Production of glazed cement product

申请号 JP13881792 申请日 1992-05-29 公开(公告)号 JPH05330949A 公开(公告)日 1993-12-14
申请人 Natl House Ind Co Ltd; ナショナル住宅産業株式会社; 发明人 KITAGAWA SATOSHI; TORII MASAYOSHI; YOSHIZAWA TAKAHIRO;
摘要 PURPOSE:To produce a glazed cement product having excellent quality and performance while preventing the generation of intrusion and peeling on the glazed surface by forming a glazing layer on the surface of a formed cement product, baking the glazing and rehydrating and curing the cement product. CONSTITUTION:The glazed cement product is composed of a glazing constituting a glazing layer 20 and a formed cement product 10 and satisfies the following formula. 0.7
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 セメント成形体の表面に釉薬層を形成し、これを焼成した後、セメント成形体を再水和養生して、表面に釉面を備えたセメント製品を製造する方法において、釉薬およびセメント成形体として、下式を満足するものを組み合わせて用いることを特徴とする施釉セメント製品の製造方法。 0.7≦(α 1 −α 2 )×Δt/β≦1.3 …(1) α 1 :釉薬の熱膨張係数 α 2 :セメント成形体の熱膨張係数 Δt:焼成後の降下温度 β :セメント成形体の再水和時の吸水膨張率
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】この発明は、施釉セメント製品の製造方法に関し、詳しくは、建築物の内装面などに利用されるコンクリートパネルなどのセメント製品であって、その表面にガラス質の釉面を備えた施釉セメント製品を製造する方法に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】施釉セメント製品は、コンクリートパネルなどのセメント製品の表面に、陶磁器の表面のようなガラス質の釉面を形成したものであり、従来のセメント製品に比べて、非常に美しく滑らかな外観を備えている。 また、汚れ難く、傷も付き難いという利点も備えており、各種建築物の内装仕上げ面あるいは外装仕上げ面に利用されるようになってきている。

    【0003】施釉セメント製品を製造するには、まず、
    セメントに砂やその他の材料を混ぜ、これを所定の形状に成形して、セメント成形体を作る。 このセメント成形体表面に、陶磁器の製造などで用いられているような釉薬をかける。 この作業を、施釉と呼ぶ。 施釉の具体的作業としては、液体状の釉薬を、塗装などで用いられるスプレーガンを用いて、セメント成形体の表面に塗布して、所定の厚みの釉薬層を形成する。 この釉薬層が形成されたセメント成形体を焼成すれば、前記したようなガラス質の釉面を備えたセメント製品が得られる。

    【0004】釉薬層を焼成して釉面を形成したときに、
    釉面に細かいひび割れ、いわゆる貫入が生じることがある。 これは、焼成後に、焼成された釉薬層すなわち釉面とセメント成形体が冷却する過程で、両者の熱収縮量の違いから、釉面に過大な応が発生して破壊を生じることによる。 釉面とセメント成形体の熱収縮量が全く同じになるようにしておけば、上記のような問題は生じない。 そこで、熱膨張係数が全く同じ釉薬とセメント成形体を組み合わせて用いればよいのであるが、そのような組み合わせの材料を選択するのは非常に難しく、また、
    そのような組み合わせの材料があったとしても、釉薬およびセメント成形体の両方が、施釉セメント製品として必要な品質性能が発揮できる優れた特性を備えてものである可能性は極めて少ない。

    【0005】硬いガラス質からなる釉面に貫入が発生するのは、主に引張応力によるので、釉面とセメント成形体の焼成後の熱収縮量に違いがあっても、冷却後に釉面側に圧縮応力が生じるようにしておけば、釉面の貫入は起こり難くなる。 そこで、従来は、セメント成形体よりも熱膨張係数の小さな釉薬を用いるという方法が採用されていた。 セメント成形体よりも熱膨張係数の小さな釉薬は、豊富に存在しており、このような釉薬の中から、
    施釉セメント製品の要求性能に合わせて、適当な釉薬を選択することは比較的容易である。

    【0006】一方、前記のような施釉セメント製品の製造方法では、釉薬層を焼成する際に、セメント成形体が加熱されることによって、セメント成形体の水和硬化状態が損なわれ、セメント製品の強度が1/3程度にも低下するという現象がある。 この強度低下を回復させるために、再水和養生処理を行うことが提案されている。 すなわち、釉薬の焼成工程の後で、セメント成形体を高湿環境で一定期間保持しておいて、水和硬化を十分に行わせることにより、施釉セメント製品の強度を向上させ得るのである。

    【0007】

    【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のように、セメント成形体よりも熱膨張係数の小さな釉薬を用いても、釉面の貫入を確実に防ぐことは出来なかった。
    特に、釉薬層の焼成を行った後に、セメント成形体の再水和養生処理を行った場合に、釉面の貫入がひどくなるという問題があった。

    【0008】これは、セメント成形体の再水和養生処理を行うと、この過程でセメント成形体が膨張変形を起こし、セメント成形体と釉面との間に過大な応力が発生するようになるのであると考えられる。 また、前記した焼成工程において、釉面側に圧縮応力を生じさせておく場合、圧縮応力が大きくなり過ぎると、釉面の剥離を生じるという問題もあった。

    【0009】そこで、この発明の課題は、前記した施釉セメント製品の製造方法において、釉面の貫入や剥離を確実に防止して、品質性能に優れた施釉セメント製品が得られる方法を提供することにある。

    【0010】

    【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、この発明にかかる施釉セメント製品の製造方法は、セメント成形体の表面に釉薬層を形成し、これを焼成した後、
    セメント成形体を再水和養生して、表面に釉面を備えたセメント製品を製造する方法において、釉薬とセメント成形体として、下式を満足するものを組み合わせて用いることを特徴とする施釉セメント製品の製造方法。

    【0011】 0.7≦(α 1 −α 2 )×Δt/β≦1.3 …(1) α 1 :釉薬の熱膨張係数 α 2 :セメント成形体の熱膨張係数 Δt:焼成後の降下温度 β :セメント成形体の再水和時の吸水膨張率 セメント成形体の材料や形状あるいは製造方法は、従来の通常のセメント製品と同様でよい。 セメント成形体の材料の組み合わせや製造条件によって、熱膨張係数や再水和時の吸水膨張率は変わってくる。 但し、一般的なセメント成形体では、熱膨張係数が、約8×10 -6 /℃程度になり、再水和時の吸水膨張率は、1000×10
    -6程度になる。

    【0012】釉薬の材料やセメント成形体への施釉方法は、基本的に、従来の通常の施釉セメント製品と同様でよい。 但し、釉薬の熱膨張係数が、前記(1) 式を満足させることのできるものを用いる。 具体的には、組み合わせるセメント成形体によっても異なるが、通常の条件では、熱膨張係数が、5×10 -6 /℃を超え7×10 -6
    ℃以下程度のものが好ましい。

    【0013】釉薬層が形成されたセメント成形体は、通常の焼成条件で釉薬層を加熱焼成して、ガラス質の硬化した釉面が形成される。 焼成装置や焼成条件は、従来の通常の施釉セメント製品の場合と同様でよい。 焼成温度は、釉薬の種類や厚みその他の条件によって違うが、一般的な条件では、例えば450℃程度に設定しておく。

    【0014】この発明では、釉薬の熱膨張係数α 1 、セメント成形体の熱膨張係数α 2 、焼成後の降下温度Δ
    t、セメント成形体の再水和時の吸水膨張率βが、前記(1)式を満足させるように設定しておく。 ここで、焼成後の降下温度とは、釉薬が焼成時に固化する温度と、
    焼成後に温度が降下して、焼成硬化した釉面およびセメント成形体が冷却した段階の温度すなわち常温との温度差を意味している。

    【0015】(1) 式で、不等号の中央辺の値が、0.7
    よりも小さくなると、釉面の貫入が多くなり、しかも、
    個々の貫入部分が太くなるので、釉面の品質性能が悪くなる。 また、不等号の中央辺の値が、1.3を超えると、貫入は発生しないが、釉面が剥離するという別の問題が生じる。 通常の施釉セメント製品およびその製造条件では、セメント成形体の熱膨張係数α 2 、焼成後の降下温度Δt、セメント成形体の再水和時の吸水膨張率β
    は、あまり大きな違いはないので、釉薬の熱膨張係数α
    1を調整して、(1) 式を満足させるようにする。 すなわち、釉薬として、(1) 式を満足させる熱膨張係数α 1を有する材料を用いるのである。

    【0016】

    【作用】前記した(1) 式を満足させるように、釉薬の熱膨張係数α 1 、セメント成形体の熱膨張係数α 2 、焼成後の降下温度Δt、セメント成形体の再水和時の吸水膨張率βの値を設定しておくことによって、再水和養生工程で、セメント成形体が吸水膨張を起こしても、釉面の貫入および剥離が起こり難くなる。

    【0017】これは、(1) 式の中央辺で、分子(α 1
    α 2 )×Δtが、焼成後に釉面に発生する歪みを表し、
    分母βは、セメント成形体の再水和時の吸水膨張率を表す。 焼成後に釉面に発生する歪みは、釉面を圧縮するように作用し、再水和養生工程におけるセメント成形体の膨張は、釉面を引張るように作用する。 したがって、
    (1) 式の中央辺の値が1に近いほど、焼成後に釉面に発生する圧縮方向の歪みと、再水和養生工程で釉面に発生する引張方向の歪みの大きさが近くなり、最終的に釉面に生じる歪みが小さくなる。 言い換えると、焼成時の圧縮応力と再水和養生工程での引張応力とが相殺されて、
    釉面に作用する応力が低減されるのである。

    【0018】このことから、(1) 式の中央辺の値を、1
    を挟んで一定の範囲内に規定しておけば、釉面に作用する引張あるいは圧縮応力を、一定の限度内に制限することが可能になる。 釉面に作用する応力が、一定の範囲に収まれば、釉面には、引張応力による貫入や、圧縮応力による剥離が生じにくくなり、品質性能の優れた釉面が得られることになる。

    【0019】施釉セメント製品の材料の組み合わせや製造条件が変わっても、前記(1) 式を満足しさえすれば、
    前記したような品質性能の優れた釉面が確実に得られるので、この発明は、様々な施釉セメント製品の製造に広く適用できるものとなる。

    【0020】

    【実施例】ついで、この発明の実施例について、図面を参照しながら以下に説明する。 図1は、施釉セメント製品の製造工程の各段階における応力状態を表している。
    施釉セメント製品は、セメント成形体10と釉面層20
    とで構成される。 セメント成形体10に釉薬を施釉した段階、および、これを焼成するために昇温した段階では、釉薬層に流動性もしくは変形性があるので、セメント成形体10が膨張しても釉薬層との間に過大な応力が発生することはない。

    【0021】釉薬層が焼成硬化された後、この硬化した釉面層20およびセメント成形体10を常温まで冷却する。 そうすると、図1(a) に示すように、セメント成形体10および釉面層20が、矢印方向に収縮することになる。 但し、セメント成形体10の熱膨張係数が、釉面層20すなわち釉薬の熱膨張係数よりも大きくなっている。

    【0022】焼成工程が完了した冷却状態では、図1
    (b) に示すように、釉面層20とセメント成形体10の熱膨張係数の違いによって、図中に点線矢印で示すように、釉面層20には、圧縮方向の残留応力が生じ、セメント成形体10には、引張方向の残留応力が生じている。 釉面層20には、圧縮方向の残留応力が生じているので、貫入が生じることはない。

    【0023】つぎに、セメント成形体10の再水和養生工程を行うと、図1(c) に示すように、セメント成形体10が吸水して、図中矢印で示すように、膨張する。 このとき、点線矢印で示すように、圧縮方向の残留応力が生じていた釉面層20には、この残留応力とは逆の方向の力がセメント成形体10から作用する。 すなわち、釉面層20の圧縮応力と、セメント成形体10の膨張が相殺されることになり、結果的に、釉面層20には全く応力が残らないか、応力が残っても、その大きさは小さなものとなる。 なお、釉面層20に応力が残る場合、釉面層20の残留圧縮応力の大きさとセメント成形体10の膨張量との関係によって、圧縮の応力が残る場合と、引張応力が残る場合の両方が考えられるが、何れの場合でも、その応力が小さければ、釉面層20に貫入あるいは剥離が生じることはない。

    【0024】次に、より具体的な実施例について、各工程毎に詳しく説明する。 〔セメント成形体の製造〕下記配合の成形材料を混練する。 −成形材料の配合(重量%)− 普通ポルトランドセメント 30.5% 発泡頁岩(0〜2.5mm) 36.7% 発泡頁岩(2.5〜5.0mm) 32.8% 混合材 セメント重量の0.5%添加 W/C 50% 得られた混練物を、コンクリート連続無形枠にて打設し、24時間後に脱型して、その後、7日間自然養生を行った。 得られた成形体の寸法は、900×300mmの板状をなすものであった。 〔釉面の形成工程〕セメント成形体を、予め、300℃
    で5時間乾燥した後、下記の配合からなる釉薬を、1kg
    /m 2 (wet)で施釉した。 フリットは、熱膨張係数の異なるものを数種用いて、それぞれからなる釉薬を調製した。

    【0025】−釉薬の配合(重量部)− フリット 100 蛙目粘土 3 CMC 0.4 水 60 この配合材料を混合し、ボールミルでミルずりを行って、残渣1%以下になるように調整したものを、釉薬として用いた。

    【0026】施釉されたセメント成形体を、850℃で1時間加熱して、釉薬の焼成をおこなった。 釉薬の焼成を終えたセメント成形体は、30分間の水中浸漬を行い、さらに、60℃、98%RHで3日間、再水和養生を行った。 このようにして製造された施釉セメント製品の品質性能を評価し、その結果を、表1に示している。

    【0027】

    【表1】 ────────────────────────────────── 釉薬の 焼成後の 評価係数 再水和後の 熱膨張係数 釉面歪み γ※ 釉面状況 X10 -6 /℃ X10 -6 ────────────────────────────────── 比較例1 8.33 -4.3 0.004 ×(貫入大) 比較例2 7.33 -434.3 0.434 ×(貫入大) 実施例1 6.67 -718.2 0.718 ○ 実施例2 6.00 -1006.2 1.006 ○ 実施例3 5.33 -1294.3 1.294 ○ 比較例3 5.00 -1436.2 1.436 ×(釉面剥離) ────────────────────────────────── ※ γ=(α 1 −α 2 )×Δt/β 上記表で、焼成後の釉面歪みは、(α 1 −α 2 )×Δt
    の値であり、圧縮歪みが発生しているので、マイナス符号がついている。 セメント成形体および釉薬の熱膨張係数は、つぎの方法で測定した。

    【0028】熱膨張係数の測定:熱機械分析装置(セイコー電子工業株式会社製、TMA320)を用いて測定した。 なお、釉薬については、調製された釉薬を型に入れ、焼成して得られたサンプルについて測定を行った。
    セメント成形体の熱膨張係数α 2は、何れの場合も、
    8.34×10 -6 /℃(冷却時450℃以下)であった。

    【0029】焼成後の降下温度Δtは、焼成時の釉薬の固化温度450℃と室温20℃から450−20=43
    0℃であった。 セメント成形体の再水和時の吸水膨張率βは、焼成後のセメント成形体に歪みゲージを貼りつけた状態で、再水和養生工程を行って、測定した。 その結果、吸水膨張率βは、何れの場合も、1000×10 -6
    であった。

    【0030】上記試験の結果、評価係数γが、0.7<
    γ<1.3の範囲にある実施例1〜3は、この範囲外である比較例1〜3に比べて、釉面状況が良好であり、貫入や剥離のない良好な釉面を備えた施釉セメント製品が得られることが実証された。 なお、比較例1および2
    は、γ<0.7であり、釉面に引張応力によるものと考えられる貫入が発生している。 比較例3では、γ>1.
    3であり、釉面に過大な圧縮応力によるものと考えられる剥離が発生している。

    【0031】

    【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる施釉セメント製品の製造方法によれば、前記(1) 式を満足させるように、釉薬の熱膨張係数などを設定しておくだけで、確実に、貫入や剥離のない品質性能の良好な釉面を備えた施釉セメント製品を得ることができる。

    【0032】その結果、施釉セメント製品の外観品質を向上させるだけでなく、強度や耐久性などの使用性能についても向上させることができ、施釉セメント製品の需要あるいは用途の拡大にも大きく貢献できることになる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 この発明の実施例を表し、製造工程の各段階における応力の発生状態を表す断面図

    【符号の説明】

    10 セメント成形体 20 釉面層

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