)勾配)により2回精製し、逆相HPLC(0.1%ギ酸を用いた5〜95%アセトニトリル/水)により再精製して、表題化合物I−64(51mg、収率19%、最初の溶離生成物)を白色固体として、I−65(20mg、収率8.5%、2番目に溶離した副生成物)をオフホワイト色固体として得た。 化合物I−64: 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.12 (s, 1 H), 8.16 (s, 1 H), 7.83 (s, 1 H), 7.32 (m, 1 H), 7.25 (m, 1 H), 7.11-7.02 (m, 2 H), 4.67 (s, 2 H), 2.97 (m, 1 H), 2.17 (m, 1 H), 2.00 (m, 1 H). LCMS [M+H] = 371.2 化合物I−65: 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.08および8.98 (s, 1 H, 互変異性体), 8.13および8.10 (s, 1 H, 互変異性体), 7.87および7.77 (s, 1 H, 互変異性体), 7.36-7.16 (m, 2 H), 7.13-6.98 (m, 2 H), 4.64 (s, 2 H), 3.09および3.03 (s, 6 H, 互変異性体). LCMS [M+H] = 338.2 化合物I−66






8−(2−フルオロベンジル)−3−ヨード−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−66): DMF(2.0mL)中の8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(99mg、0.27mmol)の溶液をN−ヨードスクシンイミド(92mg、0.41mmol)で処理し、60℃で40時間加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0〜5%アセトニトリル/MeOH(7:1)勾配)により精製して、表題化合物(I−66)(130mg、収率96%)を白色固体として得た。 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δ(ppm) 15.6 (s, 1 H), 8.79 (s, 1 H), 8.04 (s, 1 H), 7.41 (app. t, 1 H), 7.27 (m, 1 H), 7.18 (app. t, 1 H), 7.08 (app. t, 1 H), 4.62 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 489.2 化合物I−67






3−クロロ−8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−67): DMF(2.0mL)中の8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(99mg、0.27mmol)の溶液をN−クロロスクシンイミド(55mg、0.41mmol)で処理し、60℃で24時間加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0〜20%アセトニトリル/MeOH(7:1)勾配)により精製して、表題化合物(I−67)(56mg、収率51%)を白色固体として得た。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.04 (s, 1 H), 7.88 (s, 1 H), 7.39 (app. t, 1 H), 7.26 (m, 1 H), 7.08 (m, 2 H), 4.70 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 397.2 化合物I−68






3−フルオロ−8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−68) アセトニトリル(3.0mL)中の8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(100mg、0.28mmol)の溶液を1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(Selectfluor(登録商標))(120mg、0.34mmol)で処理し、70℃で6時間加熱した。追加的量のSelectfluor(登録商標)(60mg、0.17mmol)を加え、加熱を70℃で3時間継続した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0〜20%アセトニトリル/MeOH(7:1)勾配)により精製して、表題化合物I−68)(10mg、収率9。4%)を白色固体として得た。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 8.96 (s, 1 H), 7.56 (d, 1 H), 7.39 (app. t, 1 H), 7.25 (m, 1 H), 7.08 (m, 2 H), 4.65 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 381.2 化合物I−70






8−(2−フルオロベンジル)−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン−3−カルボニトリル(I−70): 8−(2−フルオロベンジル)−3−ヨード−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(49mg、0.10mmol)、シアン化亜鉛(18mg、0.15mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(3.7mg、5.0μmol)、および亜鉛粉末(1.3mg、0.020mmol)で構成される固体混合物を、窒素で15分間フラッシュした。DMF(2mL)を加え、反応物を電子レンジにおいて120℃で7.5時間加熱し、その間に追加的量のパラジウム触媒(3.7mg)およびシアン化亜鉛(24mg)を加えて反応を促進した。粗製混合物を周囲温度に冷却し、EtOAc(10mL)で希釈し、EtOAc(20mL)を用いてセライト床に通して濾過した。有機濾液を1水/ブライン(2×10mL、10:1の比率)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0〜10%アセトニトリル/MeOH(7:1)勾配)により精製して、表題化合物I−70をオフホワイト色固体(15mg、収率38%)を白色固体として得た。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 9.23 (s, 1 H), 8.44 (s, 1 H), 7.41 (app. t, 1 H), 7.26 (m, 1 H), 7.10-7.05 (m, 2 H), 4.74 (s, 2 H). LCMS [M+H] = 388.3 化合物I−71






8−(2−フルオロベンジル)−3−メチル−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I−71): 8−(2−フルオロベンジル)−3−ヨード−6−(3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(71mg、0.15mmol)、炭酸カリウム(60mg、0.44mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(17mg、0.015mmol)で構成される固体混合物を、窒素で5分間フラッシュした。DME(3.5mL)および水(0.5mL)を加えた後、トリメチルボロキシン(37μL)を加え、反応物を120℃で40時間加熱した。粗製混合物を周囲温度に冷却し、水(20mL)に注ぎ入れ、1N HCl溶液でpH7に中和した。水性混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出した。有機相を合わせたものをNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0〜40% EtOAc/ヘキサンの勾配)および逆相HPLC(0.1%ギ酸を用いた30〜80%アセトニトリル/水の勾配))により精製して、表題化合物I−71を白色色固体(16mg、収率29%)として得た。 1H NMR (500 MHz, メタノール-d4)δ(ppm) 8.99 (s, 1 H), 7.66 (s, 1 H), 7.33 (app. t, 1 H), 7.24 (m, 1 H), 7.11-7.03 (m, 2 H), 4.67 (s, 2 H), 2.63 (s, 3 H) LCMS [M+H] = 377.2 実施例2a:384ウェル形式のcGMP GloSensor細胞ベースのアッセイによる生物学的活性測定 [00247]GloSensorTM 40F cGMP(品番:CS182801、Promega)を発現するヒト胚腎臓細胞(HEK293)細胞を用いて、試験化合物の活性を評価した。これらの細胞に組み込まれた発光性バイオセンサー(人工的ルシフェラーゼ)は、sGC酵素を刺激する化合物によって形成されるcGMPを検出し、ルミネセンスを放出する。


[00248]cGMP GloSensor細胞を、ウシ胎仔血清(FBS、最終的に10%)およびハイグロマイシン(200μg/mL)を補足したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で保持した。アッセイ前日に、細胞を、ポリ−D−リシンでコーティングした384ウェルの白色平底プレート(Corningカタログ番号35661)において、10%FBSを50μL体積で含むDMEMに1.5×104細胞/ウェルの密度でプレーティングした。細胞を、5%のCO2を含む加湿チャンバーにおいて37℃で一晩インキュベートした。翌日、培地を除去し、細胞を、40μL/ウェルのGloSensorTM 、2mM(Promegaカタログ番号E1291)で置き換えた。細胞を25℃で90分間処理して、基質が細胞中で平衡化するのを可能にした。試験化合物およびジエチレントリアミンNONOエート(DETA−NONOエート)を、血清を含まないCO2非依存性培地で3mM(20×)に希釈し、4倍希釈で連続的に希釈して5倍用量曲線を作成し、ここから10μLをウェルに加えた(試験化合物溶液に関してはxμM濃度で、DETA−NONOエート溶液に関しては10μM濃度;xは以下の最終濃度の1つである:30000nM、7500nM、1875nM、468.8nM、117.2nM、29.29nM、7.320nM、1.830nM、0.460nM、0.114nM、および0.029nM)。


[00249]動態研究のために、すぐにEnvision(Perkin Elmer)を用いて1ウェルあたり0.2秒にわたりルミネセンスを測定した。エンドポイントSARスクリーニングについては、室温で55分間インキュベートした後にデータを収集した。


[00250]データは、以下の式を用いて高対照に対し正規化した:100×(試料−低対照)/(高対照−低対照)、式中、低対照は1%DMSOで処理した16試料の平均であり、高対照は30μMの以下に示す化合物Yで処理した16試料の平均である。すべての化合物について、GraphPad Prismソフトウェアv.5.n=2を用い、4パラメーターフィット(log(アゴニスト)対反応−変数勾配)を用いてデータをフィットさせた。絶対(Abs)EC50を曲線フィットから内挿し、上記のようなデータ正規化後、所定の化合物が高対照反応の50%を引き起こす濃度として定義する。50%の最小反応を引き起こすことができない化合物を>30μMとして報告する。2回または2回より多いn回繰り返して実施した化合物の場合、本明細書中に示した結果は、得られたいくつかの結果の幾何平均である。表2aに、このアッセイで本発明の選択された化合物について得られた結果をまとめる。














GloSensorアッセイによって決定されるHEK細胞におけるsGC酵素活性の値。(〜)sGC酵素活性の値に関するコード定義、これに関し、sGC酵素活性は、データ正規化後に所定の化合物が高対照反応(化合物Y)の50%をもたらす濃度として定義される絶対EC50で表わされる:Abs EC50≦100nM=A;100nM

50≦1000nM=B;1000nM

50=C。50%の最小反応を引き起こすことができない化合物を>30μMまたはNDとして報告する。 実施例2b:384ウェル形式のcGMP GloSensor細胞ベースのアッセイによる生物学的活性測定 GloSensor
TM 40F cGMP(品番:CS182801、Promega)を発現するHEK293細胞を用いて、試験化合物とNOの相乗作用を評価した。試験化合物とNOの相乗作用を決定するために、試験化合物の濃度およびジエチレントリアミンNONOエート(DETA−NONOエート)の濃度を変動させて複数のアッセイを実施した。試験化合物およびジエチレントリアミンNONOエート(DETA−NONOエートまたはDETA−NO)を、血清を含まないCO
2非依存性培地で3mM(20×)に希釈し、4倍希釈で連続的に希釈して5倍用量曲線を作成し、ここから10μLをウェルに加えた(試験化合物溶液に関してはxμM濃度で、DETA−NO溶液に関してはyμM濃度;xは以下の最終濃度の1つである:30000nM、7500nM、1875nM、468.8nM、117.2nM、29.29nM、7.320nM、1.830nM、0.460nM、0.114nM、および0.029nM、ならびに、yは以下の最終濃度の1つである:30μM、10μM、3.33μM、1.11μM、および0μM)。


上記のような解析の後、表2bに、このアッセイにおいてさまざまなDETA−NO量で化合物I−1について得られた結果をまとめる。






GloSensorアッセイによって決定されるHEK細胞におけるsGC酵素活性の値。(〜)sGC酵素活性の値に関するコード定義、これに関し、sGC酵素活性は、データ正規化後に所定の化合物が高対照反応(化合物Y)の50%をもたらす濃度として定義される絶対EC50で表わされる:Abs EC50≦100nM=A;100nM

50≦1000nM=B;1000nM

50=C。50%の最小反応を引き起こすことができない化合物を>30μMまたはNDとして報告する。


表2bに示すように、化合物I−1はNOと相乗作用を示してsGCを刺激する。 実施例3:cGMP神経細胞ベースのアッセイによる生物学的活性測定 ラット一次ニューロンを、妊娠18日目の雌Sprague−Dawleyの胎仔から単離した。胎仔をハンクス平衡塩類溶液(HBSS)に収集し、脳を迅速に取り出した。脳海馬を単離し、機械的に破砕した。さらに、37℃において15分間、Ca2+およびMg2+を含まないHBSS中の0.25%(重量/体積)トリプシン溶液で組織消化を実施した。トリプシン処理の後、細胞を洗浄し、0.5mM L−グルタミン、12.5μMグルタミン酸、2%B−27および100U/mLペニシリン、および100μg/mLストレプトマイシンを補充したneurobasal培地に再懸濁化した。細胞を、ポリ−D−リシンでコーティングした384ウェルの透明平底プレート(Corningカタログ番号354662)に、4×104細胞/ウェルの密度でプレーティングした。細胞を、5%のCO2を含む加湿チャンバーにおいて37℃で6〜7日間インキュベートした。培地を除去し、細胞を、Ca2+およびMg2+を含有するHBSSで1回洗浄し、0.5mM IBMXを含有する40μLのHBSSで置き換え、37℃で15分間インキュベートした。ジエチレントリアミンNONOエート(DETA−NO)を含む試験化合物の5×保存溶液を10μL加えた。DETA−NOの最終濃度は30μMであった。細胞を37℃で20分間インキュベートした。培地を除去し、50μLの氷冷10%酢酸を加え、4℃で60分間インキュベートした。4℃で5分間、ペレット細胞残屑まで1000xgで遠心分離した後、上清を清浄なプレートに吸引し、試料をcGMP含量に関し分析した。LC−MS/MSを用いて各試料からcGMP濃度を決定した。


[00251]データは、以下の式を用いて高対照に対し正規化した:100×(試料−低対照)/(高対照−低対照)、式中、低対照は1%DMSOで処理した15試料の平均であり、高対照は10μMの公知のsGC刺激剤化合物Yで処理した15試料の平均である。すべての化合物について、GraphPad Prismソフトウェアv.5.n=2を用い、4パラメーターフィット(log(アゴニスト)対反応−変数勾配)を用いてデータをフィットさせた。絶対EC50を曲線フィットから内挿し、所定の化合物が高対照反応の50%を引き起こす濃度として定義する。50%の最小反応を引き起こすことができない化合物を>30μMとして報告する。2回または2回より多いn回繰り返して実施した化合物の場合、本明細書中に示した結果は、得られたいくつかの結果の幾何平均である。表3に、このアッセイで本発明の選択された化合物について得られた結果をまとめる。 [00252]






ニューロンに基づく細胞アッセイ。AbsEC50≦100nM=A;100nM

50≦1000nM=B;1000nM

50=C。50%の最小反応を引き起こすことができない化合物を>30μMまたはNDとして報告する。 実施例4:ラット脳脊髄液(CSF)薬物動態特性 [00253]プロトコル。ラットのPKを経口投与後に決定した。経口(PO)投与の実験では、大槽に留置カテーテルを置いた6匹の雄Sprague−Dawleyラットの群を用いた。PO群には、PEG400中の溶液として配合した化合物を10mg/kgまたは1mg/kgで投与した。PO用量は強制経口飼養により投与し、シリンジおよび強制飼養チューブを用いて胃に送達させた。経口投与量の投与後、全用量を確実に完全に送達させるために、強制飼養チューブを約0.5mLの水でフラッシュした。


[00254]血漿試料を以下のように収集した:CSFおよび血液の試料は、投与の1時間後、2時間後、および所望により4時間後に収集した。CSF試料(0.05mL)は槽内カテーテルにより収集した。血液試料(0.25血液試料はmL)は眼窩後サンプリングにより収集した。これらの試料を、血漿について処理するまで氷上で保持した。血液試料は、収集後1時間以内に、約5℃において3200rpmで5分間遠心分離した。血漿を96ウェルプレート管(0.125mL)に直接移した。栓蓋を管に付け、管を約−70℃で凍結させ、分析まで保管した。血漿を収集し、化合物の存在について分析した。


[00255]化合物の定量。当該化合物および内部標準を、沈殿により血漿およびCSFから抽出した。試料は、エレクトロスプレーイオン化を用いるタンデム質量分析検出(MS/MS)を備える液体クロマトグラフィー(LC)を用いて分析した。標準曲線範囲は1〜1000ng/mLであった。このアッセイにおける本実施例に記載する化合物の結果を、以下の表4a(10mg/kg用量)ならびに以下の表4bおよび4c(1mg/kg)に例示する。


[00256]Kp,uuを、CSF中の非結合薬物と血漿中の非結合薬物の濃度比と定義する。血漿中の非結合薬物(または遊離血漿濃度)は、全血漿濃度に、血漿タンパク結合によって決定される非結合率をかけることにより計算する。その後、CSF濃度を遊離血漿濃度で割って、Kp,uuを決定する(Di et al.,J.Med.Chem., 56,2−12(2013)参照)。














実施例5:イヌ脳脊髄液(CSF)薬物動態特性 [00257]プロトコル。イヌのPKを経口投与後に決定した。4匹の雄ビーグル犬の群を用い、イヌに、水中の1% HPMC E5、0.2% Tween 80、および0.5% MC中の懸濁液として配合した化合物を1mg/kgで投与した。PO用量はゼラチンカプセルでの強制経口飼養により投与し、強制飼養チューブを用いて胃に送達させた。経口投与量の投与後、全用量を確実に完全に送達させるために、強制飼養チューブを約10mLの水でフラッシュした。


[00258]血漿およびCSF試料を以下のように収集した:CSFおよび血液の試料は、投与の1、2、4および8時間後に収集した。CSF試料(0.05mL)は、適した時間点における直接的な針穿刺により腰仙部(L4/5)から収集した。血液試料(0.25mL)は橈側皮静脈により収集した。これらの試料を、血漿について処理するまで氷上で保持した。血液試料は、収集後1時間以内に、約5℃において3200rpmで5分間遠心分離した。血漿を96ウェルプレート管(0.125mL)に直接移した。栓蓋を管に付け、管を約−70℃で凍結させ、分析まで保管した。血漿を収集し、化合物の存在について分析した。


[00259]化合物の定量。本発明の化合物および内部標準を、沈殿により血漿およびCSFから抽出した。試料は、エレクトロスプレーイオン化を用いるタンデム質量分析検出(MS/MS)を備える液体クロマトグラフィー(LC)を用いて分析した。標準曲線範囲は1〜1000ng/mLであった。このアッセイにおける本実施例に記載する化合物の結果を、以下の表5aおよび5b(1mg/kg)に例示する。


[00260]Kp,uuを、CSF中の非結合薬物と血漿中の非結合薬物の濃度比と定義する。血漿中の非結合薬物(または遊離血漿濃度)は、全血漿濃度に、血漿タンパク結合によって決定される非結合率をかけることにより計算する。その後、CSF濃度を遊離血漿濃度で割って、Kp,uuを決定する(Di et al.,J.Med.Chem., 56,2−12(2013)参照)。


[00261]










実施例6:非ヒト霊長類(NHP)脳脊髄液(CSF)薬物動態特性 [00263]プロトコル。NHPのPKを静脈内投与および経口投与後に決定した。静脈内(IV)投与の実験では、4匹の雄カニクイザルの群を用いた。IV群には、10% PEG−400、25%の水中の20%Solutol HS 15、および65% DPBS中の溶液として配合した化合物を0.3mg/kgで投与した。IV用量は注射により投与し、カテーテルにより橈側皮静脈に送達させた。経口(PO)投与の実験では、4匹の雄カニクイザルの群を用いた。PO群には、水中の1% HPMC E5、0.2% Tween 80、0.5% MC中の懸濁液として配合した化合物を1mg/kgで投与した。PO用量は強制経口飼養により投与し、ゼラチンカプセルにより送達させた。


[00264]血漿およびCSF試料を以下のように収集した:CSFおよび血液の試料は、IV投与の1、4および24時間後ならびにPO投与の2、8および24時間後に収集した。CSF試料(0.05mL)は、適した時間点における直接的な針穿刺により大槽(主要部位)または腰仙部(L4/5)から収集した。血液試料(0.25mL)は末梢静脈から収集した。これらの試料を、血漿について処理するまで氷上で保持した。血液試料は、収集後1時間以内に、約5℃において3200rpmで5分間遠心分離した。血漿を96ウェルプレート管(0.125mL)に直接移した。栓蓋を管に付け、管を約−70℃で凍結させ、分析まで保管した。血漿を収集し、化合物の存在について分析した。


[00265]化合物の定量。本発明の化合物および内部標準を、沈殿により血漿およびCSFから抽出した。試料は、エレクトロスプレーイオン化を用いるタンデム質量分析検出(MS/MS)を備える液体クロマトグラフィー(LC)を用いて分析した。標準曲線範囲は1〜1000ng/mLであった。このアッセイにおける本実施例に記載する化合物の結果を、以下の表6aおよび6b(0.3mg/kg IV投与、1mg/kg PO投与)に例示する。


[00266]Kp,uuを、CSF中の非結合薬物と血漿中の非結合薬物の濃度比と定義する。血漿中の非結合薬物(または遊離血漿濃度)は、全血漿濃度に、血漿タンパク結合によって決定される非結合率をかけることにより計算する。その後、CSF濃度を遊離血漿濃度で割って、Kp,uuを決定する(Di et al.,J.Med.Chem., 56,2−12(2013)参照)。










実施例7:ラット脳脊髄液(CSF)バイオマーカー測定 [00267]この実験は、cGMP応答のほか、ラットCSF中の化合物濃度およびラット血漿中の化合物濃度に対する、さまざまな用量の本発明の化合物の効果を決定するためのものであった。


[00268]プロトコル。各ラットを、1回、または各投与間に3日以上おいて複数回、サンプリングした。 [00269]実験前日。ラットを、水は随意で利用可能な状態で一晩断食させた。


[00270]実験当日。ラットCSF中の化合物およびサイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)を、経口投与後に決定した。大槽に留置カテーテルを置いた雄Sprague−Dawleyラットを用いた。ラットに、0.5%メチルセルロース、0.5% Tween 80中の懸濁液として配合した本発明の化合物を、0mg/kg(n=15)、3mg/kg(n=19)および10mg/kg(n=20)で投与した。PO用量は強制経口飼養により投与し、シリンジおよび強制飼養チューブを用いて胃に送達させた。経口投与量の投与後、全用量を確実に完全に送達させるために、強制飼養チューブを約0.5mLの水でフラッシュした。


[00271]血漿およびCSF試料は、以下のようにイソフルラン麻酔下で収集した:CSFの試料は投与の1時間後および6時間後に収集し、血液試料は投与の1時間後に収集した。CSF試料は槽内カテーテルにより収集した。約20μLのCSFおよび廃棄物(死容積は14〜16μL);その後、約50μLのCSFを、5μLの氷酢酸を含有するエッペンドルフ管に吸引した。液体窒素に浸漬することによりCSFを瞬間凍結した。血液試料(0.25mL)は眼窩後サンプリングにより収集した。これらの試料を、血漿について処理するまで氷上で保持した。血液試料は、収集後1時間以内に、約5℃において3200rpmで5分間遠心分離した。血漿を96ウェルプレート管(0.125mL)に直接移した。栓蓋を管に付け、管を約−70℃で凍結させ、分析まで保管した。血漿を収集し、化合物の存在について分析した。


[00272]化合物およびcGMPの定量。本発明の化合物、cGMPおよび内部標準を、沈殿により血漿およびCSFから抽出した。試料は、エレクトロスプレーイオン化を用いるタンデム質量分析検出(MS/MS)を備える液体クロマトグラフィー(LC)を用いて分析した。標準曲線範囲は1〜1000ng/mLであった。このアッセイにおける本実施例に記載する化合物の結果を、以下の表7(3および10mg/kg用量)に例示する。統計値は、t検定の計画的比較により決定した。


[00273]Kp,uuを、CSF中の非結合薬物と血漿中の非結合薬物の濃度比と定義する。血漿中の非結合薬物(または遊離血漿濃度)は、全血漿濃度に、血漿タンパク結合によって決定される非結合率をかけることにより計算する。その後、CSF濃度を遊離血漿濃度で割って、Kp,uuを決定する(Di et al.,J.Med.Chem., 56,2−12(2013)参照)。






[00274]結論。ラットにおける3mg/kgの化合物I−1の急性経口投与は、投与の1時間後にラットCSF中のcGMPの有意な増加を引き起こした。ラットにおける10mg/kgの化合物I−1の急性経口投与は、投与の1時間後および6時間後にラットCSF中のcGMPの有意な増加を引き起こした。 実施例8:R6/2マウス海馬切片におけるシナプス伝達および可塑性の障害に対する本発明の化合物の評価 [00275]長期増強作用(LTP)によって測定されるシナプス伝達および可塑性の改善は、記憶力の増強に対する化合物の可能性を示すと考えられる。LTPは、一般に学習および記憶を推進する細胞現象と称される電気生理学的現象である。


[00276]プロトコル。 [00277]急性マウス海馬切片の調製。実験は、Jackson Laboratory(米国)によって提供された11〜12週齢のR6/2およびWTマウスで行った。海馬切片(厚さ350μm)は、氷冷酸素化スクロース溶液(mMでサッカロース 250、グルコース 11、NaHCO3 26、KCl 2、NaH2PO4 1.2、MgCl2 7、およびCaCl2 0.5)中でMacllwain組織チョッパーで切断した。切片を、室温において、以下の組成のACFS中で1時間インキュベートした:mMでグルコース 11、NaHCO3 25、NaCl 126、KCl 3.5、NaH2PO4 1.2、MgCl2 1.3、およびCaCl2 2。その後、切片を少なくとも1時間にわたり回復させた。


[00278]切片の潅流および温度制御。実験中、蠕動ポンプを用いて、切片を3mL/分の速度でACSF(95%O2−5%CO2でバブリング)で継続的に潅流した(MEAチャンバー体積:約1mL)。MEAチャンバーの溶液の完全な交換は、溶液スイッチ後20秒で達成した。潅流溶液は、加熱潅流カニューレ(PH01、MultiChannel Systems、Reutlingen、ドイツ)を用いて、MEAに達する直前に継続的に37℃で予熱した。MEAチャンバーの温度は、MEA増幅器のヘッドステージに位置する加熱要素で37±1℃に維持した。


[00279]刺激プロトコル/化合物の施用 [00280]入力/出力(I/O)曲線:100μAきざみで100〜800μA。その後、短期および長期シナプス可塑性測定のために、刺激強度を250μAの固定値に設定した。


[00281]短期可塑性特性:刺激間隔が短くなっていく(例えば、300ミリ秒、200ミリ秒、100ミリ秒、50ミリ秒、25ミリ秒)2つのパルスを施用した。化合物の施用:fEPSPを対照条件で10分間記録し(ベースラインの安定性を確認するため)、続いて化合物に15分間(または、対照切片のみビヒクルの存在下で25分間)暴露した。第2のI/Oプロトコルおよび対パルスプロトコルを、上記のように、化合物の継続的存在下で施用した。


[00282]長期増強作用(LTP):10分間の対照期間(化合物および対照切片の場合はビヒクルの存在下)の後、10×TBSによりLTPを誘発した。その後、シナプス伝達の増強を、さらに60分間モニタリングした(化合物および対照切片の場合はビヒクルの存在下で)。


[00283]結果 [00284]R6/2とWTマウスの比較。I/O特性は、より高い刺激強度(700および800μA)の場合、R6/2マウス海馬切片の方が、WT同腹子と比較して有意に高かった。対パルス特性は、促進がR6/2マウスで有意に大きかった刺激間隔25ミリ秒の場合を除き、R6/2およびWTマウス海馬切片で同じ範囲にあった。長期増強は、年齢を合わせたWTマウスと比較して、R6/2マウスの海馬切片で有意に悪化した(p値<0.0001、双方向ANOVA)。


[00285]7nMの化合物I−1の評価。R6/2海馬切片では、すべての刺激強度に関し、7nMの化合物I−1への暴露後にI/O特性は有意に改変しなかった。R6/2マウス海馬切片では、対パルス特性も、7nMの化合物I−1への暴露前後で同じ範囲内にあり、ISIのいずれに関しても有意な差はみられなかった。7nMの化合物I−1への15分暴露は、fEPSP振幅を改変させなかった。


[00286]WTマウス海馬切片(対照条件)において、HFSは、約45%で安定化した誘発−応答振幅の増強をもたらした(終点で、fEPSPは46±5%増大した)。R6/2マウス海馬切片(対照条件)では、HFSは、約15%で安定化した誘発−応答振幅の増強をもたらした(終点で、fEPSPは16±3%増大した)。7nMの化合物I−1への暴露後、HFSは、約25%で安定化した誘発−応答振幅の増強をもたらした(終点で、fEPSPは26±6%増大した)。7nMの化合物I−1への暴露後に観察された増強は、対照R6/2切片で記録されたものと有意な差はみられなかった(p値<0.0842、双方向ANOVA)。(図1)。


[00287]46nmの化合物I−1の評価。R6/2海馬切片では、すべての刺激強度に関し、46nMの化合物I−1への暴露前後でI/O特性は同様であった。R6/2マウス海馬切片では、すべてのISIに関し、46nMの化合物I−1への暴露後に対パルス特性の有意な増大はみられなかった。46nMの化合物I−1への15分暴露は、対照切片と比較して、fEPSP振幅を改変させなかった。


[00288]WTマウス海馬切片(対照条件)において、HFSは、約45%で安定化した誘発−応答振幅の増強をもたらした(終点で、fEPSPは46±5%増大した)。R6/2マウス海馬切片(対照条件)では、HFSは、約15%で安定化した誘発−応答振幅の増強をもたらした(終点で、fEPSPは16±3%増大した)。46nMの化合物I−1への暴露後、HFSは、約45%で安定化した誘発−応答振幅の増強をもたらした(終点で、fEPSPは44±12%増大した)。46nMの化合物I−1への暴露後に観察された増強は、対照R6/2切片で記録されたものより有意に大きかった(p値=0.0065、双方向ANOVA)。(図2)。


[00289]308nmの化合物I−1の評価。R6/2海馬切片から記録したI/O特性は、すべての刺激強度に関し、308nMの化合物I−1への暴露後に有意に増大しなかった。対パルス特性は、R6/2マウス海馬切片において、50ミリ秒のISIでのみ、308nMの化合物I−1への暴露後に有意に低下した。fEPSPの振幅は、対照R6/2切片と比較して、308nMの化合物I−1への15分暴露中にわずかに増大した。


[00290]WTマウス海馬切片(対照条件)において、HFSは、約45%で安定化した誘発−応答振幅の増強をもたらした(終点で、fEPSPは46±5%増大した)。R6/2マウス海馬切片(対照条件)では、HFSは、約15%で安定化した誘発−応答振幅の増強をもたらした(終点で、fEPSPは16±3%増大した)。308nMの化合物I−1への暴露後、HFSは、約35%で安定化した誘発−応答振幅の増強をもたらした(終点で、fEPSPは37±9%増大した)。308nMの化合物I−1への暴露後に観察された増強は、対照R6/2切片で記録されたものより有意に大きかった(p値=0.0059、双方向ANOVA)。(図3)。


[00291]結論。調査したもっとも高濃度の化合物I−1(308nM)は誘発−応答の振幅をわずかに増大させたが、3つの濃度はどれも、R6/2マウス海馬切片において、全体的I/O特性に有意な効果を示さなかった。評価した化合物濃度(7nM、46nMまたは308nM)はどれも、25ミリ秒〜300ミリ秒のISIで対パルスによって測定して、短期可塑性特性に対し有意な効果を示さなかった(50ミリ秒のISI施用で対パルスの促進が有意に低下した、308nMの化合物I−1を除く)。7nMの化合物I−1は、R6/2マウス海馬切片で記録されたLTP障害を有意に改善することはできなかったが、この化合物は、46nMおよび308nMの濃度ではLTP損失を完全に回復させた。 実施例9:マウス脳における化合物誘発性cGMP [00292]目的。cGMP応答に対する異なる用量の本発明の化合物の効果と、マウス脳のさまざまな領域(皮質、海馬、小脳および線条体)における化合物濃度および化合物の血中濃度を決定すること。


[00293]プロトコル。マウス(実験条件につきn=7〜8)に、ビヒクル(1%ヒドロキシプロピルメチルセルロース、0.2% Tween 80、0.5%メチルセルロース)またはビヒクル中で調製した0.3、1、3もしくは10mg/Kgの化合物I−1を経口投与した。投与の30分後、イソフルラン麻酔下でマウスを断頭し、脳を取り出し、どろどろした解剖溶液(95%O2・5%CO2で飽和)を含有する氷冷したペトリ皿内に置いた。氷冷したスパチュラを用いて、脳を、以下に図示するような(単に概要を示すためのもので、縮尺どおりではない)、1mm間隔でスライスするためのコロナル空間を備えるマウス用ブレインマトリックスに移した。






[00294]スライスした脳を、IBMX 0.5mMを含むどろどろした解剖溶液(95%O2/5%CO2で飽和)を含有するペトリ皿内に戻した。背側線条体を最初に切り出した後、2番目に海馬、つづいて3番目に内側前頭前皮質、最後に、小脳を4番目に切り出した。各領域を切り出した後、切り出した組織を、迅速に、予め30分間ドライアイス上に置いておいたエッペンドルフに入れた。組織の小片は、非常に速く、約10秒以内に凍結した。すべての領域をエッペンドルフに入れた後、液体窒素に浸漬することによりエッペンドルフを急速凍結させた。全血試料を、マイトラチップ(mitra tip)を用いて体幹から収集した。組織試料を−80℃で保存し、マイトラチップは室温で保存した。脳および血液中のcGMPおよび化合物レベルをLC/MSにより決定した;脳試料のタンパク質の定量は、BCAタンパク質アッセイキットを用いて決定した。


[00295]結論:マウスに10mg/Kgの化合物I−1を急性経口投与すると、分析したすべてのマウス脳領域(海馬、小脳、皮質および線条体)でcGMPの有意な増大が生じた。(表9a〜d)


















実施例10.新規物体認識(NOR)試験 [00296]目的。MK−801によって引き起こされる記憶障害の逆転における本発明の化合物の有効性を、雄Long Evansラットでの新規物体認識(NOR)試験を用いて評価する。NORは、認識、学習および記憶回復の試験であり、見慣れた物と新規物体を比較して吟味するという、げっ歯類の自発的な優先傾向を活用するものである(EnnaceurおよびDelacour,1988)。研究は、NOR手順には、嗅周皮質(Ennaceur et al.1996,1997およびAggleton et al.1997)および海馬(Wood et al.1993およびClark et al.2000)を含む、いくつかの脳領域が関与することを示している。NOR試験は、新規化合物の潜在的な認知促進特性を評価するために幅広く採用されてきた。NORのパラダイムに褒美または有害刺激は関与しないので、ヒト臨床試験で行われている類似試験に変換したときにもたらされる交絡変数が少ない。本試験では、記憶保持モデルを用いて新規化合物を試験した−−NMDA受容体の非競合的アンタゴニストであるMK−801(ジゾシルピン)を用いて、認識記憶の欠損を引き起こした。本発明の化合物を、記憶障害の逆転における有効性により評価した。


[00297]材料および方法。 [00298]動物。成体雄Long−Evansラット(インディアナ州IndianapoliのEnvigoから到着時に275〜299グラム)を本試験に用いた。ラットを実験室に置き、独自の識別番号(テイルマーク)を割り当てた。ラットを、上部にフィルターが付いているポリカーボネート製ケージに、1ケージあたり2匹ずつ収容し、試験前に少なくとも7日間にわたり順化させた。動物飼育室は、12/12時間の明/暗周期(東部標準時間の07:00に点灯)、22±1℃、および約50%の相対湿度が維持されていた。食餌および水は随意に提供した。試験前にすべての動物を検査し、馴らし、体重測定して、適切な健康状態であることを保証し、試験に関係する非特異的ストレスを最小限に抑えた。各動物を、処置群に無作為に割り当てた。実験は、動物の明周期段階で行った。


[00299]試験化合物。本試験には以下の化合物を用いた: [00300]MK−80(0.1mg/kg;Sigma−Aldrich)を生理食塩水に溶解し、NOR訓練の15分前に腹腔内注射した。


[00301]ガランタミン(1mg/kg;Tocris)を生理食塩水に溶解し、訓練の15分前に腹腔内注射した。 [00302]化合物I−1(0.01、0.1および1mg/kg)を訓練の60分前に経口投与した。投与容量は4mL/kgであった。


[00303]実験手順。NOR試験は、照明を薄暗くした防音室に置いたオープンフィールドアリーナ(40×40cm)で実施した。各ラットを別個に試験し、試験間およびラット間にアリーナおよび試験物体を70%アルコールで清浄にすることにより、嗅覚/味覚によるきっかけを取り除くように配慮した。すべての訓練および試験を録画し、処置内容を知らない観察者が採点した。


[00304]1日目および2日目に、5分間の馴化期間にラットを放置してアリーナ(物体なし)を自由に探索させた。3日目(訓練および試験日)に、ラットにビヒクル(生理食塩水)、ガランタミンまたは化合物溶液、つづいてMK−801またはビヒクル(生理食塩水)を投与した。前処置時間の後、各動物を、2つの同一物体が存在する試験アリーナに置いた。各ラットを、アリーナ内の同じ位置に同じ方向を向くように置き、3分の訓練期間(T1)中に物体を積極的に探索するのにかけた時間を記録した。訓練後、ラットをホームケージに戻した。NOR試験(T2)は、T1の1時間後に実施した。各ラットを、見慣れた物体が1つと新規物体が1つ存在している試験アリーナに5分間戻して置き、両者を探索するのにかけた時間を、0〜1、0〜3,および0〜5分の時間範囲中に記録した。T2での物体の提示順序および位置(左/右)はラット間で無作為化して、順序または場所からの先入観を妨げた。


[00305]統計解析。NOR試験(T2)のデータを認識指数として表した。これは、試験期間中に両物体の探索にかけた合計時間に対する、新規物体の探索にかけた時間の比(新規/(見慣れた物+新規)×100%)として定義される。データは、一方向ANOVA、つづいてFisherのLSD post hoc試験を用いて、0〜1、0〜3および0〜5分の時間範囲で別個に、有意性をp<0.05に設定して解析した。5分の試験期間中の全体的物体探索時間が10秒未満だった動物は排除した;認識指数が90%を超えるか30%未満であったラットも、2つの物体間に強い(非記憶)先入観が示唆されるため排除した。そして、平均値からの2つの標準偏差を超えるかそれ未満である統計的異常値は、最終解析から除去した。これらの基準を用いると、各実験群(N=15〜16)から1〜3匹のラットが排除され、すべての時間範囲(0〜1、0〜3および0〜5分)で統計解析から除外された。


[00306]結果。本試験では、いずれの用量でも明らかな副作用を示したラットはなかった。ラットは、正常な覚醒状態、活動および物体に対する探索レベルを維持した。ANOVAは、0〜1分の時間範囲中に認識指数に対し有意な主要処置効果を示した[F(8121)=2.451、P<0.05]。Post hoc試験は、認識指数がチャンスレベル(50%)に達し、0.1mg/kgのMK−801が強い記憶障害を引き起こすことを示した。ガランタミン(1mg/kg)および1mg/kgでの化合物I−1は、MK−801が誘発した記憶障害を有意に逆転させた(ビヒクル/MK−801群と比較して、それぞれPs<0.01およびPs<0.05)。0〜3分の時間範囲中(表10)、ANOVAで有意な主要処置効果が見いだされた[F(8121)=3.404、P<0.01]。Post hoc試験は、認識指数がチャンスレベル(50%)に達し、0.1mg/kgのMK−801が強い記憶障害を引き起こすことを示した。ガランタミン(1mg/kg)ならびに0.1および1mg/kgでの化合物I−1は、MK−801が誘発した記憶障害を有意に逆転させた(ビヒクル/MK−801群と比較して、それぞれPs<0.001、Ps<0.01およびP<0.05)。同様に、0〜5分の時間範囲中、ANOVAで有意な主要処置効果を示した[F(8121)=3.179、P<0.01]。Post hoc試験は、認識指数がチャンスレベル(50%)に達し、0.1mg/kgのMK−801が強い記憶障害を引き起こすことを示した。ガランタミン(1mg/kg)および1mg/kgでの化合物I−1は、MK−801が誘発した記憶障害を有意に逆転させた(ビヒクル/MK−801群と比較して、それぞれP<0.001、P<0.01およびPs<0.05)。






[00307]まとめ。参照化合物である1mg/kgのガランタミンは、0.1mg/kgのMK−801によって誘発された認知障害を有意に逆転させ、試験の妥当性を示唆している。0.1mg/kgおよび1mg/kgでの化合物I−1は、MK−801の処置後のNOR記憶保持において明らかに有効性を示しており、該化合物が記憶促進特性を持つことを示唆している。


[00308]実施例11−fMRI−BOLDにより測定したラットにおける脳活性化 [00309]目的。機能的磁気共鳴画像法、すなわち機能性MRI(fMRI)は、血流に関連する変化を検出することにより脳活動を測定する、MRI技術を用いる機能性神経画像化手順である。この技術は、脳血流と神経細胞活性化が結び付いているという事実に依存している。脳のある部分が使われているとき、その領域への血流も増大する。覚醒ラットをfMRIで試験して、本発明の化合物を単回静脈内投与した後の脳活動の変化(“指紋”)を評価した。


[00310]実験設計。体重が275〜350gである24匹の雄Sprague−Dawleyラットを用いた。順化後、動物を拘束器具に置き、磁石中に位置決めした。カテーテルを各動物に取り付けて、動物が磁石内にいるときに遠隔投与ができるようにした。ビヒクルまたは本発明の化合物のいずれかを投与する前に走査を継続的に5分間取得して、脳活動のベースラインを定めた。5分間のベースライン期間の後、ビヒクルまたは本発明の化合物をラットに投与し、走査を継続的に30〜45分間取得した。


[00311]試験設計。






[00312]まとめ。図4に示すように、動物に本発明の化合物(化合物I−1)を投与すると、脳の広い領域が活性化され(図4、右)、動物にsGC刺激剤を投与すると、それは末梢に限定的される(すなわち、化合物は中枢神経系に入らない)(図4、左)。具体的には、本発明の化合物を投与すると、記憶力に関連する脳領域(皮質、遷移領域、視床および腹側海馬)および覚醒に関連する脳領域(網様体賦活系)が活性化された。


[00313]実施例12−ラット一次ニューロンにおけるpCREBリン酸化反応 [00314]目的。ラット一次ニューロンにおいてcAMP応答配列結合タンパク(CREB)を活性化する、化合物I−1の能力を評価する。CREBは細胞転写因子である。それは、cAMP応答配列(CRE)とよばれるDNA配列に結合し、下流遺伝子の転写を調節する(Bourtchuladze R,et al.,Cell 1994;79 (1):59−68参照)。CREBは脳での神経可塑性および長期記憶形成において十分に裏付けされた役割を有し、空間記憶の形成に不可欠であることが示されている(Silva AJ,et al.,Annual Review of Neuroscience 1998;21:127−148参照)。CREBタンパクは、さまざまなキナーゼ、例えば、cAMP−依存性プロテインキナーゼまたはプロテインキナーゼA(PKA)、cGMP依存性プロテインキナーゼまたはプロテインキナーゼG(PKG)、およびCa2+/カルモジュリン−依存性プロテインキナーゼによる、セリン133のリン酸化によって、活性化される(Shaywitz AJおよびGreenberg ME,Annual Review of Biochemistry 1999;68 (1):821-861ならびにWong JC,et al.,J Cell Biochem 2012:113(11):3587−98参照)。CREBの刺激は、認知、神経可塑性、および神経機能が損傷を受けている疾患で、治療的に有効であると思われる。


[00315]材料および方法 [00316]化合物。化合物I−1を10mM溶液としてDMSOに溶解し、−20℃で保存した。望ましい試験濃度を達成するために、保存濃度を連続的にDMSOで希釈した後、アッセイ緩衝液中で適した濃度に希釈した。


[00317]ラット一次ニューロン培養。耐性18日(E18)のSprague−Dawleyラット胎仔からニューロンを単離した。各ラットから約10匹の胎仔を得て、胎仔から全脳を単離した。海馬および皮質は、2本の精密ピンセットを用いて実体顕微鏡下で脳から切り出した。髄膜を慎重に除去した。切り出した後、組織をチョッパーにかけ、15mLコニカルチューブ内で10mLのCa2+およびMg2+を含まないハンクス溶液(HBSS、Corningカタログ番号21−022−CM)を用いて静かに1回洗浄した。洗浄後、0.25%トリプシン(Invitrogenカタログ番号15090−046)および0.1%デオキシリボヌクレアーゼ(DNase I、Sigmaカタログ番号DN−25)の溶液5mLをチューブ内の組織に加えた後、これを37℃で15分間インキュベートした。インキュベーションおよび酵素消化の後、組織を氷冷HBSSで3回洗浄した。洗浄後、0.1%のDNase Iの溶液3mLをチューブに加え、ガラス製パスツールピペットを用いて組織をゆっくり12回取り出し、つづいて500×gで10分間遠心分離した。細胞ペレットを培地(Neurobasal medium、Gibcoカタログ番号21103−049)、2%のB27サプリメント(Gibcoカタログ番号17504−044)、0.5mM L−グルタミン(Corningカタログ番号25−005−Cl)、25μM L−グルタミン酸(Sigmaカタログ番号G1251)および1% ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibcoカタログ番号15070−063)に再懸濁化した。その後、細胞懸濁液を、ポリ−D−リシンでコーティングした96ウェルのプレートに、100000細胞/ウェルでプレーティングした。プレーティングの24時間後、培地の半分を取り出し、上記どおりであるがグルタミン酸を含まない培地で置き換えた。細胞を、5%のCO2を含む37℃の加湿インキュベーターで保持し、6〜10日目の間に使用した。


[00318]アッセイ条件。化合物I−1を、100% DMSO中で最終アッセイ濃度の100倍に希釈した。アッセイの直前に、化合物I−1を、100μM DETA−NONOエート(最終アッセイ濃度の10倍)を含有するHBSS(カルシウムおよびマグネシウム含有)(最終アッセイ濃度の10倍)中に10倍希釈した。培地を取り出し、細胞を90μL HBSS(Corningカタログ番号21−023−CV)で1回洗浄した。その後、37℃において細胞を90μL HBSSで30分間インキュベートした。。試験品/HBSS/DETA−NONOエートプレートから10μLを細胞に加え、これを37℃でさらに30分間インキュベートした。最終DMSO濃度は1%であり、最終DETA−NONOエート濃度は10μMであり;最終化合物I−1濃度は、10000nM、1000nM、100nM、10nM、1nM、0.1nM、0.01nM、および0.0nMであった。培地を取り出し、細胞を溶解し、Cisbioプロトコル(phospho−CREB(Ser133)カタログ番号64CREPEG)に従ってアッセイを実施し、Envision機器(PerkinElmer)を用いてプレートを読んだ。


[00319]データ解析。データは、GraphPad Prismソフトウェアv.7を用い、4パラメーターフィット(log(アゴニスト)対反応−変数勾配)で解析した。EC50を曲線フィットから内挿し、化合物I−1が最大反応の50%を引き起こす濃度として定義する。


[00320]結果。化合物I−1によって刺激されたSer133でのCREBのリン酸化は濃度依存性であり、EC50は3.0nMであった。95%信頼区間は0.5nM〜17.8nMであった。


[00321]実施例13−疼痛モデルおよび試験における本発明の化合物の評価 [00322]目的。急性および持続性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛および内臓痛における本発明の化合物の有効性を評価する。


[00323]材料および方法:急性および持続性疼痛 [00324]足加圧試験(Paw Pressure Test)。静的機械的痛覚過敏を測定した。本試験では、平面と先端が尖っていないポインターの間で後足に次第に圧を加えていくことが必要である。化合物の鎮痛作用を評価するために、動物の後足の一方に注射による炎症または結紮による損傷を与え、もう一方の後足には損傷および炎症を起こさせなかった。装置で後足に間断なく次第に力を加えた。反応域を、後足を引っ込める、および/または声を発するのに要する圧力(g)として決定した。実験者は動物を丁寧に扱い、静的機械的痛覚過敏を両後足について2回評価した。


[00325]テイルフリック試験(Tail Flick Test)。尾部に放射熱を加えた。ラットは不快に感じたら、尾を突然動かす(テイルフリック)ことにより反応した。これにより、刺激と、動物反応時間または侵害反応潜伏時間(刺激の最初から動物応答の検出までの期間)による測定用のタイマーは、自動的に停止した。組織損傷を防ぐため、カットオフを予め10秒に決定した。


[00326]酢酸試験。0.6%酢酸溶液をラットに腹腔内注射(10mL/kg)することにより、腹部収縮を誘発させた。のたうち(痛みによる体の捻りまたは捩り)がみられた数を、注射後5分〜15分に記録した。


[00327]ホルマリン試験。2.5%ホルマリン溶液を、足底下(subplantar)経路により右後足に注射した。疼痛挙動の採点は、ラットにおいて3分おきに36分間、以下の採点に従って実施した: 0=注射した後肢の挙動は体を支えるのに正常である 1=注射した足が床に少しだけ触れると、体を軽く支えるか、支えない 2=注射した足を完全に引っ込める 3=注射した足を舐める、噛むまたは振るわす [00328]材料および方法:炎症性疼痛 [00329]カラゲナン。導入:侵害受容閾値を評価する3時間前に、足加圧試験を用いて、100μLの2%カラゲナン懸濁液を右後足の足底面に注射した。その後、足加圧試験を上記のように実施した。


[00330]カオリン。導入:ラットにおいて、ガス麻酔下(3.5%イソフルラン/3L/分)で10%カオリン懸濁液を右後足の膝関節に関節内注射することにより、片側関節炎を誘発させた。歩行スコア:歩行スコアは、カオリン投与の3時間30分後に以下により評価した: 0:正常歩行 1:軽度の能力障害 2:足を上げるのが一時的に止まる 3:隆起した足(elevated paw) [00331]材料および方法:術後疼痛:Brennanモデル [00332]手術:手術はガス麻酔下(3.5%イソフルラン/3L/分)で行った。すべてのラットで、左後足の足底面を暴露し、外科用ナイフを用い、踵の近似端から0.5cmの位置から開始して足指まで、足の足底面の皮膚および筋膜を通して、縦1cmの切開を作製した。足底筋は隆起し縦に切り込まれたが、挿入は無傷のままであった。軽く加圧して出血させた後、皮膚を2本の縫合糸で縫い合わせた。手術後、動物をケージで回復させた。


[00333]電子的Von Frey試験:手術の24時間後に電子的Von Frey試験を用いて、接触性アロディニアを評価した。試験では、後足の足底面に次第に加圧していくことが必要であった。装置で後足に間断なく力を加えた。反応域を、後足を引っ込めるのに要する圧力(g)として決定した。各反応域測定を、両後足に関し、約2〜3分間核で3回繰り返した。


[00334]急性および持続性疼痛、炎症性疼痛、および術後疼痛モデル、ならびに10mg/kgの化合物I−1で処置した動物の試験の結果は顕著であった。これを以下に示す。


[00335]結果。










試験:処置の120分後。N=4/モデル/試験。結果を、各群に関し、ビヒクル処置動物の平均値から計算した活性の百分率として表し、試験に応じて非実験動物、対照足、またはカットオフと比較する。


[00336]結論。化合物I−1は、急性疼痛のホルマリン試験において効果を示した。化合物I−1は、炎症性疼痛のカラゲナンおよびカオリンモデルにおいて効果を示した。化合物I−1は、術後疼痛試験において効果を示した。


[00337]実施例14.糖尿病性神経障害のラットモデル(STZモデル)における化合物I−1の単回および反復投与の抗痛覚過敏作用 [00338]目的。糖尿病性神経障害のラットモデル(ストレプトゾトシンモデル)における本発明の化合物の単回および反復投与の抗痛覚過敏作用を、ラットにおける足加圧試験を用いて評価する。ガバペンチンを内部コンパラトールとして用いる。アッセイをバリデートするために、モルヒネHClを標準物質として用いる。


[00339]ヒトにおいて、神経障害痛の主要原因の1つは糖尿病性神経障害である。いくつかの糖尿病動物モデルが入手可能であるが、疼痛試験でもっとも一般的に用いられているのはストレプトゾトシンモデルである。この実験モデルでは、糖尿病を誘発し、結果的に痛覚過敏およびアロディニアをもたらすストレプトゾトシンの腹腔内注射により、神経障害がラットで再生されている(Rakieten N et al.,Cancer Chemother,1963(Rep.29):91参照)。7日後(D7)、糖尿病動物は、体重損失、多渇症およびポリ尿素に関連する血糖の著しい上昇を示した。動物は機械的痛覚過敏を発症し、これは、機械的侵害刺激(足加圧試験)を用いて18日後に測定することができた(Randall LOおよびSelitto JJ,Arch Int Pharmacodyn,1957(111):409−419参照)。


[00340]材料 [00341]動物。糖尿病誘発日の体重が210〜300gであった七十(70)匹のSprague−Dawleyラット(SPF状態、Janvier、フランス)を用いた。ラットを温度(20〜24℃)および相対湿度(45%〜65%)が制御された部屋に収容し、12時間(午前6:30〜午後6:30)点灯/12時間消灯の人工的昼/夜周期に順化させた。ラットは水道水に自由に近づくことができ、ペレット状完全飼料を随時与えた(標準A04、S.A.F.E.)。動物は1ケージ(ケージタイプE)に3匹収容し、試験前に少なくとも5日間にわたり順化させた。各ラットはテイルマーキングにより識別した。動物施設はSPF状態であったので、試験の結果を妨害する可能性があるレベルにおいて、食餌、水または寝床に混在物が存在していたと考える理由はなかった。


[00342]試薬。ストレプトゾトシン(STZ、Sigma−Aldrich)は、クエン酸(クエン酸三ナトリウム塩、Sigma−Aldrich)緩衝液 1mM pH4〜4.5(注射用水中で)中の溶液として即座に調製した。0.9%NaClをガバペンチン(Zhejiang Excel pharma Co. Ltd.)のビヒクルとして用いた。モルヒネHCl(Francopia)および化合物I−1。インスリン(Sanofi−Aventis)は0.9% NaCl中10UI/mLで調製した。


[00343]装置。Accu−Chek(著作権)(Roche Diagnostics S.A.、フランス)およびAccu−Chek(登録商標)試験片(Roche Diagnostics S.A.、フランス)を血糖の測定に用いた。Ugo Basile Analgesimeter(Ugo Basile、イタリア)を足加圧試験に用いた。


[00344]データ処理:SigmaStatソフトウェア バージョン3.5(SPSS Science Software、Erkrath、ドイツ) Lab X directソフトウェア バージョン2.4(Mettler Toledo、フランス) [00345]方法。


[00346]疼痛試験。静的機械的痛覚過敏を、足加圧試験またはRandall & Selitto試験(Randall LOおよびSelitto JJ,Arch Int Pharmacodyn,1957(111):409−419参照。その教示を本明細書中で参考として援用する)を用いて評価した。本試験では、平面と先端が尖っていないポインターの間で後足に次第に圧を加えていくことが必要である。本試験は、通常、化合物の鎮痛作用を評価するために、後足の一方に注射による炎症または結紮による損傷を与え、もう一方の後足は正常なままである動物を用いて行われる。装置で間断なく次第に力を加えていき、反応域を、後足を引っ込める、および/または声を発するのに要する圧力(g)として決定する。実験において、実験者は動物を丁寧に扱い、静的機械的痛覚過敏を評価する。各反応域を両方の後足について測定した。


[00347]実験設計。各群10匹の7つの実験群を用いる: 群1:模擬動物(クエン酸緩衝液)/ビヒクル、経口、溶液、18日目〜21日目(D18〜D21)に毎日 群2:STZ(75mg/kg、腹腔内)/ビヒクル、経口、溶液、D18〜D21に毎日 群3:STZ(75mg/kg、腹腔内)/化合物I−1(1mg/kg、経口)、溶液、D18〜D21に毎日 群4:STZ(75mg/kg、腹腔内)/化合物I−1(3mg/kg、経口)、溶液、D18〜D21に毎日 群5:STZ(75mg/kg、腹腔内)/化合物I−1(10mg/kg、経口)、溶液、D18〜D21に毎日 群6:STZ(75mg/kg、腹腔内)/ガバペンチン(100mg/kg、経口)、0.9% NaCl中、溶液、試験日(D18〜D21)に短時間 群7:STZ(75mg/kg、腹腔内)/モルヒネ(4mg/kg、皮下)、0.9% NaCl中、溶液、試験日(D18〜D21)に短時間 ビヒクル、化合物I−1は5mL/kgで経口投与した。ガバペンチンは10mL/kgで経口投与した。モルヒネHClは皮下投与した(5mL/kg)。用量は遊離活性物質について表している。投与および試験は、模擬群およびモルヒネ処置群を除き処置内容を知らない実験者によって順不同で行われた。


[00348]手順。 [00349]導入。D0にストレプトゾトシン(75mg/kg、腹腔内)を単回腹腔内注射することにより、慢性末梢神経障害を誘発させた。血糖測定後、6つの実験群をストレプトゾトシンで処置し、1群をクエン酸緩衝液 1mM(ストレプトゾトシンのビヒクル)で処置した。D7に血糖を測定し、>250mg/dLのレベルを有するラットの皮下に、インスリン(Lantus(登録商標)、2IU/ラット)を、過剰な悪液質を防ぐために、週3回、D7〜8からD14は2日おきに、D18は1日の終わりに、そしてD20に注射した。D7に、血糖が<250mg/dLである動物を再びストレプトゾトシン(75mg/kg、腹腔内)で処置した。血糖をD14に測定し、>250mg/dLのレベルを有するラットを、インスリン(Lantus(登録商標)、2IU/ラット)で、週3回、D14〜D19に2日おきに注射により処置した。


[00350]挙動試験。STZ動物をD18に選択し(ベースライン)、D18およびD21に試験(動物投与および挙動試験)した。時間的経過は以下の通りであった: [00351]0日目(D0)、ストレプトゾトシン(75mg/kg、腹腔内)の注射による糖尿病誘発の前に血糖を測定して、試験対象基準(血糖<150mg/dL)を満たす動物を選択した。


[00352]D7およびD18に、血糖を測定して、血糖が250mg/dLを超える動物を選択した(群番号1の模擬動物を除く)。 [00353]D18に、侵害反応域(声を発する、または足を引っ込める)を全群で測定して、試験対象基準を満たす動物を選択した:20g<足を引っ込める反応域<240g。足を引っ込める反応域が両後足で280g〜520gを包含される模擬動物は選択した。<200gまたは>400gの体重を有する動物は試験から除外した。


[00354]D18に、ビヒクル、化合物I−1、ガバペンチンおよびモルヒネを与える(T0)。ビヒクル、化合物I−1、ガバペンチンおよびモルヒネの抗痛覚過敏作用を、薬物投与の60、120、180および240分後に、足加圧試験を用いて両後足で評価した。モルヒネ処置動物は投与30分後にも試験したが、モルヒネは処置60分後に著しい抗痛覚過敏作用を示したので、これらのデータは用いなかった。


[00355]1〜5群のラットは、D19、D20およびD21に毎日の処置を受けた。 [00356]D21に、毎日の処置の前に全群で血糖および侵害反応域を測定した。ビヒクル、化合物I−1、ガバペンチンおよびモルヒネを与えた(T0)。モルヒネの抗痛覚過敏作用は、足加圧試験を用いて投与30分後、そしてビヒクル、化合物I−1、ガバペンチンおよびモルヒネ投与後120分に評価した。


[00357]データ表示および統計的解析。結果を以下のように表す: [00358]各群についてグラムでの接触圧で示される足を引っ込める反応域は、個々の足を引っ込める反応域から計算した。足を引っ込める反応域の変動の百分率は、ビヒクル処置群の平均値から計算した。


[00359]試験物質(1以上)および標準物質の統計効果を決定するために、結果の正規分布に応じて、パラメトリックまたはノンパラメトリック検定によりデータを解析した。有意水準を以下に示す。


[00360]結果。 [00361]D18に、0分では、STZで処置した全群が、正常ラットの侵害反応域が約350gと比較して、侵害反応域約200gで、痛覚過敏を有していた。物質(すなわち、ビヒクル、1、3または10mg/kgでの化合物I−1、ガバペンチンおよびモルヒネ)の投与後60分に、ガバペンチン(276±6.6、p<0.01)、モルヒネ(420±35 p<0.001)および10mg/kgでの化合物I−1(328±32.6、p<0.001)の侵害反応域は、ビヒクルのみの処置群と比較して、統計的に異なり有効性を示した。同様に、120分では、ガバペンチン(302±17.7、p<0.001)、モルヒネ(317±27.6 p<0.001)および10mg/kgでの化合物I−1(387±30.2、p<0.001)の侵害反応域は、ビヒクルのみの処置群と比較して、統計的に異なり、有効性を示した。180分までに、10mg/kgでの化合物I−1(319±23.1、p<0.001)の侵害反応域のみが、ビヒクルのみの処置群と比較して、有効であり、統計的に異なっていた。投与後240分までに、ビヒクルと比べて統計的に顕著であった群はなかった。D21に、物質投与前のベースラインにおいて、10mg/kgでの化合物I−1(259±25.6、p<0.01)の侵害反応域のみが、ビヒクルのみの処置群と比較して統計的に異なっており、抗痛覚過敏作用がCmにおいて依然として存在していることを示した。D21の投与後120分までに、ガバペンチン(274±19.2、p<0.01)、モルヒネ(283±16.1 p<0.001)および10mg/kgでの化合物I−1(346±20.5、p<0.001)の侵害反応域は、ビヒクルのみの処置群と比較して、統計的に異なっており、有効性を示した。


[00362]結論。化合物I−1は、10mg/kgで試験した場合、糖尿病性神経障害のSTZモデルにおいて抗痛覚過敏性応答を示した。疼痛における効果は、少なくともモルヒネおよびガバペンチンに匹敵する部レルで、最大3時間にわたり短時間観察された。3日間の投与後、化合物I−1は、Cminで試験したときに疼痛における有効性を示し、長期効果を示した。また、投与の4日後に試験した場合、化合物I−1は、神経障害痛のSTZモデルにおいて有効性を維持していた。


[00363]本発明のさまざまな態様を、以下の文章に記載することができる。上記で説明したように、医薬的に許容しうる塩は、“医薬的に許容しうる塩”というフレーズが書かれていなくても、これらの態様に包含されることを理解すべきである。


[1]. 式Iの化合物。 [2]. Wが環Bであり、化合物が式IIBの1つである、上記[1]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[3]. nが、1または2から選択される整数であり、各JBが、独立して、ハロゲン、C1−4アルキル、−ORBまたは−ORB1から選択される、上記[1]もしくは[2]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[4]. nが1である、上記[1]、[2]もしくは[3]、または本発明の他の態様に従った化合物。 [5]. nが2である、上記[1]、[2]もしくは[3]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[6]. 各JBが、独立してハロゲン原子から選択される、上記[1]、[2]、[3]、[4]もしくは[5]、または本発明の他の態様に従った化合物。 [7]. 各JBが、独立してフルオロまたはクロロから選択される、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]もしくは[6]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[8]. 各JBがフルオロである、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]もしくは[7]、または本発明の他の態様に従った化合物。 [9]. 各JBがC1−4アルキルである、上記[1]、[2]、[3]、[4]もしくは[5]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[10]. 各JBがエチルまたはメチルから選択される、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]もしくは[9]、または本発明の他の態様に従った化合物。 [11]. 各JBがメチルである、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[9]もしくは[10]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[12]. 一方のJBがフルオロで、もう一方のJBがクロロである、上記[1]、[2]、[3]、[5]、[6]もしくは[7]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[13]. nが0である、上記[1]もしくは[2]、または本発明の他の態様に従った化合物。 [14]. 環Bがフェニルである、[1]〜[13]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。


[15]. nが1または2である、上記[1]〜[3]、[6]〜[12]、もしくは[14]、または本発明の他の態様に従った化合物。 [16]. JBが、環Bと分子のコアとの間のメチレンリンカーの付着部に対しオルト位にあり、JBがハロゲンである、上記[1]〜[12]、[14]もしくは[15]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[17]. 環Bが6員ヘテロアリール環である、上記[1]〜[13]、[15]もしくは[16]、または本発明の他の態様に従った化合物。 [18]. 環Bがピリジル環である、上記[1]〜[13]もしくは[15]〜[17]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[19]. 環Bがピリミジニル環である、上記[1]〜[13]もしくは[15]〜[17]、または本発明の他の態様に従った化合物。 [20]. Wが存在せず、化合物が式IIAの1つである、上記[1]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[21]. JBが、最大5事例のフッ素によって置換されていてもよいC1−4アルキル鎖である、上記[1]もしくは[20]、または本発明の他の態様に従った化合物。 [22]. JBが、最大5事例のフッ素によって置換されていてもよいC1−2アルキル鎖である、上記[1]、[20]もしくは[21]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[23]. JBが、3事例のフッ素によって置換されていてもよいエチル鎖である、上記[1]、[20]、[21]もしくは[22]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[24]. JBが、5事例のフッ素によって置換されていてもよいエチル鎖である、上記[1]、[20]、[21]もしくは[22]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[25]. G、ZおよびQがそれぞれNである、上記[1]〜[24]、または本発明の他の態様に従った化合物。 [26]. 化合物が、式IIIの1つ、またはその任意の互変異性体である、上記[1]〜[19]もしくは[25]、または本発明の他の態様に従った化合物。


[27]. R11が、H、NRa2Rb2、−C(O)NRa2Rb2、−C(O)R15a、−SO2Rb2、−SRb2、ハロ、−OCF3、−CN、ヒドロキシル、独立して0〜2個の存在のRb2で置換されていてもよいC2−6アルケニル、独立して0〜2個の存在のRb2で置換されていてもよいC2−6アルキニル、独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいフェニル、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい5または6員ヘテロアリール、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、または独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよい3〜8員ヘテロシクリルである、上記[1]〜[26]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。


[28]. R11が、Hであるか、独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキルである、上記[1]〜[27]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。


[29]. R11が、独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいC1−6アルキルである、上記[1]〜[28]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。


[30]. R11が、独立して0〜3個の存在のR15で置換されていてもよいメチルである、上記[1]〜[29]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物 。


[31]. 各事例においてR15がハロである、上記[1]〜[30]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。 [32]. 各事例においてR15がフルオロである、上記[1]〜[31]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。


[33]. R11が非置換メチルである、上記[1]〜[30]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。 [34]. R11が、2個の存在のR15で置換されているメチルである、上記[1]〜[32]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。


[35]. R11が−CF2Hである、上記[1]〜[32]もしくは[34]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。 [36]. R11が、独立して3個の存在のR15で置換されているメチルである、上記[1]〜[32]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。


[37]. R11が−CF3である、上記[1]〜[32]もしくは[36]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。 [38]. R11が、独立して0〜5個の存在のR15で置換されていてもよいエチルである、上記[1]〜[29]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。


[39]. qが0である、上記[1]〜[38]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。 [40]. 環EおよびAによって形成されるコアが以下から選択される、上記[1]〜[39]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物:










[式中、記号*が付いているC原子は、G、ZおよびQを含有する環への付着点を表し;記号**が付いているC原子は、2事例のJの付着点を表す]。 [41]. 環EおよびAによって形成されるコアが以下から選択される、上記[1]〜[40]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。






[42]. 各事例のJCが水素である、上記[1]〜[41]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。 [43]. 化合物が、表1に挙げた化合物から選択される、上記[1]〜[42]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物。


[44]. 少なくとも1つの医薬的に許容しうる賦形剤またはキャリヤーと、上記[1]〜[42]のいずれか1つ、または本発明の他の態様に従った化合物とを含む、医薬組成物。


[45]. 中枢神経系の疾患、健康状態または障害疾患から選択される疾患、健康状態または障害の処置方法であって、該方法が、治療的有効量の上記[1]〜[43]のいずれかの化合物、または上記[44]の医薬組成物、または本発明の他の態様に従った化合物を、処置を必要としている被験対象に投与することを含む方法、これに関し、該疾患、健康状態または障害は、以下から選択される: ・アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはルー・ゲーリック病)、ダウン症候群、認知症、血管性認知症、混合型認知症、血管性認知障害、ビンスワンガー型認知症(皮質下動脈硬化性脳症)、皮質下梗塞および白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASILまたはCADASIL症候群)、前頭側頭葉変性症または認知症、HIV関連認知症(例えば、無症候性神経認知障害(ANI)、軽度神経認知障害(MND)、およびHIV関連認知症(HAD)(AIDS認知症症候群[ADC]またはHIV脳症ともよばれる)、レビー小体型認知症、初老期認知症(軽度認知障害、MCI)、緑内障、ハンチントン病(または舞踏病、HD)、またはHDに関連する認知欠損;多発性硬化症(MS)、多系統萎縮症(MSA)、パーキンソン病、パーキンソニズム・プラス、脊髄小脳運動失調症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー疾患(進行性核上性麻痺)、注意欠陥障害(ADD)および注意欠陥多動性障害(ADHD); ・神経障害痛; ・双極性障害、統合失調症、一般的精神病、薬物誘発性精神病、妄想性障害、分裂情動性障害、強迫性障害(OCD)、抑うつ障害、不安障害、パニック障害、または外傷後ストレス障害(PTSD)から選択される精神医学的、精神的、気分的または情動的障害; ・脳への外傷性(非開放性または開放性、貫通性頭部損傷、例えば、振盪症およびCTE)または非外傷性(脳卒中(とりわけ虚血性脳卒中)、動脈瘤、低酸素症)損傷、あるいは脳損傷または神経変性疾患に起因する認知機能障害または機能不全; ・筋緊張異常、例えば、全身性、局所性、分節性、性的、中間型、急性筋緊張異常反応、および遺伝性/原発性筋緊張異常;ならびに運動障害、例えば、急性、慢性/晩発性、および非運動性およびレボドーパ誘発性運動障害(LID); ・シナプス可塑性およびシナプスプロセスの相対的低下によって特徴付けられる障害、例えば、脆弱X、レット障害、ウィリアムズ症候群、レンペニング症候群、自閉症スペクトラム障害、例えば、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害および小児期崩壊性障害; ・ケモブレイン、レボドーパ誘発性常習性挙動、アルコール依存症、麻薬依存症(アンフェタミン、アヘンまたは他の物質を含む)および物質乱用。


[46]. 疾患、健康状態または障害が、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはルー・ゲーリック病)、ダウン症候群、認知症、血管性認知症、混合型認知症、血管性認知障害、ビンスワンガー型認知症(皮質下動脈硬化性脳症)、皮質下梗塞および白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASILまたはCADASIL症候群)、前頭側頭葉変性症または認知症、HIV関連認知症(例えば、無症候性神経認知障害(ANI)、軽度神経認知障害(MND)、およびHIV関連認知症(HAD)(AIDS認知症症候群[ADC]またはHIV脳症ともよばれる)、レビー小体型認知症、初老期認知症(軽度認知障害、MCI)、緑内障、ハンチントン病(または舞踏病、HD)、またはHDに関連する認知欠損;多発性硬化症(MS)、多系統萎縮症(MSA)、パーキンソン病、パーキンソニズム・プラス、脊髄小脳運動失調症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー疾患(進行性核上性麻痺)、注意欠陥障害(ADD)または注意欠陥多動性障害(ADHD)から選択される、上記[45]または本発明の他の態様に従った方法。


[47]. 疾患、健康状態または障害が神経障害痛である、上記[45]または本発明の他の態様に従った方法。 [48]. 疾患、健康状態または障害が、双極性障害、統合失調症、一般的精神病、薬物誘発性精神病、妄想性障害、分裂情動性障害、強迫性障害(OCD)、抑うつ障害、不安障害、パニック障害、または外傷後ストレス障害(PTSD)から選択される精神医学的、精神的、気分的または情動的障害である、上記[45]または本発明の他の態様に従った方法。


[49]. 疾患、健康状態または障害が、脳への外傷性または非外傷性損傷、あるいは脳損傷または神経変性疾患に起因する認知機能障害または機能不全から選択される、上記[45]または本発明の他の態様に従った方法。


[50]. 疾患、健康状態または障害が、アルツハイマー病または前アルツハイマー病、軽度〜中等度のアルツハイマー病または中等度〜重度のアルツハイマー病から選択される、上記[45]または本発明の他の態様に従った方法。


[51]. 疾患、健康状態または障害が、筋緊張異常または運動障害から選択される、上記[45]または本発明の他の態様に従った方法。 [52]. 疾患、健康状態または障害が、シナプス可塑性およびシナプスプロセスの相対的低下によって特徴付けられる障害、例えば、脆弱X、レット障害、ウィリアムズ症候群、レンペニング症候群、自閉症スペクトラム障害、例えば、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害および小児期崩壊性障害から選択される、上記[45]または本発明の他の態様に従った方法。


[53]. 疾患、健康状態または障害が、ケモブレイン、レボドーパ誘発性常習性挙動、アルコール依存症、麻薬依存症(アンフェタミン、アヘンまたは他の物質を含む)および物質乱用から選択される、上記[45]または本発明の他の態様に従った方法。


[54]. 疾患、健康状態または障害の処置方法、該方法は、処置を必要としている被験対象に、治療的有効量の上記[1]〜[43]のいずれかの化合物、または上記[44]もしくは本発明の他の態様に従ったの医薬的に許容しうる組成物を投与することを含み、これに関し、該疾患、健康状態または障害は、以下から選択される: ・高血圧および冠動脈血流量減少に関連する障害、急性および慢性冠動脈血圧上昇、動脈高血圧、心臓および腎臓の合併症に起因する血管障害、心疾患、脳卒中、脳虚血、腎不全、抵抗性高血圧、糖尿病性高血圧、うっ血性心不全、拡張期または収縮期機能障害、冠動脈機能不全、不整脈、心室前負荷の減少、心肥大、心不全/心腎症候群、門脈圧亢進、内皮機能不全または損傷; ・血栓塞栓性障害、虚血、心筋梗塞、脳卒中、一過性虚血発作(TIA)、閉塞性血栓性血管炎、安定または不安定狭心症、冠動脈痙攣、異型狭心症、プリンツメタル狭心症、血栓溶解療法後の再狭窄の予防、血栓形成障害; ・以下から選択される中枢神経系疾患、健康状態または障害:アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症候群、認知症、血管性認知症、混合型認知症、血管性認知障害、ビンスワンガー型認知症、皮質下梗塞および白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症、前頭側頭葉変性症または認知症、HIV関連認知症(例えば、無症候性神経認知障害(ANI)、軽度神経認知障害(MND)、およびHIV関連認知症(HAD)(AIDS認知症症候群[ADC]またはHIV脳症ともよばれる)、レビー小体型認知症、初老期認知症、緑内障、ハンチントン病、またはHDに関連する認知欠損;多発性硬化症、多系統萎縮症、パーキンソン病、パーキンソニズム・プラス、脊髄小脳運動失調症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー疾患、注意欠陥障害および注意欠陥多動性障害、アルツハイマー病または前アルツハイマー病、軽度〜中等度のアルツハイマー病または中等度〜重度のアルツハイマー病、外傷性(非開放性または開放性、貫通性頭部損傷)脳損傷(TBI)、脳への非外傷性(脳卒中、動脈瘤、低酸素症)損傷、脳損傷または神経変性疾患に起因する認知機能障害または機能不全、筋緊張異常、運動障害、シナプス可塑性およびシナプスプロセスの相対的低下によって特徴付けられる障害、脆弱X、レット障害、ウィリアムズ症候群、レンペニング症候群、自閉症スペクトラム障害、例えば、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、小児期崩壊性障害、神経障害痛、双極性障害、統合失調症、一般的精神病、薬物誘発性精神病、妄想性障害、分裂情動性障害、強迫性障害、抑うつ障害、不安障害、パニック障害、外傷後ストレス障害、ケモブレイン、レボドーパ誘発性常習性挙動、アルコール依存症、麻薬依存症または物質乱用; ・末梢動脈疾患、末梢閉塞性動脈疾患、末梢血管疾患、筋緊張亢進、レイノー症候群または現象、重篤な下肢虚血、血管炎、末梢塞栓症、間欠性跛行、血管閉塞性発症、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、微小循環異常、血管漏出または透過性の制御; ・ショック、敗血症、心原性ショック、白血球活性化の制御、血小板凝集の阻害または調節; ・肺高血圧、肺動脈高血圧、関連する肺血管リモデリング、限局性血栓症、右心肥大、肺筋緊張亢進、原発性肺高血圧、続発性肺高血圧、家族性肺高血圧、散発性肺高血圧、前毛細血管性肺高血圧、特発性肺高血圧、血栓性肺動脈症、多因性肺動脈症、嚢胞性線維症、気管支収縮または肺気管支収縮、急性呼吸窮迫症候群、肺線維症、肺移植; ・以下に付随または関連する肺高血圧:左心室機能不全、低酸素血症、WHOグループI、II、III、IVおよびVの高血圧、僧帽弁疾患、収縮性心膜炎、大動脈弁狭窄、心筋症、縦隔線維症、肺線維症、肺静脈還流異常、肺静脈閉塞性疾患、肺血管炎、膠原血管病、先天性心疾患、肺静脈高血圧、間質性肺疾患、睡眠呼吸障害、睡眠時無呼吸、肺胞低換気障害、高高度への慢性的暴露、新生児肺疾患、肺胞−毛細血管異形成、鎌状赤血球症、他の凝固障害、慢性血栓塞栓症、肺塞栓症(腫瘍、寄生生物または異物に起因する)、結合組織病、狼瘡、住血吸虫症、サルコイドーシス、慢性閉塞性肺疾患、喘息、気腫、慢性気管支炎、肺毛細血管血管腫症、組織球症X、リンパ管腫症、および圧縮肺血管(腺症、腫瘍または線維化性縦隔炎に起因するものなど); ・アテローム性動脈硬化症(例えば、内皮損傷、血小板および単球の付着および凝集、平滑筋増殖および遊走に関連するもの)、再狭窄(例えば、血栓溶解療法、経皮経腔的血管形成術(PTA)、経皮経腔的冠動脈血管形成術(PTCA)およびバイパス手術後に発現するもの)、炎症; ・メタボリックシンドロームに関連する心臓血管疾患(例えば、肥満、脂質異常症、糖尿病、高血圧)、脂質異常症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、脂肪肝疾患、肝炎、子癇前症、多嚢胞腎疾患進行、皮下脂肪、肥満; ・慢性肝疾患、肝線維症、肝星細胞活性化、肝線維コラーゲンおよび全コラーゲン蓄積に関連する肝硬変;壊死炎症性および/または免疫由来の肝疾患;慢性腎疾患または腎機能不全(例えば、蓄積/沈着および組織損傷、進行性硬化症、糸球体腎炎に起因するもの)に起因する腎線維症および腎不全;前立腺肥大全身性硬化症;心臓間質性線維症;心臓のリモデリングおよび線維症;心肥大;非アルコール性脂肪肝炎またはNASH; ・虚血、再潅流傷害;臓器移植、肺の移植、肺移植、心臓移植に関連する虚血/再潅流;外傷患者における代用血液維持; ・勃起障害;インポテンス;早漏;女性性的機能不全、膣萎縮、性交疼痛、萎縮性膣炎;良性前立腺過形成(BPH)または肥大または拡大;膀胱出口閉塞;膀胱痛症候群(BPS)、間質性膀胱炎(IC)、過活動膀胱、神経因性膀胱および失禁;糖尿病性腎症; ・緑内障、網膜症、糖尿病性網膜症(増殖性および非増殖性を含む)、眼瞼炎、ドライアイ症候群、シェーグレン症候群; ・難聴、部分的または全体的聴力損失;部分的または全体的聴覚消失;耳鳴り;雑音性聴力損失; ・真皮線維症、強皮症、皮膚線維症; ・微小血管潅流改善(例えば、損傷後、周術期ケアにおける炎症性応答に対抗するため)、裂肛、糖尿病性潰瘍;ならびに、 がん転移、骨粗鬆症、胃不全麻痺;機能性消化不良;糖尿病性合併症、内皮機能不全に関連する疾患、酸化窒素産生減少に関連する神経障害、アカラシアまたは食道アカラシア。


[55]. 疾患、健康状態または障害の処置または予防を必要としている被験対象におけるその処置または予防方法であって、治療的有効量の上記[1]〜[43]のいずれかの化合物、または上記[44]もしくは本発明の他の態様に従った医薬的に許容しうる組成物を、単独または併用療法で投与することを含む方法、これに関し、該疾患または障害は、sGCの刺激またはNOもしくはcGMPもしくはその両方の濃度上昇から、あるいはNO経路のアップレギュレーションから、利益を得るものである。


[56]. さらに、治療薬に適した第2の量の添加剤を含む、上記[44]〜[45]のいずれか、または本発明の他の態様に従った方法。 [00364]例示するために典型的な態様について述べてきたが、上記記載および実施例は、本発明の範囲を制限するものとみなすべきではない。したがって、当業者なら、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな修正、適応および改変を思いつく可能性がある。




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