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クルクミノイド含有錠剤

阅读:222发布:2024-01-01

专利汇可以提供クルクミノイド含有錠剤专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】良好な崩壊性を有するクルクミノイド含有錠剤及びその製造方法の提供。崩壊剤を含みながらも、まだら模様や斑点などの外観不良の発生が有意に抑制されてなるクルクミノイド含有錠剤及びその製造方法の提供。 【解決手段】 クルクミノイドとして脂質で被覆されたクルクミノイド、崩壊剤としてアルファ化デンプンを配合して錠剤を調製する。また錠剤の製造に際して、脂質被覆クルクミノイド、及びアルファ化デンプンの混合物を 水 性溶剤及び熱からなる群から選択される少なくとも1種の存在下で 造粒 する工程を用いる。 【選択図】なし,下面是クルクミノイド含有錠剤专利的具体信息内容。

クルクミノイドと崩壊剤を含有する錠剤であって、 前記クルクミノイドが脂質で被覆されたクルクミノイドであり、 前記崩壊剤がアルファ化デンプンであることを特徴とする、クルクミノイド含有錠剤。前記アルファ化デンプンのアルファ化度が30%以上である、請求項1に記載するクルクミノイド含有錠剤。前記アルファ化デンプンが、馬鈴薯及びコーンスターチからなる群から選択される少なくとも1種に由来するものである、請求項1または2に記載するクルクミノイド含有錠剤。クルクミノイドを被覆している脂質が、炭素数8〜22の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪酸またはその混合物である、請求項1〜3のいずれかに記載するクルクミノイド含有錠剤。下記の工程を有するクルクミノイド含有錠剤の製造方法: (1)脂質で被覆されたクルクミノイド及びアルファ化デンプンを混合する工程、 (2)上記(1)工程で得られた混合物を、性溶剤及び熱からなる群から選択される少なくとも1種の存在下で造粒する工程、 (3)上記(2)工程で得られた造粒物を、必要に応じて他成分と混合して、打錠成型する工程。上記(2)の工程が熱存在下での造粒工程であって、当該造粒工程が70℃以上の温度雰囲気下で造粒を行う工程である、請求項5に記載する製造方法。

说明书全文

本発明はクルクミノイドを含有する錠剤に関する。より詳細には、良好な崩壊性を有するクルクミノイド含有錠剤及びその製造方法に関する。また、崩壊剤を含みながらも、まだら模様や斑点などの外観不良の発生が有意に抑制されてなるクルクミノイド含有錠剤及びその製造方法に関する。

クルクミノイドはウコン(ターメリック、学名Curcuma longa)などに含まれる黄色のポリフェノール化合物であり、肝臓の解毒機能を強化する作用や胆汁の分泌を促進する作用を有することから、従来から肝機能を向上させる効果やコレステロール値を低下させる効果が期待されている。また最近では、年齢とともに低下する記憶や注意力を改善する作用も報告されている。

しかしながら、クルクミノイドは脂溶性の成分であるために溶けにくく、そのまま摂取しても体内への吸収率はあまり高くない。このため、クルクミノイドの生体吸収性を向上させるための試みが数多くなされている。例えばゴッタ(Gota et al.,)らは、クルクミノイド粉体の周囲を油脂で被覆することで、小腸からの体内への吸収性が格段に向上することを報告している(非特許文献1)。またサリー(Sally A. et al.,)らは、クルクミノイドを酸化防止剤、及び必要に応じてグルクロニド化阻害剤と組み合わせて、脂質ミセル化、マイクロカプセル化、または脂質ナノ粒子化することで、クルクミノイドのバイオアベイラビリティーが向上することを報告している(特許文献3)。

ところで、医薬品、栄養補助食品、サプリメント等を手軽に簡便に服用するための剤型として錠剤が好まれている。しかし、錠剤は、顆粒剤、散剤、及びカプセル剤等と異なり、服用しても胃や腸内で崩壊するまでに一定の時間を要し、即効性に欠けるという短所がある。特に、錠剤の製造原料として、表面を油脂で被覆したクルクミノイド粉体を用いることで、その崩壊性はより一層低下することが予想される。また、錠剤は、配合成分の一部に、混合しにくい成分、変色しやすい成分または着色成分を含んでいる場合、成型時または保存時に、まだら模様や斑点などの外観不良が生じやすいという問題があり、これを解消するには、変色低減剤を配合したり(特許文献1)、また裸錠の表面を、別途、着色したコーティングト剤(コート層)で被覆する工程を設ける必要がある(特許文献2)。特にクルクミノイドの場合、それ自体が褐色を有するため、賦形剤や崩壊剤等の通常白色の医薬品添加剤と混合して錠剤化すると、まだら模様や斑点などの外観不良が顕著化するという問題がある。

特開2014−47182号公報

特開2013−179905号公報

米国特許第9192644号公報

Gota et al., J Agric Food Chem. 2010 Feb 24;58(4):2095-9. doi: 10.1021/jf9024807.

本発明は、体内吸収性に優れた脂質被覆クルクミノイドを原料として使用しながらも、良好な崩壊性を有するクルクミノイド含有錠剤、つまり良好な崩壊性と吸収性を備えたクルクミノイド含有錠剤、並びにその製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、崩壊剤等の医薬品添加剤を配合した場合でも、まだら模様や斑点などの外観不良が少ないため、表面をコーティング層で被覆する必要がなく、裸錠(素錠)の状態で供給可能なクルクミノイド含有錠剤、及びその製造方法を提供することを課題とする。

本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねていたところ、クルクミノイド含有錠剤の配合成分として、脂質被覆クルクミノイドとともに、崩壊剤としてアルファ化デンプンを用いることで、打錠成型によって得られる錠剤の崩壊性が格段に向上することを見出した。また、白色の崩壊剤と褐色の脂質被覆クルクミノイドを用いて錠剤を製造すると、通常、まだら模様や斑点のある錠剤が得られるものの、クルクミノイド含有錠剤の製造に際して、白色の崩壊剤としてアルファ化デンプンを用い、且つ水性溶剤の存在下で湿式造粒するか、または/および、加温条件下で造粒することで、脂質被覆クルクミノイドと崩壊剤に起因するまだら模様や斑点等の発生が有意に抑制された外観良好な裸錠(素錠)が得られることを見出した。

本発明はこれらの知見に基づいて完成したものであり、下記の実施形態を有することを特徴とする。

(I)崩壊性良好なクルクミノイド含有錠剤 (I−1)クルクミノイドと崩壊剤を含有する錠剤であって、 前記クルクミノイドが脂質で被覆されたクルクミノイドであり、 前記崩壊剤がアルファ化デンプンであることを特徴とする、クルクミノイド含有錠剤。 (I−2)前記アルファ化デンプンのアルファ化度が30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上である、(I−1)に記載するクルクミノイド含有錠剤。 (I−3)前記アルファ化デンプンが馬鈴薯およびコーンスターチからなる群から選択される少なくとも1種に由来するものである、(I−1)または(I−2)に記載するクルクミノイド含有錠剤。 (I−4)クルクミノイドを被覆している脂質が、炭素数8〜22の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪酸またはその混合物である(I−1)〜(I−3)のいずれかに記載するクルクミノイド含有錠剤。

(II)クルクミノイド含有錠剤の製造方法 (II−1)下記の工程を有するクルクミノイド含有錠剤の製造方法: (1)脂質で被覆されたクルクミノイド及びアルファ化デンプンを混合して混合物を調製する工程、 (2)上記(1)工程で得られた混合物を、水性溶剤及び熱からなる群から選択される少なくとも1種の存在下で造粒して造粒物を調製する工程、 (3)上記(2)工程で得られた造粒物を、必要に応じて他成分と混合して、打錠成型して錠剤を調製する工程。 (II−2)上記(2)の造粒工程が、熱の存在下、具体的には70℃以上の温度雰囲気下で造粒を行う工程である、(II−1)に記載する製造方法。 (II−3)前記アルファ化デンプンのアルファ化度が30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上である、(II−1)または(II−2)に記載する製造方法。 (II−4)前記アルファ化デンプンが馬鈴薯及びコーンスターチからなる群から選択される少なくとも1種に由来するものである、(II−1)〜(II−3)のいずれかに記載する製造方法。 (II−5)クルクミノイドを被覆している脂質が、炭素数8〜22の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1種の脂肪酸またはその混合物である、(II−1)〜(II−4)のいずれかに記載する製造方法。

(III)クルクミノイド含有錠剤の崩壊性向上方法 (III−1)クルクミノイド含有錠剤の崩壊性を向上する方法であって、 当該錠剤の製造において、配合成分としてクルクミノイド及び崩壊剤を用い、 当該クルクミノイドは脂質被覆クルクミノイドであり、当該崩壊剤はアルファ化デンプンであることを特徴とする、上記方法。 (III−2)前記アルファ化デンプンのアルファ化度が30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上である、(III−1)に記載する方法。 (III−3)前記アルファ化デンプンが馬鈴薯及びコーンスターチからなる群から選択される少なくとも1種に由来するデンプンである、(III−1)または(III−2)に記載する方法。 (III−4)クルクミノイド含有錠剤の製造工程において、脂質被覆クルクミノイド及びアルファ化デンプンの粉体混合物の造粒工程を、水性溶剤及び熱からなる群から選択される少なくとも1種の存在下で行うことを特徴とする(III−1)〜(III−3)のいずれかに記載するクルクミノイド含有錠剤の崩壊性向上方法。

(IV)クルクミノイド含有錠剤(素錠)の色むら抑制方法 (IV−1)脂質被覆クルクミノイドと崩壊剤を含有するクルクミノイド含有錠剤の色むら抑制方法であって、 上記崩壊剤としてアルファ化デンプンを用い、 脂質被覆クルクミノイド及びアルファ化デンプンの粉体混合物の造粒工程を、水性溶剤及び熱からなる群から選択される少なくとも1種の存在下で行うことを特徴とする、上記方法。

クルクミノイドとして脂質被覆クルクミノイドを使用し、また崩壊剤としてアルファ化デンプンを使用することで、崩壊性に優れたクルクミノイド含有製剤を調製することができる。前述するように、クルクミノイドを脂質で被覆することで体内吸収性(経口アベイラビリティー)が向上することが知られている。このため、本発明のクルクミノイド含有製剤は、崩壊性に優れるとともに体内吸収性に優れていると考えられるので、高い経口アベイラビリティーを発揮し得る。

また脂質被覆クルクミノイドとアルファ化デンプンの粉体混合物の造粒工程を、水存在下で行うか、加熱条件下で行うか、または両条件下で行うことで、当該条件をいずれも採用せずに造粒した場合と比較して、まだら模様または斑点といった外観不良(色むら)の発生を有意に抑制することができる。このため、脂質被覆クルクミノイドに加えて崩壊剤としてアルファ化デンプンを用い、且つ上記造粒工程を採用して錠剤を製造することで、崩壊性及び体内吸収性に優れ、経口バイオアベイラビリティーが向上したクルクミノイド含有錠剤が調製できるだけでなく、色むらが有意に抑制できるため、着色料を配合したり表面をコーティングしなくても、外観良好なクルクミノイド含有錠剤(素錠、裸錠)を製造することができる。

実験例2で調製した各クルクミノイド含有錠剤(サンプルA〜E)の外観を写した画像を示す。

実験例2で調製した各クルクミノイド含有錠剤(サンプルA〜E)表面の色差を測定し、サンプルAをコントロールとしてΔE値を求めた結果を示す。

実験例2で調製した各クルクミノイド含有錠剤(サンプルA〜E)表面を、SEM顕微鏡を用いて観察した結果を示す。

(I)クルクミノイド含有錠剤 本発明が対象とするクルクミノイド含有錠剤は、脂質で被覆されたクルクミノイド(脂質被覆クルクミノイド)及びアルファ化デンプンの少なくとも2種を用いて錠剤化されてなるものである。以下、これらの成分について説明する。

(A)脂質被覆クルクミノイド クルクミノイドとは、ウコンに含まれているポリフェノールの一種の色素である。ウコン色素には、クルクミノイドとして、クルクミン、デメトキシクルクミン(ジメトキシクルクミンとも称される)、及びビスデメトキシクルクミン(ビスジメトキシクルクミンとも称される)が3〜6質量%の割合で含まれていることが知られている。なお、ウコン色素に含まれるクルクミノイドの構成比は、クルクミンが約70〜75質量%、デメトキシクルクミンが約15〜20質量%、及びビスデメトキシクルクミンが約15〜20質量%といわれている。本発明が対象とするクルクミノイドには、上記3種に加えて、クルクミンの代謝産物であるテトラヒドロクルクミン、及びクルクミンのプロドラッグであるクルクミンエステルも含まれる。これらのクルクミノイドのうち、テトラヒドロクルクミンは、クルクミンと同様に疎水性で、水に難溶性であり、また体内で速やかにグルグロン酸化または硫酸化されるものの、クルクミンと異なり、生理学的pH(塩基性pH)条件でも安定であり、バイオアベイラビリティが高いことを特徴とする。クルクミノイドとして好ましくはクルクミン、及びテトラヒドロクルクミンであり、より好ましくはクルクミンである。本発明のクルクミノイド含有錠剤は、これらのクルクミノイドを一種以上含むものであり、好ましくは少なくともクルクミンを含有するものであればよい。またクルクミンと他の1種以上のクルクミノイドを任意に組み合わせて含有するものであってもよく、例えばウコン色素と称されるクルクミン、デメトキシクルクミン、及びビスデメトキシクルクミンを含有するものであってもよい。

本発明が対象とする脂質被覆クルクミノイドは、上記クルクミノイドの粉体表面が脂質で被覆されてなるものである。ここで対象とする脂質は、可食性のものであればよく、具体的には脂肪酸、食用油、リン脂質、及び胆汁酸を挙げることができる。これらの脂質は1種単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。

脂肪酸としては、炭素数8〜22の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1以上の脂肪酸を挙げることができる。炭素数8〜22の脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、デカン酸及びベヘン酸などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。好ましくは炭素数10〜20の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸の中から選択される脂肪酸であり、なかでも好ましくは、融点が45〜70℃程度の範囲にある炭素数12〜18の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸の中から選択される脂肪酸である(ラウリン酸:約48℃、ミリスチン酸:約53℃、パルミチン酸:約64℃、ステアリン酸:約69℃)。これらの脂肪酸(油脂)は1種単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。また脂肪酸として、上記脂肪酸を含有する天然油脂由来の混合脂肪酸を用いることもできる。

天然油脂としては、例えば、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、白カラシ油、ゴマ油、米ぬか油、サフラワー油、シアナット油、シナキリ油、大豆油、茶実油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、ヤシ油、及び落花生油等の植物性油脂;馬脂、脂、豚脂、山羊脂、乳脂、魚脂、魚油及び鯨油等の動物性油脂;これらの油脂に水素添加した硬化油;これらの油脂のエステル交換物(油脂と脂肪酸または脂肪酸エステルとのエステル交換を含む);パーム油やヤシ油などの高融点部分を集めた分画油脂が挙げられる。これらは、前述する食用油に含まれる。前述する通り、好ましくは炭素数8〜22の脂肪酸、好ましくは炭素数10〜20、より好ましくは炭素数10〜18の脂肪酸、特に好ましくは炭素数12〜18の脂肪酸を含有する天然油脂またはその加工油である。好ましくは融点が45〜70℃の範囲にある油脂である。これらの油脂(食用油)は1種単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。さらに上記脂肪酸と任意に組み合わせて使用することもできる。

リン脂質としては、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、及びホスファチジルイノシトール、並びにこれらを含むレシチン(大豆レシチン、卵レシチン等)を例示することができる。これらのリン脂質は1種単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。さらに上記脂肪酸又は食用油と任意に組み合わせて使用することもできる。

胆汁酸としては、デオキシコール酸、及びそのコンジュゲート(例えば、グリココール酸塩、タウロコール酸塩等のアミノ酸コンジュゲート)を挙げることができる。これらの胆汁酸は1種単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。さらに上記脂肪酸、食用油、又はリン脂質と任意に組み合わせて使用することもできる。

こうした脂質で被覆されたクルクミノイド(脂質被覆クルクミノイド)は、例えばニーダーミキサー、ポニーミキサー、垂直スクリュー型ミキサー、フラッシュミキサー、プレッシャーミキサー等の撹拌混合機にクルクミノイドを入れ、撹拌しているところに、前述する脂質を添加し混合することで調製することができる。この場合、添加する脂質は液状になるように、予め融点以上の温度で加熱し融解しておくことが好ましい。

脂質による被覆方法は、上記方法に制限されず、他の方法として、脂質ミセル化方法を例示することができる。

脂質ミセル化方法としては、例えば、Began Gら(Began G et al., J Agric Food Chem., 1999 December;47(12):4992-7)の方法を改変したプロトコールを使用することができる。具体的な脂質ミセル化方法は、米国特許第9,192,644号公報に記載されており、それによると、例えばクルクミン(100mg)をデオキシコレート(DOC)とホスファチジルコリン(PC)との混合物(DOC/PCのモル比:2)に加えて、一緒にクロロホルム/メタノール(2:1容量)混合物に可溶化し、次いでこの混合物から溶媒を蒸発させて窒素で乾燥した後、リン酸緩衝生理食塩水中(pH7.4)で再懸濁(5mg/ml)し、これを5分間超音波処理することで脂質ミセル化された(脂質で被覆された)クルクミンを調製することができる。

これらの被覆工程により、クルクミノイドが被覆されたことは、例えば、電子顕微鏡観察により確認することができる。

なお、クルクミノイドを加水分解から防止するために、脂質による被覆に際してクルクミノイドに加えて酸化防止剤(抗酸化剤)を併用し、一緒に脂質で被覆粉末化してもよい。ここで酸化防止剤としては、制限されないものの、具体的にはアスコルビン酸、アスコルビン酸のアシル化誘導体、α−リポ酸、ビタミンE及びその誘導体、N−アセチルシステイン、及び還元グルタチオン等を挙げることができる。好ましくは水溶性の酸化防止剤であり、かかるものとしてアスコルビン酸及びそのアシル化誘導体を挙げることができる。

また、クルクミノイドの経口バイオアベイラビティーを上げる目的で、脂質による被覆に際して、クルクミノイドに加えてグルクロニド化抑制剤を併用し、一緒に脂質で被覆粉末化してもよい。ここでグルクロニド化抑制剤としては、制限されないものの、例えばテトラヒドロクルクミン、ピペリン(Bioperine[登録商標])、及びプロベンシド(Probene[登録商標])等が例示される。なお、テトラヒドロクルクミンは、前述するようにクルクミンの代謝物であり、クルクミノイドに含まれる成分であるが、クルクミンよりもグルクロニド化(グルクロン酸抱合化)による代謝・排泄に対して安定であるとともに、またクルクミンと併用することでクルクミンのグルクロニド化を抑制し、クルクミンの経口バイオアベイラビティーを上げる作用があることが知られている(特許文献3等参照)。

本発明で用いる脂質被覆クルクミノイドは、粉体形状を有し、その表面が上記するように脂質で被覆されてなるものである。脂質被覆クルクミノイド粉体の平均粒子径は、制限されないものの、好ましくは100〜500μmであり、より好ましくは150〜365μmである。ここで平均粒子径は、ふるい分け試験方法(JIS 8815-1994)を用いて測定することができる。具体的には、JIS Z 8801に規定する篩いを用いて、脂質被覆クルクミノイド粉体をふるい分け、それぞれの篩い上に残った試料の質量を計測し、グラフに累積分布を記載して平均粒子径を求める。

かかる粉体形状を有する脂質被覆クルクミノイド(脂質被覆クルクミノイド粉体)は、上記方法によって調製されるものを使用してもよいし、また簡便には商業的に入手できるものを使用することもできる。商業的に入手できるものとしては、ウコン色素の粉体表面が高級脂肪酸及びレシチン等で被覆してなる商品「ロングヴィーダ」(商品名)(株式会社オムニカ)を挙げることができる。

(B)アルファ化デンプン 本発明のクルクミノイド含有錠剤においてアルファ化デンプンは崩壊剤として機能する。

アルファ化デンプンとしては、上記機能を果たすものであればよく、この限りにおいて特に制限されるものではないが、例えば、全部または部分的にアルファ化されたコーンスターチ、ワキシーコンスターチ、小麦澱粉、粳米澱粉、糯米澱粉、タピオカ澱粉、サゴヤシ澱粉、緑豆澱粉、馬鈴薯澱粉、サツマイモ澱粉等が挙げられる。これらは1種単独で使用することもできるし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。好ましくは全部または部分的にα化されたコーンスターチ、及び馬鈴薯澱粉を例示することができる。

アルファ化(糊化度)の程度は30%以上を挙げることができる。好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上である。アルファ化(糊化度)の上限は100%を限度として制限されないが、好ましくは90%、より好ましくは80%である。なお、本明細書においてアルファ化度は、グルコアミラーゼ第二法によって測定された値を意味する。

アルファ化デンプンは、本発明のクルクミノイド含有錠剤の製造に際して、前述する脂質被覆クルクミノイドと同様に、粉体形状を有するものが使用される。制限されないが、脂質被覆クルクミノイド粉体と混合した際にできるだけ均一に分散し混じりあうように、使用する脂質被覆クルクミノイド粉体と同じまたは類似する平均粒子径及び粒度分布度を有するように調整することが好ましい。制限されないが、具体的には、平均粒子径として好ましくは50〜150μmである。当該平均粒子径も、脂質被覆クルクミノイド粉体と同様、ふるい分け試験方法(JIS 8815-1994)を用いて測定することができる。

(C)クルクミノイド含有錠剤 本発明のクルクミノイド含有錠剤は、前述する脂質被覆クルクミノイド及びアルファ化デンプンを含有することを特徴とし、少なくともこれら2成分を含む混合物を錠剤の形状に圧縮成形することで製造することができる。

本発明のクルクミノイド含有錠剤に含まれる脂質被覆クルクミノイドの割合は、クルクミノイド含有錠剤100質量%あたり、通常10〜95質量%の範囲から設定調整することができる。好ましくは20〜80質量%であり、より好ましくは30〜70質量%である。

また本発明のクルクミノイド含有錠剤に含まれるアルファ化デンプンの割合は、クルクミノイド含有錠剤100質量%あたり、通常5〜50質量%の範囲から設定調整することができる。好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは20〜50質量%である。またアルファ化デンプンは、制限されないが、クルクミノイド含有錠剤に含まれる脂質被覆クルクミノイドの100質量部に対して30〜200質量部の範囲で配合することが好ましい。好ましくは50〜150質量部であり、より好ましくは50〜100質量部である。

本発明のクルクミノイド含有錠剤は、本発明の効果を妨げないことを限度として、上記成分に加えて、アルファ化デンプン以外の崩壊剤、結合剤、賦形剤、流動化剤、pH調整剤(緩衝剤)、湿潤剤、矯味剤、及び滑沢剤等からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を配合して調製することができる。ここで添加剤は、製剤(錠剤)に含まれる有効成分(クルクミノイド)以外の物質、言い換えれば薬理作用を発揮しない物質であり、錠剤化を容易にする、品質の安定化を図る、使用性を高めるなどの目的で配合されるものが含まれる。

制限はされないが、結合剤としては、一例として結晶セルロース、結晶セルロース・微粒酸化珪素、セルロース誘導体、糖アルコール、還元麦芽糖水飴等;賦形剤としては、一例として乳糖、デキストリン、コーンスターチ等のデンプン等;pH調整剤(緩衝剤)としては、一例としてクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等:流動化剤としては、一例として微粒二酸化ケイ素等;滑沢剤としては、一例として、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトシウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、微粒二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、植物油脂、硬化油等を挙げることができる。

なお、本発明のクルクミノイド含有錠剤は、クルクミノイド自体が有色成分であるので、着色剤を配合する必要はないが、配合を制限するものではない。着色剤として、一例として酸化チタン、酸化鉄を挙げることができる。

これらの添加剤は、本発明の効果を妨げない範囲で、各添加剤の配合目的に応じた割合で配合すればよく、その限りにおいて特に制限されるものではない。

本発明のクルクミノイド含有錠剤は、下記(II)に説明する方法で製造することができる。

(II)クルクミノイド含有錠剤の製造方法 本発明のクルクミノイド含有錠剤は、公知の錠剤の製造方法(打錠法)を用いて製造することができる。好ましくは、前述する脂質被覆クルクミノイド粉体とアルファ化デンプン粉体とを混合する工程(混合工程)、当該混合工程によって得られる粉体混合物を造粒する工程(造粒工程)、及び調製した造粒物を打錠して錠剤に成型する工程(打錠工程)を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の工程を含む方法で製造することができる。

(1)混合工程 当該混合工程は、前述する脂質被覆クルクミノイド粉体とアルファ化デンプン粉体とを混合する工程である。混合する割合は、前述した通りであり、当該記載はここに援用することができる。本発明の効果を妨げないことを限度として、混合する際に、脂質被覆クルクミノイド粉体及びアルファ化デンプン粉体以外の成分を配合することもでき、かかる成分として、制限されないものの、例えば前述する酸化防止剤、グルクロニド化抑制剤等を挙げることができる。

混合方法としては、特に制限はなく、常法により混合することができる。前記混合には、装置を用いることができ、該装置としては、例えば、コンテナタンブラー、V型混合機、ボーレコンテナミキサーなどが挙げられる。また混合工程は、制限されないものの、慣用の製剤化工程で採用される通常の湿度条件下(相対湿度30〜80%)、室温(25±5℃)の条件で実施することができる。

(2)造粒工程 造粒工程は、前述する(1)混合工程で調製された粉体混合物を造粒して造粒物を調製する工程である。

造粒の方法としては、当該粉体混合物が造粒され得る方法であればよく、目的に応じて公知の方法を適宜選択することができる。具体的には、前記脂質被覆クルクミノイド粉体とアルファ化デンプン粉体、更に必要に応じて、その他の成分の粉体混合物を練合、捏和、及び/又は攪拌し、適宜水性溶剤を添加若しくは噴霧する方法などが挙げられる。

ここで使用される水性溶剤としては、粉体混合物を湿潤することができるものであればよく、特に制限されないが、例えば、水、エタノール、含水エタノールなどが挙げられる。好ましくは水である。水としては、蒸留水、イオン交換水、純水、RO水、を用いることができるが、好ましくは蒸留水、イオン交換水、純水、及びRO水であり、よりこのましくはイオン交換水である。

使用する水性溶剤の量は、特に制限はないが、前記粉体混合物100質量部に対して、通常10〜30質量部の範囲から適宜設定調整することができる。溶剤の量が10質量部を大きく下回ると、本発明の効果、特にまだら模様や斑点などの外観不良を抑制するという効果が得られ難くなる傾向がある。一方、溶剤の量が30質量部を大きく上回ると、造粒に時間がかかり製造効率が悪くなること、造粒顆粒が大きくなりすぎて打錠不良が発生する等といった不都合が生じ易くなる傾向がある。

水性溶剤の添加方法(噴霧方法)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、使用する造粒装置に設けられた噴霧手段、例えば、スプレーガン、噴霧ノズル等から噴霧する方法などが好適に挙げられる。このとき、噴霧条件としては、特に制限はなく、公知の条件から、目的に応じて噴霧量、噴霧する霧粒子(ミスト)の大きさ、噴霧時間、噴霧間隔などを適宜選択することができる。

後述する実験例2のサンプルCで示すように、造粒工程において粉体混合物に対して水性溶剤を添加(噴霧)して溶剤の存在下で造粒することで、水性溶剤を使用せずに造粒した場合と比較して、まだら模様や斑点などの外観不良を有意に抑制することができる。但し、当該水性溶剤の添加は必須操作ではなく、例えば後述する実験例2のサンプルDに示すように造粒工程を加熱条件で行うことで、水性溶剤を使用せずとも、上記外観不良を有意に抑制することができる。

造粒工程で使用される造粒装置としては、特に制限はなく、公知の造粒装置の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、転動流動コーティング装置(例えば、転動流動コーティング装置-MP-1、株式会社パウレック製など)、遠心流動型コーティング造粒装置(例えば、グラニュレックス(フロイント産業株式会社製など)、複合型造粒コーティング装置(例えば、スパイラフロー(フロイント産業株式会社製など)、流動層造粒乾燥装置(例えば、GPCG/WSG-Tシリーズ(株式会社パウレック製)、フローコーター(フロイント産業株式会社製など)、微粒子コーティング・造粒装置-SFPシリーズ(株式会社パウレック製)、微粒子コーティング装置GPCG-SCPシリーズ(株式会社パウレック製)、撹拌混合造粒装置(例えば、バーチカルグラニュレーター、株式会社パウレック製)などが好適に挙げられる。これらの中でも、転動流動コーティング装置及び/又は流動層造粒乾燥装置が好ましい。

造粒工程で採用される温度条件は、目的に応じて5〜100℃の範囲で適宜選択することができる。具体的には、まだら模様や斑点などの外観不良を抑制するという本発明の効果を達成するうえで、造粒工程において前述する水性溶媒の添加(噴霧)を行う場合は、上記の通り5〜100℃の範囲から選択することができる。好ましくは5〜80℃であり、より好ましくは10〜40℃である。一方、造粒工程において前述する水性溶媒の添加(噴霧)を行なわない場合に、上記効果を達成するためには、40℃以上の温度条件下で行うことが好ましい。好ましくは40〜100℃の範囲であり、より好ましくは40〜70℃である。つまり、まだら模様や斑点などの外観不良を抑制するという本発明の効果を達成するうえで、造粒工程は、水性溶媒の存在下、及び加熱条件下のいずれか少なくとも一方の条件下で実施されることが好ましく、両条件のもとで実施してもよい。つまり、造粒工程を水性溶媒の存在下で行う場合であっても、40℃以上の加熱条件下で行うこともできる。この場合の温度条件としては40〜100℃、好ましくは40〜70℃の範囲を例示することができる。

造粒工程での加熱は、上記造粒装置を加温して行うこともできるし、また造粒装置に供給する気体の温度を制御することで実施することもできる。

従って、造粒工程の給気温度としては、上記目的に応じて適宜選択することができる。前述の通り、造粒工程で水性溶媒の添加(噴霧)を行う場合は5〜100℃、好ましくは5〜80℃℃を採用することできる。一方、造粒工程で水性溶媒の添加(噴霧)を行なわない場合は50℃以上、好ましくは50〜100℃、より好ましくは50〜70℃を採用することができる。

造粒工程の排気温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。通常、20〜45℃が好ましく、25〜40℃程度がより好ましい。

造粒工程の時間としては、目的の造粒ができる時間であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。通常15〜60分間程度を挙げることができ、好ましくは20〜50分間程度である。

斯くして調製される造粒物の大きさ(メジアン径:d50)としては、特に制限はなく、適宜選択することができる。制限はされないものの、100〜700μmが好ましく、300〜500μmがより好ましい。前記メジアン径(d50)が、100μm未満であると、打錠工程において凝集が発生し、製造効率が悪くなることがあり、700μmを超えると、打錠工程において偏析が生じること等の問題がある。なお、メジアン径(d50)は、レーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定装置マイクロトラックMT3000II(日機装株式会社製)により測定することができる。なお、前記造粒物を所望の粒子径とするためには、給気温度、排気温度、時間、溶剤の噴霧量などにより調整することができる。

(3)乾燥工程 上記(2)造粒工程で調製された造粒物は、必要に応じて、乾燥工程に供されてもよい。

乾燥工程を経ることにより、その後に行われる、他成分の混合または/及び打錠工程において、取り扱い性(操作性)がよくなり、得られる生成物の品質も向上する等の点で有利である。乾燥させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば風乾方法、及び加熱乾燥法などが挙げられる。好ましくは風乾法である。前記造粒工程で得られた造粒物は、必要に応じて乾燥工程に供し、好ましくは水分率が3〜5質量%程度になるまで乾燥することができる。

(4)他成分の混合工程 上記((2)工程または(3)工程)で調製された造粒物は、必要に応じて、さらに他成分を配合し、混合してもよい。ここで配合する他成分としては、前述するアルファ化デンプン以外の崩壊剤、結合剤、賦形剤、流動化剤、pH調整剤(緩衝剤)、湿潤剤、矯味剤、及び滑沢剤等からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を例示することができる。混合方法については、前記(1)に記載する方法を同様に採用することができる。

(5)打錠工程 当該打錠工程は、少なくとも脂質被覆クルクミノイド粉体とアルファ化デンプン粉体との混合物の造粒物を打錠して錠剤(素錠、裸錠)を調製する工程である。

打錠工程における充填加圧時の圧力(打錠圧)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。通常1〜2t(10〜20kN)である。当該圧力が、1t(10kN)を大きく下回ると、十分な硬度が得られず錠剤がもろくなることや、スティッキングが発生することがある。2t(20kN)を大きく超えると、キャッピングが発生することがある。一方、前記圧力が、前記より好ましい範囲であると、十分な硬度の錠剤が得られ、スティッキングやキャッピングの発生を抑制できるなど、打錠障害を抑制することができる点で有利である。

打錠成形に用いる装置としては、制限されないものの、例えば、打錠機(例えば、HT-APSS型、HT-AP-MS型、HT-X-SS型、HT-X-MS型(以上、株式会社畑鉄工所製);VIRGO、AQUARIUS、LIBRA(以上、株式会社菊水製作所製))などが挙げられる。

(6)その他の工程 その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕工程、整粒工程などが挙げられる。

粉砕工程は、例えば造粒工程の前に、造粒に使用する粉体混合物の粒子径が大きくなりすぎないようコントロールするため、事前に粉砕する処理工程として採用することができる。粉砕する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕式造粒機(パワーミル)などが挙げられる。また整粒工程は、脂質被覆クルクミノイド粉体、アルファ化デンプン、及び/またはこれらの粉体混合物の造粒物を整粒し、均一な粒子径とする工程である。これにより、前記打錠工程において、取り扱い性(操作性)を向上させることが可能になる。なお、整粒方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所望の目開きを有する篩を用いる方法などが挙げられる。

以下に実施例を示して本発明を詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。

実験例1 クルクミノイド含有錠剤の製造、及び崩壊性評価 (1)クルクミノイド含有錠剤の製造 表1に記載する成分を用いて、各種のクルクミノイド含有錠剤(実施例1及び2、比較例1及び2)を製造した。なお、ここでクルクミノイドとして脂質被覆クルクミノイド粉体製剤(商品名:ロングヴィーダ、株式会社オムニカから入手。以下の実験例においても同じ)を使用した。当該脂質被覆クルクミノイド粉体製剤はクルクミノイド粉体の表面が炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1種の脂質でコーティングされていることを特徴とする。

実施例1及び2、比較例1及び2の調製方法 表1に記載する組成に基づいて、下記の方法に従って、各種のクルクミノイド含有錠剤(実施例1〜2、比較例1〜2)を調製した。

[製造方法] 1.脂質被覆クルクミノイド粉体製剤と崩壊剤を表1に記載する割合で混合し、得られた混合粉体を、流動層造粒機(MP-01、パウレック社製)で40℃まで加熱する。

2.流動層造粒機に50℃の給気を送りながら、混合粉体全量の2割(質量部)に相当する量のイオン交換水を流速0.59kg/min、アトマイズ風量800L/minで噴霧する。

3.混合粉体の水分率が3〜5質量%になるまで乾燥する。

4.斯くして調製した造粒物に、他の原料をあわせて混合し、混合物とする。

5.調製した混合物から280mgを量りとり、直径9mmの錠剤が製造できる臼杵を有するロータリー式打錠機(Virgo、菊水社製)に供して、25℃条件で充填深さ7.0mm、予圧圧縮厚み1.6mm、本圧圧縮厚み1.2mmに設定し、打錠圧の表示が約1.5t(15kN)にて錠剤を製造する。

(2)クルクミノイド含有錠剤の崩壊性評価 上記で製造したクルクミノイド含有錠剤(実施例1〜2、及び比較例1〜2)を日本薬局方の規定に従って崩壊試験に供し、崩壊時間を測定した。

具体的には、上記で調製した各クルクミノイド含有錠剤(実施例1〜2、比較例1〜2)を崩壊試験機(富山産業株式会社製:NT-1HM)のバスケットの6つの穴に一粒ずつ入れ、その上から補助盤を入れた。次いでこのバスケットをビーカーに入れた所定量の水(37℃±2℃)に浸漬し、水中で上下に振動させて(29〜32往復/分、振幅53〜57mm)、錠剤がバスケット中から完全に無くなる時間を測定して、それを崩壊時間(分)とした。

結果を表2に示す。

比較例1と2の結果の対比から、崩壊剤を使用しない場合(比較例2)と比べて、崩壊剤(ヒドロキシプロピルセルロース)を使用することで若干崩壊時間が短縮されたものの、殆ど効果は認められなかった。一方、崩壊剤としてアルファ化デンプン(実施例1及び2)を使用することで、崩壊時間が格段に短縮することが確認された。このことから、クルクミノイドとして脂質被覆クルクミノイドを使用し、また崩壊剤としてアルファ化デンプンを使用することで、崩壊性と体内吸収性に優れたクルクミノイド含有製剤が調製できることが判明した。

実験例2 クルクミノイド含有錠剤の製造、及び外観評価 下記のクルクミノイド含有錠剤を製造し、外観を評価した。 [サンプル] ・A:脂質被覆クルクミノイド粉体の打錠品 ・B:脂質被覆クルクミノイド粉体と造粒したアルファ化デンプンの打錠品 ・C:脂質被覆クルクミノイド粉体とアルファ化デンプンを水で造粒した打錠品 ・D:脂質被覆クルクミノイド粉体とアルファ化デンプンを加熱造粒した打錠品 ・E:脂質被覆クルクミノイド粉体とアルファ化デンプンを水と熱で造粒した打錠品。

1.クルクミノイド含有錠剤の製造方法 上記サンプルA〜Eを下記方法に従って製造した。

(1)サンプルA: a.表1の比較例2の処方に従って各成分を混合した。 b.調製した混合物から280mgを量りとり、これをφ9mm糖衣R臼杵(ロータリー式打錠機使用)で、25℃、充填深さ7.0mm、予圧圧縮厚み1.6mm、本圧圧縮厚み1.2mmに設定し、打錠圧の表示が約1.5t(15kN)で打錠し、クルクミノイド含有錠剤(サンプルA)を調製した。

(2)サンプルB: a.アルファ化デンプン(馬鈴薯由来)に、流動層造粒機中で50℃の給気を送りながら、アルファ化デンプン全量の20質量%に相当するイオン交換水を噴霧しながら(流速0.59kg/min、アトマイズ風量800L/min)、造粒した。 b.上記で調製したアルファ化デンプン造粒物を水分率が3〜5質量%になるまで乾燥した。 c.上記で調製したアルファ化デンプン造粒物を、表1に記載する「α化デンプン」として用いて、これに表1の実施例1の処方に従って他原料をあわせて混合した。 d.調製した混合物から280mgを量りとり、これをφ9mm糖衣R臼杵(ロータリー式打錠機使用)で、25℃、充填深さ7.0mm、予圧圧縮厚み1.6mm、本圧圧縮厚み1.2mmに設定し、打錠圧の表示が約1.5t(15kN)で打錠し、クルクミノイド含有錠剤(サンプルB)を調製した。

(3)サンプルC: a.脂質被覆クルクミノイド粉体製剤とアルファ化デンプンを表1(実施例1)に記載する割合で混合した。 b.流動層造粒機中で、20℃の給気を送りながら、上記で調製した混合物全量の20質量%に相当する量のイオン交換水を噴霧した(流速0.59kg/min、アトマイズ風量800L/min)。 c.上記で調製した造粒物を水分率が3〜5質量%になるまで乾燥した。 d.上記で調製した乾燥造粒物に、表1の実施例1の処方に従って他原料をあわせて混合した。 e.調製した混合物から280mgを量りとり、これをφ9mm糖衣R臼杵(ロータリー式打錠機使用)で、25℃、充填深さ7.0mm、予圧圧縮厚み1.6mm、本圧圧縮厚み1.2mmに設定し、打錠圧の表示が約1.5t(15kN)で打錠し、クルクミノイド含有錠剤(サンプルC)を調製した。

(4)サンプルD: a.脂質被覆クルクミノイド粉体製剤とアルファ化デンプン(馬鈴薯由来)を表1の実施例1の処方の割合で混合し、得られた混合物を流動層造粒機で40℃まで加熱しながら造粒した。 b.上記で調製した造粒物に、表1の実施例1に記載する割合で他原料を配合して混合する。 c.上記で調製した混合物から280mgを量りとり、これをφ9mm糖衣R臼杵(ロータリー式打錠機使用)で、25℃、充填深さ7.0mm、予圧圧縮厚み1.6mm、本圧圧縮厚み1.2mmに設定し、打錠圧の表示が約1.5t(15kN)で打錠し、クルクミノイド含有錠剤(サンプルD)を調製した。

(5)サンプルE: a.脂質被覆クルクミノイド粉体製剤とアルファ化デンプン(馬鈴薯由来)を表1の実施例1の処方の割合で混合し、得られた混合物を流動層造粒機で40℃まで加熱した。 b.流動層造粒機中に、50℃の給気を送りながら、上記で調製した混合物全量の20質量%に相当する量のイオン交換水を噴霧して(流速0.59kg/min、アトマイズ風量800L/min)造粒した。 c.上記で得られた造粒物の水分率が3〜5質量%になるまで乾燥した。 d.上記で得られた乾燥造粒物に、表1の実施例1に記載する割合で他原料を配合して混合した。 e.得られた混合物から280mgを量りとり、これをφ9mm糖衣R臼杵(ロータリー式打錠機使用)で、25℃、圧力充填深さ7.0mm、予圧圧縮厚み1.6mm、本圧圧縮厚み1.2mmに設定し、打錠圧の表示が約1.5t(15kN)で打錠し、クルクミノイド含有錠剤(サンプルE)を調製した。

2.クルクミノイド含有錠剤の外観評価 上記で調製した各種のクルクミノイド含有錠剤(サンプルA〜E)の外観を写した画像を図1に示す。これらの各錠剤について後述する3方法により外観を評価した。

(1)色差を用いた色むら評価 色差計(CR-300、コニカミノルタ社製)を用いて、クルクミノイド含有錠剤(サンプルA〜E)を打錠成形する前の粉末状態の試料(打錠末)の表面の色差を測定し、サンプルAの打錠末をコントロール(基準)として各々の色差(ΔE値)を測定した。結果を図2に示す。図2に示すように、サンプルAの打錠末との色差ΔE値はサンプルB(打錠末)>サンプルC(打錠末)>サンプルD(打錠末)>サンプルE(打錠末)の順に、サンプルB(打錠末)が最大で、サンプルE(打錠末)が最小であった。

(2)きょう雑物測定図表を用いた錠剤表面のまだら模様サイズの測定 きょう雑物測定図表(朝陽会社製)を用いて、クルクミノイド含有錠剤(サンプルA〜E)表面の褐色模様のサイズを測定した。褐色模様の平均サイズが0.5mm2以上である錠剤を外観不良錠剤と定義した。その結果、サンプルBは外観不良錠剤と判断された。

(3)SEM顕微鏡を用いた錠剤表面の観察 SEM顕微鏡(キーエンス社製)を用いて、クルクミノイド含有錠剤(サンプルA〜D)表面を観察した。結果を図3に示す。図3に示すように、サンプルBは造粒したアルファ化デンプンが凝集している。サンプルCはでアルファ化デンプンが造粒されて固まっているが、クルクミノイド粒子間にも点在している。サンプルDはアルファ化デンプンがサンプルCよりも更にまんべんなく点在している。

クルクミノイド含有錠剤(サンプルA〜E)の外観に関して、上記3つの方法で得られた結果からわかるように、脂質被覆クルクミノイドとアルファ化デンプンの粉体混合物の造粒工程を、水存在下で行うか、加熱条件下で行うか、または両条件下で行うことで、当該条件をいずれも採用せずに造粒した場合と比較して、まだら模様または斑点といった外観不良(色むら)の発生が有意に抑制されていた。このため、脂質被覆クルクミノイドに加えて崩壊剤としてアルファ化デンプンを用い、且つ上記造粒工程を採用して錠剤を製造することで、崩壊性及び体内吸収性に優れ、経口バイオアベイラビリティーが向上したクルクミノイド含有錠剤が調製できるだけでなく、色むらが有意に抑制できるため、着色料を配合したり表面をコーティングしなくても、外観良好なクルクミノイド含有錠剤(素錠、裸錠)を製造することができる。

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