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多価不飽和脂肪酸シンターゼの核酸分子およびポリペプチド、組成物、ならびにそれらの作製方法および使用

阅读:957发布:2024-01-31

专利汇可以提供多価不飽和脂肪酸シンターゼの核酸分子およびポリペプチド、組成物、ならびにそれらの作製方法および使用专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且,下面是多価不飽和脂肪酸シンターゼの核酸分子およびポリペプチド、組成物、ならびにそれらの作製方法および使用专利的具体信息内容。

以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)SEQ ID NO:5に対して少なくとも95%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、FabA様β−ヒドロキシアシル−ACPデヒドラーゼ(DH)活性、エノイル−ACPレダクターゼ(ER)活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される多価不飽和脂肪酸(PUFA)シンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (b)SEQ ID NO:37に対して少なくとも95%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (c)SEQ ID NO:39に対して少なくとも95%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに (d)SEQ ID NO:41に対して少なくとも95%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がER活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:5、37、39および41である、請求項1記載の単離された核酸分子。以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:6に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子; (b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:38に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子; (c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:40に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子;ならびに (d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:42に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがER活性を含む、核酸分子。アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:6、38、40および42である、請求項3記載の単離された核酸分子。請求項1〜4のいずれか一項記載のポリヌクレオチド配列に対して完全に相補的なポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。請求項1〜4のいずれか一項記載の核酸分子またはそれらの組み合わせと、転写制御配列とを含む、組換え核酸分子。組換えベクターである、請求項6記載の組換え核酸分子。請求項1〜4のいずれか一項記載の核酸分子、請求項6もしくは請求項7記載の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを発現する、宿主細胞。植物細胞、生物細胞、および動物細胞からなる群より選択される、請求項8記載の宿主細胞。微生物細胞である、請求項9記載の宿主細胞。細菌である、請求項10記載の宿主細胞。ヤブレツボカビ(thraustochytrid)である、請求項10記載の宿主細胞。ヤブレツボカビがシゾキトリウム属(Schizochytrium)であるか、またはヤブレツボカビ属(Thraustochytrium)である、請求項12記載の宿主細胞。以下の段階を含む、少なくとも1種類のPUFAを産生するための方法: 宿主細胞において、PUFAを産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、 該PUFAシンターゼ遺伝子が、請求項1〜4のいずれか一項記載の単離された核酸分子、請求項6もしくは請求項7記載の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを含み、かつ 少なくとも1種類のPUFAが産生される、段階。宿主細胞が、植物細胞、単離された動物細胞、および微生物細胞からなる群より選択される、請求項14記載の方法。少なくとも1種類のPUFAがドコサヘキサエン酸(DHA)を含む、請求項14記載の方法。以下の段階を含む、DHAに富む脂質を産生するための方法: 宿主細胞において、脂質を産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、該PUFAシンターゼ遺伝子が、宿主細胞において、請求項1〜4のいずれか一項記載の単離された核酸分子、請求項6もしくは請求項7記載の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを含み、かつ DHAに富む脂質が産生される、段階。請求項1〜4のいずれか一項記載の単離された核酸分子をベクター中に挿入する段階を含む、組換えベクターを作製する方法。請求項18記載の組換えベクターを宿主細胞に導入する段階を含む、組換え宿主細胞を作製する方法。宿主細胞が、植物細胞、単離された動物細胞、および微生物細胞からなる群より選択される、請求項19記載の方法。請求項1〜4のいずれか一項記載の核酸分子によってコードされる、単離されたポリペプチド。以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチド: (a)SEQ ID NO:6に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド; (b)SEQ ID NO:38に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド; (c)SEQ ID NO:40に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド;ならびに (d)SEQ ID NO:42に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ER活性を含むポリペプチド。アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:6、38、40および42である、請求項22記載の単離されたポリペプチド。融合ポリペプチドである、請求項21〜23のいずれか一項記載の単離されたポリペプチド。請求項21〜23のいずれか一項記載のポリペプチドと、生物学的に許容される担体とを含む、組成物。以下の段階を含む、PUFAシンターゼ活性を有する生物におけるDHAの産生を増加させる方法: 生物において、請求項1〜4のいずれか一項記載の単離された核酸分子、請求項6もしくは請求項7記載の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを、DHAを産生させるのに有効な条件下で発現させる段階であって、 該PUFAシンターゼ活性が、該生物において、不活性な活性もしくは消失した活性に取って代わるか、新たな活性を導入するか、または既存の活性を増強し、かつ 該生物におけるDHAの産生が増加する、段階。以下の段階を含む、宿主細胞から脂質を単離する方法: (a)宿主細胞において、脂質を産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、PKS系が、宿主細胞において、請求項1〜4のいずれか一項記載の単離された核酸分子、請求項6もしくは請求項7記載の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを含む、段階、および (b)宿主細胞から脂質を単離する段階。宿主細胞が、植物細胞、単離された動物細胞、および微生物細胞からなる群より選択される、請求項27記載の方法。脂質がDHAを含む、請求項27記載の方法。

说明书全文

発明の分野 本発明は、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)またはそれらの組み合わせに富むPUFAを含むPUFAの産生に関与する、多価不飽和脂肪酸(PUFA)シンターゼの単離された核酸分子およびポリペプチドを対象とする。本発明は、それらの核酸分子を含むベクターおよび宿主細胞、それらの核酸分子によってコードされるポリペプチド、それらの核酸分子またはポリペプチドを含む組成物、ならびにそれらの作製方法および使用を対象とする。

発明の背景 ヤブレツボカビ類(Thraustochytrids)は、ヤブレツボカビ属(Thraustochytrium)およびシゾキトリウム属(Schizochytrium)のメンバーを含む、ヤブレツボカビ目(Thraustochytriales)の生物であり、PUFAの代替源として認識されている。例えば、米国特許第5,130,242号(特許文献1)を参照。海洋細菌およびヤブレツボカビ類におけるポリケチドシンターゼ(PKS)様の系は、アセチル-CoAおよびマロニル-CoAから多価不飽和脂肪酸(PUFA)を合成しうることが最近示されている。これらのPKSシンターゼ様の系を、本明細書ではPUFAシンターゼ系とも称する。海洋細菌であるシュワネラ属(Shewanella)およびビブリオ・マリナス(Vibrio marinus)におけるPUFAシンターゼ系は、米国特許第6,140,486号(特許文献2)に記載されている。シゾキトリウム属のあるヤブレツボカビ(thraustochytrid)におけるPUFAシンターゼ系が、米国特許第6,566,583号(特許文献3)に記載されている。シゾキトリウム属およびヤブレツボカビ属のヤブレツボカビにおけるPUFAシンターゼ系も、米国特許第7,247,461号(特許文献4)に記載されている。米国特許第7,211,418号(特許文献5)は、ヤブレツボカビ属のあるヤブレツボカビにおけるPUFAシンターゼ系、およびその系を用いたエイコサペンタエン酸(C20:5、ω-3)(EPA)および他のPUFAの産生を記載している。米国特許第7,217,856号は、シュワネラ・オレヤナ(Shewanella olleyana)およびシュワネラ・ジャポニカにおけるPUFAシンターゼ系を記載している。国際公開公報第2005/097982号(特許文献6)は、SAM2179菌株におけるPUFAシンターゼ系を記載している。米国特許第7,208,590号(特許文献7)および米国特許第7,368,552号(特許文献8)は、スラウストキトリウム・アウレウム(Thraustochytrium aureum)由来のPUFAシンターゼ遺伝子およびタンパク質を記載している。

PKS系は、典型的にはI型(モジュール式または反復的)、II型およびIII型と称される、3つの基本的なタイプのうち1つに該当するとして、文献中に従来より記載されている。I型モジュール式PKS系は「モジュール式」PKS系とも称され、I型反復的PKS系は「I型」PKS系とも称される。II型の系は、それぞれが別個の酵素反応を遂行する分離可能な複数のタンパク質によって特徴づけられる。これらの酵素は協調的に働いて最終生成物を生成し、系の個々の各酵素は、典型的には最終生成物の生成に数回かかわる。このタイプの系は、植物および細菌に認められる脂肪酸シンターゼ(FAS)系と類似の様式で動作する。I型反復的PKS系は、それらの酵素が反復的な形で用いられて最終生成物を生成するという点でII型の系に類似している。I型反復系は、酵素活性が、分離可能な複数のタンパク質に伴うのではなく、より大きなタンパク質の複数のドメインとして生じる点で、II型の系とは異なる。この系は、動物および真菌に認められるI型FAS系と類似している。

II型の系とは対照的に、I型モジュール式PKS系における各酵素ドメインは、最終生成物の生成において1回しか用いられない。これらのドメインは極めて大型のタンパク質に認められ、各反応の生成物はPKSタンパク質中の別のドメインに送られる。

III型の系はさらに最近になって発見されており、植物の縮合酵素のカルコンシンターゼファミリーに属する。III型PKSは、I型およびII型PKS系とは異なり、遊離CoA基質を反復的縮合反応に利用して、通常は複素環式最終生成物を生成する。

PUFA合成のための従来の経路または標準的な経路では、中鎖長飽和脂肪酸(脂肪酸シンターゼ(FAS)系の生成物)が一連の伸長反応および不飽和化反応によって修飾される。伸長反応の基質は、脂肪酸アシル-CoA(伸長される脂肪酸鎖)およびマロニル-CoA(各伸長反応のたびに付加される2個の炭素の供給源)である。このエロンガーゼ反応の生成物は、直鎖状に2つの炭素が付加された脂肪酸アシル-CoAである。デサチュラーゼは、酸素依存的反応における2個の素の引き出しにより、既存の脂肪酸鎖の中にシス二重結合を作り出す。デサチュラーゼの基質は、アシル-CoA(ある種の動物において)、またはリン脂質(例えば、ホスファチジルコリン)のグリセロール骨格に対してエステル化された脂肪酸である。

脂肪酸は、炭素鎖の長さおよび飽和状態の特徴に基づいて分類される。脂肪酸は鎖の中に存在する炭素の数に基づいて短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸と呼ばれており、炭素原子間に二重結合が存在しない場合は飽和脂肪酸と呼ばれ、二重結合が存在する場合は不飽和脂肪酸と呼ばれる。不飽和長鎖脂肪酸は、二重結合が1つしか存在しない場合は一価不飽和であり、複数の二重結合が存在する場合は多価不飽和である。

PUFAは、脂肪酸のメチル末端から最初の二重結合の位置に基づいて分類される:ω-3(n-3)脂肪酸は3番目の炭素の箇所に最初の二重結合を含み、一方、ω-6(n-6)脂肪酸は6番目の炭素の箇所に最初の二重結合を含む。例えば、ドコサヘキサエン酸(「DHA」)は、鎖の長さが炭素22個で二重結合が6個のω-3 PUFAであり、しばしば「22:6 n-3」と称される。他のω-3 PUFAには、「20:5 n-3」と称されるエイコサペンタエン酸(「EPA」)、および「22:5 n-3」と称されるω-3ドコサペンタエン酸(「DPA n-3」)が含まれる。DHAおよびEPAは「必須」脂肪酸と呼ばれる。ω-6 PUFAには、「20:4 n-6」と称されるアラキドン酸(「ARA」)、および「22:5 n-6」と称されるω-6ドコサペンタエン酸(「DPA n-6」)が含まれる。

ω-3脂肪酸は、それらの細胞膜内への存在によって細胞の生理現象に影響を及ぼし、生物活性化合物の産生および遺伝子発現を調節するとともに、生合成の基質ともなる、生物学的に重要な分子である。Roche, H. M., Proc. Nutr. Soc. 58: 397-401 (1999) (非特許文献1)。例えば、DHAは、ヒト大脳皮質内の脂質のおよそ15%〜20%および網膜内の脂質の30%〜60%を占め、精巣内および精子内で濃度が高く、母乳の重要な成分である。Berge, J.P., and Bamathan, G. Adv. Biochem. Eng. Biotechnol. 96:49-125 (2005) (非特許文献2)。DHAは脳内のω-3脂肪酸の最大で97%、網膜内のω-3脂肪酸の最大で93%を占める。その上、DHAは胎児および乳児の発達のため、さらには成人の認知機能の維持のためにも必須である。同上。ω-3脂肪酸はヒトの体内では合成されないため、これらの脂肪酸は栄養源から得られなければならない。

アマニ油および魚油は、ω-3脂肪酸の優れた食事供給源であると考えられている。アマニ油はEPA、DHA、DPAおよびARAをいずれも含まないが、その代わり、生体がEPAを製造することを可能にする構成単位であるリノレン酸(C18:3 n-3)を含む。しかし、代謝変換の速度は遅く、かつ変化しやすい恐れがあり、特に健康に障害のある者ではそうであることが実証されている。魚油は、個々の種およびそれらの食事内容に応じて脂肪酸組成のタイプおよびレベルがかなり異なる。例えば、水産養殖によって飼育された魚は、野生のものよりもω-3脂肪酸のレベルが低い傾向がある。さらに、魚油は環境汚染物を含むリスクを抱えており、安定性の問題および魚の臭いまたは味が伴うこともある。

ヤブレツボカビから産生される油は、多くの場合、対応する魚油または微細藻類の油よりも単純な多価不飽和脂肪酸プロフィールを有する。Lewis, T.E., Mar. Biotechnol. 1: 580-587 (1999) (非特許文献3)。ヤブレツボカビ種の菌株は、ω-3脂肪酸を、その生物によって産生される全脂肪酸中で高率に産生することが報告されている。米国特許第5,130,242号(特許文献1);Huang, J. et al., J. Am. Oil. Chem. Soc. 78: 605-610 (2001) (非特許文献4);Huang, J. et al., Mar. Biotechnol. 5: 450-457 (2003) (非特許文献5)。しかし、分離されたヤブレツボカビは、産生するPUFAの実体および量に関してさまざまであり、その結果、以前に記載されている菌株の中には望ましくないPUFAプロフィールを有するものがある可能性がある。

内因性に産生される脂肪酸の修飾によって、油糧種子作物植物にPUFAを産生させるための取り組みが行われてきた。脂肪酸エロンガーゼおよびデサチュラーゼに対するさまざまな個別の遺伝子を用いたこれらの植物の遺伝子改変により、測定可能なレベルのPUFA、例えばEPAなどを含むが、より短鎖でより不飽和度の低い混合PUFAも有意なレベルで含む葉または種子が作製されている(Qi et al., Nature Biotech. 22:739 (2004) (非特許文献6);PCT国際公開公報第04/071467号(特許文献9);Abbadi et al., Plant Cell 16:1 (2004) (非特許文献7));Napier and Sayanova, Proc. Nutrition Society 64:387-393 (2005) (非特許文献8);Robert et al., Functional Plant Biology 32:473-479 (2005) (非特許文献9);および米国特許出願公開第2004/0172682号(特許文献10))。

このため、望ましいPUFAプロフィールを伴う核酸分子およびポリペプチドの単離、ならびにそのような核酸分子およびポリペプチドの使用を通じて望ましいPUFAプロフィールを作り出すことに対して、継続的な必要性が存在する。

米国特許第5,130,242号

米国特許第6,140,486号

米国特許第6,566,583号

米国特許第7,247,461号

米国特許第7,211,418号

国際公開公報第2005/097982号

米国特許第7,208,590号

米国特許第7,368,552号

国際公開公報第04/071467号

米国特許出願公開第2004/0172682号

Roche, H. M., Proc. Nutr. Soc. 58: 397-401 (1999)

Berge, J.P., and Bamathan, G. Adv. Biochem. Eng. Biotechnol. 96:49-125 (2005)

Lewis, T.E., Mar. Biotechnol. 1: 580-587 (1999)

Huang, J. et al., J. Am. Oil. Chem. Soc. 78: 605-610 (2001)

Huang, J. et al., Mar. Biotechnol. 5: 450-457 (2003)

Qi et al., Nature Biotech. 22:739 (2004)

Abbadi et al., Plant Cell 16:1 (2004)

Napier and Sayanova, Proc. Nutrition Society 64:387-393 (2005)

Robert et al., Functional Plant Biology 32:473-479 (2005)

本発明は、以下のものからなる、単離された核酸分子を対象とする:(a)SEQ ID NO:1に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、β-ケトアシル-ACPシンターゼ(KS)活性、マロニル-CoA:ACPアシルトランスフェラーゼ(MAT)活性、アシルキャリアータンパク質(ACP)活性、ケトレダクターゼ(KR)活性、β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ(DH)活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(b)SEQ ID NO:7に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がKS活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(c)SEQ ID NO:9に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がMAT活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(d)SEQ ID NO:13、15、17、19、21または23のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がACP活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(e)SEQ ID NO:11に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がACP活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(f)SEQ ID NO:25に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がKR活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに(g)SEQ ID NO:27に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド配列はそれぞれ、SEQ ID NO:1、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25および27に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、核酸分子はそれぞれ、SEQ ID NO:1、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25および27のポリヌクレオチド配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子を対象とする:(a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:2に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドが、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子;(b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:8に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがKS活性を含む、核酸分子;(c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:10に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがMAT活性を含む、核酸分子;(d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:14、16、18、20、22または24のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがACP活性を含む、核酸分子;(e)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:12に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがACP活性を含む、核酸分子;(f)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:26に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがKR活性を含む、核酸分子;ならびに(g)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:28に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子。いくつかの態様において、アミノ酸配列はそれぞれ、SEQ ID NO:2、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26および28に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドはそれぞれ、SEQ ID NO:2、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26および28のアミノ酸配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子を対象とする:(a)SEQ ID NO:3に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、KS活性、鎖長因子(chain length factor)(CLF)活性、アシルトランスフェラーゼ(AT)活性、エノイル-ACPレダクターゼ(ER)活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(b)SEQ ID NO:29に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がKS活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(c)SEQ ID NO:31に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がCLF活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(d)SEQ ID NO:33に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がAT活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに(e)SEQ ID NO:35に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がER活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド配列はそれぞれ、SEQ ID NO:3、29、31、33および35に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、核酸分子はそれぞれ、SEQ ID NO:3、29、31、33および35のポリヌクレオチド配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子を対象とする:(a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:4に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドが、KS活性、CLF活性、AT活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子;(b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:30に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがKS活性を含む、核酸分子;(c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:32に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがCLF活性を含む、核酸分子;(d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:34に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがAT活性を含む、核酸分子;ならびに(e)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:36に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがER活性を含む、核酸分子。いくつかの態様において、アミノ酸配列はそれぞれ、SEQ ID NO:4、30、32、34および36に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドはそれぞれ、SEQ ID NO:4、30、32、34および36のアミノ酸配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子を対象とする:(a)SEQ ID NO:5に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(b)SEQ ID NO:37に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(c)SEQ ID NO:39に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに(d)SEQ ID NO:41に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がER活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド配列はそれぞれ、SEQ ID NO:5、37、39および41に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、核酸分子はそれぞれ、SEQ ID NO:5、37、39および41のポリヌクレオチド配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子を対象とする:(a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:6に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドが、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子;(b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:38に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子;(c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:40に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子;ならびに(d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:42に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがER活性を含む、核酸分子。いくつかの態様において、アミノ酸配列はそれぞれ、SEQ ID NO:6、38、40および42に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドはそれぞれ、SEQ ID NO:6、38、40および42のアミノ酸配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子を対象とする:(a)SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(b)SEQ ID NO:74に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がKS活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(c)SEQ ID NO:76に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がMAT活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(d)SEQ ID NO:80、82、84、86、88、90、92、94、96または98のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がACP活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(e)SEQ ID NO:78に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がACP活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(f)SEQ ID NO:100に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がKR活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに(g)SEQ ID NO:118に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド配列はそれぞれ、SEQ ID NO:68、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、118および120に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、核酸分子はそれぞれ、SEQ ID NO:68、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、118および120のポリヌクレオチド配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子を対象とする:(a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:69に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドが、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子;(b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:75に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがKS活性を含む、核酸分子;(c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:77に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがMAT活性を含む、核酸分子;(d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドが、SEQ ID NO:81、83、85、87、89、91、93、95、97または99のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがACP活性を含む、核酸分子;(e)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:79に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがACP活性を含む、核酸分子;(f)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:101に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがKR活性を含む、核酸分子;ならびに(g)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:119に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子。いくつかの態様において、アミノ酸配列はそれぞれ、SEQ ID NO:69、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101および119に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドはそれぞれ、SEQ ID NO:69、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101および119のアミノ酸配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子を対象とする:(a)SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、KS活性、鎖長因子(CLF)活性、アシルトランスフェラーゼ(AT)活性、エノイル-ACPレダクターゼ(ER)活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(b)SEQ ID NO:102に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がKS活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(c)SEQ ID NO:104に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がCLF活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(d)SEQ ID NO:106に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がAT活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに(e)SEQ ID NO:108に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がER活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド配列はそれぞれ、SEQ ID NO:70、102、104、106、108および121に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、核酸分子はそれぞれ、SEQ ID NO:70、102、104、106、108および121のポリヌクレオチド配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子を対象とする:(a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:71に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドが、KS活性、CLF活性、AT活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子;(b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:103に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがKS活性を含む、核酸分子;(c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:105に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがCLF活性を含む、核酸分子;(d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:107に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがAT活性を含む、核酸分子;ならびに(e)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:109に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがER活性を含む、核酸分子。いくつかの態様において、アミノ酸配列はそれぞれ、SEQ ID NO:71、103、105、107および109に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドはそれぞれ、SEQ ID NO:71、103、105、107および109のアミノ酸配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子を対象とする:(a)SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(b)SEQ ID NO:110に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;(c)SEQ ID NO:112に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに(d)SEQ ID NO:114に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がER活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド配列はそれぞれ、SEQ ID NO:72、110、112、114および122に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、核酸分子はそれぞれ、SEQ ID NO:72、110、112、114および122のポリヌクレオチド配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子を対象とする:(a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:73に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドが、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子;(b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:111に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子;(c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:113に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子;ならびに(d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:115に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがER活性を含む、核酸分子。いくつかの態様において、アミノ酸配列はそれぞれ、SEQ ID NO:73、111、113および115に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドはそれぞれ、SEQ ID NO:73、111、113および115のアミノ酸配列を含む。

本発明は、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、CLF活性、AT活性、ER活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子であって、そのポリヌクレオチドが、上記のいずれかのポリヌクレオチド配列の相補物と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、該単離された核酸分子を対象とする。

本発明は、上記のポリヌクレオチド配列のいずれかに対して完全に相補的であるポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を対象とする。

本発明は、上記の核酸分子のいずれかまたはそれらの組み合わせと、転写制御配列とを含む、組換え核酸分子を対象とする。いくつかの態様において、組換え核酸分子は組換えベクターである。

本発明は、上記の核酸分子のいずれか、上記の組換え核酸分子のいずれか、およびそれらの組み合わせを発現する宿主細胞を対象とする。いくつかの態様において、宿主細胞は、植物細胞、微生物細胞、および動物細胞からなる群より選択される。いくつかの態様において、微生物細胞は細菌である。いくつかの態様において、細菌は大腸菌(E. coli)である。いくつかの態様において、細菌は海洋細菌である。いくつかの態様において、微生物細胞はヤブレツボカビである。いくつかの態様において、ヤブレツボカビはシゾキトリウム属である。いくつかの態様において、ヤブレツボカビはヤブレツボカビ属である。いくつかの態様において、ヤブレツボカビはウルケニア属(Ulkenia)である。

本発明は、以下の段階を含む、少なくとも1種類のPUFAを産生するための方法を対象とする:宿主細胞において、PUFAを産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、PUFAシンターゼ遺伝子が、上記の単離された核酸分子のいずれか、上記の組換え核酸分子のいずれか、またはそれらの組み合わせを含み、かつ少なくとも1種類のPUFAが産生される、段階。この態様の1つの局面において、宿主細胞は、植物細胞、単離された動物細胞、および微生物細胞からなる群より選択される。この態様の別の局面において、少なくとも1種類のPUFAには、ドコサヘキサエン酸(DHA)またはエイコサペンタエン酸(EPA)が含まれる。

本発明は、以下の段階を含む、DHA、EPA、またはそれらの組み合わせに富む脂質を産生するための方法を対象とする:宿主細胞において、脂質を産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、PUFAシンターゼ遺伝子が、宿主細胞において、上記の単離された核酸分子のいずれか、上記の組換え核酸分子のいずれか、またはそれらの組み合わせを含み、かつDHA、EPA、またはそれらの組み合わせに富む脂質が産生される、段階。本発明は、上記の単離された核酸分子のいずれか1つをベクター中に挿入する段階を含む、組換えベクターを作製するための方法を対象とする。

本発明は、上記の組換えベクターを宿主細胞に導入する段階を含む、組換え宿主細胞を作製する方法を対象とする。いくつかの態様において、宿主細胞は、植物細胞、単離された動物細胞、および微生物細胞からなる群より選択される。

本発明は、上記のポリヌクレオチド配列のいずれかによってコードされる、単離されたポリペプチドを対象とする。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチドを対象とする:(a)SEQ ID NO:2に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド;(b)SEQ ID NO:8に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性を含むポリペプチド;(c)SEQ ID NO:10に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、MAT活性を含むポリペプチド;(d)SEQ ID NO:14、16、18、20、22または24のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ACP活性を含むポリペプチド;(e)SEQ ID NO:12に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ACP活性を含むポリペプチド;(f)SEQ ID NO:26に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KR活性を含むポリペプチド;ならびに(g)SEQ ID NO:28に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド。いくつかの態様において、アミノ酸配列はそれぞれ、SEQ ID NO:2、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26および28に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドはそれぞれ、SEQ ID NO:2、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26および28のアミノ酸配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチドを対象とする:(a)SEQ ID NO:4に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性、CLF活性、AT活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド;(b)SEQ ID NO:30に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性を含むポリペプチド;(c)SEQ ID NO:32に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、CLF活性を含むポリペプチド;(d)SEQ ID NO:34に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、AT活性を含むポリペプチド;ならびに(e)SEQ ID NO:36に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ER活性を含むポリペプチド。いくつかの態様において、アミノ酸配列はそれぞれ、SEQ ID NO:4、30、32、34および36に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドはそれぞれ、SEQ ID NO:4、30、32、34および36のアミノ酸配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチドを対象とする:(a)SEQ ID NO:6に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド;(b)SEQ ID NO:38に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド;(c)SEQ ID NO:40に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド;ならびに(d)SEQ ID NO:42に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ER活性を含むポリペプチド。いくつかの態様において、アミノ酸配列はそれぞれ、SEQ ID NO:6、38、40および42に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドはそれぞれ、SEQ ID NO:6、38、40および42のアミノ酸配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチドを対象とする:(a)SEQ ID NO:69に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド;(b)SEQ ID NO:75に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性を含むポリペプチド;(c)SEQ ID NO:77に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、MAT活性を含むポリペプチド;(d)SEQ ID NO:81、83、85、87、89、91、93、95、97または99のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ACP活性を含むポリペプチド;(e)SEQ ID NO:79に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ACP活性を含むポリペプチド;(f)SEQ ID NO:101に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KR活性を含むポリペプチド;ならびに(g)SEQ ID NO:119に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド。いくつかの態様において、アミノ酸配列はそれぞれ、SEQ ID NO:69、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101および119に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドはそれぞれ、SEQ ID NO:69、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101および119のアミノ酸配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチドを対象とする:(a)SEQ ID NO:71に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性、CLF活性、AT活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド;(b)SEQ ID NO:103に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性を含むポリペプチド;(c)SEQ ID NO:105に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、CLF活性を含むポリペプチド;(d)SEQ ID NO:107に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、AT活性を含むポリペプチド;ならびに(e)SEQ ID NO:109に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ER活性を含むポリペプチド。いくつかの態様において、アミノ酸配列はそれぞれ、SEQ ID NO:71、103、105、107および109に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドはそれぞれ、SEQ ID NO:71、103、105、107および109のアミノ酸配列を含む。

本発明は、以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチドを対象とする:(a)SEQ ID NO:73に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド;(b)SEQ ID NO:111に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド;(c)SEQ ID NO:113に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド;ならびに(d)SEQ ID NO:115に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ER活性を含むポリペプチド。いくつかの態様において、アミノ酸配列はそれぞれ、SEQ ID NO:73、111、113および115に対して少なくとも90%同一であるか、または少なくとも95%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドはそれぞれ、SEQ ID NO:73、111、113および115のアミノ酸配列を含む。

いくつかの態様において、本発明の単離されたポリペプチドのいずれかは融合ポリペプチドでありうる。

本発明は、上記のポリペプチドのいずれかと、生物学的に許容される担体とを含む、組成物を対象とする。

本発明は、以下の段階を含む、PUFAシンターゼ活性を有する生物におけるDHA、EPA、またはそれらの組み合わせの産生を増加させる方法を対象とする:生物において、上記の単離された核酸分子のいずれか、上記の組換え核酸分子のいずれか、またはそれらの組み合わせを、DHA、EPA、またはそれらの組み合わせを産生させるのに有効な条件下で発現させる段階であって、そのPUFAシンターゼ活性が、その生物において、不活性な活性または消失した活性に取って代わるか、新たな活性を導入するか、または既存の活性を増強し、かつその生物におけるDHA、EPA、またはそれらの組み合わせの産生が増加する、段階。

本発明は、以下の段階を含む、宿主細胞から脂質を単離する方法を対象とする:(a)宿主細胞において、脂質を産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、PUFAシンターゼ遺伝子が、宿主細胞において、上記の単離された核酸分子のいずれか、上記の組換え核酸分子のいずれか、またはそれらの組み合わせを含む、段階;および(b)宿主細胞から脂質を単離する段階。いくつかの態様において、宿主細胞は、植物細胞、単離された動物細胞、および微生物細胞からなる群より選択される。いくつかの態様において、脂質はDHA、EPA、またはそれらの組み合わせを含む。 [本発明1001] 以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)SEQ ID NO:1に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、β-ケトアシル-ACPシンターゼ(KS)活性、マロニル-CoA:ACPアシルトランスフェラーゼ(MAT)活性、アシルキャリアータンパク質(ACP)活性、ケトレダクターゼ(KR)活性、β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ(DH)活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される多価不飽和脂肪酸(PUFA)シンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (b)SEQ ID NO:7に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がKS活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (c)SEQ ID NO:9に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がMAT活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (d)SEQ ID NO:13、15、17、19、21または23のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がACP活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (e)SEQ ID NO:11に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がACP活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (f)SEQ ID NO:25に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がKR活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに (g)SEQ ID NO:27に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。 [本発明1002] ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:1、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25および27に対して少なくとも90%同一である、本発明1001の単離された核酸分子。 [本発明1003] ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:1、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25および27に対して少なくとも95%同一である、本発明1001の単離された核酸分子。 [本発明1004] それぞれ、SEQ ID NO:1、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25および27のポリヌクレオチド配列を含む、本発明1001の単離された核酸分子。 [本発明1005] 以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:2に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドが、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子; (b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:8に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがKS活性を含む、核酸分子; (c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:10に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがMAT活性を含む、核酸分子; (d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:14、16、18、20、22または24のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがACP活性を含む、核酸分子; (e)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:12に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがACP活性を含む、核酸分子; (f)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:26に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがKR活性を含む、核酸分子;ならびに (g)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:28に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子。 [本発明1006] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:2、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26および28に対して少なくとも90%同一である、本発明1005の単離された核酸分子。 [本発明1007] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:2、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26および28に対して少なくとも95%同一である、本発明1005の単離された核酸分子。 [本発明1008] ポリペプチドがそれぞれ、SEQ ID NO:2、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26および28のアミノ酸配列を含む、本発明1005の単離された核酸分子。 [本発明1009] 以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)SEQ ID NO:3に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、KS活性、鎖長因子(chain length factor)(CLF)活性、アシルトランスフェラーゼ(AT)活性、エノイル-ACPレダクターゼ(ER)活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (b)SEQ ID NO:29に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がKS活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (c)SEQ ID NO:31に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がCLF活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (d)SEQ ID NO:33に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がAT活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに (e)SEQ ID NO:35に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がER活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。 [本発明1010] ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:3、29、31、33および35に対して少なくとも90%同一である、本発明1009の単離された核酸分子。 [本発明1011] ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:3、29、31、33および35に対して少なくとも95%同一である、本発明1009の単離された核酸分子。 [本発明1012] それぞれ、SEQ ID NO:3、29、31、33および35のポリヌクレオチド配列を含む、本発明1009の単離された核酸分子。 [本発明1013] 以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:4に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドが、KS活性、CLF活性、AT活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子; (b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:30に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがKS活性を含む、核酸分子; (c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:32に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがCLF活性を含む、核酸分子; (d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:34に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがAT活性を含む、核酸分子;ならびに (e)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:36に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがER活性を含む、核酸分子。 [本発明1014] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:4、30、32、34および36に対して少なくとも90%同一である、本発明1013の単離された核酸分子。 [本発明1015] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:4、30、32、34および36に対して少なくとも95%同一である、本発明1013の単離された核酸分子。 [本発明1016] ポリペプチドがそれぞれ、SEQ ID NO:4、30、32、34および36のアミノ酸配列を含む、本発明1013の単離された核酸分子。 [本発明1017] 以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)SEQ ID NO:5に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (b)SEQ ID NO:37に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (c)SEQ ID NO:39に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに (d)SEQ ID NO:41に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がER活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。 [本発明1018] ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:5、37、39および41に対して少なくとも90%同一である、本発明1017の単離された核酸分子。 [本発明1019] ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:5、37、39および41に対して少なくとも95%同一である、本発明1017の単離された核酸分子。 [本発明1020] それぞれ、SEQ ID NO:5、37、39および41のポリヌクレオチド配列を含む、本発明1017の単離された核酸分子。 [本発明1021] 以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:6に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子; (b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:38に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子; (c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:40に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子;ならびに (d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:42に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがER活性を含む、核酸分子。 [本発明1022] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:6、38、40および42に対して少なくとも90%同一である、本発明1021の単離された核酸分子。 [本発明1023] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:6、38、40および42に対して少なくとも95%同一である、本発明1021の単離された核酸分子。 [本発明1024] ポリペプチドがそれぞれ、SEQ ID NO:6、38、40および42のアミノ酸配列を含む、本発明1021の単離された核酸分子。 [本発明1025] KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、CLF活性、AT活性、ER活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子であって、 該ポリヌクレオチドが、本発明1001〜1024のいずれかのポリヌクレオチド配列の相補物と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、単離された核酸分子。 [本発明1026] 本発明1001〜1024のいずれかのポリヌクレオチド配列に対して完全に相補的なポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。 [本発明1027] 本発明1001〜1025のいずれかの核酸分子またはそれらの組み合わせと、転写制御配列とを含む、組換え核酸分子。 [本発明1028] 組換えベクターである、本発明1027の組換え核酸分子。 [本発明1029] 本発明1001〜1025のいずれかの核酸分子、本発明1027もしくは本発明1028の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを発現する、宿主細胞。 [本発明1030] 植物細胞、微生物細胞、および動物細胞からなる群より選択される、本発明1029の宿主細胞。 [本発明1031] 微生物細胞である、本発明1030の宿主細胞。 [本発明1032] 細菌である、本発明1031の微生物細胞。 [本発明1033] ヤブレツボカビ(thraustochytrid)である、本発明1031の微生物細胞。 [本発明1034] ヤブレツボカビがシゾキトリウム属(Schizochytrium)であるか、またはヤブレツボカビ属(Thraustochytrium)である、本発明1033の微生物細胞。 [本発明1035] 以下の段階を含む、少なくとも1つのPUFAを産生するための方法: 宿主細胞において、PUFAを産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、 該PUFAシンターゼ遺伝子が、本発明1001〜1025のいずれかの単離された核酸分子、本発明1027もしくは本発明1028の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを含み、かつ 少なくとも1種類のPUFAが産生される、段階。 [本発明1036] 宿主細胞が、植物細胞、単離された動物細胞、および微生物細胞からなる群より選択される、本発明1035の方法。 [本発明1037] 少なくとも1種類のPUFAがドコサヘキサエン酸(DHA)を含む、本発明1035の方法。 [本発明1038] 以下の段階を含む、DHAに富む脂質を産生するための方法: 宿主細胞において、脂質を産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、該PUFAシンターゼ遺伝子が、宿主細胞において、本発明1001〜1025のいずれかの単離された核酸分子、本発明1027もしくは本発明1028の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを含み、かつ DHAに富む脂質が産生される、段階。 [本発明1039] 本発明1001〜1025のいずれかの単離された核酸分子をベクター中に挿入する段階を含む、組換えベクターを作製する方法。 [本発明1040] 本発明1039の組換えベクターを宿主細胞に導入する段階を含む、組換え宿主細胞を作製する方法。 [本発明1041] 宿主細胞が、植物細胞、単離された動物細胞、および微生物細胞からなる群より選択される、本発明1040の方法。 [本発明1042] 本発明1001〜1025のいずれかのポリヌクレオチド配列によってコードされる、単離されたポリペプチド。 [本発明1043] 以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチド: (a)SEQ ID NO:2に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド; (b)SEQ ID NO:8に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性を含むポリペプチド; (c)SEQ ID NO:10に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、MAT活性を含むポリペプチド; (d)SEQ ID NO:14、16、18、20、22または24のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ACP活性を含むポリペプチド; (e)SEQ ID NO:12に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ACP活性を含むポリペプチド; (f)SEQ ID NO:26に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KR活性を含むポリペプチド;ならびに (g)SEQ ID NO:28に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド。 [本発明1044] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:2、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26および28に対して少なくとも90%同一である、本発明1043の単離されたポリペプチド。 [本発明1045] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:2、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26および28に対して少なくとも95%同一である、本発明1043の単離されたポリペプチド。 [本発明1046] それぞれ、SEQ ID NO:2、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26および28のアミノ酸配列を含む、本発明1043の単離されたポリペプチド。 [本発明1047] 以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチド: (a)SEQ ID NO:4に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性、CLF活性、AT活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド; (b)SEQ ID NO:30に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性を含むポリペプチド; (c)SEQ ID NO:32に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、CLF活性を含むポリペプチド; (d)SEQ ID NO:34に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、AT活性を含むポリペプチド;ならびに (e)SEQ ID NO:36に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ER活性を含むポリペプチド。 [本発明1048] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:4、30、32、34および36に対して少なくとも90%同一である、本発明1047の単離されたポリペプチド。 [本発明1049] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:4、30、32、34および36に対して少なくとも95%同一である、本発明1047の単離されたポリペプチド。 [本発明1050] それぞれ、SEQ ID NO:4、30、32、34および36のアミノ酸配列を含む、本発明1047の単離されたポリペプチド。 [本発明1051] 以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチド: (a)SEQ ID NO:6に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド; (b)SEQ ID NO:38に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド; (c)SEQ ID NO:40に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド;ならびに (d)SEQ ID NO:42に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ER活性を含むポリペプチド。 [本発明1052] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:6、38、40および42に対して少なくとも90%同一である、本発明1051の単離されたポリペプチド。 [本発明1053] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:6、38、40および42に対して少なくとも95%同一である、本発明1051の単離されたポリペプチド。 [本発明1054] それぞれ、SEQ ID NO:6、38、40および42のアミノ酸配列を含む、本発明1051の単離されたポリペプチド。 [本発明1055] 融合ポリペプチドである、本発明1042〜1054のいずれかの単離されたポリペプチド。 [本発明1056] 本発明1042〜1054のいずれかのポリペプチドと、生物学的に許容される担体とを含む、組成物。 [本発明1057] 以下の段階を含む、PUFAシンターゼ活性を有する生物におけるDHAの産生を増加させる方法: 生物において、本発明1001〜1025のいずれかの単離された核酸分子、本発明1027もしくは本発明1028の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを、DHAを産生させるのに有効な条件下で発現させる段階であって、 該PUFAシンターゼ活性が、該生物において、不活性な活性もしくは消失した活性に取って代わるか、新たな活性を導入するか、または既存の活性を増強し、かつ 該生物におけるDHAの産生が増加する、段階。 [本発明1058] 以下の段階を含む、宿主細胞から脂質を単離する方法: (a)宿主細胞において、脂質を産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、PKS系が、宿主細胞において、本発明1001〜1025のいずれかの単離された核酸分子、本発明1027もしくは本発明1028の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを含む、段階、および (b)宿主細胞から脂質を単離する段階。 [本発明1059] 宿主細胞が、植物細胞、単離された動物細胞、および微生物細胞からなる群より選択される、本発明1058の方法。 [本発明1060] 脂質がDHAを含む、本発明1058の方法。 [本発明1061] 以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (b)SEQ ID NO:74に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がKS活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (c)SEQ ID NO:76に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がMAT活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (d)SEQ ID NO:80、82、84、86、88、90、92、94、96または98のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がACP活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (e)SEQ ID NO:78に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がACP活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (f)SEQ ID NO:100に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がKR活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに (g)SEQ ID NO:118に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。 [本発明1062] ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:68、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、118および120に対して少なくとも90%同一である、本発明1061の単離された核酸分子。 [本発明1063] ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:68、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、118および120に対して少なくとも95%同一である、本発明1061の単離された核酸分子。 [本発明1064] それぞれ、SEQ ID NO:68、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、118および120のポリヌクレオチド配列を含む、本発明1061の単離された核酸分子。 [本発明1065] 以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:69に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドが、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子; (b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:75に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがKS活性を含む、核酸分子; (c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:77に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがMAT活性を含む、核酸分子; (d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:81、83、85、87、89、91、93、95、97または99のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがACP活性を含む、核酸分子; (e)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:79に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがACP活性を含む、核酸分子; (f)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:101に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがKR活性を含む、核酸分子;ならびに (g)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:119に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子。 [本発明1066] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:69、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101および119に対して少なくとも90%同一である、本発明1065の単離された核酸分子。 [本発明1067] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:69、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101および119に対して少なくとも95%同一である、本発明1065の単離された核酸分子。 [本発明1068] ポリペプチドがそれぞれ、SEQ ID NO:69、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101および119のアミノ酸配列を含む、本発明1065の単離された核酸分子。 [本発明1069] 以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、KS活性、CLF活性、AT活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (b)SEQ ID NO:102に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がKS活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (c)SEQ ID NO:104に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がCLF活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (d)SEQ ID NO:106に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がAT活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに (e)SEQ ID NO:108に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がER活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。 [本発明1070] ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:70、102、104、106、108および121に対して少なくとも90%同一である、本発明1069の単離された核酸分子。 [本発明1071] ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:70、102、104、106、108および121に対して少なくとも95%同一である、本発明1069の単離された核酸分子。 [本発明1072] それぞれ、SEQ ID NO:70、102、104、106、108および121のポリヌクレオチド配列を含む、本発明1069の単離された核酸分子。 [本発明1073] 以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:71に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドが、KS活性、CLF活性、AT活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子; (b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:103に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがKS活性を含む、核酸分子; (c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:105に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがCLF活性を含む、核酸分子; (d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:107に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがAT活性を含む、核酸分子;ならびに (e)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:109に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがER活性を含む、核酸分子。 [本発明1074] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:71、103、105、107および109に対して少なくとも90%同一である、本発明1073の単離された核酸分子。 [本発明1075] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:71、103、105、107および109に対して少なくとも95%同一である、本発明1073の単離された核酸分子。 [本発明1076] ポリペプチドがそれぞれ、SEQ ID NO:71、103、105、107および109のアミノ酸配列を含む、本発明1073の単離された核酸分子。 [本発明1077] 以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列が、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (b)SEQ ID NO:110に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子; (c)SEQ ID NO:112に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がDH活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子;ならびに (d)SEQ ID NO:114に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリヌクレオチド配列がER活性を含むポリペプチドをコードする、核酸分子。 [本発明1078] ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:72、110、112、114および122に対して少なくとも90%同一である、本発明1077の単離された核酸分子。 [本発明1079] ポリヌクレオチド配列がそれぞれ、SEQ ID NO:72、110、112、114および122に対して少なくとも95%同一である、本発明1077の単離された核酸分子。 [本発明1080] それぞれ、SEQ ID NO:72、110、112、114および122のポリヌクレオチド配列を含む、本発明1077の単離された核酸分子。 [本発明1081] 以下のものからなる群より選択される、単離された核酸分子: (a)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:73に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、核酸分子; (b)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:111に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子; (c)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:113に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがDH活性を含む、核酸分子;ならびに (d)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチドがSEQ ID NO:115に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつ該ポリペプチドがER活性を含む、核酸分子。 [本発明1082] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:73、111、113および115に対して少なくとも90%同一である、本発明1081の単離された核酸分子。 [本発明1083] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:73、111、113および115に対して少なくとも95%同一である、本発明1081の単離された核酸分子。 [本発明1084] ポリペプチドがそれぞれ、SEQ ID NO:73、111、113および115のアミノ酸配列を含む、本発明1081の単離された核酸分子。 [本発明1085] KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、CLF活性、AT活性、ER活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子であって、 該ポリヌクレオチドが、本発明1061〜1084のいずれかのポリヌクレオチド配列の相補物と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、単離された核酸分子。 [本発明1086] 本発明1061〜1084のいずれかのポリヌクレオチド配列に対して完全に相補的なポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。 [本発明1087] 本発明1061〜1085のいずれかの核酸分子またはそれらの組み合わせと、転写制御配列とを含む、組換え核酸分子。 [本発明1088] 組換えベクターである、本発明1087の組換え核酸分子。 [本発明1089] 本発明1061〜1085のいずれかの核酸分子、本発明1087もしくは本発明1088の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを発現する、宿主細胞。 [本発明1090] 植物細胞、微生物細胞、および動物細胞からなる群より選択される、本発明1089の宿主細胞。 [本発明1091] 微生物細胞である、本発明1090の宿主細胞。 [本発明1092] 細菌である、本発明1091の微生物細胞。 [本発明1093] ヤブレツボカビである、本発明1091の微生物細胞。 [本発明1094] ヤブレツボカビがシゾキトリウム属であるか、またはヤブレツボカビ属である、本発明1093の微生物細胞。 [本発明1095] 以下の段階を含む、少なくとも1種類のPUFAを産生するための方法: 宿主細胞において、PUFAを産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、 該PUFAシンターゼ遺伝子が、本発明1061〜1085のいずれかの単離された核酸分子、本発明1087もしくは本発明1088の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを含み、かつ 少なくとも1種類のPUFAが産生される、段階。 [本発明1096] 宿主細胞が、植物細胞、単離された動物細胞、および微生物細胞からなる群より選択される、本発明1095の方法。 [本発明1097] 少なくとも1種類のPUFAがDHAまたはエイコサペンタエン酸(EPA)を含む、本発明1095の方法。 [本発明1098] 以下の段階を含む、DHA、EPA、またはそれらの組み合わせに富む脂質を産生するための方法: 宿主細胞において、脂質を産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、該PUFAシンターゼ遺伝子が、宿主細胞において、本発明1061〜1085のいずれかの単離された核酸分子、本発明1087もしくは本発明1088の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを含み、かつ DHA、EPA、またはそれらの組み合わせに富む脂質が産生される、段階。 [本発明1099] 本発明1061〜1085のいずれかの単離された核酸分子をベクター中に挿入する段階を含む、組換えベクターを作製する方法。 [本発明1100] 本発明1099の組換えベクターを宿主細胞に導入する段階を含む、組換え宿主細胞を作製する方法。 [本発明1101] 宿主細胞が、植物細胞、単離された動物細胞、および微生物細胞からなる群より選択される、本発明1100の方法。 [本発明1102] 本発明1061〜1085のいずれかのポリヌクレオチド配列によってコードされる、単離されたポリペプチド。 [本発明1103] 以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチド: (a)SEQ ID NO:69に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド; (b)SEQ ID NO:75に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性を含むポリペプチド; (c)SEQ ID NO:77に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、MAT活性を含むポリペプチド; (d)SEQ ID NO:81、83、85、87、89、91、93、95、97または99のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ACP活性を含むポリペプチド; (e)SEQ ID NO:79に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ACP活性を含むポリペプチド; (f)SEQ ID NO:101に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KR活性を含むポリペプチド;ならびに (g)SEQ ID NO:119に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド。 [本発明1104] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:69、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101および119に対して少なくとも90%同一である、本発明1103の単離されたポリペプチド。 [本発明1105] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:69、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101および119に対して少なくとも95%同一である、本発明1103の単離されたポリペプチド。 [本発明1106] それぞれ、SEQ ID NO:69、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101および119のアミノ酸配列を含む、本発明1103の単離されたポリペプチド。 [本発明1107] 以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチド: (a)SEQ ID NO:71に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性、CLF活性、AT活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド; (b)SEQ ID NO:103に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性を含むポリペプチド; (c)SEQ ID NO:105に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、CLF活性を含むポリペプチド; (d)SEQ ID NO:107に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、AT活性を含むポリペプチド;ならびに (e)SEQ ID NO:109に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ER活性を含むポリペプチド。 [本発明1108] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:71、103、105、107および109に対して少なくとも90%同一である、本発明1107の単離されたポリペプチド。 [本発明1109] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:71、103、105、107および109に対して少なくとも95%同一である、本発明1107の単離されたポリペプチド。 [本発明1110] それぞれ、SEQ ID NO:71、103、105、107および109のアミノ酸配列を含む、本発明1107の単離されたポリペプチド。 [本発明1111] 以下のものからなる群より選択される、単離されたポリペプチド: (a)SEQ ID NO:73に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチド; (b)SEQ ID NO:111に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド; (c)SEQ ID NO:113に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチド;ならびに (d)SEQ ID NO:115に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ER活性を含むポリペプチド。 [本発明1112] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:73、111、113および115に対して少なくとも90%同一である、本発明1111の単離されたポリペプチド。 [本発明1113] アミノ酸配列がそれぞれ、SEQ ID NO:73、111、113および115に対して少なくとも95%同一である、本発明1111の単離されたポリペプチド。 [本発明1114] それぞれ、SEQ ID NO:73、111、113および115のアミノ酸配列を含む、本発明1111の単離されたポリペプチド。 [本発明1115] 融合ポリペプチドである、本発明1102〜1114のいずれかの単離されたポリペプチド。 [本発明1116] 本発明1102〜1114のいずれかのポリペプチドと、生物学的に許容される担体とを含む、組成物。 [本発明1117] 以下の段階を含む、PUFAシンターゼ活性を有する生物におけるDHA、EPA、またはそれらの組み合わせの産生を増加させる方法: 生物において、本発明1061〜1085のいずれかの単離された核酸分子、本発明1087もしくは本発明1088の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを、DHA、EPA、またはそれらの組み合わせを産生させるのに有効な条件下で発現させる段階であって、 該PUFAシンターゼ活性が、該生物において、不活性な活性もしくは消失した活性に取って代わるか、新たな活性を導入するか、または既存の活性を増強し、かつ 該生物におけるDHA、EPA、またはそれらの組み合わせの産生が増加する、段階。 [本発明1118] 以下の段階を含む、宿主細胞から脂質を単離する方法: (a)宿主細胞において脂質を産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、PKS系が、宿主細胞において、本発明1061〜1085のいずれかの単離された核酸分子、本発明1087もしくは本発明1088の組換え核酸分子、またはそれらの組み合わせを含む、段階、および (b)宿主細胞から脂質を単離する段階。 [本発明1119] 宿主細胞が、植物細胞、単離された動物細胞、および微生物細胞からなる群より選択される、本発明1118の方法。 [本発明1120] 脂質がDHA、EPA、またはそれらの組み合わせを含む、本発明1118の方法。

本発明のシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PUFAシンターゼの遺伝子構成を示している。

本発明のヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PUFAシンターゼの遺伝子構成を示している。

本発明のシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695およびヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212のPUFAシンターゼ、ならびにシゾキトリウム属種ATCC 20888、ヤブレツボカビ属種ATCC 20892、スラウストキトリウム・アウレウム、およびSAM2179由来のシンターゼのドメイン構成を示している。

本発明のシゾキトリウム属種(Sch. sp.)ATCC PTA-9695 Pfa1pのアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)およびヤブレツボカビ属種(Thr. sp.)ATCC PTA-10212 Pfa1pのアミノ酸配列(SEQ ID NO:69)と、シゾキトリウム属種ATCC 20888(SEQ ID NO:54)およびヤブレツボカビ属種ATCC 20892(SEQ ID NO:56)由来のOrfA配列、ならびにスラウストキトリウム・アウレウム(Thr. aureum)由来のORF A配列(SEQ ID NO:55)とのアラインメントを示している。

図4-1の続きを示している。

図4-2の続きを示している。

図4-3の続きを示している。

図4-4の続きを示している。

図4-5の続きを示している。

図4-6の続きを示している。

本発明のシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2pのアミノ酸配列(SEQ ID NO:4)およびヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2pのアミノ酸配列(SEQ ID NO:71)と、シゾキトリウム属種ATCC 20888由来(SEQ ID NO:57)およびヤブレツボカビ属種ATCC 20892由来(SEQ ID NO:58)のOrfB配列、ならびにスラウストキトリウム・アウレウム由来のORF B配列(SEQ ID NO:59)とのアラインメントを示している。

図5-1の続きを示している。

図5-2の続きを示している。

図5-3の続きを示している。

図5-4の続きを示している。

本発明のシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa3pのアミノ酸配列(SEQ ID NO:6)およびヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa3pのアミノ酸配列(SEQ ID NO:73)と、シゾキトリウム属種ATCC 20888由来(SEQ ID NO:61)およびヤブレツボカビ属種ATCC 20892由来(SEQ ID NO:60)のOrfC配列とのアラインメントを示している。

図6-1の続きを示している。

図6-2の続きを示している。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1)を示している。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1pのアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)を示している。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:3)を示している。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2pのアミノ酸配列(SEQ ID NO:4)を示している。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:5)を示している。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa3pのアミノ酸配列(SEQ ID NO:6)を示している。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:68)を示している。

図13-1の続きを示している。

シゾキトリウム属における発現のためにコドンが最適化された、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:120)を示している。

図14-1の続きを示している。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa1pのアミノ酸配列(SEQ ID NO:69)を示している。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:70)を示している。

図16-1の続きを示している。。

シゾキトリウム属における発現のためにコドンが最適化された、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:121)を示している。

図17-1の続きを示している。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2pのアミノ酸配列(SEQ ID NO:71)を示している。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:72)を示している。

シゾキトリウム属における発現のためにコドンが最適化された、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:122)を示している。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa3pのアミノ酸配列(SEQ ID NO:73)を示している。

シゾキトリウム属に関するコドン使用頻度の表を示している。

発明の詳細な説明 本発明は、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、またはそれらの組み合わせに富むPUFAを含むPUFAの産生に関与する、多価不飽和脂肪酸(PUFA)シンターゼの単離された核酸分子およびポリペプチドを対象とする。本発明は、それらの核酸分子を含むベクターおよび宿主細胞、それらの核酸分子によってコードされるポリペプチド、それらの核酸分子またはポリペプチドを含む組成物、ならびにそれらの作製方法および使用を対象とする。

PUFAシンターゼ 本明細書で用いる場合、「PUFAシンターゼ」という用語は、多価不飽和脂肪酸の産生に関与する酵素のことを指す。例えば、Metz et al., Science 293:290-293 (2001)を参照。

本発明は、一部には、Pfa1p(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)、Pfa2p(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)およびPfa3p(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)と名付けられた3種のPUFAシンターゼサブユニット、さらにはPFA1(SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120)、PFA2(SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121)およびPFA3(SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122)と名付けられたそれらのサブユニットをコードする遺伝子を対象とする。図1〜3および7〜21を参照。他のヤブレツボカビにおけるPUFAシンターゼも、それぞれORF 1、ORF 2およびORF 3と、またはそれぞれOrfA、OrfBおよびOrfCと称される。例えば、orfA、orfBおよびorfC遺伝子ならびに対応するOrfA、OrfBおよびOrfCタンパク質に言及している米国特許第7,247,461号および第7,256,022号におけるシゾキトリウム属(ATCC 20888)およびヤブレツボカビ属(ATCC 20892)、ならびにORF A、ORF BおよびORF C遺伝子およびタンパク質に言及している米国特許第7,368,552号におけるスラウストキトリウム・アウレウム(ATCC 34304)を参照。同じく、ORF 1、ORF 2およびORF 3遺伝子およびタンパク質に言及している国際公開公報第2005/097982号におけるSAM2179菌株も参照のこと。

核酸分子 本発明は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2009年3月19日に提出された同時係属中の米国特許出願第12/407,687号の主題である、分離された微生物に由来する、PUFAシンターゼ遺伝子およびドメインに対するポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を対象とする。これらの微生物は、ブダペスト条約に従って、American Type Culture Collection, Patent Depository, 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110-2209に2009年1月7日に寄託され、ATCCアクセッション番号PTA-9695が割り当てられており、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695とも呼ばれる。発現されると、これらの遺伝子は、ω-3脂肪酸のレベルが高いこと、特にDHAのレベルが高いことを特徴の1つとする、独特の脂肪酸プロフィールを生じる。

本発明は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2010年1月19日に提出された同時係属中の米国特許出願第61/296,456号の主題である、分離された微生物に由来する、PUFAシンターゼ遺伝子およびドメインのポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を対象とする。これらの微生物は、ブダペスト条約に従って、American Type Culture Collection, Patent Depository, 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110-2209に2009年7月14日に寄託され、ATCCアクセッション番号PTA-10212が割り当てられており、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212とも呼ばれる。発現されると、これらの遺伝子は、ω-3脂肪酸のレベルが高いこと、特にDHA、EPA、またはそれらの組み合わせのレベルが高いことを特徴の1つとする独特な脂肪酸プロフィールを生じる。

本明細書で用いる場合、「ポリヌクレオチド」は、通常のホスホジエステル結合、または通常と異なる結合(例えば、ペプチド核酸(PNA)に見られるようなアミド結合)を含みうる。ポリヌクレオチドは、5'および3'非翻訳配列、コード配列を含む完全長cDNA配列のヌクレオチド配列のほか、核酸配列の断片、エピトープ、ドメインおよび変異体も含みうる。ポリヌクレオチドは任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドで構成されてよく、それは非修飾性のRNAもしくはDNA、または修飾されたRNAもしくはDNAでありうる。例えば、ポリヌクレオチドは、一本鎖および二本鎖のDNA、一本鎖領域および二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖RNA、ならびに一本鎖領域および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖、もしくはより典型的には二本鎖であり、または一本鎖領域および二本鎖領域の混合物であってもよいDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子で構成されうる。加えて、ポリヌクレオチドは、RNAもしくはDNA、またはRNAおよびDNAの両方を含む三本鎖領域で構成されてもよい。ポリヌクレオチドは、リボヌレオシド(アデノシン、グアノシン、ウリジンまたはシチジン;「RNA分子」)またはデオキシリボヌレオシド(デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシチミジンまたはデオキシシチジン;「DNA分子」)、またはそれらの任意のホスホエステル類似体、例えばホスホロチオエートおよびチオエステルなどを含みうる。ポリヌクレオチドはまた、1つまたは複数の修飾塩基、または安定性のため、もしくは他の理由のために修飾されたDNA骨格もしくはRNA骨格を含むこともできる。「修飾」塩基には、例えば、トリチル化塩基、およびイノシンのような通常ではない塩基が含まれる。種々の修飾をDNAおよびRNAに加えることができる;それ故に「ポリヌクレオチド」は、化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態を包含する。核酸分子という用語は、分子の一次構造および二次構造のみのことを指し、それを何らかの特定の三次形態に限定することはない。したがって、この用語は、とりわけ、直鎖状または環状DNA分子(例えば、制限断片)、プラスミドおよび染色体に認められる二本鎖DNAを含む。特定の二本鎖DNA分子の構造について考察する際に、本明細書では配列を、DNAの非転写鎖(すなわち、mRNAと相同な配列を有する鎖)に沿って5'から3'への向きの配列のみを表示するという通常の慣習に従って記載する場合がある。

「単離された」核酸分子という用語は、その自然の環境から取り出された核酸分子、DNAまたはRNAのことを指す。単離された核酸分子のさらなる例には、異種宿主細胞内に維持された組換えポリヌクレオチドを含む核酸分子、または溶液中にある(部分的もしくは実質的に)精製されたポリヌクレオチドが含まれる。単離されたRNA分子には、本発明のポリヌクレオチドのインビボまたはインビトロでのRNA転写物が含まれる。本発明による単離された核酸分子には、合成により生成されたそのような分子もさらに含まれる。加えて、核酸分子またはポリヌクレオチドは、プロモーター、リボソーム結合部位または転写ターミネーターなどの調節エレメントも含むことができる。

「遺伝子」は、ポリペプチドをコードするヌクレオチドの集合体のことを指し、これにはcDNAおよびゲノムDNA核酸が含まれる。「遺伝子」はまた、個々のコードセグメント(エクソン)の間の介在配列(イントロン)、ならびにコード配列の前(5'非コード配列)および後(3'非コード配列)にある調節配列を含む、特定のタンパク質を発現する核酸断片のことも指す。「ネイティブ遺伝子」とは、それ自体の調節配列とともに天然に認められる遺伝子のことを指す。

本発明は、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1(SEQ ID NO:1)、シゾキトリウム属種ATCC PTA9695 PFA2(SEQ ID NO:3)、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3(SEQ ID NO:5)、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1(SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120)、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2(SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121)、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3(SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122)のポリヌクレオチド配列およびそれらの組み合わせに対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子であって、そのポリヌクレオチドが、1つまたは複数のPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、該単離された核酸分子を対象とする。

これらのPUFAシンターゼ活性は各シンターゼポリペプチド中の1つまたは複数のドメインと関連しており、それらのドメインはそれらの保存された構造的または機能的モチーフにより、公知のモチーフとのそれらの相同性に基づいて同定することができ、かつ、また、それらの特異的な生化学活性に基づいて同定することもできる。例えば、米国特許第7,217,856号を参照されたく、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。PUFAシンターゼドメインの例には、以下のものが含まれる:Pfa1pにおけるβ-ケトアシル-ACPシンターゼ(KS)ドメイン、マロニル-CoA:ACPアシルトランスフェラーゼ(MAT)ドメイン、アシルキャリアータンパク質(ACP)ドメイン、ケトレダクターゼ(KR)ドメインおよびβ-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ(DH)ドメイン;Pfa2pにおけるKSドメイン、鎖長因子(CLF)ドメイン、アシルトランスフェラーゼ(AT)ドメインおよびエノイル-ACPレダクターゼ(ER)ドメイン;ならびにPfa3pにおけるDHドメインおよびERドメイン。

β-ケトアシル-ACPシンターゼ(KS)生物活性(機能)を有するポリペプチド、またはポリペプチドのドメインは、脂肪酸伸長反応サイクルの初期段階を遂行しうることが以前に示されている。「β-ケトアシル-ACPシンターゼ」という用語は、「3-ケトアシル-ACPシンターゼ」、「β-ケトアシル-ACPシンターゼ」および「ケト-アシルACPシンターゼ」という用語と互換的に用いられている。他の系において、伸長のためのアシル基は、KSの活性部位にあるシステイン残基とチオエステル結合によって連結され、アシル-KSがマロニル-ACPとの縮合を受けて、-ケトアシル-ACP、CO2、および非結合(「遊離」)KSを生成することが示されている。そのような系において、KSは反応サイクルの他のポリペプチドよりも高い基質特異性を有することが示されている。ポリペプチド(またはポリペプチドのドメイン)は、公知のKS配列との相同性により、KSファミリーに属すると容易に同定することができる。

マロニル-CoA:ACPアシルトランスフェラーゼ(MAT)活性を有するポリペプチド、またはポリペプチドのドメインは、マロニル部分をマロニル-CoAからACPに転移させうることが以前に示されている。「マロニル-CoA:ACPアシルトランスフェラーゼ」という用語は、「マロニルアシルトランスフェラーゼ」と互換的に用いられている。活性部位モチーフ(GxSxG)に加えて、MATは延長モチーフ(鍵となる位置におけるRおよびQアミノ酸)も有することが示されている。ポリペプチド(またはポリペプチドのドメイン)は、公知のMAT配列とのそれらの相同性により、およびそれらの延長モチーフ構造により、MATファミリーに属すると容易に同定することができる。

アシルキャリアータンパク質(ACP)活性を有するポリペプチド、またはポリペプチドのドメインは、共有結合した補因子に対するチオエステル結合を介して脂肪酸アシル鎖を成長させる担体として機能しうることが以前に示されている。ACPは典型的には約80〜約100アミノ酸長であり、CoAのホスホパンテテイニル(phosphopantetheinyl)部分の、ACPの高度に保存されたセリン残基への転移により、不活性なアポ型から機能性のホロ型に変換されることが示されている。また、アシル基が、ホスホパンテテイニル部分の遊離末端でのチオエステル結合によってACPに結びつけられることも示されている。活性部位モチーフ(LGIDS*)の変形物の存在も、ACPのシグネチャーとして認知されている。活性部位セリン(S*)の機能性は細菌PUFAシンターゼにおいて実証されている(Jiang et al., J. Am. Chem. Soc. 130:6336-7 (2008))。ポリペプチド(またはポリペプチドのドメイン)は、放射性パンテテインによる標識により、および公知のACPとの配列相同性により、ACPファミリーに属すると容易に同定することができる。

デヒドラーゼ活性またはデヒドラターゼ(DH)活性を有するポリペプチド、またはポリペプチドのドメインは、脱水反応を触媒しうることが以前に示されている。DH活性に対する言及は、典型的には、FabA様β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ生物活性のことを指す。FabA様β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ生物活性は、β-ケトアシル-ACPからHOHを除去して、初めに炭素鎖の中にトランス二重結合を生じさせる。「FabA様β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ」という用語は、「FabA様β-ヒドロキシ アシル-ACPデヒドラーゼ」、「β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ」および「デヒドラーゼ」という用語と互換的に用いられている。PUFAシンターゼ系のDHドメインは、(他のPKS系のDHドメインに対してよりもむしろ)FAS系と関連のある細菌DH酵素に対して相同性を示すことが実証されている。例えば、米国特許第7,217,856号を参照されたく、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。細菌DHのサブセットであるFabA様DHは、シス-トランスイソメラーゼ活性を有する(Heath et al., J. Biol. Chem., 271, 27795 (1996))。FabA様DHタンパク質との相同性に基づけば、PUFAシンターゼ系DHドメインの1つまたはすべてが、PUFAシンターゼの生成物におけるシス二重結合の挿入の原因である可能性がある。また、ポリペプチドまたはドメインが、非FabA様DH活性、または非FabA様β-ヒドロキシアシル-ACPデヒドラーゼ(DH)活性を有してもよい。より具体的には、約13アミノ酸長の保存された活性部位モチーフがPUFAシンターゼDHドメイン中に以前に同定されている:LxxHxxxGxxxxP(このモチーフ中のLの位置はIでもありうる)。例えば、米国特許第7,217,856号、およびDonadio S, Katz L., Gene 111(1):51-60 (1992)を参照されたく、これらはそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。この保存されたモチーフは公知のすべてのPUFAシンターゼ配列の類似の領域内に認められ、非FabA様の脱水の原因である可能性がある。

β-ケトアシル-ACPレダクターゼ(KR)活性を有するポリペプチド、またはポリペプチドのドメインは、3-ケトアシル型のACPのピリジン-ヌクレオチド依存的還元を触媒しうることが以前に示されている。「β-ケトアシル-ACPレダクターゼ」という用語は、「ケトレダクターゼ」、「3-ケトアシル-ACPレダクターゼ」および「ケト-アシルACPレダクターゼ」という用語と互換的に用いられている。他の系において、KRの機能がデノボ脂肪酸生合成伸長サイクルにおける第1の還元段階にかかわることが明らかにされている。ポリペプチド(またはポリペプチドのドメイン)は、公知のPUFAシンターゼKRとの配列相同性により、KRファミリーに属すると容易に同定することができる。

鎖長因子(CLF)活性を有するポリペプチド、またはポリペプチドのドメインは、以下の活性または特徴の1つまたは複数を有するとして以前に定義されている:(1)伸長サイクルの数を判別し、それ故に最終生成物の鎖長を判別することができる、(2)KSとの相同性を有するが、KS活性部位システインを持たない、(3)KSとヘテロ二量体化することができる、(4)伸長される最初のアシル基を与えることができる、または(5)マロネート(malonate)(マロニル-ACPとして)からカルボキシル基を除去して、それにより、KS活性部位への転移が可能でありかつ最初の伸長(縮合)反応を受ける「プライミング」分子として作用しうる酢酸基(acetate group)を、生成することができる。CLFドメインは、現時点で同定されているすべてのPUFAシンターゼ系で見いだされており、いずれの場合にも多ドメインタンパク質の一部として見いだされる。ポリペプチド(またはポリペプチドのドメイン)は、公知のPUFAシンターゼCLFとの配列相同性により、CLFファミリーに属すると容易に同定することができる。

アシルトランスフェラーゼ(AT)活性を有するポリペプチド、またはポリペプチドのドメインは、以下の活性または特徴の1つまたは複数を有するとして以前に定義されている:(1)脂肪酸アシル基をACPドメインから水に転移させて(すなわち、チオエステラーゼ)、脂肪酸アシル基を遊離脂肪酸として放出させることができる、(2)脂肪酸アシル基をCoAなどのアクセプターに転移させることができる、(3)さまざまなACPドメイン間でアシル基を転移させることができる、または(4)脂肪酸アシル基を親油性アクセプター分子(例えば、リゾホスファチジン酸)に転移させることができる。ポリペプチド(またはポリペプチドのドメイン)は、公知のPUFAシンターゼATとの配列相同性により、ATファミリーに属すると容易に同定することができる。

エノイル-ACPレダクターゼ(ER)生物活性を有するポリペプチド、またはポリペプチドのドメインは、脂肪酸アシル-ACPにおけるトランス二重結合(DH活性によって導入された)を還元し、関連する炭素の飽和をもたらすことが以前に示されている。PUFAシンターゼ系におけるERドメインは、ER酵素のファミリーとの相同性を有することが以前に示されており(Heath et al., Nature 406: 145-146 (2000)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)、ERホモログはインビトロでエノイル-ACPレダクターゼとして機能することが示されている(Bumpus et al. J. Am. Chem. Soc., 130: 11614-11616 (2008)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。「エノイル-ACPレダクターゼ」という用語は、「エノイルレダクターゼ」、「エノイルACP-レダクターゼ」および「エノイルアシル-ACPレダクターゼ」と互換的に用いられている。ポリペプチド(またはポリペプチドのドメイン)は、公知のPUFAシンターゼERとの配列相同性により、ERファミリーに属すると容易に同定することができる。

いくつかの態様において、本発明は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードするPFA1内部のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120)に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子を対象とする。いくつかの態様において、核酸分子は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、KSドメイン(SEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:74)、MATドメイン(SEQ ID NO:9またはSEQ ID NO:76)、ACPドメイン(SEQ ID NO:13、15、17、19、21、23、80、82、84、86、88、90、92、94、96または98のうちいずれか1つなど)、2つまたはそれ以上のACPドメインの組み合わせ、例えば、縦列ドメイン(SEQ ID NO:11またはSEQ ID NO:78およびそれらの部分)を含む、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個のACPドメインなど、KRドメイン(SEQ ID NO:25またはSEQ ID NO:100)、DHドメイン(SEQ ID NO:27またはSEQ ID NO:118)およびそれらの組み合わせなどをコードするPFA1内部のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120)に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、核酸分子は2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列を含み、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列のそれぞれは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードするPFA1内部のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードするSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120の内部の同じポリヌクレオチド配列に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列は、それぞれが1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードするSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120の内部の異なるポリヌクレオチド配列に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120の内部の異なるポリヌクレオチド配列に対して80%同一であり、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120の内部の対応する配列の順序と比較して、核酸配列中に同じ順序または異なる順序で位置する。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列のそれぞれは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、KSドメイン(SEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:74)、MATドメイン(SEQ ID NO:9またはSEQ ID NO:76)、ACPドメイン(SEQ ID NO:13、15、17、19、21、23、80、82、84、86、88、90、92、94、96または98のいずれか1つなど)、縦列ドメイン(SEQ ID NO:11またはSEQ ID NO:78およびそれらの部分)を含む、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個のACPドメインの組み合わせ、KRドメイン(SEQ ID NO:25またはSEQ ID NO:100)、DHドメイン(SEQ ID NO:27またはSEQ ID NO:118)およびそれらの組み合わせなどをコードするPFA1内部のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120)に対して80%同一である。いくつかの態様において、核酸分子は、任意の個々のドメインの1つまたは複数のコピーと任意の他の個々のドメインの1つまたは複数のコピーとの組み合わせを含む、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードする、PFA1内部の1つまたは複数のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120)を含む。

いくつかの態様において、本発明は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードするPFA2内部のポリヌクレオチド配列に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121)を含む核酸分子を対象とする。いくつかの態様において、これらの核酸分子は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、KSドメイン(SEQ ID NO:29またはSEQ ID NO:102)、CLFドメイン(SEQ ID NO:31またはSEQ ID NO:104)、ATドメイン(SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:106)、ERドメイン(SEQ ID NO:35またはSEQ ID NO:108)およびそれらの組み合わせなどをコードするPFA2内部のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121)に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、核酸分子は2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列をコードし、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列のそれぞれは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードするPFA2内部のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードするSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121の内部の同じポリヌクレオチド配列に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列は、それぞれが1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードするSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121の内部の異なるポリヌクレオチド配列に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121の内部の異なるポリヌクレオチド配列に対して80%同一であり、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121の内部の対応する配列の順序と比較して、核酸分子中に同じ順序または異なる順序で位置する。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列のそれぞれは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、KSドメイン(SEQ ID NO:29またはSEQ ID NO:102)、CLFドメイン(SEQ ID NO:31またはSEQ ID NO:104)、ATドメイン(SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:106)、ERドメイン(SEQ ID NO:35またはSEQ ID NO:108)およびそれらの組み合わせなどをコードするPFA2内部のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121)に対して80%同一である。いくつかの態様において、核酸分子は、任意の個々のドメインの1つまたは複数のコピーと任意の他の個々のドメインの1つまたは複数のコピーとの組み合わせを含む、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードする、PFA2内部の1つまたは複数のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121)を含む。

いくつかの態様において、本発明は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードするPFA3内部のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122)に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子を対象とする。いくつかの態様において、核酸分子は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、DHドメイン(SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:110またはSEQ ID NO:112など)、ERドメイン(SEQ ID NO:41またはSEQ ID NO:114)およびそれらの組み合わせなどをコードするPFA3内部のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122)に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、核酸分子は2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列を含み、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列のそれぞれは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードするPFA3内部のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードするSEQ ID NO:5、SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122の内部の同じポリヌクレオチド配列に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列は、それぞれが1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードするSEQ ID NO:5、SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122の内部の異なるポリヌクレオチド配列に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122の内部の異なるポリヌクレオチド配列に対して80%同一であり、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122の内部の対応する配列と比較して、核酸分子中に同じ順序または異なる順序で位置する。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列のそれぞれは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、DHドメイン(SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:110またはSEQ ID NO:112など)、ERドメイン(SEQ ID NO:41またはSEQ ID NO:114)およびそれらの組み合わせなどをコードするPFA3内部のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122)に対して80%同一である。いくつかの態様において、核酸分子は、任意の個々のドメインの1つまたは複数のコピーと任意の他の個々のドメインの1つまたは複数のコピーとの組み合わせを含む、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードする、PFA3内部の1つまたは複数のポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122)を含む。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:68またはSEQ ID NO:120に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:74に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、KS活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:9またはSEQ ID NO:76に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、MAT活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:13、15、17、19、21、23、80、82、84、86、88、90、92、94、96または98のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、ACP活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:11またはSEQ ID NO:78に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、ACP活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、核酸分子は、1個、2個、3個、4個、5個または6個のACPドメインをコードするSEQ ID NO:11内部のポリヌクレオチド配列に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含み、そのポリヌクレオチド配列は、1つまたは複数のACPドメインに付随するACP活性を含むポリペプチドをコードする。SEQ ID NO:13、15、17、19、21および23は、それぞれがSEQ ID NO:11内部の単一のACPドメインをコードする、代表的なポリヌクレオチド配列である。

いくつかの態様において、核酸分子は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個のACPドメインをコードするSEQ ID NO:78内部のポリヌクレオチド配列に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含み、そのポリヌクレオチド配列は1つまたは複数のACPドメインに付随するACP活性を含むポリペプチドをコードする。SEQ ID NO:80、82、84、86、88、90、92、94、96および98は、それぞれがSEQ ID NO:78内部の単一のACPドメインをコードする、代表的なポリヌクレオチド配列である。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:25またはSEQ ID NO:100に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、KR活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:27またはSEQ ID NO:118に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、DH活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:70またはSEQ ID NO:121に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、KS活性、CLF活性、AT活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:29またはSEQ ID NO:102に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、KS活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:31またはSEQ ID NO:104に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、CLF活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:106に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、AT活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:35またはSEQ ID NO:108に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、ER活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:72またはSEQ ID NO:122に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:37に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、DH活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:39に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、DH活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:110に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、DH活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:112に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、DH活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:41またはSEQ ID NO:114に対して少なくとも80%同一なポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリヌクレオチド配列が、ER活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子であって、そのポリペプチドが、Pfa1p(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)、Pfa2p(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)またはPfa3p(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含み、そのポリヌクレオチドが1つまたは複数のPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードする、該核酸分子を対象とする。

本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、本発明のPUFAシンターゼの1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa1p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含む、該核酸分子を対象とする。いくつかの態様において、ポリペプチドは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、KSドメイン(SEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:75)、MATドメイン(SEQ ID NO:10またはSEQ ID NO:77)、ACPドメイン(SEQ ID NO:14、16、18、20、22、24、81、83、85、87、89、91、93、95、97または99のいずれか1つなど)、2つまたはそれ以上のACPドメインの組み合わせ、例えば、縦列ドメイン(SEQ ID NO:12またはSEQ ID NO:79およびそれらの部分)を含む、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個のACPドメインなど、KRドメイン(SEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:101)、DHドメイン(SEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:119)およびそれらの組み合わせなどを含むPfa1p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、ポリペプチドは2つまたはそれ以上のアミノ酸配列を含み、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列のそれぞれは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa1p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa1p内部の同じアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、それぞれが1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa1p内部の異なるアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa1p内部の異なるアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して80%同一であり、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa1p内部の対応するドメイン(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)の順序と比較して、ポリペプチド中に同じ順序または異なる順序で位置する。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、KSドメイン(SEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:75)、MATドメイン(SEQ ID NO:10またはSEQ ID NO:77)、ACPドメイン(SEQ ID NO:14、16、18、20、22、24、81、83、85、87、89、91、93、95、97または99のいずれか1つなど)、縦列ドメイン(SEQ ID NO:12またはSEQ ID NO:79およびそれらの部分)を含む、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個のACPドメインの組み合わせ、KRドメイン(SEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:101)、DHドメイン(SEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:119)およびそれらの組み合わせなどを含むPfa1p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して80%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドは、任意の個々のドメインの1つまたは複数のコピーと任意の他の個々のドメインの1つまたは複数のコピーとの組み合わせを含む、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa1p内部の1つまたは複数のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)を含む。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa2p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含む、該核酸分子を対象とする。いくつかの態様において、ポリペプチドは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えばKSドメイン(SEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:103)、CLFドメイン(SEQ ID NO:32またはSEQ ID NO:105)、ATドメイン(SEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:107)、ERドメイン(SEQ ID NO:36またはSEQ ID NO:109)およびそれらの組み合わせなどを含むPfa2p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、ポリペプチドは2つまたはそれ以上のアミノ酸配列を含み、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列のそれぞれは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa2p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa2p内部の同じアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、それぞれが1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa2p内部の異なるアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa2p内部の異なるアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して80%同一であり、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa2p内部の対応するドメイン(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)と比較して、ポリペプチド中に同じ順序または異なる順序で位置する。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、KSドメイン(SEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:103)、CLFドメイン(SEQ ID NO:32またはSEQ ID NO:105)、ATドメイン(SEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:107)、ERドメイン(SEQ ID NO:36またはSEQ ID NO:109)およびそれらの組み合わせなどを含むPfa2p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して80%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドは、任意の個々のドメインの1つまたは複数のコピーと任意の他の個々のドメインの1つまたは複数のコピーとの組み合わせを含む、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa2p内部の1つまたは複数のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)を含む。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa3p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含む、該核酸分子を対象とする。いくつかの態様において、ポリペプチドは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、DHドメイン(SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:111またはSEQ ID NO:113など)、ERドメイン(SEQ ID NO:42またはSEQ ID NO:115)およびそれらの組み合わせなどを含むPfa3p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、ポリペプチドは2つまたはそれ以上のアミノ酸配列を含み、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列のそれぞれは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa3p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa3p内部の同じアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、それぞれが1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa3p内部の異なるアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa3p内部の異なるアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して80%同一であり、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa3p内部の対応するドメイン(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)の順序と比較して、ポリペプチド中に同じ順序または異なる順序で位置する。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、DHドメイン(SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:111またはSEQ ID NO:113など)、ERドメイン(SEQ ID NO:42またはSEQ ID NO:115)およびそれらの組み合わせなどを含むPfa3p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して80%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドは、任意の個々のドメインの1つまたは複数のコピーと任意の他の個々のドメインの1つまたは複数のコピーとの組み合わせを含む、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa3p内部の1つまたは複数のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)を含む。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドが、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせを含むPUFAシンターゼ活性からなる群より選択される、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:75に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがKS活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドがSEQ ID NO:10またはSEQ ID NO:77に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがMAT活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:14、16、18、20、22、24、81、83、85、87、89、91、93、95、97または99のいずれか1つに対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがACP活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:12またはSEQ ID NO:79に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがACP活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:12内部のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがACP活性を含む、該核酸分子を対象とする。いくつかの態様において、アミノ酸配列は、1個、2個、3個、4個、5個または6個のACPドメインを含むSEQ ID NO:12内部のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であり、そのポリペプチドは1つまたは複数のACPドメインに付随するACP活性を含む。SEQ ID NO:14、16、18、20、22および24は、それぞれがSEQ ID NO:12内部の単一のACPドメインを含む、代表的なアミノ酸配列である。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:79内部のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがACP活性を含む、該核酸分子を対象とする。いくつかの態様において、アミノ酸配列は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個のACPドメインを含むSEQ ID NO:79内部のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であり、そのポリペプチドは1つまたは複数のACPドメインに付随するACP活性を含む。SEQ ID NO:81、83、85、87、89、91、93、95、97および99は、それぞれがSEQ ID NO:79内部の単一のACPドメインを含む、代表的なアミノ酸配列である。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:101に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがKR活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:119に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがDH活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドが、KS活性、CLF活性、AT活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:103に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがKS活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:32またはSEQ ID NO:105に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがCLF活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:107に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがAT活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:36またはSEQ ID NO:109に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがER活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドが、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:38に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがDH活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:40に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがDH活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:111に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがDH活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:113に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがDH活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、そのポリペプチドが、SEQ ID NO:42またはSEQ ID NO:115に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含み、かつそのポリペプチドがER活性を含む、該核酸分子を対象とする。

いくつかの態様において、核酸分子は、本明細書で報告したポリヌクレオチド配列に対して少なくとも約80%、85%もしくは90%同一な、または本明細書で報告したポリヌクレオチド配列に対して少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一なポリヌクレオチド配列を含む。「同一性%(percent identity)」という用語は、当技術分野で公知であるように、2つもしくはそれ以上のアミノ酸配列間または2つもしくはそれ以上のポリヌクレオチド配列間の、配列を比較することによって決定されるような、関係のことを指す。当技術分野において、「同一性」とは、アミノ酸配列間またはポリヌクレオチド配列間の配列関連性の度合いのことも意味し、これは場合に応じて、そのような配列の連鎖間の一致によって決定される。

本発明の参照ポリヌクレオチド配列に対して、例えば、少なくとも95%同一なポリヌクレオチド配列を有する核酸分子とは、その核酸分子のポリヌクレオチド配列が、ポリヌクレオチド配列が参照ポリヌクレオチド配列の各100ヌクレオチド当たり最大5つまでのヌクレオチドの違いを含みうることを除き、参照配列と同一であることを意図している。換言すれば、参照ポリヌクレオチド配列に対して少なくとも95%同一なポリヌクレオチド配列を有する核酸分子を得るためには、参照配列中の最大5%までのヌクレオチドを欠失させること、もしくは別のヌクレオチドと置換すること、または参照配列中の全ヌクレオチドの最大5%までの数のヌクレオチドを参照配列中に挿入することができる。

実際的な問題として、任意の特定のポリヌクレオチド配列またはアミノ酸配列が、本発明のポリヌクレオチド配列またはアミノ酸配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるか否かは、公知のコンピュータプログラムを用いて慣例的に判定することができる。クエリー配列(本発明の1つの配列)と対象配列との間の最良の全体的一致(best overall match)を決定するための好ましい方法は、配列のアラインメントおよび同一性スコアの計算を用いて決定することができる。アラインメントは、Invitrogen(www.invitrogen.com)のVector NTI Suite 10.0パッケージの構成要素であるコンピュータプログラムAlignXを用いて行った。アラインメントは、アミノ酸配列およびポリヌクレオチド配列のいずれのアラインメントに関しても、ClustalWアラインメント(Thompson, J.D., et al. Nucl. Acids Res. 22: 4673-4680 (1994))を用いて行った。デフォルトのスコアリング行列であるBlosum62mt2およびswgapdnamtを、それぞれアミノ酸配列およびポリヌクレオチド配列のアラインメントのために用いた。アミノ酸配列に関しては、デフォルトのギャップオープニングペナルティ(gap opening penalty)を10とし、ギャップ伸長ペナルティ(gap extension penalty)を0.1とする。ポリヌクレオチド配列に関しては、デフォルトのギャップオープニングペナルティを15とし、ギャップ伸長ペナルティを6.66とする。

本発明は、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、CLF活性、AT活性、ER活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子であって、そのポリヌクレオチドが、上記のいずれかのポリヌクレオチド配列の相補物と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、該単離された核酸分子を対象とする。

核酸分子は、その核酸分子の一本鎖形態が、適切な温度および溶液イオン強度の条件下で、cDNA、ゲノムDNAまたはRNAなどの別の核酸分子とアニーリングしうる場合に、そのもう一方の核酸分子と「ハイブリダイズ可能」である。ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件は周知であり、例示されている。例えば、Sambrook J. and Russell D. 2001. Molecular cloning: A laboratory manual, 3rd edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New Yorkを参照。温度およびイオン強度の条件は、ハイブリダイゼーションの「ストリンジェンシー」を決定づける。ストリンジェンシー条件は、遠い関係にある生物由来の相同配列のように中程度の類似性のある断片から、近い関係にある生物由来の全く同じ機能性酵素を産生する遺伝子のように極めて類似性の高い断片に至るまでのスクリーニングを行いうるように調節することが可能である。ハイブリダイゼーション後の洗浄もストリンジェンシー条件を決定づける。条件の1つのセットでは、6×SSC、0.5% SDS、室温、15分間で開始し、続いて2×SSC、0.5% SDS、45℃、30分間で再度行い、続いて0.2×SSC、0.5% SDS、50℃、30分間を2回繰り返す、一連の洗浄を用いる。よりストリンジェントな条件に関しては、0.2×SSC、0.5% SDS中での最後の2回の30分間の洗浄の温度を60℃に高める以外は洗浄を上記のものと同じにして、洗浄をより高い温度で行う。高度にストリンジェントな条件の別のセットでは、0.1×SSC、0.1% SDS中、65℃での最後の2回の洗浄を用いる。高度にストリンジェントな条件のさらなるセットは、0.1×SSC、0.1% SDS、65℃でのハイブリダイゼーション、および2×SSC、0.1% SDS、続いて0.1×SSC、0.1% SDSでの洗浄によって定義される。

本発明は、上記のポリヌクレオチド配列のいずれかに対して完全に相補的なポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を対象とする。「相補的な」という用語は、互いにハイブリダイズ可能なヌクレオチド塩基間の関係を記述するために用いられる。例えば、DNAに関して、アデノシンはチミンに対して相補的であり、シトシンはグアニンに対して相補的である。

ある態様において、ポリヌクレオチドまたは核酸はDNAである。DNAの場合、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸分子は、通常、1つまたは複数のコード領域と機能的に関連しているプロモーターおよび/または他の転写もしくは翻訳制御エレメントを含みうる。機能的な関連とは、ある遺伝子産物、例えばポリペプチドのコード領域が、1つまたは複数の調節配列と、その調節配列の影響下または制御下にある遺伝子産物の発現を行わせるような様式で関連している場合のことである。2つのDNA断片(ポリペプチドのコード領域およびそれと関連しているプロモーターなど)は、プロモーター機能の誘導が所望の遺伝子産物をコードするmRNAの転写をもたらすならば、および2つのDNA断片間の結合の性質が、発現調節配列が遺伝子産物の発現を導く能と干渉しないか、またはDNAテンプレートが転写される能力と干渉しなければ、「機能的に関連している」。したがって、プロモーター領域は、そのプロモーターがポリヌクレオチド配列の転写を生じさせることができれば、ポリペプチドをコードするそのポリヌクレオチド配列と機能的に関連していると考えられる。プロモーターは、所定の細胞のみにおいてそのDNAの実質的な転写を導く細胞特異的プロモーターであってもよい。一般に、コード領域はプロモーターの3'側に位置する。プロモーターは、その全体がネイティブ遺伝子に由来してもよく、または天然に見いだされる異なるプロモーターに由来する異なるエレメントで構成されてもよく、またはさらには合成DNAセグメントを含んでもよい。当業者であれば、異なるプロモーターが、異なる組織または細胞種における、または発生の異なる段階における、または異なる環境条件もしくは生理的条件に応答した、遺伝子の発現を導くことを理解するであろう。遺伝子をほとんどの細胞種においてほとんどの時点で発現させるプロモーターは、一般的には「構成的プロモーター」と呼ばれる。さらに、ほとんどの場合、調節配列の正確な境界は完全に明確には定められていないため、異なる長さのDNA断片が同一のプロモーター活性を有しうることも認識されている。プロモーターは一般に、その3'末端では転写開始部位を境界とし、上流(5'方向)には、バックグラウンドを超える検出可能なレベルで、転写を開始させるのに必要な最少数の塩基またはエレメントを含むように伸びている。プロモーターの内部には、転写開始部位(例えば、ヌクレアーゼS1を用いたマッピングによって簡便に範囲が定められる)のほか、RNAポリメラーゼの結合を担うタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)も存在する。

適した調節領域には、コード領域の上流(5'非コード配列)、内部、または下流(3'非コード配列)に位置し、関連するコード領域の転写、RNAプロセシングもしくは安定性、または翻訳に影響を及ぼす核酸領域が含まれる。調節領域には、プロモーター、翻訳リーダー配列、RNAプロセシング部位、エフェクター結合部位およびステム-ループ構造が含まれうる。プロモーターのほかに、他の転写制御エレメント、例えばエンハンサー、オペレーター、リプレッサーおよび転写終結シグナルが、細胞特異的な転写を導くためにポリヌクレオチドと機能的に関連していてもよい。コード領域の境界は、5'(アミノ)末端の開始コドンおよび3'(カルボキシル)末端の翻訳終止コドンによって決まる。コード領域には、原核生物領域、mRNA由来のcDNA、ゲノムDNA分子、合成のDNA分子またはRNA分子が非限定的に含まれうる。コード領域の真核細胞における発現を意図する場合には、ポリアデニル化シグナルおよび転写終結配列を、通常はコード領域の3'側に配置する。

本発明のある局面において、少なくとも20塩基、少なくとも30塩基または少なくとも50塩基を有し、かつ本発明のポリヌクレオチド配列とハイブリダイズするポリヌクレオチド配列を、PCRプライマーとして用いることができる。典型的には、PCR型の増幅手法において、これらのプライマーは異なる配列を有し、互いに相補的ではない。所望の試験条件に応じて、プライマーの配列は、標的核酸の効率的かつ忠実な複製が得られるように設計されるべきである。PCRプライマーの設計の方法は一般的であり、当技術分野において周知である。一般に、本配列の2つの短いセグメントをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のプロトコールに用いることで、相同遺伝子をコードするより長い核酸断片をDNAまたはRNAから増幅する。また、ポリメラーゼ連鎖反応を、クローニングされた核酸断片のライブラリーに対して行うこともでき、この場合、一方のプライマーの配列は本核酸断片に由来し、もう一方のプライマーの配列は、微生物遺伝子をコードするmRNA前駆体の3'末端にポリアデニル酸トラクトが存在することを利用する。または、第2のプライマー配列が、クローニングベクターに由来する配列に基づくこともできる。

加えて、本配列の一部または完全長を増幅するために、特異的プライマーを設計して用いることもできる。その結果生じた増幅産物を、増幅反応の間に直接標識するか、または増幅反応後に標識して、適切なストリンジェンシーの条件下で完全長DNA断片を単離するためのプローブとして用いることができる。

したがって、本発明の核酸分子は、同じまたは他の種または細菌種から、相同タンパク質をコードする遺伝子を単離するために用いることができる。配列依存的プロトコールを用いた相同遺伝子の単離は、当技術分野において周知である。配列依存的プロトコールの例には、核酸ハイブリダイゼーション法、ならびに核酸増幅技術(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応、Mullis et al., 米国特許第4,683,202号;リガーゼ連鎖反応(LCR)(Tabor, S. et al., Proc. Acad. Sci. USA 82: 1074 (1985));または鎖置換増幅(SDA;Walker, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89: 392 (1992))のさまざまな使用によって例示されるようなDNAおよびRNAの増幅方法が非限定的に含まれる。

いくつかの態様において、本発明の単離された核酸分子は、類似の、または改善されたPUFAプロフィールを生じるPUFAシンターゼを同定する目的で、他の生物から相同な核酸分子を単離するために用いることができる。いくつかの態様において、本発明の単離された核酸分子は、多量のDHAの産生に関与する、他の生物由来の相同な核酸分子を単離するために用いられる。

本発明の核酸分子はまた、本発明のポリペプチドの検出を可能にするマーカー配列とインフレームに融合した、PUFAシンターゼ遺伝子、PUFAシンターゼ遺伝子のドメイン、またはPUFAシンターゼ遺伝子の断片をコードするポリヌクレオチド配列も含む。マーカー配列には、ZEO(ゼオシン)、NEO(G418)、ハイグロマイシン、亜ヒ酸塩、HPH、NATなどといった、当業者に公知である栄養要求性マーカーまたは優性マーカーが含まれる。

本発明はまた、PUFAシンターゼ遺伝子の変異体も範囲に含む。変異体は、コード領域、非コード領域またはその両方にある種の変化を含みうる。その例は、サイレントな置換、付加または欠失を生じさせるが、コードされるポリペプチドの特性も活性も変化させない変化を含むポリヌクレオチド配列変異体である。ある態様において、ポリヌクレオチド配列変異体は、遺伝暗号の縮重性に起因するサイレント置換によって生じる。さらなる態様において、ポリヌクレオチド配列変異体を、種々の理由のため、例えば、特定の宿主に対してコドン発現を最適化する(例えば、ヤブレツボカビmRNA中のコドンを、大腸菌またはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などの他の生物によって選好されるものに変える)ために作製することもできる。

アレル変異体、オルソログおよび/または種ホモログも、同じく本発明において提供される。当技術分野において公知の手順を用いることで、本明細書に開示された配列からの情報を用いて、本明細書に記載された遺伝子の完全長遺伝子、アレル変異体、スプライス変異体、完全長コード部分、オルソログおよび/または種ホモログを得ることができる。例えば、本明細書に提示したプローブ配列から適したプローブまたはプライマーを作製して、アレル変異体および/または所望のホモログに関して適した核酸供給源をスクリーニングすることにより、アレル変異体および/または種ホモログを単離して同定することができる。

本発明は、上記の核酸分子のいずれかまたはそれらの組み合わせと、転写制御配列とを含む、組換え核酸分子を対象とする。いくつかの態様において、組換え核酸分子は組換えベクターである。

本発明は、本明細書に記載されたような1つまたは複数の単離された核酸分子をベクター中に挿入する段階を含む、組換えベクターを作製するための方法を対象とする。

本発明のベクターは、例えば、クローニングベクターまたは発現ベクターでありうる。ベクターは、例えば、プラスミド、ウイルス粒子、ファージなどの形態でありうる。

本発明のポリヌクレオチド配列は、ポリペプチドを発現させるために、種々の発現ベクターのいずれか1つの中に含めることができる。そのようなベクターには、染色体DNA配列またはRNA配列、非染色体DNA配列またはRNA配列および合成DNA配列またはRNA配列、例えば、SV40の派生物;細菌プラスミド;および酵母プラスミドが含まれる。しかし、当業者に公知である他の任意の適切なベクターも用いることができる。

種々の手順により、適切なDNA配列をベクター中に挿入することができる。一般に、DNA配列は、当技術分野において公知の手順により、適切な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。そのような手順などは、当業者の範囲内にあると考えられる。

本発明はまた、上記のポリヌクレオチド配列の1つまたは複数を含む組換え構築物も含む。構築物には、本発明の1つまたは複数の配列が順方向または逆方向に挿入された、プラスミドベクターまたはウイルスベクターなどのベクターが含まれる。この態様の1つの局面において、構築物はさらに、その配列と機能的に関連している、例えばプロモーターを含む調節配列を含む。数多くの適したベクターおよびプロモーターが当業者に公知であり、市販されている。

ポリペプチド 本発明は、ATCCアクセッション番号PTA-9695およびPTA-10212として寄託された分離された微生物に由来するPUFAシンターゼタンパク質およびドメインのアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドを対象とする。

本明細書で用いる場合、「ポリペプチド」という用語は、単数の「ポリペプチド」のみならず、複数の「ポリペプチド」も範囲に含むことを意図しており、アミド結合(ペプチド結合としても知られる)によって直鎖状に連結された単量体(アミノ酸)で構成される分子のことを指す。「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸が2個またはそれ以上である任意の1つまたは複数の鎖のことを指し、特定の長さの産物を指すわけでなない。したがって、ペプチド、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」、またはアミノ酸が2個もしくはそれ以上である1つもしくは複数の鎖を指して用いられる他の任意の用語は「ポリペプチド」の定義の範囲に含まれ、「ポリペプチド」という用語をこれらの用語のいずれかの代わりに、または互換的に用いることができる。「ポリペプチド」という用語はまた、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/遮断基による誘導体化、タンパク質分解切断、または天然に存在しないアミノ酸による修飾を非限定的に含む、ポリペプチドの発現後修飾の産物を指すことも意図している。

本明細書に記載されたポリペプチドには、その断片、変異体または誘導体分子が非限定的に含まれる。ポリペプチドに言及する場合の「断片」、「変異体」、「誘導体」および「類似体」という用語には、少なくともある程度の生物活性を保っている任意のポリペプチドが含まれる。ポリペプチド断片には、タンパク質分解断片、欠失断片、および、動物に送達された場合に作用部位により容易に到達する断片が含まれうる。ポリペプチド断片にはさらに、直鎖状ならびに三次元エピトープを含む、ネイティブポリペプチドの抗原性または免疫原性エピトープを含む、ポリペプチドの任意の部分が含まれる。ポリペプチド断片には、上記のような断片を含む変異体領域のほかに、アミノ酸の置換、欠失または挿入のために変化したアミノ酸配列を有するポリペプチドも含まれうる。変異体は、アレル変異体のように天然に存在してもよい。「アレル変異体」とは、生物の染色体上の所与の座位を占める遺伝子の代替的な形態を意図している。天然に存在しない変異体は、当技術分野で公知の突然変異誘発手法を用いて作製することができる。本発明のポリペプチド断片は、保存的または非保存的なアミノ酸の置換、欠失または付加を含みうる。また、変異体ポリペプチドを本明細書で「ポリペプチド類似体」と称することもできる。本発明のポリペプチド断片は、誘導体分子を含むこともできる。本明細書で用いる場合、ポリペプチドまたはポリペプチド断片の「誘導体」とは、官能側基の反応によって化学的に誘導体化された1つまたは複数の残基を有する、対象ポリペプチドのことを指す。20種の標準的なアミノ酸の天然に存在するアミノ酸誘導体を1つまたは複数含むペプチドも、同じく「誘導体」として含まれる。例えば、4-ヒドロキシプロリンでプロリンを置換することができ;5-ヒドロキシリジンでリジンを置換することができ;3-メチルヒスチジンでヒスチジンを置換することができ;ホモセリンでセリンを置換することができ;かつオルニチンでリジンを置換することができる。

本発明のポリペプチドは、本発明の核酸分子の任意のものによってコードされうる。

本発明は、Pfa1p(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)、Pfa2p(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)、Pfa3p(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)のアミノ酸配列、およびそれらの組み合わせに対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドであって、1つまたは複数のPUFAシンターゼ活性を含む単離されたポリペプチドを対象とする。

本発明は、本発明のPUFAシンターゼの1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa1p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを対象とする。いくつかの態様において、ポリペプチドは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、KSドメイン(SEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:75)、MATドメイン(SEQ ID NO:10またはSEQ ID NO:77)、ACPドメイン(SEQ ID NO:14、16、18、20、22、24、81、83、85、87、89、91、93、95、97または99のいずれか1つなど)、2つまたはそれ以上のACPドメインの組み合わせ、例えば、縦列ドメイン(SEQ ID NO:12またはSEQ ID NO:79およびそれらの部分)を含む、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個のACPドメインなど、KRドメイン(SEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:101)、DHドメイン(SEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:119)およびそれらの組み合わせなどを含むPfa1p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、ポリペプチドは2つまたはそれ以上のアミノ酸配列を含み、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列のそれぞれは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa1p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa1p内部の同じアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、それぞれが1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa1p内部の異なるアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa1p内部の異なるアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して80%同一であり、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa1p内部の対応するドメイン(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)の順序と比較して、ポリペプチド中に同じ順序または異なる順序で位置する。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、KSドメイン(SEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:75)、MATドメイン(SEQ ID NO:10またはSEQ ID NO:77)、ACPドメイン(SEQ ID NO:14、16、18、20、22、24、81、83、85、87、89、91、93、95、97または99のいずれか1つなど)、縦列ドメイン(SEQ ID NO:12またはSEQ ID NO:79およびそれらの部分)を含む、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個のACPドメインの組み合わせ、KRドメイン(SEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:101)、DHドメイン(SEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:119)およびそれらの組み合わせなどを含むPfa1p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)に対して80%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドは、任意の個々のドメインの1つまたは複数のコピーと他の任意の個々のドメインの1つまたは複数のコピーとの組み合わせを含む、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa1p内部の1つまたは複数のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69)を含む。

いくつかの態様において、本発明は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa2p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを対象とする。いくつかの態様において、ポリペプチドは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、KSドメイン(SEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:103)、CLFドメイン(SEQ ID NO:32またはSEQ ID NO:105)、ATドメイン(SEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:107)、ERドメイン(SEQ ID NO:36またはSEQ ID NO:109)およびそれらの組み合わせなどを含むPfa2p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、ポリペプチドは2つまたはそれ以上のアミノ酸配列を含み、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列のそれぞれは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa2p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa2p内部の同じアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、それぞれが1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa2p内部の異なるアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa2p内部の異なるアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して80%同一であり、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa2p内部の対応するドメイン(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)の順序と比較して、ポリペプチド中に同じ順序または異なる順序で位置する。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、KSドメイン(SEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:103)、CLFドメイン(SEQ ID NO:32またはSEQ ID NO:105)、ATドメイン(SEQ ID NO:24またはSEQ ID NO:107)、ERドメイン(SEQ ID NO:36またはSEQ ID NO:109)およびそれらの組み合わせなどを含むPfa2p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)に対して80%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドは、任意の個々のドメインの1つまたは複数のコピーと他の任意の個々のドメインの1つまたは複数のコピーとの組み合わせを含む、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa2p内部の1つまたは複数のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71)を含む。

いくつかの態様において、本発明は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa3p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを対象とする。いくつかの態様において、ポリペプチドは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、DHドメイン(SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:111またはSEQ ID NO:113など)、ERドメイン(SEQ ID NO:42またはSEQ ID NO:115)およびそれらの組み合わせなどを含むPfa3p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、ポリペプチドは2つまたはそれ以上のアミノ酸配列を含み、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列のそれぞれは、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa3p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa3p内部の同じアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、それぞれが1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa3p内部の異なるアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して80%同一である。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa3p内部の異なるアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して80%同一であり、ここで少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、Pfa3p内部の対応するドメイン(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)の順序と比較して、ポリペプチド中に同じ順序または異なる順序で位置する。いくつかの態様において、少なくとも2つまたはそれ以上のアミノ酸配列は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメイン、例えば、DHドメイン(SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:111またはSEQ ID NO:113など)、ERドメイン(SEQ ID NO:42またはSEQ ID NO:115)およびそれらの組み合わせなどを含むPfa3p内部のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)に対して80%同一である。いくつかの態様において、ポリペプチドは、任意の個々のドメインの1つまたは複数のコピーと他の任意の個々のドメインの1つまたは複数のコピーとの組み合わせを含む、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインを含むPfa3p内部の1つまたは複数のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73)を含む。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:69に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性、MAT活性、ACP活性、KR活性、DH活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:75に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:10またはSEQ ID NO:77に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、MAT活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:14、16、18、20、22、24、81、83、85、87、89、91、93、95、97または99のいずれか1つなどに対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ACP活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:12またはSEQ ID NO:79に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ACP活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:12内部のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ACP活性を含むポリペプチドを対象とする。いくつかの態様において、そのアミノ酸配列は、1個、2個、3個、4個、5個または6個のACPドメインを含むSEQ ID NO:12内部のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であり、そのポリペプチドは1つまたは複数のACPドメインに付随するACP活性を含む。SEQ ID NO:14、16、18、20、22および24は、SEQ ID NO:12内部の単一のACPドメインを含む代表的なアミノ酸配列である。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:79内部のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ACP活性を含むポリペプチドを対象とする。いくつかの態様において、そのアミノ酸配列は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個のACPドメインを含むSEQ ID NO:79内部のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であり、そのポリペプチドは1つまたは複数のACPドメインに付随するACP活性を含む。SEQ ID NO:81、83、85、87、89、91、93、95、97および99は、SEQ ID NO:79内部の単一のACPドメインを含む代表的なアミノ酸配列である。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:101に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KR活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:119に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:71に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性、CLF活性、AT活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:103に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、KS活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:32またはSEQ ID NO:105に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、CLF活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:107に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、AT活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:36またはSEQ ID NO:109に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ER活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:73に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性、ER活性、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるPUFAシンターゼ活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:38に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:40に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:111に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:113に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、DH活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、本発明は、SEQ ID NO:42またはSEQ ID NO:115に対して少なくとも80%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ER活性を含むポリペプチドを対象とする。

いくつかの態様において、ポリペプチドは、本明細書で報告したアミノ酸配列に対して少なくとも約80%、85%もしくは90%同一な、または本明細書で報告したアミノ酸配列に対して少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一なアミノ酸配列を含む。

本発明のクエリーアミノ酸配列に対して、少なくとも、例えば95%「同一な」アミノ酸配列を有するポリペプチドとは、対象ポリペプチドのアミノ酸配列が、対象ポリペプチド配列がクエリーアミノ酸配列の各100アミノ酸当たり最大5つまでのアミノ酸の変化を含みうることを除き、クエリー配列と同一であることを意図している。換言すれば、クエリーアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るためには、対象配列中の最大5%までのアミノ酸残基を挿入すること、欠失させること(インデル)、または別のヌクレオチドと置換することができる。参照配列のこれらの変化は、参照アミノ酸配列のアミノ末端もしくはカルボキシ末端の位置に存在してもよく、または、それらの末端位置の間の任意の場所に、参照配列中の残基間に個別に分散するか、もしくは参照配列内部に1つもしくは複数の連続した群として分散するかのいずれかとして存在してもよい。

実際的な問題として、例えば本発明のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一なアミノ酸配列を有する任意の特定のポリペプチドは、公知のコンピュータプログラムを用いて慣例的に判定することができる。以上に考察したように、クエリー配列(本発明の1つの配列)と対象配列との間の最良の全体的一致を決定するための方法は、配列のアラインメントおよび同一性スコアの計算を用いて決定することができる。アラインメントは、Invitrogen(www.invitrogen.com)のVector NTI Suite 10.0パッケージの構成要素であるコンピュータプログラムAlignXを用いて行った。アラインメントは、ClustalWアラインメント(J. Thompson et al., Nucleic Acids Res. 22(22):4673-4680 (1994)を用いて行った。デフォルトのスコアリング行列であるBlosum62mt2を用いた。デフォルトのギャップオープニングペナルティは10とし、ギャップ伸長ペナルティは0.1とする。

本発明のさらなる局面において、本明細書に開示されたポリヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一なポリヌクレオチド配列を有する核酸分子は、1つまたは複数のPUFAシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする。1つまたは複数のPUFAシンターゼ活性を有するポリペプチドは、本発明のPUFAシンターゼの1つまたは複数の活性と類似しているが必ずしも同一ではない1つまたは複数の活性を呈する。

当然ながら、当業者は、遺伝暗号の縮重性のために、本明細書に記載されたポリヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一なポリヌクレオチド配列を有する核酸分子の大部分が、「PUFAシンターゼ機能活性を有する」ポリペプチドをコードすると考えられることを直ちに認識するであろう。実際に、これらのポリヌクレオチド配列の任意のものの縮重変異体はすべて同じポリペプチドをコードし、多くの場合には、どのポリペプチドが活性を呈するかは、保存的置換ならびに保存された機能ドメインの知識に基づいて、当業者によって予想されるであろう。本発明のある局面において、本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは単離された形態で、例えば、均質になるまで精製された形態で提供される。または、本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドを、従来の合成装置によって合成して製造することもできる。

当技術分野において公知であるように、2つのポリペプチド間の「類似性」は、ポリペプチドのアミノ酸配列およびそれに対する保存されたアミノ酸置換物を、第2のポリペプチドの配列と比較することによって決定される。

いくつかの態様において、本発明のポリペプチドは融合ポリペプチドである。

本明細書で用いる場合、「融合ポリペプチド」とは、ペプチド結合を介して第2のポリペプチドと直鎖状に連結された第1のポリペプチドを含むポリペプチドのことを意味する。第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは同一であっても異なってもよく、それらは直接連結されていてもペプチドリンカーを介して連結されていてもよい。本明細書で用いる場合、「連結された」、「融合した」、または「融合」という用語は、互換的に用いられる。これらの用語は、2つまたはそれ以上の要素または構成成分を、化学的コンジュゲーションまたは組換え手段を含む任意の手段によって1つに接続することを指す。「インフレーム融合」とは、元のオープンリーディングフレームの正しいリーディングフレームを維持する様式での、より長い連続したオープンリーディングフレームを形成する、2つまたはそれ以上のオープンリーディングフレームの接続のことを指す。このため、その結果生じる組換え融合タンパク質は、元の複数のオープンリーディングフレームによってコードされるポリペプチドに対応する2つまたはそれ以上のセグメントを含む単一のタンパク質である(これらのセグメントは通常、天然にはそのようには連結されない)。リーディングフレームは、融合されたセグメントの全体を通してそのように連続的に作られるものの、これらのセグメントは、例えばインフレームのリンカー配列によって物理的または空間的に隔たっていてもよい。「リンカー」配列とは、融合タンパク質中の2つのポリペプチドコード領域を隔てる一連の1つまたは複数のアミノ酸のことである。

本発明は、1つまたは複数の本発明のポリペプチドと、生物学的に許容される担体とを含む組成物を対象とする。

いくつかの態様において、組成物は生物学的に許容される「添加剤」を含み、ここで添加剤とは、本発明の組成物に望ましい特徴を与えるために組成物中に用いられる1つの構成成分または構成成分の混合物のことであり、これには担体も含まれる。「生物学的に許容される」とは、適切な医学的判断の範囲で、妥当な利益/リスク比に相応した形で、生細胞の組織との接触に適しており、所望の接触時間にわたって過度の毒性、刺激、炎症反応および他の問題となる合併症を伴わない、化合物、材料、組成物、塩および/または剤形のことを指す。さまざまな添加剤を用いることができる。いくつかの態様において、添加剤は、アルカリ剤、安定剤、酸化防止剤、粘着剤、分離剤、コーティング剤、外面相(exterior phase)構成成分、制御放出構成成分、溶媒、界面活性剤、湿潤剤、緩衝剤、充填剤、皮膚軟化剤、またはそれらの組み合わせであってよいが、それらには限定されない。添加剤には、本明細書において考察したものに加えて、限定的ではないものの、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st ed. (2005)に列記されたものが含まれうる。添加剤を本明細書における特定の分類(例えば、「溶媒」)に含めていることは、添加剤の役割を限定するのではなく、それを例示することを意図している。個々の添加剤が複数の分類に該当することもある。

本発明はさらに、本明細書に開示されたポリペプチドの任意のものの断片、変異体、誘導体、または類似体にも関する。

本発明のポリペプチドは、組換えポリペプチド、天然ポリペプチド、または合成ポリペプチドのいずれであってもよい。

宿主細胞 本発明は、上記の核酸分子および組換え核酸分子の任意のもの、さらにはそれらの組み合わせを発現する宿主細胞を対象とする。

「発現」という用語は、本明細書で用いる場合、遺伝子が生化学物質、例えばRNAまたはポリペプチドを産生するプロセスのことを指す。このプロセスには、一過性発現および安定的発現ばかりでなく遺伝子ノックダウンを非限定的に含む、細胞内における遺伝子の機能的存在の何らかの徴候(manifestation)も含まれる。これには、遺伝子のメッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)または他の任意のRNA産物への転写、およびそのようなmRNAのポリペプチドへの翻訳が非限定的に含まれる。所望の最終産物が生化学物質である場合、発現はその生化学物質および任意の前駆体の生成を含む。

1つまたは複数の所望の多価不飽和脂肪酸を産生させるために、本発明のPUFAシンターゼ系が宿主細胞内に導入されるように宿主細胞を遺伝子改変することができる。

本発明によるPUFAシンターゼ系を発現するように生物を遺伝子改変する場合、宿主生物の中には、PUFAを産生するためにPUFAシンターゼ系と併せて必要とされるアクセサリータンパク質を内因性に発現しうるものがある。しかし、生物によっては、たとえその生物が相同なアクセサリータンパク質を内因性に産生する場合でも、その生物によるPUFAの産生を可能にするかまたは増強するために、1つまたは複数のアクセサリータンパク質をコードする核酸分子による形質転換を行うことが必要な場合もある。異種アクセサリータンパク質の中には、宿主細胞の内因性アクセサリータンパク質でよりも、形質転換されたPUFAシンターゼタンパク質での方がより効果的または効率的に動作するものがある可能性がある。

アクセサリータンパク質は、本明細書において、中核的なPUFAシンターゼ系の一部分ではない(すなわち、PUFAシンターゼ酵素複合体それ自体の一部分ではない)が、本発明の中核的なPUFAシンターゼ酵素複合体を用いるPUFA産生または効率的なPUFA産生のためには必要な可能性があると考えられるタンパク質と定義される。例えば、PUFAを生成するために、PUFAシンターゼ系は、4'-ホスホパンテテイニル部分を補酵素Aからアシルキャリアータンパク質(ACP)ドメインに転移させるアクセサリータンパク質とともに働かなくてはならない。このため、PUFAシンターゼ系は少なくとも1つの4'ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)ドメインを含むと考えることができ、またはそのようなドメインは、PUFAシンターゼ系に対するアクセサリードメインもしくはアクセサリータンパク質であると考えることもできる。PPTアーゼの構造的および機能的な特徴は、例えば、米国特許出願公開第2002/0194641号;第2004/0235127号;および第2005/0100995号に記載されている。

4'-ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ(PPTアーゼ)生物活性(機能)を有するドメインまたはタンパク質は、4'-ホスホパンテテイニル部分を補酵素Aからアシルキャリアータンパク質(ACP)に転移させる酵素として特徴づけられる。ACPの不変セリン残基へのこの転移は、不活性なアポ型をホロ型に活性化する。ポリケチドおよび脂肪酸のいずれの合成においても、ホスホパンテテイン基は、成長中のアシル鎖とともにチオエステルを形成する。PPTアーゼは、脂肪酸合成、ポリケチド合成および非リボソームペプチド合成において明確に特徴づけられている酵素のファミリーである。多くのPPTアーゼの配列が公知であり、結晶構造が決定されていて(例えば、Reuter K., el al., EMBO J. 18(23):6823-31 (1999))、活性にとって重要なアミノ酸残基が突然変異分析によって同定されている(Mofid M.R., et al., Biochemistry 43(14):4128-36 (2004))。

シゾキトリウム属ACPドメインを基質として認識することが以前に実証されている異種PPTアーゼの1つは、ネンジュモ属(Nostoc)種PCC 7120(以前はアナベナ属(Anabaena)種PCC 7120と呼ばれていいた)のHet Iタンパク質である。Het Iは、ネンジュモ属において、その生物の異質細胞に存在する糖-脂質層の構成成分である長鎖ヒドロキシ脂肪酸の合成を担当することが知られている遺伝子クラスター内に存在する(Black and Wolk, J. Bacteriol. 176: 2282-2292 (1994);Campbell et al., Arch. Microbiol. 167: 251-258 (1997))。Het Iは、そのクラスター内に存在するタンパク質Hgl EのACPドメインを活性化する可能性が高い。Het Iを含む配列および構築物は、例えば、米国特許出願公開第2007/0244192号に記載されており、その全体は参照により本明細書に組み入れられる。

本明細書に記載されたシゾキトリウム属ACPドメインを認識することが以前に実証されている別の異種PPTアーゼは、枯草菌(Bacillus subtilis)に由来するSfpである。Sfpは明確に特徴づけられており、広範囲にわたる基質を認識する能力があるという理由から広く用いられている。公開されている配列情報(Nakana, et al., Molecular and General Genetics 232: 313-321 (1992))に基づき、そのコード領域を、規定された上流および下流の隣接DNA配列とともにpACYC-184クローニングベクター中にクローニングすることにより、発現ベクターが以前にSfp用に作製されている。この構築物は、大腸菌においてシゾキトリウム属Orfと共発現されて、適切な条件下でそれらの細胞におけるDHAの蓄積をもたらす能力によって実証されているように、機能性PPTアーゼをコードする(米国特許出願公開第2004/0235127号を参照。これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。

宿主細胞には、微生物細胞;動物細胞;植物細胞;および昆虫細胞が含まれうる。適切な宿主の代表的な例には、細菌細胞;好熱性または中温性細菌;海洋細菌;ヤブレツボカビ;酵母などの真菌細胞;植物細胞;昆虫細胞;および単離された動物細胞が含まれる。宿主細胞は非トランスフェクト細胞、または少なくとも1つの他の組換え核酸分子によってすでにトランスフェクトされた細胞のいずれであってもよい。宿主細胞にはまた、PUFAシンターゼを発現するように操作されたトランスジェニック細胞も含まれうる。適切な宿主の選択は、本明細書における教示に基づき、当業者の範囲内にあると考えられる。

宿主細胞には、ヤブレツボカビ目の任意の微生物、例えば、ヤブレツボカビ属、ラビリンチュロイデス属(Labyrinthuloides)、ジャポノキトリウム属(Japonochytrium)およびシゾキトリウム属を非限定的に含む属の微生物などが含まれる。これらの属に含まれる種には、以下のものが非限定的に含まれる:シゾキトリウム・アグレガツム(Schizochytrium aggregatum)、シゾキトリウム・リマシヌム(Schizochytrium limacinum)、シゾキトリウム・ミヌツム(Schizochytrium minutum)を含む、シゾキトリウム属の任意の種;スラウストキトリウム・ストリアツム(Thraustochytrium striatum)、スラウストキトリウム・アウレウム、スラウストキトリウム・ロゼウム(Thraustochytrium roseum)を含む、ヤブレツボカビ属の任意の種(以前はウルケニア属(Ulkenia)とされた種、例えば、U.ビスルゲンシス(U. visurgensis)、U. アモエボイダ(U. amoeboida)、U.サルカリアナ(U. sarkariana)、U.プロファンダ(U. profunda)、U.ラジアタ(U. radiata)、U.ミヌタ(U. minuta)およびウルケニア属種BP-5601などを含む);ならびにジャポノキトリウム属の任意の種。ヤブレツボカビ目の菌株には、以下のものが非限定的に含まれる:シゾキトリウム属種(S31)(ATCC 20888);シゾキトリウム属種(S8)(ATCC 20889);シゾキトリウム属種(LC-RM)(ATCC 18915);シゾキトリウム属種(SR21);シゾキトリウム・アグレガツム(Schizochytrium aggregatum)(Goldstein et Belsky)(ATCC 28209);シゾキトリウム・リマシヌム(Honda et Yokochi)(IFO 32693);ヤブレツボカビ属種(23B)(ATCC 20891);スラウストキトリウム・ストリアツム(Schneider)(ATCC 24473);スラウストキトリウム・アウレウム(Goldstein)(ATCC 34304);スラウストキトリウム・ロゼウム(Goldstein)(ATCC 28210);およびジャポノキトリウム属種(L1)(ATCC 28207)。遺伝子改変のために適した宿主微生物の他の例には、サッカロミセス・セレビシエ、サッカロミセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)を含む酵母、もしくはカンジダ(Candida)、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)などの他の酵母、または他の真菌、例えばアスペルギルス(Aspergillus)、ノイロスポラ(Neurospora)、ペニシリウム(Penicillium)などの繊維状真菌が非限定的に含まれる。細菌細胞を宿主として用いることもできる。これには大腸菌(Escherichia coli)が非限定的に含まれ、これは発酵工程において有用な可能性がある。または、ラクトバシラス属(Lactobacillus)の種またはバシラス属(Bacillus)の種などの宿主を宿主として用いることもできる。

植物宿主細胞には、双子葉植物および単子葉植物の両方を含む任意の高等植物、ならびに作物植物およびその油のために用いられる植物を含む消費可能な植物が非限定的に含まれる。そのような植物には、例えば、以下のものが非限定的に含まれる:キャノーラ、ダイズ、ナタネ、アマニ、トウモロコシ、ベニバナ、ヒマワリおよびタバコ。他の植物には、医薬品、香味剤、ニュートラシューティカル薬、機能的食品成分、化粧用活性物質として用いられる化合物を産生することが知られているような植物、またはこれらの化合物/作用物質を産生するように遺伝子操作された植物が含まれる。すなわち、任意の植物種または植物細胞を選択することができる。植物および植物細胞、ならびにそれらから育成されるかまたは導き出される植物には、以下のものから得られる細胞および植物細胞が非限定的に含まれる:キャノーラ(Brassica rapa L.);キャノーラ栽培品種NQC02CNX12(ATCC PTA-6011)、NQC02CNX21(ATCC PTA-6644)およびNQC02CNX25(ATCC PTA-6012)、ならびにキャノーラ栽培品種NQC02CNX12、NQC02CNX21およびNQC02CNX25から導き出される栽培品種、育成品種および植物部分(それぞれ米国特許第7,355,100号、第7,456,340号および第7,348,473号を参照);ダイズ(Glycine max);ナタネ(Brassica spp.);アマニ/アマ(Linum usitatissimum);モロコシ(トウモロコシ)(Zea mays);ベニバナ(Carthamus tinctorius);ヒマワリ(Helianthus annuus);タバコ(Nicotiana tabacum);シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、ブラジルナッツ(Betholettia excelsa);トウゴマ(Riccinus communis);ココナッツ(Cocus nucifera);コリアンダー(Coriandrum sativum);ワタ(Gossypium spp.);ラッカセイ(Arachis hypogaea);ホホバ(Simmondsia chinensis);カラシ(Brassica spp.およびSinapis alba);アブラヤシ(Elaeis guineeis);オリーブ(Olea eurpaea);イネ(Oryza sativa);カボチャ(Cucurbita maxima);オオムギ(Hordeum vulgare);コムギ(Traeticum aestivum);およびウキクサ(Lemnaceae sp.)。これらの植物および他の植物からの植物系統を、以下には限定されないものの、種子の収量、耐倒伏性、出芽、病害抵抗性もしくは耐病性、成熟、晩期の植物無傷性(late season plant intactness)、草高、耐脱粒性、植物の形質転換の容易さ、油の含量もしくは油のプロフィールなどの、またはこれらに関連した、望ましい形質に関して、作製、選択または最適化することができる。植物系統は、系統育種、循環選択育種、交雑受精および戻し交雑育種などの植物育種を通じて、さらにはマーカーを利用した育種およびティリング法などの方法を通じて選択することができる。例えば、米国特許第7,348,473号を参照。

動物細胞には、任意の単離された動物細胞が含まれる。

本発明は、本発明の、ベクターを含む、1つまたは複数の核酸分子または組換え核酸分子を発現する宿主細胞を対象とする。

本発明は、組換えベクターを宿主細胞に導入する段階を含む、組換え宿主細胞を作製するための方法を対象とする。

宿主細胞は、例えばクローニングベクターまたは発現ベクターであってよい、本発明のベクターによって遺伝子操作(形質導入または形質転換またはトランスフェクト)されていてよい。ベクターは、例えば、プラスミド、ウイルス粒子、ファージなどの形態であってよい。本明細書に記載されたようなポリヌクレオチド配列を適切なプロモーターまたは制御配列とともに含むベクターを用いることで、そのポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドの発現が可能になるように、適切な宿主を形質転換させることができる。また、宿主細胞の遺伝子改変には、好ましいまたは最適な宿主コドン使用頻度に関しての遺伝子の最適化も含まれうる。

操作された宿主細胞は、プロモーターを活性化するため、形質転換体を選択するため、または本発明の遺伝子を増幅するために適切に改変された従来の栄養培地中で培養することができる。温度、pHなどの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞で以前に用いられたものであり、当業者には明らかであろう。

いくつかの態様において、本発明は、少なくとも中核的なPUFAシンターゼ酵素複合体を含む、本明細書に記載されたPUFAシンターゼ系を発現するように、植物または植物の部分を遺伝子改変することを対象とする。「植物の部分」または「植物部分」という用語は、本明細書で定義する場合、種子(未熟性および成熟性)、油、花粉、胚、花、果実、苗条、葉、根、茎、外植片などを非限定的に含む、植物の任意の部分を含む。いくつかの態様において、遺伝子改変植物または植物の部分は、1つまたは複数のPUFA、例えばEPA、DHA、DPA(n-3またはn-6)、ARA、GLA、SDA、他のPUFA、およびそれらの組み合わせなどを産生する。植物はPUFAシンターゼ系を内因性には含まないことが知られている;このため、本発明のPUFAシンターゼ系は、他に類のない脂肪酸産生能力を備えた植物を作製するために利用することができる。1つのさらなる態様において、植物または植物の部分はさらに、少なくとも1種類のPUFAシンターゼアクセサリータンパク質(例えば、PPTアーゼ)も発現するように遺伝子改変される。いくつかの態様において、植物は油糧種子植物であり、ここで油糧種子および/または油糧種子中の油は、PUFAシンターゼ系によって生成されるPUFAを含む。いくつかの態様において、遺伝子改変植物、植物の部分、油糧種子、および/または油糧種子中の油は、PUFAシンターゼ系の生成物である、検出可能な量の少なくとも1種類のPUFAを含む。さらなる態様において、そのような植物、植物の部分、油糧種子、および/または油糧種子中の油は、導入されたPUFAシンターゼ系の主PUFA産物でなく、野生型植物において内因性FAS系によって天然に産生されることがない中間生成物および副生成物を実質的に含まないことが可能である。野生型植物は、FAS系を介して炭素18個のPUFAといったいくつかのより短鎖または中鎖のPUFAを産生するものの、本明細書に記載されたPUFAシンターゼ系による遺伝子改変の結果として、植物、植物の部分、油糧種子、および/または油糧種子中の油中に新たなまたは追加的なPUFAが産生されると考えられる。

植物の遺伝子改変は、古典的な系統開発および/または分子遺伝学の手法を用いて達成することができる。米国特許出願公開第2007/0244192号を参照。所望のアミノ酸配列をコードする組換え核酸分子がその植物のゲノム中に組み入れられているトランスジェニック植物を作製するための方法は、当技術分野において公知である。 例えば、米国特許第5,569,597号;第5,589,367号;および第5,316,931号に記載された方法を用いたウイルスベクターによる単子葉植物の形質転換などにより、ウイルスベクターを用いてトランスジェニック植物を作製することができる。生物的および物理的な形質転換プロトコールを含む、形質転換による遺伝子操作または改変のための方法も当技術分野において周知である。例えば、B.L. Miki et al., Procedures for Introducing Foreign DNA into Plants, in METHODS IN PLANT MOLECULAR BIOLOGY AND BIOTECHNOLOGY 67-88 (Glick, B. R. and Thompson, J. E. eds., CRC Press, Inc., Boca Raton, 1993)を参照。加えて、植物細胞または組織の形質転換および植物の再生のためのベクターおよびインビトロ培養方法も利用可能である。例えば、M. Y. Gruber et al., Vectors for Plant Transformation, in METHODS IN PLANT MOLECULAR BIOLOGY AND BIOTECHNOLOGY 89-119 (Glick, B. R. and Thompson, J. E. eds., CRC Press, Inc., Boca Raton, 1993)を参照。

発現ベクターを植物に導入するために幅広く利用されている方法は、アグロバクテリウム(Agrobacterium)の天然の形質転換系に基づく。例えば、Horsch et al., Science 227:1229 (1985)および米国特許第6,051,757号を参照。アグロバクテリウム・ツメファシエンス(A. tumefaciens)およびアグロバクテリウム・リゾゲネス(A. rhizogenes)は、植物細胞を遺伝的に形質転換させる植物病原性土壌細菌である。A.ツメファシエンスおよびA.リゾゲネスのそれぞれTiプラスミドおよびRiプラスミドは、植物の遺伝的形質転換の原因となる遺伝子を保有する。例えば、Kado, C.I., Crit. Rev. Plant. Sci. 10:1 (1991)を参照されたい。アグロバクテリウムベクター系およびアグロバクテリウムを介した遺伝子導入の方法に関する記載は、Gruber et al., 前記、Miki et al., 前記、Moloney et al., Plant Cell Reports 8:238 (1989);ならびに米国特許第5,177,010号;第5,104,310号;第5,149,645号;第5,469,976号;第5,464,763号;第4,940,838号;第4,693,976号;第5,591,616号;第5,231,019号;第5,463,174号;第4,762,785号;第5,004,863号;第5,159,135号;ならびに欧州特許出願第0131624号、第120516号、第159418号、第176112号、第116718号、第290799号、第320500号、第604662号、第627752号、第0267159号および第0292435号を含む、多くの参考文献によって提供されている。

植物の形質転換の他の方法には、DNAが微小発射体(microprojectile)の表面にある状態で運搬される、微小発射体を介した形質転換が含まれる。発現ベクターは、植物細胞壁および膜を貫通するのに十分な速度まで微小発射体を加速する遺伝子銃装置を用いて植物組織に導入される。Sanford et al., Part. Sci. Technol. 5:27 (1987), Sanford, J.C., Trends Biotech. 6:299 (1988), Sanford, J.C., Physiol. Plant 79:206 (1990), Klein et al., Biotechnology 10:268 (1992)、ならびに米国特許第5,015,580号および第5,322,783号を参照。細胞内へ向けた微粒子上にコーティングされた遺伝子材料を加速するための方法は、例えば、米国特許第4,945,050号および第5,141,141号にも記載されている。植物へのDNAの物理学的送達のための別の方法は、標的細胞の超音波処理である。例えば、Zhang et al., Bio/Technology 9:996 (1991)を参照。または、リポソームまたはスフェロプラスト融合も、発現ベクターを植物に導入するために用いられている。例えば、Deshayes et al., EMBO J., 4:2731 (1985), Christou et al., Proc Natl. Acad. Sci. USA 84:3962 (1987)を参照。CaCl2沈降、DNA注入、ポリビニルアルコールまたはポリ-L-オルニチンを用いたプロトプラストへのDNAの直接的な取り込みも報告されている。例えば、Hain et al., Mol. Gen. Genet. 199:161 (1985)およびDraper et al., Plant Cell Physiol. 23:451 (1982)を参照。プロトプラストならびに全細胞および組織のエレクトロポレーションも記載されている。例えば、Donn et al., in Abstracts of VIIth International Congress on Plant Cell and Tissue Culture IAPTC, A2-38, p.53 (1990);D'Halluin et al., Plant Cell 4:1495-1505 (1992);Spencer et al., Plant Mol. Biol. 24:51-61 (1994);国際公開公報第87/06614号、国際公開公報第92/09696号および国際公開公報第93/21335号;ならびに米国特許第5,472,869号および第5,384,253号を参照。他の形質転換技術には、whiskers(ホイスカー)技術が含まれ、これについては例えば、米国特許第5,302,523号および第5,464,765号を参照されたい。

葉緑体またはプラスチドを直接的に形質転換することもできる。そのため、葉緑体またはプラスチドのDNAのみが、上記の核酸分子および組換え核酸分子のいずれか、さらにはそれらの組み合わせによって改変された組換え植物を作製することができる。葉緑体およびプラスチドにおいて機能するプロモーターは、当技術分野において公知である。例えば、Hanley-Bowden et al., Trends in Biochemical Sciences 12:67-70 (1987)を参照。異種DNAが挿入された葉緑体を含む細胞を入手するための方法および組成物は、例えば、米国特許第5,693,507号および第5,451,513号に記載されている。

また、効率的な形質転換をもたらす任意の他の方法を用いることもできる。

植物の形質転換に用いるのに適したベクターは、当技術分野において公知である。例えば、米国特許第6,495,738号;第7,271,315号;第7,348,473号;第7,355,100号;第7,456,340号;およびそれらの中に開示された参考文献を参照。

発現ベクターは、そのマーカーを含む形質転換細胞を、陰性選択、すなわち、選択マーカー遺伝子を含まない細胞の増殖の阻害によって、または陽性選択、すなわち、その遺伝マーカーによってコードされる産物に関するスクリーニングによって回収することを可能にする、調節エレメント(例えば、プロモーター)と機能的に連結された少なくとも1つの遺伝マーカーを含みうる。植物の形質転換のために一般的に用いられる選択マーカー遺伝子は、数多くのものが形質転換の技術分野では周知であり、これには例えば、抗生物質もしくは除草剤である可能性のある選択的化学薬品を代謝的に無毒化する酵素をコードする遺伝子、または、そうした阻害物質に対する感受性のない変化した標的をコードする遺伝子が含まれる。植物の形質転換に適した選択マーカーには、抗生物質であるカナマイシン、ネオマイシンおよびG418に対する耐性をコードするトランスポゾンTn5(Aph II)のアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子、さらには、グリホサート、ハイグロマイシン、メトトレキサート、ホスフィノトリシン(ビアラホス)、イミダゾリノン、スルホニル尿素およびトリアゾロピリミジン系除草剤、例えばクロルスルフロン、ブロモキシニル、ダラポンなどに対する耐性または耐容性をコードする遺伝子が非限定的に含まれる。植物の形質転換のために一般的に用いられる選択マーカー遺伝子の1つは、カナマイシンに対する耐性を付与する、植物調節シグナルの制御下にあるネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(nptII)遺伝子である。例えば、Fraley et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80: 4803 (1983)を参照。一般的に用いられる別の選択マーカー遺伝子は、抗生物質であるハイグロマイシンに対する耐性を付与するハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子である。例えば、Vanden Elzen et al., Plant Mol. Biol. 5:299 (1985)を参照。抗生物質に対する耐性を付与する、細菌由来のそのほかの選択マーカー遺伝子には、ゲンタマイシンアセチルトランスフェラーゼ、ストレプトマイシンホスホトランスフェラーゼ、アミノグリコシド3'-アデニルトランスフェラーゼおよびブレオマイシン耐性決定因子が含まれる。例えば、Hayford et al., Plant Physiol. 86:1216 (1988), Jones et al., Mol. Gen. Genet. 210: 86 (1987), Svab et al., Plant Mol. Biol. 14:197 (1990), Hille et al., Plant Mol. Biol. 7:171 (1986)を参照。他の選択マーカー遺伝子には、グリホサート、グルホシネート、またはブロモキシニルなどの除草剤に対する耐性を付与するものがある。例えば、Comai et al., Nature 317:741-744 (1985), Gordon-Kamm et al., Plant Cell 2:603-618 (1990)およびStalker et al., Science 242:419-423 (1988)を参照。植物の形質転換のための他の選択マーカー遺伝子には、細菌由来でないものがある。これらの遺伝子には、例えば、マウスジヒドロ葉酸レダクターゼ、植物5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼおよび植物アセト乳酸シンターゼが含まれる。例えば、Eichholtz et al., Somatic Cell Mol. Genet. 13:67 (1987), Shah et al., Science 233:478 (1986), Charest et al., Plant Cell Rep. 8:643 (1990)を参照。

レポーター遺伝子を、選択マーカーを伴って、または伴わずに用いることができる。レポーター遺伝子とは、典型的にはレシピエントの生物または組織に存在せず、典型的には、何らかの表現型変化または酵素特性をもたらすタンパク質をコードする、遺伝子のことである。例えば、K. Weising et al., Ann. Rev. Genetics 22: 421 (1988)を参照。レポーター遺伝子には、β-グルクロニダーゼ(GUS)、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質およびルシフェラーゼ遺伝子が非限定的に含まれる。例えば、Jefferson, R. A., Plant Mol. Biol. Rep. 5:387 (1987), Teeri et al., EMBO J. 8:343 (1989), Koncz et al., Proc. Natl. Acad. Sci U.S.A. 84:131 (1987), DeBlock et al., EMBO J. 3:1681 (1984)、およびChalfie et al., Science 263:802 (1994)を参照。レポーター遺伝子の発現を検出するためのアッセイは、遺伝子をレシピエント細胞に導入した後の適した時点で行うことができる。そのようなアッセイの1つは、Jefferson et al., Biochem. Soc. Trans. 15: 17-19 (1987)によって記載された、大腸菌のuida座位(uida locus)のβ-グルクロニダーゼ(GUS)をコードする遺伝子の使用を伴う。

種々の供給源に由来するプロモーター調節エレメントを、植物細胞において外来性遺伝子を発現させるために効率的に用いることができる。例えば、細菌由来のプロモーター調節エレメント、例えばオクトピンシンターゼプロモーター、ノパリンシンターゼプロモーター、マンノピンシンターゼプロモーター、さらにはウイルス由来のプロモーター、例えばカリフラワーモザイクウイルスプロモーター(35Sおよび19S)、35Tプロモーター(これは再構築された35Sプロモーターである。国際公開公報第97/13402号を参照)を用いることができる。植物プロモーター調節エレメントには、リブロース-1,6-二リン酸(RUBP)カルボキシラーゼ小サブユニット(ssu)、β-コングリシニンプロモーター、β-ファゼオリンプロモーター、ADHプロモーター、熱ショックプロモーターおよび組織特異的プロモーターが非限定的に含まれる。マトリックス付着領域、スカフォールド付着領域、イントロン、エンハンサーおよびポリアデニル化配列を、転写効率またはDNA組込みを向上させるために用いることもできる。そのようなエレメントを含めることで、植物における形質転換されたDNAの最適な遂行能力を得ることができる。典型的なエレメントには、Adh-イントロン1、Adh-イントロン6、アルファルファモザイクウイルスコートタンパク質リーダー配列、トウモロコシ縞葉枯病ウイルスコートタンパク質リーダー配列、さらには当業者が利用することのできる他のものが非限定的に含まれる。また、連続的な遺伝子発現を導くために構成性プロモーター調節エレメントを用いることもできる。構成性プロモーターには、CaMV由来の35Sプロモーター(Odell et al., Nature 313:810-812 (1985))のような植物ウイルス由来のプロモーター、およびイネアクチン(McElroy et al., Plant Cell 2:163-171 (1990))、ユビキチン(Christensen et al., Plant Mol. Biol. 12:619-632 (1989)およびChristensen et al., Plant Mol. Biol. 18:675-689 (1992))、pEMU(Last et al., Theor. Appl. Genet. 81:581-588 (1991))、MAS(Velten et al., EMBO J. 3:2723-2730 (1984))、トウモロコシH3ヒストン(Lepetit et al., Mol. Gen. Genetics 231:276-285 (1992)およびAtanassova et al., Plant Journal 2(3): 291-300 (1992))などの遺伝子由来のプロモーター、ならびにセイヨウアブラナ(Brassica napus)ALS3構造遺伝子の5'側のXbal/NcoI断片であるALSプロモーター(またはXbal/NcoI断片に類似したヌクレオチド配列)が非限定的に含まれる(国際公開公報第96/30530号)。また、組織特異的プロモーター調節エレメントを、特定の種類の細胞または組織、例えば葉または種子などにおける遺伝子発現のために用いることもできる(例えば、ゼイン、オレオシン、ナピン、ACP、グロブリンなど)。組織特異的または組織選好的なプロモーターには、ファゼオリン遺伝子などに由来する根選好的プロモーター(Murai et al., Science 23:476-482 (1983)およびSengupta-Gopalan et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:3320-3324 (1985));cabまたはルビスコなどに由来する葉特異的かつ光誘導性のプロモーター(Simpson et al., EMBO J. 4(11):2723-2729 (1985)およびTimko et al., Nature 318:579-582 (1985));LAT52などに由来する葯特異的プロモーター(Twell et al., Mol. Gen. Genetics 217:240-245 (1989));Zm13などに由来する花粉特異的プロモーター(Guerrero et al., Mol. Gen. Genetics 244:161-168 (1993));または、apgなどに由来する小胞子選好的プロモーター(Twell et al., Sex. Plant Reprod. 6:217-224 (1993))が非限定的に含まれる。また、プロモーター調節エレメントが、植物の発生のある特定の段階において、ならびに植物の組織および器官において活性を有してもよく、これには、花粉特異的、胚特異的、トウモロコシ毛特異的、綿繊維特異的、根特異的および種子内乳特異的なプロモーター調節エレメントが非限定的に含まれる。特定のシグナル、例えば:物理的刺激(熱ショック遺伝子);光(RUBPカルボキシラーゼ);ホルモン(Em);代謝産物;化学物質;およびストレスなどに応答しての遺伝子の発現の原因となる、誘導性プロモーター調節エレメントを用いることもできる。誘導性プロモーターには、銅に応答するACEI系(Mett et al., PNAS 90:4567-4571 (1993))、ベンゼンスルホンアミド系除草剤の毒性緩和剤に応答するトウモロコシのIn2遺伝子(Hershey et al., Mol. Gen Genetics 227:229-237 (1991)およびGatz et al., Mol. Gen. Genetics 243:32-38 (1994))、Tn10のTetリプレッサー(Gatz et al., Mol. Gen. Genetics 227:229-237 (1991));および、グルココルチコステロイドホルモンによって転写活性が誘導されるステロイドホルモン遺伝子(Schena et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88:0421 (1991)に由来するプロモーターが非限定的に含まれる。

また、ポリペプチドを細胞内オルガネラもしくは細胞内区画に導くため、またはアポプラストへの分泌のために、シグナル配列を用いることもできる。例えば、Becker et al., Plant Mol. Biol. 20:49 (1992), Knox, C., et al., Plant Mol. Biol. 9:3-17 (1987), Lerner et al., Plant Physiol. 91:124-129 (1989), Fontes et al., Plant Cell 3:483-496 (1991), Matsuoka et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 88:834 (1991), Gould et al,, J. Cell. Biol. 108:1657 (1989), Creissen et al., Plant J. 2:129 (1991), Kalderon, et al., Cell 39:499-509 (1984)、およびSteifel et al., Plant Cell 2:785-793 (1990)を参照。そのような標的指向性配列は、発現された所望のタンパク質を、それが最も効果的に機能する細胞構造に、または所望の表現型機能のために必要な細胞プロセスが集中している領域に移行させるようにする。

いくつかの態様において、シグナル配列は、本発明のタンパク質を細胞内区画に、例えばプラスチドまたは葉緑体に導くために用いられる。異種遺伝子産物を含め、遺伝子産物は、その遺伝子産物を、葉緑体移入の際に切断されて成熟タンパク質を生じるシグナル配列と融合させることにより、プラスチドまたは葉緑体に向かわせることができる。例えば、Comai et al., J. Biol. Chem. 263: 15104-15109 (1988)およびvan den Broeck et al., Nature 313: 358-363 (1985)を参照。適切なシグナル配列をコードするDNAを、RUBISCOタンパク質、CABタンパク質、EPSPシンターゼ酵素、GS2タンパク質、または標的指向性タンパク質を葉緑体に導くシグナル配列(葉緑体移行ペプチド(CTP)とも呼ばれる)を含むあらゆる天然の葉緑体標的指向性タンパク質をコードするcDNAから単離することができる。そのような葉緑体標的指向性タンパク質は当技術分野において周知である。葉緑体標的指向性タンパク質を、より大型の前駆体タンパク質として、その前駆体を葉緑体移入機構に導くアミノ末端CTPを含むように合成する。CTPは一般に、葉緑体オルガネラ内部に位置する特異的エンドプロテアーゼによって切断され、それにより、酵素などの活性タンパク質を含む標的指向性成熟タンパク質が、前駆体から葉緑体環境に放出される。遺伝子または遺伝子産物を植物細胞の葉緑体またはプラスチドに向かわせるために適したペプチドをコードする配列の例には、ペチュニアEPSPS CTP、アラビドプシス(Arabidopsis)EPSPS CTP2、ならびに当技術分野において公知であるイントロンおよび他の配列が含まれる。CTPの特定の例には、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)リブロース二リン酸カルボキシラーゼ小サブユニットats1A移行ペプチド、シロイヌナズナEPSPS移行ペプチド、およびトウモロコシ(Zea maize)リブロース二リン酸カルボキシラーゼ小サブユニット移行ペプチドが非限定的に含まれる。最適化された移行ペプチドは、例えば、Van den Broeck et al., Nature 313:358-363 (1985)に記載されている。原核生物性および真核生物性のシグナル配列は、例えば、Michaelis et al., Ann. Rev. Microbiol. 36: 425 (1982)によって開示されている。本発明に用いることのできる移行ペプチドのそのほかの例には、Von Heijne et al., Plant Mol. Biol. Rep. 9:104-126(1991);Mazur et al., Plant Physiol. 85: 1110 (1987);Vorst et al., Gene 65: 59 (1988);Chen & Jagendorf, J. Biol. Chem. 268: 2363-2367 (1993)に記載された葉緑体移行ペプチド;ニコチアナ・プルムバギニフォリア(Nicotiana plumbaginifolia)のrbcS遺伝子に由来する移行ペプチド(Poulsen et al. Mol. Gen. Genet. 205: 193-200 (1986));およびセイヨウアブラナのアシル-ACPチオエステラーゼに由来する移行ペプチド(Loader et al., Plant Mol. Biol. 23: 769-778 (1993);Loader et al., Plant Physiol. 110:336-336 (1995)が含まれる。

本発明の遺伝子改変植物を、内因性脂肪酸シンターゼを欠失または失活させるため、マロニルCoAをめぐる外因性PUFAシンターゼ系との内因性競合を低下させるため、生物におけるマロニルCoAのレベルを上昇させるため、およびそれらの組み合わせのために、さらに改変することもできる。例えば、米国特許出願公開第2007/0245431号を参照。

遺伝子改変植物は、発酵培地中で培養するか、または土壌のような適した媒質中で成長させる。高等植物のために適した成長培地には、土壌、砂、根の成長または水耕栽培を補助する他の任意の粒状媒質(例えば、バーミキュライト、パーライトなど)、ならびに適切な光、水および高等植物の成長を最適化する栄養補給剤を非限定的に含む、植物のための任意の増殖培地が含まれる。PUFAは、植物から化合物を抽出する精製プロセスにより、遺伝子改変植物から回収することができる。PUFAは、植物を収穫することにより、さらには植物(例えば、油糧種子)から油を収集することにより、回収することができる。また、植物をその自然の状態で消費してもよく、または消費可能な製品へさらに加工処理してもよい。いくつかの態様において、本発明は、遺伝子改変植物を対象とし、ここでこの植物は遺伝子改変の結果として少なくとも1種類のPUFAを産生し、この植物、またはPUFAを蓄積する植物の部分における総脂肪酸プロフィール は、植物の遺伝子改変の結果として産生された、検出可能な量のPUFAを含む。いくつかの態様において、植物は油糧種子植物である。いくつかの態様において、油糧種子植物はPUFAをその成熟種子中に産生するか、またはPUFAをその種子の油中に含む。

また、さまざまな哺乳動物細胞培養系を用いて、組換えタンパク質を発現させることもできる。発現ベクターは、複製起点、適したプロモーターおよびエンハンサー、さらには何らかの必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー部位およびアクセプター部位、転写終結配列、ならびに5'フランキング非転写配列を含むと考えられる。

異種発現を伴う方法 本発明は、以下の段階を含む、少なくとも1種類のPUFAを産生するための方法を対象とする:宿主細胞において、PUFAを産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ系を発現させる段階であって、PUFAシンターゼ系が、本明細書に記載された単離された核酸分子および組換え核酸分子のいずれか、ならびにそれらの組み合わせを含み、少なくとも1つのPUFAが産生される、段階。いくつかの態様において、少なくとも1種類のPUFAには、DHA、EPA、またはそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの態様において、宿主細胞は植物細胞、単離された動物細胞、または微生物細胞である。いくつかの態様において、宿主細胞はヤブレツボカビである。

本発明は、以下の段階を含む、DHA、EPA、またはそれらの組み合わせに富む脂質を産生するための方法を対象とする:宿主細胞において、脂質を産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階であって、PUFAシンターゼ遺伝子が、宿主細胞において、本明細書に記載された単離された核酸分子および組換え核酸分子のいずれか、ならびにそれらの組み合わせを含み、かつDHA、EPA、またはそれらの組み合わせに富む脂質が産生される、段階。

本発明は、宿主細胞において、脂質を産生させるのに有効な条件下でPUFAシンターゼ遺伝子を発現させる段階、および宿主細胞から脂質を単離する段階を含む、宿主細胞から脂質を単離する方法を対象とし、ここで、宿主細胞におけるPUFAシンターゼ系は、本明細書に記載された単離された核酸分子および組換え核酸分子のいずれか、ならびにそれらの組み合わせを含む。

いくつかの態様においては、PUFAを含む1つまたは複数の脂質画分を宿主細胞から単離する。いくつかの態様において、宿主細胞から単離される1つまたは複数の画分には、総脂肪酸画分、ステロールエステル画分、トリグリセリド画分、遊離脂肪酸画分、ステロール画分、ジグリセロール画分、リン脂質画分、またはそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの態様においては、PUFAを宿主細胞から単離し、ここでPUFAは、宿主細胞に導入されたPUFAシンターゼ系の組成に基づき、ω-3脂肪酸、ω-6脂肪酸、またはそれらの組み合わせに富む。いくつかの態様において、PUFAは、宿主細胞に導入されたPUFAシンターゼ系の組成に基づき、DHA、EPA、DPA n-6、ARA、またはそれらの組み合わせに富む。いくつかの態様において、PUFAはDHA、EPA、またはそれらの組み合わせに富む。いくつかの態様において、宿主細胞から単離されたPUFAのPUFAプロフィールは、高濃度のDHA、および低濃度のEPA、ARA、DPA n-6またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、宿主細胞から単離されたPUFAのPUFAプロフィールは、高濃度のDHAおよびEPA、ならびに低濃度のARA、DPA n-6またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、宿主細胞から単離されたPUFAのPUFAプロフィールは、高濃度のEPA、および低濃度のDHA、ARA、DPA n-6またはそれらの組み合わせを含む。

本発明は、PUFAシンターゼ活性を有する生物において、不活性な活性もしくは消失したPUFAシンターゼ活性を置き換える方法、新たなPUFAシンターゼ活性を導入する方法、または既存のPUFAシンターゼ活性を増強する方法であって、その生物において、PUFAシンターゼ活性を発現させるのに有効な条件下で、本明細書に記載された単離された核酸分子および組換え核酸分子のいずれか、ならびにそれらの組み合わせを発現させる段階を含む方法を対象とする。いくつかの態様において、核酸分子は、1つまたは複数のPUFAシンターゼドメインをコードする、本明細書に記載された1つまたは複数のPFA1、PFA2またはPFA3 PUFAシンターゼポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、生物のPUFAプロフィールは、1つまたは複数の本発明の核酸分子の導入によって改変される。いくつかの態様において、改変されたPUFAプロフィールには、ω-3脂肪酸の増加およびω-6脂肪酸の増加が含まれる。いくつかの態様において、改変されたPUFAプロフィールには、ω-6脂肪酸の増加およびω-3脂肪酸の減少が含まれる。いくつかの態様においては、ω-3およびω-6脂肪酸の両方が増加する。いくつかの態様においては、DHAの量は増加し、一方、EPA、ARA、DPA n-6の1つもしくは複数、またはそれらの組み合わせの量は維持されるかまたは減少する。いくつかの態様においては、EPAおよびDHAの量は増加し、一方、ARA、DPA n-6またはそれらの組み合わせの量は維持されるかまたは減少する。いくつかの態様においては、EPAの量は増加し、一方、EPA、ARA、DPA n-6の1つもしくは複数、またはそれらの組み合わせの量は維持されるかまたは減少する。いくつかの態様において、核酸分子は、PFA3またはその中の1つもしくは複数のドメインのポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、核酸分子はPFA3またはその中の1つもしくは複数のドメインのポリヌクレオチド配列を含み、その生物におけるω-3脂肪酸の量は増加し、一方、ω-6脂肪酸の量は減少する。いくつかの態様において、核酸分子はPFA2またはその中の1つもしくは複数のドメインのポリヌクレオチド配列を含み、その生物におけるDHAの量は増加し、一方、EPAの量は減少する。

本発明は、以下の段階を含む、PUFAシンターゼ活性を有する生物におけるDHA、EPA、またはそれらの組み合わせの産生を増加させる方法を対象とする:その生物において、本明細書に記載された単離された核酸分子および組換え核酸分子のいずれか、ならびにそれらの組み合わせを、DHA、EPA、またはそれらの組み合わせを産生させるのに有効な条件下で発現させる段階であって、PUFAシンターゼ活性が、その生物において、不活性な活性または消失した活性に取って代わるか、新たな活性を導入するか、または既存の活性を増強し、かつその生物におけるDHA、EPA、またはそれらの組み合わせの産生が増加する、段階。

本発明を全般的に説明してきたが、本明細書に提示された実施例を参照することにより、さらなる理解を得ることができる。これらの例は、例示のみを目的としており、限定を意図したものではない。

実施例1 PUFAシンターゼのKSおよびDHドメイン用の縮重プライマーを、シゾキトリウム属種ATCC PTA9695としても公知であるATCCアクセッション番号PTA-9695として寄託された分離された微生物から対応する配列を単離する目的で設計した。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1 KS領域(すなわち、KSドメインを含む領域)用の縮重プライマーを、シュワネラ・ジャポニカ(Shewanella japonica)、シゾキトリウム属種ATCC 20888、スラウストキトリウム・アウレウム(ATCC 34304)およびヤブレツボカビ属種23B ATCC 20892に関して公表されているPFA1(以前はorfAまたはORF 1と称された)配列に基づいて設計した:

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3(以前はorfCまたはORF 3と称された)のDH領域用の縮重プライマーは、モリテーラ・マリーナ(Moritella marina);シゾキトリウム属種ATCC 20888;シュワネラ属種SCRC2738;フォトバクター・プロファンダム(Photobacter profundum);およびヤブレツボカビ属種23B ATCC 20892に関して公表されている配列に基づいて設計した:

染色体DNAテンプレートを用いるPCR条件は以下の通りとした:0.2μMのdNTP、0.1uMの各プライマー、8% DMSO、200ngの染色体DNA、2.5UのHerculase(登録商標)II融合ポリメラーゼ(Stratagene)および1×Herculase(登録商標)緩衝剤(Stratagene)を50μLの全容積中に。PCRプロトコールには以下の段階を含めた:(1)98℃を3分間;(2)98℃を30秒間;(3)50℃を30秒間;(4)72℃を2分間;(5)段階2〜4を40サイクル繰り返す;(6)72℃を5分間;および(7)6℃に保つ。

どちらのプライマー対の場合も、シゾキトリウム属種ATCCアクセッション番号PTA-9695由来の染色体テンプレートを用いたPCRにより、予想されたサイズの別個のDNA産物が生じた。各々のPCR産物をベクターpJET1.2/blunt(Fermentas)中に製造元の指示に従ってクローニングし、インサート配列を、供給された標準的なプライマーを用いて決定した。

PCR産物から得られたDNA配列を、NCBI GenBankから、標準的なBLASTx検索(BLASTxパラメーター:低複雑度フィルターをオンに;マトリックス:BLOSUM62;ギャップコスト(Gap cost);Existence 11、Extenstion1。Stephen F. Altschul, Thomas L. Madden, Alejandro A. Schaffer, Jinghui Zhang, Zheng Zhang, Webb Miller, and David J. Lipman (1997), "Gapped BLAST and PSI-BLAST: a new generation of protein database search programs", Nucleic Acids Res. 25:3389-3402)で得られた公知の配列と比較した。

アミノ酸レベルで、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695由来のKS断片を含むクローニングされたDNAに由来する推定アミノ酸配列に対して最も高いレベルの相同性を有していた配列は、以下のものであった:シゾキトリウム属種ATCC 20888「多価不飽和脂肪酸シンターゼサブユニットA」(同一性=87%;陽性率=92%);シュワネラ・オネイデンシス(Shewanella oneidensis)MR-1「多ドメインβ-ケトアシルシンターゼ」(同一性=49%;陽性率=64%);およびシュワネラ属種MR-4「β-ケトアシルシンターゼ」(同一性=49%;陽性率=64%)。

アミノ酸レベルで、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695由来のDH断片を含むクローニングされたDNAに由来する推定アミノ酸配列に対して最も高いレベルの相同性を有していた配列は、以下のものであった:シゾキトリウム属種ATCC 20888「多価不飽和脂肪酸シンターゼサブユニットC」(同一性=61%;陽性率=71%);シュワネラ・ペアレアナ(Shewanella pealeana)ATCC 700345「β-ヒドロキシアシル-(アシル-キャリアータンパク質)デヒドラターゼFabA/FabZ」(同一性=35%;陽性率=50%);およびシュワネラ・セディミニス(Shewanella sediminis)HAW-EB3「ω-3多価不飽和脂肪酸シンターゼPfaC」(同一性=34%;陽性率=50%)。

実施例2 PUFAシンターゼ遺伝子を、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695から同定した。

ゲノムDNAを微生物から標準的な手順によって調製した。例えば、Sambrook J. and Russell D. 2001. Molecular cloning: A laboratory manual, 3rd edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New Yorkを参照。手短に述べると:(1)対数期中間部の培養物から、500μLの細胞をペレット化した。細胞を再遠心し、小口径チップを用いて細胞から液体の痕跡をすべて取り除いた;(2)ペレットを、200μLの溶解用緩衝剤(20mM Tris pH 8.0、125μg/mLのプロテイナーゼK、50mM NaCl、10mM EDTA pH 8.0、0.5% SDS)で再懸濁させた;(3)細胞を50℃で1時間にわたって溶解させた;(4)溶解混合物をピペット操作によってフェーズロック(phase-lock)ゲル(PLG-Eppendorf)2mLチューブに移した;(5)等容積のP:C:Iを添加し、1.5時間にわたり混合させた;(6)チューブを12k×gで5分間遠心した;(7)PLGチューブ内のゲルの上の水相を除去し、等容積のクロロホルムを水相に添加して、30分間にわたり混合した;(8)チューブを14kでおよそ5分間にわたって遠心した;(9)上層(水相)をピペット操作によってクロロホルムから取り出して、新たなチューブに入れた;(10)0.1倍容積の3M NaOACを添加して、混合した(数回倒置した);(11)2倍容積の100% EtOHを添加し、この段階で形成されるゲノムDNA沈降物とともに混合した(数回倒置した);(12)チューブを微量遠心管に入れ、4℃にて14kでおよそ15分間遠心した;(13)液体を丁寧に注ぎ出し、ゲノムDNAがチューブの底に残るようにした;(14)ペレットを0.5mLの70% EtOHで洗浄した;(15)チューブを微量遠心管に入れ、4℃にて14kでおよそ5分間遠心した;(16)EtOHを丁寧に注ぎ出し、ゲノムDNAペレットを乾燥させた;および(17)適した容積のH2OおよびRNアーゼを、ゲノムDNAペレットに直接添加した。

この単離したゲノムDNAを用いて、大きな断片(およそ40kB)からなる組換えライブラリーを、製造元の指示に従ってコスミドpWEB-TNC(商標)(Epicentre)中に作製した。コスミドライブラリーを、32P放射性標識プローブを用いる標準的なコロニーハイブリダイゼーション手順によってスクリーニングした(Sambrook J. and Russell D. 2001. Molecular cloning: A laboratory manual, 3rd edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York)。これらのプローブは、実施例1に記載したような他の生物に由来する公表されているPUFAシンターゼ配列に対して相同なDNAを含んでいた。これらのプローブは、上記のpJET1.2/blunt由来の各々のクローンのクローニングされた断片のDNA制限消化によって作製し、標準的な方法によって標識した。いずれの場合にも、個々のプローブの、ある特定のコスミドに対する強いハイブリダイゼーションにより、PUFAシンターゼ遺伝子に対して相同なDNAを含むクローンが指し示された。

コスミドクローンpDS115はプローブとKS領域との強いハイブリダイゼーションを明らかに示し、これをシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1遺伝子のDNAシークエンシングのために選択した。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695のPFA1遺伝子およびPFA2遺伝子を含むコスミドクローンpDS115は、ブダペスト条約に従って、American Type Culture Collection, Patent Depository, 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110-2209に2009年1月27日に寄託され、ATCCアクセッション番号PTA-9737を付与された。実施例1において決定されたKS領域のDNA配列に対するシークエンシング用プライマーを、標準的な方法を用いて設計した。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1のDNA配列を決定するために、コスミドクローンの「ウォーキング」を行わせる目的で、標準的な方法によるシークエンシング用プライマーの設計を以後に伴う、連続した複数回のDNAシークエンシングを行った。

以前に公表されているヤブレツボカビPUFAシンターゼ系では、PUFAシンターゼ遺伝子PFA1およびPFA2は1つにまとまってクラスター化しており、多岐に転写されるように配置されている。これはシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695由来のPFA1およびPFA2の場合も同様である。コスミドクローンpDS115由来のDNA配列の「ウォーキング」により、PFA2の概念上の開始部はPFA1の開始部から493ヌクレオチドのところにあり、多岐に転写されることが見いだされた。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695のPFA1およびPFA2 PUFAシンターゼ遺伝子の各ヌクレオチド塩基対を、少なくとも2つの別個のDNAシークエンシング反応により、最小総合(minimum aggregated)Phredスコアが少なくとも40(信頼水準99.99%)であるという高品位でカバーした。

コスミドクローンpBS4は、プローブとDH領域との強いハイブリダイゼーションを明らかに示し、これをシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3遺伝子のDNAシークエンシングのために選択した。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3遺伝子を含むコスミドクローンpBS4は、ブダペスト条約に従って、American Type Culture Collection, Patent Depository, 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110-2209に2009年1月27日に寄託され、ATCCアクセッション番号PTA-9736を付与された。実施例1において決定されたDH領域のDNA配列に対して、標準的な方法を用いてシークエンシング用プライマーを設計した。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3遺伝子のDNA配列を決定するために、コスミドクローンの「ウォーキング」を行わせる目的で、標準的な方法によるシークエンシング用プライマーの設計を以後に伴う、連続した複数回のDNAシークエンシングを行った。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3遺伝子の各ヌクレオチド塩基対を、少なくとも2つの別個のDNAシークエンシング反応により、最小総合Phredスコアが少なくとも40(信頼水準99.99%)であるという高品位でカバーした。

表1は、以前に公表されている配列と比較した、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695のPFA1(SEQ ID NO:1)、PFA2(SEQ ID NO:3)およびPFA3(SEQ ID NO:5)ポリヌクレオチド配列に関する同一性を示している。同一性は、DNAアラインメントのための標準の1つである、VectorNTIプログラムの「AlignX」プログラムの中のスコアリングマトリックス「swgapdnamt」によって決定した。

(表1)PFA1、PFA2、およびPFA3ポリヌクレオチド配列に対する同一性%

表2は、以前に公表されているPUFAシンターゼアミノ酸配列と比較した、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695のPfa1p(SEQ ID NO:2)、Pfa2p(SEQ ID NO:4)およびPfa3p(SEQ ID NO:6)に関するアミノ酸配列の同一性を示している。同一性は、タンパク質アラインメントのための標準の1つである、VectorNTIプログラムの「AlignX」プログラムの中のスコアリングマトリックス「blosum62mt2」を用いることによって決定した。

(表2)Pfa1p、Pfa2p、およびPfa3pアミノ酸配列に対する同一性%

実施例3 シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1、PFA2およびPFA3のPUFAシンターゼドメインおよび活性部位のそれぞれについて、配列座標に注釈づけを行うためにドメイン解析を行った。ドメインは、PUFAシンターゼ、脂肪酸シンターゼおよびポリケチドシンターゼの公知のドメインに対する相同性に基づいて同定した。

表3は、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1に付随するドメインおよび活性部位を示している。

(表3)シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1のドメイン解析

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1における第1のドメインはKSドメインである。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1 KSドメインをコードするヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:7として表されており、これはSEQ ID NO:1の7〜1401位に対応する。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1 KSドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:8として表されており、これはSEQ ID NO:2の3〜467位に対応する。KSドメインは活性部位モチーフ:DXAC*(SEQ ID NO:43)を含み、ここで*アシル結合部位(binding cite)はSEQ ID NO:2のC203に対応する。また、KSドメインの末端にも特徴的モチーフ:GFGG(SEQ ID NO:44)が存在し、これはSEQ ID NO:2の455〜458位およびSEQ ID NO:8の453〜456位に対応する。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1における第2のドメインは、MATドメインである。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1 MATドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:9として表されており、これはSEQ ID NO:1の1798〜2700位に対応する。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1 MATドメインを含むアミノ酸配列は、本明細書中にSEQ ID NO:10として表されており、これはSEQ ID NO:2の600〜900位に対応する。MATドメインは活性部位モチーフ:GHS*XG(SEQ ID NO:46)を含み、ここで*アシル結合部位はSEQ ID NO:2のS699に対応する。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1の第3〜第8のドメインは6個の縦列ACPドメインであり、これは本明細書中でACP1、ACP2、ACP3、ACP4、ACP5およびACP6とも称される。第1のACPドメインであるACP1を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:13として表されており、これはSEQ ID NO:1の約3325位から約3600位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP1を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:14として表されており、これはSEQ ID NO:2の約1109位から約1200位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP2を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:15として表されており、これはSEQ ID NO:1の約3667位から約3942位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP2を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:16として表されており、これはSEQ ID NO:2の約1223位から約1314位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP3を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:17として表されており、これはSEQ ID NO:1の約4015位から約4290位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP3を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:18として表されており、これはSEQ ID NO:2の約1339位から約1430位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP4を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:19として表されており、これはSEQ ID NO:1の約4363位から約4638位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP4を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:20として表されており、これはSEQ ID NO:2の約1455位から約1546位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP5を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:21として表されており、これはSEQ ID NO:1の約4711位から約4986位にわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP5を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:22として表されており、これはSEQ ID NO:2の約1571位から約1662位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP6を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:23として表されており、これはSEQ ID NO:1の約5053位から約5328位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP6を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:24として表されており、これはSEQ ID NO:2の約1685位から約1776位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。この6個のACPドメインの全体を合わせると、SEQ ID NO:1の約3298位から約5400位までのシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1の領域にわたり、これはSEQ ID NO:2の約1100〜約1800のアミノ酸位置に対応する。6個のドメインすべてを含むACP領域全体のヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:11として表されている;一方、6個のドメインすべてを含むACP領域全体のアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:12として表されている。SEQ ID NO:11の内部の6個のACPドメインの反復間隔はおよそ342ヌクレオチド毎であることが見いだされた(隣り合う活性部位セリン間で計測した実際のアミノ酸の数は114〜116アミノ酸の範囲である)。6個のACPドメインはそれぞれパンテテイン結合モチーフLGIDS*(SEQ ID NO:47)を含み、ここでS*はパンテテイン結合部位セリン(S)である。パンテテイン結合部位セリン(S)は各ACPドメイン配列の中央近くに位置する。SEQ ID NO:2のアミノ酸配列に関して、6個のACPDドメインのそれぞれについての活性部位セリン残基(すなわち、パンテテイン結合部位)の位置は以下の通りである:ACP1=S1152、ACP2=S1266、ACP3=S1382、ACP4=S1498、ACP5=S1614、およびACP6=S1728。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1における第9のドメインはKRドメインである。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1 KRドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:25として表されており、これはSEQ ID NO:1の5623〜7800位に対応する。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1 KRドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:26として表されており、これはSEQ ID NO:2の1875〜2600位に対応する。KRドメインの内部には、短鎖アルデヒドデヒドロゲナーゼ(KRはこのファミリーのメンバーである)に対する相同性を有するコア領域(SEQ ID NO:48のヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:49のアミノ酸配列の内部に含まれる)がある。このコア領域はSEQ ID NO:1の約5998位〜約6900にわたり、これはSEQ ID NO:2のアミノ酸2000〜2300位に対応する。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1における第10のドメインはDHドメインである。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1 DHドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:27として表されており、これはSEQ ID NO:1の7027〜7065位に対応する。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa1 DHドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:28として表されており、これはSEQ ID NO:2の2343〜2355位に対応する。DHドメインは、保存された活性部位モチーフ(Donadio, S. and Katz,, L., Gene 111(1): 51-60 (1992)を参照):LxxHxxxGxxxxP(SEQ ID NO:50)を含む。

表4は、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2に付随するドメインおよび活性部位を示している。

(表4)シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2のドメイン解析

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2における第1のドメインはKSドメインである。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2 KSドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:29として表されており、これはSEQ ID NO:3の10〜1350位に対応する。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2 KSドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:30として表されており、これはSEQ ID NO:4の4〜450位に対応する。KSドメインは活性部位モチーフ:DXAC*(SEQ ID NO:43)を含み、ここで*アシル結合部位はSEQ ID NO:4のC191に対応する。また、KSドメインの末端にも特徴的モチーフ:GFGG(SEQ ID NO:44)が存在し、これはSEQ ID NO:4の438〜441位およびSEQ ID NO:30の435〜438位に対応する。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2における第3のドメインはCLFドメインである。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2 CLFドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:31として表されており、これはSEQ ID NO:3の1408〜2700位に対応する。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2 CLFドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:32として表されており、これはSEQ ID NO:4の470〜900位に対応する。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2における第3のドメインはATドメインである。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2 ATドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:33として表されており、これはSEQ ID NO:3の2998〜4200位に対応する。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2 ATドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:34として表されており、これはSEQ ID NO:4の1000〜1400位に対応する。ATドメインは、アシルトランスフェラーゼ(AT)タンパク質に特徴的な活性部位モチーフGxS*xG(SEQ ID NO:52)を含み、ここで活性部位セリン残基はSEQ ID NO:4のS1141に対応する。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2の第4のドメインはERドメインである。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa2 ERドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:35として表されており、これはSEQ ID NO:3の4498〜5700位に対応する。このPfa2 ERドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:36として表されており、これはSEQ ID NO:4の1500〜1900位に対応する。

表5は、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3に付随するドメインおよび活性部位を示している。

(表5)シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3のドメイン解析

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa3の第1および第2のドメインはDHドメインであり、これは本明細書中でそれぞれDH1およびDH2と称される。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa3 DH1ドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:37として表されており、これはSEQ ID NO:5の1〜1350位に対応する。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa3 DH1ドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:38として表されており、これはSEQ ID NO:6の1〜450位に対応する。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa3 DH2ドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:39として表されており、これはSEQ ID NO:5の1501〜2700位に対応する。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa3 DH2ドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:40として表されており、これはSEQ ID NO:6の501〜900位に対応する。DHドメインは活性部位モチーフ:FxxH*F(SEQ ID NO:53)を含む。DH1における活性部位モチーフを含むヌクレオチド配列はSEQ ID NO:5の931〜933位に対応し、一方、DH2における活性部位モチーフを含むヌクレオチド配列はSEQ ID NO:5の2401〜2403位に対応する。モチーフFxxH*Fにおける活性部位H*は、Leesong et al., Structure 4:253-64 (1996)およびKimber et al. J Biol Chem. 279:52593-602 (2004)からのデータに基づき、ここでDH1における活性部位H*はSEQ ID NO:6のH310に対応し、DH2における活性部位H*はSEQ ID NO:6のH801に対応する。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa3の第3のドメインはERドメインである。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa3 ERドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:41として表されており、これはSEQ ID NO:5の2848〜4200位に対応する。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 Pfa3 ERドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:42として表されており、これはSEQ ID NO:6の950〜1400位に対応する。

実施例4 PUFAシンターゼのKS、ERおよびDHドメイン用の縮重プライマーを、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212としても公知であるATCCアクセッション番号PTA-10212として寄託された分離された微生物から対応する配列を単離する目的で設計した。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1 KS領域(すなわち、KSドメインを含む領域)用の縮重プライマーを、シゾキトリウム属種ATCC 20888、スラウストキトリウム・アウレウム(ATCC 34304)およびヤブレツボカビ属種23B ATCC 20892に関して公表されているPFA1(以前はorfAまたはORF 1と称された)配列に基づいて設計した:

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2のER領域(すなわち、ERドメインを含む領域)用の縮重プライマーは、シュワネラ・ジャポニカ、シゾキトリウム属種ATCC 20888、スラウストキトリウム・アウレウム(ATCC 34304)およびヤブレツボカビ属種23B ATCC 20892に関して公表されているPFA2(以前はorfBまたはORF 2と称された)配列に基づいて設計した:

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3のER領域(すなわち、ERドメインを含む領域)用の縮重プライマーは、シュワネラ・ジャポニカ、シゾキトリウム属種ATCC 20888、スラウストキトリウム・アウレウム(ATCC 34304)およびヤブレツボカビ属種23B ATCC 20892に関して公表されているPFA3(以前はorfCまたはORF 3と称された)配列に基づいて設計した:

縮重プライマーJGM190(順方向、SEQ ID NO:64)およびBLR242(逆方向、SEQ ID NO:65)を、上記のように、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212由来のPFA3のDH領域を増幅するために用いた。

染色体DNAテンプレートを用いるPCR条件は以下の通りとした:0.2μMのdNTP、0.1uMの各プライマー、6% DMSO、200ngの染色体DNA、2.5UのHerculase(登録商標)II融合ポリメラーゼ(Stratagene)および1×Herculase(登録商標)緩衝剤(Stratagene)を50μLの全容積中に。PCRプロトコールには以下の段階を含めた:(1)98℃を3分間;(2)98℃を30秒間;(3)54℃を45秒間;(4)72℃を1分間;(5)段階2〜4を40サイクル繰り返す;(6)72℃を5分間;および(7)6℃に保つ。

いずれのプライマー対の場合も、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212由来の染色体テンプレートを用いたPCRにより、予想されたサイズの別個のDNA産物が生じた。各々のPCR産物をベクターpJET1.2/blunt(Fermentas)中に製造元の指示に従ってクローニングし、インサート配列を、供給された標準的なプライマーを用いて決定した。

PCR産物から得られたDNA配列を、実施例1に記載した通りに、NCBI GenBankから入手可能な公知の配列と比較した。

アミノ酸レベルで、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212のPFA1由来のKS断片を含むクローニングされたDNAに由来する推定アミノ酸配列に対して最も高いレベルの相同性を有していた配列は、以下のものであった:シゾキトリウム属種ATCC 20888「多価不飽和脂肪酸シンターゼサブユニットA」(同一性=80%;陽性率=90%);シュワネラ・ベンチカ(Shewanella benthica)KT99「ω-3多価不飽和脂肪酸シンターゼPfaA」(同一性=51%;陽性率=67%);シュワネラ・ロイヒカ(Shewanella loihica)PV-4「β-ケトアシルシンターゼ」(同一性=50%;陽性率=67%);シュワネラ・ウーディイ(Shewanella woodyi)ATCC 51908「ポリケチド型多価不飽和脂肪酸シンターゼPfaA」(同一性=51%;陽性率=66%)。

アミノ酸レベルで、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212のPFA2由来のER断片を含むクローニングされたDNAに由来する推定アミノ酸配列に対して最も高いレベルの相同性を有していた配列は、以下のものであった:シゾキトリウム属種ATCC 20888「多価不飽和脂肪酸シンターゼサブユニットB」(同一性=70%;陽性率=85%);シゾキトリウム属種ATCC 20888「多価不飽和脂肪酸シンターゼサブユニットC」(同一性=66%;陽性率=83%);ノドゥラリア・スプミゲナ(Nodularia spumigena)CCY9414「2-ニトロプロパンジオキシゲナーゼ」(同一性=57%;陽性率=74%);モリテーラ属種(Moritella sp.)PE36「多価不飽和脂肪酸シンターゼPfaD」(同一性=57%;陽性率=71%)。

アミノ酸レベルで、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212のPFA3由来のER断片を含むクローニングされたDNAに由来する推定アミノ酸配列に対して最も高いレベルの相同性を有していた配列は、以下のものであった:シゾキトリウム属種ATCC 20888「多価不飽和脂肪酸シンターゼサブユニットC」(同一性=80%;陽性率=90%);シゾキトリウム属種ATCC 20888「多価不飽和脂肪酸シンターゼサブユニットB」(同一性=78%;陽性率=89%);モリテーラ属種PE36「多価不飽和脂肪酸シンターゼPfaD」(同一性=56%;陽性率=71%);シュワネラ・アマゾネンシス(Shewanella amazonensis)SB2B「ω-3多価不飽和脂肪酸シンターゼPfaD」(同一性=55%;陽性率=73%)。

アミノ酸レベルで、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212のPFA3由来のDH断片を含むクローニングされたDNAに由来する推定アミノ酸配列に対して最も高いレベルの相同性を有していた配列は、以下の通りであった:シゾキトリウム属種ATCC 20888「多価不飽和脂肪酸シンターゼサブユニットC」(同一性=63%;陽性率=76%);シュワネラ・ペアレアナATCC 700345「β-ヒドロキシアシル-(アシルキャリアータンパク質)デヒドラターゼFabA/FabZ」(同一性=35%;陽性率=53%);シュワネラ・ピエゾトレランス(Shewanella piezotolerans)WP3「多ドメインβ-ケトアシルシンターゼ」(同一性=36%;陽性率=52%);シュワネラ・ベンチカKT99「ω-3多価不飽和脂肪酸シンターゼPfaC」(同一性=35%;陽性率=51%)。

実施例5 PUFAシンターゼ遺伝子を、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212から同定した。

-80℃のクライオバイアル(cyrovial)から、1mLの細胞を室温で解凍させ、250mLバッフル無しフラスコ内に入れた50mLの液体HSFM培地(下記)中に添加した。フラスコを23℃で3日間インキュベートした。細胞を収集し、標準的な細菌人工染色体(BAC)ライブラリーの構築のために利用した(Lucigen Corporation, Middleton, WI USA)。

(表6)HSFM培地

典型的な培養条件には以下が含まれると考えられる:

大きな断片(平均およそ120kB)からなる組換えBACライブラリーを、製造元の指示に従い、BACベクターpSMART(登録商標)(Lucigen Corporation)中で操作した。BACライブラリーを、32P放射標識プローブを用いる標準的なコロニーハイブリダイゼーション手順によってスクリーニングした(Sambrook J. and Russell D. 2001. Molecular cloning: A laboratory manual, 3rd edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York)。これらのプローブには、実施例4に記載したような他の生物に由来する公表されているPUFAシンターゼ配列に対して相同なDNAを含んでいた。これらのプローブは、上記のpJET1.2/blunt由来の各々のクローンからクローニングされた断片のDNA制限消化によって作製し、標準的な方法によって標識した。いずれの場合にも、個々のプローブの、ある特定のBACに対する強いハイブリダイゼーションにより、PUFAシンターゼ遺伝子に対して相同なDNAを含むクローンが指し示された。

BACクローンpLR130(LuMaBAC 2M23としても知られる)は、プローブと、KS領域およびER領域の両方との強いハイブリダイゼーションを明らかに示したが、これはそれがPFA1遺伝子およびPFA2遺伝子を含むことを指し示しており、そのため、これをヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212のPFA1遺伝子およびPFA2遺伝子のDNAシークエンシングのために選択した。BACのシークエンシングは、標準的な手順(Eurofins MWG Operon, Huntsville, AL)によって行った。PFA1遺伝子およびPFA2遺伝子を含むBACクローンpLR130は、ブダペスト条約に従って、American Type Culture Collection, Patent Depository, 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110-2209に2009年12月1日に寄託され、ATCCアクセッション番号PTA-10511を付与された。

以前に公表されているヤブレツボカビPUFAシンターゼ系では、PUFAシンターゼ遺伝子PFA1およびPFA2は1つにまとまってクラスター化しており、多岐に転写されるように配置されている。これはヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212由来のPFA1およびPFA2の場合も同様である。PFA2の概念上の開始部はPFA1の開始部から693ヌクレオチドのところにあり、多岐に転写されることが見いだされた。

BACクローンpDS127(LuMaBAC 9K17としても知られる)は、プローブとPFA3のDH領域およびER領域との強いハイブリダイゼーションを明らかに示し、これをPFA3遺伝子のDNAシークエンシングのために選択した。PFA3遺伝子を含むBACクローンpDS127は、ブダペスト条約に従って、American Type Culture Collection, Patent Depository, 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110-2209に2009年12月1日に寄託され、ATCCアクセッション番号PTA-10510を付与された。DH領域およびER領域ならびに実施例4において決定されたDNA配列に対して、標準的な方法を用いてシークエンシング用プライマー設計した。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3遺伝子のDNA配列を決定するために、BACクローンの「ウォーキング」を行わせる目的で、標準的な方法によるシークエンシング用プライマーの設計を以後に伴う、連続した複数回のDNAシークエンシングを行った。PFA3遺伝子の各ヌクレオチド塩基対を、少なくとも2つの別個のDNAシークエンシング反応により、最小総合Phredスコアが少なくとも40(信頼水準99.99%)であるという高品位でカバーした。

表7は、以前に公表されている配列およびシゾキトリウム属種PTA-9695由来の配列と比較した、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212のPFA1(SEQ ID NO:68)、PFA2(SEQ ID NO:70)およびPFA3(SEQ ID NO:72)ポリヌクレオチド配列に関する同一性を示している。同一性は、DNAアラインメントのための標準の1つである、VectorNTIプログラムの「AlignX」プログラムの中のスコアリングマトリックス「swgapdnamt」によって決定した。

(表7)PFA1、PFA2、およびPFA3ポリヌクレオチド配列に対する同一性%

表8は、以前に公表されているPUFAシンターゼのアミノ酸配列およびシゾキトリウム属種PTA-9695由来の配列と比較した、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212のPfa1p(SEQ ID NO:69)、Pfa2p(SEQ ID NO:71)およびPfa3p(SEQ ID NO:73)アミノ酸配列に関する同一性を示している。同一性は、タンパク質アラインメントのための標準の1つである、VectorNTIプログラムの「AlignX」プログラムの中のスコアリングマトリックス「blosum62mt2」を用いることによって決定した。

(表8)Pfa1p、Pfa2p、およびPfa3pアミノ酸配列に対する同一性%

実施例6 ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1、PFA2およびPFA3のPUFAシンターゼドメインおよび活性部位のそれぞれについて、配列座標に注釈づけを行うためにドメイン解析を行った。ドメインは、PUFAシンターゼ、脂肪酸シンターゼおよびポリケチドシンターゼの公知のドメインに対する相同性に基づいて同定した。

表9は、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1に付随するドメインおよび活性部位を示している。

(表9)ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1のドメイン解析

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa1における第1のドメインはKSドメインである。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa1 KSドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:74として表されており、これはSEQ ID NO:68の13〜1362位に対応する。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa1 KSドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:75として表されており、これはSEQ ID NO:69の5〜454位に対応する。KSドメインは活性部位モチーフ:DXAC*(SEQ ID NO:43)を含み、ここで*アシル結合部位はSEQ ID NO:69のC204に対応する。また、KSドメインの末端にも特徴的モチーフ:GFGG(SEQ ID NO:44)が存在し、これはSEQ ID NO:69の451〜454位およびSEQ ID NO:75の447〜450位に対応する。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa1における第2のドメインはMATドメインである。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa1 MATドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:76として表されており、これはSEQ ID NO:68の1783〜2703位に対応する。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa1 MATドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:77として表されており、これはSEQ ID NO:69の595〜901位に対応する。MATドメインは活性部位モチーフ:GHS*XG(SEQ ID NO:46)を含み、ここで*アシル結合部位はSEQ ID NO:69のS695に対応する。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa1pの第3〜第12のドメインは10個の縦列ACPドメインであり、これは本明細書中でACP1、ACP2、ACP3、ACP4、ACP5、ACP6、ACP7、ACP8、ACP9およびACP10とも称される。第1のACPドメインであるACP1を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:80として表されており、これはSEQ ID NO:68の約3280位から約3534位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP1を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:81として表されており、これはSEQ ID NO:69の約1094位から約1178位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP2を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:82として表されており、これはSEQ ID NO:68の約3607位から約3861位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP2を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:83として表されており、これはSEQ ID NO:69の約1203位から約1287位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP3を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:84として表されており、これはSEQ ID NO:68の約3934位から約4185位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP3を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:85として表されており、これはSEQ ID NO:69の約1312位から約1396位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP4を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:86として表されており、これはSEQ ID NO:68の約4261位から約4515位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP4を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:87として表されており、これはSEQ ID NO:69の約1421位から約1505位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP5を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:88として表されており、これはSEQ ID NO:68の約4589位から約4842位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP5を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:89として表されており、これはSEQ ID NO:69の約1530位から約1614位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP6を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:90として表されており、これはSEQ ID NO:68の約4915位から約5169位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP6を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:91として表されており、これはSEQ ID NO:69の約1639位から約1723位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP7を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:92として表されており、これはSEQ ID NO:68の約5242位から約5496位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP7を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:93として表されており、これはSEQ ID NO:69の約1748位から約1832位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP8を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:94として表されており、これはSEQ ID NO:68の約5569位から約5832位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP8を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:95として表されており、これはSEQ ID NO:69の約1857位から約1941位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP9を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:96として表されており、これはSEQ ID NO:68の約5896位から約6150位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP9を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:97として表されており、これはSEQ ID NO:69の約1966位から約2050位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。ACP10を含むヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:98として表されており、これはSEQ ID NO:68の約6199位から約6453位までにわたるヌクレオチド配列の内部に含まれる。ACP10を含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:99として表されており、これはSEQ ID NO:69の約2067位から約2151位までにわたるアミノ酸配列の内部に含まれる。この10個のACPドメインの全体を合わせると、SEQ ID NO:68の約3208位から約6510位までのヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa1の領域にわたり、これはSEQ ID NO:69の約1070〜約2170のアミノ酸位置に対応する。10個のドメインすべてを含むACP領域全体のヌクレオチド配列は本明細書中にSEQ ID NO:78として表されている;一方、6個のドメインすべてを含むACP領域全体のアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:79として表されている。SEQ ID NO:78の内部の10個のACPドメインの反復間隔はおよそ327ヌクレオチド毎であることが見いだされた(隣り合う活性部位セリン間で計測した実際のアミノ酸の数は101〜109アミノ酸の範囲である)。10個のACPドメインはそれぞれパンテテイン結合モチーフLGIDS*(SEQ ID NO:47)を含み、ここでS*はパンテテイン結合部位セリン(S)である。パンテテイン結合部位セリン(S)は各ACPドメイン配列の中央近くに位置する。SEQ ID NO:69のアミノ酸配列に関して、6個のACPDドメインのそれぞれについての活性部位セリン残基(すなわち、パンテテイン結合部位)の位置は以下の通りである:ACP1=S1135、ACP2=S1244、ACP3=S1353、ACP4=S1462、ACP5=S1571、ACP6=S1680、APC7=S1789、ACP7=S1789、ACP8=S1898、ACP9=S2007、およびACP10=S2108。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa1における第13のドメインはKRドメインである。Pfa1 KRドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:100として表されており、これはSEQ ID NO:68の6808〜8958位に対応する。Pfa1 KRドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:101として表されており、これはSEQ ID NO:69の2270〜2986位に対応する。KRドメインの内部には、短鎖アルデヒド-デヒドロゲナーゼ(KRはこのファミリーのメンバーである)に対する相同性を有するコア領域(SEQ ID NO:116のヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:117のアミノ酸配列の内部に含まれる)がある。このコア領域はSEQ ID NO:68の約5998位〜約6900にわたり、これはアミノ酸SEQ ID NO:69の2000〜2300位に対応する。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa1における第14のドメインはDHドメインである。Pfa1 DHドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:118として表されており、これはSEQ ID NO:68の7027〜7065位に対応する。Pfa1 DHドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:119として表されており、これはSEQ ID NO:69の2343〜2355位に対応する。DHドメインは、保存された活性部位モチーフ(Donadio, S. and Katz., L., Gene 111(1): 51-60 (1992)を参照):LxxHxxxGxxxxP(SEQ ID NO:50)を含む。

表10は、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2に付随するドメインおよび活性部位を示している。

(表10)ヤブレツボカビ属種ATCCPTA-10212 PFA2のドメイン解析

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2における第1のドメインはKSドメインである。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2 KSドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:102として表されており、これはSEQ ID NO:70の10〜1320位に対応する。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2 KSドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:103として表されており、これはSEQ ID NO:71の4〜440位に対応する。KSドメインは活性部位モチーフ:DXAC*(SEQ ID NO:43)を含み、ここで*アシル結合部位はSEQ ID NO:71のC191に対応する。また、KSドメインの末端にも特徴的モチーフ:GFGG(SEQ ID NO:44)が存在し、これはSEQ ID NO:71の423〜426位およびSEQ ID NO:70の1267〜1278位に対応する。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2における第2のドメインはCLFドメインである。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2 CLFドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:104として表されており、これはSEQ ID NO:70の1378〜2700位に対応する。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2 CLFドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:105として表されており、これはSEQ ID NO:71の460〜900位に対応する。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2における第3のドメインはATドメインである。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2 ATドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:106として表されており、これはSEQ ID NO:70の2848〜4200位に対応する。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2 ATドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:107として表されており、これはSEQ ID NO:71の950〜1400位に対応する。ATドメインは、アシルトランスフェラーゼ(AT)タンパク質に特徴的な活性部位モチーフGxS*xG(SEQ ID NO:50)を含み、ここで活性部位セリン残基はSEQ ID NO:71のS1121に対応する。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2の第4のドメインはERドメインである。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2 ERドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:108として表されており、これはSEQ ID NO:70の4498〜5700位に対応する。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa2 ERドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:109として表されており、これはSEQ ID NO:71の1500〜1900位に対応する。

表11は、ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3に付随するドメインおよび活性部位を示している。

(表11)ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3のドメイン解析

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa3における第1および第2のドメインはDHドメインであり、これは本明細書中でそれぞれDH1およびDH2と称される。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa3 DH1ドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:110として表されており、これはSEQ ID NO:72の1〜1350位に対応する。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa3 DH1ドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:111として表されており、これはSEQ ID NO:73の1〜450位に対応する。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa3 DH2ドメインをコードするヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:112として表されており、これはSEQ ID NO:72の1501〜2700位に対応する。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa3 DH2ドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:113として表されており、これはSEQ ID NO:73の501〜900位に対応する。DHドメインは活性部位モチーフ:FxxH*F(SEQ ID NO:53)を含む。DH1における活性部位モチーフを含むヌクレオチド配列はSEQ ID NO:72の934〜936位に対応し、一方、DH2における活性部位モチーフを含むヌクレオチド配列はSEQ ID NO:72の2401〜2403位に対応する。モチーフFxxH*Fにおける活性部位H*は、Leesong et al., Structure 4:253-64 (1996)およびKimber et al. J Biol Chem. 279:52593-602 (2004)からのデータに基づき、ここでDH1における活性部位H*はSEQ ID NO:73のH312に対応し、DH2における活性部位H*はSEQ ID NO:73のH801に対応する。

ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa3の第3のドメインはERドメインである。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa3 ERドメインをコードする配列を含むヌクレオチド配列は、本明細書中にSEQ ID NO:114として表されており、これはSEQ ID NO:72の2848〜4200位に対応する。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 Pfa3 ERドメインを含むアミノ酸配列は本明細書中にSEQ ID NO:115として表されており、これはSEQ ID NO:73の950〜1400位に対応する。

実施例7 PUFA栄養要求性菌株を作製するためのシゾキトリウム属種ATCC 20888におけるネイティブPUFAシンターゼ遺伝子の不活性化、およびPUFA合成を回復させるための、外因性に導入された相同遺伝子によるそのような不活性化遺伝子の置換は、以前に実証され、記載されている。例えば、米国特許第7,217,856号を参照、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。シゾキトリウム属種ATCC 20888由来の3種のPUFAシンターゼ遺伝子は以前はorfA、orfBおよびorfCと称されており、これらはそれぞれ、本明細書中で用いるPFA1、PFA2およびPFA3という命名に対応する。同上。

シゾキトリウム属種ATCC 20888におけるネイティブorfA遺伝子を、orfAフランキング領域由来の配列によって囲まれたZeocin(商標)耐性マーカーを含むベクターによる形質転換後に相同組換えによって置換させた。機能的なorfA遺伝子を持たない突然変異菌株が生じた。この突然変異菌株は栄養要求性であり、PUFA補給を増殖のために必要とした。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1(SEQ ID NO:1)を発現ベクターpREZ37中にクローニングして、pREZ345を作製した。この発現ベクターは、シゾキトリウム属種ATCC 20888由来のネイティブorfA遺伝子座のフランキング領域に由来するおよそ2kbのDNAを含んでいた。機能的なorfAを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体を、PFA1を含むpREZ345による酵素前処理(以下を参照)を伴うエレクトロポレーションを介して形質転換させた。突然変異体においてZeocin(商標)耐性マーカーに隣接する領域とpREZ345においてPFA1遺伝子に隣接する領域との相同性に基づき、二重交叉型組換えが起こり、その結果、PFA1がネイティブorfA座位に挿入された。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1(SEQ ID NO:1)による組換えは、orfAを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体におけるPUFA産生を回復させた。手短に述べると、細胞を30℃のM2B液体培地(次の段落を参照)中で、200rpmで振盪させながら3日間増殖させた。細胞を採取し、標準的な手法を用いて脂肪酸をメチル-エステルに変換させた。脂肪酸プロフィールを、フレームイオン化検出ガスクロマトグラフィー(GC-FID)を用いて、脂肪酸メチルエステル(FAME)として決定した。機能的なorfA遺伝子を含むネイティブのシゾキトリウム属種ATCC 20888菌株は、DHAおよびDPA n-6を2.3:1の比で産生した。不活性化されたorfA遺伝子の代わりにシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1(SEQ ID NO:1)を含む組換え菌株も、DHAおよびDPA n-6を2.4:1の比で産生した。この組換え菌株のEPA含量は脂肪酸メチル-エステル(FAME)として2.7%であり、DPA n-3含量は0.7%であり、DPA n-6含量は8.8%であり、DHA含量は21.2%であった。

M2B培地‐10g/Lのグルコース、0.8g/Lの(NH4)2SO4、5g/LのNa2SO4、2g/LのMgSO4・7H2O、0.5g/LのKH2PO4、0.5g/LのKCl、0.1g/LのCaCl2・2H2O、0.1M MES(pH 6.0)、0.1%のPB26金属および0.1%のPB26ビタミン(v/v)。PB26ビタミンは、50mg/mLのビタミンB12、100μg/mLのチアミンおよび100μg/mLのパントテン酸カルシウムからなった。PB26金属をpH 4.5に調整し、これは3g/LのFeSO4・7H2O、1g/LのMnCl2・4H2O、800mg/mLのZnSO4・7H2O、20mg/mLのCoCl2・6H2O、10mg/mLのNa2MoO4・2H2O、600mg/mLのCuSO4・5H2Oおよび800mg/mLのNiSO4・6H2Oからなった。PB26貯蔵液を別々に濾過滅菌して、オートクレーブ処理後にブロスに添加した。グルコース、KH2PO4およびCaCl2・2H2Oは、塩析沈殿および糖質カラメル化を防ぐために、混合の前に、残りのブロス成分とは別にそれぞれオートクレーブ処理した。培地成分はすべて、Sigma Chemical(St. Louis, MO)から購入した。

酵素前処理を伴うエレクトロポレーション‐細胞を、50mLのM50-20培地(米国特許出願公開第2008/0022422号)中で、200rpmの振盪器上にて30℃で2日間増殖させた。細胞をM2B培地中に1:100に希釈し、対数期中期の増殖(0D600が1.5〜2.5)に達するように、一晩増殖させた(16〜24時間)。細胞を50mLの円錐チューブに入れて約3000×gで5分間遠心した。上清を除去して、細胞を、最終濃度が2 0D600単位に達する、適した容積の1Mマンニトール、pH 5.5中に再懸濁させた。5mLの細胞を25mL振盪フラスコ内に分注し、10mM CaCl2(1.0M貯蔵液、濾過滅菌済み)および0.25mg/mL Protease XIV(10mg/mL貯蔵液、濾過滅菌済み;Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)で追加補正した。フラスコを振盪器上で30℃および約100rpmで4時間インキュベートした。細胞を顕微鏡でモニターしてプロトプラスト形成の度合いを判定し、この際、単細胞が望ましいものとした。細胞を丸底チューブ(すなわち、14mL Falcon(商標)チューブ、BD Biosciences, San Jose, CA)に入れて約2500×gで5分間再遠心した。上清を除去し、細胞を5mLの氷冷10%グリセロール中に穏やかに再懸濁させた。細胞を丸底チューブに入れて約2500×gで5分間再遠心した。上清を除去し、細胞を、500μLの氷冷10%グリセロールにより、大口径ピペットチップを用いて穏やかに再懸濁させた。90μLの細胞を、前もって冷やしたエレクトロキュベット(electro-cuvette)(Gene Pulser(登録商標)キュベット‐ギャップ0.1cmまたはギャップ0.2cm、Bio-Rad, Hercules, CA)内に分注した。1μg〜5μgのDNA(容積は10μL未満または10μLに等しい)をキュベットに添加し、ピペットチップで穏やかに混合して、氷上に5分間置いた。細胞のエレクトロポレーションは、200オーム(抵抗)、25μF(キャパシタンス)、および250V(ギャップ0.1cmの場合)または500V(ギャップ0.2cmの場合)のいずれかで行った。0.5mLのM50-20培地を、直ちにキュベットに添加した。続いて細胞を25mLの振盪フラスコに入れた4.5mLのM50-20培地に移し、振盪器上で30℃および約100rpmで2〜3時間インキュベートした。細胞を丸底チューブに入れて約2500×gで5分間遠心した。上清を除去し、細胞ペレットを0.5mLのM50-20培地中に再懸濁させた。細胞を適切な数(2〜5個)のM2Bプレート上に適切な選択を施してプレーティングし、30℃でインキュベートした。

機能的なorfAを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体を、PFA1が突然変異体の中にランダムに組み込まれてPUFA産生を回復させるように、PFA1を含むpREZ345によっても形質転換させる。

実施例8 ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1(SEQ ID NO:68)を再合成し(DNA2.0)、シゾキトリウム属における発現のためにコドンを最適化した上で(SEQ ID NO:120)、発現ベクター中にクローニングし、pLR95を作製した。コドン最適化は、図22中のシゾキトリウム属コドン使用頻度の表を用いて行った。この発現ベクターは、シゾキトリウム属種ATCC 20888由来のネイティブorfA遺伝子座のフランキング領域に由来するおよそ2kbのDNAを含んでいた。

実施例7による、機能的なorfAを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体を、コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1(SEQ ID NO:120)を含むpLR95による酵素前処理を伴うエレクトロポレーション(実施例7参照)を介して形質転換させた。突然変異体においてZeocin(商標)耐性マーカーに隣接する領域とpLR95においてPFA1遺伝子に隣接する領域との相同性に基づき、二重交叉型組換えが起こり、その結果、コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1がネイティブorfA座位に挿入された。コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1(SEQ ID NO:120)による組み換えは、orfAを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体におけるPUFA産生を回復させた。細胞を増殖させ、実施例7に記載した通りにFAMEに関して分析した。機能的なorfA遺伝子を含むネイティブのシゾキトリウム属種ATCC 20888菌株は、DHAおよびEPAを25:1の比で産生した。不活性化されたorfA遺伝子の代わりにコドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1(SEQ ID NO:120)を含む組換え菌株は、DHAおよびEPAを5.4:1の比で産生したが、このことは、シゾキトリウム属のPUFAプロフィールを、本明細書に記載した核酸分子によって改変しうることをさらに実証している。この組換え菌株のEPA含量はFAMEとして4.4%であり、DPA n-3含量は2.3%であり、DPA n-6含量は4.9%であり、DHA含量は24.0%であった。

機能的なorfAを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体を、PFA1が突然変異体の中にランダムに組み込まれてPUFA産生を回復させるように、PFA1を含むpLR95によっても形質転換させる。

実施例9 シゾキトリウム属種ATCC 20888におけるネイティブorfB遺伝子を、orfBフランキング領域由来の配列によって囲まれたZeocin(商標)耐性マーカーを含むベクターによる、酵素前処理を伴うエレクトロポレーション(実施例7参照)を介した形質転換後に相同組換えによって置換させた。機能的なorfB遺伝子を持たない突然変異菌株が生じた。この突然変異菌株は栄養要求性であり、PUFA補給を増殖のために必要とした。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2(SEQ ID NO:3)を発現ベクターpDS04中にクローニングして、pREZ331を作製した。この発現ベクターは、シゾキトリウム属種ATCC 20888由来のネイティブorfB遺伝子座のフランキング領域に由来するおよそ2kbのDNAを含んでいた。

機能的なorfBを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体を、PFA2を含むpREZ331によって形質転換させた。突然変異体へのランダムな組み込みに基づき、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2(SEQ ID NO:3)によってPUFA産生が回復した。細胞を増殖させ、実施例7に記載した通りにFAMEに関して分析した。機能的なorfB遺伝子を含むネイティブのシゾキトリウム属種ATCC 20888菌株はDHAおよびDPA n-6を2.3:1の比で産生した。不活性化されたorfB遺伝子の置換物としてシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2(SEQ ID NO:3)を含む組換え菌株は、DHAおよびDPA n-6を3.5:1の比で産生した。この組換え菌株のEPA含量はFAMEとして0.8%であり、DPA n-3含量は0.1%であり、DPA n-6含量は7.1%であり、DHA含量は25.1%であった。

機能的なorfBを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体を、PFA2がネイティブorfB座位の中にランダムに組み込まれてPUFA産生を回復させるように、PFA2を含むpREZ331によっても形質転換させる。

実施例10 ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2(SEQ ID NO:70)を再合成し(DNA2.0)、シゾキトリウム属における発現のためにコドンを最適化した上で(SEQ ID NO:121)、発現ベクター中にクローニングし、pLR85を作製した。コドン最適化は、図22中のシゾキトリウム属コドン使用頻度の表を用いて行った。この発現ベクターは、シゾキトリウム属種ATCC 20888由来のネイティブorfB遺伝子座のフランキング領域に由来するおよそ2kbのDNAを含んでいた。

orf遺伝子の置換を、DHA産生性が改善されたシゾキトリウム属種ATCC 20888の娘菌株(daughter strain)においても検討した。娘菌株におけるネイティブorfB遺伝子を、orfBフランキング領域由来の配列によって囲まれたZeocin(商標)耐性マーカーを含むベクターによる、酵素前処理を伴うエレクトロポレーション(実施例7参照)を介した形質転換後に相同組換えによって置換させた。機能的なorfB遺伝子を持たない突然変異菌株が生じた。この突然変異菌株は栄養要求性であり、PUFA補給を増殖のために必要とした。この突然変異菌株を、コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2(SEQ ID NO:121)を含むpLR85による、酵素前処理を伴うエレクトロポレーション(実施例8参照)を介して形質転換させた。突然変異体においてZeocin(商標)耐性マーカーに隣接する領域とpLR85においてPFA2遺伝子に隣接する領域との相同性に基づき、二重交叉型組換えが起こり、その結果、コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2(SEQ ID NO:121)が突然変異菌株のネイティブorfB座位に挿入された。コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2(SEQ ID NO:121)による組換えは、orfBを持たない娘菌株突然変異体におけるPUFA産生を回復させた。細胞を増殖させ、実施例7に記載した通りにFAMEに関して分析した。この組換え菌株のEPA含量はFAMEとして1.0%であり、DPA n-3含量は0.3%であり、DPA n-6含量は7.0%であり、DHA含量は31.0%であった。

実施しようとしている1つの実験では、実施例9による、機能的なorfBを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体を、コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2(SEQ ID NO:121)を含むpLR85により、酵素前処理を伴うエレクトロポレーション(実施例8参照)を介して形質転換させる。突然変異体においてZeocin(商標)耐性マーカーに隣接する領域とpLR85においてPFA2遺伝子に隣接する領域との相同性に基づき、二重交叉型組換えが起こり、その結果、コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2(SEQ ID NO:121)がネイティブorfB座位に挿入される。コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2(SEQ ID NO:121)による組換えは、orfBを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体におけるPUFA産生を回復させる。

機能的なorfBを持たない、シゾキトリウム属種ATCC 20888および娘菌株の突然変異体を、PFA2が突然変異体の中にランダムに組み込まれて、突然変異体のそれぞれにおけるPUFA産生を回復させるように、PFA2を含むpLR85によっても形質転換させる。

実施例11 シゾキトリウム属において機能を有するパロモマイシン耐性マーカーカセットを含むプラスミドを、pMON50000/pTUBZEO11-2(米国特許第7,001,772 B2号)におけるブレオマイシン/Zeocin(商標)耐性遺伝子(ble)コード領域の、元来は細菌トランスポゾンTn5に由来するネオマイシン ホスホトランスフェラーゼII(npt)のものによる置換により、シゾキトリウム属種ATCC 20888用に開発した。pMON50000において、ble耐性遺伝子はシゾキトリウム属α-チューブリンプロモーターによって作動し、後方にはSV40転写ターミネーターがある。pMON50000におけるble領域は、ATG開始コドンの箇所にあるNcoI制限部位、およびTGA終止シグナルの直後にあるPmlI制限部位を範囲に含む。PCRを用いて、pCaMVnpt(Shimizu et al., Plant J. 26(4):375 (2001))中に存在するnptコード領域を増幅し、その結果、産物が、開始ATG(太字)の箇所にあるBspHI制限部位(以下の下線部、プライマーCAX055)および終止シグナル(太字-逆相補物)の直後にあるPmlI制限部位(以下の下線部、プライマーCAX056)を含むようにした:

PCRはTaqMasterポリメラーゼキット(5Prime)を用いて行い、産物をpCR4-TOPO(Invitrogen)中にクローニングし、その結果得られたプラスミドを、大腸菌TOP10(Invitrogen)に導入して形質転換させた。ベクタープライマーを用いたDNA配列解析により、所望の805bp構造(すなわち、供給源のテンプレートに人工的に作製した制限部位を加えたものに合致する配列)を含む複数のクローンが同定された。改変されたnptコード領域を、BspHI+PmlI制限酵素による消化によって単離し、精製したDNA断片を、NcoI+PmlI酵素による消化によって生成されたpMON50000ベクター断片と連結させた。制限酵素BspHIおよびNcoIは適合性のあるオーバーラッピング末端をそのまま残し、PmlIは平滑末端をそのまま残す。その結果得られるプラスミドであるpTS-NPTは、nptネオマイシン/パロモマイシン耐性遺伝子を、pMON50000における元のble遺伝子のものと同一な前後関係で含む。

シゾキトリウム属への微粒子銃法(米国特許第7,001,772 B2号)を用いて、pTS-NPT中の新規パロモマイシン耐性カセットの機能を評価した。パロモマイシン(PAR)耐性に関する選択は、50μg/mLの硫酸パロモマイシン(Sigma)を含む寒天プレート上で行った。パロモマイシン耐性シゾキトリウム属形質転換体は、pMON50000によるZeocin(商標)耐性に関するものと同程度の頻度で見いだされた。「α-チューブリンプロモーター/npt/SV40ターミネーター」カセットは、その後に他の開発の取り組みに用いるために、さまざまな制限酵素によってpTS-NPTから遊離させることができる。

実施例12 シゾキトリウム属種ATCC 20888におけるネイティブorfC遺伝子を、orfCフランキング領域由来の配列によって囲まれたパロモマイシン耐性マーカーを含むベクターによる形質転換後に相同組換えによって置換させた。機能的なorfC遺伝子を持たない突然変異菌株が生じた。この突然変異菌株は栄養要求性であり、PUFA補給を増殖のために必要とした。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3(SEQ ID NO:5)を発現ベクターpREZ22中にクローニングして、pREZ324を作製した。この発現ベクターは、シゾキトリウム属種ATCC 20888由来のネイティブorfC遺伝子座のフランキング領域に由来するおよそ2kbのDNAを含んでいた。

機能的なorfCを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体を、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3を含むpREZ324によって形質転換させた。突然変異体においてパロモマイシン耐性マーカーに隣接する領域とpREZ324においてシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3遺伝子に隣接する領域との相同性に基づき、2重交叉組換えが起こり、その結果、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3がネイティブorfC座位に挿入された。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3(SEQ ID NO:5)による相同組換えは、orfCを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体におけるPUFA産生を回復させた。細胞を増殖させ、実施例7に記載した通りにFAMEに関して分析した。機能的なorfC遺伝子を含むネイティブのシゾキトリウム属種ATCC 20888菌株は、DHAおよびDPA n-6を2.3:1の比で産生した。不活性化されたorfC遺伝子の代わりにシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3(SEQ ID NO:5)を含む組換え菌株は、DHAおよびDPA n-6を14:9の比で産生したが、このことは、シゾキトリウム属のPUFAプロフィールを、本明細書に記載した核酸分子によって改変しうることをさらに実証している。この組換え菌株のEPA含量はFAMEとして1.2%であり、DPA n-3含量は0.2%であり、DPA n-6含量は2.9%であり、DHA含量は43.4%であった。

機能的なorfCを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体を、PFA3が突然変異体の中にランダムに組み込まれてPUFA産生が回復するように、PFA3を含むpREZ324によっても形質転換させた。この組換え菌株のEPA含量はFAMEとして1.2%であり、DPA n-3含量は0.2%であり、DPA n-6含量は2.5%であり、DHA含量は39.1%であった。

実施例10において考察した娘菌株におけるネイティブorfC遺伝子を、orfCフランキング領域由来の配列によって囲まれたパロモマイシン耐性マーカーを含むベクターによる形質転換後に相同組換えによって置換させた。機能的なorfC遺伝子を持たない突然変異菌株が生じた。この突然変異菌株は栄養要求性であり、PUFA補給を増殖のために必要とした。機能的なorfCを持たない突然変異体をpREZ324によって形質転換させた。二重交叉型組換えが起こり、その結果、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3が突然変異菌株のネイティブorfC座位に挿入された。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3(SEQ ID NO:5)による相同組換えは、orfCを持たない娘菌株突然変異体におけるPUFA産生を回復させた。細胞を増殖させ、実施例7に記載した通りにFAMEに関して分析した。この組換え菌株のEPA含量はFAMEとして1.2%であり、DPA n-3含量は0.3%であり、DPA n-6含量は2.8%であり、DHA含量は43.1%であった。

機能的なorfBを持たない娘菌株突然変異体を、PFA3が突然変異体の中にランダムに組み込まれてPUFA産生が回復するように、PFA3を含むpREZ324によっても形質転換させる。

実施例13 ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3(SEQ ID NO:72)を再合成し(DNA2.0)、シゾキトリウム属における発現のためにコドンを最適化した上で(SEQ ID NO:122)、発現ベクターpREZ22中にクローニングして、pREZ237を作製した。コドン最適化は、図22中のシゾキトリウム属コドン使用頻度の表を用いて行った。この発現ベクターは、シゾキトリウム属種ATCC 20888由来のネイティブorfC遺伝子座のフランキング領域に由来するおよそ2kbのDNAを含んでいた。

実施例12による、機能的なorfCを持たない娘菌株突然変異体を、コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3(SEQ ID NO:122)を含むpREZ337による、酵素前処理を伴うエレクトロポレーション(実施例8参照)を介して形質転換させた。突然変異体においてZeocin(商標)耐性マーカーに隣接する領域とpREZ337においてPFA3遺伝子に隣接する領域との相同性に基づき、二重交叉型組換えが起こり、その結果、コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3(SEQ ID NO:122)がネイティブorfC座位に挿入された。コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3(SEQ ID NO:122)による組換えは、orfCを持たない娘菌株突然変異体におけるPUFA産生を回復させた。細胞を増殖させ、実施例7に記載した通りにFAMEに関して分析した。この組換え菌株のEPA含量はFAMEとして1.3%であり、DPA n-3含量は0.4%であり、DPA n-6含量は2.7%であり、DHA含量は50.2%であった。

実施しようとしている1つの実験では、実施例12による、機能的なorfCを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体を、コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3(SEQ ID NO:122)を含むpREZ337による、酵素前処理を伴うエレクトロポレーション(実施例8参照)を介して形質転換させる。突然変異体においてZeocin(商標)耐性マーカーに隣接する領域とpREZ337においてPFA3遺伝子に隣接する領域との相同性に基づき、二重交叉型組換えが起こり、その結果、コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3(SEQ ID NO:122)がネイティブorfC座位に挿入される。コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3(SEQ ID NO:122)による組換えは、orfCを持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体におけるPUFA産生を回復させる。

機能的なorfCを持たない、シゾキトリウム属種ATCC 20888および娘菌株の突然変異体を、PFA3が突然変異体の中にランダムに組み込まれて、突然変異体のそれぞれにおけるPUFA産生を回復させるように、PFA3を含むpREZ337によっても形質転換させる。

実施例14 シゾキトリウム属種ATCC 20888におけるorfA遺伝子、orfB遺伝子およびorfC遺伝子のいずれか2つ、または3つすべてを、適切なorfフランキング領域由来の配列によって囲まれたZeocin(商標)耐性マーカーまたはパロモマイシン耐性マーカーのいずれかを含むベクターによる形質転換後に相同組換えによって置換させる。orfA、orfBおよびorfCのいずれか2つ、または3つすべてに関して機能的な遺伝子を持たない突然変異菌株が生じる。これらの突然変異菌株は栄養要求性であり、PUFA補給を増殖のために必要とする。

機能的なorf遺伝子を持たないシゾキトリウム属種ATCC 20888突然変異体を、対応するPFA遺伝子(SED ID NO:1、3、5、120、121または122のうち1つまたは複数)を含む1つまたは複数の発現ベクターによって形質転換させる。突然変異体においてZeocin(商標)耐性マーカーまたはパロモマイシン耐性マーカーに隣接する領域と各々の発現ベクターにおいてPFA遺伝子に隣接する領域との相同性に基づき、二重交叉型組換えが起こり、その結果、PFA遺伝子がネイティブorf座位に挿入される。これらの発現ベクターのランダムな組み込みを、PUFA産生の回復のみに基づく形質転換体の選択によって行わせることもできる。PFA遺伝子による相同組換えは、突然変異体の中に挿入されたPFA遺伝子の組み合わせに基づいてネイティブPUFAプロフィールが回復するかまたは改変されるように、突然変異体におけるPUFA産生を回復させる。

実施した1つの実験では、機能的なorfC遺伝子を持たず、ランダムに組み込まれたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3(SEQ ID NO:5)を含む、実施例12によるシゾキトリウム属種ATCC 20888菌株を、orfA遺伝子およびorfB遺伝子の置換のために用いた。この菌株におけるネイティブorfA遺伝子およびorfB遺伝子を、orfAおよびorfBのフランキング領域由来の配列によって囲まれたZeocin(商標)耐性マーカーを含むベクターによる形質転換後に相同組換えによって置換させた。機能的なorfA、orfBおよびorfCを持たず、ランダムに組み込まれたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3を含む菌株が生じた。この菌株を、PFA1およびPFA2のランダムな組み込みが起こるように、コドンが最適化されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1(SEQ ID NO:1)を含むpREZ345、およびコドンが最適化されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2(SEQ ID NO:3)を含むpREZ331によって形質転換させた。その結果得られた組換え菌株は、機能的なorfA、orfBおよびorfCを持たず、しかもシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1、PFA2およびPFA3のランダムな組み込みを含んでいた。細胞を増殖させ、実施例7に記載した通りにFAMEに関して分析した。この組換え菌株のEPA含量はFAMEとして6.6%であり、DPA n-3含量は0.8%であり、DPA n-6含量は1.6%であり、DHA含量は20.9%であった。

実施した別の実験では、機能的なorfC遺伝子を持たず、ネイティブorfC座位に挿入されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3(SEQ ID NO:5)を含む、実施例12による娘菌株を、orfA遺伝子およびorfB遺伝子の置換のために用いた。この菌株におけるネイティブのorfA遺伝子およびorfB遺伝子を、orfAおよびorfBのフランキング領域由来の配列によって囲まれたパロモマイシン耐性マーカーを含むベクターによる形質転換後に相同組換えによって置換させた。機能的なorfA、orfBおよびorfCを持たず、しかもネイティブorfC座位に挿入されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3を含む菌株が生じた。この菌株を、コドンが最適化されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1(SEQ ID NO:1)を含むpREZ345、およびコドンが最適化されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2(SEQ ID NO:3)を含むpREZ331によって形質転換させた。二重交叉型組換えが起こり、その結果、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1がこの菌株のネイティブorfA座位に挿入され、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2がネイティブorfB座位に挿入された。その結果得られた組換え菌株は、機能的なorfA、orfBおよびorfCを持たず、しかもorfA座位、orfB座位およびorfC座位のそれぞれに挿入されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1、PFA2およびPFA3を含んでいた。細胞を増殖させ、実施例7に記載した通りにFAMEに関して分析した。この組換え菌株のEPA含量はFAMEとして7.3%であり、DPA n-3含量は0.4%であり、DPA n-6含量は1.5%であり、DHA含量は23.9%であった。

実施した別の実験では、機能的なorfC遺伝子を持たず、ランダムに組み込まれたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3(SEQ ID NO:5)を含む、実施例12による娘菌株を、orfA遺伝子およびorfB遺伝子の置換のために用いた。この菌株におけるネイティブのorfA遺伝子およびorfB遺伝子を、orfAおよびorfBのフランキング領域由来の配列によって囲まれたZeocin(商標)耐性マーカーを含むベクターによる形質転換後に相同組換えによって置換させた。機能的なorfA、orfBおよびorfCを持たず、ランダムに組み込まれたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3を含む菌株が生じた。この菌株を、PFA1およびPFA2のランダムな組み込みが起こるように、コドンが最適化されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1(SEQ ID NO:1)を含むpREZ345、およびコドンが最適化されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2(SEQ ID NO:3)を含むpREZ331によって形質転換させた。その結果得られた組換え菌株は、機能的なorfA、orfBおよびorfCを持たず、しかもシゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1、PFA2およびPFA3のランダムな組み込みを含んでいた。細胞を増殖させ、実施例7に記載した通りにFAMEに関して分析した。この組換え菌株のEPA含量はFAMEとして6.2%であり、DPA n-3含量は1.3%であり、DPA n-6含量は0.9%であり、DHA含量は16.6%であった。

実施した別の実験では、機能的なorfC遺伝子を持たず、ネイティブorfC座位に挿入されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-10212 PFA3(SEQ ID NO:122)を含む、実施例13による娘菌株を、orfA遺伝子およびorfB遺伝子の置換のために用いた。この菌株におけるネイティブのorfA遺伝子およびorfB遺伝子を、orfAおよびorfBのフランキング領域由来の配列によって囲まれたパロモマイシン耐性マーカーを含むベクターによる形質転換後に相同組換えによって置換させた。機能的なorfA、orfBおよびorfCを持たず、ネイティブorfC座位に挿入されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-10212 PFA3を含む菌株が生じた。この菌株を、コドンが最適化されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-10212 PFA1(SEQ ID NO:120)を含むpLR95、およびコドンが最適化されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-10212 PFA2(SEQ ID NO:121)を含むpLR85によって形質転換させた。二重交叉型組換えが起こり、その結果、シゾキトリウム属種ATCC PTA-10212 PFA1がこの菌株のネイティブorfA座位に挿入され、シゾキトリウム属種ATCC PTA-10212 PFA2がネイティブorfB座位に挿入された。その結果得られた組換え菌株は、機能的なorfA、orfBおよびorfCを持たず、しかもorfA座位、orfB座位およびorfC座位のそれぞれに挿入されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-10212 PFA1、PFA2およびPFA3を含んでいた。細胞を増殖させ、実施例7に記載した通りにFAMEに関して分析した。この組換え菌株のEPA含量はFAMEとして5.2%であり、DPA n-3含量は0.6%であり、DPA n-6含量は2.1%であり、DHA含量は47.1%であった。

実施した別の実験では、機能的なorfC遺伝子を持たず、ランダムに組み込まれたシゾキトリウム属種ATCC PTA-10212 PFA3(SEQ ID NO:122)を含む、実施例13による娘菌株を、orfA遺伝子およびorfB遺伝子の置換のために用いた。この菌株におけるネイティブorfA遺伝子およびorfB遺伝子を、orfAおよびorfBのフランキング領域由来の配列によって囲まれたZeocin(商標)耐性マーカーを含むベクターによる形質転換後に相同組換えによって置換させた。機能的なorfA、orfBおよびorfCを持たず、ランダムに組み込まれたシゾキトリウム属種ATCC PTA-10212 PFA3を含む菌株が生じた。この菌株を、PFA1およびPFA2のランダムな組み込みが起こるように、コドンが最適化されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-10212 PFA1(SEQ ID NO:120)を含むpLR95、およびコドンが最適化されたシゾキトリウム属種ATCC PTA-10212 PFA2(SEQ ID NO:121)を含むpLR85によって形質転換させた。その結果得られた組換え菌株は、機能的なorfA、orfBおよびorfCを持たず、しかもシゾキトリウム属種ATCC PTA-10212 PFA1、PFA2およびPFA3のランダムな組み込みを含んでいた。細胞を増殖させ、実施例7に記載した通りにFAMEに関して分析した。この組換え菌株のEPA含量はFAMEとして1.8%であり、DPA n-3含量は1.8%であり、DPA n-6含量は2.3%であり、DHA含量は34.1%であった。

実施例15 シゾキトリウム属種ATCC 20888由来のorfA遺伝子、orfB遺伝子およびorfC遺伝子を、一連のDuetベクター(Novagen)中にクローニングした。Duet発現ベクターは、複数の標的遺伝子がクローニングされて、大腸菌においてT7誘導性プロモーターから共発現される、適合性プラスミドのセットである。DuetプラスミドpREZ91には、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAをpETDuet-1中に含めた;duetプラスミドpREZ96には、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfBをpCDFDuet-1中に含めた;duetプラスミドpREZ101には、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfCをpCOLADuet-1中に含めた。DuetプラスミドpREZ91、pREZ96およびpREZ101を、必要とされる補助遺伝子HetI(米国特許第7,217,856号に記載、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)を含めたプラスミドpJK737とともに、誘導性T7 RNAポリメラーゼ遺伝子を含む大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させた。細胞を増殖させ、IPTGを製造元(Novagen)の指示に従って添加すると、DHAおよびDPA n-6が産生された。手短に述べると、細胞の600nmでの光学密度が約0.5に達した時点で、1mMのIPTGを誘導のために添加した。細胞をLuriaブロス中で30℃で12時間増殖させた上で採取した。標準的な手法を用いて、脂肪酸をメチル-エステルに変換させた。脂肪酸プロフィールを、フレームイオン化検出ガスクロマトグラフィー(GC-FID)を用いて、脂肪酸メチルエステル(FAME)として決定した。

シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1(SEQ ID NO:1)遺伝子を発現ベクターpETDuet-1中にクローニングして、pREZ346を作製した。DuetプラスミドpREZ346(シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1を含む)、pREZ96(orfBを含む)およびpREZ101(orfCを含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させた。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1遺伝子は、シゾキトリウム属種ATCC 20888のorfB遺伝子およびorfC遺伝子と共発現された。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1が、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfBおよびorfCと併せて発現されたことにより、誘導条件下での大腸菌におけるDHA産生が裏づけられた。形質転換された大腸菌のDHA含量はFAMEとして2.8%であり、DPA n-6含量は1.1%、DPA n-3含量は0.6%であり、EPA含量は3.7%であった。

実施例16 コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1(SEQ ID NO:120)遺伝子を、発現ベクターpETDuet-1中にクローニングして、pLR100を作製する。DuetプラスミドpLR100(コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1を含む)、pREZ96(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfBを含む)およびpREZ101(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfCを含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させる。実施例15参照。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1遺伝子を、シゾキトリウム属種ATCC 20888のorfB遺伝子およびorfC遺伝子と共発現させる。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1が、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfBおよびorfCと併せて発現されることにより、誘導条件下での大腸菌におけるDHAおよびEPAの産生が裏づけられる。

実施例17 シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3(SEQ ID NO:5)遺伝子を発現ベクターpCOLADuet-1中にクローニングして、pREZ326を作製した。DuetプラスミドpREZ326(シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3を含む)、pREZ91(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAを含む)およびpREZ96(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfBを含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させた。実施例15参照。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3が、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAおよびorfBと併せて発現されたことにより、誘導条件下での大腸菌におけるDHA産生が裏づけられた。細胞を増殖させ、実施例15に記載した通りにFAMEに関して分析した。形質転換された大腸菌のDHA含量はFAMEとして0.3%であった。

実施例18 コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3(SEQ ID NO:122)遺伝子を発現ベクターpCOLADuet-1中にクローニングして、pREZ348を作製した。DuetプラスミドpREZ348(コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3を含む)、pREZ91(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAを含む)およびpREZ96(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfBを含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させた。実施例15参照。ヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3が、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAおよびorfBと併せて発現されたことにより、誘導条件下での大腸菌におけるDHA産生が裏づけられた。細胞を増殖させ、実施例15に記載した通りにFAMEに関して分析した。形質転換された大腸菌のDHA含量はFAMEとして2.9%であり、DPA n-6含量は0.4%であった。

実施例19 シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2(SEQ ID NO:3)遺伝子を発現ベクターpCDFDuet-1中にクローニングして、pREZ330を作製した。DuetプラスミドpREZ330(シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2を含む)、pREZ326(シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3を含む)およびpREZ91(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAを含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させた。実施例9参照。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2およびPFA3が、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAと併せて発現されたことにより、誘導条件下での大腸菌におけるDHA産生が裏づけられた。細胞を増殖させ、実施例15に記載した通りにFAMEに関して分析した。形質転換された大腸菌のDHA含量はFAMEとして0.8%であり、DPA n-6含量は0.2%であった。

実施例20 コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2(SEQ ID NO:121)遺伝子を発現ベクターpCDFDuet-1中にクローニングして、pLR87を作製した。DuetプラスミドpLR87(コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2を含む)、pREZ348(コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3を含む)およびpREZ91(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAを含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させた。実施例15参照。コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2およびPFA3が、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAと併せて発現されたことにより、誘導条件下での大腸菌におけるDHA産生、および低レベルのEPA産生が裏づけられた。細胞を増殖させ、実施例15に記載した通りにFAMEに関して分析した。形質転換された大腸菌のDHA含量はFAMEとして4.4%であり、DPA n-6含量は1.1%であり、EPA含量は0.1%であった。

実施例21 DuetプラスミドpREZ346(シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1を含む)、pREZ330(シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2を含む)およびpREZ326(シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3を含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させた。実施例15参照。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1、PFA2およびPFA3の発現により、誘導条件下での大腸菌におけるDHA産生が裏づけられた。細胞を増殖させ、実施例15に記載した通りにFAMEに関して分析した。形質転換された大腸菌のDHA含量はFAMEとして0.3%であり、EPA含量は0.3%であった。

実施例22 DuetプラスミドpLR100(コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1を含む)、pLR87(コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2を含む)およびpREZ348(コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3を含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させる。実施例15参照。コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212のPFA1、PFA2およびPFA3の発現により、誘導条件下での大腸菌におけるDHAおよびEPAの産生が裏づけられる。

実施例23 DuetプラスミドpREZ330(シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2を含む)、pREZ91(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAを含む)およびpREZ101(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfCを含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させた。実施例15参照。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2が、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAおよびorfCと併せて発現されたことにより、誘導条件下での大腸菌におけるDHA産生が裏づけられた。細胞を増殖させ、実施例15に記載した通りにFAMEに関して分析した。形質転換された大腸菌のDHA含量はFAMEとして0.6%であり、DPA n-6含量は0.3%であった。

実施例24 DuetプラスミドpLR87(コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2を含む)、pREZ91(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAを含む)およびpREZ1O1(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfCを含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させた。実施例15参照。コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2が、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfAおよびorfCと併せて発現されたことにより、誘導条件下での大腸菌におけるDHA産生、および低レベルのEPA産生が裏づけられた。細胞を増殖させ、実施例15に記載した通りにFAMEに関して分析した。形質転換された大腸菌のDHA含量はFAMEとして1.7%であり、DPA n-6含量は0.9%であり、EPA含量は0.1%であった。

実施例25 DuetプラスミドpREZ346(シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1を含む)、pREZ330(シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA2を含む)およびpREZ101(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfCを含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させた。実施例15参照。PFA1およびPFA2が、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfCと併せて発現されたことにより、誘導条件下での大腸菌におけるDHA産生が裏づけられた。細胞を増殖させ、実施例15に記載した通りにFAMEに関して分析した。形質転換された大腸菌のDHA含量はFAMEとして0.3%であり、DPA n-6含量は0.1%であり、EPA含量は0.5%であった。

実施例26 DuetプラスミドpLR100(コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1を含む)、pLR87(コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA2を含む)およびpREZ101(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfCを含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させる。実施例15参照。コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1およびPFA2が、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfCと併せて発現されることにより、誘導条件下での大腸菌におけるDHAおよびEPAの産生が裏づけられる。

実施例27 DuetプラスミドpREZ346(シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1を含む)、pREZ96(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfBを含む)およびpREZ326(シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA3を含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させた。実施例15参照。シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695 PFA1およびPFA3が、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfBと併せて発現されたことにより、誘導条件下での大腸菌におけるDHA産生が裏づけられた。細胞を増殖させ、実施例15に記載した通りにFAMEに関して分析した。形質転換された大腸菌のDHA含量はFAMEとして0.1%であり、EPA含量は0.1%であった。

実施例28 DuetプラスミドpLR100(コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1を含む)、pREZ96(シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfBを含む)およびpREZ348(コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA3を含む)を、pJK737(HetIを含む)とともに、大腸菌株BLR(DE3)に導入して形質転換させる。実施例15参照。コドンが最適化されたヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212 PFA1およびPFA3が、シゾキトリウム属種ATCC 20888 orfBと併せて発現されることにより、誘導条件下での大腸菌におけるDHAおよびEPAの産生が裏づけられる。

実施例29 シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695およびヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212におけるPfa1p、Pfa2pおよびPfa3p PUFAシンターゼ活性を、標準的な手順によって個別にノックアウトする。例えば、米国特許第7,217,856号を参照、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。

Zeocin(商標)耐性マーカー、ハイグロマイシン耐性マーカー、ブラストサイジン耐性マーカー、または他の適切な耐性マーカーを、プラスミド中に含まれるPFA1遺伝子(SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:68)の制限部位に挿入する。耐性マーカーの挿入後に、プラスミドを、微粒子銃法、エレクトロポレーションまたは他の適切な形質転換方法によって、シゾキトリウム属種ATCC PTA-9695またはヤブレツボカビ属種ATCC PTA-10212のそれぞれに導入する。相同組換えが起こり、ネイティブPFA1遺伝子がZeocin(商標)耐性マーカー、ハイグロマイシン耐性マーカー、ブラストサイジン耐性マーカーまたは他の適切な耐性マーカーによって置換または破壊された突然変異体が生じる。形質転換体を、PUFAとともに補給したZeocin(商標)、ハイグロマイシン、ブラストサイジンまたは他の適切な選択物質を含むプレート上で選択する。コロニーをさらに、PUFA補給の非存在下で増殖する能力についても調べる。選択物質に対して耐性があり、かつPUFA補給の非存在下では増殖することができないコロニーから、ゲノムDNAを単離する。PFA1遺伝子が欠失しているかまたは破壊されているかのいずれかであることを実証するために、このDNAのPCRおよびサザンブロット分析を行う。

PFA2を同様の手順によってノックアウトする。PUFA補給を必要とする、その結果得られたノックアウト突然変異体は、完全長PFA2を持たないことが見いだされる。

PFA3を同様の手順によってノックアウトする。PUFA補給を必要とする、その結果得られたノックアウト突然変異体は、完全長PFA3を持たないことが見いだされる。

本明細書において記載されたさまざまな局面、態様および選択肢はすべて、任意およびすべての変法において組み合わせることができる。

本明細書において言及された刊行物、特許および特許出願はすべて、それぞれの個々の刊行物、特許または特許出願が参照により組み入れられるように特定的および個別的に示されている場合と同程度に、参照により本明細書に組み入れられる。

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