Production of carbon or graphite member having excellent heat resistance

申请号 JP22634293 申请日 1993-07-26 公开(公告)号 JPH0733563A 公开(公告)日 1995-02-03
申请人 Ion Kogaku Kenkyusho:Kk; Toyo Tanso Kk; 東洋炭素株式会社; 株式会社イオン工学研究所; 发明人 IWAMOTO SHINYA; WATANABE MASANORI; OTANI SABURO; HIRAIWA JIRO; TOJO TETSURO; KURODA KOJI;
摘要 PURPOSE:To provide production method of a heat-resistant structural material having excellent oxidation resistance.corrosion resistance in a high-temperature region by forming a coating film having excellent adhesivity on the surface of a carbon or graphite base. CONSTITUTION:One or more elements selected from group IVa, group Va and group VIa of the Peiodic Table, B and Si are dispersed into the surface layer part of a carbon or graphite base to form a compound layer on the surface of the carbon or graphite base.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 周期律表のIVa族、Va族、VIa族及びB、Siの中から選ばれるいずれか1種類以上の元素を炭素或いは黒鉛基体の表層部に分散させる事を特徴とする、表面に化合物層を有する耐熱性に優れた炭素或いは黒鉛部材の製造方法。
  • 【請求項2】 イオン注入法を用いて金属原子を炭素或いは黒鉛基体の表層部に分散させる事を特徴とする、請求項1に記載の耐熱性に優れた炭素或いは黒鉛部材の製造方法。
  • 【請求項3】 多重エネルギー注入法を用いて、基体表面に近いほど注入元素が密になるように分布させることを特徴とする、請求項1に記載の耐熱性に優れた炭素或いは黒鉛部材の製造方法。
  • 【請求項4】 基体表面に金属元素を蒸着し、その上から蒸着元素より重い元素をイオン注入して蒸着元素を基体中に分散させる、イオンミキシング法を用いて基体表面に蒸着元素を分散させることを特徴とする、請求項1
    に記載の耐熱性に優れた炭素或いは黒鉛部材の製造方法。
  • 【請求項5】 基体表面の化合物層のうち、厚みが0.
    3乃至10μmの緻密な化合物を有することを特徴とする、請求項1に記載の耐熱性に優れた炭素或いは黒鉛部材の製造方法。
  • 【請求項6】 熱拡散を用いて、周期律表のIVa族、
    Va族、VIa族及びB、Siの中から選ばれるいずれか1種類以上の元素を、炭素或いは黒鉛基体中に分散させる事を特徴とする、請求項1に記載の耐熱性に優れた炭素或いは黒鉛部材の製造方法。
  • 【請求項7】 溶融塩法を用いて、金属原子を炭素或いは黒鉛基体の表層部に析出させることを特徴とする、請求項1に記載の耐熱性に優れた炭素或いは黒鉛部材の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、高温での耐酸化性に優れた耐熱構造材料の製造方法に関するものであり、更に詳しくはジェットエンジン部材、タービンエンジン部材等、大気中あるは酸素のある雰囲気で高温の使用環境に好適に用いられる炭素或いは黒鉛部材の製造方法に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】炭素或いは黒鉛製品は、軽量で化学的・
    熱的安定性に優れ、非金属でありながら熱や電気伝導性に優れるほか、特に繊維状に加工した製品については、
    高温環境下において優れた機械的強度を有することから、化学、繊維、高分子、金属精錬、窯業等の先端工業分野で広く採用されている。

    【0003】しかし、一方でこの炭素或いは黒鉛製品は、大気中或いは酸素のある雰囲気で高温に曝されると酸素と反応する。 酸化によって構造部材中に欠陥が発生して製品の機械強度が減少してしまう。 更に酸化が進むと、最終的には製品構造を維持出来なくなる。 そのため従来、炭素或いは黒鉛基体の表面上に溶射法、化学蒸着(CVD)法等によって炭化ケイ素(SiC)膜、或いは、SiCと炭素或いは黒鉛基体との熱膨張率の差を緩和するためSiCと炭素の組成を段階的に変化させた傾斜組成膜で被覆することが試みられてきた。

    【0004】しかしながら、従来の溶射法や化学蒸着法等によるSiC或いはSiCと炭素との傾斜組成膜の被覆には多くの気孔やき裂或いは粗大な柱状結晶の粒界を含み、そのため炭素或いは黒鉛基体に対して十分な耐酸化性、耐腐食性を付与することが出来ていない。 また、
    SiC被模の密着強度は大きくなく、衝撃を受けた際に被膜と炭素或いは黒鉛基体表面近くの基体側からはく離する危険性があった。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、先ず従来の化学蒸着法等によって被覆された被膜の欠陥や柱状結晶粒界を通じて侵入してくる酸素やその他の腐食性ガス成分が炭素或いは黒鉛基体に到達する事を防ぐ様な手段を見い出して、炭素或いは黒鉛基体に優れた耐酸化性、耐腐食性を付与することである。
    また、前記被膜が存在する場合に、炭素或いは黒鉛基体からはく離し難い、基体に対する被膜の密着性の良い炭素或いは黒鉛部材を提供することである。

    【0006】

    【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意研究した結果、炭素或いは黒鉛基体の表層部に、周期律表のIVa族、Va族、VIa
    族族及びB、Siの中から選ばれるいずれか1種類以上の元素を分散させ、その表面に化合物層を有せしめることによって達成できること、望ましくはそれらの元素のイオンを注入し、基体表面近傍に近いほどそれらの炭化物を密に分布させ、更に好ましくは、その上に物理蒸着(PVD)法等により形成した緻密な化合物層を0.3
    乃至10μmの厚みに被覆させた場合には、更に著しい効果を示す事を知見し、本発明を完成した。

    【0007】即ち本発明においては、まず炭素或いは黒鉛基体の表層部に周期律表のIVa族、Va族、VIa
    族及びB、Siの中から選ばれるいずれか1種類以上の元素を分散させ、その表面に化合物層を有せしめる。 望ましくは、前記元素のイオンを注入する。 これ等元素の原子は炭素との親和性が大きく、炭化物を形成する。 これらの炭化物は、従来から行われている単一加速エネルギーで注入される場合には表面から一定深さに於いて最も密に分布し、最表面層にはほとんど存在しない。 これに対し、本発明に於いて好ましくは、10乃至1000
    keV内の数準のエネルギーで多重注入して、注入元素の炭化物が炭素或いは黒鉛基体の表面ほど密に分布せしめる。

    【0008】或いは、炭素或いは黒鉛基体表面に化学蒸着法にて周期律表のIVa族、Va族、VIa族及びB、Siの中から選ばれるいずれか1種類以上の元素を蒸着し、その試料を熱処理することによって炭素或いは黒鉛基体中に拡散させても良い。

    【0009】或いは、溶融塩法により、炭素或いは黒鉛基体の表層部に金属原子を析出させても良い。 この方法は、作用極に炭素或いは黒鉛基体、対極に白金、タングステン又はモリブデン等を用い、ZnCl −NaCl
    系溶融塩にWCl 又はMoCl を所定量添加した浴、NaBO −Na CO −LiF系溶融塩にWO
    又はMoO を所定量添加した浴を電気分解すると、
    作用極にW、WC、W C又はMo、MoC、MoC
    が電析する。

    【0010】また、これらの上に周期律表のIVa族、
    Va族、VIa族及びB、Siの中から選ばれるいずれか1種類以上の元素の炭化物層をイオンプレーティング法、スパッリング法及び物理蒸着法等により0.3乃至10μm厚みに被覆することが好ましい。 更にその上に、従来行われているSiC等の被膜を化学蒸着法で被覆しても良い。 この場合、一層の耐酸化性を付与することが出来る。

    【0011】

    【作用】本発明に於いて、炭素或いは黒鉛基体が物理蒸着法等で形成された緻密な炭化物被膜で覆われた場合、
    酸素や腐食性ガスと炭素或いは黒鉛基体とが直接接触することが抑制されるため優れた耐酸化性、耐腐食性を示す。 更に従来の化学蒸着法でSiC等の被膜を被覆する場合、その被膜に存在する気孔やき裂、柱状結晶の粒界等を通じて侵入してくる酸素や腐食性ガスがその下にある緻密な炭化物層で止められ、基体炭素との反応が抑制される。 この腐食反応効果は炭化物層の厚みが0.3μ
    m以上の場合に於いて明瞭に認められ、これ未満では効果が小さい。 緻密な炭化物層はイオンプレーティングやスパッタリング等500℃以下の低温で成膜処理することによって得ることが出来るが、従来の炭素或いは黒鉛基体に成膜した場合には密着強度が弱く、使用時にはく離してしまう。

    【0012】これに対し本発明に於いては、炭化物層の形成に先立って、炭化物を形成し易い元素を炭素或いは黒鉛基体の表層部に分散させる。 しかも、単一エネルギーのイオン注入では、注入原子が表層より少し内部にピークを持つガウス分布をし、最表層には少ししか分布しないが、本発明において数水準のエネルギーで多重注入した場合、表面に近いほど多く分布するようになり、これによって炭素或いは黒鉛基体は炭化物層と親和性の高い表面に改質される。 しかし、この場合においても厚みが10μmを越える場合には、使用時の衝撃によりはく離する危険性が高くなる。 このため、炭化物層の厚みは、10μm以下であることが必要である。 この改質された炭素或いは黒鉛基体表面に被覆された緻密な炭化物層だけで耐酸化性、耐腐食性に効果を発揮するが、その上に従来行われている化学蒸着法によるSiC膜等の被覆を行う場合には、酸素や腐食性ガスがこの膜で大部分が遮られることになるため一層の効果が発揮される。

    【0013】

    【実施例】

    実施例1 炭素基材に、周期律表のIVa族、Va族、VIa族及びB、Siの中から選ばれる数種類の元素のイオンを、
    10keVで1.5×10 17 、30keVで2.0×
    10 17 、90keVで1.0×10 17 、180ke
    Vで0.5×10 17 /cm のエネルギーで重ねて注入する多重エネルギー注入を行った。 又比較としてCr
    及びBを90keVで5×10 17 /cm 注入した。
    Si注入の場合について、注入後の元素の分布を図1に示す。 従来の単一エネルギーでの注入において注入原子は内部に分布して表層部が少ないのに対し、多重エネルギー注入法においては注入原子は表面に近いほど多く分布し、表面部が改質されている。 注入された原子はそれぞれの炭化物となっていることが光電子分光分析により確認されている。

    【0014】上記イオン注入の後に、イオンプレーティング法を用いてMoを電子銃で溶解蒸発させながらC
    ガスを導入することによって4.5μm厚さのMo
    C膜を被覆した。 この時の炭素基材の温度は350℃でき裂や気孔の無い緻密な炭化物が得られる。 こうして得られた被覆炭素基材のスクラッチ試験における限界はく離強度と、1000℃の大気中で15時間保持したときの酸化による減量を下記表1に示す。 比較例(最下行)
    は、従来行われている炭素基材と直接、化学蒸着法で5
    0μm厚みのSiC膜を被覆した物である。 これに対し、本発明品は優れた密着強度と耐酸化性を有している。

    【0015】比較例 Si等の代わりにFe、Ni、Cu又はCoを用いた以外は実施例1と同様にして、炭素基材を被覆した。 同様に密着強度と耐酸化性を測定し、結果を表1に示した。

    【0016】実施例2 炭素基材にMoを、50keVで1.0×10 17 、2
    00keVで0.5×10 17 /cm 注入し、更にその上にBを、10keVで1.5×10 17 、30ke
    Vで2.0×10 17 、90keVで1.0×1
    17 、180keVで0.5×10 17 /cm のエネルギーで多重エネルギー注入をした。

    【0017】その後、スパッタリング法を用いて、20
    0℃でSiターゲットをArイオンでスパッタリングし、同時にC ガスをスパッタリング装置内に導入して炭素基材表面に緻密な1.5μm厚さのSiC膜を形成した。 その上に、SiCl とCCl ガスを持ちいて1300℃で反応させる化学的蒸着法により45μ
    m厚さのSiC膜を被覆した。 この試料のスクラッチ試験における限界はく離強度と、1000℃の大気中で1
    5時間保持した時の酸化消耗量を下記表1に示す。 実施例1の本発明試料より更に優れた密着強度と耐酸化性を示した。

    【0018】実施例3 炭素基材に、CVD法にてB薄膜を10μm蒸着し、この試料を1000℃にて5時間熱処理する事によって、
    基材中にB原子を拡散させた。 その上に、SiCl とCCl ガスを持ちいて1300℃で反応させる化学的蒸着法により45μm厚さのSiC膜を被覆する。 この試料のスクラッチ試験における限界はく離強度と、10
    00℃の大気中で15時間保持した時の酸化消耗量を下記表1に示す。 比較例の試料より、優れた密着強度と耐酸化性を示した。

    【0019】

    【表1】

    【0020】

    【発明の効果】以上説明したように、炭素或いは黒鉛基材表層部に周期律表のVIa族、Va族、VIa族及びB、Siの中から選ばれるいずれか1種類以上の元素を分散させ、その表面近傍に化合物層を偏在させた製品については、大気中あるいは酸素のある雰囲気の高温域で利用できる点で非常に有効であり、本発明は、製品の性能の向上、及び用途の拡大の面に大きな効果がある。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】炭素基材にSiをイオン注入したときの深さ方向での注入Siの濃度の変化を示した曲線図である。

    【符号の説明】

    1 多重エネルギー注入の場合の濃度変化曲線 2 単一エネルギー注入の場合の濃度変化曲線

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平岩 二郎 大阪府大阪市西淀川区竹島5丁目7番12号 東洋炭素株式会社内 (72)発明者 東城 哲朗 大阪府大阪市西淀川区竹島5丁目7番12号 東洋炭素株式会社内 (72)発明者 黒田 浩二 大阪府大阪市西淀川区竹島5丁目7番12号 東洋炭素株式会社内

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