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4員ヘテロ環式アミドを含むJAK阻害剤

阅读:759发布:2020-05-08

专利汇可以提供4員ヘテロ環式アミドを含むJAK阻害剤专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明は、JAKキナーゼ阻害剤として有用である、4員ヘテロ環式アミドを含む式(I)の化合物 [式中、変数は、本明細書において定義されている]またはその薬学的に許容される塩を提供する。本発明は、そのような化合物を含む医薬組成物、そのような化合物を使用して呼吸器疾患を処置する方法、ならびにそのような化合物を調製するために有用なプロセスおよび中間体も提供する。本発明は、医学療法において使用するための本明細書において記述されている通りの本発明の化合物、および哺乳動物における呼吸器疾患を処置するための製剤または医薬の製造における本発明の化合物の使用も提供する。,下面是4員ヘテロ環式アミドを含むJAK阻害剤专利的具体信息内容。

式(I)の化合物: [式中、 R1は、素、C1〜3アルキルおよびC3〜6シクロアルキルから選択され、Xは、−C(O)R2であり、 ここで、 R2は、−NR13R14であり、ここで、 R13およびR14は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、4員ヘテロシクリルを形成し、ここで、前記ヘテロシクリルは、−NR5R6およびR7で必要に応じて置換されており、 R5およびR6は、独立して、C1〜3アルキルであるか、あるいはR5およびR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、酸素原子を必要に応じて含む5または6員ヘテロシクリルを形成し、 R7は、1個の窒素原子を含む5または6員ヘテロシクリルで必要に応じて置換されているC1〜3アルキルである] またはその薬学的に許容される塩。R1が、水素またはC1〜3アルキルである、請求項1に記載の化合物。R13およびR14が、それらが結合した前記窒素原子と一緒になって、4員ヘテロシクリルを形成し、ここで、前記ヘテロシクリルは、−NR5R6およびR7で必要に応じて置換されているか、あるいは R5およびR6が、独立して、C1〜3アルキルであるか、あるいはR5およびR6が、それらが結合した前記窒素原子と一緒になって、5または6員ヘテロシクリルを形成し、 R7が、ピロリジニルで必要に応じて置換されているC1〜3アルキルである、 請求項2に記載の化合物。式(II)の化合物: [式中、 R1は、C1〜3アルキルであり、 R2は、 であり、ここで、 R5およびR6は、独立して、C1〜3アルキルであるか、またはR5およびR6は、一緒になって、−(CH2)4〜5−を形成し、R7は、水素またはC1〜3アルキルである] またはその薬学的に許容される塩。R5およびR6が、C1〜3アルキルである、請求項4に記載の化合物。前記化合物が、(S)−(3−(ジメチルアミノ)−3−メチルアゼチジン−1−イル)(5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[5,4−c]ピリジン−6−イル)メタノンである、請求項4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。前記化合物が、(S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[5,4−c]ピリジン−6−イル)メタノンである、請求項4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。前記化合物が、 (S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン、 (S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−プロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン、 (S)−(3−(ジメチルアミノ)−3−メチルアゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−プロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン およびその薬学的に許容される塩から選択される、請求項4に記載の化合物。式 の(S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン、またはその薬学的に許容される塩。式 の化合物。請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。式(II)の化合物: [式中、R1およびR2は、請求項4において定義されている通りである]、またはその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、式1の化合物: を、式2の化合物: と反応させて、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供するステップを含む、方法。哺乳動物における呼吸器疾患の処置において使用するための、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。前記呼吸器疾患が、喘息、慢性閉塞性疾患、嚢胞性線維症、肺臓炎、特発性肺線維症、急性肺傷害、急性呼吸窮迫症候群、気管支炎、肺気腫、閉塞性細気管支炎またはサルコイドーシスである、請求項13に記載の化合物。前記呼吸器疾患が、喘息または慢性閉塞性肺疾患である、請求項13に記載の化合物。前記呼吸器疾患が、好酸球性疾患、蠕虫感染症、肺動脈性高血圧症、リンパ脈管筋腫症、気管支拡張症、浸潤性肺疾患、薬物誘発性肺臓炎、真菌誘発性肺臓炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、過敏性肺臓炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、特発性急性好酸球性肺炎、特発性慢性好酸球性肺炎、好酸球増加症候群、レフレル症候群、閉塞性細気管支炎器質化肺炎、肺移植片対宿主病または免疫チェックポイント阻害剤誘発性肺臓炎である、請求項13に記載の化合物。哺乳動物における肺移植拒絶反応の処置において使用するための、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。前記肺移植拒絶反応が、原発性移植片機能不全、器質化肺炎、急性拒絶反応、リンパ球性細気管支炎または慢性肺同種移植片機能不全である、請求項17に記載の化合物。前記肺移植拒絶反応が、急性肺移植拒絶反応である、請求項17に記載の化合物。前記肺移植拒絶反応が、慢性肺同種移植片機能不全である、請求項17に記載の化合物。前記肺移植拒絶反応が、閉塞性細気管支炎、拘束性慢性肺同種移植片機能不全または好中球性同種移植片機能不全である、請求項17に記載の化合物。哺乳動物における呼吸器疾患の処置用医薬の製造のための、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物の使用。前記呼吸器疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肺臓炎、特発性肺線維症、急性肺傷害、急性呼吸窮迫症候群、気管支炎、肺気腫、閉塞性細気管支炎またはサルコイドーシスである、請求項22に記載の使用。前記呼吸器疾患が、喘息または慢性閉塞性肺疾患である、請求項23に記載の使用。前記呼吸器疾患が、好酸球性疾患、蠕虫感染症、肺動脈性高血圧症、リンパ脈管筋腫症、気管支拡張症、浸潤性肺疾患、薬物誘発性肺臓炎、真菌誘発性肺臓炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、過敏性肺臓炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、特発性急性好酸球性肺炎、特発性慢性好酸球性肺炎、好酸球増加症候群、レフレル症候群、閉塞性細気管支炎器質化肺炎、肺移植片対宿主病または免疫チェックポイント阻害剤誘発性肺臓炎である、請求項22に記載の使用。哺乳動物における肺移植拒絶反応の処置用医薬の製造のための、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物の使用。前記肺移植拒絶反応が、原発性移植片機能不全、器質化肺炎、急性拒絶反応、リンパ球性細気管支炎または慢性肺同種移植片機能不全である、請求項26に記載の使用。前記肺移植拒絶反応が、急性肺移植拒絶反応である、請求項26に記載の使用。前記肺移植拒絶反応が、慢性肺同種移植片機能不全である、請求項26に記載の使用。前記肺移植拒絶反応が、閉塞性細気管支炎、拘束性慢性肺同種移植片機能不全または好中球性同種移植片機能不全である、請求項26に記載の使用。哺乳動物における呼吸器疾患を処置する方法であって、前記哺乳動物に、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を投与するステップを含む、方法。前記呼吸器疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肺臓炎、特発性肺線維症、急性肺傷害、急性呼吸窮迫症候群、気管支炎、肺気腫、閉塞性細気管支炎またはサルコイドーシスである、請求項31に記載の方法。前記呼吸器疾患が、喘息または慢性閉塞性肺疾患である、請求項32に記載の方法。前記呼吸器疾患が、好酸球性疾患、蠕虫感染症、肺動脈性高血圧症、リンパ脈管筋腫症、気管支拡張症、浸潤性肺疾患、薬物誘発性肺臓炎、真菌誘発性肺臓炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、過敏性肺臓炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、特発性急性好酸球性肺炎、特発性慢性好酸球性肺炎、好酸球増加症候群、レフレル症候群、閉塞性細気管支炎器質化肺炎、肺移植片対宿主病または免疫チェックポイント阻害剤誘発性肺臓炎である、請求項31に記載の方法。哺乳動物における肺移植拒絶反応を処置する方法であって、前記哺乳動物に、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を投与するステップを含む、方法。前記肺移植拒絶反応が、原発性移植片機能不全、器質化肺炎、急性拒絶反応、リンパ球性細気管支炎または慢性肺同種移植片機能不全である、請求項35に記載の方法。前記肺移植拒絶反応が、急性肺移植拒絶反応である、請求項35に記載の方法。前記呼吸器疾患が、慢性肺同種移植片機能不全である、請求項35に記載の方法。前記呼吸器疾患が、閉塞性細気管支炎、拘束性慢性肺同種移植片機能不全または好中球性同種移植片機能不全である、請求項35に記載の方法。

说明书全文

発明の背景 発明の分野 本発明は、JAKキナーゼ阻害剤として有用な化合物を対象にする。本発明は、そのような化合物を含む医薬組成物、そのような化合物を使用して呼吸器疾患を処置する方法、ならびにそのような化合物を調製するために有用なプロセスおよび中間体も対象にする。

技術準 喘息は、予防も治癒もない、気道の慢性疾患である。該疾患は、炎症、線維症、過敏応答性および気道のリモデリングを特徴とし、これらはすべて、気流制限に寄与する。世界中で推定3億人が喘息に罹患しており、喘息を持つ人々の数は、2025年までに1億人超増加するであろうと推定される。アメリカ合衆国において、喘息は、人口の約6%から8%を悩ませ、該国における最も一般的な慢性疾患の1つとなっている。ほとんどの患者は、ロイコトリエン修飾因子および/または長時間作用型ベータアゴニストと組み合わせられてよい吸入コルチコステロイドの使用により、喘息症状の制御を実現することができるが、疾患が従来の療法によって制御されない重症喘息を持つ患者のサブセットが残る。重症持続型喘息は、高用量の吸入コルチコステロイドで制御されないままである疾患として定義される。重症喘息は、全喘息罹患者のおよそ5%を占めると推定されるが、罹患率および死亡率の高いリスクを有し、喘息の中での医療資源利用の不均衡な配分の原因である。これらの患者を処置するための新規療法が依然として必要である。

サイトカインは、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンフォカインおよび腫瘍壊死因子を含む細胞間シグナル伝達分子である。サイトカインは、通常の細胞増殖および免疫調節のために重大であるだけでなく、免疫媒介性疾患を推進し、悪性細胞の増殖にも寄与する。多くのサイトカインのレベル上昇は、喘息の炎症の病理学に関係するとされてきた。例えば、インターロイキン(IL)−5および13を標的とする抗体ベース療法は、重症喘息患者のサブセットにおいて臨床的利益を提供することが示されている。喘息の炎症に関係するサイトカインの中でも、多くは、チロシンキナーゼのヤヌスファミリー(JAK)に依存するシグナル伝達経路を介して作用し、これは、転写因子のシグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)ファミリーを介してシグナル伝達する。JAK−STAT経路を介してシグナル伝達する、喘息の炎症に関係するサイトカインは、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−11、IL−13、IL−23、IL−31、IL−27、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、インターフェロン−γ(IFNγ)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)を含む。

JAKファミリーは、4つのメンバー、JAK1、JAK2、JAK3およびチロシンキナーゼ2(TYK2)を含む。サイトカインのJAK依存性サイトカイン受容体との結合は、JAKキナーゼ上のチロシン残基のリン酸化をもたらす受容体二量体化を誘発し、JAK活性化を達成する。リン酸化JAKは、今度は、種々のSTATタンパク質と結合してリン酸化し、これが、二量体化し、細胞核に内在化し、遺伝子転写を直接的に変調し、数ある効果の中でも、炎症性疾患に関連する下流効果につながる。JAKは通常、ホモ二量体またはヘテロ二量体として対になってサイトカイン受容体と会合する。特異的なサイトカインは、特異的なJAK対合に関連する。JAKファミリーの4つのメンバーのそれぞれは、喘息の炎症に関連するサイトカインのうちの少なくとも1つのシグナル伝達に関係する。結果として、JAKファミリーのすべてのメンバーに対して汎活性を持つ化学阻害剤は、重症喘息に寄与する広範囲の炎症促進経路を変調することができる。

しかしながら、そのような阻害剤の幅広い抗炎症効果は、正常な免疫細胞機能を抑制することができ、潜在的に、感染症のリスクの増大につながる。感染症リスクの増大の証拠は、関節リウマチの処置のために経口的に投薬されるJAK阻害剤トファシチニブで観察されている。喘息において、炎症は、呼吸器官に局在化される。気道の炎症は、喘息に加えて、他の呼吸器疾患の特徴である。慢性閉塞性疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、肺臓炎、間質性肺疾患(特発性肺線維症を含む)、急性肺傷害、急性呼吸窮迫症候群、気管支炎、肺気腫、閉塞性細気管支炎およびサルコイドーシスも、病態生理学がJAKシグナル伝達サイトカインに関連していると考えられる呼吸器官疾患である。吸入による肺へのJAK阻害剤の局所投与は、強な抗サイトカイン剤を作用部位へ直接的に送達し、全身曝露を限定し、したがって、有害な全身免疫抑制の潜在性を限定することによって、治療的に効果的である潜在性を提供する。呼吸器疾患の処置のための肺への局所投与に好適である、強力なJAK阻害剤が依然として必要である。

JAKシグナル伝達サイトカインは、多くの免疫プロセスの中核をなす免疫細胞のサブタイプであるT細胞の活性化においても主要な役割を果たす。病理学的T細胞活性化は、複数の呼吸器疾患の病因において重大である。自己反応性T細胞は、閉塞性細気管支炎器質化肺炎(COSとも称される)において役割を果たす。COSと同様に、肺移植拒絶反応の病因は、移植ドナー肺によるレシピエントT細胞の異常なT細胞活性化と連関している。肺移植拒絶反応は、初期に原発性移植片機能不全(PGD)、器質化肺炎(OP)、急性拒絶反応(AR)もしくはリンパ球性細気管支炎(LB)として出現し得るか、または肺移植数年後に慢性肺同種移植片機能不全(CLAD)として出現し得る。CLADは、以前は閉塞性細気管支炎(BO)として公知であったが、現在は、BO、拘束性CLAD(rCLADまたはRAS)および好中球性同種移植片機能不全を含めた、異なる病理学的徴候を有し得る症候群とみなされている。慢性肺同種移植片機能不全(CLAD)は、移植肺に機能性を漸進的に失わせることから、肺移植レシピエントの長期管理における主要課題である(Gauthierら、Curr Transplant Rep.、2016年、3巻(3号)、185〜191頁)。CLADは、処置に対して応答性が乏しく、したがって、この状態を予防するまたは処置することができる有効な化合物が依然として必要である。IFNγおよびIL−5等のいくつかのJAK依存性サイトカインは、CLADおよび肺移植拒絶反応において上方調節される(Berasteguiら、Clin Transplant.、2017年、31巻、e12898)。その上、JAK依存性IFNシグナル伝達の下流にあるCXCL9およびCXCL10等のCXCR3ケモカインの高い肺レベルは、肺移植患者におけるより悪い転帰と連関している(Shinoら、PLOS One、2017年、12巻(7号)、e0180281)。全身性JAK阻害は、腎移植拒絶反応において有効であることが示されている(Vicentiら、American Journal of Transplantation、2012年、12巻、2446〜56頁)。したがって、JAK阻害剤は、肺移植拒絶反応およびCLADを処置するまたは予防する際に有効である潜在性を有する。肺移植拒絶反応の基礎として記述されているのと同様のT細胞活性化事象も、造血幹細胞移植後に出現することができる肺移植片対宿主病(GVHD)の主な推進力とみなされる。CLADと同様に、肺GVHDは、極めて乏しい転帰を持つ慢性進行状態であり、処置は現在のところ承認されていない。サルベージ療法として全身性JAK阻害剤ルキソリチニブを受けた、ステロイド不応性急性または慢性GVHDを持つ95人の患者の遡及的な多施設調査研究は、肺GVHDを持つ人々を含む大多数の患者におけるルキソリチニブに対する完全または部分的な応答を実証した(Zeiserら、Leukemia、2015年、29巻、10号、2062〜68頁)。全身性JAK阻害は、重篤な有害事象および小さな治療指数に関連するため、肺移植拒絶反応または肺GVHDを予防するおよび/または処置するために、吸入肺に向けられた非全身性JAK阻害剤が依然として必要である。

Gauthierら、Curr Transplant Rep.、2016年、3巻(3号)、185〜191頁

Berasteguiら、Clin Transplant.、2017年、31巻、e12898

Shinoら、PLOS One、2017年、12巻(7号)、e0180281

Vicentiら、American Journal of Transplantation、2012年、12巻、2446〜56頁

Zeiserら、Leukemia、2015年、29巻、10号、2062〜68頁

一態様では、本発明は、JAKキナーゼ阻害剤としての活性を有する新規化合物を提供する。

したがって、本発明は、式(I)の化合物:

[式中、 R1は、水素、C1〜3アルキルおよびC3〜6シクロアルキルから選択され、Xは、−C(O)R2であり、 ここで、 R2は、−NR13R14であり、ここで、 R13およびR14は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、4員ヘテロシクリルを形成し、ここで、ヘテロシクリルは、−NR5R6およびR7で必要に応じて置換されており、 R5およびR6は、独立して、C1〜3アルキルであるか、あるいはR5およびR6は、それらが結合した窒素原子と一緒になって、酸素原子を必要に応じて含む5または6員ヘテロシクリルを形成し、 R7は、1個の窒素原子を含む5または6員ヘテロシクリルで必要に応じて置換されているC1〜3アルキルである] またはその薬学的に許容される塩を提供する。

以後使用される場合、語句「式(I)の化合物」は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を意味する。すなわち、この語句は、別段の指示がない限り、遊離塩基形態のまたは薬学的に許容される塩形態の式(I)の化合物を意味する。

本発明は、本発明の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物も提供する。

本発明は、哺乳動物における呼吸器疾患、特に喘息を処置する方法であって、哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物または医薬組成物を投与するステップを含む、方法も提供する。別個の明確な態様において、本発明は、本発明の化合物を調製するために有用な、本明細書において記述されている合成プロセスおよび中間体も提供する。

本発明は、医学療法において使用するための本明細書において記述されている通りの本発明の化合物、および哺乳動物における呼吸器疾患を処置するための製剤または医薬の製造における本発明の化合物の使用も提供する。

発明の詳細な説明 数ある態様の中でも、本発明は、式(I)のJAKキナーゼ阻害剤、その薬学的に許容される塩、およびそれらの調製のための中間体を提供する。下記の置換基および値は、本発明の種々の態様の代表例を提供することが意図されている。これらの代表的な値は、そのような態様をさらに定義することが意図されており、他の値を除外することも本発明の範囲を限定することも意図されていない。

ある具体的な態様では、R1は、水素、C1〜3アルキルおよびC3〜6シクロアルキルから選択される。

別の具体的な態様では、R1は、水素およびC1〜3アルキルから選択される。さらに別の具体的な態様では、R1は、C1〜3アルキルである。

R1の具体的な値は、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルを含むがこれらに限定されない。

ある具体的な態様では、R1は、水素およびC1〜3アルキルから選択され、Xは、−C(O)R2であり、ここで、R2は、

[式中、R5およびR6は、独立して、C1〜3アルキルであるか、またはR5およびR6は、一緒になって、−(CH2)4〜5−を形成し、R7は、水素またはC1〜3アルキルである] である。

別の具体的な態様では、R1は、水素およびC1〜3アルキルから選択され、Xは、−C(O)R2であり、ここで、R2は、

[式中、R5およびR6は、いずれもメチルであるか、またはR5およびR6は、一緒になって、−(CH2)5−を形成し;R7は、水素またはメチルである] である。

別の態様では、本発明は、式(II)の化合物:

[式中、 R1は、C1〜3アルキルであり、 R2は、

であり、ここで、 R5およびR6は、独立して、C1〜3アルキルであるか、またはR5およびR6は、一緒になって、−(CH2)4〜5−を形成し、R7は、水素またはC1〜3アルキルである] またはその薬学的に許容される塩を提供する。

別の具体的な態様では、R1は、C1〜3アルキルであり、 R2は、

[式中、 R5およびR6は、いずれもメチルであるか、またはR5およびR6は、一緒になって、−(CH2)5−を形成し、R7は、水素またはメチルである] である。

さらに別の態様では、本発明は、(S)−(3−(ジメチルアミノ)−3−メチルアゼチジン−1−イル)(5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[5,4−c]ピリジン−6−イル)メタノンである化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。

さらに別の態様では、本発明は、(S)−(3−(ジメチルアミノ)−3−メチルアゼチジン−1−イル)(5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[5,4−c]ピリジン−6−イル)メタノンである化合物を提供する。

さらに別の態様では、本発明は、(S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[5,4−c]ピリジン−6−イル)メタノンである化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。

さらに別の態様では、本発明は、(S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[5,4−c]ピリジン−6−イル)メタノンである化合物を提供する。

さらに別の態様では、本発明は、下記の化合物: (S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン、 (S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−プロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン、 (S)−(3−(ジメチルアミノ)−3−メチルアゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−プロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン およびその薬学的に許容される塩から選択される化合物を提供する。

さらに別の態様では、本発明は、下記の化合物: (S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン、 (S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−プロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン、および (S)−(3−(ジメチルアミノ)−3−メチルアゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−プロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン から選択される化合物を提供する。

さらに別の態様では、本発明は、式

の(S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン、またはその薬学的に許容される塩を提供する。

さらに別の態様では、本発明は、式

の化合物を提供する。

一態様では、本発明は、以下の実施例2、4、8および表1の化合物を提供する。

化学構造は、本明細書において、ChemDrawソフトウェア(PerkinElmer,Inc.、Cambridge、MA)において実装される通り、IUPAC規則に従って命名される。例えば、化合物:

は、(S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノンとして指定される。

さらに、式(I)の構造におけるテトラヒドロイミダゾピリジン部分のイミダゾ部は、実施例1の化合物の断片について以下で例証される、互変異性形態で存在する。

IUPAC規則によれば、これらの表現は、イミダゾール部の原子の異なる番号付け:2−(1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(構造A)対2−(1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(構造B)を生み出す。構造が特定の形態で示されている、または命名されているが、本発明は、それらの互変異性体も含むことが理解されるであろう。

本発明の化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含有してよく、したがって、そのような化合物(およびそれらの中間体)は、ラセミ混合物、純粋な立体異性体(すなわち、鏡像異性体またはジアステレオマー)、立体異性体富化混合物等として存在することができる。キラル中心における定義された立体化学なしに本明細書において示されるまたは命名されるキラル化合物は、別段の指示がない限り、未定義の立体中心における任意のまたはすべての可能な立体異性体の変形形態を含むことが意図されている。特定の立体異性体の描写または命名は、指示されている立体中心が、別段の指示がない限り、少量の他の立体異性体も存在し得るという理解のもとに、指定された立体化学を有することを意味し、ただし、描写されたまたは命名された化合物の有用性は、別の立体異性体の存在によって排除されない。

式(I)の化合物は、いくつかの塩基性基(例えば、アミノ基)も含有し、したがって、そのような化合物は、遊離塩基として、またはモノプロトン化塩形態、ジプロトン化塩形態、トリプロトン化塩形態もしくはそれらの混合物等の種々の塩形態で存在することができる。すべてのそのような形態は、別段の指示がない限り、本発明の範囲内に含まれる。

本発明は、式(I)の同位体標識化合物、すなわち、1個または複数の原子が、同じ原子番号を有するが自然界において優勢である原子質量とは異なる原子質量を有する原子で置きかえられているまたは富化されている、式(I)の化合物も含む。式(I)の化合物に組み込まれ得る同位体の例は、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17Oおよび18Oを含むがこれらに限定されない。特に興味深いのは、三重水素または炭素−14が富化されている式(I)の化合物であり、これらの化合物は、例えば、組織分布研究において使用され得る。同じく特に興味深いのは、とりわけ代謝部位において重水素が富化されている式(I)の化合物であり、これらの化合物は、より優れた代謝安定性を有することが期待される。加えて、特に興味深いのは、11C、15Oおよび13N等の陽電子放出同位体が富化されている式(I)の化合物であり、これらの化合物は、例えば、陽電子放射断層撮影(PET)研究において使用され得る。

定義 その種々の態様および実施形態を含む本発明について記述する場合、下記の用語は、別段の指示がない限り、下記の意味を有する。

用語「アルキル」は、直鎖状もしくは分枝鎖状またはそれらの組合せであってよい一価飽和炭化水素基を意味する。別段の定義がない限り、そのようなアルキル基は、典型的には、1から10個までの炭素原子を含む。代表的なアルキル基は、例として、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル(n−Pr)または(nPr)、イソプロピル(i−Pr)または(iPr)、n−ブチル(n−Bu)または(nBu)、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル(t−Bu)または(tBu)、n−ペンチル、n−ヘキシル、2,2−ジメチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2−エチルブチル、2,2−ジメチルペンチル、2−プロピルペンチル等を含む。

特定の用語について具体的な数の炭素原子が意図されている場合、炭素原子の数は、該用語に先行して示される。例えば、用語「C1〜3アルキル」は、1から3個までの炭素原子を有するアルキル基を意味し、ここで、炭素原子は、直鎖状または分枝鎖状配置を含む任意の化学的に許容される配置である。

用語「シクロアルキル」は、単環式または多環式であってよい一価飽和炭素環式基を意味する。別段の定義がない限り、そのようなシクロアルキル基は、典型的には、3から10個までの炭素原子を含む。代表的なシクロアルキル基は、例として、シクロプロピル(cPr)、シクロブチル(cBu)、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチル等を含む。

用語「ヘテロシクリル」、「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」または「ヘテロ環式環」は、3から10個までの総環原子を有し、ここで、環が、2から9個までの炭素環原子ならびに窒素、酸素および硫黄から選択される1から4個までの環ヘテロ原子を含む、一価飽和または部分不飽和環式非芳香族基を意味する。ヘテロ環式基は、単環式または多環式(すなわち、縮合しているまたは架橋している)であってよい。代表的なヘテロシクリル基は、例として、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリル、インドリン−3−イル、2−イミダゾリニル、テトラヒドロピラニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル、キヌクリジニル、7−アザノルボルナニル、ノルトロパニル等を含み、ここで、結合点は、任意の利用可能な炭素または窒素環原子にある。文脈上ヘテロ環式基の結合点が明白である場合、そのような基は、代替として、非原子価種として、すなわち、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾール、テトラヒドロピラン等と称されてよい。

用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。

用語「治療有効量」は、処置を必要とする患者に投与された場合に処置を達成するために十分な量を意味する。

用語「処置すること」または「処置」は、患者(特にヒト)において処置されている医学的状態、疾患または障害(例えば、呼吸器疾患)を、予防すること、寛解させることまたは抑制すること;あるいは医学的状態、疾患または障害の症状を緩和することを意味する。

用語「薬学的に許容される塩」は、患者またはヒト等の哺乳動物への投与に許容される塩(例えば、所与の投薬レジームのための許容される哺乳類の安全性を有する塩)を意味する。代表的な薬学的に許容される塩は、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、エジシル酸、フマル酸、ゲンチシン酸、グルコン酸、グルクロン酸(glucoronic)、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オロチン酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸酒石酸、p−トルエンスルホン酸およびキシナホ酸等の塩を含む。

用語「その塩」は、酸の水素が金属カチオンまたは有機カチオン等のカチオンによって置きかえられた場合に形成される化合物を意味する。例えば、カチオンは、式(I)の化合物のプロトン化形態、すなわち、1つまたは複数のアミノ基が酸によってプロトン化された形態であることができる。典型的には、塩は、薬学的に許容される塩であるが、これは、患者への投与が意図されていない中間化合物の塩には必要とされない。

用語「アミノ保護基」は、アミノ窒素における望ましくない反応を防止するために好適な保護基を意味する。代表的なアミノ保護基は、ホルミル;アシル基、例えば、アセチルおよびトリ−フルオロアセチル等のアルカノイル基;tertブトキシカルボニル(Boc)等のアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)等のアリールメトキシカルボニル基;ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)および1,1−ジ−(4’−メトキシフェニル)メチル等のアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM)等のシリル基等を含むがこれらに限定されない。

用語「ヒドロキシ保護基」は、ヒドロキシ基における望ましくない反応を防止するために好適な保護基を意味する。代表的なヒドロキシ保護基は、メチル、エチルおよびtert−ブチル等のアルキル基;アシル基、例えば、アセチル等のアルカノイル基;ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)およびジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)等のアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS)等のシリル基等を含むがこれらに限定されない。 多数の保護基ならびにそれらの導入および除去は、T. W. GreeneおよびP.G.M. Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley、New Yorkにおいて記述されている。

一般的合成手順 本発明の化合物およびその中間体は、下記の一般的方法および手順に従い、市販されているまたは慣用的に調製される出発材料および試薬を使用して調製することができる。下記のスキームにおいて使用される置換基および変数(例えば、R1、R2等)は、別段の指示がない限り、本明細書の他の箇所で定義されているものと同じ意味を有する。加えて、酸性または塩基性の原子または官能基を有する化合物は、別段の指示がない限り、塩として使用されてよいか、または生成されてよい(一部の事例において、特定の反応における塩の使用は、反応を行う前に、慣用的手順を使用して、塩の、非塩形態、例えば遊離塩基への変換を必要とすることになる)。

本発明の特定の実施形態が下記の手順において示され得るまたは記述され得るが、当業者ならば、そのような手順を使用して、または当業者に公知である他の方法、試薬および出発材料を使用することによって、本発明の他の実施形態または態様も調製できることを認識するであろう。特に、本発明の化合物は、反応物質を異なる順序で合わせて最終生成物を生成するまでの途中で異なる中間体を提供する、様々なプロセスルートによって調製されてよいことが分かるであろう。

変数Xが−C(O)R2として定義され、R1がC1〜3アルキルである、本発明の最終化合物を調製する一般的方法は、スキーム1において概して例証されている通りの主要中間体1および式2のアミン、特に例としてR2

として定義されているアミンを利用して、式(II)の代表的なアミド最終生成物を具体的に例示する。 スキーム1

式(II)のアミド化合物を調製するために、式1のカルボン酸をアミン2と、典型的なアミド結合形成条件に従って反応させる。典型的には、カルボン酸1を、約1から約4当量の間のアミン2と、過剰の塩基の存在下で接触させる。以下の実施例に示されている通り、アミド結合形成反応は、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)または当技術分野において公知である他のアミドカップリング剤等のカップリング剤を利用してよい。反応は、典型的には、室温で、約2から約24時間の間、または反応が実質的に完了するまで、行われる。

式1のカルボン酸は、スキーム2 スキーム2

[式中、Pg1は、ヒドロキシ保護基を表し、Pg2、Pg3およびPg4は、異なるアミノ保護基を表す]において例証されている通りに調製されてよい。以下の例において記述されている通り、保護基の有用な選択肢は、Pg1としてのベンジルまたはメチル、Pg2としてのテトラヒドロピラニル(THP)、Pg3としてのtert−ブトキシカルボニル(Boc)またはベンジル、およびPg4としての[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM)である。スキーム2の第1のステップは、中間体3と中間体4とのパラジウム触媒スティルカップリングであり、ここで、フェニル−イミダゾール中間体3はトリメチルスタンニル部分を有し、反応パートナー4はヨウ素置換されている。反応は、典型的には、昇温で、例えば、約80℃から約180℃の間で、約10から約24時間にわたってまたは反応が実質的に完了するまで、行われる。

ベンジルがPg1として使用される場合、次のステップにおいて、中間体5のメチルエステルは、5とベンジルアルコールとの反応によって中間体6におけるベンジルエステルに変換される。ベンジル保護基はいずれもパラジウム触媒水素化によって好都合に除去されて中間体7を提供し、これを、酸、典型的には塩酸との反応によって完全に脱保護してよい。最終ステップにおいて、試薬R1a[ここで、R1aは、還元時にR1を生成するように定義されているアルデヒドまたはケトンである]を用いる中間体8の還元的アルキル化によって置換基R1を付加する。例えば、メチル置換基R1を付加するためには、ホルムアルデヒドを試薬R1aとして使用し、イソプロピル部分を置換基R1として付加するためには、アセトンを試薬R1aとして使用する。反応は、典型的には、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤の存在下、周囲温度で、約10から約24時間の期間にわたってまたは反応が実質的に完了するまで、行われる。

中間体3および4は、以下で詳細に記述される通り、市販のまたは容易に調製される出発材料から調製されてよい。特に、Pg1がベンジルであり、Pg2がTHPである、中間体3を調製するためのプロセスは、化合物9と化合物10との鈴木・宮浦カップリング、続いて、トリメチルスタンニル基を付加するための従来の反応を使用する。

中間体4は、化合物11から調製されてよく、これは、ラセミ形態および立体特異的形態で市販されており、ヒスチジンから調製されてもよい。

したがって、方法態様では、本発明は、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、スキーム1において例証される通り、式1の化合物を式2の化合物と反応させて、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供するステップを含む、方法を提供する。

さらなる方法態様では、本発明は、式1の化合物を調製する方法であって、式8の化合物を、R1a[ここで、R1aは、還元的アルキル化時に置換基R1{ここで、R1は、C1〜3アルキルである}が式8の化合物と結合するように定義されているアルデヒドまたはケトンである]と、還元剤の存在下で反応させて、式1の化合物を提供する、ステップを含む、方法を提供する。

追加の方法態様では、本発明は、式8の化合物を調製する方法であって、式7の化合物を脱保護するステップを含む、方法を提供する。

さらに別の態様では、本発明は、式1の化合物、ならびに式1の化合物を調製する際に有用な、式7および8の化合物を提供する。

医薬組成物 本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩は、典型的には、医薬組成物または製剤の形態で使用される。そのような医薬組成物は、有利にも、吸入によって患者に投与されてよい。加えて、医薬組成物は、経口、経直腸、鼻腔、局所(経皮を含む)および非経口投与モードを含むがこれらに限定されない、任意の許容される投与経路によって投与されてよい。

したがって、その組成物態様の1つでは、本発明は、薬学的に許容される担体または賦形剤と式(I)の化合物とを含む医薬組成物を対象にし、ここで、上記で定義した通り、「式(I)の化合物」は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を意味する。必要に応じて、そのような医薬組成物は、所望ならば、他の治療剤および/または製剤化剤を含有してよい。組成物およびその使用について論じる場合、「本発明の化合物」は、本明細書において、「活性剤」とも称され得る。本明細書において使用される場合、用語「本発明の化合物」は、式(I)によって網羅されるすべての化合物および式(II)において具現化される種ならびにその薬学的に許容される塩を含むことが意図されている。

本発明の医薬組成物は、典型的には、治療有効量の本発明の化合物を含有する。しかしながら、当業者ならば、医薬組成物が、治療有効量を超える、すなわちバルク組成物、または治療有効量未満、すなわち治療有効量を実現するように複数回投与のために設計された個々の単位用量を含有してよいことを認識するであろう。

典型的には、そのような医薬組成物は、例えば、約0.05から約30重量%まで、および約0.1%から約10重量%までの活性剤を含む、約0.01から約95重量%までの活性剤を含有することになる。

任意の従来の担体または賦形剤を、本発明の医薬組成物において使用してよい。特定の担体もしくは賦形剤、または担体もしくは賦形剤の組合せの選択は、特定の患者を処置するために使用されている投与モード、または医学的状態もしくは病状の種類によって決まることになる。これに関して、特定の投与モードに好適な医薬組成物の調製は、十分に医薬品分野の当業者の範囲内である。加えて、本発明の医薬組成物において使用される担体または賦形剤は、市販されている。さらなる例証として、従来の製剤化技術は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Lippincott Williams & White、Baltimore、Maryland(2000年);およびH.C. Anselら、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版、Lippincott Williams & White、Baltimore、Maryland(1999年)において記述されている。

薬学的に許容される担体としての働きをすることができる材料の代表的な例は、下記を含むがこれらに限定されない:ラクトース、グルコースおよびスクロース等の糖;コーンスターチおよびジャガイモデンプン等のデンプン;微結晶性セルロース等のセルロース、ならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース等のその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐剤ワックス等の賦形剤;ラッカセイ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油等の油;プロピレングリコール等のグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール等のポリオール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル等のエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等の緩衝剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝溶液;ならびに医薬組成物において用いられる他の非毒性の適合性物質。

医薬組成物は、典型的には、活性剤を、薬学的に許容される担体および1つまたは複数の必要に応じた原料と、徹底的かつ密接に、混合するまたは混和することによって調製される。次いで、得られた均一に混和された混合物を、従来の手順および設備を使用して、錠剤、カプセル剤、丸剤等に成形するまたは充填することができる。

一態様では、医薬組成物は、吸入投与に好適である。吸入投与のための医薬組成物は、典型的には、エアゾールまたは粉末の形態である。そのような組成物は、概して、乾燥粉末吸入器(DPI)、定量吸入器(MDI)、ネブライザー吸入器または同様の送達デバイス等の吸入器送達デバイスを使用して投与される。

特定の実施形態では、医薬組成物は、乾燥粉末吸入器を使用する吸入によって投与される。そのような乾燥粉末吸入器は、典型的には、医薬組成物を、吸気中に患者の気流内に分散する流動性粉末として投与する。流動性粉末組成物を実現するために、治療剤は、典型的には、ラクトース、デンプン、マンニトール、デキストロース、ポリ乳酸(PLA)、ポリラクチド−co−グリコリド(PLGA)またはそれらの組合せ等の好適な賦形剤とともに製剤化される。典型的には、治療剤を、微粉化し、好適な担体と合わせて、吸入に好適な組成物を形成する。

乾燥粉末吸入器において使用するための代表的な医薬組成物は、ラクトースおよび本発明の化合物を微粉化形態で含む。そのような乾燥粉末組成物は、例えば、乾式粉砕ラクトースを治療剤と合わせ、次いで、これらの成分を乾式混和することによって作製することができる。次いで、組成物を、典型的には乾燥粉末ディスペンサーに、または乾燥粉末送達デバイスとともに使用するための吸入用カートリッジもしくはカプセルに、充填する。

吸入によって治療剤を投与するために好適な乾燥粉末吸入器送達デバイスは、当技術分野において記述されており、そのようなデバイスの例は、市販されている。例えば、代表的な乾燥粉末吸入器送達デバイスまたは製品は、エアロライザー(Aeolizer)(Novartis)、エアマックス(IVAX)、クリックヘイラー(Innovata Biomed)、ディスクヘイラー(GlaxoSmithKline)、ディスカス/アキュヘイラー(GlaxoSmithKline)、エリプタ(GlaxoSmithKline)、イージーヘイラー(Orion Pharma)、エクリプス(Aventis)、フローキャップス(Hovione)、ハンディヘイラー(Boehringer Ingelheim)、パルビナール(Chiesi)、ロタヘイラー(GlaxoSmithKline)、スカイヘイラー(SkyeHaler)/サーティヘイラー(Certihaler)(SkyePharma)、ツイストヘイラー(Schering−Plough)、タービュヘイラー(AstraZeneca)、ウルトラヘイラー(Aventis)等を含む。

別の特定の実施形態では、医薬組成物は、定量吸入器を使用する吸入によって投与される。そのような定量吸入器は、典型的には、圧縮噴射剤ガスを使用して、測定量の治療剤を発射する。したがって、定量吸入器を使用して投与される医薬組成物は、典型的には、液化噴射剤中の治療剤の溶液または懸濁液を含む。1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA134a)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパン(HFA227)等のヒドロフルオロアルカン(HFA)、ならびにCCl3F等のクロロフルオロカーボンを含む、任意の好適な液化噴射剤を用いてよい。特定の実施形態では、噴射剤は、ヒドロフルオロアルカンである。一部の実施形態では、ヒドロフルオロアルカン製剤は、エタノールもしくはペンタン等の共溶媒、ならびに/またはソルビタントリオレエート、オレイン酸、レシチンおよびグリセリン等の界面活性剤を含有する。

定量吸入器において使用するための代表的な医薬組成物は、約0.01%から約5重量%までの本発明の化合物、約0%から約20重量%までのエタノールおよび約0%から約5重量%までの界面活性剤を含み、残りは、HFA噴射剤である。そのような組成物は、典型的には、冷やしたまたは加圧したヒドロフルオロアルカンを、治療剤、エタノール(存在する場合)および界面活性剤(存在する場合)を含む好適な容器に添加することによって調製される。懸濁液を調製するためには、治療剤を微粉化し、次いで、噴射剤と合わせる。次いで、組成物をエアゾールキャニスターに充填し、これは、典型的には、定量吸入器デバイスの一部を形成する。

吸入によって治療剤を投与するために好適な定量吸入器デバイスは、当技術分野において記述されており、そのようなデバイスの例は、市販されている。例えば、代表的な定量吸入器デバイスまたは製品は、エアロビッド(AeroBid)吸入器システム(Forest Pharmaceuticals)、アトロベント吸入エアゾール(Boehringer Ingelheim)、フロベント(GlaxoSmithKline)、マックスエア吸入器(3M)、プロベンティル吸入器(Schering)、セレベント吸入エアゾール(GlaxoSmithKline)等を含む。

別の特定の態様では、医薬組成物は、ネブライザー吸入器を使用する吸入によって投与される。そのようなネブライザーデバイスは、典型的には、医薬組成物を、患者の呼吸器官に運ばれるミストとしてスプレーさせる、高速の空気の流れを生成する。したがって、ネブライザー吸入器において使用するために製剤化する場合、治療剤を好適な担体に溶解して、溶液を形成することができる。代替として、治療剤を微粉化またはナノ粉砕し、好適な担体と合わせて、懸濁液を形成することができる。

ネブライザー吸入器において使用するための代表的な医薬組成物は、約0.05μg/mLから約20mg/mLまでの本発明の化合物と、噴霧製剤に適合する賦形剤とを含む、溶液または懸濁液を含む。一実施形態では、溶液は、約3から約8のpHを有する。

吸入によって治療剤を投与するために好適なネブライザーデバイスは、当技術分野において記述されており、そのようなデバイスの例は、市販されている。例えば、代表的なネブライザーデバイスまたは製品は、レスピマットソフトミスト吸入器(Boehringer Ingelheim)、AERx肺送達システム(Aradigm Corp.)、PARI LCプラス再利用可能ネブライザー(Pari GmbH)等を含む。

さらに別の態様では、本発明の医薬組成物は、代替として、経口投与が意図された剤形で調製されてよい。経口投与に好適な医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、丸剤、キャンディー剤、カシェ剤、糖衣錠剤、散剤、顆粒剤の形態;あるいは水性または非水性液体中の液剤または懸濁剤として;あるいは水中油型または油中水型液体乳剤として;あるいはエリキシル剤またはシロップ剤として等であってよく、それぞれが、所定量の本発明の化合物を活性原料として含有する。

固体剤形での経口投与が意図されている場合、本発明の医薬組成物は、典型的には、活性剤およびクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム等の1つまたは複数の薬学的に許容される担体を含むことになる。必要に応じてまたは代替として、そのような固体剤形は、充填剤または増量剤、結合剤、保湿剤、溶液遅延剤、吸収加速剤、湿潤剤、吸収剤、滑沢剤、着色剤および緩衝剤も含んでよい。放出剤、湿潤剤、コーティング剤、甘味、香味および着香剤、保存剤ならびに酸化防止剤も、本発明の医薬組成物中に存在することができる。

代替的な製剤は、制御放出製剤、経口投与のための液体剤形、経皮パッチ剤および非経口製剤も含んでよい。そのような代替的な製剤の従来の賦形剤および調製方法は、例えば、上記Remingtonによる参考文献において記述されている。

下記の非限定的な例は、本発明の代表的な医薬組成物を例証する。

乾燥粉末組成物 微粉化した式(I)の化合物(1g)を、粉砕ラクトース(25g)と混和する。次いで、この混和された混合物を、剥離可能なブリスターパックの個々のブリスターに、用量当たり約0.1mgから約4mgの間の式Iの化合物を提供するために十分な量で充填する。乾燥粉末吸入器を使用して、ブリスターの内容物を投与する。

乾燥粉末組成物 微粉化した式(I)の化合物(1g)を、粉砕ラクトース(20g)と混和して、化合物の粉砕ラクトースに対する1:20の重量比を有するバルク組成物を形成する。混和された組成物を、用量当たり約0.1mgから約4mgの間の式Iの化合物を送達することができる乾燥粉末吸入デバイスに詰める。

定量吸入器組成物 レシチン(0.2g)を脱塩水(200mL)に溶解することによって調製された溶液に、微粉化した式(I)の化合物(10g)を分散させる。得られた懸濁液をスプレードライし、次いで、微粉化して、約1.5μm未満の平均直径を有する粒子を含む微粉化された組成物を形成する。次いで、微粉化された組成物を、定量吸入器によって投与された場合に用量当たり約0.1mgから約4mgの式Iの化合物を提供するために十分な量で、加圧した1,1,1,2−テトラフルオロエタンを含有する定量吸入器カートリッジに充填する。

ネブライザー組成物 式(I)の化合物(25mg)を、1.5〜2.5当量の塩酸を含有する溶液に溶解し、続いて、pHを3.5から5.5に調整するための水酸化ナトリウムおよび3重量%のグリセロールを添加する。すべての成分が溶解するまで、溶液をよく撹拌する。用量当たり約0.1mgから約4mgの式Iの化合物を提供するネブライザーデバイスを使用して、溶液を投与する。

有用性 本発明のJAK阻害剤は、呼吸器官の炎症性および線維性疾患の処置のために設計された。特に、化合物は、全身曝露を制限しながら、肺の呼吸器疾患における作用部位への強力な抗サイトカイン剤の直接的送達を可能にするように設計された。

本発明の化合物は、JAKファミリーの酵素:JAK1、JAK2、JAK3およびTYK2の強力阻害剤であることが示されている。加えて、化合物は、細胞アッセイにおいて細胞毒性を呈することなく、炎症促進性および線維化促進サイトカインの強力な阻害を実証してきた。JAK阻害剤の幅広い抗炎症効果は、正常な免疫細胞機能を抑制し得、潜在的に、感染症のリスクの増大につながることが認識されている。本発明の化合物は、したがって、肺から血漿への吸収を制限するように最適化されてきており、故に、免疫抑制のリスクを最小化している。

以下の実験の項において記述される通り、典型的な化合物の吸収および分布は、前臨床アッセイにおいてプロファイルされている。マウスにおいて試験された選択化合物は、肺組織における高濃度および血漿への低吸収を同時に示した。マウスにおいて試験された化合物は、血漿における曝露よりも1から2桁大きい、肺における曝露を呈した。化合物は、約5時間よりも長い肺半減期によって証明される通り、マウス肺における有意な保持も呈した。重要なことには、マウス肺における試験化合物の濃度は、JAK酵素阻害の予測された薬力学的効果と相関していることが示されている。本発明の化合物は、マウス肺組織において炎症促進性サイトカインIL−13の効果を阻害することが示されている。具体的には、化合物は、in vivoでの局所肺JAK標的エンゲージメントの証拠を提供する、肺組織におけるSTAT6のIL−13誘発性リン酸化の用量および濃度依存性阻害を実証している。この効果は、炎症促進性サイトカインIL−13が試験化合物の投与4時間後に投与された場合に観察されており、肺における有意な保持のさらなる証拠を提供している。

試験化合物は、細胞レベルでの強力な阻害活性および肺組織における有意な保持の両方を呈することが実証されている。本発明者らによる広範な調査は、細胞レベルで強力な化合物または肺における有意な保持を示す化合物を同定することは可能であるが、両方の望ましい特徴を同時に呈する化合物を発見することははるかに困難であることを決定した。

JAK阻害剤の抗炎症活性は、喘息の前臨床モデルにおいて確実に実証されている(Malaviyaら、Int Immunopharmacol、2010年、10巻、829〜836頁;Matsunagaら、Biochem and Biophys Res Commun、2011年、404巻、261〜267頁;Kudlaczら、Eur J Pharmacol、2008年、582巻、154〜161頁)。したがって、本発明の化合物は、炎症性呼吸器障害、特に、喘息の処置に有用であることが期待される。肺の炎症および線維症は、喘息に加えて、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、肺臓炎、間質性肺疾患(特発性肺線維症を含む)、急性肺傷害、急性呼吸窮迫症候群、気管支炎、肺気腫、閉塞性細気管支炎およびサルコイドーシス等の他の呼吸器疾患の特徴である。したがって、本発明の化合物は、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肺臓炎、間質性肺疾患(特発性肺線維症を含む)、急性肺傷害、急性呼吸窮迫症候群、気管支炎、肺気腫、閉塞性細気管支炎およびサルコイドーシスの処置にも有用であることが期待される。

本開示の化合物は、ヒトT細胞活性化の阻害、炎症に関連するサイトカインの阻害、ならびにヒト好酸球に対するおよびげっ歯類肺好酸球増加症モデルにおける活性を実証している。したがって、本開示の化合物は、ある特定の具体的な呼吸器疾患の処置に有用である可能性がある。

好酸球性気道炎症は、好酸球性肺疾患と総称される疾患の特徴的特色である(Cottinら、Clin. Chest. Med.、2016年、37巻(3号)、535〜56頁)。好酸球性疾患は、IL−4、IL−13およびIL−5シグナル伝達に関連するとされてきた。好酸球性肺疾患は、感染症(とりわけ蠕虫感染症)、薬物誘発性肺臓炎(例えば、抗生物質、フェニトインまたはl−トリプトファン等の治療薬によって誘発されるもの)、真菌誘発性肺臓炎(例えば、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症)、過敏性肺臓炎および好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(以前はチャーグ・ストラウス症候群として公知であった)を含む。未知の病因の好酸球性肺疾患は、特発性急性好酸球性肺炎(pneumoni)、特発性慢性好酸球性肺炎、好酸球増加症候群およびレフレル症候群を含む。本開示の化合物は、げっ歯類気道モデルにおいて肺好酸球増加症を有意に低減させること、ならびに細胞アッセイにおいてIL−13、IL−4およびIL−2シグナル伝達を強力に阻害することが示されている。加えて、実施例2の化合物は、IL−5媒介性ヒト好酸球の生存を強力に阻害することが実証されている。

IL−6遺伝子における多型は、IL−6レベル上昇および肺動脈性高血圧症(PAH)を発症するリスクの増大に関連するとされてきた(Fangら、J Am Soc Hypertens.、2017年、11巻(3号)、171〜177頁)。PAHにおけるIL−6の役割を裏付けるように、IL−6受容体鎖gp130の阻害は、PAHのラットモデルにおいて疾患を寛解させた(Huangら、Can J Cardiol.、2016年、32巻(11号)、1356.e1〜1356.e10)。実施例2の化合物は、IL−6シグナル伝達を阻害することが示されている。

IFNγ、IL−12およびIL−6等のサイトカインは、サルコイドーシスおよびリンパ脈管筋腫症等の広範な非アレルギー性肺疾患に関係するとされてきた(El-Hashemiteら、Am. J. Respir. Cell Mol. Biol.、2005年、33巻、227〜230頁およびEl-Hashemiteら、Cancer Res.、2004年、64巻、3436〜3443頁)。実施例2の化合物は、IL−6およびIFNγシグナル伝達を阻害することも示されている。

気管支拡張症および浸潤性肺疾患は、慢性好中球性炎症に関連する疾患である。実施例2の化合物は、好中球性炎症に関連するサイトカイン(例えば、IL−6、IFNγ)を阻害することが示されている。

病理学的T細胞活性化は、複数の呼吸器疾患の病因において重大である。自己反応性T細胞は、閉塞性細気管支炎器質化肺炎(COSとも称される)において役割を果たす。COSと同様に、肺移植拒絶反応の病因は、移植ドナー肺によるレシピエントT細胞の異常なT細胞活性化と連関している。肺移植拒絶反応は、初期に原発性移植片機能不全(PGD)、器質化肺炎(OP)、急性拒絶反応(AR)もしくはリンパ球性細気管支炎(LB)として出現し得るか、または肺移植数年後に慢性肺同種移植片機能不全(CLAD)として出現し得る。CLADは、以前は閉塞性細気管支炎(BO)として公知であったが、現在は、BO、拘束性CLAD(rCLADまたはRAS)および好中球性同種移植片機能不全を含む異なる病理学的徴候を有し得る症候群とみなされている。慢性肺同種移植片機能不全(CLAD)は、移植肺に機能性を漸進的に失わせることから、肺移植レシピエントの長期管理における主要課題である(Gauthierら、Curr Transplant Rep.、2016年、3巻(3号)、185〜191頁)。CLADは、処置に対して応答性が乏しく、したがって、この状態を予防するまたは処置することができる有効な化合物が依然として必要である。IFNγおよびIL−5等のいくつかのJAK依存性サイトカインは、CLADおよび肺移植拒絶反応において上方調節される(Berasteguiら、Clin Transplant.、2017年、31巻、e12898)。その上、JAK依存性IFNシグナル伝達の下流にあるCXCL9およびCXCL10等のCXCR3ケモカインの高い肺レベルは、肺移植患者におけるより悪い転帰と連関している(Shinoら、PLOS One、2017年、12巻(7号)、e0180281)。全身性JAK阻害は、腎移植拒絶反応において有効であることが示されている(Vicentiら、American Journal of Transplantation、2012年、12巻、2446〜56頁)。したがって、JAK阻害剤は、肺移植拒絶反応およびCLADを処置するまたは予防する際に有効である潜在性を有する。肺移植拒絶反応の基礎として記述されているのと同様のT細胞活性化事象も、造血幹細胞移植後に出現することができる肺移植片対宿主病(GVHD)の主な推進力とみなされる。CLADと同様に、肺GVHDは、極めて乏しい転帰を持つ慢性進行状態であり、処置は現在のところ承認されていない。サルベージ療法として全身性JAK阻害剤ルキソリチニブを受けた、ステロイド不応性急性または慢性GVHDを持つ95人の患者の遡及的な多施設調査研究は、肺GVHDを持つ人々を含む大多数の患者におけるルキソリチニブに対する完全または部分的な応答を実証した(Zeiserら、Leukemia、2015年、29巻、10号、2062〜68頁)。全身性JAK阻害は、重篤な有害事象および小さな治療指数に関連するため、肺移植拒絶反応または肺GVHDを予防するおよび/または処置するために、吸入肺に向けられた非全身性JAK阻害剤が依然として必要である。本開示の化合物は、この必要性を満たすために必要とされる特徴を有する。より最近では、別のT細胞媒介性肺疾患である免疫チェックポイント阻害剤誘発性肺臓炎が、免疫チェックポイント阻害剤の使用増大とともに現れた。これらのT細胞刺激剤で処置されたがん患者において、致死的肺臓炎が発症し得る。実施例2の化合物は、活性化ヒト末梢血液単離T細胞からのIFNγの抗CD3およびIL−2誘発性放出ならびに気道上皮細胞におけるCXCL9およびCXCL10の産生を阻害することが示されており、故に、これらのサービス不行き届きの重篤な呼吸器疾患のための新規処置を提示する潜在性を有する。

したがって、一態様では、本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)における呼吸器疾患を処置する方法であって、哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容される担体と本発明の化合物とを含む医薬組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。

一態様では、呼吸器疾患は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、肺臓炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、肺臓炎、間質性肺疾患(特発性肺線維症を含む)、急性肺傷害、急性呼吸窮迫症候群、気管支炎、肺気腫、閉塞性細気管支炎またはサルコイドーシスである。別の態様では、呼吸器疾患は、喘息または慢性閉塞性肺疾患である。

一態様では、呼吸器疾患は、肺感染症、好酸球性疾患、蠕虫感染症、肺動脈性高血圧症、サルコイドーシス、リンパ脈管筋腫症、気管支拡張症、浸潤性肺疾患、薬物誘発性肺臓炎、真菌誘発性肺臓炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、過敏性肺臓炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、特発性急性好酸球性肺炎、特発性慢性好酸球性肺炎、好酸球増加症候群、レフレル症候群、閉塞性細気管支炎器質化肺炎、急性および慢性肺移植拒絶反応(PGD、OP、LB、ARおよびCLAD、BO、拘束性CLADおよび好中球性同種移植片機能不全を含む)、肺移植片対宿主病、閉塞性細気管支炎器質化肺炎、肺動脈性高血圧症、気管支拡張症または免疫チェックポイント阻害剤誘発性肺臓炎である。

本発明は、哺乳動物における喘息を処置する方法であって、哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容される担体と本発明の化合物とを含む医薬組成物を投与するステップを含む、方法をさらに提供する。

喘息を処置するために使用される場合、本発明の化合物は、典型的には、1日当たり単回日用量または複数回用量で投与されることになるが、他の形態の投与を使用してもよい。用量当たりの投与される活性剤の量または1日当たりの投与される総量は、典型的には、処置される状態、選択される投与経路、投与される実際の化合物およびその相対活性、個々の患者の年齢、体重および応答、患者の症状の重症度等を含む関連の状況に照らして、医師によって決定されることになる。

本発明は、哺乳動物における呼吸器疾患(本明細書において記述されている疾患を含むがこれらに限定されない)を処置する方法であって、哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容される担体と本発明の化合物とを含む医薬組成物を投与するステップを含む、方法をさらに提供する。

呼吸器疾患(本明細書において記述されている疾患を含むがこれらに限定されない)を処置するために使用される場合、本発明の化合物は、典型的には、1日当たり単回日用量または複数回用量で投与されることになるが、他の形態の投与を使用してもよい。用量当たりの投与される活性剤の量または1日当たりの投与される総量は、典型的には、処置される状態、選択される投与経路、投与される実際の化合物およびその相対活性、個々の患者の年齢、体重および応答、患者の症状の重症度等を含む関連の状況に照らして、医師によって決定されることになる。

JAK阻害剤として、本開示の化合物は、様々な他の疾患にも有用となり得る。本開示の化合物は、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎(直腸S状結腸炎、全結腸炎、潰瘍性直腸炎および左側大腸炎)、クローン病、膠原線維性大腸炎、リンパ球性大腸炎、ベーチェット病、セリアック病、免疫チェックポイント阻害剤誘発性大腸炎、回腸炎、好酸球性食道炎、移植片対宿主病関連大腸炎および感染性大腸炎を含むがこれらに限定されない様々な胃腸炎症の兆候に有用となり得る。潰瘍性大腸炎(Reimundら、J Clin Immunology、1996年、16巻、144〜150頁)、クローン病(Woywodtら、Eur J Gastroenterology Hepatology、1999年、11巻、267〜276頁)、膠原線維性大腸炎(Kumawatら、Mol Immunology、2013年、55巻、355〜364頁)、リンパ球性大腸炎(Kumawatら、2013年)、好酸球性食道炎(Weinbrand-Goichbergら、Immunol Res、2013年、56巻、249〜260頁)、移植片対宿主病関連大腸炎(Coghillら、Blood、2001年、117巻、3268〜3276頁)、感染性大腸炎(Stallmachら、Int J Colorectal Dis、2004年、19巻、308〜315頁)、ベーチェット病(Zhouら、Autoimmun Rev、2012年、11巻、699〜704頁)、セリアック病(de Nittoら、World J Gastroenterol、2009年、15巻、4609〜4614頁)、免疫チェックポイント阻害剤誘発性大腸炎(例えば、CTLA−4阻害剤誘発性大腸炎;(Yanoら、J Translation Med、2014年、12巻、191頁)、PD−1−またはPD−L1阻害剤誘発性大腸炎)および回腸炎(Yamamotoら、Dig Liver Dis、2008年、40巻、253〜259頁)は、ある特定の炎症促進性サイトカインレベルの上昇を特徴とする。多くの炎症促進性サイトカインは、JAK活性化を介してシグナル伝達するため、本願において記述されている化合物は、炎症を緩和し、症状軽減を提供することができる場合がある。特に、本開示の化合物は、潰瘍性大腸炎の鎮静の誘導および維持のため、ならびに、クローン病、免疫チェックポイント阻害剤誘発性大腸炎、および移植片対宿主病における胃腸への有害作用の処置のために、有用となり得る。一態様では、したがって、本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)における胃腸の炎症性疾患を処置する方法であって、哺乳動物に、本開示の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または薬学的に許容される担体と本開示の化合物もしくはその薬学的に許容される塩とを含む医薬組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。

アトピー性皮膚炎および他の炎症性皮膚疾患は、JAK−STAT経路に依拠する炎症促進性サイトカインの上昇に関連するとされてきた。したがって、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、白斑、乾癬、皮膚筋炎、皮膚T細胞リンパ腫(Netchiporoukら、Cell Cycle.、2014年、13巻、3331〜3335頁)およびサブタイプ(セザリー症候群、菌状息肉腫、パジェット様細網症、肉芽腫性弛緩皮膚、リンパ腫様丘疹症、慢性苔癬状粃糠疹、急性痘瘡状苔癬状粃糠疹、CD30+皮膚T細胞リンパ腫、続発性皮膚CD30+大細胞型リンパ腫、非菌状息肉腫CD30−皮膚大細胞型T細胞リンパ腫、多形性T細胞リンパ腫、レンネルトリンパ腫、皮下T細胞リンパ腫、血管中心性リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫)、結節性痒疹、扁平苔癬、原発性限局性皮膚アミロイド症、水疱性類天疱瘡、移植片対宿主病の皮膚徴候、類天疱瘡、円板状ループス、環状肉芽腫、慢性単純性苔癬、外陰部/陰嚢/肛門そう痒症、硬化性苔癬、ヘルペス後神経痛そう痒、扁平毛孔性苔癬および脱毛性毛嚢炎(foliculitis decalvans)を含むがこれらに限定されない、多数の皮膚炎症またはそう痒状態において有益となり得る。特に、アトピー性皮膚炎(Baoら、JAK-STAT、2013年、2巻、e24137)、円形脱毛症(Xingら、Nat Med.、2014年、20巻、1043〜1049頁)、白斑(Craiglowら、JAMA Dermatol.、2015年、151巻、1110〜1112頁)、結節性痒疹(Sonkolyら、J Allergy Clin Immunol.、2006年、117巻、411〜417頁)、扁平苔癬(Welz-Kubiakら、J Immunol Res.、2015年、ID:854747)、原発性限局性皮膚アミロイド症(Tanakaら、Br J Dermatol.、2009年、161巻、1217〜1224頁)、水疱性類天疱瘡(Felicianiら、Int J Immunopathol Pharmacol.、1999年、12巻、55〜61頁)および移植片対宿主病の皮膚徴候(Okiyamaら、J Invest Dermatol.、2014年、134巻、992〜1000頁)は、JAK活性化を介してシグナル伝達するある特定のサイトカインの上昇を特徴とする。したがって、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、これらのサイトカインによって推進された関連する皮膚炎症またはそう痒症を緩和することができる場合がある。特に、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、アトピー性皮膚炎および他の炎症性皮膚疾患の処置に有用となることが期待され得る。一態様では、したがって、本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)における炎症性皮膚疾患を処置する方法であって、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩と、医薬担体とを含む医薬組成物を、哺乳動物の皮膚に塗布するステップを含む、方法を提供する。一態様では、炎症性皮膚疾患は、アトピー性皮膚炎である。

多くの眼疾患は、JAK−STAT経路に依拠する炎症促進性サイトカインの上昇に関連すると示されてきた。したがって、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、ブドウ膜炎、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、ドライアイ疾患、加齢黄斑変性およびアトピー性結膜炎を含むがこれらに限定されない、多数の眼疾患の処置に有用となり得る。特に、ブドウ膜炎(HoraiおよびCaspi、J Interferon Cytokine Res、2011年、31巻、733〜744頁)、糖尿病性網膜症(Abcouwer、J Clin Cell Immunol、2013年、付録1、1〜12頁)、糖尿病性黄斑浮腫(Sohnら、American Journal of Opthamology、2011年、152巻、686〜694頁)、ドライアイ疾患(Stevensonら、Arch Ophthalmol、2012年、130巻、90〜100頁)および加齢黄斑変性(Knickelbeinら、Int Ophthalmol Clin、2015年、55巻(3号)、63〜78頁)は、JAK−STAT経路を介してシグナル伝達するある特定の炎症促進性サイトカインの上昇を特徴とする。したがって、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、関連する眼炎症を緩和し疾患進行を逆転させる、または症状軽減を提供することができる場合がある。一態様では、したがって、本発明は、哺乳動物における眼疾患を処置する方法であって、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩と、医薬担体とを含む医薬組成物を、哺乳動物の目に投与するステップを含む、方法を提供する。一態様では、眼疾患は、ブドウ膜炎、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、ドライアイ疾患、加齢黄斑変性またはアトピー性角結膜炎である。一態様では、方法は、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を、硝子体内注射によって投与するステップを含む。本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を、眼疾患に有用な1つまたは複数の化合物と組み合わせて使用してもよい。

本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、他の炎症性疾患、自己免疫疾患またはがん等の他の疾患を処置するためにも有用となり得る。本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、関節炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、移植拒絶反応、眼球乾燥症、乾癬性関節炎、糖尿病、インスリン依存性糖尿病、運動ニューロン病、骨髄異形成症候群、疼痛、サルコペニア、悪液質、敗血性ショック、全身性エリテマトーデス、白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、強直性脊椎炎、骨髄線維症、B細胞リンパ腫、肝細胞癌、ホジキン病、乳がん、多発性骨髄腫、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、卵巣明細胞癌、卵巣腫瘍、膵臓腫瘍、真性赤血球増加症、シェーグレン症候群、軟部組織肉腫、肉腫、脾腫、T細胞リンパ腫およびサラセミアメジャーのうちの1つまたは複数を処置するために有用となり得る。

併用療法 本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、疾患を処置するために同じ機序によってまたは異なる機序によって作用する1つまたは複数の作用物質と組み合わせて使用してよい。異なる作用物質を、順次にまたは同時に、別個の組成物でまたは同じ組成物で投与してよい。併用療法のための作用物質の有用なクラスは、ベータ2アドレナリン受容体アゴニスト、ムスカリン性受容体アンタゴニスト、グルココルチコイドアゴニスト、Gタンパク質共役受容体−44アンタゴニスト、ロイコトリエンD4アンタゴニスト、ムスカリン性M3受容体アンタゴニスト、ヒスタミンH1受容体アンタゴニスト、免疫グロブリンEアンタゴニスト、PDE4阻害剤、IL−4アンタゴニスト、ムスカリン性M1受容体アンタゴニスト、ヒスタミン受容体アンタゴニスト、IL−13アンタゴニスト、IL−5アンタゴニスト、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、ベータアドレナリン受容体アゴニスト、CCR3ケモカインアンタゴニスト、CFTR刺激剤、免疫グロブリン変調剤、インターロイキン33リガンド阻害剤、PDE3阻害剤、ホスホイノシチド−3キナーゼデルタ阻害剤、トロンボキサンA2アンタゴニスト、エラスターゼ阻害剤、Kitチロシンキナーゼ阻害剤、ロイコトリエンE4アンタゴニスト、ロイコトリエンアンタゴニスト、PGD2アンタゴニスト、TNFアルファリガンド阻害剤、TNF結合剤、補体カスケード阻害剤、エオタキシンリガンド阻害剤、グルタチオンレダクターゼ阻害剤、ヒスタミンH4受容体アンタゴニスト、IL−6アンタゴニスト、IL2遺伝子刺激剤、免疫グロブリンガンマFc受容体IIB変調剤、インターフェロンガンマリガンド、インターロイキン13リガンド阻害剤、インターロイキン17リガンド阻害剤、L−セレクチンアンタゴニスト、白血球エラスターゼ阻害剤、ロイコトリエンC4アンタゴニスト、ロイコトリエンC4シンターゼ阻害剤、膜銅アミンオキシダーゼ阻害剤、メタロプロテアーゼ−12阻害剤、メタロプロテアーゼ−9阻害剤、ダニアレルゲン変調剤、ムスカリン性受容体変調剤、ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト、核内因子カッパB阻害剤、p−セレクチンアンタゴニスト、PDE5阻害剤、PDGF受容体アンタゴニスト、ホスホイノシチド−3キナーゼガンマ阻害剤、TLR−7アゴニスト、TNFアンタゴニスト、Ablチロシンキナーゼ阻害剤、アセチルコリン受容体アンタゴニスト、酸性哺乳類キチナーゼ阻害剤、ACTH受容体アゴニスト、アクチン重合変調剤、アデノシンA1受容体アンタゴニスト、アデニル酸シクラーゼ刺激剤、アドレナリン受容体アンタゴニスト、副腎皮質刺激(adrenocorticotrophic)ホルモンリガンド、アルコールデヒドロゲナーゼ5阻害剤、アルファ1アンチトリプシン刺激剤、アルファ1プロテイナーゼ阻害剤、アンドロゲン受容体変調剤、アンジオテンシン変換酵素2刺激剤、ANPアゴニスト、Bcrタンパク質阻害剤、ベータ1アドレナリン受容体アンタゴニスト、ベータ2アドレナリン受容体アンタゴニスト、ベータ2アドレナリン受容体変調剤、ベータアミロイド変調剤、BMP10遺伝子阻害剤、BMP15遺伝子阻害剤、カルシウムチャネル阻害剤、カテプシンG阻害剤、CCL26遺伝子阻害剤、CCR3ケモカイン変調剤、CCR4ケモカインアンタゴニスト、細胞接着分子阻害剤、シャペロニン刺激剤、キチナーゼ阻害剤、コラーゲンIアンタゴニスト、補体C3阻害剤、CSF−1アンタゴニスト、CXCR2ケモカインアンタゴニスト、サイトカイン受容体共通ベータ鎖変調剤、細胞毒性Tリンパ球タンパク質−4刺激剤、デオキシリボヌクレアーゼI刺激剤、デオキシリボヌクレアーゼ刺激剤、ジペプチジルペプチダーゼI阻害剤、DNAジャイレース阻害剤、DPプロスタノイド受容体変調剤、E−セレクチンアンタゴニスト、EGFRファミリーチロシンキナーゼ受容体阻害剤、エラスチン変調剤、エンドセリンET−Aアンタゴニスト、エンドセリンET−Bアンタゴニスト、エポキシドヒドロラーゼ阻害剤、FGF3受容体アンタゴニスト、Fynチロシンキナーゼ阻害剤、GATA3転写因子阻害剤、グルコシルセラミダーゼ変調剤、グルタメート受容体変調剤、GM−CSFリガンド阻害剤、グアニル酸シクラーゼ刺激剤、H+K+ATPアーゼ阻害剤、ヘモグロビン変調剤、ヘパリンアゴニスト、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ−2刺激剤、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、I−カッパBキナーゼベータ阻害剤、ICAM1遺伝子阻害剤、IL−17アンタゴニスト、IL−17受容体変調剤、IL−23アンタゴニスト、IL−4受容体変調剤、免疫グロブリンG変調剤、免疫グロブリンG1アゴニスト、免疫グロブリンG1変調剤、免疫グロブリンイプシロンFc受容体IAアンタゴニスト、免疫グロブリンガンマFc受容体IIBアンタゴニスト、免疫グロブリンカッパ変調剤、インスリン増感剤、インターフェロンベータリガンド、インターロイキン1様受容体アンタゴニスト、インターロイキン18リガンド阻害剤、インターロイキン受容体17Aアンタゴニスト、インターロイキン−1ベータリガンド阻害剤、インターロイキン−5リガンド阻害剤、インターロイキン−6リガンド阻害剤、KCNA電位開口型カリウムチャネル−3阻害剤、Kitリガンド阻害剤、ラミニン−5アゴニスト、ロイコトリエンCysLT1受容体アンタゴニスト、ロイコトリエンCysLT2受容体アンタゴニスト、LOXL2遺伝子阻害剤、Lynチロシンキナーゼ阻害剤、MARCKSタンパク質阻害剤、MDR関連タンパク質4阻害剤、メタロプロテアーゼ−2変調剤、メタロプロテアーゼ−9変調剤、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト、ムスカリン性M2受容体アンタゴニスト、ムスカリン性M4受容体アンタゴニスト、ムスカリン性M5受容体アンタゴニスト、ナトリウム利尿ペプチド受容体Aアゴニスト、ナチュラルキラー細胞受容体変調剤、ニコチン性ACh受容体アルファ7サブユニット刺激剤、NK細胞受容体変調剤、核内因子カッパB変調剤、オピオイド増殖因子受容体アゴニスト、P−糖タンパク質阻害剤、P2X3プリン受容体アンタゴニスト、p38MAPキナーゼ阻害剤、ペプチダーゼ1変調剤、ホスホリパーゼA2阻害剤、ホスホリパーゼC阻害剤、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤1阻害剤、血小板活性化因子受容体アンタゴニスト、PPARガンマアゴニスト、プロスタサイクリンアゴニスト、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、SH2ドメインイノシトールホスファターゼ1刺激剤、シグナル変換阻害剤、ナトリウムチャネル阻害剤、STAT−3変調剤、幹細胞抗原−1阻害剤、スーパーオキシドジスムターゼ変調剤、T細胞表面糖タンパク質CD28阻害剤、T細胞表面糖タンパク質CD8阻害剤、TGFベータアゴニスト、TGFベータアンタゴニスト、トロンボキサンシンテターゼ阻害剤、胸腺間質性リンパ球新生因子(lymphoprotein)リガンド阻害剤、チモシンアゴニスト、チモシンベータ4リガンド、TLR−8アゴニスト、TLR−9アゴニスト、TLR9遺伝子刺激剤、トポイソメラーゼIV阻害剤、トロポニンI速骨格筋刺激剤、トロポニンT速骨格筋刺激剤、I型IL−1受容体アンタゴニスト、II型TNF受容体変調剤、イオンチャネル変調剤、ウテログロビン刺激剤およびVIPアゴニストを含むがこれらに限定されない。

本発明のJAK阻害剤化合物と組み合わせて使用され得る具体的な作用物質は、ロシプターアセテート(rosiptor acetate)、臭化ウメクリジニウム、セクキヌマブ、メトエンケファリンアセテート(metenkefalin acetate)、トリデカクチドアセテート(tridecactide acetate)、プロピオン酸フルチカゾン、アルファ−シクロデキストリン安定化スルフォラファン、テゼペルマブ、フランカルボン酸モメタゾン、BI−1467335、デュピルマブ、アクリジニウム、ホルモテロール、AZD−1419、HI−1640V、リビパンセル、CMP−001、マンニトール、ANB−020、オマリズマブ、トレガリズマブ、ミティザックス(Mitizax)、ベンラリズマブ、ゴリムマブ、ロフルミラスト、イマチニブ、REGN−3500、マシチニブ、アプレミラスト、RPL−554、アクティミューン、アダリムマブ、ルパタジン、パログレリル、MK−1029、ベクロメタゾンジプロピオネート、フマル酸ホルモテロール、モガムリズマブ、セラトロダスト、UCB−4144、ネミラルシブ(nemiralisib)、CK−2127107、フェビピプラント、ダニリキシン、ボセンタン、アバタセプト、EC−18、デュベリシブ、ドシパルスタット(dociparstat)、シプロフロキサシン、サルブタモールHFA、エルドステイン、PrEP−001、ネドクロミル、CDX−0158、サルブタモール、エノボサーム、R−TPR−022、レンジルマブ、フランカルボン酸フルチカゾン、ビランテロールトリフェニル酢酸塩、プロピオン酸フルチカゾン、サルメテロール、PT−007、PRS−060、レメステムセル−L、シトルリン、RPC−4046、一酸化窒素、DS−102、ゲリリムズマブ(gerilimzumab)、アシテア、フランカルボン酸フルチカゾン、ウメクリジニウム、ビランテロール、AG−NPP709、ガムネックス、インフリキシマブ、アンピオン、アキュマピモド(acumapimod)、カナキヌマブ、INS−1007、CYP−001、シルクマブ、プロピオン酸フルチカゾン、メポリズマブ、ピタバスタチン、ソリスロマイシン、エタネルセプト、アイバカフトール、アナキンラ、MPC−300−IV、臭化グリコピロニウム、臭化アクリジニウム、FP−025、リサンキズマブ、グリコピロニウム、フマル酸ホルモテロール、アディポセル、YPL−001、臭化チオトロピウム、臭化グリコピロニウム、インダカテロールマレイン酸塩、アンデカリキシマブ、オロダテロール、エソメプラゾール、イエダニワクチン、ヨモギ花粉アレルゲンワクチン、バモロロン、ゲファピクサント、レベフェナシン、ゲフィチニブ、リジョイン(ReJoin)、タイペルカスト、ベドラドリン、SCM−CGH、SHP−652、RNS−60、ブロダルマブ、BIO−11006、臭化ウメクリジニウム、ビランテロールトリフェニル酢酸塩、臭化イプラトロピウム、トラロキヌマブ、PUR−1800、VX−561、VX−371、オロパタジン、ツロブテロール、フマル酸ホルモテロール、トリアムシノロンアセトニド、レスリズマブ、キシナホ酸サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン、ベクロメタゾンジプロピオネート、フマル酸ホルモテロール、臭化チオトロピウム、リゲリズマブ、RUTI、ベルチリムマブ、オマリズマブ、臭化グリコピロニウム、SENS−111、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、CHF−5992、LT−4001、インダカテロール、臭化グリコピロニウム、フランカルボン酸モメタゾン、フェキソフェナジン、臭化グリコピロニウム、アジスロマイシン、AZD−7594、ホルモテロール、CHF−6001、バテフェンテロール、OATD−01、オロダテロール、CJM−112、ロシグリタゾン、サルメテロール、セチピプラント、吸入インターフェロンベータ、AZD−8871、プレカナチド、フルチカゾン、サルメテロール、エイコサペンタエン酸モノグリセリド、レブリキズマブ、RG−6149、QBKPN、モメタゾン、インダカテロール、AZD−9898、ピルビン酸ナトリウム、ジレウトン、CG−201、イミダフェナシン、CNTO−6785、CLBS−03、モメタゾン、RGN−137、プロカテロール、ホルモテロール、CCI−15106、POL−6014、インダカテロール、ベクロメタゾン、MV−130、GC−1112、アレルゴバクデポー(Allergovac depot)、MEDI−3506、QBW−251、ZPL−389、ウデナフィル、GSK−3772847、レボセチリジン、AXP−1275、ADC−3680、ティマピプラント(timapiprant)、アベジテロール、AZD−7594、臭化イプラトロピウム、硫酸サルブタモール、タデキニグアルファ、ACT−774312、ドルナーゼアルファ、イロプロスト、バテフェンテロール、フランカルボン酸フルチカゾン、アリカホルセン、シクレソニド、エメラミド(emeramide)、アルホルモテロール、SB−010、オザグレル、BTT−1023、デクトレクマブ、レブアルブテロール、プランルカスト、ヒアルロン酸、GSK−2292767、ホルモテロール、NOV−14、ルシナクタント、サルブタモール、プレドニゾロン、エバスチン、デキサメタゾンシペシル酸エステル、GSK−2586881、BI−443651、GSK−2256294、VR−179、VR−096、hdm−ASIT+、ブデソニド、GSK−2245035、VTX−1463、エメダスチン、デクスプラミペキソール、レブアルブテロール、N−6022、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、PIN−201104、OPK−0018、TEV−48107、スプラタスト、BI−1060469、ゲミルカスト(Gemilukast)、インターフェロンガンマ、ダラザチド、ビラスチン、プロピオン酸フルチカゾン、キシナホ酸サルメテロール、RP−3128、臭化ベンシクロキジウム、レスリズマブ、PBF−680、CRTH2アンタゴニスト、プランルカスト、キシナホ酸サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン、臭化チオトロピウム一水和物、マシルカスト、RG−7990、ドキソフィリン、アベジテロール、臭化グリコピロニウム、TEV−46017、ASM−024、プロピオン酸フルチカゾン、臭化グリコピロニウム、キシナホ酸サルメテロール、サルブタモール、TA−270、フルニソリド、クロモグリク酸ナトリウム(sodium chromoglycate)、イプシガム(Epsi−gam)、ZPL−521、サルブタモール、アビプタジル、TRN−157、ザフィルルカスト、ステムピューセル(Stempeucel)、ペミロラストナトリウム、ナドロール、プロピオン酸フルチカゾン+キシナホ酸サルメテロール、RV−1729、硫酸サルブタモール、二酸化炭素+ペルフルオロオクチルブロミド、APL−1、デクトレクマブ+VAK−694、アセチルサリチル酸リシン、ジレウトン、TR−4、ヒト同種(allogenic)脂肪由来間葉系前駆細胞療法、MEDI−9314、PL−3994、HMP−301、TD−5471、NKTT−120、ペミロラスト、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、トランチンテロール、モノナトリウムアルファルミノール、IMD−1041、AM−211、TBS−5、ARRY−502、セラトロダスト、組換えミジスマーゼ、ASM−8、デフラザコート、バンブテロール、RBx−10017609、イプラトロピウム+フェノテロール、フルチカゾン+ホルモテロール、エピナスチン、WIN−901X、VALERGEN−DS、オリゴG−COPD−5/20、ツロブテロール、オキシスタービュヘイラー、DSP−3025、ASM−024、ミゾラスチン、ブデソニド+サルメテロール、LH−011、AXP−E、ヒスタミンヒト免疫グロブリン、YHD−001、テオフィリン、アンブロキソール+エルドステイン、ラマトロバン、モンテルカスト、プランルカスト、AG−1321001、ツロブテロール、イプラトロピウム+サルブタモール、トラニラスト、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、コルホルシンダロパート、レピリナストおよびドキソフィリンを含むがこれらに限定されない。

本明細書において、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩と、1つまたは複数の他の治療剤とを含む、医薬組成物も提供される。治療剤は、上記で指定した作用物質のクラスからおよび上述した具体的な作用物質のリストから、選択されてよい。一部の実施形態では、医薬組成物は、肺への送達に好適である。一部の実施形態では、医薬組成物は、吸入または噴霧投与に好適である。一部の実施形態では、医薬組成物は、乾燥粉末または液体組成物である。

さらに、方法態様では、本発明は、哺乳動物における疾患または障害を処置する方法であって、哺乳動物に、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩および1つまたは複数の他の治療剤を投与するステップを含む、方法を提供する。

併用療法において使用される場合、作用物質は、単一医薬組成物で製剤化されてもよく、あるいは、作用物質は、同時にまたは別個の時間に、同じまたは異なる投与経路によって投与される別個の組成物で提供されてもよい。そのような組成物は、別個に包装することができ、またはキットとして一緒に包装されてもよい。キット内の2つまたはそれよりも多くの治療剤は、同じ投与経路によってまたは異なる投与経路によって投与されてよい。

本発明の化合物は、下記の実施例において記述される通り、酵素結合アッセイにおいてJAK1、JAK2、JAK3およびTYK2酵素の強力阻害剤であること、細胞アッセイにおいて細胞毒性なしに強力な機能活性を有すること、ならびに前臨床モデルにおいてJAK阻害の薬力学的効果を発揮することが実証されている。

下記の合成および生物学的実施例は、本発明を例証するために提供されるものであり、本発明の範囲をいかようにも限定するものとして解釈されるべきではない。以下の実施例において、下記の略語は、別段の指示がない限り、下記の意味を有する。以下で定義されていない略語は、それらの一般に認められている意味を有する。 ACN=アセトニトリル DCM=ジクロロメタン DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン DMF=N,N−ジメチルホルムアミド EtOAc=酢酸エチル h=時間 HATU=N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート IPA=イソプロピルアルコール IPAc=酢酸イソプロピル MeOH=メタノール min=分 Pd(PPh3)4=テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) RT=室温 TFA=トリフルオロ酢酸 THF=テトラヒドロフラン ビス(ピナコラト)ジボロン=4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル]

試薬および溶媒は、商業供給業者(Aldrich、Fluka、Sigma等)から購入し、さらに精製することなく使用した。反応混合物の進行を、薄層クロマトグラフィー(TLC)、分析用高速液体クロマトグラフィー(分析用HPLC)および質量分析によってモニターした。反応混合物を、各反応において具体的に記述されている通りに後処理し、一般には、反応混合物を、抽出、ならびに、温度および溶媒依存性結晶化、および沈殿等の他の精製方法によって精製した。加えて、反応混合物を、カラムクロマトグラフィーによってまたは分取HPLCによって、典型的には、C18またはBDSカラムパッキングおよび従来の溶離液を使用して、慣用的に精製した。典型的な分取HPLC条件を以下に記述する。

反応生成物の特徴付けは、質量分析および1H−NMR分光分析によって慣用的に行った。NMR分析のために、試料を重水素化溶媒(CD3OD、CDCl3またはd6−DMSO等)に溶解し、標準的な観察条件下、Varianジェミニ2000機器(400MHz)で1H−NMRスペクトルを獲得した。化合物の質量分析同定は、自動精製システムと接続された、Applied Biosystems(Foster City、CA)モデルAPI150EX機器またはWaters(Milford、MA)3100機器を用いるエレクトロスプレーイオン化法(ESMS)によって実施した。

分取HPLC条件 カラム:C18、5μm。21.2×150mmまたはC18、5μm 21×250またはC14、5μm 21×150mm カラム温度:室温 流量:20.0mL/分 移動相:A=水+0.05%TFA B=ACN+0.05%TFA、 注入体積:(100〜1500μL) 検出器波長:214nm

粗化合物を、1:1 水:酢酸に、約50mg/mLで溶解した。2.1×50mm C18カラムを使用して4分間の分析スケールテスト実行を、続いて、分析スケールテスト実行のB保持%に基づく勾配で100μLの注射を使用して15または20分間の分取スケール実行を行った。正確な勾配は、試料依存性であった。最良の分離のために、不純物が連なっている試料を21×250mm C18カラムおよび/または21×150mm C14カラムで確認した。所望生成物を含有する画分を、質量分光分析によって同定した。

調製1:2−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(9)

(a)1−(ベンジルオキシ)−4−ブロモ−5−エチル−2−フルオロベンゼン(21) ACN(250mL)中の4−ブロモ−5−エチル−2−フルオロフェノール(20)(20g、910.32mmol)の溶液に、K2CO3(31.55g、228.3mmol)、続いて、臭化ベンジル(13.10mL、109.58mmol)を滴下添加した。得られた反応混合物を80℃で2時間にわたって撹拌した。水層をEtOAcで抽出し(3回)、合わせ、ブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、表題中間体を淡黄色の油性液体(25g、89%収率)として生じさせた。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.48 - 7.30 (m, 5H), 7.27 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.12 (s, 2H), 2.66 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.16 (t, J = 7.5 Hz, 3H).

(b)2−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(9) ジオキサン(100mL)中の前のステップの生成物(21)(12.5g、40.45mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(15.40g、60.67mmol)およびKOAc(11.9g、121.35mmol)を添加した。反応混合物を、窒素で15分間にわたってパージし、続いて、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II),ジクロロメタンとの複合体(1.65g、2.023mmol)を添加した。得られた反応混合物を撹拌し、110℃で3時間にわたって加熱し、セライトに通して濾過し、残留物をEtOAcで洗浄した。濾液を過剰なEtOAc(200mL)で希釈し、水(100mL)、続いてブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、粗生成物を得て、これを、(100〜200)シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、3〜5%EtOAc:ヘキサンで溶離して、所望生成物をオフホワイトの固体(9.50g、66%収率)として生じさせた。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.54 - 7.27 (m, 6H), 6.81 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.16 (s, 2H), 2.84 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.32 (s, 12H), 1.14 (t, J = 7.5 Hz, 3H).

調製2:6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−3−(トリメチルスタンニル)−1H−インダゾール(3’)

(a)6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(22) DMF:H2O(480:120mL)中の6−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(10)(50g、178.57mmol)および2−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(9)(76.3g、214.29mmol)の溶液に、K3PO4(94.64g、446.86mmol)を添加した。反応混合物を窒素で15分間にわたって脱気し、次いで、Pd(PPh3)2Cl2触媒(6.26g、8.93mmol)を添加し、混合物を窒素で5分間にわたって再度脱気し、撹拌し、100〜110℃で5時間にわたって加熱した。反応混合物をセライトに通して濾過し、残留物をEtOAcで洗浄した。濾液をEtOAcで希釈し、冷水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、粗生成物を提供し、これを、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題中間体を白色固体(65g、86%収率)として生じさせた。(m/z):[M+H]+C27H27FN2O2の計算値431.21、実測値431.46。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.06 - 7.98 (m, 2H), 7.70 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.51 - 7.32 (m, 5H), 7.08 (dd, J = 809.6, 8.3 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.76 - 5.64 (m, 1H), 5.20 (s, 2H), 4.04 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 3.72 (t, J = 9.7 Hz, 1H), 2.52 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.22 - 2.02 (m, 3H), 1.80 - 1.71 (m, 3H), 1.06 (t, J = 7.5 Hz, 3H).

(b)6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1H−インダゾール(23) メタノール(700mL)中の前のステップの生成物(22)(65g、151.16mmol)の溶液に、濃HCl(120mL)を添加し、得られた溶液を60〜65℃で3時間にわたって加熱し、室温に冷却し、真空で濃縮した。残留物をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO3水溶液および水で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、真空で濃縮して、表題中間体を白色固体(52g、99%(粗製物))として生じさせた。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.13 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.59 - 7.30 (m, 6H), 7.10 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.21 (s, 2H), 2.53 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.05 (t, J = 7.5 Hz, 3H).

(c)6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−3−ヨード−1H−インダゾール(24) DMF(400mL)中の6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1H−インダゾール(23)(56g、161.18mmol)の溶液に、KOH(36.2g、647.39mmol)を添加し、混合物を5分間にわたって撹拌した。DMF(100mL)中のヨウ素(82.2g、323.69mmol)の溶液を0℃でゆっくりと添加し、室温で30分間にわたって撹拌し、水(3×150mL)で希釈し、EtOAc(3×200mL)で抽出した。有機層を飽和メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(3×200mL)および水(400mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、これを、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題中間体を帯褐色半固体(64g、84%収率)として生じさせた。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 10.49 (s, 1H), 7.57 - 7.32 (m, 7H), 7.16 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.04 - 6.91 (m, 2H), 5.20 (s, 2H), 2.51 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 1.04 (t, J = 7.5 Hz, 3H).

(d)6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(25) DCM(700mL)中の前のステップの生成物(24)(60g、127.12mmol)の氷冷溶液に、p−トルエンスルホン酸(p-toluensulfonic acid)(4.84g、25.423mmol)、続いて、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(17.43mL、190.68mmol)を滴下添加した。反応混合物を室温で終夜撹拌し、DCMで希釈し、飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を提供し、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製して、表題中間体をオフホワイトの固体(64g、91%収率)として生じさせた。(m/z):[M+H]+C27H26FIN2O2の計算値557.10、実測値557.30。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.56 - 7.31 (m, 7H), 7.14 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.68 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 5.20 (s, 2H), 4.08 - 3.99 (m, 1H), 3.77 - 3.64 (m, 1H), 2.50 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.23 - 1.97 (m, 3H), 1.81 - 1.68 (m, 3H), 1.06 (t, J = 7.4 Hz, 3H).

(e)6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−3−(トリメチルスタンニル)−1H−インダゾール(3’) トルエン(150mL)中の6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(25)(20g、35.97mmol)の溶液に、ヘキサメチルジスズ(9.2mL、43.17mmol)を添加した。反応混合物を窒素で20分間にわたって脱気し、続いて、テトラキス(2.0g、1.80mmol)を添加し、次いで、100℃で2時間にわたって撹拌し、室温に冷却し、セライトに通して濾過し、残留物をEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(中性アルミナ)によって精製し、2〜5%EtOAc:ヘキサンで溶離して、表題化合物(17.50g、82%収率)を生じさせた。(m/z):[M+H]+C27H26FIN2O2の計算値557.10、実測値557.30。(m/z):[M+H]+C30H35FN2O2Snの計算値595.17、593.17、実測値595.49、593.55。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.68 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.57 - 7.29 (m, 6H), 7.13 - 7.00 (m, 2H), 6.96 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.81 - 5.68 (m, 1H), 5.21 (s, 2H), 4.13 - 4.00 (m, 1H), 3.81 - 3.66 (m, 1H), 2.54 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.23 - 2.00 (m, 2H), 1.87 - 1.59 (m, 4H), 1.08 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 0.47 (s, 9H).

調製3:5−(tert−ブチル)6−メチル(S)−2−ヨード−3−((2−トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5,6−ジカルボキシレート(4’)

(a)(S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸(11) 水(420mL)中のL−ヒスチジン(26)(50g、322.24mmol)の撹拌懸濁液に、濃HCl(29mL)を0℃で滴下添加し、続いて、ホルムアルデヒド(55mL、676.72mmol)を0℃で一度に添加した。得られた反応混合物を30分間にわたって撹拌し、次いで、75℃で6時間にわたって加熱し、濃縮した。得られた粗製物をジエチルエーテルとともに2時間にわたって撹拌し、濾過し、IPA:THF(100:300mL)で洗浄して、表題中間体のHCl塩をオフホワイトの固体(75g 99%収率(粗製物))として提供した。(m/z):[M+H]+C7H9N3O2の計算値168.07、実測値168.17。

(b)メチル(S)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボキシレート(27) メタノール(1500mL)中の前のステップの生成物(11)(75.0g、312.5mmol)の撹拌溶液に、SOCl2(45.6mL、625mmol)を0℃で滴下添加し、室温で16時間にわたって撹拌し、次いで、1時間にわたって還流状態まで加熱した(70℃)。溶媒を蒸留によって除去し、粗生成物を、メタノール、続いて、ジエチルエーテルで磨砕して、表題中間体の粗HCl塩をオフホワイトの固体(80g粗製物)として提供した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.05 (s, 1H), 4.71 (dd, J = 9.4, 5.2 Hz, 1H), 4.36 (d, J = 15.5 Hz, 1H), 4.30 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.44 - 3.21 (m, 2H).

(c)5−(tert−ブチル)6−メチル(S)−3,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5,6−ジカルボキシレート(28) メタノール(1000mL)中の前のステップの生成物(27)(80.0g、314.96mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(282mL、1574mmol)、続いて、二炭酸ジ−tert−ブチル(172mL、787.48mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で16時間にわたって撹拌し、次いで、液体NH3(150mL、水中25%)を添加し、反応混合物を室温で16時間にわたって再度撹拌し、メタノールを蒸留によって除去し、残留物をDCM(3×200mL)中で抽出した。合わせた有機抽出物を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(100〜200メッシュシリカゲル)によって精製し、5%MeOH:DCMで溶離して、表題中間体(41g、46%収率)を生じさせた。(m/z):[M+H]+C13H19N3O4の計算値282.14、実測値282.21。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.85 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 5.18 (dd, J = 49.3, 5.1 Hz, 1H), 4.51 (t, J = 14.2 Hz, 1H), 4.09 (dd, J = 43.9, 16.1 Hz, 1H), 3.59 (s, 3H), 3.08 (d, J = 15.5 Hz, 1H), 2.94 (d, J = 15.1 Hz, 1H), 1.45 (s, 9H).

(d)5−(tert−ブチル)6−メチル(S)−2−ヨード−3,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5,6−ジカルボキシレート(29) THF(500mL)中の前のステップの生成物(29)(41.0g、145.9mmol)の溶液に、N−ヨードスクシンイミド(66.0g、291.8mmol)を0℃で添加し、得られた溶液を室温で4時間にわたって撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機部分を10%チオ硫酸ナトリウム溶液(3×200mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、表題化合物60g(粗製物)を提供し、これを、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。(m/z):[M+H]+C13H18IN3O4の計算値408.03、実測値408.31。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.48 (s, 1H), 5.34 - 4.97 (m, 1H), 4.67 - 4.35 (m, 1H), 4.12 - 3.95 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.14 - 2.82 (m, 2H), 1.44 (s, 9H).

(e)5−(tert−ブチル)6−メチル(S)−2−ヨード−3−((2−トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5,6−ジカルボキシレート(4’) DMF(150mL)中の5−(tert−ブチル)6−メチル(S)−2−ヨード−3,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5,6−ジカルボキシレート(29)(40g、0.098mol)の撹拌溶液に、DIPEA(35.1mL、0.19mol)を0℃で添加した。反応混合物を10分間にわたって撹拌し、次いで、2−(トリメチルシリル)−エトキシメチルクロリド(19.1mL、0.10mol)を0℃で滴下添加した。得られた反応混合物を室温で3時間にわたって撹拌した。4時間後、冷やした水を添加し、反応混合物をEtOAc(2×200mL)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、20〜35%EtOAc:ヘキサンで溶離して、表題生成物を淡黄色の粘性液体(27g)として生じさせた。(m/z):[M+H]+C19H32IN3O5Siの計算値538.12、実測値538.42。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 5.33 - 5.04 (m, 3H), 4.79 - 4.56 (m, 1H), 4.54 - 4.14 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.47 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 3.31 - 3.16 (m, 1H), 2.97 (t, J = 18.9 Hz, 1H), 1.44 (s, 9H), 0.92 - 0.74 (m, 2H), -0.03 (s, 9H).

調製4:(6S)−5−(tert−ブトキシカルボニル)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸(7’)

(a)5−(tert−ブチル)6−メチル(6S)−2−(6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5,6−ジカルボキシレート(5’) トルエン(500mL)中の5−(tert−ブチル)6−メチル(S)−2−ヨード−3−((2−トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5,6−ジカルボキシレート(4’)(17.0g、31.65mmol)の撹拌溶液に、6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−3−(トリメチルスタンニル)−1H−インダゾール(3’)(20g、34.82mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで15分間にわたってパージし、Pd(PPh3)4(3.6g、3.16mmol)およびヨウ化銅(1.20g、6.33mmol)を添加し、反応混合物を120℃で16時間にわたって撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(レディセップ80gカラム)によって精製し、DCMで10分間にわたって、次いで、ヘキサン中15〜20%EtOAcで溶離して、表題中間体を黄色固体(15.10g、58%収率)として生じさせた。(m/z):[M+H]+C46H58FN5O7Siの計算値840.41、実測値840.54。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.43 (s, 1H), 7.54 - 7.33 (m, 6H), 7.20 (s, 1H), 7.05 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.09 - 5.69 (m, 3H), 5.59 - 5.36 (m, 1H), 5.20 (s, 2H), 4.97 - 4.80 (m, 1H), 4.12 - 3.90 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.57 - 3.47 (m, 2H), 3.40 (d, 1H), 3.21 - 3.05 (m, 1H), 2.74 - 2.34 (m, 4H), 2.25 - 2.07 (m, 2H), 1.94 - 1.65 (m, 4H), 1.54 (s, 9H), 1.12 - 0.99 (m, 3H), 0.91 - 0.75 (m, 2H), -0.12 (s, 9H).

(b)6−ベンジル5−(tert−ブチル)(6S)−2−(6−(4−(ベンジルオキシ)−2−エチル−5−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5,6−ジカルボキシレート(6’) 丸底フラスコに、トルエン(400mL)中の前のステップの生成物(5’)(15.0g、17.85mmol)、ベンジルアルコール(46.3mL)およびTi(OEt)4(7.15mL、35.70mmol)を添加し、反応混合物を48時間にわたって激しく還流させ(140℃)、水で希釈し、DCMで抽出した。懸濁液を濾過し、濾液をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(レディセップ80gカラム、ヘキサン中0〜5%EtOAc)によって20分間にわたって精製して、過剰なベンジルアルコールを除去し、次いで、ヘキサン中10〜15%EtOAcで溶離して、表題中間体を提供した。1H NMRは構造と一致している。(m/z):[M+H]+C52H62FN5O7Siの計算値916.44、実測値916.86。

(c)(6S)−5−(tert−ブトキシカルボニル)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸(7’) 1:1 IPA:THF(400mL)中の前のステップの生成物(6’)(21.0g、22.92mmol)の撹拌溶液に、Pd(OH)2(5.0g)を添加した。反応混合物を、水素バルーン下、室温で16時間にわたって撹拌し、セライトに通して濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(レディセップ80gカラム、ヘキサン中25〜40%EtOAcで溶離)によって精製して、表題化合物(6.1g、8.29mmol)をオフホワイトの固体として提供した。(m/z):[M+H]+C38H50FN5O7Siの計算値736.35、実測値736.5。1H NMRは構造と一致している。(m/z):[M+H]+C38H50FN5O7Siの計算値736.35、実測値736.5。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.94 (s, 1H), 9.86 (s, 1H), 8.34 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.20 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 6.11 - 5.77 (m, 3H), 5.33 - 5.06 (m, 1H), 4.87 - 4.56 (m, 1H), 4.52 - 4.14 (m, 1H), 3.97 - 3.69 (m, 2H), 3.53 - 3.40 (m, 2H), 3.23 - 3.11 (m, 1H), 3.11 - 2.93 (m, 1H), 2.47 - 2.44 (m, 2H), 2.13 - 1.96 (m, 2H), 1.68 (d, J = 70.9 Hz, 4H), 1.48 (s, 9H), 1.02 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 0.86 - 0.68 (m, 2H), -0.17 (s, 9H).

調製5:(S)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸(8’)

5:1 ジオキサン:水(60mL)中の(6S)−5−(tert−ブトキシカルボニル)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)−メチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸(7’)(5.7g、7.75mmol)の撹拌溶液に、濃HCl(20mL)を0℃で滴下添加した。反応混合物を加温し、90℃で16時間にわたって撹拌し、真空下で蒸留して、粗残留物を提供し、これを、冷やしたジエチルエーテルおよびアセトニトリルで順次に磨砕して、表題化合物のHCl塩(3.6g、95%収率)を薄褐色固体として提供した。(m/z):[M+H]+C22H20FN5O3の計算値422.16、実測値422.24。1H NMR (400 MHz, D20/DMSO-d6) δ 8.22 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.19 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 6.99 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 6.91 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.56 - 4.51 (m, 1H), 4.36 (d, J = 15.5 Hz, 1H), 4.30 (d, J = 15.5 Hz, 1H), 3.35 - 3.25 (m, 1H), 3.15 - 3.05 (m, 1H), 2.4 - 2.55 (m, 2H), 0.97 (t, J = 7.5 Hz, 3H).

調製6:(S)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−プロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸

DMF(7mL)中の、(S)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸,HCl(400mg、0.874mmol)(8’)およびプロピオンアルデヒド(0.095mL、1.310mmol)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(165mg、2.62mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(33mg、0.874mmol)を添加し、溶液を濃縮し、分取HPLCによって精製して、表題化合物のTFA塩(179mg、37%収率)を提供した。(m/z):[M+H]+C25H26FN5O3の計算値464.20、実測値464.5。

調製7:(S)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸

DMF(7mL)中の、(S)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸,HCl(8’)(400mg、0.874mmol)、アセトン(0.192mL、2.62mmol)および酢酸(0.150mL、2.62mmol)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(274mg、4.37mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(33mg、0.874mmol)を添加し、溶液を濃縮し、分取HPLCによって精製して、表題化合物のTFA塩(115mg、23%収率)を提供した。(m/z):[M+H]+C25H26FN5O3の計算値464.20、実測値464.5。

調製8:(S)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸

DMF(5mL)中の、(S)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸,HCl(8’)(300mg、0.655mmol)および水中37wt.%ホルムアルデヒド(0.059mL、0.786mmol)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(165mg、2.62mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(25mg、0.655mmol)を添加し、溶液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(100gカラム、5〜75%ACN/水)によって精製して、表題化合物のTFA塩(85mg、24%収率)を提供した。(m/z):[M+H]+C23H22FN5O3の計算値436.17、実測値436.45。

調製9:(S)−5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸

DMF(7mL)中の、(S)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸,HCl(8’)(450mg、0.983mmol)およびアセトアルデヒド(0.083mL、1.474mmol)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(247mg、3.93mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(112mg、2.95mmol)を添加し、溶液を濃縮し、1:1 酢酸:水+300μLのTFA(7mL)に溶解し、フラッシュクロマトグラフィー(100gカラム、5〜65%ACN/水)によって精製して、表題化合物のTFA塩(165mg、0.293mmol、30%収率)を提供した。(m/z):[M+H]+C24H24FN5O3の計算値450.19、実測値450。

(実施例2) (S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン

DMF(4mL)中の、(S)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸,TFA(179mg、0.310mmol)、N,N−ジメチルアゼチジン−3−アミン,2HCl(107mg、0.465mmol)およびDIPEA(0.162mL 0.930mmol)の溶液に、HATU(177mg、0.465mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。ヒドラジン(5当量)を添加し、反応混合物を濃縮し、分取HPLCによって精製して、表題化合物のTFA塩(63mg、26%収率)を提供した。(m/z):[M+H]+C30H36FN7O2の計算値546.29、実測値546.7。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.90 (s, 1H), 8.29 (dd, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.07 (d, 1H), 7.01 (d,1H), 6.89 (d, 1H), 4.35 - 4.18 (m, 1H), 4.11 - 3.94 (m, 1H), 3.94 - 3.73 (m,3H), 3.70 - 3.57 (m, 2H), 3.06 - 2.94 (m, 2H), 2.87 - 2.66 (m, 2H), 2.48 - 2.40(m, 2H), 2.13 - 2.00 (m, 6H), 1.07 (t, 3H), 1.03 - 0.93 (m, 6H).

(実施例4) (S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−プロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン

DMF(1.5mL)中の、(S)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−プロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸,TFA(30mg、0.052mmol)、N,N−ジメチルアゼチジン−3−アミン,2HCl(27.0mg、0.156mmol)およびDIPEA(0.064mL、0.364mmol)の溶液に、HATU(29.6mg、0.078mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。ヒドラジン(5当量)を添加し、反応混合物を室温で10分間にわたって撹拌し、濃縮し、分取HPLCによって精製して、表題化合物のTFA塩(29.6mg、74%収率)を提供した。(m/z):[M+H]+C30H36FN7O2の計算値546.29、実測値546.6。

(実施例8) (S)−(3−(ジメチルアミノ)−3−メチルアゼチジン−1−イル)(2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−プロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン

DMF(1mL)中の、(S)−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−5−プロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸,TFA(30mg、0.052mmol)、N,N−3−トリメチルアゼチジン−3−アミン,2HCl(29.2mg、0.156mmol)およびDIPEA(0.073mL、0.416mmol)の溶液に、HATU(29.6mg、0.078mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。ヒドラジン(5当量)を添加し、反応混合物を濃縮し、分取HPLCによって精製して、表題化合物のTFA塩(24.7mg、60%収率)を提供した。(m/z):[M+H]+C31H38FN7O2の計算値560.31、実測値560.2。

(実施例8−22) (S)−(3−(ジメチルアミノ)アゼチジン−1−イル)(5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン

(S)−5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸,TFA(30mg、0.053mmol)、N,N−ジメチルアゼチジン−3−アミン(16mg、0.16mmol)およびDIPEA(0.037mL、0.213mmol)を、DMF(1.0ml)に溶解し、次いで、HATU(30.4mg、0.080mmol)を添加し、反応混合物を室温で6時間にわたって撹拌した。ヒドラジン(15μL)を添加し、次いで、溶液を濃縮し、分取HPLCによって精製して、表題化合物のTFA塩(27mg、66%収率)を提供した。(m/z):[M+H]+C29H34FN7O2の計算値532.6、実測値532.2。

(実施例8−23) (S)−(3−(ジメチルアミノ)−3−メチルアゼチジン−1−イル)(5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)メタノン

(S)−5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸,TFA(30mg、0.053mmol)、N,N,3−トリメチルアゼチジン−3−アミン(18mg、0.16mmol)およびDIPEA(0.037mL、0.213mmol)を、DMF(1.0ml)に溶解し、次いで、HATU(30.4mg、0.080mmol)を添加し、反応混合物を室温で6時間にわたって撹拌した。ヒドラジン(15μL)を添加し、次いで、溶液を濃縮し、分取HPLCによって精製して、表題化合物のTFA塩(28mg、68%収率)を提供した。(m/z):[M+H]+C30H36FN7O2の計算値546.7、実測値546.2。

(実施例8−14) (S)−(5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−イル)(3−(ピペリジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)メタノン,2TFA

(S)−5−エチル−2−(6−(2−エチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−3−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸,TFA(40mg、0.071mmol)、1−(3−アゼチジニル)ピペリジン(29.9mg、0.213mmol)およびDIPEA(0.050ml、0.284mmol)を、DMF(1.5ml)に溶解し、次いで、HATU(40.5mg、0.106mmol)を添加し、反応混合物を室温で2時間にわたって撹拌した。ヒドラジン(0.011ml、0.355mmol)を添加し、反応混合物を室温で10分間にわたって撹拌した。次いで、溶液を濃縮し、分取HPLCによって精製して、表題化合物のTFA塩(36mg、63%収率)を提供した。(m/z):[M+H]+C32H38FN7O2の計算値572.7、実測値572.5。

同様の合成方法を使用して、表1の化合物を調製した。下記の表において、任意の列における空白は、水素原子を示し、表の見出しとなる構造における*は、キラル中心を示し、置換基の前の表記(R)または(S)は、その置換基が結合している炭素原子の配置を表示する。

生物学的アッセイ 本発明の化合物を、下記の生物学的アッセイのうちの1つまたは複数において特徴付けた。

アッセイ1:生化学的JAKキナーゼアッセイ 4つのランサスクリーンJAK生化学的アッセイ(JAK1、2、3およびTyk2)のパネルを、共通のキナーゼ反応緩衝液(50mM HEPES、pH7.5、0.01%Brij−35、10mM MgCl2および1mM EGTA)中で行った。組換えGSTタグ付きJAK酵素およびGFPタグ付きSTAT1ペプチド基質を、Life Technologiesから入手した。

連続希釈化合物を、4つのJAK酵素のそれぞれおよび基質とともに、白色384ウェルマイクロプレート(Corning)中、周囲温度で1時間にわたってプレインキュベートした。その後、ATPを、1%DMSOを含む10μLの総体積で添加して、キナーゼ反応を開始した。JAK1、2、3およびTyk2についての最終酵素濃度は、それぞれ、4.2nM、0.1nM、1nMおよび0.25nMであり、使用した対応するKm ATP濃度は、25μM、3μM、1.6μMおよび10μMであるのに対し、基質濃度は、4つすべてのアッセイについて200nMである。キナーゼ反応を周囲温度で1時間にわたって進めさせた後、TR−FRET希釈緩衝液(Life Technologies)中のEDTA(10mM最終濃度)およびTb抗pSTAT1(pTyr701)抗体(Life Technologies、2nM最終濃度)の10μLの調製物を添加した。プレートを周囲温度で1時間にわたってインキュベートさせた後、エンビジョンリーダー(Perkin Elmer)で読み取った。放出比シグナル(520nm/495nm)を記録し、DMSOおよびバックグラウンド対照に基づくパーセント阻害値を算出するために利用した。

用量応答分析のために、パーセント阻害データを化合物濃度に対してプロットし、IC50値を4パラメーターロバスト当てはめモデルからプリズムソフトウェア(GraphPad Software)を用いて決定した。結果をpIC50(IC50の負の対数)として表現し、その後、チェン−プルソフ式を使用して、pKi(解離定数Kiの負の対数)に変換した。

4つのJAKアッセイのそれぞれにおいて、より低いKi値またはより高いpKi値を有する試験化合物は、JAK活性のより大きい阻害を示す。

アッセイ2:細胞JAKI効力アッセイ アルファスクリーンJAKI細胞効力アッセイを、BEAS−2Bヒト肺上皮細胞(ATCC)におけるインターロイキン−13(IL−13、R&D Systems)誘発性STAT6リン酸化を測定することによって行った。抗STAT6抗体(Cell Signaling Technologies)を、アルファスクリーンアクセプタービーズ(Perkin Elmer)とコンジュゲートさせたのに対し、抗pSTAT6(pTyr641)抗体(Cell Signaling Technologies)を、EZ−リンクスルホ−NHS−ビオチン(Thermo Scientific)を使用してビオチン化した。

BEAS−2B細胞を、10%FBS(Hyclone)、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン(Life Technologies)および2mMグルタマックス(Life Technologies)を補充した50%DMEM/50%F−12培地(Life Technologies)中、5%CO2加湿インキュベーター内、37℃で増殖させた。アッセイの1日目、細胞を、25μLの培地を加えた白色ポリ−D−リシンコーティング384ウェルプレート(Corning)中に7,500細胞/ウェル密度で播種し、インキュベーター内で終夜接着させた。アッセイの2日目、培地を除去し、用量応答の試験化合物を含有する12μLのアッセイ緩衝液(ハンクス平衡塩類溶液/HBSS、25mM HEPESおよび1mg/mlウシ血清アルブミン/BSA)で置きかえた。化合物をDMSO中で連続希釈し、次いで、培地中でさらに1000倍希釈して、最終DMSO濃度を0.1%にした。細胞を、試験化合物とともに37℃で1時間にわたってインキュベートし、続いて、12μlの予め温めておいたIL−13(アッセイ緩衝液中80ng/mL)を刺激のために添加した。37℃で30分間にわたってインキュベートした後、アッセイ緩衝液(化合物およびIL−13を含有)を除去し、10μLの細胞溶解緩衝液(25mM HEPES、0.1%SDS、1%NP−40、5mM MgCl2、1.3mM EDTA、1mM EGTA、ならびにRoche Diagnostics製のコンプリートウルトラミニプロテアーゼ阻害剤およびPhosSTOPを補充)。プレートを周囲温度で30分間にわたって振とうした後、検出試薬を添加した。ビオチン抗pSTAT6および抗STAT6コンジュゲートアクセプタービーズの混合物を最初に添加し、周囲温度で2時間にわたってインキュベートし、続いて、ストレプトアビジンコンジュゲートドナービーズ(Perkin Elmer)を添加した。最低でも2時間のインキュベーション後、アッセイプレートをエンビジョンプレートリーダーで読み取った。アルファスクリーン発光シグナルを記録し、DMSOおよびバックグラウンド対照に基づくパーセント阻害値を算出するために利用した。

用量応答分析のために、パーセント阻害データを化合物濃度に対してプロットし、IC50値を4パラメーターロバスト当てはめモデルからプリズムソフトウェアを用いて決定した。結果を、IC50値の負の対数であるpIC50として表現してもよい。

このアッセイにおいて、より低いIC50値またはより高いpIC50値を有する試験化合物は、IL−13誘発性STAT6リン酸化のより大きい阻害を示す。

In Vitroアッセイ結果 本発明の選択化合物を、4つのJAK酵素アッセイ;JAK1、JAK2、JAK3およびTyk2、ならびに上述したBEAS−2B細胞効力アッセイにおいて試験した。以下の表19に示されている通り、JAK1酵素効力は、BEAS−2Bアッセイにおいて汎JAK酵素活性および細胞効力の両方を予測するものであることが観察された。したがって、作製された化合物すべてを、JAK1酵素アッセイおよびBEAS−2B細胞アッセイにおいて試験し、大多数をJAK3酵素アッセイにおいても試験した。化合物のすべてが、0.04nMから0.6nMの間のJAK1 Ki値(9.2から10.4の間のpKi)を呈した。JAK3酵素アッセイにおいて試験した化合物は、0.08nMから0.5nMの間のKi値(9.3から10.1の間のpKi)を呈した。試験した化合物は、BEAS−2Bアッセイにおいて、3nMから100nMの間のIC50値(7から8.5の間のpIC50)を呈した。

アッセイ3:マウスの血漿および肺における薬物動態 試験化合物の血漿および肺レベルならびにそれらの比を、下記の様式で決定した。Charles River Laboratories製のBALB/cマウスをアッセイにおいて使用した。試験化合物を、pH4クエン酸緩衝液中の20%プロピレングリコール中、0.2mg/mLの濃度で個々に製剤化し、50μLの投薬溶液を、経口吸引によってマウスの気管に導入した。投薬後種々の時点(典型的には、0.167、2、6、24時間)で、心臓穿刺を介して血液試料を取り出し、無傷の肺をマウスから切除した。血液試料を、およそ12,000rpmにて4℃で4分間にわたって遠心分離(Eppendorf遠心分離、5804R)して、血漿を収集した。肺をパッドで乾燥させ(padded dry)、秤量し、滅菌水中1:3の希釈で均質化した。試験化合物の血漿および肺レベルを、試験マトリックスにおいて標準曲線に構築された分析標準に対するLC−MS分析によって決定した。肺の血漿に対する比を、肺AUC(単位μg時/g)の血漿AUC(単位μg時/mL)に対する比として決定し、ここで、AUCは、試験化合物濃度対時間の曲線下面積として慣例的に定義される。本発明の化合物は、マウスの血漿における曝露よりも1から2桁大きい、肺における曝露を呈した。このアッセイにおいてプロファイルされた化合物のすべてが、約4.5から約14時間の間の半減期を呈した。

アッセイ4:肺組織におけるIL−13誘発性pSTAT6誘導のネズミ(マウス)モデル Il−13は、喘息の病態生理学の根本にある重要なサイトカインである(Kudlaczら、Eur. J. Pharmacol、2008年、582巻、154〜161頁)。IL−13は、細胞表面受容体と結合して、キナーゼのヤヌスファミリー(JAK)のメンバーを活性化させ、次いでこれが、STAT6をリン酸化し、その後、さらなる転写経路を活性化する。記述されているモデルにおいて、ある用量のIL−13を、マウスの肺に局所的に送達してSTAT6のリン酸化(pSTAT6)を誘発した。次いでこれを終点として測定する。

Harlan製の成体balb/cマウスをアッセイにおいて使用した。研究1日目、動物にイソフルランで軽く麻酔をかけ、経口吸引を介してビヒクルまたは試験化合物(1mg/mL、数回の呼吸にわたって50μLの総体積)のいずれかを投与した。投薬後、動物を側臥位で寝かせ、麻酔からの完全な回復をモニターした後、ホームケージに戻した。4時間後、動物にもう一度短時間麻酔をかけ、経口吸引を介してビヒクルまたはIL−13(0.03μgの送達される総用量、50μLの総体積)のいずれかで負荷した後、麻酔からの回復をモニターし、ホームケージに戻した。ビヒクルまたはIL−13投与の1時間後、抗pSTAT6 ELISA(ウサギmAb捕捉/コーティング抗体;マウスmAb検出/報告抗体:抗pSTAT6−pY641;二次抗体:抗マウスIgG−HRP)を使用する両方のpSTAT6検出のために肺を採取し、アッセイ3において上述した通り、総薬物濃度について分析した。

本発明の選択化合物をアッセイにおいて試験した。モデルにおける活性は、ビヒクル処置したIL−13負荷対照動物と比較した、5時間での処置動物の肺において存在するpSTAT6のレベルの減少によって証明される。ビヒクル処置、IL−13負荷した対照動物と、ビヒクル処置、ビヒクル負荷した対照動物との間の差異は、任意の所与の実験において、それぞれ0%および100%阻害効果を決定付けた。本発明の例示的な化合物をアッセイにおいて試験し、以下で文書化される通り、IL−13負荷後4時間でSTAT6リン酸化の阻害を呈した。

JAK−STAT経路の気道炎症への関連を確認したら、IL13誘発性pSTAT6マウスモデルにおけるin vivo標的エンゲージメントを実証した化合物を、その後試験し、アレルゲン誘発性好酸球性炎症のマウスモデルにおいて効果的であることを立証する。

In Vivoアッセイ結果 本発明の選択化合物を、薬物動態アッセイ(アッセイ3)および薬力学的アッセイ(アッセイ4)の両方において特徴付けた。投薬後同様の時点での薬物動態アッセイおよび薬力学的アッセイにおいて決定された肺内の試験化合物濃度間には、良好な相関関係が観察された。薬力学的アッセイにおけるマウス肺内の有意な化合物濃度の観察により、IL−13誘発性pSTAT6誘導の観察された阻害が、試験化合物の活性の結果であることを確認した。

下記の表において、肺曝露の血漿曝露に対する比(アッセイ3)について、Aは、比100〜200を表示し、Bは、50から100の間の比を表示し、Cは、20から50の間の比を表示する。IL−13誘発性pSTAT6誘導のパーセント阻害(アッセイ4)について、Aは、60%から80%の間の阻害を表し、Bは、40%から60%の間の阻害を表し、Cは、25%から40%の間の阻害を表す。

アッセイ5:肺のAlternaria alternata誘発性好酸球性炎症のネズミモデル 気道好酸球増加症は、ヒト喘息の特質である。Alternaria alternataは、ヒトにおいて喘息を増悪させることができる真菌エアロアレルゲンであり、マウスの肺において好酸球性炎症を誘発する(Havauxら、Clin Exp Immunol.、2005年2月;139巻(2号):179〜88頁)。マウスにおいて、alternariaは、肺における組織常在性2型自然リンパ球細胞を間接的に活性化し、これが(例えば、IL−2およびIL−7)に応答して、JAK依存性サイトカイン(例えば、IL−5およびIL−13)を放出し、好酸球性炎症と協調することが実証されている(Bartemesら、J Immunol.、2012年2月1日;188巻(3号):1503〜13頁)。

Taconic製の7〜9週齢の雄C57マウスを研究において使用した。研究1日目、動物にイソフルランで軽く麻酔をかけ、口腔咽頭吸引を介してビヒクルまたは試験化合物(0.03〜1.0mg/mL、数回の呼吸にわたって50μLの総体積)のいずれかを投与した。投薬後、動物を側臥位で寝かせ、麻酔からの完全な回復をモニターした後、ホームケージに戻した。1時間後、動物にもう一度短時間麻酔をかけ、口腔咽頭吸引を介してビヒクルまたはalternaria抽出物(200ugの送達される総抽出物、50μLの総体積)のいずれかで負荷した後、麻酔からの回復をモニターし、ホームケージに戻した。alternaria投与の48時間後、気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取し、アドヴィア120血液学システム(Siemens)を使用してBALF中の好酸球をカウントした。

IL−13−pSTAT6薬力学的アッセイにおいてin vivo活性を実証している本発明の選択化合物を、このalternariaアッセイにおいて試験した。モデルにおける活性は、ビヒクル処置したalternaria負荷対照動物と比較した、48時間での処置動物のBALF中に存在する好酸球のレベルの減少によって証明される。データは、ビヒクル処置したalternaria負荷BALF好酸球応答のパーセント阻害として表現される。パーセント阻害を算出するために、各条件についてのBALF好酸球の数を、ビヒクル処置したalternaria負荷BALF好酸球の平均パーセントに変換し、100パーセントから減算する。本発明の例示的な化合物をアッセイにおいて試験し、以下で文書化される通り、alternaria負荷後48時間でBALF好酸球カウントの阻害を呈した。

In Vivoアッセイ結果 試験した化合物はすべて、alternaria誘発性BALF好酸球の広範な阻害(73%〜93%)を実証した。下記の表は、好酸球誘導のビヒクル処置したalternaria負荷レベルの統計的に有意な最大パーセント阻害を反映している。

アッセイ6:IL−5媒介性好酸球生存アッセイ IL−5媒介性好酸球生存についての試験化合物の効力を、ヒト全血(AllCells)から単離されたヒト好酸球中で測定した。IL−5はJAKを介してシグナル伝達することから、このアッセイは、JAK細胞効力の尺度を提供する。

ヒト好酸球を、健康なドナーの新鮮なヒト全血(AllCells)から単離した。血液を、0.9%塩化ナトリウム溶液(Sigma−Aldrich)中4.5%のデキストラン(Sigma−Aldrich)と混合した。赤血球を35分間にわたって沈降させておいた。白血球が豊富な上層を除去し、フィコール・パック(GE Healthcare)の上に重ね、600gで30分間にわたって遠心分離した。血漿および単核細胞層を除去した後、顆粒球層を水で溶解させて、いかなる汚染赤血球も除去した。ヒト好酸球単離キット(Miltenyi Biotec)を使用して、好酸球をさらに精製した。精製された好酸球の画分を、抗CD16 FITC(Miltenyi Biotec)とともに暗所にて4℃で10分間にわたってインキュベートした。LSRIIフローサイトメーター(BD Biosciences)を使用して、純度を分析した。

細胞を、37℃、5%CO2加湿インキュベーター内、10%熱失活ウシ胎仔血清(FBS、Life Technologies)、2mMグルタマックス(Life Technologies)、25mM HEPES(Life Technologies)および1×ペニシリン/ストレプトマイシン(Life Technologies)を補充したRPMI1640(Life Technologies)中で培養した。細胞を、培地(50μL)中に10,000細胞/ウェルで播種した。プレートを300gで5分間にわたって遠心分離し、上清を除去した。化合物をDMSO中で連続希釈し、次いで、さらに500倍希釈して、培地中2×最終アッセイ濃度とした。試験化合物(50μL/ウェル)を細胞に添加し、37℃、5%CO2で1時間にわたってインキュベートし、続いて、予め温めておいたアッセイ培地(50μL)中のIL−5(R&D Systems;最終濃度1ng/mLおよび10pg/ml)を72時間にわたって添加した。

サイトカイン刺激後、細胞を300gで5分間にわたって遠心分離し、冷DPBS(Life Technologies)で2回洗浄した。生存率およびアポトーシスにアクセスするために、細胞を、ヨウ化プロピジウム(Thermo Fisher Scientific)およびAPCアネキシンV(BD Biosciences)とともにインキュベートし、LSRIIフローサイトメーター(BD Biosciences)を使用して分析した。IC50値を、パーセント細胞生存率対化合物濃度の生存曲線の分析から決定した。データは、pIC50(IC50の負の10進対数)値として表現される。実施例2の化合物は、10pg/mlのIL−5の存在下で7.6±0.5のpIC50値および1ng/mlのIL−5の存在下で6.2±0.1のpIC50値を呈した。

アッセイ7:ヒト3D気道培養物におけるIFNγおよびIL−27誘発性ケモカインCXCL9およびCXCL10の阻害 EpiAirway組織培養物を、Mattek(AIR−100)から入手した。培養物は、喘息ドナーに由来するものであった。細胞培養物インサートにおいて、ヒト由来気管/気管支上皮細胞を増殖させ、多孔膜支持体上で分化させて、細胞の下に温められた培養培地および上に気体試験雰囲気を持つ気液界面を可能にした。組織を、37℃、5%CO2加湿インキュベーター内、維持培地(Mattek、AIR−100−MM)中で培養した。4人のドナーを試験した。0日目、組織培養物を、10μM、1μMおよび/または0.1μMの試験化合物で処理した。化合物を、ジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma)中で0.1%の最終濃度に希釈した。0.1%のDMSOをビヒクル対照として使用した。試験化合物を、培養物とともに、37℃、5%CO2で1時間にわたってインキュベートし、続いて、IFNγ(R&D Systems)またはIL−27(R&D Systems)を含有する予め温めておいた培地を、100ng/mlの最終濃度で添加した。組織培養物を8日間にわたって維持した。培地を、2日ごとに、化合物およびIFNγまたはIL−27を含有する新鮮培地で置きかえた。8日目、組織培養物および上清を分析のために採取した。ルミネックス分析(EMD Millipore)を使用して、上清試料をCXCL10(IP−10)およびCXCL9(MIG)についてアッセイした。データは、%阻害+/−標準偏差(±STDV)として表現される。パーセント阻害を、ビヒクル処理細胞と比較したIFNγまたはIL−27誘発性CXCL10またはCXCL9分泌に対する化合物阻害効力によって決定した。データは、3または4人のドナーからの平均である。実施例2の化合物は、ビヒクル対照と比較した場合、101%±2.0(10μMで)、65%±29(μMで)および6%±11(0.1μMで)だけ、IFNγ誘発性CXCL10分泌を阻害することができた。実施例2の化合物は、ビヒクルと比較した場合、93%±13(10μMで)および24%±49(1μMで)だけ、IFNγ誘発性CXCL9分泌を阻害することができた。実施例2の化合物は、ビヒクル対照と比較した場合、108%±11(10μMで)、101%±6(1μMで)および69%±10(0.1μMで)だけ、IL−27誘発性CXCL10分泌を阻害することができた。実施例2の化合物は、ビヒクル対照と比較した場合、100%±0(10μMで)、97%±3.6(1μMで)および57%±28(0.1μMで)だけ、IL−27誘発性CXCL9分泌を阻害することができた。

アッセイ8:細胞JAK効力アッセイ:ヒトPBMCにおけるIL−2/抗CD3刺激IFNγの阻害 インターロイキン−2(IL−2)/抗CD3刺激インターフェロンガンマ(IFNγ)の阻害についての試験化合物の効力を、ヒト全血(Stanford Blood Center)から単離したヒト末梢血単核細胞(PBMC)において測定した。IL−2はJAKを介してシグナル伝達することから、このアッセイは、JAK細胞効力の尺度を提供する。

(1)ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を、健康なドナーのヒト全血から、フィコール勾配を使用して単離した。細胞を、37℃、5%CO2加湿インキュベーター内、10%熱失活ウシ胎仔血清(FBS、Life Technologies)、2mMグルタマックス(Life Technologies)、25mM HEPES(Life Technologies)および1×ペニシリン/ストレプトマイシン(Life Technologies)を補充したRPMI(Life Technologies)中で培養した。細胞を、培地(50μL)中に200,000細胞/ウェルで播種し、1時間にわたって培養した。化合物をDMSO中で連続希釈し、次いで、培地中でさらに500倍希釈した(2×最終アッセイ濃度に)。試験化合物(100μL/ウェル)を細胞に添加し、37℃、5%CO2で1時間にわたってインキュベートし、続いて、予め温めておいたアッセイ培地(50μL)中のIL−2(R&D Systems;最終濃度100ng/mL)および抗CD3(BD Biosciences;最終濃度1μg/mL)を24時間にわたって添加した。

(2)サイトカイン刺激後、細胞を500gで5分間にわたって遠心分離し、上清を除去し、−80℃で冷凍した。IL−2/抗CD3に応答した試験化合物の阻害効力を決定するために、ELISA(R&D Systems)を介して上清IFNγ濃度を測定した。IC50値を、IFNγの濃度対化合物濃度の阻害曲線の分析から決定した。データは、pIC50(IC50の負の10進対数)値として表現される。実施例2の化合物は、このアッセイにおいて約7.1のpIC50値を呈した。

アッセイ9:細胞JAK効力アッセイ:CD4+T細胞におけるIL−2刺激pSTAT5の阻害 インターロイキン−2(IL−2)/抗CD3刺激STAT5リン酸化の阻害についての試験化合物の効力を、ヒト全血(Stanford Blood Center)から単離したヒト末梢血単核細胞(PBMC)中のCD4陽性(CD4+)T細胞において、フローサイトメトリーを使用して測定した。IL−2はJAKを介してシグナル伝達することから、このアッセイは、JAK細胞効力の尺度を提供する。

CD4+T細胞を、フィコエリトロビリン(PE)コンジュゲート抗CD4抗体(クローンRPA−T4、BD Biosciences)を使用して同定し、一方、アレクサフルオル647コンジュゲート抗pSTAT5抗体(pY694、クローン47、BD Biosciences)を使用して、STAT5リン酸化を検出した。

(1)抗CD3によるサイトカイン刺激を24時間の代わりに30分間にわたって実施したことを除いて、アッセイ8段落(1)のプロトコールに準拠した。

(2)サイトカイン刺激後、細胞を、予め温めておいた固定溶液(200μL;BD Biosciences)により、37℃、5%CO2で10分間にわたって固定し、DPBS緩衝液(1mL、Life Technologies)で2回洗浄し、氷冷パーム緩衝液III(1000μL、BD Biosciences)に4℃で30分間にわたって再懸濁した。細胞を、DPBS中2%FBS(FACS緩衝液)で2回洗浄し、次いで、抗CD4 PE(1:50希釈)および抗CD3アレクサフルオル647(1:5希釈)を含有するFACS緩衝液(100μL)に、暗所にて室温で60分間にわたって再懸濁した。インキュベーション後、細胞をFACS緩衝液中で2回洗浄した後、LSRIIフローサイトメーター(BD Biosciences)を使用して分析した。IL−2/抗CD3に応答した試験化合物の阻害効力を決定するために、pSTAT5のメジアン蛍光強度(MFI)をCD4+T細胞において測定した。IC50値を、MFI対化合物濃度の阻害曲線の分析から決定した。データは、pIC50(IC50の負の10進対数)値として表現される。実施例2の化合物は、このアッセイにおいて約7.3のpIC50値を呈した。

アッセイ10:細胞JAK効力アッセイ:CD3+T細胞におけるIL−4刺激pSTAT6の阻害 インターロイキン−4(IL−4)刺激STAT6リン酸化の阻害についての試験化合物の効力を、ヒト全血(Stanford Blood Center)から単離したヒト末梢血単核細胞(PBMC)中のCD3陽性(CD3+)T細胞において、フローサイトメトリーを使用して測定した。IL−4はJAKを介してシグナル伝達することから、このアッセイは、JAK細胞効力の尺度を提供する。

CD3+T細胞を、フィコエリトロビリン(PE)コンジュゲート抗CD3抗体(クローンUCHT1、BD Biosciences)を使用して同定し、一方、アレクサフルオル647コンジュゲート抗pSTAT6抗体(pY641、クローン18/P、BD Biosciences)を使用して、STAT6リン酸化を検出した。

ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を、アッセイ8および9のように、健康なドナーのヒト全血から単離した。細胞を、培地(200μL)中に250,000細胞/ウェルで播種し、1時間にわたって培養し、次いで、種々の濃度の試験化合物を含有するアッセイ培地(50μL)(0.1%ウシ血清アルブミン(Sigma)、2mMグルタマックス、25mM HEPESおよび1×ペニシリンストレプトマイシンを補充したRPMI)に再懸濁した。化合物をDMSO中で連続希釈し、次いで、アッセイ培地中でさらに500倍希釈した(2×最終アッセイ濃度に)。試験化合物(50μL)を、細胞とともに、37℃、5%CO2で1時間にわたってインキュベートし、続いて、予め温めておいたアッセイ培地中のIL−4(50μL)(R&D Systems;最終濃度20ng/mL)を30分間にわたって添加した。サイトカイン刺激後、細胞を、予め温めておいた固定溶液(100μL)(BD Biosciences)により、37℃、5%CO2で10分間にわたって固定し、FACS緩衝液(1mL)(DPBS中2%FBS)で2回洗浄し、氷冷パーム緩衝液III(1000μL)(BD Biosciences)に4℃で30分間にわたって再懸濁した。細胞をFACS緩衝液で2回洗浄し、次いで、抗CD3 PE(1:50希釈)および抗pSTAT6アレクサフルオル647(1:5希釈)を含有するFACS緩衝液(100μL)に、暗所にて室温で60分間にわたって再懸濁した。インキュベーション後、細胞をFACS緩衝液中で2回洗浄した後、LSRIIフローサイトメーター(BD Biosciences)を使用して分析した。

IL−4に応答した試験化合物の阻害効力を決定するために、pSTAT6のメジアン蛍光強度(MFI)をCD3+T細胞において測定した。IC50値を、MFI対化合物濃度の阻害曲線の分析から決定した。データは、pIC50(IC50の負の10進対数)として表現される。実施例2の化合物は、このアッセイにおいて7.9のpIC50値を呈した。

アッセイ11:細胞JAK効力アッセイ:CD3+T細胞におけるIL−6刺激pSTAT3の阻害 アッセイ10のものに類似するプロトコールを使用して、インターロイキン−6(interleuken-6)(IL−6)刺激STAT3リン酸化の阻害についての試験化合物の効力を決定した。アレクサフルオル647コンジュゲート抗pSTAT3抗体(pY705、クローン4/P、BD Biosciences)を使用して、STAT3リン酸化を検出した。

実施例2の化合物は、このアッセイにおいて7.2のpIC50値を呈した。

結晶構造 ヒトJAK1と結合している実施例2の化合物の共結晶構造を、2.28Åの分解能で取得した。リガンドは、ATP結合部位において結合することが観察された。ドナーおよびアクセプター原子間の3.5Åまたはそれ未満の距離に基づき、7つの特異的な水素結合相互作用を同定した。特に留意すべきは、実施例2の化合物の環外アミドのカルボニルとJAK1のArg879の側鎖との間で水素結合相互作用が同定されたことである。初期のモデリング研究において、この相互作用は、他のチロシンキナーゼよりもJAK1に対して選択性を提供する手法として提案されていたが、そうでなければ、密接に関連しているキナーゼ(例えば、TRKA、VEGFR、ABL1)は、同等の場所においてアルギニン残留物を保有しなかった。結晶構造における水素結合相互作用の観察結果および環外アミドを保有しないシリーズと比較したキノーム選択性の改善は、この設計仮説を立証する。

本発明について、その具体的な態様または実施形態を参照して記述してきたが、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の変更が為され得るまたは同等物で代用され得ることが、当業者には理解されるであろう。加えて、適用される特許法および規制によって許可される程度まで、本明細書において引用されているすべての刊行物、特許および特許出願は、各文書が参照により本明細書に個々に組み込まれたのと同程度まで、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

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