首页 / 国际专利分类库 / 化学;冶金 / C07有机化学 / 杂环化合物 / 杂环化合物,含六元环、有1个氮原子作为惟一的杂环原子、C07D211/00至C07D219/00各组内不包含的 / {[5−(3−クロロフェニル)−3−ヒドロキシピリジン−2−カルボニル]アミノ}酢酸の固体形態、組成物、及びその使用

{[5−(3−クロロフェニル)−3−ヒドロキシピリジン−2−カルボニル]アミノ}酢酸の固体形態、組成物、及びその使用

申请号 JP2016530958 申请日 2014-11-14 公开(公告)号 JP2016537365A 公开(公告)日 2016-12-01
申请人 アケビア セラピューティクス インコーポレイテッドAkebia Therapeutics Inc.; アケビア セラピューティクス インコーポレイテッドAkebia Therapeutics Inc.; 发明人 デンスモア コップ ジェームス; デンスモア コップ ジェームス; ダブリュー.ニューマン アン; ダブリュー.ニューマン アン; ルオング アンネ; ルオング アンネ;
摘要 {[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸を含む固体形態、該固体形態を含む組成物、該固形形態を製造する方法、並びに種々の疾患及び/又は障害の治療のためのそれらの使用方法が本明細書に提供される。【選択図】図1
权利要求

およそ18.1、20.3、22.9、24.0、及び26.3°2θに1、2、3、4、又は5つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する結晶性化合物(I): であって、他の結晶性化合物(I)を実質的に含まない、前記結晶性化合物(I)。15重量%未満の他の結晶性化合物(I)を含む、請求項1記載の結晶性化合物(I)。10重量%未満の他の結晶性化合物(I)を含む、請求項2記載の結晶性化合物(I)。5重量%未満の他の結晶性化合物(I)を含む、請求項3記載の結晶性化合物(I)。およそ18.1、20.3、22.9、24.0、及び26.3°2θに1、2、3、4、又は5つのピークを含むX線粉末回折を有する結晶性化合物(I): であって、非晶質化合物(I)を実質的に含まない、前記結晶性化合物(I)。15重量%未満の非晶質化合物(I)を含む、請求項5記載の結晶性化合物。10重量%未満の非晶質化合物(I)を含む、請求項6記載の結晶性化合物。5重量%未満の非晶質化合物(I)を含む、請求項7記載の結晶性化合物。化合物(I)の結晶性化合物: であって、GC/MSにより決定して、式(II)の化合物: を実質的に含まない、前記化合物(I)の結晶性化合物。およそ18.1、20.3、22.9、24.0、及び26.3°2θに1、2、3、4、又は5つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項9記載の結晶性化合物。100ppm未満の式(II)の化合物を含む、請求項9又は10記載の結晶性化合物。50ppm未満の式(II)の化合物を含む、請求項11記載の結晶性化合物。10ppm未満の式(II)の化合物を含む、請求項12記載の結晶性化合物。1ppm未満の式(II)の化合物を含む、請求項13記載の結晶性化合物。HPLCにより測定して、少なくとも99.5%純粋である結晶性化合物(I): 。前記結晶性化合物(I)が、HPLCにより測定して少なくとも99.6%純粋である、請求項15記載の結晶性化合物。前記結晶性化合物(I)が、HPLCにより測定して少なくとも99.7%純粋である、請求項16記載の結晶性化合物。前記結晶性化合物(I)が、HPLCにより測定して少なくとも99.8%純粋である、請求項17記載の結晶性化合物。前記結晶性化合物(I)が、HPLCにより測定して少なくとも99.9%純粋である、請求項18記載の結晶性化合物。GC/MSにより決定して、式(II)の化合物: を実質的に含まない、請求項15〜19のいずれか一項記載の結晶性化合物。100ppm未満の式(II)の化合物を含む、請求項20記載の結晶性化合物。50ppm未満の式(II)の化合物を含む、請求項21記載の結晶性化合物。10ppm未満の式(II)の化合物を含む、請求項22記載の結晶性化合物。1ppm未満の式(II)の化合物を含む、請求項23記載の結晶性化合物。GC/MSによる検出可能量未満である量の式(II)を含む、請求項24記載の結晶性化合物。請求項1〜25のいずれか一項記載の結晶性化合物を含む医薬組成物。医薬として許容し得る担体をさらに含む、請求項26記載の医薬組成物。請求項1〜25のいずれか一項記載の結晶性化合物を含む経口剤形。請求項1〜25のいずれか一項記載の結晶性化合物を、貧血を有する患者に投与することを含む、貧血を治療する方法。請求項27記載の医薬組成物を、貧血を有する患者に投与することを含む、貧血を治療する方法。前記貧血が慢性腎疾患の貧血である、請求項29又は30記載の方法。結晶性化合物(I) を製造する方法であって、 a)化合物(I)の有機溶媒溶液を調製すること; b)該溶液を過飽和にして、結晶の形成を起こすこと;及び c)該結晶を単離すること; を含み、 該結晶性化合物(I)が、化合物(I)の他の結晶性形態を実質的に含まないか;或いは 該結晶性化合物(I)が、GC/MSにより決定して、式(II)の化合物: を実質的に含まないか;或いは 該結晶性化合物(I)が、非晶質化合物(I)を実質的に含まない、前記方法。前記結晶性化合物(I)が、およそ18.1、20.3、22.9、24.0、及び26.3°2θに1、2、3、4、又は5つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項32記載の方法。前記結晶性化合物(I)が、HPLCにより測定して、少なくとも99.5%純粋である、請求項33記載の方法。前記有機溶媒が、アセトン、メチルイソブチルケトン、n-ヘプタン、及び、又はこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項32〜34のいずれか一項記載の方法。前記有機溶媒がアセトンである、請求項35記載の方法。前記溶液をチャコールフィルターに通して濾過することをさらに含む、請求項32〜36のいずれか一項記載の方法。前記溶液を過飽和にすることが、貧溶媒の添加、該溶液を冷却すること、該溶液の体積を減少させること、溶媒交換、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項32〜37のいずれか一項記載の方法。前記体積減少が蒸発により実施される、請求項38記載の方法。前記貧溶媒が水である、請求項38記載の方法。前記溶液を過飽和にすることが、該溶液を冷却すること及び貧溶媒の添加を含む、請求項38又は40記載の方法。前記溶液を過飽和にすることが、溶媒交換及び該溶液を冷却することを含む、請求項38記載の方法。前記溶媒交換が、減圧下での蒸留溶媒交換を含む、請求項42記載の方法。アセトンが、メチルイソブチルケトンに交換される、請求項43記載の方法。前記溶液が、約19℃〜約25℃に冷却される、請求項38〜44のいずれか一項記載の方法。前記溶液が、さらに約0℃〜約5℃に冷却される、請求項45記載の方法。前記溶液をシーディングすることをさらに含む、請求項32〜46のいずれか一項記載の方法。前記結晶を洗浄することをさらに含む、請求項32〜47のいずれか一項記載の方法。前記洗浄が、アセトン、メチルイソブチルケトン、n-ヘプタン、及び水、又はこれらの任意の組み合わせから選択される液体による洗浄を含む、請求項48記載の方法。前記洗浄が、アセトンと水の組み合わせによる洗浄を含む、請求項49記載の方法。前記洗浄が、メチルイソブチルケトンによる洗浄を含む、請求項49記載の方法。前記結晶を単離することが該結晶を濾過することを含む、請求項32〜51のいずれか一項記載の方法。前記結晶を、任意に高温で、減圧下で乾燥させることをさらに含む、請求項32〜52のいずれか一項記載の方法。前記乾燥が、約50℃の温度で実施される、請求項53記載の方法。a)化合物(I)の有機溶媒溶液を調製すること; b)該溶液を過飽和にして、結晶の形成を起こすこと;及び c)該結晶を単離すること; を含む方法により製造される結晶性化合物(I): であって、 該結晶性化合物(I)が、他の結晶性化合物(I)を実質的に含まないか;或いは 該結晶性化合物(I)が、GC/MSにより決定して、式(II)の化合物: を実質的に含まないか;或いは、 該結晶性化合物(I)が、非晶質化合物(I)を実質的に含まない、前記結晶性化合物(I)。前記結晶性化合物(I)が、およそ18.1、20.3、22.9、24.0、及び26.3°2θに1、2、3、4、又は5つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する、請求項55記載の結晶性化合物。前記結晶性化合物(I)が、HPLCにより測定して、少なくとも99.5%純粋である、請求項55記載の結晶性化合物。前記有機溶媒が、アセトン、メチルイソブチルケトン、n-ヘプタン、及び水、又はこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項55〜57のいずれか一項記載の結晶性化合物。前記有機溶媒がアセトンである、請求項58記載の結晶性化合物。前記溶液を、チャコールフィルターに通して濾過することをさらに含む、請求項55〜59のいずれか一項記載の結晶性化合物。前記溶液を過飽和にすることが、貧溶媒の添加、該溶液を冷却すること、該溶液の体積を減少させること、溶媒交換、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項55〜60のいずれか一項記載の結晶性化合物。前記体積減少が、蒸発により実施される、請求項61記載の結晶性化合物。前記貧溶媒が水である、請求項61記載の結晶性化合物。前記溶液を過飽和にすることが、該溶液を冷却すること及び貧溶媒の添加を含む、請求項61又は63記載の結晶性化合物。前記溶液を過飽和にすることが、溶媒交換及び該溶液を冷却することを含む、請求項61記載の結晶性化合物。前記溶媒交換が、減圧下での蒸留溶媒交換を含む、請求項61記載の結晶性化合物。アセトンがメチルイソブチルケトンに交換される、請求項66記載の結晶性化合物。前記溶液が、約19℃〜約25℃に冷却される、請求項61〜67のいずれか一項記載の結晶性化合物。前記溶液が、さらに約0℃〜約5℃に冷却される、請求項68記載の結晶性化合物。前記溶液をシーディングすることをさらに含む、請求項55〜69のいずれか一項記載の結晶性化合物。前記結晶を洗浄することをさらに含む、請求項55〜70のいずれか一項記載の結晶性化合物。前記洗浄が、アセトン、メチルイソブチルケトン、n-ヘプタン、及び水、又はこれらの任意の組み合わせから選択される液体による洗浄を含む、請求項71記載の結晶性化合物。前記洗浄が、アセトンと水の組み合わせによる洗浄を含む、請求項72記載の結晶性化合物。前記洗浄が、メチルイソブチルケトンによる洗浄を含む、請求項72記載の結晶性化合物。前記結晶を単離することが、該結晶を濾過することを含む、請求項55〜74のいずれか一項記載の結晶性化合物。前記結晶を、任意に高温で、減圧下で乾燥させることをさらに含む、請求項55〜75のいずれか一項記載の結晶性化合物。前記乾燥が約50℃の温度で実施される、請求項76記載の結晶性化合物。

说明书全文

本願は、その内容全体が引用により本明細書に組み込まれる2013年11月15日に出願された米国仮特許出願第61/904,803号の利益を主張する。

(1. 発明の分野) {[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の固体形態、1種以上の固体形態を含む組成物、該固形形態を製造する方法、及び種々の又はその症状の治療のためのそれらの使用方法が本明細書に提供される。

(2. 発明の背景) 固体形態の変化が、種々の物理的及び化学的性質に影響を与え得ることを想定すると、医薬化合物(I)の固体形態の同定及び選択は複雑であり、該性質は、他の重要な医薬性質の中でも、加工、維持、保存、製剤、安定性、及びバイオアベイラビリティにおいて利益又は不利益を与え得る。可能な医薬固体には、結晶性固体、非晶質固体、及びこれらの混合物がある。非晶質固体は、長距離の構造秩序の欠如を特徴とするが、結晶性固体は構造面の周期性を特徴とする。望まれるクラスの医薬固体は具体的な用途による;非晶質固体は、例えば、増大した溶解プロファイルに基づいて選択されることがある一方で、結晶性固体は、例えば、物理的又は化学的安定性などの性質に望ましくなり得る(例えば、S. R. Vippaguntaらの文献(Adv. Drug. Deliv. Rev., (2001) 48:3-26); L. Yuの文献(Adv. Drug. Deliv. Rev., (2001) 48:27-42)参照)。

結晶性でも非晶質でも、医薬化合物(I)の潜在的な固体形態は、単成分固体及び多成分固体を含む。単成分固体は、他の化合物がない状態で医薬化合物(I)から基本的になる。単成分結晶性材料の中の多様性は、特定の医薬化合物に対して多数の三次元配列が存在する多形の現象から潜在的に生じ得る(例えば、S. R. Byrnらの文献(「薬物の固体状態化学(Solid State Chemistry of Drugs)」, (1999) SSCI, West Lafayette)参照)。多形体を発見する重要性は、軟質ゼラチンカプセル剤として製剤されたHIVプロテアーゼ阻害剤であるリトナビルの場合に強調された。製品が発売された約2年後に、製剤中の溶解性の低い新たな多形体の予期せぬ沈殿のために、より均一な製剤が開発され得るまで、製品を市場から引き上げることが必要となった(S. R. Chemburkarらの文献(Org. Process Res. Dev., (2000) 4:413-417)参照)。

医薬化合物の潜在的な固体形態の中のさらなる多様性は、多成分固体の可能性から生じ得る。2種以上のイオン性種を含む結晶性固体は塩と称される(例えば、「薬剤塩のハンドブック:性質、選択、及び用途(Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use)」, P. H. Stahl及びC. G. Wermuth編, (2002), Wiley, Weinheim参照)。医薬化合物又はその塩のための他の性質向上を潜在的に与え得る多成分固体の追加の種類には、例えば、とりわけ、和物、溶媒和物、共結晶、及びクラスレートがある(例えば、S. R. Byrnらの文献(「薬物の固体状態化学」(Solid State Chemistry of Drugs)」, (1999) SSCI, West Lafayette参照)。さらに、多成分結晶形態は、潜在的に多形になりやすいことがあり、多形では、所与の多成分組成物が、2種以上の三次元結晶配列で存在し得る。固体形態の発見は、安全、有効、安定、且つ市場性のある医薬化合物の開発において非常に重要である。

新たなクラスのプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤及び低酸素誘導因子(HIF)プロリルヒドロキシラーゼの調節により改善される疾患を治療又は予防するためのそれらの使用は、米国特許第7,811,595号に記載されており、この特許はその全体が引用により本明細書に組み込まれる。そのようなプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤の合成は、米国特許公開第2012/0309977号に記載されており、この特許はその全体が引用により本明細書に組み込まれる。そのような化合物はHIFプロリルヒドロキシラーゼを阻害し、それによりHIFαを安定化する。HIFαの安定化の結果、内因性エリスロポエチン(EPO)産生が増加する。そのような化合物の1つは、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(「化合物(I)」)であり、該化合物を製造する方法は、2007年6月26日に出願された米国特許第7,811,595号(とりわけ、スキームI及びII並びに15〜17及び25列の添付される合成手順を参照)、及び2012年6月5日に出願された米国特許出願公開第2012-0309977号(米国特許出願第13/488,554号) (とりわけ、段落[0254]〜[267]参照)に開示されたが、これら特許のそれぞれはその全体として引用により本明細書に組み込まれる。

(3. 発明の概要) {[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸(「化合物(I)」)を含む固体形態が本明細書に提供される。特定の実施態様において、該固体形態は、単成分結晶形態化合物(I)であり得る。特定の代替実施態様において、該固体形態は、化合物(I)の塩、共結晶、溶媒和物、水和物を含むがこれらに限定されない多成分結晶形態であり得る。他の実施態様において、該固体形態は、化合物(I)の遊離酸の単成分非晶質形態である。他の実施態様において、該固体形態は、化合物(I)の塩を含むがこれに限定されない多成分非晶質形態である。該固体形態を含む医薬組成物及び貧血(例えば、慢性腎疾患に続発若しくは付随する貧血、慢性心疾患に続発する貧血、加齢の特発性貧血、慢性疾患の貧血、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、他の無形成性若しくは異形成性貧血、化学療法により誘導される貧血(癌、C型肝炎を治療するための化学療法、又は骨髄産生を減少させる他の長期薬物療法を含む)、失血から生じる貧血、鉄欠乏症から生じる貧血、ビタミンB12欠乏症から生じる貧血、鎌状赤血球症、又はサラセミア)の治療又は予防のためのそれらの使用の方法も本明細書に提供される。溶媒和されていない遊離酸、塩、及び他の有用な固体形態の多形体を含むがこれらに限定されない化合物(I)の固体形態を含む特定の実施態様が本明細書に提供される。

特定の実施態様において、本発明は、図1に示されるX線粉末回折パターンを有する化合物(I)の形態A:

に関する。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、およそ18.1、20.3、22.9、24.0、及び26.3°2θに1、2、3、4、又は5つのピークを含むX線粉末回折パターンを有し、結晶性化合物(I)は、化合物(I)の他の結晶性形態を実質的に含まない。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、DSCサーモグラムにおいて、約175.8℃にピーク最大温度を有する。特定の実施態様において、約175.8℃での熱事象は、融解事象である。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、約175.8℃で融解する。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、約15重量%未満、約10重量%未満、又は約5重量%の他の結晶性化合物(I)を含む。

特定の実施態様において、本発明は、化合物(I)の形態A:

であって、およそ18.1、20.3、22.9、24.0、及び26.3°2θに1、2、3、4、又は5つのピークを含むX線粉末回折パターンを有し、該結晶性化合物(I)が非晶質化合物(I)を実質的に含まない、前記化合物(I)の形態Aに関する。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、DSCサーモグラムにおいて、約175.8℃にピークを有する。特定の実施態様において、約175.8℃での熱事象は、融解事象である。特定の実施態様において、該結晶性化合物(I)は、約175.8℃で融解する。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、約15重量%未満、約10重量%未満、又は約5重量%未満の非晶質化合物(I)を含む。

特定の実施態様において、本発明は、化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I):

であって、GC/MSにより決定して、式(II)の化合物:

を実質的に含まない化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I)に関する。特定の実施態様において、該結晶性化合物は、GC/MSにより決定して、約100ppm未満、約50ppm未満、約10ppm未満、又は1ppm未満の式(II)の化合物を含む。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I)は、GC/MSによる検出可能量未満である量の式(II)を含む。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、およそ18.1、20.3、22.9、24.0、及び26.3°2θに1、2、3、4、又は5つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、DSCサーモグラムにおいて、約175.8℃にピークを有する。特定の実施態様において、約175.8℃での熱事象は、融解事象である。特定の実施態様において、該結晶性化合物(I)は、約175.8℃で融解する。

特定の実施態様において、本発明は、HPLCにより測定して少なくとも99.5%純粋である化合物(I)の形態A:

に関する。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、およそ18.1、20.3、22.9、24.0、及び26.3°2θに1、2、3、4、又は5つのピークを含むX線粉末回折パターンを有する。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、DSCサーモグラムにおいて、175.8℃にピークを有する。特定の実施態様において、約175.8℃での熱事象は、融解事象である。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、約175.8℃で融解する。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、少なくとも約99.6%純粋、少なくとも約99.7%純粋、少なくとも約99.8%純粋、又は少なくとも約99.9%純粋である。特定の実施態様において、純度は、例えば、HPLCにより決定できる。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、GC/MSにより決定して、式(II)の化合物:

を実質的に含まない。特定の実施態様において、該結晶性化合物は、GC/MSにより決定して、約100ppm未満、約50ppm未満、約10ppm未満、又は1ppm未満の式(II)の化合物を含む。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、GC/MSによる検出可能量未満である量の式(II)を含む。

特定の実施態様において、本発明は、化合物(I)の形態B:

に関し、

それは、図11に示されるX線粉末回折パターンを有する。

特定の実施態様において、本発明は、化合物(I)の形態B:

に関し、

それは、図12に示されるX線粉末回折パターンを有する。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態A、形態B、及び形態Cは、以下の双極性イオン形態で存在する:

化合物(I)の単成分結晶形態、多成分結晶形態、単成分非晶質形態、及び/又は多成分非晶質形態、並びに医薬として許容し得る希釈剤、賦形剤、又は担体を含む医薬組成物も本明細書に提供される。特定の実施態様において、本発明は、化合物(I)の形態A、形態B、又は形態Cなど、本明細書に記載される固体形態の1つ以上を含む医薬組成物に関する。

本明細書のさらなる実施態様は、本発明の固体形態を製造、単離、及び/又は特性化する方法を提供する。

(4. 図面の簡単な説明)

図1は、化合物(I)、形態AのX線粉末回折(XRPD)分析を示す。

図2は、化合物(I)、形態Aの偏光顕微鏡法(PLM)分析を示す。

図3は、化合物(I)、形態Aの熱重量/示差熱分析(TG/DTA又はTGA)分析を示す。

図4は、化合物(I)、形態Aの示差走査熱量測定(DSC)分析を示す。

図5は、化合物(I)、形態Aの動的水蒸気収着(DVS)等温プロットを示す。

図6は、化合物(I)、形態AのDVS前後のXRPD分析を示す。

図7は、化合物(I)、形態Aの粒径分析を示す。

図8は、化合物(I)、形態Aの

1H NMRスペクトルを示す。

図9は、化合物(I)、形態AのIRスペクトルを示す。

図10は、化合物(I)、形態AのHPLC分析を示す。

図11は、化合物(I)、形態BのX線粉末回折(XRPD)分析を示す。

図12は、化合物(I)、形態CのX線粉末回折(XRPD)分析を示す。

(5. 発明の詳細な説明) (5.1 定義) 本明細書で使用される通り、用語「貧血」は、当該技術分野において認められており、以下のヘモグロビン閾値により規定されている:

貧血は、慢性(例えば、慢性腎疾患に続発する貧血、慢性心不全に続発する貧血、加齢の特発性貧血、炎症性腸疾患又は関節リウマチなどの慢性疾患の貧血、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、及び他の無形成性又は異形成性貧血)、亜急性(例えば、癌、C型肝炎、又は骨髄産生を減少させる他の慢性疾患を治療するための化学療法などの化学療法により誘導される貧血)、急性(例えば、創傷又は手術の失血)、栄養素関連(例えば、鉄欠乏症又はビタミンB12欠乏症)、或いは異常ヘモグロビン症(hemaglobinpathies)(例えば、鎌状赤血球症、サラセミアなど)であり得る。 本明細書で使用される通り、用語「化合物(I)」は、化合物{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸を意味し、化合物(I)は以下の構造を有する

。 特定の実施態様において、化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸であり得るが、特定の代替実施態様において、化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の医薬として許容し得る塩であり得る。特定の代替実施態様において、化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の溶媒和物であり得る。特定の代替実施態様において、化合物は、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸の水和物であり得る。特定の好ましい実施態様において、化合物はその親形態であり得る(すなわち、塩でも、溶媒和物でも、水和物でもない)。本明細書で使用される通り、化合物(I)は、あらゆる双極性イオン種並びにあらゆる医薬として許容し得る塩を含む。

本明細書で使用される通り、用語「予防する」、「予防すること」、及び「予防」は、当該技術分野において認められており、局所再発などの状態、疾患、本明細書に記載されるものなどの他の病態に関連して使用される場合、当該技術分野において充分に理解されており、該組成物を受け取っていない対象と比べ、対象における病態の症状の頻度を減少させるか、発症を遅延させる化合物(I)などの化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物の投与を含む。

本明細書で使用される通り、用語「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、対象の状態を改善若しくは安定化する方法での、本明細書に記載されるものなどの病態の症状、臨床徴候、及び根源的な病理の逆行、軽減、又は停止をいう。用語「治療する」及び「治療」はまた、疾患又は該疾患に付随する症状の根絶又は改善もいう。特定の実施態様において、そのような用語は、化合物(I)、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物の、疾患を有する患者への投与から生じる、そのような疾患の蔓延又は増悪の最小化をいう。

本明細書で使用される通り、用語「医薬として許容し得る塩」は、無機の酸及び塩基並びに有機の酸及び塩基を含む医薬として許容し得る非毒性の酸又は塩基から調製される塩を指す。化合物(I)の好適な医薬として許容し得る塩基付加塩は、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビスマス、アンモニウム(アルキル置換アンモニウムを含む)、メグルミン、及びコリンを含むが、これらに限定されない。好適な非毒性の酸には、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸酒石酸、及びp-トルエンスルホン酸などの無機及び有機の酸があるが、これらに限定されない。塩の他の例は当技術分野に周知である。例えば、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第22版、Pharmaceutical Press, (2012)を参照されたい。

本明細書で使用される通り、用語「水和物」は、非共有結合の分子間により結合した化学量論量又は非化学量論量の水をさらに含む5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又はその医薬として許容し得る塩を意味する。

本明細書で使用される通り、用語「溶媒和物」は、非共有結合の分子間力により結合した化学量論量又は非化学量論量の水以外の溶媒をさらに含む5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸又はその医薬として許容し得る塩を意味する。

本明細書で使用される通り、用語「HIFプロリルヒドロキシラーゼ」は、当技術分野で認識されており、「PHD」と略され得る。HIFプロリルヒドロキシラーゼは、「PHD」と略され得る「プロリルヒドロキシラーゼドメイン含有タンパク質」としても知られる。これに関して、それぞれ、EGLN2、EGLN1、及びEGLN3、又はHPH3、HPH2、及びHPH1と称される、3つの異なるPHDアイソフォーム、PHD1、PHD2、及びPHD3も存在する。

用語「固体形態」「固体形態(複数)」、及び関連用語は、化合物(I)を指すように本明細書で使用される場合、主として液体状態でも気体状態でもない化合物(I)を含む物理的形態を指す。結晶形態及び非晶質形態は、固体形態の例である。一実施態様において、固体形態は形態Aである。別の実施態様において、固体形態は形態Bである。別の実施態様において、固体形態は形態Cである。

用語「結晶性」及び本明細書で使用される関連用語は、物質、成分、製品、又は形態を説明するために使用される場合、X線回折により決定して、該物質、成分、又は製品が実質的に結晶性であることを意味する。例えば、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第22版、Pharmaceutical Press, (2012);米国薬局方、第30版(2011)を参照されたい。

用語「結晶形態」、「結晶性形態」、及び本明細書の関連用語は、化学化合物を含む結晶性固体形態を指し、多形体、溶媒和物、水和物、又は他の分子複合体、塩、塩の溶媒和物、塩の水和物、又は塩の他の分子複合体、又はその多形体を含むがこれらに限定されない特定の単成分又は多成分の結晶形態を指し得る。

用語「多形体」、「多形形態」、及び本明細書の関連用語は、同じ分子、複数の分子、又はイオンを含む2種以上の結晶形態を指す。異なる多形体は、結晶格子中の分子又はイオンの配列又はコンフォメーションの結果として、例えば、融解温度、融解熱、溶解度、溶解速度、及び/又は振動スペクトルなどの異なる物性を有し得る。多形体により示される物性の違いは、保存安定性、圧縮性、及び密度(製剤及び製品製造に重要)、並びに溶解速度(バイオアベイラビリティにおいて重要な因子)などの医薬パラメーターに影響する。安定性の違いは、化学的反応性から(例えば、剤形が、ある多形体から構成されている場合に、別な多形体から構成されている場合よりも迅速に変色するような示差的酸化(differential oxidation))、若しくは機械的変化(例えば、速度論的に有利な多形体が熱力学的により安定な多形体に転化するにつれて錠剤が保存時に崩壊する)、又は両方(例えば、ある多形体の錠剤が、高湿度でより分解しやすい)から生じ得る。可溶性/溶解の違いの結果として、極端な場合に、ある多形転移は効力を喪失させることがあり、他の極端な場合に毒性をもたらすことがある。さらに、結晶の物性は加工において重要であり得る。例えば、ある多形体は、溶媒和物をより形成しやすいことがあり、又は濾過して不純物を洗い流すことが困難であり得る(例えば、粒子形状及びサイズ分布が多形体の間で異なり得る)。

結晶形態及び非晶質形態を特性化する技法には、熱重量分析(TGA)、融点、示差走査熱量測定(DSC)、X線粉末回折測定(XRPD)、単結晶X線回折測定、振動分光法、例えば、赤外(IR)及びラマン分光法、固体状態及び溶液核磁気共鳴(NMR)分光法、光学顕微鏡法(例えば、偏光(polaraized light)顕微鏡法)、ホットステージ光学顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法(SEM)、電子線結晶学、動的水蒸気収着(DVS)、及び定量的な分析、粒径分析(PSA)、表面積分析、可溶性試験、及び溶解試験があるが、これらに限定されない。

用語「非晶質」、「非晶質形態」、及び本明細書で使用される関連用語は、検討している物質、成分、又は製品が、X線回折により決定して実質的に結晶性でないことを意味する。特定の実施態様において、物質の非晶質形態を含む試料は、他の非晶質形態及び/又は結晶形態を実質的に含まないことがある。

本明細書で使用される通り、且つ特記されない限り、用語「約」及び「およそ」は、組成物又は剤形の成分の投与量、量、又は重量パーセントと関連して使用される場合、明示された投与量、量、又は重量パーセントから得られるものと等しい薬理学的効果を与えると当業者により認識されている投与量、量、又は重量パーセントを意味する。具体的には、用語「約」及び「およそ」は、この文脈において使用される場合、明示される投与量、量、又は重量パーセントの15%以内、より具体的には10%以内、より具体的には5%以内の投与量、量、又は重量パーセントを企図する。

本明細書で使用される通り、且つ特記されない限り、用語「約」及び「およそ」は、特定の固体形態を特性化するために与えられる数値又は値の範囲、例えば、具体的な温度又は温度範囲、例えば、融解、脱水、脱溶媒和、若しくはガラス転移温度を記載するものなど;質量変化、例えば、温度若しくは湿度の関数としての質量変化など;例えば、質量若しくはパーセンテージの観点での溶媒若しくは水の含量;又は、例えば、IR若しくはラマン分光法若しくはXRPDによる分析におけるピーク位置と関連して使用される場合、該値又は値の範囲が、その特定の固体形態を説明する一方で、当業者にとって妥当と思われる程度にずれ得ることを示す。具体的には、用語「約」及び「およそ」は、この文脈において使用される場合、数値又は値の範囲が、特定の実施態様において、列挙された値又は値の範囲の20%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%、又は0.25%内で変わり得ることを示す。XRPDに関して、与えられる値は±0.2°2シータである。

本明細書で使用される通り、「有効量」は、疾患の治療に治療効果を与え、又は本明細書に記載されるあらゆる疾患若しくは病態などの疾患に関連する症状を遅延若しくは最小限にするのに充分な化合物(I)又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物の量を指す。

用語「対象」及び「患者」は、特記されない限り、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含むがこれらに限定されない哺乳動物などの動物を含むように本明細書で定義される。具体的な実施態様において、対象又は患者はヒトである。特定の実施態様において、患者は、本明細書に記載される疾患又は病態を有する。

(5.2 固体形態) 本明細書の特定の実施態様は、以下に示される化学構造を有する化合物(I)を含む単成分及び多成分(例えば、塩、溶媒和物、水和物)固体形態を提供する:

化合物(I)は、以下の実施例に詳述されている方法を含む本明細書の教示に基づいて当業者に明らかな任意の方法により合成又は得ることができる。化合物(I)は、それぞれの全体が引用により本明細書に組み込まれる、2007年6月26日に出願された米国特許第7,811,595号(とりわけ、スキームI及びII並びに15〜17及び25列の添付される合成手順を参照)、及び2012年6月5日に出願された米国特許出願公開第2012-0309977号(米国特許出願第13/488,554号) (とりわけ、段落[0254]〜[267]参照)に記載されている方法によっても製造できる。次いで、化合物(I)の固体形態は、そのような方法により製造された化合物(I)から製造できる。

本発明の特定の実施態様は、貧血(例えば、慢性腎疾患に続発若しくは付随する貧血、慢性心疾患に続発する貧血、加齢の特発性貧血、慢性疾患の貧血、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、他の無形成性若しくは異形成性貧血、化学療法により誘導される貧血(癌、C型肝炎を治療するための化学療法、又は骨髄産生を減少させる他の長期薬物療法を含む)、失血から生じる貧血、鉄欠乏症から生じる貧血、ビタミンB12欠乏症から生じる貧血、鎌状赤血球症、又はサラセミア)の治療又は予防に有用な化合物(I)の遊離酸の単成分固体形態を提供する。したがって、貧血を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、貧血の治療の方法が本明細書に提供される。

化合物(I)の単成分固体形態は、本明細書の教示に基づいて当業者に明らかな任意の方法により製造できる。また、化合物(I)の単成分固体形態は、以下の実施例に詳述される方法を含む本明細書に記載される技法に従って製造できる。

(5.2.1 化合物(I)の形態A) 本明細書の特定の実施態様は、化合物(I)の形態A結晶形態を提供する。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、例えば、2007年6月26日に出願された米国特許第7,811,595号(とりわけ、スキームI及びII並びに15〜17及び25列の添付される合成手順を参照)、及び2012年6月5日に出願された米国特許出願公開第2012-0309977号(米国特許出願第13/488,554号)(とりわけ、段落[0254]〜[267]参照)による手順で製造した化合物(I)から、それに続いて、生じた化合物(I)を、本明細書に以下に記載の通り結晶化手順に付すことにより、得ることができる。

化合物(I)の形態Aの代表的なXRPDパターンは図1に与えられている。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、以下のおよその位置: 9.8、11.0、13.3、14.6、14.8、15.0、16.3、16.4、16.9、18.1、18.6、19.7、20.3、22.0、22.9、23.3、24.0、24.2、25.2、25.7、25.9、26.3、26.8、27.6、28.3、28.9、29.6、29.8、30.3、31.3、32.2、32.9、34.1、34.9、35.2、35.7、36.2、36.7、37.2、37.4、37.7、38.3、38.6、及び38.9°2θの1つ以上に位置するXRPDピークを特徴とする。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、以下のおよその位置: 15.0、18.1、18.6、19.7、20.3、22.9、24.0、24.2、25.2、26.3、26.8、35.2、及び37.4°2θの1、2、3、4、5又は6、7、8、9、10、11、12、又は13に位置するXRPDピークを特徴とする。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、およそ18.1、20.3、22.9、24.0、26.3、26.8、及び35.2°2θでのピークを含むXRPDパターンを有する。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、およそ18.1、20.3、22.9、24.0、及び26.3°2θでのピークをさらに含むXRPDパターンを有する。

化合物(I)の形態Aの代表的な熱特性が図3及び図4に示される。図3に示される代表的なTGA/DTAサーモグラムは、周囲温度からのごくわずかな重量減少を示し、次いで、およそ220℃を超えて著しい重量減少を示すが、これは分解と一致している。DTAは、171.5℃のオンセットを有する単一の鋭い吸熱を示す。

図4に示される代表的なDSCサーモグラムは、約172.4℃のオンセット及び約175.8℃のピークを有する単一の鋭い吸熱を示す。特定の実施態様において、約175.8℃での熱事象は、融解事象である。特定の実施態様において、形態Aは約175.8℃で融解する。特定の実施態様において、形態Aは溶媒和されていない。特定の実施態様において、形態Aは無水である。

化合物(I)の形態Aは、化合物(I)を含む医薬品の合成、加工、及び製造に望ましい特性を示す。例えば、特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは有利な安定性プロファイルを有し、それは加工及び製造にとって重要な特性である。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは非吸湿性であり、例えば、90%相対湿度(RH)での水収着は約0.5%未満である。例えば、特定の実施態様において、水分収着分析に付される場合、形態Aは、約0%から約90% RHに増加された場合、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満の質量増加を示す。特定の実施態様において、形態Aは、約0%から約90% RHに増加された場合、約0.13%の質量増加を示す。特定の実施態様において、水分(moisure)収着分析後に、形態A物質のXRPDパターンは実質的に変化しない。化合物(I)、形態Aの代表的な動的水蒸気収着(DVS)等温プロットは図5に表されている。特定の実施態様において、水分収着分析は、10%の増分で20-90-20%相対湿度(RH)からの増加プロファイルを利用し、各ステップで試料を、安定な重量が達成されるまで(99.5%ステップ完了)又は1000分が経過するまで維持することにより決定できる。収着サイクルの完了後、同じ手順だが、完全に約 0% RHまで下げ、最後に20% RHの出発点に戻すことを利用して試料を乾燥できる。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、粒子の大多数が100μm未満である小粒子を含む。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、平均径が100μm未満である粒子を含む。代表的な粒径分析は図7に表されている。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは実質的に純粋である。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、少なくとも約99.6%純粋、少なくとも約99.7%純粋、少なくとも約99.8%純粋、又は少なくとも約99.9%純粋である。特定の実施態様において、純度は、例えばHPLCにより決定できる。

特定の実施態様において化合物(I)の形態Aは、GC/MSにより決定して、式(II)の化合物:

を実質的に含んでいない。特定の実施態様において、該結晶性化合物は、GC/MSにより決定して、約100ppm未満、約75ppm未満、約50ppm未満、約25ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、約3ppm未満、約2ppm未満、又は約1ppm未満の式(II)の化合物を含む。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、GC/MSによる検出可能量未満である量の式(II)を含む。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、約15重量%未満、約10重量%未満、又は約5重量%未満の非晶質化合物(I)を含む。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、15重量%未満、10重量%未満、又は5重量%未満の他の結晶性化合物(I)を含む。

(5.2.2 化合物(I)の形態B) 本明細書の特定の実施態様は、化合物(I)の形態B結晶形態を提供する。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Bは、例えば、2007年6月26日に出願された米国特許第7,811,595号(とりわけ、スキームI及びII並びに15〜17及び25列の添付される合成手順を参照)、及び2012年6月5日に出願された米国特許出願公開第2012-0309977号(米国特許出願第13/488,554号)(とりわけ、段落[0254]〜[267]参照)による手順で製造した化合物(I)から、それに続いて、生じた化合物(I)を、本明細書に以下に記載の通り結晶化手順に付すことにより、得ることができる。

化合物(I)の形態Bの代表的なXRPDパターンは図11に与えられる。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Bは、以下のおよその位置: 8.6、15.3、18.6、21.3、22.7、23.8、28.1、及び30.0°2θの1つ以上に位置するXRPDピークを特徴とする。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Bは、以下のおよその位置: 8.6、15.3、22.7、及び28.1°2θの1、2、3、又は4つに位置するXRPDピークを特徴とする。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Bは実質的に純粋である。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Bは、少なくとも約99.6%純粋、少なくとも約99.7%純粋、少なくとも約99.8%純粋、又は少なくとも約99.9%純粋である。特定の実施態様において、純度は、例えばHPLCにより決定できる。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Bは、GC/MSにより決定して、式(II)の化合物:

を実質的に含まない。特定の実施態様において、該結晶性化合物は、GC/MSにより測定して、約100ppm未満、約75ppm未満、約50ppm未満、約25ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、約3ppm未満、約2ppm未満、又は約1ppm未満の式(II)の化合物を含む。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Bは、GC/MSによる検出可能量未満である量の式(II)を含む。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Bは、約15重量%未満、約10重量%未満、又は約5重量%未満の非晶質化合物(I)を含む。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Bは、15重量%未満、10重量%未満、又は5重量%未満の他の結晶性化合物(I)を含む。

(5.2.3 化合物(I)の形態C) 本明細書の特定の実施態様は、化合物(I)の形態C結晶形態を提供する。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは、例えば、2007年6月26日に出願された米国特許第7,811,595号(とりわけ、スキームI及びII並びに15〜17及び25列の添付される合成手順を参照)、及び2012年6月5日に出願された米国特許出願公開第2012-0309977号(米国特許出願第13/488,554号) (とりわけ、段落[0254]〜[267]参照)による手順で製造した化合物(I)から、それに続いて、生じた化合物(I)を、本明細書に以下に記載の通り結晶化手順に付すことにより、得ることができる。

化合物(I)の形態Cの代表的なXRPDパターンは図12に与えられている。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは、以下のおよその位置: 7.2、9.2、11.1、13.7、14.3、16.7、17.4、18.4、19.1、19.9、20.1、21.6、22.3、22.4、22.4、23.1、24.8、25.3、26.3、26.6、27.6、27.9、28.3、28.9、29.5、30.3、31.4、31.5、32.5、33.7、33.8、36.0、37.0、37.5、39.1、及び39.5°2θの1つ以上に位置するXRPDピークを特徴とする。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは、以下のおよその位置: 7.2、17.4、22.3、22.4.、22.4、28.9、33.7、及び33.8°2θの1、2、3、4、5又は6、7、又は8つに位置するXRPDピークを特徴とする。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは、およそ17.4、22.3、及び22.4°2θでのピークを含むXRPDパターンを有する。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは、およそ22.4°2θでの追加のピークをさらに含むXRPDパターンを有する。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは、およそ7.2、28.9、33.7、及び33.8°2θでのピークをさらに含むXRPDパターンを有する。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは実質的に純粋である。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは、少なくとも約99.6%純粋、少なくとも約99.7%純粋、少なくとも約99.8%純粋、又は少なくとも約99.9%純粋である。特定の実施態様において、純度は、例えばHPLCにより決定できる。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは、GC/MSにより決定して、式(II)の化合物:

を実質的に含まない。特定の実施態様において、該結晶性化合物は、GC/MSにより決定して、約100ppm未満、約75ppm未満、約50ppm未満、約25ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、約3ppm未満、約2ppm未満、又は約1ppm未満の式(II)の化合物を含む。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは、GC/MSによる検出可能量未満である量の式(II)を含む。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは、約15重量%未満、約10重量%未満、又は約5重量%未満の非晶質化合物(I)を含む。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは、15重量%未満、10重量%未満、又は5重量%未満の他の結晶性化合物(I)を含む。

(5.3 製造の方法) 本明細書の特定の実施態様は、形態Aなどの結晶性化合物(I)を提供する。特定の実施態様において、化合物(I)の形態Aは、例えば、米国特許第7,811,595号及び/又は米国特許出願公開第13/488,554号に従って製造した化合物(I)から、次いで、生じた化合物(I)を

a)化合物(I)の有機溶媒溶液を調製すること; b)該溶液を過飽和にして、結晶の形成を起こすこと;及び c)該結晶を単離すること; を含む手順に付すことにより得ることができ、 ここで、化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I)が、約15重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、又は1重量%未満の他の結晶性化合物(I)を含む場合など、化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I)は、式(I)の他の結晶性化合物を実質的に含まず;或いは、 化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I)が、GC/MSにより決定して、約100ppm未満、約75ppm未満、約50ppm未満、約25ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、約3ppm未満、約2ppm未満、又は約1ppm未満の式(II)の化合物を含む場合など、化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I)は、GC/MSにより決定して、式(II)の化合物:

を実質的に含まず;或いは 結晶性化合物(I)が、約15重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、又は1重量%未満の非晶質化合物(I)を含む場合など、化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I)は、非晶質化合物(I)を実質的に含まない。

特定のそのような実施態様において、結晶性化合物(I)は、HPLCにより測定して、少なくとも99.5%純粋である。

特定のそのような実施態様において、有機溶媒は、アセトン、メチルイソブチルケトン、n-ヘプタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン(tethydrofuran)(例えば、2-メチルテトラヒドロフラン)、及び水、又はこれらの任意の組み合わせから選択される。特定のそのような実施態様において、有機溶媒はアセトンである。

特定のそのような実施態様において、該プロセスは、該溶液をチャコールフィルターに通して濾過することをさらに含む。特定の実施態様において、そのような濾過は、化合物(I)の有機溶媒溶液を調製した後で実施できる。特定の実施態様において、そのような濾過は、該溶液を過飽和にする前に実施できる。

特定の実施態様において、溶液を過飽和にすることは、貧溶媒の添加、該溶液を冷却すること、該溶液の体積を減少させること、溶媒交換、又はこれらの任意の組み合わせを含む。溶液を過飽和(super-saturdation)にすることが溶液の体積を減少させることを含む特定のそのような実施態様において、体積減少は蒸発により実施される。溶液を過飽和にすることが貧溶媒の添加を含む特定のそのような実施態様において、該貧溶媒は、水又はヘプタン-2-プロパノールである。特定のそのような実施態様において、溶液を過飽和にすることは、溶液を冷却すること及び貧溶媒の添加を含む。特定の代替的なそのような実施態様において、溶液を過飽和にすることは、溶媒交換及び溶液を冷却することを含む。

溶液を過飽和にすることが溶媒交換を含む特定の実施態様において、溶媒交換は、減圧下での蒸留溶媒交換(distillative solvent exchange)を含む。特定のそのような実施態様において、アセトンはメチルイソブチルケトンに交換される。

溶液を過飽和にすることが溶液を冷却することを含む特定の実施態様において、溶液は、約19℃から約25℃に、さらには約0℃から約5℃に冷却される。

特定の実施態様において、該方法は、溶液を、化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I)によりシーディングすることをさらに含む。

特定の実施態様において、該方法は、結晶を洗浄することをさらに含む。特定のそのような実施態様において、洗浄は、アセトン、メチルイソブチルケトン、n-ヘプタン、及び水、又はこれらの任意の組み合わせから選択される液体で結晶を洗浄することを含む。特定のそのような実施態様において、洗浄は、アセトンと水の組み合わせによる洗浄を含む。特定の代替的なそのような実施態様において、洗浄は、メチルイソブチルケトンによる洗浄を含む。

特定の実施態様において、結晶を単離することは、結晶を濾過することを含む。特定の実施態様において、該方法は、単離した結晶を、任意に高温で、減圧下で乾燥させることをさらに含む。特定のそのような実施態様において、乾燥は、約50℃の温度で実施される。

特定の実施態様において、本発明は、 a)化合物(I)の有機溶媒溶液を調製すること; b)溶液を過飽和にして、結晶の形成を起こすこと;及び c)結晶を単離すること;それとともに、任意に結晶を乾燥させること を含むプロセスにより製造される化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I):

に関する。 化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I)は、他の結晶性化合物(I)の実質的に含まず;或いは 化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I)は、GC/MSにより決定して、式(II)の化合物:

を実質的に含まず;或いは 化合物(I)の形態Aなどの結晶性化合物(I)は、非晶質化合物(I)を実質的に含まない。

特定のそのような実施態様において、結晶性化合物(I)は、HPLCにより測定して、少なくとも99.5%純粋である。

特定のそのような実施態様において、有機溶媒は、アセトン、メチルイソブチルケトン、n-ヘプタン、及び水、又はこれらの任意の組み合わせから選択される。特定のそのような実施態様において、有機溶媒はアセトンである。

特定のそのような実施態様において、該プロセスは、溶液をチャコールフィルターに通して濾過することをさらに含む。特定の実施態様において、そのような濾過は、化合物(I)の有機溶媒溶液を調製した後で実施できる。特定の実施態様において、そのような濾過は、溶液を過飽和にする前に実施できる。

特定の実施態様において、溶液を過飽和にすることは、貧溶媒の添加、該溶液を冷却すること、該溶液の体積を減少させること、溶媒交換、又はこれらの任意の組み合わせを含む。溶液を過飽和にすることが該溶液の体積を減少させることを含む特定のそのような実施態様において、体積減少は、蒸発により実施される。溶液を過飽和にすることが貧溶媒の添加を含む特定のそのような実施態様において、該貧溶媒は水である。特定のそのような実施態様において、溶液を過飽和にすることは、該溶液を冷却すること及び貧溶媒の添加を含む。特定の代替的なそのような実施態様において、溶液を過飽和にすることは、溶媒交換及び該溶液を冷却することを含む。

溶液を過飽和にすることが溶媒交換を含む特定の実施態様において、溶媒交換が減圧下での蒸留溶媒交換を含む。特定のそのような実施態様において、アセトンはメチルイソブチルケトンに交換される。

溶液を過飽和にすることが溶液を冷却することを含む特定の実施態様において、該溶液は、約19℃から約25℃、又はさらには約0℃から約5℃に冷却される。

特定の実施態様において、該プロセスは、該溶液を、化合物(I)の形態Aなどの結晶化(crystalling)化合物(I)によりシーディングすることをさらに含む。

特定の実施態様において、該プロセスは、結晶を洗浄することをさらに含む。特定のそのような実施態様において、洗浄は、結晶を、アセトン、メチルイソブチルケトン、n-ヘプタン、及び水、又はこれらの任意の組み合わせから選択される液体で洗浄することを含む。特定のそのような実施態様において、洗浄は、アセトンと水の組み合わせによる洗浄を含む。特定の代替的なそのような実施態様において、洗浄は、メチルイソブチルケトンによる洗浄を含む。

特定の実施態様において、結晶を単離することは、結晶を濾過することを含む。特定の実施態様において、該プロセスは、単離した結晶を、任意に高温で、減圧下で乾燥させることをさらに含む。特定のそのような実施態様において、乾燥は、約50℃の温度で実施される。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Bは、例えば、米国特許第7,811,595号及び/又は米国特許出願第13/488,554号に従って調製した化合物(I)から、次いで生じた化合物(I)を

a)化合物(I)のアセトニトリル溶液を調製すること;及び b)該溶媒を蒸発させること を含む手順に付すことにより得ることができる。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Bなどの結晶性化合物(I)が、約15重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、又は1重量%未満の他の結晶性化合物(I)を含む場合など、化合物(I)の形態Bなどの結晶性化合物(I)は、式(I)の他の結晶性化合物を実質的に含まず;或いは 化合物(I)の形態Bなどの結晶性化合物(I)が、GC/MSにより決定して、約100ppm未満、約75ppm未満、約50ppm未満、約25ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、約3ppm未満、約2ppm未満、又は約1ppm未満の式(II)の化合物を含む場合など、化合物(I)の形態Bなどの結晶性化合物(I)は、GC/MSにより決定して、式(II)の化合物:

を実質的に含まず;或いは 結晶性化合物(I)が、約15重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、又は1重量%未満の非晶質化合物(I)を含む場合など、化合物(I)の形態Bなどの結晶性化合物(I)は、非晶質化合物(I)を実質的に含まない。

特定のそのような実施態様において、化合物(I)の形態Bなどの結晶性化合物(I)は、HPLCにより測定して、少なくとも99.5%純粋である。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cは、例えば、米国特許第7,811,595号及び/又は米国特許出願第13/488,554号に従って製造した化合物(I)から、次いで、生じた化合物(I)を

a)化合物(I)の2-メチルテトラヒドロフラン溶液を調製すること; b)n-ヘプタンを加えること; c)該懸濁液を加熱すること(例えば、約40〜50℃に); d)該懸濁液を冷却すること(例えば、約0〜10℃に);及び c)結晶を単離すること を含む手順に付すことにより得ることができる。

特定の実施態様において、化合物(I)の形態Cなどの結晶性化合物(I)が、約15重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、又は1重量%未満の他の結晶性化合物(I)を含む場合など、化合物(I)の形態Cなどの結晶性化合物(I)は、式(I)の他の結晶性化合物を実質的に含まず;或いは 化合物(I)の形態Cなどの結晶性化合物(I)が、GC/MSにより決定して、約100ppm未満、約75ppm未満、約50ppm未満、約25ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、約3ppm未満、約2ppm未満、又は約1ppm未満の式(II)の化合物を含む場合など、化合物(I)の形態Cなどの結晶性化合物(I)は、GC/MSにより決定して、式(II)の化合物:

を実質的に含まず;或いは 結晶性化合物(I)が、約15重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、又は1重量%未満の非晶質化合物(I)を含む場合など、化合物(I)の形態Cなどの結晶性化合物(I)は、非晶質化合物(I)を実質的に含まない。

特定のそのような実施態様において、化合物(I)の形態Cなどの結晶性化合物(I)は、HPLCにより測定して、少なくとも99.5%純粋である。

特定の実施態様において、n-ヘプタンの添加は、少なくとも30分(例えば、約30〜約60分)にわたり運ばれる(carried)。特定の実施態様において、n-ヘプタンの添加は、約40〜50℃で実施される。特定の実施態様において、懸濁液は、撹拌しながら、少なくとも約1時間(例えば、約1〜約2時間)約40〜50℃に加熱される。特定の実施態様において、約0〜10℃に冷却された懸濁液は、少なくとも約1時間(例えば、約1〜約2時間)撹拌される。特定の実施態様において、結晶を単離することは、結晶を濾過することを含む。特定の実施態様において、濾過された結晶は、冷n-ヘプタン/ 2-メチルテトラヒドロフラン(例えば、6:1)により洗浄されて、乾燥される。特定のそのような実施態様において、乾燥は、約50℃以下(例えば、約50℃)の温度で真空下で実施される。

(5.4 使用方法) 特定の実施態様において、本発明は、HIFプロリルヒドロキシラーゼ(例えば、PHD1、PHD2、及び/又はPHD3)の調節により改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIFプロリルヒドロキシラーゼの調節により改善される疾患を有する患者に、化合物(I)の形態A、形態B、若しくは形態C、又は本明細書に記載される任意の他の固体形態などの有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、HIFプロリルヒドロキシラーゼ(例えば、PHD1、PHD2、及び/又はPHD3)を阻害することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIFプロリルヒドロキシラーゼを阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法を包含する。特定のそのような実施態様において、本発明は、PHD1を阻害することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、PHD1を阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。特定のそのような実施態様において、本発明は、PHD2を阻害することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、PHD2を阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。特定のそのような実施態様において、本発明は、PHD3を阻害することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、PHD3を阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、HIFα(例えば、HIF-1α、HIF-2α、及び/又はHIF-3α)を安定化することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIFαを安定化することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法を包含する。特定のそのような実施態様において、本発明は、HIF-1αを安定化することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIF-1αを安定化することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。特定のそのような実施態様において、本発明は、HIF-2αを安定化することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIF-2αを阻害することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む方法に関する。特定のそのような実施態様において、本発明は、HIF-3αを安定化することにより改善される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、HIF-3αを安定化することにより改善される疾患又は障害を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、エリスロポエチン(EPO)の減少した内因性産生に関連した疾患又は病態を治療又は予防する方法であって、EPOの減少した内因性産生に関連した疾患又は障害を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、貧血(例えば、慢性腎疾患に続発若しくは付随する貧血、慢性心疾患に続発する貧血、加齢の特発性貧血、慢性疾患の貧血、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、他の無形成性若しくは異形成性貧血、化学療法により誘導される貧血(癌、C型肝炎を治療するための化学療法、又は骨髄産生を減少させる他の長期薬物療法を含む)、失血から生じる貧血、鉄欠乏症から生じる貧血、ビタミンB12欠乏症から生じる貧血、鎌状赤血球症、又はサラセミア)を治療又は予防する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。特定の実施態様において、本発明は、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、貧血を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、慢性腎疾患(CKD)に続発する貧血を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、CKDに続発する貧血を治療又は予防することに関する。特定の実施態様において、CKDは、病期1、2、3、4、又は5の慢性腎疾患である。特定のそのような実施態様において、CKDは、病期3、4、又は5の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、CKDは、病期1の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、CKDは、病期2の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、CKDは、病期3の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、CKDは、病期4の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、CKDは、病期5の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、慢性腎疾患は、透析前の慢性腎疾患である。特定の実施態様において、患者は透析患者であり、これらの患者は末期腎不全(ESRD)を有すると称され得る。特定のそのような実施態様において、CKD又はESRDに続発する貧血などの貧血は、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、ダルベポエチン、又はペギネサチドなどのrhEPO製品を含む赤血球生成刺激剤による治療に対して不応性であり得る。特定の実施態様において、患者は、貧血について先に治療されているのに対し、特定の代替実施態様において、患者は、貧血について先に治療されていない。

特定の実施態様において、本発明は、血管新生に関連する疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、血管新生に関連する疾患又は障害を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。特定の実施態様において、本発明は、血管新生を制御する方法であって、患者に有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、VEGF又はGAPDHのレベルにより影響される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、VEGF又はGADPHのレベルにより影響される疾患又は障害を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、創傷治癒を促進する方法であって、創傷を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、損傷組織の血行再建を増大させるか、又は脈管構造を増加させる、前記方法であって、損傷組織を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。特定の実施態様において、本発明は、虚血性組織の血管新生をする方法であって、虚血性組織を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、皮膚移植片代替物の成長を促進する方法であって、皮膚移植片を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、組織誘導再生(GTR)の状況で組織修復を促進する方法であって、患者に有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、エリスロポエチン(EPO)の減少した内因性産生に関連する疾患又は病態を治療する方法であって、EPOの減少した内因性産生に関連する疾患又は病態を有する患者に、血清EPOのベースラインレベルに比べて血清EPOのレベルを著しく増加させることなく、患者のベースラインヘモグロビンレベルに比べてヘモグロビンのレベルを上昇させるように充分な数の連続した投与量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、エリスロポエチン(EPO)の減少した内因性産生に関連する疾患又は病態を治療する方法であって、EPOの減少した内因性産生に関連する疾患又は病態を有する患者に、血清EPOのベースラインレベルに比べて血清EPOのレベルを著しく増加させることなく、患者のベースラインヘモグロビンレベルに比べてヘモグロビンのレベルを上昇させるように充分な数の連続した投与量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、エリスロポエチン(EPO)の減少した内因性産生に関連する疾患又は病態を治療する方法であって、EPOの減少した内因性産生に関連する疾患又は病態を有する患者に、ベースライン血清鉄レベルに比べて血清鉄レベルを著しく増加させることなく、患者のベースライン総鉄結合能(TIBC)に比べてTIBCを上昇させるように充分な数の連続した投与量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、対象の貧血を治療又は予防する方法であって、a)EPO血清レベルの日中パターンを回復若しくは維持し;且つ/又はb)全鉄の治療前レベルを維持し(すなわち、全鉄レベルを著しく増加させずに);且つ/又はc)ヘプシジンレベルを著しく減少させないと同時に、医薬として有効な量の化合物(I)の固体形態を対象に投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、慢性腎疾患に続発する非重症な貧血、鬱血性心不全に続発する非重症な貧血、及び加齢の特発性貧血から選択される疾患又は病態を治療する方法であって、慢性腎疾患に続発する非重症な貧血、鬱血性心不全に続発する非重症な貧血、又は加齢の特発性貧血を有する患者に、ベースラインヘプシジン発現レベルに比べてヘプシジン発現を著しく減少させることなく、患者のベースライン血清ヘモグロビンレベルに比べて血清ヘモグロビンレベルを上昇させるように充分な数の連続した投与量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、本発明は、糖尿病性網膜症、黄斑変性、癌、鎌状細胞貧血、サルコイド、梅毒、弾性線維性仮性黄色腫、ページェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頸動脈閉塞性疾患、慢性ブドウ膜炎/硝子体炎、マイコバクテリア感染、ライム病、全身性エリテマトーデス、未熟児網膜症、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎又は脈絡膜炎を起こす感染症、推定される眼ヒストプラスマ症、ベスト病、近視、視窩(optic pits)、シュタルガルト病、毛様体扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラズマ症、外傷性レーザー後合併症、ルベオーシスに付随する疾患、及び増殖性硝子体網膜症(vitroeretinopathy)、クローン病及び潰瘍性大腸炎、乾癬、サルコイドーシス、関節リウマチ、血管腫、オスラーウェーバーランデュ病、又は遺伝性出血性毛細血管拡張症、固形腫瘍又は血液系腫瘍、後天性免疫不全症候群、骨格筋及び心筋の虚血、脳卒中、冠動脈疾患、末梢血管障害、並びに冠動脈疾患から選択される疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、そのような疾患又は障害を有する患者に、有効量の化合物(I)の固体形態を投与することを含む、前記方法に関する。

特定の実施態様において、化合物(I)の固体形態は、2013年6月13日に出願された米国特許出願第61/834,808号に開示されているものなどの投薬レジメンに従って投与できる。

(5.5 併用療法) 特定の実施態様において、本発明は、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸を別な医薬と組み合わせて投与することを含む、前記方法に関する。そのような併用療法は、本治療の個別の成分の同時投薬、逐次投薬、又は個別投薬により達成され得る。さらに、そのような併用療法の成分として投与される場合、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸と他の医薬品は相乗的になることがあり、その結果成分のいずれか又は両方の1日量を、単剤療法として通常投与されるいずれかの成分の投与量と比べて減少させることができる。或いは、そのような併用療法の成分として投与される場合、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸と他の医薬品は相加的になることがあり、その結果各成分の1日量は、単剤療法として通常投与されるいずれかの成分の投与量と類似しているか又は同じである。

特定の実施態様において、本発明は、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物を、貧血を有する患者に投与することを含む、前記方法に関し、ここで、化合物(I)は、任意に、硫酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、又はフマル酸第一鉄などの鉄補給剤と組み合わせて投与される。特定のそのような実施態様において、鉄補給剤は、該化合物の投与後、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、又はさらには少なくとも6時間で投与される。特定の実施態様において、鉄補給剤は、フェリチンが約50ng/mL〜約300ng/mLのレベルで維持されるような量で投与される。特定の実施態様において、鉄補給剤は、少なくとも鉄元素約50mgの1日量で経口投与される。特定の実施態様において、鉄補給剤は、鉄元素約50mgの投与量で経口投与される。特定の実施態様において、鉄補給剤は静脈内に投与される。特定の実施態様において、鉄補給剤は、連続して42日間以上など、連続的且つ/又は無期限に投与される。特定の代替実施態様において、鉄補給剤は、フェリチンが約50ng/mL〜約300ng/mLのレベルで維持されるように、必要に応じて投与される。特定のそのような実施態様において、化合物(I)の1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの化合物(I)の固体形態である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与できる。

特定の実施態様において、本発明は、慢性腎疾患に続発する貧血などの貧血を治療する方法であって、{[5-(3-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピリジン-2-カルボニル]アミノ}酢酸である化合物を、貧血を有する患者に投与することを含む、前記方法に関し、ここで、化合物(I)は、任意に、エリスロポエチン模倣薬などの赤血球生成刺激剤(ESA)と組み合わせて投与される。特定のそのような実施態様において、ESAは、エポエチンα、エポエチンβ、ダルベポエチン、又はペギネサチドを含むがこれらに限定されないrhEPO製品である。特定のそのような実施態様において、ESAは、救済療法として投与される。特定の代替実施態様において、ESAは、連続して42日間以上など、連続的且つ/又は無期限に投与される。特定のそのような実施態様において、化合物(I)の1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、約600mg、又は約750mgの化合物(I)の固体形態である。特定のそのような実施態様において、1日量は、約150mg、約300mg、約450mg、又は約600mgである。そのような1日量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日1回、経口投与できる。

(5.6 医薬組成物) 医薬組成物は、個別の単独の単位剤形の調製に使用することができる。本明細書に提供される医薬組成物及び剤形は、本明細書に提供される化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物(例えば、親化合物)を含有する。医薬組成物及び剤形はさらに、1種以上の賦形剤を含有することができる。

特定の実施態様において、医薬組成物及び剤形は、1種以上の賦形剤を含有する。好適な賦形剤は、調剤学分野の業者に周知であり、好適な賦形剤の非限定的例は、本明細書に提供されている。特定の賦形剤が、医薬組成物又は剤形への混入に適しているかどうかは、非限定的にその剤形が患者へ投与される方式を含む、当該技術分野において周知の様々な要因によって決まる。例えば、錠剤などの経口剤形は、非経口剤形における使用には適していない賦形剤を含み得る。特定の賦形剤の適合性は、その剤形中の具体的有効成分によっても左右され得る。例えば、いくつかの有効成分の分解は、乳糖などの一部の賦形剤により、又は水への曝露時に、加速されることがある

乳糖不含組成物は、当該技術分野において周知であり、且つ例えば米国薬局方(USP) 25NF20 (2002)に収載されている賦形剤を含み得る。一般に、乳糖不含組成物は、有効成分、結合剤/充填剤、及び滑沢剤を、医薬として適合可能で医薬として許容し得る量で含有する。一実施態様において、乳糖不含剤形は、有効成分、微結晶性セルロース、α化デンプン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する

水は一部の化合物の分解を促進し得るので、無水の医薬組成物及び剤形もまた提供される。例えば、水の添加(例えば5%)は、貯蔵寿命又は製剤の経時的安定性などの特徴を決定するために、長期貯蔵をシミュレーションする手段として、製薬分野において広範に受け容れられている。例えば、Jens T. Carstensenの文献、「薬剤安定性:原理と実践(Drug Stability: Principles & Practice)」、第2版、Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp. 379-80を参照されたい。実際、水と熱は、一部の化合物の分解を加速する。したがって、水分及び/又は湿度は、製剤の製造、取り扱い、包装、貯蔵、出荷、及び使用の際には普通に遭遇するので、製剤に対する水の作用は、非常に重要であり得る。

無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように、調製され且つ貯蔵されなければならない。したがって、無水組成物は、一実施態様において、水への曝露を防ぐことが分かっている材料を使用し包装され、結果的にそれらは好適な処方キット中に含まれ得る。好適な包装の例は、密封フォイル、プラスチック、単位投与量容器(例えばバイアル)、ブリスターパック、及びストリップパックを含むが、これらに限定されない。

有効成分が分解する速度を低下させる1種以上の化合物を含む医薬組成物及び剤形も提供される。そのような化合物は、本明細書において「安定剤」と称され、アスコルビン酸などの抗酸化剤、pH緩衝剤、又は塩緩衝剤を含むが、これらに限定されない。

賦形剤の量及び種類と同様に、剤形中の有効成分の量及び具体的種類も、非限定的に、それが患者へ投与される経路などの要因に応じて異なることがある。

(5.6.1 経口剤形) 経口投与に適している医薬組成物は、非限定的に、錠剤(例えばチュアブル錠)、カプレット剤、カプセル剤、懸濁剤、及び液剤(例えば香味付けシロップ剤)などの、個別の剤形として提供され得る。そのような剤形は、所定量の有効成分を含有し、且つ当業者に周知の調剤方法により調製され得る。全般的には、「レミントン調剤の科学と実践(Remington’s The Science and Practice of Pharmacy)」、第21版、Lippincott Williams & Wilkins (2005)を参照されたい。

本明細書に提供される経口剤形は、従来の医薬配合技術に従い、有効成分を少なくとも1種の賦形剤と緊密に混合することにより調製される。賦形剤は、投与に望ましい調製の形に応じ、広汎な形をとり得る。例えば、経口用の液体又はエアロゾル剤形における使用に適した賦形剤は、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、及び着色剤を含むが、これらに限定されない。固形経口剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル剤、及びカプレット剤)における使用に適した賦形剤の例は、デンプン、糖類、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤を含むが、これらに限定されない。

一実施態様において、経口剤形は、錠剤又はカプセル剤であり、その場合固形賦形剤が使用される。別の実施態様において、錠剤は、標準の水性又は非水性技術により、コーティングされ得る。そのような剤形は、任意の調剤方法により調製され得る。概して、医薬組成物及び剤形は、有効成分を、液体担体、微細な固形担体、又はその両方と均一且つ密接に混合し、次いで、必要な場合、製品を所望の体裁に付形することにより調製される。

例えば、錠剤は、圧縮又は成形により調製することができる。圧縮錠は、粉末又は顆粒などの自由流動形態の有効成分を、任意に賦形剤と混合して、好適な機械において圧縮することにより調製することができる。

本明細書に提供される経口剤形において使用できる賦形剤の例は、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び滑沢剤を含むが、これらに限定されない。医薬組成物及び剤形における使用に適した結合剤は、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、若しくは他のデンプン類、ゼラチン、アカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギネート、トラガカント末、グアーガムなどの天然及び合成ゴム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、No.2208、2906、2910)、微結晶性セルロース、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。

好適な形態の微結晶性セルロースには、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC社、American Viscose Division, Avicel Sales(マルクスフック、PA)から入手可能)として販売される物質、及びそれらの混合物があるが、これらに限定されない。具体的な結合剤は、AVICEL RC-581として販売される、微結晶性セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物である。好適な無水又は低水分賦形剤又は添加剤は、AVICEL-PH-103(商標)及びStarch 1500 LMを含む。他の微結晶性セルロースの好適な形は、シリカ含有微結晶性セルロース、例えばPROSOLV 50、PROSOLV 90、PROSOLV HD90、PROSOLV 90 LMとして販売される物質、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。

本明細書において提供される医薬組成物及び剤形における使用に好適な充填剤の例は、タルク、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。医薬組成物中の結合剤又は充填剤は、一実施態様において、医薬組成物又は剤形の約50〜約99重量%で存在する。医薬組成物中の結合剤又は充填剤は、別の実施態様において、医薬組成物又は剤形の約20〜約30重量パーセントで存在する。医薬組成物中の結合剤又は充填剤は、別の実施態様において、医薬組成物又は剤形の約24重量パーセントで存在する。

特定の実施態様において、充填剤は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体を含むが、これに限定されない。そのようなブロック共重合体は、ポロキサマー又はプルロニックとして販売されており、ポロキサマー188NF、ポロキサマー237NF、ポロキサマー338NF、ポロキサマー437NF、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。特定の実施態様において、ポロキサマー188NF、ポロキサマー237NF、ポロキサマー338NF、ポロキサマー437NF、及びそれらの混合物を含むがこれらに限定されないポロキサマー又はプルロニックは、界面活性剤である。

特定の実施態様において、充填剤は、イソマルト、ラクトース、ラクチトール、マンニトール、ソルビトールキシリトール、エリトリトール、及びそれらの混合物を含み得るが、これらに限定されない。

崩壊剤は、水性環境に曝露された際に崩壊する錠剤を提供するために、組成物中で使用することができる。多すぎる崩壊剤を含有する錠剤は、貯蔵時に崩壊することがあるのに対し、少なすぎる崩壊剤を含有するものは、望ましい速度や望ましい条件下で崩壊しないことがある。したがって、有効成分の放出を有害に変更するほど多すぎることも少なすぎることもない充分な量の崩壊剤を、固形経口剤形を形成するために使用することができる。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類に応じて変動し、当業者は容易に識別できる。一実施態様において、医薬組成物は、約0.5〜約15重量%の崩壊剤、又は約5〜約9重量%の崩壊剤、又は約1〜約5重量%の崩壊剤、又は約1〜約7重量%の崩壊剤、又は約7重量%の崩壊剤を含有する。

医薬組成物及び剤形において使用できる崩壊剤は、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、他のデンプン類、α化デンプン、他のデンプン類、クレー、他のアルギン類、他のセルロース類、ガム、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。

医薬組成物及び剤形において使用することができる流動促進剤及び/又は滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミネラルオイル、ライトミネラルオイル、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール類、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ひまわり油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、エチルラウレエート(ethyl laureate)、寒天、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。追加の流動促進剤は、例えば、サイロイドシリカゲル(AEROSIL200、W.R. Grace社(ボルチモア、MD)製造)、合成シリカの凝固エアロゾル(Degussa社(プラノ、TX)により市販)、CAB-O-SIL(Cabot社(ボストン、MA)により販売される焼成コロイド状二酸化ケイ素製品)、及びそれらの混合物を含む。流動促進剤及び/又は滑沢剤は、仮にも使用される場合、それらが混入される医薬組成物又は剤形の約1重量%未満の量で使用され得る。

特定の実施態様において、経口剤形は、該化合物、シリカ含有微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体、ステアリルフマル酸ナトリウム及びコロイド状二酸化ケイ素を含有する。特定の実施態様において、経口剤形は、化合物(I)を経口剤形の約5重量%〜約75重量%の量で、シリカ含有微結晶性セルロースを約15%〜約85%の量で、デンプングリコール酸ナトリウムを約2%〜約10%の量で、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体を約2%〜約10%の量で、ステアリルフマル酸ナトリウムを0.2%〜約2%の量で、及びコロイド状二酸化ケイ素を約0.2重量%〜約2重量%の量で含有する。

特定の実施態様において、経口剤形は、該化合物、微結晶性セルロース、イソマルト、デンプングリコール酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポビドン、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムを含有する。特定の実施態様において、経口剤形は、化合物(I)を経口剤形の約40%〜約50%の量で、微結晶性セルロースを約40%〜約50%の量で、イソマルトを0%〜約5%の量で、デンプングリコール酸ナトリウムを約5%〜約10%の量で、ラウリル硫酸ナトリウムを0.2%〜約2%の量で、ポビドンを約2%〜約10%の量で、コロイド状二酸化ケイ素を0.1%〜約1%の量で、及びステアリン酸マグネシウムを約0.1重量%〜約1重量%の量で含有する。

特定の実施態様において、本発明は、約100mg〜約1,200mg、約200mg〜約1,000mg、約400mg〜約800mg、又は約450mg〜約600mgの化合物(I)を含む単位剤形に関する。

特定の実施態様において、本発明は、約100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1,000mg、1,050mg、1,100mg、1,150、又はさらには約1,200mgの化合物(I)の固体形態を含む単位剤形に関する。特定のそのような実施態様において、該単位剤形は、約40mg、約120mg、約185mg、約200mg、約200、約250mg、又はさらには約300mgの化合物(I)の固体形態を含むカプセル剤である。特定のそのような実施態様において、該単位剤形は、約150mgの化合物(I)の固体形態を含む錠剤である。特定のそのような実施態様において、該単位剤形は、約315mgの化合物(I)の固体形態を含む錠剤である。

経口投与のための液体剤形は、医薬として許容し得る乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤、及びエリキシル剤を含む。液体剤形は、有効成分に加え、例えば水又は他の溶媒などの、当該技術分野において通常使用される不活性希釈剤、可溶化剤、及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油類(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステルなど、並びにそれらの混合物を含むことができる。

経口組成物は、不活性希釈剤に加え、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味料、香味剤、着色剤、香料及び保存剤などの補助剤も含むことができる。

懸濁剤は、活性阻害剤(複数可)に加え、例えば、エトキシ化されたイソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、アガーアガー及びトラガカント、並びにそれらの混合物などの懸濁化剤を含んでよい。

(6. 実施例) 以下の実施例は、限定ではなく実例として表される。以下の略語は説明及び実施例で使用される: ACN:アセトニトリル Am:非晶質 AS:貧溶媒結晶化実験のID DCM:ジクロロメタン DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン DMA:ジメチルアセトアミド DMF:N,N-ジメチルホルミド(dimethylformide) DMSO:ジメチルスルホキシド DSC:示差走査熱量測定 DTA:示差熱分析 DVS:動的水蒸気収着 EtOH:エタノール FBRM:収束(Focussed)ビーム反射測定法 HPLC:高速液体クロマトグラフィー IPA:2-プロパノール LCMS:質量分析法を伴う液体クロマトグラフィー MEK:メチルエチルケトン MeOH:メタノール MiBK:メチルイソブチルケトン mp:融点 MS:質量分析法 MTBE:tert-ブチルメチルエーテル MTBE:メチルtert-ブチルエーテル NMP:N-メチル-2-ピロリドン NMP:N-メチルピロリジノン NMR:核磁気共鳴 RH:相対湿度 RT:室温 S:溶媒 SDTA:単一示差熱分析 SM:出発物質 TA:熱分析 TCP:熱サイクル及び還流実験のID TGA:熱重量分析 THF:テトラヒドロフラン TLC:薄層クロマトグラフィー XRPD:X線粉末回折

以下の非限定的な例は、化合物(II):

を除去することにより高純度の化合物(I)を生成する方法を示す。

ChemDraw Ultra (Cambridgesoft, Cambridge, MA)を使用して、化学構造の名称を生成した。

(6.1 化合物(I)の形態A) 化合物(I)の形態Aの前駆体(10.01g、0.033mol)を、機械撹拌機、温度プローブ、及び窒素ラインを備えた500ml丸底フラスコに入れた。50mlのTHFを該500ml丸底フラスコに入れ、固体が全て溶解するまで、生じた混合物を室温で撹拌した。50gの脱イオン水を、該500ml丸底フラスコに入れ、該混合物を0〜5℃に冷却した。

6.65gの50重量%の水酸化ナトリウム水溶液を50gの水と混合して、水酸化ナトリウム溶液を調製した。該混合物の温度を0〜5℃に維持しながら、調製した水酸化ナトリウム溶液を該500ml丸底フラスコにゆっくりと入れた。該混合物のpHは、調製した水酸化ナトリウム溶液の添加後に13であった。該混合物を19〜25℃に温め、1〜2時間撹拌した(混合物をより長く撹拌してよい)。

該反応混合物の温度を25℃未満に保ちながら、37重量%の濃HCl水溶液を、該反応混合物のpHが5に達するまで、ゆっくりと該反応混合物に加えた。約8.5gの37重量%の濃HCl水溶液を使用した。

次いで、該混合物を約60mlに濃縮した(55〜65mlを推奨する)。追加の50gの脱イオン水を加えて、該混合物を約2時間撹拌した。

濾過により、固体を該混合物から回収し、20gの脱イオン水により洗浄した。移動可能になるまで、固体物質を風乾した。乾燥させた固体の重量は13.4gであった。HPLC分析により、該固体の純度が99.46% (面積%)であることが示された。

(6.1.1 化合物(I)の形態Aの熱水トリチュレーション) セクション6.1で得た固体物質を、機械撹拌機、温度プローブ、及び窒素ラインを備えた500ml丸底フラスコに入れた。70gの脱イオン水を該500ml丸底フラスコに入れ、生じた混合物を70〜80℃で16時間撹拌した。該混合物を室温に冷却し、濾過により固体を該混合物から回収し、20gの脱イオン水により洗浄した。固体物質を、移動可能になるまで風乾した。

(6.1.2 化合物(I)の形態Aの木炭処理及び再結晶化) セクション6.1で得た固体物質を、機械撹拌機、温度プローブ、及び窒素ラインを備えた500ml丸底フラスコに入れた。130gのアセトンを該500ml丸底フラスコに入れ、生じた混合物を、固体が全て溶解するまで室温で撹拌した(約30分)。固体が完全に溶解しない場合、さらにアセトンを加えた。生じた溶液を活性炭で処理した。次いで、濾過により活性炭を除去し、生じたアセトン溶液を約73mlに濃縮した(70〜75 mlが推奨される)。濃アセトン溶液を還流に加熱した。該溶液を50℃未満に保ちながら、65gの水をゆっくりと加えた。色の薄い固体の沈澱が観察された。混合物を、約2時間かけて22℃(19〜25℃)に冷却し、22℃で約2〜3時間撹拌した。濾過により、該混合物から固体を回収し、11.5gのアセトンと15gの脱イオン水との混合物で洗浄した。固体物質を少なくとも6時間風乾した。乾燥させた固体物質の重量は9.2gであった。HPLC分析により、該固体の純度が99.71% (面積%)であることが示された。

(6.2 化合物(I)の固体形態A) (6.2.1 化合物(I)の形態Aの特性化) 図1に図示されるXRPD分析は、形態Aが、適度に平らなベースライン上で40°2θまでに鋭い明確なピークを有して、圧倒的に結晶性であることを示す。約8°から16°2θの盛り上がったバックグラウンドは、サンプルホルダーによる公知のアーティファクトである。化合物(I)の形態AのX線回折ピークのリストを以下の表1に与える。

表1.化合物(I)の形態AのX線回折ピーク

図2に図示されるPLM分析は、偏光下でのいくらかの複屈折を示す。しかし、結晶は非常に小さく、明らかに定義されるモルホロジーは全くない。

図3に図示されるTGA分析は、周囲温度からごくわずかな重量減少を示し、次いで、約220℃を超えて分解と一致する著しい重量減少を示す。図3に図示されるDTA分析は、171.5℃のオンセットを有する単一の鋭い吸熱を示す。

図4に図示されるDSC分析は、172.4℃のオンセット及び175.8℃のピークを有する単一の鋭い吸熱を示す。

図5に図示されるDVS分析は、90% RHでの水収着が0.13%であることを示し、該物質が非吸湿性であることを示す。図6に図示されるDVS後のXRPD分析は、形態に全く変化がないことを示す。

図7に図示されるFBRMデータは、該物質が、非重みづけ分布に示される通り大多数が100μm未満である小粒子からなることを示す。

図8に図示される溶液NMRスペクトルは、化合物(I)の構造と一致する。IR吸収スペクトルは図9に与えられている。

図10に図示されるHPLC分析は、表2に示す試料純度を示す。

表2.化合物(I)の形態AのHPLC純度

(6.2.2 溶解度実験) およそ20mgの化合物(I)の形態Aを、48個のバイアルのそれぞれに入れ、適切な溶媒系の5体積アリコートを適切なバイアルに加えた。各添加の間に、混合物を溶解に関して確認し、全く溶解しないことが明らかな場合、混合物を約50℃に温めて、再び確認した。溶解が観察されるまで、又は100体積の溶媒を加えるまで、この手順を続けた。およその溶解度を表3に示す。

表3.溶解度実験の溶媒リスト

(6.2.3 分析方法) XRPD分析を、試料を3から50°2θでスキャンして、Siemens D5000で実施した。およそ5mg以下(物質による)の試料を、XRPD試料ホルダーに挿入されたガラスディスク上でやさしく圧縮した。次いで、試料を、反射モードで運転しているSiemens D5000回折計に入れ、表4の以下の実験条件を利用して分析した。較正確認は、Siemens D5000 XRPDで、アルミナパウダーStandard Reference Material 676aを使用して、毎月実施した。

表4. X線粉末回折(XRPD)実験条件

X線粉末回折パターンのピークの数値が、機械によって、又は試料によってわずかに変動することがあり、そのため引用される値が絶対的なものであると解釈されるものでなく、±0.2度2シータなど許容できる変動性を有することを理解すべきである(例えば、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第22版、, Pharmaceutical Press, (2012);米国薬局方、第30版、(2011)参照)。

偏光顕微鏡法(PLM)を、Moticカメラ及び画像取込みソフトウェア(Motic Images Plus 2.0)を備えたOlympus BX50偏光顕微鏡で実施した。特記されない限り、画像は全て、20倍の対物レンズを使用して記録した。

熱重量/示差熱分析(TG/DTA)は、熱重量測定/示差熱同時分析計で実施した。およそ5mg以下(物質による)を、開放しているアルミニウムパンに正確に量り入れ、分析計に入れて、室温に保った。次いで、試料を、10℃/分の速度で25℃から300℃に加熱し、その間に、試料重量の変化を示差熱事象と共に記録した(DTA)。パージガスとして、窒素を100cm3/分の流量で使用した。TGAファーネスは、インジウム標準試料を使用した温度確認の前に、バーンアウト(burn-out)により毎月洗浄した。重量確認も毎月実施した。DSCデータは、走査速度及び試料パン形状により変わり得る。

示差走査熱量測定(DSC)を、冷却器を備えたSeiko DSC6200で実施した。およそ5mg以下(物質による)を、アルミニウムDSCパンに正確に量り入れ、穴のあいたアルミニウムの蓋で密封しないように封をした。次いで、試料パンを、冷却され25℃に保たれているSeiko DSC6200に入れた。安定な熱流応答が得られると、試料及び標準を、10℃/分の走査速度で約220℃に加熱し、生じた熱流応答をモニターした。毎月の温度確認は、インジウム標準試料を使用して実施した。

動的水蒸気収着(DVS)は、Surface Measurement SystemsによるDVS-1動的水蒸気収着天秤で実施した。およそ10〜20mgの試料を、天秤のワイヤーメッシュ水蒸気収着天秤パンに入れた。試料を、増分10%で20-90%相対湿度(RH)の増加プロファイルに付し、安定な重量が達成されるまで(99.5 %ステップ完了)又は1000分が経過するまで、各ステップで試料を保持した。収着サイクルの完了後、同じ手順だが、完全に約 0% RHまで下げ、最後に20% RHの出発点に戻すことを利用して試料を乾燥させた。収着/脱着サイクルの間の重量変化をプロットし、試料の吸湿性を決定できるようにした。DVS分析の後、物理的形態に変化があるか否かを決定するために、固体をXRPDにより再分析した。

収束ビーム反射測定(FBRM)を、粒径分析のためにMettler Toledo D600プローブを使用して実施した。プローブを、約200mlアセトニトリル中の物質の懸濁液に入れ、試料を撹拌しながら、種々の計数統計によるコード長分布を数分にわたりモニターした。年に4回の性能検査を、PVC標準試料及び固定したビーカースタンドを使用して、FBRMで実施した。FBRMデータは、使用される溶媒系での溶解度により変化し得る。

赤外分光法(IR)を、Bruker ALPHA P分光計で実施した。試料物質を、分光計上のプレートの中心に置き、表5の以下のパラメーターを利用して、物質から直接(すなわちKBrディスクなし)スペクトルを得た。IR分光計の内部性能品質確認は、毎月実施した。

表5.赤外分光法(IR)実験条件

1H核磁気共鳴(1H NMR)実験を、Bruker AV400(1H周波数: 400MHz)で実施した。各試料の1H NMR実験はDMSO-d6中で実施し、試料を約1mg/mLの濃度に調製した。

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を、表6の条件及び表7の勾配プログラムにより実施した。

表6.高速液体クロマトグラフィー(HPLC)実験条件

表7.高速液体クロマトグラフィー(HPLC)実験勾配プログラム

(6.3 化合物(I)の固体形態B) 化合物(I)の固体形態Bを、およそ600mgの化合物(I)を100 mL Duranフラスコに量り入れ、およそ40 mLのアセトニトリルに溶かして調製した。次いで、溶液を、清潔な100 mLガラスビーカーへ濾過し、溶媒が全て除去されるまで、真空下でデシケーター中に置いた。図11に図示されるXRPD分析は、形態Bが、適度に平らなベースライン上の鋭い明確なピークを40°2θまで有し、圧倒的に結晶性であることを示す。約8°から16°2θの盛り上がったバックグラウンドは、サンプルホルダーによる公知のアーティファクトである。

形態BのTGA分析は、100℃と130℃の間で1.2%の小さな重量減少、次いで約220℃を超えて著しい重量減少を示した。DTAは、120℃と135℃の間で事象(複数可)(TGAによる重量減少に相当)を示したが、不明瞭であった。171.5℃のオンセット及び175.7℃のピークを有する主要な鋭い吸熱があった。

DSC分析は、109.2℃のオンセット及び113.7℃のピークを有する小さな発熱と、それに続いて173.4℃のオンセット及び176.2℃のピークを有する主要な鋭い吸熱を示した。

DVS分析は、90% RHでの水収着が0.33%であったことを示し、該物質が非吸湿性であったことを示す。DVS後のXRPD分析は形態の変化が全くないことを示した。

形態Bは、無水で非吸湿性であることに加え、結晶性及び高融点など良好な質を示した。しかし、形態Bは準安定であり、高温でスラリー中で形態Aに転化し得る。

(6.4 化合物(I)の固体形態C) およそ22% (g/ml)の化合物(I)の2-メチルテトラヒドロフラン溶液を、n-ヘプタンを少なくとも30分40〜50℃で加えることにより、およそ7% (g/mL)の化合物(I)の2-メチルテトラヒドロフラン溶液に調整した。該懸濁液を、40〜50℃で少なくとも1時間撹拌し、それに続いて0〜10℃にゆっくりと冷却した。該懸濁液を少なくとも1時間0〜10℃で撹拌し、濾過した。ウェットケーキを冷n-ヘプタン/ 2-メチルテトラヒドロフラン(6:1)で洗浄し、50℃以下で真空下で乾燥させると、形態Cが白色結晶として生じた。図12に図示されるXRPD分析は、形態Cが、適度に平らなベースライン上で40°2θまで鋭い明確なピークを有し、圧倒的に結晶性であることを示す。

(6.5 医薬組成物) (6.5.1 40mg、200mg、及び300mgカプセル製剤) カプセル製剤を以下の通り製造できる:

(6.5.2 120mg、185mg、250mg、及び315mgカプセル製剤) カプセル製剤を以下の通り製造できる:

(6.5.3 150mg錠剤製剤) 錠剤製剤を以下の通り製造できる:

略語:NF=国民医薬品集、USP=米国薬局方 1加工の間に除去された

(6.5.4 315mg錠剤製剤) 315mg錠剤製剤を、湿式造粒法を利用して、以下の通り製造できる:

(6.5.5 代替的な315mg錠剤製剤) 315mg錠剤製剤を、湿式造粒法を利用して、以下の通り製造できる:

(6.5.6 100mg錠剤製剤) 100mg錠剤製剤を、湿式造粒法を利用して、以下の通り製造できる:

略語:NF=国民医薬品集、USP=米国薬局方 1加工の間に除去された

(6.5.7 250mg錠剤製剤) 250mg錠剤製剤を、湿式造粒法を利用して、以下の通り製造できる:

略語:NF=国民医薬品集、USP=米国薬局方 1加工の間に除去された

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