首页 / 专利库 / 酸,碱,盐,酸酐和碱 / 硝酸 / 窒素含有炭素材料の製造方法

窒素含有炭素材料の製造方法

阅读:996发布:2021-06-08

专利汇可以提供窒素含有炭素材料の製造方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】本発明は、酸素還元活性と耐久性との高い窒素含有炭素材料を高い歩留まりで得る製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】本発明は、炭素原料と、窒素原料と、遷移金属原料と、亜鉛塩とを含有する前駆体を熱処理する工程を含む、窒素含有炭素材料の製造方法である。 【選択図】なし,下面是窒素含有炭素材料の製造方法专利的具体信息内容。

炭素原料と、窒素原料と、遷移金属原料と、亜鉛塩とを含有する前駆体を熱処理する工程を含む、窒素含有炭素材料の製造方法。前記亜鉛塩が、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛、及び硝酸亜鉛からなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。前記遷移金属原料が、鉄及び/又はコバルトを含む化合物である、請求項1又は2に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。前記熱処理が、不活性ガス雰囲気下で実施される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。前記熱処理の少なくとも一部が、1000〜1500℃で実施される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。

说明书全文

本発明は、窒素含有炭素材料の製造方法に関する。

固体高分子形燃料電池は、発電効率が高く、出密度が高く、急速な起動停止が可能であり、小型軽量化が可能である、といった利点を持ち、携帯用電源、移動用電源、及び小型定置用発電機等への適用が期待されている。

固体高分子形燃料電池では、その正極で起こる酸素還元反応を促進するために、一般に白金又は白金合金が触媒として用いられる。しかし、白金の資源量が極めて少なく、また高価であるために白金の使用が実用化への大きな障壁となっている。そこで、白金等の貴金属を必要としない燃料電池用電極触媒として窒素を含有することによって酸素還元活性を発現した炭素材料(以下、「窒素含有炭素材料」という。)が注目を集めている。

例えば、特許文献1においては、アズルミン酸と遷移金属とを含むプレカーサーを、まず不活性ガス雰囲気下で熱処理を行い、続いてアンモニア含有ガス雰囲気下で熱処理を行うことで高活性な窒素含有炭素材料を得ている。また、特許文献2においては、窒素原子と遷移金属とを有する原料炭素材料を酸素、空気、蒸気及び二酸化炭素等の酸化性ガス雰囲気下で熱処理し、さらに不活性ガス雰囲気下で熱処理することで高活性な窒素含有炭素材料を得ている。特許文献1におけるアンモニア含有ガス雰囲気下での熱処理や特許文献2における酸化性ガス雰囲気下での熱処理では、主に得られる窒素含有炭素材料の比表面積を増大することにより高活性化を達成していると考えられる。 また、特許文献3においては熱分解性多孔質担体であるBasolite Z1200(BASF社の商標)と、1,10−フェナントロリンと、酢酸鉄(II)とを混合し、アルゴンガス雰囲気下1050℃で熱処理し、続いてアンモニア含有ガス雰囲気下950℃で熱処理することにより、比表面積が高く、高活性な窒素含有炭素材料を得ている。

特開2013−43821号公報

特開2014−97912号公報

国際公開第2012/107838号

従来の製造方法では、原料とアンモニア含有ガスや酸化性ガスとを反応させることで比表面積を増大させているため、得られる窒素含有炭素材料の歩留まりが低いという課題がある。また、従来の製造方法では原料とアンモニア含有ガスや酸化性ガスとの反応により、ガス中のアンモニアや酸化性成分の濃度が低下するため、熱処理炉内の場所によって反応率が変化してしまい得られる窒素含有炭素材料が不均一になってしまう。さらに、アンモニア含有ガス下で熱処理して得られた窒素含有炭素材料は、燃料電池の電極触媒として用いた際に、比較的短時間で発電量が低下してしまう傾向にある。

そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、酸素還元活性と耐久性との高い窒素含有炭素材料を高い歩留まりで得る製造方法を提供することを目的とする。

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、前駆体中に特定の亜鉛化合物を添加して熱処理することによって、酸素還元活性と耐久性との高い均一な窒素含有炭素材料を高い歩留りで製造できることを見出して、本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、下記のとおりである。 [1] 炭素原料と、窒素原料と、遷移金属原料と、亜鉛塩とを含有する前駆体を熱処理する工程を含む、窒素含有炭素材料の製造方法。 [2] 前記亜鉛塩が、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛、及び硝酸亜鉛からなる群から選択される1種以上である、[1]に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。 [3] 前記遷移金属原料が、鉄及び/又はコバルトを含む化合物である、[1]又は[2]に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。 [4] 前記熱処理が、不活性ガス雰囲気下で実施される、[1]〜[3]のいずれかに記載の窒素含有炭素材料の製造方法。 [5] 前記熱処理の少なくとも一部が、1000〜1500℃で実施される、[1]〜[4]のいずれかに記載の窒素含有炭素材料の製造方法。

本発明によると、酸素還元活性と耐久性との高い均一な窒素含有炭素材料を高い歩留りで得る製造方法を提供することができる。

以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。

〔窒素含有炭素材料の製造方法〕 本実施形態の窒素含有炭素材料の製造方法は、炭素原料と、窒素原料と、遷移金属原料と、亜鉛塩と、を含む前駆体を、熱処理する工程を含む。

本実施形態の窒素含有炭素材料の製造方法は、具体的には、炭素原料と、窒素原料と、遷移金属原料と、亜鉛塩と、を含む前駆体を調製する前駆体調製工程;前記前駆体を熱処理し窒素含有炭素材料を得る熱処理工程;を含む。本実施形態の窒素含有炭素材料の製造方法は、前記前駆体調製工程及び熱処理工程からなることが好ましい。

本実施形態の窒素含有炭素材料の製造方法では、前駆体中に亜鉛塩を含むことにより、熱処理中に亜鉛が気化して、得られる窒素含有炭素材料は、比表面積が増大し、酸素還元活性が高くなる。また、従来の製造方法のように、アンモニア含有ガスや酸化性ガス下で熱処理する方法に比べて、耐久性の高い均一な窒素含有炭素材料を高い歩留りで得ることができる。

〔前駆体調製工程〕 前駆体調製工程は、炭素原料、窒素原料、遷移金属原料及び亜鉛塩を含む原料成分を複合化した前駆体を調製する工程である。

(前駆体) 本実施形態において、前駆体とは、炭素原料、窒素原料、遷移金属原料及び亜鉛塩を含む原料成分を複合化したものである。前駆体は、必要に応じて他の成分も含むことができる。

ここで、「複合化」とは、炭素原料、窒素原料、遷移金属原料及び亜鉛塩を含む原料成分が物理的に混合している状態であってもよく、炭素原料、窒素原料、遷移金属原料及び亜鉛塩を含む原料成分が化学結合を形成している状態であってもよい。前駆体中の各原料は、それぞれが均一に分散していることが好ましい。

他の成分としては、特に限定されないが、例えば、ホウ素及び/又はリンを含有する化合物等が挙げられる。

炭素原料、窒素原料、遷移金属原料及び亜鉛塩は、順にそれぞれ炭素原子、窒素原子、遷移金属原子、亜鉛原子を含有しているものであれば特に限定されず、一種類の化合物を複数の原子の原料としてもよく、ある原子の原料として複数の化合物を用いてもよい。

原料としては、特に限定されないが、例えば、炭素原子、窒素原子及び遷移金属原子を含有する金属フタロシアニンを炭素原料、窒素原料及び遷移金属原料としてもよく、炭素原子を含有するカーボンブラックと炭素原子及び窒素原子を含有するポリアニリンとを同時に用いて原料としてもよい。

(炭素原料) 炭素原料としては、特に限定されないが、例えば、有機化合物及び炭素材料が挙げられる。

有機化合物としては、窒素ガス流通下で、1000℃、1時間熱処理を施して得られる炭素材料の収率が1質量%以上である化合物が好ましい。

有機化合物としては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、ポリフルフリルアルコール、フラン、フラン樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリチオフェン、ポリスルフォン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、リグニン、ピッチ、ポリカルバゾール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル及びポリメタクリル酸等が挙げられる。 これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

炭素材料としては、特に限定されないが、例えば、黒鉛、活性炭、アモルファスカーボン、カーボンブラック、石炭、木炭、コークス、カーボンナノチューブ、フラーレン及びグラフェン等が挙げられる。 これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

(窒素原料) 窒素原料としては、特に限定されないが、例えば、窒素原子を有する低分子の有機化合物、窒素原子を有する高分子の有機化合物を用いることができ、それらの2種以上の混合物であってもよい。

窒素原子を有する低分子の有機化合物としては、特に限定されないが、例えば、窒素原子を有する数平均分子量1000未満の有機化合物が挙げられる。

窒素原子を有する低分子の有機化合物としては、具体的には、特に限定されないが、例えば、ジアミノマレオニトリル、フタロシアニン、ポルフィリン、1,10−フェナントロリン、メラミン、アクリロニトリル、ピロール、ピリジン、ビニルピリジン、アニリン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、キノキサリン、ピラゾール、モルホリン、ヒドラジン、ヒドラジド、尿素、サレン、トリアジン及びシアヌル酸等が挙げられる。 これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

窒素原子を有する高分子の有機化合物としては、特に限定されないが、例えば、窒素原子を有する数平均分子量1000以上の有機化合物が挙げられる。窒素原子を有する高分子の有機化合物としては、具体的には、特に限定されないが、例えば、アズルミン酸、ジアミノマレオニトリル重合体、メラミン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−ポリメタクリル酸共重合体、ポリピロール、ポリビニルピロール、ポリビニルピリジン、ポリアニリン、ポリベンゾイミダゾ−ル、ポリイミド、ポリアミド、キチン、キトサン、ポリアミノ酸、絹、毛、核酸、DNA、RNA、ポリウレタン、ポリアミドアミン、ポリカルボジイミド、ポリビスマレイミド及びポリアミノビスマレイミド等が挙げられる。 これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

本実施形態に用いる窒素含有炭素材料は、このような窒素原料を用いて製造することにより、原子比(N/C)を調整することができる。

このなかでも、窒素原料及び炭素原料としては、1,10−フェナントロリンを含むことが好ましく、1,10−フェナントロリン及びフェノール樹脂を含むことがより好ましい。1,10−フェナントロリン及びフェノール樹脂を含むことにより、得られる窒素含有炭素材料の酸素還元活性及び収率がより向上する傾向にある。

(遷移金属原料) 遷移金属原料としては、特に限定されないが、例えば、遷移金属塩、遷移金属錯体を用いることができ、それらの2種類以上の混合物であってもよい。

遷移金属としては、特に限定されないが、例えば、Fe,Co,Ni,Cu,Mn,Cr等が挙げられ、Fe,Co,Cuが好ましく、Fe,Coがより好ましく、Feがさらに好ましい。

遷移金属塩としては、特に限定されないが、例えば、遷移金属の塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸化物、硫酸化物、リン酸化物、酢酸化物、シアン化物等が挙げられる。

遷移金属錯体としては、特に限定されないが、例えば、遷移金属のアセチルアセトン錯体、シクロペンタジエニル錯体、フタロシアニン錯体、ポルフィリン錯体、フェナントロリン錯体等が挙げられる。

遷移金属原料としては、鉄及び/又はコバルトを含む化合物であることが好ましい。

本実施形態の製造方法により製造される窒素含有炭素材料は、このような遷移金属を含むことにより、酸素還元活性がより向上する傾向にある。

鉄(Fe)塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化鉄(II)、塩化鉄(II)四水和物、塩化鉄(III)、塩化鉄(III)六水和物、臭化鉄(II)、臭化鉄(II)六水和物、臭化鉄(III)、臭化鉄(III)六水和物、ヘキサシアノ鉄(II)酸アンモニウム三水和物、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム三水和物、ヘキサシアノ鉄(III)酸アンモニウム、ヘキサシアノ鉄(III)カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸ナトリウム十水和物、ヘキサシアノ鉄(III)酸ナトリウム一水和物、硝酸鉄(II)六水和物、硝酸鉄(III)九水和物、チオシアン酸鉄(III)、炭酸鉄(II)、炭酸鉄(II)一水和物、ヘキサクロロ鉄(III)酸メチルアンモニウム、テトラクロロ鉄(II)酸テトラメチルアンモニウム、ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸カリウム二水和物、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム鉄(III)水和物、ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム二水和物、アンミンペンタシアノ鉄(II)酸ナトリウム三水和物、アクアペンタシアノ鉄(II)酸ナトリウム七水和物、チオシアン酸鉄(II)三水和物、酢酸鉄、シュウ酸鉄(III)五水和物、シュウ酸鉄(II)二水和物、クエン酸鉄(III)三水和物、ヨウ化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)四水和物、硫酸鉄(III)、硫酸鉄(III)九水和物、テトラクロロ鉄(II)酸アンモニウム、過塩素酸鉄(II)六水和物、過塩素酸鉄(III)六水和物、アクアペンタフルオロ鉄(III)酸カリウム、硫酸カリウム鉄(III)十二水和物、ビス(スルファト)鉄(II)二アンモニウム六水和物、トリス(硫酸)鉄(III)酸ナトリウム三水和物、リン酸鉄(III)二水和物、リン酸鉄(II)八水和物、硫酸鉄(II)七水和物等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、硝酸鉄(III)九水和物である。 これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

コバルト(Co)塩としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサシアノコバルト(III)酸カリウム、硝酸コバルト(II)六水和物、フッ化コバルト(II)、臭化コバルト(II)、臭化コバルト(II)六水和物、炭酸コバルト(II)、チオシアン酸コバルト(II)三水和物、酢酸コバルト(II)四水和物、酢酸コバルト(III)、塩化コバルト(II)、塩化コバルト(II)六水和物、テトラクロロコバルト(II)酸セシウム、ヘキサフルオロコバルト(III)酸カリウム、ヨウ化コバルト(II)、ヨウ化コバルト(II)六水和物、ヘキサニトロコバルト(III)酸カリウム、リン酸コバルト(II)、リン酸コバルト(II)八水和物、硫酸コバルト(II)、硫酸コバルト(II)七水和物等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、塩化コバルト(II)、臭化コバルト(II)、硝酸コバルト(II)六水和物である。 これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

ニッケル(Ni)塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)六水和物、臭化ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)六水和物等が挙げられる。 これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

銅(Cu)塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化銅(II)、塩化銅(II)二水和物、臭化銅(II)、硝酸銅(II)二水和物等が挙げられる。 これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

マンガン(Mn)塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化マンガン(II)、臭化マンガン(II)、硝酸マンガン(II)四水和物等が挙げられる。 これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

クロム(Cr)塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化クロム(III)、臭化クロム(III)、硝酸クロム(III)九水和物等が挙げられる。 これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

前駆体中の遷移金属原子の含有量は、前駆体の全量に対し、好ましくは0.01質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.03質量%〜5質量%であり、さらに好ましくは0.05質量%〜3質量%である。前駆体中の遷移金属原子の含有量が上記範囲内であることにより、得られる窒素含有炭素材料の酸素還元活性がより向上する傾向にある。

(亜鉛塩) 本実施形態の製造方法に用いる前駆体は、亜鉛塩を含む。前駆体が亜鉛塩を含むことにより、得られる窒素含有炭素材料は、比表面積が増大し、酸素還元活性が向上する。その詳細な理由は明らかではないが、後述する熱処理の間に、まずは亜鉛塩の周囲の炭素原料及び又は窒素原料が炭素化し、続いて亜鉛塩が還元されて金属亜鉛となり、さらに金属亜鉛が気化することにより細孔が形成されるものと推察される。

本実施形態の製造方法では、アンモニア含有ガスや酸化性ガスとの化学反応で炭素をガス化させることによって細孔を形成する従来の製造方法と比べて、窒素含有炭素材料の歩留まりが高くなる。また、アンモニア含有ガスや酸化性ガスと化学反応させる従来の製造方法では、反応の進行によってガス中のアンモニアや酸化性成分の濃度が低下するため、熱処理炉内の場所によって反応率が変化してしまい得られる窒素含有炭素材料が不均一になってしまうが、本実施形態の製造方法では前駆体中に亜鉛塩を均一分散させるため、熱処理炉内の位置に寄らず均一な窒素含有炭素材料が得られる傾向にある。

さらに、本実施形態の製造方法で得られる窒素含有炭素材料は、アンモニア含有ガスや酸化性ガス下で熱処理する従来の製造方法で得られる窒素含有炭素材料に比べて、燃料電池の電極触媒として用いた場合に、その発電性能が長時間維持される、すなわち耐久性が高い傾向にある。その詳細な理由は明らかではないが、従来の製造方法ではアンモニア含有ガスや酸化性ガスとの化学反応を経たことにより、得られた窒素含有炭素材料の構造が不安定化している可能性が考えられる。

亜鉛塩としては、前駆体中に均一に分散するものが好ましく、そのような亜鉛塩として、例えば、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛及び/又は硝酸亜鉛が好適に挙げられる。

前駆体中の亜鉛化合物の含有量は、前駆体を構成する材料の合計量に対し、好ましくは10質量%〜95質量%であり、より好ましくは20質量%〜90質量%であり、さらに好ましくは20質量%〜80質量%であり、特に好ましくは30質量%〜70質量%である。前駆体中の亜鉛塩の含有量が上記範囲内であることにより、窒素含有炭素材料の細孔径及び細孔容積を適切な範囲に調整することができる。

また、用いる炭素原料及び窒素原料によって、熱処理工程によって得られる窒素含有炭素材料中の窒素含有量が異なるため、窒素含有炭素材料の窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)が所望の範囲になるよう、炭素原料と窒素原料との比率を調整することが好ましい。

原子比(N/C)は、原子比(N/C)の高い窒素原料を用いる及び/又は前駆体中の窒素原料の比率を上げることにより、大きくするように制御することができ、原子比(N/C)の低い窒素原料を用いる及び/又は前駆体中の窒素原料の比率を下げることにより、小さくするように制御することができる。

窒素原料、炭素原料、遷移金属原料及び亜鉛塩を含む原料成分の複合化の方法としては、特に限定されないが、各原料を溶媒に溶かした後に蒸発乾固する方法、各原料をボールミル等で物理混合する方法等が挙げられる。

また、各原料を溶媒に溶かす複合化方法としては、特に限定されないが、例えば、一つの溶媒に全ての原料を溶解させてもよく、それぞれ異なる溶媒に各原料を溶解させた後に各溶媒を混合してもよい。

溶媒としては、特に限定されず、例えば、各原料の溶解度が高い溶媒を適宜選択すればよい。溶媒は、1種類の溶液単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

〔熱処理工程〕 熱処理工程は、炭素原料と、窒素原料と、遷移金属原料と、亜鉛塩と、を含む前駆体を熱処理して、窒素含有炭素材料を得る工程である。

熱処理工程は、一段階の熱処理であってもよく、二段階以上の熱処理であってもよい。また、熱処理工程を二段階以上で行う場合は、その間に他の工程を組み込んでもよい。特に、後述する平均粒子径調整工程を実施する場合は、前記前駆体を熱処理して亜鉛を残したまま炭化する第1の熱処理工程と、前記第1の熱処理工程で得られたサンプルの平均粒子径を調整する平均粒子径調整工程と、前記平均粒子径を調整したサンプルをさらに高温で熱処理して亜鉛を除去する第2の熱処理工程と、をこの順番で行うことが好ましい。

熱処理工程では、前記前駆体を不活性ガス雰囲気下で熱処理することが好ましい。上記不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、窒素、希ガス、真空等を用いることができる。

前記熱処理の少なくとも一部が、1000〜1500℃で実施されることが好ましい。

二段階の熱処理を実施する場合、例えば、第1の熱処理工程の熱処理温度は、好ましくは300〜800℃であり、より好ましくは350〜750℃であり、さらに好ましくは400〜700℃である。第1の熱処理工程の熱処理温度がこの範囲であることにより、熱処理物中に亜鉛を残したまま炭化することができる。また、第2の熱処理工程の熱処理温度は、好ましくは1000〜1500℃であり、より好ましくは1010〜1450℃であり、さらに好ましくは1020〜1400℃であり、特に好ましくは1030〜1350℃である。第2の熱処理工程の熱処理温度が900℃以上であることにより、得られる窒素含有炭素材料は、亜鉛が除去されて目的とする細孔が十分に形成され、また、熱処理温度が1500℃以下であることにより、得られる窒素含有炭素材料は、高い酸素還元活性を示す傾向にある。

不活性ガス雰囲気下における熱処理時間は、好ましくは5分〜20時間であり、より好ましくは10分〜10時間であり、さらに好ましくは20分〜5時間である。熱処理時間が5分以上であることにより、前駆体の炭素化が十分に進行し、亜鉛が十分に除去される傾向にある。また、熱処理時間が20時間以下であることにより、最終的に得られる窒素含有炭素材料の酸素還元活性が高くになる傾向にある。

(遷移金属除去工程) 不活性ガス雰囲気下における熱処理工程の前後に、塩酸や硫酸等を用いて遷移金属の一部を除去してもよい。特に、熱処理によって表面に遷移金属粒子が生成する場合には、酸素還元活性の高い窒素含有炭素材料を得る観点から、該熱処理工程後に遷移金属粒子を除去することが好ましい。遷移金属粒子のできやすさは遷移金属の種類、濃度、分散性、又は熱処理温度等によって変化する。また、遷移金属粒子の除去率を高めるために、熱処理工程と遷移金属除去工程とを繰り返し行うことも好ましい。

〔平均粒子径調整工程〕 本実施形態の製造方法によって製造される窒素含有炭素材料の平均粒子径は、体積平均粒子径であって、電極触媒としての活性と電極内の物質輸送との観点から、1nm以上100μm以下であることが好ましく、5nm以上10μm以下であることがより好ましく、10nm以上1μm以下であることがさらに好ましい。

窒素含有炭素材料の平均粒子径を調整する方法は特に限定されず、前駆体調製工程において前駆体の平均粒子径を制御してもよく、熱処理工程後の窒素含有炭素材料を粉砕して調整してもよい。前駆体調製工程において前駆体の平均粒子径を制御する場合は、特に限定されないが、例えば、炭素原料、窒素原料及び任意で遷移金属原料を含む溶液をスプレードライヤーにて造粒する方法や、重合によって微粒子を得る方法を用いることができる。また、粉砕方法としては、特に限定されないが、例えば、前駆体又は窒素含有炭素材料を、乾式ボールミル、乾式ジェットミル、湿式ビーズミル、湿式ジェットミル等にて粉砕する方法が挙げられる。

〔窒素含有炭素材料〕 本実施形態の製造方法によって製造される窒素含有炭素材料は、BET法による比表面積測定において、比表面積が300〜2500m2/gであることが好ましく、400〜2000m2/gであることがより好ましく、500〜1500m2/gであることが更に好ましい。

比表面積がこの範囲にあることにより、窒素含有炭素材料は高い酸素還元活性と高い耐久性を示す傾向にある。

(原子比(N/C)) 本実施形態の製造方法によって製造される窒素含有炭素材料における、窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)は、好ましくは0.005〜0.300であり、より好ましくは0.010〜0.200であり、さらに好ましくは0.020〜0.150である。

本実施形態の製造方法によって製造される窒素含有炭素材料は、原子比(N/C)が上記範囲内であることにより、酸素還元活性がより高くなる傾向にある。

原子比(N/C)は、上述した窒素含有炭素材料の製造方法において、炭素原料と窒素原料との比率を調整することにより、制御することができる。

なお、本実施形態において、原子比(N/C)は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。

(遷移金属) 本実施形態の製造方法によって製造される窒素含有炭素材料は、遷移金属を含むことによって、高い酸素還元活性が発揮される傾向にある。遷移金属原子としては、特に限定されないが、例えば、Fe、Co、Ni、Cu、Mn、及びCrが挙げられ、好ましくは、Fe、Co、及びCuであり、より好ましくはFe及びCoである。これらの遷移金属原子は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。

本実施形態の製造方法によって製造される窒素含有炭素材料における遷移金属原子の含有率は、それぞれの原子について、好ましくは0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.3〜15質量%であり、さらに好ましくは0.5〜10質量%、よりさらに好ましくは0.5〜3.0質量%である。

遷移金属原子の含有率が上記範囲内であることにより、得られる窒素含有炭素材料は、酸素還元活性がより高くなる傾向にある。

遷移金属原子の含有率は、遷移金属原料の配合量を調整することにより制御することができる。

なお、本実施形態において、遷移金属原子の含有率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。

(Zn) 本実施形態の製造方法によって製造される窒素含有炭素材料は、製造の際に使用される亜鉛塩に由来するZnを含んでいてもよい。

窒素含有炭素材料におけるZnの含有率は、特に制限されず、通常0〜20質量%であればよく、0〜15質量%であってもよく、0〜10質量%であってもよく、0〜3.0質量%であってもよい。

〔燃料電池〕 本実施形態の製造方法によって製造される窒素含有炭素材料は、固体高分子形燃料電池やアニオン交換膜形燃料電池、直接メタノール形燃料電池等の正極に用いることができる。燃料電池の構造は特に限定されないが、主に膜電極接合体(MEA)と正極セパレータと負極セパレータとからなる。

〔MEAの製法〕 MEAの製造方法は特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。例えば、触媒層(正極触媒層、負極触媒層を総称して触媒層という。)の構成成分を溶媒中に分散させたインクを負極側、正極側の両方用意し、高分子電解質膜の片方の主面ともう片方の主面にそれぞれ塗布して乾燥させ、乾燥後にマイクロポーラス層付きガス拡散層を圧着する方法が挙げられる。また、前記インクをポリテトラフルオロエチレン等のフィルムに塗布及び乾燥し、負極側と正極側で高分子電解質膜を挟んで熱圧着した後に両側の該フィルムを剥がし、マイクロポーラス層付きガス拡散層を圧着する方法が挙げられる。また、前記インクをマイクロポーラス層付きガス拡散層に塗布及び乾燥し、負極側と正極側で高分子電解質膜を挟んで熱圧着する方法が挙げられる。

〔負極の製法〕 負極触媒層の電極触媒としては、特に限定されないが、例えば、白金微粒子をカーボンブラックに担持した触媒、白金ルテニウム合金の微粒子をカーボンブラックに担持した触媒等の燃料電池の一般的な負極の電極触媒を用いることができる。高分子電解質としてはナフィオン分散液を好ましく用いることができる。溶媒としては、例えば、水、低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等)及びその混合物を好ましく用いることができる。

(高分子電解質重量)/(触媒重量)の比率は、0.1〜2が好ましく、0.2〜1がより好ましく、0.3〜0.8がさらに好ましい。溶媒と固形分の比率は特に限定されず、用いる塗布装置に適した粘度に調整することが好ましい。塗布装置は特に限定されず、例えば、バーコーター、スプレーコーター、スクリーンプリンター等の一般的な方法を用いることができる。

〔正極の製法〕 本実施形態の製造方法によって製造される窒素含有炭素材料は正極触媒として用いることができる。高分子電解質としてはナフィオン分散液を好ましく用いることができる。溶媒としては、水、低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等)及びその混合物を好ましく用いることができる。(高分子電解質重量)/(触媒重量)の比率は、0.1〜5が好ましく、0.2〜3がより好ましく、0.3〜2がさらに好ましい。溶媒と固形分との比率は特に限定されず、用いる塗布装置に適した粘度に調整することが好ましい。塗布装置は特に限定されず、例えば、バーコーター、スプレーコーター、スクリーンプリンター等の一般的な方法を用いることができる。

〔用途〕 本実施形態の製造方法によって製造される窒素含有炭素材料は、固体高分子形燃料電池やアニオン交換膜形燃料電池、直接メタノール形燃料電池等の正極触媒として用いることができる。

以下に実施例等を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであり、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。当業者は、以下に示す実施例に様々な変更を加えて本実施形態として実施することができ、係る変更は本発明の範囲に包含される。

各物性の分析方法は以下のとおりとした。

(歩留まり) 窒素含有炭素材料の歩留まりは下記式(1)で定義される。 (歩留まり(%))=α×β1×β2×100・・・式(1) ここで、α=(A+B+C+D)/(A+B+C)、A=(前駆体に添加した炭素原料重量)、B=(前駆体に添加した窒素原料重量)、C=(前駆体に添加した遷移金属原料重量)、D=(前駆体に添加した亜鉛塩重量)、βN=(熱処理工程Nで回収したサンプル重量)/(熱処理工程Nで投入したサンプル重量)

(比表面積測定) JIS Z8830「ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に従って、吸着ガスに窒素を用い、BET法にて実施例及び比較例で得られた窒素含有炭素材料の比表面積を測定した。測定装置には島津製作所製のトライスターII3020を使用した。

(原子比N/C) JIS M8819「石炭類及びコークス類−機器分析装置による元素分析方法」に従って実施例及び比較例で得られた窒素含有炭素材料中の炭素及び窒素の質量濃度を測定した。これを原子比に換算したものをN/Cとした。 測定装置にはヤナコテクニカルサイエンス製のCHNコーダーMT−6を使用した。

(遷移金属及び亜鉛の含有率) 実施例及び比較例で得られた窒素含有炭素材料を、空気流通下900℃で1時間熱処理して炭素及び窒素を焼き飛ばし、残渣を王水に溶解させてICP発光分光分析することによって窒素含有炭素材料中の遷移金属及び亜鉛の含有率を測定した。 測定装置にはエスアイアイ・ナノテクノロジー製のSPS3520UV−DDを使用した。

(酸素還元活性測定) 実施例及び比較例で用いた、電極作製法及び回転電極法によるリニアスイープボルタンメトリーの測定(北斗電工の回転リングディスク電極装置「HR−301」、ポテンショスタット「HZ−5000」を使用。)は、以下のとおり行った。 まず、バイアル瓶に、実施例又は比較例で作製した窒素含有炭素材料5mgを秤取し、そこに、ガラスビーズをスパチュラ一杯、5質量%ナフィオン分散液(シグマアルドリッチジャパン製)を50μL、並びにイオン交換水及びエタノールをそれぞれ150μLずつ添加し、それらの混合物に20分間超音波を照射してスラリーを作製した。 このスラリーを4μL秤取し、回転電極のガラス状炭素上(0.2828cm2)に塗布し、真空乾燥した。乾燥後の回転電極を作用極とし、可逆水素電極(RHE)を参照極として、炭素電極を対極とした。0.5M硫酸を電解液とし、その電解液にまず窒素を30分間バブリングした後、掃引速度5mV/秒、回転速度1500rpmで1.1Vから0Vまで掃引してボルタモグラムを得た。 続いて酸素を30分間バブリングした後、先ほどと同条件でボルタモグラムを得た。酸素下のボルタモグラムと窒素下のボルタモグラムとの差分を酸素還元電流とした。当該電気化学測定において、0.8Vでの酸素還元電流の絶対値が大きい(還元電流はマイナスの値となる)ほど、窒素含有炭素材料の酸素還元活性が高いと判定した。

(耐久性測定)

実施例及び比較例で作製した窒素含有炭素材料を用いて以下の方法でMEAを作製した。まず窒素含有炭素材料50mg、エタノール200mg及び1mmφジルコニアビーズ1.5gをマイクロ遠心チューブに入れ、ディスラプターホモジナイザー(サイエンティフィックインダストリーズ社製)を用いて、2850rpmで10分間撹拌した。次に、I/C(=ナフィオンの質量/窒素含有炭素材料の質量)が所定の値となるように20%ナフィオン溶液(和光純薬(株)製、DE2021CS)を添加し、ディスラプターホモジナイザーを用いて、2850rpmで15分間撹拌し、正極インクを作製した。なお、用いる窒素含有炭素材料ごとにMEAの発電量が最大となるようI/Cを調整した。この正極インクをスクリーン印刷機(ミタニマイクロニクス社製、MEC−2400)にてマイクロポーラス層付きガス拡散層(SGL製、29BC)に塗布し、120℃で30分間乾燥した。窒素含有炭素材料の塗布量は2.5mg/cm

2とした。このように作製した正極触媒層−正極マイクロポーラス層−正極ガス拡散層の上に、ナフィオン膜(デュポン製、NR211)、白金−ルテニウム担持触媒付きガス拡散層((株)ケミックス製、白金−ルテニウム0.5mg/cm

2担持)を載せ、150℃、0.2MPaにて熱圧着し、MEAを得た。

<燃料電池運転> 上記のMEAの発電評価をポテンショガルバノスタット(ソーラトロン社製、1285A)にて実施した。負極には水素(0.2MPa、80℃、相対湿度100%、流量300cc/分)を供給し、正極には空気(0.2MPa、80℃、相対湿度40%、流量300cc/分)を供給し、セル温度は80℃にし、0.4Vで100時間連続運転を行った。電流保持率(%)を以下の式より求め、これを耐久性の指標とした。 電流保持率(%)=(連続運転後の0.4Vでの電流値)/(連続運転前の0.4Vでの電流値)×100

[実施例1] <前駆体調製工程> 1Lのナス型フラスコに1,10−フェナントロリン6g、フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製、レヂトップPSK−2320)6g、塩化鉄(II)0.082g、塩化亜鉛12.5g及びメタノール400ccを加え、室温で20分間撹拌した。その後、60℃の水浴中にて、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去し、真空乾燥機にて80℃で2時間乾燥させて前駆体を得た。

<第1の熱処理工程> 調製した前駆体12gをアルミナボートに載置し、それをボックス炉に収容した。炉内を大気圧、1NL/分の窒素流通下で60分間かけて室温から500℃まで昇温し、500℃のまま1時間保持することで8.2gのサンプルを得た。

<平均粒子径調整工程> 上記第1の熱処理工程で得られたサンプルを遊星ボールミル(フリッチュ・ジャパン(株)製のPulverisette−5を使用)にて直径10mmのジルコニアボールを用いて乾式粉砕することにより、平均粒子径を1μmに調整したサンプルを得た。

<第2の熱処理工程> 上記の平均粒子径を調整したサンプル4gをアルミナボートに載置し、それをボックス炉に収容した。炉内を大気圧、1NL/分の窒素流通下で90分間かけて室温から1050℃まで昇温し、1050℃のまま30分間保持することで1.3gの窒素含有炭素材料を得た。歩留まりは45.2%であった。

<物性評価> 得られた窒素含有炭素材料について、前述の方法にて、比表面積、N/C測定、遷移金属及び亜鉛の含有率測定、酸素還元活性測定を実施した。結果を表1に示す。

<耐久性評価> 前述の方法にて、得られた窒素含有炭素材料を用いてMEAを作製し(I/C=0.75)、耐久性測定を実施した。電流保持率は82%であった。

[実施例2] 第2の熱処理工程の熱処理温度を950℃にしたこと以外は、実施例1と同じ方法により窒素含有炭素材料を合成して、物性評価を行った。歩留まりは48.1%だった。物性評価の結果を表1に示す。前述の方法にて、得られた窒素含有炭素材料を用いてMEAを作製し(I/C=0.73)、耐久性測定を実施したところ、電流保持率は54%であった。

[比較例1] <前駆体調製工程> 塩化亜鉛を添加しないこと以外は、実施例1と同じ方法で前駆体を調製した。

<第1の熱処理工程> 調製した前駆体12gをアルミナボートに載置し、それをボックス炉に収容した。炉内を大気圧、1NL/分の窒素流通下で60分間かけて室温から800℃まで昇温し、800℃のまま1時間保持することで4.6gのサンプルを得た。

<平均粒子径調整工程> 実施例1と同じ方法で実施した。

<第2の熱処理工程> 上記の平均粒子径を調整したサンプル1gを石英ボートに載置し、それを内径36mmの石英管状炉に収容した。炉内を大気圧、1.2NL/分のアンモニアガス流通下で60分間かけて室温から975℃まで昇温し、975℃のまま30分間保持することで0.44gの窒素含有炭素材料を得た。歩留まりは17.0%であった。

<物性評価> 得られた窒素含有炭素材料について、前述の方法にて、比表面積測定、N/C測定、遷移金属及び亜鉛の含有率測定、酸素還元活性測定を実施した。結果を表1に示す。

<耐久性評価> 前述の方法にて、得られた窒素含有炭素材料を用いてMEAを作製し(I/C=0.75)、耐久性測定を実施した。電流保持率は49%であった。

本発明の製造方法で得られる窒素含有炭素材料は、燃料電池用電極材料として、産業上の利用可能性を有する。

高效检索全球专利

专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

申请试用

分析报告

专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

申请试用

QQ群二维码
意见反馈