Low heat cement

申请号 JP3903494 申请日 1994-01-31 公开(公告)号 JPH07215742A 公开(公告)日 1995-08-15
申请人 Nippon Cement Co Ltd; 日本セメント株式会社; 发明人 HIROSE SATORU; NEGISHI HISAMI; YAMAZAKI YUKINORI;
摘要 PURPOSE: To provide a cement having lower heat generating property than a moderate heat portland cement and the same initial strength manifestation till the age of 7 days as the moderate heat portland cement.
CONSTITUTION: The low heat cement is a mixture of 60-90% high belite type cement ≥50% in the content of 2CaO.SiO
2 with a high alite type cement ≥4000cm
2 /g in Blaine specific surface area and ≥50% in the content of 3CaO.SiO
2 and in the mixture, total quantity of 2CaO.SiO
2 is ≥40% and the total quantity of 3CaO.SiO
2 is ≥5%.
COPYRIGHT: (C)1995,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 2CaO・SiO の含有率が50%以上の高ビーライト型セメント60〜90%と、3CaO
    ・SiO の含有率が50%以上の高エーライト型セメント40〜10%の混合物からなる低発熱型セメント。
  • 【請求項2】 2CaO・SiO の総量が40%以上で、かつ、3CaO・Al の総量が5%以下である請求項1記載の低発熱型セメント。
  • 【請求項3】 3CaO・SiO の含有率が50%以上の高エーライト型セメントの細かさがブレーン比表面積で4000cm /g以上である請求項1または請求項2記載の低発熱型セメント。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、大型コンクリート構造物の建設に適する、材齢7日までの初期材齢での強度発現性にすぐれた低発熱型セメントに関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来、大型コンクリート構造物の建設工事には中庸熱ポルトランドセメントや高炉セメントが使用されてきた。 しかし近年、工事の大型化や施工速度の向上に伴い、より低発熱性で初期強度の高いコンクリートの要求が高まっている。 従来使用されてきたセメントは、普通ポルトランドセメントと比べれば、発生する和熱が小さくコンクリートの温度上昇が低いが、このような用途に対しては充分な性能とはいえなかった。 そのため、より水和熱の小さいセメントが開発されてきている。

    【0003】水和熱の小さいセメントの一つとして、ポルトランドセメントに高炉スラグ微粉末やフライアッシュを混合した混合型低発熱セメントが知られている。 この種のセメントを用いれば、従来のセメントを用いた場合よりもコンクリートの断熱温度上昇を10℃程度以上も低くすることが可能である。 しかし、混合型セメントを用いたコンクリートは、実質的にコンクリートの単位容積あたりのセメント量が少ないことに起因する問題があり、たとえば中性化速度が大きいということなどが指摘されている。

    【0004】これに対して、単位容積あたりのセメント量を低減せずにコンクリートの温度上昇を低くする方法として、セメントクリンカに含有される鉱物の中で水和熱が小さい2CaO・SiO (ビーライトと呼ばれる)の割合を中庸熱ポルトランドセメントより大きくした高ビーライト型低発熱セメントが注目され、一部において使用されつつある。 高ビーライト型低発熱セメントは、コンクリートの断熱温度上昇が前述の混合型低発熱セメントと同等であり、また中性化速度が小さく、さらに長期材齢での強度発現が良いという優れた性質を有する。 反面、ビーライトは水和反応速度が小さいため、高ビーライト型低発熱セメントは強度発現が遅く初期材齢での強度が不充分という問題がある。 特に、環境温度が低い条件ではその傾向が顕著である。 そのため高ビーライト型低発熱セメントを用いたコンクリートを打設すると、特に低温時においては自立するのに充分な強度を発揮するまでに時間がかかり、工期が長引いたり、側圧に耐えるように型枠の剛性を高めたりする必要があるといった問題があった。

    【0005】セメントを構成する鉱物の中で、2CaO
    ・SiO は前述のように水和反応が遅く、かつ反応熱が小さいことが特徴である。 一方、3CaO・SiO
    は水和にともなう反応熱は大きいが反応が早く、特に初期材齢での強度発現性に寄与することが知られている。
    また、3CaO・Al も水和反応熱が大きいことも知られている。

    【0006】そこで、高ビーライト型低発熱セメントや中庸熱ポルトランドセメントでは3CaO・SiO および3CaO・Al の割合を低くして製造される。 そのため、これらのセメントは、前述のように初期材齢での強度発現性が低いという特徴を併せ持つこととなる。 初期材齢での強度発現性を向上するには、セメントの粉末度を上げその表面積を大きくして反応を進めるという方法がある。 しかしセメントを細かくするとコンクリートの流動性が低下するという問題もあり限度がある。

    【0007】

    【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
    従来の中庸熱ポルトランドセメントより低い発熱性を有し、しかも、材齢7日までの初期強度発現が従来の高ビーライト型セメントより著しく改善されて中庸熱ポルトランドセメント並みであるセメントを得るべく、低発熱性に重要な2CaO・SiO を主体としたセメントと初期強度発現性を支配する3CaO・SiO を主体としたセメントの混合割合、鉱物組成および細かさについて鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、2C
    aO・SiO の含有率が50%以上の高ビーライト型セメント60〜90%と、3CaO・SiO の含有率が50%以上の高ビーライト型セメント40〜10%の混合物からなる低発熱型セメントであり、好ましくは、
    該低発熱型セメントにおいて2CaO・SiO の総量が40%以上で、かつ3CaO・Al の総量が5
    %以下であるものや3CaO・SiO の含有率が50
    %以上の高エーライト型セメントの細かさがブレーン比表面積で4000cm /g以上であるものであり、より好ましくは、これらのすべてを満たすものである。

    【0009】以下、本発明を詳細に説明する。 本発明でいうところの、計算される2CaO・SiO 、3Ca
    O・SiO および3CaO・Al の含有率とは、化学分析値よりセメント化学の分野でボーグ式とよばれる計算式より求められる値である(たとえば、大門正機編訳'セメントの化学'内田老鶴圃(1989),
    p11)。 高ビーライト型セメントに含有される2Ca
    O・SiO の割合を50%以上としたのは、低発熱性という本発明の目的を維持するためには混合後のセメントの主成分を2CaO・SiO とするためである。

    【0010】高ビーライト型セメントの割合が60%未満では、混合後に含有される2CaO・SiO の割合が少なくなり、逆に3CaO・SiO の割合が高くなって低発熱性とはならない。 一方、高ビーライト型セメントの割合が90%を越えると、高エーライト型セメントの割合が小さすぎ、初期材齢の強度発現が低下する。
    また、本発明の低発熱型セメントの組成は、2CaO・
    SiO の含有率が40%以上、かつ3CaO・Al
    の含有率が5%以下の場合、水和熱が著しく低くなりもっとも望ましい。

    【0011】高エーライト型セメントの細かさは、JI
    S R 5201「セメントの物理試験方法」で定められたブレーン空気透過装置で測定される比表面積で、4
    000cm /g以上であることが望ましく、さらには4000〜6000cm /gであることがより望ましい。 高ビーライト型セメントの細かさが比表面積で40
    00cm /gに満たない場合は、単一のクリンカで鉱物組成を調整して粉砕してセメントを製造する場合に比べて、あえて別々にセメントを製造して混合するほどの効果は得られない。 高エーライト型セメントを比表面積で4000cm /g以上の細かさに粉砕すると、3C
    aO・SiO の微細な粒子が多くなり、この水和が進むことで初期強度が向上する。 高エーライト型セメントの細かさは4000cm /g以上であれば良いが製造コストの面から比表面積は6000cm /g以下が実用的である。

    【0012】高ビーライト型セメントの細かさは特に限定するものではないが、製造のしやすさ、流動性の維持、強度発現性などの観点から、3000〜3500c
    /g程度が実用的である。 高ビーライト型セメントは、通常のセメント製造の工程で原料の割合を管理することで容易に製造される。

    【0013】一方、高エーライト型セメントも同様に通常のセメント製造工程でも得られるが、これに相当するセメントとして普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントおよび耐硫酸塩ポルトランドセメントがあり、これの細かさを調整して利用することが可能である。 特に早強ポルトランドセメントは比表面積が450
    0cm /g程度あり、そのまま使用できて本発明に好ましい。 また本発明のセメントは、被粉砕性、流動性または保水の向上などを目的として、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、石灰石フィラーなどの微粉末を添加することも可能である。 ただし、本発明の目的の重要な要素である初期材齢での強度発現性の向上という観点からいえば、自ずからその割合は限定され、1
    0%程度が上限である。

    【0014】本発明のセメントを得る方法として、高ビーライト型セメントと高エーライト型セメントを混合(あるいは混合粉砕)する方法があるが、この他、相当するクリンカをそれぞれ粉砕し混合時(あるいは混合粉砕時)にせっこうを添加する方法や一方のクリンカ粉砕時に必要なせっこうを添加し、その後もう一方のクリンカ粉砕物と混合(あるいは混合粉砕)する方法でもよく、いずれも本発明の範囲に含まれる。 2種のセメントを混合する方法においては混合方法は特定されない。 また、混合後輸送して使用しても、混練時に2種類のセメントを混合して使用してもその効果は影響されない。 なお、せっこうの割合は特に限定しないが、セメントの異常凝結を防止する上で通常のセメントと同程度の量が必要であり、セメント中のSO に換算して2〜3%程度が標準である。 次に、本発明のセメントの性能を実施例で説明する。

    【0015】

    【実施例】表1に、使用した高ビーライト型セメント(BCと略記する)、早強ポルトランドセメント(HC
    と略記する)、普通ポルトランドセメント(NCと略記する)、中庸熱ポルトランドセメント(MCと略記する)(いずれも日本セメント(株)製)の鉱物組成と比表面積を示す。

    【0016】

    【表1】

    表中の鉱物組成欄の記号は以下のとおりである。 C


    S:3CaO・SiO

    ,C

    S:2CaO・SiO


    ,C

    A:3CaO・Al

    【0017】 実施例1高ビーライト型セメント(BC)と早強ポルトランドセメント(HC)との割合を変えて混合し、そのセメントの圧縮強さと水和熱を測定した。 圧縮強さは、日本セメント技術協会の「セメントの強さ試験方法改正案方法I
    I」に準拠して、水/セメント=0.5、砂/セメント=3.0のモルタルで測定した。 水和熱は、JIS R
    5203「セメントの水和熱測定方法(溶解熱法)」
    に従って測定した。 試験温度は20℃である。 表2に、
    混合セメントの鉱物組成と測定結果を示す。 また、比較例として中庸熱ポルトランドセメント(MC)単味、高ビーライト型セメント(BC)単味、本発明の範囲をはずれたものについても併せて示す。

    【0018】

    【表2】

    この結果より、高ビーライト型セメントに3CaO・S


    iO

    の含有率の高い早強ポルトランドセメントを混合することで、長期材齢での水和熱をあまり上昇させずに初期材齢の強度発現性を向上できることがわかる。

    【0019】 実施例2早強ポルトランドセメント(HC)と普通ポルトランドセメント(NC)を、ボールミルで粉砕し、細かさの異なるセメントを試製した。 この試製セメントと高ビーライト型セメント(BC)とを混合し、圧縮強さと水和熱を測定し、セメントの種類および細かさの影響を調べた。 なお、早強ポルトランドセメント(HC)の場合と普通ポルトランドセメント(NC)の場合では、混合後の鉱物組成がほぼ同じとなるように割合を変えた。 すなわち、早強ポルトランドセメント(HC)を混合した場合は、高ビーライト型セメント(BC):早強ポルトランドセメント(HC)=80:20、普通ポルトランドセメント(NC)を混合した場合は、高ビーライト型セメント(BC):普通ポルトランドセメント(NC)=
    73:27である。 圧縮強さと水和熱の測定は実施例1
    と同じ方法である。 表3に、混合セメントの鉱物組成、
    早強または普通ポルトランドセメントの比表面積および測定結果を示す。

    【0020】

    【表3】

    この結果より、普通ポルトランドセメントも粉砕すれば、本発明の高エーライト型セメントとして使用できることが確認された。

    【0021】 実施例3本発明になる、表2の実施例1−3のセメントを用いて、コンクリートの圧縮強度および断熱温度上昇を測定した。 比較として表1に示した高ビーライト型セメント(BC)および中庸熱ポルトランドセメント(MC)についても測定した。 コンクリートの圧縮強度は、JIS
    A 1132に従って直径10cm、高さ20cmの円柱供試体を作成し所定の材齢まで20℃の水中で養生して測定した。 断熱温度上昇は、空気循環式断熱温度上昇試験装置を用いて測定した。 表4に、コンクリートの配合を示す。 粗骨材は青梅産砕石(比重2.64,粗粒率6.85,最大寸法20mm)を、細骨材は富士川産川砂と木更津産山砂の混合砂(比重2.60,粗粒率2.84)を用いた。 空気量およびスランプは、リグニンスルホン酸系AE減水剤の添加率で調節した。

    【0022】

    【表4】

    また、実施例3−1および比較例3−1,3−2と同の配合のコンクリートを、5℃の条件で成形し、5℃の水中で所定の材齢まで養生した後、圧縮強度を測定した。


    20℃での圧縮強度および断熱温度上昇の終局値を表5


    に、5℃での圧縮強度および断熱温度上昇の終局値を表6に示す。

    【0023】

    【表5】

    【0024】

    【表6】

    【0025】

    【発明の効果】以上、詳述した本発明の低発熱型セメントは従来の中庸熱ポルトランドセメントより低い発熱性を有し、しかも材齢7日までの初期強度発現が従来の高ビーライト型セメントより著しく改善され、中庸熱ポルトランドセメント並みのセメントである。 したがって、
    本発明のセメントは大型コンクリート構造物の施工や低温環境下での施工など巾広く対応できるので実用的価値が高い。

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