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オレフィンメタセシスを介した脂肪族オレフィン誘導体の生成

阅读:570发布:2023-12-28

专利汇可以提供オレフィンメタセシスを介した脂肪族オレフィン誘導体の生成专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明は、脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、(a)メタセシス生成物を形成するのに十分な条件下、メタセシス触媒の存在下で、不飽和オレフィンを不飽和 脂肪酸 エステルと 接触 させる工程、および(b)該メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程を含む。一定の態様では、メタセシス触媒はタングステン触媒またはモリブデン触媒である。様々な態様では、脂肪族オレフィン誘導体は昆虫フェロモンである。フェロモン組成物およびそれらを用いる方法も記載する。,下面是オレフィンメタセシスを介した脂肪族オレフィン誘導体の生成专利的具体信息内容。

脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法であって、 (a)式IIIb に係るメタセシス生成物を形成するのに十分な条件下、メタセシス触媒の存在下で、式I に係るオレフィンを式IIb に係るメタセシス反応パートナーと接触させる工程;および (b)該メタセシス生成物を該脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程 を含み、 式中、 各R1は、H、C1〜18アルキル、およびC2〜18アルケニルからなる群より独立して選択され; R2bは、C1〜8アルキルであり; 下付き文字yは、0〜17の範囲の整数であり;かつ 下つき文字zは、0〜17の範囲の整数である、 前記方法。メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、式Vb に係るアルケノールを形成するために該メタセシス生成物を還元する工程を含む、請求項1記載の方法。アルケノールが、脂肪族オレフィン誘導体である、請求項2記載の方法。メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、アルケノールをアシル化する工程をさらに含み、これによって式VIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成し、式中、R2cがC1〜6アシルである、請求項2記載の方法。R1がHであり、R2bがメチルであり、下付き文字yが7であり、下付き文字zが3である、請求項1記載の方法。R1がHであり、R2bがメチルであり、下付き文字yが7であり、下付き文字zが3であり、R2cがアセチルである、請求項4記載の方法。メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、アルケノールを酸化する工程をさらに含み、これによって式VIIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成する、請求項2記載の方法。メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、該メタセシス生成物を還元する工程をさらに含み、これによって式VIIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成する、請求項1記載の方法。R1がHであり、R2bがメチルであり、下付き文字yが7であり、下付き文字zが3である、請求項7記載の方法。オレフィンが、式Ia に係る構造を有する、請求項1記載の方法。下付き文字zが3である、請求項10記載の方法。メタセシス生成物が、Zオレフィンを含む、請求項1記載の方法。オレフィンの少なくとも約80%が、Zオレフィンである、請求項12記載の方法。オレフィンの少なくとも約90%が、Zオレフィンである、請求項12記載の方法。メタセシス触媒が、Z選択的モリブデン触媒またはZ選択的タングステン触媒である、請求項12記載の方法。メタセシス触媒が、式2 に係る構造を有し、 式中、 Mは、MoまたはWであり; R3aは、それぞれ置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルからなる群より選択され; R4aおよびR5aは、素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいヘテロアルキル、置換されていてもよいヘテロアルケニル、置換されていてもよいアリール、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群より独立して選択され; R7aは、それぞれ置換されていてもよい、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シリルアルキル、およびシリルオキシからなる群より選択され;かつ R6aは、R8a-X-であり、ここで、 XはOもしくはSであり、R8aは置換されていてもよいアリールであるか;または XはOであり、R8aはSiR9aR10aR11aもしくはCR12aR13aR14aであり、ここで、R9a、R10a、R11a、R12a、R13a、およびR14aは、置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいフェニルからなる群より独立して選択されるか;あるいは R6aおよびR7aは互いに連結しており、酸素を介してMに結合する、 請求項15記載の方法。R7aが、それぞれ置換されていてもよい、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、アリール、アリールオキシ、およびヘテロアリールからなる群より選択され;かつ XがOもしくはSであり、R8aが置換されていてもよいアリールであるか;または XがOであり、R8aがCR12aR13aR14aである、 請求項16記載の方法。R3aが、2,6-ジメチルフェニル;2,6-ジイソプロピルフェニル;2,6-ジクロロフェニル;およびアダマント-1-イルからなる群より選択され; R4aが、-C(CH3)2C6H5および-C(CH3)3からなる群より選択され; R5aが、Hであり; R7aが、ピロール-1-イル;2,5-ジメチル-ピロール-1-イル;トリフェニルシリルオキシ;トリイソプロピルシリルオキシ;2-フェニル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イルオキシ;2-メチル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イルオキシ;9-フェニル-フルオレン-9-イルオキシ;2,6-ジフェニル-フェノキシ;およびt-ブチルオキシからなる群より選択され;かつ R6aが、R8a-X-であり、ここで、 X = Oであり、かつ R8aが、Oに対してオルト位に2個の置換基を持つ、もしくは、少なくとも3個の置換基を持ち、そのうちの2個の置換基がOに対してオルト位にあり1個の置換基がOに対してパラ位にある、フェニルであるか;または R8aが、置換されていてもよい8-(ナフタレン-1-イル)-ナフタレン-1-イル;置換されていてもよい8-フェニルナフタレン-1-イル;置換されていてもよいキノリン-8-イル;トリフェニルシリル;トリイソプロピルシリル;トリフェニルメチル;トリ(4-メチルフェニル)メチル;9-フェニル-フルオレン-9-イル;2-フェニル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イル;2-メチル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イル;およびt-ブチルからなる群より選択される、 請求項16記載の方法。R7aが、ピロール-1-イル;2,5-ジメチル-ピロール-1-イルからなる群より選択され;かつ R8aが、Oに対してオルト位に2個の置換基を持つ、もしくは、少なくとも3個の置換基を持ち、そのうちの2個の置換基がOに対してオルト位にあり1個の置換基がOに対してパラ位にある、フェニルであるか;または R8aが、置換されていてもよい8-(ナフタレン-1-イル)-ナフタレン-1-イルおよび置換されていてもよい8-フェニルナフタレン-1-イルからなる群より選択される、 請求項18記載の方法。メタセシス触媒が、式2a に係る構造を有し、 式中、 R3aは、それぞれ置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはシクロアルキルであり; R7aは、それぞれ置換されていてもよい、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピラゾリル、アザインドリル、またはインダゾリルであり; R8aは、置換されていてもよいアリールであり; R5aは、水素原子、アルキル、またはアルコキシであり; R4bは、水素原子、-O-(C1〜6アルキル)、-CH2-O-(C1〜6アルキル)、ヘテロアルコキシ、または-N(C1〜6アルキル)2であり;かつ R4cおよびR4dは、独立して、水素原子、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロゲン原子、-NO2、アミド、またはスルホンアミドである、 請求項16記載の方法。R7aが、それぞれ置換されていてもよい、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、アザインドリル、またはインダゾリルであり;かつ R5aが、水素原子である、 請求項20記載の方法。R3aが、フェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,6-ジイソプロピルフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、ペンタフルオロフェニル、tert-ブチル、または1-アダマンチルである、 請求項20記載の方法。R8aが、 である、請求項20または請求項22記載の方法。R4bがメトキシであり、R4cが水素であり、R4dが水素である、請求項20記載の方法。メタセシス触媒が、 からなる群より選択される、請求項15記載の方法。メタセシス触媒が、 である、請求項25記載の方法。メタセシス触媒が、 である、請求項25記載の方法。触媒が、オレフィンまたはメタセシス反応パートナーに対して0.01モル%未満の量で存在する、請求項15記載の方法。メタセシス生成物が、Eオレフィンを含む、請求項1記載の方法。オレフィンの約85%超が、Eオレフィンである、請求項29記載の方法。オレフィンの少なくとも約90%が、Eオレフィンである、請求項29記載の方法。メタセシス触媒が、E選択的ルテニウム触媒である、請求項29記載の方法。オレフィンとメタセシス反応パートナーのモル比が、約1:1〜約5:1の範囲である、請求項1記載の方法。オレフィンとメタセシス反応パートナーのモル比が、約2:1〜約3:1の範囲である、請求項33記載の方法。メタセシス反応パートナーが、天然油に由来する、請求項1記載の方法。天然油が、キャノーラ油、菜種油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ラッカセイ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、桐油、ヤトロファ油、ホホバ油、カラシ油、グンバイナズナ油、カメリナ油、ヒマシ油、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項35記載の方法。メタセシス反応パートナーが、1種または複数種の触媒被毒混入物を含む、請求項35記載の方法。少なくとも1種の触媒被毒混入物の濃度を低減するのに十分な条件下でメタセシス反応パートナーを金属アルキル化合物で処理する工程をさらに含み、該処理工程が、オレフィンをメタセシス反応パートナーと接触させる工程の前に実施される、請求項37記載の方法。式Iに係るオレフィンが、C3〜C12直鎖アルファオレフィンであり、 式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、Δ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルであり、 メタセシス触媒が、Z選択的メタセシス触媒であり、かつ 式IIIbに係るメタセシス生成物が、C11〜C20(Z)-9-不飽和脂肪酸アルキルエステルである、 請求項1記載の方法。メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、C11〜C20(Z)-9-脂肪族アルコールを形成するのに十分な条件下でC11〜C20(Z)-9-不飽和脂肪酸アルキルエステルを還元剤と接触させる工程を含む、請求項39記載の方法。還元剤が、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、請求項40記載の方法。メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、C11〜C20(Z)-9-脂肪族アルコールの酢酸エステルを形成するのに十分な条件下、塩基の存在下で、C11〜C20(Z)-9-脂肪族アルコールをアシル化剤と接触させる工程をさらに含む、請求項40記載の方法。アシル化剤が、無水酢酸である、請求項42記載の方法。メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、C11〜C20(Z)-9-アルケナールを形成するためにC11〜C20(Z)-9-脂肪族アルコールを酸化させる工程をさらに含む、請求項40記載の方法。メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、C11〜C20(Z)-9-アルケナールを形成するのに十分な条件下でC11〜C20(Z)-9-脂肪酸アルキルエステルを還元剤と接触させる工程を含む、請求項39記載の方法。還元剤が、アミン修飾された水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、請求項45記載の方法。脂肪酸誘導体が、酢酸(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルであり; 式Iに係るオレフィンが、ヘキサ-1-エンであり、 式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、Δ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルであり、 メタセシス触媒が、Z選択的メタセシス触媒であり、 式IIIbに係るメタセシス生成物が、(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルであり;かつ 該メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、 (Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールを形成するのに十分な条件下で(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルを還元剤と接触させる工程、および 酢酸(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルを形成するために(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールをアシル化する工程 を含む、 請求項1記載の方法。式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、9-デセン酸メチルであり、メタセシス生成物が、(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルである、請求項47記載の方法。還元剤が、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、請求項47記載の方法。(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールをアシル化する工程が、酢酸(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルを形成するのに十分な条件下、塩基の存在下で、(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールをアシル化剤と接触させる工程を含む、請求項47記載の方法。アシル化剤が、無水酢酸である、請求項50記載の方法。式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、9-デセン酸メチルであり、メタセシス生成物が、(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルである、請求項47記載の方法。脂肪酸誘導体が、(Z)-テトラデカ-9-エナールであり、 式Iに係るオレフィンが、ヘキサ-1-エンであり、 式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、Δ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルであり、 メタセシス触媒が、Z選択的メタセシス触媒であり、 式IIIbに係るメタセシス生成物が、(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルであり;かつ 該メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、(Z)-テトラデカ-9-エナールを形成するのに十分な条件下で(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルを還元剤と接触させる工程を含む、 請求項1記載の方法。還元剤が、アミン修飾された水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、請求項53記載の方法。式IIgに係るΔ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルが、9-デセン酸メチルであり、メタセシス生成物が、(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルである、請求項53記載の方法。脂肪酸誘導体が、(Z)-テトラデカ-9-エナールであり、 式Iに係るオレフィンが、ヘキサ-1-エンであり、 式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、Δ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルであり、 メタセシス触媒が、Z選択的メタセシス触媒であり、 式IIIbに係るメタセシス生成物が、(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルであり;かつ 該メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、 (Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールを形成するのに十分な条件下で(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルを還元剤と接触させる工程、および (Z)-テトラデカ-9-エナールを形成するために(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールを酸化する工程 を含む、 請求項1記載の方法。還元剤が、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、請求項56記載の方法。式IIgに係るΔ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルが、9-デセン酸メチルであり、メタセシス生成物が、(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルである、請求項56記載の方法。メタセシス触媒が、式2a に係る構造を有し、 式中、 Mは、MoまたはWであり; R3aは、それぞれ置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはシクロアルキルであり; R7aは、それぞれ置換されていてもよい、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピラゾリル、アザインドリル、またはインダゾリルであり; R8aは、置換されていてもよいアリールであり; R5aは、水素原子、アルキル、またはアルコキシであり; R4bは、水素原子、-O-(C1〜6アルキル)、-CH2-O-(C1〜6アルキル)、ヘテロアルコキシ、または-N(C1〜6アルキル)2であり;かつ R4cおよびR4dは、独立して、水素原子、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロゲン原子、-NO2、アミド、またはスルホンアミドである、 請求項39記載の方法。メタセシス触媒が、 からなる群より選択される、請求項59記載の方法。請求項1記載の方法に従って合成される、脂肪族オレフィン誘導体。昆虫フェロモンである、請求項61記載の脂肪族オレフィン誘導体。式VIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法であって、 (i)式VIII に係るアルケノールを形成するために式IIb に係るアルキルエステルを還元する工程; (ii)式IX に係るアシル化アルケノールを形成するために該アルケノールをアシル化する工程;および (iii)該脂肪族オレフィン誘導体を形成するのに十分な条件下、メタセシス触媒の存在下で、該アシル化アルケノールを式I に係るオレフィンと接触させる工程 を含み、 式中、 R1は、H、C1〜18アルキル、およびC2〜18アルケニルからなる群より選択され; R2bは、C1〜8アルキルであり、 R2cは、C1〜6アシルであり、 下付き文字yは、0〜17の範囲の整数であり; 下付き文字zは、0〜17の範囲の整数であり;かつ メタセシス触媒が、タングステン触媒またはモリブデン触媒である、 前記方法。R1がHであり、R2bがメチルであり、R2cがアセチルであり、下付き文字yが7であり、下付き文字zが3である、請求項63記載の方法。メタセシス生成物が、Eオレフィンを含む、請求項63記載の方法。メタセシス生成物が、Zオレフィンを含む、請求項63記載の方法。メタセシス触媒が、Z選択的モリブデン触媒またはZ選択的タングステン触媒である、請求項66記載の方法。メタセシス触媒が、式2 に係る構造を有し、 式中、 Mは、MoまたはWであり; R3aは、それぞれ置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルからなる群より選択され; R4aおよびR5aは、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいヘテロアルキル、置換されていてもよいヘテロアルケニル、置換されていてもよいアリール、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群より独立して選択され; R7aは、それぞれ置換されていてもよい、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シリルアルキル、およびシリルオキシからなる群より選択され;かつ R6aは、R8a-X-であり、ここで、 XはOもしくはSであり、R8aは置換されていてもよいアリールであるか;または XはOであり、R8aはSiR9aR10aR11aもしくはCR12aR13aR14aであり、ここで、R9a、R10a、R11a、R12a、R13a、およびR14aは、置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいフェニルからなる群より独立して選択されるか;あるいは R6aおよびR7aは互いに連結しており、酸素を介してMに結合する、 請求項67記載の方法。メタセシス触媒が、式2a に係る構造を有し、 式中、 R3aは、それぞれ置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはシクロアルキルであり; R7aは、それぞれ置換されていてもよい、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピラゾリル、アザインドリル、またはインダゾリルであり; R8aは、置換されていてもよいアリールであり; R5aは、水素原子、アルキル、またはアルコキシであり; R4bは、水素原子、-O-(C1〜6アルキル)、-CH2-O-(C1〜6アルキル)、ヘテロアルコキシ、または-N(C1〜6アルキル)2であり;かつ R4cおよびR4dは、独立して、水素原子、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロゲン原子、-NO2、アミド、またはスルホンアミドである、 請求項68記載の方法。メタセシス触媒が、 からなる群より選択される、請求項68記載の方法。

说明书全文

関連出願の相互参照 本願は、2015年11月18日に出願の米国仮特許出願第62/257,148号の優先権を主張し、該出願はその全体において参照により本明細書に組み入れられる。

発明の背景 昆虫の寄生は、米国全体の農作物被害の主な原因である。害虫を駆除するために過去には広範な化学殺虫剤に頼っていた。しかしながら、環境への懸念や消費者の安全性への懸念により、食品として最終的に消費される農産物に対する、多くの殺虫剤の登録取り消しおよびそれ以外の使用への抵抗感が生じている。結果として、代替的な生物学的駆除剤の開発が望まれている。

フェロモンは、昆虫の体外に分泌される化学物質であり、それらが誘導する行動的反応のタイプによって分類され得る。フェロモンの種類は、集合フェロモン、性フェロモン、痕跡フェロモン、および警報フェロモンを含む。性フェロモンは、例えば、交尾に向けて相手を誘引するために昆虫によって典型的に分泌される。

連続した期間にわたって農作物の葉にまたは果樹園環境内にフェロモンが少量で散布されると、フェロモンレベルが昆虫の行動を改変し得る閾値に達する。そのような閾値以上のフェロモンレベルの維持が、昆虫の生殖プロセスに影響し、交尾を低減し得る。それ故、従来の殺虫剤と併せたフェロモンの使用は、効果的な駆除に要する殺虫剤の量を低減し得、かつ、有益な昆虫の個体群を保ちつつ特異的に害虫を標的とし得る。これらの利点は、ヒトおよび環境に対するリスクを低減し、全体的な昆虫駆除コストを削減し得る。

これらの利点にもかかわらず、フェロモンは、有効成分(AI)のコストが高いために今日では広く用いられていない。何千種類もの昆虫フェロモンが同定されているにもかかわらず、フェロモン戦略を用いて現在駆除されている害虫は世界中で約20種類未満であり、地球上の農地の僅か0.05%でフェロモンが採用されている。天然に存在する化合物である鱗翅目(Lepidopteran)フェロモン、または同一のもしくは実質的に同様の合成化合物は、末端がアルコール、アルデヒドまたはアセテート官能基であり、脂肪族骨格中に二重結合を最大で3個まで含有する非分枝脂肪族鎖(炭素が9〜18個の間)によって命名される。鱗翅目昆虫のフェロモンおよび構造的に関連する化合物を調製するための改善された方法が必要である。本発明は、このニーズおよび他のニーズを満たす。

第1の局面では、本発明は、脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法を提供する。該方法は、 (a)メタセシス生成物を形成するのに十分な条件下、メタセシス触媒の存在下で、式I に係るオレフィンを式II に係るメタセシス反応パートナーと接触させる工程;および (b)任意で、該メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程 を含み; 式中、 R1は、H、C1〜18アルキル、およびC2〜18アルケニルより選択され; R2は、-(CH2)xOR2aおよび-(CH2)yCOOR2bより選択され、ここで、R2aはアルコール保護基であり、R2bはC1〜8アルキルであり; 下付き文字xは、1〜18の範囲の整数であり; 下付き文字yは、0〜17の範囲の整数であり;かつ 下つき文字zは、0〜17の範囲の整数である。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は、タングステンメタセシス触媒、モリブデンメタセシス触媒、またはルテニウムメタセシス触媒である。一定の態様では、メタセシス触媒は、タングステン触媒またはモリブデン触媒である。

いくつかの態様では、メタセシス反応パートナーは、式IIa に係る保護アルコールであり、式中、R2aはアルコール保護基であり、メタセシス生成物は、式IIIa に係る化合物である。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Va に係るアルケノールを形成するために式IIIaの化合物からR2aを除去する工程を含む。

いくつかの態様では、式Vaのアルケノールは、フェロモンである。いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vaのアルケノールをアシル化する工程をさらに含み、これによって式VIa に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成し、式中、R2cは、C1〜6アシルである。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vaのアルケノールを酸化する工程をさらに含み、これによって式VIIa に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成する。

いくつかの態様では、 メタセシス反応パートナーは、式IIb に係るエステルであり、下付き文字zは、1〜18の範囲の整数であり、 メタセシス生成物は、式IIIb に係る化合物である。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vb に係るアルケノールを形成するために式IIIbのメタセシス生成物を還元する工程を含む。

いくつかの態様では、メタセシス反応パートナーは、式IIaまたは式IIbに係る保護アルコールであり、メタセシス生成物は、式IV に係る化合物である。

いくつかの態様では、式IVの化合物におけるR1は、C2〜18アルケニルである。

本発明の方法を用いて、不飽和脂肪族アルコール、不飽和脂肪族アルコールアセテート、不飽和脂肪族アルデヒド、不飽和脂肪酸エステル、およびポリエンを含む、多数のフェロモンおよびフェロモン前駆体を合成し得る。

発明の詳細な説明 I.序論 本発明は、オレフィン(例えば、α-オレフィン)との保護脂肪族アルコールまたは脂肪酸エステルの交差メタセシスを通じた脂肪族オレフィン誘導体(直鎖鱗翅目フェロモン;SCLP)の合成のための方法を提供する。オレフィンメタセシス触媒(第VI族Z選択的触媒を含む)と併せた様々な脂肪族アルコール、脂肪酸アルキルエステルおよびα-オレフィン原料の使用を通じて、Z-オレフィン含有量が多い広範な保護不飽和脂肪族アルコール前駆体が取得され得る。これらの前駆体化合物は、下に詳細に記載するようにフェロモン(例えば、長鎖Z-アルコール、Z-アルデヒド、Z-アセテート、およびZ-ナイトレート)および他の有用な脂肪族オレフィン誘導体に変換され得る。代替的には、保護長鎖脂肪族アルコールのシス/トランス混合物を生成するために、非選択的オレフィンメタセシス触媒(第VI族非選択的触媒を含む)を用い得る。そのような混合物は、Z選択的エテノリシスを介して純粋なE-フェロモン前駆体および他の脂肪族E-オレフィン誘導体を提供するために精製され得る。該方法は、7-、9-、または10-単不飽和を含有するSCLPを含む貴重な生成物へのアクセスを提供する。

II.定義 次の定義および略語が本発明の理解のために用いられる。本明細書において用いる「本発明」という用語は非限定的な用語であり、任意の単一の態様を指すことを意図しておらず、すべての可能な態様を包含する。

本明細書において用いるように、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、またはそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を対象とすることを意図している。列挙の要素を含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または器具は、必ずしもそれら要素のみに限定されるのではなく、明確に列挙されていないか、またはそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、もしくは器具に固有の他の要素を含むことがある。さらに、逆のことが明確に記されていない限り、「または」は、包括的な「または」を指し、排他的な「または」を指していない。

数値を修飾するために本明細書において用いる「約」および「前後」という用語は、その明示的な値を囲む近接範囲を表す。「X」が値であれば、「約X」または「X前後」は、0.9X〜1.1Xの値、一定の事例では0.95X〜1.05Xまたは0.98X〜1.02Xの値を表す。「約X」または「X前後」に対するあらゆる言及が、少なくとも値X、0.95X、0.96X、0.97X、0.98X、0.99X、1.01X、1.02X、1.03X、1.04X、および1.05Xを具体的に表す。よって、「約X」および「X前後」は、例えば「0.99X」というクレームの限定に対する明細書のサポートを教示し、提供することを意図している。

本明細書において用いるように、「フェロモン」という用語は、生物によって分泌され、放出され、同一の種または密接に関連する種の第2の生物によって検知される物質、または物質の特徴的混合物を指す。典型的には、第2の生物によるフェロモンの検知は、はっきりとした行動的反応または発達プロセスなどの特異的反応を促進する。昆虫フェロモンは、例えば、交尾および集合などの行動に影響を及ぼし得る。フェロモンの例は、C10〜C18アセテート、C10〜C18アルコール、C10〜C18アルデヒド、およびC17〜C23ポリエンなどの、鱗翅目(すなわち、シャクガ科(Geometridae)、ヤガ科(Noctuidae)、ヒトリガ科(Arctiidae)、およびドクガ科(Lymantriidae)に属する蛾および蝶)によって生成される化合物を非限定的に含む。「不飽和フェロモン」とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する任意のフェロモンを指す。

本明細書において用いるように、「接触させる」という用語は、少なくとも2つの別個の種をそれらが反応し得るように接触させるプロセスを指す。しかしながら、得られる反応生成物は、加えられた試薬間の反応から直接的に生成され得るか、あるいは、反応混合物中で生成され得る、1種または複数種の加えられた試薬由来の中間体から生成され得ると認識すべきである。

本明細書において用いるように、「オレフィン」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する直鎖または分枝鎖炭化素化合物およびその誘導体を指す。オレフィンは、非置換であるか、またはアルコール基、保護アルコール基、カルボキシレート基、およびカルボン酸エステル基を含む1つまたは複数の官能基で置換され得る。本明細書において用いるように、「オレフィン」という用語は、1つより多い炭素-炭素二重結合を有する炭化水素(例えば、ジ-オレフィン、トリ-オレフィンなど)を包含する。1つより多い炭素-炭素二重結合を有する炭化水素およびそれらの誘導体は「ポリエン」とも呼ばれる。「脂肪族オレフィン」という用語は、炭素原子を少なくとも4個有するオレフィンを指し、脂肪族オレフィンは炭素原子を、例えば、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、または28個有し得る。「脂肪族オレフィン誘導体」とは、オレフィン出発物質または脂肪族オレフィン出発物質から取得される化合物を指す。脂肪族オレフィン誘導体の例は、不飽和脂肪族アルコール、不飽和脂肪族アルコールアセテート、不飽和脂肪族アルデヒド、不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸エステル、およびポリエンを非限定的に含む。一定の態様では、本発明の方法に従って合成される脂肪族オレフィン誘導体は、8〜28個の炭素原子を有する。

Δ9-不飽和オレフィンとは、オレフィンの末端から9番目の結合が二重結合であるオレフィンを指す。Δ9-不飽和脂肪酸とは、カルボン酸基から9番目の結合が二重結合であるオレフィンカルボン酸を指す。Δ9-不飽和脂肪酸の例は、9-デセン酸、オレイン酸(すなわち、(Z)-オクタデカ-9-エン酸)、およびエライジン酸(すなわち、(E)-オクタデカ-9-エン酸)を非限定的に含む。

本明細書において用いるように、「メタセシス反応」という用語は、炭素-炭素二重結合の形成および切断を介した、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を含有する化合物(例えば、オレフィン化合物)間でアルキリデン単位(すなわち、R2C= 単位)の交換を伴う触媒反応を指す。メタセシスは、同一の構造を有する2分子間(しばしば自己メタセシスと呼ばれる)および/または異なる構造を有する2分子間(しばしば交差メタセシスと呼ばれる)で起こり得る。「メタセシス反応パートナー」という用語は、新たな炭素-炭素二重結合を形成するためにメタセシス反応においてオレフィンと反応し得る、炭素-炭素二重結合を有する化合物を指す。

本明細書において用いるように、「メタセシス触媒」という用語は、メタセシス反応を触媒する任意の触媒または触媒系を指す。当業者であれば、メタセシス触媒は、反応速度を高めるようにメタセシス反応に参加し得るがそれ自体は反応において消費されないことを認識するであろう。「タングステン触媒」とは、1つまたは複数のタングステン原子を有するメタセシス触媒を指す。「モリブデン触媒」とは、1つまたは複数のモリブデン原子を有するメタセシス触媒を指す。

本明細書において用いるように、「メタセシス生成物」という用語は、メタセシス反応を介して形成された少なくとも1つの二重結合を含有するオレフィンを指す。

本明細書において用いるように、「変換する」という用語は、中間体種または生成物を形成するために出発物質を少なくとも1種の試薬と反応させることを指す。変換することは、さらなる中間体種または生成物を形成するために中間体を少なくとも1種の試薬と反応させることも含み得る。

本明細書において用いるように、「酸化する」という用語は、基質化合物から酸化剤への電子密度の移動を指す。電子密度移動は、典型的には、基質化合物への酸素の添加または基質化合物からの水素の除去を含むプロセスを介して起こる。「酸化剤」という用語は、基質化合物から電子密度を受容し得る試薬を指す。酸化剤の例は、クロロクロム酸ピリジニウム、o-ヨードキシ安息香酸、および2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシルを非限定的に含む。

本明細書において用いるように、「還元する」という用語は、還元剤から基質化合物への電子密度の移動を指す。電子密度移動は、典型的には、基質化合物への水素の添加を含むプロセスを介して起こる。「還元剤」という用語は、基質化合物に電子密度を供与し得る試薬を指す。還元剤の例は、水素化ホウ素ナトリウムおよびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを非限定的に含む。

本明細書において用いるように、「アシル化」という用語は、アルコール基(-OH)を、Rが下に記載のアルキル基であるエステル基(-OC(O)R)に変換することを指す。

本明細書において用いるように、「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、完全に飽和しているかまたは1つまたは複数の不飽和単位を含有する直鎖(すなわち非分岐)または分枝鎖の置換または非置換炭化水素鎖、あるいは、完全に飽和したかまたは1つまたは複数の不飽和単位を含有するが、芳香族ではなく(本明細書においては「炭素環」または「脂環式」とも呼ぶ)、分子の残部への単一の付着点を有する単環式炭化水素、二環式炭化水素、または三環式炭化水素を意味する。別途特定のしない限り、脂肪族基は、1〜30個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの態様では、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。別の態様では、脂肪族基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに別の態様では、脂肪族基は、1〜5個の脂肪族炭素原子を含有し、また別の態様では、脂肪族基は1、2、3、または4個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの態様では、「脂環式」(または「炭素環」)とは、完全に飽和しているか、あるいは1つまたは複数の不飽和単位を含有するが芳香族ではなく、分子の残部への単一の付着点を有する単環式C3〜C6炭化水素またはC8〜C10二環式炭化水素を指す。好適な脂肪族基は、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、または(シクロアルキル)アルケニルなどの直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル基およびそれらのハイブリッドを非限定に含む。「ヘテロ脂肪族」という用語は、脂肪族基の少なくとも1つの炭素原子が、ヘテロ原子(すなわち、窒素または硫黄の任意の酸化形態および塩基性窒素の任意の四級化形態を含む窒素、酸素、または硫黄)で置き換えられた脂肪族基を指す。

本明細書において用いるように、「アルキル」という用語には、当技術分野におけるその通常の意味が与えられ、示された炭素数を有する直鎖アルキル基および分枝鎖アルキル基を含む。一定の態様では、直鎖または分枝鎖アルキルは、その骨格に約1〜30個(例えば、直鎖についてはC1〜C30、分枝鎖についてはC3〜C30)および代替的には約1〜20個の炭素原子を有する。いくつかの態様では、アルキル基は低級アルキル基であってもよく、ここで低級アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含む(例えば、直鎖低級アルキルについてはC1〜C4)。

「ヘテロアルキル」という用語は、当技術分野におけるその通常の意味が与えられ、1つまたは複数の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄など)で置き換えられた本明細書において記載するアルキル基を指す。ヘテロアルキル基の例は、アルコキシ、ポリ(エチレングリコール)-、アルキル-置換アミノなどを非限定的に含む。

本明細書において用いるように、「アシル」という用語は、Rが上に記載のアルキル基である官能基-C(O)R)を指す。

本明細書において用いるように、「アルコキシ」という用語は、Rが上に規定するアルキル基である部分-ORを指す。「シリルアルキル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がケイ素原子で置き換えられた、本明細書において規定するアルキル基を指す。「シリルオキシ」という用語は、各Rが、H、本明細書において記載するアルキル、置換アルキル、アリール、および置換アリールからなる群より独立して選択される部分-OSiR3を指す。

本明細書において用いるように、「シクロアルキル」という用語は、分子の残部への単一の付着点を有する飽和の単環式炭化水素、二環式炭化水素、または三環式炭化水素基を指す。シクロアルキル基は、アルキル置換シクロアルキル基およびシクロアルキル置換アルキル基を含む。いくつかの態様では、シクロアルキル環は、単環式または二環式であるそれらの環構造中に約3〜10個の炭素原子、代替的には環構造中に約5、6または7個の炭素を有する。

本明細書において用いるように、「アルケニル」という用語は、1つまたは複数の二重結合を有する、本明細書において規定するアルキル基を指す。「ヘテロアルケニル」という用語は、1つまたは複数の炭素原子が、ヘテロ原子(すなわち、窒素または硫黄の任意の酸化形態および塩基性窒素の任意の四級化形態を含む窒素、酸素、または硫黄)で置き換えられたアルケニル基を指す。

本明細書において用いるように、「アルケノール」という用語は、Rがアルケニル基であり、R'が水素またはアルコール保護基である、式R-OR'を有する化合物を指す。

本明細書において用いるように、「アルキニル」という用語は、1つまたは複数の三重結合を有する、本明細書において規定するアルキル基を指す。

単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、もしくは「アリールオキシアルキル」でのように、より大きな部分の一部として用いられる「アリール」という用語は、合計5〜14環員を有する単環式または二環式環系を指し、ここで系中の少なくとも1つの環が芳香族であり、系中の各環が3〜7個の環員を含有する。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に用いられることがある。本発明の一定の態様では、「アリール」とは、1つまたは複数の置換基を持つ場合があるフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシルなどを非限定的に含む芳香族環系を指す。本明細書に用いられるように「アリール」という用語の範囲内には、インダニル、フタルイミジル、ナフチミジル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチルなどの、芳香環が1つまたは複数の非芳香環に縮合した基なども含まれる。「アリールオキシ」という用語は、Rが上に規定したアリール基である部分-ORを指す。

単独、またはより大きな部分の一部として用いられる「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ-」、例を挙げると「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアラルコキシ」という用語は、5〜10個の環原子(すなわち、単環式または二環式)、いくつかの態様では5、6、9、または10個の環原子を有する基を指す。いくつかの態様では、そのような環は、環状配置で共有された6、10、または14個のパイ電子を有し、炭素原子に加えて1〜5個のヘテロ原子を有する。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、または硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化形態および塩基性窒素の任意の四級化形態を含む。ヘテロアリール基は、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、およびプテリジニルを非限定的に含む。「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ-」という用語は、本明細書において用いるように、ヘテロ芳香環が1つまたは複数のアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環に縮合した基も含み、ここで、ラジカルまたは付着点は、ヘテロ芳香環上にある。非限定的な例は、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3-b]-1,4-オキサジン-3(4H)-オンを含む。ヘテロアリール基は、単環式または二環式であってもよい。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「ヘテロ芳香族」という用語と互換的に用いられることがあり、これら用語のいずれも、置換されていてもよい環を含む。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールによって置換されたアルキル基を指し、ここで、アルキルおよびヘテロアリール部分は独立して置換されていてもよい。

アリールおよびヘテロアリール基の例は、フェニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニルおよびピリミジニルなどを非限定的に含む。アリールおよびヘテロアリール基が、金属中心に配位する配位子として用いられる際は、アリールおよびヘテロアリール基は、金属中心に配位するために十分なイオン性を有する場合があることを理解すべきである。例えば、本明細書において記載のようにピロールなどのヘテロアリール基が窒素含有配位子として用いられる際は、ピロール基は、金属と配位するために十分なイオン性を有する(例えば、ピロリルと規定されるために十分に脱プロトン化されている)と理解すべきである。いくつかの場合では、アリールまたはヘテロアリール基は、例えば、ビフェノラート基などの、金属中心と配位するために十分なイオン性を有する少なくとも1つの官能基を含む場合がある。

本明細書において用いるように、「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ環式ラジカル」、および「ヘテロ環式環」という用語は互換的に用いられ、飽和または部分不飽和のいずれかであり、上に規定する1つまたは複数のヘテロ原子(例えば、1〜4個のヘテロ原子)を炭素原子に加えて有する安定な5〜7員の単環式または7〜10員の二環式ヘテロ環式部分を指す。ヘテロ環の環原子に関して用いられる際には、「窒素」という用語は置換された窒素を含む。一例としては、酸素、硫黄または窒素より選択される1〜3個のヘテロ原子を有する飽和または部分不飽和環において、窒素は、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルでのように)、NH(ピロリジニルでのように)、または+NR(N-置換ピロリジニルでのように)であってもよい。

ヘテロ環式環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子にてそのペンダント基に付着し得、環原子のいずれも任意で置換され得る。そのような飽和または部分不飽和ヘテロ環式ラジカルの例は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルを非限定的に含む。「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「ヘテロ環式基」、「ヘテロ環式部分」、および「ヘテロ環式ラジカル」という用語は、本明細書においては互換的に用いられ、インドリニル、3H-インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニルなどの、ヘテロシクリル環が1つまたは複数のアリール、ヘテロアリールまたは脂環式環に縮合した基も含む。ヘテロシクリル基は、単環式または二環式であってもよい。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、アルキルおよびヘテロシクリル部分が独立して置換されていてもよい、ヘテロシクリルによって置換されたアルキル基を指す。

「ハロゲン」および「ハロ」という用語は、互換的に用いられて、F、Cl、Br、またはIを指す。

本明細書において用いるように、「保護基」という用語は、官能基を非反応性にするが、官能基を回復するように除去可能でもある化学的部分を指す。「アルコール保護基」の例は、ベンジル;tert-ブチル;トリチル;tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS;TBS);4,5-ジメトキシ-2-ニトロベンジルオキシカルボニル(Dmnb);プロパルギルオキシカルボニル(Poc);などを非限定的に含む。「アミン保護基」の例は、ベンジルオキシカルボニル;9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc);tert-ブチルオキシカルボニル(Boc);アリルオキシカルボニル(Alloc);p-トルエンスルホニル(Tos);2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル(Pmc);2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル(Pbf);メシチル-2-スルホニル(Mts);4-メトキシ-2,3,6-トリメチルフェニルスルホニル(Mtr):アセトアミド;フタルイミド;などを非限定的に含む。他のアルコール保護基およびアミン保護基は、当業者に公知であり、例えば、Green and Wuts (Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Ed. 2007, Wiley-Interscience, New York)によって記載されたものを含む。

本明細書において記載するように、本発明の化合物は、「置換されていてもよい」部分を含有する場合がある。一般に、「いてもよい」という用語が先行するか否かにかかわらず「置換されて」という用語は、指定した部分の1つまたは複数の水素が、好適な置換基で置き換えられていることを意味する。別途示されていない限り、「置換されていてもよい」基は、基の各置換可能位置にて、好適な置換基を有する場合があり、任意の所与の構造において1つを超える位置が、特定された基より選択される1つを超える置換基で置換されることがある際には、置換基は位置毎に同一または異なってもよい。本発明によって想定される置換基の組み合わせは、安定なまたは化学的に実現可能な化合物の形成を通常はもたらすものである。本明細書において用いるように「安定な」という用語は、本明細書において開示する1つまたは複数の目的のための、化合物の生成、検出、および、一定の態様では、化合物の回収、精製、および使用を可能にする条件に供された際に実質的に改変されない化合物を指す。

「置換されていてもよい」基の置換可能な炭素原子上の好適な一価置換基は、独立して、ハロゲン;-(CH2)0〜4Rα;-(CH2)0〜4ORα;-O(CH2)0〜4Rα、-O-(CH2)0〜4C(O)ORα;-(CH2)0〜4CH(ORα)2;-(CH2)0〜4SRα;Rαで置換されていてもよい-(CH2)0〜4Ph;Rαで置換されていてもよい-(CH2)0〜4O(CH2)0〜1Ph;Rαで置換されていてもよい-CH=CHPh;Rαで置換されていてもよい-(CH2)0〜4O(CH2)0〜1-ピリジル;-NO2;-CN;-N3;-(CH2)0〜4N(Rα)2;-(CH2)0〜4N(Rα)C(O)Rα;-N(R°)C(S)Rα;-(CH2)0〜4N(Rα)C(O)NRα2;-N(Rα)C(S)NRα2;-(CH2)0〜4N(Rα)C(O)ORα;-N(Rα)N(Rα)C(O)Rα;-N(Rα)N(Rα)C(O)NRα2;-N(Rα)N(Rα)C(O)ORα;-(CH2)0〜4C(O)Rα;-C(S)Rα;-(CH2)0〜4C(O)ORα;-(CH2)0〜4C(O)SRα;-(CH2)0〜4C(O)OSiRα3;-(CH2)0〜4OC(O)Rα;-OC(O)(CH2) 0〜4SR-SC(S)SRα;-(CH2)0〜4SC(O)Rα;-(CH2)0〜4C(O)NRα2;-C(S)NRα2、-C(S)SRα;-SC(S)SRα,-(CH2)0〜4OC(O)NRα2;-C(O)N(ORα)Rα;-C(O)C(O)Rα;-C(O)CH2C(O)Rα;-C(NORα)Rα;-(CH2)0〜4SSRα;-(CH2)0〜4S(O)2Rα;-(CH2)0〜4S(O)2ORα;-(CH2)0〜4OS(O)2Rα;-S(O)2NRα2;-(CH2)0〜4S(O)Rα;-N(Rα)S(O)2NRα2;-N(Rα)S(O)2Rα;-N(ORα)Rα;-C(NH)NRα2;-P(O)2Rα;-P(O)Rα2;-OP(O)Rα2;-OP(O)(ORα)2;SiRα3;-(C1〜4直鎖または分岐鎖)アルキレン)O-N(Rα)2;または-(C1〜4直鎖または分枝鎖)アルキレン)C(O)O-N(Rα)2であり、ここで、各Rαは、下に規定するように置換されてもよく、独立して、水素、C1〜6脂肪族、-CH2Ph、-O(CH2)0〜1Ph、-CH2-(5〜6員ヘテロアリール環)、または窒素、酸素、および硫黄より独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和、もしくは芳香環であるか、あるいは、上の定義にかかわらず、2つの独立して出現したRαは、それらに介在する原子と一緒になって、下に規定するように置換されていてもよい窒素、酸素、および硫黄からなる群より独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員の飽和、部分不飽和、もしくは芳香族の単環式または二環式環を形成する 。

Rα(または2つの独立して出現したRαと共にそれらに介在する原子と一緒に形成される環)上の好適な一価置換基は、独立して、ハロゲン、-(CH2)0〜2Rβ;-(ハロRβ);-(CH2)0〜2OH;-(CH2)0〜2ORβ;-(CH2)0〜2CH(ORβ)2;-O(ハロRβ);-CN;-N3;-(CH2)0〜2C(O)Rβ;-(CH2)0〜2C(O)OH;-(CH2)0〜2C(O)ORβ;-(CH2)0〜2SRβ;-(CH2)0〜2SH;-(CH2)0〜2NH2;,-(CH2)0〜2NHRβ;-(CH2)0〜2NRβ2;-NO2;SiRβ3;-OSiRβ3;-C(O)SRβ;-(C1〜4直鎖または分岐鎖アルキレン)C(O)ORβ;または-SSRβであり;ここで、各Rβは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合には1つまたは複数のハロゲンでのみ置換されており、C1〜4脂肪族、-CH2Ph、-O(CH2)0〜1Ph、または窒素、酸素、および硫黄より独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和、もしくは芳香環より独立して選択される。Rαの飽和炭素原子上の好適な二価置換基は、=Oおよび=Sを含む。

「置換されていてもよい」基の飽和炭素原子上の好適な二価置換基は、以下を含む:=O;=S;=NNRγ2;=NNHC(O)Rγ;=NNHC(O)ORγ;=NNHS(O)2Rγ;=NRγ;=NORγ;-O(C(Rγ2))2〜3O-;または-S(C(Rγ2))2〜3S-;ここで、各独立して出現したRγは、水素、下に規定するように置換されていてもよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素、および硫黄より独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員飽和、部分不飽和、もしくは芳香環より選択される。「置換されていてもよい」基の隣接置換可能炭素に結合した好適な二価置換基は、-O(CRβ2)2〜3O-を含み、ここで、各独立して出現したRβは、水素、下に規定するように置換されていてもよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素、および硫黄より独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員飽和、部分不飽和、もしくは芳香環より選択される。

Rγの脂肪族基上の好適な置換基は、ハロゲン、-Rδ、-(ハロRδ)、-OH、-ORδ、-O(ハロRδ)、-CN、-C(O)OH、-C(O)ORδ、-NH2、-NHRδ、-NRδ2、または-NO2を含み、ここで、各Rδは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合には1つまたは複数のハロゲンでのみ置換されており、独立して、C1〜4脂肪族、-CH2Ph、-O(CH2)0〜1Ph、または窒素、酸素、および硫黄より独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和、もしくは芳香環である。

「置換されていてもよい」基の置換可能窒素上の好適な置換基は、-Rε、-NRε2、-C(O)Rε、-C(O)ORε、-C(O)C(O)Rε、-C(O)CH2C(O)Rε、-S(O)2Rε、-S(O)2NRε2、-C(S)NRε2、-C(NH)NRε2、または-N(Rε)S(O)2Rεを含み;ここで、各Rεは、独立して、水素、下に規定するように置換されていてもよいC1〜6脂肪族、非置換-OPh、または窒素、酸素、および硫黄より独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員飽和、部分不飽和、もしくは芳香環であるか、あるいは、上の定義にかかわらず、2つの独立して出現したRεは、それらに介在する原子と一緒になって、窒素、酸素、および硫黄からなる群より独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の3〜12員飽和、部分不飽和、または芳香族の単環式または二環式環を形成する。

Rεの脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、-Rδ、-(ハロRδ)、-OH、-ORδ、-CN、-C(O)OH、-C(O)ORδ、-NH2、-NHRδ、-NRδ2、または-NO2であり、ここで、各Rδは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合には1つまたは複数のハロゲンでのみ置換されており、独立して、C1〜4脂肪族、-CH2Ph、-O(CH2)0〜1Ph、または窒素、酸素、および硫黄より独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和、もしくは芳香環である。

いくつかの態様では、「置換された」という用語は、有機化合物のすべての許容可能な置換基を含むことを企図しており、「許容可能な」とは当業者に公知の原子価の化学的ルールの文脈におけるものである。いくつかの場合では、「置換された」とは、本明細書において記載する置換基との水素原子の置き換えを通常は指す場合がある。しかしながら、本明細書において用いる「置換された」には、例えば「置換された」官能基が置換を通じて異なる官能基になるような、分子が同定される重要な官能基の置き換えおよび/または改変を包含しない。例えば、「置換フェニル」基は、フェニル部分を依然として含んでいなければならず、この定義においては置換によって修飾されて、例えばシクロヘキシル基とはなり得ない。広い局面では、許容可能な置換基は、有機化合物の非環式および環式、分枝および非分枝、炭素環式およびヘテロ環式、芳香族および非芳香族置換基を含む。例示的な置換基は、例えば本明細書において記載するものを含む。許容可能な置換基は、適切な有機化合物毎に1つまたは複数および同一または異なり得る。例えば、置換されたアルキル基は、CF3であってもよい。本発明の目的には、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/または、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書において記載する有機化合物の任意の許容可能な置換基を有してもよい。本発明は、有機化合物の許容可能な置換基によってどのような様式であっても限定されることを意図していない。

置換基の例は、アルキル、アリール、アリールアルキル、環状アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、パーハロアルコキシ、アリールアルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アジド、アミノ、ハロゲン、アルキルチオ、オキソ、アシルアルキル、カルボキシエステル、カルボキシル、カルボキサミド、ニトロ、アシルオキシ、アミノアルキル、アルキルアミノアリール、アルキルアリール、アルキルアミノアルキル、アルコキシアリール、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルキルスルホニル、カルボキサミドアルキルアリール、カルボキシアミドアリール、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノアルキルカルボキシ、アミノカルボキサミドアルキル、シアノ、アルコキシアルキル、パーハロアルキル、アリールアルキルオキシアルキルなどを非限定的に含む。

本明細書において用いるように、「天然油」という用語は、植物または動物源に由来する油を指す。「天然油」という用語は、別途示されていない限り天然油誘導体を含む。植物または動物源は、別途示されていない限り組み換え植物または動物源(例えば、遺伝子組み換え植物または動物源)であり得る。天然油の例は、植物油、藻類油、魚油、動物脂肪、トール油、これら油の誘導体、これら油のいずれかの組み合わせなどを非限定的に含む。植物油の代表的な非限定例は、キャノーラ油、菜種油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ラッカセイ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、桐油、ヤトロファ油、カラシ油、グンバイナズナ油、カメリナ油、およびヒマシ油を含む。動物脂肪の代表的な非限定例は、ラード、獣脂、家禽脂肪、黄色油脂(yellow grease)、および魚油を含む。トール油は、木材パルプの製造の副生成物である。

「天然油誘導体」とは、当技術分野で公知の方法の任意の1種または組み合わせを用いた天然油に由来する化合物(または化合物の混合物)を指す。そのような方法は、鹸化、脂肪分解、エステル交換、エステル化、水素化(部分的または完全)、異性化、酸化、還元、およびメタセシスを非限定的に含む。天然油誘導体の代表的な非限定例は、ガム、リン脂質、ソーダ油滓(soapstock)、酸性化ソーダ油滓、蒸留物または蒸留物スラッジ、脂肪酸、および脂肪酸アルキルエステル(例えば、2-エチルヘキシルエステルなどの非限定例)、ならびにそれらのヒドロキシ置換変形例を含む。例えば、天然油誘導体は、天然油のグリセリドに由来する脂肪酸メチルエステル(「FAME」)であってもよい。

「混入物」という用語は、それが存在する量に関わらず、オレフィンメタセシスに用いられる基質と混ざった任意の不純物を広く、非限定的に指す。「触媒被毒混入物」とは、メタセシス触媒の性能に悪影響を与える可能性を有する混入物を指す。触媒被毒混入物の例は、水、過酸化物、およびヒドロペルオキシドを非限定的に含む。

本明細書において用いるように、「金属アルキル化合物」という用語は、式MRmを有する化合物を指し、式中、Mは、金属(例えば、第II族金属または第IIIA族金属)であり、各Rは、独立して、炭素原子が1〜約20個のアルキル基であり、下付き文字mは、Mの価数に相当する。金属アルキル化合物の例は、Mg(CH3)2、Zn(CH3)2、Al(CH3)3などである。金属アルキル化合物は、グリニャール試薬、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの、1つまたは複数のハロゲンまたは水素化物基を有する物質も含む。

III.態様の説明 一局面では、本発明は、脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法を提供する。該方法は、 (a)メタセシス生成物を形成するのに十分な条件下、メタセシス触媒の存在下で、式I に係るオレフィンを式II に係るメタセシス反応パートナーと接触させる工程;および (b)任意で該メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程 を含み; 式中、 R1は、H、C1〜18アルキル、およびC2〜18アルケニルより選択され; R2は、-(CH2)xOR2aおよび-(CH2)yCOOR2bより選択され、ここで、R2aはアルコール保護基であり、R2bはC1〜8アルキルであり; 下付き文字xは、1〜18の範囲の整数であり; 下付き文字yは、0〜17の範囲の整数であり;かつ 下つき文字zは、0〜17の範囲の整数である。

いくつかの態様では、本発明は、脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法を提供し、該方法は、 (a)メタセシス生成物を形成するのに十分な条件下、メタセシス触媒の存在下で、式I に係るオレフィンを式II に係るメタセシス反応パートナーと接触させる工程;および (b)任意で該メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程 を含み、 式中、 R1は、H、C1〜18アルキル、およびC2〜18アルケニルより選択され; R2は、-(CH2)xOR2aおよび-(CH2)yCOOR2bより選択され、ここで、R2aはアルコール保護基であり、R2bはC1〜8アルキルであり; 下付き文字xは、1〜18の範囲の整数であり; 下付き文字yは、0〜17の範囲の整数であり;かつ 下つき文字zは、0〜17の範囲の整数であり; ここで、メタセシス触媒は、タングステン触媒またはモリブデン触媒である。

本発明の方法において、フェロモン、フェロモン前駆体、および他の有用な脂肪族オレフィン誘導体を取得するためにオレフィンを種々のメタセシス反応パートナーと反応させ得る。

脂肪族アルコールのメタセシス 本方法の一定の態様をスキーム1にまとめている。適切な保護基を含有する脂肪族アルコールを、第VI族オレフィンメタセシス触媒(例えば、Z選択的第VI族メタセシス触媒)の存在下でα-オレフィンと反応させて、所望の交差メタセシス生成物と自己メタセシス副生成物との統計学的混合物を生成する。原料の比を調整して生成物の比を変更し得る。例えば、α-オレフィンと保護脂肪族アルコールのモル比を1.5:1にして反応物を供給することが、3:2.25:1の比で内部オレフィン、メタセシス生成物、および保護ジオール生成物をもたらし得る。このプロセス条件は、より高価な保護脂肪族アルコールの効率的な利用をもたらす。 スキーム1

保護脂肪族アルコールのメタセシスから取得される生成物は、表1に記すように多数のフェロモンに変換され得る。

(表1)脂肪族アルコールメタセシス生成物からアクセス可能なフェロモン

したがって、本発明のいくつかの態様は、 メタセシス反応パートナーが、式IIa に係る保護アルコールであり、式中、R2aがアルコール保護基であり、 メタセシス生成物が、式IIIa に係る化合物である、方法を提供する。

メタセシス反応条件下で安定な任意の保護基R2aを本発明の方法で用い得る。好適な保護基の例は、シリル、tert-ブチル、ベンジル、およびアセチルを非限定的に含む。いくつかの態様では、R2aはアセチルである。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Va に係るアルケノールを形成するために式IIIaの化合物からR2aを除去する工程を含む。

いくつかの態様では、メタセシス反応パートナーは、式IIa に係る保護アルコールであり、式中、R2aはアルコール保護基であり、 メタセシス生成物は、式IIIc に係る化合物である。

いくつかの態様では、メタセシス反応パートナーは、式IIc に係る保護アルコールであり、式中、R2aはアルコール保護基であり、 メタセシス生成物は、式IIIc に係る化合物である。

式IIIcのメタセシス生成物は、Z選択的メタセシス触媒を用いて調製され得る。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vc に係るアルケノールを形成するために式IIIcの化合物からR2aを除去する工程を含む。

脂肪族オレフィン誘導体への脂肪族アルコールメタセシス生成物の変換 いくつかの態様では、アルケノールは、脂肪族オレフィン誘導体である。いくつかの態様では、アルケノールは、1つまたは複数の化学的または生化学的変換を介して所望の脂肪族オレフィン誘導体生成物に変換される。いくつかのそのような態様では、脂肪族オレフィン誘導体はフェロモンである。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vaのアルケノールをアシル化する工程をさらに含み、これによって式VIa に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成し、式中、R2cは、C1〜6アシルである。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vcのアルケノールをアシル化する工程をさらに含み、これによって式VIc に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成し、式中、R2cは、C1〜6アシルである。

式VIaまたは式VIcの脂肪族オレフィン誘導体を形成するために好適な任意のアシル化剤を本発明の方法で用い得る。好適なアシル化剤の例は、酸無水物(例えば、無水酢酸)、酸塩化物(例えば、塩化アセチル)、活性化エステル(例えば、カルボン酸のペンタフルオロフェニルエステル)、およびジシクロヘキシルカルボジイミドまたはカルボニルジイミダゾールなどのカップリング剤と共に用いられるカルボン酸を含む。典型的には、アルケノールに対して1〜10モル当量のアシル化剤が用いられるであろう。例えば、1〜5モル当量のアシル化剤または1〜2モル当量のアシル化剤を用い得る。いくつかの態様では、式VIaまたは式VIcの脂肪族オレフィン誘導体を形成するために、アルケノールに対して約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、または1.5モル当量前後のアシル化剤(例えば、無水酢酸)が用いられる。

アシル化剤によるアルケノールのアシル化を促進するために塩基を用い得る。好適な塩基の例は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ヒューニッヒ塩基(すなわち、N,N-ジイソプロピルエチルアミン)、2,6-ルチジン(すなわち、2,6-ジメチルピリジン)を含むルチジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、2,6-ジ-tert-ブチルピリジン、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(DBU)、キヌクリジン、およびコリジンを含む。2つ以上の塩基の組み合わせを用い得る。典型的には、本発明の方法ではアルケノールに対して1モル当量未満の塩基が用いられるであろう。例えば、0.05〜0.9モル当量または0.1〜0.5モル当量の塩基を用い得る。いくつかの態様では、式VIaまたは式VIcの脂肪族オレフィン誘導体を形成するために、アルケノールに対して約0.05、0.1、0.15、または0.2モル当量前後の塩基(例えば、酢酸ナトリウム)をアシル化剤(例えば、無水酢酸)と共に用いる。

アルケノールをアシル化するために任意の好適な溶媒を用い得る。好適な溶媒は、トルエン、塩化メチレン、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、石油エーテル、およびそれらの混合物を非限定的に含む。代替的には、7-オクテン-1-オールなどのアルケノールを、追加の溶媒を用いることなく無水酢酸などのアシル化剤および酢酸ナトリウムなどの塩基と組み合わせ得る。アシル化反応は、典型的には、25℃前後〜約100℃の範囲の温度で、式VIaまたは式VIcの脂肪族オレフィン誘導体を形成するのに十分な時間実施される。反応は、反応に用いられる特定のアルケノールおよびアシル化剤に応じて2〜3(a few)分から数時間以上の範囲の期間実施され得る。例えば、反応は、10分間前後、または30分間前後、または1時間前後、または2時間前後、または4時間前後、または8時間前後、または12時間前後、40℃前後、または50℃前後、または60℃前後、70℃前後、または80℃前後で実施され得る。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vaのアルケノールを酸化する工程をさらに含み、これによって式VIIa に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成する。

多くの昆虫フェロモンが、脂肪族アルデヒドであるか、または脂肪族アルデヒド成分を含む。そういうものであるため、一定のフェロモンの合成は、本発明の方法に従って調製されたアルケノールの脂肪族アルデヒドへの変換を含む。いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vcのアルケノールを酸化する工程をさらに含み、これによって式VIIc に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成する。

式Vaのアルケノールを式VIIaまたは式VIIcの脂肪族オレフィン誘導体に変換するために好適な任意の酸化剤を本発明の方法で用い得る。好適な酸化剤の例は、クロム系試薬(例えば、クロム酸;ジョーンズ試薬という、硫酸水溶液中の三酸化クロム;コリンズ試薬という三酸化クロムピリジン錯体;二クロム酸ピリジニウム;クロロクロム酸ピリジニウムなど);ジメチルスルホキシド(DMSO)系試薬(例えば、DMSO/塩化オキサリル;DMSO/ジシクロヘキシル(diycyclohexyl)-カルボジイミド;DMSO/無水酢酸;DMSO/五酸化リン;DMSO/無水トリフルオロ酢酸;など);超原子価ヨウ素化合物(例えば、Dess-Martinペルヨージナン;o-ヨードキシ安息香酸;など);ルテニウム系試薬(例えば、四酸化ルテニウム;過ルテニウム酸テトラ-n-プロピルアンモニウム;など);およびニトロキシル系試薬(例えば、次亜塩素酸ナトリウム、臭素などと共に採用されるTEMPOという2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル)を非限定的に含む。

脂肪族アルコールの酸化は、例えば、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)を介した選択的酸化を介して達成されることが多い(スキーム2)。 スキーム2

代替的には、アルコールをアルデヒドまで選択的に酸化させるためには、TEMPO(TEMPO = 2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-N-オキシル)および関連する触媒系を用い得る。これらの方法は、その全体が参照により本明細書に組み入れられるRyland and Stahl (2014)に記載されている。

末端アルコールの生物酸化 脂肪族アルデヒドへの脂肪族アルコールの変換は、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)およびアルコールオキシダーゼ(AOX)によって触媒されることが公知である。加えて、長さがCnの脂肪酸のCn-1脂肪族アルデヒドへの変換は、植物α-ジオキシゲナーゼ(α-DOX)によって触媒される(スキーム3)。 スキーム3

いくつかの態様では、脂肪族アルデヒドへの脂肪族アルコールの変換を触媒するためにアルコールオキシダーゼ(AOX)が用いられる。アルコールオキシダーゼは、分子状酸素の使用を介した電子移動による対応するアルデヒド(またはケトン)へのアルコールの変換を触媒し、副生成物として過酸化水素を形成する。AOX酵素は、必須補因子としてフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を利用し、反応媒体中の酸素の支援を受けて再生する。水および酸素への触媒変換を介した過酸化水素の蓄積を回避するためにカタラーゼ酵素をAOXとカップリングさせてもよい。

基質特異性に基づいて、AOXは4つのグループに分類される場合がある:(a)短鎖アルコールオキシダーゼ、(b)長鎖アルコールオキシダーゼ、(c)芳香族アルコールオキシダーゼ、および(d)二次アルコールオキシダーゼ(Goswami et al. 2013)。所望の基質の鎖長に応じて、これら4つのグループのいくつかのメンバーは、他のものよりも本発明の方法における使用により適している。

短鎖アルコールオキシダーゼ(表2のEC 1.1.3.13に現在分類されるものを非限定的に含む)は、C1〜C8炭素の範囲の、鎖長がより短いアルコール基質の酸化を触媒する(van der Klei et al. 1991)(Ozimek et al. 2005)。カンジダ・ボイジニ(Candida boidinii)およびコマガタエラ・パストリス(Komagataella pastoris)(旧ピチア・パストリス(Pichia pastoris))などのメチロトローフ酵母からの脂肪族アルコールオキシダーゼは、非分枝短鎖脂肪族アルコールを優先して、対応するアルデヒドへの第一級アルカノールの酸化を触媒する。プロパルギルアルコール、2-クロロエタノール、2-シアノエタノールを含む、ピチア・パストリスからのアルコールオキシダーゼに最も広い基質特異性が見出される(Dienys et al. 2003)。アルコールの酸化において遭遇する大きな課題は、アルデヒド生成物の高い反応性である。二液相系(水/溶媒)の利用は、アルデヒド生成物がさらに酸へと変換される前に反応相からのアルデヒド生成物のインサイチュ除去を提供し得る。例えば、子ウシ肝臓カタラーゼとカップリングしたピチア・パストリスアルコールオキシダーゼを用いたヘキサノールからのヘキサナール生成は、水相中の安定なアルコールオキシダーゼの存在を活用して二相系中で達成された(Karra-Chaabouni et al. 2003)。例えば、ピチア・パストリスからのアルコールオキシダーゼは、二相有機反応系を用いた際にC6〜C11の脂肪族アルコールを酸化することができた(Murray and Duff 1990)。(Karra-Chaabouni et al. 2003)および(Murray and Duff 1990)に従って二相系中でアルコールオキシダーゼを用いるための方法は、それらの全体が参照により組み入れられる。

長鎖アルコールオキシダーゼ(EC 1.1.3.20に現在分類されているものを非限定的に含む;表3)は、脂肪族アルコールオキシダーゼ、長鎖脂肪酸オキシダーゼ、および炭素鎖長が6を超えるアルコール基質を酸化する長鎖脂肪族アルコールオキシダーゼを含む(Goswami et al. 2013)。Banthorpeらは、タンジー(Tanacetum vulgare)の葉から精製され、ヘキサ-トランス-2-エン-1-オールおよびオクタン-1-オールを含む飽和および不飽和長鎖アルコール基質を酸化することができる長鎖アルコールオキシダーゼを報告した(Banthorpe 1976)(Cardemil 1978)。ホホバ(Simmondsia chinensis)(Moreau, R.A., Huang 1979)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)(Cheng et al. 2004)、およびミヤコグサ(Lotus japonicas)(Zhao et al. 2008)を含む他の植物種も、長鎖アルコールオキシダーゼの供給源として報告されている。脂肪族アルコールオキシダーゼは、ほとんどが酵母種から報告されており(Hommel and Ratledge 1990)(Vanhanen et al. 2000)(Hommel et al. 1994)(Kemp et al. 1990)、これら酵素は、長鎖脂肪酸代謝において重要な役割を果たす(Cheng et al. 2005)。長鎖アルカンおよび脂肪酸を分解して成長する酵母種からの脂肪酸アルコールオキシダーゼは、脂肪族アルコールの酸化を触媒する。カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)からの脂肪族アルコールオキシダーゼは、ミクロソーム細胞画分として単離され、種々の基質を特徴とする(Eirich et al. 2004)(Kemp et al. 1988)(Kemp et al. 1991)(Mauersberger et al. 1992)。長さがC8〜C16の第一級アルコールに対して顕著な活性が観察され、報告されたKMは10〜50μMの範囲である(Eirich et al. 2004)。記載のアルコールオキシダーゼは、例えば、全細胞カンジダ・ボイジニ(Gabelman and Luzio 1997)およびピチア・パストリス(Duff and Murray 1988)(Murray and Duff 1990)について記載のように、アルデヒドへの中鎖脂肪族アルコールの変換に用いられる場合がある。糸状菌からの長鎖アルコールオキシダーゼは、炭化水素基質上での増殖中に生成された(Kumar and Goswami 2006)(Savitha and Ratledge 1991)。ミヤコグサからの長鎖脂肪族アルコールオキシダーゼ(LjFAO1)は大腸菌(E. coli)で異種発現され、1-ドデカノールおよび1-ヘキサデカノールを含むアルコール酸化に対して広範な基質特異性を示した(Zhao et al. 2008)。

(表2)短鎖アルコールを酸化することができるアルコールオキシダーゼ酵素(EC 1.1.3.13)

(表3)脂肪族アルコールを含む長鎖アルコールを酸化することができるアルコールオキシダーゼ酵素(EC 1.1.3.20)

いくつかの態様では、脂肪族アルデヒドへの脂肪族アルコールの変換を触媒するためにアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH、表4)を用いる。アルカノ栄養生物であるシュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)NRRL B-1244(Hou et al. 1983)、シュードモナス・ブタノボラATCC 43655(Vangnai and Arp 2001)、およびアシネトバクターsp. M-1株(Tani et al. 2000)から同定された多数のADHは、短鎖〜中鎖のアルキルアルコール(C2〜C14)に対して活性があることが示されている。加えて、Sigma製の市販のADHであるウマ肝臓ADHおよびパン酵母ADHは、長さがC10以上の基質に対して検出可能な活性を有する。より長い脂肪族アルコールについて報告された活性は、基質の可溶化し難さによって影響を受ける場合がある。Sigmaからの酵母ADHについては、(Tani et al. 2000)によってC12〜C14アルデヒドにはほとんどまたは全く活性が無いことが示されているが、しかしながら、C12およびC16ヒドロキシ-ω-脂肪酸に対しては活性が観察された(Lu et al. 2010)。近頃、LadAヒドロキシラーゼを用いてC15〜C36アルカンを分解する生物であるゲオバチルス・サーモデニトリフィカンス(Geobacillus thermodenitrificans) NG80-2から2つのADHが特性決定されている。両方のADHについてはメタノールから1-トリアコンタノール(C30)まで活性が検出され、ADH2には1-オクタノールが、ADH1にはエタノールが好ましい基質である(Liu et al. 2009)。

全細胞バイオコンバージョンにおけるADHの使用は、ケトンからのキラルアルコールの生成に主な焦点を置いている(Ernst et al. 2005) (Schroer et al. 2007)。ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)由来のADHおよびイソプロパノールとの共補因子の再生を用いて、Schroerらは、 29g/L/hの空間時間収率でメチルアセトアセテートからの797gの(R)-メチル-3-ヒドロキシブタノエートの生成を報告した(Schroer et al. 2007)。全細胞形質転換における脂肪族アルコール酸化の例は、ヘキサノールからヘキサナールへの変換(Presecki et al. 2012)および2-ヘプタノールから2-ヘプタノンへの変換(Cappaert and Larroche 2004)のために商業的に取得されたS. セレビシエで報告されている(Cappaert and Larroche 2004)。

(表4)例示的なアルコールデヒドロゲナーゼ酵素

いくつかの態様では、α-ジオキシゲナーゼは、脂肪族アルデヒドへの脂肪酸の変換を触媒するために用いられる(Hamberg et al. 2005)。アルファ-ジオキシゲナーゼは、Cn-1アルデヒドへのCn脂肪酸の変換を触媒し、脂肪酸が生体内変換基質として用いられた場合に脂肪族アルデヒド生成のためのADHおよびAOX両方の代替物として働くことがある。ジオキシゲナーゼ反応の鎖短縮により、この経路はADHおよびAOX経路と比べて異なる合成経路を要する。イネα-ジオキシゲナーゼを発現する大腸菌細胞の生体内変換は、対応するCn-1アルデヒドへのC10、C12、C14およびC16脂肪酸の変換を呈した。界面活性剤Triton X 100の添加で、3時間後に74%の変換率でヘキサデカン酸から3.7mMのペンタデカナール(0.8g/L)が取得された(Kaehne et al. 2011)。例示的なα-ジオキシゲナーゼを表5に示す。

(表5)例示的なα-ジオキシゲナーゼ

メタセシス反応を介したポリエンの合成 いくつかの態様では、 メタセシス反応パートナーは、式IIa に係る保護アルコールであり、式中、R2aはアルコール保護基であり、 メタセシス生成物は、式IV に係る化合物である。

いくつかの態様では、R1はC2〜18アルケニルである。そのような態様は、下により詳細に記載するようにポリエンフェロモンを提供し得る。

いくつかの態様は、 メタセシス反応パートナーは、式IIa に係る保護アルコールであり、式中、R2aはアルコール保護基であり、 メタセシス生成物は、式IVc に係る化合物である。

いくつかの態様では、 メタセシス反応パートナーは、式IIc に係る保護アルコールであり、式中、R2aはアルコール保護基であり、 メタセシス生成物は、式IVc に係る化合物である。

脂肪酸エステルのメタセシス 脂肪酸アルキルエステル(FAAE)は、明確に規定された単一および多種類の方法論の使用によってアルデヒドまたはアルコールのいずれかまで還元され得る。それ故、いくつかの場合では、スキーム4に示すようにオレフィンとのFAAEのZ選択的交差メタセシスを介して脂肪族オレフィン誘導体を生成することが有用であり得る。 スキーム4

保護脂肪酸アルキルエステルのメタセシスから取得される生成物は、表6に記すように多数のフェロモンに変換され得る。

(表6)脂肪酸アルキルエステルメタセシス生成物からアクセス可能なフェロモン

したがって、本発明のいくつかの態様は、 メタセシス反応パートナーが式IIb に係るエステルであり、式中R2bはC1〜8アルキルであり、下付き文字yは0〜17の範囲の整数であり、 メタセシス生成物が式IIIb に係る化合物である方法を提供する。

いくつかの態様では、 メタセシス反応パートナーは式IIb に係るエステルであり、式中R2bはC1〜8アルキルであり、下付き文字yは0〜17の範囲の整数であり、 メタセシス生成物は式IIIc に係る化合物である。

いくつかの態様では、 メタセシス反応パートナーは式IIc に係るエステルであり、式中R2bはC1〜8アルキルであり、下付き文字yは0〜17の範囲の整数であり、 メタセシス生成物は式IIIc に係る化合物である。

式IIIcに係るメタセシス生成物は、下に記載する多数のZ選択的触媒を用いて調製され得る。

いくつかの態様では、本方法は、式IIIbまたはIIIcに係る生成物を調製するために用いられ得、式中、yは0であり、zは4であるか;またはyは1であり、zは3であるか;またはyは3であり、zは1であるか;またはyが4であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは5であるか;またはyは1であり、zは4であるか;またはyは2であり、zは3であるか;またはyは3であり、zは2であるか;またはyは4であり、zは1であるか;またはyは5であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは6であるか;またはyは1であり、zは5であるか;またはyは2であり、zは4であるか;またはyは4であり、zは2であるか;またはyは5であり、zは1であるか;またはyは6であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは7であるか;またはyは1であり、zは6であるか;またはyは2であり、zは5であるか;またはyは3であり、zは4であるか;またはyは4であり、zは3であるか;またはyは5であり、zは2であるか;またはyは6であり、zは1であるか;またはyは7であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは8であるか;またはyは1であり、zは7であるか;またはyは2であり、zは6であるか;またはyは3であり、zは5であるか;またはyは5であり、zは3であるか;またはyは6であり、zは2であるか;またはyは7であり、zは1であるか;またはyは8であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは9であるか;またはyは1であり、zは8であるか;またはyは2であり、zは7であるか;またはyは3であり、zは6であるか;またはyは4であり、zは5であるか;またはyは5であり、zは4であるか;またはyは6であり、zは3であるか;またはyは7であり、zは2であるか;またはyは8であり、zは1であるか;またはyは9であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは10であるか;またはyは1であり、zは9であるか;またはyは2であり、zは8であるか;またはyは3であり、zは7であるか;またはyは4であり、zは6であるか;またはyは6であり、zは4であるか;またはyは7であり、zは3であるか;またはyは8であり、zは2であるか;またはyは9であり、zは1であるか;またはyは10であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは11であるか;またはyは1であり、zは10であるか;またはyは2であり、zは9であるか;またはyは3であり、zは8であるか;またはyは4であり、zは7であるか;またはyは5であり、zは6であるか;またはyは6であり、zは5であるか;またはyは7であり、zは4であるか;またはyは8であり、zは3であるか;またはyは9であり、zは2であるか;またはyは10であり、zは1であるか;またはyは11であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは12であるか;またはyは1であり、zは11であるか;またはyは2であり、zは10であるか;またはyは3であり、zは9であるか;またはyは4であり、zは8であるか;またはyは5であり、zは7であるか;またはyは7であり、zは5であるか;またはyは8であり、zは4であるか;またはyは9であり、zは3であるか;またはyは10であり、zは2であるか;またはyは11であり、zは1であるか;またはyは12であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは13であるか;またはyは1であり、zは12であるか;またはyは2であり、zは11であるか;またはyは3であり、zは10であるか;またはyは4であり、zは9であるか;またはyは5であり、zは8であるか;またはyは6であり、zは7であるか;またはyは7であり、zは6であるか;またはyは8であり、zは5であるか;またはyは9であり、zは4であるか;またはyは10であり、zは3であるか;またはyは11であり、zは2であるか;またはyは12であり、zは1であるか;またはyは13であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは14であるか;またはyは1であり、zは13であるか;またはyは2であり、zは12であるか;またはyは3であり、zは11であるか;またはyは4であり、zは10であるか;またはyは5であり、zは9であるか;またはyは6であり、zは8であるか;またはyは8であり、zは6であるか;またはyは9であり、zは5であるか;またはyは10であり、zは4であるか;またはyは11であり、zは3であるか;またはyは12であり、zは2であるか;またはyは13であり、zは1であるか;またはyは14であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは15であるか;またはyは1であり、zは14であるか;またはyは2であり、zは13であるか;またはyは3であり、zは12であるか;またはyは4であり、zは11であるか;またはyは5であり、zは10であるか;またはyは6であり、zは9であるか;またはyは7であり、zは8であるか;またはyは8であり、zは7であるか;またはyは9であり、zは6であるか;またはyは10であり、zは5であるか;またはyは11であり、zは4であるか;またはyは12であり、zは3であるか;またはyは13であり、zは2であるか;またはyは14であり、zは1であるか;またはyは15であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは16であるか;またはyは1であり、zは15であるか;またはyは2であり、zは14であるか;またはyは3であり、zは13であるか;またはyは4であり、zは12であるか;またはyは5であり、zは11であるか;またはyは6であり、zは10であるか;またはyは7であり、zは9であるか;またはyは9であり、zは7であるか;またはyは10であり、zは6であるか;またはyは11であり、zは5であるか;またはyは12であり、zは4であるか;またはyは13であり、zは3であるか;またはyは14であり、zは2であるか;またはyは15であり、zは1であるか;またはyは16であり、zは0であるか;またはyは1であり、zは16であるか;またはyは2であり、zは15であるか;またはyは3であり、zは14であるか;またはyは4であり、zは13であるか;またはyは5であり、zは12であるか;またはyは6であり、zは11であるか;またはyは7であり、zは10であるか;またはyは8であり、zは9であるか;またはyは9であり、zは8であるか;またはyは10であり、zは7であるか;またはyは11であり、zは6であるか;またはyは12であり、zは5であるか;またはyは13であり、zは4であるか;またはyは14であり、zは3であるか;またはyは15であり、zは2であるか;またはyは16であり、zは1であるか;またはyは17であり、zは0であるか;またはyは0であり、zは17であるか;またはyは1であり、zは17であるか;またはyは2であり、zは16であるか;またはyは3であり、zは15であるか;またはyは4であり、zは14であるか;またはyは5であり、zは13であるか;またはyは6であり、zは12であるか;またはyは7であり、zは11であるか;またはyは8であり、zは10であるか;またはyは10であり、zは8であるか;またはyは11であり、zは7であるか;またはyは12であり、zは6であるか;またはyは13であり、zは5であるか;またはyは14であり、zは4であるか;またはyは15であり、zは3であるか;またはyは16であり、zは2であるか;またはyは17であり、zは1である。いくつかの態様では、yおよびzは両方とも、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17である。

脂肪族オレフィン誘導体への脂肪酸エステルメタセシス生成物の変換 いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vb に係るアルケノールを形成するために式IIIbのメタセシス生成物を還元する工程を含む。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vc に係るアルケノールを形成するために式IIIcのメタセシス生成物を還元する工程を含む。

式IIIbの生成物を式Vbのアルケノールに変換するための任意の適切な条件を本発明の方法と組み合わせて用いられ得る。均一または不均一条件を用いられ得る。均一条件の例は、連結された貴金属触媒を用いた水素化分解(Tan, et al. Org. Lett. 2015, 17 (3), 454; Spasyuk, D. et al. J. Am. Chem. Soc. 2015, 137, 3743; WO 2014/139030)、シラン試薬を用いた水素化金属触媒還元(Mimoun, H. J. Org. Chem. 1999, 64, 2582.; 米国特許第6,533,960号);水素化リチウムアルミニウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(RED-ALという商品名でも公知である)、または水素化ジイソブチルアルミニウムなどのアルミニウム試薬を用いた還元(CN 103319704; Chandrasekhar, et al. Tetrahedron Lett. 1998, 39, 909)を非限定的に含む。不飽和脂肪族アルコールは、クロマイト、アルミナ、または他の物質に担持されたZnOまたはCuO/ZnOなどの不均一触媒による水素化分解を介しても調製され得る。典型的には、脂肪酸エステルメタセシス生成物に対して1〜2モル当量の還元剤が用いられるであろう。いくつかの態様では、対応するアルケノールを形成するために、脂肪酸エステルに対して1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、または1.5モル当量前後の還元剤が用いられる。

脂肪酸エステルメタセシス生成物を還元するために、任意の好適な溶媒を用い得る。好適な溶媒は、トルエン、塩化メチレン、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、石油エーテル、およびそれらの混合物を非限定的に含む。還元反応は、典型的には、-78℃前後〜約25℃の範囲の温度で、アルケノールを形成するのに十分な時間実施される。反応は、反応に用いられる特定の脂肪酸エステルおよび還元剤に応じて2〜3分から数時間以上の範囲の期間実施され得る。例えば、アルミニウム試薬(例えば、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム)による(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルの還元は、0℃前後〜20℃前後までの範囲の温度で1〜2時間実施され得る。

いくつかの態様では、アルケノールは脂肪族オレフィン誘導体である。いくつかの態様では、アルケノールはフェロモンである。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vbのアルケノールをアシル化する工程をさらに含み、これによって式VIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成し、式中、R2cは、C1〜6アシルである。アシル化工程は、上に記載のように実施され得る。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vcのアルケノールをアシル化する工程をさらに含み、これによって式VIc に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成し、式中、R2cは、C1〜6アシルである。アシル化工程は、上に記載のように実施され得る。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vbのアルケノールを酸化する工程をさらに含み、これによって式VIIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成する。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vcのアルケノールを酸化する工程をさらに含み、これによって式VIIc に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成する。

いくつかの態様では、メタセシス反応パートナーは、上に記載する式IIbまたは式IIcに係るエステルであり、メタセシス生成物は、式IV に係る化合物である。

いくつかの態様では、メタセシス反応パートナーは、上に記載する式IIbまたは式IIcに係るエステルであり、メタセシス生成物は、式IVc に係る化合物である。

いくつかの態様では、式IVまたは式IVc中のR1は、C2〜18アルケニルである。

別の態様では、本発明は、脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法を提供し、該方法は、 (a)式IIIb に係るメタセシス生成物を形成するのに十分な条件下、メタセシス触媒の存在下で、式I に係るオレフィンを式IIb に係るメタセシス反応パートナーと接触させる工程;および (b)該メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程 を含み、 式中、 各R1は、H、C1〜18アルキル、およびC2〜18アルケニルからなる群より独立して選択され; R2bは、C1〜8アルキルであり; 下付き文字yは、0〜17の範囲の整数であり;かつ 下つき文字zは、0〜17の範囲の整数である。

式IIbに係るメタセシス反応パートナーが採用されるいくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、式Vb に係るアルケノールを形成するために該メタセシス生成物を還元する工程を含む。

式IIbに係るメタセシス反応パートナーが採用されるいくつかの態様では、アルケノールは脂肪族オレフィン誘導体である。

式IIbに係るメタセシス反応パートナーが採用されるいくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、アルケノールをアシル化する工程をさらに含み、これによって式VIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成し、式中、R2cは、C1〜6アシルである。

式IIbに係るメタセシス反応パートナーが採用されるいくつかの態様では、R1はHであり、R2bはメチルであり、下付き文字yは7であり、下付き文字zは3である。いくつかのそのような態様では、R1はHであり、R2bはメチルであり、下付き文字yは7であり、下付き文字zは3であり、R2cはアセチルである。

式IIbに係るメタセシス反応パートナーが採用されるいくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、アルケノールを酸化する工程をさらに含み、これによって式VIIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成する。

式IIbに係るメタセシス反応パートナーが採用されるいくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、メタセシス生成物を還元する工程をさらに含み、これによって式VIIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成する。

いくつかの態様では、式VIIbに係る脂肪族オレフィン誘導体において、R1はHであり、R2bはメチルであり、下付き文字yは7であり、下付き文字zは3である。

式IIbに係るメタセシス反応パートナーが採用されるいくつかの態様では、オレフィンは、式Ia に係る構造を有する。

いくつかの態様では、式Iaに係るオレフィンにおいて、下付き文字zは3である。

式IIbに係るメタセシス反応パートナーが採用されるいくつかの態様では、メタセシス生成物はZオレフィンを含む。いくつかの態様では、オレフィンの少なくとも約90%がZオレフィンである。いくつかの態様では、メタセシス触媒は、下に記載するZ選択的モリブデン触媒またはZ選択的タングステン触媒である。いくつかの態様では、メタセシス触媒は、下に記載する式2に係る構造を有する。いくつかの態様では、メタセシス触媒は、下に記載する式2aに係る構造を有する。

別の態様では、本発明は、上に記載する脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法を提供し、ここで、式Iに係るオレフィンは、C3〜C12直鎖アルファオレフィンであり、式IIbに係るメタセシス反応パートナーは、Δ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルであり、メタセシス触媒は、Z選択的メタセシス触媒であり、式IIIbに係るメタセシス生成物は、C11〜C20(Z)-9-不飽和脂肪酸アルキルエステルである。いくつかのそのような態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、C11〜C20(Z)-9-脂肪族アルコールを形成するのに十分な条件下でC11〜C20(Z)-9-不飽和脂肪酸アルキルエステルを還元剤と接触させる工程を含む。いくつかのそのような態様では、還元剤は、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、C11〜C20(Z)-9-脂肪族アルコールの酢酸エステルを形成するのに十分な条件下、塩基の存在下で、C11〜C20(Z)-9-脂肪族アルコールをアシル化剤と接触させる工程をさらに含む。いくつかのそのような態様では、アシル化剤は無水酢酸である。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、C11〜C20(Z)-9-アルケナールを形成するためにC11〜C20(Z)-9-脂肪族アルコールを酸化させる工程をさらに含む。

いくつかの態様では、メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程は、C11〜C20(Z)-9-アルケナールを形成するのに十分な条件下でC11〜C20(Z)-9-不飽和脂肪酸アルキルエステルを還元剤と接触させる工程を含む。いくつかのそのような態様では、還元剤は、アミン修飾された水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである。アミン修飾された水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムは、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムと第1級アミンまたは第2級アミンのいずれかとの反応を介してインサイチュで生じ得る(例えば、参照により本明細書に組み入れられるShin, et al. Bull. Korean Chem. Soc. 2014, 35, 2169に記載するように)。いくつかのそのような態様では、メタセシス触媒は、下に記載する式2aに係る構造を有する。

別の態様では、本発明は、上に記載する脂肪族オレフィン誘導体を合成する方法を提供し、ここで、脂肪酸誘導体が、酢酸(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルであり;式Iに係るオレフィンがヘキサ-1-エンであり、式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、Δ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルであり、メタセシス触媒が、Z選択的メタセシス触媒であり、式IIIbに係るメタセシス生成物が、(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルであり;かつメタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールを形成するのに十分な条件下で(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルを還元剤と接触させる工程、および酢酸(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルを形成するために(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールをアシル化する工程を含む。

いくつかのそのような態様では、式IIbに係るメタセシス反応パートナーは、9-デセン酸メチルであり、メタセシス生成物は、(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルである。いくつかのそのような態様では、還元剤は、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである。いくつかのそのような態様では、(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールをアシル化する工程は、酢酸(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルを形成するのに十分な条件下、塩基の存在下で、(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールをアシル化剤と接触させる工程を含む。いくつかのそのような態様では、アシル化剤は無水酢酸である。いくつかのそのような態様では、メタセシス触媒は、下に記載する式2aに係る構造を有する。

別の態様では、本発明は、上に記載する脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法を提供し、ここで、脂肪酸誘導体は、(Z)-テトラデカ-9-エナールであり;式Iに係るオレフィンが、ヘキサ-1-エンであり、式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、Δ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルであり、メタセシス触媒が、Z選択的メタセシス触媒であり、式IIIbに係るメタセシス生成物が、(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルであり;かつメタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、(Z)-テトラデカ-9-エナールを形成するのに十分な条件下で(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルを還元剤と接触させる工程を含む。いくつかのそのような態様では、還元剤は、アミン修飾された水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである。アミン修飾された水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムは、上に記載のように生じ得る。いくつかのそのような態様では、式IIgに係るΔ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルは、9-デセン酸メチルであり、メタセシス生成物は、(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルである。いくつかのそのような態様では、メタセシス触媒は、下に記載する式2aに係る構造を有する。

別の態様では、本発明は、上に記載する脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法を提供し、ここで、脂肪酸誘導体が、(Z)-テトラデカ-9-エナールであり;式Iに係るオレフィンが、ヘキサ-1-エンであり、式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、Δ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルであり、メタセシス触媒が、Z選択的メタセシス触媒であり、式IIIbに係るメタセシス生成物が、(Z)-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルであり;かつメタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールを形成するのに十分な条件下で(Z)-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルを還元剤と接触させる工程、および(Z)-テトラデカ-9-エナールを形成するために(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールを酸化する工程を含む。いくつかのそのような態様では、還元剤は、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである。いくつかのそのような態様では、式IIgに係るΔ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルは、9-デセン酸メチルであり、メタセシス生成物は、(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルである。いくつかのそのような態様では、メタセシス触媒は、下に記載する式2aに係る構造を有する。

別の態様では、本発明は、式VIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法を提供し、該方法は、 (i)式VIII に係るアルケノールを形成するために式IIb に係るアルキルエステルを還元する工程; (ii)式IX に係るアシル化アルケノールを形成するためにアルケノールをアシル化する工程;および (iii)脂肪族オレフィン誘導体を形成するのに十分な条件下、メタセシス触媒の存在下で、式I に係るオレフィンとアシル化アルケノールを接触させる工程 を含み、 式中、 R1は、H、C1〜18アルキル、およびC2〜18アルケニルからなる群より選択され; R2bは、C1〜8アルキルであり、 R2cは、C1〜6アシルであり、 下付き文字yは、0〜17の範囲の整数であり; 下付き文字zは、0〜17の範囲の整数であり;かつ メタセシス触媒は、タングステン触媒またはモリブデン触媒である。

いくつかの態様では、式VIbに係る脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法において、R1はHであり、R2bはメチルであり、R2cはアセチルであり、下付き文字yは7であり、下付き文字zは3である。いくつかの態様では、メタセシス生成物は、Eオレフィンを含む。いくつかの態様では、メタセシス生成物は、Zオレフィンを含む。いくつかの態様では、メタセシス触媒は、Z選択的モリブデン触媒またはZ選択的タングステン触媒である。いくつかの態様では、メタセシス触媒は、下に記載する式2に係る構造を有する。いくつかの態様では、メタセシス触媒は、下に記載する式2aに係る構造を有する。

メタセシス触媒 本発明で採用される触媒は、特定の所望の化学反応を仲介し得る金属を通常は採用する。概して、触媒を形成するために任意の遷移金属(例えば、d電子を有する)を用い得、例を挙げると、周期表の第3〜12族のうちの1つまたはランタニド系列から選択される金属である。いくつかの態様では、金属は、第3〜8族から、またはいくつかの場合では第4〜7族より選択される。いくつかの態様では、金属は第6族より選択される。「第6族」という用語は、クロム、モリブデン、およびタングステンを含む遷移金属群を指す。加えて、本発明は、これらの元素の不均一触媒含有形態の形成(例えば、不溶性基材、例えばシリカ上に金属錯体を固定することによる)も含む場合がある。

本発明の方法は、メタセシス反応の選択性−つまり、Zオレフィン(すなわち、シスオレフィン)またはEオレフィン(すなわち、トランスオレフィン)いずれかの特定のオレフィン異性体を反応が生成する程度−の点で、評価され得る。

概して、Z選択的触媒は、15%(w/w)を超えるオレフィンがZオレフィンであるメタセシス生成物を提供する。例えば、メタセシス生成物は、Zオレフィンを約20%〜約100%の範囲の量で含有し得る。メタセシス生成物は、Zオレフィンを約25%〜約95%、または約30%〜約90%、または約35%〜約85%、または約40%〜約80%、または約45%〜約75%、または約50%〜約70%、または約55%〜約65%の範囲の量で含有し得る。メタセシス生成物は、Zオレフィンを、約15%〜約20%、または約20%〜約25%、または約25%〜約30%、または約30%〜約35%、または約35%〜約40%、または約40%〜約45%、または約45%〜約50%、または約50%〜約60%、または約60%〜約65%、または約65%〜約70%、または約70%〜約75%、または約75%〜約80%、または約80%〜約85%、または約85%〜約90%、または約90%〜約95%、または約95%〜約99%の範囲の量で含有し得る。メタセシス生成物は、Zオレフィンを約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%(w/w)の量で含有し得る。

概して、E選択的触媒は、オレフィンの少なくとも約85%(w/w)がEオレフィンであるメタセシス生成物を提供する。例えば、メタセシス生成物は、Eオレフィンを約86%〜約100%の範囲の量で含有し得る。メタセシス生成物は、Eオレフィンを約86%〜約99%、または約88%〜約98%、または約90%〜約96%、または約92%〜約94%の範囲の量で含有し得る。メタセシス生成物は、Eオレフィンを、約86%〜約89%、または約89%〜約92%、または約92%〜約95%、または約95%〜約98%の範囲の量で含有し得る。メタセシス生成物は、Eオレフィンを約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%(w/w)の量で含有し得る。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は、式1 に係る構造を有し、 式中、 Mは、MoまたはWであり; R3は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよい脂肪族、および置換されていてもよいヘテロ脂肪族より選択され; R4およびR5のそれぞれは、水素、置換されていてもよい脂肪族、置換されていてもよいヘテロ脂肪族、置換されていてもよいアリール、および置換されていてもよいヘテロアリールより独立して選択され; R6は、-O-アルキル、-O-ヘテロアルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-N(Rn)-アルキル、-N(Rn)-ヘテロアルキル、-N(Rn)-アリール、および-N(Rn)-ヘテロアリールより選択され、 ここで、各Rnは、水素、アミノ保護基、および置換されていてもよいアルキルより独立して選択され、 R6は、置換されてもよく;かつ R7は、アリール、ヘテロアリール、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-O-アルキル、-O-ヘテロアルキル、-O-アリール、および-O-ヘテロアリールより選択され、それらのそれぞれは置換されてもよく、または R7は、ハロゲンである。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は式1に係る構造を有し、メタセシス生成物はZオレフィンを含む。

いくつかの態様では、R6は置換されていてもよい不斉-O-アリール基であり、R7は置換されていてもよいヘテロアリール基である。

いくつかの場合では、金属錯体は、対称面が欠如した酸素含有配位子または対称面が欠如した窒素含有配位子(すなわち、不斉配位子)を1つまたは複数含む。いくつかの態様では、そのような配位子は、酸素原子または配位子の他の原子を介して(例えば、ヒドロキシル基を介して)金属原子に配位し得る。酸素含有配位子は、配位子の1つの部位を介して金属原子に配位し得る、すなわち配位子は単座配位子であってもよい。

いくつかの態様では、リガンドは、第1部位が、金属に配位する第1部位の能を低減することがある保護基または他の基に結合し、第2部位が金属中心に配位した、金属中心に結合することができる2つの部位を含み得る。例えば、配位子は、1つのヒドロキシル基が保護基(例えば、シリル保護基)に結合し、別のヒドロキシル基が金属中心に配位した、ヒドロキシル基を2個有する[1,1'-ビナフタレン]-2,2'-ジオール(BINOL)誘導体であり得る。

いくつかの態様では、不斉酸素含有配位子は、次の構造 を有し 式中、 R13は、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはヘテロアルキルより選択される置換されていてもよい基であり; R14は、水素、-OH、ハロゲン、-OPG、もしくは脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アシル、およびアシルオキシより選択される置換されていてもよい基であるか; または、R13およびR14は繋がって、置換されていてもよい部分不飽和もしくはアリール環を形成し; R15は、-OH、-OPG、または置換されていてもよいアミノ基であり; R16は、水素、ハロゲン、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはアシルより選択される置換されていてもよい基であり; R17、R18、R19、およびR20のそれぞれは、独立して、置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、脂肪族、ヘテロ脂肪族、もしくはアシルであり、 または、R17およびR18は繋がって、置換されていてもよい部分不飽和もしくはアリール環を形成し; または、R19およびR20は繋がって、置換されていてもよい部分不飽和もしくはアリール環を形成し;かつ 各PGは、独立してヒドロキシル保護基である。

いくつかの態様では、R3は、アリールおよび脂肪族より選択される置換されていてもよい基である。

いくつかの態様では、R3は、 より選択され、式中、各R8は、独立して水素または一価置換基である。

いくつかの態様では、R7は、 より選択される置換されていてもよい基である。

いくつかの態様では、R6は、 より選択される置換されていてもよい基である。

いくつかの態様では、R6は、置換されていてもよい である。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は、 より選択され、 式中、Mは、MoまたはWであり; 各R8は、ハロおよびアルキルより独立して選択され; R9は、アルキル、アリール、アルケニル、およびヘテロアリールからなる群より選択され; 各R10は、水素、ハロ、アルキル、アリール、およびヘテロアリールより独立して選択され; 各R11は、ハロ、アルキル、アリール、およびヘテロアリールより独立して選択され;かつ 各R12は、独立して、置換されていてもよいアルキルである。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は、 より選択される。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は、式2 に係る構造を有し 式中、 Mは、MoまたはWであり; R3aは、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいヘテロアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、および置換されていてもよいヘテロシクロアルキルより選択され、 R4aおよびR5aは、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいヘテロアルキル、置換されていてもよいヘテロアルケニル、置換されていてもよいアリール、および置換されていてもよいヘテロアリールより独立して選択され; R7aは、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいヘテロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいシリルアルキル、および置換されていてもよいシリルオキシより選択され;かつ R6aは、R8a-X-であり、ここで、 XはOもしくはSであり、R8aは置換されていてもよいアリールであるか;または XはOであり、R8aはSiR9aR10aR11aもしくはCR12aR13aR14aであり、ここで、R9a、R10a、R11a、R12a、R13a、およびR14aは、置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいフェニルより独立して選択されるか;あるいは R6aおよびR7aは互いに連結しており、酸素を介してMに結合する。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は式2に係る構造を有し、メタセシス生成物はZオレフィンを含む。

いくつかの態様では、触媒は式2の化合物であり、式中、 R7aは、それぞれ置換されていてもよい、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、アリール、アリールオキシ、およびヘテロアリールからなる群より選択され;かつ XはOもしくはSであり、R8aは置換されていてもよいアリールであるか;または XはOであり、R8aはCR12aR13aR14aである。

いくつかの態様では、触媒は式2の化合物であり、式中、 R3aは、2,6-ジメチルフェニル;2,6-ジイソプロピルフェニル;2,6-ジクロロフェニル;アダマント-1-イルからなる群より選択され; R4aは、-C(CH3)2C6H5および-C(CH3)3からなる群より選択され; R5aは、Hであり; R7aは、ピロール-1-イル;2,5-ジメチル-ピロール-1-イル;トリフェニルシリルオキシ;トリイソプロピルシリルオキシ;2-フェニル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イルオキシ;2-メチル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イルオキシ;9-フェニル-フルオレン-9-イルオキシ;2,6-ジフェニル-フェノキシ;およびt-ブチルオキシからなる群より選択され;かつ R6aがR8a-X-であり、ここで、 X = Oであり、 R8aは、Oに対してオルト位に2個の置換基を持つ、もしくは、少なくとも3個の置換基を持ち、そのうちの2個の置換基がOに対してオルト位にあり1個の置換基がOに対してパラ位にある、フェニルであるか;または R8aは、置換されていてもよい8-(ナフタレン-1-イル)-ナフタレン-1-イル;置換されていてもよい8-フェニルナフタレン-1-イル;置換されていてもよいキノリン-8-イル;トリフェニルシリル;トリイソプロピルシリル;トリフェニルメチル;トリ(4-メチルフェニル)メチル;9-フェニル-フルオレン-9-イル;2-フェニル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イル;2-メチル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イル;およびt-ブチルからなる群より選択される。

いくつかの態様では、触媒は式2の化合物であり、式中、 R7aは、ピロール-1-イル;2,5-ジメチル-ピロール-1-イルからなる群より選択され;かつ R8aは、Oに対してオルト位に2個の置換基を持つ、もしくは、少なくとも3個の置換基を持ち、そのうちの2個の置換基がOに対してオルト位にあり1個の置換基がOに対してパラ位にある、フェニルであるか;または、 R8aは、置換されていてもよい8-(ナフタレン-1-イル)-ナフタレン-1-イルおよび置換されていてもよい8-フェニルナフタレン-1-イルからなる群より選択される。

いくつかの態様では、触媒は式2の化合物であり、式中、R4は、4-ブロモ-2,6-ジフェニルフェノキシ;4-フルオロ-2,6-ジフェニルフェノキシ;4-メチル-2,6-ジフェニルフェノキシ;4-メトキシ-2,6-ジフェニルフェノキシ;4-ジメチルアミノ-2,6-ジフェニルフェノキシ;2,4,6-トリフェニルフェノキシ;4-フルオロ-2,6-ジメシチルフェノキシ;4-ブロモ-2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ;4-メトキシ-2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ;4-メチル-2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ;2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノキシ;4-ブロモ-2,3,5,6-テトラフェニルフェノキシ;4-ブロモ-2,6-ジ(4-ブロモフェニル)-3,5-ジフェニルフェノキシ;2,6-ジフェニルフェノキシ;2,3,5,6-テトラフェニルフェノキシ;2,6-ジ(tert-ブチル)フェノキシ;2,6-ジ(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェノキシ;トリフェニルシリルオキシ;トリイソプロピルシリルオキシ;トリフェニルメチルオキシ;トリ(4-メトキシフェニル)メチルオキシ;2-フェニル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イルオキシ;2-メチル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イルオキシ;9-フェニル-フルオレン-9-イルオキシ;t-ブチルオキシ;TBSがt-ブチルジメチルシリルである ;または、Me = メチルである より選択される。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は、式2a に係る構造を有し 式中、 R3aは、それぞれ置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはシクロアルキルであり; R7aは、それぞれ置換されていてもよい、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピラゾリル、アザインドリル、またはインダゾリルであり; R8aは、置換されていてもよいアリールであり; R5aは、水素原子、アルキル、またはアルコキシであり; R4bは、水素原子、-O-(C1〜6アルキル)、-CH2-O-(C1〜6アルキル)、ヘテロアルコキシ、または-N(C1〜6アルキル)2であり;かつ R4cおよびR4dは、独立して、水素原子、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロゲン原子、-NO2、アミド、またはスルホンアミドである。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は式2aに係る構造を有し、メタセシス生成物はZオレフィンを含む。

いくつかの態様では、式2aに係るメタセシス触媒におけるR3aは、フェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,6-ジイソプロピルフェニル、2-トリフルオロメチル-フェニル、ペンタフルオロフェニル、tert-ブチル、または1-アダマンチルである。

いくつかの態様では、R8aは、 である。

いくつかの態様では、R4bはメトキシであり、R4cは水素であり、R4dは水素である。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は、 からなる群より選択される。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は、 である。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は、 である。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は、 からなる群より選択され、式中、「Me」はメチルであり、「Ph」はフェニルであり、「i-Pr」はイソプロピルであり、「Mes」はメシチル(すなわち、2,4,6-トリメチルフェニル)であり、「TBS」はtert-ブチルジメチルシリルである。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は、 である。

いくつかの態様では、触媒は式3の化合物 であり 式中、 R31およびR32のそれぞれは、独立して、R、-OR、-SR、-N(R)2、-OC(O)R、-SOR、-SO2R、-SO2N(R)2、-C(O)N(R)2、-NRC(O)R、または-NRSO2Rであり; R33およびR34のそれぞれは、独立して、ハロゲン、R、-N(R)2、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-NRC(O)N(R)2、-NRSO2R、-NRSO2N(R)2、-NROR、NR3、-OR、リン含有リガンド、または 少なくとも1個の窒素と、窒素、酸素、もしくは硫黄より独立して選択される0〜3個の追加のヘテロ原子とを有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、 少なくとも1個の窒素と、窒素、酸素、もしくは硫黄より独立して選択される0〜2個の追加のヘテロ原子とを有する4〜7員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環、 少なくとも1個の窒素と、窒素、酸素、もしくは硫黄より独立して選択される0〜4個の追加のヘテロ原子とを有する7〜10員の二環式飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環、および 少なくとも1個の窒素と、窒素、酸素、もしくは硫黄より独立して選択される0〜4個の追加のヘテロ原子とを有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環 より選択される置換されていてもよい基であり; 各Rは、独立して、水素、または フェニル、 フェロセン、 C1〜20脂肪族、 窒素、酸素、もしくは硫黄より独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1〜20ヘテロ脂肪族、 3〜7員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環、 8〜10員の二環式飽和、部分不飽和もしくはアリール環、 窒素、酸素、もしくは硫黄より独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、 窒素、酸素、もしくは硫黄より独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員の飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環、 窒素、酸素、もしくは硫黄より独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環式環;および 窒素、酸素、もしくは硫黄より独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環 より選択される置換されていてもよい基であるか; または、同一の窒素原子上の2もしくは3個のR基は、該窒素と一緒になって、該同一の窒素原子を含まない窒素、酸素、もしくは硫黄より独立して選択される0〜5個の追加のヘテロ原子を有する置換されていてもよい3〜12員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環を形成するか; または、同一の酸素原子上の2個のR基は、該酸素と一緒になって、該同一の酸素原子を含まない窒素、酸素、もしくは硫黄より独立して選択される0〜5個の追加のヘテロ原子を有する置換されていてもよい3〜12員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環を形成し; nは、0、1、または2であり; 各R35は、独立して、単座配位子であるか、または2個のR35は、それらの介在原子と一緒になって、置換されていてもよい二座基を形成し;かつ R31、R32、R33、R34およびR35の2個以上は、それらの介在原子と一緒になって、置換されていてもよい多座配位子を形成してもよい。

いくつかの態様では、メタセシス触媒は式3に係る構造を有し、メタセシス生成物はZオレフィンを含む。

いくつかの態様では、触媒は、 W(O)(CH-t-Bu)(Ph2Pyr)(OHMT);W(O)(CH-t-Bu)(Ph2Pyr)(OHIPT);W(O)(CH-t-Bu)[N(C6F5)2](OHMT)(PPhMe2);W(O)(CH-t-Bu)(PMe3)2Cl2;W(O)(CH-t-Bu)(O-2,6-Ph2C6H3)2(PMe3);W(O)(CH-t-Bu)(Cl)(OHIPT);W(O)(CH-t-Bu)(PMe2Ph)2Cl2;W(O)(CHCMe2Ph)Cl2(PMe2Ph)2;W[OB(C6F5)3](CH-t-Bu)(Me2Pyr)(OHMT);W(O)(CH-t-Bu)[N-(C6F5)2](OHMT);W(O)(CH-t-Bu)(OHMT)2;W(O)(CH-t-Bu)(OHIPT)2;W(O)(CH-t-Bu)(Me2Pyr)(DFTO)(PPhMe2);W(O)(CH-t-Bu)(Me2Pyr)(DFTO);W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyr)(DFTO)(PPhMe2);W(O)(CHCMe2Ph)(Me2Pyr)(DFTO);W(O)(CH-t-Bu)[N-(C6F5)2](DFTO);およびW(O)(CH-t-Bu)(DFTO)2;より選択され、ここで、OHMTはO-2,6-ジメシチルフェノキシドであり;OHIPTはO-2,6-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)2C6H3であり;DFTOは、2,6-ペンタフルオロフェニルフェノキシドであり;Ph2Pyrは、2,5-ジフェニルピロール-1-イルであり;Me2Pyrは2,5-ジメチルピロール-1-イルである。

他のメタセシス触媒を本発明の方法に用い得る。概して、スキーム3乃至8に示す反応条件下で安定であり反応物上に存在する官能基と反応性のない任意のメタセシス触媒を本発明で用いてもよい。そのような触媒は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられるGrubbs(Grubbs, R.H., "Synthesis of large and small molecules using olefin metathesis catalysts." PMSE Prepr., 2012)に記載のものである。オレフィンの所望の異性体に応じて、シス選択的メタセシス触媒、例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられるShahaneら(Shahane, S., et al. ChemCatChem, 2013. 5(12): p. 3436-3459)に記載のもののうちの1つを用いてもよい。シス選択性を呈する具体的な触媒1〜5が下に示され(スキーム5)、これまでに記載されている(Khan, R.K., et al. J. Am. Chem. Soc., 2013. 135(28): p. 10258-61; Hartung, J. et al. J. Am. Chem. Soc., 2013. 135(28): p. 10183-5.; Rosebrugh, L.E., et al. J. Am. Chem. Soc., 2013. 135(4): p. 1276-9.; Marx, V.M., et al. J. Am. Chem. Soc., 2013. 135(1): p. 94-7.; Herbert, M.B., et al. Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 2013. 52(1): p. 310-4; Keitz, B.K., et al. J. Am. Chem. Soc., 2012. 134(4): p. 2040-3.; Keitz, B.K., et al. J. Am. Chem. Soc., 2012. 134(1): p. 693-9.; Endo, K. et al. J. Am. Chem. Soc., 2011. 133(22): p. 8525-7)。 スキーム5

追加のZ選択的触媒が(Cannon and Grubbs 2013; Bronner et al. 2014; Hartung et al. 2014; Pribisko et al. 2014; Quigley and Grubbs 2014) に記載されており、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。そのようなメタセシス触媒は、形式的には+2の酸化状態にある金属中心を持ち、電子数が16であり、五座配位し、一般式がLL'AA'M=CRbRcまたはLL'AA'M=(C=)nCRbRcである中性ルテニウムまたはオスミウム金属カルベン錯体(Pederson and Grubbs 2002)を非限定的に含み;式中、 Mは、ルテニウムまたはオスミウムであり; LおよびL'はそれぞれ、任意の中性電子供与体配位子であり、好ましくはホスフィン、スルホン化ホスフィン、ホスファイト、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチブナイト、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン、チオエーテル、またはヘテロ環式カルベンより独立して選択され; AおよびA'は、ハロゲン、水素、C1〜C20アルキル、アリール、C1〜C20アルコキシド、アリールオキシド、C2〜C20アルコキシカルボニル、アリールカルボキシレート、C1〜C20カルボキシレート、アリールスルホニル、C1〜C20アルキルスルホニル、C1〜C20アルキルスルフィニルであり;各配位子は、C1〜C5アルキル、ハロゲン、C1〜C5アルコキシで、またはハロゲン、C1〜C5アルキル、もしくはC1〜C5アルコキシで置換されもよいフェニル基で、置換されてもよく;AおよびA'は一緒になって二座配位子を任意で含んでもよく;かつ RbおよびRcは、水素、C1〜C20アルキル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、アリールオキシ、C1〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニルより独立して選択され、RbおよびRcのそれぞれは、C1〜C5アルキル、ハロゲン、C1〜C5アルコキシで、またはハロゲン、C1〜C5アルキル、もしくはC1〜C5アルコキシで置換されていてもよいフェニル基で、置換されていてもよい。

「明確に規定された触媒」などの他のメタセシス触媒も用い得る。そのような触媒は、Schrockのモリブデンメタセシス触媒、Grubbsら(Tetrahedron 1998, 54: 4413-4450)によって記載の2,6-ジイソプロピルフェニルイミドネオフィリデンモリブデン(VI)ビス(ヘキサフルオロ-t-ブトキシド)、およびCouturier, J. L.ら(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1992, 31: 628)によって記載のBassetのタングステンメタセシス触媒を非限定的に含む。

本発明の方法で有用な触媒は、Peryshkov, et al. J. Am. Chem. Soc. 2011, 133: 20754-20757; Wang, et al. Angewandte Chemie, 2013, 52: 1939-1943; Yu, et al. J. Am. Chem. Soc., 2012, 134: 2788-2799; Halford. Chem. Eng. News, 2011, 89 (45): 11; Yu, et al. Nature, 2011, 479: 88-93; Lee. Nature, 2011, 471: 452-453; Meek, et al. Nature, 2011: 471, 461-466; Flook, et al. J. Am. Chem. Soc. 2011, 133: 1784-1786; Zhao, et al. Org Lett., 2011, 13(4): 784-787; Ondi, et al. "High activity, stabilized formulations, efficient synthesis and industrial use of Mo- and W-based metathesis catalysts" XiMo Technology Updates, 2015: http://www.ximo-inc.com/files/ximo/uploads/download/Summary _3.11.15.pdf; Schrock, et al. Macromolecules, 2010: 43, 7515-7522; Peryshkov, et al. Organometallics 2013: 32, 5256-5259; Gerber, et al. Organometallics 2013: 32, 5573-5580; Marinescu, et al. Organometallics 2012: 31, 6336-6343; Wang, et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2013: 52, 1939 - 1943; Wang, et al. Chem. Eur. J. 2013: 19, 2726-2740; Townsend et al. J. Am. Chem. Soc. 2012: 134, 11334-11337;およびJohns et al. Org. Lett. 2016: 18, 772-775によって記載のものも含む。

本発明の方法で有用な触媒は、国際公開公報WO 2014/155185; 国際公開公報WO 2014/172534; 米国特許出願公開第2014/0330018号; 国際公開公報WO 2015/003815;および国際公開公報WO 2015/003814に記載のものも含む。

本発明の方法で有用な触媒は、米国特許第4,231,947号; 米国特許第4,245,131号; 米国特許第4,427,595号; 米国特許第4,681,956号; 米国特許第4,727,215号; 国際公開公報WO 1991/009825; 米国特許第5,0877,10号; 米国特許第5,142,073号; 米国特許第5,146,033号; 国際公開公報WO 1992/019631; 米国特許第6,121,473号; 米国特許第6,346,652号; 米国特許第8,987,531号; 米国特許出願公開第2008/0119678号; 国際公開公報WO 2008/066754; 国際公開公報WO 2009/094201; 米国特許出願公開第2011/0015430号; 米国特許出願公開第2011/0065915号; 米国特許出願公開第2011/0077421号; 国際公開公報WO 2011/040963; 国際公開公報WO 2011/097642; 米国特許出願公開第2011/0237815号; 米国特許出願公開第2012/0302710号; 国際公開公報WO 2012/167171; 米国特許出願公開第2012/0323000号; 米国特許出願公開第2013/0116434号; 国際公開公報WO 2013/070725; 米国特許出願公開第2013/0274482号; 米国特許出願公開第2013/0281706号; 国際公開公報WO 2014/139679; 国際公開公報WO 2014/169014; 米国特許出願公開第2014/0330018号; および米国特許出願公開第2014/0378637号に記載のものも含む。

本発明の方法で有用な触媒は、国際公開公報WO 2007/075427; 米国特許出願公開第2007/0282148号; 国際公開公報WO 2009/126831; 国際公開公報WO 2011/069134; 米国特許出願公開第2012/0123133号; 米国特許出願公開第2013/0261312号; 米国特許出願公開第2013/0296511号; 国際公開公報WO 2014/134333; および米国特許出願公開第2015/0018557号に記載のものも含む。

本発明の方法で有用な触媒は、次の表に記すものも含む。

いくつかの態様では、メタセシス生成物はEオレフィンを含み、メタセシス触媒は からなる群より選択される。

いくつかの態様では、メタセシス生成物はEオレフィンを含み、メタセシス触媒は からなる群より選択される。

いくつかの態様では、メタセシス生成物はEオレフィンを含み、メタセシス触媒は からなる群より選択される。

本発明の方法で有用な触媒は、米国特許出願公開第2008/0009598号; 米国特許出願公開第2008/0207911号; 米国特許出願公開第2008/0275247号; 米国特許出願公開第2011/0040099号; 米国特許出願公開第2011/0282068号; および米国特許出願公開第2015/0038723号に記載のものも含む。

本発明の方法で有用な触媒は、国際公開公報WO 2007/140954; 米国特許出願公開第2008/0221345号; 国際公開公報WO 2010/037550; 米国特許出願公開第2010/0087644号; 米国特許出願公開第2010/0113795号; 米国特許出願公開第2010/0174068号; 国際公開公報WO 2011/091980; 国際公開公報WO 2012/168183; 米国特許出願公開第2013/0079515号; 米国特許出願公開第2013/0144060号; 米国特許出願公開第2013/0211096号; 国際公開公報WO 2013/135776; 国際公開公報WO 2014/001291; 国際公開公報WO 2014/067767; 米国特許出願公開第2014/0171607号; および米国特許出願公開第2015/0045558号に記載のものも含む。

メタセシス反応条件 触媒は、典型的には、化学量論量を下回る量(例えば、触媒量)で反応混合物に提供される。一定の態様では、その量は、どの試薬が化学量論的過剰量であるかに応じて、化学反応の限定試薬に対して約0.001〜約50モル%の範囲である。いくつかの態様では、触媒は、限定試薬に対して約40モル%以下で存在する。いくつかの態様では、触媒は、限定試薬に対して約30モル%以下で存在する。いくつかの態様では、触媒は、限定試薬に対して約20モル%未満、約10モル%未満、約5モル%未満、約2.5モル%未満、約1モル%未満、約0.5モル%未満、約0.1モル%未満、約0.015モル%未満、約0.01モル%未満、約0.0015モル%未満、またはより少なく存在する。いくつかの態様では、触媒は、限定試薬に対して約2.5モル%〜約5モル%の範囲で存在する。いくつかの態様では、反応混合物は、触媒を約0.5モル%含有する。触媒錯体の分子式が1つより多い金属を含む場合、反応に用いられる触媒錯体の量はそれに応じて調節されてもよい。

いくつかの場合では、本明細書において記載する方法は、溶媒の非存在下(例えば、未希釈)で行い得る。いくつかの場合では、該方法は、1種または複数種の溶媒の使用を含み得る。本発明における使用に好適なことがある溶媒の例は、ベンゼン、p-クレゾール、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、グリコール、ジエチルエーテル、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチル-リン酸トリアミド、酢酸エチル、ピリジン、トリエチルアミン、ピコリンなどや、それらの混合物を非限定的に含む。いくつかの態様では、溶媒は、ベンゼン、トルエン、ペンタン、塩化メチレン、およびTHFより選択される。一定の態様では、溶媒はベンゼンである。

いくつかの態様では、本方法は減圧下で行われる。これは、メタセシス反応の途中でエチレンなどの揮発性副生成物が生成する可能性がある場合に有利なことがある。例えば、反応容器からのエチレン副生成物の除去は、メタセシス反応の平衡を所望の生成物の形成へ向けて有利にシフトすることがある。いくつかの態様では、方法は約760トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約700トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約650トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約600トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約550トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約500トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約450トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約400トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約350トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約300トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約250トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約200トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約150トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約100トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約90トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約80トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約70トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約60トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約50トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約40トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約30トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約20トル未満の圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約20トルの圧力で行われる。

いくつかの態様では、方法は約19トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約18トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約17トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約16トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約15トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約14トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約13トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約12トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約11トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約10トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約10トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約9トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約8トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約7トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約6トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約5トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約4トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約3トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約2トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約1トルの圧力で行われる。いくつかの態様では、方法は約1トル未満の圧力で行われる。

いくつかの態様では、2つのメタセシス反応物が等モル量で存在する。いくつかの態様では、2つのメタセシス反応物は等モル量では存在しない。一定の態様では、2つの反応物は、約20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20のモル比で存在する。一定の態様では、2つの反応物は約10:1のモル比で存在する。一定の態様では、2つの反応物は約7:1のモル比で存在する。一定の態様では、2つの反応物は約5:1のモル比で存在する。一定の態様では、2つの反応物は約2:1のモル比で存在する。一定の態様では、2つの反応物は約1:10のモル比で存在する。一定の態様では、2つの反応物は約1:7のモル比で存在する。一定の態様では、2つの反応物は約1:5のモル比で存在する。一定の態様では、2つの反応物は1:2のモル比で存在する。

いくつかの態様では、1モル当量のオレフィンを1モル当量のメタセシス反応パートナーと接触させる。いくつかの態様では、約1.5、2、2.5、または3モル当量のオレフィンを1モル当量のメタセシス反応パートナーと接触させる。いくつかの態様では、約1.5モル当量のオレフィンを1モル当量のメタセシス反応パートナーと接触させる。

概して、本明細書において開示する多くのメタセシス触媒がある反応は、15%より良好な、例えば、50%より良好な、75%より良好な、または90%より良好な収率をもたらす。さらに、反応物および生成物は、沸点が少なくとも5℃異なる、例えば、20℃超異なる、または40℃超異なるように選ばれる。加えて、メタセシス触媒の使用は、副生成物よりもはるかに速い生成物の形成を可能にし、実用的にできるだけ速くこれらの反応を実行することが望ましい場合がある。特に、反応は、約24時間未満、例えば、12時間未満、または8時間未満、または4時間未満行われる。有利には、本発明の方法は、メタセシス生成物を2〜3(a few)ミリグラムから何百キログラム以上の範囲の規模で提供する。例えば、方法は、式Iに係るオレフィンを1〜10グラム前後、または式Iに係るオレフィンを10〜100グラム前後、または式Iに係るオレフィンを100〜500グラム前後、または式Iに係るオレフィンを500〜1000グラム前後用いて実施され得る。方法は、少なくとも1、5、10、25、50、100、または1,000キログラムの出発物質を用いて実施され得る。メタセシス反応は、例えば、WO2011/046872に記載のメタセシス反応器を用いて実施され得、この反応器は、特定の生成物流または副生成物流(例えば、オレフィン流、C2〜C3化合物流、またはC3〜C5化合物流)を分離しかつ/または再生利用するための1つまたは複数の下流分離ユニットと共に運転され得る。メタセシス反応器および分離ユニットは、メタセシスされた生成物を触媒から分離しやすくするための1つまたは複数の吸着剤床や、所望の生成物の精製のための洗浄および乾燥ユニットと共に運転され得る。メートルトン規模で生成物を提供するためにメタセシス、還元、およびアシル化反応を実施し得る。

当業者であれば、時間、温度および溶媒は互いに依存し得ること、ならびに、本発明の方法においてメタセシス生成物を調製するためのいずれかの変更は残り全ての変更を要し得ることを、認識するであろう。メタセシス工程は、様々な温度および時間で進行し得る。該して、本発明の方法における反応は、数分〜数日の反応時間を用いて実施される。例えば、約12時間〜約7日間の反応時間を用い得る。いくつかの態様では、1〜5日間の反応時間を用い得る。いくつかの態様では、約10分〜約10時間の反応時間を用い得る。概して、本発明の方法における反応は、約0℃〜約200℃の温度で実施される。例えば、反応は、15〜100℃で実施され得る。いくつかの態様では、反応は、20〜80℃で実施され得る。いくつかの態様では、反応は、100〜150℃で実施され得る。

本発明の方法で用いられるオレフィン、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、および他の物質は、任意の好適な供給源から取得され得る。いくつかの態様では、本発明の方法で用いるメタセシス反応パートナーは、天然油および/またはその誘導体から取得される。本教示に係る使用のための天然油の代表的な例は、植物油、藻類油、動物脂肪、トール油(例えば、木材パルプの製造の副生成物)、これら油の誘導体など、およびそれらの組み合わせを非限定的に含む。本教示に係る使用のための植物油の代表的な例は、キャノーラ油、菜種油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ラッカセイ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、桐油、ヤトロファ油、ホホバ油、カラシ油、グンバイナズナ油、カメリナ油、大麻油、ヒマシ油など、およびそれらの組み合わせを非限定的に含む。本教示に係る使用のための動物脂肪の代表的な例は、ラード、獣脂、家禽脂肪、黄色油脂、褐色油脂(brown grease)、魚油など、およびそれらの組み合わせを非限定的に含む。天然油は、精製、漂白、および/または脱臭され得る。

本教示に係る使用のための天然油誘導体の代表的な例は、ガム、リン脂質、ソーダ油滓、酸性化ソーダ油滓、蒸留物または蒸留物スラッジ、脂肪酸、脂肪酸エステル(例えば、2-エチルヘキシルエステルなどの非限定例)、それらのヒドロキシ置換変形例など、およびそれらの組み合わせを非限定的に含む。いくつかの態様では、天然油誘導体はエステルを含む。いくつかの態様では、誘導体は、モノアシルグリセリド(MAG)、ジアシルグリセリド(DAG)、トリアシルグリセリド(TAG)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの態様では、天然油誘導体は、天然油のグリセリドに由来する脂肪酸メチルエステル(FAME)を含む。

いくつかの態様では、原料は、キャノーラ油または大豆油、例えば、精製、漂白、および/または脱臭された大豆油(すなわち、RBD大豆油)を含む。大豆油は、典型的には、脂肪酸のトリグリセリドを約95重量%以上(例えば、99重量%以上)含有する。大豆油のポリオールエステル中の主な脂肪酸は、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)およびステアリン酸(オクタデカン酸)を含む飽和脂肪酸、ならびにオレイン酸(9-オクタデセン酸)、リノール酸(9,12-オクタデカジエン酸)、およびリノレン酸(9,12,15-オクタデカトリエン酸)を含む不飽和脂肪酸を含む。

いくつかの態様では、メタセシス反応において反応させる物質(天然油に由来するものを含む)は、メタセシス触媒の性能に悪影響を及ぼす可能性のある1種または複数種の混入物を含有するであろう。そのような混入物は、「触媒毒」または「触媒被毒混入物」と呼ばれ得る。混入物レベルは、本明細書において記載する方法に従って低減され得る。いくつかの態様では、物質は複数の混入物を含み、方法は2つ以上の混入物のレベルを低減する工程を含む。いくつかの態様では、物質は複数の混入物を含み、方法は3つ以上の混入物のレベルを低減する工程を含む。いくつかの態様では、物質は複数の混入物を含み、方法は4つ以上の混入物のレベルを低減する工程を含む。いくつかの態様では、物質は複数の混入物を含み、方法は5つ以上の混入物のレベルを低減する工程を含む。

代表的な混入物は、水、過酸化物、過酸化物分解産物、ヒドロペルオキシド、プロトン性物質、極性物質、ルイス塩基触媒毒など、およびそれらの組み合わせを非限定的に含む。いくつかの混入物は、複数のカテゴリに適切に分類される場合があること(例えば、アルコールはプロトン性物質および極性物質の両方と考えられ得る)を理解されたい。異なる触媒は特定の混入物に対して感受性が異なる場合があること、および1種の触媒(例えば、ルテニウム系触媒)の性能に悪影響を及ぼす混入物は異なる触媒(例えば、モリブデン系触媒)に影響を及ぼす場合があるかまたはない場合があること(同様の度合いまで、または何であれ任意の度合いまで)をさらに理解されたい。

メタセシス反応において反応させる基質中の混入物として見出されることがある代表的なプロトン性物質は、酸素に結合した水素原子を有する物質(例えば、カルボン酸、アルコールなど)および/または窒素に結合した水素原子を有する物質(例えば、第一級アミン、第二級アミンなど)を非限定的に含む。いくつかの態様では、特に天然油基質とは限らないが、プロトン性物質混入物は、カルボン酸官能基、ヒドロキシル官能基、またはそれらの組み合わせを含むことがある。いくつかの態様では、プロトン性物質は、遊離脂肪酸、ヒドロキシル含有物質、MAG、DAGなど、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。

メタセシス反応において反応させる基質中の混入物として見出されることがある代表的な極性物質は、オキシジェネートなどのヘテロ原子含有物質を非限定的に含む。いくつかの態様では、極性物質は、アルコール、アルデヒド、エーテルなど、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。

メタセシス反応において反応させる基質中の混入物として見出されることがある代表的なルイス塩基触媒毒は、ヘテロ原子含有物質を非限定的に含む。いくつかの態様では、ルイス塩基触媒毒は、N含有物質、P含有物質、S含有物質など、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。

混入物を含有する反応物質は、1種または複数種の混入物の潜在的な悪影響を緩和する1種または複数種の調整剤で処理され得る。本発明の方法で用い得る調整剤(個別に、または逐次的にもしくは同時に組み合わせて)は、熱、分子篩、アルミナ(酸化アルミニウム)、シリカゲル、モンモリロナイト粘土、フラー土、漂白粘土、珪藻土、ゼオライト、カオリン、活性金属(例えば、Cu、Mgなど)、酸無水物(例えば、無水酢酸など)、活性炭(すなわち、活性チャコール)、ソーダ灰、金属水素化物(例えば、CaH2などのアルカリ土類金属水素化物)、金属硫酸塩(例えば、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属硫酸塩;硫酸カリウム、硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属硫酸塩;および硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウムカリウムなどの他の金属硫酸塩)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カリウムなどのアルカリ土類金属ハロゲン化物)、金属炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムなど)、金属ケイ酸塩(例えば、ケイ酸マグネシウムなど)、五酸化リン、金属アルミニウム水素化物(例えば、LiAlH4、NaAlH4などのアルカリ金属アルミニウム水素化物)、アルキルアルミニウム水素化物(例えば、DIBALH)、水素化ホウ素金属(例えば、LiBH4、NaBH4などの水素化ホウ素アルカリ金属)、有機金属試薬(例えば、グリニャール試薬;n-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウムなどの有機リチウム試薬;トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、金属アミド(例えば、リチウムジイソプロピルアミド、KHMDSなどの金属ビス(トリメチルシリル)アミドなど)、パラジウム炭素(Pd/C)触媒、およびそれらの組み合わせを含む。

いくつかの態様では、調整剤は金属アルキル化合物である。いくつかの態様では、金属Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、またはガリウムであり得る。好適なアルキルラジカルRの例は、メチル、エチル、ブチル、ヘキシル、デシル、テトラデシル、およびエイコシルを非限定的に含む。金属アルキル化合物の例は、Mg(CH3)2、Mg(C2H5)2、Mg(C2H5)(C4H9)、Mg(C4H9)2、Mg(C6H13)2、Mg(C12H25)2、Zn(CH3)2、Zn(C2H5)2、Zn(C4H9)2、Zn(C4H9)(C8H17)、Zn(C6H13)2、Zn(C6H3)2、Al(C2H5)3、Al(CH3)3、Al(n-C4H9)3、Al(C8H17)3、Al(イソ-C4H9)3、Al(C12H25)3、およびそれらの組み合わせを非限定的に含む。金属アルキル化合物は、二塩化エチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、グリニャール試薬、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの、1つまたは複数のハロゲン基または水素化物基を有する物質も含む。

いくつかの態様では、メタセシス反応物質(例えば、天然油または天然油誘導体)の処理は、反応物質を金属アルキル化合物と接触させることおよび、同時にまたは別々に、反応物質を水素化物含有化合物と接触させることを含み得る。反応物質を金属アルキル化合物および水素化物含有化合物と同時に接触させるいくつかの態様では、水素化物含有化合物を金属アルキル化合物に含めることができる。例えば、いくつかの事例では、トリアルキルアルミニウム化合物などの一定の金属アルキル化合物を作製するために用いられるプロセスは、一定の濃度の水素化物含有化合物の形成に至り得る。しかしながら、別の態様では、金属アルキル化合物は、1つまたは複数の水素化物含有化合物と組み合わせ得る。あるいは、いくつかの態様では、メタセシス反応物質は、金属アルキル化合物との反応物質の処理前、後、または前後両方で行い得る別個の処理工程において水素化物含有化合物によって処理され得る。

任意の好適な水素化物含有化合物を用い得る。いくつかの態様では、水素化物含有化合物は、水素化金属アルミニウム(例えば、LiAlH4、NaAlH4などの水素化アルカリ金属アルミニウム)、水素化アルキルアルミニウム(例えば、DIBALH)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの態様では、水素化物含有化合物は、DIBALHなどの水素化アルキルアルミニウムである。

いくつかの態様では、水素化物含有化合物とメタセシス反応物質を接触させることは、金属アルキル化合物と反応物質を接触させるのと同一の工程で起こる。いくつかの態様では、処理組成物における金属アルキル化合物の水素化物含有化合物に対する重量対重量比は、2:1から、または5:1から、または10:1から、または15:1から、または20:1から1000:1までである。いくつかの態様では、処理組成物における金属アルキル化合物の水素化物含有化合物に対する重量対重量比は、少なくとも2:1、または少なくとも5:1、または少なくとも10:1、または少なくとも15:1、または少なくとも20:1である。

特定の事例では、基質への触媒のゆっくりとした添加を通じて、メタセシス触媒の有効性を向上し得る(例えば、ターンオーバー数を増加し得るか、または総触媒充填量を減少させることがある)。総触媒充填量は、単一の一括充填量と同一のターンオーバー数を達成するようにゆっくりと投与した際に少なくとも10%、少なくとも20%、または少なくとも30%減少し得る。総触媒充填量のゆっくりとした添加は、1時間当たりほぼ10重量ppm(重量ppm/時)、5重量ppm/時、1重量ppm/時、0.5重量ppm/時、0.1重量ppm/時、0.05重量ppm/時、または0.01重量ppm/時の触媒の平均速度で反応物質に分割触媒充填量を加えることを含み得る。いくつかの態様では、触媒は、約0.01〜10重量ppm/時、0.05〜5重量ppm/時、または0.1〜1重量ppm/時の間の速度でゆっくりと加えられる。触媒のゆっくりとした添加は、5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、12時間、または1日毎の頻度の回分充填量で実施され得る。別の態様では、ゆっくりとした添加は、連続的な添加プロセスで実施される。

フェロモン生成物 上に記載のように、本発明の方法を介して取得される多数の脂肪族オレフィン誘導体は、昆虫フェロモンまたはフェロモン前駆体物質として用い得る。前駆体物質およびフェロモン生成物は、例えば、表1および表6に列挙した化合物を含む。方法は、表7に列挙した1つまたは複数のフェロモンを合成するために用い得る。

(表7)フェロモン生成物

一定の態様では、本発明は、上に記載するように脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法を提供し、脂肪族オレフィン誘導体は、(E)-7-ドデセナール;酢酸(Z)-10-ドデセニル;酢酸(Z)-10-ヘキサデセニル;(Z)-10-ペンタデセナール;酢酸(Z)-10-ペンタデセニル;酢酸(Z)-10-テトラデセニル;酢酸(Z)-10-トリデセニル;酢酸(Z)-7-デセニル;酢酸(Z)-7-ドデセニル;(Z)-7-ヘキサデセナール;酢酸(Z)-7-ヘキサデセニル;(Z)-7-テトラデセナール;酢酸(Z)-7-テトラデセニル;酢酸(Z)-7-ウンデセニル;(Z)-9-ドデセナール;酢酸(Z)-9-ドデセニル;(Z)-9-ヘキサデセナール;酢酸(Z)-9-ヘキサデセニル;酢酸(Z)-9-ペンタデセニル;(Z)-9-テトラデセナール;酢酸(Z)-9-テトラデセニル;ギ酸(Z)-9-テトラデセニル;硝酸(Z)-9-テトラデセニル;酢酸(Z)-9-トリデセニル;酢酸(Z)-9-ウンデセニル;(E)-11-テトラデセン-1-オール;酢酸(E)-11-テトラデセニル;(E)-5-デセン-1-オール;酢酸(E)-5-デセニル;(E)-8-ドデセン-1-オール;酢酸(E)-8-ドデセニル;(Z)-11-ヘキサデセン-1-オール;(Z)-11-ヘキサデセナール;酢酸(Z)-11-ヘキサデセニル;(Z)-11-テトラセデン(tetraceden)-1-オール;酢酸(Z)-11-テトラセデニル(tetracedenyl);(Z)-13-オクタデセン-1-オール;(Z)-13-オクタデセナール;(Z)-3-ヘキサノール;(Z)-3-ノネン-1-オール;(Z)-5-デセン-1-オール;酢酸(Z)-5-デセニル;(Z)-7-ドデセン-1-オール;(Z)-7-ヘキサデセン-1-オール;(Z)-8-ドデセン-1-オール;酢酸(Z)-8-ドデセニル;(Z)-9-ドデセン-1-オール;(Z)-9-ヘキサデセン-1-オール;および(Z)-9-テトラデセン-1-オールより選択される。いくつかのそのような態様では、脂肪族オレフィン誘導体はフェロモンである。

いくつかの態様では、脂肪族オレフィン誘導体は、(E)-7-ドデセナール;酢酸(Z)-10-ドデセニル;酢酸(Z)-10-ヘキサデセニル;(Z)-10-ペンタデセナール;酢酸(Z)-10-ペンタデセニル;酢酸(Z)-10-テトラデセニル;酢酸(Z)-10-トリデセニル;酢酸(Z)-7-デセニル;酢酸(Z)-7-ドデセニル;(Z)-7-ヘキサデセナール;酢酸(Z)-7-ヘキサデセニル;(Z)-7-テトラデセナール;酢酸(Z)-7-テトラデセニル;酢酸(Z)-7-ウンデセニル;(Z)-9-ドデセナール;酢酸(Z)-9-ドデセニル;(Z)-9-ヘキサデセナール;酢酸(Z)-9-ヘキサデセニル;酢酸(Z)-9-ペンタデセニル;(Z)-9-テトラデセナール;酢酸(Z)-9-テトラデセニル;ギ酸(Z)-9-テトラデセニル;硝酸(Z)-9-テトラデセニル;酢酸(Z)-9-トリデセニル;および酢酸(Z)-9-ウンデセニルより選択される。いくつかのそのような態様では、脂肪族オレフィン誘導体はフェロモンである。

いくつかの態様では、脂肪族オレフィン誘導体は、(E)-7-ドデセナール;酢酸(Z)-10-ドデセニル;酢酸(Z)-10-ヘキサデセニル;(Z)-10-ペンタデセナール;酢酸(Z)-10-ペンタデセニル;酢酸(Z)-10-テトラデセニル;酢酸(Z)-10-トリデセニル;酢酸(Z)-7-デセニル;酢酸(Z)-7-ヘキサデセニル;(Z)-7-テトラデセナール;酢酸(Z)-7-テトラデセニル;酢酸(Z)-7-ウンデセニル;(Z)-9-ドデセナール;酢酸(Z)-9-ペンタデセニル;(Z)-9-テトラデセナール;ギ酸(Z)-9-テトラデセニル;硝酸(Z)-9-テトラデセニル;酢酸(Z)-9-トリデセニル;および酢酸(Z)-9-ウンデセニルより選択される。いくつかのそのような態様では、脂肪族オレフィン誘導体はフェロモンである。

上に記載のように、本発明の方法は、ポリエンフェロモンを含むポリエン誘導体の合成のためにも用い得る。例えば、スキーム6を参照されたい。 スキーム6

ポリエン誘導体は、ジエン、トリエン、およびテトラエンを含む。ポリエン中の二重結合は、Z二重結合またはE二重結合であり得る。本発明の方法を用いて調製され得るジエンは、(6Z,9Z)-ヘプタデカ-6,9-ジエン;(6Z,9Z)-オクタデカ-6,9-ジエン;(6Z,9Z)-ノナデカ-6,9-ジエン;(6Z,9Z)-エイコサ-6,9-ジエン;(6Z,9Z)-ヘンイコサ-6,9-ジエン;(6Z,9Z)-ドコサ-6,9-ジエン;および(6Z,9Z)-トリコサ-6,9-ジエンを非限定的に含む。該ジエンはフェロモンとして用い得る。

本発明の方法を用いて調製され得るトリエンは、(3Z,6Z,9Z)-ヘプタデカ-3,6,9-トリエン;(3Z,6Z,9Z)-オクタデカ-3,6,9-トリエン;(3Z,6Z,9Z)-ノナデカ-3,6,9-トリエン;(3Z,6Z,9Z)-エイコサ-3,6,9-トリエン;(3Z,6Z,9Z)-ヘンイコサ-3,6,9-トリエン;(3Z,6Z,9Z)-ドコサ-3,6,9-トリエン;(3Z,6Z,9Z)-トリコサ-3,6,9-トリエン;(4E,6Z,9Z)-ヘプタデカ-4,6,9-トリエン;(4E,6Z,9Z)-オクタデカ-4,6,9-トリエン;(4E,6Z,9Z)-ノナデカ-4,6,9-トリエン;(4E,6Z,9Z)-エイコサ-4,6,9-トリエン;(4E,6Z,9Z)-ヘンイコサ-4,6,9-トリエン;(4E,6Z,9Z)-ドコサ-4,6,9-トリエン;および(4E,6Z,9Z)-トリコサ-4,6,9-トリエンを非限定的に含む。該トリエンはフェロモンとして用い得る。

本発明の方法を用いて調製され得るテトラエンは、(3Z,6Z,9Z)-ヘプタデカ-1,3,6,9-テトラエン;(3Z,6Z,9Z)-オクタデカ-1,3,6,9-テトラエン;(3Z,6Z,9Z)-ノナデカ-1,3,6,9-テトラエン;(3Z,6Z,9Z)-エイコサ-1,3,6,9-テトラエン;(3Z,6Z,9Z)-ヘンイコサ-1,3,6,9-テトラエン;(3Z,6Z,9Z)-ドコサ-1,3,6,9-テトラエン;(3Z,6Z,9Z)-トリコサ-1,3,6,9-テトラエン;(3Z,6Z,9Z,11E/Z)-ヘプタデカ-3,6,9,11-テトラエン;(3Z,6Z,9Z,11E/Z)-オクタデカ-3,6,9,11-テトラエン;(3Z,6Z,9Z,11E/Z)-ノナデカ-3,6,9,11-テトラエン;(3Z,6Z,9Z,11E/Z)-エイコサ-3,6,9,11-テトラエン;(3Z,6Z,9Z,11E/Z)-ヘンイコサ-3,6,9,11-テトラエン;(3Z,6Z,9Z,11E/Z)-ドコサ-3,6,9,11-テトラエン;および(3Z,6Z,9Z,11E/Z)-トリコサ-3,6,9,11-テトラエンを非限定的に含む。該テトラエンはフェロモンとして用い得る。

ポリエン誘導体は、ケトンおよびエポキシドなどの酸化ポリエンを含む。ケトンポリエン誘導体の例は、(6Z,9Z)-ヘプタデカ-6,9-ジエン-3-オン;(6Z,9Z)-オクタデカ-6,9-ジエン-3-オン;(6Z,9Z)-ノナデカ-6,9-ジエン-3-オン;(6Z,9Z)-エイコサ-6,9-ジエン-3-オン;(6Z,9Z)-ヘンイコサ-6,9-ジエン-3-オン;(6Z,9Z)-ドコサ-6,9-ジエン-3-オン;および(6E,9E)-トリコサ-6,9-ジエン-3-オンを非限定的に含む。ポリエンエポキシド誘導体の例は、3Z,6Z-9R,10S-エポキシ-ヘンエイコサジエン、3Z,6Z-9R,10S-エポキシ-ドコサジエンなどを非限定的に含む。該ケトンポリエン誘導体および該ポリエンエポキシド誘導体は、フェロモンとして用い得る。ポリエンフェロモン(ポリエンエポキシドを含む)の構造、分類学的区分、作用機序、および生合成経路は、Millar(Annu. Rev. Entomol. 2000. 45:575-604)によって記載されている。

フェロモン組成物およびそれらの用途 本発明の方法に従って調製されるフェロモンは、昆虫駆除組成物としての使用のために配合され得る。フェロモン組成物は、担体を含み得かつ/またはディスペンサーに収容され得る。担体は、非限定的には不活性な液体または固体であり得る。

固体担体の例は、カオリン、ベントナイト、ドロマイト、炭酸カルシウム、タルク、粉末マグネシア、フラー土、ワックス、石膏、ケイソウ土、ゴム、プラスチック、シリカおよびチャイナクレーなどの充填剤を非限定的に含む。液体担体の例は、水;エタノール、ブタノールまたはグリコールなどのアルコールや、それらのエーテルまたは酢酸メチルグリコールなどのエステル;アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、またはイソホロンなどのケトン;ヘキサン、ペンタン、またはヘプタンなどのアルカン;キシレンまたはアルキルナフタレンなどの芳香族炭化水素;鉱物油または植物油;トリクロロエタンまたは塩化メチレンなどの脂肪族塩素化炭化水素;クロロベンゼンなどの芳香族塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、またはN-メチルピロリドンなどの水溶性または強極性溶媒;液化ガス;およびそれらの混合物を非限定的に含む。餌または摂食刺激物質も担体に加えられ得る。

フェロモン組成物は、周囲空気中へのゆっくりとした放出を提供するように、かつ/または放出に続く分解から防護されるように、配合され得る。例えば、フェロモン組成物は、マイクロカプセル、生分解性フレークおよびパラフィンワックス系マトリクスなどの担体に含まれ得る。

フェロモン組成物は他のフェロモンまたは誘引物質を含有し得るが、但し他の化合物は組成物の活性を実質的に妨害しない。フェロモン組成物は殺虫剤も含み得る。好適な殺虫剤の例は、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、フロニカミド、アセタミプリド、ジノテフラン、クロチアニジン、アセフェート、マラチオン、キナルホス(quinolphos)、クロロピリホス、プロフェノフォス、ベンジオカルブ、ビフェントリン、クロルピリホス、シフルトリン、ジアジノン、ピレトラム、フェンプロパトリン、キノプレン、殺虫用(insecticidal)石けんまたは油、およびそれらの混合物を非限定的に含む。

フェロモン組成物は、特定の環境における組成物の放出のためにディスペンサーと共に用いられ得る。当技術分野で公知の任意の好適なディスペンサーを用い得る。そのようなディスペンサーの例は、フェロモンがゆっくりと放出される透過性バリアを備えた貯留部を含むバブルキャップ、フェロモン組成物を含浸させたゴム、プラスチック、皮革、綿、脱脂綿、木材または木材製品からなるパッド、ビーズ、チューブ管、螺旋状物または球体を非限定的に含む。例えば、フェロモン組成物が蒸散するポリ塩化ビニル積層体、ペレット、顆粒、ロープもしくは螺旋状物、またはゴムセプタム。当業者であれば、所望の様式の適用、貯蔵、輸送または取扱いのための好適な担体および/またはディスペンサーを選択することができるであろう。

表1に記したものを含む様々なフェロモンが、本発明の方法に従って調製され、上に記載するように配合され得る。例えば、本発明の方法は、(E)-デカ-5-エン-1-オール(17%)と酢酸(E)-デカ-5-エン-1-イル(83%)との混合物であるピーチツイッグボーラー(peach twig borer)(PTB)の性フェロモンを調製するために用いられ得る。PTBの性フェロモンは、PTBの性フェロモンと、脂肪酸エステル(セバシン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはアラキジン酸エステルなど)または脂肪族アルコール(ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、トリデセノール、テトラデカノール、テトラデセノール、テトラデカジエノール、ペンタデカノール、ペンタデセノール、ヘキサデカノール、ヘキサデカジエノール、オクタデセノールおよびオクタデカジエノールなど)との混合物を収容するポリマー容器を有する持続フェロモン放出装置と共に用いられ得る。ポリマー容器は、ポリオレフィンまたはオレフィン成分含有コポリマーでできたチューブ、アンプル、またはバッグであり得る。オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)およびハマキガ(Tortricidae)などの他の害虫の性ホルモンが、このタイプの持続フェロモン放出装置で用いられ得る。性フェロモンは、典型的には、10〜16個の炭素原子を有する1つまたは複数の脂肪族アセテート化合物(例えば、酢酸デシル、酢酸デセニル、酢酸デカジエニル、酢酸ウンデシル、酢酸ウンデセニル、酢酸ドデシル、酢酸ドデセニル、酢酸ドデカジエニル、酢酸トリデシル、酢酸トリデセニル、酢酸トリデカジエニル、酢酸テトラデシル、酢酸テトラデセニル、酢酸テトラデカジエニルなど)および/または10〜16個の炭素原子を有する1つまたは複数の脂肪族アルデヒド化合物(例えば、7-ヘキサデセナール、11-ヘキサデセナール、13-オクタデセナールなど)を含む。

本発明の方法に従って調製されたフェロモンや、該フェロモンを含有する組成物は、様々な環境における昆虫の行動および/または成長を制御するために用いられ得る。フェロモンは、例えば、雄または雌の昆虫を特定の標的区域へまたは特定の標的区域から誘引または撃退するために用いられ得る。フェロモンは、被害を受けやすい農作物区域から離れるよう昆虫を誘引するために用いられ得る。フェロモンは、例えば、昆虫の監視、大量捕獲、誘き寄せ/誘引・殺虫、または交尾阻害のための戦略の一部として、昆虫を誘引するためにも用いられ得る。

大量捕獲は、保護すべき農作物に危害が及ぶ前に高い割合の昆虫を除去するように、該農作物に高密度のトラップを配置することを伴う。誘き寄せ/誘引・殺虫技術は、昆虫が誘引物に誘引されたら殺虫用薬剤に晒されることを除けば類似している。殺虫用薬剤が殺虫剤である場合、ディスペンサーは、昆虫が有効量の殺虫剤を摂取するよう誘う餌または摂食刺激剤も収容できる。

様々な異なるトラップが可能であることが当業者には認識されるであろう。そのようなトラップの好適な例は、ウォータートラップ、粘着トラップ、およびワンウェイトラップを含む。粘着トラップには多くの種類がある。粘着トラップの一例は、断面が三形またはくさび形をした段ボール製の構造で、乾燥しない粘着性物質で内面がコーティングされている。昆虫は、粘着性の表面に接触し捕らえられる。ウォータートラップは、昆虫を捕獲するために用いる水および洗剤の器を含む。洗剤は水の表面張力を失わせ、該器に誘引された昆虫を水に溺れさせる。ワンウェイトラップは、昆虫がトラップに入ることを可能にするが、出ていくのは防止する。本発明のトラップは、昆虫にとってさらに魅力的となるべく明るく着色することができる。

トラップは、昆虫が蔓延した(または蔓延する可能性のある)区域に設置される。通常、トラップは樹木または大型の植物に配置されるかまたはその近傍に配置され、フェロモンが昆虫をトラップまで誘引する。次いで昆虫はトラップ内で捕えられ、固定され、かつ/または、例えばトラップ内に存在する殺虫用薬剤によって、殺される。

本発明の方法に従って調製されたフェロモンは、交尾を阻害するためにも用いられ得る。交尾阻害の戦略は、混乱、痕跡遮蔽、偽の痕跡の追従を含む。高濃度のフェロモンに対する昆虫の定常的な曝露が、雌の昆虫によって放出される通常レベルのフェロモンに雄の昆虫が応答するのを防止し得る。痕跡遮蔽は、雌によって放出されたフェロモンの痕跡を損なうために、フェロモンを用いる。偽の痕跡の追従は、多くの偽の痕跡を雄に示して追従させるために高濃度のフェロモンの多数のスポットを置くことにより、行われる。十分に高い用量で放出されると、雄の昆虫は天然の性フェロモン源(雌の昆虫)を見つけることができないので交尾が起こり得ない。

昆虫の個体群は、標的区域内の昆虫の数(例えば、トラップに捕えられた昆虫の数)を計測することによって調査または監視され得る。園芸学者による検査は、個体群のライフステージに関する情報を提供し得る。昆虫がいる場所、それらの数、およびそれらのライフステージを知ることで、殺虫剤または他の処置が妥当である場所および時期についての情報に基づいた決定を下すことが可能になる。例えば、昆虫の個体群が多いと分かれば、昆虫の除去のための方法の使用が余儀なくされ得る。新たな生息地での蔓延の早期警告が、個体群が管理不能になる前に行動を起こすことを可能にし得る。逆に、昆虫の個体群が少ないと分かれば、個体群の監視を継続することで十分であるという決定に至り得る。昆虫の個体群は、昆虫が一定の閾値に達した際にのみ駆除されるよう定期的に監視され得る。これにより、費用対効果の高い昆虫駆除が提供され、殺虫剤の使用による環境への影響が低減される。

当業者には明らかなように、特定の用途向けに用いられるフェロモンまたはフェロモン組成物の量は、蔓延のタイプおよびレベル;用いられる組成物のタイプ;活性成分の濃度;組成物がどのように提供されるか、例えば、用いられるディスペンサーのタイプ;処置する場所のタイプ;方法が用いられる期間;ならびに、温度、風速および風向、雨量および湿度などの環境要因などのいくつかの要因に応じて異なり得る。当業者であれば、所与の用途における使用のためのフェロモンまたはフェロモン組成物の有効量を決定し得るであろう。

IV.実施例 実施例1.ヘキサ-1-エンとの酢酸デカ-9-エン-1-イルの交差メタセシス メタセシス触媒の導入前に、酢酸デカ-9-エン-1-イル(CAS # 50816-18-7)およびヘキサ-1-エン(CAS # 592-41-6)を米国特許第9,388,097号に記載のように酸化アルミニウム(Al2O3)またはトリアルキルアルミニウムのいずれかで処理して、水分、過酸化物、および他の潜在的な触媒毒をメタセシス反応を実施するために好適なレベルまで低減する。窒素充填グローブボックス内で、20mLのシンチレーションバイアルに磁気撹拌棒、1.00gの前処理した酢酸デセ-9-エン-1-イルおよび1.27gの前処理したヘキサ-1-エンを投入する。バイアルを穿孔セプタムで閉じ、撹拌速度を500rpmに固定したホットプレート/磁気撹拌器上で40℃に調節したアルミニウム加熱ブロックに入れる。乾燥脱気トルエン中の1-({3,3'-ジブロモ-2'-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-5H,5'H,6H,6'H,7H,7'H,8H,8'H-[1,1'-ビナフタレン]-2-イル}オキシ)-1-(2,5-ジメチルピロール-1-イル)-1-(2-メチル-2-フェニルプロピリデン)-N-フェニルタングステンイミン(CAS # 1628041-76-8)触媒の溶液を、1mLのメスフラスコに10mgの触媒を秤量し、溶媒で目盛線まで希釈することによって調製する。気密マイクロリットルシリンジを用いて、57μLの触媒溶液(0.57mg、0.025重量%、0.0025モル%)をメスフラスコから取り出し、反応混合物に加える。4時間後、バイアルをグローブボックスから取り、反応混合物をGC-MSで分析する。GC-MSデータは、酢酸(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルが高収率で形成されることを示す。

実施例2.オクタ-1-エンとのデカ-9-エン酸メチルの交差メタセシス メタセシス触媒の導入前に、デカ-9-エン酸メチル(CAS # 25601-41-6)およびオクタ-1-エン(CAS # 111-66-0)を米国特許第9,388,097号に記載のように処理して、水分、過酸化物、および他の潜在的な触媒毒をメタセシス反応を実施するために好適なレベルまで低減する。窒素充填グローブボックス内で、20mLのシンチレーションバイアルに磁気撹拌棒、1.00gの前処理したデカ-9-エン酸メチルおよび1.83gの前処理したオクタ-1-エンを投入する。バイアルを穿孔セプタムで閉じ、撹拌速度を500rpmに固定したホットプレート/磁気撹拌器上で40℃に調節したアルミニウム加熱ブロックに入れる。乾燥脱気トルエン中の1-({3,3'-ジブロモ-2'-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-5H,5'H,6H,6'H,7H,7'H,8H,8'H-[1,1'-ビナフタレン]-2-イル}オキシ)-1-(2,5-ジメチルピロール-1-イル)-1-(2-メチル-2-フェニルプロピリデン)-N-フェニルタングステンイミン(CAS # 1628041-76-8)触媒の溶液を、1mLのメスフラスコに10mgの触媒を秤量し、溶媒で目盛線まで希釈することによって調製する。気密マイクロリットルシリンジを用いて、71μLの触媒溶液(0.71mg触媒、0.025重量%、0.0029モル%)をメスフラスコから取り出し、反応混合物に加える。4時間後、バイアルをグローブボックスから取り、反応混合物をGC-MSで分析する。GC-MSデータは、(Z)ヘキサデカ-9-エン酸メチルが高収率で形成されることを示す。

実施例3.水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムによるヘキサデカ-9-エン酸メチルの還元 ゴムセプタムで密封し磁気撹拌棒を収容したオーブン乾燥済み窒素洗浄フラスコに、0.47gのN-メチルピペラジン(CAS # 109-01-3)および10mLの乾燥脱気トルエンを加える。フラスコを氷浴に浸漬させ、磁気撹拌しながらトルエン中の水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(CAS#22722-98-1)の70%溶液を1.48g滴下する。ゴムセプタムで密封した別のオーブン乾燥済み窒素洗浄フラスコに、実施例2で詳述したプロセスを通じて調製した1.00gのヘキサデカ-9-エン酸メチルおよび20mLの乾燥脱気トルエンを加える。フラスコを次いで氷浴に浸漬させ外部磁気撹拌器を介して撹拌する。1時間撹拌した後、N-メチルピペラジン/水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム混合物をエステルのトルエン溶液にカニューレを介して滴下する。得られた混合物を氷浴温度で1時間撹拌し、次いで周囲温度にし、さらに1時間撹拌する。20mLの脱イオン水の添加によって反応を停止し、次いで20mLのEtOAcで抽出する。有機層を20mLの脱イオン水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで真空中で濃縮する。生成物をGC-MSによって分析すると、(Z)-ヘキサデカ-9-エナールが高収率で形成されることを示す。

実施例4.ポリエンフェロモンであるエイコサ-3,6,9-トリエンの調製 メタセシス触媒の導入前に、アマニ油(CAS # 8001-26-1)およびドデカ-1-エン(CAS # 112-41-4)を処理して、水分、過酸化物、および他の潜在的な触媒毒を所望のレベルまで低減する。窒素充填グローブボックス内で、20mLのシンチレーションバイアルに磁気撹拌棒、1.00gの前処理したアマニ油および0.481gの前処理したデカ-1-エンを投入する。バイアルを穿孔セプタムで閉じ、撹拌速度を500rpmに固定したホットプレート/磁気撹拌器上で40℃に調節したアルミニウム加熱ブロックに入れる。乾燥脱気トルエン中の1-({3,3'-ジブロモ-2'-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-5H,5'H,6H,6'H,7H,7'H,8H,8'H-[1,1'-ビナフタレン]-2-イル}オキシ)-1-(2,5-ジメチルピロール-1-イル)-1-(2-メチル-2-フェニルプロピリデン)-N-フェニルタングステンイミン(CAS # 1628041-76-8)の溶液を、1mLのメスフラスコに10mgの触媒を秤量し、溶媒で目盛線まで希釈することによって調製する。気密マイクロリットルシリンジを用いて、37μL(0.37mg触媒、0.025重量%、0.0071モル%)の触媒溶液をメスフラスコから取り出し、反応混合物に加える。1時間後、バイアルをグローブボックスから出す。GC-MSによって分析する前に、触媒としてナトリウムメトキシドを用いて反応混合物をメタノールでエステル交換する。エステル交換反応混合物は、所望のエイコサ-3,6,9-トリエン生成物(CAS # 134370-60-8)や、少量のオクタデカ-9-エンジオン酸1,18-ジメチル(CAS # 13481-97-5)、エイコサ-9-エン酸メチル(CAS # 10340-21-3)、ドコサ-11-エン(CAS # 62978-77-2)、およびシクロヘキサ-1,4-ジエン(CAS # 628-41-1)を含有する。

実施例5.デカ-9-エン酸メチルおよびヘキサ-1-エンのZ選択的交差メタセシスのためのメタセシス触媒スクリーニング 窒素充填グローブボックス内で、30mLのガラスバイアルに、磁気撹拌棒および、US14/209,686に記載の方法で活性化塩基性アルミナで先に処理して水分、過酸化物、およびプロトン性不純物レベルを低減したデカ-9-エン酸メチルとヘキサ-1-エンとの当モル混合物2.70gを投入した。オレフィン混合物に、0.0025モル%のモリブデンまたはタングステンメタセシス触媒をトルエン溶液として加えた。次いでバイアルを穿孔キャップで閉じ、触媒の添加後に反応混合物を合計4時間磁気ホットプレート撹拌器で撹拌した。一定量の反応混合物を触媒添加の1時間後および4時間後に採取し分析して、目的の分析物について取得した外部較正曲線と併せて下の式を用いた後にGC-MS/FIDによって9-DAME変換率(%)および(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチル選択率(%)(表8)を決定した。GCクロマトグラムは、長さが30m、内径が0.25mm、膜厚が0.25μmのAgilent DB-23キャピラリーカラムを備えたShimadzu GC2010 Plus機器を用いて記録した。キャリアガスとして窒素を用い、カラムを通るガスの総流量は61.9mL/分であった。注入物をキャリアガスと1:30の比に分け、機器の注入器を240℃の一定温度に維持した。注入中およびその後5分間はオーブン温度を35℃に保持し、次いで35℃/分の速度で100℃まで上昇させ、7℃/分の速度でさらに130℃まで上昇させ、再び35℃/分の速度で240℃まで上昇させ、最終的にこの最終温度で3.71分間保ち、総運転時間はほぼ18分間であった。

(表8) Ph=フェニル、C6H5;Mes = 2,4,6-トリメチルフェニル、2,4,6-Me3C6H2;TBS = tert-ブチルジメチルシリル、SiMe2(t-Bu)

実施例6.デカ-9-エン酸メチルとヘキサ-1-エンとの交差メタセシスを介した(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルの合成および単離 アジテーター、温度計および還流冷却器を備えたガラス容器に500gのデカ-9-エン酸メチル(2.71モル)および480gのヘキサ-1-エン(5.70モル)を投入した。完全に均質化した原料に、トルエン中のトリエチルアルミニウムの溶液(3.82g、0.0335モル、0.389モル%)を一度に加えた。500rpmにて1時間23〜25℃で振とうした後、原料の温度を40〜41℃まで上昇させた。エチレンの発生速度を制御するために0.121g(0.00128モル%、123重量ppm)のタングステン, [(1R)-3,3'-ジブロモ-2'-[[(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]-5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロ[1,1'-ビナフタレン]-2-オラト-κO][2,6-ジクロロベンゼンアミナト(2-)-κN](2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)[(2-メトキシフェニル)メチレン]-, (T-4)- (CAS # 1817807-15-0)を4回に分けて加え、反応を3時間進行させた。その時間の後、GC-FID分析は、57%のデカ-9-エン酸メチル変換率および96%の(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチル選択率で反応が進行することを示した。冷却した(25〜30℃)反応混合物に10mLのメタノール(H2O = 0.035〜0.038重量%)を加えた。混合物を周囲温度で15〜20分間撹拌した。次いで反応器から一定量を取り、0.5cmの珪藻土の下層と1.0cmのシリカゲルの上層とを含むプラグを通してろ過した。ろ過ケーキを7×100mLのMTBEで洗浄した。無色透明のろ液の体積を、40mbarの圧力にて45℃の水浴中で減圧下で濃縮して、粗生成物を無色の液体として取得した。短経路蒸留装置を用いて粗製物質を真空蒸留し(0.2〜1mbar)、95〜97℃のヘッド温度および0.4mbarの圧力で166g(25%全収率)の(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルを集めた。

実施例7.水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムを用いた(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールへの(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルの還元 ゴムセプタムで密封し磁気撹拌棒を収容したオーブン乾燥済み窒素洗浄フラスコに、トルエン中の水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(CAS # 22722-98-1)の70%溶液を240g(0.831モル「AlH2」、1.2当量)加えた。フラスコを次いで氷浴に浸漬させ外部磁気撹拌器を介して撹拌し、実施例6で詳述したプロセスを通じて調製した166g(0.691mol)の(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルをゆっくりと加えた。得られた混合物を氷浴温度で1時間撹拌し、次いで周囲温度にし、さらに1時間撹拌する。反応混合物を次いで10mLの脱イオン水でクエンチし、水層のpHが4になるまで15w/w%の硫酸水溶液で酸性化した。取得したスラリーを珪藻土を通してろ過し、ろ過ケーキを2×150mLのトルエンですすいだ。母液の2相を分割した。水層を追加の300mLのトルエンで洗浄した。合わせた有機相を1500mLの脱イオン水で洗浄した。すべての揮発性成分を真空中で除去し、生成物を追加のトルエンによる共沸蒸留を介して乾燥させて144g(0.678モル、収率98%)を得た。

実施例8.無水酢酸との(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールのエステル化を通じた酢酸(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルの合成 ゴムセプタムで密封し磁気撹拌棒を収容したオーブン乾燥済み窒素洗浄フラスコに、実施例7で詳述した方法を通じて調製した144g(0.678モル)の(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オール、75.9gの無水酢酸(0.743モル)および5.50gの酢酸ナトリウム(0.067モル、0.1当量)を加えた。次いで反応混合物を60℃まで1時間加熱し、冷却し、次いで水および炭酸ナトリウム溶液で連続的に洗浄して、160g(0.629モル、収率92%)の酢酸(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルを無色の液体として得た。

実施例9.無水酢酸による7-オクテン-1-オールのアセチル化 真空蒸留(72℃/8mbar)を介してまず精製した7-オクテン-1-オール(46.49g、363mmol)を、温度計、還流冷却器および磁気撹拌棒を備えた三つ口丸底フラスコに投入した。冷却器の上部をシュレンクラインに接続し、装置全体を窒素で洗浄した。無水酢酸(44.29g、434mmol)および無水酢酸ナトリウム(3.25g、39.7mmol)をフラスコに加えた。混合物を68℃で4時間撹拌した。GCは完全な変換を示した。200mLのDCMを反応混合物に加え、水(100mL)と混合した。NaHCO3(25g)を慎重に少しずつ加えて水相のpHを6に調整した。有機相を分離し、NaHCO3の飽和溶液(pH約8〜9)、次いで100mLの水(pH約7)で抽出した。分離したDCM画分をNa2SO4(60g)およびNa2CO3(6g)で一晩乾燥させた。有機相を集め、ろ過し、固体をDCMおよびヘキサンで洗浄した。ロータリーエバポレーター上で揮発物を除去し、粗生成物を60℃/10mbarで4時間さらに乾燥させた。材料を次いで真空蒸留(79〜80℃/10mbar)して、51.53g(収率83%)の無色の液体を得た。

実施例10.ヘキサ-1-エンとの酢酸オクタ-7-エン-1-イルの交差メタセシス 窒素充填グローブボックス内で、20mLのシンチレーションバイアルに磁気撹拌棒、1.315gの酢酸オクタ-7-エン-1-イル(CAS # 5048-35-1)および最終的に0.685gのヘキサ-1-エン(1.05当量)を投入した。次いでバイアルを穿孔セプタムで閉じた。原料をトルエン中のトリエチルアルミニウムの25重量%溶液69μL(14.4mg AlEt3、0.720重量%、0.803モル%)で処理し、混合物を外部磁気撹拌器を介して室温で4時間撹拌した。次いで混合物にベンゼン中の溶液として0.002モル%(0.35mg、0.0177重量%)のタングステン [(1R)-3,3'-ジブロモ-2'-[[(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]-5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロ[1,1'-ビナフタレン]-2-オラト-κO][2,6-ジクロロベンゼンアミナト(2-)-κN](2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)[(2-メトキシフェニル)メチレン]-, (T-4)- (CAS # 1817807-15-0)を加えた。下の表で特定した触媒添加後の時点で、グローブボックスから一定量の反応混合物を取り、GC-MS/FIDによって分析した。これら試料のGC-MS/FID分析の結果を下の表に記す。

実施例11.ヘキサ-1-エンとの酢酸オクタ-7-エン-1-イルの交差メタセシス 下の手順を実施する前に、第2の減圧蒸留を通じて酢酸オクタ-7-エン-1-イルをさらに精製して、追加の触媒不活性化不純物を除去した。窒素充填グローブボックス内で、20mLのシンチレーションバイアルに磁気撹拌棒、1.338gの酢酸オクタ-7-エン-1-イル(CAS # 5048-35-1)および最終的に0.662gのヘキサ-1-エンを投入した。次いでバイアルを穿孔セプタムで閉じた。原料をトルエン中のトリエチルアルミニウムの25重量%溶液7.4μL(1.54mg AlEt3、0.0769重量%、0.0857モル%)で処理し、混合物を外部磁気撹拌器を介して室温で4時間撹拌した。次いで混合物にベンゼン中の溶液として0.002モル%(0.35mg、0.0177重量%)のタングステン [(1R)-3,3'-ジブロモ-2'-[[(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]-5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロ[1,1'-ビナフタレン]-2-オラト-κO][2,6-ジクロロベンゼンアミナト(2-)-κN](2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)[(2-メトキシフェニル)メチレン]-, (T-4)- (CAS # 1817807-15-0)を加えた。下の表で特定した触媒添加後の時点で、グローブボックスから一定量の反応混合物を取り、GC-MS/FIDによって分析した。これら試料のGC-MS/FID分析の結果を下の表に記す。

実施例12.水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムを用いたラデカ-9-エン-1-オールへのデカ-9-エン酸メチルの還元 ゴムセプタムで密封し磁気撹拌棒を収容したオーブン乾燥済み窒素洗浄フラスコに、トルエン中の水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(CAS # 22722-98-1)の70%溶液を96.0mL(353mmol「AlH2」、1.3当量)加えた。次いでフラスコを氷浴に浸漬させ外部磁気撹拌器を介して撹拌し、反応混合物の温度を15℃より低く維持するように50g(271mmol)のデカ-9-エン酸メチルをゆっくりと加えた。得られた混合物を氷浴温度で1時間撹拌し、次いで周囲温度にし、さらに1時間撹拌する。反応混合物を次いで10mLの脱イオン水でクエンチし、水層のpHが4になるまで15w/w%の硫酸水溶液で酸性化した。取得したスラリーを珪藻土を通してろ過し、ろ過ケーキを2×50mLのトルエンですすいだ。母液の2相を分割した。水層を追加の100mLのトルエンで洗浄した。合わせた有機相を50mLの脱イオン水で洗浄した。すべての揮発性成分を真空中で除去し、生成物を追加のトルエンによる共沸蒸留を介して乾燥させて42.9gの無色の油を得た。この油は、後にGC-MS/FID分析によって96.0重量%のデカ-9-エン-オール(収率97.1%)を含有することが分かった。

実施例13.9-デセン-1-オールのアセチル化 実施例13の方法を通じて調製した9-デセン-1-オール(50.0g、320mmol)を、温度計、還流冷却器および磁気撹拌棒を備えた三つ口丸底フラスコに投入した。冷却器の上部をシュレンクラインに接続し、装置全体を窒素で洗浄した。無水酢酸(33mL、352mmol、1.1当量)および無水酢酸ナトリウム(2.6g、32mmol)をフラスコに加えた。混合物を68℃で4時間撹拌した。GCは完全な変換を示した。100mLのDCMを反応混合物に加え、水(100mL)と混合した。NaHCO3(25g)を慎重に少しずつ加えて水相のpHを6に調整した。有機相を分離し、NaHCO3の飽和溶液(pH約8〜9)、次いで100mLの水(pH約7)で抽出した。分離したDCM画分をNa2SO4(60g)およびNa2CO3(6g)で一晩乾燥させた。有機相を集め、ろ過し、固体をDCMおよびヘキサンで洗浄した。すべての揮発性成分をロータリーエバポレーター上で除去し、63.6gの無色の油を得た。この油は、後に95.8重量%のデカ-9-エン-オール(収率95.6%)を含有することが分かった。

実施例14.ヘキサ-1-エンとの酢酸デカ-9-エン-1-イルの交差メタセシス 窒素充填グローブボックス内で、20mLのシンチレーションバイアルに磁気撹拌棒、実施例14の方法を通じて調製した1.404gの酢酸デカ-9-エン-1-イルおよび最終的に0.596gのヘキサ-1-エンを投入した。次いでバイアルを穿孔セプタムで閉じた。原料をトルエン中のトリエチルアルミニウムの25重量%溶液42.7μL(0.9mg AlEt3、0.444重量%、0.541モル%)で処理し、混合物を外部磁気撹拌器を介して室温で4時間撹拌した。次いで混合物にベンゼン中の溶液として0.002モル%(0.32mg、0.0159重量%)のタングステン [(1R)-3,3'-ジブロモ-2'-[[(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]-5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロ[1,1'-ビナフタレン]-2-オラト-κO][2,6-ジクロロベンゼンアミナト(2-)-κN](2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)[(2-メトキシフェニル)メチレン]-, (T-4)- (CAS # 1817807-15-0)を加えた。下の表で特定した触媒添加後の時点で、グローブボックスから一定量の反応混合物を取り、GC-MS/FIDによって分析した。GC-MS/FIDデータは、出発酢酸デカ-9-エン-1-イルの23.9%が3/97のE/Z比で酢酸テトラデカ-9-エン-1-イルに変換したことを示した。

実施例15.デカ-9-エン酸メチルとヘキサ-1-エンとのZ選択的交差メタセシスに対するメタセシス触媒充填量の影響 窒素充填グローブボックス内で、5つの30mLシンチレーションバイアルに磁気撹拌棒、デカ-9-エン酸メチルとヘキサ-1-エンとの等モル混合物2.70gを投入した。次いでバイアルを穿孔セプタムで閉じた。原料をトルエン中のトリエチルアルミニウムの25重量%溶液11μL(2.3mg AlEt3、0.085重量%、0.1モル%)で処理し、混合物を外部磁気撹拌器を介して室温で18時間撹拌した。混合物にベンゼン中の溶液として下の表に列挙した量のタングステン [(1R)-3,3'-ジブロモ-2'-[[(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]-5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロ[1,1'-ビナフタレン]-2-オラト-κO][2,6-ジクロロベンゼンアミナト(2-)-κN](2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)[(2-メトキシフェニル)メチレン]-, (T-4)- (CAS # 1817807-15-0)を加えた。下の表で特定した触媒添加後の時点で、グローブボックスから一定量の反応混合物を取り、GC-MS/FIDによって分析して、実施例5に記載のように「9-DAME変換率(%)」および「(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチル選択率(%)」を決定した。

実施例16.オクタ-1-エンとの酢酸オクタ-7-エン-1-イルの交差メタセシス 実施例1の方法を用いて、等モル量の酢酸オクタ-7-エン-1-イルおよびオクタ-1-エンを、窒素充填グローブボックス内部の磁気撹拌棒備えた20mLガラスシンチレーションバイアルに投入する。次いで混合物を外部ホットプレート撹拌器によって撹拌し、次いでUS 9,388,097に記載のように処理して水分、過酸化物、およびプロトン性不純物のレベルを低減する。所望のレベルまで触媒不活性化不純物を確実に除去するのに十分な時間後、基質混合物の温度を所望のレベルまで上昇させ、実施例5に規定するような、所望のレベルの「デカ-9-エン酸メチル変換率(%)」を得るために十分な量のZ選択的第6族メタセシス触媒を、前処理した基質に加える。必要な時間後、バイアルをグローブボックスから取り、反応混合物をGC-MSで分析する。GC-MSデータは、酢酸(Z)-テトラデカ-7-エン-1-イルが高収率で形成されることを示す。

実施例17.ブタ-1-エンとの酢酸オクタ-7-エン-1-イルの交差メタセシス 実施例1の方法を用いて、等モル量の酢酸オクタ-7-エン-1-イルおよびブタ-1-エンを、磁気撹拌棒備えたガラス圧力容器に投入する。次いで混合物を外部ホットプレート撹拌器によって撹拌し、US 9,388,097に記載のように処理して水分、過酸化物、およびプロトン性不純物のレベルを低減する。所望のレベルまで触媒不活性化不純物を確実に除去するのに十分な時間後、基質混合物の温度を適切な温度まで上昇させ、実施例5に規定するような、所望のレベルの「デカ-9-エン酸メチル変換率(%)」を得るために十分な量のZ選択的第6族メタセシス触媒を、前処理した基質に加える。必要な時間後、バイアルをグローブボックスから取り、反応混合物をGC-MSで分析する。GC-MSデータは、酢酸(Z)-デカ-7-エン-1-イルが高収率で形成されることを示す。

実施例18.オクタ-1-エンとの酢酸デカ-9-エン-1-イルの交差メタセシス 実施例1の方法を用いて、等モル量の酢酸デカ-9-エン-1-イルおよびオクタ-1-エンを、窒素充填グローブボックス内部の磁気撹拌棒備えた20mLガラスシンチレーションバイアルに投入する。次いで混合物を外部ホットプレート撹拌器によって撹拌し、次いでUS 9,388,097に記載のように処理して水分、過酸化物、およびプロトン性不純物のレベルを低減する。所望のレベルまで触媒不活性化不純物を確実に除去するのに十分な時間後、基質混合物の温度を所望のレベルまで上昇させ、実施例5に規定するような、所望のレベルの「デカ-9-エン酸メチル変換率(%)」を得るために十分な量のZ選択的第6族メタセシス触媒を、前処理した基質に加える。必要な時間後、バイアルをグローブボックスから取り、反応混合物をGC-MSで分析する。GC-MSデータは、酢酸(Z)-ヘキサデカ-9-エン-1-イルが高収率で形成されることを示す。

実施例19.ブタ-1-エンとの酢酸デカ-9-エン-1-イルの交差メタセシス 実施例1の方法を用いて、等モル量の酢酸デカ-9-エン-1-イルおよびブタ-1-エンを、磁気撹拌棒備えたガラス圧力容器に投入する。次いで混合物を外部ホットプレート撹拌器によって撹拌し、US 9,388,097に記載のように処理して水分、過酸化物、およびプロトン性不純物のレベルを低減する。所望のレベルまで触媒不活性化不純物を確実に除去するのに十分な時間後、基質混合物の温度を所望のレベルまで上昇させ、実施例5に規定するような、所望のレベルの「デカ-9-エン酸メチル変換率(%)」を得るために十分な量のZ選択的第6族メタセシス触媒を、前処理した基質に加える。必要な時間後、バイアルをグローブボックスから取り、反応混合物をGC-MSで分析する。GC-MSデータは、酢酸(Z)-ドデカ-9-エン-1-イルが高収率で形成されることを示す。

V.例示的な態様 今回開示する主題に従って提供される例示的な態様は、添付の特許請求の範囲および次の態様を非限定的に含む: 1. 脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法であって、 (a)式IIIb に係るメタセシス生成物を形成するのに十分な条件下、メタセシス触媒の存在下で、式I に係るオレフィンを式IIb に係るメタセシス反応パートナーと接触させる工程;および (b)該メタセシス生成物を該脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程 を含み、 式中、 各R1は、H、C1〜18アルキル、およびC2〜18アルケニルからなる群より独立して選択され; R2bは、C1〜8アルキルであり; 下付き文字yは、0〜17の範囲の整数であり;かつ 下つき文字zは、0〜17の範囲の整数である、 前記方法。 2. メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、式Vb に係るアルケノールを形成するために該メタセシス生成物を還元する工程を含む、態様1の方法。 3. アルケノールが、脂肪族オレフィン誘導体である、態様2の方法。 4. メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、アルケノールをアシル化する工程をさらに含み、これによって式VIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成し、式中、R2cがC1〜6アシルである、態様2の方法。 5. R1がHであり、R2bがメチルであり、下付き文字yが7であり、下付き文字zが3である、態様1〜3のいずれかの方法。 6. R1がHであり、R2bがメチルであり、下付き文字yが7であり、下付き文字zが3であり、R2cがアセチルである、態様4の方法。 7. メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、アルケノールを酸化する工程をさらに含み、これによって式VIIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成する、態様2の方法。 8. メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、該メタセシス生成物を還元する工程をさらに含み、これによって式VIIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を形成する、態様1の方法。 9. R1がHであり、R2bがメチルであり、下付き文字yが7であり、下付き文字zが3である、態様7または態様8の方法。 10. オレフィンが、式Ia に係る構造を有する、態様1〜9のいずれか1つの方法。 11. 下付き文字zが3である、態様10の方法。 12. メタセシス生成物が、Zオレフィンを含む、態様1〜11のいずれか1つの方法。 13. オレフィンの少なくとも約80%が、Zオレフィンである、態様12の方法。 14. オレフィンの少なくとも約90%が、Zオレフィンである、態様12の方法。 15. メタセシス触媒が、Z選択的モリブデン触媒またはZ選択的タングステン触媒である、態様12〜14のいずれか1つの方法。 16. メタセシス触媒が、式2 に係る構造を有し、 式中、 Mは、MoまたはWであり; R3aは、それぞれ置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルからなる群より選択され; R4aおよびR5aは、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいヘテロアルキル、置換されていてもよいヘテロアルケニル、置換されていてもよいアリール、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群より独立して選択され; R7aは、それぞれ置換されていてもよい、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シリルアルキル、およびシリルオキシからなる群より選択され;かつ R6aは、R8a-X-であり、ここで、 XはOもしくはSであり、R8aは置換されていてもよいアリールであるか;または XはOであり、R8aはSiR9aR10aR11aもしくはCR12aR13aR14aであり、ここで、R9a、R10a、R11a、R12a、R13a、およびR14aは、置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいフェニルからなる群より独立して選択されるか;あるいは R6aおよびR7aは互いに連結しており、酸素を介してMに結合する、 態様15の方法。 17. R7aが、それぞれ置換されていてもよい、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、アリール、アリールオキシ、およびヘテロアリールからなる群より選択され;かつ XがOもしくはSであり、R8aが置換されていてもよいアリールであるか;または XがOであり、R8aがCR12aR13aR14aである、 態様16の方法。 18. R3aが、2,6-ジメチルフェニル;2,6-ジイソプロピルフェニル;2,6-ジクロロフェニル;およびアダマント-1-イルからなる群より選択され; R4aが、-C(CH3)2C6H5および-C(CH3)3からなる群より選択され; R5aが、Hであり; R7aが、ピロール-1-イル;2,5-ジメチル-ピロール-1-イル;トリフェニルシリルオキシ;トリイソプロピルシリルオキシ;2-フェニル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イルオキシ;2-メチル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イルオキシ;9-フェニル-フルオレン-9-イルオキシ;2,6-ジフェニル-フェノキシ;およびt-ブチルオキシからなる群より選択され;かつ R6aが、R8a-X-であり、ここで、 X = Oであり、かつ R8aが、Oに対してオルト位に2個の置換基を持つ、もしくは、少なくとも3個の置換基を持ち、そのうちの2個の置換基がOに対してオルト位にあり1個の置換基がOに対してパラ位にある、フェニルであるか;または R8aが、置換されていてもよい8-(ナフタレン-1-イル)-ナフタレン-1-イル;置換されていてもよい8-フェニルナフタレン-1-イル;置換されていてもよいキノリン-8-イル;トリフェニルシリル;トリイソプロピルシリル;トリフェニルメチル;トリ(4-メチルフェニル)メチル;9-フェニル-フルオレン-9-イル;2-フェニル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イル;2-メチル-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパ-2-イル;およびt-ブチルからなる群より選択される、 態様16の方法。 19. R7aが、ピロール-1-イル;2,5-ジメチル-ピロール-1-イルからなる群より選択され;かつ R8aが、Oに対してオルト位に2個の置換基を持つ、もしくは、少なくとも3個の置換基を持ち、そのうちの2個の置換基がOに対してオルト位にあり1個の置換基がOに対してパラ位にある、フェニルであるか;または R8aが、置換されていてもよい8-(ナフタレン-1-イル)-ナフタレン-1-イルおよび置換されていてもよい8-フェニルナフタレン-1-イルからなる群より選択される、 態様18の方法。 20. メタセシス触媒が、式2a に係る構造を有し、 式中、 R3aは、それぞれ置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはシクロアルキルであり; R7aは、それぞれ置換されていてもよい、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピラゾリル、アザインドリル、またはインダゾリルであり; R8aは、置換されていてもよいアリールであり; R5aは、水素原子、アルキル、またはアルコキシであり; R4bは、水素原子、-O-(C1〜6アルキル)、-CH2-O-(C1〜6アルキル)、ヘテロアルコキシ、または-N(C1〜6アルキル)2であり;かつ R4cおよびR4dは、独立して、水素原子、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロゲン原子、-NO2、アミド、またはスルホンアミドである、 態様16の方法。 21. R7aが、それぞれ置換されていてもよい、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、アザインドリル、またはインダゾリルであり;かつ R5aが、水素原子である、 態様20の方法。 22. R3aが、フェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,6-ジイソプロピルフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、ペンタフルオロフェニル、tert-ブチル、または1-アダマンチルである、 態様20の方法。 23. R8aが、 である、態様20または態様22の方法。 24. R4bがメトキシであり、R4cが水素であり、R4dが水素である、態様20〜23のいずれか1つの方法。 25. メタセシス触媒が、 からなる群より選択される、態様15の方法。 26. メタセシス触媒が、 である、態様25の方法。 27. メタセシス触媒が、 である、態様25の方法。 28. 触媒が、オレフィンまたはメタセシス反応パートナーに対して0.01モル%未満の量で存在する、態様15〜27のいずれか1つの方法。 29. メタセシス生成物が、Eオレフィンを含む、態様1〜10のいずれか1つの方法。 30. オレフィンの約85%超が、Eオレフィンである、態様29の方法。 31. オレフィンの少なくとも約90%が、Eオレフィンである、態様29の方法。 32. メタセシス触媒が、E選択的ルテニウム触媒である、態様29〜31のいずれか1つの方法。 33. オレフィンとメタセシス反応パートナーのモル比が、約1:1〜約5:1の範囲である、態様1〜32のいずれか1つの方法。 34. オレフィンとメタセシス反応パートナーのモル比が、約2:1〜約3:1の範囲である、態様33のいずれか1つの方法。 35. メタセシス反応パートナーが、天然油に由来する、態様1〜34のいずれか1つの方法。 36. 天然油が、キャノーラ油、菜種油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ラッカセイ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、桐油、ヤトロファ油、ホホバ油、カラシ油、グンバイナズナ油、カメリナ油、ヒマシ油、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様35の方法。 37. メタセシス反応パートナーが、1種または複数種の触媒被毒混入物を含む、態様35または36の方法。 38. 少なくとも1種の触媒被毒混入物の濃度を低減するのに十分な条件下でメタセシス反応パートナーを金属アルキル化合物で処理する工程をさらに含み、該処理工程が、オレフィンをメタセシス反応パートナーと接触させる工程の前に実施される、態様37の方法。 39. 式Iに係るオレフィンが、C3〜C12直鎖アルファオレフィンであり、 式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、Δ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルであり、 メタセシス触媒が、Z選択的メタセシス触媒であり、かつ 式IIIbに係るメタセシス生成物が、C11〜C20(Z)-9-不飽和脂肪酸アルキルエステルである、 態様1の方法。 40. メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、C11〜C20(Z)-9-脂肪族アルコールを形成するのに十分な条件下でC11〜C20(Z)-9-不飽和脂肪酸アルキルエステルを還元剤と接触させる工程を含む、態様39の方法。 41. 還元剤が、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、態様40の方法。 42. メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、C11〜C20(Z)-9-脂肪族アルコールの酢酸エステルを形成するのに十分な条件下、塩基の存在下で、C11〜C20(Z)-9-脂肪族アルコールをアシル化剤と接触させる工程をさらに含む、態様40の方法。 43. アシル化剤が、無水酢酸である、態様42の方法。 44. メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、C11〜C20(Z)-9-アルケナールを形成するためにC11〜C20(Z)-9-脂肪族アルコールを酸化させる工程をさらに含む、態様40の方法。 45. メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、C11〜C20(Z)-9-アルケナールを形成するのに十分な条件下でC11〜C20(Z)-9-脂肪酸アルキルエステルを還元剤と接触させる工程を含む、態様39の方法。 46. 還元剤が、アミン修飾された水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、態様45の方法。 47. 脂肪酸誘導体が、酢酸(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルであり; 式Iに係るオレフィンが、ヘキサ-1-エンであり、 式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、Δ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルであり、 メタセシス触媒が、Z選択的メタセシス触媒であり、 式IIIbに係るメタセシス生成物が、(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルであり;かつ 該メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、 (Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールを形成するのに十分な条件下で(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルを還元剤と接触させる工程、および 酢酸(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルを形成するために(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールをアシル化する工程 を含む、 態様1の方法。 48. 式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、9-デセン酸メチルであり、メタセシス生成物が、(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルである、態様47の方法。 49. 還元剤が、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、態様47の方法。 50. (Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールをアシル化する工程が、酢酸(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルを形成するのに十分な条件下、塩基の存在下で、(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールをアシル化剤と接触させる工程を含む、態様47の方法。 51. アシル化剤が、無水酢酸である、態様50の方法。 52. 式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、9-デセン酸メチルであり、メタセシス生成物が、(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルである、態様47〜51のいずれか1つの方法。 53. 脂肪酸誘導体が、(Z)-テトラデカ-9-エナールであり、 式Iに係るオレフィンが、ヘキサ-1-エンであり、 式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、Δ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルであり、 メタセシス触媒が、Z選択的メタセシス触媒であり、 式IIIbに係るメタセシス生成物が、(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルであり;かつ 該メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、(Z)-テトラデカ-9-エナールを形成するのに十分な条件下で(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルを還元剤と接触させる工程を含む、 態様1の方法。 54. 還元剤が、アミン修飾された水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、態様53の方法。 55. 式IIgに係るΔ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルが、9-デセン酸メチルであり、メタセシス生成物が、(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルである、態様53または態様54の方法。 56. 脂肪酸誘導体が、(Z)-テトラデカ-9-エナールであり、 式Iに係るオレフィンが、ヘキサ-1-エンであり、 式IIbに係るメタセシス反応パートナーが、Δ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルであり、 メタセシス触媒が、Z選択的メタセシス触媒であり、 式IIIbに係るメタセシス生成物が、(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルであり;かつ 該メタセシス生成物を脂肪族オレフィン誘導体に変換する工程が、 (Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールを形成するのに十分な条件下で(Z)-9-テトラデカ-9-エン酸のアルキルエステルを還元剤と接触させる工程、および (Z)-テトラデカ-9-エナールを形成するために(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オールを酸化する工程 を含む、 態様1の方法。 57. 還元剤が、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムである、態様56の方法。 58. 式IIgに係るΔ9-不飽和脂肪酸アルキルエステルが、9-デセン酸メチルであり、メタセシス生成物が、(Z)-テトラデカ-9-エン酸メチルである、態様56または態様57の方法。 59. メタセシス触媒が、式2a に係る構造を有し、 式中、 Mは、MoまたはWであり; R3aは、それぞれ置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはシクロアルキルであり; R7aは、それぞれ置換されていてもよい、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピラゾリル、アザインドリル、またはインダゾリルであり; R8aは、置換されていてもよいアリールであり; R5aは、水素原子、アルキル、またはアルコキシであり; R4bは、水素原子、-O-(C1〜6アルキル)、-CH2-O-(C1〜6アルキル)、ヘテロアルコキシ、または-N(C1〜6アルキル)2であり;かつ R4cおよびR4dは、独立して、水素原子、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロゲン原子、-NO2、アミド、またはスルホンアミドである、 態様39〜58のいずれか1つの方法。 60. メタセシス触媒が、 からなる群より選択される、態様59の方法。 61. 態様1〜60のいずれか1つの方法に従って合成される、脂肪族オレフィン誘導体。 62. 昆虫フェロモンである、態様61の脂肪族オレフィン誘導体。 63. 式VIb に係る脂肪族オレフィン誘導体を合成するための方法であって、 (i)式VIII に係るアルケノールを形成するために式IIb に係るアルキルエステルを還元する工程; (ii)式IX に係るアシル化アルケノールを形成するために該アルケノールをアシル化する工程;および (iii)該脂肪族オレフィン誘導体を形成するのに十分な条件下、メタセシス触媒の存在下で、該アシル化アルケノールを式I に係るオレフィンと接触させる工程 を含み、 式中、 R1は、H、C1〜18アルキル、およびC2〜18アルケニルからなる群より選択され; R2bは、C1〜8アルキルであり、 R2cは、C1〜6アシルであり、 下付き文字yは、0〜17の範囲の整数であり; 下付き文字zは、0〜17の範囲の整数であり;かつ メタセシス触媒が、タングステン触媒またはモリブデン触媒である、 前記方法。 64. R1がHであり、R2bがメチルであり、R2cがアセチルであり、下付き文字yが7であり、下付き文字zが3である、態様63の方法。 65. メタセシス生成物が、Eオレフィンを含む、態様63または態様64の方法。 66. メタセシス生成物が、Zオレフィンを含む、態様63または態様64の方法。 67. メタセシス触媒が、Z選択的モリブデン触媒またはZ選択的タングステン触媒である、態様66の方法。 68. メタセシス触媒が、式2 に係る構造を有し、 式中、 Mは、MoまたはWであり; R3aは、それぞれ置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルからなる群より選択され; R4aおよびR5aは、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいヘテロアルキル、置換されていてもよいヘテロアルケニル、置換されていてもよいアリール、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群より独立して選択され; R7aは、それぞれ置換されていてもよい、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、シリルアルキル、およびシリルオキシからなる群より選択され;かつ R6aは、R8a-X-であり、ここで、 XはOもしくはSであり、R8aは置換されていてもよいアリールであるか;または XはOであり、R8aはSiR9aR10aR11aもしくはCR12aR13aR14aであり、ここで、R9a、R10a、R11a、R12a、R13a、およびR14aは、置換されていてもよいアルキルおよび置換されていてもよいフェニルからなる群より独立して選択されるか;あるいは R6aおよびR7aは互いに連結しており、酸素を介してMに結合する、 態様67の方法。 69. メタセシス触媒が、式2a に係る構造を有し、 式中、 R3aは、それぞれ置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはシクロアルキルであり; R7aは、それぞれ置換されていてもよい、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピラゾリル、アザインドリル、またはインダゾリルであり; R8aは、置換されていてもよいアリールであり; R5aは、水素原子、アルキル、またはアルコキシであり; R4bは、水素原子、-O-(C1〜6アルキル)、-CH2-O-(C1〜6アルキル)、ヘテロアルコキシ、または-N(C1〜6アルキル)2であり;かつ R4cおよびR4dは、独立して、水素原子、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロゲン原子、-NO2、アミド、またはスルホンアミドである、 態様68の方法。 70. メタセシス触媒が、 からなる群より選択される、態様68または態様69の方法。

上記は、明確さおよび理解を目的として図示および例示によってある程度詳細に記載したが、当業者であれば添付の請求項の範囲内で一定の変更および改変をし得ることを認識するであろう。本明細書において引用するすべての刊行物、特許、特許出願、および配列受託番号は、あらゆる目的でそれら全体において参照により本明細書に組み入れられる。

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