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糖アルコールの製造方法

阅读:840发布:2024-01-10

专利汇可以提供糖アルコールの製造方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且セルロース含有バイオマスの加 水 分解により得られた糖水溶液を分画分子量300〜800の分離膜に通じて濾過して、触媒毒を非透過側に除去し、透過側から糖液を回収する工程(1)、および工程(1)で得られた糖液を金属触媒の存在下、水素添加反応する工程(2)によって、セルロース含有バイオマスから糖アルコールを効率よく製造することができる。 【選択図】なし,下面是糖アルコールの製造方法专利的具体信息内容。

セルロース含有バイオマスを原料として糖アルコールを製造する方法であって、 工程(1):セルロース含有バイオマスの加分解により得られた糖水溶液を分画分子量300〜800の分離膜に通じて濾過して、触媒毒を非透過側に除去し、透過側から糖液を回収する工程、および 工程(2):工程(1)で得られた糖液を金属触媒の存在下、水素添加反応する工程、 を含む、糖アルコールの製造方法。前記工程(1)の分離膜が分画分子量300〜500の分離膜である、請求項1に記載の糖アルコールの製造方法。前記工程(1)の分離膜が分画分子量600〜800の分離膜である、請求項1に記載の糖アルコールの製造方法。前記工程(2)において、金属触媒がルテニウム触媒またはラネーニッケル触媒である、請求項1〜3のいずれかに記載の糖アルコールの製造方法。糖アルコールがソルビトールおよび/またはキシリトールを主成分とする、請求項1〜4のいずれかに記載の糖アルコールの製造方法。請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法によって糖アルコールを製造する工程、および糖アルコールを脱水反応に供する工程を含む、無水糖アルコールの製造方法。無水糖アルコールがソルビタンおよび/またはキシリタンを主成分とする、請求項6に記載の無水糖アルコールの製造方法。請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法によって糖アルコールを製造する工程、請求項6に記載の製造方法によって無水糖アルコールを製造する工程、および無水糖アルコールと飽和または不飽和脂肪酸との縮合反応に供する工程を含む、無水糖アルコールエステルの製造方法。無水糖アルコールエステルがソルビタンエステルおよび/またはキシリタンエステルを主成分とする、請求項8に記載の無水糖アルコールエステルの製造方法。

说明书全文

本発明は、セルロース含有バイオマスから糖アルコールを製造する方法に関する。

糖を原料とした化学品の合成プロセスは、種々の工業原料生産に利用されており、特に糖の素添加反応による糖アルコールの合成プロセスはその代表例である。この合成原料となる糖としては、現在、さとうきび、澱粉、テンサイなどの食用原料に由来するものが工業的に使用されているが、今後の世界人口の増加による食用原料価格の高騰、あるいは食用と競合するという倫理的な側面から、再生可能な非食用資源、すなわちセルロース含有バイオマスより効率的に糖液を製造するプロセス、あるいは得られた糖液を合成原料として、効率的に工業原料に変換するプロセスの構築が今後の課題となっている。

セルロース含有バイオマスから糖を得る従来技術としては、濃硫酸を用いて、バイオマス中のセルロースやヘミセルロースをグルコース、キシロースに代表される単糖まで加水分解する方法(特許文献1)や、セルロース含有バイオマスの加水分解反応性を向上させる前処理を施した後に、酵素反応により加水分解する方法が一般的に知られている(特許文献2)。さらに加水分解後の糖水溶液を限外濾過膜やナノ濾過膜、逆浸透膜などを用いて精製し、糖液を得る方法についても報告されている(特許文献3〜5)。

セルロース含有バイオマス由来の糖から水素添加反応により糖アルコールを製造する方法に関する技術としては、キシラン含有バイオマスを特定の高圧熱水で処理して得られるキシロース重合体含有水溶液に含まれる低分子夾雑物をナノ濾過膜の透過側から除去した後に、非透過側から回収されるキシロース重合体を金属触媒下高温高圧で水素添加することで糖アルコールであるキシロース重合体還元物を製造する方法が知られている(特許文献6)。

なお、金属触媒を用いた水素添加反応では、触媒を被毒する物質(触媒毒)が存在すると反応が進行しないため、触媒毒を極除くことが求められる。金属触媒の触媒毒の具体例としては、窒素系化合物、硫黄系化合物、燐系化合物等の低分子の有機物や、Ag,Hg,Pb,Bi,Sn,Cd,As等の金属が知られており(非特許文献1)、これら触媒毒の除去は、活性炭処理やイオン交換樹脂処理をすることで、吸着除去する方法が一般的である(特許文献7)。

特表平11−506934号公報

特開2001−95594号公報

WΟ2013/018694

WΟ2009/110374

WΟ2010/067785

特開2008−56599号公報

特開2001−79411号公報

Catalyst 2015、5、145−269

本発明者は、セルロース含有バイオマスを加水分解して得られる糖水溶液を原料として糖アルコールを製造する場合、糖水溶液に触媒毒が含まれていることによって糖アルコールの水素添加反応が阻害されることを新規に見出した。そこで本発明では、セルロース含有バイオマス由来の触媒毒を簡便に除去することで、セルロース含有バイオマスから糖アルコールを効率よく製造する方法を提供することを課題とする。

本発明者は鋭意検討の結果、セルロース含有バイオマスを加水分解して得られる糖水溶液に含まれる触媒毒が、一般的に知られている低分子の有機物や金属ではなく、比較的高分子の物質であって、該触媒毒を分離膜によって簡便に除去できることを見出し、本発明を完成した。

すなわち、本発明は以下の[1]から[9]で構成される。 [1]セルロース含有バイオマスを原料として糖アルコールを製造する方法であって、 工程(1):セルロース含有バイオマスの加水分解により得られた糖水溶液を分画分子量300〜800の分離膜に通じて濾過して、触媒毒を非透過側に除去し、透過側から糖液を回収する工程、および 工程(2):工程(1)で得られた糖液を金属触媒の存在下、水素添加反応する工程、 を含む、糖アルコールの製造方法。 [2]前記工程(1)の分離膜が分画分子量300〜500の分離膜である、[1]に記載の糖アルコールの製造方法。 [3]前記工程(1)の分離膜が分画分子量600〜800の分離膜である、[1]に記載の糖アルコールの製造方法。 [4]前記工程(2)において、金属触媒がルテニウム触媒またはラネーニッケル触媒である、[1]〜[3]のいずれかに記載の糖アルコールの製造方法。 [5]糖アルコールがソルビトールおよび/またはキシリトールを主成分とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の糖アルコールの製造方法。 [6][1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法によって糖アルコールを製造する工程、および糖アルコールを脱水反応に供する工程を含む、無水糖アルコールの製造方法。 [7]無水糖アルコールがソルビタンおよび/またはキシリタンを主成分とする、[6]に記載の無水糖アルコールの製造方法。 [8][1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法によって糖アルコールを製造する工程、[6]に記載の製造方法によって無水糖アルコールを製造する工程、および無水糖アルコールと飽和または不飽和脂肪酸との縮合反応に供する工程を含む、無水糖アルコールエステルの製造方法。 [9]無水糖アルコールエステルがソルビタンエステルおよび/またはキシリタンエステルを主成分とする、[8]に記載の無水糖アルコールエステルの製造方法。

本発明によれば、セルロース含有バイオマスから高収率で糖アルコールを製造することができる。

セルロース含有バイオマスとは、セルロースを5重量%以上含む生物由来の資源を言う。具体的には、バガス、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、コーンストーバー、稲わら、麦わらなどの草本系バイオマス、樹木、廃建材などの木質系バイオマスなどを例として挙げることができる。これらのセルロース含有バイオマスは、芳香族高分子であるリグニン及びセルロース・ヘミセルロースを含有していることから、リグノセルロースとも呼ばれる。セルロース含有バイオマスに含まれる多糖成分であるセルロースやヘミセルロースを加水分解することにより、化学品を製造するための合成原料として利用可能な単糖を含む糖液、具体的にはキシロースおよびグルコースを主成分とする糖液を得ることができる。

セルロース含有バイオマスの加水分解処理は、具体的には、化学的処理方法として、高温高圧の希硫酸、亜硫酸塩等で処理する酸処理、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ性水溶液で処理するアルカリ処理、液体アンモニア又はアンモニアガス又はアンモニア水溶液で処理するアンモニア処理、加圧熱水で処理する水熱処理が挙げられる。また、これらの加水分解処理に加えて糖化酵素による加水分解処理をしてもよい。

酸処理は、一般に、リグニンを溶解させ、まず易溶のヘミセルロース成分から加水分解が起き、次いで難溶のセルロース成分が分解されるという特徴を有するので、ヘミセルロース由来のキシロースを多く含有する液を得ることが可能である。また、処理回数は特に限定されないが、2段階以上の酸処理工程を設定することで、ヘミセルロース、セルロースに適した加水分解条件を選択的に設定することができ、分解効率及び糖収率を向上させることが可能になる。酸処理において用いる酸は、加水分解を起こすものであれば特に限定はされないが、経済性の観点から硫酸が望ましい。酸の濃度は、好ましくは0.1〜100重量%であり、より好ましくは0.5〜15重量%である。反応温度は100〜300℃の範囲で、反応時間は1秒〜60分の範囲で設定することができる。酸処理後の液成分には加水分解で得られたヘミセルロース由来の成分を主成分とする単糖およびそのオリゴ糖が多量に含まれている。特に50%以上、より好ましくは80%以上の濃硫酸で作用させれば、ヘミセルロース・セルロースがともに加水分解され一段で加水分解処理することも可能である。また、酸処理後に糖化酵素によりさらに加水分解する場合、酸処理後に得られる固形分と液成分とを分けてそれぞれ行っても良いし、固形分と液成分とが混合したまま行っても良い。なお、酸処理によって得られる固形分および液成分には用いた酸が含まれているので、糖化酵素による加水分解反応を行うためにはあらかじめ酸処理物を中和することが好ましい。

アルカリ処理は、アルカリ水溶液、具体的には水酸化物塩(但し、水酸化アンモニウムを除く)の水溶液でセルロース含有バイオマスを反応させる処理方法である。アルカリ処理により、主にセルロース・ヘミセルロースの糖化酵素による反応を阻害するリグニンを除去することができる。使用する水酸化物塩としては、水酸化ナトリウム又は水酸化カルシウムが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は、0.1〜60重量%の範囲が好ましく、これをセルロース含有バイオマスに添加し、通常100〜200℃、好ましくは110〜180℃の温度範囲で処理する。処理回数は特に限定されず、1回又は複数回行ってもよい。2回以上行う場合は、各回の処理を異なる条件で実施してもよい。なお、アルカリ処理によって得られた前処理物はアルカリを含むため、さらに糖化酵素による加水分解を行う場合はあらかじめ中和することが好ましい。

アンモニア処理は、アンモニア水溶液又は100%アンモニア(液体又は気体)をセルロース由来バイオマスと反応させる処理方法であり、例えば、特開2008−161125号公報又は特開2008−535664号公報に記載の方法を用いることができる。アンモニア処理では、アンモニアがセルロース成分と反応することにより、セルロースの結晶性が崩れることにより、糖化酵素との反応効率が大幅に向上すると言われている。通常、セルロース含有バイオマスに対して0.1〜15重量%の範囲の濃度となるようにセルロース含有バイオマスにアンモニアを添加し、4〜200℃、好ましくは60〜150℃で処理する。処理回数は特に限定されず、1回又は複数回行ってもよい。なお、アンモニア処理によって得られた前処理物をさらに糖化酵素による加水分解反応を行う場合は、あらかじめアンモニアの中和又はアンモニアの除去を行うことが好ましい。

水熱処理は、セルロース含有バイオマスを100〜400℃の加圧熱水で、1秒〜60分処理する方法である。通常、処理後の25℃の常温で水に不溶であるセルロース含有バイオマスが、セルロース含有バイオマスと水の合計総重量に対して0.1〜50重量%の濃度になるように行われる。圧力は処理温度に依存されるため特に限定されないが、好ましくは0.01〜10MPaである。なお、水熱処理では加圧熱水の温度により熱水への溶出成分が異なる。一般に、加圧熱水の温度を上昇させていくと、セルロース含有バイオマスからは最初にタンニン、リグニンの第1グループが流出し、次に140〜150℃以上でヘミセルロースの第2グループが流出し、更に約230℃を越えるとセルロースの第3グループが流出する。また、流出と同時にヘミセルロース、セルロースの加水分解反応が起こることもある。加圧熱水の温度による流出成分の違いを利用して、セルロース、ヘミセルロースに対する糖化酵素の反応効率を向上させるために処理温度を変えて多段階の処理をしてもよい。ここで、水熱処理によって得られる画分のうち、加圧熱水へ溶出した成分を含む水溶物を熱水可溶分、熱水可溶分を除いたものを熱水不溶分という。

熱水不溶分は、多くのリグニンとヘミセルロース成分が溶出された結果得られる、主に二糖以上のセルロース(C6)成分を含んだ固形分である。主成分のセルロースにほか、ヘミセルロース成分、リグニン成分が含まれることもある。これらの含有比率は、水熱処理の加圧熱水の温度や処理バイオマスの種類によって変化する。熱水不溶分の含水率は10%から90%、より好ましくは20%から80%である。

熱水可溶分は液体状態又はスラリー状態である加圧熱水に溶出したヘミセルロース、リグニン、タンニン、一部のセルロース成分を含む水溶物であり、液体状態又はスラリー状態である。熱水可溶分には加水分解した多糖、オリゴ糖、単糖を多く含んでいる。

前記加水分解処理方法の前に、カッターミルや、ハンマーミルなどを用いて機械的に繊維を切断する粉砕処理、ボールミル、ジェットミルなどを利用した微粉砕処理、グラインダーを利用した湿式処理、メカノケミカル処理、水蒸気によって短時間蒸煮し、瞬時に圧力を開放して体積膨張により粉砕する蒸煮爆砕処理などの前処理を実施してもよい。粉砕されることによってセルロース・ヘミセルロースの露出面積が増えて糖化酵素による加水分解反応の効率が高まるからである。

糖化酵素は、糸状菌由来の粗精製セルラーゼに含まれる酵素成分であるセロビオハイドラーゼ、およびキシラナーゼが好適である。

セロビオハイドラーゼとは、セルロース鎖の加水分解によりセロビオースを放出する酵素の総称であり、EC番号:EC3.2.1.91としてセロビオハイドラーゼに帰属される酵素群が記載されている。

キシラナーゼとは、キシランを構成する主要成分であるキシランに作用することを特徴とする酵素の総称であり、EC番号:EC3.2.1.8としてキシラナーゼに帰属される酵素群が記載されている。

糸状菌としては、トリコデルマ属(Trichoderma)、アスペルギルス属(Aspergillus)、セルロモナス属(Cellulomonas)、クロストリジウム属(Chlostridium)、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、フミコラ属(Humicola)、アクレモニウム属(Acremonium)、イルペックス属(Irpex)、ムコール属(Mucor)、タラロマイセス属(Talaromyces)などの微生物を例示することができる。こうした糸状菌の中でもトリコデルマ属は、セルロースの加水分解において比活性の高い酵素成分を培養液中に大量に生産するため、使用することが好ましい。

トリコデルマ属微生物は特に限定されないが、トリコデルマ・リーセイQM9414(Trichoderma reesei QM9414)、トリコデルマ・リーセイQM9123(Trichoderma reesei QM9123)、トリコデルマ・リーセイRutC−30(Trichoderma reesei RutC−30)、トリコデルマ・リーセイPC3−7(Trichoderma reesei PC3−7)、トリコデルマ・リーセイCL−847(Trichoderma reesei CL−847)、トリコデルマ・リーセイMCG77(Trichoderma reesei MCG77)、トリコデルマ・リーセイMCG80(Trichoderma reesei MCG80)、トリコデルマ・ビリデQM9123(Trichoderma viride QM9123)由来を例示することができる。これらトリコデルマ属微生物の中でも、トリコデルマ・リーセイが好ましい。また、前記トリコデルマ・リーセイに由来する微生物であって、変異剤あるいは紫外線照射などで変異処理を施すことによりセルラーゼ生産性が向上した変異株であってもよい。

粗精製セルラーゼは、セルロース系バイオマス前処理物の加水分解効率を向上させ、キシロオリゴ糖収量を向上させるという観点で、前記セロビオハイドラーゼおよびキシラナーゼ以外の酵素成分を含むことが好ましい。粗精製セルラーゼの酵素成分として、前記セロビオハイドラーゼおよびキシラナーゼ以外に、エンドグルカナーゼ、β−グルコシダーゼからなる群より選ばれる1種類以上の酵素成分、好ましくはエンドグルカナーゼ、β−グルコシダーゼ、アラビノフラノシダーゼ、キシランエステラーゼ、フェルラ酸エステラーゼからなる群より選ばれる1種類以上の酵素成分、さらに好ましくはエンドグルカナーゼ、β−グルコシダーゼ、アラビノフラノシダーゼ、キシランエステラーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、マンナナーゼ、マンノシダーゼからなる群より選ばれる1種類以上の酵素成分を含むことが好ましい。

粗精製セルラーゼの各酵素成分の重量比は特に限定されるものではないが、例えば、トリコデルマ・リーセイ由来の培養液には、50〜95重量%のセロビオハイドラーゼが含まれており、残りの成分にエンドグルカナーゼ、β−グルコシダーゼ、キシラナーゼ、β−キシロシダーゼなどが含まれている。また、トリコデルマ属の微生物は、強力なセルラーゼ成分を培養液中に生産する一方で、β−グルコシダーゼに関しては、細胞内あるいは細胞表層に保持しているため培養液中のβ−グルコシダーゼ活性は低い。そこで、トリコデルマ・リーセイ由来の培養液に、さらに異種または同種のβ−グルコシダーゼを添加したものを、本発明の粗精製セルラーゼとして使用することが好ましい。異種のβ−グルコシダーゼとしては、アスペルギルス属由来のβ−グルコシダーゼが好ましく使用できる。アスペルギルス属由来のβ−グルコシダーゼとして、ノボザイム社より市販されているNovozyme188などを例示することができる。また、トリコデルマ属の微生物に遺伝子を導入し、その培養液中に産生されるよう遺伝子組み換えされたトリコデルマ属の微生物を培養し、β−グルコシダーゼ活性の向上した培養液を粗精製セルラーゼとして用いてもよい。

粗精製セルラーゼは、例えば上記で例示した糸状菌の培養液や、培養液から菌体を除去した培養上清、微生物の菌体破砕物を含む培養液をそのまま用いてもよいし、それらを濃縮したものを粗精製セルラーゼとして用いてもよい。培養液から菌体除去する方法としては、遠心分離、フィルタープレスや精密濾過膜処理などが例示されるが、これらを単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。微生物の菌体破砕物を得る方法としては、遠心分離等の方法によって分離した菌体を緩衝液に懸濁し、超音波式ホモジナイザーやビーズ式ホモジナイザーにより菌体を破砕することにより、菌体破砕物を得ることができる。濃縮した粗精製セルラーゼを用いる場合、濃縮する方法としては、蒸発濃縮や限外濾過膜処理による濃縮方法を例示することができる。また、公知の方法で酵素群を精製し、粗精製セルラーゼに添加して組み合わせることで製剤化したものを粗精製セルラーゼとして使用してもよい。酵素群の精製には、硫安分画やカラムクロマトグラフィ—など、公知の方法を用いることができる。精製した酵素を糸状菌培養液に添加したものを粗精製セルラーゼとする場合、精製酵素添加前の培養上清中のタンパク質量を超えないタンパク質量で精製酵素を添加することとする。また、製剤化したものを粗精製セルラーゼとして使用する場合、プロテアーゼ阻害剤、分散剤、溶解促進剤、安定化剤など、酵素以外の物質を添加したものを粗精製セルラーゼとして使用してもよい。

粗精製セルラーゼは、糸状菌の培養液や培養液から菌体を除去した培養上清、微生物の菌体破砕物を含む培養液、もしくは公知の方法で酵素群を精製し、粗精製セルラーゼに添加して組み合わせることで製剤化したものを特定のpHおよび温度で加熱処理することにより調製したものであってもよい。この場合、水系溶媒で希釈した粗精製セルラーゼを特定のpH・温度条件で一定時間加熱処理する。加熱処理時の酵素の濃度は、タンパク質濃度で0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.2〜1重量%である。加熱処理時のタンパク質濃度が、0.1重量%未満であると、粗精製セルラーゼ中の大部分の酵素成分の安定性が低下し、加熱処理時に酵素成分の多くが失活することにより、セルロース系バイオマス前処理物の加水分解効率が低下し、キシロオリゴ糖収量が低下する。タンパク質濃度が5重量%を超えると、タンパク質の安定性が増大し、粗精製セルラーゼ中のキシロオリゴ糖をキシロースへ分解する酵素活性が低下しにくくなり、キシロオリゴ糖収量が低下する。

粗精製セルラーゼの糖化酵素を使用した加水分解反応は、セルロース系バイオマス前処理物の固形分濃度は、1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜10重量%の範囲であることが好ましい。糖化酵素を使用した加水分解反応は、pHが3.0〜8.0の付近で行うことが好ましく、より好ましくはpH5.5〜8.0付近である。糖化酵素を使用した加水分解反応は、1〜144時間で行うことが好ましく、より好ましくは3〜72時間、さらに好ましくは6〜24時間の範囲であることが好ましい。また糖化酵素による加水分解終了時に固液分離を行い、未分解の固形分を除去することが好ましい。固形分除去の方法としては、遠心分離法、膜分離法などがあるが特に限定されない。またこうした固液分離を複数種組み合わせて使用してもよい。

前記セルロース含有バイオマスの加水分解工程で得られる糖水溶液は、後段の分画分子量300〜800の分離膜による濾過処理の際の目詰まりやファウリングを防ぐために、固形分やタンニン、糖化酵素、バイオマス由来のタンパク質成分などの水溶性高分子を分画分子量300〜800の分離膜に通じる前に除去しておくことが好ましい。これらの成分の除去方法には特に制限はないが、好ましい除去方法として、糖水溶液を精密濾過膜および/または分画分子量が2,000よりも大きい限外濾過膜に通じて濾過して、非透過側に固形分や水溶性高分子を濾別する方法が挙げられる。濾過の方法としては、圧濾過、真空濾過、遠心濾過などがあるが特に限定されるものではない。また濾過操作として、定圧濾過、定流量濾過、非定圧非定流量濾過に大別されるが特に限定されない。また濾過操作としては、固形分を効率的に除去するために、精密濾過膜あるいは分画分子量が2,000よりも大きい限外濾過膜を2回以上使用する多段的な濾過でもよい。

精密濾過膜とは、平均細孔径が0.01μm〜5mmである膜のことであり、マイクロフィルトレーション膜、MF膜などと略称されるものであって、糖水溶液に含まれる固形分を除去する際に好ましく用いられる。ここで使用される精密濾過膜は無機膜でも有機膜であっても良く、セルロース、セルロースエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン等の有機材料、あるいはステンレス等の金属、あるいはセラミック等無機材料が挙げられる。

限外濾過膜とは、分画分子量が600〜200,000となる分離膜のことであり、ウルトラフィルトレーション膜、UF膜などと略称されるものである。また、分画分子量とは、日本膜学会編 膜学実験シリーズ 第III巻 人工膜編 編集委員/木村尚史・中尾真一・大矢晴彦・仲川勤(共立出版、1993年)92頁に、『溶質の分子量を横軸に、阻止率を縦軸にとってデータをプロットしたものを分画分子量曲線とよんでいる。そして阻止率が90%となる分子量を膜の分画分子量とよんでいる。』とあるように、限外濾過膜の膜性能を表す指標として当業者には周知のものである。本発明では、分画分子量が2,000より大きい限外濾過膜を使用することによって、糖水溶液に含まれる水溶性高分子、特に糖化酵素を好適に除去することができる。

限外濾過膜の材質は、特に限定されるものではないが、セルロース、セルロースエステル、ポリスルホン、スルホン化ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン等の有機材料、ステンレス等の金属、又はセラミック等無機材料が挙げられる。中でも疎水性物質の除去性から有機性の膜が好ましい。中でもポリエーテルスルホンが好ましい。さらに好ましくはスルホン化ポリエーテルスルホンである。

使用する限外濾過膜の形態は特に限定されるものではなく、スパイラル型、中空糸型、チューブラー型、平膜型のいずれであってもよい。

本発明で使用される限外濾過膜の具体例としては、DESAL社のG−5タイプ、GHタイプ、GKタイプ、Synder社のSPE1、KOCH社製のPM1000、PM2000、MPS−36、SR2、アルファラバル製GR95Pp、ETNA01PP、日東電工株式会社製のNTR−7450(分画分子量600〜800、WaterResearch 37(2003) 864−872参照。)、NTR−7410(分画分子量1,000〜2,000、衛生工学シンポジウム論文集,5:246−251(1997)参照。)などが挙げられる。

前記限外濾過膜の濾過処理における濾過圧は糖水溶液の濃度にも依存するが、0.1MPa以上8MPa以下の範囲であることが好ましい。濾過圧が0.1MPaより低ければ膜透過速度が低下し、8MPaより高ければ膜の損傷に影響を与えるおそれがある。また、0.5MPa以上6MPa以下であれば膜透過流束が高いことから、糖溶液を効率的に透過させることができるため、より好ましい。

前記限外濾過膜の濾過処理における膜透過流束は0.2m/D以上4.0m/D以下が好ましい。0.2m/D以下であると、限外濾過膜での濃縮が行えず2.0m/D以下であると、膜のファウリングが顕著になるからである。また、0.5m/D以上2.0m/D以上であれば、限外濾過膜による濾過が行いやすくなるため、より好ましい。

前記限外濾過膜の濾過処理における糖水溶液のpHは特に限定はされないが、pH5以下が好ましく、pH4以下がより好ましい。なお、pHが1以下であるとpH調整時の酸が大量に必要になるため、経済性の見地からpHの下限値を1とすることが好ましい。糖水溶液のpH調整はクマル酸やフェルラ酸といった芳香族化合物でかつカルボン酸基を有する物質が含まれる場合に効果が顕著である。

本発明では、前記方法により得られた糖水溶液を分画分子量が300〜800、好ましくは300〜500および/または600〜800の範囲内である分離膜による濾過処理に供することを特徴とする。分画分子量が300未満や800を超える分離膜による濾過処理では、後述の糖アルコール合成工程を阻害する触媒毒を分離できないため好ましくない。なお、分離膜による濾過処理は複数の分離膜による濾過処理であってもよく、また、複数の分離膜による濾過処理の際は、単一種類の分離膜の濾過処理であっても、複数種類の濾過処理であってもよい。

前記分離膜の素材は、特に限定されるものではないが、酢酸セルロースなどのセルロースエステル系ポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ビニルポリマーなどの高分子素材を使用することができるが、前記1種類の素材で構成される膜に限定されず、複数の膜素材を含む膜であってもよい。またその膜構造は、膜の少なくとも片面に緻密層を持ち、緻密層から膜内部あるいはもう片方の面に向けて徐々に大きな孔径の微細孔を有する非対称膜や、非対称膜の緻密層の上に別の素材で形成された非常に薄い機能層を有する複合膜のどちらでもよい。

これらの中でも高耐圧性と高透水性、高溶質除去性能を兼ね備え、優れたポテンシャルを有する、ポリアミドを機能層とした複合膜が好ましい。操作圧力に対する耐久性と、高い透水性、阻止性能を維持できるためには、ポリアミドを機能層とし、それを多孔質膜や不織布からなる支持体で保持する構造のものが適している。

本発明で使用される好ましいポリアミド系分離膜の具体例としては、例えば、SYNDER社製のNFWシリーズが挙げられる。

前記分離膜の濾過処理における濾過圧は糖水溶液の濃度にも依存するが、0.1MPa以上8MPa以下の範囲であることが好ましい。濾過圧が0.1MPaより低ければ膜透過速度が低下し、8MPaより高ければ膜の損傷に影響を与えるおそれがある。また、0.5MPa以上6MPa以下であれば膜透過流束が高いことから、糖溶液を効率的に透過させることができるため、より好ましい。

また本発明では、前記濾過処理によって前記分離膜の透過側から糖液を回収する一方で、分離膜の非透過側から後段の水素添加反応に利用される金属触媒の触媒毒を除去することを特徴とする。

前記分離膜の非透過側から除去される触媒毒については、具体的な物質を特定するまでには至っていないが、セルロース含有バイオマスの加水分解によって生じる物質であって、分子量が少なくとも300を超えるような物質であると推定される。金属触媒の触媒毒としては、窒素系化合物、硫黄系化合物、燐系化合物等の低分子の有機物や、Ag,Hg,Pb,Bi,Sn,Cd,As等の金属がこれまでに知られているが、これら公知の触媒毒は分子量300〜800よりも小さい物質であり、セルロース含有バイオマスの加水分解によって生じる触媒毒は、これまでに同定されていない新規の触媒毒である可能性がある。

前記分離膜の透過側から回収する糖液には、後段の水素添加反応による糖アルコールの製造の出発原料となる糖類が含まれる。糖類の種類は特に限定されないが、単糖が主成分であることが好ましく、キシロースおよび/またはグルコースが主成分であることが好ましい。

本発明では、前記工程により得られた糖液を水素添加反応に供して糖アルコールを合成することを特徴とする。水素添加反応については、糖を含む液相を水素存在下に金属触媒と接触させる。この場合、金属触媒を液相に懸濁させてもよいし(懸濁法)、あるいは液相を流動触媒床(流動床法)または固定触媒床(固定床法)に通してもよい。

水素添加反応について用いられる金属触媒は、周期律表の第8族の元素から選ばれる金属を含有する触媒であることが好ましい。周期律表の第8族の元素とは、鉄、コバルト、ニッケル及び白金族の元素をいう。ここで、白金族の元素とは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の6元素をいう。周期律表の第8族の元素から選ばれる金属の中でも、ニッケル及び白金族元素から選ばれる金属がより好ましく、ルテニウムまたはニッケルがさらに好ましい。ルテニウムまたはニッケルを含有する金属触媒の具体例としては、ルテニウム触媒、ラネーニッケル触媒が挙げられる。

ルテニウム触媒のルテニウム含有量は、担体材料の重量基準であり、ルテニウム元素として換算して、好ましくは0.1〜5重量%であり、さらに好ましくは1〜5重量%である。

ラネーニッケル触媒とは、ニッケルとアルミニウムを主成分とするラネー合金をアルカリ水溶液で展開して得られたものであり、水素化活性を上げたり、被毒物質に対する耐性を付加させる目的で、上記金属に他の金属が添加されていても良い。添加される金属としては、鉄、クロム、コバルト、マンガン、モリブデンから選ばれる少なくとも1種である。なお、ラネーニッケル触媒としては、展開されたラネーニッケル触媒でも構わない。具体的には日興リカ株式会社から入手可能なR−2313A型触媒である。R−2313A型触媒はモリブデンの助触媒であり、一般的には約1.5%のモリブデンと85%のニッケルを含む。

ラネーニッケル触媒を用いる際、ニッケルの溶融を防止するために、塩基性化合物を添加し、反応液をpH7〜10にすることが好ましい。さらに好ましくはpH8〜9である。添加されるものとしては酸化マグネシウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、リン酸水素二カリウムの群から選ばれる少なくとも1種である。

水素添加反応に供する糖液の糖類濃度は特に制限はないが、基本的には自由に選択することができる。糖類濃度とはグルコース、キシロース及びオリゴ糖の総重量(以下、糖重量)を溶液の総重量で除した値をもとに算出した重量%であり、多くの場合、2〜80重量%の範囲、好ましくは20〜70重量%の範囲である。

水素添加反応の反応溶媒は水系溶媒であるが、「水系」とは、水ならびに好ましくは1以上の水混和性有機溶媒を50体積%以下、好ましくは50体積%以下、特には50体積% 以下で含む水の混合物を指し、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノールなどのC1〜C4−アルカノールと水の混合物である。水は多くの場合、単独の溶媒として用いられる。

イソプロパノールは水素原子のドナーとなり、糖のアルデヒドに対して水素移動型反応に進行が予想されることから、生成物である糖アルコールの収率がより向上する点で、イソプロパノールを使用することは好ましい。

水素添加反応時の水素分圧は0.1〜15MPaの範囲であることが好ましく、好ましくは1〜10MPa、さらに好ましくは1〜5MPaの範囲である。反応温度は80〜200℃の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは100〜150℃の範囲である。

出発原料である糖液重量は、糖重量W1を換算重量とし、ルテニウム触媒量のルテニウム換算量W2との関係は、特に制限されないが、生成物の収率が優れると共に、経済性にも優れる点から、W1とW2との比(W1/W2)が、1〜100であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。

出発原料である糖液重量は、糖重量W1を換算重量とし、ラネーニッケル触媒量のニッケル換算量W3との関係は、特に制限されないが、生成物の収率がより優れると共に、経済性にも優れる点から、W1とW3との比(W1/W3)が、1〜100であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。

金属触媒は固体担体に担持させて使用してもよい。金属触媒を担持する固体担体としては、少なくとも一部が多孔質材料からなるものであることが適当であり、多孔質材料の表面に遷移金属が担持されることが適当である。したがって、本発明の触媒に用いられる固体担体は、少なくとも遷移金属が担持される部分の表面が多孔質材料からなることが適当であり、固体担体全体が多孔質材料からなっていても、あるいは非多孔質材料からなる支持体の表面に多孔質材料が被覆されたものであっても良い。また、支持体が別の多孔質材料からなっていても良い。

固体担体は、少なくとも一部が、例えば、無機酸化物からなることができる。そして、無機酸化物は前記多孔質材料であることが好ましい。さらに、本発明の触媒に用いられる固体担体は、少なくとも一部が、酸性を示す固体担体であることが好ましく、酸性を示す固体担体は前記多孔質材料であることが好ましい。本発明者らの検討の結果、固体担体はPt等の金属により水素分子が解離して担体上にプロトン酸点を発現するものが好ましい。

固体担体の具体例としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、チタニア、ジルコニア、活性炭を挙げることができる。

固体担体の形状、形態は、特に制限されないが、例えば、粉体状、粒子状、顆粒状、ペレット状、ハニカム状、押出し型、リング状、円柱状、リブ押出し型、リブリング状を呈することができる。粉体状、粒子状、顆粒状、ペレット状の担体は、例えば、前記の多孔質材料、酸化物または酸性を呈する材料のみからなることができる。それに対してハニカム構造の担体は、非多孔質材料、例えば、コージエライト等からなる支持体の表面に前記の多孔質材料、酸化物または酸性を呈する材料が被覆されたものであっても良い。また、前述のように支持体は、別の多孔質材料からなっていても良い。

懸濁法による水素化を実施することや、流動触媒床および固定触媒床での水素化に好適な装置は、先行技術(例:Ullmanns Enzyklopadie der Techenischen Chemie [Ullmsnn‘s Encyclopedia of Industrial Chemistry], 4th Edition, Volume, 13, pp. 135 et seq.およびP.N.Rylander,‘‘Hydrogenation and Dehydrogenation‘‘ in Ullman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th. CD−ROM版)から公知である。

本発明で得られる糖アルコールは特に制限されないが、前記糖液に含まれる糖類を出発原料としていることから、単糖の還元物が主成分であることが好ましく、キシリトールおよび/ソルビトールが主成分であることが好ましい。

前記水素添加反応で得られる糖アルコールは、通常の飲食物用途に供する程度の品質にするため、必要に応じて、イオン交換樹脂等による脱イオン、クロマト分離等による含有量の調整等の方法により、精製し、更に、必要に応じて、濃縮、噴霧乾燥や造粒乾燥等による粉末化、成形等の操作を経由して、液状品、粉末品、顆粒品、成形品、他の成分との混合品等の各種形態の製品とすることができる。

本発明で得られる糖アルコールは、単独で甘味料として使用でき、また、例えば、砂糖、ブドウ糖、グルコース、キシロース、乳糖、蜂蜜、粉飴、異性化糖、麦芽糖、マルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、セロオリゴ糖、水飴、トレハロース、セロビオース、パラチノース、メープルシュガー、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、マルトテトライトール、キシロビイトール、キシロトリイトール、キシロテトライトール、還元パラチノース、還元澱粉加水分解物、還元麦芽糖水飴、還元キシロオリゴ糖等の各種糖・糖アルコール類、ステビオシド、ジヒドロカルコン、グリチルリチン、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース等の各種高甘味剤、羅漢果エキス、グリシン、アラニン等を初めとする種々の甘味料の1種又は2種以上について、適量を任意の割合で混合して使用することや、澱粉、酸化澱粉、酸処理澱粉、加工澱粉、デキストリン、分岐デキストリン、サイクロデキストリン、分岐サイクロデキストリン、各種デキストリンの水素化物、ポリデキストロース等、各種の澱粉類や加工澱粉類と混合して使用することも可能である。

その他、たばこ、練り歯磨き、口紅、リップクリーム、内服薬、トローチ、肝油ドロップ、口中清涼剤、口中香剤、うがい薬等に使用でき、形状も固形状、粉末状、顆粒状、ペースト状、液状等用途に応じ選択が可能であり、嗜好品、化粧品、医薬品等への呈味改良剤、品質改良剤として利用することも可能である。

さらに、糖アルコールを原料とした化学反応により、極めて容易に、エーテル誘導体、エステル誘導体等の各種誘導体を製造することが可能である。

また、本発明で得られる糖アルコールは、エチレングリコールやプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、無水糖アルコールなどのポリオール誘導体を製造することも可能である。これらの糖アルコールの誘導体は、界面活性剤、乳化剤、酵素反応用試薬、プラスチック、化学繊維の合成基剤などに利用することも可能である。

ポリオール誘導体である無水糖アルコールの好ましい具体例としては、ソルビタンおよび/またはキシリタンが主成分であることを特徴とする混合物が挙げられる。

ソルビタンとは、1,4−anhydro−D−sorbitol、1,5−anhydro−D−sorbitol、2,5−anhydro−D−sorbitol、3,6−anhydro−D−sorbitol、2,5−anhydro−L−mannitol、2,5−anhydro−L−iditol等の総称であり、本発明におけるソルビタンは前記成分の単一物でも混合物でも良い(Applied Catalysis、 A: General 492(2015)252−261.)。

キシリタンとは1,4−anhydro−D−xylitol、2,5−anhydro−D−xylitol等の総称であり、本発明におけるキシリタンは前記成分の単一物でも混合物でも良い(Energy&Fuels、29(10)6529−6535;2015)。

前記無水糖アルコールは、本発明の糖アルコールに対して、酸触媒存在下、加熱脱水させることで得られる。

前記酸触媒は、好ましくは有機酸や無機酸、ルイス酸であり、より好ましくは、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、クエン酸等の有機酸や、塩酸、濃硫酸、硫酸ナトリウム、硝酸、リン酸、亜リン酸、シュウ酸、ホウ酸、フルオロホウ酸、等の無機酸、塩化鉄、塩化アルミニム、ビスマストリフラート等のルイス酸である。さらに好ましくは、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、濃硫酸、塩化鉄である。

無水糖アルコール合成における、糖アルコール濃度は特に制限はない。糖アルコール濃度とはソルビトール、キシリトール、オリゴ糖アルコールの総重量(以下、糖アルコール重量)を溶液の総重量で除した値をもとに算出した重量%であり、多くの場合、50〜80重量%の範囲、好ましくは55〜80重量%、さらに好ましくは60〜80重量%の範囲である。反応溶媒は水溶媒または無溶媒であるが、好ましくは無溶媒である。

反応圧力は5〜300Paの範囲であることが好ましく、好ましくは10〜150Paの範囲である。

反応温度は100〜200℃の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは100〜160℃の範囲であり、より好ましくは120〜140℃の範囲である。

反応時間は、前記した温度範囲において、0.5時間〜2時間の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.8時間〜1.2時間の範囲である。

反応時間は短すぎると反応転化率が低下し、長すぎるとソルビトールの過剰脱水反応が進行し、イソソルビドとなり、共にソルビタンの収率低下に繋がる。0.5時間〜2時間の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.8時間〜1.2時間の範囲である。

出発原料である糖アルコール重量は、糖アルコール重量W4を換算重量とし、酸触媒量W5との関係は、W4とW5との比(W4/W5)が大きすぎると反応転化率が低下し、小さすぎるとソルビトールの過剰脱水反応が進行し、イソソルビドとなり、共にソルビタンの収率低下に繋がる。これよりW4/W5は、75〜200であることが好ましく、100〜150であることがより好ましい。

本発明で得られる無水糖アルコールは、主成分であるソルビタンおよび/またはキシリタンはどちらも保湿剤としての用途が公知であることから、例えば、ローション剤、クリーム剤、乳液、化粧水、美容液、ジェル剤、またはパック剤等において用いることが可能である。また、ボディーローション、洗顔料などのスキンケア製剤、メーキャップ製剤、ヘアケア製剤、ハンドソープ、石鹸、手指消毒剤または入浴剤等においても用いることが可能である。さらに、医薬品類、医薬部外品類、化粧品類に配合して用いることも可能であり、特に、外皮に適用される医薬品、医薬部外品、化粧品組成物といった外用剤組成物への適用は容易である。

本発明で得られる無水糖アルコールは、脂肪酸と縮合することで界面活性剤や酵素反応用試薬等に用いることができ、さらに脂肪酸エステルと無水糖アルコールの縮合物に、ポリエチレングリコール鎖を付加させたPEG体も界面活性剤や酵素反応用試薬等に用いることができる。

本発明で用いられる脂肪酸としては特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖状または分岐状の飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸が挙げられ、具体的には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、イソステアリン酸、2−エチルヘキシル酸および縮合リシノール酸などが挙げられる。これら脂肪酸は、1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。

本発明において、糖アルコールまたは無水糖アルコールに対する脂肪酸の仕込み量は、目的とするエステル化度により異なり一様ではないが、エステル化度が小さいほど、得られる反応生成物中の未反応の糖アルコールまたは無水糖アルコールの含有量が多くなる。それ故、本発明の方法は、例えば糖アルコールまたは無水糖アルコール1モルに対して脂肪酸約0.1〜1モルの仕込み量で反応する際に、特に有効となり得る。

本発明において、糖アルコールまたは無水糖アルコールと脂肪酸とのエステル化反応は無触媒で行って良く、または酸触媒あるいはアルカリ触媒を用いて行っても良いが、アルカリ触媒の存在下で行なわれるのが好ましい。酸触媒としては、例えば、硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のプロトン酸、またはこれらの塩、金属ハロゲン化物などが挙げられる。アルカリ触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、その他の金属やその酸化物等などが挙げられる。アルカリ触媒の使用量は、全仕込み量(乾燥物換算)の0.01〜10.0質量%、好ましくは0.1〜1.0質量%である。

上記エステル化反応は、例えば攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板、不活性ガス吹き込み管、温度計および冷却器付き水分分離器などを備えた通常の反応容器に、糖アルコールまたは無水糖アルコール、脂肪酸、および触媒を供給して攪拌混合し、窒素または二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、所定温度で一定時間加熱して行われる。反応温度は通常、150〜250℃の範囲、好ましくは200〜250℃の範囲である。また、反応圧力条件は減圧下又は常圧下で、反応時間は0.5〜15時間、好ましくは1〜6時間である。反応の終点は、通常反応混合物の酸価を測定し、10以下を目安に決められる。

反応圧力は5〜300Paの範囲であることが好ましく、好ましくは10〜150Paの範囲である。

エステル化反応終了後、触媒を用いた場合は、反応混合物中に残存する触媒を中和する。その際、液温は180〜200℃ の範囲で中和処理を行うことが好ましい。触媒の中和は、例えば、アルカリ触媒として水酸化ナトリウムを使用し、これをリン酸(85質量%)で中和する場合、以下に示す中和反応式(1)で計算されるリン酸量を0.85で除した量以上のリン酸(85質量%)を、好ましくは中和反応式(1)で計算されるリン酸量を0.85で除した量の2〜3倍量のリン酸(85質量%)を反応混合物に添加して、良く混合することにより行われる。中和後、その温度で好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1〜10時間放置する。未反応の糖アルコールまたは無水糖アルコールが下層に分離した場合はそれを除去する。 中和式(1):3NaOH+H3PO4→Na3PO4+H2O。

本発明で得られる無水糖アルコールエステルは、主成分であるソルビタンエステルおよび/またはキシリタンエステルであり、ソルビタンエステルは、食品をはじめとして、プラスチック、ゴム、繊維、塗料などの工業用品、医薬品、香粧品等の乳化剤として幅広く利用されていることから、同様の用途としての適用が想定される。

また、本発明で得られる糖アルコールは、エチレングリコールやプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、無水糖アルコールなどのポリオール誘導体を製造することも可能である。これらの糖アルコールの誘導体は、界面活性剤、乳化剤、酵素反応用試薬、プラスチック、化学繊維の合成基剤などに利用することも可能である。

これらの糖アルコールの誘導体は、界面活性剤、乳化剤、酵素反応用試薬、プラスチック、化学繊維の合成基剤などに利用することも可能である。

本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明する。しかし、本発明の範囲は、この実施例によって制限されないものとする。

参考例1:トリコデルマ属由来粗精製セルラーゼの調製 トリコデルマ属由来粗精製セルラーゼは以下の方法で調製した。

[前培養] コーンスティップリカー5%(w/vol)、グルコース2%(w/vol)、酒石酸アンモニウム0.37%(w/vol)、硫酸アンモニウム0.14(w/vol)、リン酸二水素カリウム0.2%(w/vol)、塩化カルシウム二水和物0.03%(w/vol)、硫酸マグネシウム七水和物0.03%(w/vol)、塩化亜鉛0.02%(w/vol)、塩化鉄(III)六水和物0.01%(w/vol)、硫酸銅(II)五水和物0.004%(w/vol)、塩化マンガン四水和物0.0008%(w/vol)、ホウ酸0.0006%(w/vol)、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.0026%(w/vol)となるよう蒸留水に添加し、100mLを500mLバッフル付き三フラスコに張り込み、121℃で15分間オートクレーブ滅菌した。放冷後、これとは別にそれぞれ121℃で15分間オートクレーブ滅菌したPE−MとTween80をそれぞれ0.01%(w/vol)添加した。この前培養培地にトリコデルマ・リーセイATCC66589(ATCCより分譲)を1×105個/mLになるように植菌し、28℃、72時間、180rpmで振とう培養し、前培養とした(振とう装置:TAITEC社製 BIO−SHAKER BR−40LF)。

[本培養] コーンスティップリカー5%(w/vol)、グルコース2%(w/vol)、セルロース(アビセル)10%(w/vol)、酒石酸アンモニウム0.37%(w/vol)、硫酸アンモニウム0.14%(w/vol)、リン酸二水素カリウム0.2%(w/vol)、塩化カルシウム二水和物0.03%(w/vol)、硫酸マグネシウム七水和物0.03%(w/vol)、塩化亜鉛0.02%(w/vol)、塩化鉄(III)六水和物0.01%(w/vol)、硫酸銅(II)五水和物0.004%(w/vol)、塩化マンガン四水和物0.0008%(w/vol)、ホウ酸0.0006%(w/vol)、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.0026%(w/vol)となるよう蒸留水に添加し、2.5Lを5L容撹拌ジャー(ABLE社製 DPC−2A)容器に張り込み、121℃で15分間オートクレーブ滅菌した。放冷後、これとは別にそれぞれ121℃で15分間オートクレーブ滅菌したPE−MとTween80をそれぞれ0.1%添加し、あらかじめ前記の方法にて液体培地で前培養したトリコデルマ・リーセイPC3−7を250mL接種した。その後、28℃、87時間、300rpm、通気量1vvmにて培養を行い、遠心分離後、上清を膜濾過(ミリポア社製 ステリカップ−GV 材質:PVDF)した。この前述条件で調製した培養液に対し、β−グルコシダーゼ(Novozyme188)をタンパク質重量比として、1/100量添加し、これを粗精製セルラーゼとした。

参考例2:セルロース含有バイオマスの加水分解工程(希硫酸処理・糖化酵素処理) セルロース含有バイオマスとして、稲藁を使用した。前記セルロース含有バイオマスを硫酸1%水溶液に浸し、150℃で30分オートクレーブ処理(日東高圧製)した。処理後、固液分離を行い、硫酸水溶液と硫酸処理セルロースに分離した。次に硫酸処理セルロースと固形分濃度が10重量%となるように希硫酸処理液と攪拌混合した後、水酸化ナトリウムによって、pHを7.0付近に調整した。この混合液に、糖化酵素としてトリコデルマ・リーセイ由来の粗精製セルラーゼを添加し、40℃で1日間攪拌混同しながら、加水分解反応を行った。その後、遠心分離(3000G)を行い、未分解セルロースあるいはリグニンを分離除去し、糖水溶液を得た。

参考例3:セルロース含有バイオマスの前処理(蒸煮爆砕処理・糖化酵素処理) セルロース含有バイオマスとして、稲藁を使用した。前記セルロース含有バイオマス100gを2L蒸煮爆砕試験機(日本電熱株式会社製)に投入して蒸気を投入し、2.5MPaで2.5分間保持して容器内を一気に大気開放し、爆砕処理を行いサンプルを回収した。この時の容器内の温度は225℃であった。この時の処理物の含水率は84.4%であった。固形分濃度が10重量%となるように水を加えpHを1規定の水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7.0に調整した。この混合液に、糖化酵素としてトリコデルマ・リーセイ由来の粗精製セルラーゼを添加し、40℃で1日間攪拌混同しながら、加水分解反応を行った。その後、遠心分離(3000G)を行い、未分解セルロースあるいはリグニンを分離除去し、糖水溶液を得た。

参考例4:セルロース含有バイオマスの加水分解工程(水熱処理・糖化酵素処理) セルロース含有バイオマスとして、稲藁を使用した。前記セルロース含有バイオマスを水に浸し、撹拌しながら180℃で20分間オートクレーブ処理(日東高圧株式会社製)した。その際の圧力は10MPaであった。処理後は溶液成分と処理バイオマス成分に遠心分離(3000G)を用いて固液分離した。水酸化ナトリウムによって、溶液のpHを7.0付近に調整した。この混合液に、糖化酵素としてトリコデルマ・リーセイ由来の粗精製セルラーゼを添加し、40℃で1日間攪拌混同しながら、加水分解反応を行った。その後、遠心分離(3000G)を行い、未分解セルロースあるいはリグニンを分離除去し、糖水溶液を得た。

参考例5:セルロース含有バイオマスの加水分解工程(アンモニア処理・糖化酵素処理) セルロース含有バイオマスとして、稲藁を使用した。前記セルロース含有バイオマスを小型反応器(耐圧硝子工業株式会社製、TVS−N2 30ml)に投入し、液体窒素で冷却した。この反応器に濃度100%のアンモニアガスを流入し、試料を完全に100%の液体アンモニアに浸漬させた。リアクターの蓋を閉め、室温で15分ほど放置した。次いで、150℃のオイルバス中にて1時間処理した。処理後、反応器をオイルバスから取り出し、ドラフト中で直ちに前記アンモニアガスをリーク後、さらに真空ポンプで反応器内を10Paまで真空引きし前記セルロース含有バイオマスを乾燥させた。この処理セルロース含有バイオマスと固形分濃度が15重量%となるように純水を攪拌混合した後、硫酸によって、酸化ナトリウムによって、pHを7.0付近に調整した。この混合液に、糖化酵素としてトリコデルマ・リーセイ由来の粗精製セルラーゼを添加し、40℃で1日間攪拌混同しながら、加水分解反応を行った。その後、遠心分離(3000G)を行い、未分解セルロースあるいはリグニンを分離除去した糖水溶液を得た。

参考例6:セルロース含有バイオマスの加水分解工程(水酸化ナトリウム処理処理・糖化酵素処理) セルロース含有バイオマスとして、稲藁を使用した。前記セルロース含有バイオマスに対するアルカリ添加量が10重量%になるように、水酸化ナトリウム水溶液に浸し、80℃で3時間オートクレーブ処理(日東高圧株式会社製)した。処理後、固液分離を行い、水酸化ナトリウム水溶液と水酸化ナトリウム処理セルロースに分離した。次に水酸化ナトリウム処理セルロースと固形分濃度が10重量%となるように水酸化ナトリウム処理液と攪拌混合した後、塩酸によって、pHを7付近に調整した。この混合液に、糖化酵素としてトリコデルマ・リーセイ由来の粗精製セルラーゼを添加し、40℃で1日間攪拌混同しながら、加水分解反応を行った。その後、遠心分離(3000G)を行い、未分解セルロースあるいはリグニンを分離除去し、糖水溶液を得た。

参考例7:糖水溶液の精密濾過膜及び限外濾過膜処理 参考例2〜6記載の糖水溶液を精密濾過膜(製品名:スラリーカップ、孔径:0.45μm)を用いて濾過を行った。次に、精密濾過膜の透過液について限外濾過膜および平膜濾過ユニット“SEPA−II”(GEオスモニクス製)を用いて、膜面線速度20cm/秒、濾過圧1MPaの条件下で濾過を行い、透過流束が0.5m/dayになるまで濾過処理を行って透過液を得た。限外濾過膜は、“M−U1812”(Applied Membrane社製、材質:ポリエーテルスルホン、分画分子量:10000)を使用した。

参考例8:糖濃度の測定 糖液中のグルコース、キシロース、キシロビオース、キシロトリオースの濃度は、日立高速液体クロマトグラフ“LaChrom Eite”(HITACHI)を用いて、以下の条件でグルコース、キシロース、キシロビオース、キシロトリオースの標品で作製した検量線をもとに、定量分析した。 カラム:KS802、KS803(Shodex) 移動相:水 検出方法:RI 流速:0.5mL/min 温度:75℃。

実施例1:分画分子量300〜500の分離膜を用いた濾過処理 参考例7記載の糖水溶液を精密濾過膜及び限外濾過膜処理して得られた透過液を分画分子量300〜500の分離膜および平膜濾過ユニット“SEPA−II”(GEオスモニクス製)を用いて、膜面線速度20cm/秒、濾過圧4MPaの条件下で、Fluxが0.5m/Dになるまで濃縮し、3倍量のRO水を添加した。同様の方法で濃縮とRO水の添加を二回繰り返した後に、透過流束が0.5m/dayになるまで濃縮し、触媒毒が含有された非透過液と透過液の濾過処理を行った。本実施例は、参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を参考例7記載の精密濾過膜及び限外濾過膜処理して得られた透過液にも適用できる。

実施例2:分画分子量300〜500の分離膜透過液の逆浸透膜処理 実施例1記載の分離膜の透過液を全て合わせ、逆浸透膜および平膜濾過ユニット“SEPA−II”(GEオスモニクス製)を用いて、膜面線速度20cm/秒、濾加圧1MPaの条件下で濾過を行い、透過流束が0.5m/dayになるまで濾過処理を行った。逆浸透膜は、“FRH−2514”(ROPUR社製、材質:架橋全芳香族ポリアミド、NaCl除去率:99%、分画分子量:100以下)を使用した。得られた透過液をBrix74まで減圧濃縮し、糖液を得た。得られた糖液の組成を表1に示す。本実施例は、参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として、参考例7及び実施例1に準じて得られた透過液にも適用でき、同様に糖液を得ることができる。

実施例3:分画分子量600〜800の分離膜を用いた濾過処理 参考例7記載の糖水溶液を精密濾過膜及び限外濾過膜処理して得られた透過液を分画分子量600〜800の分離膜および平膜濾過ユニット“SEPA−II”(GEオスモニクス製)を用いて、膜面線速度20cm/秒、濾過圧4MPaの条件下で、Fluxが0.5m/Dになるまで濃縮し、3倍量のRO水を添加した。同様の方法で濃縮とRO水の添加を二回繰り返した後に、透過流束が0.5m/dayになるまで濃縮し、触媒毒が含有された非透過液と透過液の濾過処理を行い、透過液を回収した。分離膜は、“1812F”(SYNDER社製、材質:ポリアミド、分画分子量:600〜800)を使用した。本実施例は、参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を参考例7記載の精密濾過膜及び限外濾過膜処理して得られた透過液にも適用できる。

実施例4:分画分子量600〜800の分離膜透過液の逆浸透膜処理 実施例3記載の分離膜の透過液を全て合わせ、逆浸透膜および平膜濾過ユニット“SEPA−II”(GEオスモニクス製)を用いて、膜面線速度20cm/秒、濾加圧1MPaの条件下で濾過を行い、透過流束が0.5m/dayになるまで濾過処理を行った。逆浸透膜は、“FRH−2514”(ROPUR社製、材質:架橋全芳香族ポリアミド、NaCl除去率:99%、分画分子量:100以下)を使用した。得られた透過液を濃縮し、透過液を得た。透過液をBrix74まで減圧濃縮し、糖液を得た。得られた糖液の組成を表2に示す。本実施例は、参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として、参考例7及び実施例3に準じて得られた透過液にも適用でき、同様に糖液を得ることができる。

実施例5:ラネーニッケル触媒を用いた糖液の水素添加反応検討 実施例2記載の糖液(400mg)に、ラネーニッケル触媒(日興リカ株式会社製、R−2313A、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、反応液中のグルコース、キシロース、ソルビトール、キシリトールを参考例8に記載の糖類の定量方法によって定量し、グルコースからソルビトールのモル収率、キシロースからキシリトールのモル収率をそれぞれ算出したところ、ソルビトール55%、キシリトール90%であった(表3)。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本実施例と同様の操作を実施しても、同様に糖アルコールを得ることができる。 実施例6:5%活性炭担持ルテニウム触媒(Ru/C触媒)を用いた糖液の水素添加反応検討 実施例6:5%活性炭担持ルテニウム触媒(Ru/C触媒)を用いた糖液の水素添加反応検討 実施例2記載の糖液(399mg)に、5%Ru/C(N.E.CHEMCAT社製、AC−4503、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、モル収率を算出したところ、ソルビトール52%、キシリトール88%であった(表3)。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本実施例と同様の操作を実施しても、同様に糖アルコールを得ることができる。

実施例7:ラネーニッケル触媒を用いた糖液の水素添加反応検討 実施例4記載の糖液(400mg)に、ラネーニッケル触媒(日興リカ株式会社製、R−2313A、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、モル収率を算出したところ、ソルビトール41%、キシリトール84%であった(表3)。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本実施例と同様の操作を実施しても、同様に糖アルコールを得ることができる。

実施例8:5%活性炭担持ルテニウム触媒(Ru/C触媒)を用いた糖液の水素添加反応検討 実施例4記載の糖液(399mg)に、5%Ru/C(N.E.CHEMCAT社製、AC−4503、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、モル収率を算出したところ、ソルビトール38%、キシリトール79%であった(表3)。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本実施例と同様の操作を実施しても、同様に糖アルコールを得ることができる。

比較例1:ラネーニッケル触媒を用いた触媒毒含有糖液の水素添加反応検討 実施例2記載の糖液(202mg)に、実施例1記載の触媒毒含有の分離膜非透過液液(201mg)、ラネーニッケル触媒(日興リカ株式会社製、R−2313A、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、モル収率を算出したところ、ソルビトール7%、キシリトール27%であり(表3)、ラネーニッケル触媒が実施例1記載の非透過液に含有されていた触媒毒によって被毒されたため、収率は顕著に低下した。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本比較例と同様の操作を実施しても、同様にモル収率が低下する。

比較例2:5%Ru/C触媒を用いた触媒毒含有糖液の水素添加反応検討 実施例2記載の糖液(202mg)に、実施例1記載の触媒毒含有の分離膜濃縮液(201mg)、5%Ru/C(N.E.CHEMCAT社製、AC−4503、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、モル収率を算出したところ、ソルビトール7%、キシリトール27%であり(表3)、ルテニウム触媒が実施例1記載の濃縮液に含有されていた触媒毒によって被毒されたため、モル収率は顕著に低下した。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本比較例と同様の操作を実施しても、同様にモル収率が低下する。

比較例3:被毒後のラネーニッケル触媒による水素添加反応検討 実施例2記載の糖液(202mg)に、比較例1で用いたラネーニッケル触媒(日興リカ株式会社製、R−2313A、4mg)をイオン交換水(50mL)で洗浄、回収し、再度添加した。イオン交換水(20mL)で希釈した後に、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、収率を算出したところ、ソルビトール6%、キシリトール25%であった(表3)。したがって、比較例1で被毒されたラネーニッケル触媒は洗浄操作を行っても活性は戻らず、モル収率は低下したままであった。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本比較例と同様の操作を実施しても、同様にモル収率が低下する。

比較例4:被毒後の5%Ru/C触媒による水素添加反応検討 実施例2記載の糖液(202mg)に、比較例2で用いた5%Ru/C(N.E.CHEMCAT社製、AC−4503、4mg)をイオン交換水(50mL)で洗浄、回収し、再度添加した。イオン交換水(20mL)で希釈した後に、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、収率を算出したところ、ソルビトール7%、キシリトール25%であった(表3)。したがって、比較例2で被毒されたルテニウム触媒は洗浄操作を行っても活性は戻らず、モル収率は低下したままであった。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本比較例と同様の操作を実施しても、同様にモル収率が低下する。

比較例5:ラネーニッケル触媒を用いた触媒毒含有糖液の水素添加反応検討 実施例4記載の糖液(202mg)に、実施例2記載の触媒毒含有の分離膜非透過液液(201mg)、ラネーニッケル触媒(日興リカ株式会社製、R−2313A、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、モル収率を算出したところ、ソルビトール13%、キシリトール53%であり(表3)、ラネーニッケル触媒が実施例1記載の非透過液に含有されていた触媒毒によって被毒されたため、収率は顕著に低下した。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本比較例と同様の操作を実施しても、同様にモル収率が低下する。

比較例6:5%Ru/C触媒を用いた触媒毒含有糖液の水素添加反応検討 実施例4記載の糖液(202mg)に、実施例3記載の触媒毒含有の分離膜濃縮液(201mg)、5%Ru/C(N.E.CHEMCAT社製、AC−4503、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、モル収率を算出したところ、ソルビトール13%、キシリトール55%であり(表3)、ルテニウム触媒が実施例1記載の濃縮液に含有されていた触媒毒によって被毒されたため、モル収率は顕著に低下した。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本比較例と同様の操作を実施しても、同様にモル収率が低下する。

比較例7:被毒後のラネーニッケル触媒による水素添加反応検討 実施例4記載の糖液(202mg)に、比較例6で用いたラネーニッケル触媒(日興リカ株式会社製、R−2313A、4mg)をイオン交換水(50mL)で洗浄、回収し、再度添加した。イオン交換水(20mL)で希釈した後に、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、収率を算出したところ、ソルビトール12%、キシリトール54%であった(表3)。したがって、比較例1で被毒されたラネーニッケル触媒は洗浄操作を行っても活性は戻らず、モル収率は低下したままであった。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本比較例と同様の操作を実施しても、同様にモル収率が低下する。

比較例8:被毒後の5%Ru/C触媒による水素添加反応検討 実施例4記載の糖液(202mg)に、比較例5で用いた5%Ru/C(N.E.CHEMCAT社製、AC−4503、4mg)をイオン交換水(50mL)で洗浄、回収し、再度添加した。イオン交換水(20mL)で希釈した後に、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、収率を算出したところ、ソルビトール14%、キシリトール53%であった(表3)。したがって、比較例2で被毒されたルテニウム触媒は洗浄操作を行っても活性は戻らず、モル収率は低下したままであった。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本比較例と同様の操作を実施しても、同様にモル収率が低下する。

比較例9:ラネーニッケル触媒を用いた限外濾過膜透過液の水素添加反応検討 参考例7記載の限外濾過膜透過液(402mg)に、ラネーニッケル触媒(日興リカ株式会社製、R−2313A、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、モル収率を算出したところ、ソルビトール28%、キシリトール71%であり、限外濾過膜処理では残存してしまう触媒毒によってモル収率が低下する結果となった(表3)。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本比較例と同様の操作を実施しても、同様にモル収率が低下する。

比較例10:5%Ru/C触媒を用いた限外濾過膜透過液の水素添加反応検討 参考例7記載の限外濾過膜透過液(402mg)に、5%Ru/C(N.E.CHEMCAT社製、AC−4503、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。30分後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、実施例5と同様に反応液を定量し、モル収率を算出したところ、ソルビトール23%、キシリトール66%であり、限外濾過膜処理では残存してしまう触媒毒によってモル収率が低下する結果となった(表3)。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本比較例と同様の操作を実施しても、同様にモル収率が低下する。

実施例9:糖アルコール濃度80%の原料を用いた反応温度140℃での加熱脱水検討 実施例2記載の糖液(200mg)に、ラネーニッケル触媒(日興リカ株式会社製、R−2313A、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。3時間後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、反応液中のグルコース、キシロース、ソルビトール、キシリトールを参考例8に記載の定量法によって定量し、グルコースからソルビトールのモル収率、キシロースからキシリトールのモル収率をそれぞれ算出したところ、ソルビトール99%、キシリトール99%であった。この反応液をセライト濾過した後に、糖アルコール濃度80%まで減圧濃縮した。140℃まで加熱した後に、濃硫酸(関東化学株式会社製、特級、2mg)を添加し、300Paまで減圧した。140℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却し、大気圧に戻した。イオン交換水(10mL)を用いて希釈した後に、参考例8に記載の分析法で分析を行い、ソルビトールからソルビタン、イソソルビドのモル収率、キシリトールからキシリタンのモル収率をそれぞれ算出したところ、ソルビタン73%、イソソルビド13%、キシリタン99%(表4)であった。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本実施例と同様の操作を実施しても、同様に無水糖アルコールを得ることができる。

実施例10:糖アルコール濃度80%の原料を用いた反応温度150℃での加熱脱水検討 実施例2記載の糖液(200mg)に、ラネーニッケル触媒(日興リカ株式会社製、R−2313A、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。3時間後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、反応液中のグルコース、キシロース、ソルビトール、キシリトールを参考例8に記載の定量法によって定量し、グルコースからソルビトールのモル収率、キシロースからキシリトールのモル収率をそれぞれ算出したところ、ソルビトール99%、キシリトール99%であった。この反応液をセライト濾過した後に、糖アルコール濃度80%まで減圧濃縮した。150℃まで加熱した後に、濃硫酸(関東化学株式会社製、特級、2mg)を添加し、300Paまで減圧した。150℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却し、大気圧に戻した。イオン交換水(10mL)を用いて希釈した後に、参考例8に記載の分析法で分析を行い、ソルビトールからソルビタン、イソソルビドのモル収率、キシリトールからキシリタンのモル収率をそれぞれ算出したところ、ソルビタン63%、イソソルビド27%、キシリタン99%(表4)であった。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本実施例と同様の操作を実施しても、同様に無水糖アルコールを得ることができる。 実施例11:糖アルコール濃度80%の原料を用いた反応温度160℃での加熱脱水検討 実施例2記載の糖液(200mg)に、ラネーニッケル触媒(日興リカ株式会社製、R−2313A、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。3時間後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、反応液中のグルコース、キシロース、ソルビトール、キシリトールを参考例8に記載の定量法によって定量し、グルコースからソルビトールのモル収率、キシロースからキシリトールのモル収率をそれぞれ算出したところ、ソルビトール99%、キシリトール99%であった。この反応液をセライト濾過した後に、糖アルコール濃度80%まで減圧濃縮した。160℃まで加熱した後に、濃硫酸(関東化学株式会社製、特級、2mg)を添加し、300Paまで減圧した。160℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却し、大気圧に戻した。イオン交換水(10mL)を用いて希釈した後に、参考例8に記載の分析法で分析を行い、ソルビトールからソルビタン、イソソルビドのモル収率、キシリトールからキシリタンのモル収率をそれぞれ算出したところ、ソルビタン37%、イソソルビド53%、キシリタン99%(表4)であった。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本実施例と同様の操作を実施しても、同様に無水糖アルコールを得ることができる。 実施例12:糖アルコール濃度60%の原料を用いた反応温度140℃での加熱脱水検討 実施例2記載の糖液(200mg)に、ラネーニッケル触媒(日興リカ株式会社製、R−2313A、4mg)とイオン交換水(20mL)を添加し、水素圧5MPa、温度100℃にて水素添加反応を行った。3時間後、室温まで冷却し、系内を窒素置換した後に、反応液中のグルコース、キシロース、ソルビトール、キシリトールを参考例8に記載の定量法によって定量し、グルコースからソルビトールのモル収率、キシロースからキシリトールのモル収率をそれぞれ算出したところ、ソルビトール99%、キシリトール99%であった。この反応液をセライト濾過した後に、糖アルコール濃度60%まで減圧濃縮した。140℃まで加熱した後に、濃硫酸(関東化学株式会社製、特級、2mg)を添加し、300Paまで減圧した。140℃で5時間攪拌した後、室温まで冷却し、大気圧に戻した。イオン交換水(10mL)を用いて希釈した後に、参考例8に記載の分析法で分析を行い、ソルビトールからソルビタン、イソソルビドのモル収率、キシリトールからキシリタンのモル収率をそれぞれ算出したところ、ソルビタン70%、イソソルビド7%、キシリタン99%(表4)であった。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本実施例と同様の操作を実施しても、同様に無水糖アルコールを得ることができる。

実施例13:ソルビタン/キシリタンラウリン酸エステル混合物の製造 実施例7記載の無水糖アルコール溶液を、400Paの減圧下、75℃で10分間脱水した。次にラウリン酸(関東化学株式会社製)212mg(1.3mmol)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム5.4mg(0.1mmol)を加え、常圧下、窒素ガス気流中200℃ で、酸価10以下となるまで6 時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を180℃まで冷却し、リン酸(85質量%)39.4mgを添加して触媒を中和し、ソルビタン/キシリタンラウリン酸エステル混合物(311mg)を得た。このものは酸価:3.3、水酸基価:220であった(表5)。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本実施例と同様の操作を実施しても、同様に無水糖アルコールを得ることができる。

実施例14:ソルビタン/キシリタンパルミチン酸エステル混合物の製造 実施例7記載の無水糖アルコール溶液を、400Paの減圧下、75℃で10分間脱水した。次にパルミチン酸(関東化学株式会社製)344mg(1.3mmol)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム5.4mg(0.1mmol)を加え、常圧下、窒素ガス気流中200℃で、酸価10以下となるまで6時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を180℃ まで冷却し、リン酸(85質量%)39.4mgを添加して触媒を中和し、ソルビタン/キシリタンパルミチン酸エステル混合物(392mg)を得た。このものは酸価:3.8、水酸基価:250であった(表5)。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本実施例と同様の操作を実施しても、同様に無水糖アルコールを得ることができる。

実施例15:ソルビタン/キシリタンステアリン酸エステル混合物の製造 実施例7記載の無水糖アルコール溶液を、400Paの減圧下、75℃で10分間脱水した。次にステアリン酸(関東化学株式会社製)381mg(1.3mmol)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム5.4mg(0.1mmol)を加え、常圧下、窒素ガス気流中200℃で、酸価10以下となるまで6時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を180℃まで冷却し、リン酸(85質量%)39.4mgを添加して触媒を中和し、ソルビタン/キシリタンステアリン酸エステル混合物(392mg)を得た。このものは酸価:3.1、水酸基価:210であった(表5)。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本実施例と同様の操作を実施しても、同様に無水糖アルコールを得ることができる。

実施例16:ソルビタン/キシリタンオレイン酸エステル混合物の製造 実施例7記載の無水糖アルコール溶液を、400Paの減圧下、75℃ で10分間脱水した。次にオレイン酸酸(関東化学株式会社製)381mg(1.3mmol) を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム5.4mg(0.1mmol)を加え、常圧下、窒素ガス気流中200℃で、酸価10以下となるまで6時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を180℃まで冷却し、リン酸(85質量%)39.4mgを添加して触媒を中和し、ソルビタン/キシリタンオレイン酸エステル混合物(392mg)を得た。このものは酸価:3.7、水酸基価:240であった(表5)。参考例2〜5のいずれかの糖水溶液を原料として本実施例と同様の操作を実施しても、同様に無水糖アルコールを得ることができる。

本発明により、セルロース含有バイオマスを加水分解処理により得られた糖水溶液を分画分子量300〜800の分離膜に通じて濾過することで、触媒毒を非透過側に除去し、透過側から糖液を回収、得られた糖液を金属触媒下、水素添加することにより、高収率で糖アルコールを製造することができる。さらに糖アルコールに対して、酸触媒を作用させて加熱脱水させることで、高収率で無水糖アルコールを製造することができる。また、無水糖アルコールを脂肪酸及び固体塩基存在下で加熱することで、無水糖アルコールエステルを製造する事ができる。

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