And the method for the synthesis of azine, Application to hydrazine manufacturing

申请号 JP34507589 申请日 1989-12-29 公开(公告)号 JP2650144B2 公开(公告)日 1997-09-03
申请人 エルフ アトケム ソシエテ アノニム; 发明人 JANNPIEERU SHIRUMAN; JANNPIEERU PURURII; PIEERU TERIE;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】過酸化水素と、アンモニアと、カルボニル基を有する化合物とからなる反応物からアジンを合成する方法において、 (a) 有機または無機の酸素酸とそのアンモニウム塩、無水物、エステル、アミド、ニトリルおよび過酸化アシルの中から選択される1種または複数の化合物の溶液からなる作動液と、上記の各反応物とをアジンが生成するまで接触させ、 (b) 生成したアジンから作動液を分離し、 (c) 作動液の一部または全部を150〜250℃の間の温度に加熱し且つ反応水を除去し、 (d) 反応水を除去した作動液を(a)段階へ再循環し、 (e) 上記各段階の任意の時点で作動液中に有機または無機の酸素酸とそのアンモニウム塩、無水物、エステル、アミド、ニトリルおよび過酸化アシルの中から選択される1種または複数の化合物を導入する ことを特徴とする方法。
  • 【請求項2】カルボニル基を有する化合物がアセトン、
    メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンよりなる群の中から選択される請求項1に記載の方法。
  • 【請求項3】アジンを加水分解して水加ヒドラジンにする工程をさらに含む請求項1または2に記載の方法。
  • 【請求項4】(a)段階での作動液の量が過酸化水素1
    モルに対して0.1から1kgの間である請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  • 【請求項5】(a)段階を30℃から70℃の間の温度で行う請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  • 【請求項6】(c)段階で作動液を170〜230℃の間の温度に加熱する請求項1に記載の方法。
  • 【請求項7】(c)段階を蒸留塔中で実施して、水を同時に除去し、この蒸留塔に横から作動液を供給し、この蒸留塔の底部の温度を130℃以上にする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  • 【請求項8】(e)段階で導入する化合物がアミド、アンモニウム塩およびニトリルよりなる群の中から選択される請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  • 【請求項9】アンモニウム塩が反応系内で形成される請求項8に記載の方法。
  • 【請求項10】(e)段階で導入する化合物が酢酸である請求項9に記載の方法。
  • 【請求項11】(e)段階で導入する化合物がフェニルアルソン酸である請求項9に記載の方法。
  • 【請求項12】(e)段階で導入する化合物がカコジル酸である請求項9に記載の方法。
  • 【請求項13】作動液から高沸点不純物を除去して作動液を精製する工程を含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  • 【請求項14】作動液を樹脂を通過させて作動液を精製する請求項13に記載の方法。
  • 【請求項15】(c)段階と(a)段階との間または(a)段階の反応中に、下記一般式: Q−X−Y=Z (ここで、 Qは水素、アルカリ金属またはアンモニウムであり、 XとZは酸素原子または窒素原子であり、 Yは炭素原子、窒素原子、砒素原子、アンチモン原子、
    燐原子、硫黄原子、セレン原子またはテルル原子であり、 X、YおよびZ原子は原子価の規則を充たすのに必要な置換基を有している) の触媒を作動液中に添加する請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はアジンの合成方法と、そのヒドラジン製造への応用に関するものである。

    従来技術 ヒドラジンは通常、和ヒドラジンの形をしており、
    そのままの形で用いられるか、合成中間体として広く用いられている。

    「カーク オスマー」第3版、第12巻、734〜755頁には、ヒドラジンは、塩素またはジャベル水(次亜塩素酸カリウムと塩化カリウムとの混合水溶液)を用いてアンモニアを酸化して製造するか、ケタジンを通って製造するか、アンモニアと過酸化水素とケトンとの反応によって製造されるということが記載されている。

    本発明は、上記の各製造方法の中で、特に過酸化水素を用いたプロセスに関するものである。 過酸化水素水を用いたヒドラジンの製造プロセスに関しては既に多数の特許、例えば、米国特許第3,972,878号、同第3,972,876
    号、同第3,869,541号、同第3,948,902号、同第3,919,25
    6号、同第3,919,256号および同第4,093,656号に記載されている。 上記「カーク オスマー(KIRK OTHER)」第3版、第12巻、734〜755頁には、上記の米国特許第4,09
    3,656号を引用してこのプロセスを実際に実施するための原理が記載されている。

    このプロセス法では、アセトアミドと燐酸ナトリウムとの存在下で、アンモニアと、過酸化水素水と、メチルエチルケトンとを反応させ、得られた反応生成物を分離することによって、用いたケトンに対応するアジンと、
    アセトアミドおよび燐酸ナトリウムを含む水溶液(以下、作動液という)とが得られる。 この作動液は、濃縮操作によって反応水と過酸化水素に随伴して反応系に入った水とを除去した後に、反応器に再循環される。 一方、アジンは加水分解されてヒドラジンとなり、メチルエチルケトンは回収されて、反応器(アジン合成用反応器)に再循環される。

    このプロセスを連続運転していると、上記作動液の活性が低下すること、すなわち、反応器の生産能が低下することが分かる。 従って、新たな作動液を補充する必要がある。 上記の米国特許第4,093,656号には種々の作動液の実施例が記載されている。

    また、上記の各公知文献には、上記アジンの合成プロセスでは各反応物を極めて広範囲の割合で変えることができるが、アジンの収率の変動を無くすためには、作動液中に含まれる各生成物の割合を一定に保つのが有利であるということが既に記載されている。

    特開昭47−14098号公報には、過酸化水素と、アンモニアと、ケトンと、ニトリルとからアジンを合成する方法が記載されている。 この方法ではニトリルはアミドに変換される(アセトニトリルがアセトアミドに変換される)が、アセトアミドはアセトニトリルへ戻す必要があり、工業的規模のプラントではこのアセトアミドをアセトニトリルへ戻す反応は約450℃で行なう必要がある。

    発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、上記作動液を細かく調節せずに、アジンを連続的且つ安定に製造することができる極めて簡単な方法を提供することにある。

    課題を解決するための手段 本発明は、過酸化水素と、アンモニアと、カルボニル基を有する化合物とからなる反応物からアジンを合成する方法において、 (a) 有機または無機の酸素酸とそのアンモニウム塩、無水物、エステル、アミド、ニトリルおよび過酸化アシルの中から選択される1種または複数の化合物の溶液からなる作動液と、上記の各反応物とをアジンが生成するまで接触させ、 (b) 生成したアジンから作動液を分離し、 (c) 作動液の一部または全部を150〜250℃の間の温度に加熱し且つ反応水を除去し、 (d) 反応水を除去した作動液を(a)段階へ再循環し、 (e) 上記各段階の任意の時点で作動液中にアジン製造反応を維持させるために(a)に記載の化合物を導入する ことを特徴とする方法を提供する。

    作用 上記の反応は下記の式によって表すことができる:

    過酸化水素は通常の市販の形、例えば、30から90重量%のH

    2 O

    2水溶液の形で用いることができる。 一般に、通常の過酸化物溶液の安定剤、例えば、燐酸、ピロ燐酸、


    クエン酸、ニトリロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸またはこれらの酸のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩等の1種または複数を添加するのが好ましい。 これら安定剤の使用量は、反応器の入口における反応物と作動液との全体の10から1000ppm、好ましくは、50から2


    50ppmにするのが好ましい。

    アンモニアは無水のアンモニアまたはアンモニア水溶液にすることができる。

    上記のカルボニル基を含む化合物は下記の式で表される:

    (ここで、R

    1とR

    2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素、1から12個の炭素原子を含むアルキル基、3


    から12の炭素原子を含む分岐アルキル基またはシクロアルキル基、6から12個の炭素原子を含む芳香族基または3から12個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキレンキ基を表し、これらの基はハロゲン、NO

    2基、ヒドロキシ基、アルコキシ基またはカルボキン酸エステル、好ましくはCl、NO

    2またはCH

    3 Oによって置換されていてもよい) この化合物の例はアルデヒドまたはケトンである。

    アルデヒドとしてはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−
    ペンタナール、ピバルアルデヒド、ベンズアルデヒド、
    モノクロロベンズアルデヒド、パラニトロベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、β−クロロプロピオンアルデヒド、β−メトキシプロピオンアルデヒドが挙げられる。

    ケトンとしてはアセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンが挙げられる。

    好ましくは、R 1とR 2が互いに同一または異なっており且つ1から5個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキルであるケトン、特に、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンを使用するのが好ましい。

    アジンは下記の式に従って加水分解されて水加ヒドラジンとなる。 :

    一方、上記反応で再生した下記反応物: は前記の反応器へ再循環される。

    本発明では、複数のアルデヒドの混合物、アルデヒドとケトンとの混合物または複数のケトンの混合物を用いることもできる。 例えば下記の式:

    (ここで、R

    3とR

    4は前記のR

    1とR

    2と同じ意味を持つ) の混合物を用いることができる。 さらに、下記ののものを含む混合物を用いることもできる: これらの混合を用いた場合には、下記の対称または非対称なアジン混合物が得られる: 既に述べたように、これらは加水分解によってケトンまたはアルデヒドの混合物に再生することができる。

    ケタジンの加水分解反応は、アメリカ合衆国特許第4,
    724,133号および4,725,421号に記載されている。

    各反応物は化学量論量で使用することができるが、過酸化水素1モルに対して上記のカルボニル基を有する化合物(アルデヒドまたはケトン)は0.2から5モル、好ましくは1.5から4モル、アンモニアは0.1から10モル、
    好ましくは1.5から4モル使用することができる。 上記作動液の量は過酸化水素1モルに対して0.1から1kgの範囲である。 作動液の質、すなわち、反応物をアジンに転化できる触媒力と活性は、(c)段階の処理と(e)段階の生成物によって決まる。 上記定義の反応物割合にすることによって、過酸化水素全部を転化することができ、使用した過酸化水素の50%以上、場合によっては90
    %がアジンになる。

    作動液は反応水を含み且つこの反応水を(c)段階まで運ぶことができる任意の溶液である。 この溶液の組成は分からないが、これが従来技術に比べた本発明の利点である。 まず、製造装置を始動させるための初期作動液を調製し、その後、製造開始後に、(c)段階の処理をし且つ(e)段階の化合物を導入することによって作動液をアジンの製造に適したものにする。 この場合、作動液の体積をモニターする。 この作動液の体積は、(c)
    段階で水を除去することによって調節することができる。 また、アジンの生成量を測定することによって、その活性を観察する。

    上記の初期作動液の調製方法は、(e)段階を説明する際に説明する。

    過酸化水素、アンモニア、カルボニル基を含む反応物と作動液との接触は任意の方法で行うことができる。

    好ましくは、均質媒体中またはアジンを得るのに十分なだけ各反応物を可溶化できる媒体中で操作する。 上記反応は極めて広範囲な温度、例えば0から100℃の範囲で行えるが、30から70℃が好ましい。 また、この反応は任意の圧力で行えるが、大気圧で操作するのがより簡単である。 しかし、(a)段階の反応を液相に維持するのが好ましい場合には、約10バールまで圧力を上昇させることもできる。

    各反応物は、作動液に同時または個別に任意の順序で添加できる。 また、任意の形式の反応装置が使用でき、
    反応装置には撹拌装置を付けても付けなくてもよく、単なる容器でもよい。 さらには、反応装置を並列または直列に配置することもでき、また並流または向流に反応物に流すことができる。 これらは任意に組み合わせ用いることができる。

    上記の(i)アジン(場合によってはさらに過剰量のカルボニル基を含む反応物を含むこともある)と(ii)
    作動液との分離は、公知の任意の方法、例えば、液−液抽出、蒸留またはこれらを組み合わせた方法によって行うことができる。

    アジンと過剰量のカルボニル基を含む反応物とは均質相を形成する場合と、部分的に混和する場合がある。 この混合物は、アジンを加水分解する前に分離しておくことが好ましい。 カルボニル基を含む反応物の過剰量と、
    アジンの加水分解後に回収される反応物とは反応装置に再循環することができる。 また、(a)段階でアンモニアが過剰な場合には、アンモニアが反応水と共に作動液中に随伴してくる。

    (c)段階の処理は、作動液の全部または一部から(i)反応水を除去し且つ(ii)それを130℃以上の温度に上昇させる操作である。 この(i)と(ii)の処理は任意の順序で行うことができ、さらには同時に行ってもよい。

    上記の反応水の除去は通常の操作であり、蒸留塔で行うことができる、この際には、水より揮発性の高い生成物も回収される。 水より揮発性が高い生成物としてはアンモニア、少量のカルボニル基を含む反応物〔(a)段階で水より軽い反応物を用いた場合〕、メタノールまたはエタノール〔これらが作動液に含まれている場合〕が挙げられる。 上記のアンモニア(場合によって含まれるカルボニル基が含まれる)は反応装置に戻される。 また、上記のメタノールまたはエタノールは、水から分離された後に、反応装置の(a)段階に再循環されるか、
    (c)段階の出口で作動液に混合される。 上記の130℃
    以上での処理は熱交換器また蒸留塔のリボイラーで行うことができる。

    この加熱では、作動液を150から250℃の温度、特に、
    170から230℃の温度にするのが好ましい。

    好ましくは、作動液を少なくとも130℃以上の温度に上げて反応水を同時に除去する。 さらに好ましくは、作動液を150から250℃の温度、特に170から230℃の温度に上げる。 この操作は種々の方法で実施できるが、加熱装置を備えた容器中で操作するのが好ましい。 この容器の上に蒸留塔またはそれと同じ機能を有するその他の装置よりなる蒸留手段を取付けることもできる。 作動液はこの容器/蒸留塔組立体の蒸留塔中に供給することができる。 本発明の好ましい実施態様では、この(c)段階を行う装置は蒸留塔である。 この蒸留塔の底(底部)は少なくとも130℃に維持されて、この蒸留塔に横から作動液が供給される。 この蒸留塔の圧力は、還流凝縮器への冷媒の流量を調節するか、底部の沸騰を確実にするための真空装置を用いる等の公知の方法で調節する。 この蒸留塔は、頭部で水と水より揮発性の高い生成物が得られるような形式のものにすることができる。 頭部では作動液の体積を一定にするために水を抜き出す。 ここで抜き出される水よりも揮発性の高い生成物としてはアンモニア、少量のカルボニル基を含む反応物〔(a)段階で水より軽いカルボニル化合物を用いた場合〕、メタノールまたはエタノール〔作動液に含まれている場合〕がある。 アンモニアと、場合によって含まれる上記カルボニル化合物とは反応装置に戻される。 メタノールまたはエタノールは水から分離された後に、(a)段階で反応装置へ再循環されるか、(c)段階の出口で作動液と混合される。 本発明の好ましい実施態様では、蒸留塔は5から50の理論段を有し、作動液の供給は蒸留塔の底部から3から20番目の段に行われる。

    本発明の好ましい実施態様である蒸留塔を用いた場合には、蒸留塔に供給される作動液の温度は110℃以下であり、蒸留塔の底部の温度は150から250℃であり、蒸留塔での滞留時間は10分から2時間である。 好ましい実施態様では供給温度は50から110℃であり、蒸留塔の底部の温度は170から230℃であり、滞留時間は10分から数時間の範囲である。

    (c)段階で作動液全部を処理する必要はなく、
    (b)段階の終わりに作動液の一部のみ処理し、次いで、(c)段階で処理された作動液の部分と未処理の部分とを混合し、その全体を(a)段階で反応装置に戻すこともできる。

    上記で処理される作動液の部分は、アジンの製造に必要なこの作動液の活性に応じて、好ましくは、作動液の少なくとも50重量%、より好ましくは60から100重量%
    である。

    本発明の方法の利点は、装置に初期作動液を入れ、その後は、この作動液を(c)段階で処理し且つアジンの製造を維持することのできる化合物をこの作動液に導入することによって、作動液を循環させることができる点にある。 上記の(e)段階で用いられる化合物は有機または無機のオキシ酸、そのアンモニウム塩およびその誘導体、例えば、無水物、エステル、アミド、ニトリル、
    過酸化アシルまたはこれらの混合物の中から選択することができる。 好ましくは、アミド、アンモニウム塩、およびニトリルが使用される。

    例としては、(i)式R 5 COOHのカルボン酸のアミド(但し、R 5は水素、1から20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基、3から12個の炭素原子を有する分岐または環状アルキル基または置換されていてもよいフェニル基である)、(ii)式R 6 (COOH) のポリカルボキシル酸のアミド(但し、R 6は1から10個の炭素原子を有するアルキレン基であり、nは1または2であり、nが2の時はR 6は単結合であってもよい)が挙げられる。 上記のR 5
    基とR 6基はハロゲン、OH基、NO基またはメトキシ基によって置換されていてもよい。 また、ヒ素の有機酸アミドを挙げることができる。

    上記アミドとしては、ホルムアミド、アセトアミド、
    モノクロルアセトアミドおよびプロピオンアミドが好ましい。

    上記アンモニウム塩の中では、水素酸、無機酸素酸(オキシ酸)、アリールスルホン酸、式:R 5 COOHの酸、
    式:R 6 (COOH) の酸(但し、R 5 、R 6およびnは前記と同様の意味をもつ)またはヒ素の有機酸を使用するのが好ましい。

    好ましいアンモニウム塩は、蟻酸塩、酢酸塩、モノクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、フェニルアルソン酸塩およびカコジル酸塩である。

    上記ニトリルとしては、好ましくは、式:R 7 (CN)
    (但し、R 7は1から12個の炭素原子を含む環式または非環式アルキル、ベンゼンまたはピリジンであり、nはR 7
    の原子価によって1から5まで変化する)の化合物が挙げられる。 R 7は(a)段階の反応装置中で酸化されない基、例えば、ハロゲン、カルボキシル基、カルボキン酸エステル、ニトロ、アミン、ヒドロキシまたはスルホン酸によって置換されていてもよい。

    好ましいニトリルは、アセトニトリルとプロピオニトリルである。

    作動液は、上記の有機または無機の酸素酸、そのアンモニウム塩およびそれらの誘導体、例えば無水物、エステル、アミド、ニトリル、過酸化アシルまたはそれらの混合物の中から選択された1種または複数の化合物を溶液にすることによって調製することができる。 好ましくは、アミド、アンモニウム塩またはニトリルを使用する。

    この作動液は水溶液、アルコール溶液または水とアルコールとの混合溶液にすることができる。 この場合のアルコールとしては、1から6個の炭素原子、特に、1から2個の炭素原子を有する飽和脂肪族アルコールを使用するのが好ましい。

    また、ジオール、特に、2から5個の炭素原子を有するジオールを使用するのも好ましい。 例えば、グリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、
    1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールおよび1,5
    −ペンタンジオールが挙げられる。

    先ず、上記作動液を(a)段階の反応装置と、(b)
    段階の分離装置と、(c)段階の処理装置との間を循環して(a)段階に戻す。 すなわち、アジンを製造しない「空」の状態で運転した後に、(a)段階の反応装置に反応物を徐々に導入を始める。 そうして、所定のアジンを製造できる状態になった時に、上記のアジン製造反応を維持させることができる化合物、好ましくは、アミド、アンモニウム塩またはニトリルの中から選択される化合物を連続的に導入する。

    本発明では、初期作動液を調製する場合または(e)
    段階で使われる作動液を調製する場合に、上記のアンモニウム塩を、反応系中でアンモニアから「その場で(in
    situ)」で作ってもよい。 この場合には、アンモニウム塩に対応したカルボン酸を用いるだけでよい。 例えば、酢酸アンモニウムの代わりに酢酸をもちいることができる。 この方法は、初期作動液を調製する場合にも同様である。 すなわち、過酸化水素を入れずにアンモニアを入れた状態で「空」運転し、上記のようにして調製された作動液を循環させた後に、反応物、すなわち、アンモニアと、過酸化水素と、カルボニル基を有する化合物を添加してアジンの製造を開始する。 上記の水、アルコールまたは水とアルコールとの混合物に導入する上記アミド、酸、アンモニウム塩またはニトリルの量は(a)
    段階の入口部での作動液の40から80重量%である。

    この量は酢酸と等量で表わされ、酢酸アンモニウム1
    モル、プロピオンアミド1モル、アセトニトリル1モルまたはホルムアミド1モルが酢酸1モルに等しい。 アミドのみ、アンモニウム塩のみ、またはニトリルのみでしか用いることができないが、これらの1つ自体が混合物である場合にはこれらの3つの化合物の中の2つの混合物を使用することができる。 (複数のアミド、複数のアンモニウム塩または複数のニトリル)。

    初期作動液は水に約50重量%の割合でアンモニウム塩を希釈して調製するか、このアンモニウム塩を反応系中でその場で酢酸から生成させるのが好ましい。 (e)段階で導入される化合物としては、上記のアミド、アンモニウム塩またはニトリルまたはこれらの混合物を全て使用することができる。 また、その場でアンモニウム塩が生成される全ての化合物、例えば、酢酸を使用することができる。 その量はアジンの製造状態に応じて調節する。 合成機構や、アジン製造における本発明方法の(c)段階および(e)段階の役目が分からなくても、
    上記のアジン製造反応を維持させるために添加する化合物の量は当業者が容易に決めることができる。

    一般に、この化合物の添加量は(a)段階の入口での作動液に対して多くとも1重量%で十分である。

    初期作動液を調製するのに用いる化合物と(e)段階で導入する化合物とは無関係で、任意の組合わせにすることができる。 好ましくは、作動液をその場で生成させたアンモニウム塩またはニトリルとし、(e)段階で用いる化合物をニトリル、カルボン酸R 5 COOHまたはR 6 (CO
    OH) とするのが好ましい。 特に好ましくは、酢酸とアンモニアを用いて作動液を作り、(e)段階では酢酸を導入するのが好ましい。

    本発明の好ましい実施態様では、作動液より沸点が高い不純物が除去される。 この場合には、作動液の全部または一部、特に、(c)段階から出てくる作動液の全部または一部を精製処理すれば十分である。 沸点が高いこれら不純物の除去は蒸留によって簡単に除去でき、作動液を調製するのに用いた化合物(またはその塩)またはその活性を維持するのに用いた化合物(混合物の場合には、より重い化合物)より沸点が高いものの全部または一部を抜き出せばよい。 この不純物の量は作動液全体の
    0.01から5重量%である。

    この不純物の量はわずかで、アジンの合成条件と、アンモニア、過酸化水素およびカルボニル基を有する化合物中に既に存在していた不純物の量に依存する。 不純物が存在していた過酸化水素からは重い不純物ができることが分かっている。

    上記不純物は上記の蒸留で除去すの代わりに、微小な孔を有する多孔質粒子によって構成された吸収(収着)
    剤に通過させることによって作動液から除去することもできる。 この吸収(収着)剤としては、例えば、米国特許第4,657,751号に記載のものを用いることができる。

    本発明の好ましい実施態様では、(c)段階と(a)
    段階との間または(a)段階での反応中に、アジン合成反応を安定化させることができる触媒を作動液に添加する。 この触媒は下記の式で表わされる: Q−X−Y=Z (ここで、Qは水素、アルカリ金属またはアンモニウムであり、XおよびZは酸素原子または窒素原子であり、
    Yは炭素原子、窒素原子、砒素原子、アンチモン原子、
    燐原子、硫黄原子、セレン原子またはテルル原子であり、X、YおよびZ原子は原子価の規則を充たすのに必要な置換基を有している) この触媒Q−X−Y=Zは、アンモニウムまたはアルカリ金属の燐酸塩、亜燐酸塩、ホスホネート、ポリホスホネート、ピロホスホネート、ヒ素塩、フェニルアルソネート、カコジル酸塩、重炭酸塩、アンチモン酸塩、錫酸塩、硫酸塩にすることができる。 さらに、これらに対応するエステル、特に1から5個の炭素原子を含む脂肪族アルコールのエステルを使用することができる。 その使用量は作動液と(a)段階の入口での反応物全体の10
    から1000ppm、特に、50から250ppmの範囲であるのが好ましい。 特に、アルカリ金属のホスホネートとオルト燐酸二ナトリウム塩が好ましい。

    実施例 添付第1図は本発明の一つの実施方法を示している。
    参照番号20は(a)段階の反応装置であり、30は作動液からアジンを分離するデカンタであり、40は(c)段階を実施するためのカラム(蒸留塔)であり、50は重い不純物を除去するためのイオン交換樹脂を用いた装置であり、60はアジンを加水分解する装置を示している。 図面を分かり易くするために、ポンプや弁や蒸留塔40の還流装置は図示していない。

    参照番号1はメチルエチルケトン(MEK)の再循環路であり、2はMEKのメイクアップ(補充路)であり、3
    は過酸化水素の供給路であり、4はアンモニアの供給路であり、5は作動液の循環路である。 アジンと作動液との混合物は矢印6の方向に抜き出され、デカンタ30中で分離される。 アジンは7の方向に送られて60で加水分解され、8から水加ヒドラジンが得られる。 MEKは矢印1
    の方向に従って反応装置20へ再循環される。 矢印9に従って抜き出された作動液は塔40に送られ、塔40からは矢印10に従って水と少量のアンモニアが回収される。 この塔底成分11は多孔質ポリスチレンからなる吸収樹脂50を通過する。 この多孔質ポリスチレン吸収樹脂は体積多孔度が51%、表面積が750m 2 /g、孔の平均直径が50Å、粒径が1.2から0.3mm(20〜50メッシュ)である。 この吸収樹脂50を通過した作動液は、入口路5を介して反応装置
    20に戻される。 本発明方法では、12の位置で(e)段階で導入される酢酸が添加され、13の位置で燐酸二ナトリウム塩が添加される。

    実施例1 第1図の装置を用いて操作したが、9の作動液の30重量%を蒸留塔40で処理しないで、吸収装置50の後に、処理済の部分に合流させた。

    作動液は、蒸留塔40を徐々に加熱しながら水と、酢酸と、アンモニアとを混合して調製した。 この酢酸アンモニウム形成するために使用した酢酸の量は、作動液の約
    50重量%であった。 定常状態はは下記通りであった: (1) 2からメチルエチルケトン(MEK)を100kg/時で補充、 (2) 3からEDTAで安定化させたH 2 O 2を1000kg/時で供給(70%溶液の形)H 2 O 2 100%として表示、 (4) 4からNH 3を1000kg/時で供給、 (5) 13から燐酸二ナトリウムを3kg/時で供給、 (6) 12から酢酸を60kg/時で供給、 (7) 反応装置20は50℃で運転、 (8) 5での作動液の流量は11,000kg/時、 (9) 7からは下記の式のケカジンが流量3,900kg/時で得られる: CH 3 (C 2 H 5 )C=N−N=C(C 2 H 5 )CH 3 (9) 9からの50℃の作動液を蒸留塔40のボイラーの上方の第11段目に供給する。 この供給段と塔の頭部との間には19段のプレートが存在している。 蒸留塔40の塔頭の圧力は0.9絶対バールであり、塔底温度は180℃であり、リボイラーには絶対圧18バールの蒸気を10,500kg/
    時で供給した。

    実施例2 実施例1と同様に操作したが、上記の酢酸アンモニウムの代わりに蟻酸アンモニウムを用い、作動液を200℃
    に加熱可能な加熱容器30を通してから蒸留塔40に送った。 上記加熱容器は、蒸留塔40のボイラーと直列に加熱した。 この加熱容器と蒸留塔40のボイラーでの蒸気量は
    10,500kg/時であった。

    上記蟻酸塩は、蟻酸を添加することによって、反応系中でその場で形成した。

    12の位置からは、60kg/時で供給した上記酢酸の代わりに、蟻酸を53kg/時で供給した。 他の操作条件は実施例1と同様にした。

    【図面の簡単な説明】

    第1図は本発明方法の1実施方法を示す図。 (主な参照番号) 20……(a)段階の反応装置 30……作動液からアジンを分離するデカンタ 40……(c)段階を実施する塔 50……重い不純物を除去するためのイオン交換樹脂式の吸収装置

    フロントページの続き (72)発明者 ジャン―ピエール プルヴリー フランス国 65250 ラ バルト ドゥ ネスト シャントメルル ニュメロ 2 (72)発明者 ピエール テリエ フランス国 69110 サン フワ レ リヨン ルート ドゥ ラ リベラシヨ ン 106 (56)参考文献 特開 昭47−14098(JP,A) 特開 昭55−154951(JP,A) 特公 昭61−2654(JP,B2)

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