The method of manufacturing the foam ceramics

申请号 JP4543995 申请日 1995-03-06 公开(公告)号 JP3612770B2 公开(公告)日 2005-01-19
申请人 株式会社Inax; 发明人 和之 川合; 秀治 川合; 修一 荒川;
摘要
权利要求
  • 耐火度の異なる複数の原料粉末をそれぞれ造粒し、造粒された粒子を乾式混合した後成形し、この成形体を焼成する発泡セラミックスの製造方法であって、
    最も耐火度の高い高耐火度原料粉末は発泡剤を含み、最も耐火度の低い低耐火度原料粉末は発泡剤を含まないものとし、かつ、該高耐火度原料粉末の磁器化温度と低耐火度原料粉末の磁器化温度との温度差を200〜400℃とすることを特徴とする発泡セラミックスの製造方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    【産業上の利用分野】
    本発明は発泡セラミックスの製造方法に係り、特に、製品寸法のばらつきが少なく、寸法安定性に優れた発泡セラミックスの製造方法に関する。
    【0002】
    【従来の技術及び先行技術】
    発泡セラミックスは、その軽量性、断熱性等の優れた特性を利用して、各種建築材料等として広く利用されている。
    【0003】
    従来、発泡セラミックスは、炭化珪素等のガス発生剤を含む発泡性セラミックス原料を成形、焼成し、この焼成過程でガス発生剤を発泡させて製造されている。
    【0004】
    ところで、セラミックスは焼成により収縮して緻密化するが、発泡セラミックスの焼成においては、焼成収縮による緻密化と、ガス発生剤の発泡による膨張の過程とを経ることになるため、この収縮による寸法変化と膨張による寸法変化という、相反する2つの寸法変化を受けることにより、得られる製品の寸法のばらつきが大きいという欠点がある。
    【0005】
    上記従来の問題点を解決し、焼成時の寸法変化が小さく、寸法安定性に優れた発泡セラミックスを製造する方法として、本出願人は、先に、「耐火度の異なる複数の発泡性原料粉末をそれぞれ造粒し、造粒された粒子を乾式混合した後成形し、この成形体を焼成することを特徴とする発泡セラミックスの製造方法」を提案した(特願平6−38319号。以下「先願」という。)
    上記先願の方法によれば、焼成時に低耐火度相の膨張に高耐火度相の収縮が併行することにより、全体的な寸法変化が低減され、製品の寸法安定性が向上する。
    【0006】
    【発明が解決しようとする課題】
    ところで、発泡剤を混合して発泡性原料粉末を調製する場合、一般に発泡剤の使用量は他のセラミックス原料に対して非常に少ない量であるため、これを均一に分散混合することは容易ではない。
    【0007】
    しかしながら、上記先願の方法においては、少なくとも2種類の発泡性原料粉末の調製を行う必要があるため、少なくとも2回の発泡剤の均一混合処理が必要となり、原料調製に手間を要するという不具合がある。
    【0008】
    本発明に上記先願の問題点を解決し、原料粉末の調製における発泡剤の混合処理を軽減することができ、しかも、寸法安定性に優れた発泡性セラミックスを容易に製造することが可能な発泡セラミックスの製造方法を提供することを目的とする。
    【0009】
    【課題を解決するための手段】
    本発明の発泡セラミックスの製造方法は、耐火度の異なる複数の原料粉末をそれぞれ造粒し、造粒された粒子を乾式混合した後成形し、この成形体を焼成する発泡セラミックスの製造方法であって、最も耐火度の高い高耐火度原料粉末は発泡剤を含み、最も耐火度の低い低耐火度原料粉末は発泡剤を含まないものとし、かつ、該高耐火度原料粉末の磁器化温度と低耐火度原料粉末の磁器化温度との温度差を200〜400℃とすることを特徴とする。
    【0010】
    以下に本発明を詳細に説明する。
    【0011】
    本発明の方法においては、まず、耐火度の異なる複数の原料粉末、例えば比較的耐火度の高い高耐火度原料粉末と、比較的耐火度の低い低耐火度原料粉末を調製し、各々造粒する。 この場合、高耐火度原料粉末は発泡剤を含む高耐火度発泡性原料粉末とし、一方、低耐火度原料粉末は発泡剤を含まない低耐火度非発泡性原料粉末とし、かつ、高耐火度発泡性原料粉末の磁器化温度(最も密度が大きくなる焼成温度)と低耐火度非発泡性原料粉末の磁器化温度との温度差が200〜400℃となるようにする。
    【0012】
    本発明において、高耐火度発泡性原料としては、例えば、下記配合のものを用いることができ、また、低耐火度非発泡性原料粉末としては、ガラスフリット、天然ガラス等の低耐火度材料を用いて所定の耐火度が得られるような割合で配合した、下記配合のものを用いることができる。 なお、下記配合において、ガス発生剤としては、炭化珪素、窒化珪素等を用いることができる。
    【0013】
    高耐火度発泡性原料配合(重量部)
    長 石 :40〜90
    粘 土 :10〜60
    ガス発生剤 :0.01〜2
    低耐火度発泡性原料粉末配合(重量部)
    ガラスフリット:20〜100
    天然ガラス :0〜80
    長 石 :0〜70
    粘 土 :0〜30
    本発明において、高耐火度発泡性原料と低耐火度非発泡性原料との磁器化温度の温度差が200℃未満であると、良好な寸法安定性が得られなくなる。 また、この温度差が400℃を超えると均一な発泡セラミックスが得られなくなる。 このため、高耐火度発泡性原料と低耐火度非発泡性原料との磁器化温度の温度差は200〜400℃好ましくは210〜350℃とする。
    【0014】
    このような高耐火度発泡性原料粉末及び低耐火度非発泡性原料粉末は、各々造粒する(以下、高耐火度発泡性原料粉末より得られた造粒粒子を「高耐火度造粒物」、低耐火度非発泡性原料粉末より得られた造粒粒子を「低耐火度造粒物」と称す。)。
    【0015】
    ここで、高耐火度造粒物及び低耐火度造粒物は、小さ過ぎても大き過ぎても本発明による焼成時の寸法変化の緩和効果が十分に得られない。 高耐火度造粒物及び低耐火度造粒物の粒径は5mm以下、特に0.1〜2mmとするのが好ましい。
    【0016】
    得られた高耐火度造粒物と低耐火度造粒物は、乾式混合してプレス成形し、次いで焼成する。 ここで、高耐火度造粒物と低耐火度造粒物との混合割合は、少なくとも一方の造粒粒子が10重量%以上となるように、即ち、高耐火度造粒物:低耐火度造粒物=10〜90:90〜10(重量%)、好ましくは30〜70:70〜30(重量%)となるようにするのが好ましい。
    【0017】
    焼成温度は、用いた高耐火度発泡性原料粉末と低耐火度非発泡性原料粉末の磁器化温度、その混合割合、目的とする発泡セラミックスの気孔率等により異なるが、通常の場合、800〜1300℃の範囲で適宜決定される。
    【0018】
    なお、上記説明では、高耐火度発泡性原料と低耐火度非発泡性原料との2種類の原料粉末を用いる場合について示したが、本発明においては、耐火度の異なる3種類以上の原料粉末を用いても良いことは言うまでもない。 この場合、最も耐火度の高い原料と最も耐火度の低い原料との中間の耐火度を有する原料については、発泡剤を含有するものであっても、発泡剤を含有しないものであっても、いずれでも良い。 また、この場合においても、中間の耐火度を有する各発泡性又は非発泡性原料粉末を少なくとも10重量%混合することが望ましい。
    【0019】
    【作用】
    耐火度の異なる複数の原料を造粒したものを乾式混合して、成形することにより、得られた成形体は、耐火度の異なる複数の相が分散して混在した状態となる。
    【0020】
    高耐火度発泡性原料より得られた高耐火度造粒物で形成される相(以下「高耐火度相」と称す。)と低耐火度非発泡性原料より得られた低耐火度造粒物で形成される相(以下「低耐火度相」と称す。)とが分散して混在した状態の成形体を焼成すると、温度上昇に伴い、まず、成形体素地中の低耐火度相が収縮し始める。 更に、焼成温度が上昇すると、低耐火度相が溶融し始めるが、このとき、高耐火度相中のガス発生剤から発生したガスが低耐火度相の溶融相に捕捉されて低耐火度相の発泡が起こる。 この時、高耐火度相は収縮過程にあり、その後焼成温度の上昇と共に発泡により膨張する。
    【0021】
    即ち、焼結体の焼結温度と嵩比重との関係を模式的に表わす図1において点線で示されるように、まず低耐火度相は、焼成温度上昇に伴って収縮し始める。 低耐火度相は、その磁器化温度T に到るまで嵩比重が大きくなり、その後、更に焼成温度が上昇すると次第に軟化し、高耐火度相の粒子間隙を軟化物質で満たすようになる。 そして、高耐火度相の発泡剤から発生するガスを捕捉し、発泡する。
    【0022】
    高耐火度相だけを焼成した場合には、図1に一点鎖線で示す如く、高耐火度相は、その磁器化温度T に到るまで嵩比重が大きくなり、その後発泡により膨張し、嵩比重が小さくなる。
    【0023】
    ところが、低耐火度相と高耐火度相とを混在させると、低耐火度相が高耐火度相からの発生ガスを捕捉して発泡するため、高耐火度相の磁器化温度T よりも低い温度で混合素地の嵩比重低下が開始するようになる。 この結果、この混合素地の焼成温度変化による嵩比重の変化は、図1に実線で示す如く、なだらかな曲線となる。
    【0024】
    このように、焼成温度が変化しても嵩比重の変動が小さいため、目標値通りの嵩比重の発泡セラミックスを容易に製造できるようになる。 また、焼成温度が変化しても、素地の寸法変化が小さいため、発泡セラミックス製品の寸法安定性が高められる。
    【0025】
    本発明において、高耐火度相の磁器化温度T と低耐火度相の磁器化温度T との差(T −T )が200℃よりも小さいときには、低耐火度相の軟化開始が遅すぎ、混合素地全体の嵩比重低下開始温度が高耐火度相の磁器化温度T に近接し、焼成温度上昇に伴う嵩比重低下が急激なものとなる。 一方、(T −T )が400℃よりも大きいと、高耐火度相が膨張しないうちに低耐火度相が溶融してガラス融液状となり、高耐火度相から発生したガスが素地表面を突き破って素地外に放出される。 そして、焼成後の素地表面は、ガスが抜け出た跡がクレーター状に残留した面性状の悪いものとなる。
    【0026】
    【実施例】
    以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
    【0027】
    実施例1
    下記配合の高耐火度発泡性原料粉末Iと低耐火度非発泡性原料粉末Iとを用い、各々、粒径0.5〜1.5mmに造粒した。 なお、下記高耐火度発泡性原料粉末Iの磁器化温度は1200℃、低耐火度非発泡性原料粉末Iの磁器化温度は900℃で、その温度差は300℃である。
    【0028】
    高耐火度発泡性原料粉末配合I(重量%)
    長 石 :70
    粘 土 :30
    SiC :0.15
    低耐火度非発泡性原料粉末配合I(重量%)
    ガラスフリット:100
    造粒により得られた高耐火度造粒物Iと低耐火度造粒物Iとを70:30(重量比)の割合でロッキングミキサーにて乾式混合し、混合物をプレス成形した。
    【0029】
    この成形体を1100℃で焼成し、得られた焼結体の嵩比重と面性状を調べ、結果を表1に示した。
    【0030】
    なお、表1には、この成形体を十分に焼結させた場合の嵩比重(以下「最高嵩比重」と称す。)、及び、この最高嵩比重と得られた焼結体の嵩比重との差(以下「嵩比重差」と称す。)も併記した。
    【0031】
    実施例2
    実施例1で用いた高耐火度発泡性原料粉末Iと、下記配合の低耐火度非発泡性原料粉末IIとを用い、各々、粒径0.5〜1.5mmに造粒したものを、高耐火度造粒物I:低耐火度造粒物II=50:50(重量比)で乾式混合し、プレス成形した。 なお、下記低耐火度非発泡性原料粉末IIの磁器化温度は980℃で、高耐火度発泡性原料Iの磁器化温度との温度差は220℃である。
    【0032】
    低耐火度非発泡性原料粉末配合 II (重量%)
    ガラスフリット:40
    長 石 :60
    この成形体を1120℃で焼成して得られた焼結体の嵩比重及び面性状を調べると共に、最高嵩比重及び嵩比重差を求め、結果を表1に示した。
    【0033】
    比較例1
    実施例1で用いた高耐火度発泡性原料粉末Iと、下記配合の低耐火度非発泡性原料粉末III とを用い、各々、粒径0.5〜1.5mmに造粒したものを、高耐火度造粒物I:低耐火度造粒物III =70:30(重量比)で乾式混合し、プレス成形した。 なお、下記低耐火度非発泡性原料粉末III の磁器化温度は1150℃で、高耐火度発泡性原料Iの磁器化温度との温度差は50℃である。
    【0034】
    低耐火度非発泡性原料粉末配合 III( 重量%)
    長 石 :100
    この成形体を1200℃で焼成して得られた焼結体の嵩比重及び面性状を調べると共に、最高嵩比重及び嵩比重差を求め、結果を表1に示した。
    【0035】
    比較例2
    高耐火度発泡性原料Iのみを用い、低耐火度非発泡性原料を用いずに実施例1と同様に造粒、成形し、得られた成形体を1200℃で焼成した。
    【0036】
    得られた焼結体の嵩比重及び面性状を調べると共に、最高嵩比重及び嵩比重差を求め、結果を表1に示した。
    【0037】
    比較例3
    実施例1で用いた高耐火度発泡性原料粉末Iと、下記配合の低耐火度非発泡性原料粉末IVとを用い、各々、粒径0.5〜1.5mmに造粒したものを、高耐火度造粒物I:低耐火度造粒物IV=70:30(重量比)で乾式混合し、プレス成形した。 なお、下記低耐火度非発泡性原料粉末IVの磁器化温度は780℃で、高耐火度発泡性原料Iの磁器化温度との温度差は420℃である。
    【0038】
    低耐火度非発泡性原料粉末配合 IV (重量%)
    ガラスフリット(実施例1のものとは異なる。):100
    この成形体を1050℃で焼成して得られた焼結体の嵩比重及び面性状を調べると共に、最高嵩比重及び嵩比重差を求め、結果を表1に示した。
    【0039】
    【表1】

    【0040】


    表1より、磁器化温度差が200〜400℃の高耐火度発泡性原料粉末と低耐火度非発泡性原料粉末とを用いることにより、所望の比重の発泡セラミックスを寸法精度及び形状精度良く製造できることが明らかである。


    【0041】


    【発明の効果】


    以上詳述した通り、本発明の発泡セラミックスの製造方法によれば、焼成時の収縮、発泡膨張による総寸法変化が低減され、寸法のばらつきが小さく、製品の寸法安定性が大幅に改善されると共に、所望の嵩比重の製品を容易かつ確実に得ることが可能とされる。


    【図面の簡単な説明】


    【図1】本発明における焼成温度と嵩比重との関係を説明するグラフである。

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