Boron nitride film-coated member, its production and glass forming die

申请号 JP32770492 申请日 1992-12-08 公开(公告)号 JPH06172969A 公开(公告)日 1994-06-21
申请人 Kyocera Corp; 京セラ株式会社; 发明人 YAMAGUCHI KOICHI; OKURA TAKAHIRO;
摘要 PURPOSE: To improve the adhesion of a film to a substrate and film hardness and to improve the durability in press-forming a glass when such a boron nitride film is used as the releasing film of a glass forming die.
CONSTITUTION: Boron atom is vaporized from a vaporization source 3 consisting of boron or a boron-contg. substance and deposited on the surface of a substrate 1, and the substrate 1 surface is simultaneously irradiated with nitrogen-contg. ion and a rare-gas element ion to obtain a member coated with a boron nitride film contg. 0.001-6.0 atomic % of the rare-gas element formed on the substrate 1 surface. Such a boron nitride film is formed on the surface of the base body of a glass forming die as the releasing film.
COPYRIGHT: (C)1994,JPO&Japio
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】基体表面に窒化ホウ素からなる膜を形成してなる窒化ホウ素膜被覆部材において、前記窒化ホウ素膜中に希ガス元素を0.001〜6.0原子%の割合で含有することを特徴とする窒化ホウ素膜被覆部材。
  • 【請求項2】前記窒化ホウ素膜中の希ガス元素の含有量が基体側より膜表面側が多いことを特徴とする請求項1
    記載の窒化ホウ素膜被覆部材。
  • 【請求項3】ホウ素またはホウ素含有物質からなる蒸着源よりホウ素原子を蒸発させて、基体表面に蒸着させると同時に、前記基体表面に窒素含有イオンと希ガス元素イオンとを照射し、希ガス元素を0.001〜6.0原子%の割合で含有する窒化ホウ素からなる膜を形成したことを特徴とする窒化ホウ素膜被覆部材の製造方法。
  • 【請求項4】前記イオン照射における希ガス元素イオン量を徐々に多くすることにより、前記離型膜中の希ガス元素の含有量を基体側より膜表面に多くなるようにしたことを特徴とする窒化ホウ素膜被覆部材の製造方法。
  • 【請求項5】型基体のガラス成形面に窒化ホウ素からなる離型膜を形成してなるガラス成形用型において、前記離型膜中に希ガス元素を0.001〜6.0原子%の割合で含有することを特徴とするガラス成形用型。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、窒化ホウ素膜を被覆した部材とその製造方法に関するもので、その具体的な利用として、ガラス光学素子などをプレス成形により製造するためのガラス成形用型に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】従来、表面硬度などの特性を改善するために、所定の基体表面に高硬度の膜を形成することが行われている。 高硬度膜としては、ダイヤモンド膜や窒化ホウ素膜はその硬度が非常に高いことから広い分野でその応用が進められている。

    【0003】一方、レンズやプリズム等のガラス光学素子を製造するのに、加熱軟化したガラス素材をプレス成形することにより製造する方法が近年急速に発展している。 このプレス成形法によれば、高温で軟化したガラスの成形型への融着を防ぎ、高精度に加工された成形型を保護することを目的として離型膜が形成される。 この離型膜には成形型との密着性、ガラスとの離型性、耐酸化性、平滑性、高硬度等の膜特性が要求される。

    【0004】これらの要求に対して金属、セラミックス等の成形型基体表面に窒化ホウ素やダイヤモンド膜を形成することが行われている。 例えば、特公平3−616
    17号公報には、型基体の表面に炭化ケイ素膜を形成し、その上に窒化ホウ素等の窒化物膜を被覆してなる光学素子成形金型が提案されている。 そして、特公平3−
    61615号公報にはcBN及びa−BNの混在した薄膜を光学素子成形金型へ適応する事が提案されている。

    【0005】窒化ホウ素膜の製法について、本願出願人による特公平2−59863号公報には真空反応室内に設置した基体表面にホウ素蒸発源からホウ素(B)を蒸着させると共に、加速したN 2イオンを照射することにより、基体表面にcBNやhBNの膜を形成することが開示されている。 また、特開平4−124258号公報には基体表面にホウ素蒸着と同時に100eV〜500
    eVの窒素イオンと少なくとも1種類以上の希ガスイオンとを照射して窒化ホウ素薄膜を形成することが開示されている。

    【0006】

    【発明が解決しようとする問題点】これらのカーボンまたはダイヤモンドの離型膜は、BK7等の鉛を含有しないガラス材料のプレス成形には適しており、100回以上のプレス成形耐久性を得ている。 しかしながら、SF
    6等のように鉛を含有したガラス材料のプレス成形では、ガラス成分中の鉛がカーボン膜またはダイヤモンド膜の炭素により還元され、成形したガラス光学素子の表面に微少量析出し、表面を白濁させ、表面粗さを低下させてしまうという問題がある。 更に、この析出鉛により離型膜の表面には引っかき傷が無数に発生し、離型膜の耐久性を著しく劣化させていた。

    【0007】また一方、BNの離型膜は、SF6やBK
    7のいずれのガラス材料のプレス成形が可能ではあるが、BN膜と型基体との密着強度が低いため、膜の剥離の発生により耐久性を著しく劣化させていた。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】本発明は、窒化ホウ素膜の基体との密着性を向上させるとともに、膜特性を改善するための膜構造および成膜方法について検討をおこなったところ、窒化ホウ素からなる膜中に希ガス元素を所定の割合で含有する膜が基体との密着性に優れるとともに窒化ホウ素膜の硬度も向上することを見出し、本発明に至った。

    【0009】即ち、本発明の窒化ホウ素膜被覆部材は、
    基体表面に窒化ホウ素からなる膜を形成してなる窒化ホウ素膜被覆部材において、前記窒化ホウ素膜中に希ガス元素を0.001〜6.0原子%の割合で含有することを特徴とし、さらに、窒化ホウ素膜中の希ガス元素の含有量が基体側より表面側に向けて増加することを特徴とするものである。

    【0010】また、上記窒化ホウ素膜被覆部材を製造する方法として、ホウ素またはホウ素含有物質からなる蒸着源よりホウ素原子を蒸発させて、基体表面に蒸着させると同時に、前記基体表面に窒素含有イオンと希ガス元素イオンとを照射し、希ガス元素を0.001〜6.0
    原子%の割合で含有する窒化ホウ素からなる膜を形成したことを特徴とするものである。

    【0011】さらに、本発明は、上記希ガス元素含有の窒化ホウ素膜を離型膜としてガラス成形用型表面に形成したことを特徴ものである。

    【0012】以下、本発明を詳述する。 本発明の窒化ホウ素膜被覆部材は、所定の基体表面に窒化ホウ素からなる硬質膜をガラスの離型膜として形成したものであるが、本発明における大きな特徴は窒化ホウ素膜中に希ガス元素を0.001〜6.0原子%、特に0.01〜
    5.0原子%の割合で含有する点にある。 希ガス元素の含有量を上記の範囲に限定したのは、0.001原子%
    より少ないと、窒化ホウ素膜の基体との密着性の改善がなされず窒化ホウ素膜の硬度の向上がない。 また、窒化ホウ素膜中への希ガスの含有量はおよそ6.0原子%で飽和するため、これ以上含有させることは難しい。 この窒化ホウ素からなる膜は0.1〜5μmの厚みで形成されることが望ましい。 本発明における窒化ホウ素膜は、
    それ自体立方晶窒化ホウ素(cBN)、ウルツ鉱型窒化ホウ素(wBN)あるいは常圧窒化ホウ素(hBN)のいずれか、またはこれらの混合体からなるものであるが、高硬度の要求に対しては、cBNまたはwBNからなることが望ましい。

    【0013】一方、本発明の窒化ホウ素膜が形成される基体は、炭化珪素、窒化珪素、超硬合金、酸化クロムから構成され、その表面粗さは平均表面粗さRaで1μm
    以下であることが望ましく、表面粗さが大きくなると窒化ホウ素膜との密着性が低下し窒化ホウ素膜の硬度が低下するためである。

    【0014】さらに、窒化ホウ素は熱膨張係数が3〜5
    ×10 -6 /℃の化合物であるが、型基体との熱膨張差が大きい場合、型基体と窒化ホウ素からなる離型膜の間にB−Si−N、B−Ti−NおよびB−Al−Nの元素構成からなる中間層を形成すると、熱膨張差などに起因する離型膜の剥離を防止することができる。 例えば、型基体として炭化珪素焼結体を選択した場合には、中間層としてB−Si−N系組成物を形成すればよい。

    【0015】本発明によれば、上記窒化ホウ素膜をガラス成形用型における離型膜として用いる。 ガラス成形用型基体としては、通常、炭化珪素、窒化珪素、超硬合金あるいは酸化クロムなどの焼結体が用いられ、かかる型基体表面も前述したように平均表面粗さRaで1μm以下であることが望ましく、また、型基体と窒化ホウ素膜の間には金属ホウ素などの中間層が形成されていてもよい。

    【0016】次に、窒化ホウ素膜は、ホウ素またはホウ素含有物質からなる蒸着源よりホウ素原子を蒸発させて、所定の基体表面にに蒸着させると同時に、前記基体表面に窒素窒素含有イオンを照射することにより窒化ホウ素膜が形成されるが、本発明によれば、この時、窒素イオンと同時に希ガスイオンを照射することにより、窒化ホウ素膜中に希ガス元素を含有せしめることができる。 なお、ガラス成形用型を製造する場合には、基体としてガラス成形用型基体を設置すればよい。

    【0017】そこで、本発明の製造方法における一実施例として、イオンプレーティング法による製造方法について説明する。 図1はイオンプレーティング装置の概略配置図である。 図中、1は基体、2は反応室、3は蒸着源である。

    【0018】かかる装置によれば、金属ホウ素などのホウ素を含有する物質を蒸着源3として設置し、これに電子ビーム(図示せず)を照射して蒸発させると同時に、
    窒素ガスなどの窒素を含有するガス4を反応室2内に導入し、高周波コイル5により高周波プラズマを発生させ、プラズマ中で窒素イオンを生成させる。 基体1には0.1〜1.0keVの負のバイアス電圧を印加することにより窒素イオンは型基体1に加速して引き寄せられる。 そして型基体1表面にてホウ素原子の蒸着と窒素イオンの照射により窒化ホウ素が生成される。

    【0019】本発明によれば、上記方法において窒素含有ガスと同時に希ガスを導入することによりプラスマ中に窒素イオンと希ガスイオンが生成され、これが型基体1に到達し、窒化ホウ素の生成とともに膜中に希ガス元素が混入されることから、窒素ガスと希ガスとの混合比率を制御することにより、窒化ホウ素膜中の希ガス元素量を任意に調整することができる。

    【0020】また、本発明の窒化ホウ素膜被覆部材の他の製造方法として、イオンビームアシステッドデポジション法による方法について説明する。 図2は、イオンビームアシステッドデポジション成膜装置の概略図である。 図中、11は型基体、12は反応室、13は蒸発源、14はイオン源である。

    【0021】かかる装置によれば、図2に示すように基体11を反応室12内部に設置し、反応室12内部を1
    -6 torr以下に真空引きする。 蒸着源13として金属ホウ素などのホウ素含有物質を用い、蒸着源13に電子ビームを照射して金属ホウ素を蒸発させる。 それと同時に窒素含有ガスをイオン源14に導入し、窒素イオンを生成させて基体11に照射する。 これにより基体11
    表面には、蒸着源13より蒸発したホウ素原子と照射された窒素イオンの反応により窒化ホウ素が生成される。

    【0022】この時、本発明によれば、イオン源14に窒素含有ガスとともに希ガスを導入することにより窒素イオンと希ガスイオンが生成され、基体11表面に照射され、窒化ホウ素膜の生成とともに希ガス元素が膜中に混入される。

    【0023】上記のイオンプレーティング法およびイオンビームアシステッドデポジション法によれば、いずれも希ガスと窒素ガスの割合は、1:99〜80:20の範囲に設定される。 また、窒素ガスへの希ガスの混合割合をを窒化ホウ素膜が生成に合わせて徐々に多くすると、窒化ホウ素膜中で希ガスの含有量が基体から膜表面まで徐々に多くなるような濃度勾配を形成することができる。

    【0024】

    【作用】本発明において、窒化ホウ素膜中に希ガスを0.001〜6.0原子%を割合で含有せしめることにより、窒化ホウ素膜におよそ50kg/mm 2以上の圧縮応が与えられ、基体と膜との密着強度が向上と同時にヌープ硬度も向上する。 また、窒化ホウ素膜の基体との密着性も向上し、膜の剥離が発生しにくく、被覆部材としての耐久性をも付与することができる。

    【0025】また、本発明によれば、かかる窒化ホウ素膜をガラス成形用型の表面に離型膜として形成することにより、ガラスのプレス成形における耐久性が改善され、しかも傷が入り難くなり成形されたガラスの品質を向上させることができる。 更に、この離型膜は鉛と化学的に反応しないので、従来成形できなかったSF6等の鉛を含有したガラス光学材料をプレス成形する事ができる。

    【0026】本発明の窒化ホウ素膜被覆部材は、ガラス成形用型に限られることなく、あらゆる耐摩耗材料や摺動部材などへの応用ももちろん可能である。

    【0027】

    【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 ガラス光学素子成形型の型基体1としてSiC(炭化ケイ素)焼結体を用い、その成形面にCVD法により下地層としてSiC膜を厚さ数100μm蒸着した。 次にS
    iC膜の表面を平均表面粗さRa=1nm以下になるように鏡面仕上げした。 この型基体1を図1のイオンプレーティング装置の反応室2内にセットし、真空ポンプにて真空引きした。 金属ホウ素からなる蒸着源3に電子ビームを照射して金属ホウ素を蒸発させた。 それと同時にN 2ガスとArガスを反応室2に導入してRFコイル5
    でプラズマ6を発生させる。 型基体には−500eVのバイアスを印加させながらBN膜を成膜した。

    【0028】得られた膜を赤外線吸収スペクトルによる膜質を同定したところ、cBNまたはwBNからなる膜であった。 さらに膜の化学組成をマイクロオージェ電子分光分析により測定した結果を表1に示した。 また、表1中の離型膜の圧縮応力はX線応力測定装置により型基体のSiC焼結体の応力状態から評価した。 さらに離型膜のヌープ硬度を測定し表1に示した。

    【0029】

    【表1】

    【0030】表1に示すように、窒化ホウ素膜中に希ガス元素を含有せしめることにより膜の圧縮応力が増大し、硬度が向上した。

    【0031】実施例2 図2に示すように、型基体11を図2の反応室12の中に入れ、反応室を10 -6 torr以下に真空引きした。
    金属ホウ素からなる蒸着源13に電子ビームを照射して金属ホウ素を蒸発させると同時にN 2ガスと希ガス(H
    e,Ne,Ar,Kr,Xe)を表2のようにイオン源14に導入してイオンビームを型基体11表面に照射した。 成膜工程を表2に示すように第1および第2の工程に分け、第1の工程では希ガスを導入せず、型基体11
    と離型膜とのミキシング層及び希ガス元素を含まない窒化ホウ素膜からなる中間層を形成する第1工程と、希ガス元素を含む窒化ホウ素膜を形成する第2工程を連続して行った。

    【0032】得られた膜について、化学組成をマイクロオージェ電子分光分析により測定し、膜の圧縮応力をX
    線応力測定装置により型基体のSiCの応力状態から評価した。 さらに、膜のヌープ硬度およびガラス成形耐久試験として鉛を含有したSF6Wガラスを成形したとき、離型膜の剥離やガラスの付着、成形体表面の白濁などが発生するまでの成形回数を表2、表3に示した。

    【0033】

    【表2】

    【0034】

    【表3】

    【0035】表2に示すように、本発明によれば、希ガス元素を全く含まない試料No.3に比較して硬度を向上させることができ、しかもガラス成形用型としてそのガラス成形耐久回数を1000回以上に高めることができる。

    【0036】

    【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
    窒化ホウ素膜中に希ガス元素を所定量含有せしめることにより、基体との密着性および膜硬度を向上することができる。 また、かかる窒化ホウ素膜をガラス成形用型の離型膜に適用した場合、ガラスのプレス成形における耐久性を向上させることができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の実施例におけるイオンプレーティング成膜装置の概略図である。

    【図2】本発明の実施例におけるイオンビームアシステッドデポジション成膜装置の概略図である。

    【符号の説明】

    1、11 型基体 2、12 反応室 3、13 蒸着源 4 導入ガス 5 RFコイル 14 イオン源

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