ハニカム構造体

申请号 JP2007508081 申请日 2006-03-07 公开(公告)号 JPWO2006098191A1 公开(公告)日 2008-08-21
申请人 日本碍子株式会社; 发明人 市川 周一; 周一 市川; 岩田 浩一; 浩一 岩田; 桝川 直; 直 桝川; 渡辺 篤; 篤 渡辺;
摘要 複数のハニカムセグメント2が接合材層9を介して互いの接合面で一体的に接合されたハニカムセグメント接合体10を備え、 流体 の流路となる複数のセル5が中心軸方向に互いに並行するように配設された構造を有するハニカム構造体10であり、接合材層9の外側部分(ハニカムセグメントの接合面との界面からそれぞれ全体の層厚の20%に相当する長さだけ離れた箇所までの部分)における気孔率が、外側部分より内方に 位置 する中心部分の気孔率よりも小であるように構成されている。
权利要求
  • 複数のハニカムセグメントが接合材層を介して互いの接合面で一体的に接合されたハニカムセグメント接合体を備え、流体の流路となる複数のセルが中心軸方向に互いに並行するように配設された構造を有するハニカム構造体であって、
    前記接合材層の外側部分(ハニカムセグメントの接合面との界面からそれぞれ全体の層厚の20%に相当する長さだけ離れた箇所までの部分)における気孔率が、外側部分より内方に位置する中心部分の気孔率よりも小であることを特徴とするハニカム構造体。
  • 前記接合材層が、強度(MPa)/ヤング率(GPa)>1.0×10 −3の関係を満たす請求項1に記載のハニカム構造体。
  • 前記接合材層が、強度(MPa)/ヤング率(GPa)>2.5×10 −3の関係を満たす請求項1に記載のハニカム構造体。
  • 前記接合材層が、強度(MPa)/ヤング率(GPa)>3.5×10 −3の関係を満たす請求項1に記載のハニカム構造体。
  • 前記接合材層の前記外側部分の気孔率が5〜40%であり、かつ前記中心部分の気孔率が25〜90%である請求項1〜4のいずれかに記載のハニカム構造体。
  • 前記接合材層の前記外側部分の気孔率が10〜30%であり、かつ前記中心部分の気孔率が30〜70%である請求項1〜4のいずれかに記載のハニカム構造体。
  • 前記接合材層が無機繊維を含有してなり、前記無機繊維の含有率が20〜45質量%、ショット含有率が10〜50質量%、長軸方向に垂直な断面における平均直径値が1〜20μm及び長軸方向の平均長さが10〜600μmである請求項1〜6のいずれかに記載のハニカム構造体。
  • 前記接合材層の厚さが、0.5〜3mmである請求項1〜7のいずれかに記載のハニカム構造体。
  • 前記ハニカムセグメントが、炭化珪素(SiC)から構成されてなるか、又は前記炭化珪素(SiC)を骨材として、かつ珪素(Si)を結合材として形成された珪素−炭化珪素系複合材料から構成されてなる請求項1〜8のいずれかに記載のハニカム構造体。
  • 说明书全文

    本発明は、ハニカムセグメントの複数が接合材層によって一体的に接合されたハニカム構造体に関する。 さらに詳しくは、排ガス用の捕集フィルタ、中でも、ディーゼルエンジンの排ガス中の粒子状物質(パティキュレート)等を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として有用な、耐熱衝撃性に優れ、特にフィルタ再生時におけるクラック等の欠陥の発生が確実に抑制されたハニカム構造体に関する。

    ハニカム構造体が、排ガス用の捕集フィルタとして、例えば、ディーゼルエンジン等からの排ガスに含まれている粒子状物質(パティキュレート)を捕捉して除去するために、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として、ディーゼルエンジンの排気系等に組み込まれて用いられている。

    このようなハニカム構造体は、例えば、炭化珪素(SiC)等からなる多孔質の隔壁によって区画、形成された流体の流路となる複数のセルが中心軸方向に互いに並行するように配設された構造を有している。 また、隣接したセルの端部は、交互に(市松模様状に)目封じされている。 すなわち、一のセルは、一方の端部が開口し、他方の端部が目封じされており、これと隣接する他のセルは、一方の端部が目封じされ、他方の端部が開口している。

    このような構造とすることにより、一方の端部から所定のセル(流入セル)に流入させた排ガスを、多孔質の隔壁を通過させることによって流入セルに隣接したセル(流出セル)を経由して流出させ、隔壁を通過させる際に排ガス中の粒子状物質(パティキュレート)を隔壁に捕捉させることによって、排ガスの浄化をすることができる。

    このようなハニカム構造体(フィルタ)を長期間継続して使用するためには、フィルタを再生させる必要がある。 すなわち、フィルタ内部に経時的に堆積したパティキュレートによる圧損失の増大を取り除くため、フィルタ内部に堆積したパティキュレートを燃焼させて除去する必要がある。 このフィルタ再生時には大きな熱応力が発生し、この熱応力がハニカム構造体にクラックや破壊等の欠陥を発生させるという問題があった。 このような熱応力に対する耐熱衝撃性の向上の要請に対応して、複数のハニカムセグメントを接合材層によって一体的に接合することによって熱応力を分散、緩和する機能を持たせた分割構造のハニカム構造体が提案され、その耐熱衝撃性をある程度改善することができるようになった。 このような分割構造のハニカム構造体は、それぞれが全体構造の一部を構成する形状を有するとともに、中心軸に対して垂直な方向に組み付けられることによって全体構造を構成することになる形状を有する複数のハニカムセグメントが、接合材層によって一体的に接合されて、中心軸に対して垂直な平面で切断した全体の断面形状が円形等の所定の形状となるように成形された後、その外周面がコーティング材により被覆された構造となっている。

    しかし、近年、フィルタはさらに大型化の要請が高まり、再生時に発生する熱応力も増大することになり、上述の欠陥を防止するため、構造体としての耐熱衝撃性の向上が強く望まれるようになった。 中でも、複数のハニカムセグメントを一体的に接合するための接合材層には、優れた応力緩和機能と接合強度とを実現することによって耐熱衝撃性に優れたハニカム構造体を実現することが望まれている。

    このような問題に対応して、シール材(接合材層)に、無機繊維や有機バインダーを添加することにより、乾燥硬化の過程でのマイグレーションの発生を抑制し、上述の欠陥の発生を抑制して、耐久性を向上させることを企図したセラミック構造体(ハニカム構造体)が開示されている(特許文献1参照)。

    特許第3121497号公報

    しかしながら、特許文献1に開示されたセラミックス構造体(ハニカム構造体)に用いられるシール材(接合材層)において、構成する無機繊維と有機バインダーとが相互に絡み合うことにより実現した均一な組織では、セグメント/接合材層界面の接合強度の確保と接合材層自体の応力緩和機能の確保との両立が難しいという問題があった。

    本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、排ガス用の捕集フィルタ、中でも、ディーゼルエンジンの排ガス中の粒子状物質(パティキュレート)等を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として有用な、耐熱衝撃性に優れ、特にフィルタ再生時におけるクラック等の欠陥の発生が確実に抑制されたハニカム構造体を提供することを目的とする。

    上記目的を達成するため、本発明によって、下記のハニカム構造体が提供される。

    [1]複数のハニカムセグメントが接合材層を介して互いの接合面で一体的に接合されたハニカムセグメント接合体を備え、流体の流路となる複数のセルが中心軸方向に互いに並行するように配設された構造を有するハニカム構造体であって、前記接合材層の外側部分(ハニカムセグメントの接合面との界面からそれぞれ全体の層厚の20%に相当する長さだけ離れた箇所までの部分)における気孔率が、外側部分より内方に位置する中心部分の気孔率よりも小であることを特徴とするハニカム構造体。

    [2]前記接合材層が、強度(MPa)/ヤング率(GPa)>1.0×10 −3の関係を満たす前記[1]に記載のハニカム構造体。
    [3]前記接合材層が、強度(MPa)/ヤング率(GPa)>2.5×10 −3の関係を満たす前記[1]に記載のハニカム構造体。

    [4]前記接合材層が、強度(MPa)/ヤング率(GPa)>3.5×10 −3の関係を満たす前記[1]に記載のハニカム構造体。

    [5]前記接合材層の前記外側部分の気孔率が5〜40%であり、かつ前記中心部分の気孔率が25〜90%である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のハニカム構造体。

    [6]前記接合材層の前記外側部分の気孔率が10〜30%であり、かつ前記中心部分の気孔率が30〜70%である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のハニカム構造体。
    [7]前記接合材層が無機繊維を含有してなり、前記無機繊維の含有率が20〜45質量%、ショット含有率が10〜50質量%、長軸方向に垂直な断面における平均直径値が1〜20μm及び長軸方向の平均長さが10〜400μmである前記[1]〜[6]のいずれかに記載のハニカム構造体。

    [8]前記接合材層の厚さが、0.5〜3mmである前記[1]〜[7]のいずれかに記載のハニカム構造体。

    [9]前記ハニカムセグメントが、炭化珪素(SiC)から構成されてなるか、又は前記炭化珪素(SiC)を骨材として、かつ珪素(Si)を結合材として形成された珪素−炭化珪素系複合材料から構成されてなる前記[1]〜[8]のいずれかに記載のハニカム構造体。

    本発明のハニカム構造体の一の実施の形態(中心軸に対して垂直な平面で切断した全体の断面形状が円形)を模式的に示す斜視図である。

    本発明のハニカム構造体の他の実施の形態(中心軸に対して垂直な平面で切断した全体の断面形状が正方形)の一部を端面側から見た正面図である。

    本発明のハニカム構造体の他の実施の形態に用いられるハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。

    図3におけるA−A線断面図である。

    実施例において得られた気孔率測定用サンプルの断面における気孔の分布状況をSEMにて観察した結果を模式的に示す説明図である。

    符号の説明

    1:ハニカム構造体、2:ハニカムセグメント、4:コーティング材、5:セル、6:隔壁、7:充填材、9:接合材層、10:ハニカムセグメント接合体。

    図1、2に示すように、本発明の実施の形態におけるハニカム構造体1は、複数のハニカムセグメント2が接合材層9を介して互いの接合面で一体的に接合されたハニカムセグメント接合体10を備え、流体の流路となる複数のセル5が中心軸方向に互いに並行するように配設された構造を有するものであり、接合材層9の外側部分(ハニカムセグメントの接合面との界面からそれぞれ全体の層厚の20%に相当する長さだけ離れた箇所までの部分)における気孔率が、外側部分より内方に位置する中心部分の気孔率よりも小であるとともに、接合材層9が、強度(MPa)/ヤング率(GPa)>1.0×10 −3の関係を満たすことを特徴とするものである。

    まず、本発明の実施の形態におけるハニカム構造体1の構造をさらに具体的に説明する。 本発明の実施の形態におけるハニカム構造体1は、多孔質の隔壁6によって区画、形成された流体の流路となる複数のセル5がハニカム構造体1の中心軸方向に互いに並行するように配設された構造を有し、それぞれが全体構造の一部を構成する形状を有するとともに、ハニカム構造体1の中心軸に対して垂直な方向に組み付けられることによって全体構造を構成することになる形状を有する複数のハニカムセグメント2が、接合材層9によって一体的に接合されたハニカムセグメント接合体10として構成されてなるものである。 接合材層9によるハニカムセグメント2の接合の後、ハニカム構造体1の中心軸に対して垂直な平面で切断した全体の断面形状が円形、楕円形、三形、正方形、その他の形状となるように研削加工され、外周面がコーティング材4によって被覆される。 このハニカム構造体1をDPFとして用いる場合、ディーゼルエンジンの排気系等に配置することにより、ディーゼルエンジンから排出されるスートを含む粒子状物質(パティキュレート)を捕捉することができる。 なお、図1においては、一つのハニカムセグメント2においてのみ、セル5及び隔壁6を示している。 それぞれのハニカムセグメント2は、図3、4に示すように、ハニカム構造体1(ハニカムセグメント接合体10)(図1参照)の全体構造の一部を構成する形状を有するとともに、ハニカム構造体1(図1参照)の中心軸に対して垂直な方向に組み付けられることによって全体構造を構成することになる形状を有している。 セル5はハニカム構造体1の中心軸方向に互いに並行するように配設されており、隣接しているセル5におけるそれぞれの端部が交互に充填材7によって目封じされている。

    所定のセル5(流入セル)においては、図3、4における左端部側が開口している一方、右端部側が充填材7によって目封じされており、これと隣接する他のセル5(流出セル)においては、左端部側が充填材7によって目封じされるが、右端部側が開口している。 このような目封じにより、図2に示すように、ハニカムセグメント2の端面が市松模様状を呈するようになる。 このような複数のハニカムセグメント2が接合されたハニカム構造体1を排ガスの排気系内に配置した場合、排ガスは図4における左側から各ハニカムセグメント2のセル5内に流入して右側に移動する。

    図4においては、ハニカムセグメント2の左側が排ガスの入口となる場合を示し、排ガスは、目封じされることなく開口しているセル5(流入セル)からハニカムセグメント2内に流入する。 セル5(流入セル)に流入した排ガスは、多孔質の隔壁6を通過して他のセル5(流出セル)から流出する。 そして、隔壁6を通過する際に排ガス中のスートを含む粒子状物質(パティキュレート)が隔壁6に捕捉される。 このようにして、排ガスの浄化を行うことができる。 このような捕捉によって、ハニカムセグメント2の内部にはスートを含む粒子状物質(パティキュレート)が経時的に堆積して圧力損失が大きくなるため、スート等を燃焼させる再生が行われる。 なお、図2〜4には、全体の断面形状が正方形のハニカムセグメント2を示すが、三角形、六角形等の形状であってもよい。 また、セル5の断面形状も、三角形、六角形、円形、楕円形、その他の形状であってもよい。

    本発明のハニカム構造体は、上述の構造を有するものであり、接合材層9の外側部分(ハニカムセグメントの接合面との界面からそれぞれ全体の層厚の20%に相当する長さだけ離れた箇所までの部分)における気孔率が、外側部分より内方に位置する中心部分の気孔率よりも小であるとともに、接合材層9が、強度(MPa)/ヤング率(GPa)>1.0×10 −3 [好ましくは、強度(MPa)/ヤング率(GPa)>2.5×10 −3 、さらに好ましくは、強度(MPa)/ヤング率(GPa)>3.5×10 −3 ]の関係を満たすことを特徴とするものである。

    本実施の形態に用いられる接合材層の外側部分(ハニカムセグメントの接合面との界面からそれぞれ全体の層厚の20%に相当する長さだけ離れた箇所までの部分)における気孔率が、外側部分より内方に位置する中心部分の気孔率以上であると、外側部分ではセグメント/接合材層界面の接合強度を確保することができず、中心部分の気孔率により接合材層の強度/ヤング率比を高くすることができず、セグメント/接合材層界面の接合強度確保と接合材層の応力緩和機能との両立が不可能となる。

    本実施の形態に用いられる接合材層の外側部分の気孔率が5〜40%であり、かつ中心部分の気孔率が25〜90%であることが好ましい。 接合材層9の外側部分の気孔率が10〜30%であり、かつ中心部分の気孔率が30〜70%であることがさらに好ましい。 外側部分の気孔率が5%未満であると、ヤング率が大きくなり応力緩和機能を十分に発揮することができないことがあり、40%を超えると、セグメント/接合材層の接合強度が低減することがある。 また、中心部分の気孔率が25%未満であると、ヤング率が大きくなり、90%を超えると、強度が低減し、クラックが発生することがある。 接合材層部分の平均気孔率は17〜70%で、さらに好ましくは22〜54%となる。

    本実施の形態に用いられる接合材層の強度/ヤング率比が、1.0×10 −3未満であると、耐熱衝撃性の向上が十分に達成することができず、DPFでの再生時に生じる急激な熱応力により破損することがある。

    本実施の形態に用いられる接合材層には、無機繊維が含有されるが、これ以外に、例えば、無機バインダー、有機バインダー、無機粒子、発泡粒子等が含有されることが好ましい。 無機繊維としては、例えば、アルミノシリケート、アルミナ、SiO −MgO系及びSiO −CaO−MgO系等の酸化物繊維、その他の繊維(例えば、SiC繊維)等を挙げることができる。 無機バインダーとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル、粘土等を挙げることができる。 有機バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルローズ(CMC)、メチルセルロース(MC)等を挙げることができる。 無機粒子としては、例えば、炭化珪素、窒化珪素、コージェライト、アルミナ、ムライト等のセラミックスを挙げることができる。 なお、接合材層を構成する接合材は、後述するコーティング材と同じ材料を用いることができる。

    無機繊維の含有率は20〜45質量%(さらに好ましくは30〜40質量%)、ショット含有率が10〜50質量%、長軸方向に垂直な断面における平均直径値が1〜20μm(さらに好ましくは2〜15μm)及び長軸方向の平均長さが10〜600μm(さらに好ましくは50〜300μm)であることが好ましい。

    無機繊維の含有率が20質量%未満であると、接合材層に弾力性を付与できないことがあり、45質量%を超えると、塗布可能なペーストを得るために大量のを必要とし、大量の水の使用は、接合材乾燥時の収縮が大きく、クラックが起きることがある。 ショット含有率が10質量%未満であると、塗布可能なペーストを得るために大量の水を必要とし、大量の水の使用は、接合材乾燥時の収縮が大きく、クラックが起きることがあり、50質量%を超えると、接合材層に弾力性を付与できないことがある。 長軸方向に垂直な断面における平均直径値が1μm未満であると、接合材層に弾力性を付与できないことがあり、20μmを超えると、接合材の厚みに与える影響が大きいため、ハニカムセグメントの外壁面上に均一に塗布することが困難となることがある。 長軸方向の平均長さが10μm未満であると、接合材層に弾力性を付与できないことがあり、600μmを超えると、塗布生が低下することがある。

    図2に示すように、接合材層9は、ハニカムセグメント2の外周面に塗布されて、ハニカムセグメント2を接合するように機能する。 接合材層9の塗布は、隣接しているそれぞれのハニカムセグメント2の外周面に行ってもよいが、隣接したハニカムセグメント2の相互間においては、対応した外周面の一方に対してだけ行ってもよい。 このような対応面の片側だけへの塗布は、接合材層9の使用量を節約できる点で好ましい。 接合材層9の厚さは、ハニカムセグメント2の相互間の接合力を勘案して決定され、例えば、0.5〜3.0mmの範囲で適宜選択される。

    本実施の形態に用いられるハニカムセグメント2の材料としては、強度、耐熱性の観点から、炭化珪素(SiC)、炭化珪素(SiC)を骨材としてかつ珪素(Si)を結合材として形成された珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材、珪素−炭化珪素複合材、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、Fe−Cr−Al系金属からなる群から選択される少なくとも一種から構成された物を挙げることができる。 中でも、炭化珪素(SiC)又は珪素−炭化珪素系複合材料から構成されてなるものが好ましい。

    ハニカムセグメント2の作製は、例えば、上述の材料から適宜選択したものに、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等のバインダー、界面活性剤、溶媒としての水等を添加して、可塑性の坏土とし、この坏土を上述の形状となるように押出成形し、次いで、マイクロ波、熱風等によって乾燥した後、焼結することにより行うことができる。

    セル5の目封じに用いる充填材7としては、ハニカムセグメント2と同様な材料を用いることができる。 充填材7による目封じは、目封じをしないセル5をマスキングした状態で、ハニカムセグメント2の端面をスラリー状の充填材7に浸漬することにより開口しているセル5に充填することにより行うことができる。 充填材7の充填は、ハニカムセグメント2の成形後における焼成前に行っても、焼成後に行ってもよいが、焼成前に行うことの方が、焼成工程が1回で終了するため好ましい。

    以上のようなハニカムセグメント2の作製の後、ハニカムセグメント2の外周面にスラリー状の接合材層9を塗布し、所定の立体形状(ハニカム構造体1の全体構造)となるように複数のハニカムセグメント2を組み付け、この組み付けた状態で圧着した後、加熱乾燥する。 このようにして、複数のハニカムセグメント2が一体的に接合された接合体が作製される。 その後、この接合体を上述の形状に研削加工し、外周面をコーティング材4によって被覆し、加熱乾燥する。 このようにして、図1に示すハニカム構造体1が作製される。 コーティング材4の材質としては、接合材層9と同様の用いられるのを用いることができる。 コーティング材4の厚さは、例えば、0.1〜1.5mmの範囲で適宜選択される。

    以上説明したように、本発明によって、排ガス用の捕集フィルタ、中でも、ディーゼルエンジンの排ガス中の粒子状物質(パティキュレート)等を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として有用な、耐熱衝撃性に優れ、特にフィルタ再生時におけるクラック等の欠陥の発生が確実に抑制されたハニカム構造体が提供される。

    以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によっていかなる制限を受けるものではない。

    (実施例1)
    (ハニカムセグメントの作製)
    ハニカムセグメント原料として、SiC粉末及び金属Si粉末を80:20の質量割合で混合し、これに造孔剤として澱粉、発泡樹脂を加え、さらにメチルセルロース及びヒドロキシプロポキシルメチルセルロース、界面活性剤及び水を添加して、可塑性の坏土を作製した。 この坏土を押出成形し、マイクロ波及び熱風で乾燥して隔壁の厚さが310μm、セル密度が約46.5セル/cm (300セル/平方インチ)、断面が一辺35mmの正四角形、長さが152mmのハニカムセグメント成形体を得た。 このハニカムセグメント成形体を、端面が市松模様状を呈するように、セルの両端面を目封じした。 すなわち、隣接するセルが、互いに反対側の端部で封じられるように目封じを行った。 目封じ材としては、ハニカムセグメント原料と同様な材料を用いた。 セルの両端面を目封じし、乾燥させた後、大気雰囲気中約400℃で脱脂し、その後、Ar不活性雰囲気で約1450℃で焼成して、SiC結晶粒子をSiで結合させた、多孔質構造を有するハニカムセグメントを得た。

    (接合材の調製)
    無機繊維としてアルミノシリケート繊維、無機バインダーとしてコロイダルシリカ及び粘土、無機粒子としてSiCを混合したものにさらに水を加えて、場合によっては、有機バインダー(CMC、PVA)、発泡樹脂及び分散剤を加えて、ミキサーにて30分間混練を行い、ペースト状の接合材を得た。 具体的には、表1に示す条件で、種類及び組成比の異なる接合材(接合材No.1〜16)を得た。

    (ハニカム構造体の作製)
    ハニカムセグメントの外壁面に、厚さ約1mmとなるように接合材No. 1をコーティングして接合材層を形成し、その上に別のハニカムセグメントを載置する工程を繰り返し、16個のハニカムセグメントからなるハニカムセグメント積層体を作製し、外部より圧力を加え、全体を接合させた後、140℃、2時間乾燥してハニカムセグメント接合体を得た。 その後、ハニカムセグメント接合体の外周を円筒状に切断後、コーティング材を塗布し、700℃、2時間乾燥硬化させ、ハニカム構造体を得た。 得られたハニカム構造体を切断して所定の気孔率測定用サンプルを切り出し、樹脂埋め、研磨後、気孔率測定用サンプルの断面における気孔の分布状況をSEMにて10〜40倍程度で観察した。 得られた写真の画像解析(Media Cybernetics社製、ImagePro(Ver5.0))から気孔率を測定した。 気孔の分布状況を観察した結果を図5に示す。 気孔率を算出するにあたり、少なくとも試料長さ3mm以上の領域を用いた。 結果を表2に示す。 接合材中心部分の気孔率は68%で、外側部分の気孔率は37%であった。 また所定の強度試験用サンプルを切り出し、JIS R1601に準じた3点曲げ強度の測定を行った。 ヤング率は強度測定の時の加重と変位曲線より算出した。 結果を表3に示す。 接合材の強度/ヤング率比は1.2×10 −3であった。 また、得られたハニカム構造体の急速加熱試験(バーナースポーリング試験B−sp)、急速冷却試験(電気炉スポーリング試験E−sp)、エンジン試験(E/G試験)を行った。 結果を表2、3に示す。

    (実施例2〜12および比較例1〜3)
    実施例2〜12は、実施例1において、接合材を、接合材No. 2〜12に変えたこと以外は実施例1と同様にした。 また、比較例1〜3は、接合材を、No. 13〜15に変えたこと以外は実施例1と同様にした。 各実施例及び比較例における、ハニカム構造体の接合材の各種試験結果を表2、3に示す。

    無機繊維はアルミノシリケートを用い、ショット率は全て50%であった。 無機粒子はSiCを用い、粒径は1.4〜1.9μmであった。 全ての接合材に無機バインダーとしてコロイダルシリカを22質量%含有させた。 また、粘土を1.0質量%含有させた。 接合材層の厚さは1mmとした。

    「B−sp」試験:バーナースポーリング試験(急速加熱試験):ハニカム構造体にバーナーで加熱した空気を流すことにより中心部分と外側部分との温度差をつくり、ハニカム構造体のクラックの発生しない温度により耐熱衝撃性を評価する試験(温度が高いほど耐熱衝撃性が高い)
    「E−sp」試験:電気炉スポーリング試験(急速冷却試験):温度450℃ハニカム構造体を電気炉にて550℃×2h加熱し、均一な温度にした後、室温に取り出し、ハニカム構造体のクラック発生の有無により耐熱衝撃性を評価する試験「E/G」試験:エンジン試験1000℃:フィルター再生のために堆積したパーティキュレートを燃焼させ、ハニカム中心止部の温度が1000℃となる条件にて、ハニカム構造体のクラックの有無により耐熱衝撃性を評価する試験

    表2、3中、○はクラック発生なし、×はクラック発生ありを意味する。 表2の結果から分かるように、接合材層の中心部分の気孔率が、外側部分の接合材の気孔率より小さい構造であるNo. 13〜14(比較例1〜2)は、各種試験後、ハニカム構造体にクラックが発生した。 接合材層が十分な弾性力を発揮できず、試験中に発生する熱応力を緩和できなかったものと考えられる。 一方、接合材層の中心部分の気孔率が外側部分の接合材層の気孔率より大きい構造であるNo. 1〜3(実施例1〜3)は、各種試験後、ハニカム構造体にクラックは見られなかった。 また、表3の結果から分かるように、接合材層の強度/ヤング率比の値が1.0未満でかつ接合材層の中心部分の気孔率が、外側部分の接合材の気孔率より小さい構造であるNo. 15(比較例3)は、各種試験後、ハニカム構造体にクラックが発生した。 接合材層が十分な弾性力を発揮できず、試験中に発生する熱応力を緩和できなかったものと考えられる。 一方、接合材層の強度/ヤング率比の値が1.0以上であり、かつ、接合材層の中心部分の気孔率が外側部分の接合材層の気孔率より大きい構造であるNo. 4〜12(実施例4〜12)は、各種試験後、ハニカム構造体にクラックは見られなかった。

    本発明のハニカム構造体は、排ガス用の捕集フィルタとして、例えば、ディーゼルエンジン等からの排ガスに含まれている粒子状物質(パティキュレート)を捕捉して除去するためのディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として有用である。

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