Honeycomb structural body

申请号 JP2010071566 申请日 2010-03-26 公开(公告)号 JP5017409B2 公开(公告)日 2012-09-05
申请人 イビデン株式会社; 发明人 貴彦 井戸; 千鶴 笠井;
摘要
权利要求
  • 複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された少なくとも一つのハニカムユニットと、コート層とを有するハニカム構造体であって、
    前記ハニカムユニットは、第一のSOx吸蔵剤と、第一の無機粒子と、無機バインダとを含み、
    前記コート層は、前記隔壁上に形成され、第二のSOx吸蔵剤と、第二の無機粒子とを含み、
    前記ハニカムユニットの塩基性度は、前記コート層の塩基性度よりも大き く、
    前記第一の無機粒子は、前記第二の無機粒子と同一の粒子と、前記第二の無機粒子よりも塩基性度が大きい別の粒子を含み、
    前記第二の無機粒子は、アルミナを有し、
    前記第二の無機粒子よりも塩基性度が大きい別の粒子は、ジルコニアを有することを特徴とするハニカム構造体。
  • 前記第一の無機粒子は、前記ジルコニアを3重量%以上30重量%以下含むことを特徴とする請求項 に記載のハニカム構造体。
  • 前記第一のSOx吸蔵剤及び第二のSOx吸蔵剤は、それぞれ独立に、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1 または2に記載のハニカム構造体。
  • 前記第一のSOx吸蔵剤及び第二のSOx吸蔵剤は、それぞれ独立に、カリウム、マグネシウム及びバリウムの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項 に記載のハニカム構造体。
  • 前記隔壁は、前記第一のSOx吸蔵剤を1.0mol/L以上2.5mol/L以下含むことを特徴とする請求項1乃至 のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  • 前記第一の無機粒子及び前記第二の無機粒子は、それぞれ独立に、炭酸カルシウム、チタニア及びシリカからなる群より選択される一種以上を さらに含むことを特徴とする請求項1乃至 のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  • 前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト及びアタパルジャイトの固形分のうちの少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1乃至 のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  • 前記ハニカムユニットは、無機繊維をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至 のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  • 前記無機繊維は、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム及びホウ酸アルミニウムからなる群より選択される一種以上を含むことを特徴とする請求項 に記載のハニカム構造体。
  • 当該ハニカム構造体は、接着層を介して相互に接着された、複数のハニカムユニットを有することを特徴とする請求項1乃至 のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  • 前記隔壁に、貴金属触媒が担持されていることを特徴とする請求項1乃至 10のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  • 前記貴金属触媒は、白金、パラジウム及びロジウムの少なくとも一つを有することを特徴とする請求項 11に記載のハニカム構造体。
  • 说明书全文

    本発明は、ハニカム構造体に関する。

    従来、自動車の排ガスを浄化するために用いられるハニカム触媒は、コージェライトからなるハニカム構造体を有し、該ハニカム構造体の表面には、活性アルミナ等の比表面積が大きい材料からなる層が形成され、この層には、白金等の触媒が担持される。 また、ディーゼルエンジンの排ガスを浄化するために用いられるハニカム触媒には、酸素過剰雰囲気下で、NOxを処理するため、さらにNOx吸蔵剤が担持されている。

    そのようなハニカム触媒の一つの問題は、NOx吸蔵剤は、NOxよりもSOxをより安定に吸蔵するという性質を有するため、SOx被毒により、NOxが適正に吸蔵できなくなることである。

    この問題に対処するため、特許文献1に示された機器は、NOx吸蔵剤の上流の排ガスの通路内に、イオウ吸収剤と、該イオウ吸収剤を包囲するケーシングとを有するイオウ捕獲装置を有する。 特許文献1に記載の一例としてのイオウ吸収剤は、アルミナ担体を有し、このアルミナ担体には、カリウム、ナトリウム、リチウム、またはセシウムのようなアルカリ金属、バリウム、カルシウムのようなアルカリ土類金属、およびランタンまたはイットリウムのような希土類のうちの少なくとも一つと、白金のような貴金属とが担持される。

    しかしながら、このようなイオウ捕獲装置では、多量のイオウを吸収する必要があり、それに伴ってサイズを大きくする必要がある。 特許文献2に記載されているようなハニカム構造体を使用することにより、この問題は、解決され得る。 示されたハニカム構造体は、複数の多孔質ハニカムユニットを有し、各々は、複数の貫通孔を有し、第1の無機材料(例えば、セラミック粒子)、第2の無機材料(例えば、無機繊維、または粒径の大きなセラミック粒子)、および無機バインダを含む。 多孔質ハニカムユニットの貫通孔の開口が存在しない外側表面は、シール材層により相互に接合される。 そのようなハニカム構造体は、大きな比表面積を有し、このため、寸法を小さくすることができる。

    しかしながら、このようなハニカム構造体を、SOxを吸蔵する用途で使用する場合に、SOxの吸蔵性能をさらに向上させることが望まれている。

    特開平6−58138号公報

    国際公開第05/063653号パンフレット

    本発明の実施例では、従来の欠点および短所によって生じる問題の1もしくは2以上が解決または軽減されるハニカム構造体が提供される。

    本発明の実施例では、
    複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された少なくとも一つのハニカムユニットと、コート層とを有するハニカム構造体であって、
    前記ハニカムユニットは、第一のSOx吸蔵剤と、第一の無機粒子と、無機バインダとを含み、
    前記コート層は、前記隔壁上に形成され、第二のSOx吸蔵剤と、第二の無機粒子とを含み、
    前記ハニカムユニットの塩基性度は、前記コート層の塩基性度よりも大きいことを特徴とするハニカム構造体が提供される。

    本発明の実施例によるハニカム構造体の斜視図である。

    図1Aのハニカムユニットの斜視図である。

    本発明の別の実施例によるハニカム構造体の斜視図である。

    次に、添付図面を参照して、本発明の好適実施例について説明する。

    図1Aおよび図1Bには、本発明の実施例によるハニカム構造体を示す。 ハニカム構造体10は、複数のハニカムユニット11を有し、各々は、隔壁により分離された、長手方向に延在する複数の貫通孔12を有する。 ハニカムユニット11は、接着層13を介して相互に接合され、接合されたハニカムユニット11の外表面は、外周コート層14で被覆される。 各ハニカムユニット11は、第一のSOx吸蔵剤と、第一の無機粒子と、無機バインダとを含む。 隔壁上には、第二のSOx吸蔵剤と、第二の無機粒子とを含むコート層15が形成されている。 SOx吸蔵剤がハニカムユニット11の隔壁内、またはコート層15内にのみに含まれる場合、単位体積当たりのSOx吸蔵剤の量が不十分となる可能性がある。 ハニカムユニット11の塩基性度は、コート層15よりも大きい。 この構成では、ハニカム構造体10のSOxの吸蔵性能を向上させることができる。 具体的には、塩基性度が大きいハニカムユニット11に含まれる第一のSOx吸蔵剤は、塩基性度が小さいコート層15に含まれる第二のSOx吸蔵剤よりもSOxの吸蔵性能が優れる。 この構成では、第一のSOx吸蔵剤を有効に活用することが可能となる。 このハニカム構造体10を、排ガスの流れに対して、NOx吸蔵剤を含む別のハニカム構造体の上流側に配置することにより、NOx吸蔵剤のSOx被毒を抑制することができる。

    一方、コート層15の塩基性度がハニカムユニット11よりも大きい場合は、第二のSOx吸蔵剤の吸蔵性能は、第一のSOx吸蔵剤よりも優れることになる。 このため、ハニカム構造体10がSOxの吸蔵に使用された際、最初に、第二のSOx吸蔵剤が、SOxを吸蔵する。 このため、SOxが隔壁内を浸透することが難しくなり、これにより、第一のSOx吸蔵剤を有効に活用することが難しくなる。

    ハニカムユニット11およびコート層15の塩基性度は、温度制御脱離(TPD)法を用いて、CO 脱離量を測定することにより評価することができる。 CO 脱離量が大きい程、塩基性度が大きくなる。

    第一のSOx吸蔵剤としては、SOxと反応し、SOxを硫酸塩として吸蔵することが可能であれば、いかなる物質も使用することができる。 例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、およびマグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属を、個々にあるいは組み合わせて使用しても良い。

    また、第二のSOx吸蔵剤としては、第一のSOx吸蔵剤と同様に、SOxと反応し、SOXを硫酸塩として吸蔵することが可能であれば、いかなる物質も使用することができる。 例えば、カリウム等のアルカリ金属、およびマグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属を、個々にあるいは組み合わせて使用しても良い。

    第一のSOx吸蔵剤と、第二のSOx吸蔵剤は、同じ材料で構成されても、異なる材料で構成されても良い。

    ハニカムユニット11(隔壁)は、第一のSOx吸蔵剤の含有量が1.0〜2.5mol/Lであることが好ましい。 第一のSOx吸蔵剤の含有量が1.0mol/L未満であると、小さなハニカムユニット11では、十分なSOx吸蔵性能を得ることが難しくなる。 一方、第一のSOx吸蔵剤の含有量が2.5mol/Lを超えると、ハニカムユニット11の製造が困難になる場合がある。

    第一の無機粒子としては、第一のSOx吸蔵剤によるSOxの吸蔵を容易にする(すなわち、貴金属触媒を高分散させ、これによりSO からSO への酸化反応を促進させる)ため、ハニカム構造体10の比表面積を高めることができる限り、SOx吸蔵剤に使用されるもの以外のいかなる無機化合物を使用しても良い。 例えば、アルミナ、ジルコニア、炭酸カルシウム、チタニア、シリカ等を、個々に、あるいは組み合わせて使用しても良い。 中でも、アルミナが特に好ましい。

    第二の無機粒子としては、第一の無機粒子と同様、第二のSOx吸蔵剤によるSOxの吸蔵を容易にする(すなわち、貴金属触媒を高分散させ、これによりSO からSO への酸化反応を促進させる)ため、ハニカム構造体10の比表面積を高めることができる限り、SOx吸蔵剤に使用されるもの以外のいかなる無機化合物を使用しても良い。 例えば、アルミナ、ジルコニア、炭酸カルシウム、チタニア、シリカ等を、個々に、あるいは組み合わせて使用しても良い。

    第一の無機粒子および第二の無機粒子用の無機化合物は、ハニカムユニット11の塩基性度をコート層15よりも大きくすることが可能であれば、個々に選定されても良い。 しかしながら、第一の無機粒子は、第二の無機粒子と同一の粒子と、第二の無機粒子よりも塩基性度が大きい別の粒子とを含むことが好ましい。 さらに、第二の無機粒子は、アルミナを有し、第二の無機粒子よりも塩基性度が大きい別の粒子は、ジルコニアを有することが特に好ましい。 この場合、第一の無機粒子は、ジルコニアの含有量が3〜30重量%の間であることが好ましい。 ジルコニアの含有量を3〜30重量%とすることにより、コート層15のCO 脱着量に対するハニカムユニット11の脱着CO 量の比を、1.01以上にすることができ、これにより、SOx吸蔵性能を効果的に改善することが可能になる。 ジルコニアの含有量が3重量%未満であると、コート層15とハニカムユニット11の間の塩基性度の差異が小さくなり、S浄化率が低下する。 一方、ジルコニアの含有量が30重量%を超えると、ハニカムユニット11の比表面積が不十分になることがある。

    第一の無機粒子の平均粒径は、0.1〜10μmの間であることが好ましい。 第一の無機粒子の平均粒径が0.1μm未満であると、無機バインダを多量に添加する必要が生じ、その結果、押出成形を行うことが難しくなる場合がある。 第一の無機粒子の平均粒径が10μmを超えると、ハニカムユニット11の比表面積を増大させる効果が不十分になることがある。

    第二の無機粒子の平均粒径は、0.1〜10μmの間であることが好ましい。 第二の無機粒子の平均粒径が0.1μm未満であると、第二の無機粒子が隔壁内に移動し、この結果、コート層15の効果が不十分になる場合がある。 第二の無機粒子の平均粒径が10μmを超えると、ハニカムユニット11の比表面積を増大させる効果が不十分になることがある。

    ハニカムユニット11において、第一の無機粒子の含有量は、30〜90重量%であることが好ましく、40〜80重量%であることがより好ましく、50〜75重量%であることがさらに好ましい。 第一の無機粒子の含有量が30重量%未満であると、ハニカムユニット11の比表面積が低下することがある。 一方、第一の無機粒子の含有量が90重量%を超えると、ハニカムユニット11の強度が低下することがある。

    ハニカムユニット11の隔壁の厚さは、0.05〜0.35mmであることが好ましく、0.10〜0.30mmであることがより好ましく、0.15〜0.25mmであることが特に好ましい。 隔壁の厚さが0.05mm未満であると、ハニカムユニット11の強度が低下することがある。 隔壁の厚さが0.35mmを超えると、排ガスが隔壁の内部まで浸透しにくくなり、その結果、SOxの吸蔵性能が低下することがある。

    コート層15の厚さは、0.01〜0.15mmであることが好ましい。 コート層15の厚さが0.01mm未満であると、コート層15の効果が不十分になることがある。 コート層の厚さが0.15mmを超えると、排ガスが隔壁の内部まで浸透しにくくなり、その結果、SOxの吸蔵性能が低下することがある。

    ハニカムユニット11において、いかなる無機バインダも使用できる。 例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、ガラス、セピオライト、アタパルジャイト等に含まれる固形分を、個々に、あるいは組み合わせて使用しても良い。

    ハニカムユニット11において、無機バインダの含有量は、5〜50重量%であることが好ましく、10〜40重量%がさらに好ましく、15〜35重量%が特に好ましい。 無機バインダの含有量が5重量%未満であると、ハニカムユニット11の強度が低下することがある。 無機バインダの含有量が50重量%を超えると、ハニカムユニット11の成形が困難になることがある。

    ハニカムユニット11は、さらに無機繊維を含むことが好ましい。 無機繊維を含むことにより、ハニカムユニット11の強度を向上させることができる。

    無機繊維としては、ハニカムユニット11の強度を向上させることが可能であれば、いかなる材料を使用しても良い。 例えば、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等を、個々に、あるいは組み合わせて使用しても良い。

    無機繊維のアスペクト比は、2〜1000の間であることが好ましく、5〜800の間であることがさらに好ましく、10〜500の間であることが特に好ましい。 無機繊維のアスペクト比が2未満であると、ハニカムユニット11の強度を向上させる効果が小さくなることがある。 一方、無機繊維のアスペクト比が1000を超えると、ハニカムユニット11の押出成形等の成形時に目詰まり等が発生することがあり、あるいは、成形時に無機繊維が折れて、ハニカムユニット11の強度を向上させる効果が小さくなることがある。

    ハニカムユニット11における無機繊維の含有量は、3〜50重量%であることが好ましく、5〜40重量%がさらに好ましく、8〜30重量%が特に好ましい。 無機繊維の含有量が3重量%未満であると、ハニカムユニット11の強度を向上させる効果が小さくなることがある。 無機繊維の含有量が50重量%を超えると、ハニカムユニット11の比表面積が低下することがある。

    ハニカムユニット11の長手方向に垂直な断面、即ち、貫通孔12に対して垂直な断面の断面積は、5〜50cm の範囲であることが好ましい。 ハニカムユニットの断面積が5cm 未満であると、ハニカム構造体10の比表面積が低下するとともに、圧損失が増大することがある。 ハニカムユニットの断面積が50cm を超えると、熱応力に対するハニカムユニット11の強度が不十分になることがある。

    ハニカムユニット11の長手方向に垂直な断面1cm 当たりの貫通孔12の数は、15.5〜186個であることが好ましく、46.5〜170.5個がより好ましく、62.0〜155個が特に好ましい。 ハニカムユニット11の1cm 当たりの貫通孔12の数が15.5個未満であると、ハニカムユニット11の強度が低下することがある。 ハニカムユニット11の1cm 当たりの貫通孔12の数が186個を超えると、ハニカムユニット11の圧力損失が増大することがある。

    ハニカムユニット11を接合させる接着層13の厚さは、0.5〜2mmであることが好ましい。 接着層13の厚さが0.5mm未満であると、接着強度が不十分になることがある。 一方、接着層13の厚さが2mmを超えると、ハニカム構造体10の比表面積が低下するとともに、ハニカム構造体10の圧力損失が増大することがある。

    外周コート層14の厚さは、0.1〜3mmであることが好ましい。 外周コート層14の厚さが0.1mm未満であると、ハニカム構造体10の強度を向上させる効果が不十分になることがある。 外周コート層14の厚さが3mmを超えると、ハニカム構造体10の比表面積が低下することがある。

    本実施例において、ハニカム構造体10は、円柱状であるが、本発明の実施例によるハニカム構造体の形状は、柱状、または楕円柱状のような、いかなる他の形状であっても良い。

    また、本実施例では、ハニカムユニット11は、四角柱状であるが、本発明の実施例によるハニカムユニットの形状は、例えば、六角柱状等、複数のハニカムユニット同士を相互接合することに適した形状であれば、他のいかなる形状を有しても良い。

    さらに、本実施例では、各貫通孔12の形状は、四角柱状であるが、本発明の実施例による貫通孔の形状は、三角柱状、または六角柱状等、他のいかなる形状であっても良い。

    なお、コート層15が形成されている隔壁には、貴金属触媒が担持されても良い。 貴金属触媒は、隔壁の表面、コート層15内、またはコート層15の表面に担持されても良い。 貴金属触媒としては、SO をSO に酸化することが可能であれば、いかなる貴金属を使用しても良い。 例えば、白金、パラジウム、ロジウム等を、個々に、あるいは組み合わせて使用しても良い。

    次に、ハニカム構造体10の製造方法の一例について説明する。 まず、各々が隔壁により分離された、長手方向に延在する貫通孔を有する生のハニカム成形体が、例えば、第一のSOx吸蔵剤、第一の無機粒子、および無機バインダを含み、必要に応じて、無機繊維をさらに含む原料材料ペーストの押出成形法により、調製される。 前述の生のハニカム成形体により、低い焼成温度においても、十分な強度を有するハニカムユニット11を製作することができる。

    なお、無機バインダとして、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、アタパルジャイト等の一つまたは組み合わせが使用されても良い。

    また、原料ペーストは、有機バインダ、分散媒、および/または成形助剤等を、必要に応じて添加しても良い。

    有機バインダとしては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のうちの一つ、またはこれらの組み合わせを使用しても良い。 有機バインダの添加量は、無機粒子、無機繊維、および無機バインダの総重量に対して、1〜10%であることが好ましい。

    分散媒としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等のうちの一つ、またはこれらの組み合わせを使用しても良い。

    成形助剤としては、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等のうちの一つ、またはこれらの組み合わせを使用しても良い。

    原料ペーストは、例えば、ミキサー、アトライタ等を用いて、原料を混合することにより、あるいは例えばニーダー等を用いて、混合物を混練することにより、調製されることが好ましい。

    次に、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、または凍結乾燥機等の乾燥機を用いて、得られたハニカム成形体が乾燥される。

    乾燥されたハニカム成形体は、脱脂される。 脱脂条件は、ハニカム成形体中の有機物の種類や量によって適宜選択することができるが、脱脂条件は、400℃で2時間であることが好ましい。

    脱脂されたハニカム成形体を焼成することにより、ハニカムユニット11が得られる。 焼成温度は、600〜1200℃であることが好ましく、600〜1000℃が特に好ましい。 焼成温度が600℃未満であると、焼結がスムーズに進行しなくなり、ハニカムユニット11の強度が低くなることがある。 焼成温度が1200℃を超えると、焼結が進行しすぎて、ハニカムユニット11の比表面積が低下することがある。

    ハニカムユニット11の外周面に、接着層用ペーストが塗布され、ハニカムユニット11が順次接合される。 次に、接着層用ペーストを乾燥固化することにより、ハニカムユニット11の集合体が作製される。 ハニカムユニット11の集合体は、切削加工され、円柱状に形成される。 あるいは、ハニカムユニット11の円柱状集合体は、断面が扇形状や正方形状に成形されたハニカムユニット11を接合させて、作製されても良い。

    接着層用ペーストの一例には、これに限られるものではないが、無機バインダと無機粒子の混合物、無機バインダと無機繊維の混合物、および無機バインダと、無機粒子と、無機繊維との混合物等が含まれる。

    また、接着層用ペーストは、有機バインダを含有しても良い。 有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のうちの一つ、またはこれらの組み合わせを使用しても良い。

    次に、円柱状のハニカムユニット11の集合体の外周面に、外周コート層用ペーストが塗布され、これが乾燥固化される。 外周コート層用ペーストは、接着層用ペーストと同じ材料、または異なる材料を含有しても良い。 また、外周コート層用ペーストは、接着層用ペーストと同一の組成であってもよい。

    外周コート層用ペーストが塗布された後、ハニカムユニット11の集合体は、乾燥固化され、ハニカム構造体10が得られる。 このステップにおいて、接着層用ペーストおよび/または外周コート層用ペーストに有機バインダが含まれている場合、ハニカム構造体10を脱脂することが好ましい。 脱脂条件は、有機物の種類や量によって適宜選択することができるが、700℃で2時間であることが好ましい。

    次に、隔壁の表面に、コート層15が形成される。 コート層15は、例えば、含浸法等により形成されても良い。

    さらに、必要に応じて、コート層15が形成された隔壁に、貴金属触媒が担持される。 貴金属触媒は、例えば含浸法等により担持される。

    図2には、本発明の別の実施例によるハニカム構造体の斜視図を示す。 ハニカム構造体10とは異なり、図2に示すハニカム構造体20は、隔壁により分離された複数の貫通孔12が長手方向に延在する、単一のハニカムユニット11から構成されている。 ハニカム構造体20の他の構成は、ハニカム構造体10と同様である。

    本発明の実施例によるハニカム構造体では、外周コート層は、形成されても、形成されなくても良い。

    [実施例1]
    まず、SOx吸蔵剤として使用される酸化マグネシウム440gと、無機粒子として使用される、平均粒径が2μmのγアルミナ1750g、および平均粒径が2μmのジルコニア50gと、無機繊維として使用される、平均繊維径が6μmで、平均繊維長が100μmのアルミナ繊維680gと、無機バインダとして使用される、固形分20重量%を含むアルミナゾル2600gと、有機バインダとして使用されるメチルセルロース195gとを混合混練して、原料ペーストを調製した。 押出成形機を用いて、原料ペーストを押出成形し、生のハニカム成形体を得た。 マイクロ波乾燥機および熱風乾燥機を用いて、ハニカム成形体を乾燥させた後、これを400℃で2時間脱脂した。 次に、ハニカム成形体を700℃で2時間焼成した。 これにより、高さ35mm、幅35mm、長さ68mmの正四角柱状のハニカムユニットが得られた。 ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面の1cm 当たりの貫通孔数は、93個であり、隔壁の厚さは、0.2mmであった。

    次に、平均粒径が2μmのγアルミナ26重量部、平均繊維径が0.5μmで、平均繊維長が15μmのアルミナ繊維37重量部、無機バインダとして使用される、固形分が20重量%のアルミナゾル31.5重量部、有機バインダとして使用されるカルボキシメチルセルロース0.5重量部、および水5重量部を混合混練して、耐熱性の接着層用ペーストを調製した。

    ハニカムユニットの表面に、接着層の厚さが1mmになるように接着層用ペーストを塗布した。 次に、ハニカムユニットを相互に接合してから、接着層用ペーストを120℃で乾燥固化し、ハニカムユニットの集合体を作製した。 このハニカムユニットの集合体を、ダイヤモンドカッターを用いて、長手方向に垂直な断面が略点対称になるように、円柱状に切削加工した。 次に、形成されたハニカムユニットの集合体の外周面に、外周コート層の厚さが0.5mmになるように、接着層用ペーストを塗布した後、マイクロ波乾燥機および熱風乾燥機を用いて、これを120℃で乾燥固化させた。 次に、集合体を400℃で2時間脱脂した。 これにより、直径138mm、高さ68mm(体積1L)の円柱状のハニカム構造体が得られた。

    酸化マグネシウムと平均粒径が2μmのγアルミナが分散されたコート層用分散液に、得られたハニカム構造体を含浸させた後、600℃で1時間保持し、コート層を形成した。 隔壁およびコート層中の酸化マグネシウムの含有量は、それぞれ1.0mol/Lおよび1.5mol/Lであった。

    次に、ハニカム構造体を硝酸白金溶液に含浸させた後、600℃で1時間保持することにより、貴金属触媒としての白金を3g/L担持させた。

    [実施例2]
    原料ペーストに使用されるγアルミナおよびジルコニアの量を、それぞれ1700gおよび100gとした以外は、実施例1と実質的に同様の方法で、白金が担持されたハニカム構造体を製作した。

    [実施例3]
    原料ペーストに使用されるγアルミナおよびジルコニアの量を、それぞれ1500gおよび300gとした以外は、実施例1と実質的に同様の方法で、白金が担持されたハニカム構造体を製作した。

    参考例]
    原料ペーストを調製する際に、ジルコニアの代わりに炭酸カルシウムを用いた以外は、実施例3と実質的に同様の方法で、白金が担持されたハニカム構造体を製作した。

    [実施例
    原料ペーストに使用されるγアルミナおよびジルコニアの量を、それぞれ1300gおよび500gとした以外は、実施例1と実質的に同様の方法で、白金が担持されたハニカム構造体を製作した。

    [実施例6]
    原料ペーストに使用されるγアルミナおよびジルコニアの量を、それぞれ1000gおよび800gとした以外は、実施例1と実質的に同様の方法で、白金が担持されたハニカム構造体を製作した。

    [比較例1]
    原料ペーストに使用されるγアルミナおよびジルコニアの量を、それぞれ1800gおよび0g(なし)とした以外は、実施例1と実質的に同様の方法で、白金が担持されたハニカム構造体を製作した。

    [比較例2]
    原料ペーストに使用されるγアルミナおよびジルコニアの量を、それぞれ1800gおよび0g(なし)とし、 酸化マグネシウムを含まない γアルミナを用いてコート層用分散液を調製した以外は、実施例1と実質的に同様の方法で、白金が担持されたハニカム構造体を製作した。

    [比較例3]
    原料ペーストに使用されるγアルミナおよびジルコニアの量を、それぞれ1500gおよび300gとし、 酸化マグネシウムを含まない γアルミナを用いてコート層用分散液を調製した以外は、実施例1と実質的に同様の方法で、白金が担持されたハニカム構造体を製作した。

    [比較例4]
    原料ペーストに使用されるγアルミナおよびジルコニアの量を、それぞれ1300gおよび500gとし、 酸化マグネシウムを含まない γアルミナを用いてコート層用分散液を調製した以外は、実施例1と実質的に同様の方法で、白金が担持されたハニカム構造体を製作した。

    [CO 脱離量の測定]
    全自動温度制御脱離スペクトル装置TPD−1−ATw(日本ベル社製)を用いて、真空中で、各試料(実施例および比較例において製造したハニカムユニットおよびコート層の粉体を乾燥させたもの)0.05gを昇温速度10℃/分で、300℃に昇温して、60分間放置した。 次に、試料を100℃まで冷却し、定常状態としてから、CO を30分間導入して、試料に吸着させた。 温度を100℃に保持した状態で、CO を排気して、試料を30分間、真空に保持した。 次に、流量50mL/分でヘリウムを導入しながら、試料を昇温速度10℃/分で、600℃まで昇温した。 この間に、ヘリウム中に脱離したCO の累積量を測定した。 なお、CO の検出には、四重極型質量分析計を用いた。 全ての試料における測定結果を表1に示す。

    [SOxの漏れ量の測定]
    SOxの吸蔵量が500gになるまで、空間速度(SV)50000/hrで、400℃の模擬ガスをハニカム構造体に流しながら、MEXA−7100DおよびMEXA−1170SX(以上、HORIBA社製)を用いて、ハニカム構造体から排出されるガス中のSOxの濃度を測定した(検出限界0.1ppm)。 模擬ガスの構成成分は、窒素(balance)、二酸化炭素(10体積%)、酸素(10体積%)、一酸化窒素(200ppm)、一酸化炭素(0体積%)、炭化水素(200ppm)、二酸化硫黄(125ppm)である。

    模擬ガス中の二酸化硫黄の濃度は、125ppmであるため、ハニカム構造体から排出されるガス中のSOx濃度が12.5ppmの場合、これは、浄化率が90%であることを表す。

    この結果から、ハニカムユニットの塩基性度がコート層の塩基性度よりも大きい実施例1から実施例6のハニカム構造体では、優れたSOxの吸蔵性能を示した。 また、表1の結果から、CO 脱離量の比(ハニカムユニット/コート層)が1.01から1.07の間にある場合、S浄化率は、特に大きいことが示された。 なお、この範囲は、無機粒子中のジルコニアの含有量が3%以上であるときに得ることができる。 また、ジルコニア量が30%以下の場合、比表面積の低下に起因した、S浄化率の低下を抑制することができる。

    以上のように、本発明の実施例では、SOx吸蔵性能を高めたハニカム構造体を提供することができる。

    本発明は、特定の開示された実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱しないで、変更および修正が可能である。

    10、20 ハニカム構造体11 ハニカムユニット12 貫通孔13 接着層14 外周コート層15 コート層。

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