Honeycomb structural body

申请号 JP2007520597 申请日 2006-08-24 公开(公告)号 JP5127450B2 公开(公告)日 2013-01-23
申请人 イビデン株式会社; 发明人 洋之 坂口; 一茂 大野;
摘要
权利要求
  • 複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、その外縁に外縁壁を有する多孔質セラミック部材が、接着材層を介して複数個接着されたハニカム構造体であって、
    前記多孔質セラミック部材の長手方向の角部が面取り形状となっていて、
    前記多孔質セラミック部材の前記外縁壁の厚さは、前記セル壁の厚さよりも厚く、
    前記多孔質セラミック部材の最外周に位置するセルの 前記外縁壁により構成される角部、及び、前記外縁壁と前記セル壁により構成される角部のみに、当該角部を充填する充填体が設けられており、
    前記セルの長手方向に直交する面における当該セルの断面形状は 、方形であり、
    前記セルの長手方向に直交する面における前記充填体の断面形状は 、直角三角形状であ り、
    前記多孔質セラミック部材の長手方向に垂直な断面におけるセルの開口率は、60%以上、70%以下であることを特徴とするハニカム構造体。
  • 前記セルは、両端部のうち、いずれか一方の端部が封止されている請求項 に記載のハニカム構造体。
  • 说明书全文

    本出願は、2005年11月18日に出願された日本国特許出願2005−334782号を基礎出願として優先権主張する出願である。
    本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中のパティキュレート・マター(微粒子状物質、以下、PMという)を捕集、除去するフィルタや排ガス中の有害なガス成分を浄化する触媒担体等として用いられるハニカム構造体に関する。

    バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるスス等のPMが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
    そこで、排ガス中のPMを捕集して排ガスを浄化するフィルタとして、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニットからなるハニカム構造体を用いたものが種々提案されている。
    また、従来のハニカムユニットの材料としては、多孔質の炭化珪素やコージェライト等が知られている。

    従来、この種のハニカム構造体としては、例えば、再生処理時等に生じる熱応に対する強度を確保するために、全てのセルの各隅部に補強部を設けたハニカム構造体(例えば、特許文献1、2参照)や、逆洗時の強度を確保するとともに、逆洗時のPMのブリッジングを回避するために、セル壁の厚さとセルの形状を大きくしたハニカム構造体(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
    また、外周側の領域に位置するセルについてのみ各隅部に補強部を設けたハニカム構造体(例えば、特許文献4参照)も開示されている。

    特開平9−299731号公報

    特開昭49−113789号公報

    特開平2−146212号公報

    特開平10−264125号公報

    ハニカム構造体は、その基本特性として、圧力損失が低いことが要求されている。 圧力損失を低くするためには、気孔率を高くすることや開口率を高くすること等が有効な手段である。 しかしながら、例えば、気孔率を高くすると、強度を低下させてしまうことが考えられ、気孔率を高くした上で、上述したようにハニカム構造体の強度を確保するために、全てのセルのセル壁に補強部を設けた場合には、セル壁の厚さがそのままでは、開口率が低下し、圧力損失が増大してしまうという問題があった。
    また、圧力損失の増大を避けるため、開口率を確保しつつ、補強部を設けようとすると、セル壁の厚さを薄くせざるを得ず、その場合、ハニカム構造体の強度を確保することが困難となる。
    このように、圧力損失を低く抑えることと強度の確保という相反する特性を同時に確保することが困難であった。

    本願発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討し、ハニカム構造体を構成する多孔質セラミック部材において、その一部のセルがなす空間の形状を、特定の形状にすることにより、開口率を保ち、圧力損失を低く保った状態で、さらに、強度を確保することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。

    本発明のハニカム構造体は、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、その外縁に外縁壁を有する多孔質セラミック部材が、接着材層を介して複数個接着されたハニカム構造体であって、
    上記多孔質セラミック部材の最外周に位置するセルの少なくとも1つには、当該セルの部の少なくとも1箇所に、当該角部を充填する充填体が設けられており、
    上記セルの長手方向に直交する面における当該セルの断面形状は、略方形であり、
    上記セルの長手方向に直交する面における上記充填体の断面形状は、略直角三角形状であることを特徴とする。

    上記ハニカム構造体において、上記多孔質セラミック部材の上記外縁壁の厚さは、上記セル壁の厚さよりも厚いことが望ましく、上記充填体が設けられているセルの角部は、上記外縁壁により構成される角部、及び、上記外縁壁と上記セル壁により構成される角部であることが望ましい。

    上記ハニカム構造体において、上記セルは、両端部のうちいずれか一方の端部が封止されていることが望ましい。
    上記多孔質セラミック部材の外周の少なくとも一つの角部は、面取り形状となっていることが望ましく、さらに、上記ハニカム構造体において、上記多孔質セラミック部材の長手方向の角部は、面取り形状となっていることが望ましい。

    また、上記多孔質セラミック部材の長手方向に垂直な断面におけるセルの開口率は、60%以上であることが望ましい。

    従来のハニカム構造体においては、外力が加えられた場合、セルの角部に応力が集中し、この応力集中点からクラックが発生してしまうと推定されるが、本発明のハニカム構造体によれば、このハニカム構造体を構成する多孔質セラミック部材の最外周に位置するセルの少なくとも1つには、当該セルの角部の少なくとも1箇所に、当該角部を充填する充填体が設けられており、上記セルの長手方向に直交する面における当該セルの断面形状は、略方形であり、上記セルの長手方向に直交する面における上記充填体の断面形状は、略直角三角形状であるため、角部に応力集中することがなく、クラックが発生しにくいと考えられる。 また、角部の充填体は、セル壁を補強する補強体としても機能しており、多孔質セラミック部材に外力が加えられた場合であっても、セル壁の変形を防止してクラックの発生を抑制することができると考えられる。
    また、セルの開口率が60%以上と、開口率を高くした場合にも、クラックの発生を抑制することができるため、圧力損失を低く保つとともに、 ハニカム構造体の強度を確保することができ、さらに、押出成形時の吐出量のバラツキを小さく抑えることにより、クラック等の破損を抑えることができる。 また、製造時などに機械で把持した際や、セラミック部材同士などが接触した際に、欠けなどの破損が発生することを防止することができる。

    本発明のハニカム構造体は、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、その外縁に外縁壁を有する多孔質セラミック部材が、接着材層を介して複数個接着されたハニカム構造体であって、
    上記多孔質セラミック部材の最外周に位置するセルの少なくとも1つには、当該セルの角部の少なくとも1箇所に、当該角部を充填する充填体が設けられており、
    上記セルの長手方向に直交する面における当該セルの断面形状は、略方形であり、
    上記セルの長手方向に直交する面における上記充填体の断面形状は、略直角三角形状であることを特徴とする。

    以下、本発明のハニカム構造体について、図面を参照しながら説明する。
    図1は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図2(a)は、図1に示したハニカム構造体を構成する多孔質セラミック部材の一例を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示した多孔質セラミック部材のA−A線断面図である。

    図1に示すように、ハニカム構造体10は、炭化珪素質セラミック等からなる多孔質セラミック部材20が、シール材層(接着材層)11を介して複数個組み合わされて円柱状のセラミックブロック15を構成し、このセラミックブロック15の周囲にシール材層(コート層)12が形成されている。

    図1に示したハニカム構造体10では、セラミックブロックの形状は円柱状であるが、本発明のハニカム構造体において、セラミックブロックは、柱状であれば円柱状に限定されることはなく、例えば、楕円柱状や角柱状等任意の形状のものであってもよい。

    多孔質セラミック部材20は、図2(a)、(b)に示したように、複数のセル21がセル壁23bを隔てて長手方向(図2(a)中、矢印aの方向)に並設され、外縁に外縁壁23aが形成されたハニカムユニットにおいて、セル21のいずれかの端部が封止材22で封止されたもので、セル21同士を隔てるセル壁23bがフィルタとして機能するようになっている。 即ち、多孔質セラミック部材20に形成されたセル21は、図2(b)に示したように、排ガスの入口側又は出口側の端部のいずれかが封止材22により目封じされ、一のセル21に流入した排ガスは、必ずセル21を隔てるセル壁23bを通過した後、他のセル21から流出するようになっている。

    図3は、図2(a)に示した多孔質セラミック部材の一例の端面のみを拡大して示した正面図である。
    図3に示すように、多孔質セラミック部材20の最外周の断面が方形のセル21aの角部には、断面形状が直角三角形状の充填体が設けられている。 充填体が設けられている角部は、外縁壁23aにより構成される角部、及び、外縁壁23aとセル壁23bとにより構成される角部である。

    このように、 多孔質セラミック部材の最外周に位置する断面が方形のセル21aの角部に断面形状が直角三角形状の充填体を設けることにより、多孔質セラミック部材の強度を確保するとともに、セル壁の厚さを薄くすることなく、開口率を確保することができるため、圧力損失を低く保つとともに、クラック等の破損の発生を回避することができる。
    特に、直角三角形が直角二等辺三角形であると、充填体は、角部を基準として対称な形状となるため、角部付近の重量バランスや熱伝導バランスがよく、 多孔質セラミック部材にかかる熱や力を効率的に分散させることができるので望ましい。

    なお、図3に示した多孔質セラミック部材では、最外周に位置する断面が方形のセル21aの所定の角部に断面形状が直角三角形状の充填体が設けられており、残りのセル21bは方形状を有しているが、本発明のハニカム構造体10を構成する多孔質セラミック部材20においては、最外周に位置する断面が方形のセル21aの全ての角部に断面形状が直角三角形状の充填体が設けられていてもよく、上記残りの方形のセル21bの一部の角部又は全部の角部に断面形状が直角三角形状の充填体が設けられていてもよい。

    また、最外周に位置するセル21aにおいて、直角三角形状の充填体の一辺の長さ(図3中、L )は、方形のセル21aの一辺の長さ(図3中、L )の5〜40%であることが望ましい。
    5%未満では、充填体を形成した効果を享受することができない場合があり、一方、40%を超えると、外周部に位置するセルが小さくなりすぎることがあるからである。
    例えば充填体を設ける前のセル21aの一辺の長さが1.2mmであれば、直角三角形状の充填体の一辺の長さL は、0.06〜0.48mmが望ましいのである。

    また、多孔質セラミック部材20では、長手方向に垂直な断面において、外縁に位置する外縁壁23aの厚さ(図3中、L )は、セル壁23bの厚さ(図3中、L )よりも厚くなっていてもよい。 セル壁23bとは、図3においては、外縁壁23a以外の全てのセル壁をいう。

    外縁壁23aの厚さL は、必ずしもセル壁23bの厚さL よりも厚い必要はないが、このような構成とすることにより、高い開口率を維持しつつ、より強度を確保することができ、例えば、多孔質セラミック部材同士などの接触によ欠けなどの破損をより一層抑えることができるので望ましい。
    なお、外縁壁23aの厚さL は、セル壁23bの厚さL の1.3〜3.0倍が望ましい。
    1.3倍未満では、強度を確保する効果が享受できない場合があり、3.0倍を超えると、開口率を確保するために、中央部のセル壁を薄くする必要があり、中央部のセル壁でクラック等の破損が起こり易くなる。

    なお、セル壁23bの厚さL は、その下限が0.1mmで、その上限が0.4mmであることが望ましい。
    セル壁23bの厚さL が0.1mm未満では、セル壁23bの強度が低くなりすぎて、クラック等の破損が起こることがあり、一方、セル壁23bの厚さL が0.4mmを超えると、開口率を高く保つことができず、その結果、圧力損失が大きくなりすぎることがある。
    セル壁23bの厚さL のより望ましい下限は、0.2mmであり、より望ましい上限は、0.3mmである。

    多孔質セラミック部材20では、セル21の両端部のうち、いずれか一方の端部は、封止材22で封止されているが、本発明のハニカム構造体において、多孔質セラミック部材のセルの端部は、必ずしも封止されている必要はなく、ハニカム構造体の用途に応じて、封止すればよい。
    具体的には、例えば、本発明のハニカム構造体をDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)として使用する場合には、セルの端部が封止されていることが望ましく、上記ハニカム構造体を触媒担体として使用する場合には、セルの端部が封止されていなくてもよい。

    本発明では、最外周に位置するセルで、角部の少なくとも1箇所に充填体が設けられたセルは、少なくとも1つ存在すればよいが、その数はなるべく多い方が望ましく、最外周に位置するセルの全てについて、角部の少なくとも1箇所に充填体が設けられていることがより望ましい。

    本発明のハニカム構造体を構成する多孔質セラミック部材20は、少なくとも一の角部が面取り形状となっていることが望ましい。
    多孔質セラミック部材20の角部が面取り形状となっていることにより、よりクラックが発生しにくくなる。 この理由については明らかでないが、本発明においては、多孔質セラミック部材20の角部が面取り形状であるので、角部が尖っている場合と比べて応力が緩和され、クラックが発生しにくくなるのではないかと考えられる。
    なお、本明細書中において、面取り形状とは面と面との交わりの角に平面又は曲面からなる斜めの面を付けた形状のことをいうこととする。

    本発明では、多孔質セラミック部材20の少なくとも一の角部が面取り形状となっていることが望ましいが、面取り形状となっている角部は多いほど好ましく、図2(a)に示すように、多孔質セラミック部材20の長手方向の全ての角部が面取り形状となっていることがさらに望ましい。
    面取りの形状は特に限定されるものではなく、面取り部分が平面からなる面取り形状(C面取り形状)でも、面取り部分が曲面からなる面取り形状でもよいが、面取り部分が曲面からなる面取り形状が応力緩和性に優れる点で望ましく、特にセルに垂直な断面の形状が円弧からなるR面取り形状(図2(a)参照)がより望ましい。

    セルに垂直な断面における面取り部分の長さL の望ましい下限は0.3mmであり、望ましい上限は2.5mmである。 より望ましい下限は0.5mmであり、より望ましい上限は1.5mmである。 セルに垂直な断面において、多孔質セラミック部材20の1辺の長さL に対する面取り部分の長さL の比の望ましい下限は0.8%であり、望ましい上限は7.5%である。 より望ましい下限は2.5%であり、より望ましい上限は6%である(図2(a)参照)。

    本発明では、多孔質セラミック部材20において、長手方向に垂直な断面におけるセルの開口率が、60%以上であることが望ましい。
    上記開口率が60%未満では、ハニカム構造体の圧力損失が大きくなる。
    より望ましい下限は、63%であり、さらに望ましい下限は、65%である。
    ここで、セルの開口率とは、多孔質セラミック部材20の長手方向に垂直な断面において、セルが占める割合のことをいう。 なお、上記垂直な断面は、封止材により目封じされていない断面とする。

    上記多孔質セラミック部材は、主として多孔質セラミックからなり、その材料としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化珪素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、シリカ、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等を挙げることができる。 また、多孔質セラミック部材は、シリコンと炭化珪素との複合体から形成されているものであってもよい。 シリコンと炭化珪素との複合体を用いる場合には、シリコンを全体の0〜45重量%となるように添加することが望ましい。
    上記多孔質セラミック部材の材料としては、耐熱性が高く、機械的特性に優れ、かつ、熱伝導率も高い炭化珪素質セラミックが望ましい。 なお、炭化珪素質セラミックとは、炭化珪素が60重量%以上のものをいうものとする。

    上記多孔質セラミック部材の平均気孔径は特に限定されないが、望ましい下限は1μmであり、望ましい上限は50μmである。 より望ましい下限は5μmであり、より望ましい上限は30μmである。 平均気孔径が1μm未満であると、圧力損失が高くなり、一方、平均気孔径が50μmを超えると、PMが気孔を通り抜けやすくなり、該PMを充分に捕集することができず、PMの捕集効率が低下することがある。

    上記多孔質セラミック部材の気孔率は特に限定されないが、望ましい下限は40%であり、望ましい上限は70%である。 より望ましい下限は45%であり、より望ましい上限は60%である。 40%未満であると、ハニカム構造体の気孔がすぐに目詰まりを起こしてしまうことがあり、一方、70%を超えるとハニカム構造体の強度が低く、容易に破壊されることがある。
    なお、上記気孔率は、例えば、銀圧入法、アルキメデス法及び走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等の従来公知の方法により測定することができる。

    上記多孔質セラミック部材の長手方向に垂直な断面の面積は特に限定されないが、通常、5〜50cm のものを用いることが望ましい。
    5cm 未満では、フィルタとしての有効濾過面積が小さくなり、一方、50cm を超えると、製造時や使用時において、熱応力によりクラック等の破損が発生し易くなるからである。

    上記多孔質セラミック部材の端部を封止する封止材22とセル壁23b(外縁壁23a)とは、同じ多孔質セラミックからなることが望ましい。 これにより、両者の密着強度を高くすることができるとともに、封止材22の気孔率をセル壁23b(外縁壁23a)と同様に調整することで、セル壁23b(外縁壁23a)の熱膨張率と封止材22の熱膨張率との整合を図ることができ、製造時や使用時の熱応力によって封止材22とセル壁23(外縁壁23a)との間に隙間が生じたり、封止材22や封止材22に接触する部分のセル壁23(外縁壁23a)にクラックが発生したりすることを防止することができる。

    封止材22の長さは特に限定されないが、例えば、封止材22が多孔質炭化珪素からなる場合、望ましい下限は1mmであり、望ましい上限は20mmである。
    上記封止材の長さが1mm未満では、セルの端部を確実に封止することができない場合があり、一方、20mmを超えると、ハニカム構造体における有効ろ過面積が低下することとなるからである。
    上記封止材の長さのより望ましい下限は2mmであり、より望ましい上限は10mmである。

    ハニカム構造体10において、シール材層(接着材層)11は、多孔質セラミック部材20間に形成され、排ガスが漏れ出すことを防止する機能を有し、さらに、複数個の多孔質セラミック部材20同士を結束する接着材として機能するものであり、一方、シール材層(コート層)12は、セラミックブロック15の外周面に形成され、ハニカム構造体10を内燃機関の排気通路に設置した際、セラミックブロック15の外周面からセルを通過する排ガスが漏れ出すことを防止するための封止材として機能し、また、セラミックブロック15の外周形状を整えるとともに外周部を補強する補強材として機能するものである。

    なお、ハニカム構造体10において、接着材層11とコート層12とは、同じ材料からなるものであってもよく、異なる材料からなるものであってもよい。 さらに、接着材層11及びコート層12が同じ材料からなるものである場合、その材料の配合比は同じであってもよく、異なっていてもよい。 また、緻密質でも、多孔質でもよい。

    接着材層11及びコート層12を構成する材料としては特に限定されず、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維及び/又は無機粒子とからなるもの等を挙げることができる。

    上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等を挙げることができる。 これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 上記無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。

    上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。 これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 上記有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。

    上記無機繊維としては、例えば、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ガラス、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等からなるセラミックファイバー等や、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト、炭化ケイ素等からなるウィスカー等を挙げることができる。 これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 上記無機繊維のなかでは、アルミナファイバーが望ましい。

    上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化珪素、窒化珪素、窒化素等からなる無機粉末等を挙げることができる。 これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化珪素が望ましい。

    さらに、シール材層を形成するために用いるペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
    上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。 これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。

    また、本発明のハニカム構造体には、触媒が担持されていてもよい。
    本発明のハニカム構造体では、CO、HC及びNOx等の排ガス中の有害なガス成分を浄化することができる触媒を担持させることにより、触媒反応により排ガス中の有害なガス成分を充分に浄化することが可能となる。 また、PMの燃焼を助ける触媒を担持させることにより、PMをより容易に燃焼除去することができる。 その結果、本発明のハニカム構造体は、排ガス中のガス成分の浄化性能を向上することができ、さらに、PMを燃焼させるためのエネルギーを低下させることも可能となる。

    上記触媒としては特に限定されないが、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属からなる触媒が挙げられる。 また、これらの貴金属に加えて、アルカリ金属(元素周期表1族)、アルカリ土類金属(元素周期表2族)、希土類元素(元素周期表3族)、遷移金属元素等を含んで担持されていてもよい。

    また、上記ハニカム構造体に上記触媒を付着させる際には、予めその表面をアルミナ等の触媒担持層で被覆した後に、上記触媒を付着させることが望ましい。 これにより、比表面積を大きくして、触媒の分散度を高め、触媒の反応部位を増やすことができる。 また、触媒担持層によって触媒金属のシンタリングを防止することができる。

    上記触媒担持層としては、例えば、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ等の酸化物セラミックが挙げられる。

    上記触媒が担持されたハニカム構造体は、従来公知の触媒付DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)と同様のガス浄化装置として機能するものである。 従って、ここでは、本発明のハニカム構造体が触媒担持体としても機能する場合の詳しい説明を省略する。

    次に、上記ハニカム構造体の製造方法について説明する。
    まず、上述したようなセラミックの材料を主成分とする原料ペーストを用いて押出成形を行い、四角柱形状のセラミック成形体を作製する。

    上記原料ペーストとしては特に限定されないが、製造後の多孔質セラミック部材の気孔率が40〜70%となるものが望ましく、例えば、上述したようなセラミックからなる粉末(セラミック粉末)に、バインダ、分散媒液等を加えたものを挙げることができる。

    上記セラミック粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程で収縮の少ないものが好ましく、例えば、3〜70μmの平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが好ましい。
    また、上記セラミック粉末は酸化処理が施されたものであってもよい。

    上記バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
    上記バインダの配合量は、通常、セラミック粉末100重量部に対して、1〜15重量部程度が望ましい。

    上記分散媒液としては特に限定されず、例えば、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール、水等を挙げることができる。
    上記分散媒液は、上記原料ペーストの粘度が一定範囲内となるように適量配合される。

    これらセラミック粉末、バインダ及び分散媒液は、アトライター等で混合し、ニーダー等で充分に混練した後、押出成形する。

    また、上記原料ペーストには、必要に応じて成形助剤を添加してもよい。
    上記成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。

    さらに、上記原料ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
    上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。 これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。

    また、この工程では、押出成形を行うに際して、方形のセルの角部に断面形状が直角三角形の充填体を形成した形状となるように金型を選定する。
    そして、押出成形により、上述した形状を有する多孔質セラミック部材の成形体を製造する場合、下記のような課題を解決することができる。
    なお、充填体は、このように押出成形工程において設けることもでき、押出成形よりも後の工程、例えば、後述する封止材を設ける工程において、別途設けることもできるが、押出成形工程において設ける方が生産性に優れているため好ましい。

    即ち、従来技術に開示されている多孔質セラミック部材(ハニカム構造体)のように、全てのセルの形状を方形のセルの角部に断面形状が直角三角形の充填体を形成した形状とした場合、押し出される原料ペーストの吐出量が吐出部位によりばらつくため、押出された成形体が反ったり、成形体の断面形状が、各外縁の辺が内側に向かって凹んだ形状となる場合があり、そのため、歩留まりが低下したり、完成品において、クラック等の破損が発生する場合があった。

    なお、このような問題は、例えば、充填体が形成された部位の吐出量が多すぎるために生じやすいのであるが、充填体が形成された部位の吐出量を少なくしようとしても、金型の裏孔の大きさは、設計上無制限に小さくすることができない点で、解消困難である。
    また、例えば、原料ペーストの粘度を常に一定に保つことが困難であるため、特に開口率を高く設定した場合において、吐出量を一定にすることが困難であることも上記の問題を解消することが困難であることの一因である。
    これに対し、本発明のハニカム構造体を構成する多孔質セラミック部材のように、最外周に位置するセルにのみ充填体が形成されている場合には、上述したような問題が発生せず、所定の形状の成形体を押出成形により製造することができるのである。

    次に、上記セラミック成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させ、セラミック乾燥体とする。 次いで、入口側セル群の出口側の端部、及び、出口側セル群の入口側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。

    上記封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、上記原料ペーストと同様のものを用いることができる。
    また、この工程では、充填するペースト量を調整することにより、後工程を経て形成される封止材の長さを調整することができる。

    次に、上記封止材ペーストが充填されたセラミック乾燥体を、所定の条件で脱脂(例えば、200〜500℃)、焼成(例えば、1400〜2300℃)することにより、全体が一の焼結体から構成され、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、上記セルのいずれか一方の端部が封止された多孔質セラミック部材20を製造することができる。
    上記セラミック乾燥体の脱脂及び焼成の条件は、従来から多孔質セラミックからなるフィルタを製造する際に用いられている条件を適用することができる。

    次に、多孔質セラミック部材20の側面に、接着材層11となる接着材ペーストを均一な厚さで塗布して接着材ペースト層を形成し、この接着材ペースト層の上に、順次他の多孔質セラミック部材20を積層する工程を繰り返し、所定の大きさの多孔質セラミック部材集合体を作製する。 なお、多孔質セラミック部材20間のスペースを確保するために、多孔質セラミック部材20の表面に空隙保持材を貼り付け、空隙保持材を介して複数の多孔質セラミック部材20を組み合わせることにより集合体を作製した後、多孔質セラミック部材20間の空隙に接着材ペーストを注入する方法もある。
    なお、上記接着材ペーストを構成する材料としては、既に説明しているのでここではその説明を省略する。

    次に、この多孔質セラミック部材集合体を加熱して接着材ペースト層を乾燥、固化させて接着材層11とする。
    次に、ダイヤモンドカッター等を用い、多孔質セラミック部材20が接着材層11を介して複数個接着された多孔質セラミック部材集合体に切削加工を施し、円柱形状のセラミックブロック15を作製する。 種々の形状の多孔質セラミック部材を組み合わせて接着材で接着し、全体が円柱状の円柱形状のセラミックブロックとしてもよい。

    そして、セラミックブロック15の外周に上記シール材ペーストを用いてシール材層12を形成することで、多孔質セラミック部材20が接着材層11を介して複数個接着された円柱形状のセラミックブロック15の外周部にシール材層12が設けられたハニカム構造体10を製造することができる。

    その後、必要に応じて、ハニカム構造体に触媒を担持させる。 上記触媒の担持は集合体を作製する前の多孔質セラミック部材に行ってもよい。
    触媒を担持させる場合には、ハニカム構造体の表面に高い比表面積のアルミナ膜を形成し、このアルミナ膜の表面に助触媒、及び、白金等の触媒を付与することが望ましい。

    上記ハニカム構造体の表面にアルミナ膜を形成する方法としては、例えば、Al(NO 等のアルミニウムを含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法、アルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
    助触媒を付与する方法としては、例えば、Ce(NO 等の希土類元素等を含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。

    触媒を付与する方法としては、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH (NO ]HNO 、白金濃度4.53重量%)等をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
    また、予め、アルミナ粒子に触媒を付与して、触媒が付与されたアルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法で触媒を付与してもよい。

    図4は、本発明のハニカム構造体が設置された車両の排ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。

    図4に示したように、排ガス浄化装置40は、主に、ハニカム構造体10、ハニカム構造体10の外方を覆うケーシング41、ハニカム構造体10とケーシング41との間に配置される保持シール材42から構成されており、ケーシング41の排ガスが導入される側の端部には、エンジン等の内燃機関に連結された導入管43が接続されており、ケーシング41の他端部には、外部に連結された排出管44が接続されている。 なお、図4中、矢印は排ガスの流れを示している。
    また、図4において、ハニカム構造体10の形状は、特に限定されるものではなく、円柱状であってもよく、楕円柱状であってもよい。 ただし、ケーシングは、それぞれの形に合うような形状とする必要がある。

    このような構成からなる排ガス浄化装置40では、エンジン等の内燃機関から排出された排ガスは、導入管43を通ってケーシング41内に導入され、入口側セルからハニカム構造体10の内部に流入し、隔壁を通過し、この隔壁でPMが捕集されて浄化された後、出口側セルからハニカム構造体外に排出され、排出管44を通って外部へ排出されることとなる。

    また、排ガス浄化用触媒が担持された排ガスフィルタでは、上述のように、排ガスに含有されるCO、HC及びNOx等の有害成分が、CO 、H O及びN 等に浄化され、外部へ排出される。

    また、排ガス浄化装置40では、ハニカム構造体10の隔壁に大量のPMが堆積し、圧力損失が高くなると、ハニカム構造体10の再生処理が行われる。
    上記再生処理では、図示しない加熱手段を用いて加熱されたガスをハニカム構造体の内部へ流入させることで、ハニカム構造体10を加熱し、隔壁に堆積したPMを燃焼除去する。 また、ポストインジェクション方式を用いてPMを燃焼除去してもよい。

    以下に実施例を掲げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。

    (実施例1)
    平均粒径22μmのα型炭化珪素粉末(以下、SiC粗粉という)6000重量部、平均粒径0.5μmのα型炭化珪素粉末(以下、SiC微粉という)2570重量部、有機バインダ(メチルセルロース)700重量部、内部に空孔が形成された平均粒径20μmの造孔剤(アクリル樹脂)300重量部、潤滑材(ユニルーブ)330重量部、グリセリン150重量部、及び、適量の水を配合して均一に混合することにより、原料の混合組成物を調製した。 この混合組成物を押出成形機に充填し、押出成形を行って図2に示すセルの角部に充填体が設けられ、成形体の角部がR面取り形状となっている生成形体を作製した。

    次に、マイクロ波乾燥機等を用いて上記生成形体を乾燥させ、セラミック乾燥体とした後、押出成形に用いた組成物と同様の組成の封止材ペーストを所定のセルに充填した。
    次いで、再び乾燥機を用いて乾燥させた後、400℃で脱脂し、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間で焼成を行うことにより、その大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セル21の数(セル密度)が46.5個/cm 、セル壁の厚さが0.241mm、外縁壁の厚みが0.400mm、開口率が66.4%の炭化珪素焼結体からなる多孔質セラミック部材20を製造した。 なお、セルの長手方向に垂直な断面における正方形のセルの角部に設けられた直角(二等辺)三角形状の充填の一辺の長さ は、元のセルの一辺の長さ に対して10%であり、多孔質セラミック部材20の角部に設けられた1/4円形状のR面取り部分の長さは、1mmである。
    なお、本実施例のように、金型の形状を適宜選択して、最初から面取り形状を有する状態で押出成形してもよいし、角がある状態で押出成形しておき、押出成形後において加工(ピアノ線やダイヤモンドカッター等による切断や、グラインダー等による研磨)を施すことにより、面取り形状を形成してもよい。 面取り形状を形成する時期は、押出成形から脱脂や乾燥処理を経て焼成後まで、特に限定されず、作業効率などを考慮して適宜選択することができるが、最初から面取り形状を有する状態で押出成形する場合には、押出成形の金型さえ作製してしまえば別途加工を施す必要がないので、効率的である。

    次に、平均繊維長20μmのアルミナファイバー30重量%、平均粒径0.6μmの炭化珪素粒子21重量%、シリカゾル15重量%、カルボキシメチルセルロース5.6重量%、及び、水28.4重量%を含む耐熱性の接着材ペーストを用いて多孔質セラミック部材20を多数接着させ、さらに、120℃で乾燥させ、続いて、ダイヤモンドカッターを用いて切断することにより、接着材層の厚さ1mmの円柱状のセラミックブロック15を作製した。

    次に、無機繊維としてアルミナシリケートからなるセラミックファイバー(ショット含有率:3%、平均繊維長:100μm)23.3重量%、無機粒子として平均粒径0.3μmの炭化珪素粉末30.2重量%、無機バインダとしてシリカゾル(ゾル中のSiO の含有率:30重量%)7重量%、有機バインダとしてカルボキシメチルセルロース0.5重量%及び水39重量%を混合、混練してシール材ペーストを調製した。

    次に、上記シール材ペーストを用いて、セラミックブロック15の外周部に厚さ0.2mmのシール材ペースト層を形成した。 そして、このシール材ペースト層を120℃で乾燥して、直径143.8mm×長さ150mmの円柱状の集合体型ハニカム構造体10を製造した。
    また、製造されたハニカム構造体を構成する多孔質セラミック部材の詳しい形状や寸法を表1及び表2に示す。 表2において、 b、cは、表1のb、cの形状の多孔質セラミック部材を用いたことを示している。

    (実施例2〜9)
    多孔質セラミック部材の構造、開口率、セル壁の厚み、外縁壁の厚み、セル密度、 充填体を設ける前のセル一辺の長さに対する充填体の一辺の割合(以下、充填体の一辺の割合という)を表1〜2に示すように代えた以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。 なお、角部に面取り形状を形成している場合、その面取り形状は、実施例1と同様のR面取り形状である。

    (比較例1〜7)
    多孔質セラミック部材の構造、開口率、セル壁の厚み、外縁壁の厚み、セル密度、充填体の一辺の割合を表1及び3に示すように代えた以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。 なお、角部に面取り形状を形成している場合、その面取り形状は、実施例1と同様のR面取り形状である。
    また、充填体の断面形状について、「直角三角形の斜辺が湾曲」とは、充填体の断面形状が、直角三角形の鋭角となる2頂点を結んでその斜辺が滑らかに湾曲している形状であって、上記斜辺が上記直角三角形の直角となる頂点側、すなわちセルの外側に向かって湾曲している形状であることを示している。

    得られた実施例1〜9に係るハニカム構造体及び比較例1〜7に係るハニカム構造体について、下記の評価(測定)を行った。
    (1)圧力損失の測定各実施例及び比較例に係る多孔質セラミック部材を送風機に接続し、流速13m/sでガス(空気)を流通させ、ハニカム構造体の圧力損失を測定した。 その結果を表2及び3に示した。

    (2)再生におけるクラックの有無各実施例及び比較例に係るハニカム構造体にPMを8g/l捕集させた後、多孔質セラミック部材を再生し、この再生した多孔質セラミック部材にクラックが発生するか否かを観察した。 その結果を下記の表2及び3に示した。

    表2に示すように、実施例に係るハニカム構造体(ハニカム構造体を構成する多孔質セラミック部材)は、圧力損失は低くならず、8g/l捕集時にクラックは発生しなかったのに対し、表3に示すように、比較例に係るハニカム構造体(ハニカム構造体を構成する多孔質セラミック部材)は、圧力損失が高くなるか、クラックが発生してしまった。 ただし、実施例2では、多孔質セラミック部材の角にわずかなクラックが発生した。 これは、角部が面取り形状でないことに起因すると考えられる。
    また、同様に、R面取り形状の代わりにC面取り形状を形成して同様の試験を行ったが、略同様の結果が得られた。

    本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図である。

    (a)は、本発明のハニカム構造体を構成する多孔質セラミック部材の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。

    図2に示した多孔質セラミック部材の一例の端面を模式的に示した正面図である。

    本発明のハニカム構造体が設置された排ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。

    符号の説明

    10 ハニカム構造体11 シール材層(接着材層)
    12 シール材層(コート層)
    15 セラミックブロック20 多孔質セラミック部材21 セル22 封止材23a 外縁壁23b セル

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