スペーサ付ハニカムセグメントの製造方法

申请号 JP2009526364 申请日 2008-05-29 公开(公告)号 JPWO2009019927A1 公开(公告)日 2010-10-28
申请人 日本碍子株式会社; 发明人 下田 健二朗; 健二朗 下田; 井上 純; 純 井上;
摘要 ハニカムセグメント間の接合層の厚さを所望の厚さとして寸法不良が少ないハニカム構造体を形成することのできるスペーサ付ハニカムセグメント、その製造方法、ハニカム構造体、スペーサ付ハニカムセグメントを製造するためのスペーサ形成装置を提供する。ハニカムセグメントの外周壁7の外周面7sにスペーサ形成材を付着させた後に、軸方向の一端側と他端側の両端面 位置 における外周壁7の外周面7sに、外周面7sからの基準高さを示す高さ基準治具32を押し当て、高さ基準治具32と熱的に非 接触 状態にて加熱装置31を高さ基準治具32の基準高さを基準としてスペーサ形成材に押し当ててスペーサ形成材を 固化 させる。高さ基準治具32の基準高さを基準とすることにより、端面位置における一定の高さに合わせて、スペーサ11を所定の高さとして形成することができる。
权利要求
  • 多孔質の隔壁によって区画された軸方向に延びる流体の流路となる複数のセルを有するハニカムセグメントの軸方向の一端側と他端側の両端面位置より軸方向内側の外周壁の外周面に、スペーサとされる非固化状態のスペーサ形成材を付着させ、前記軸方向の前記一端側と前記他端側の前記両端面位置における前記外周壁の前記外周面からの高さを基準として、前記スペーサ形成材を固化させて所定の高さの前記スペーサを形成するスペーサ付ハニカムセグメントの製造方法。
  • 前記スペーサ形成材を付着させた後に、
    前記軸方向の前記一端側と前記他端側の前記両端面位置における前記外周壁の前記外周面に、前記外周面からの基準高さを示す高さ基準治具を押し当て、前記高さ基準治具と熱的に非接触状態にて加熱装置を前記高さ基準治具の前記基準高さを基準として前記スペーサ形成材に押し当てて前記スペーサ形成材を固化させ、前記スペーサを所定の高さとして形成する請求項1に記載のスペーサ付ハニカムセグメントの製造方法。
  • 前記高さ基準治具を前記外周面に押し当てた後に、前記高さ基準治具の前記外周面側と反対側の端面と、前記加熱装置の前記外周面側と反対側の端面とが面一になるように、前記加熱装置を前記スペーサ形成材に押し当てる請求項2に記載のスペーサ付ハニカムセグメントの製造方法。
  • 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスペーサ付ハニカムセグメントの製造方法により、前記軸方向の前記一端側と前記他端側の前記両端面位置における前記外周壁の前記外周面からの所定の高さに揃えて高さが形成されたスペーサを備えるスペーサ付ハニカムセグメント。
  • 前記ハニカムセグメントは、セラミック材料によって形成された請求項4に記載のスペーサ付ハニカムセグメント。
  • 前記ハニカムセグメントは、コーディエライト、SiC、アルミナ、ムライト、窒化珪素、燐酸ジルコニウム、アルミニウムチタネート、ジルコニア、チタニア及びこれらの組み合わせによりなる群から選ばれるセラミックス、Fe−Cr−Al系金属、ニッケル系金属、金属珪素(Si)、炭化珪素(SiC)のいずれかを含んで形成された請求項4に記載のスペーサ付ハニカムセグメント。
  • 請求項4〜6のいずれか1項に記載のスペーサ付ハニカムセグメントを複数接合して形成されたハニカム構造体。
  • 多孔質の隔壁によって区画された軸方向に延びる流体の流路となる複数のセルを有するハニカムセグメントの軸方向の長さに対応する長さと所定の基準高さとを有し、前記ハニカムセグメントの外周壁の外周面の軸方向の一端側と他端側の両端面位置に押し当てられる高さ基準治具と、
    その高さ基準治具と熱的に非接触状態とされ、前記高さ基準治具よりも前記軸方向内側に配置され、前記高さ基準治具の前記基準高さを基準として前記ハニカムセグメントの前記外周面に付着された非固化状態のスペーサ形成材に押し当てられて前記スペーサ形成材を固化させるための加熱装置と、を備えるスペーサ形成装置。
  • 前記加熱装置は、前記スペーサ形成材を加熱する加熱部と、その加熱部と一体として前記加熱部と前記高さ基準治具との間に位置し前記加熱部の熱が前記高さ基準治具に伝導するのを防ぐ断熱部とを有する請求項8に記載のスペーサ形成装置。
  • 前記断熱部は、前記高さ基準治具の内側面に接触し、前記加熱装置が前記高さ基準治具の前記内側面に沿って摺動可能に構成された請求項9に記載のスペーサ形成装置。
  • 说明书全文

    本発明は、内燃機関、ボイラー、化学反応機器及び燃料電池改質器等の担体又は排ガス中の微粒子捕集フィルタ等に用いられるハニカム構造体を構成するスペーサ付ハニカムセグメント、ハニカム構造体、及びその製造方法、それを製造するためのスペーサ形成装置に関する。

    環境改善、公害防止等のため、排ガス用の捕集フィルタとしてハニカム構造体が多用されている。 現在、例えば、SiC製DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)は熱衝撃による割れを防止するために分割した16個の基材(ハニカムセグメント)を接合材(セラミックスセメント)で接合し一体化して作製している(例えば、特許文献1参照)が、接合層の厚さ(接合幅)がばらつくために、その特性にもばらつきが生じ、耐熱試験時に特性の低い箇所に割れが生じる問題があった。

    そのため、接合層の厚さを安定させる為に「スペーサ」を用いてハニカムセグメントを接合する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。

    特開2000−7455号公報

    特開2002−102627号公報

    しかしながら、この方法では、セグメントの形状が曲がっている場合などは、依然として端面の接合幅がばらつき、ハニカム構造体としての開口率がばらついていた。

    本発明の課題は、ハニカムセグメント間の接合層の厚さを所望の厚さとして寸法不良が少ないハニカム構造体を形成することのできるスペーサ付ハニカムセグメント、その製造方法、ハニカム構造体、スペーサ付ハニカムセグメントを製造するためのスペーサ形成装置を提供することにある。

    本発明者は、ハニカムセグメントの軸方向の一端側と他端側の両端面位置における外周壁の外周面からの高さを基準として、ハニカムセグメントの外周面にスペーサを形成することにより、上記課題を解決しうることを見出した。 すなわち、本発明によれば、以下のスペーサ付ハニカムセグメント、その製造方法、ハニカム構造体、及びスペーサ形成装置が提供される。

    [1] 多孔質の隔壁によって区画された軸方向に延びる流体の流路となる複数のセルを有するハニカムセグメントの軸方向の一端側と他端側の両端面位置より軸方向内側の外周壁の外周面に、スペーサとされる非固化状態のスペーサ形成材を付着させ、前記軸方向の前記一端側と前記他端側の前記両端面位置における前記外周壁の前記外周面からの高さを基準として、前記スペーサ形成材を固化させて所定の高さの前記スペーサを形成するスペーサ付ハニカムセグメントの製造方法。

    [2] 前記スペーサ形成材を付着させた後に、前記軸方向の前記一端側と前記他端側の前記両端面位置における前記外周壁の前記外周面に、前記外周面からの基準高さを示す高さ基準治具を押し当て、前記高さ基準治具と熱的に非接触状態にて加熱装置を前記高さ基準治具の前記基準高さを基準として前記スペーサ形成材に押し当てて前記スペーサ形成材を固化させ、前記スペーサを所定の高さとして形成する前記[1]に記載のスペーサ付ハニカムセグメントの製造方法。

    [3] 前記高さ基準治具を前記外周面に押し当てた後に、前記高さ基準治具の前記外周面側と反対側の端面と、前記加熱装置の前記外周面側と反対側の端面とが面一になるように、前記加熱装置を前記スペーサ形成材に押し当てる前記[2]に記載のスペーサ付ハニカムセグメントの製造方法。

    [4] 前記[1]〜[3]のいずれかに記載のスペーサ付ハニカムセグメントの製造方法により、前記軸方向の前記一端側と前記他端側の前記両端面位置における前記外周壁の前記外周面からの所定の高さに揃えて高さが形成されたスペーサを備えるスペーサ付ハニカムセグメント。

    [5] 前記ハニカムセグメントは、セラミック材料によって形成された前記[4]に記載のスペーサ付ハニカムセグメント。

    [6] 前記ハニカムセグメントは、コーディエライト、SiC、アルミナ、ムライト、窒化珪素、燐酸ジルコニウム、アルミニウムチタネート、ジルコニア、チタニア及びこれらの組み合わせによりなる群から選ばれるセラミックス、Fe−Cr−Al系金属、ニッケル系金属、金属珪素(Si)、炭化珪素(SiC)のいずれかを含んで形成された前記[4]に記載のスペーサ付ハニカムセグメント。

    [7] 前記[4]〜[6]のいずれかに記載のスペーサ付ハニカムセグメントを複数接合して形成されたハニカム構造体。

    [8] 多孔質の隔壁によって区画された軸方向に延びる流体の流路となる複数のセルを有するハニカムセグメントの軸方向の長さに対応する長さと所定の基準高さとを有し、前記ハニカムセグメントの外周壁の外周面の軸方向の一端側と他端側の両端面位置に押し当てられる高さ基準治具と、その高さ基準治具と熱的に非接触状態とされ、前記高さ基準治具よりも前記軸方向内側に配置され、前記高さ基準治具の前記基準高さを基準として前記ハニカムセグメントの前記外周面に付着された非固化状態のスペーサ形成材に押し当てられて前記スペーサ形成材を固化させるための加熱装置と、を備えるスペーサ形成装置。

    [9] 前記加熱装置は、前記スペーサ形成材を加熱する加熱部と、その加熱部と一体として前記加熱部と前記高さ基準治具との間に位置し前記加熱部の熱が前記高さ基準治具に伝導するのを防ぐ断熱部とを有する前記[8]に記載のスペーサ形成装置。

    [10] 前記断熱部は、前記高さ基準治具の内側面に接触し、前記加熱装置が前記高さ基準治具の前記内側面に沿って摺動可能に構成された前記[9]に記載のスペーサ形成装置。

    非固化状態のスペーサ形成材をハニカムセグメントの外周面に付着させ、端面位置における外周壁の外周面からの一定の高さに揃うようにスペーサを形成することにより、ハニカムセグメントの外周壁の形状が曲がっている場合であっても、スペーサの高さを揃えて形成することができ、均一の厚さで接合層を形成してハニカムセグメントを積層し、ハニカム構造体を製造することができる。

    これによりハニカムセグメントの形状にかかわらず、端面における接合層の幅(接合幅)を一定にすることができ、このためハニカム構造体としての開口率を一定にして、圧損等の性能を均質にすることができる。 また接合幅のばらつきを小さくすることができるため、個体による寿命差を小さくし、長期間安定して機能するハニカム構造体を製造することができる。 また接合幅を一定にすることにより、熱の伝達が均等に近くなり、熱応等、実使用時に想定される様々な劣化要因を緩和することができる。 これにより部分的な劣化を防ぎ、長期間安定して機能するハニカム構造体を製造することができる。

    本発明のスペーサ付ハニカムセグメントの一実施形態を示す斜視図である。

    本発明のスペーサ付ハニカムセグメントを積層して形成したハニカム構造体の一実施形態を示す斜視図である。

    スペーサの形成を示す模式図である。

    スペーサの形成を示す他の模式図である。

    スペーサ付ハニカムセグメントの積層を示す模式図である。

    スペーサ付ハニカムセグメントの組み合わせを示す模式図である。

    加熱装置と高さ基準治具が熱的に接触した場合を示す模式図である。

    端面位置より内側を基準としてスペーサを形成する場合を示す模式図である。

    接合幅のばらつきを示すグラフである。

    クラック発生の温度を示すグラフである。

    1:ハニカム構造体、1a:ハニカムセグメント接合体、2:隔壁、3:セル、5:接合層、7:外周壁、7s:外周面、8:端面、10:ハニカムセグメント、11:スペーサ、15:マスクテープ、20:縦受板、21:横受板、30:スペーサ形成装置、31:加熱装置、31a:加熱部、31b:断熱部、31s:端面、32:高さ基準治具、32s:端面、32u:内側面。

    以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。 本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。

    図1に、スペーサ11が形成されたハニカムセグメント10を示す。 ハニカムセグメント10は、セラミックによって形成され、外周壁7と、外周壁7の内側に形成された隔壁2と、隔壁2により仕切られた複数のセル3とを有する。 ハニカムセグメント10の外周壁7の外周面7sにスペーサ11を形成し、複数のハニカムセグメント10を接合することにより、図2に示すハニカム構造体1とされる。

    図1に示す本発明のスペーサ付ハニカムセグメント10は、多孔質の隔壁2によって区画された軸方向に延びる流体の流路となる複数のセル3を有する。 本発明のハニカムセグメント10を接合したハニカム構造体1をフィルタとして用いる場合には、図1に示すように、一部のセル3がハニカムセグメント10の端面8において目封じされていることが好ましい。 特に、隣接するセル3が互いに反対側となる端面8において交互に目封じされており、端面8が市松模様状に目封じされていることが好ましい。 この様に目封じすることにより、例えば一の端面8から流入した被処理流体は隔壁2を通って、他の端面8から流出し、被処理流体が隔壁2を通る際に多孔質の隔壁2がフィルタの役目をはたし、目的物を除去することができる。

    ハニカムセグメント10には、その外周壁7の外周面7sの軸方向の一端側と他端側の両端面位置より軸方向内側に、軸方向の一端側と他端側の両端面位置における外周壁7の外周面7sからの所定の高さに揃えて形成されたスペーサ11を備えている。 スペーサ11は、両端面位置における外周壁7の外周面7sからの高さを基準として形成されているため、所定の高さに揃って形成されている。 このため、ハニカムセグメント10を積層した場合に、スペーサ11により、接合幅が一定に形成される。 具体的には、後述するように、流動性を持つスペーサ形成材によって、高さ基準治具32を備えるスペーサ形成装置30を用いることで、一定の高さでスペーサ11を形成する。 セグメントの形状が曲がっている場合にも、端面8の接合幅がばらつき、ハニカム構造体としての開口率がばらつくことを防ぐために、高さ基準治具32をハニカムセグメント10の外周面7sの端面位置に押し当てて端面8における外周面7sからの高さを基準にしてスペーサ11を形成する。

    本発明において、ハニカムセグメント10は、セラミック材料によって形成することができるが、強度、耐熱性等の観点から、コーディエライト、SiC、アルミナ、ムライト、窒化珪素、燐酸ジルコニウム、アルミニウムチタネート、ジルコニア、チタニア及びこれらの組み合わせによりなる群から選ばれるセラミックスであることが好ましい。 或いは、Fe−Cr−Al系金属、ニッケル系金属、金属珪素(Si)、炭化珪素(SiC)のいずれかを含んで形成することもできる。

    本発明のハニカムセグメント接合体1a(ハニカム構造体1)をDPFに用いる場合には、耐熱性が高いという点で、炭化珪素又は珪素−炭化珪素系複合相を用いることが好ましく、また、熱膨張係数が低く、良好な耐熱衝撃性を示すことからコージェライトを用いることが好ましい。 また、本発明において、ハニカムセグメント接合体1aが金属珪素(Si)と炭化珪素(SiC)とからなる場合、ハニカムセグメント接合体1aのSi/(Si+SiC)で規定されるSi含有量が少なすぎるとSi添加の効果が得られないため強度が弱く、50質量%を超えるとSiCの特徴である耐熱性、高熱伝導性の効果が得られない。 Si含有量は、5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることが更に好ましい。

    上記原料にメチルセルロース及びヒドロキシプロポキシルメチルセルロース等のバインダー、有機造孔材、界面活性剤及び等を添加して、可塑性の坏土を作製し、坏土を、例えば押出成形し、隔壁2により仕切られた軸方向に貫通する多数のセル3を有する四柱形状のハニカム成形体を成形する。 これを、例えばマイクロ波及び熱風などで乾燥した後、仮焼してバインダーや有機造孔材を除去し、その後焼成することにより、ハニカムセグメント10を製造することができる。

    また、セル3が端面8において目封じされている場合の目封じ部は、上述の隔壁2の主結晶相に好適なものとして挙げたものの中から選ばれる少なくとも1種の結晶相を主結晶相として含むことが好ましく、ハニカムセグメント10の主結晶相と同様の種類の結晶相を主結晶相として含むことが更に好ましい。

    次に図3〜図6を用いて、スペーサ付ハニカムセグメント10の製造方法、それを接合した形成されたハニカムセグメント接合体1a及びハニカム構造体1の製造方法を説明する。

    まず、スペーサ11が形成される前のハニカムセグメントを以下のように製造する。 ハニカムセグメントの原料粉末として、前述の好適な材料、例えば炭化珪素粉末を使用し、これにバインダー、例えばメチルセルロース及びヒドロキシプロポキシルメチルセルロースを添加し、さらに界面活性剤及び水を添加し、可塑性の坏土を作製する。 この坏土を押出成形により、例えば図1に示されるようなハニカムセグメント(スペーサ11のない状態)を成形する。 すなわち、多孔質の隔壁2によって区画された軸方向に延びる流体の流路となる複数のセル3を有するハニカムセグメント10を形成する。

    これら複数のハニカムセグメント10を、例えばマイクロ波及び熱風で乾燥後、その端面8に、接合材によるセル3の目詰まりを防止するための目詰まり防止用テープ(マスクテープ15)を貼付し、外周面7sに、例えば坏土と同じ組成のスペーサ形成材を塗布し、図3のようにスペーサ11を形成する。 具体的には、ハニカムセグメント10の外周壁7の外周面7sの軸方向の一端側と他端側の両端面位置より軸方向内側に、スペーサ11とされる非固化状態のスペーサ形成材を付着させ、軸方向の一端側と他端側の両端面位置における外周壁7の外周面7sからの高さを基準として、スペーサ形成材を固化させる。

    このとき、以下のようなスペーサ形成装置30を用いる。 すなわち、スペーサ形成装置30は、ハニカムセグメント10の軸方向の長さに対応する長さと所定の基準高さとを有し、ハニカムセグメント10の外周壁7の外周面7sの軸方向の一端側と他端側の両端面位置に押し当てられる高さ基準治具32と、その高さ基準治具32と熱的に非接触状態とされ、高さ基準治具32よりも軸方向内側に配置され、高さ基準治具32の基準高さを基準としてハニカムセグメント10の外周面7sに付着された非固化状態のスペーサ形成材に押し当てられてスペーサ形成材を固化させるための加熱装置31と、を備える。 高さ基準治具32は、軸方向の両端面位置の外周面7sに押し当てられることが可能な長さとなっており、ハニカムセグメント10の軸方向の長さとほぼ同じ長さを有する。 また、加熱装置31は、スペーサ形成材を加熱する加熱部31aと、その加熱部31aと一体として加熱部31aと高さ基準治具32との間に位置し加熱部31aの熱が高さ基準治具32に伝導するのを防ぐ断熱部31bとを有する。 さらに、断熱部31bは、高さ基準治具32の内側面32uに接触し、加熱装置31が高さ基準治具32の内側面32uに沿って摺動可能に構成されている。

    そして、スペーサ形成材を付着させた後に、軸方向の一端側と他端側の両端面位置における外周壁7の外周面7sに、外周面7sからの基準高さを示す高さ基準治具32を押し当て、高さ基準治具32と熱的に非接触状態にて加熱装置31を高さ基準治具32の基準高さを基準としてスペーサ形成材に押し当ててスペーサ形成材を固化させる。 すなわち、高さ基準治具32を外周面7sに押し当てた後に、高さ基準治具32の外周面7s側と反対側の端面8と、加熱装置31の外周面7s側と反対側の端面8とが面一になるように、加熱装置31をスペーサ形成材に押し当てることにより、高さ基準治具32の基準高さを基準として、スペーサ11を所定の高さとして形成することができる。

    加熱部31aからの熱は、スペーサ形成材からハニカムセグメント10へは伝達されるが、熱の伝導率は低く、高さ基準治具32を熱的に加熱部31aと離すことにより、高さ基準治具32からハニカムセグメント10の端面8のマスクテープ15へは熱が伝達されないため、マスクテープ15が熱で剥がれることを防止することができる。 また熱膨張の影響を受け難い部材で加熱部31a及び断熱部31bを構成し、端面基準でスペーサ11を形成することで、セグメントの形状によらずに、一定の高さでスペーサ11を形成し、接合幅が一定のハニカムセグメント接合体1aを製作することができる。 これにより端面8の接合層5の幅を一定にすることができる。 そしてハニカム構造体1としての開口率を一定にでき、性能を均質にすることができる。

    さらに、図4に示すような、ハニカムセグメント10の軸方向の長さとほぼ同じ長さと所定の基準高さを有し、かつ、ハニカムセグメント10の外周壁7の外周面7sの軸方向の一端側と他端側の両端面位置に押し当てる高さ基準治具32と、高さ基準治具32よりも軸方向内側に配置され、高さ基準治具32と間隙を有して熱的に非接触状態とされ、高さ基準治具32の基準高さを基準としてハニカムセグメント10の外周面7sに付着されたスペーサ形成材に押し当ててスペーサ形成材を固化させるための加熱装置31と、を有するスペーサ形成装置30を使用することもできる。

    一方、図7に示すように、端面8における外周壁7の外周面7sからの高さを基準としても、高さ基準治具32と加熱部31aとが熱的に接触していると、加熱部31aからの熱が高さ基準治具32からマスクテープ15へ伝達されやすく、マスクテープ15が剥離してしまうため好ましくない。 したがって、加熱部31aと高さ基準治具32とが熱的に非接触であることが必要である。

    また、図8に示すように、マスクテープ15の剥離を防ぐために、高さ基準治具32を端面8位置から軸方向内側に置くと、外周壁7の形状により、スペーサ11の高さが一定とはならず、ハニカム構造体1の接合層5にばらつきが生じてしまい好ましくない。

    したがって、図3及び図4に示すように、加熱部31aと高さ基準治具32とが熱的に非接触な状態にて、端面位置における外周壁7の外周面7sからの高さを基準としてスペーサ15を形成することが好ましい。 このようにスペーサ11を形成することにより、軸方向の端面位置における外周壁7の外周面7sからの高さが一定のスペーサ11を形成することができる。 すなわち、ハニカムセグメント10の外周面7sの形状が変形している場合であっても、スペーサ11の高さが揃うため、ハニカムセグメント10の接合層5の厚さを一定にして、ハニカムセグメント10を接合しハニカム構造体を製造することができる。

    図5は、本発明の一実施形態としてのハニカムセグメント接合体1aの接合方法を示す。 このハニカムセグメント接合体1aは、隔壁2により仕切られ軸方向に貫通する多数のセル3を有するセラミック多孔質体のハニカムセグメント10が、接合層5を介して複数個結束されて構成される。

    具体的には、図5に示すように、縦受板20と横受板21とにより、L字状断面に形成された収容エリアA内にハニカムセグメント10の各々が、各々の外周壁7を接合面として、その接合面間に接合層5を介在させて積層される。 この積層は、2面を縦受板20および横受板21に沿わせて行われる。

    接合層5の接合材は、無機粒子、無機接着剤を主成分とし、副成分として、有機バインダー、界面活性剤、発泡樹脂、水等を含んで構成される。 無機粒子としては、板状粒子、球状粒子、塊状粒子、繊維状粒子、針状粒子等を利用でき、無機接着剤としては、コロイダルシリカ(SiO ゾル)、コロイダルアルミナ(アルミナゾル)、各種酸化物ゾル、エチルシリケート、水ガラス、シリカポリマー、りん酸アルミニウム等を利用できる。 主成分としてはハニカムセグメント10の構成成分と共通のセラミックス粉を含むものが好ましく、また健康問題等からは、セラミックスファイバー等の繊維状粒子を含まないものが好ましく、板状粒子を含有する方が好ましい。 板状粒子としては、例えば、マイカ、タルク、窒化ホウ素及びガラスフレーク等を利用することができる。 この接合材をハニカムセグメント10の接合面に付着させることにより接合層5を形成することができる。 この接合層5の形成は、積層前のハニカムセグメント10に対して行ってもよく、あるいは既に積層されているハニカムセグメント10の露出している接合面に対して行ってもよい。 また積層は、ハニカムセグメント10を1個ずつ積み重ねることにより行われる。

    このとき、端面位置における基準高さに揃えられたスペーサ11を有するハニカムセグメント10は、図6に示すように、他のハニカムセグメント10のスペーサ11を形成しない面を合わせることによっても、一定の幅で接合層5を形成することができる。

    次に、図5に示すように、ハニカムセグメント10を所定の個数(本実施形態では、16個)積層後、最外層に位置するハニカムセグメント10を介して全体を同時に矢印F1およびF2方向に本加圧する。 このときの本加圧は、積層体の2面が縦受板20および横受板21で覆われているので、他の2面の全体を同時に矢印F1およびF2方向に本加圧する。 このときの加圧動力は、エアシリンダ、あるいは油圧シリンダ等が用いられる。

    以上のようにして、ハニカムセグメント10は、接合層5を介して複数個結束され、ハニカムセグメント接合体1aとされる。 そしてハニカムセグメント接合体1aの外周の一部を除去して、コーティング材を塗布することにより、ハニカム構造体1が製造される。 なお、ハニカム構造体1を乾燥する際には、端面8の乾燥が遅くならないように、ハニカムセグメント10の接合時に端面8に貼付したマスクテープ15は、剥離する。

    以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

    (実施例)
    本発明の製造方法(端面基準固化方法:図3参照)を用いて、ハニカムセグメントを6列×6列積層し、平均細孔径25μm、気孔率58%のSiC−DPF(容量2.5L、隔壁の厚さ12mil、セル密度300cpsi)を製造した。 なお、積層のために形成したスペーサは、SiCを主材料(40質量%)とし、それに60質量%のセラミックファイバーを加え、さらに、外配で12質量%の造孔材、界面活性剤、水を加えたもので構成されるセラミックス製接着剤(スペーサ形成材)を使用した。 スペーサ形成材は、180℃にて、45秒間加熱して固化させ、厚さ(接合幅)の設計値が1.0mmのスペーサを形成した。

    (比較例)
    従来の製造方法(従来固化方法:図8参照)を用いて、ハニカムセグメントを6列×6列積層し、平均細孔径25μm、気孔率58%のSiC−DPF(容量2.5L、隔壁の厚さ12mil、セル密度300cpsi)を製造した。 なお、スペーサを形成する材料(スペーサ形成材)は、実施例と同様である。

    (評価1)
    2台の量産機を用いて、端面基準固化方法(実施例)と、従来固化方法(比較例)のそれぞれの方法でウォールフロータイプのSiC−DPFの試料を作製し、それぞれの端面接合幅のばらつきを評価した。 評価結果を図9に示す。 グラフは、端面接合幅の平均値と、最大値及び最小値を示す。 なお、実施例1と実施例2、また、比較例1と比較例2は、それぞれ異なるロットにおけるデータである。

    図9から判るように接合幅のばらつきは、実施例(端面基準固化方法)の方が比較例(従来固化方法)に比べて大幅に減少した。

    (評価2)
    劣化要因の緩和の評価は、実施例および比較例のウォールフロータイプのSiC−DPFを電気炉内で加熱、製品が均熱した時点で電気炉から外に出しクラックの有無を確認し、クラックが入ったときの温度を比べた。 また、測定にはばらつきが伴うため、実施例および比較例でそれぞれ6体の測定を行った。 図10に結果を示す。 図10の縦軸は、クラックが入ったときの電気炉の保持温度を示す。 実施例(端面基準固化方法)は、比較例(従来固化方法)に対し、約10℃耐熱温度が向上した。

    内燃機関、ボイラー、化学反応機器及び燃料電池改質器等の担体又は排ガス中の微粒子捕集フィルタ等に用いられ、複数のハニカムセグメントにより構成されるハニカム構造体の製造方法として利用できる。

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