Concrete composition

申请号 JP5291496 申请日 1996-03-11 公开(公告)号 JP3734300B2 公开(公告)日 2006-01-11
申请人 株式会社トクヤマ; 发明人 朗 中村; 一弘 吉岡;
摘要
权利要求
  • 非イオン性水溶性セルロース類が含有されてなるコンクリート組成物であって、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルと消泡剤とが、混練直後の状態において該コンクリート組成物をろ過して分離した液成分の表面張力が27〜38dyne/cmであり、且つ空気量が3〜5%になる量で含有されてなることを特徴とするコンクリート組成物。
  • スランプフロー値が50〜70cmである請求項1記載のコンクリート組成物。
  • 说明书全文

    【0002】
    【発明の属する技術分野】
    【0003】
    本発明は、コンクリート組成物、詳しくは高流動性コンクリート等の非イオン性溶性セルロース類を含有するコンクリート組成物に関する。
    【従来の技術】
    【0004】
    近年、二次製品、建設材料等の用途において振動締め固め等の作業をせずとも自己充填できる高流動性のコンクリートが使用され始めている。 高流動性コンクリートは型枠を振動させないでも型枠内の隅々まで充填できる有利さがあるが、フレッシュ時でのコンクリート粘性が高いために製品表面と型枠との界面に気泡が抜けずに残る問題がある。 そのため、型枠に微振動を与えたり、型枠に剥離剤を塗布することなどが提案されているが、十分に解決できていない。
    【0005】
    しかして、この問題は、高流動性コンクリートのうち、高炉スラグ微粉末やフライアッシュ等を多量添加して流動性調節した粉体系高流動性コンクリートよりも、分離低減剤として非イオン性水溶性セルロース類を混練水に溶解させた高流動性コンクリートにおいて顕著に発生する。 特に、非イオン性水溶性セルロース類を含有させた高流動性コンクリートでは、その粘性の高さから表面上に残る気泡の径が著しく大きなものとなり、得られる硬化体の美観性を大きく低下させていた。
    【0006】
    また、こうした非イオン性水溶性セルロース類を含有させた高流動性コンクリートの硬化体は、表面だけでなく内部にも大きな気泡が発生しており、このコンクリート硬化体は該大きな気泡を含有することに起因して低温に晒され凍結融解した場合において破壊しやすい問題があった。
    【発明が解決しようとする課題】
    【0007】
    こうした中にあって、特開昭62−223047号公報にはコンクリートの混練水の表面張を35dyne/cm以下にしてコンクリート製品の表面気泡を低減する方法が記載されている。 この方法はコンクリート混練水の表面張力を下げて型枠面に接するコンクリート表面上の気泡を上部に抜け出したり、コンクリート内部に移行させることによって表面気泡を低減させるものである。 しかしながら、該刊行物には、コンクリートの含有成分に水溶性高分子を用いることは記載されておらず、上記気泡の低減には、この水溶性高分子を含有するコンクリートに著しく生じる大きな気泡の低減は意図されていない。 また、このように水溶性高分子を含有するコンクリートが示されていないことから、かかるコンクリートに固有に激しく生じる前記凍結融解時の破壊の問題も何ら記載も示唆もされていない。
    【0008】
    以上の背景にあって本発明は、非イオン性水溶性セルロース類を含有するコンクリート組成物において、表面に生じる気泡をより小さくして得られる硬化体の美観性を高め、また、該硬化体の凍結融解時の破壊に対する強度(以下、耐凍害性と略する)を向上させることを目的とする。
    【課題を解決するための手段】
    【0009】
    本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意研究を続けてきた。 その結果、特定量のポリオキシエチレン脂肪酸エステルと消泡剤とを併用することにより、上記の課題が解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
    【0010】
    即ち、本発明は、非イオン性水溶性セルロース類が含有されてなるコンクリート組成物であって、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルと消泡剤とが、混練直後の状態において該コンクリート組成物をろ過して分離した液成分の表面張力が27〜38dyne/cmであり、且つ空気量が3〜5%になる量で含有されてなることを特徴とするコンクリート組成物である。
    【0011】
    本発明においてコンクリート組成物は、上記の如くその混練水に非イオン性水溶性セルロース類が溶解されるものであれば公知の如何なるものであっても良い。 好ましくは、混練水に対する非イオン性水溶性セルロース類の溶解量が、セメント100重量部に対し0.01〜10重量部のものが好適である。 特に、分離低減剤として上記非イオン性水溶性セルロース類が溶解する高流動性コンクリートであるのが好適である。 ここで、この高流動性コンクリートは、セメント、水及び上記水溶性高分子の他、通常、骨材、減水剤を含有している。 その各成分の配合割合は、セメント100重量部に対し水30〜50重量部好ましくは35〜45重量部、水溶性高分子0.01〜1.0重量部、骨材300〜600重量部、減水剤0.5〜3.5重量部であるのが好適である。 また、こうした高流動性コンクリートは、自己充填性や材料の分離抵抗性を勘案するとスランプフロー値が50〜70cmであるのが良好である。
    【0012】
    本発明においてセメントは、公知のものが特に制限なく使用できる。 具体的には、普通ポルトランドセメント、早強セメント、中庸熱セメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントなどが挙げられる。
    【0013】
    一方、本発明において非イオン性水溶性セルロース類は、公知のものが特に制限なく使用できる。 具体的には、ヒドロキシエチルセルロースやヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等の非イオン性水溶性セルロース類が好適である。 これらの非イオン性水溶性セルロース類は、2重量%水溶液の粘度が8,000〜100,000cps、好ましくは10,000〜50,000cpsであるのが好適である。
    【0014】
    また、骨材は、JISの基準に合格したものであれば砂、砕砂等の細骨材や砂利、砕石等の粗骨材などのいずれの使用も可能である。
    【0015】
    さらに、減水剤は、公知のものが特に制限なく使用できる。 具体的には、高縮合トリアジン系化合物、ポリカルボン酸塩系誘導体、ナフタリンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩系化合物、芳香族アミノスルホン酸系高分子化合物等が使用できる。
    【0016】
    次に、本発明では、上記非イオン性水溶性セルロース類が溶解する水により混練されてなるコンクリート組成物において、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルと消泡剤とを、混練直後の状態において該コンクリート組成物をろ過して分離した液成分の表面張力が27〜38dyne/cmであり、且つ空気量が3〜5%になる量で含有させる。 コンクリート組成物の液成分にポリオキシエチレン脂肪酸エステルを含有させることにより、コンクリート組成物には、空気そのものは取り込まれやすくなるが、その一方で、該取り込まれた空気の分散性が著しく向上し大きな径のものに成長することが抑制される。 その結果、かかる組成物が硬化したコンクリート硬化体は、表面に大きな気泡が少なく美観性に優れ、また、内部の気泡も径が小さいことに起因して耐凍害性が向上したものとなる。
    【0017】
    なお、本発明において液成分の表面張力は、混練したコンクリート組成物からろ過により液成分を分離し、それの表面張力を測定することにより求められる。
    【0018】
    ここで、上記液成分の表面張力が40dyne/cmより高い場合、型枠面とコンクリート組成物表面の界面のぬれ性が悪く、表面の大きな気泡が分散されず残ってしまう。 また、耐凍害性においても劣ってしまう。
    【0019】
    一方、上記液成分の表面張力が25dyne/cmより小さくなっても、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの添加量がかなり増加するために空気量が過度に増えすぎ、耐凍害性が低下するものとなったり、美観性も十分でないものとなる。 これは、消泡剤を多量に添加してコンクリート内部の空気量を調整することによってある程度改善することはできるが、このように消泡剤を多量に添加して空気量を低下させても前記表面張力の要件が満足されていなければ、同程度の空気量で比較した場合、本発明のコンクリート組成物ほどの良好な美観性や耐凍害性の効果は達成されない。
    【0020】
    本発明において用いる界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルに属するものであれば特に制限されることなく使用される。 これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いても良い。
    【0021】
    さらに、本発明では、消泡剤を、硬化体の美観を向上させるために加える。 このように消泡剤を配合させることにより、コンクリート組成物に含まれる空気量を3〜5%とする。 本発明のコンクリート組成物は、該空気量が同程度のもので比較しても、前記混練水の表面張力が特定の値にあることにより、美観性と耐凍害性は良好に改善されている。
    さらに、本発明において消泡剤は、具体的には、ポリエーテル系、高級アルコール系、シリコーン系等があるが、本発明ではこれらが特に限定されることなく使用される。 この消泡剤の使用量は、通常、セメント100重量部に対し0.001〜0.1重量部が好ましい。
    【0022】
    なお、本発明では、さらに、コンクリート表面の気泡を低減する目的で、微粉末粉体を添加することが有効である。 即ち、それにより、コンクリート組成物の流動速度がさらに向上し、充填する際に巻き込まれる気泡がより少なくなる。 また、巻き込まれた気泡が抜ける速度も速くなり、表面気泡は少なくなる。 ここで、微粉末粉体とは、具体的には石灰石粉末や高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等のポゾラン反応を有するものが挙げられる。 これらの微粉末粉体の配合量は、通常、セメント100重量部に対して5〜70重量部が好ましい。 また、平均粒子径はシリカフューム以外は1〜50μm程度でシリカフュームは0.1〜0.5μm程度である。
    【0023】
    本発明において、コンクリート組成物の練り混ぜは、如何なる方法で行っても良く、例えば予め水に非イオン性水溶性セルロース類とポリオキシエチレン脂肪酸エステルを配合させた後、混練水として他の成分と混練しても良く、或いは水、非イオン性水溶性セルロース類及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルを各別々に他の成分と共に混練しても良い。
    【発明の効果】
    【0024】
    本発明のコンクリート組成物は、流動安定性に優れ且つ、得られる高流動性コンクリート硬化体はコンクリート表面気泡径が小さく、美観に優れるものとなる。 従って、二次製品等の外観が重要視される用途に好適である。 また、このコンクリート硬化体は、凍結融解時の強度についても良好である。
    【実施例】
    【0025】
    以下、本発明を更に具体的に説明するため実施例を掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
    【0026】
    なお、各試験及び試験方法については以下のとおりである。
    【0027】
    1)美観性評価試験:10×10×40cmの型枠にコンクリートを流し込み、無振動で成型した。 養生は、気中養生とした。 硬化後、脱型しコンクリート表面の気泡を観察した。 なお、美観性の評価は、10×10cmの透明フィルムにコンクリート表面の気泡を書きとり、画像解析装置によって100cm 中の気泡の合計面積と100cm 中の直径5mm以上の気泡数を測定した。
    【0028】
    2)スランプフロー試験:水中不分離性コンクリート設計施工指針(案)の土木学会基準「コンクリートのスランプフロー試験方法(案)」に従って、スランプコーンを引き抜き5分後に測定を行った。
    【0029】
    3)空気量試験:JIS A 1128に準じ測定を行った。
    【0030】
    4)表面張力測定:混練直後にコンクリートの液相を抽出し表面張力計(ペンダントドロップ法)により測定した。
    【0031】
    5)耐凍害性:JIS A 6204の附属書に準じ測定を行った。 なお、値は、コンクリートの凍結融解試験法による凍結融解サイクル、300サイクル後の相対動弾性係数(%)で表した。
    【0032】
    実施例1〜9、比較例1〜3
    表1にコンクリート組成物の基本配合を示した。 また、表2にこのコンクリート組成物に配合する界面活性剤の種類を示した。 各界面活性剤は、コンクリート組成物の混練水の表面張力が、それぞれ表3に示した値になる量配合させた。 これらの材料の練り混ぜは、100Lパン型強制練りミキサを使用し、ミキサに材料を砕石+砂(1/2) +セメント(実施例5,6の場合微粉末粉体も同時添加)+水溶性高分子+消泡剤+砂(1/2)の順序で入れ、30秒間空練りを行った。 続いて練り混ぜ水、減水剤、界面活性剤を添加し180秒間練り混ぜた。 得られた高流動性コンクリートについてその物性を表3に示した。
    【0033】
    【表1】

    【0034】


    【表2】


    【0035】


    【表3】


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