Cement additive material for a baked product, the cement additive and cement composition

申请号 JP2007140799 申请日 2007-05-28 公开(公告)号 JP4842211B2 公开(公告)日 2011-12-21
申请人 太平洋セメント株式会社; 发明人 雅隆 内田; 健一 本間; 大亮 黒川;
摘要
权利要求
  • 2CaO・SiO 2及び2CaO・Al 2 O 3・SiO 2を必須成分とし、TiO 2を0.1〜4.0質量%含有する セメント添加材用焼成物であって、2CaO・SiO 2 100質量部に対して、2CaO・Al 2 O 3・SiO 2 +4CaO・Al 2 O 3・Fe 2 O 3を10〜100質量部含有することを特徴とする セメント添加材用焼成物。
  • CaO/SiO 2質量比が1.87以上で、かつ3CaO・Al 2 O 3の含有量が、2CaO・SiO 2 100質量部に対して20質量部以下である請求項1記載の セメント添加材用焼成物。
  • 産業廃棄物、一般廃棄物及び建設発生土から選ばれる1種以上を原料とする請求項1又は2に記載の セメント添加材用焼成物。
  • 請求項1〜3のいずれか1項に記載の セメント添加材用焼成物を粉砕してなるセメント添加材。
  • 請求項1〜3のいずれか1項に記載の セメント添加材用焼成物の粉砕物100質量部に対して、石膏をSO 3換算で6質量部以下含有するセメント添加材。
  • セメントに対して、請求項4又は5に記載のセメント添加材を内割で50質量%以下含有するセメント組成物。
  • 石膏を、SO 3換算で1.5〜5質量%含有する請求項6記載のセメント組成物。
  • 说明书全文

    本発明は、和熱が低く、かつ流動性や強度発現性が良好なセメント添加材を製造できるセメント添加材用焼成物、該セメント添加材用焼成物を粉砕してなるセメント添加材及び該セメント添加材を添加してなるセメント組成物に関する。

    わが国では、経済成長、人口の都市部への集中に伴い、産業廃棄物や一般廃棄物等が急増している。 従来、これらの廃棄物の大半は、焼却によって十分の一程度に減容化して埋め立て処分されているが、近年、埋め立て処分場の残余容量が逼迫していることから、新しい廃棄物処理方法の確立が緊急課題になっている。 セメント産業では産業廃棄物や一般廃棄物を原料として多く使用しており、今後さらなる使用量の増大が求められている(特許文献1、2)。

    特開昭56−120552号公報

    特開2004−352516号公報

    しかしながら、産業廃棄物や一般廃棄物は天然原料に比べてAl 2 O 3分に富むため、単純にこれらの使用量を増大すると、セメントクリンカー中の3CaO・Al 2 O 3が増加し、その結果、セメントの水和熱が上昇するという問題があった。 また、そのようなセメントと混和剤を用いてモルタルやコンクリートを製造する場合には、モルタルフローやスランプが小さくなり、フローロスやスランプロスが大きくなるという欠点もあった。

    また、TiO 2はアルミナを製造する過程で生じる赤泥中に含まれるなど、廃棄物・副産物中に多く含まれている場合がある。 TiO 2が多く含まれている副産物・廃棄物をセメントクリンカー用原料として多量に使用すると、セメントの色調の変化(黄色味の増加)や初期強度発現性の低下が生じる場合があるため、その使用量は限られていた。

    従って、本発明の目的は、産業廃棄物、一般廃棄物や建設発生土等、なかでもTiO 2が多く含まれている廃棄物等を原料としたものであっても、セメント組成物の色調の変化が小さく、かつ、セメント組成物の水和熱を低下させ、さらに流動性や強度発現性が良好なセメント添加材を製造できるセメント添加材用焼成物、該セメント添加材用焼成物を粉砕してなるセメント添加材及び該セメント添加材を添加してなるセメント組成物を提供することにある。

    本発明者らは、斯かる実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定量のTiO 2を含有する特定の鉱物組成を有する焼成物の粉砕物であれば、セメントと混合したときに、セメント組成物の色調の変化が小さく、セメント組成物の水和熱も低く、かつ流動性や強度発現性が良好であることを見出し、本発明を完成した。

    すなわち、本発明は、2CaO・SiO 2及び2CaO・Al 2 O 3・SiO 2を必須成分とし、TiO 2を0.1〜4.0質量%含有する焼成物であって、2CaO・SiO 2 100質量部に対して、2CaO・Al 2 O 3・SiO 2 +4CaO・Al 2 O 3・Fe 2 O 3を10〜100質量部含有することを特徴とするセメント添加材用焼成物、及びこれを粉砕してなるセメント添加材を提供するものである。
    また、本発明は、セメントに対して、前記セメント添加材を内割で50質量%以下含有するセメント組成物を提供するものである。

    本発明のセメント添加材用焼成物を粉砕したセメント添加材を用いれば、水和熱が低く、かつ流動性や強度発現性が良好なセメント組成物を得ることができる。
    また、本発明のセメント添加材用焼成物は、産業廃棄物、一般廃棄物や建設発生土を原料とすることができ、しかも廃棄物のみから製造することもできる。 特に、本発明の焼成物では、従来、セメントクリンカー用原料として多量に使用することが困難であったTiO 2を多く含む廃棄物等を原料として多量に使用できるので、廃棄物の有効利用を図ることができる。
    さらに、本発明のセメント添加材用焼成物は、廃棄物を低温で焼成して得られるので、燃料も節約される。

    以下、本発明について詳細に説明する。
    本発明のセメント添加材用焼成物(以降、焼成物と略す)は、2CaO・SiO 2 (以降、C 2 Sと略す)及び2CaO・Al 2 O 3・SiO 2 (以降、C 2 ASと略す)を必須成分とするもので、C 2 S100質量部に対して、C 2 ASを10〜100質量部、好ましくは20〜90質量部含有するものである。 C 2 AS含有量が10質量部未満では、焼成時に焼成温度を上げてもフリーライム量(未反応CaO量)が低下しにくく、焼成が困難になり、また、生成するC 2 Sも水和活性のないγ型C 2 Sである可能性が高くなり、セメント組成物の強度発現性を大きく低下させることがある。 一方、C 2 AS含有量が100質量部を超えると、高温における融液が増加するため、焼成可能温度が狭まり、またC 2 Sが少ないため、セメント組成物の初期及び長期強度発現性がともに低下する。

    本発明の焼成物においては、水和熱が低く、流動性が良好でかつ強度発現性が良好なセメント組成物を得るために、CaO/SiO 2質量比を1.87以上で、かつC 2 S100質量部に対する3CaO・Al 2 O 3 (以降、C 3 Aと略す)の含有量を20質量部以下(より好ましくは10質量部以下)とすることが好ましい。 上記のような組成を有する焼成物においてTiO 2含有量を増加させると、セメント組成物の初期強度発現性が高い状態のまま、水和熱を下げ、流動性を良好にすることが可能になる。 CaO/SiO 2質量比が1.87未満では、セメント組成物の初期強度発現性が低下することがある。 C 3 Aの含有量が20質量部を超えると、セメント組成物の水和熱が上昇し、流動性も悪化するので好ましくない。

    本発明の焼成物は、TiO 2を0.1〜4.0質量%、好ましくは0.15〜3.0質量%、より好ましくは0.2〜2.0質量%含有するものである。 前記範囲のTiO 2を含有することにより、セメント組成物の水和熱を低下させ、かつ流動性や強度発現性も良好なものとすることができる。 TiO 2の含有量が0.1質量%未満では、セメント組成物の水和熱を低下させる効果が小さくなる。 TiO 2の含有量が4.0質量%を超えると、焼成物が溶融しやすくなり、焼成物の製造が困難になる。

    本発明の焼成物においては、P 2 O 5を0.2〜8.0質量%(より好ましくは0.5〜6.0質量%)、アルカリ(Na 2 O+K 2 O)を0.4〜4.0質量%(より好ましくは0.5〜3.5質量%)含有することが好ましい。 P 2 O 5やアルカリを前記範囲で含有した場合、C 2 Sを活性化させるため、C 3 Aなどのカルシウムアルミネートがない場合でも、セメント組成物の強度発現性が良好になる。 そして、カルシウムアルミネートが少なくなるほど、セメント組成物の流動性も良好でかつ水和熱も低くなる。

    本発明の焼成物は、産業廃棄物、一般廃棄物及び建設発生土から選ばれる1種以上を原料とし、これを焼成することにより製造することができる。 産業廃棄物としては、例えば石炭灰;生コンスラッジ、下水汚泥、浄水汚泥、建設汚泥、製鉄汚泥、赤泥等の各種汚泥;ボーリング廃土、各種焼却灰、鋳物砂、ロックウール、廃ガラス、高炉2次灰、建設廃材、コンクリート廃材などが挙げられ;一般廃棄物としては、例えば下水汚泥乾粉、都市ごみ焼却灰、貝殻等が挙げられる。 建設発生土としては、建設現場や工事現場等から発生する土壌や残土、さらには廃土壌等が挙げられる。
    また、一般のポルトランドセメントクリンカー原料、例えば、石灰石、生石灰、消石灰等のCaO原料、珪石、粘土等のSiO 2原料、粘土等のAl 2 O 3原料、鉄滓、鉄ケーキ等のFe 2 O 3原料も使用することができる。

    なお、焼成物の原料組成によっては、特に、前記産業廃棄物、一般廃棄物及び建設発生土から選ばれる1種以上(以下、廃棄物原料と称する)を原料として用いた場合、4CaO・Al 2 O 3・Fe 2 O 3 (以降、C 4 AFと略す)が生成することがあるが、本発明の焼成物においては、C 2 ASの一部、好ましくはC 2 AS質量の70質量%以下がC 4 AFで置換されても良い。 C 4 AFがこの範囲を超えて置換されると、焼成の温度範囲が狭くなり、製造の管理が難しくなる。

    本発明の焼成物の鉱物組成は、使用原料中のCaO、SiO 2 、Al 2 O 3 、Fe 2 O 3の各含有量(質量%)から、次式により求めることができる。
    C 4 AF=3.04×Fe 2 O 3
    C 3 A =1.61×CaO−3.00×SiO 2 −2.26×Fe 2 O 3
    C 2 AS=−1.63×CaO+3.04×SiO 2 +2.69×Al 2 O 3 +0.57×Fe 2 O 3
    C 2 S =1.02×CaO+0.95×SiO 2 −1.69×Al 2 O 3 −0.36×Fe 2 O 3

    従って、例えば、廃棄物原料中にカルシウムが不足する場合には、その不足分を調整するために、石灰石等を混合して用いることができる。 混合割合は、廃棄物原料の組成に応じて、得られる焼成物の組成が、本発明の範囲内になるよう、適宜決定すれば良い。

    これらを焼成する際の焼成温度は、1000〜1350℃、特に1200〜1330℃であるのが、焼成工程の熔融相の状態が良好であるので好ましい。
    用いる装置は特に限定されず、例えばロータリーキルン等を用いることができる。 また、ロータリーキルンで焼成する際には、燃料代替廃棄物、例えば廃油、廃タイヤ、廃プラスチック等を使用することができる。
    このような焼成により、C 2 ASが生成し、本発明のような組成の焼成物を得ることができる。

    本発明のセメント添加材は、前記焼成物の粉砕物、又は前記焼成物の粉砕物と石膏とからなるものである。
    焼成物の粉砕方法は特に制限されず、例えばボールミル等を用い、通常の方法で粉砕すれば良い。 焼成物の粉砕物は、ブレーン比表面積が2500〜5000cm 2 /gであることが、モルタルやコンクリートのブリーディングの低減や、流動性、強度発現性の観点から好ましい。
    石膏のブレーン比表面積は、モルタルやコンクリートのブリーディングの低減や、流動性、強度発現性の観点から、2500〜10000cm 2 /gであることが好ましい。 石膏としては、特に制限されず、例えば二水石膏、α型又はβ型半水石膏、無水石膏等が挙げられ、これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。

    本発明のセメント添加材においては、石膏の含有量は、セメント組成物の強度発現性、水和熱や流動性の観点から、焼成物の粉砕物100質量部に対してSO 3換算で6質量部以下が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。

    本発明のセメント組成物は、上記セメント添加材とセメントを混合することにより得られるものである。 セメントとしては、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメントやフライアッシュセメント等の混合セメント、並びに、石灰石粉末等を混合した石灰石フィラーセメント等を使用することができる。
    セメント添加材の添加量は、セメントに対して、内割で50質量%以下が好ましく、廃棄物原料の有効活用や、モルタルやコンクリートのブリーディングの低減、流動性や強度発現性の観点から、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。 セメント添加材の添加量が、セメントに対して、内割で50質量%を越えると、セメント組成物の強度発現性が低下する。

    また、本発明のセメント組成物には石膏を配合することができ、セメント組成物中に全SO 3換算で1.0〜5.0質量%、特に1.5〜4.0質量%、更に1.8〜3.0質量%配合するのが、一般的な凝結性状が得られるので好ましい。

    本発明のセメント組成物は、セメント添加材とセメントを混合して製造することができるが、その方法は特に制限されず、例えば、ポルトランドセメントクリンカー、焼成物、石膏の配合成分を、混合した後粉砕するか、あるいは各成分を粉砕した後に混合しても良い。 また、焼成物又は焼成物と石膏を粉砕して得られたセメント添加材を、セメントクリンカー粉砕物やポルトランドセメントや混合セメントと混合して製造することもできる。 得られるセメント組成物は、ブレーン比表面積が2500〜4500cm 2 /gであることが、モルタルやコンクリートのブリーディングの低減や、流動性、強度発現性の観点から好ましい。

    以下、実施例により本発明を説明する。
    実施例1
    1. 焼成物の調製(1)焼成物の製造:
    表1に示す化学組成の原料混合物(石灰石及び石炭灰の混合物)に、炭酸カルシウム(試薬)、シリカ(試薬)、アルミナ(試薬)、酸化鉄(試薬)、酸化チタン(試薬)、第2リン酸カルシウム(試薬)、炭酸ナトリウム(試薬)、炭酸カリウム(試薬)を加えて、表2に示す焼成物を製造した。 焼成は、箱型電気炉を用い、1350℃で30分間焼成した後、取り出して急冷した。

    2. セメント添加材の製造 上記各焼成物の粉砕物(ブレーン比表面積3200±50cm 2 /g)100質量部と二水石膏(ブレーン比表面積4000cm 2 /g)2質量部(SO 3換算)を混合してセメント添加材を製造した。

    3. モルタル用材料 セメント添加材以外の材料を以下に示す。
    セメント;普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
    細骨材;「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に定める標準砂 水;水道水 減水剤;ポリカルボン酸系高性能AE減水剤(エヌエムビー社製「レオビルドSP8N」)

    4. 水和熱(発熱特性)の評価 普通ポルトランドセメントに対して、上記セメント添加材を20質量%(内割)添加したセメント組成物の水和熱を「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準じて測定した。

    5. モルタルの流動性の測定 普通ポルトランドセメントに対して、上記セメント添加材を20質量%(内割)添加したセメント組成物と、上記の細骨材、水および減水剤を使用して、モルタルを調製し、以下のようにフロー値を測定した。
    1)フロー値の測定 混練直後及び30分経過後のモルタルをフローコーン(上面直径5cm、下面直径10cm、高さ15cm)に投入し、フローコーンを上方へ取り去った際のモルタルの広がりを測定し、フロー値を求めた。 なお、モルタルの配合は、水/セメント組成物(質量)比=0.35、細骨材/セメント組成物(質量)比=2.0、減水剤/セメント組成物(質量)比=0.0065とした。

    6. 圧縮強度の測定 普通ポルトランドセメントに対して、上記セメント添加材を20質量%(内割)添加したセメント組成物と、上記の細骨材および水を使用して、モルタルを調製し、該モルタルの圧縮強度(3日、7日および28日)を「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準じて測定した。 なお、モルタルの配合は、水/セメント組成物(質量)比=0.5、細骨材/セメント組成物(質量)比=3.0とした。
    それらの結果を表3に示す。
    なお、上記調製したセメント組成物と普通ポルトランドセメントでは、目視観察の結果、色調の違いは認められなかった。

    表3より、本発明のセメント添加材を使用したモルタルでは、水和熱が低く、かつ流動性や強度発現性が良好であることが分かる。

    実施例2
    (1)焼成物の製造:
    表4に示す化学組成の石灰石、建設発生土及び赤泥を原料として焼成物を製造した。 焼成は、ロータリーキルンを用いて焼成温度1280℃で行った。 なお、焼成物の鉱物組成は、C 2 S:100質量部に対して、C 2 AS:12質量部、C 4 AF:29質量部、C 3 A:0質量部、フリーライム:0.1質量部で、化学組成は、CaO:55.8質量%、SiO 2 :25.9質量%、Al 2 O 3 :6.2質量%、Fe 2 O 3 :6.5質量%、TiO 2 :1.2質量%であった。

    (2)セメント添加材の製造 上記焼成物の粉砕物(ブレーン比表面積3220cm 2 /g)100質量部と二水石膏(ブレーン比表面積4000cm 2 /g)2質量部(SO 3換算)を混合してセメント添加材を製造した。

    3. 評価 実施例1と同じ材料を使用して、実施例1と同じ方法で、水和熱、流動性及び圧縮強度を測定した。
    その結果を表5に示す。
    なお、調製したセメント組成物と普通ポルトランドセメントでは、目視観察の結果、色調の違いは認められなかった。

    表5より、本発明のセメント添加材を使用したモルタルでは、水和熱が低く、かつ流動性や強度発現性が良好であることが分かる。

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