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拡散係数推定方法

阅读:1031发布:2020-07-15

专利汇可以提供拡散係数推定方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】供試体の性状に限定されることなく、短期間で高 精度 に拡散係数を推定することを可能とした、拡散係数推定方法を提案する。 【解決手段】陰極4および陽極5が配設された試験用セル2内において、供試体1をイオン溶液に浸せきする準備工程と、陰極4および陽極5に直流電圧を印加した状態で供試体1にイオン溶液を所定期間浸透させる印加工程と、供試体1に浸透した陰イオンおよび陽イオンの濃度分布を測定する測定工程と、陰イオンおよび陽イオンのうちのいずれか一方のイオンの濃度分布を電位勾配によるイオンの浸透式にフィッティングして一方のイオンの拡散係数を推定する推定工程とを備える拡散係数推定方法。 【選択図】図1,下面是拡散係数推定方法专利的具体信息内容。

陰極および陽極が配設された試験用セル内において、供試体をイオン溶液に浸せきする準備工程と、 前記陰極および前記陽極に直流電圧を印加した状態で前記供試体に前記イオン溶液を所定期間浸透させる印加工程と、 前記供試体に浸透した陰イオンおよび陽イオンの濃度分布を測定する測定工程と、 陰イオンおよび陽イオンのうちのいずれか一方のイオンの拡散係数を推定する推定工程と、を備える拡散係数推定方法であって、 前記推定工程では、前記一方のイオンの対イオンである他方のイオンの濃度分布から、前記他方のイオンが浸透した深さを推定し、当該深さよりも深い範囲における前記一方のイオンの濃度分布を電位勾配によるイオンの浸透式にフィッティングすることを特徴とする、拡散係数推定方法。前記測定工程の前に、前記陰イオンまたは前記陽イオンの前記供試体への浸透深さを確認する浸透確認工程を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の拡散係数推定方法。前記浸透確認工程において、前記浸透深さを蛍光X線元素分析装置を用いて確認することを特徴とする、請求項2に記載の拡散係数推定方法。前記供試体が、コンクリート供試体であり、 前記準備工程において、前記試験用セル内の前記コンクリート供試体の前記陰極側に塩化ナトリウム溶液、前記コンクリート供試体の前記陽極側に酸化ナトリウム溶液を注入することを特徴とする、請求項1の拡散係数推定方法。前記測定工程の前に、前記コンクリート供試体に浸透した塩化物イオンの浸透深さを確認する浸透確認工程を備えており、 前記浸透確認工程では、前記コンクリート供試体に硝酸銀を噴霧または蛍光X線元素分析装置を用いて確認することを特徴とする、請求項4に記載の拡散係数推定方法。前記測定工程において、前記陰イオンおよび前記陽イオンの分布を波長分散型電子プローブマイクロアナライザにより測定することを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の拡散係数推定方法。

说明书全文

本発明は、拡散係数推定方法に関する。

地盤(岩盤や土壌等)やコンクリート等の内部における物質移動の拡散係数を推定する場合がある。 例えば、コンクリート内に浸透した塩化物イオンの拡散係数を測定して塩化物イオンの移動性を評価すれば、コンクリートの塩害に対する耐久性を確認することができる。特に、補強材として鋼材が使用されているコンクリート部材(鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートまたは鋼繊維補強コンクリート等)の場合は、塩分が浸透すると内部の鋼材が腐食により膨張し、コンクリートに亀裂が生じるおそれがあるため、塩化物イオンの移動性を把握しておく必要がある。

コンクリート内の拡散係数の測定方法としては、例えば、コンクリートに電圧を印加し、非定常状態での塩分の移動を評価する方法(非特許文献1参照)や、定常状態での塩分の移動を評価する方法(非特許文献2参照)等がある。 また、特許文献1には、短期の拡散状態に基づいて長期の拡散状態を予測する方法として、コンクリートに化学種を浸透させた後、コンクリート中の化学種を呈色させて化学種の浸透深さを測定し、この測定結果に基づいて求めた化学種の濃度の予測式を用いて任意の距離および時間における化学種の濃度を算出する方法が開示されている。

特開2012−202731号公報

NT BUILD 492、「Chloride Migration Coefficient from Non-steady State Migration Experiment」、Nordtest、Finland、1999年

「電気泳動によるコンクリート中の塩化物イオンの実効拡散係数試験方法(案)(JSCE−G571−2013)」、コンクリート標準示方書[規準編]、土木学会、2013年

非特許文献1は、通常のコンクリートに関する換算式を使用するものであるため、ポルトランドセメントのみを使用したコンクリートを対象として規定しているおり、ポルトランドセメント以外のセメント、例えば、高炉セメントやフライアッシュセメントなどの混合セメントを用いたコンクリートの拡散係数の測定には不向きであった。 また、非特許文献2の拡散係数の測定方法は、塩分がコンクリート供試体を貫通するまで溶液に浸らせる必要があるため、測定結果が得られるまでに時間を要する。特に高強度コンクリートのような緻密なコンクリート(拡散係数が普通コンクリートの1/20以下)場合には、塩分の浸透に1年以上かかってしまう。そのため、緻密なコンクリート部材の拡散係数の測定には不向きであった。 さらに、印加時間を短縮するために印加電圧を高くするとコンクリート供試体が発熱して正確な測定ができなくなる、電極の近傍でが電気分解して水素ガスを発生する危険があった。 また、特許文献1の拡散係数の予測方法を高強度コンクリートのような緻密なコンクリート(拡散係数が普通コンクリートの1/20以下)に適用しても、呈色した領域の計測が困難なため、拡散係数を精度良く測定することは困難である。

このような観点から、本発明は、供試体の性状に限定されることなく、短期間で高精度に拡散係数を推定することを可能とした、拡散係数推定方法を提案することを課題とする。

前記課題を解決するために、本発明の拡散係数推定方法は、陰極および陽極が配設された試験用セル内において供試体をイオン溶液に浸せきする準備工程と、前記陰極および前記陽極に直流電圧を印加した状態で前記供試体に前記イオン溶液を所定期間浸透させる印加工程と、前記供試体に浸透した陰イオンおよび陽イオンの濃度分布を測定する測定工程と、陰イオンおよび陽イオンのうちのいずれか一方のイオンの拡散係数を推定する推定工程とを備える拡散係数推定方法であって、前記推定工程では、前記一方のイオンの対イオンである他方のイオンの濃度分布から、前記他方のイオンが浸透した深さを推定し、当該深さよりも深い範囲における前記一方のイオンの濃度分布を電位勾配によるイオンの浸透式にフィッティングすることを特徴としている。

かかる拡散係数推定方法によれば、陰イオンおよび陽イオンが供試体を貫通するまで浸透させるのではなく、所定期間に区切って行うため、従来の拡散係数推定方法に比べて試験期間を大幅に短縮することができる。 また、他方のイオンが浸透した範囲における一方のイオンの濃度分布を除外して拡散係数を推定するため、より高精度なイオンの拡散係数の測定が可能となる。 なお、本発明に係る拡散係数推定方法は、コンクリート、岩盤、土壌、陶磁器等の拡散係数を推定する場合に適用できる。例えば、本発明によってコンクリートの拡散係数を推定すれば、コンクリート部材の塩害の進行状況を推定することができ、岩盤の拡散係数を推定すれば、岩盤への物質の移行状況(拡散状況)を推定することができる。

前記測定工程の前に、前記陰イオンまたは前記陽イオンの浸透深さを確認する浸透確認工程を備えていてもよい。この供試体への対象イオンの浸透深さの確認方法としては、例えば、蛍光X線元素分析装置を用いて行えばよい。 なお、前記供試体がコンクリート供試体である場合に、前記準備工程において、前記試験用セル内の前記コンクリート供試体の前記陰極側に塩化ナトリウム溶液を満たし、前記コンクリート供試体の前記陽極側に水酸化ナトリウム溶液を満たせば、コンクリート内に浸透する塩化物イオンの拡散係数を推定することができる。 また、前記供試体がコンクリート供試体である場合の浸透確認工程では、前記コンクリート供試体に硝酸銀を噴霧して当該コンクリート供試体に浸透した塩化物イオンの浸透深さを確認してもよいし、蛍光X線元素分析装置を用いて前記コンクリート供試体への塩化物イオンの浸透深さを確認してもよい。 さらに、前記測定工程において、前記陰イオンおよび前記陽イオンの濃度分布を波長分散型電子プローブマイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe Micro Analyzer)により測定すれば、供試体内のイオンの濃度分布を簡易かつ高精度に測定することができる。

本発明の拡散係数推定方法によれば、供試体の性状に限定されることなく、短期間で高精度に拡散係数を推定することが可能となる。

本発明の実施形態にかかる試験装置の模式図である。

(a)供試体を模式的に示す斜視図、(b)は供試体の呈色例を示す断面図、(c)はEPMAによる測定結果の例を示す断面図である。

EPMAの測定例を示すグラフであって、(a)はClイオンとNaイオンの分布、(b)はClイオンの分布およびフィッティング曲線である。

<第一の実施形態> 第一の実施形態では、緻密なコンクリート(高強度コンクリート等)における塩化物イオンの拡散係数を推定する場合について説明する。 本実施形態の拡散係数推定方法は、準備工程、印加工程、浸透確認工程、測定工程および推定工程を備えている。 準備工程は、図1に示すように、供試体1を試験用セル2に設置する工程である。本実施形態では、4つの供試体1,1,1,1について、それぞれ試験を行い、そのうち3つの結果を利用して拡散係数を推定する。 供試体1は、測定の対象となるコンクリート部材から採取する。具体的には、まず、コンクリート部材からコンクリートコアを採取し、その後、このコンクリートコアから円柱状の供試体1を切り出せばよい。本実施形態では、φ100mm×50mmの円柱状の供試体1を1つのコンクリートコアから4つ切り出す。なお、供試体1の形状寸法、形成方法および数は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。

供試体1は、試験用セル2の中央を遮蔽するように設置する。供試体1の側面から溶液が浸透しないように、供試体1の柱面(側面)には、樹脂を被覆しておく。なお、供試体1の側面を被覆する樹脂の種類は限定されない。また、供試体1の側面の止水方法は樹脂の被覆に限定されない。

本実施形態の試験用セル2は、アクリル製の円筒状部材からなるが、試験用セル2を構成する材料や形状は限定されない。 試験用セル2には、直流電源3に接続された陰極4および陽極5が配設されている。 本実施形態では、供試体1の一面側(図1において左側)に陰極4が設けられており、他面側(図1において右側)に陽極5が設けられている。なお、陰極4および陽極5は逆に配置されていてもよい。

試験用セル2に供試体1を設置したら、試験用セル2にイオン溶液6,7を注入して、供試体1をイオン溶液6,7に浸せきする。本実施形態では、供試体1の一面側(陰極4側)を塩化ナトリウム溶液(1.8mol/L)6で満たし、供試体1の他面側(陽極5側)を水酸化ナトリウム溶液(0.3mol/L)7で満たす。なお、試験用セル2に注入するイオン溶液の種類および各イオン溶液の濃度は限定されない。 イオン溶液6,7の深さは、供試体1の全体が浸る深さとする。

印加工程は、陰極4および陽極5に直流電圧を印加する工程である。 陰極4および陽極5に直流電圧を印加すると、陰極4側から陽極5側に向う電位勾配によってイオン溶液(塩化ナトリウム溶液6)から供試体1の内部に向かって物質移動が始まる。 本実施形態では、30Vの電圧を14日〜91日間印加するが、電圧の大きさおよび電圧を印加する期間(イオン溶液を供試体1に浸透させる時間)は限定されない。なお、拡散係数の推定に使用する供試体1の印加時間(イオン溶液を浸透させる時間)は、浸透確認工程の結果(印加時間14日間の供試体1の塩化物イオンの浸透状況)に応じて設定する(表1参照)。

浸透確認工程は、塩化物イオン(陰イオン)およびナトリウムイオン(陽イオン)の浸透深さを確認する工程である。 本実施形態では、印加時間14日間の供試体1について浸透深さの確認を行う。 具体的な手順は次のとおりである。 まず、図2(a)に示すように、円柱状の供試体1を二つの供試体片10,10に切断する(図面には一方の供試体片10のみを表示している)。 次に、一方の供試体片10の切断面11に硝酸銀を噴霧する。切断面11に硝酸銀を噴霧すると、塩化物イオンと硝酸銀との呈色反応により、供試体1が変色する(図2(b)参照)。

続いて、切断面11に現れた硝酸銀による着色域12のおおよその深さ(浸透深さ)を確認(目視)する。そして、着色域12の平均浸透深さ(厚さ)により、拡散係数の推定に使用する供試体1の印加時間(印加工程においてイオン溶液を浸透させる期間)を設定する(表1参照)。 本実施形態では、印加時間14日の供試体1に対して、浸透深さの確認を行い、拡散係数の推定に使用する各供試体1に対する印加時間を表1に示すように設定した。なお、印加時間は、表1の時間(日数)に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。また、浸透確認工程に使用する供試体の印加時間は、14日間に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。また、塩化物イオンの浸透の確認方法は、硝酸銀噴霧に限定されない。なお、目視による確認が困難な場合には、ハンドヘルド型の蛍光X線元素分析装置により浸透の確認を行ってもよい。

印加時間14日間の浸透深さが3mm以下の場合は、表1に示すように、印加時間56日、74日、91日の供試体1を使用して拡散係数を推定する。 ここで、印加時間14日間の浸透深さが3mm以下の場合は、印加時間56日の供試体1についても、硝酸銀を使用して塩化物イオンの浸透深さの確認(浸透確認工程)を実施する。なお、本実施形態では、印加時間56日での塩化物イオンの浸透深さが3mm以下の場合には、拡散係数は推定加減未満(本実施形態では6×10−15m2/s未満)と推定し、試験を終了する(印加時間74日、91日の試験は行わない)こととする。

印加時間14日間の浸透深さが3mm超10mm以下の場合には、印加時間14日、28日、56日の供試体1を使用して拡散係数を推定する。 一方、印加時間14日間の浸透深さが10mm超20mm以下の場合には、印加時間14日、21日、28日の供試体1を使用して拡散係数を推定する。 さらに、印加時間14日間の浸透深さが20mmを超える場合には、従来の定常流による拡散係数測定により、拡散係数の推定を行う。

測定工程は、供試体1に浸透した塩化物イオン(陰イオン)およびナトリウムイオン(陽イオン)の濃度分布を測定する工程である。 本実施形態では、浸透確認工程において設定された印加時間により印加工程が実施された供試体1について、波長分散型電子プローブマイクロアナライザ(EMPA)を利用して塩化物イオンおよびナトリウムイオンの濃度分布を測定する。 なお、塩化物イオンおよびナトリウムイオンの濃度分布の測定方法(測定に利用する装置)は、EMPAを使用した方法に限定されるものではない。例えば、イオン溶液と接触する表面から内部に向かって順次、切断あるいは切削し、回収した試料を用いて対象元素に応じて、公知の湿式分析や機器分析の技術によって測定することができる。 ここで、着色域12の平均浸透深さが3mm〜20mmの範囲内の場合において、印加時間14日の供試体1について測定工程を実施する場合には、浸透確認工程において使用した供試体片10の対となる他方の供試体片10を利用する。

本実施形態では、図2(a)に示すように、供試体片10の切断面11から切り出した、50×50×10mmの試験片13を濃度分布の測定に使用する。 まず、試験片13を真空乾燥して樹脂を含浸し、次に試験片13の分析面(表面)を鏡面研磨して炭素を蒸着した後、EMPAにより塩化物イオンおよびナトリウムイオンの濃度分布を測定する。 EMPAによると、図2(c)に示すように、陰極側から陽極側に向って塩化物イオン61が浸透していることを確認できる。 本実施形態では、濃度分布の測定結果からコンクリート中の骨材と判定される測定点を除去する。骨材と判定される測定点の除去方法は限定されるものではないが、例えば、骨材と周囲のセメント硬化体(セメントペースト)の元素の構成や濃度の違いにより判定することで除去することができる。なお、セメント硬化体(セメントペースト)の抽出作業は必須ではないが、骨材の有無による対象成分の含有量の変動を小さくすることができ、より高精度の推定が可能になる。 塩化物イオンおよびナトリウムイオンの濃度は、検量線法により求める。そして、陰極側表面から、0.1mmの距離ごとに平均化した塩化物イオンおよびナトリウムイオンの濃度を、図3(a)に示すように、塩化ナトリウム溶液の浸透面からの距離を横軸とし、塩化物イオン、ナトリウムイオンの含有率を縦軸とする図上にプロットする。

推定工程は、塩化物イオンの拡散係数を推定する工程である。 塩化物イオンの拡散係数の推定は、塩化物イオンの濃度分布を電位勾配によるイオンの浸透式(式1)にフィッティングすることにより行う。

塩化物イオン(Cl)の濃度分布の式1へのフィッティングには、塩化物イオンの対イオンであるナトリウムイオン(Na2O)が浸透した深さ(除外範囲A1)よりも深い範囲(フィッティング範囲A2)における濃度分布を利用する(図3参照)。 ナトリウムイオンが浸透した深さは、図3(a)に示すナトリウムイオンの濃度分布から推定する。本実施形態では、図3(b)に示すように、供試体1の陰極側端面から約4mmの範囲を除外範囲A1とし、陰極側端面から約4mmよりも深い範囲をフィッティング範囲A2として、塩化物イオンの濃度分布を式1にフィッティングする。

ここで、塩化物イオンの濃度分布が電位勾配のみを駆動として浸透(拡散)する場合(式1に従う場合)、ナトリウムイオンは陰極側からは浸透(拡散)しないことになる。 ところが、図3(a)に示すように、EMPAによる測定の結果、陰極側からのナトリウムイオンの浸透が確認された。ナトリウムイオンの濃度は、供試体1の表面側で高く、それ以外の範囲ではほぼ一定となっている。また、ナトリウムイオンの浸入が顕著な範囲において塩化物イオンもナトリウムイオンと同様に著しい浸透が認められたことから、これは電気浸透により浸透したと考えるのが妥当である。なお、この原因について電気浸透に限定するものではなく、また、供試体の種類や試験に用いるイオン溶液の種類が異なる場合には異なる原因で、供試体1の表面に電極と反対の極性を有するイオンが浸透することを拒絶しない。 そのため、塩化物イオンの濃度分布の式1へフィッティングする際には、ナトリウムイオンが浸透した深さ(除外範囲A1)の塩化物イオンの濃度分布を除外する。 除外範囲A1の決定には、ナトリウムイオンの浸透が認められない内部濃度との比較や、分布状態を適用な関数で近似して、内部において一定の値である濃度と表面近傍で乖離が始まる地点を除外範囲の境界とすることができる。

式1は、コンクリート中の塩化物イオンの輸送が、ネルンスト−プランクの式に従うと仮定することにより得られた式である。 すなわち、ネルンストープランクの式において、コンクリート内部の電位勾配が一定であると仮定し、移流項を無視すると、式2が成り立つ。 一方、任意の時刻t、位置xにおける塩化物イオンの濃度c(x,t)の変化は、流束Jを用いて、式3のように表わすことができる。 そして、式2および式3により、式4が得られる。

ここで、初期条件c(x,t)=0、x>0、t=0、境界条件c(x,t)=c0(陰極側表面のコンクリートの塩化物イオン濃度)、x=0、t>0、および、c(x,t)=0、x→∞、∞>t>0の条件で式4を解くと、式5が得られる。 本実施形態の印加電圧(30V)は十分に大きいため、式5の右辺の第一項は0とみなすことができる。よって、式5より、式1が得られる。 したがって、EMPA試験により得られた塩化物イオンの平均濃度分布を式1にフィッティングすることで、拡散係数Dを算出することができる。

表1に示す印加時間により塩化物イオンを浸透させた供試体1について、それぞれフィッティングを行い、拡散係数Dを推定する。本実施形態では、印加時間を変化させた3つの供試体1について、それぞれ拡散係数Dを算出することで、コンクリート部材の拡散係数(平均値および範囲)を推定する。なお、拡散係数の推定に使用する供試体の数は限定されない。

本実施形態の拡散係数推定方法によれば、塩化物イオンが供試体1を貫通するまで浸透させるのではなく、所定期間(表1参照)に区切って浸透させるため、従来の拡散係数推定方法に比べて試験期間を大幅に短縮することができる。 また、ナトリウムイオンが浸透した範囲の濃度分布を除外して、塩化物イオンの拡散係数を推定するため、より高精度なイオンの濃度分布の測定が可能となる。

<第二の実施形態> 第二の実施形態では、岩盤内のヨウ素の拡散係数を推定する場合について説明する。 本実施形態の拡散係数推定方法は、準備工程、印加工程、浸透確認工程、測定工程および推定工程を備えている。 準備工程は、図1に示すように、供試体1を試験用セル2に設置する工程である。 供試体1は、岩石から切り出すことにより形成されている。

試験用セル2に供試体1を設置したら、試験用セル2にイオン溶液6,7を注入して、供試体1をイオン溶液6,7に浸せきする。本実施形態では、供試体1の一面側(陰極4側)をヨウ化カリウム溶液(500mg/L)6で満たし、供試体1の他面側(陽極5側)をイオン交換水7で満たす。なお、試験用セル2に注入するイオン溶液の種類および各イオン溶液の濃度は限定されない。 この他の準備工程の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。

印加工程は、陰極4および陽極5に直流電圧を印加する工程である。 陰極4および陽極5に直流電圧を印加すると、陰極4側から陽極5側に向う電位勾配によってイオン溶液(ヨウ化カリウム溶液6)が供試体1に浸透する。 本実施形態では、15Vの電圧を印加するが、電圧の大きさおよび電圧を印加する期間(イオン溶液を供試体1に浸透させる時間)は限定されない。

浸透確認工程は、ヨウ素イオン(陰イオン)の浸透深さを確認する工程である。 本実施形態では、印加時間1日の供試体1について浸透深さの確認を、ハンドヘルド型の蛍光X線装置を用いて行う。なお、ヨウ素イオンの浸透の確認方法は限定されない。 印加時間1日のヨウ素イオンの浸透深さ(厚さ)により、拡散係数の推定に使用する供試体1の印加時間(印加工程においてイオン溶液を浸透させる期間)を設定する。

測定工程は、供試体1に浸透したヨウ素イオン(陰イオン)およびカリウムイオン(陽イオン)の濃度分布を測定する工程である。 本実施形態では、浸透確認工程において設定された印加時間により印加工程が実施された供試体1について、波長分散型電子プローブマイクロアナライザ(EMPA)を利用してヨウ素イオンおよびカリウムイオンの濃度分布を測定する。 なお、ヨウ素イオンおよびカリウムイオンの濃度分布の測定方法(測定に利用する装置)は、EMPAを使用した方法に限定されるものではない。 EMPAを使用した濃度分布の測定方法の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。 ヨウ素イオンおよびカリウムイオンの濃度分布を測定したら、ヨウ素イオンおよびカリウムイオンの濃度分布をヨウ化カリウム溶液の浸透面からの距離を横軸とし、ヨウ素イオン、カリウムイオンの含有率を縦軸とする図上にプロットする。

推定工程は、ヨウ素イオンの拡散係数を推定する工程である。 ヨウ素イオンの拡散係数の推定は、ヨウ素イオンの濃度分布を電位勾配によるイオンの浸透式(式1)にフィッティングすることにより行う。 ヨウ素イオン(I)の濃度分布の式1へのフィッティングには、ヨウ素イオンの対イオンであるカリウムイオン(K)が浸透した深さ(除外範囲A1)よりも深い範囲(フィッティング範囲A2)における濃度分布を利用する。

本実施形態の拡散係数推定方法によれば、岩盤内のヨウ素の拡散係数を簡易に推定することができる。 なお、拡散係数推定方法により推定する物質は、ヨウ素に限定されるものではない。

<第三の実施形態> 第三の実施形態では、土壌内の塩化物イオンの拡散係数を推定する場合について説明する。 本実施形態の拡散係数推定方法は、準備工程、印加工程、浸透確認工程、測定工程および推定工程を備えている。 準備工程は、図1に示すように、供試体1を試験用セル2に設置する工程である。 供試体1は、ベントナイト等を圧密することにより形成する。

試験用セル2に供試体1を設置したら、試験用セル2にイオン溶液6,7を注入して、供試体1をイオン溶液6,7に浸せきする。本実施形態では、供試体1の一面側(陰極4側)を塩化ナトリウム溶液(1.8mol/L)6で満たし、供試体1の他面側(陽極5側)を水酸化ナトリウム溶液(0.3mol/L)7で満たす。なお、試験用セル2に注入するイオン溶液の種類および各イオン溶液の濃度は限定されない。 この他の準備工程の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。

印加工程は、陰極4および陽極5に直流電圧を印加する工程である。 陰極4および陽極5に直流電圧を印加すると、陰極4側から陽極5側に向う電位勾配によってイオン溶液(塩化ナトリウム溶液6)が供試体1に浸透する。 本実施形態では、15Vの電圧を印加するが、電圧の大きさおよび電圧を印加する期間(イオン溶液を供試体1に浸透させる時間)は限定されない。

浸透確認工程は、塩化物イオン(陰イオン)の浸透深さを確認する工程である。 本実施形態では、印加時間1日の供試体1について浸透深さの確認を、ハンドヘルド型の蛍光X線装置を用いて行う。なお、塩化物イオンの浸透の確認方法は限定されない。 印加時間1日の塩化物イオンの浸透深さ(厚さ)により、拡散係数の推定に使用する供試体1の印加時間(印加工程においてイオン溶液を浸透させる期間)を設定する。

測定工程および推定工程の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。 本実施形態の拡散係数推定方法によれば、土壌内の塩化物イオンの拡散係数を簡易に推定することができる。 なお、拡散係数推定方法により推定する土壌内に浸透する物質は、塩化物イオンに限定されるものではない。

<第四の実施形態> 第四の実施形態では、陶磁器内の塩化物イオンの拡散係数を推定する場合について説明する。 本実施形態の拡散係数推定方法は、準備工程、印加工程、浸透確認工程、測定工程および推定工程を備えている。 準備工程は、図1に示すように、供試体1を試験用セル2に設置する工程である。 供試体1は、1000℃程度で焼結した陶磁器からなる。なお、供試体1を構成する材料は限定されない。

試験用セル2に供試体1を設置したら、試験用セル2にイオン溶液6,7を注入して、供試体1をイオン溶液6,7に浸せきする。本実施形態では、供試体1の一面側(陰極4側)を塩化ナトリウム溶液(1.8mol/L)6で満たし、供試体1の他面側(陽極5側)を水酸化ナトリウム溶液(0.3mol/L)7で満たす。なお、試験用セル2に注入するイオン溶液の種類および各イオン溶液の濃度は限定されない。 この他の準備工程の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。

印加工程、浸透確認工程、測定工程および推定工程の詳細は、第三の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。 本実施形態の拡散係数推定方法によれば、陶磁器内の塩化物イオンの拡散係数を簡易に推定することができる。 なお、拡散係数推定方法により推定する陶磁器内に浸透する物質は、塩化物イオンに限定されるものではない。

以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。 例えば、前記実施形態では、浸透確認工程において、硝酸銀を供試体1に噴霧して、変色した部分の範囲を確認することで、塩化物イオンの浸透深さを確認する場合について説明したが、浸透深さの確認方法は限定されるものではない。すなわち、測定の対象となるイオンの材質に応じて、供試体1に噴霧または塗布する材料を決定すればよい。また、浸透確認工程では、必ずしも呈色した領域の確認により行う必要はない。さらに、浸透確認工程は、必要に応じて実施すればよく、省略してもよい。

前記実施形態では、既設のコンクリート部材から供試体を採取する場合について説明したが、供試体の採取方法は限定されるものではない。例えば、所定の配合で形成された供試体を使用すれば、新設するコンクリート構造物のコンクリート内の拡散係数を予め推定することができる。 本発明の拡散係数推定方法により拡散係数を推定する材料(供試体)の性状および当該材料を浸透する物質は、前記各実施形態で示したものに限定されるものではない。

1 供試体 2 試験用セル 3 直流電源 4 陰極 5 陽極 6 塩化ナトリウム溶液(イオン溶液) 7 水酸化ナトリウム溶液(イオン溶液)

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