【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、X線非晶質(roen tgenamorph)のケイ酸亜鉛触媒及び/又は主にヘミモルファイトの組成を有するもしくはヘミモルファイトの構造を有する結晶性ケイ酸亜鉛触媒の存在で、エノールエーテル又はアセタールもしくはケタールの形でアルデヒド及びケトン又はその誘導体を形成させながら、ヒドロキシル基含有化合物をアルキン又はアレンに付加する方法に関する。 さらに、本発明は、このようなX線非晶質のケイ酸亜鉛の新規の製造方法、及びこうして得られた触媒、並びにヘミモルファイト構造を有する触媒の製造方法に関する。 【0002】ヒドロキシル基含有化合物をアルキンもしくはアレンと付加することは、ほとんど例外なく、均質に溶解した触媒、例えば酸、塩基及び遷移金属錯体(Ho uben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Bd 6/ 3, S. 233, S. 90, Bd. 5/2a,S. 738, Bd. 6/1d, S. 13 6及びBd. 7/a, S. 816参照)を用いて実施される。 【0003】この酸触媒は、たいていは活性化された電子の多いアルキン(例えばアセチレンエーテル、R−C ≡C−OR′、アセチレンチオエーテル、R−C≡C− SR′及びアセチレンアミン、R−C≡C−NR′ 2 ) の付加に限定される。 【0004】塩基触媒(KOH又はアルコラートの存在での)はアルコールを液相中で活性化されていないアルキンに付加することもできる。 これは通常の方法であり;高い温度及び圧力の反応を必要とし、時空収量は比較的低い。 一般に、塩基触媒によるアルコールのビニル化のために、約160℃で18〜20barの圧力で6 〜10hの滞留時間が必要である。 【0005】この付加は液相中での遷移金属錯体によっても触媒することができる。 アルコールの付加のためには特に水銀(II)塩又は金(I)塩が適しており、カルボン酸及びフェノールの付加のためには亜鉛塩及びカドミウム塩が有利である。 【0006】カルボン酸(特に酢酸及びプロピオン酸) のアセチレンへの付加は、触媒として表面積の大きい担体上の相応するカルボン酸亜鉛(同様にCH23975 2による塩基性カルボン酸亜鉛)の存在で気相中で実施することができる。 【0007】最後に、気相中で活性炭又はシリカゲル上での酸化亜鉛(DD265289)もしくは活性炭又はシリカゲル上での硝酸亜鉛(DD267629)の存在でのメタノールのプロピンもしくはプロパジエンへの付加もすでに記載されている。 【0008】これら全ての先行技術の方法は欠点を有する。 この方法は適用分野が限定されるか又は塩基触媒を用いた付加のように安全性の問題を引き起こしかねない高い圧力及び高い温度を必要とするか、又は僅かな時空収量を有するにすぎない。 均質に溶解した遷移金属触媒は、しばしば僅かなサイクル数の後に失活し、それ以外に回収が困難である。 アルキンもしくはアレンへの付加のための不均一触媒は今までに記載されているのはまれである。 活性炭上のカルボン酸亜鉛もしくはカルボン酸カドミウムはカルボン酸(例えば酢酸又はプロピオン酸)のアセチレンへの付加を触媒するにすぎない。 活性炭又はシリカゲル上の酸化亜鉛をベースとする上記の触媒(DD265289)はアルコール(メタノール又はエタノール)のプロピンもしくはプロパジエンへの付加を良好な選択率(90〜96%)で触媒することができるが、この触媒活性は比較的僅かで、必要とされる反応温度及び接触時間が高い。 活性炭又はシリカゲル上の硝酸亜鉛は、同じ温度で酸化亜鉛よりも活性の程度は低く、選択性は著しく少ない(最大70%)。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題は、ヒドロキシル基含有化合物のアルキン、アレン又はこれらの混合物への付加のためにできる限り低い温度で活性でかつ選択性の不均一触媒を提供することであった。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明により、式I又は式II: 【0011】 【化3】 【0012】[式中、R 1は水素又は脂肪族基、環式脂肪族基、芳香脂肪族基、芳香族基又は複素環式基又はアシル基を表し、その際これらの基はアセチレン又はアレンと反応しない他の基を有していてもよく、基Rは相互に無関係に水素、又は脂肪族基、環式脂肪族基、芳香脂肪族基、芳香族基又は複素環式基を表し、これらの基は相互に結合して1個の環を形成していてもよく、mは0 又は1を表す]の化合物を製造するために、式III: R 1 OH III の化合物を、式IV又は式V: 【0013】 【化4】 【0014】[式中、R 1及びRは前記した意味を表す]で示されるアセチレン又はアレンと、気相中で、高めた温度で、ケイ酸亜鉛含有の触媒の存在で付加する方法において、ケイ素化合物、特にアルカリ土類金属又はアルカリ金属のケイ酸塩及び亜鉛化合物、特に亜鉛塩からなる水溶液中での析出により得られるケイ酸亜鉛を含有するか又は前記ケイ酸亜鉛からなる触媒を使用して、 この場合、このケイ酸亜鉛は、 a) 主に、式VI: Zn a Si c O a+2c-0.5e (OH) e・fH 2 O VI [式中、eは0〜2a+2cの和までの値を表し、a: cの割合は1〜3.5、有利に1.5〜2.8、さらに有利に1.9〜2.3、特に2〜2.1であり、f:a は0〜200、有利に0〜2.5、特に有利に0〜0. 25である]で示されるX線非晶質ケイ酸亜鉛である、 及び/又は b) 主に式Zn 4 Si 2 O 7 (OH) 2・H 2 Oのヘミモルファイト構造を有する結晶性ケイ酸亜鉛であり、その際、亜鉛は化学量論的組成に関して25%の不足量又は過剰量で存在することができる、式I又は式IIの化合物の製造方法により解決される。 【0015】本発明により使用すべき非晶質の触媒(a)は物理学的に特性決定することもできる。 このような触媒はCu−K α−1放射線(λ=1.5406 Å)の使用の際に、粉末X線回折図において、2θ=3 1±5゜と2θ=61±7゜での2つの広幅の帯域を示す。 【0016】本発明により使用すべきケイ酸亜鉛は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、 銅、カドミウム及び水銀からなるグループ(A)、及びチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、スズ及び鉛からなるグループ(B)から選択される他の金属により、80モル%まで、有利に50モル%まで、特に20モル%までドープされていることができ、この場合、式VIにおいてグループ(A)の元素は部分的に亜鉛を置き換え、グループ(B)の元素は部分的にケイ素を置き換える。 カドミウムの場合、Znは完全にカドミウムに置き換えられていていることができる。 しかしながらケイ酸カドミウムはカドミウムの毒性のため有利ではない。 【0017】亜鉛対ケイ素の割合が約2である場合、式VIの触媒は、(結晶性の)ヘミモルファイトの組成に一致し、式VIの本発明によるX線非晶質のケイ酸亜鉛は水性懸濁液中で長時間加熱することによりこの組成に移行する。 【0018】ヘミモルファイト構造を有する触媒として、亜鉛対ケイ素の割合が化学量論的でないようなもの、むしろ1.6〜2.5の原子比Zn:Siに相当する、25%の不足量又は過剰量の亜鉛を有するようなものを使用することもできる。 0〜20%、特に0〜10 %の亜鉛過剰量を示すヘミモルファイト触媒が有利である。 【0019】本発明による反応にとって重要なのは、活性成分として少なくとも大部分が式Zn 4 Si 2 O 7 (O H) 2-y O y・xH 2 O(式中、x及びyは0〜1の値を表す)のヘミモルファイト構造を有するケイ酸亜鉛を含有する不均一触媒を使用することである。 【0020】ヘミモルファイトの製造は文献から公知である。 【0021】この製造は通常条件下で又は熱水条件下で行うことができる。 【0022】A) ヘミモルファイト−触媒 a) 通常条件下での製造 AG Merkulov u. BS Khristoforov, (Tr. Soveshc h. Eksp. Tekh. Mineral. Petrogr., 8th (1971), Meet ing Date 1968, 322-8; Editor(s): VV Lapin; Publ isher: "Nauka", Moscow, USSR)は、水溶液中で90〜 100℃の温度で及び常圧で多様な亜鉛塩(炭酸塩、硫酸塩、塩酸塩、酢酸塩、酸化物)とNa−ケイ酸塩及び苛性ソーダ液との反応による多様なZn−ケイ酸塩の製造を記載している。 この場合、pH値を調節することによって多様なケイ酸亜鉛が形成される。 5〜6の最終p H値でZn 3 Si 4 O 10 (OH) 2・nH 2 Oの組成を有する純粋なソーコナイトが得られる。 純粋なウィレマイト(α−Zn 2 SiO 4 )は6.5〜8.5のpH領域で生じる。 それに対して純粋なヘミモルファイト(Zn 4 S i 2 O 7 (OH) 2・H 2 O)は10より大きいpH値で弱アルカリ性媒体中でのみ晶出される。 【0023】前記の著者の他の文献(AG Merkulov u. BS Khristofrov, Izv. Sib. Otd. Akad. Nauk SS SR, Ser. Khim. Nauk (1969), (4), 70 - 4)には、純粋なヘミモルファイトが、90〜100℃で大気圧で水溶液中で10〜12のpH範囲内で、亜鉛塩と珪酸ナトリウム及び苛性ソーダ液との反応の際に生成されることが記載されている。 【0024】さらに、T. Baird, AG Cairns Smith a nd DS Snell (Reactivity of Solids, Proc. Int. S ymp., 8th (1977), Goeteborg, Meeting Date 1976, 33 7 -42; Editor(s): J. Wood, O. Lindqvist u. C. Helg esson; Publisher: PlenumPress, New York, NY) は、水溶液中でpH10でZn(OH) 2とケイ酸及びLiOHとの反応により大きな結晶のヘミモルファイトを製造することができた。 【0025】最後に、H. Nagata, M. Matsunage u. K. Hosokawa (Zairyo-to-Kankyo (1993) 42, 225 - 233)により、硫酸亜鉛水溶液を苛性ソーダ液及び珪酸ナトリウム水溶液とpH13で反応させ、得られた沈殿物を分離し、洗浄し、85℃で少なくとも24時間貯蔵することによりヘミモルファイトが製造された。 【0026】b) 熱水による製造 EP165647により、ヘミモルファイトは酸処理した粘土鉱物及び酸化亜鉛もしくは水酸化亜鉛から、熱水条件(170℃、5時間)下で製造することができる。 しかしながら、粘土を酸により前処理することは著しく費用がかかり、従ってこの方法は不利である。 【0027】DM Roy u. FA Mumpton (Econ. Geo l. (1956) 51, 432 - 443)によると、さらにヘミモルファイトは175〜200℃でのZnO及びSiO 2からの混合物の熱水反応により得ることができる(組成:3 ZnO+2SiO 2 )。 この得られた生成物は大部分がヘミモルファイトを含有するが、しかしながらソーコナイト(Zn 3 Si 4 O 10 (OH) 2・4H 2 O)によって汚染されている。 【0028】最後に、P. Taylor u. DG Owen, (Poly hedron (1984) 3(2) 151 - 155)は、150℃で水溶液中でのZnOとSiO 2との反応によるヘミモルファイトの熱水合成を記載している。 しかしながら、ヘミモルファイトの高い割合を有する生成物を製造するために、 少なくとも4日間の反応時間が必要であった。 【0029】上記の公知方法により得られたヘミモルファイト−生成物は本発明による付加反応のための触媒として良好に適しているが、その特性をなお改善し、かつ再現可能な良好な特性プロフィールを有する触媒が製造される製造方法を提案することが望ましいことが判明した。 【0030】従って、新規の製造方法は常圧でも熱水条件下でも行うことができ、その際、アルカリ金属ケイ酸塩又はアルカリ土類金属ケイ酸塩、有利にケイ酸ナトリウムを、亜鉛塩、特に硝酸亜鉛、及び塩基、例えばアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物、特に水酸化ナトリウムと水溶液中で、4〜9.5、有利に5.5〜8のpH値で、特に中性点付近のpH値、例えばpH6〜7.5で、常圧の場合に50〜100℃の温度で、特に70〜100℃の温度で、熱水条件の場合には100〜250℃の温度で、有利に100〜200℃ の範囲内で反応させる。 【0031】この新規の製造方法により、2のZn/S i割合を有する純粋なヘミモルファイトを合成することができる。 しかしながら、1.6〜2.5のZn:Si の原子比に相当する亜鉛に関して25%までの不足量又は過剰量を有するヘミモルファイト調製物も得ることができる。 触媒として0〜20%の亜鉛過剰量を有するヘミモルファイトが有利である。 特に0〜10%の亜鉛過剰量を有するヘミモルファイトが有利である。 【0032】ヘミモルファイト生成物は合成の際に、白色の結晶性沈殿物として水性懸濁液の形で生じ、適当な処置により、例えば濾過又は遠心分離により水溶液から分離しなければならない。 濾過の場合に、得られたフィルターケークは従って可溶性の塩を除去するために十分に洗浄し、引き続き乾燥される。 この乾燥は600℃までの温度で行うことができ、90〜450℃の温度範囲が有利である。 熱重量分析は、Zn 4 Si 2 O 7 (OH) 2 ・H 2 Oの組成の晶出したヘミモルファイトがほぼ10 0〜200℃の温度範囲でその結晶水を失う割合が多くなることを示し、この場合、Zn 4 Si 2 O 7 (OH) 2・ xH 2 O(式中、xは1より小さい)の組成のヘミモルファイト調製物が生じ、xは温度の上昇と共に減少する。 約200〜600℃の高温で乾燥させる場合、さらに、ヘミモルファイト構造の維持下に、ヘミモルファイト中に含まれるOH -イオンを、O 2-イオンと分離したH 2 Oとに変換し(2OH - → H 2 O+O 2- )、その際、Zn 4 Si 2 O 7 (OH) 2-2 y O y (式中、y=0〜 1)の組成のヘミモルファイト調製物が生じ、この場合、yは温度の上昇と共に増加する。 【0033】600℃まで、有利に90〜450℃の温度での乾燥後に得られた、Zn 4 Si 2 O 7 (OH) 2-2y O y・xH 2 O(式中、x及びyは0〜1の値を表す)の組成のヘミモルファイト調製物は、引き続き通常の付形方法を用いて、例えばタブレット化、ストランド化によって、又はステアタイト球上の外殻触媒として触媒成形体に加工することができる。 詳細は実施例に記載する。 【0034】B) X線非晶質のケイ酸亜鉛触媒 主に、結晶性ヘミモルファイトの製造のための前段階と同じ製造条件下であるがより短い反応時間で、改善された触媒特性を有するX線非晶質の生成物が得られることが見出された。 【0035】このために、本発明の場合、例えばアルカリ金属ケイ酸塩又はアルカリ土類金属ケイ酸塩の水性懸濁液を、亜鉛塩の水溶液と、 a) 20℃、有利に50℃〜生じた水性懸濁液の沸点までの温度で、 b) 4〜9.5のpH値、有利に中性点付近のpH値で、 c) 式VIの条件が満たされるようなアルカリ金属ケイ酸塩と亜鉛塩とのモル比で、 d) ケイ酸亜鉛の晶出が著しい程度で生じないような滞留時間を維持して反応させる。 【0036】こうして得られた主にX線非晶質のケイ酸亜鉛は、Zn 2+イオン、Si 4+イオン及びO 2-イオンを含有し;さらにOHイオンと水和水との結合を含有することもできる。 Zn/Si割合は、0.3〜5、有利に1〜2.7、さらに有利に2〜2.3、特に有利に2である。 後者の場合、従ってX線非晶質のケイ酸亜鉛は結晶性ヘミモルファイト(Zn 4 Si 2 O 7 (OH) 2・H 2 O)のZn/Si割合を示す。 Cu−Kα 1放射線(λ =1.5406Å)の使用下で得られた本発明によるX 線非晶質のケイ酸亜鉛の粉末X線回折図は、図2に記載されており、その際、回折されたX線の強度Aは2倍の回折角(2θ)の関数としてプロットされている。 この本発明によるX線非晶質のケイ酸亜鉛の粉末X線回折図は、10゜〜90゜の2θ領域において、2θ=31゜±5゜及び2θ=61゜±7゜で著しく広幅の最大強度を示した。 図2において、本発明によるX線非晶質のケイ酸亜鉛の前記の広幅の回折反射上からさらにシャープな線を認識することができ、この線はわずかな量の結晶性ZnOの形成に分類することができる(JCPDS− ICDD索引カード(1995)のカード5−055 5)。 その他に少量のZn 5 (NO 3 ) 2 (OH) 8・2H 2 Oも出現している(JCPDS−ICDD索引カード(1995)のカード24−1460)。 【0037】新規のX線非晶質のケイ酸亜鉛は製造の際に粉末として生じる。 この粉末はそれ自体触媒反応のために使用することができる(例えば流動層反応器中で) 又は成形後に(例えばストランド化、タブレット化など、場合により助剤の添加下で)固相触媒に適した形で使用することができる。 【0038】使用の前に、この触媒は80℃〜750℃ の温度でか焼することができる。 有利に、この触媒は1 20℃〜500℃でか焼される。 特に有利なのは空気中で200℃〜400℃でのか焼である。 孔容量を高めるために、成形の際に、例えばタブレット化又はストランド化の際に孔形成剤(例えば超吸収体(Suberabsorbe r)、例えばLutexal P (R) (Firma BASF AG)又はWalocel (R) (メチルセルロース/プラスチック−組合物, Firma Wolff, Walsrode AG))を添加することもできる。 【0039】本発明による反応のための出発物質として、任意のアルキン又はアレン又はこれらの混合物が挙げられる。 しかしながら、一般に、工業的に容易に入手可能な2〜8個のC原子を有するアセチレン及び3〜8 個のC原子を有するアレンが使用される。 特に有利には、プロピン及びアレンであり、特にこれらを含有する炭化水素流である。 【0040】ヒドロキシル基含有化合物R 1 OHは、 水、任意のアルコール、フェノール又はカルボン酸であることができる。 一般に、アルコール、特に1〜16個のC原子を有するアルカノール、1個の環を有するフェノール及び低分子の(例えば1〜16個のC原子を有する)カルボン酸が挙げられる。 低分子のアルコール及び特にメタノールを使用するのが特に有利である。 【0041】ヒドロキシル基含有化合物の付加は、不均一で存在する触媒の存在で気相中で、固相を介して又は流動層中で50〜400℃、有利に100〜250℃、 特に有利に120〜200℃の温度で、0.1〜100 bar、特に0.8〜20barの圧力(全ての圧力は出発物質の部分圧の合計に関する)で行われる。 【0042】場合により、この反応混合物は運転の安全性及び熱の搬出の改善の理由から、不活性ガス、例えば窒素、アルゴン、低分子アルカン又はオレフィンで希釈されていてもよい。 【0043】ヒドロキシル基含有成分とアルキンもしくはアレンとのモル比は、0.01〜100にあることができる。 0.1〜5の範囲を選択するのが有利であり、 0.7〜1.3の範囲を選択するのが特に有利である。 【0044】この反応条件により、単一付加生成物(Mo noadditionsprodukt)及び二付加生成物(Diadditionsp rodukt)に関する反応の選択性を制御することができる。 ヒドロキシル基含有成分とアルキンもしくはアレンの低い割合並びに高い温度及び反応体の低い部分圧は、 単一付加生成物の形成を優勢にし、ヒドロキシル基含有成分とアルキンもしくはアレンの高い割合並びに低い温度及び反応体の高い部分圧はビス付加生成物(Bisaddti onsprodukte)の形成を促進する。 例えばプロピン又はアレンはメタノールと、反応条件に応じて選択的に2− メトキシプロペン又は2,2−ジメトキシプロパンを形成することができる。 【0045】 【化5】 【0046】触媒調製物(製造直後の調製物並びに使用後の調製物)の特性決定のために標準方法を使用した。 測定したBET表面積は、一般に50〜500m 2 /g の間にある。 80〜400m 2 /gのBET表面積を有する触媒を使用するのが有利である。 さらに、新規の製造方法により得られた調製物は粉末X線回折分析(XR D)を用いて調査した。 【0047】一般的反応条件 図1による触媒反応は、不均一気相反応のために改良した、1740mlの容量を有し、かつ約90mlの触媒容量を有する傾斜のないCSTR(Continuously Stirr ed Tank Reactor)(A)中で実施した。 この反応器は約108mmの内径及び約200mmの高さを有し、内壁に設置された電気的加熱コイルを用いて加熱した。 反応器の中央に金属製の小さなシリンダ(直径約64m m、高さ150mm)が設置されており、このシリンダは半分の高さ(上端の下側の約85mm)にワイヤー格子を備えている。 このワイヤ格子上に触媒が緩く振りかけられている。 この反応器の蓋部に平形のタービン(直径約100mm、高さ約20mm)が設置されており、 このタービンは1500〜2000rpmで駆動する。 温度制御のために反応器の軸に関して多様な高さで合計で6個の熱電素子が設置されている。 この出発物質をH PLCポンプを用いて加圧下で配量供給し、反応器の直前で混合し、反応器室内で放圧させた。 アルキンもしくはアレン(図1中の1)は純粋な形で配量供給されるか又は混合物として他の不活性成分で希釈される。 プロピン及びアレンの場合には、他の炭化水素との混合物を使用した(主成分として組成:プロピン30〜43容量%、アレン16〜20容量%、プロペン20〜45容量%、イソブタン5〜10容量%及びプロパン2〜6容量%;その他の前成分1%以下。この混合物はスチームクラッカーの側流から蒸留により得られる)。 アルコール性分(図1の2)には、GC分析のための内標準としてシクロヘキサン約10重量%が添加される。 【0048】この反応は120〜300℃の温度で等温で及びプロピン及び/又はアレン0.5〜10mmol /分及びMeOH0.5〜20mmol/分の供給速度で実施した。 この反応圧力は1.1〜3.5バール(絶対)であった。 【0049】出発物質、不活性ガス及び内標準からなる全混合物は、一般に4〜60Nl/hであった。 GHS V(gas hourly space velocity)は、 GHSV=ガス容量[Nl/h]/触媒容量[l] として定義され、80〜1200h -1である。 このLH SV(liquid hourly space velocity)は、 LHSV=液体容量[Nl/h]/触媒容量[l] (ここではプロピン及びMeOH容量の供給容量)として定義され、0.2〜3h -1である。 滞留時間は触媒容量[l]とガス量[Nl/s]とからの商として定義され、3〜40sである。 【0050】反応ガスは反応器を離れた後に加熱された輸送導管(3)を介してオンラインガスクロマトグラフィー(B)へ運ばれ、そこで2時間ごとに分析した。 その後、ガス流は部分凝縮(C)にさらされ、室温で凝縮しない成分(6)は一定の間隔(約12時間)でオフラインGCを用いて分析した。 凝縮物(5)は同様に捕集され、オフラインGCを用いて分析した。 【0051】本発明により得られた式Iのエノールエーテル及び式IIのジアルコキシ化合物は、作用物質及び香料の製造のための有価の中間体である。 特にエノールエーテルは、例えばイソフィトールの製造のための前駆物質としてのγ,δ−不飽和ケトンの製造のための需要のある出発物質である。 【0052】特にエノールエーテルを得ようとする場合、公知の方法で、式IIの化合物を1モルのR 1 OH の分解により式Iの相応するエノールエーテルに変換することができる。 このためには、ドイツ国特許出願公開(DE−A)第3535128号明細書、ドイツ国特許出願公開(DE−A)第3722891号明細書、ドイツ国特許出願公開(DE−A)第3804162号明細書、Chemical Abstracts, Vol. 94 (19); 156 241 f及びドイツ国特許出願公開(DE−A)第1954445 0号明細書からの多数の公知方法が存在する。 【0053】 【実施例】 例1 Zn/Si=2のZn 4 Si 2 O 7 (OH) 2・H 2 O(化学量論的ヘミモルファイト)の製造及び触媒反応 8l撹拌容器中で、脱塩水4.5l及び62.1重量% のSiO 2含有量及び19.0重量%のNa 2 O含有量を有する粉末状のソーダ水ガラス(Fa. Riedel-de Haen, D-30918 Seelze)145.1gから、SiO 2 1.5モル及びNa 0.89モルを有する懸濁液Aを製造した。 さらに、Zn(NO 3 ) 2・6H 2 O910.7g (98%)を脱塩水2.25l中に室温で溶かし、その際、Zn3モル及びNO 3 6モルを有する溶液Bが得られた。 最後に脱塩水225ml中のNaOH 20 4.4gからの水溶液を製造し、その際、5.11モルのNa含有量を有する溶液Cが得られた。 溶液B及び溶液Cを室温で懸濁液A中に注ぎ、次の元素割合:Zn含有量=3モル、Si含有量=1.5モル、Na含有量= 6モル、NO 3含有量=6モルを有する乳白色の懸濁液Dが生じた。 得られた懸濁液DのpH値は7.1であった。 この懸濁液Dを90℃に加熱し、この温度で24時間200rpmの回転数で撹拌した。 引き続き、この懸濁液を室温に冷却し、7.0の最終pH値が測定された。 晶出した白色沈殿物を濾別し、脱塩水でNa不含に洗浄し、生じたフィルターケークを90℃で乾燥棚で乾燥した。 乾燥した白色粉末を、X線撮影により調査し、 その際、粉末X線回折図が生じ、これはJCPDS−I CDD索引カード(1995)のカード5−0555の回折図に完全に一致し、従ってZn 4 Si 2 O 7 (OH) 2 ・H 2 Oの製造が示された。 BETにより測定した得られた粉末の比表面積は30m 2 /gであった。 【0054】触媒の製造のために、なお湿った粉末を直接ストランドにプレス成形し(直径=3mm、プレス圧=50bar)、これを引き続き120℃で16時間乾燥した。 仕上がった触媒は、26m 2 /gのBET表面積、6N/成形体の硬度を有していた。 【0055】(A)で示さされた装置中に、触媒約90 mlを充填し、プロピン/アレン−混合物(約63容量%、2.8mmol/分)及びメタノール(4.7mm ol/分;不活性物質と合わせた全供給量:9.4mm ol/分;MeOH/(プロピン+アレン)の割合= 1.68)を次いでHPLCポンプを用いて配量供給した。 反応温度は200℃で圧力は1.25バール(出発物質の部分圧:1.0bar)であった。 最初から(つまり触媒は生成時間なしで)次の選択性が観察された: 2−メトキシプロペン=91%;2,2−ジメトキシプロパン=5%;アセトン=1%;シス及びトランス1− メトキシプロペン=3%。 プロピン/アレン転化率は4 8%であった。 触媒に対して使用後に次の値が測定された:BET=25m 2 /g、硬度=6N/成形体。 【0056】例2 Zn/Si=2.2を有するヘミモルファイトの触媒製造及び触媒反応 6l撹拌容器中で、脱塩水3.0l及び62.1重量% のSiO 2含有量及び19.0重量%のNa 2 O含有量を有する粉末状のソーダ水ガラス96.8g(Fa. Riedel -de Haen, D-30918 Seelze)から、SiO 2 1.0モル及びNa 0.59モルを有する懸濁液Aを製造し、 Zn(NO 3 ) 2・6H 2 O(98%)667.8gから脱塩水1.5l中で室温で、Zn 2.2モル及びNO 3 4.4モルを有する溶液Bを製造し、NaOH 1 52.3gから脱塩水400ml中で3.81モルのN a含有量を有する水溶液Cを製造した。 溶液B及び溶液Cを懸濁液A中に室温で注ぎ、その際、次の元素割合: Zn含有量=2.2モル、Si含有量=1モル、Na含有量=4.4モル、NO 3 -含有量=4.4モルを有する乳白色の懸濁液Dが生じた。 得られた懸濁液DのpH値は7.2であった。 この懸濁液Dを90℃に加熱し、この温度で24時間200rpmの回転数で撹拌した。 この懸濁液を室温に冷却し、7.0の最終pH値が測定された。 生じた白色沈殿物を濾別し、脱塩水でNa不含に洗浄し、得られたフィルターケークを90℃で乾燥棚で乾燥した。 【0057】乾燥した白色粉末をX線撮影法により調査し、その際、粉末X線回折図が得られ、この回折図はJ CPDS−ICDD索引カード(1995)のカード5 −0555の回折図と完全に一致し、従ってZn 4 Si 2 O 7 (OH) 2・H 2 Oの製造が示された。 BETにより測定した得られた粉末の比表面積は60m 2 /gであった。 【0058】この粉末650gをステアリン酸20.2 g(Merck)と混合し、20mmのタブレットにプレス成形した。 このタブレットを押しつぶして砕片(<0. 5mm)にし、この砕片を穴のあいた環状タブレット(5×5×2mm)に加工した。 このタブレットを35 0℃で10時間か焼した。 仕上げられた触媒は44m 2 /gのBET表面積及び44N/成形体の硬度を有していた。 【0059】(A)で示された装置中に触媒約90ml を充填し、プロピン/アレン−混合物(約60容量%、 2.8mmol/分)及びメタノール(2.0mmol /分;不活性物質と合わせた全供給量:6.8mmol /分;MeOH/(プロピン+アレン)の割合=0.7 2)をHPLCポンプを用いて配量供給した。 反応温度は170℃であり、圧力は1.1bar(絶対)であった(出発物質の部分圧:0.8バール)。 最初から(つまり触媒は生成時間なしで)次の選択性が観察された: 2−メトキシプロペン=90%;2,2−ジメトキシプロパン=3%;アセトン=2%;シス及びトランス1− メトキシプロペン=2%。 プロピン/アレン転化率は7 1%、メタノール転化率は98%であった。 【0060】触媒に対して使用後に次の値が測定された:BET=44m 2 /g、硬度=12N/成形体。 【0061】例3 Zn/Si=2を有するZn 4 Si 2 O 7 (OH) 2・H 2 Oの熱水による製造及び触媒反応 2l撹拌容器中で、脱塩水200ml及び62.1重量%のSiO 2含有量及び19.0重量%のNa 2 O含有量を有する粉末状のソーダ水ガラス19.35g(Fa. Ri edel-de Haen, D-30918 Seelze)から、SiO 2 0. 2モル及びNa 0.12モルを有する懸濁液Aを製造し、脱塩水200ml中のZn(NO 3 ) 2・6H 2 O (98%)121.4gから室温で、Zn 0.4モル及びNO 3 0.8モルを有する溶液Bを製造し、並びに0.68モルのNa含有量を有する水溶液Cを脱塩水1 00ml中のNaOH27.2gから製造した。 溶液B 及び溶液Cを懸濁液A中に室温で注ぎ、その際、次の元素割合を有する乳白色の懸濁液Dが生じた:Zn含有量=0.4モル、Si含有量=0.2モル、Na含有量= 0.8モル、NO 3含有量=0.8モル。 得られた懸濁液DのpH値は7.0であった。 懸濁液Dを1.2lの内部容量を有するハステロイ合金からなるオートクレーブ中で150℃に加熱し、この温度で200rpmの回転数で6時間撹拌し、その際、7バールの過圧が測定された。 得られた懸濁液を室温に冷却した後、7.2の最終pH値が測定された。 晶出した白色沈殿物を濾別し、 脱塩水でNa不含に洗浄し、生じたフィルターケークを90℃で乾燥棚中で乾燥させた。 【0062】乾燥した白色粉末のX線粉末回折図はJC PDS−ICDD索引カード(1995)のカード5− 0555の回折図に一致し、Zn 4 Si 2 O 7 (OH) 2・ H 2 Oの製造を示した。 BETにより測定した得られた粉末の比表面積は28.7m 2 /gであった。 【0063】ステアタイト球(直径=2mm)150g を回転皿上でWalocel (R) (Fa. Wolff, Walsrode)の1.25重量%の水溶液19.2g、Zn 4 Si 2 O 7 (OH) 2・H 2 O粉末5.60g及び亜鉛粉末8.7 0gを用いて被覆した。 乾燥(120℃で4時間)した後、外殻触媒が得られた。 【0064】(A)で示された装置中に触媒約90ml を充填し、プロピン/アレン混合物(約61容量%、 3.0mmol/分)及びメタノール(4.7mmol /分;不活性物質と合わせた全供給量:9.7mmol /分;MeOH/(プロピン+アレン)の割合=1.5 9)をHPLCポンプを用いて配量供給した。 反応温度は200℃であり、圧力は1.25bar(絶対)であった(出発物質の部分圧:1.0バール)。 プロピン/ アレン転化率は始めから一定であり、約17%であった。 生成物として次のものが生成された(括弧内は選択率):2−メトキシプロペン(90%)、2,2−ジメトキシプロパン(3%)及びシス及びトランス−1−メトキシプロペン(6%)。 【0065】例4(比較例) β−Zn 2 SiO 4 (Zn/Si=2)の触媒製造及び触媒反応 例1により製造されたヘミモルファイト100gを加熱炉中で1時間700℃に加熱した。 得られた粉末をX線回折により調査し、その際、粉末X線回折図が得られ、 この回折図はJCPDS−ICDD索引カード(199 5)のカード14−0653の回折図と完全に一致し、 従って、β−Zn 2 SiO 4の純粋な相の形成を示した。 BETにより測定した得られた白色粉末の比表面積は2 5m 2 /gであった。 【0066】ステアタイト球(直径2mm)150gを回転皿上でWalocel (R) (Fa. Wolff,Walsrode)の1.2 5重量%の水溶液17.2g、β−Zn 2 SiO 4粉末5.50g及び亜鉛粉末5.50gを用いて被覆した。 乾燥(120℃で4時間)した後、外殻触媒が得られた。 【0067】(A)で示された装置中に触媒約90ml を充填し、プロピン/アレン混合物(約63容量%、 3.1mmol/分)及びメタノール(3.9mmol /分;不活性物質と合わせた全供給量:9.0mmol /分;MeOH/(プロピン+アレン)の割合=1.2 5)をHPLCポンプを用いて配量供給した。 反応温度は200℃であり、圧力は1.2bar(絶対)であった。 プロピン/アレン転化率は1%より小さく、時間と共にも上昇しなかった。 【0068】例5(比較例) α−Zn 2 SiO 4 (Willemit)の触媒製造及び触媒反応 例1により製造されたヘミモルファイト100gを加熱炉中で1時間800℃で加熱した。 得られた粉末をX線回折により調査し、その際、JCPDS−ICDD索引カード(1995)のカード37−1485の回折図と完全に一致する粉末X線回折図が得られ、従って、1相のα−Zn 2 SiO 4 (Willemit)の製造を示した。 BE Tにより測定した得られた白色粉末の比表面積は18m 2 /gであった。 【0069】この粉末を黒鉛2重量%及びステアリン酸マグネシウム3重量%と混合し、3×5mmのタブレットにプレス成形した。 このタブレットは0.6m 2 /g のBET表面積を有していた。 【0070】(A)で示された装置中に触媒約90ml を充填し、プロピン/アレン混合物(約62容量%、 3.3mmol/分)及びメタノール(4.0mmol /分;不活性物質と合わせた全供給量:9.5mmol /分;MeOH/(プロピン+アレン)の割合=1.2 1)をHPLCポンプを用いて配量供給した。 反応温度は200℃であり、圧力は1.25bar(絶対)であった。 プロピン/アレン転化率は1%より小さく、時間と共にも上昇しなかった。 【0071】例6(比較例) Zn 3 Si 4 O 10 (OH) 2・4H 2 O(ソーコナイト)の触媒製造及び触媒反応 6lの撹拌容器中で脱塩水3l及び62.1重量%のS iO 2含有量及び19.0重量%のNa 2 O含有量を有する粉末状のソーダ水ガラス(Fa. Riedel-de Haen, D-30 918 Seelze)580.5gから、SiO 2 6モル及びNa 3.56モルを有する懸濁液Aを製造し、脱塩水中のZn(NO 3 ) 2・6H 2 O(98%)607.1g から室温でZn 2モル及びNO 3 - 4モルを有する溶液Bを製造し、0.44モルのNa含有量を有する水溶液Cを脱塩水200ml中のNaOH17.6gから製造した。 溶液B及び溶液Cを懸濁液Aに室温で注ぎ、その際、次の元素割合を有する乳白色の懸濁液Dが得られた:Zn含有量=2モル、Si含有量=6モル、Na含有量=4.0モル、NO 3 -含有量=4モル。 得られた懸濁液DのpH値は6.8であった。 懸濁液Dを90℃に加熱し、この温度で200rpmの回転数で24時間撹拌した。 懸濁液を室温に冷却した後、6.9の最終pH 値が測定された。 生じた白色沈殿物を濾別し、脱塩水でNa不含に洗浄し、得られたフィルターケークを90℃ で乾燥棚中で乾燥した。 【0072】乾燥した粉末の粉末X線回折図が得られ、 これはJCPDS−ICDD索引カード(1995)のカード29−1393の回折図と完全に一致し、従ってZn 3 Si 4 O 10 (OH) 2・4H 2 O(ソーコナイト)に該当した。 BETにより測定した得られた白色粉末の比表面積は、216m 2 /gであった。 【0073】ステアタイト球(直径=2mm)150g を回転皿上でWalocel (R) (Fa. Wolff, Walsrode)の1.25重量%の水溶液17.5g及び亜鉛粉末10. 2gとソーコナイト6.9gとからなる混合物で被覆した。 次いで、この触媒を空気中で120℃で乾燥した。 【0074】上記の装置中に触媒約90mlを充填した。 次いで、プロピン/アレン混合物(約63容量%、 3.8mmol/分及びメタノール(4.7mmol/ 分;不活性物と合わせた全供給量:11.0mmol/ 分;MeOH/(プロピン+アレン)割合=1.25) 及びメタノールをHPLCポンプを用いて配量供給した。 この反応温度は200℃で、圧力1.25bar (絶対)であった。 プロピン/アレン転化率は1%より小さく、時間と共にも上昇しなかった。 【0075】例7 2.1のZn/Siモル比を有するX線非晶質のケイ酸亜鉛(Zn 4 Si 2 O 7 (OH 2 )・H 2 Oに基づき5%の過剰量に相当する)の製造 6l撹拌容器中で不断に撹拌(100rpm)しながら65℃に温めた脱塩水3.0l中に、62.1重量%のSiO 2含有量及び19.0重量%のNa 2 O含有量を有する粉末状のソーダ水ガラス48.37gを添加し、その際、SiO 2 0.5モル及びNa 0.3モルを有する懸濁液Aが得られた。 さらに、水溶液Bを脱塩水0. 2l中のNaOH(1.8モル)72.16gから製造した。 最後に、Zn(NO 3 ) 2・6H 2 O(98%)3 18.7gを脱塩水1.5l中に溶かし、その際、Zn 1.05モル及びNO 3 - 2.1モルを有する溶液C が得られた。 さらに、溶液Bを65℃に温めた懸濁液A 中に注ぎ、その際、約5分後に透明な溶液Dが得られた。 引き続き、こうして得られた溶液D中に溶液Cを注いだ。 その際、1.05モルのZn含有量及び0.5モルのSi含有量、2.1モルのNa含有量及び2.1モルのNO 3 -含有量を有する白色懸濁液Eが生じた。 この懸濁液Eを65℃で2時間撹拌(100rpm)しながら加熱し、引き続き室温に冷却した。 冷却後に6.6の最終pH値が測定された。 生じた白色沈殿物を濾別し、 脱塩水でNa不含に洗浄し、得られたフィルターケークを80℃で乾燥棚中で乾燥した。 【0076】乾燥した白色粉末を、Cu−Kα 1 −放射線(λ=1.5406Å)を使用しながら10゜〜90 ゜の2θ領域中でX線回折により試験し、その際、図2 に記載された粉末X線回折図(回折されたX線の強度A を2倍の回折角(2θ)の関数としてプロットした)が得られ、この回折図は支配的量の本発明によるX線非晶質のケイ酸亜鉛とその他に少量の結晶性ZnO(JCP DS−ICDD索引カード(1995)のカード5−0 555)の形成を示した。 図2に記載された粉末X線回折図は、ソフトフェアーパッケージのDIFFRAC-AT V 3.2 /PROFILE, Person-VII-Gestaltsfunktion, Version von 1994 (Fa. Siemens)を用いて、最小平均平方偏差の限界条件下(unter der Randbedingungen ener minimalen mittleren quadratischen Abweichung)で別個に分解された回折反射の重複位置において展開し、この場合、 一方で副成分として存在するZnOの反射及び他方で本発明によるX線非晶質ケイ酸亜鉛の広幅の反射が考慮される。 本発明によるX線非晶質ケイ酸亜鉛のこうして展開された粉末X線回折図の測定は、2θ=31゜±5゜及び2θ=61゜±7゜で最大強度を示した。 BETにより測定した得られた粉末の比表面積は124.0m 2 /gであった。 【0077】例8 Zn 4 Si 2 O 7 (OH) 2・H 2 O(Zn/Si=2. 1;5%のZn過剰量に相当)の組成を有するX線非晶質のケイ酸亜鉛の製造 12l撹拌容器中で、不断に撹拌(100rpm)しながら、80℃に温めた脱塩水7.1l中に62.1重量%のSiO 2含有量及び19.0重量%のNa 2 O含有量を有する粉末状のソーダ水ガラス120.93g(Fa. Riedel-de Haen, D-30918 Seelze)を添加し、その際、 SiO 2 1.25モル及びNa 0.74モルを有する懸濁液Aが得られた。 さらに、水溶液Bを脱塩水0. 5ml中のNaOH(4.51モル)180.4gから製造した。 最後に、脱塩水2.5l中にZn(NO 3 ) 2 ・6H 2 O 796.0gを溶かし、その際、Zn 2.625モル及びNO 3 - 5.25モルを有する溶液Cが得られた。 さらに、溶液Bを80℃に温めた懸濁液Aに注ぎ、その際、約5分後に透明な溶液Dが得られた。 引き続き得られた溶液D中に溶液Cを注いだ。 この場合2.625モルのZn含有量、1.25モルのSi 含有量、5.25モルのNa含有量及び5.25モルのNO 3 -含有量を有する白色懸濁液Eが生じた。 この懸濁液Eを80℃で撹拌(100rpm)しながら2時間加熱し、引き続き室温に冷却した。 冷却後に6.5の最終pH値が測定された。 生じた白色沈殿物を濾別し、脱塩水でNa不含に洗浄し、得られたフィルターケークを8 0℃で乾燥棚中で乾燥した。 【0078】乾燥した白色粉末をX線回折により調査し、その際図2に示した回折図に一致する粉末X線回折図が得られ、従って、主要量のX線非晶質ヘミモルファイト及び少量の結晶性ZnO(JCPDS−ICDD索引カード(1995)のカード5−0555)の製造が示された。 BETにより測定した得られた粉末の比表面積は102.1m 2 /gであった。 【0079】例9〜11 触媒反応 ヘミモルファイト組成を有する例8により製造された非晶質ケイ酸亜鉛650gを、ステアリン酸Zn20.2 gと混合し、20mmのタブレットに予備圧縮し、引き続き<0.5mmの直径を有する砕片に粉砕し、次いで4.75×5.2mmの寸法を有するタブレットに成形した。 それぞれ100gの量の触媒を次いで多様な温度で空気中で10時間か焼した(表1参照)。 【0080】上記の装置中に触媒約90mlを充填した。 プロピン/アレン混合物(49.8容量%、2.7 mmol/分)及びメタノール(2.1mmol/分; 不活性物質と合わせた全供給量:7.6mmol/分; MeOH(プロピン+アレン)の割合=0.75)を、 次いでHPLCポンプを用いて配量供給した。 反応温度は170℃及び圧力1.2bar(絶対)であった。 この結果を表1にまとめた(省略形:2MP:2−メトキシプロペン;22DMP:2,2−ジメトキシプロパン;1MP:1−メトキシプロペン(シス及びトランス);11DMP:1,1−ジメトキシプロパン): 【0081】 【表1】 【0082】この触媒は実際に生成時間を示さない。 表1に記載した転化率及び選択率は始めからほとんど変化しなかった。 それぞれか焼の後及び使用後の触媒のBE T表面積及び硬度を表2にまとめた。 【0083】 【表2】 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による触媒を用いた反応をフローシートで示す図。 【図2】本発明によるX線非晶質のケイ酸亜鉛の粉末X 線回折図。 【符号の説明】 A 反応器; B ガスクロマトグラフィー; C 凝縮器; 1 アルキン又はアレン; 2 アルコール成分; 3 導管; 4 導管; 5 凝縮物;6 成分 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成10年8月3日 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】請求項1 【補正方法】変更 【補正内容】 【手続補正2】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】請求項12 【補正方法】変更 【補正内容】 【請求項12】 アルカリ金属ケイ酸塩懸濁液を亜鉛塩の水溶液と、常圧で50℃〜生じた懸濁液の沸点までの温度で、又は熱水条件下で懸濁液の沸点〜250℃までの温度で反応させ、その際、水性懸濁液のpH値は反応の間及び反応の後で4〜9.5の範囲内に保持され、 1.6〜2.5のZn/Siの原子比を維持することを特徴とする、請求項1記載の方法に適したヘミモルファイト構造を有するケイ酸亜鉛の製造方法。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成10年9月3日 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】請求項1 【補正方法】変更 【補正内容】 【手続補正2】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】請求項9 【補正方法】変更 【補正内容】 【手続補正3】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】請求項10 【補正方法】変更 【補正内容】 【手続補正4】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0014 【補正方法】変更 【補正内容】 【0014】[式中、R 1及びRは前記した意味を表す]で示されるアセチレン又はアレンと、気相中で、高めた温度で、ケイ酸亜鉛含有の触媒の存在で付加する方法において、ケイ素化合物、特にアルカリ土類金属又はアルカリ金属のケイ酸塩及び亜鉛化合物、特に亜鉛塩からなる水溶液中での析出により得られるケイ酸亜鉛を含有するか又は前記ケイ酸亜鉛からなる触媒を使用して、 この場合、このケイ酸亜鉛は、 a) 主に、式VI: Zn a Si c O a+2c−0.5e (OH) e・fH 2 O VI [式中、eは0〜2a+4cの和までの値を表し、a: cの割合は1〜3.5、有利に1.5〜2.8、さらに有利に1.9〜2.3、特に2〜2.1であり、f:a は0〜200、有利に0〜2.5、特に有利に0−0. 25である]で示されるX線非晶質ケイ酸亜鉛である、 及び/又は b) 主に式Zn 4 Si 2 O 7 (OH) 2・H 2 Oのヘミモルファイト構造を有する結晶性ケイ酸亜鉛であり、 その際、亜鉛は化学量論的組成に関して25%の不足量又は過剰量で存在することができる、式I又は式IIの化合物の製造方法により解決される。 【手続補正5】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0019 【補正方法】変更 【補正内容】 【0019】本発明による反応にとって重要なのは、活性成分として少なくとも大部分が式Zn 4 Si 2 O 7 (OH) 2−2y O y・xH 2 O(式中、x及びyは0〜1の値を表す)のヘミモルファイト構造を有するケイ酸亜鉛を含有する不均一触媒を使用することである。 【手続補正6】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0036 【補正方法】変更 【補正内容】 【0036】こうして得られた主にX線非晶質のケイ酸亜鉛は、Zn 2+イオン、Si 4+イオン及びO 2−イオンを含有し;さらにOHイオンと水和水との結合を含有することもできる。 Zn/Si割合は、0.3〜5、 有利に1〜2.7、さらに有利に2〜2.3、特に有利に2である。 後者の場合、従ってX線非晶質のケイ酸亜鉛は結晶性ヘミモルファイト(Zn 4 Si 2 O 7 (O H) 2・H 2 O)のZn/Si割合を示す。 Cu−Kα 1放射線(λ=1.5406Å)の使用下で得られた本発明によるX線非晶質のケイ酸亜鉛の粉末X線回折図は、図2に記載されており、その際、回折されたX線の強度Aは2倍の回折角(2θ)の関数としてプロットされている。 この本発明によるX線非晶質のケイ酸亜鉛の粉末X線回折図は、10°〜90°の2θ領域において、2θ=31°±5°及び2θ=61°±7°で著しく広幅の最大強度を示した。 図2において、本発明によるX線非晶質のケイ酸亜鉛の前記の広幅の回折反射上からさらにシャープな線を認識することができ、この線はわずかな量の結晶性ZnOの形成に分類することができる(JCPDS−ICDD索引カード(1995)のカード5−0664)。 その他に少量のZn 5 (NO 3 ) 2 (OH) 8・2H 2 Oも出現している(JCPDS− ICDD索引カード(1995)のカード24−146 0)。 【手続補正7】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0076 【補正方法】変更 【補正内容】 【0076】乾燥した白色粉末を、Cu−Kα 1 −放射線(λ=1.5406Å)を使用しながら10°〜90 °の2θ領域中でX線回折により試験し、その際、図2 に記載された粉末X線回折図(回折されたX線の強度A を2倍の回折角(2θ)の関数としてプロットした)が得られ、この回折図は支配的量の本発明によるX線非晶質のケイ酸亜鉛とその他に少量の結晶性ZnO(JCP DS−ICDD索引カード(1995)のカード5−0 664)の形成を示した。 図2に記載された粉末X線回折図は、ソフトフェアーパッケージのDIFFRAC− AT V 3.2/PROFILE,Person−V II−Gestaltsfunktion,Versi on von 1994(Fa.Siemens)を用いて、最小平均平方偏差の限界条件下(unter d er Randbedingungen ener m inimalen mittleren quadra tischen Abweichung)で別個に分解された回折反射の重複位置において展開し、この場合、 一方で副成分として存在するZnOの反射及び他方で本発明によるX線非晶質ケイ酸亜鉛の広幅の反射が考慮される。 本発明によるX線非晶質ケイ酸亜鉛のこうして展開された粉末X線回折図の測定は、2θ=31°±5° 及び2θ=61°±7°で最大強度を示した。 BETにより測定した得られた粉末の比表面積は124.0m 2 /gであった。 【手続補正8】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0078 【補正方法】変更 【補正内容】 【0078】乾燥した白色粉末をX線回折により調査し、その際図2に示した回折図に一致する粉末X線回折図が得られ、従って、主要量のX線非晶質ヘミモルファイト及び少量の結晶性ZnO(JCPDS−ICDD索引カード(1995)のカード5−0664)の製造が示された。 BETにより測定した得られた粉末の比表面積は102.1m 2 /gであった。 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 クラウス ブロイアー ドイツ連邦共和国 アルトリップ ツィー ゲライシュトラーセ 10 (72)発明者 ディルク デムート ドイツ連邦共和国 マンハイム フリート リヒリング 14 (72)発明者 ハルトムート ヒプスト ドイツ連邦共和国 シュリースハイム ブ ラニヒシュトラーセ 23 (72)発明者 アルフレート ハーゲマイアー ドイツ連邦共和国 ライネ アウフ デム ヒューゲル 13 |