Bubble-mixed inorganic hardened body and its production

申请号 JP7050098 申请日 1998-03-19 公开(公告)号 JPH11268970A 公开(公告)日 1999-10-05
申请人 Kenzai Techno Kenkyusho:Kk; 株式会社建材テクノ研究所; 发明人 MASUDA KENTA; TANABE SHINKICHI; NAGATA NORIFUMI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain, at a low cost, a hardened body with excellent strength characteristics and surface smoothness, and to provide a production method for the hardened body, capable of attaining desired lightweightness of the hardened body.
SOLUTION: This inorganic hardened body is obtained by mixing air bubbles into a slurry composition comprising cement, water, and other ingredients followed by hardening the resultant mixture. The hardened body thus obtained contains air bubbles each 20-100 μm in diameter which account for ≥50 vol.% of the total pores, and the setting time of the above slurry composition is
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 セメント、水、および必要に応じてその他の添加材(剤)を含むスラリー組成物に気泡を混入させ、この混入体を硬化させてなる気泡混入無機質硬化体であって、前記硬化体には、直径20μm〜100μm
    の気泡が、気孔容積の50%以上存在し、かつ前記スラリー組成物の終結時間がJIS R5201に基づくビガー針試験において200分以内であることを特徴とする気泡混入無機質硬化体。
  • 【請求項2】 セメント、水、および必要に応じてその他の添加材(剤)を含むスラリー組成物に気泡を混入させ、この混入体を硬化させてなる気泡混入無機質硬化体であって、 前記セメントは、都市ゴミ焼却灰および下水汚泥焼却灰からなる群から選択された1種以上を含み、C 117
    aCl 2を10〜40重量%含み、かつC 2 SおよびC 3
    Sからなる群から選択された1種以上を含む焼成物と、
    石膏と、を含む水硬性組成物であり;前記硬化体には、
    直径20μm〜100μmの気泡が、気孔容積の50%
    以上存在することを特徴とする気泡混入無機質硬化体。
  • 【請求項3】 請求項1または2に記載のスラリー組成物に気泡を混入させ、この混入体を移動している所望の形状の成形型枠に流し込んだ後に硬化させ、得られた硬化体には、直径20μm〜100μmの気泡が、気孔容積の50%以上存在することを特徴とする気泡混入無機質硬化体の製造方法。
  • 【請求項4】 混入体が加温に施されて硬化する請求項3に記載の気泡混入無機質硬化体の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、気泡混入無機質硬化体およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは強度特性、表面平滑性に優れ、低コストで製造することができ、しかも所望の軽量化を達成することのできる気泡混入無機質硬化体およびその製造方法に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】無機質の建築用内装材あるいは外装材は、建造物の高度化・多様化を背景に、きわめて多種多様に展開しているが、この中でもセメントを主要構成原料としたセメント系建材は、内装・外装を問わず、耐久性や耐火性に優れた安価な建材として広範囲に利用されている。 とくに窯業系サイディング材は、従来多用されてきたモルタル仕上げによる外壁などと比較し、施工性、防火性に優れており、かつ様々な意匠に対応できるといったことから、近年その需要を急速にのばしているものの一つである。 特に、最近ではユーザの高級化志向によって、彫りの深いデザインが好まれてきているが、
    深彫り化は凹部における板厚を減少させ、強度を低下させる原因となるので、製品の厚手化傾向が著しくなっている。 この事により製品の重量は増大し、窯業系サイディング材のメリットである「低コスト」あるいは「施工性のよさ」が失われつつあるのが現状である。

    【0003】このような問題を解決する手段として、原料中に各種の軽量骨材を分散混入するといった方法が、
    もっとも効果的であるが、現状で入手し得る軽量骨材は高価なものが多く、軽量化を図れば図るほど製品コストが上昇してしまうという問題があり、その配合量には一定の制限を設けなければならないのが現状である。 また現在知られている多くの軽量骨材は、小さくても数10
    0μm単位のサイズであり、これらの大量配合は、製品の表面平滑性を低下させる原因にもなってしまう。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目的は、強度特性、表面平滑性に優れ、低コストで製造することができ、しかも所望の軽量化を達成することのできる気泡混入無機質硬化体およびその製造方法を提供することにある。

    【0005】

    【課題を解決するための手段】かかる実状に鑑み、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、マトリックス成分の硬化挙動を制御して気孔容積における気泡量と気泡径とを特定することにより、あるいは特定のセメントを用いることにより、目的とする気泡混入無機質硬化体が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。

    【0006】すなわち本発明の第1は、セメント、
    および必要に応じてその他の添加材(剤)を含むスラリー組成物に気泡を混入させ、この混入体を硬化させてなる気泡混入無機質硬化体であって、前記硬化体には、直径20μm〜100μmの気泡が、気孔容積の50%以上存在し、かつ前記スラリー組成物の終結時間がJIS
    R5201に基づくビガー針試験において200分以内であることを特徴とする気泡混入無機質硬化体である。

    【0007】本発明の第2は、セメント、水、および必要に応じてその他の添加材(剤)を含むスラリー組成物に気泡を混入させ、この混入体を硬化させてなる気泡混入無機質硬化体であって、前記セメントは、都市ゴミ焼却灰および下水汚泥焼却灰からなる群から選択された1
    種以上を含み、C 117 CaCl 2を10〜40重量%含み、かつC 2 SおよびC 3 Sからなる群から選択された1
    種以上を含む焼成物と、石膏と、を含む水硬性組成物であり;前記硬化体には、直径20μm〜100μmの気泡が、気孔容積の50%以上存在することを特徴とする気泡混入無機質硬化体である。

    【0008】本発明の第3は、前記のスラリー組成物に気泡を混入させ、この混入体を移動している所望の形状の成形型枠に流し込んだ後に硬化させ、得られた硬化体には、直径20μm〜100μmの気泡が、気孔容積の50%以上存在することを特徴とする気泡混入無機質硬化体の製造方法である。

    【0009】本発明の第4は、混入体が加温に施されて硬化する前記の気泡混入無機質硬化体の製造方法である。

    【0010】

    【発明の実施の形態】本発明の第1において、気泡混入無機質硬化体は、セメント、水、および必要に応じてその他の添加材(剤)を含むスラリー組成物に気泡を混入させ、この混入体を硬化させてなる気泡混入無機質硬化体であって、前記硬化体には、直径20μm〜100μ
    mの気泡が、気孔容積の50%以上存在し、かつ前記スラリー組成物の終結時間がJIS R5201に基づくビガー針試験において200分以内でなければならない。 なお、ここでいう気泡の直径とは、硬化体の切断面を光学顕微鏡または電子顕微鏡で観察し、切断面の画像解析処理によって測定された1個当たりの気泡面積を、
    その面積と同等の大きさである円の直径に換算したものである。 また気孔容積とは、直径20μm〜100μm
    の気泡を含むことはもちろん、上記範囲外の直径を有する気泡や、硬化の過程で生じる空隙あるいは細孔部分も含むものとする。

    【0011】気泡直径と気孔容積に対する気泡量の特定は、これらが強度特性や硬化体の外観に大きく影響することによる。 すなわち、優れた強度特性あるいは外観を追求するには、小径気泡の存在が好ましいが、一方、小径気泡だけでは、硬化体の軽量化が困難となってしまう。 これらの兼ね合いを種々の実験により調査検討した結果、気泡直径が20〜100μmの気泡が気孔容積の50%以上であるときに、これらのバランスが最適化することを見出したのである。 ここでさらに好ましい気泡直径は、50〜100μmであり、気泡量は気孔容積の50〜70%であるのが好ましい。

    【0012】本発明の第1において、こうした気泡直径と気孔容積に対する気泡量とのバランスを図るために、
    本発明で使用するスラリー組成物は、JIS R520
    1に基づくビガー針試験において、その終結時間が20
    0分以内であることが必須条件となる。 本発明者らは、
    マトリックスの硬化挙動を制御すること、つまりマトリックスであるセメント水和物を含むスラリー組成物の終結時間を制御することにより、硬化相に特定の気泡直径を、気孔容積に対する特定割合で存在せしめることを可能にしたわけであるが、これはスラリー組成物の終結時間と気泡直径と気孔容積に対する該気泡の存在割合との間に以下のような関係があることを見出したからである。

    【0013】すなわち、スラリー組成物に気泡を混入すると、混入された気泡は、その比重差からスラリー組成物表面へ浮上しようとする。 また、スラリー組成物に何らかの振動等が加わった場合には、気泡は3次元的にも移動しようとする。 この時、気泡と気泡との接触、接触による破泡が生じ、結果として大径気泡を生成させることになる。 こうした現象、すなわち小径気泡が大径化していく現象は、セメントの終結時間と大きく関係する。
    すなわちセメントの終結時間が遅い場合、低粘性のスラリー状態が継続するために、気泡の移動自由度は高まり、大径化しやすくなる。 一方、セメントの終結時間が短いと、スラリーの粘性が急速に高まり、気泡が移動しにくくなり、混入時点での気泡形態を維持しやすくなるのである。 このため本発明におけるスラリー組成物は、
    先にも述べたように終結時間がJIS R5201に基づくビガー針試験において、終結時間が200分以内でなければならないが、このためには、使用するセメントの終結時間は短いものが好ましい。 また、できるだけ小径気泡の存在比率を高め、硬化体の機械的強度や外観を向上させたい場合には、スラリー組成物の終結時間は6
    0分以内がより好ましい。 また、終結時間が短縮されればされるほど、その生産性は高まり、結果としてコストダウンが図られるため、この意味からも短い終結時間は好ましいといえる。

    【0014】本発明の第1において、スラリー組成物は、セメント、水、および必要に応じてその他の添加材(剤)を含むものであるが、前記の終結時間を達成できるのであれば、スラリー組成物はとくに限定されるものではなく、セメントとして普通ポルトランドセメント、
    早強セメント、ジェットセメントやアーウィン系セメントに知られる超速硬セメント等の各種のセメント;添加材として木片や木質繊維のような木質フィラー、パルプ繊維、その他の無機・有機質補強用繊維、無機・有機質軽量骨材、砕石、細・粗骨材等;添加剤として、粘性を制御する目的で、凝結促進剤、スラリー流動化剤、スラリー粘性調整剤、各種分散剤などの混和剤;急結剤等を添加することが可能である。 これらは製造ライン上での取り扱い易さや目的とする製品の性能に応じてその種類や配合量を調整する。 また水の配合量は、得られる硬化体の比重、所望の強度等を勘案して適宜決定するが、例えば水/セメント比として、20〜150%程度である。

    【0015】本発明の第2は、セメントを次のように特定するものである。 すなわち:都市ゴミ焼却灰および下水汚泥焼却灰からなる群から選択された1種以上を含み、C 117 CaCl 2を10〜40重量%含み、かつC
    2 SおよびC 3 Sからなる群から選択された1種以上を含む焼成物と、石膏と、を含む水硬性組成物である。

    【0016】本発明の第2における上記の水硬性組成物は、この目的のために調製してもよいし、例えば先に提案した特開平7−165446号公報の環境調和型水硬性組成物、あるいは特開平7−165447号公報の速硬型混合セメント、あるいは特願平8−64486号の生活・産業廃棄物を利用したセメント(エコセメント)
    等も使用できる。 とくにエコセメントは、具体的には、
    都市ゴミ灰、下水汚泥焼却灰等の焼成物であり、これらの利用は、セメントそのもののコストを低減し、また資源の有効利用の観点から好ましい。

    【0017】水硬性組成物に用いられる石膏の形態は、
    とくに限定するものではなく、二水石膏、α型・β型半水石膏、III型無水石膏、II型無水石膏などが各々単独で、あるいは併用することができる。 また、石膏の配合量もとくに限定するものではないが、水硬性組成物中のAl 23に対し、モル比で0.4〜3.0、好ましくは0.5〜2.0がよい。 なお、セメント原料によっては、水硬性組成物中に石膏が共存する場合も考えられるが、この場合は先のSO 3 /Al 23モル比になるように選択する。

    【0018】本発明の第2において、上記の水硬性組成物は、セメントの一部または全てとするが、一部とする場合は、普通ポルトランドセメントや早強セメント、高塩基性カルシウムクロロシリケート(例えばアリナイト、ベリナイト)、カルシウムフルオロアルミネート(C 117 CaF 2 )、アーウィン(C 33 CaSO 4
    あるいはその他のセメントと混合して用いる。 この場合、水硬性組成物の混合比率は、少なくとも30重量%
    以上がよく、好ましくは50重量%以上である。 30重量%以上の配合により、先に説明した水硬性組成物の特徴が十分に発揮される。

    【0019】本発明の第2における水硬性組成物は、J
    IS R5201に基づく凝結時間は、始発で概ね10
    〜40分、終結で概ね30〜60分である。 これに対して普通ポルトランドセメントの始発時間は、概ね120
    〜200分、終結時間は概ね240〜360分である。
    このように、本発明の第2における水硬性組成物の硬化時間は、普通ポルトランドセメントに対しては圧倒的に短く、ジェットセメントとほぼ同等かあるいはやや遅い程度である。 したがって、上記水硬性組成物を含むスラリー組成物の終結時間は短縮化しやすく、本発明に適用する連続流し込み成形のように、生産性の極大化を追求し、短時間のうちに硬化反応を進行させ板材化するという生産プロセスでは、極めて好適な水硬性材料と言える。

    【0020】本発明の第2におけるスラリー組成物は、
    その他の添加材(剤)を含むことができるが、具体的には上記で説明した通りである。 また水の添加量も適宜選択されるが、スラリー組成物の終結時間がJIS R5
    201に基づくビガー針試験において200分以内に制御されるべきことは上記に説明したとおりである。

    【0021】本発明の第1および第2において、スラリー組成物には気泡が混入され、この混入体が硬化される。 スラリー組成物への気泡の混入方法は、とくに制限されないが、ALCの製造法のようにアルミニウム粉を添加して、化学反応によってスラリー組成物内で気泡を形成する方法や、界面活性剤および/または蛋白質系起泡剤を含む水溶液を起泡して形成される含泡液をスラリー組成物に混入する方法や、あるいは起泡剤をスラリー組成物に混合・撹拌する方法等が挙げられる。 なお、ここでアルミニウム発泡を採用する場合には、セメントの硬化速度に合わせて発泡を完了させる必要がある。 すなわち、セメントの硬化反応が進行している過程で、なお発泡が続く場合には、泡がスラリー中で移動できなくなり、結果として硬化体内部に構造的欠陥をもたらしたり、極端な場合には硬化体を爆裂させる原因となるからである。 このような観点から、発泡方法は、発泡のコントロールを行いやすい界面活性剤/蛋白質系起泡剤等による方法が好ましい。 ここで発泡剤として使用する界面活性剤は、とくに限定されないが、例えばマレイン化樹脂系、高級アルコール硫酸塩系、コハク酸カリウム塩系、アルキルアリルスルフォン酸塩系などがあげられる。 また蛋白質系起泡剤も同様にとくに限定されないが、例えばゼラチン、カゼインなどから選択することができる。 これらはポリビニルアルコールなどの気泡安定剤と混合したものを水に10〜100倍に希釈して使用する。

    【0022】本発明の気泡混入無機質硬化体は、マトリックス中にセメント水和物を含有したものであるが、C
    SHやトバモライトなどの珪酸カルシウム化合物を含有していてもよい。 これらのマトリックス相は、目的とする製品の性能やコスト等に応じて適宜選択する。

    【0023】次に本発明の気泡混入無機質硬化体の製造方法について説明する。 本発明の第3は、気泡の健全性維持、あるいは生産性の観点から連続流し込み成形法を採用するものである。 連続流し込み成形法とは、スラリー組成物を移動している所望の形状の成形型枠に流し込んだ後に硬化させる方法である。 すなわち、窯業系サイディング材の製造法として現在主流となっているプレス成形法や押し出し成形法では、原材料を板状化する際に圧をかけて成形するため、気泡を混入した場合には、
    大部分は破泡あるいは消泡してしまう。 このため、緻密化が生じてしまい、軽量化を図ることは困難となってしまう。 これに対して連続流し込み成形は、コンベア等によって移動する成形型枠に連続的に気泡が混入したスラリー組成物を供給し、何等圧力を加えない状況下で硬化させるので、破泡は生じにくい。 このような観点から、
    本発明の第3は、製造方法として連続流し込み成形を採用するが、この時、気泡が混入したスラリー組成物はコンベア等により移動する成形型枠に連続的に流し込まれ、成形される。 この事によって、生産性を最大限に高めることができ、製品を安価に供給することが可能となるのである。

    【0024】また、本発明の第4は、前記の連続流し込み成形法において、スラリー組成物が加温に施されて硬化するものである。 このとき、スラリー組成物の加温は、気泡が混入されている状態でも、あるいは混入されていない状態のいずれでもよい。 スラリー組成物の加温は、スラリー組成物に配合される水を加温する方法や、
    あるいはスラリー組成物を例えばコンベア上で加温処理する方法等の手段を採用できる。 また両方法は併用することもできる。 加温によって、セメントの硬化反応を早めることができるので、小径気泡や生産性向上の面から好ましい。 ただし、あまりにも高い温度に設定すると、
    混入した気泡が熱膨張し、所望の気泡を硬化体内に介在させることができなくなるだけでなく、硬化体のひび割れあるいは膨れといった原因となるので100℃を超える温度設定は好ましくない。 具体的には、スラリー組成物が25〜90℃、好ましくは40℃〜80℃に加温されているのがよい。

    【0025】硬化が終了し、ハンドリングできる状態に達したら、該硬化体は、養生工程に移行する。 なお、養生工程は、すでによく知られている湿潤養生、蒸気養生、加温養生、オートクレーブ養生(高温、高圧、低温、低圧)といった手法を用いる。

    【0026】

    【実施例】次に本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。 実施例1〜10および比較例1
    〜4においては、実験室にてハンドミキサーによる試作を行った。 まず、所定の種類のセメント、フィラー材および水を2リットルのポリ容器に投入し、さらにプレフォーム法によって所定の界面活性剤を起泡して形成された気泡を添加し、ハンドミキサーにて撹拌してスラリー組成物を得た。 このスラリー組成物を30cm×30c
    m×1.5cmの樹脂製型枠に流し込み成形した。 型枠にて3時間養生を行った後、さらにオートクレーブにて140℃、3時間、あるいは180℃、6時間養生をすることで試作した。

    【0027】また実施例11〜18、比較例5および8
    〜10では、石膏ボードの製造ラインを利用して連続流し込み成形法で試作し、比較例6、7は珪酸カルシウム系建材の製造ラインを利用してプレス成形にて試作を行った。 まずスラリー組成物は、所定の種類のセメント、
    フィラー材および水を連続ミキサーへ投入し、さらにプレフォーム法によって所定の界面活性剤を起泡して形成された気泡を添加し混練することで得た。 連続流し込み成形法の場合、コンベアである成形ライン上に離型剤を塗布した樹脂製の成形型枠を載置し、スラリー組成物をこの型枠内に流し込み成形した。 またプレス成形法の場合、型枠に流し込んだ後、10kgf/cm 2の圧力で1分間保持してプレス成形を行った。 得られた硬化体は、成形型枠中にて1時間〜3時間載置したまま養生し、さらに樹脂製型枠から脱型後、オートクレーブにて140℃、3時間あるいは180℃、6時間養生することで試作した。

    【0028】以下の実施例および比較例で示された各種特性の測定法を以下に記す。 (1) 硬化時間 上記方法にて得られたスラリー組成物について、JIS
    R5201に基づくビガー装置を用いた貫入試験を行い、ビガー針の貫入度が、スラリー上面から1mmの時点で時間を終結時間とした。 (2) 気泡直径および気孔容積の測定 試作された気泡混入無機質硬化体の2cm×2cm×
    1.5cmの試験体を用意し、切断面を電子顕微鏡にて観察・写真をとり、池上通信機(株)製 LUZEXII
    I画像解析処理装置を用いて測定した。 (3) 曲げ強度試験 試作された気泡混入無機質硬化体の縦5cm×横20c
    m×厚さ1.5cmの試験体を用意し、インストロン万能試験機を用いて3点曲げにて載荷し、支点間距離18
    cm、載荷速度1mm/分で測定した。

    【0029】まず、表1に本発明で好ましく使用される特定の水硬性組成物について、その原料と鉱物組成を示す。

    【0030】

    【表1】

    【0031】なお、使用した原材料は次のようなものである。 ・セメント:水硬性組成物(表1参照)、市販ポルトランドセメント(秩父小野田(株)製)、市販早強セメント(秩父小野田(株)製)、市販ジェットセメント(秩父小野田(株)製) ・水:水道水 ・減水剤:ナフタレンスルホン酸系減水剤 ・急結剤:アルカリ金属炭酸塩系 ・消石灰:工業用消石灰(古手川産業(株)製) ・ケイ石:工業用ケイ石 ・フライアッシュ ・メチルセルロース:ハイメトローズ(信越化学(株)
    製) ・ガラス繊維:耐アルカリガラス12mmチョップドストランド ・泡剤:D3Dエマール(花王(株)製)

    【0032】 実施例1〜10および比較例1〜4実施例1〜4は、本発明の気泡混入無機質硬化体である。 またその比較例として、比較例1〜4にポルトランドセメントおよび早強セメントを使用したものについて併記する。 実施例1、2の硬化体は、セメント40重量部、急結剤0.5重量部、フィラー材としてフライアッシュ55重量部、ガラス繊維0.5重量部、メチルセルロース0.1重量部をそれぞれ予備混合した後、さらに50重量部の水および0.5重量部の減水剤と混練しスラリー組成物を得た。 このスラリー組成物に、目標比重となるよう泡末(D3Dエマール1重量%水溶液から予め発泡させたもの)を加えた後、所定サイズの型枠に流し込み成形硬化させた。 硬化後、オートクレーブにて1
    40℃、3時間養生を行い試作した。 実施例3、5〜7
    および比較例1、2の硬化体は、急結剤を添加しない以外は実施例1、2同様の配合・製造方法で試作を行った。 また実施例4、8〜10および比較例3、4の硬化体は、セメント30重量部、珪石55重量部、消石灰1
    5重量部を予備混合した後、実施例1〜3同様の方法にて流し込み成形し硬化させた。 硬化後オートクレーブにて180℃、6時間養生を行い試作した。 各試験例で得られた硬化体は各試験用に切断した。 結果を表2に示す。

    【0033】

    【表2】

    【0034】表2の結果からわかるように、実施例1、
    2はポルトランドセメント、早強セメントに急結剤を使用して硬化時間を短縮した例である。 これらを含むスラリー組成物の終結時間は200分以内であり、この結果混入された気泡を制御し、20〜100μmの気泡を5
    0%以上含有した気泡混入無機質硬化体を試作することができた。 また実施例3、4はポルトランドセメント、
    早強セメントを微粉砕して、反応性を高めて硬化時間を短縮した例であるが、実施例1、2同様、終結時間が2
    00分以内であり、この結果実施例1、2同様、混入された気泡を制御し、20〜100μmの気泡を50%以上含有した気泡混入無機質硬化体を試作することができた。 実施例5〜10は本発明で好適な水硬性組成物を使用した例であるが、スラリー組成物の終結時間は全て6
    0分以内であり、実施例1〜4に比べ短時間で硬化することから、混入された気泡を容易に制御し、20〜10
    0μmの気泡を60%以上含有している気泡無機質混入硬化体を試作することができた。 これらに比べ、市販のポルトランドセメントあるいは早強セメントを使用した比較例1〜4では、終結時間が200分を超えており、
    混入した気泡を制御することができず、20〜100μ
    mの直径の気孔容積が50%未満であることが確認された。 また20〜100μmの気泡含有量を50%以上である実施例1〜10は、比較例1〜4よりも高強度であることが確認できた。

    【0035】 実施例11〜14および比較例5〜7実施例11〜14に本発明で好適な水硬性組成物を使用して連続流し込み成形法によって製造した本発明の気泡混入無機質硬化体を示す。 その比較として、比較例5〜
    7に早強セメント、本発明で好適な水硬性組成物を使用し、連続流し込み成形によって製造したものを併記する。 実施例11、12および比較例5の硬化体は、実施例3同様セメント40重量部、フィラー材としてフライアッシュ55重量部、ガラス繊維0.5重量部、メチルセルロース0.1重量部をそれぞれ予備混合した後、さらに50重量部の水および0.5重量部の減水剤と混練しスラリー組成物を得た。 このスラリー組成物を先に記したように連続流し込み成形により、コンベア上に型枠にて成形硬化させた後、オートクレーブ140℃、3時間養生を行い製造した。 また実施例13、14の硬化体は、セメント30重量部、珪石55重量部、消石灰15
    重量部を予備混合した後、実施例11同様にコンベア上の型枠に流し込み成形硬化させた後、オートクレーブにて180℃、6時間養生を行い製造した。 比較例6、7
    の硬化体は、実施例11同様の配合条件でスラリー組成物を作製し、所望の型枠に流し込み、先に記したプレス成形法に準じて製造を行った。 各試験例で得られた硬化体は各試験用に切断した。 結果を表3に示す。

    【0036】

    【表3】

    【0037】表3からわかるように、実施例11〜14
    は、本発明で好適な水硬性組成物を使用し、連続流し込み成形法で製造したものである。 これらは実験室で試作したもの同様、スラリー組成物の終結時間が60分以内で硬化し、20〜100μmの気泡を50%以上含有しており、同様の方法で早強セメントを使用して製造した比較例5よりも高強度であることが確認できた。 また比較例6、7は、早強セメント、本発明で好適な水硬性組成物を使用して、プレス成形法にて製造したものであるが、スラリーのプレスによって気泡がつぶれ消泡してしまい、軽量化を図ることができなかった。

    【0038】 実施例15〜18実施例15〜18に本発明で好適な水硬性組成物を使用し、さらに温水あるいはコンベア上にて加温し、連続流し込み成形を用いて得られる気泡混入無機質硬化体を示す。 各試験例の硬化体は、セメント30重量部、珪石5
    5重量部、消石灰15重量部を予備混合し、さらに1重量部の減水剤を加えた50重量部の水(温水:45℃)
    で混練した(混練後スラリー温度は34℃であった)
    後、目的とする比重となるように泡末(D3Dエマール1重量%水溶液で予め起泡させたもの)をさらに加え、
    先に記したように連続流し込み成形により、コンベア上の型枠にて流し込み成形を行った。 成形後コンベア上にてさらに加熱を行い、スラリーの硬化を促進させた。 硬化後オートクレーブにて180℃、6時間で養生し製造を行った。 結果を表4に示す

    【0039】

    【表4】

    【0040】表4の結果からわかるように、実施例15
    〜18では加温による凝結促進効果により、スラリー組成物の終結時間が短縮されていることがわかる。 また、
    硬化時間の短縮により、硬化相が気泡の成長を抑制する事ができたため、20〜100μmの気泡を50%以上含む硬化体を製造することが可能となった。

    【0041】

    【発明の効果】本発明によれば、強度特性、表面平滑性に優れ、低コストで製造することができ、しかも所望の軽量化を達成することのできる気泡混入無機質硬化体およびその製造方法が提供される。

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