Fluidity decline-preventive dispersant for cement composition

申请号 JP35398192 申请日 1992-12-15 公开(公告)号 JPH06183804A 公开(公告)日 1994-07-05
申请人 Nippon Paper Ind Co Ltd; 日本製紙株式会社; 发明人 ISHITOKU HIDEAKI; MORIMOTO TAKATOSHI; KAWAMURA MASANOBU; NAKAMOTO TOMOFUMI;
摘要 PURPOSE: To provide a dispersant for cement capable of substantially reducing slump loss, consisting mainly of bisphenol-based condensates which can gradually be adsorbed on cement particles.
CONSTITUTION: The dispersant consists mainly of bisphenols-aromatic aminosulfonic acid-formaldehyde condensates (component(s) with molecular weight of 2000-20000 accounting for ≥65wt.% thereof ≤0.97 in the adsorption ratio in a cement-water slurry (comparing the adsorption after a lapse of 10min with that after a lapse of 30 min). To obtain this condensate, (A) bisphenols, (B) an aromatic aminosulfonic acid, (C) formalin and (D) an alkali are made to react at the molar ratio A/B/C/D of 0.5:(1.1 to 1.5):(1.0 to 2.0):(0.9 to 2.1) in an aqueous state at 75-85°C for 10-15hr; and the resulting condensates are treated with a ultrafiltration membrane with the fractionating molecular weight of 100000 to eliminate higher molecular weight components).
COPYRIGHT: (C)1994,JPO&Japio
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 セメント−水スラリー中での吸着率比(経過時間10分後と30分後との比)が0.97以下であるビスフェノール類・芳香族アミノスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分とするセメント組成物流動性低下防止型分散剤。
  • 【請求項2】 縮合物の分子量2000〜20000 の範囲が65
    wt%以上である請求項1記載のセメント組成物流動性低下防止型分散剤。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、高い分散性(スランプ)保持性能を有するセメント組成物用分散剤に関するものであり、土木、建築分野で有効に利用されるものである。 また、本発明は、石炭−スラリー用、石膏用、
    炭酸カルシウム用、染料用及び水溶性塗料用の用途にも応用が可能である。

    【0002】

    【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
    コンクリートの性状において、コンクリートのスランプの経時的な低下(スランプロス)が問題視されている。
    スランプロスの向上に関しては、工事現場で投与してコンクリートの再分散をはかる流動化剤が用いられているが、工事現場でのミキサー車の騒音等が問題となっている。 このため、各分散剤メーカーによって、工事現場での添加を必要とせず、生コン工場で添加可能な分散剤の開発が進められてきた。

    【0003】上記のようなセメント組成物用分散剤の組成としては、一般的なセメント分散剤であるナフタレンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物(以後略してNS
    F)あるいはメラミンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物と他の物質とを併用するものが提案されている。 併用する物質としては、グルコン酸(特公昭61-27344号公報)、オレフィンとエチレン性不飽和ジカルボン酸又はエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物の共重合物(特公昭63-5346 号公報)、オキシカルボン酸(特開平2-7454
    7 号公報)又はカルボン酸含有水溶性ビニル共重合物(特開平3-28149号公報)などが提案されている。

    【0004】上記の分散剤は、分散性は良好であるがスランプロスに欠点をもつNSFあるいはメラミンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物の性能を補う形で、スランプロスを改善する他の物質を併用したものである。

    【0005】しかしながら、これらの分散剤は、スランプロス性能は改善されるものの、NSFあるいはメラミンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物がもつ長所すなわち低空気連行性を阻害したり、凝結遅延を引き起こすといった欠点があった。

    【0006】これらの欠点を克服するため、NSFあるいはメラミンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物とビスフェノール類・芳香族アミノスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物(ビスフェノール系縮合物)とを併用する分散剤が提案されている(特願平4-40161 号)。 この分散剤は、NSFあるいはメラミンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物の持つ長所を阻害することなくスランプロス性能を向上するものであるが、スランプロス性能の改善に関してはまだ不十分でありより一層の改善が望まれていた。

    【0007】そこで、本発明者らは、種々検討の結果、
    セメント粒子に徐々に吸着が進行するビスフェノール系縮合物を併用することによってスランプロス性能を大幅に改善できることを見いだし、本発明に達した。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、セメント粒子への吸着が徐々に進行する、即ち吸着率(吸着の進行の程度を表す指標)が時間の経過に対して徐々に増加するようなセメント組成物用分散剤に関するものであり、分散開始10分後と30分後との比(吸着率測定試験例参照)である吸着率比が0.97以下のセメント組成物用分散剤に関するものである。

    【0009】本発明を満足する縮合物は、従来のビスフェノール系縮合物の反応条件を最適に調整することにより高分子化を抑え、さらに限外濾過膜によって高分子成分を除去することにより得ることができる。

    【0010】本発明のセメント組成物用分散剤の製法について以下に示す。 本発明の分散剤の主成分であるビスフェノール系縮合物は、次の手順1及び2によって得ることができる。

    【0011】手順1 (a) ビスフェノール類(モル量) (b) 芳香族アミノスルホン酸(モル量) (c) ホルムアルデヒド水溶液(モル量) (d) アルカリ(モル当量) をその比 (a):(b):(c):(d)=0.5:1.1 〜1.5:1.0 〜2.0:
    0.9 〜2.1 とし、水性条件下で加熱(75〜85℃,10〜15
    時間)し、反応させて、縮合物を得る。 反応モル比は、
    ビスフェノール類に対する芳香族アミノスルホン酸の量を多くしたものであり、これにより低分子成分の多い縮合物を得ることができる。

    【0012】手順1における注意点を挙げると、以下の通りである。 反応は上記の反応モル比で行うことが必要であり、
    これを外れるとスランプロスが悪化する。 ビスフェノール類については、フェノール類、例えばフェノール、フェノールスルホン酸、フェノールカルボン酸等との併用も可能である。 このようなベンゼン骨格を1つしか持たない化合物を用いる場合、ビスフェノール類の反応モル比の2倍量のモル比で用いる必要がある。 用いる芳香族アミノスルホン酸としては、アミノベンゼンスルホン酸、アミノメチルベンゼンスルホン酸、
    アミノナフタレンスルホン酸などが挙げられる。 なお、
    アミノナフタレンスルホン酸を用いた場合、アミノベンゼンスルホン酸と比べ分子が大きいため、立体障害が大きくなり、縮合反応の際に高分子化が進みにくくなり、
    低分子成分を多く有する縮合物となる。 アルカリの量は、上記のモル当量を外れると、縮合物の高分子化や、残モノマー(未反応の芳香族アミノスルホン酸)の量の急激な増加を招く等、減水性及びスランプロス等の諸性能の悪化を招く。

    【0013】手順2 次に、手順1で得られた縮合物を分画分子量10万の限外濾過膜で処理を行う。 この処理によって得られた透過液は、反応によって得られた縮合物の高分子成分を更に除去した低分子成分に富む縮合物である。

    【0014】上記の手順1及び2によって、本発明の分散剤の主成分である吸着率比0.97以下の縮合物を得ることができる。 得られる縮合物は、特願平4-40161 号等の先願に記載されていない新規なものであり、従来にない性能(スランプロス改善)を有する。

    【0015】また、本発明のセメント組成物流動性低下防止型分散剤は、吸着率比0.97以下の縮合物と他の一般に用いられている分散剤とを混合、即ち併用することで得ることができる。 なお、併用する分散剤としては、N
    SF、メラミンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物、
    フェノール・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボン酸等の分散剤が考えられる。
    併用する分散剤と吸着率比0.97以下の縮合物との割合は、固形分比で8:2から2:8であることが望ましい。 吸着率比0.97以下の縮合物の割合を20wt%未満とするとスランプロスを防止する効果が低下し、80wt%以上とすると空気連行性が高くなるため好ましくない。

    【0016】また、本発明の分散剤は、凝結遅延剤、防水剤、シリカヒューム、石粉等との併用も可能である。
    セメントの0.01〜2.0 wt%好ましくは 0.1〜0.5 wt%の割合で使用される。 配合量が少なすぎると期待した効果は得られない。 多すぎるとセメントが過度に分散し、分離現象を引き起こし好ましくない。

    【0017】本発明に用いるセメントは、普通ポルトランドセメント、早強セメント、超早強セメント、高炉セメント、中庸熱セメント、フライアッシュセメント、耐硫酸塩セメントなどが用いられる。

    【0018】

    【作用】本発明のセメント組成物流動性低下防止型分散剤の主剤である縮合物(手順の1及び2によって調製した縮合物)は、セメント粒子への吸着速度が従来のビスフェノール系縮合物に比べて遅いものであることがわかった。 即ち、水−セメント比が 0.6であるセメント−水スラリーにおいて、セメント粒子に対する吸着率を測定すると、従来のビスフェノール系縮合物の場合、吸着率が時間の経過に対してすぐに吸着平衡(吸着率が一定値となる)に達し、吸着の進行が終了してしまうのに対して、本発明の縮合物は時間の経過につれて吸着率が徐々に変化し、次第にその値が増加していくものである。

    【0019】また、縮合物の吸着率の経過時間10分後と
    30分後との比を算出してみると、従来のビスフェノール系縮合物の吸着率が全て0.97よりも大なる値をとるのに対して、本発明の縮合物は全て0.97以下となっており、
    本発明の請求項1で示した吸着率0.97以下という条件がセメント組成物のスランプロスを従来のものに対して著しく改善するものである。

    【0020】セメント粒子への吸着速度が遅いものほどスランプロス改善に優れる理由については、次のように考える。 吸着速度が早い分散剤は、時間の経過に対しセメント粒子に吸着可能な成分がごく初期のうちに吸着してしまうために、初期分散性能が時間の経過と共にすぐに劣化してしまう。 これに対して、吸着速度が遅い分散剤は、吸着可能な成分が一度に吸着するのではなく長時間にわたって徐々にセメント粒子に吸着していくため、
    常にセメント粒子に分散効果を有する分散剤が供給され、スランプロスを防止するものと思われる。

    【0021】また、分子量2000〜20000 の成分を65wt%
    以上含むものが特にセメント組成物のスランプロスの改善に効果を有する。 本発明の縮合物は、従来のビスフェノール系縮合物に比べて、低分子成分を多く有するものであるが、これがスランプロスに寄与する理由については、次のように考える。 セメント粒子への分散剤の吸着速度は、縮合物の低分子成分の方が高分子成分よりも1
    分子あたりの吸着可能なセグメントの数が少ないため、
    吸着速度が遅くなる。 このようなことから、本発明の縮合物はセメント粒子への吸着が時間の経過につれて徐々に進行するため、結果としてスランプロスを改善するものと思われる。

    【0022】

    【実施例】以下、本発明を実施例にしたがって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。 なお、実施例中、配合量を示す「部」は重量部を示す。

    【0023】(実施例1)攪拌装置、還流装置、ホルムアルデヒド水溶液滴下装置及び温度コントローラーのついた反応器に下記の物質を所定量仕込んだ。 ・4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン 0.5 モル[125.2 部] ・4−アミノベンゼンスルホン酸 1.3 モル[225.2 部] ・水酸化ナトリウム 1.4 モル[56.0部] ・水 [800 部]

    【0024】この固液混合物を80℃に加温後、ホルムアルデヒド 1.7モル(37%ホルムアルデヒド水溶液137.8
    部)を1時間で滴下し、その後80℃で13時間反応させて縮合物水溶液を得た。 更に、この縮合物を限外濾過膜(NTU−35100:日東電気工業(株)製の商品名)を用いて濾過して、本発明のセメント組成物流動性低下防止型分散剤の主剤である吸着率比0.97以下の縮合物を得た。

    【0025】(実施例2〜4)実施例1で使用した4,4'
    −ジヒドロキシジフェニルスルホン及び4−アミノベンゼンスルホン酸にかえて表1に示した物質を各々使用し、実施例1で使用した4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−アミノベンゼンスルホン酸、ホルムアルデヒド及び水酸化ナトリウムの各モル数を、表1に示したモル数に変え、また、反応温度及び反応時間を表1に示すように変更する以外は実施例1とまったく同様にして、本発明のセメント組成物流動性低下防止型分散剤の主剤である吸着率比0.97以下の縮合物を得た。

    【0026】

    【表1】

    【0027】(比較例1)特開平3-141142号公報に記載の製造法に従い、攪拌装置、還流装置、ホルムアルデヒド水溶液滴下装置及び温度コントローラーのついた反応器に下記の物質を所定量仕込んだ。 ・4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン 0.5 モル[125.2 部] ・4−アミノベンゼンスルホン酸 1.0 モル[173.2 部] ・水酸化ナトリウム 1.1 モル[44.0部] ・水 [800 部]

    【0028】この固液混合物を90℃に加温後、ホルムアルデヒド 1.8モル(37%ホルムアルデヒド水溶液 145.9
    部)を1時間で滴下し、その後90℃で15時間反応させて縮合物水溶液を得た。

    【0029】(吸着率測定試験例) (1) ビーカーに濃度が、添加濃度 0.3wt%(対セメント重量)となるように実施例1の縮合物を添加し、これに水−セメント比(W/C)が 0.6となるように水を加える。 (2) ビーカーに普通ポルトランドセメントを添加して、
    2分間攪拌し、縮合物をセメントに吸着させた後、濾過を行い、濾液を採取する。 (3) 攪拌時間をそれぞれ5,10,15,30分とし、 (1)〜
    (2) の操作を繰り返す。 (4) 得られた各々の濾液中に残存する縮合物の濃度をU
    V分光光度計で測定する。 (5) 実施例2〜4の縮合物、比較例1の縮合物及びNS
    Fについても、同様に(1)〜(2) の操作を繰り返す。 (6) 縮合物の吸着の進行の程度を示す指標として、吸着率を以下の様に定義する。

    【0030】

    なお、添加した縮合物がすべてセメント粒子に吸着したと仮定すれば、吸着率は1となる。

    【0031】吸着率測定結果を図1に吸着率と経過時間との関係で示し、また吸着率の経過時間10分と30分との比を表2に示している。 また、これらの図表には比較のため、比較例1の縮合物及びNSFの結果も示している。

    【0032】

    【表2】

    【0033】図1によると、比較例1の縮合物及びNS
    Fが吸着速度が速くすぐに吸着平衡に達するのに対して、本発明の実施例1〜4の縮合物の場合、時間の経過に対して徐々にセメントへの吸着が進行していることがわかる。 また、表2によると、比較例1の縮合物及びN
    SFの吸着率の経過時間10分と30分との比が0.97よりも大であるのに対して、本発明の縮合物の場合のそれは0.
    97以下であることがわかる。

    【0034】本発明のセメント組成物流動性低下防止型分散剤の主剤である縮合物は、このように吸着の進行が他のセメント組成物用分散剤に比べて遅く、時間の経過につれて徐々に進行するため、スランプロスを大幅に改善できる。

    【0035】(分子量測定例)本発明の実施例1〜4の縮合物及び比較例1の縮合物の分子量分布をゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測定した結果を表2中に示す。

    【0036】(コンクリート試験例)本発明の実施例1
    〜4の縮合物とNSFとを併用した場合と、比較例1の縮合物とNSFとを併用した場合及びNSFのみの場合とでコンクリートのスランプロス(分散持続性)を比較した。

    【0037】配合を表3に示す。 コンクリートは、セメント、骨剤及び水又は、縮合物を含む水を 100リットル可搬傾胴式ミキサーにて3分間混練し、直後,60, 120
    分後にスランプを測定した。 コンクリートのスランプ及び空気量の測定は、JISに準拠して行った。

    【0038】

    【表3】

    * Cセメント:普通ポルトランドセメント 比重3.16 W 水:水道水 S 細骨剤:鹿島産川砂 比重2.61 FM2.62 G 粗骨剤:山口産砕石 比重2.67 FM6.86

    【0039】測定結果は、表4の通りであるが、本発明のセメント組成物流動性低下防止型分散剤の主剤である吸着率比0.97以下の縮合物をNSFと併用したものは、
    本発明の縮合物を用いない場合に比べ優れた分散持続性能を有していることを示している。

    【0040】

    【表4】

    【0041】実施例1から4の縮合物をナフタレンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物(NSF)と併用して用いた場合、比較例1の縮合物とNSFを併用した場合及びNSF単独の場合に比べて、60分, 120分後のスランプがあまり低下しておらず、本発明の縮合物がスランプロスの低減に優れた効果を示すことがわかる。

    【0042】

    【発明の効果】本発明のセメント組成物流動性低下防止型分散剤の主剤である吸着率比0.97以下の縮合物を他の一般的なセメント組成物用分散剤と併用して用いることにより、セメント粒子への分散剤の吸着を経時に対して徐々に行わせることができ、コンリートのスランプロスを大幅に改善することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】実施例で測定した吸着率の結果を経過時間に対して示す実測図である。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中本 奉文 山口県岩国市飯田町二丁目8番1号 山陽 国策パルプ株式会社生産技術研究所内

    QQ群二维码
    意见反馈