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Hydrogenation and dehydrogenation catalysts as well as methods and methods used to create it,

申请号 JP2014525271 申请日 2012-08-20 公开(公告)号 JP2014524428A 公开(公告)日 2014-09-22
申请人 ドミトリー・ゴッサブ; デニス・スパシュク; 发明人 ドミトリー・ゴッサブ; デニス・スパシュク;
摘要 本願は、不飽和化合物の 水 素化および脱水素化または基質の脱水素化を含む有機化学合成のための触媒として有用な錯体を開示する。 様々な範囲の水素化基質化合物には、エステル類、ラクトン類、油類および脂肪類が含まれ、反応生成物としてアルコール類、ジオール類、およびトリオール類がもたらされる。 本願の触媒を用いて、無溶媒条件下で、水素化反応を触媒することができる。 本発明の触媒は、塩基を加えなくとも水素化が進むことも可能にし、従来の還元法の代わりに、これを用いて、主族要素の水素化物を利用することができる。 さらに、本願の触媒は、均一条件下および/または受容体不要な条件下で脱水素反応を触媒することができる。 このように、本明細書に提供する触媒は、実質的なコストの低減および様々な化学物質の製造プロセスの環境プロファイルの改善に有用であり得る。
权利要求
  • 式Iの化合物
    (式中、
    Lが、ホスフィン(PR )、スルフィド(SR )、またはカルベン基(CR )であり;
    各Yが、独立して、C、NまたはS原子であり、ここで少なくとも2つのYはCであり;
    点線が、同時にまたは独立して、単結合または二重結合を表し;
    およびR が、各々独立して、H、またはC −C 20直鎖状アルキル、C −C 20分枝状アルキル、C −C シクロアルキル、C −C アルケニル、C −C 20アリールであり、それらの各々は、任意に、ORもしくはNR で置換されてもよく;または、総合すると、R およびR が、それらが結合しているLと共に、飽和環もしくは部分飽和環を形成することができ;
    およびR が、各々独立して、H、またはC −C 直鎖状アルキル、C −C 分枝状アルキル、C −C 環状アルキル、C −C アルケニル、C −C アリールであり、それらの各々は、任意に置換されてもよく;または、R およびR が、共に結合して、飽和シクロアルカンもしくは飽和複素環を形成することができ;
    が、H、C −C 直鎖状アルキル、C −C 分枝状アルキル、C −C 環状アルキル、C −C アルケニル、もしくはC −C アリールであり、それらの各々は、任意に置換することができるか;または、R およびR が、共に結合して、飽和複素環を形成することができ;
    各Xが、独立して、H、C −C 直鎖状アルキル、C −C 分枝状アルキル、C −C 環状アルキル、C −C アルケニル、もしくはC −C アリールであり、それらの各々は、任意に、OR、F、Cl、Br、IもしくはNR で置換することができるか;または、総合すると、X基の2つが、共に、任意に置換された環、飽和環、部分飽和環、芳香環もしくはヘテロ芳香族環を形成することができ;
    Rが、H、C −C 20直鎖状アルキル、C −C 20分枝状アルキル、C −C シクロアルキル、C −C アルケニル、またはC −C アリールであって、それらの各々は、任意に置換されてもよく;
    nおよびmの各々が、独立して、1または2であり;
    kが、1または2であり;かつ、
    zが、0または1である)。
  • 式中、R およびR が、各々独立して、H、またはC −C 直鎖状アルキル、C −C 分枝状アルキル、C −C 環状アルキル、C −C アルケニル、C −C アリールであり、それらの各々は、任意に置換されてもよく;
    が、H、C −C 直鎖状アルキル、C −C 分枝状アルキル、C −C 環状アルキル、C −C アルケニル、またはC −C アリールであり、それらの各々は、任意に置換することができる、請求項1に記載の化合物。
  • およびR が共にHである、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  • 各YがCである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  • kが2であり、各XがHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  • Lがホスフェン(phosphene)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  • 式Iの化合物が、
    である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  • 式IIまたは式IIIの錯体[M(LNN')Z ] (II)
    μ [M(LNN')Z (III)
    (式中、
    各Zが、独立して、水素またはハロゲン原子、C −C アルキル、ヒドロキシル、またはC −C アルコキシ、ニトロシル(NO)基、CO、CNR、またはPR であり、Rが、アルキルもしくはアリール、PMe またはPPh であり;
    Mが遷移金属であり;
    各LNN'が、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物である配位子である)。
  • Mが、第7属の金属、第8属の金属または第9属の金属である、請求項8に記載の錯体。
  • MがRuまたはOsである、請求項8または請求項9に記載の錯体。
  • LNN'が
    である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の錯体。
  • のいずれか1つの構造を有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の錯体。
  • のいずれか1つの構造を有する、請求項8〜12のいずれか一項に記載の錯体。
  • 基質の脱水素化のプロセスであって、前記基質を請求項8〜13のいずれか一項に記載の触媒量の錯体で処理することを含むプロセス。
  • 前記基質が少なくとも1つのアルコール部分を含む、請求項14に記載のプロセス。
  • 前記基質が、式IV
    (式中、R がC 1−20直鎖状アルキル、C 3−20分枝状アルキル、C 3−20シクロアルキル、またはアリールであり、これらの全ては任意に置換されてもよい)の化合物である、請求項15に記載のプロセス。
  • 式IVの化合物が、脱水素化を受けることができる2つ以上のヒドロキシル部分を含む、請求項16に記載のプロセス。
  • が、脱水素化を受けることができるアミノ基を含む、請求項16に記載のプロセス。
  • がメチルである、請求項16に記載のプロセス。
  • 前記基質と脱水素反応の生成物のペアが、以下のいずれかを含む、請求項16に記載のプロセス:
  • を生成するプロセスであって、基質を請求項8〜13のいずれか一項に記載の触媒量の錯体で処理することによる前記基質の脱水素化を含むプロセス。
  • 前記基質がアルコール、アミンまたはチオールを含む、請求項21に記載のプロセス。
  • 前記基質がアンモニア−ボランである、請求項21に記載のプロセス。
  • 前記プロセスが水素受容体を必要としない、請求項14〜23のいずれか一項に記載のプロセス。
  • 均一プロセスである、請求項14〜24のいずれか一項に記載のプロセス。
  • 基質の水素化のプロセスであって、水素分子の存在下で、前記基質を請求項8〜13のいずれか一項に記載の触媒量の錯体で処理することを含むプロセス。
  • 前記基質が少なくとも1つのエステルを含む、請求項26に記載のプロセス。
  • 前記プロセスが、水素分子の存在下で、以下のスキームのうちの1つに従って進む、請求項27に記載のプロセス:
  • 前記基質と脱水素反応の生成物のペアが、以下のものを含む、請求項26に記載のプロセス:
  • 無溶媒のプロセスである、請求項24〜29のいずれか一項に記載のプロセス。
  • 酢酸エチルを生成するためのプロセスであって、エタノールを請求項8〜13のいずれか一項に記載の触媒量の錯体で処理することを含むプロセス。
  • 均一プロセスである、請求項31に記載のプロセス。
  • 水素受容体を必要としない、請求項31または請求項32に記載のプロセス。
  • 说明书全文

    本発明は、触媒に関する。 さらに具体的には、本発明は、素化および脱水素化の反応に有用な触媒に関する。

    エステルの還元は、最も基本的な有機反応の1つであり、種々の有用な有機アルコールの合成に有用である。 エステルの還元は典型的には、LiAlH のような、主族のヒドリド試薬を用いて、または分子水素を用いて達成される。 ヒドリド還元試薬の使用は、特に大規模では、不便で、かつ高価である;さらに、このアプローチは、大量の化学的廃棄物を生じる。 また、このヒドリド還元法は、クエンチングの段階で危険なほど発熱性であり得、これは制御が困難であり得る。 水素ガス下のエステルの触媒性還元は、あらゆる点で、古典的なヒドリド還元に対する極めて魅的な「環境に優しい(green)」代替である。

    分子水素によるエステル還元の重要な態様は、遷移金属ヒドリドを得るために急速に結合して、分子水素を分けることができるプロセスで利用される触媒系である。 ラクトン、エステル、オイルおよび脂肪の水素化のための極めて効率的かつ有用な触媒および触媒系の開発は、化学において重要な要件である。 具体的には、比較的低いH 圧(1〜50バール)下で1000ppm(0.1モル%)未満の触媒を用いて20〜100℃の温度範囲で機能する水素化プロセスを開発することが、極めて望ましい。 エステルおよびラクトンをアルコールおよびジオールへと水素ガス下で変換できる2〜3の触媒および触媒系のうち、現在、最も有用かつ効率的なのは、ルテニウムのような遷移金属と、米国特許出願公開第2010/0280273号明細書(A1)およびAngew. Chem. Int. 編集. 2007,46,7473(参照によって本明細書に援用される)に記載の二座ホスフィン−アミンまたは四座ホスフィン−イミンのリガントとの錯体である。 しかし、500〜1000ppm(0.05〜0.1モル%)という通常のルテニウム触媒の負荷を用いれば、このような方法の主な欠点は、NaOMeのような大量の塩基(5〜10モル%)が必要であり、それによって、生成物の選択性が低下し、生成物の中和および徹底的な精製の必要性のせいで大量の化学的廃棄物が生じるということである。 さらに、不飽和脂肪アルコールを得るための、天然に存在するエステル、例えば、オリーブオイルのような植物油の水素化は、ルテニウム触媒では報告されていない。 脂肪アルコールは、その両親媒性の性質のせいで非イオン性サーファクタントとして挙動する。 それらは、化粧品および食品産業において、乳化剤、エモリエントおよび増粘剤として、ならびに工業用溶媒としての用途を見出す。 また、脂肪アルコールは、洗剤およびサーファクタントの生成においても極めて有用であり、バイオディーゼル生成の能力がある。

    環境に優しい化学的プロセスおよび水素生成のためのバイオマスの使用の開発は、近年、かなりの注目を集めている。 バイオアルコール(主にエタノール)の脱水素における長足の進歩が、不均一系触媒では達成されたが、高温(>200℃)および高圧のような強烈な反応条件を用いるコストがある。 従って、軽度の条件下でのアルコールの脱水素のために十分規定された均一な触媒を設計することは、重要な科学的かつ実際的な目標である。

    Cole−Hamiltonおよび共同研究者が[RuH (N )(PPh ]によって触媒されるエタノールの脱水素を示して以来、第一級アルコールのアクセプターレスの脱水素の領域ではわずかな進歩しかなく、2時間後にTOF=210h −1に達するには、過剰のNaOH、高温(150℃)、および強力な光源が必要であった(D.Morton,D.J.Cole−Hamilton,I.D.Utuk,M.Paneque−Sosa,M.Lopez−Poveda,J.Chem.Soc.Dalton Trans.1989,489;D.Morton,D.Cole−Hamilton,J.Chem.Soc.Chem.Commun.1988,1154;およびD.Morton,D.J.Cole−Hamilton,J.Chem.Soc.Chem.Commun.1987,248)。 近年、一級アルコールのアクセプターレスの脱水素性カップリングのためにいくつかの新規な均一系触媒が、Milsteinおよび共同研究者によって公開された系のように(概説に関しては、以下を参照:D.Milstein,Top.Catal.2010,53,915)開発され研究されている。 しかし、これらの全ての新しい触媒は、例えば、それぞれ、エタノールおよびプロパノールを、水素および酢酸エチルおよびプロピオン酸プロピルへ変換するには、100℃未満の温度では不活性である。

    従って、塩基なしの条件で、かつ比較的低い反応温度および水素圧を用いて機能し得る、天然の供給源に由来するエステル、ラクトン、ならびに脂肪およびオイルの水素化のための効率的な金属触媒の必要性は依然として残っている。 また、水素ガスの形成を伴う、それぞれアルコールおよびジオールからのエステルおよびラクトンの環境上無害な生成のために、軽度、好ましくは中性の反応条件の下で効率的なアルコール脱水素が可能な触媒の必要性も残っている。

    上記の情報は、本発明に対して関連する可能性があると出願人が考える情報を知らせる目的で提供される。 必ずしも承認を意味するのではなく、いかなる先行する情報も本発明に対して先行技術を構成すると解釈されるべきでもない。

    本発明、ならびにその他の態様およびさらなる特徴をより良好に理解するには、以下の説明が参照され、以下の添付の図面と組み合わせて用いられるべきである。

    図1は、錯体1のORTEP図であり、熱振動楕円体は、50%確率である(水素原子は、明確にするために省略している)。

    図2は、錯体2のORTEP図であり、熱振動楕円体は、50%確率である(水素原子は、明確にするために省略している)。

    図3は、錯体7のORTEP図であり、熱振動楕円体は、50%確率である(水素原子は、NH以外は、明確にするために省略している)。

    別段規定しない限り、本明細書に用いる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当該分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。

    詳細な説明および特許請求の範囲において用いる場合、単数形「ある、1つの(a、an:不定冠詞)」および「この、その(the:定冠詞)」は、文脈上、明確に他を示すのでない限り、複数の言及を包含する。

    「含む」という用語は、本明細書中で用いる場合、次に挙げるものが、包括的ではなく、任意に、例えば、1以上のさらなる特徴、構成要素および/または成分など、任意の他のさらなる適切な項目を含んでもよいし、または含まなくてもよいことを意味すると理解される。

    本明細書において用いる場合、「ヘテロ原子」とは、例えば、O、SおよびNのような、水素ではなく、かつ炭素ではない原子を指す。

    本明細書において用いる場合、「アルキル」とは、単結合の炭素および水素原子からのみ構成される炭化水素部分、例えば、メチル基またはエチル基を意味する。

    本明細書において用いる場合、「アルケニル」とは、直鎖状、分枝状または環状であり、かつ少なくとも1つの炭素と炭素との二重結合を含む炭化水素部分を意味する。 「アルキニル」とは、直鎖状、分枝状または環状であり、かつ少なくとも1つの炭素と炭素との三重結合を含有する炭化水素部分を意味する。 「アリール」とは、ヘテロアリール部分および2つ以上のコンジュゲートされた芳香環を有する部分を含め、置換または未置換芳香環を含む部分を意味し;任意に、これは1つ以上の非芳香環も含んでもよい。 「C −C アリール」とは、1以上のコンジュゲートされた芳香環において5個から8個の炭素原子を有する置換または未置換の芳香環を含む部分を意味する。 アリール部分の例としては、フェニルが挙げられる。

    「ヘテロアリール」は、1つ以上のコンジュゲートされた芳香環において4個から8個の炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子を有する置換または未置換の芳香族環を含む部分を意味する。 本明細書中で使用される場合、「ヘテロ原子」とは、非炭素でかつ非水素の原子、例えばO、SおよびNなどを指す。 ヘテロアリール部分の例としては、ピリジル、フラニルおよびチエニルが挙げられる。

    「アルキレン」とは、二価アルキル基、例えば、−C 2f −(式中、fは整数である)を意味する。 「アルケニレン」とは、二価アルケニル基、例えば、−CHCH−を意味する。

    「置換される」とは、その存在が所望の反応を妨害しない1つ以上の置換基部分を有することを意味する。 置換基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−ハロゲン化物、ヘテロアリール、シクロアルキル(非芳香環)、Si(アルキル) 、Si(アルコキシ) 、ハロ、アルコキシル、アミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アミド、アミジン、ヒドロキシル、チオエーテル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボネート、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスフェートエステル、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アシルアミノ、イミノ、スルフィドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、ジチオカルボキシラート、サルフェート、サルファート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、ニトリル、アジド、ヘテロシクリル、エーテル、エステル、ケイ素含有部分、チオエステルまたはそれらの組み合わせが挙げられる。 置換基はそれ自体が置換されてもよい。 例えば、アミノ置換基は、それ自体が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリール−ハロゲン化物およびヘテロアリールシクロアルキル(非芳香環)など、上記で定められるさらなる置換基により単置換または独立して二置換されてもよい。

    本明細書において用いる場合、「μ 」という用語は、あるリガンドが、架橋リガンド(ここでは単一の原子が2つの金属原子を架橋する)として機能することを示すのに用いられる。 「Y」という上付き文字は、その原子が2つの金属原子を架橋することを示す。 例えば、「μ 」という用語を用いて、錯体中のリガンド(単数または複数)が、2つの金属原子を架橋する窒素原子を含むことを示す。

    本出願は、触媒性の水素化(還元)のプロセスに有用である触媒を提供する。 このプロセスは、相当するアルコール、ジオールまたはトリオールの生成物を得るために、1つ以上のエステルまたはラクトン基を保有している、例えば、C −C (n=4−200)基質の水素化に有用である。 従って、本出願はさらに、好ましくは塩基なしの反応条件を用いて、単純で、効率的でかつ「環境に優しい(green)」方式でアルコール、ジオールまたはトリオールを得るための主族ヒドリド還元の代わりに用いられ得る実際的な還元方法を提供する。 また、本出願の触媒は、均一な脱水素プロセスであり得る、触媒性の脱水素のプロセスにも有用である。

    触媒 本明細書に記載のプロセスは、三座のリガンドLNN'を有する遷移金属錯体の存在下で行われる。

    一態様によれば、順番に、1つのリン、イオウ、窒素または炭素基L、1つのアミノまたはイミノ基N、および1つの複素環式基N'を含んでいる三座のリガンドLNN'が提供される。

    一実施形態によれば、式Iの化合物

    が提供され、式中 Lが、ホスフィン(PR

    )、スルフィド(SR

    )、またはカルベン基(CR

    )であり;


    各Yが、独立して、C、NまたはS原子であり、ここで少なくとも2つのYはCであり;


    点線が、同時にまたは独立して、単結合または二重結合を表し;


    およびR

    が、各々独立して、H、またはC

    −C

    20直鎖状アルキル、C

    −C

    20分枝状アルキル、C

    −C

    シクロアルキル、C

    −C

    アルケニル、C

    −C

    20アリールであり、それらの各々は、任意に置換されてもよく;または、総合すると、R

    およびR

    が、それらが結合しているLと共に、飽和環もしくは部分飽和環を形成することができ;


    およびR

    が、各々独立して、H、またはC

    −C

    直鎖状アルキル、C

    −C

    分枝状アルキル、C

    −C

    環状アルキル、C

    −C

    アルケニル、C

    −C

    アリールであり、それらの各々は、任意に置換されてもよく;またはR

    およびR

    が、共に結合して、飽和複素環を形成することができ;


    が、H、C

    −C

    直鎖状アルキル、C

    −C

    分枝状アルキル、C

    −C

    環状アルキル、C

    −C

    アルケニル、もしくはC

    −C

    アリールであり、それらの各々は、任意に置換することができるか;または、R

    およびR

    が、共に結合して、飽和複素環を形成することができ;


    各Xが、独立して、H、C

    −C

    直鎖状アルキル、C

    −C

    分枝状アルキル、C

    −C

    環状アルキル、C

    −C

    アルケニル、もしくはC

    −C

    アリールであり、それらの各々は、任意に、OR、F、Cl、Br、IもしくはNR

    で置換することができるか;または、総合すると、X基の2つが、共に、任意に置換された環、飽和環、部分飽和環、芳香環もしくはヘテロ芳香族環を形成することができ;


    Rが、H、C

    −C

    20直鎖状アルキル、C

    −C

    20分枝状アルキル、C

    −C

    シクロアルキル、C

    −C

    アルケニル、またはC

    −C

    アリールであって、それらの各々は、任意に置換されてもよく;


    nおよびmの各々が、独立して、1または2であり;


    kが、1または2であり;


    かつ zは0または1である。

    一実施形態によれば、R およびR は各々独立して、H、またはC −C 直鎖状アルキル、C −C 分枝状アルキル、環状アルキルC −C 、C −C アルケニル、C −C アリール(その各々は、任意に置換されてもよい)、またはORもしくはNR であり;かつR はH、直鎖状C −C アルキル、分枝状C −C アルキル、環状C −C アルキル、C −C アルケニル、もしくはC −C アリール(その各々は、任意に置換されていてもよい)、またはORもしくはNR である。 1つの好ましい実施形態では、R およびR は両方ともHである。

    別の実施形態によれば、各々のYはCである。 別の実施形態によれば、kは2であり、かつ各々のXはHである。 1つの好ましい実施形態によれば、Lは、ホスフェン(phosphene)である。

    一実施形態によれば、式Iの化合物は

    である。

    別の態様によれば、式IIまたは式IIIの錯体が提供され
    [M(LNN')Z ] (II)
    μ [M(LNN')Z (III)
    式中:
    各々のZは独立して、水素またはハロゲン原子、C −C アルキル、ヒドロキシル、またはC −C アルコキシ、ニトロシル(NO)基、CO、CNR、またはPR であり、ここでRは、アルキルまたはアリール、PMe またはPPh であり;
    Mは遷移金属であり;かつ 各々のLNN'は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物である配位子である。

    一実施形態によれば、Mは、第7族の金属、第8族の金属または第9族の金属である。 1つの好ましい実施形態によれば、Mは、RuまたはOsである。

    別の実施形態によれば、この錯体は、リガンドLNN'を含み、ここでLNN'は

    である。

    別の実施形態によれば、この錯体は以下の構造

    を有し、


    式中、Mは、上記で定義されるとおりである。

    1つの好ましい実施形態では、この錯体は、以下

    のうちのいずれか1つの構造を有する。

    別の態様によれば、基質を上記記載の錯体の触媒量で処理することを包含する、基質の脱水素のためのプロセスが提供される。 一実施形態では、この基質は、式IVの化合物

    であり、式中R

    はC

    1−20直鎖状アルキル、C

    3−20分枝状アルキル、C

    3−20シクロアルキル、またはアリールであって、そのいずれかは任意に置換されてもよい。

    別の態様によれば、式Iを有している三座のリガンドLNN'であって、R がH、置換または非置換の直鎖状、分枝状または環状のC −C アルキルまたはアルケニル、置換または非置換のC −C 芳香族基であり、かつR が置換または非置換の直鎖状、分枝状または環状のC −C アルキルまたはアルケニル、置換または非置換のC −C アリールである三座のリガンドLNN'が提供される。

    一実施形態では、式Iの複素環状基N'であって、ここでkは1または2であり、窒素複素環N'は任意に置換されており、かつ炭素、窒素、酸素、またはイオウ原子Yを含む。 複素環N'の1つの好ましい例は、C −ピリジル基、C Nである。

    別の特定の実施形態では、Lは、N−複素環状カルベンである。 別の特定の実施形態では、Lは、ホスフェンである。

    三座のリガンドLNN'のいくつかの特定の例は以下である:

    上記の三座のリガンドLNN'は、標準的な手順を用いて合成できる。 例えば、このリガンドは、任意に置換されている2−ピコリルアルデヒド(2−CHO−Py)とアミノホスフィンまたは任意に置換されているチオアミンとの縮合によって得ることができる。 当該分野で周知のNaBH 、Al(tBu) Hまたは任意の他の還元試薬によるイミン生成物の還元は、式IのLNN'リガンドをもたらす。

    現在記載される三座のリガンドは、生成するのが比較的低コストである。 費用の低下は、少なくとも部分的には、値段の安い化学物質の使用、驚くほど高効率のリガンド合成の結果である。 本発明のリガンドの生成は、文献中で触媒錯体に用いられる三座のリガンドの他の例よりも既に桁違いに安価である。

    別の態様によれば、一般式IIおよびIIIの錯体が提供され:
    [M(LNN')Z ] II
    μ [M(LNN')Z III
    式中、LNN'は式Iの三座のリガンドであり、2または3に等しい。 各々のZは同時にまたは独立して水素またはハロゲン原子、C −C アルキルラジカル、ヒドロキシル基、またはC −C アルコキシラジカル、ニトロシル(NO)基、CO、CNR(R=アルキル、アリール)、PMe またはPPh であり、およびMは遷移金属である。 現在記載されているこの錯体は、中性型およびカチオン型の両方で存在し得る。

    一実施形態によれば、遷移金属Mは、好ましくは、7族(マンガン族)、8族(鉄族)、および9族(コバルト族)由来の金属である。 1つの好ましい実施形態では、遷移金属はRuまたはOsである。

    一実施形態では、式IIの錯体は、式IのLNN'リガンドと当該分野で周知のような金属前駆体との反応によって調製され得る。 好ましくは、金属前駆体は、ルテニウムまたはオスミウム化合物であって、これには例えば、以下の式のものが含まれる:RuHCl(CO)(AsPh 、RuCl (CO)(AsPh 、RuHCl(CO)(PPh 、RuCl (CO)(PPh 、OsHCl(CO)(AsPh 、OsCl (CO)(AsPh 、OsHCl(CO)(PPh 、OsCl (CO)(PPh ,[RuCl (p−シメン)] ,[OsCl (p−シメン)] 、RuCl (CO)(p−シメン)、OsCl (CO)(p−シメン)、RuCl (CO)(DMF)(PPh 、[IrCl(COD)] 、[IrCl(COE) 、IrHCl (PPh 、IrH Cl(PPh 、IrHCl (AsPh 、またはIrH Cl(AsPh 。 この反応は、限定するものではないが、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジグリム、DMFまたはDMEのような種々の有機溶媒で行われ得る。

    別の実施形態によれば、式IIの錯体の式IIIの錯体への変換は、塩基を用いて達成され得る。 適切な塩基の非限定的な例としては、アルコキシド類のI群の塩(例えば、Li、Na、K)、例えば、t−ブトキシドおよびアミド類、例えば、N(TMS) が挙げられる。 許容できる塩基の1つの特定の例は、カリウムt−ブトキシドである。 特定の非限定的な例では、塩基は、pKa>11を有する。 適切な塩基の追加の非限定的な例は、I群の塩またはアンモニウムの水酸化物、アルコラート、炭酸アルカリ、アミド、シリコネート、水素化物、ホウ化水素、アルミニウム水素化物であって、ここでI群の塩は、Li、Na、K、または式NR のアンモニウム塩であり、Rは、アルキル、アリールまたはHである。

    式IIおよびIIIの錯体は、水素化の前に、または上記の塩基を用いてインサイチュで調製され得る。 式IIおよびIIIの錯体の調製は、種々の溶媒、例えば、限定するものではないが、THF、Et O、トルエン、ベンゼン、ジグリム、DMFもしくはDME、または当業者に公知の任意の他の適切な溶媒中で行われてもよい。
    例示的な錯体1〜9の構造を下に示す:

    別の態様では、本明細書に記載されるような触媒量の錯体を用いてエタノールを処理することを包含する、酢酸エチルを作製するためのプロセスが提供される。 一実施形態では、このプロセスは、均質プロセスである。 別の実施形態では、このプロセスは、水素受容体を必要としない。

    水素化プロセス 本出願はさらに、触媒性水素化プロセスを提供する。 上記の式IIおよびIIIの触媒錯体は、C=C二重結合の存在下でエステル基の還元に対して高い選択性を示すことが見出された。 これによって、軽度の還元条件下で、限定するものではないが、オリーブ油またはキャノーラ油のような中性の生成物から不飽和アルコールを誘導する有用な方法が得られる。

    一実施形態では、式IのLNN'リガンドに基づいて金属触媒を用いるエステルの水素化のためのプロセスが提供される。 特定の実施形態によれば、この基質は、以下の式の化合物である:

    「基質」という用語は、本明細書において用いる場合、および通常理解されるとおり、触媒性反応の間に生成物に変換される反応物質を指す。 基G1およびG2は同時にまたは独立して、直鎖状、分枝状のC −C 40 、または環状C −C 40アルキル、アルケニルまたは芳香族基であって、任意に、置換されている。 また、当業者は、G1およびG2が一緒になってC −C 40の飽和または不飽和のラジカルを形成する状況を挙げことができる。 水素化反応の基質は、1つまたは2つ以上のカルボアルコキシ基を含んでいる任意の有機化合物であってもよい。 これに関しては、オリーブ油、キャノーラ油、コーン油、ピーナツ油、パーム油、および他の植物油のような天然の脂肪が、アルコールの混合物を形成するために還元され得る有用な基質である。

    還元反応または水素化反応は、一般には、下の反応スキームの1つによって進行する:

    式中、G

    およびG

    は独立して、任意に置換されている炭化水素基から選択される。 明確にするために、複数の置換基G

    が同じ分子中に存在する場合、これらの置換基の各々は、種々の任意に置換されている炭化水素であってもよいことが理解される。

    基質がモノエステルまたはラクトンである場合、この生成物は、それぞれ、アルコールまたはジオールである。 天然に存在するトリグリセリド、オイルおよび脂肪は、グリセロールおよび対応する脂肪アルコールに還元され得る。

    本発明の一実施形態によれば、エステルの触媒性還元のプロセスは、金属錯体1または2、水素圧、ならびに任意に塩基および溶媒のうちの少なくとも1つの使用を意味する。 この塩基は、金属触媒1が、金属に結合された1つ以上のハロゲン原子を含む場合、必要であり得る。 塩基での処理は、還元の前に、またはインサイチュで、水素化の間に反応混合物に対して塩基を加えることによって行われ得る。 本発明の触媒およびプレ触媒は、広範な濃度で、好ましくは10〜1000ppmで用いられてもよく、500ppm以下のローディング(負荷)が特に好ましい。 好ましい量の触媒は、当業者に公知であるように、基質の種類に依存し、触媒ローディングを増大すれば、より速い水素化が生じるはずである。 水素化が行われ得る温度は、0℃〜150℃であり、さらに好ましくは、50℃〜100℃の範囲であり、そして当業者に公知であるとおり、反応速度は反応温度の上昇につれて増大する。 水素化反応は、H ガスの圧力を必要とし、従って、適切な圧力容器中で行われなければならない。 リアクターの表面積および水素圧は、当業者に公知であるとおり、一般には、反応速度に大きく影響し得る。 水素圧およびリアクターの表面積が大きくなるほど、水素化反応の速度は速くなる。 10〜200Barの範囲の水素圧を挙げてもよい。 ここでも、当業者は、触媒ロードの関数、および溶媒中の基質の希釈の関数として圧力を十分調節できる。 例えば、5〜50bar(5〜50×10 Pa)という典型的な圧力を挙げることができる。

    しかし、本明細書に記載される触媒錯体が、エステル以外の官能基を含む基質の水素化を触媒するのに有用であることも十分理解されるべきである。 下の表には、式IIまたはIIIの触媒を用いて触媒性の水素化反応から形成され得る基質および対応する生成物の非限定的な列挙を示す。

    脱水素反応 本出願はさらに、式IIおよびIIIの触媒錯体を用いる触媒性脱水素のプロセスを提供する。 例えば、この触媒またはプレ触媒は、以下のスキームによって、1つ以上の−CH OH基を保有しているC −C (n=4−200)アルコールの脱水素に適切であり、それによって水素ガスおよび対応するエステルまたはラクトンが得られる。 一実施形態では、このプロセスは、均一な脱水プロセスであり、これは、既存の不均一技術の代わりに用いられてもよく、好ましくは、塩基なしの反応条件を用い、かつ高い反応温度を回避する。

    従って、一実施形態では、式IのLNN'リガンドに基づく金属触媒を用いるアルコールの脱水素のためのプロセスを提供する。 本発明の実施形態によれば、この基質は、以下の式の化合物である:

    この実施形態では、R基は同時にまたは独立して、直鎖状、分枝状C −C 40または環状C −C 40アルキル、アルケニルまたは芳香族基に相当し、任意に置換されている。 また、RがC −C 40飽和または不飽和の環状ラジカルである状況も挙げてもよい。 これは、基質が、1つ、または2つ以上のヒドロキシル(−OH)基を含む任意の有機化合物であり得ることを意味する。 基質がアルコールまたはジオールである場合、その生成物は、それぞれ、エステルまたはラクトンである。

    一実施形態によれば、触媒性のアクセプターレス脱水素のプロセスは、式IIまたはIIIの金属錯体のうちの少なくとも1つの使用、および(任意に)塩基および溶媒の使用を意味する。 この塩基は、式IIの金属触媒が金属に結合した1つ以上のハロゲンまたはアルコキシ(−OR)基を含む場合に必要であり得る。 この触媒は、基質との混合の前に塩基で処理されてもよいし、またはインサイチュで、脱水素の間に反応混合物に塩基を添加することによって処理されてもよい。 本明細書に記載される触媒およびプレ触媒を、広範な濃度範囲、好ましくは10〜1000ppmで用いてもよく、1000ppm以下のローディング(負荷)が特に好ましい。 触媒の好ましい量は、当業者に公知であるとおり、基質の種類に依存し;触媒ローディングの増大は、より高速の脱水素を生じるはずである。 脱水素が行われ得る温度は、0℃〜200℃、さらに好ましくは、50℃〜150℃の範囲からなり、当業者に公知であるとおり、その反応速度は、反応温度の上昇につれて増大するであろう。 脱水素プロセスは、H ガスの圧力を生じ得、このような場合、必要に応じて、圧力放出弁を装備した、適切な加圧容器中で行われ得る。

    しかし、本明細書に記載される触媒錯体が、アルコール以外の官能基を含む基質の脱水素化を触媒するのに有用であることも十分理解されるべきである。 下の表には、式IIまたはIIIの触媒を用いて触媒性の脱水素化反応から形成され得る基質および対応する生成物の非限定的な列挙を示す。

    上記で注目されるとおり、脱水素反応の副生成物はH である。 従って、本出願はさらに、H を産生するためのプロセスを提供する。 このプロセスは、H を生成するために比較的軽度の条件下で直接的な触媒性の脱水素プロセスで容易に利用可能な基質を都合よく利用し得る。

    本明細書に記載の本発明をさらによく理解するために、以下の実施例を示す。 これらの実施例は、例示的な目的でしかないことが理解されるべきである。 従って、決して本明細書の範囲を限定すべきではない。

    実施例 他に言及しない限り、全ての操作は不活性ガス(アルゴンまたは窒素)下で、グローブボックス中で、または標準的なSchlenk技術を用いて行った。 NMRスペクトルを、Varian Unity Inova 300MHz分光計で記録した。 全ての31 P化学シフトは、85%H PO に対してである。 Hおよび13 Cの化学シフトは、溶媒ピークに対して測定したが、TMSに対して報告される。 OsO およびRuCl ・3H Oは、Pressure Chemicalsから購入した。 全ての他の化学薬品および無水等級の溶媒は、AldrichおよびAlfa Aesarから入手した。 市販の無水等級のエタノールはさらに、ナトリウム金属上で蒸留して、アルゴングローブボックス中に保管した。 (NEt OsCl 、RuHCl(CO)(AsPh 、OsHCl(CO)(AsPh 、RuCl (PPh 、RuCl (CO)(DMF)(PPh を、前に報告された方法によって調製した。 (Gusev,D.G.,Dolgushin,F.M.,Antipin,M.Yu.Organometallics 2001,20,1001;Spasyuk,D.,Smith,S.,Gusev,D.G.Angew.Chem.2012,51,2772〜2775;Shaw,A.P.,Ryland,B.L.,Norton,J.R.,Buccella,D.,Moscatelli,A.Inorg.Chem.2007,46,5805−5812;Rajagopal,S.,Vancheesan,S.,Rajaram,J.,Kuriacose,J.C.J.Mol.Cat.1983,22,131〜135,すべてが参照によって本明細書に援用される)。

    実施例1−PyCH NH(CH N(iPr) の合成 2−アミノエチルジイソプロピルアミン(6.32g、0.044mmol)を、2−ピコリルアルデヒド(4.70g、0.044mmol)に添加し、その混合物を、1時間撹拌した。 得られたイミンを、メタノール(15mL)で希釈して、NaBH (1.66g、0.044mmol)を1時間の間、滴下した。 次いで、全ての揮発物を、減圧下で除去し、その残渣を20mLのジクロロメタンに再溶解した。 その溶液を、Al の短いパッド(3×2cm)を通して濾過した。 次いで、酸化アルミニウムを、10mLのジクロロメタンで洗浄し、収集した濾液をエバポレートして、減圧下で1時間乾燥した。 生成物を、黄色の油として得た(8.41g、90%)。

    H NMR(300MHz,CDCl )δ=8.47(ddd,J=4.8,1.8,0.9Hz,1H)、7.73(td,J=7.6,1.8Hz,1H)、7.39(d,J=7.8Hz,1H)、7.21(ddd,J=7.5,4.9,1.2Hz,1H)、3.77(s,2H)、3.33(br.,1H,NH)、2.97(sep,J=7.0, 2H;CH)、2.48(m,J=2.5Hz,4H,CH )、0.92(d,J=6.6Hz,12H;4×CH )。 13 C NMR([D6]DMSO)δ=160.62(s,1C;Py)、148.75(s,1C;Py)、136.33(s,1C;Py)、121.75(s,1C;Py)、121.65(s,1C;Py)、54.71(s,1C;CH )、49.23(s,1C;CH )、47.65(s,2C;CH)、44.14(s,1C;CH )、20.72(s,1C;4×CH )。

    実施例2−PyCH NH(CH P(iPr) の合成 10mLのTHFの中の2−ピコリルアルデヒド(1.66g、0.0155mmol)を、THF(26.0g、0.0162mmol)中に、2−(ジ−i−プロピルホスフィノ)エチルアミンの10重量%溶液に添加して、その混合物を1時間撹拌した。 次いで得られたイミンを、水素化ジイソブチルアルミニウム(22.7mL、トルエン中に1.5M、0.0341mmol)を用いて、1時間(注意!!!発熱性反応!)処理して、1時間撹拌させた。 その時間後、その溶液を、1mLの水(注意!!!発熱性反応!)でクエンチし、得られた懸濁物を塩基性アルミナの短いパッド(3×2cm)を通して濾過した。 その固体を、THF(3 ? 10mL)を用いて洗浄し、収集された濾液をエバポレートして、減圧下で3時間乾燥した。 その生成物を、黄色の油として得た(2.84g、73%)。

    31 P{ H}NMR([D6]ベンゼン)δ=−1.0(s)。 H NMR([D6]ベンゼン)δ=8.49(dt,J=4.7,1.8Hz,1H;Py)、7.15−7.13(m,1H;Py)、7.09(td,J=7.7,J=1.8Hz,1H;Py)、6.64(ddd,J=7.0,4.9,1.7Hz,1H;Py)、3.93(s,2H;PyCH )、2.81(m,2H;NCH )、1.78(br.s,1H;NH)、1.65−1.35(m,4H;PCHおよびCH P)、1.01(dd,J=13.8,7.1Hz,6H;CH )、0.96(dd,J=10.8,7.0Hz,6H;CH )。 13 C{ H}NMR([D6]ベンゼン)δ=161.37(s,1C;Py)、149.49(s,1C;Py)、135.85(s,1C;Py)、121.92(s,1C;Py)、121.60(s,1C;Py)、55.72(s;1C;NCH )、49.12(d,J(CP)=24.9Hz,1C;NCH )、23.72(d,J(CP)=13.5Hz,2C;PCH)、23.37(d,J(CP)=19.3Hz,1C;PCH )、20.29(d,J(CP)=16.5Hz,2C;CH )、18.93(d,J(CP)=9.9Hz,2C;CH )。

    実施例3−trans−OsHCl(CO)[PyCH NH(CH P(iPr) ]の合成

    15mlのジグリム中にOsHCl(CO)(AsPh (5.94g、5.57mmol)およびPyCH NH(CH P(iPr) (1.27g、5.06mmol)の混合物を含んでいるフラスコを、160℃まで予備加熱した油浴に入れて、1時間撹拌し、濃い赤色の溶液を得た。 室温まで冷却した後、その混合物を4mLのジエチルエーテルで希釈し、そのフラスコを、冷凍庫中で、18℃で一晩保管した。 沈殿した生成物を濾過して、ジエチルエーテル(3×3mL)で洗浄し、減圧下で3時間乾燥して、褐色の結晶性固体を得た。 収率1.81g(71%)。

    31 P{ H}NMR([D2]DCM)δ=48.41(s)。 H{ 31 P}NMR([D2]DCM)δ=9.00(d,J=5.5Hz,1H,Py)、7.68(td,J=7.8,1.5Hz,1H,Py)、7.28−7.16(m,1H,Py)、4.61(dd,J=14.3,4.4Hz,1H,PyCH )、4.12(br.t,J=12.0Hz,1H,NH)、3.93(dd,J=14.2,11.6Hz,1H,PyCH )、3.67−3.58(m,1H,NCH )、2.73−2.53(m,1H,NCH )、2.46(sep,J=14.7,7.4Hz,1H,PCH)、2.37(dd,J=15.0,4.0Hz,1H,CH P)、2.11(sept,J=6.9Hz,1H,PCH)、1.77(td,J=14.6,5.8Hz,1H,CH P)、1.35(d,J=7.4Hz,3H,CH )、1.21(d,J=7.2Hz,3H,CH )、1.09(d,J=6.9Hz,3H,CH )、1.04(d,J=7.0Hz,3H,CH )、−16.45(s,1H、OsH,サテライト J(OsH)=95.22)。 13 C{ H}NMR([D2]DCM)δ=188.57(d,J(CP)=8.6Hz,CO)、161.56(s,1C,Py)、153.89(d,J(CP)=1.7Hz,1C;Py)、136.16(s,1C;Py)、125.13(d,J(CP)=2.0Hz,1C;Py)、121.80(d,J(CP)=1.7Hz,1C;Py)、60.62(d,J(CP)=2.3Hz,1C;CH )、54.96(d,J(CP)=1.7Hz,1C;CH )、33.07(d,J(CP)=25.9Hz,1C;CH)、29.19(d,J(CP)=30.3Hz,1C;CH)、26.03(d,J(CP)=33.1Hz,1C;CH )、21.04(d,J(CP)=3.9Hz,1C;CH )、20.57(d,J(CP)=3.4Hz,1C;CH )、19.05(s,1C;CH )、17.51(d,J(CP)=4.6Hz,1C;CH )。 iR(Nujol):ν C≡O =1879(s)C 1526 ClN OOsPの分析的な計算値:C,35.53;H,5.17;N,5.24。 実測値:C,35.35;H,5.19;N,5.24。

    実施例4−μ −mer,fac−{OsH(CO)[PyCH N(CH P(iPr) ]} の合成

    7mLのTHF中のOsHCl(CO)[PyCH NH(CH P(iPr) ](1.00g、1.97mmol)およびKOtBu(243mg、2.17mmol)の混合物を、2時間撹拌し、次いで、得られた溶液を、冷凍庫中に1時間置いた。 この赤い反応混合物を、20mLバイアル中に濾過して、1mLのTHFを用いてフリット漏斗をリンスした。 その溶液を6mLのジエチルエーテルを用いて希釈し、その化合物を冷凍庫中で、−18℃で結晶化した。 結晶性の鮮黄色の生成物を、濾過によって単離して、減圧下で1時間乾燥した。 収率621mg(67%)。

    31 P NMR([D2]DCM)δ=67.73(s)、51.50(s)。 H{ 31 P}NMR([D2]DCM)δ=8.86(t,J=6.7Hz,2H,Py)、7.08(t,J=7.8Hz,1H,Py)、7.01(t,J=7.6Hz,1H,Py)、6.86−6.73(m,2H,Py)、6.34(d,J=8.0Hz,1H,Py)、6.24(d,J=7.8Hz,1H,Py)、5.24(d,J=17.8Hz,1H,PyCH )、4.72(d,J=19.4z,1H,PyCH )、4.14(d,J=17.7Hz,1H,NCH )、3.84(t,J=12.9Hz,1H,NCH )、3.80−3.68(m,1H)、3.56−3.33(m,3H)、2.75(hept,J=14.4,1H;CH)、2.39−2.17(m,2H)、2.05(hept,J=5.6,1H,PCH)、1.99−1.87(m,1H)、1.83−1.62(m,1H)、1.32(2d重複,J=7.4Hz,3H)、1.28−1.16(m,1H)、1.09(d,J=6.9Hz,3H;CH )、1.05(d,J=6.8Hz,3H;CH )、0.95(d,J=6.7Hz,3H;CH )、0.89(d,J=6.9Hz,3H;CH )、0.73(d,J=7.0Hz,3H;CH )、0.58(t,J=7.3Hz,3H)、−11.54(s,1H;OsH)、−14.31(s,1H;OsH)。 13 C{ H}NMR([D2]DCM)δ=191.26(d,J(CP)=9.0Hz,1C;CO)、190.06(d,J(CP)=6.7Hz,1C;CO)、171.19(s,1C;Py)、170.65(s,1C;Py)、151.05(s,1C;Py)、150.77(s,1C;Py)、133.61(s,1C;Py)、133.36(s,1C;Py)、122.96(d,J(CP)=2.0Hz,1C;Py)、122.80(s,1C;Py)、117.82(s,1C;Py)、75.84(s,1C;PyCH )、74.06(s,1C;PyCH )、70.28(d,J(CP)=6.5Hz,1C;NCH )、68.89(s,1C;NCH )、36.42(d,J(CP)=28.7Hz,1C;CH)、30.73(d,J(CP)=21.3Hz,1C;CH)、29.15(d,J(CP)=36.4Hz,1C;CH)、28.59(d,J(CP)=21.8Hz,1C;CH)、26.46(d,J(CP)=22.2Hz,1C;CH )、26.01(d,J(CP)=32.2Hz,1C;CH )、22.32(d,J(CP)=3.6Hz,1C;CH )、20.91(d,J(CP)=4.7Hz,1C;CH )、20.17(d,J(CP)=2.3Hz,1C;CH )、19.77(s,1C;CH )、19.58(d,J(CP)=2.3Hz,1C;CH )、19.09(s,1C;CH )、18.26(s,1C;CH )、16.77(d,J(CP)=7.0Hz,1C;CH )。

    実施例5−RuHCl(CO)(AsPh の合成 250mLの丸底Schlenkフラスコに、空気中で、RuCl 3・ 3H O(1.26g、4.85mmol)、AsPh (5.94g、19.4mmol)、NEt(iPr) (5.00g、38.7mmol)、2−メトキシエタノール(115mL)および水性ホルムアルデヒド(40%、15mL)をロードした。 栓をしたフラスコを、短時間開けて減圧して、アルゴンを再充填した;この手順を5回繰り返した。 撹拌した反応混合物を、125℃の浴温度を維持しながら、油浴中で4時間加熱した。 得られた灰色がかった懸濁物を、室温に1時間おいておいた。 その沈殿物を濾過して、エタノール(3×5mL)で洗浄し、減圧下で2時間乾燥して、オフホワイトの固体を得た。 収率3.14g(66%)。

    実施例6−trans−RuHCl(CO)[PyCH NH(CH P(iPr) ]の合成

    20mLのトルエン中にRuHCl(CO)(AsPh (2.13g、2.18mmol)およびPyCH NH(CH P(iPr) (500mg、1.98mmol)の混合物を含んでいる25mLのSchlenkフラスコを、110℃で、1時間還流下で撹拌して濃褐色の溶液を得た。 室温まで冷却した後、その生成物を濾過して、淡褐色の粉末状固体を得て、これをジエチルエーテル(2×5mL)で洗浄し、減圧下で乾燥した。 収率671mg(81%)。

    31 P{ H}NMR([D2]DCM)δ=94.74(s)。 H{ 31 P}NMR([D2]DCM)δ=8.93(d,J=5.3Hz,1H;Py)、7.68(td,J=7.7,1.6Hz,1H;Py)、7.32−7.12(m,2H;Py)、4.41(d,J=10.2Hz,1H;CH )、4.20−3.95(m,2H;NH+CH )、3.57−3.40(m,1H;CH )、2.62(ddd,J=11.3,9.3,3.9Hz,1H;CH )、2.50(sep,J=7.1Hz,1H;CH)、2.30(dd,J=15.0,3.8Hz,1H;CH )、2.19(sep,J=6.9Hz,1H;CH)、1.91(td,J=14.6,5.9Hz,1H;CH )、1.38(d,J=7.4Hz,3H;CH )、1.21(d,J=7.2Hz,3H;CH )、1.15−1.01(重複 d,6H;2CH )、−14.93(s,1H;RuH)。 13 C{ H}NMR([D2]DCM)δ=206.52(dd 31 Pに対するカップリングおよび水素化物に対する残りのカップリングに起因,J(CP)=15.3,7.3Hz,1C;CO)、160.91(s,1C;Py)、153.65(d,J(CP)=1.3Hz,1C;Py)、136.79(s,1C;Py)、124.42(d,J(CP)=2.0Hz,1C;Py)、121.57(d,J(CP)=1.5Hz,1C;Py)、59.80(s,1C;PyCH )、52.98(s,1C;NCH )、32.58(d,J(CP)=21.3Hz,1C;PCH )、29.02(d,J(CP)=24.9Hz,1C;CH)、25.03(d,J(CP)=28.5Hz,2C;CH)、20.69(d,J(CP)=4.2Hz,2C;2×CH )、19.05(s,1C;CH )、17.61(d,J(CP)=5.2Hz,1C;CH )。

    実施例7−錯体1を用いるエステルの水素化 tBuOK(15mg、0.13mmol)を、10mLのTHF中の錯体1(51mg、0.10mmol)の溶液に添加し、その混合物を3分間撹拌した。 得られた溶液の1mLを、安息香酸メチル(2.72g、20.0mol)または他の所望の基質と、6mLのTHFまたはトルエン中で混合した。 次いで、その混合物を、磁気スターラーバーを装備した75mLのステンレス鋼リアクター(Parr 4740)中に入れた。 そのリアクターを、H (150psi,10Bar)による2サイクルの加圧/通気によってパージし、次いでH (725psi,50Bar)で加圧して、H 源から外した。 その反応は、予備加熱した油浴中、100℃で1.5時間行った。 反応時間の終わりに、そのリアクターを、冷たい水浴中に入れて、これを環境温度への冷却後に減圧した。 減圧下で全ての揮発性物質(THF,CH OH)をエバポレートした後に、生成物ベンジルアルコールを得た。 その結果を下の表1〜4に示す。 試験した基質の詳細な列挙に関しては表2を参照のこと。

    実施例8−錯体2を用いる安息香酸メチルの水素化 THFまたはトルエン中の4.7mg/mLの2(0.01mmol[Os])を含んでいる1mLの溶液を、6mLのTHFまたはトルエン中の安息香酸メチル(2.72g、20.0mmol)の溶液に添加した。 引き続く操作を、実施例7における手順に従って行った。

    実施例9−錯体2を用いるオリーブ油の水素化 トルエン(0.006mmol[Os]を含んでいる)中の2の4.7mg/mL溶液の0.6mLを、6mLのトルエン中のオリーブ油の溶液(1.86g、2.00mmol)に添加した。 全ての引き続く操作を、7時間の反応時間を用いて実施例7の手順に従って行った。 その生成物混合物をエバポレートして、減圧下で1時間乾燥した。 グリセロールからの脂肪アルコールのさらなる分離は、ヘキサン抽出によって、またはグリセロールからの脂肪アルコールの遠心分離およびデカンテーションによって行ってもよい。

    実施例10−錯体3を用いるカプロン酸メチルの水素化 THFまたはトルエンおよびtBuOK(22.6mg、0.2mmol)中の3(0.01mmol)の4.2mg/mL溶液の1mLを、6mLのTHFまたはトルエン中のカプロン酸メチルの溶液(2.94g、20.0mmol)に添加した。 全ての引き続く操作は、実施例7に記載の手順に従って行った。

    実施例11−NH (CH PPH の合成 500mLのフラスコ中で、50.0g(0.191mol)のPPh を、200mLのTHF中に溶解して、4.00g(0.571mol)の顆粒化されたLiを添加した。 この混合物は、色が急速に鮮やかなオレンジ色に、続いて濃い赤色に変化した。 この反応物を一晩撹拌し、次いで生成物溶液を、ガラスフリットを通して、500mLのフラスコ中に濾過した。 濾液への19.3g(0.166mol)の2−クロロエチルアミン塩酸塩の緩徐な添加(注意:発熱性反応!)によって、淡いオレンジ色の溶液を得て、これをさらに30分間撹拌させ、次いで、3.00gのH Oで処理した。 減圧下での溶媒除去によって、粘性の残渣を得た。 その粗生成物を3×20mLのヘキサンで洗浄し、得られた白色のスラリーを、70mLのトルエンで抽出し、Al の短いプラグ(2cm×1cm)を通して濾過した。 トルエン抽出物を、ロータリーエバポレーター(rotavap)を用いてエバポレートし、引き続き減圧下で乾燥して、34.69g(91%)の粗(83〜85%)NH (CH PPh を淡黄色の油として得た。 この生成物を、実施例12の合成において精製なしに用いた。

    実施例12−PyCH=NCH CH PPh の合成 20mLのTHF中の2−ピコリルアルデヒド(23.2g、0.216mol)の溶液を、80mLのTHF中の60g(83%、0.218mol)の2−アミノエチルジフェニルホスフィンにゆっくり添加し、その混合物を3時間撹拌した。 次いで、40mLのヘキサンを添加して、その混合物を−18℃の冷蔵庫中に置いて、これによってオフホワイトの沈殿物を生成した。 その固体を濾過して、変性したエタノール(2×10mL)および40mLのヘキサンで洗浄し、次いで減圧下で2時間乾燥した。 その生成物を、オフホワイトの固体として得た。 収率47.2g(68%)。

    H NMR([D6]ベンゼン)δ=8.54−8.33(m,2H,Py+NCH)、8.09(dd,J=7.9,1.0Hz,1H,Py)、7.54−7.32(m,4H,Ph)、7.12−6.99(m,7H,Ph+Py)、6.71−6.53(m,1H,Py)、3.79−3.55(m,2H,CH )、2.46−2.24(m,2H,CH )。 13 C NMR([D6]ベンゼン)δ=162.70(s,1C,Py)、155.78(s,1C,N=C)、149.64(s,1C,Py)、139.56(d,J(CP)=14.3Hz,2C,{ArP}C ipso )、136.05(s,1C,Py)、133.30(d,J(CP)=19.0Hz,4C,{ArP}C ortho )、128.87(s,2C,{Ar}C para )、128.78(s,4C,{Ar}C meta )、124.53(s,1C,Py)、121.04(s,1C,Py)、58.45(d,J(CP)=20.3Hz,1C,NCH )、30.50(d,J(CP)=13.9Hz,1C,CH P)。 31 P NMR([D6]ベンゼン)δ=−18.19(s)。

    実施例13−PyCH NH(CH PPh の合成 40g(0.126 mol)のPyCH=NCH CH PPh を、250mLフラスコ中で、100mLのメタノール中に懸濁し、続いて、2時間にわたって5.24g(0.138mol)のNaBH を緩徐に添加した。 さらに30分間の撹拌後、その混合物を、エバポレートして、その油状残渣を3×30mLのトルエンで抽出した。 トルエン溶液を、Al の短いプラグ(2cm×2cm)を通して、追加して2×20mLのトルエンを用いて濾過して、固体を洗浄した。 その溶媒を減圧下で除去して、その生成物をさらに2時間乾燥して、37.2g(92%)の淡黄色の油を得て、これは室温でさらに静置した際に結晶化した(7〜10日後)。

    H NMR([D6]ベンゼン)δ=8.46(ddd,J=4.8,1.7,1.0Hz,1H,Py)、7.53−7.31(m,4H,Ph)、7.12−6.91(m,6H,Ph)、6.62(ddd,J=7.2,4.8,1.5Hz,1H,Py)、3.79(s,2H,CH )、2.75(dd,J=15.2,8.5Hz,2H,CH )、2.25−2.02(m,2H,CH )、1.67(br.s,1H,NH)。 13 C{ H}NMR([D6]ベンゼン)δ=161.06(s,1C,Py)、149.48(s,1C,Py)、139.74(d,J(CP)=14.2Hz,2C,{ArP}C ipso )、135.84(s,1C,Py)、133.18(d,J(CP)=18.8Hz,4C,{ArP}C ortho )、128.69(d,J(CP)=6.5Hz,4C,{ArP}C meta )、128.62(s,2C,{ArP}C para )、121.94(s,1C,Py)、121.61(s,1C,Py)、55.39(s,1C,CH N)、46.79(d,J(CP)=20.7Hz,1C,NCH )、29.79(d,J(CP)=12.9Hz,1C,CH P)。

    実施例14−トランス−OsHCl(CO)[PyCH NH(CH PPh ]の合成

    ジグリム30mL中、OsHCl(CO)(AsPh (3.00g、2.56mmol)とPyCH NH(CH PPh (0.818g、2.56mmol)の混合物を含むフラスコを、160℃に予め加熱しておいた油浴に入れ、3時間撹拌し、暗赤色溶液を得た。 室温まで冷却した後、この混合物をヘキサン30mLで希釈し、このフラスコを−23℃の冷凍庫に1時間保管した。 沈殿物を濾過し、ジエチルエーテル(5mLで3回)で洗浄し、DCM:Et O混合物(3:1)20mLから再結晶化させた。 収率779mg(53%)。

    H{ 31 P}NMR([D2]DCM)δ=9.04(d,J=5.1Hz,1H,Py),7.81−7.59(m,5H,Ph+Py),7.45−7.30(m,6H,Ph),7.28−7.16(m,2H,Py),4.64(dd,J=14.6,4.4Hz,1H,CH ),4.50(br t,J=11.5Hz,1H,NH),3.96(dd,J=14.1,11.7Hz,1H,CH ),3.80−3.67(m,1H,CH ),3.09(dd,J=14.5,1.9Hz,1H,CH ),2.74(dtd,J=14.7,11.6,3.3Hz,1H,CH ),2.32(td,J=14.6,5.4Hz,1H,CH ),−15.81(s,1H,OsH). 13 C{ H}NMR([D2]DCM)δ=188.19(dd,J(CP)=9.2,5.6Hz,OsHと残留カップリング,1C,CO),161.63(s,1C,Py),154.20(d,J(CP)=1.5Hz,1C,Py),139.78(d,J(CP)=54.6Hz,1C,{Ar}C ipso ),136.70(s,1C,Py),135.90(d,J(CP)=50.4Hz,1C,{Ar}C ipso ),133.61(d,J(CP)=10.9Hz,1C,2C,{Ar}C ortho ),132.69(d,J(CP)=10.8Hz,2C,{Ar}C ortho ),130.50(d,J(CP)=2.4Hz,1C,{Ar}C para ),130.36(d,J(CP)=2.4Hz,2C,{Ar}C para ),128.82(d,J(CP)=10.4Hz,2C,{Ar}C meta ),128.66(d,J(CP)=10.4Hz,{Ar}C meta ),125.34(d,J(CP)=2.0Hz,Py),122.02(d,J(CP)=1.5Hz,Py),60.63(s,1C,PyCH ),53.73(d,J(CP)=2.1Hz,1C,NCH ),35.91(d,J(CP)=30.8Hz,1C,CH P). 31 P{ H}NMR([D2]DCM)δ=29.7(s)。

    実施例15−トランス−RuHCl(CO)[PyCH NH(CH PPh ]の合成

    ジオキサン30mL中、RuHCl(CO)(AsPh (5.73g、4.68mmol)とPyCH NH(CH PPh (1.5g、4.68mmol)の混合物を含む50mLのSchlenkフラスコを、還流下で3時間撹拌し、暗褐色溶液を得た。 室温まで冷却した後、この混合物をEt O5mLで希釈し、−15℃の冷凍庫に置いた。 結晶化物を濾過し、次いで、ジエチルエーテル(5mLで2回)で洗浄し、真空乾燥させた。 灰色の個体の収率1.71g(75%)。

    H{ 31 P}NMR([D2]DCM)δ=8.97(d,J=5.4Hz,1H,Py),7.95−7.55(m,5H,Ph+Py),7.47−7.35(m,6H,Ph),7.33−7.26(m,1H,Py),7.22(d,J=7.8Hz,1H,Py),4.45(dd,J=15.3,4.2Hz,2H,PyCH ),4.09(dd,J=15.3,12.7Hz,1H,CH ),3.71−3.51(br,1H,NH),3.00(dd,J=14.1,1.8Hz,1H,CH ),2.75(dtd,J=14.3,11.3,3.1Hz,1H,CH ),2.53(td,J=14.4,5.1Hz,1H,CH ),−14.30(s,1H,RuH). 13 C{ H}NMR([D2]DCM)δ=205.80(d,J(CP)=17.9Hz),160.84(s,1C,Py),153.92(d,J(CP)=1.1Hz,1C,Py),138.73(d,J(CP)=49.5Hz,1C,{Ar}C ipso ),137.14(s,1C,Py),135.66(d,J(CP)=43.7Hz,1C,{Ar}C ipso ),133.46(d,J(CP)=11.0Hz,2C,{Ar}C ortho ),132.62(d,J(CP)=11.4Hz,2C,{Ar}C ortho ),130.44(d,J(CP)=2.4Hz,1C,{Ar}C para ),130.34(d,J(CP)=2.3Hz,1C,{Ar}C para ),128.84(d,J(CP)=10.1Hz,2C,{Ar}C meta ),128.61(d,J(CP)=10.1Hz,2C,{Ar}C meta ),124.61(d,J(CP)=2.2Hz,1C,Py),121.75(d,J(CP)=1.6Hz,1C,Py),59.77(d,J(CP)=1.5Hz,1C,CH ),51.92(d,J(CP)=4.1Hz,1C,CH ),35.14(d,J(CP)=26.0Hz,1C,CH ).C 2021 ClN ORuPについての元素分析の計算値:C,47.23;H,6.61;N,7.34.実測値:C,46.95;H,6.53;N,7.15。

    実施例16−受容体不要なアルコールの脱水素化の標準的な手順 撹拌子を備える50mLのSchlenkフラスコに、アルゴン下で0.052mmolの錯体2、3、または5、0.5〜1モル%のtBuOK(錯体3および錯体5を含む)、ならびに計算された量の基質(基質と金属の比、1000:1)を入れた。 次いで、(アルゴンマニホールドに取りつけられ、通気孔を付けた)フラスコを油浴に入れ、希釈していないアルコールの沸点をわずかに上回る温度で加熱した。 シリンジを用いてセプタムストッパーを通して反応溶液から取り出した試料0.6mLを用いて、変換を1H NMR分光法によって監視した。

    実施例17−PyCH NH(CH PtBu の合成 NH (CH PtBu の合成を、公知の手順(6、参照により本明細書に組み込まれる)に従って行った。 THF10mL中の2−ピコリルアルデヒド(picolyl aldehyde)(2.04g、19.04mmol)の溶液を、THF10mL中の2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)エチルアミン(3.60g、19.04mmol)に加えた。 混合物を1時間撹拌し、次いで、真空下で1時間エバポレートおよび乾燥させた。 油性残留物をトルエン15mLに再び溶解し、トルエン中1.5MのDIBAL溶液(16.5mL,24.75mmol)でゆっくり(1時間かけて)処理した(注意:発熱反応!)。 生成溶液を30分間撹拌し、次いで、水1mLで急冷した(注意:発熱反応!)。 得られた懸濁液を塩基性アルミナの短いプラグ(2.1cm)を通して濾過し、個体をTHF(10mLで3回)で洗浄した。 濾液を真空下で3時間蒸発および乾燥させ、生成物を黄色油として得た(3.79g、71%)。

    H{ 31 P}NMR([D6]ベンゼン)δ=8.49(d,J=4.8Hz,1H,Py),7.19−7.15(m,1H,C Hと重複したPy),7.10(t,J=7.1Hz,1H,Py),6.64(dd,J=6.3,5.8Hz,1H,Py),3.96(s,2H,PyCH ),2.87(t,J=7.7Hz,2H,NCH ),1.91(br,1H,NH)1.56(t,J=7.7Hz,2H,CH P),1.07(s,18H,CH ). 13 C{ H}NMR([D6]ベンゼン)δ=161.46(s,1C,Py),149.48(s,1C,Py),135.84(s,1C,Py),121.91(s,1C,Py),121.58(s,1C,Py),55.79(s,1C,CH ),50.78(d,J(CP)=34.2Hz,1C,CH ),31.19(d,J(CP)=22.1Hz,2C,CMe ),29.82(d,J(CP)=14.0Hz,6C,CH ),22.96(d,J(CP)=27.5Hz,1C,CH P). 31 P{ H}NMR([D6]ベンゼン)δ=20.47(s)。

    実施例18−トランス−RuHCl(CO)[PyCH NH(CH PtBu ]の合成

    50mLのSchlenkフラスコ中で、ジグリム10mL中RuHCl(CO)(AsPh (1.93g、1.79mmol)とPyCH NH(CH PtBu (500mg,1.79mmolの混合物を140℃で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、Et O2mLを加え、この混合物を−18℃に置き、結晶化させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテル(3mLで2回)で洗浄し、真空乾燥させ、灰色個体を得た。収率431mg(54%)。

    H{ 31 P}NMR([D2]DCM)δ=8.89(dt,J=5.4,0.8Hz,1H;Py),7.66(td,J=7.7,1.6Hz,1H;Py),7.22(dd,J=15.5,7.2Hz,2H;Py),4.68(br.,1H;NH),4.45(dd,J=15.0,4.7Hz,1H;CH ),4.00(dd,J=14.9,11.5Hz,1H;CH ),3.61−3.44(m,1H;CH ),2.67(dtd,J=13.4,11.6,4.8Hz,1H;CH ),2.26(dd,J=14.7,4.2Hz,1H;CH ),2.07(td,J=14.2,6.4Hz,1H;CH ),1.35(d,J=5.3Hz,18H;CH ),−15.59(s,1H;RuH). 13 C{ H}NMR([D2]DCM)δ206.49(dd,J(CP)=15.5,J(CH)=6.9Hz OsHと残留カップリング,1C;CO),160.73(s,1C;Py),153.59(s,1C;Py),136.74(s,1C;Py),124.37(d,J(CP)=1.6Hz,1C;Py),121.33(s,1C;Py),52.51(s,1C;CH ),38.29(d,J(CP)=15.0Hz,1C;CH ),37.55(d,J(CP)=24.6Hz,1C;CMe ),37.52(d,J(CP)=24.6Hz,1C;CMe ),30.93(d,J(CP)=4.3Hz,3C;CH ),30.07(d,J(CP)=3.2Hz,3C;CH ),28.49(d,J(CP)=14.9Hz,1C;PCH ). 31 P{ H}NMR([D2]DCM)δ106.10(s)。 C 1731 ClN OPRuについての元素分析の計算値:C,45.68;H,6.99;N,6.27、実測値:C,45.40;H,6.74;N,5.92。

    実施例19−トランス−RuCl (PPh )[PyCH NH(CH PPh ]の合成

    100mLのSchlenkフラスコ中で、トルエン(または1,4−ジオキサン)30mL中のRuCl (PPh (4.20g、4.38mmol)とPyCH NH(CH PPh (1.40g、4.38mmol)の混合物を40℃で3時間撹拌することにより、黄色の懸濁液を生成した。 この生成物を空気中で濾過し、Et O10mLで洗浄し、2時間真空乾燥させ、黄色個体を得た。 収率3.1g(94%)。

    H{ 31 P}NMR([D2]DCM)δ8.42(d,J=5.6Hz,1H;Py),7.77−7.53(m,3H),7.53−6.91(m,29H),6.85(t,J=6.6Hz,1H;Py),5.49(t,J=13.0Hz,1H;CH ),5.23(br,1H;NH),4.28(dd,J=13.9,3.5Hz,1H;CH ),3.66−3.31(m,2H;CH ),2.91−2.57(m,2H;CH ),2.35(s,3H;CH Tol). 13 C{ H}NMR([D2]DCM) δ 163.50(s,1C;Py),156.81(s,1C;Py),139.44(d,J=32.2Hz,2C;{PPh }C ipso ),137.89(s,1C;Py),137.13(d,J(CP)=39.3,3C;{PPh }C ipso ),135.95−135.29(m,6C;{PPh }C ortho ),135.11(d,J(CP)=8.4Hz,2C;{PPh }C ortho ),134.47(d,J(CP)=9.1Hz,2C;{PPh }C ortho ),129.38(d,J(CP)=4.5Hz,2C;{PPh }C para ),129.38(s,3C;{PPh }C para ),128.48−127.05(m,10C;{PPh }C meta +{PPh }C meta ),122.96(s,1C;Py),121.92(s,1C;Py),67.59(s,1,4−ジオキサン),57.77(s,1C;CH ),49.09(s,1C;CH ),38.77(d,J(CP)=27.4Hz,1C;CH ). 31 P{ H}NMR([D2]DCM) δ 49.13(d,J(PP)=28.9Hz,1P),47.39(d,J(PP)=29.0Hz,1P)。 C 3836 Cl Ru・C についての元素分析の計算値:C,63.83;H,5.24;N,3.31、実測値:C,63.23;H,5.22;N,3.34。

    実施例20−トランス−OsHCl(CO)[PyCH NH(CH PtBu ]の合成

    50mLのSchlenkフラスコ中で、ジグリム10mL中のOsHCl(CO)(AsPh (1.675g、1.43mmol)とPyCH NH(CH PtBu (400mg,1.43mmol)の混合物を140℃で3時間撹拌した。 室温まで冷却した後、Et O2mLを加え、生成物を−15℃に置き、結晶化させた。 黄色固体を濾過し、ジエチルエーテル(3mLで2回)で洗浄し、真空乾燥させた。 収率507mg(66%)。

    H{ 31 P}NMR([D2]DCM)δ8.97(dt,J=6.3,1.4Hz,1H;Py),7.67(td,J=7.8,1.5Hz,1H;Py),7.27−7.05(m,2H;Py),4.65(brと重複しているdd s,J=15.8,4.7Hz,2H;CH +NH),3.88(dd,J=15.8,12.2Hz,1H;CH ),3.69−3.43(m,1H;CH ),2.64(ddd,J=25.1,11.4,4.6Hz,1H;CH ),2.33(dt,J=29.2,14.5Hz,1H;CH ),1.99(td,J=14.4,6.4Hz,1H;CH ),1.35(s,18H;CH ),−17.35(s,1H;OsH). 13 C{ H}NMR([D2]DCM) δ 188.49(dd,J(CP)=8.3,J(CH)=4.3Hz OsHと残留カップリング,1C;CO),161.44(s,1C;Py),153.79(d,J(CP)=1.7Hz,1C;Py),136.22(s,1C;Py),125.08(d,J(CP)=1.8Hz,1C;Py),121.55(d,J(Cp)=1.6Hz,1C;Py),54.22(s,1C;CH ),39.63(d,J(CP)=20.8Hz,1C;CH ),38.96(d,J(CP)=29.1Hz,2C;CMe ),30.90(d,J(CP)=3.9Hz,3C;CH ),29.78(d,J(CP)=2.6Hz,3C;CH ),29.22(d,J(CP)=19.8Hz,1C;CH ). 31 P{ H}NMR([D2]DCM)δ62.79(s)。 C 1731 ClN OPOsについての元素分析の計算値:C,38.16;H,5.65;N,5.24、実測値:C,38.04;H,5.72;N,4.97。

    実施例21−錯体7を用いたイミンおよびエステルの水素化 さらに、錯体7を、極性C=X結合を有する化合物の水素化で試験した。 最近、エステルの触媒水素化に非常に関心が集まっている。 最先端の工業用触媒の性能は素晴らしいが、(a)反応温度を好ましくは20〜40℃程度まで低下させるため、(b)触媒添加を好ましくは0.05モル%未満まで低下させるためのさらなる改良が非常に望まれる。 これらの留意事項によって導かれるように、錯体7を、上記の表1〜4に示されるいくつかの標準基質の水素化で試験した。 ここで留意すべきは、示される反応の全ては40℃で行われたことである。

    アルゴングローブボックス中で、THF中の必要量の1.9mg/gの錯体4の溶液を、望ましい量の塩基(tBuOK、MeOK、またはEtOK)に加えた。 次いで、得られた混合物を該基質(0.02〜0.20mol)と混合し、磁気撹拌子を備えたステンレススチール製のパール反応器(75mLまたは300mL)に移した。 この反応器を閉じて、グローブボックスから取り出し、しっかり締めて、水素タンクと接続させた。 線を取り除いた後、この反応器を725psi(50バール)まで加圧し、H 源から切り離した(0.2molの基質を用いて、300mLの反応器中で行った反応を除く)。 次いで、この反応器を予め40℃に温めておいた油浴に入れた。 反応時間の終わりに、この反応器を5分間冷たい水浴に移し入れ、減圧した。

    上記の水素化実験の結果は、未処理のエタノール脱水素化触媒も、極性C=X結合を有する基質の水素化において優れた効率を有する可能性を示す。 触媒7は、アルカノエートの還元に特に成功し、エチルアセテートについては16時間中に前例のない20000回のターンオーバーを、ヘキサン酸メチルについては18時間中18800回のターンオーバーを共に40℃で与えた。 この種の基質についてこれまで報告された最高のターンオーバー数(TON)は、ルテニウム2量体{RuH(CO)[N(C PiPr ]} を用いたヘキサン酸メチルについて、100℃で18時間中7100回であった(Spasyuk,D.,Smith,S.,Gusev,D.G.Angew.Chem.,Int.Ed.2012,51,2772−2775)。 別の比較では、最高のフィルメニッヒ触媒RuCl (H NC PPh が、理論上は、2.5時間の反応時間にわたり、報告されたTOF=688h −1に基づいて、オクタン酸メチルについて100℃で18600回のターンオーバーをもたらすのに27時間を要するであろう(米国特許出願公開第2010−280273号)。 錯体7は有能なイミン水素化触媒でもあり、N−ベンジルアニリンについては特に高いTON=50000を与えた。

    実施例22−μ −{RuH(CO)[PyCH N(CH P(iPr) ]} の合成

    ジエチルエーテルとTHF(2:1、15mL)の混合物を、錯体3(640mg、1.53mmol)とtBuOK(172mg、1.53mmol)の混合物に加え、得られた溶液を5分間撹拌した。 この時間中に、色が黄色から濃い紫色、次いで濃い緑色に変わった。 生成溶液を−18℃の冷凍庫に15分間入れ、その後、ガラスフリットを通して濾過した。 溶媒を真空除去し、錯体4の2つの異性体の混合物532mg(91%)を得た。 60℃でのトルエン5mLからの混合物の再結晶化後に、主要な異性体が、山吹色個体(340mg、58%)として純粋な形態で得られた。

    31 P{ H}NMR([D2]DCM) δ=93.80(s),90.25(s). H{ 31 P}NMR([D2]DCM) δ=9.01(dd,J=5.5,0.8Hz,1H;Py),8.40(d,J=5.4Hz,1H;Py),7.15(td,J=7.7,1.6Hz,1H;Py),7.10(td,J=7.7,1.7Hz,1H;Py),6.86(T,J=6.5Hz,2H;Py),6.46(d,J=7.9Hz,1H;Py),6.27(d,J=8.0Hz,1H;Py),4.50(d,J=18.0Hz,1H;CH ),4.15(d,J=17.9Hz,1H;CH ),4.05(dd,J=18.0,1.6Hz,1H,CH ),3.55−3.24(m,3H),3.11(dd,J=11.8,5.3Hz,1H;CH ),2.95−2.78(m,2H),2.61−2.45(m,1H),2.37−2.17(m,2H),2.03(dd,J=13.4,3.8Hz,1H;CH ),1.91(hept,J=7.2Hz,1H;CH),1.74(td,J=14.1,5.6Hz,1H;CH ),1.53−1.43(dと重複したdd,1H;CH ),1.44(ddと重複したd,J=7.6Hz,3H;CH ),1.38(d,J=2.4Hz,3H;CH ),1.35(d,J=1.8Hz,3H;CH ),1.31(d,J=6.9Hz,3H;CH ),1.16(d,J=6.8Hz,3H;CH ),1.05(d,J=6.9Hz,6H;CH ),1.00(d,J=6.8Hz,3H;CH ),−12.45(s,1H;RuH),−13.68(s,1H;RuH). 13 C{ H}NMR([D6]ベンゼン)δ=209.64(d,J(CP)=17.0Hz,1C;CO),207.30(d,J(CP)=12.4Hz,1C;CO),169.03(d,J(CP)=2.2Hz,1C;Py),168.09(s,1C;Py),155.64(s,1C;Py),151.26(s,1C;Py),134.92(s,1C;Py),134.51(s,1C;Py),121.37(d,J(CP)=2.4Hz,1C;Py),120.97(s,1C;Py),118.09(s,1C;Py),117.65(s,1C;Py),74.01(d,J(CP)=2.6Hz,1C;PyCH ),71.36(m,2C;PyCH +NCH ),69.73(s,1C;NCH ),33.66(d,J(CP)=22.8Hz,1C;CH),31.68(d,J(CP)=11.5Hz,1C;CH),29.39(d,J(CP)=4.1Hz,1C;CH ),29.11(s,1C;CH ),26.64(d,J(CP)=29.2Hz,1C;CH),25.11(d,J(CP)=32.6Hz,1C,CH),21.60(d,J(CP)=4.1Hz,1C;CH ),21.47(d,J(CP)=5.1Hz,1C;CH ),21.07(d,J(CP)=7.3Hz,1C;CH ),20.94(d,J(CP)=5.0Hz,1C;CH ),19.77(s,1C;CH ),19.41(s,1C;CH ),17.69(d,J(CP)=3.2Hz,1C;CH ),17.59(d,J(CP)=2.9Hz,1C;CH )。 (C 1525 RuOP) についての元素分析の計算値:C,47.23;H,6.61;N,7.34、実測値:C,46.95;H,6.53;N,7.15。

    実施例23−錯体7の結晶構造決定 ジクロロメタン中の飽和溶液にヘキサンをゆっくり拡散させることによって、錯体7の単結晶を成長させた。 Helios optics社のKappa Nonius(商標)ゴニオメータおよびプラチナ−135検出器を備えるBruker Microstar(商標)発生装置でデータを収集した。 セルの構造精密化(cell refinement)およびデータ整理をSAINT(商標)(SAINT(1999)リリース6.06;単結晶データ用のインテグレーションソフトウェア、Bruker AXS Inc.、マディソン、ウィスコンシン州、USA)を用いて行った。 プログラムSADABS(商標)(Sheldrick,G.M.(1999).SADABS,ブルカーエリア検出器(Bruker Area Detector)吸収補正、Bruker AXS Inc.、マディソン、ウィスコンシン州、USA)を用いて、同等の反射の複数測定に基づいて、実験的吸収補正を適用した。 SHELXTL(XPREP(1997)リリース5.10;X線データの作成および逆格子空間探査(Reciprocal space Exploration)プログラム、Bruker AXS Inc.、マディソン、ウィスコンシン州、USA;SHELXTL(1997)リリース5.10;単結晶構造決定のための完全なソフトウェアパッケージ、Bruker AXS Inc.、マディソン、ウィスコンシン州、USA)のXPREPの決められた方法によって、空間群を確認した。 構造を直接法によって解析し、LinXTLツールボックス(Sheldrick,G.M.(1997).SHELXS97,結晶構造の解法のためのプログラム、ゲッティンゲン大学、ドイツ;Sheldrick,G.M.(1997).SHELXL97、結晶構造の構造精密化のためのプログラム、ゲッティンゲン大学、ドイツ)の一部としてのSHELX−97を用いて、完全行列の最小2乗および異なるフーリエ法によって構造精密化させた。 全ての非水素原子を、異方性置換パラメータで構造精密化させた。 水素原子を計算された位置に置き、共通の熱パラメータでライディング原子(riding atom)として構造精密化させたが、異なるフーリエマップ中の残ピークから位置づけられたNH部分および水素化物の水素原子は除いた。 収集パラメータならびに結合距離および結合度は、それぞれ、表5および表6の中に記載されている。

    本明細書で述べた全ての公報、特許および特許出願は、本発明が属する分野の当業者の技能のレベルを示すものであり、それぞれの公報、特許、または特許出願が具体的にかつ個々に参照により組み込まれると示されるのと同程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。

    したがって、記載される本発明は、多くの方法で変更され得ることは明らかである。 かかる変更は、本発明の趣旨および範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、全てのかかる改良が以下の特許請求の範囲内に含まれると意図されることは、当業者には明らかである。

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