3−ベンジルオキシベンゼンチオールの製造方法

申请号 JP2008551029 申请日 2007-12-13 公开(公告)号 JPWO2008078563A1 公开(公告)日 2010-04-22
申请人 住友精化株式会社; 发明人 宗明 田中; 宗明 田中; 幹生 山本; 幹生 山本; 藤田 浩司; 浩司 藤田;
摘要 本発明は、一般式(1);[化1](式中、Xはハロゲン 原子 を示す。)で表される3−ベンジルオキシハロベンゼンと金属マグネシウムとを反応させて一般式(2);[化2](式中、Xは前記と同様である。)で表されるグリニャール試薬となし、このグリニャール試薬と硫黄とを反応させることを特徴とする式(3);[化3]で表される3−ベンジルオキシベンゼンチオールの製造方法を提供する。
权利要求
  • 一般式(1);
    (式中、Xはハロゲン原子を示す。)で表される3−ベンジルオキシハロベンゼンと金属マグネシウムとを反応させて一般式(2);
    (式中、Xは前記と同様である。)で表されるグリニャール試薬となし、このグリニャール試薬と硫黄とを反応させることを特徴とする式(3);
    で表される3−ベンジルオキシベンゼンチオールの製造方法。
  • グリニャール試薬1モルと硫黄0.4〜5モルとを反応させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 说明书全文

    本発明は、3−ベンジルオキシベンゼンチオールの製造方法に関する。 3−ベンジルオキシベンゼンチオールは、免疫抑制剤等の医薬品等の製造中間体として有用な化合物である。

    3−ベンジルオキシベンゼンチオールの製造方法に関して、種々の方法が知られている。

    例えば、下式に示すように、3−ベンジルオキシアニリンに亜硝酸ナトリウムを反応させてジアゾ化合物を得て、それとジチオ炭酸O−エチルカリウムとを反応させた後、リチウムアルミニウムハイドライドを用いて還元する方法が知られている(WO 2005/087731 A1、第134頁)。

    しかしながら、この方法は、前記ジアゾ化合物が不安定な爆発性化合物であるために実用性に乏しく、前記リチウムアルミニウムハイドライドも取り扱いが困難である。

    また、下式に示すように、DMSO溶媒中にて3−ベンジルオキシフェノールに素化ナトリウムとジメチルチオカルバモイルクロリドとを加えてO−(3−ベンジルオキシ)フェニルジメチルチオカルバメートを得た後、減圧下(4.53kPa)、高温で撹拌することにより、S−(3−ベンジルオキシ)フェニルジメチルチオカルバメートに熱転移させて、これをアルカリ加水分解する方法が知られている(EP 1806338 A1、第5−6頁)。

    しかしながら、この方法によると、高温で反応させる必要があるために製造コストが高くなる。

    本発明の課題は、3−ベンジルオキシベンゼンチオールを安価で容易に製造する方法を提供することにある。

    本発明は、下記に示すとおりの、3−ベンジルオキシベンゼンチオールの製造方法を提供するものである。

    1. 一般式(1);

    (式中、Xはハロゲン原子を示す。)で表される3−ベンジルオキシハロベンゼンと金属マグネシウムとを反応させて一般式(2);

    (式中、Xは前記と同様である。)で表されるグリニャール試薬となし、このグリニャール試薬と硫黄とを反応させることを特徴とする式(3);

    で表される3−ベンジルオキシベンゼンチオールの製造方法。

    2. グリニャール試薬1モルと硫黄0.4〜5モルとを反応させることを特徴とする上記項1に記載の方法。

    以下、本発明を詳細に説明する。

    本発明に用いられる3−ベンジルオキシハロベンゼンは、下記一般式(1)で表される。

    一般式(1)において、Xはハロゲン原子を示す。

    Xで示されるハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等が挙げられる。 これらの中でも、経済性の観点から塩素原子および臭素原子が好ましい。

    上記3−ベンジルオキシハロベンゼンは、例えば、市販の相当する3−ハロフェノールを用いて、これとベンジルハライドとを反応させることにより製造することができる。 具体的には、アセトン、メタノール、ジメチルホルムアミド等の溶媒に、3−ハロフェノール並びに水酸化ナトリウムや炭酸カリウム等の塩基を溶解させた後、撹拌下、ベンジルクロライド等のベンジルハライドを添加して反応させる。 次いで、上記溶媒を留去した後、ヘプタン、トルエン、モノクロロベンゼンおよび酢酸エチル等の抽出溶媒並びに水を添加して分液し、有機層から抽出溶媒を留去することにより、3−ベンジルオキシハロベンゼンを容易に得ることができる。

    式(3);

    で表される3−ベンジルオキシベンゼンチオールの製造方法は、例えば上記のようにして得られる3−ベンジルオキシハロベンゼンと金属マグネシウムとを反応させてグリニャール試薬となし、さらにこれと硫黄とを反応させることを特徴とする。

    本発明に用いられる金属マグネシウムの使用割合は、特に制限されるものではないが、収率を向上させる観点および経済性の観点から、3−ベンジルオキシハロベンゼン1モルに対して、0.5〜2.0モルの割合であることが好ましく、0.9〜1.2モルの割合であることがより好ましい。

    上記グリニャール試薬を得るための反応の溶媒としては、特に制限されるものではないが、例えば、テトラヒドロフランおよびジエチルエーテル等を挙げることができる。

    反応溶媒の使用量は、特に限定されないが、例えば、上記3−ベンジルオキシハロベンゼン100重量部に対して、100〜600重量部であることが好ましい。

    反応温度は、40〜60℃であるのが好ましい。 また、反応時間は、反応温度により異なるが、10分〜1時間であるのが好ましい。

    本発明において、上記グリニャール試薬の反応生成率は、通常、90%以上である。 得られたグリニャール試薬は、例えば、1,10−フェナントロリン等の指示薬を添加し、これに2−ブチルアルコール等の2級アルコールを滴下する滴定法等により定量することができる。

    上記のようにして得られるグリニャール試薬は、下記一般式(2)で表される。

    一般式(2)において、Xは上記一般式(1)におけるXと同じハロゲン原子を示す。

    本発明の3−ベンジルオキシベンゼンチオールの製造方法において、上記グリニャール試薬は、テトラヒドロフランおよびジエチルエーテル等の反応溶媒に溶解させたものをそのまま用いることができる。

    本発明に用いられる硫黄の使用割合は、特に制限されるものではないが、収率を向上させる観点および経済性の観点から、グリニャール試薬1モルに対して、0.4〜5モルの割合であることが好ましく、0.9〜1.4モルの割合であることがより好ましい。

    グリニャール試薬と硫黄とを反応させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフランおよびジエチルエーテル等の溶媒に硫黄を混合、分散させた後、上記溶媒に溶解させたグリニャール試薬をこれに滴下する方法等を挙げることができる。

    当該反応に使用する溶媒の使用量は、特に限定されないが、例えば、グリニャール試薬100重量部に対して、200〜800重量部であることが好ましい。

    反応温度は、0〜50℃であるのが好ましく、5〜30℃であるのがより好ましい。 また、反応時間は、反応温度により異なるが、0.5〜6時間であるのが好ましい。

    本発明において、3−ベンジルオキシベンゼンチオールは、当該反応液に塩酸、硫酸およびリン酸等の酸を加えて加水分解させることにより得ることができる。

    具体的には、例えば、上記反応終了後、適量の上記酸を加えた後、抽出溶媒としてのトルエン等を加えて分液し、有機層から抽出溶媒を留去することにより、3−ベンジルオキシベンゼンチオールを単離することができる。 また、メタノール等の低級アルコールおよび水を用いて再結晶させることにより精製することができる。

    本発明によれば、3−ベンジルオキシベンゼンチオールを安価で容易に製造することができる。

    以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、この実施例によって何ら限定されるものではない。

    製造例1
    撹拌機、温度計および還流冷却器を備え付けた2L容の4つ口フラスコに、メタノール865ml、3−ブロモフェノール173.0g(1.0モル)および炭酸カリウム152.0g(1.10モル)を仕込んだ。 この溶液を68℃に保ちながら、撹拌下、ベンジルクロライド146.0g(1.15モル)を滴下し、引き続き7時間68℃に保持した。 反応終了後、メタノールを留去した後、トルエン600mlおよび水400mlを加えて撹拌した後、分液し、トルエンを留去して濃縮した。 次いで、ヘプタン830gを添加し、昇温溶解後に0℃まで冷却した後、濾過し、減圧乾燥することにより、白色結晶の3−ベンジルオキシブロモベンゼン205.5g(0.78モル)を得た。

    実施例1
    撹拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えた2L容の4つ口フラスコに、金属マグネシウム19.9g(0.82モル)およびテトラヒドロフラン400ml(355g)を仕込み、混合液を得た。 これとは別に、撹拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えた1L容の4つ口フラスコに、製造例1で得られた3−ベンジルオキシブロモベンゼン205.5g(0.78モル)およびテトラヒドロフラン500ml(444g)を仕込み、均一溶液を得て、このうち50mlを40℃にて上記混合液に10分かけて滴下した。 上記混合液が黒褐色に変色したことを確認した後、上記均一溶液の残り全量をさらに1時間かけて滴下して、グリニャール試薬溶液(グリニャール試薬として0.70モル)を得た(グリニャール試薬の反応生成率90%)。

    撹拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えた5L容の4つ口フラスコに、硫黄25.0g(0.78モル)およびテトラヒドロフラン362ml(321g)を仕込み、5℃に冷却した後、これに上記グリニャール試薬溶液全量を30分かけて滴下し、その後30℃で20分間撹拌した。 反応終了後、21重量%塩酸330mlを滴下した後、さらにトルエン1000mlを添加し、撹拌後、分液、留去して濃縮した。 この濃縮液にメタノール370mlを加えて撹拌し、さらに水240mlを滴下して結晶化させた後、ろ過、乾燥することにより、白色結晶の3−ベンジルオキシベンゼンチオール143.4g(0.66モル)を得た。 得られた3−ベンジルオキシベンゼンチオールの収率は、3−ベンジルオキシブロモベンゼンに対して84.6%であった。

    QQ群二维码
    意见反馈