首页 / 专利库 / 建筑材料 / 建筑材料 / 土工合成材料 / 単結晶立方晶系三二酸化物の調製法及び用途

単結晶立方晶系三二酸化物の調製法及び用途

阅读:1013发布:2020-06-10

专利汇可以提供単結晶立方晶系三二酸化物の調製法及び用途专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且,下面是単結晶立方晶系三二酸化物の調製法及び用途专利的具体信息内容。

スカンジウム、イットリウム、及び/又は希土類金属の立方晶系三二酸化物のマトリックスから形成されたバルク又は薄膜単結晶の調製のためのプロセスであって、前記マトリックスはランタニド系列の少なくとも1つの元素がドープされているか又はドープされておらず、前記単結晶は以下の式(I): (R11−xR2x)2O3 (I) [式中、 −R1は、スカンジウム、イットリウム、及びランタニド系列の元素から選択されるIIIの原子価をもつ少なくとも1つの金属であり; −xは、0≦x<1となるようなものであり; −R2は、ランタニド系列から選択される少なくとも1つの元素を表す] に相当し; 前記プロセスが、化学的に不活性なるつぼ内で実施されること、及び以下の1)〜6)からなる工程: 1)少なくとも次のものを含んでなる粉末混合物(PM1)を調製すること: −以下の式(IIa):R’12O3(IIa)[式中、R’1は、R1と同じ元素を表す]の少なくとも1つの三二酸化物と、及び前記マトリックスがランタニドの系列の少なくとも1つの元素がドープされる場合には、以下の式(IIb):R’22O3(IIb)[式中、R’2は、0mp≦25mol%となるようなmolパーセント(xmp)での、R2と同じ元素を表す]の少なくとも1つの三二酸化物とからなる溶質であって、この場合、式(IIa)の前記三二酸化物は、前記溶質中にmolパーセント100−xmpで存在し、前記溶質は、0 −以下の式(III)の化合物の機械的混合物からなる一次溶媒: [Li6(R”11−x’R”2x’)(BO3)3] (III) [式中、R”1及びR”2は、それぞれR1及びR2と同じ元素を表し、かつx’は、0≦x’<1となるようなものである]; 2)前記溶質と以下の式(IV): [Li6(R”11−x’R”2x’)(BO3)3]+(LiO2及び/又はB2O3及び/又はLiX) (IV) [式中、R”1及びR”2は、それぞれR1及びR2と同じ元素を表し、x’は、0≦x’<1となるようなものであり、かつX=F、Cl、Br、又はIである]の合成溶媒とを含んでなる粉末混合物PM2を、LiO2、B2O3、及びLiX(X=F、Cl、Br、又はI)から選択される少なくとも1つの粉末添加剤を混合物PM1へ添加することにより調製することであり、前記混合物PM1は、混合物PM2中に15≦z’<100mol%となるような量z’で存在し、前記添加剤は、混合物PM2中に0・z’となるようなものである; 3)上記の工程2)で得られた粉末混合物PM2を、前記混合物PM2の融点(TM.P.)に少なくとも等しい温度TPM2でかつ≦1250℃にして、式(IV)の合成溶媒中に該溶質を溶解させ、かつ式(IV)の合成溶媒中の前記溶質の溶液を得るようにすること; 4)前記溶液の温度を、垂直軸の周囲の回転に供された固体支持体により撹拌しながら、少なくとも6時間にわたり温度TPM2に維持すること; 5)前記溶液を、温度TPM2から、前記溶液の飽和温度(TSat)と前記溶液の臨界過飽和温度(CTSuper)又は前記溶液の固化温度との間の温度TExpまで制御冷却して、前記溶液中に含浸されかつ垂直軸の周囲の回転に供された前記固体支持体上で、所期の式(I)の三二酸化物の制御結晶化をもたらし、前記冷却を1℃.h−1の最大速度で実施するようにすること; 6)前記固体支持体を前記溶液から取出し、次いで前記固体支持体上で結晶化した式(I)の三二酸化物を、温度TExpから室温まで、50℃.h−1の最大速度で、制御された方式で冷却すること、 を含んでなることを特徴とする、該プロセス。工程1)及び2)が、一緒に実施され、混合物PM2中の溶質のmol量(z”)が、それ故、z”=z・z’mol%となるようなものであり、式(III)の一次溶媒のmol量(t)が、t=z’(100−z)mol%となるようなものであり、かつ添加剤のmol量が、smol%(s=(100−z’)%)であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。R1が、元素Y、Gd、Tb、Eu、Sc、及びLu、並びに元素の組合せY/Gd、Y/Sc、Gd/Sc、Lu/Sc、Gd/La、Gd/Tb、Gd/Lu、Y/Lu、Eu/Gd、Eu/La、及びEu/Luから選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプロセス。x>0であるとき、R2が、元素Yb、Tm、Er、Pr、Tb、Nd、Ce、Ho、Eu、Sm、及びDy、ならびに元素の組合せYb/Tm、Yb/Pr、Tm/Ho、Er/Yb、Yb/Tb、Yb/Ho、Eu/Sm、及びTm/Tbから選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。Tb2O3;Gd2O3;Eu2O3;Y2O3;Lu2O3;Sc2O3;(Tb,Gd)2O3;(Eu,Gd)2O3;Lu2O3:Yb;Gd2O3:Yb;Lu2O3:Eu;Gd2O3:Eu;Y2O3:Eu;Y2O3:Er;Gd2O3:Tm;Gd2O3:Eu3+;(Y,Gd)2O3:Pr;(Y,Gd)2O3:Eu;(Y,Gd)2O3:Nd;(Y,La)2O3:Pr;(Gd,La)2O3:Pr;(Gd,La)2O3:Yb;(Gd,La)2O3:Eu;(Gd,La)2O3:Nd;(Y,La)2O3:Yb;Y2O3:Er:Yb;Y2O3:Pr:Yb;Gd2O3:Er:Yb;Gd2O3:Pr:Yb;Gd2O3:Tm:Yb;Lu2O3:Tm:Yb;Y2O3:Tm:Ho;Y2O3:Tm:Yb;Y2O3:Tm:Tb;Sc2O3:Eu;(Y,Lu)2O3:Eu;及び(Gd、Lu)2O3:Euから選択される、式(I)の三二酸化物の調製のために用いられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。粉末混合物PM2中に存在する溶質の量z”が、5≦z”≦30mol%となるようなものであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセス。粉末混合物PM2中に存在するLi2O及び/又はB2O3及び/又はLiXの量sが、5≦s≦30mol%となるようなものであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。Xmp=0又は0mp≦10mol%であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。工程1)及び2)を通じて製造され、かつ式(IIb)の三二酸化物との混合物としての又は混合物としてではない式(IIa)の三二酸化物からなる溶質と、式(IV)の合成溶媒とを含んでなる粉末混合物PM2が、以下からなるサブ工程: i)6molのLi2CO3、6molのH3BO3、1+zmolの、式(IIa)の三二酸化物又は式(IIa)の三二酸化物と式(IIb)の三二酸化物との混合物を含んでなる粉末混合物を機械的粉砕により調製し、これに、Li2O(Li2CO3の形態)、B2O3(H3BO3の形態)、及びLiX(X=F、Cl、Br、又はI)から選択される過剰の20mol%の少なくとも1つの添加剤を添加すること; ii)上記の工程i)で得られた混合物を、以下を含んでなる熱処理に供すること: −約120〜180℃.h−1の昇温勾配に従って、約400〜500℃の温度T1まで温度上昇、 −温度T1を約6〜24時間にわたり維持する静止期、 −約120〜180℃.h−1の昇温勾配に従って、約700〜800℃の温度T2まで温度上昇、 −温度T2を約6〜24時間にわたり維持する静止期、 −約120〜180℃.h−1の冷却勾配で室温に戻して、粒子形態の固体材料を得、前記材料が、z”mol%の溶質との混合物としての式(IV)の合成溶媒からなるようにすること; iii)上記の工程ii)で得られた固体材料を機械的に粉砕して、粉末混合物PM2を得るようにすること、 を含んでなるプロセスにより調製されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。工程3)の間、温度TPM2が、1200℃〜1250℃であり、かつ混合物PM2が温度TPM2にされる速度が、120℃h−1であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロセス。工程5)の間、温度CTSuperが、1100℃であり、かつ温度TPM2から温度TExpまでの溶液の制御冷却が、0.1〜1℃.h−1の速度で実施されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロセス。工程4)及び5)の間、前記固体支持体の回転速度が、5〜50回転/分で変異することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のプロセス。工程5)の冷却が、前記支持体が前記液体から抜取られ、かつ前記溶液上に前記支持体が設置された後、温度TPM2から1100℃の温度CTSuperまで0.2℃.h−1の速度で実施され、次いで1100℃の温度が1時間未満の時間にわたり維持された後、工程6)で言及された冷却が実施されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。工程5)の冷却が、冷却工程と昇温工程とを交互に含んでなる熱処理であり、これにおいて、各昇温工程における振幅が、それに先行する冷却工程の振幅以下であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。冷却速度が、好ましくは0.1〜0.2℃.h−1で変異し、かつ工程5)の冷却が、以下の熱処理: 出発温度:1200℃ i)0.2℃.h−1の勾配で1175℃まで低下; ii)180℃.h−1の勾配で1190℃まで上昇; iii)0.2℃.h−1の勾配で1150℃まで低下; iv)180℃.h−1の勾配で1165℃まで上昇; v)0.2℃.h−1の勾配で1125℃まで低下; vi)180℃.h−1の勾配で1140℃まで上昇; vii)0.2℃.h−1の勾配で1100℃まで低下; viii)180℃.h−1の勾配で1115℃まで上昇; ix)0.2℃.h−1の勾配で1100℃まで低下、 に従って実施されることを特徴とする、請求項14に記載のプロセス。工程6)の冷却が、5℃.h−1で800℃までの低下、次いで約30℃.h−1で室温までの低下の速度で実施されることを特徴とする、請求項14又は15に記載のプロセス。

说明书全文

本発明は、+IIIの原子価を有するランタニドイオンがドープされているか又はドープされていないスカンジウム、イットリウム、又は希土類金属の立方晶系三二酸化物(空間群番号206、Ia−3)のバルク又は薄膜単結晶を、高温フラックス成長技術により製造するためのプロセスと、及びこのプロセスにより得られた単結晶の様々な用途、とりわけ光学分野における用途とに関する。

純粋な立方晶系三二酸化物、即ちドープされていない立方晶系三二酸化物は、4つの構成成分:入光子、回転子結晶、永久磁石、及び出力偏光子からなるファラデーアイソレータの回転子結晶として使用され得る結晶である。この理由は、レーザ技術の開発及び改良が、戻り反射からレーザキャビティを保護する光学素子の必要性を招いたからである。ファラデーアイソレータは、レーザシステムにおける強度の不安定性及び揺らぎを効率的に抑制することを可能にする。それらを用いて、気体−又は固体−レーザ、及びまた増々強力になるレーザダイオードを、上述のような戻り反射から保護できるが、しかしまた多段階固体レーザ増幅器の寄生発振をも防止できる。ファラデーアイソレータは、光が一方向だけに移動することを可能にする光学素子である。その動作様式はファラデー効果に基づいており、その効果は、伝送において生じ、かつ磁気誘導及び波長において線形である。殆どの波長について回転子結晶は、高く均一な磁場中に配置されたテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)である。光線の偏光が、「ファラデー」に従って、ベルデ定数、回転子結晶に覆われた距離、及び電磁誘導に比例して回転するのは該磁場においてである。一般に、これら3つのパラメータは、出力偏光が45°まで回転するよう調整される。任意の偏光の光線が反対方向に進入すると、その偏光は同じ方向へ回転される:それがファラデー効果の非相反性であって、とりわけ、非常に強力なレーザキャビティを隔離することを可能にする。しかしながら、ファラデーアイソレータの最大の隔離は、TGG結晶及び電磁誘導の不均一性によって制限される。それ故、ファラデーアイソレータの回転子結晶として有利に使用され得る単結晶立方晶系三二酸化物、特に連続運転において高出力に耐え得るものに対するニーズがある。

固体レーザは、光子の放射(自発的及び誘導)用媒質及び増幅媒質として、結晶又はガラスなどの固体媒質を使用する。増幅媒質、又は利得媒質は、光学的ポンピング源からの放射線を吸収しかつ光子の放射により脱励起するイオンをドープすることにより、光学的に活性にされるマトリックス(ガラス又は晶)を含んでなる光学的に活性な材料からなる。第1のレーザは、ルビーレーザであり、その放射はCr3+イオンから生じる。他のイオンが多く使用される:大多数は希土類金属イオン:Nd3+、Yb3+、Pr3+、Er3+、Tm3+、Eu3+...であり、或いは遷移金属イオン、特にTi3+又はCr3+などである。レーザの放射波長は、基本的に、全ての場合に希土類金属イオンのドーピングイオンと、マトリックスの特性とに依存し、遷移金属イオンの場合には後者の影響が非常に大きい。それ故、ネオジムがドープされたガラス(1053nm)は、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)として知られかつネオジムがドープされたY3Al5O12からなる結晶性固体(1064nm)とは、同じ波長では放射しない。固体レーザは、連続モード又はパルスモード(数マイクロ秒から数フェムト秒まで)で動作する。それらは、可視領域、近赤外領域、中赤外領域、及び紫外領域において、等しく良好に放射できる。

許容される光学的品質の結晶サイズよりも上では、これらのレーザは約10ワット程度の出力を連続して、またパルスモードではそれよりも高い出力を得ることを可能にする。それらは、材料の溶接、マーキング、及び切断などの、科学及び産業用の用途の双方に使用される。

高出力レーザ及び/又は短パルスレーザの製造におけるその使用に加えて、マトリックスとドーピングイオンとから形成されるこれらの固体材料はまた、眼に安全なレーザ、手術用及び/又は眼科用レーザ(赤色領域、緑色領域、及び中赤外領域までにおけるパルス又は連続ダイオード励起レーザ)、シンチレータ、導波管、ボロメータ(熱/光の識別を有する検出器)の製造において、光冷却のため、発光材料として、或いはまた量子情報の保存及び取扱いのための材料としても使用され得る。

現時点では、これらの用途の全て、及び特にレーザの製造にとり、最も期待できる結晶性固体は、希土類金属イオンがドープされた、式R2O3[式中、Rは、スカンジウム、イットリウム、及び希土類金属(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)などのIIIの原子価を有する金属から選択される1つ以上の元素を表す]の、立方晶系(即ち等方性)三二酸化物である。それらのうちのいくつかは、特に、希土類金属イオンがドープされたYAGよりも大きい熱伝導率を示すが、それにもかかわらず現時点では後者が最も広く使用されているレーザ材料である。これらの立方晶系三二酸化物はまた、それらが希土類金属イオンを容易にドープされ得、かつ高い密度(約4〜9.5g.cm−3程度)を有する限り有用である。さらに、イットリウム、スカンジウム、ガドリニウム、及びルテチウム三二酸化物は、大多数の酸化物、とりわけYAGと比較して、低いフォノンエネルギーを示す。

これらの材料は、主として、好ましくは真空下で、高圧及び高温の焼成により調製された透明なセラミックの形態で得られる。しかしながら、これらのセラミックは、それらの用途の基礎にある物性を損なう(光子の散乱、不純物の存在、低い熱伝導性、制限されたドーピング度など)多くの結晶粒界をもつ多結晶微細構造を有する。

先行技術に由来する既知のプロセスの不利点を克服することを目標とした単結晶立方晶系三二酸化物の合成のためのプロセスは、特許文献1において既に提供されている。提供されたプロセスは、特に、同等の化学組成で、従来技術のプロセスに従って得られた単結晶よりも大きいサイズを呈するとともに、非常に良好な光学的特性を有する、希土類金属イオンがドープされたスカンジウム、イットリウム、又は希土類金属の単結晶立方晶系三二酸化物を、簡単かつ安価な方法で得ることを目標とした。特許文献1に記載されたプロセスに従って調製された三二酸化物は、以下の式R12O3:R2[式中、R1は、スカンジウム、イットリウム、及びランタニド系列の元素、即ち元素の周期律表による57(ランタン)から71(ルテチウム)の範囲の原子番号を有する元素、から選択されるIIIの原子価を有する少なくとも1つの金属であり、かつR2は、ランタニド系列から選択される少なくとも1つの元素である]に相当する。このプロセスは、molパーセント(1−x)の式(R’12O3)1−xの少なくとも1つの三二酸化物及びmolパーセント(x)の式(R’22O3)xの少なくとも1つの三二酸化物の機械的混合物からなる少なくとも1つの溶質[式中、R’1は、R1に等しく、R’2は、R2に等しい]と、及び以下の式の合成溶媒:[Li6(R”11−x’R”2x’)(BO3)3][式中、R”1及びR”2は、それぞれR1及びR2に等しく、かつx’=xである]とを含んでなる粉末混合物を調製すること、次いで、前記粉末混合物を前記混合物の融点に少なくとも等しい温度、かつ≦1250℃に加熱して、該溶質を式[Li6(R”11−x’R”2x’)(BO3)3]の溶媒中に溶解させ、前記溶媒中の前記溶質の溶液を得ること、及び次に、制御された温度条件下に固体支持体上で結晶の成長を実施することからなる。

このプロセスは、先行技術のプロセスによってもたらされるいくつかの不利点を、特にその最大長でセンチメートルサイズの結晶を達成できる点で克服することを可能にするが、それでもなおいくつかの不利点を示す。特に、結晶生成プロセスが非常に遅く(平均して少なくとも40日)、かつ得られた結晶は、結晶化プロセスの間の非常に高い多核化により充分なサイズを常に有するわけではなく、結果として各単結晶の平均サイズの減少をもたらす。さらに、得られた結晶は、多数の溶媒内包物を示す。これらの内包物は、結晶の有効体積、即ち何ら内包物のない体積を制限し、このことは、合成後最初はセンチメートルサイズを有する単結晶について、4x2mm2のサイズまで有効体積を減少させ得る。

国際公開第2011/055075号パンフレット

本出願者は、それ故、少ない溶媒内包物を含んでなると同時に大きいサイズを呈する結晶を、再現性良くかつより迅速に入手することを可能にするプロセスを提供するため、国際出願(特許文献1)に記載されたプロセスをさらに改良することを目的とした。

本発明の主題は、スカンジウム、イットリウム、及び/又は希土類金属の立方晶系三二酸化物のマトリックスから形成されたバルク又は薄膜単結晶の調製のためのプロセスであって、前記マトリックスはランタニド系列の少なくとも1つの元素がドープされているか又はドープされておらず、前記単結晶は以下の式(I): (R11−xR2x)2O3 (I) [式中、 −R1は、スカンジウム、イットリウム、及びランタニド系列の元素、即ち元素の周期律表による57(ランタン)から71(ルテチウム)までの範囲の原子番号を有する元素、から選択されるIIIの原子価をもつ少なくとも1つの金属であり; −xは、0≦x<1となるようなものであり; −R2は、ランタニド系列から選択される少なくとも1つの元素を表す] に相当し; 前記プロセスは、化学的に不活性なるつぼ内で実施されること、及び以下の1)〜6)からなる工程を含んでなることを特徴とする: 1)少なくとも次のものを含んでなる粉末混合物(PM1)を調製すること: −以下の式(IIa):R12O3(IIa)[式中、R1は、R1と同じ元素を表す]の少なくとも1つの三二酸化物と、及び前記マトリックスが、ランタニドの系列の少なくとも1つの元素がドープされる場合には、以下の式(IIb):R’22O3(IIb)[式中、R’2は、0

mp≦25mol%となるようなmolパーセント(x

mp)での、R

2と同じ元素を表す]の少なくとも1つの三二酸化物とからなる溶質であって、この場合式(IIa)の前記三二酸化物は、前記溶質中にmolパーセント100−x

mpで存在し、前記溶質は、0

−以下の式(III)の化合物の機械的混合物からなる一次溶媒: [Li

6(R”

1

1−x’R”

2

x’)(BO

3)

3] (III) [式中、R”

1及びR”

2は、それぞれR

1及びR

2と同じ元素を表し、かつx’は、0≦x’<1となるようなものである]; 2)前記溶質と以下の式(IV): [Li

6(R”

1

1−x’R”

2

x’)(BO

3)

3]+(LiO

2及び/又はB

2O

3及び/又はLiX) (IV) [式中、R”

1及びR”

2は、それぞれR

1及びR

2と同じ元素を表し、x’は、0≦x’<1となるようなものであり、かつX=F、Cl、Br、又はIである]の合成溶媒とを含んでなる粉末混合物PM2を、LiO

2、B

2O

3、及びLiX(X=F、Cl、Br、又はI)から選択される少なくとも1つの粉末添加剤を混合物MP1へ添加することにより調製することであり、前記混合物PM1は、混合物PM2中に15≦z’<100mol%となるような量z’で存在し、前記添加剤は、混合物PM2中に0

3)上記工程2)で得られた粉末混合物PM2を、前記混合物PM2の融点(T

m.p.)に少なくとも等しい温度T

PM2でかつ≦1250℃にして、式(IV)の合成溶媒中に該溶質を溶解させ、かつ式(IV)の合成溶媒中の前記溶質の溶液を得るようにすること; 4)該溶液の温度を、垂直軸の周囲の回転に供された固体支持体により撹拌しながら、少なくとも6時間にわたり温度T

PM2に維持すること; 5)該溶液を、温度T

PM2から、該溶液の飽和温度(T

Sat)と該溶液の臨界過飽和温度(CT

Super)又は該溶液の固化温度との間の温度T

Expまで制御冷却して、前記溶液中に含浸されかつ垂直軸の周囲の回転に供された前記固体支持体上で、所期の式(I)の三二酸化物の制御結晶化をもたらし、前記冷却を1℃.h

−1の最大速度で実施するようにすること; 6)該固体支持体を該溶液から取出し、次いで該固体支持体上で結晶化した式(I)の三二酸化物を、温度T

Expから室温まで、50℃.h

−1の最大速度で、制御された方式で冷却すること。

国際出願(特許文献1)に記載されたプロセスに比較して、本発明によるプロセスは、LiO2、B2O3、及びLiX(X=F、Cl、Br、又はI)から選択される化合物を取入れた合成溶媒を用いており、以下のことを可能にする: −サイズが大きく、かつ合成に用いた溶媒がかかる添加剤を含まない場合に得られたものよりもかなり大きい、内包物のない領域を示す、ドープされているか又はドープされていない単結晶を、より迅速にかつ再現性良く入手すること; −マトリックスが、リチウムを、即ち最小量(数ppm〜数百ppm程度)含んでなり、かつその存在が、ドープされた三二酸化物結晶の光学特性に非常に驚くべき効果を有する結晶を入手することであり、即ち、x>0である式(I)の結晶は、これがドーパントの発光帯の不均一広がりを生じる結果となる限り、このことはこれらの結晶が超短パルスレーザ用に使用される場合に有利である。

このことは、1017〜1018原子/cm3程度の、中程度の含量のLi及びBの存在が、中距離の弾性変形により結晶化学に無秩序を導入し、このことが、例えばYb3+などの光学活性イオンの位置に結晶場分布を生じる結果となるからである。これらの不規則変数は、エミッタレベルのエネルギーを、数十cm−1程度のサイズにわたり1つの場所から別の場所へ変動させうる。結果として、結晶における光増幅がそれに基づく、発光帯が広げられる。時間−エネルギー不確定性の相互関係の結果として、この発光帯域は、超短パルスの発生に、及びまたレーザの高いチューナビリティにも道を切り開く。

本発明によるプロセスの特定の実施形態によれば、結果として混合物PM2を生じる工程1)及び2)は、一緒に実施される。この場合、混合物PM2中の溶質のmol量(z”)は、それ故、z”=z.z’mol%となるようなものであり、式(III)の一次溶媒のmol量(t)は、t=z’(100−z)mol%となるようなものであり、かつ添加剤のmol量は、smol%(s=(100−z’)%)である。

本発明の趣旨の範囲内で、R1及びR2に関連してラジカルR’1、R”1、R’2、及びR”2を記載するべく使用される、用語「と同じ元素を表す」とは、例えば、R1がイットリウム(Y)である場合には、R’1=R”1=Yであり、かつR2がイッテルビウム(Yb)である場合には、R’2=R”2=Ybであることを意味する。

飽和温度とは、溶液中の溶質の溶解限度に到達(溶解度平衡)する温度を意味するものと理解される。この温度において、かつ既に投入されかつ溶液中に溶解された溶質の所定量以上では、追加の溶質は固体の形態で沈殿し得る。飽和温度は、溶液中の溶質のmol量「z”」に依存する。溶液中の溶質のmol量の関数としての溶解度平衡は、それ故、添付の図1に見られるような、溶媒/溶質相図における液相曲線によって記載される。

臨界過飽和温度とは、溶質の沈殿が自発的に生じる温度である。この限界(これはまた、溶液中の溶質のmol量「z”」の関数でもある)よりも下では、溶質の結晶化は制御され得ず、自発的に発生する。

過飽和温度(TSuper)とは、飽和温度よりも低く、かつ臨界過飽和温度よりも高い温度である。これは、溶質が、沈殿を生じることなく制御された方法で結晶化することを可能にする準安定状態で生じる温度の範囲に相当する。熱力学的準安定領域は、飽和温度と、臨界過飽和温度との間にある;これは、溶液中の溶質のmol量「z”」の関数であり、かつ「Ostwald−Miers域」と称される(添付の図1参照)。

本発明によれば、TExpは、式(I)の三二酸化物の制御結晶化が実施される「実験」温度に相当し;上記に示したように、この温度は、溶液の飽和温度(TSat)と溶液の臨界過飽和温度(CTSuper)又は該溶液の固化温度との間であり;所与の溶質について、この温度はOstwald−Miers域内にある。

これらの定義は、D.Elwell及びH.J.Scheel著、「Crystal Growth from High−Temperature Solutions(高温溶液からの結晶成長)」、Academic Press、1975年、第4章(p.138〜201)及び第7章(p.278〜432)に見られる。

さらに本発明によれば、「薄膜」とは、1〜500μm、及び好ましくは1〜100μmと変動する厚さを有するフィルムを意味するものと理解される。

上記の式(I)では、R1は、IIIの原子価をもつ少なくとも1つの金属を表すことが示される。このことは、R1が、スカンジウム、イットリウム、及びランタニド系列の元素から選択される単一の元素、又はこれらの元素の少なくとも2つの組合せ、例えば、Y/Gd、Gd/La、Y/Lu、Gd/Lu、La/Lu、Y/La、Y/Sc、Gd/Sc、La/Sc、又はLu/Scといった組合せの何れかであり得ることを意味する。この場合、式(I)の結晶は、少なくとも1つの希土類金属イオンがドープされた固溶体と称するのが適切なものである。

同様に、上記の式(I)においては、xは、0≦x<1となるようなものであることが示される。これは、x=0のとき、R2はなく、またx>0のとき、R2は存在し、かつランタニド系列から選択される単一の元素、又はこれらの元素の少なくとも2つの組合せ、例えばYb/Pr、Yb/Tm、Yb/Tb、Yb/Ho、Er/Yb、Tm/Tb、又はTm/Hoといった組合せのいずれかであり;その場合、使用される用語は、共ドーピング又は共ドープ結晶である。

本発明の好ましい実施形態によれば、R1は、元素Y、Gd、Tb、Eu、Sc、及びLu、並びに元素の組合せY/Gd、Y/Sc、Gd/Sc、Lu/Sc、Gd/La、Gd/Tb、Gd/Lu、Y/Lu、Eu/Gd、Eu/La、及びEu/Luから選択される。

重ねて本発明の好ましい実施形態によれば、またx>0であるとき、R2は、元素Yb、Tm、Er、Pr、Tb、Nd、Ce、Ho、Eu、Sm、及びDy、ならびに元素の組合せYb/Tm、Yb/Pr、Tm/Ho、Er/Yb、Yb/Tb、Yb/Ho、Eu/Sm、及びTm/Tbから選択される。

本発明の好ましい実施形態によれば、前記プロセスは: Tb2O3;Gd2O3;Eu2O3;Y2O3;Lu2O3;Sc2O3;(Tb,Gd)2O3;(Eu,Gd)2O3;Lu2O3:Yb;Gd2O3:Yb;Lu2O3:Eu;Gd2O3:Eu;Y2O3:Eu;Y2O3:Er;Gd2O3:Tm;Gd2O3:Eu3+;(Y,Gd)2O3:Pr;(Y,Gd)2O3:Eu;(Y,Gd)2O3:Nd;(Y,La)2O3:Pr;(Gd,La)2O3:Pr;(Gd,La)2O3:Yb;(Gd,La)2O3:Eu;(Gd,La)2O3:Nd;(Y,La)2O3:Yb;Y2O3:Er:Yb;Y2O3:Pr:Yb;Gd2O3:Er:Yb;Gd2O3:Pr:Yb;Gd2O3:Tm:Yb;Lu2O3:Tm:Yb;Y2O3:Tm:Ho;Y2O3:Tm:Yb;Y2O3:Tm:Tb;Sc2O3:Eu;(Y,Lu)2O3:Eu;及び(Gd、Lu)2O3:Euから選択される、式(I)の三二酸化物の調製のために用いられる。

本発明の趣旨の範囲内で、「溶質」とは、式(IIa)の三二酸化物、又は式(IIa)の三二酸化物と式(IIb)の三二酸化物との混合物を指し、前記式は上記に定義された通りである。

上記に定義された通り、溶質は、混合物PM2の0

本発明の好ましい実施形態によれば、粉末混合物PM2中に存在する溶質の量z”は、>0mol%かつ≦30mol%であり、さらに好ましくはなお、この量は5≦z”≦30mol%となるようなものである。

本発明の好ましい実施形態によれば、粉末混合物PM2中に存在するLiO2及び/又はB2O3及び/又はLiXの量sは、>0mol%かつ≦30mol%であり、さらに好ましくはなおこの量は5≦s≦30mol%となるようなものである。

本発明の1つの、また好ましい形態によれば、Xmp=0又は0

mp≦10mol%である。重ねて本発明の好ましい実施形態によれば、xは、x’と同じ値を有し(x=x’)、即ち、溶質と一次溶媒とは同じ量のドーパント(R’

2/R”

2)を含有する。

本発明の特定の、かつ好ましい実施形態によれば、工程1)及び2)を通じて製造され、かつ式(IIb)の三二酸化物との混合物としての又は混合物としてではない式(IIa)の三二酸化物からなる溶質と、式(IV)の合成溶媒とを含んでなる粉末混合物PM2は、以下からなるサブ工程を含んでなるプロセスに従って調製される: i)6molのLi2CO3、6molのH3BO3、1+zmolの、式(IIa)の三二酸化物又は式(IIa)の三二酸化物と式(IIb)の三二酸化物との混合物を含んでなる粉末混合物を機械的粉砕により調製し、これに、LiO2(Li2CO3の形態)、B2O3(H3BO3の形態)、及びLiX(X=F、Cl、Br、又はI)から選択される過剰の20mol%の少なくとも1つの添加剤を添加すること; ii)上記の工程i)で得られた混合物を、以下を含んでなる熱処理に供すること: − 約120〜180℃.h−1の昇温勾配に従って、約400〜500℃の温度T1まで温度上昇、 − 温度T1を約6〜24時間にわたり維持する静止期、 − 約120〜180℃.h−1の昇温勾配に従って、約700〜800℃の温度T2まで温度上昇、 − 温度T2を約6〜24時間にわたり維持する静止期、 − 約120〜180℃.h−1の冷却勾配で室温に戻して、粒子形態の固体材料を得、前記材料は、z”mol%の溶質との混合物としての式(IV)の合成溶媒からなるようにすること; iii)上記の工程ii)で得られた固体材料を機械的に粉砕して、粉末混合物PM2を得るようにすること。

上記の工程iii)の粉砕は、上記の工程ii)で粗い粒子の形態で得られた固体材料の粒度を減少させること、及び式(IV)の合成溶媒と溶質との均質な混合物の形態で混合物PM2を得ることを可能にする。

工程3)の間、温度TPM2は、好ましくは1200℃〜1250℃であり、混合物PM2が温度TPM2にされる速度は、好ましくは120℃h−1程度である。

工程5)の間、温度CTSuperは、好ましくは約1100℃程度であり、温度TPM2から温度TExpまでの溶液の制御冷却は、好ましくは0.1〜1℃.h−1の速度で実施される。

該工程の特定の実施形態によれば、制御冷却の工程5)は、結晶を引上げること、即ち固体支持体をなお回転下に垂直運動により徐々に引上げることにより実施され得る。この引上げにより、想定される用途に応じてその望ましい物性に相当する単結晶をもたらすことを目的として、充分に決定された平面群に従って所与の成長方向を支持することが可能である。この場合引上げは、0.01≦Rp≦0.1mm.h−1となるような引上げ速度(Rp)で実施され得る。

本発明の好ましい実施形態によれば、工程4)は、結晶の引上げなしに(Rp=0mm.h−1)実施され得る。

本発明によるプロセスの工程1)で使用される式(IIa)及び(IIb)の三二酸化物は、市販製品であるか、又は熱処理による市販製品の還元によって得られる。

本発明によるプロセスの様々な工程、及びまた、適宜に、工程1)及び2)のサブ工程i)〜iii)は、その含有する実体に対し化学的に不活性であるるつぼを用いて実施される。かかるるつぼは、例えば白金、イリジウム、又はガラス状炭素のるつぼから選択され得る。

白金るつぼ(この場合のみ)を使用するとき、R1がセリウム(Ce)及び/又はテルビウム(Tb)及び/又はプラセオジミウム(Pr)を意味する場合を除き、プロセスの様々な工程が空気中(大気中)で実施され得る;プロセスの工程はそれ故、好ましくは、中性又は還元性の雰囲気下、例えば5体積%の水素を含んでなるアルゴン下で実施される。イリジウム又はガラス状炭素のるつぼが使用される場合、プロセスの工程は、好ましくは中性雰囲気下、例えばアルゴン下で実施されるも、還元性雰囲気下でもなお実施可能ではあるが、これはセリウム、プラセオジミウム、及びテルビウムを用いる場合を除き好ましくはない。

固体結晶化支持体は、好ましくは、白金パドル、白金ワイヤ、又はアルミナロッドからつり下げられた垂直の白金ワイヤ自体にその中心で水平に取付けられた白金ディスクによって形成されたアセンブリ、或いはまた、アルミナロッドからつり下げられた白金ワイヤ自体に取付けられた配向単結晶又は多結晶種からなる。

好ましい実施形態によれば、固体結晶化支持体は、ショベル形、白金ワイヤ形(ミリメートル程度の直径)、白金製の逆「T」形(この場合、「T」の水平バーはるつぼの底に平行である)、白金製の「L」形、又は白金ワイヤによりその中央において取付けられたミリメートル程度の直径をもつ水平ディスク形の白金パドルである。

式(I)の単結晶が、固体支持体として配向単結晶又は多結晶種を使用することにより成長される場合には、後者のものはそれ故、結晶化することが望まれている溶質と同じ化学的及び/又は構造的性質のものである(例えば、希土類金属三二酸化物)。種晶は次いで溶液中に含浸されて、溶質の液相エピタキシー(LPE)による成長が前記種晶について実施され得るようにし、この場合にも上記の白金対象物が使用される。成長がLPEによって実施される場合、式(I)の単結晶は、薄膜の形態で得られる。

撹拌なしの熱処理を必要とする該プロセスの様々な工程(工程3)並びに工程1)及び2)のサブ工程ii))は、好ましくは垂直管状炉又はマッフル炉において実施される。

撹拌しながらの熱処理を必要とする該プロセスの様々な工程(工程4)及び5))は、好ましくは、溶液を均一化するためのかつ結晶化支持体として作用し得るパドルを備えた垂直管状炉において実施され、前記パドルは、機械的回転/引上げ/秤量システムに連結されたアルミナロッド自体に取付けられた固体結晶化支持体(種晶又は白金ワイヤ又は白金パドルなど)を介し、機械的回転/移動/秤量システムと一体化されている。

該プロセスの工程6)は、好ましくは、撹拌することなく垂直管状炉内で実施される。

工程4)及び5)の間、固体支持体の回転速度は、好ましくは、5〜50回転/分、及びより特定的には、工程5)中になお10〜35回転/分で変異する。

本発明のプロセスの好ましい実施形態によれば、工程5)の冷却は、支持体が液体から抜取られ、かつ溶液上に支持体が設置された後、温度TPM2から1100℃の温度CTSuperまで0.2℃.h−1の速度で実施され、次いで1100℃の温度が1時間未満の時間にわたり維持(熱化)された後、工程6)で言及された冷却が実施される。この場合、工程6)の冷却は、好ましくは約50℃.h−1未満の速度で実施され、かつ数工程で実施され得る。

本発明のプロセスの別の好ましい実施形態によれば、工程5)の冷却は、「鋸歯状」冷却であり、即ち冷却工程と昇温工程とを交互に含んでなる熱処理であり、これにおいて、各昇温工程における振幅は、それに先行する冷却工程の振幅以下である。実行の特定の実施形態によれば、冷却速度は、好ましくは0.1〜0.2℃.h−1で変異し、工程5)の冷却は、以下の熱処理に従って実施される: 出発温度:1200℃ i)0.2℃.h−1の勾配で1175℃まで低下; ii)180℃.h−1の勾配で1190℃まで上昇; iii)0.2℃.h−1の勾配で1150℃まで低下; iv)180℃.h−1の勾配で1165℃まで上昇; v)0.2℃.h−1の勾配で1125℃まで低下; vi)180℃.h−1の勾配で1140℃まで上昇; vii)0.2℃.h−1の勾配で1100℃まで低下; viii)180℃.h−1の勾配で1115℃まで上昇; ix)0.2℃.h−1の勾配で1100℃まで低下。

この実施形態によれば、工程6)の冷却は、好ましくは5℃.h−1で800℃までの低下、次いで約30℃.h−1で室温までの低下の速度で、及びさらに好ましくはなお0.5℃.h−1で1000℃までの低下、次に5℃.h−1で800℃までの低下、及び約30℃.h−1で室温までの低下の速度で実施される。

このような「鋸歯状」熱処理に従って工程5)を実施することは、固体支持体(種晶、白金パドル、白金ディスク、又は白金ワイヤなど)上での多数の不均一な核形成を制限し、それ故良好な品質の1種のみの単結晶の獲得を促進するという利点を示す。

本発明によるプロセスに従って得られた式(I)の単結晶三二酸化物は、その非常に良好な結晶品質とその大きいサイズの故に、光学分野において、或いは固相、液相、又は気相エピタキシー用の基板として有利に使用され得る。

上記に定義された通りの、かつ本発明のプロセスによって得られた、式(I)の単結晶三二酸化物は、光冷却用の材料の製造において、光アイソレータとして、またエピタキシー用の配向基板(とりわけ2−1−1方向に沿った)として、光学的用途に使用され得る。

とりわけ、x=0(ドープされていない化合物)である式(I)の三二酸化物は、ファラデー回転による光循環用の光アイソレータとして及び回転子結晶として使用可能であり、このことは本発明のもう1つの主題をなす。

溶媒/溶質相図を示す。

実施例で用いた垂直管状炉の概略を示す断面図である。

実施例1で得られたGd

2O

3:Yb

3+結晶の写真である。

何ら内包物を示さない研磨された結晶の写真である。

実施例1で得られた結晶のラウエ回折図である。

比較実施例1で得られた結晶の写真である。

比較実施例1で得られた結晶のセンチメートル範囲の写真である。

比較実施例1で得られた結晶のラウエ回折図である。

実施例2で得られた結晶の写真である。

実施例2で得られた結晶のディスクから抜出された一部の写真である。

実施例2で得られた結晶のラウエ回折図である。

実施例2で得られた結晶の磁力特性を示す図である。

比較実施例2で得られた結晶の写真である。

比較実施例2で得られた結晶のラウエ回折図である。

本発明は、以下の実施例によって例示されるが、これらに制限されるものではない。

これらの実施例で用いた出発原料は、純度99.99%の粉末である。 −Fox Chemicalsより市販のGd2O3、Yb2O3、Li2CO3、及びH3BO3粉末 −Oxymet Ltd.より市販のTb4O7粉末

市販のTb4O7粉末を除き、他の粉末は製造業者から受取ったままの状態で使用した。

溶質及び式(IV)の合成溶媒の粉末の合成ための反応は、予めこれらを互いに均質に混合しかつ粉砕した後に、同じ白金るつぼ内で同時に実施され得る。

実施例1 本発明に準拠したプロセスによるイッテルビウムがドープされたGd2O3単結晶の結晶形成 この実施例では、イッテルビウムがxmp=6.67mol%(x=x’=0.0667)までドープされた単結晶立方晶系ガドリニウム三二酸化物:Gd2O3:Yb3+を、[Li6(Gd0.9333Yb0.0667)(BO3)3]を一次溶媒として用い、これにz=20mol%の溶質Gd2O3:Yb3+を添加することにより調製した。

過剰のs=19.35mol%のLiO2を、続いてこのベース混合物に添加した。

1)第1工程:[Li6(Gd0.9333Yb0.0667)(BO3)3]、LiO2、及び(Gd0.9333Yb0.0667)2O3からなる混合物PM2の調製 1.1)ガドリニウム三二酸化物とイッテルビウム三二酸化物との機械的混合物からなる溶質の調製 溶質は、93.33mol%のGd2O3と6.67mol%のYb2O3とを機械的に混合することにより調製した。

市販のGd2O3及びYb2O3粉末を、上記に示した化学量論的割合に従って混合し、次に、乳鉢内で均質に粉砕して、可能な限り最も細かい粒度及び可能な限り最も均質な機械的混合物を得るようにした。Gd2O3にイッテルビウムがドープされた組成(Gd0.9333Yb0.0667)2O3の溶質32.4gがかくして得られた。

1.2)溶質としての(Gd0.9333Yb0.0667)2O3と一次溶媒としての[Li6(Gd0.9333Yb0.0667)(BO3)3]とからなる混合物PM1の調製 混合物PM1を、以下の反応1に従って合成した: 6Li2CO3+6H3BO3+0.9333Gd2O3+0.0667Yb2O3+0.20(Gd0.9333Yb0.0667)2O3 → 2[Li6(Gd0.9333Yb0.0667)(BO3)3]+0.20(Gd0.9333Yb0.0667)2O3+9H2O+6CO2 (反応1)

市販のLi2CO3、H3BO3、Gd2O3、及びYb2O3粉末を、上記の反応1によって示された化学量論的割合に従って予め混合し、次に、乳鉢内で均質に粉砕して、可能な限り最も細かい粒度及び可能な限り最も均質な機械的混合物を得るようにした。

133.3055gの一次溶媒及び32.4gの溶質(Gd0.9333Yb0.0667)2O3、即ち、一次溶媒中に溶質z=20mol%のものが調製された。165.7055gの混合物PM1がかくして得られた。

1.3)混合物PM2の調製 さらなる7.8542gのLi2CO3(即ち、3.1763gのLi2Oと同等)を、上記工程1.2)で得られた混合物PM1に添加した。これは、混合物PM1についてs=19.35mol%の過剰のLi2Oの添加に相当する。

市販のLi2CO3の粉末とPM1の混合物の粉末とを混合し、次いで乳鉢内で均質に粉砕して、可能な限り最も細かい粒度及び可能な限り最も均質な機械的混合物を得るようにした。

得られた混合物を、その後、空気雰囲気下に白金るつぼ内で、以下の熱処理に従って加熱した: 1)120℃.h−1の勾配で500℃までの上昇、次いで12時間続く静止期: 2)120℃.h−1の勾配で800℃までの上昇、次いで12時間続く静止期: 3)180℃.h−1の勾配で1250℃までの上昇、次いで2時間続く静止期であり、これは合成溶媒中の溶質の溶解を生じるために行われる: 4)180℃.h−1の冷却速度で室温までの冷却。

合成溶媒[Li6(Gd0.9333Yb0.0667)(BO3)3]+Li2Oからなり、溶質がそれに添加ずみである、かくして得られた混合物PM2は、その後、瑪瑙製の乳鉢及び乳棒を用いて粉砕された。136.4818gの合成溶媒と32.4gの溶質、即ち合成溶媒中のz”=16.14mol%の溶質、とからなる混合物PM2がかくして得られた。

2)第2工程:Gd2O3:Yb3+単結晶の結晶形成 上記の工程2)で得られた混合物PM2を、その後、垂直管状炉内で、まず180℃.h−1の昇温勾配を1250℃まで適用することにより、空気下で溶融した。

この実施例で用いた垂直管状炉は、添付の図2に示されている。それは、水冷式のステンレス鋼チャンバ(1)を含んでなり、該チャンバ内には、発熱体(2)と、内部チャンバ(3)とが配置され、該内部チャンバは、アルミナ管(3a)と、Fibrothal(登録商標)及びシリカウール(3b)と、アルミナワッシャ(3c)とから構成される、耐熱材料から製される。該内部チャンバ(3)は、溶融反応混合物(溶液)を含有するるつぼ(5)の周囲に配置された熱反射器(4)を含み、前記熱反射器は、熱反射器(4)用のバッキングアルミナ管(4a)からなり、該バッキングアルミナ管は白金ワッシャ(4b)で覆われ、該白金ワッシャ自体はアルミナワッシャ(4c)で覆われている。その上部で、チャンバ(1)は、炉のチャンバ内の上昇圧力を確保する漏出防止性の通路(7)を具備し、これをアルミナロッド(8)が貫通し、該アルミナロッドは、機械的回転/移動システム及び秤量装置(10−3gの精度を有する天秤)と一体であり、かつその端部に単結晶の成長用の溶媒中で溶質を撹拌することにより溶質を均一化しかつ沈殿を防止するための固体支持体(10)を含んでなり、前記支持体(10)は、るつぼ(5)内に存在する反応混合物(6)中に含浸されている。

支持体(10)は、白金パドル、白金ワイヤ、又はアルミナロッドからつり下げられた垂直の白金ワイヤ自体にその中心で水平に取付けられた白金ディスクによって形成されたアセンブリ、或いはまた、アルミナロッドからつり下げられた白金ワイヤ自体に取付けられた配向結晶又は多結晶種からなり得る。

この実施例では、用いた固体支持体(10)は、アルミナロッドからつり下げられた垂直の白金ワイヤ自体にその中心で水平に取付けられた、白金ディスクであった。

炉内の温度勾配(半径方向及び長手方向)は、1℃.cm−1程度であり、反応混合物の最低温度が反応混合物の中心及び表面に位置するようにする。

アルミナワッシャ(厚さ>1mm)(4b)並びにグラファイトワッシャ(厚さ>2mm)(4c)を具備した熱反射器(4)は、温度勾配を低減することを可能にする。反応混合物中の温度は、かくて均一化される。

熱化の後、固体支持体は、炉(1)及びるつぼ(5)の軸に沿って移動して、るつぼの底から1mmの高さまで低下することにより反応混合物中に含浸されて、支持体(10)のディスク及びワイヤを構成する白金のみが溶融反応混合物と接するようにし、かつアルミナロッド(8)の末端(白金ワイヤとロッドとの間の連結点)が最低でも反応混合物の表面から少なくとも1cmを超えるようにする。

白金ディスクは、反応混合物中でるつぼの中心において移動することにより含浸された。適宜に、合成溶媒中の溶解された存在物(溶質)を完全に均質化すること、及びそれらが沈殿するのを防止する目的で、30回転/分程度の、ロッドの軸の周りの回転による撹拌が、1250℃で24時間実施された。

溶融浴が高粘度であることを考慮すれば、該存在物の液相全体にわたる溶解を保持し、かつ溶質の沈殿効果を軽減するためには、20回転/分以上程度の充分な撹拌が必要であることが判明した。

結晶成長は、以下の熱処理プログラムに従って実施された: 出発温度:20℃ − 120℃.h−1の勾配で1250℃までの上昇、次いで24時間続く静止期、 − 180℃.h−1の勾配で1200℃までの低下、次いで4時間続く静止期、 − 0.2℃.h−1の勾配で1175℃までの低下、次いで0.1時間続く静止期、 − 180℃.h−1の勾配で1190℃までの上昇、次いで0.1時間続く静止期、 − 0.2℃.h−1の勾配で1150℃までの低下、次いで0.1時間続く静止期、 − 180℃.h−1の勾配で1165℃までの上昇、次いで0.1時間続く静止期、 − 0.2℃.h−1の勾配で1125℃までの低下、次いで0.1時間続く静止期、 − 180℃.h−1の勾配で1140℃までの上昇、次いで0.1時間続く静止期、 − 0.2℃.h−1の勾配で1100℃までの低下、次いで0.1時間続く静止期、 − 180℃.h−1の勾配で1115℃までの上昇、次いで0.1時間続く静止期、 − 0.2℃.h−1の勾配で1100℃までの低下、次いで0.1時間続く静止期、 − 溶液からの引上げなし、 − 1100℃において、溶融浴上での白金ディスクの抜出し、 − 0.5℃.h−1の勾配で1000℃までの低下、 − 0.2℃.h−1の勾配で800℃までの低下、 − 60℃.h−1の勾配で室温までの低下。

かくして得られたGd2O3:Yb3+結晶の写真が、添付の図3に示されている。この図では、Gd2O3:Yb3+結晶は、グラフ用紙のシート上に置かれた。結晶は、その長尺が1センチメートル程度のサイズを示すことが観察される。表面積が25mm2より、かつ厚さが1.5mmより大きく、何ら内包物を示さない研磨された結晶の写真が、添付の図4に提示されている。かかる結晶のワーキングボリュームは、したがって非常に高い。

ラウエ回折図が、添付の図5に示されている。この図において、測定は、Gd2O3:Yb3+単結晶の配向(−2−1−1)自然面について、Delta Technologies InternationalによりGM WSシリーズX線という表記で市販されたゴニオメータで、モリブデン対陰極とPhotonics ScienceブランドのCCDカメラとを使用して行なった。この図は、所期の理論的構造に従うものであり、この実施例で得られたGd2O3:Yb3+単結晶の立方晶系構造を立証するものである。

比較実施例1 本発明に準拠しないプロセスによるイッテルビウムがドープされたGd2O3単結晶の結晶形成 上記実施例1の比較実施例として、イッテルビウムが6.67%(mol)までドープされたGd2O3単結晶を、本発明によらないプロセスに従い、即ち[Li6(Gd0.9333Yb0.0667)(BO3)3]を溶媒(Li2Oを含まない混合物)として用いて、これに組成(Gd0.9333Yb0.0667)2O3の20mol%のGd2O3:Yb3+溶質を、国際出願(特許文献1)に記載されたプロセスに従って添加することにより調製した。

1)第1工程:ガドリニウム三二酸化物とイッテルビウム三二酸化物との機械的混合物からなる溶質の調製 溶質を、93.33mol%のGd2O3と6.67mol%のYb2O3とを、上記実施例1の工程1)と同じプロセスに従って機械的に混合することにより調製した。

2)第2工程:合成用混合物の調製 合成用混合物を、以下の反応1に従って調製した: 6Li2CO3+6H3BO3+0.9333Gd2O3+0.0667Yb2O3 →2[Li6(Gd0.9333Yb0.0667)(BO3)3] + 0.20(Gd0.9333Yb0.0667)2O3+9H2O+6CO2 (反応1)

市販のLi2CO3、H3BO3、Gd2O3、及びYb2O3粉末を、上記の反応1によって示された化学量論的割合に従って混合し、次に、乳鉢内で均質に粉砕して、可能な限り最も細かい粒度及び可能な限り最も均質な機械的混合物を得るようにした。混合物を、その後、空気雰囲気下に白金るつぼ内で、以下の熱処理に従って加熱した: 1)120℃.h−1の勾配で500℃までの上昇、次いで12時間続く静止期; 2)120℃.h−1の勾配で800℃までの上昇、次いで12時間続く静止期; 3)180℃.h−1の勾配で1250℃までの上昇、次いで2時間続く静止期; 4)180℃.h−1の冷却速度で室温までの冷却。

かくして得られた[Li6(Gd0.9333Yb0.0667)(BO3)3]及び(Gd0.9333Yb0.0667)2O3の混合物は、その後、瑪瑙製の乳鉢及び乳棒を用いて粉砕された。

3)第3工程:Gd2O3:Yb3+単結晶の結晶形成 上記の工程2)で得られた133.3055g(80mol%)の溶媒[Li6(Gd0.9333Yb0.0667)(BO3)3]と、上記の工程1)で調製された32.400g(20mol%)の溶質とを混合し、かつ乳鉢内で一緒に均質に粉砕して、可能な限り最も細かい粒度及び可能な限り最も均質な機械的混合物を得るようにした。この混合物を、その後白金るつぼ内に置いた。

[Li6(Gd0.9333Yb0.0667)(BO3)3](一次溶媒)と組成(Gd0.9333Yb0.0667)2O3の溶質とからなる溶体を、上記実施例1で用いたのと同じ垂直管状炉内で、まず180℃.h−1の昇温勾配を1200℃まで適用することにより、空気下で溶融した。

Gd2O3:Yb3+を、上記実施例1に記載された炉内で、実施例1に記載されたプロトコールに従い、上記実施例1と同様の支持体を使用することにより、空気雰囲気下で、かつ上記実施例1で用いたのと同じ熱処理プログラムに従って結晶化した。

Gd2O3:Yb3+単結晶が、水平ディスクを備えた白金パドル上で得られており、その写真を添付の図6に示す。この図において、Gd2O3:Yb3+結晶は、グラフ用紙のシート上に置かれた。得られた結晶は、上記実施例1で得られた結晶に比較して、より多数であり、かつより小さい平均サイズ(その長尺で)を示す。センチメートル範囲の結晶の写真が、添付の図7に示される。この図において、本発明に準拠しないプロセスにより、即ちLi2Oを含有しない合成溶媒の使用によって得られた結晶は、多数の内包物を含んでなり、このことは、結晶の有効体積、即ち何ら内包物のない体積、を制限する結果となる。

ラウエ回折図が、添付の図8に示されている。測定は、Gd2O3単結晶の配向(−2−1−1)自然面について、Delta Technologies InternationalによりGM WSシリーズX線という表記で市販されたゴニオメータで、モリブデン対陰極とPhotonics ScienceブランドのCCDカメラとを使用して行なった。この図は、所期の理論的構造に従うものであり、得られた純粋なGd2O3単結晶の立方晶系構造を立証するものである。

実施例2 本発明に準拠したプロセスによるTb2O3単結晶の結晶形成 この実施例では、純粋な単結晶立方晶系テルビウム三二酸化物(Xmp=0かつx=0):Tb2O3を、[Li6Tb(BO3)3]を一次溶媒として用い、これにz=17mol%の溶質Tb2O3を添加することにより調製した。

過剰のs=20mol%のLiO2を、その後このベース混合物に添加した。

1)第1工程:溶質Tb2O3の調製 使用に先立ち、市販のTb2O3粉末を、予めアルゴン/H2(5%)下に別個に加熱して、脱水された、+IIIの原子価をもつテルビウム原子のみを示す、完全に化学量論的なTb2O3粉末を、以下の反応(2)に従って得るようにした: Tb4O7→2Tb2O3+0.5O2 (反応2)

熱処理は、以下の通りであった: 1)180℃.h−1の勾配で500℃までの上昇、次いで3時間続く静止期; 2)180℃.h−1の勾配で850℃までの上昇、次いで3時間続く静止期; 3)180℃.h−1の勾配で1250℃までの上昇、次いで48時間続く静止期; 4)120℃.h−1の冷却速度で室温までの冷却。

この熱処理は、白金るつぼ内で実施された。

Tb2O3粉末は、その後、上述の熱処理の終了に続く1時間以内に結晶合成に使用して、水分の再取込みを防止するようにした。

2)第2工程:Tb2O3と一次溶媒としての[Li6Tb(BO3)3]とからなる混合物PM1の調製 混合物PM1を、以下の反応3に従って調製した: 6Li2CO3+6H3BO3+1.17Tb2O3→2[Li6Tb(BO3)3]+0.17Tb2O3+9H2O+6CO2 (反応3)

市販のLi2CO3及びH3BO3粉末と、上記工程1)で調製されたTb2O3粉末とを、上記の反応3によって示された化学量論的割合に従って混合し、次いで乳鉢内で均質に粉砕して、可能な限り最も細かい粒度及び可能な限り最も均質な機械的混合物を得るようにした。

98.2793gの一次溶媒及び19.5344gの溶質Tb2O3が調製された。117.8137gの混合物PM1がかくして得られた。

3)第3工程:上記工程2)に記載された混合物PM1にモル過剰のLi2Oを添加することによる混合物PM2の調製 さらなる5.8018gのLi2CO3(即ち、2.3463gのLi2Oと同等)を、先行工程において上記で得られた117.8137gの混合物PM1に添加した。これは、混合物PM1について20mol%の過剰のLi2Oの添加に相当する。

市販のLi2CO3と混合物PM1の粉末とを混合し、次いで乳鉢内で均質に粉砕して、可能な限り最も細かい粒度及び可能な限り最も均質な機械的混合物を得るようにした。

得られた混合物を、その後、アルゴン/H2(5体積%)雰囲気下に白金るつぼ内で、以下の熱処理に従って加熱した: 1)120℃.h−1の勾配で500℃までの上昇、次いで12時間続く静止期; 2)120℃.h−1の勾配で800℃までの上昇、次いで12時間続く静止期; 3)180℃.h−1の勾配で1250℃までの上昇、次いで2時間続く静止期; 4)180℃.h−1の冷却速度で室温までの冷却。

混合物PM2は、その後、瑪瑙製の乳鉢及び乳棒を用いて粉砕された。100.6256gの合成溶媒と19.5433gのTb2O3、即ち合成溶媒中z”=13.6mol%の溶質とからなる、120.16gの混合物PM2がかくして得られた。

4)第4工程:Tb2O3単結晶の結晶形成 先行工程において上記で得られた混合物PM2を、その後白金るつぼ内に置いた。

その後混合物PM2を、実施例1において上記で用いたのと同一の垂直管状炉内で、まず180℃.h−1の昇温勾配を1235℃まで適用することにより、アルゴン下で溶融した。

ショベル形のパドルを、反応混合物中でるつぼの中心において移動することにより含浸した。適宜に、合成溶媒中の溶解された存在物(溶質)を完全に均質化すること、及びそれらが沈殿するのを防止する目的で、30回転/分程度の、ロッドの軸の周りの回転による撹拌を、1235℃で24時間実施した。

溶融浴が高粘度であることを考慮すれば、該存在物の液相全体にわたる溶解を保持し、かつ溶質の沈殿効果を軽減するためには、20回転/分程度の充分な撹拌が必要であることが判明した。結晶成長は、以下の熱処理プログラムに従って実施された: 出発温度:20℃ − 180℃.h−1の勾配で1235℃までの上昇、次いで24時間続く静止期、 − 0.2℃.h−1の冷却速度で1175℃までの冷却、 − 120℃.h−1の昇温速度で1210℃までの上昇、 − 0.2℃.h−1の冷却速度で1160℃までの冷却、 − 1235℃〜1160℃の温度範囲にわたり、溶液からの引上げなし、 − 1160℃において、溶融浴上でのパドルの抜出し、 − 7℃.h−1の勾配で800℃までの低下、 − 30℃.h−1の勾配で室温までの低下。

かくして約20日間の終わりに、いくつかのTb2O3単結晶からなる幅広いディスクが得られた。このディスクの写真は、添付の図9に示されている。この図において、Tb2O3ディスクはグラフ用紙(1目=1mm)上に置かれている。結晶は1センチメートル程度のサイズを示すことが観測された。添付の図10は、このディスクから抜出された一部の写真を示しており、この部分は何ら内包物のない5x5x1.2mm3より大きい寸法を示す。

さらに、ラウエ法で得られたラウエ回折図が、添付の図11に示されている。ディスクの成長軸は(6.2.1)として測定された。測定は、Delta Technologies InternationalによりGM WSシリーズX線という表記で市販されたゴニオメータで、モリブデン対陰極とPhotonics ScienceブランドのCCDカメラとを使用して行なった。この図は、所期の理論的構造に従うものであり、得られたTb2O3単結晶の立方晶系構造を立証するものである。

この結晶はまた、そのベルデ定数を測定する目的でも試験された。非吸収性等方性の反磁性又は常磁性媒質、或いはより一般的には、左右2つの円偏光型の光の間で吸収に差異を示さない媒質は、この媒質が直線偏光電磁波の進行方向に沿って適用された誘導磁場Bに供された場合、該波の電界の偏光の単純な回転θをもたらす。この現象は、ファラデー効果として知られ、これは、媒質において誘導される磁気円偏光複屈折の結果として生じ、(もっぱら)そのシングルパス効果は、光学活性としても知られる天然の円偏光複屈折のものと同様である。マクスウェルの方程式と組合された古典的な電子理論(ローレンツモデル)は、ファラデー回転が誘導電磁場Bの振幅と横切る物質の長さlとの双方に比例し、それ故θ=V(λ).l.B[式中、V(λ)は、物質に依存しかつ波長λの関数である:これがベルデ定数]であることを示すことを可能にする。

結晶は、0mT〜1200mTの範囲であり得る連続磁場を出力する電磁石の空間間隙の中央に配置された。検光子及び偏光子は、アセンブリの両側にはすに配置され、下流の検出器において光を消滅させるようにした。次いで、その波動ベクトルが磁場と共線である上流のレーザ光源を通電した。磁場の各値Bにおいて、検光子を角度θ(rad)まで回転して、検出器において光の消滅が再び得られるようにした。

得られた結果を添付の図12に示す。2つのグラフは、2つの異なるレーザ光源について実施された測定値を示す(He−Ne、632.8nm(図12a)、及びNd:YAG、1064nm(図12b))。これらの図において、角度(rad)は磁場B(mT)の関数である。得られた線形回帰直線が、ベルデ定数V(λ)を与える。

本実施例に記載されたプロセスに従って調製された3つの試料、Tb2O3−1、Tb2O3−2、Tb2O3−3は、それ故632.8nmで試験され、一試料(Tb2O3−2)は、1064nmで試験された。

Tb2O3のV(λ)値を、ベルデ定数の値という点で現在最も効率的な材料であるTGGのもの(VTGG(632.8nm)=134rad.T−1.m−1;VTGG(1064nm)=40rad.T−1.m−1)と比較した。

得られた結果は、これら2つの波長によるTb2O3のベルデ定数の値が、TGGのそれよりも少なくとも3倍大きいことを示している。

比較実施例2 本発明に準拠しないプロセスによるTb2O3単結晶の結晶形成 この実施例では、純粋な単結晶立方晶系テルビウム三二酸化物Tb2O3を、本発明によらないプロセスに従い、即ち[Li6Tb(BO3)3]を17mol%の溶質Tb2O3による合成のための溶媒(Li2Oを含まない溶媒)として使用することにより調製した。

1)第1工程:溶質Tb2O3の調製 溶質Tb2O3は、実施例2の工程1)で上記に示したように調製した。

次いでTb2O3粉末を、その後、上述の熱処理の終了に続く1時間以内に結晶合成に使用して、水分の再取込みを防止するようにした。

2)第2工程:合成用の溶媒[Li6Tb(BO3)3]の調製 合成用の溶媒[Li6Tb(BO3)3]を、実施例2の工程2)で上記に記載した反応3により、同じプロトコールに従って調製した:

それ故83.8504gの合成用溶媒[Li6Tb(BO3)3]が得られ、この溶媒をその後、瑪瑙製の乳鉢及び乳棒を用いて粉砕した。

3)第3工程:Tb2O3単結晶の結晶形成 上記工程2)で得られた83.8504g(83mol%)の[Li6Tb(BO3)3]と、上記工程1)で調製された16.6662g(17mol%)のTb2O3とを混合し、かつ乳鉢内で一緒に均質に粉砕して、可能な限り最も細かい粒度及び可能な限り最も均質な機械的混合物を得るようにした。この混合物を、その後白金るつぼ内に置いた。

結晶成長は、その後、実施例2の工程4)で上記に詳述したのと同じ条件下に実施された。

Tb2O3単結晶の凝集体が、かくして得られた;この写真を、添付の図13に示す。この図において、Tb2O3結晶は、グラフ用紙(1目=1mm)上に置かれた。結晶は数ミリメートル程度のサイズを示すことが観測された。さらに、ラウエ法で得られたラウエ回折図が、添付の図14に示されている。測定は、Tb2O3単結晶の配向(−1−10)自然面について、Delta Technologies InternationalによりGM WSシリーズX線という表記で市販されたゴニオメータで、モリブデン対陰極とPhotonics ScienceブランドのCCDカメラとを使用して行なった。この図は、所期の理論的構造に従うものであり、得られたTb2O3単結晶の立方晶系構造を立証するものである。

高效检索全球专利

专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

申请试用

分析报告

专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

申请试用

QQ群二维码
意见反馈