Cement-based base adjustment composition

申请号 JP17695795 申请日 1995-06-21 公开(公告)号 JP3023406B2 公开(公告)日 2000-03-21
申请人 太平洋セメント株式会社; 发明人 広昭 松里; 正伸 柿澤; 大介 森; 豊之 窪川;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 セメント、細骨材および2種類以上の粉末ポリマーからなるセメント系下地調整塗材において、
    該粉末ポリマーがガラス転移温度5℃以下の粉末ポリマー(A)15〜85重量%およびガラス転移温度10〜
    20℃の粉末ポリマー(B)85〜15重量%よりなり、かつそれら粉末ポリマーの合量の配合割合が全粉粒に対して3.0〜20重量%である高付着性セメント系下地調整組成物。
  • 【請求項2】 粉末ポリマー(A)及び粉末ポリマー(B)の配合割合が30〜70重量%及び70〜30重量%である請求項1に記載の高付着性セメント系下地調整組成物。
  • 【請求項3】 全粉粒に対する粉末ポリマー(A)及び粉末ポリマー(B)の合量の配合割合が4.5〜15重量%である請求項1に記載の高付着性セメント系下地調整組成物。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明はセメント、細骨材及びポリマーからなる下地調整組成物に係り、特にガラス転移温度を特定した複数の粉末ポリマーを組み合わせることにより気温の高低の区別なく使用可能な高付着性下地調整組成物に関する。

    【0002】

    【従来の技術】セメント、骨材、、ポリマー及び消泡剤を配合するポリマーセメントコンクリートが開示されている(「コンクリート便覧」日本コンクリート工学協会、P984)。

    【0003】さらに用途を限定してセメント、細骨材および再乳化形粉末樹脂(合成樹脂エマルジョンを噴霧乾燥したもので、加水したとき再び乳化する粉末状樹脂である)、さらに場合により混和剤(例、増粘剤)、繊維材料などを配合した内外装仕上工事の下地調整に使用されるセメント系下地調整塗材が規定されている。 品質基準として、例えば該下地調整塗材C−1の付着強さは標準養生時(材令15日)7.1kgf/cm 2以上、低温養生時(材令28日)5.1kgf/cm 2以上、同じくC−2のそれらは10.2kgf/cm 2 、7.1
    kgf/cm 2以上とも規定されている(以上JIS
    A6916)。

    【0004】また、上記規格にはセメントとしてポルトランド系セメントが、細骨材として無機質骨材(例:けい砂、寒水砂、砂、パーライトなど)および有機質骨材(例:スチレン、エチレン酢酸ビニル、塩化ビニル等の粒状樹脂発泡体)が、ならびに再乳化型樹脂としてアクリル系、酢酸ビニル系などの合成樹脂が示されている。
    なお、旧規格には、再乳化型樹脂の配合割合は全粉粒物に対して4.5重量%以上となるように構成すると規定されていた。

    【0005】特開昭58−80066には下地組成物が開示されている。 すなわち、セメント100重量部、細骨材400重量部以下、ポリマー固形分10〜30重量部を配合した組成物である。 セメントとしては、普通ポルトランドセメント、アルミナセメント、混合セメントなどが、細骨材としてはけい砂、ケイ酸アルミニウムなどが、ポリマーとしては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など多数の化合物が列挙されている。 その実施例には1種類の樹脂SBRラテックスが示され、それを用いた組成物の構成はポルトランドセメント100重量部、ケイ酸アルミニウム5重量部、SBRラテックス(固形分45
    wt%)25重量部、添加水25重量部であった。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】従来のセメント系下地調整塗材は、セメント、骨材に比し樹脂単価が高いことに加え販売地の気候風土に適合した樹脂を選択し地方単位で該下地調整塗材の少量生産・販売をしていた。 例えば気温の高い地方では、その地方に適合した樹脂を専ら使用して下地調整塗材が製造された。 それゆえ、従来の下地調整塗材は1種類の樹脂を配合するのみで目的を十分に達成できた。 しかし、このような下地調整塗材はその地方において適合した特性を有し実用的ではあっても、寒気期間の長い地方や寒暖差の大きい地方で使用した場合には付着強さが極端に低下して、浮き、はがれ、
    ひび割れなどを引き起こす原因となっていた。

    【0007】そのような欠点を解消するには気温(地域)選択性のない、つまり寒期暖期において付着強さを十分に発現する、さらに言えば寒暖差における付着強さ変化の小さい下地調整塗材を使用するのが望ましいのであるが、未だそのような下地調整塗材は開発されていない。

    【0008】以上から、本発明の目的は寒暖いずれの気温においても高付着強さを保持することのできるセメント系下地調整組成物を提供することにある。

    【0009】

    【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のようにセメント系下地調整塗材に単にポリマーが混合されただけでは、気温の影響を受けて付着強さが低下する点、さらに該下地調整塗材製造過程での品質管理を考慮に入れて研究した。

    【0010】その結果、使用するポリマーの属性の1つであるガラス転移温度が付着強さに密接に関連することを突き止め、さらに異なるガラス転移温度を有するポリマーが一定の割合で組み合わされている場合に付着強さに対する温度依存性が小さいことを知見した。 また、該下地調整塗材の製造上、長期保管上から粉末ポリマーの利用が望ましい点を組み込んで以下に詳述する発明を導いた。

    【0011】すなわち、本発明は従来のセメント系下地調整塗材に配合されるポリマーを特定、具体的にはガラス転移温度の相違する粉末ポリマーを少なくとも2種類組み合わせ、それら粉末ポリマーの1種類はガラス転移温度が5℃以下のもの(以下、粉末ポリマー(A)
    と称する)、もう1種類はガラス転移温度が10〜20
    ℃のもの(以下、粉末ポリマー(B)と称する)であり、粉末ポリマー(A)と(B)の割合が15〜85
    重量%、85〜15重量%に配合した点にある。 さらに、粉末ポリマー(A)(B)の合量が全粉粒の3.
    0〜20重量%配合されなければならない。

    【0012】一般的にポリマーは、粉末状のものとディスパージョンのものとが公知である。 後者は水を含有するためセメント系下地調整塗材にあっては、混合後直ちにセメントが水和反応を生じ凝結するので該下地調整塗材の保管はできない。 そこで、混合状態でも長期保管可能な粉末ポリマーが本発明の目的に照らして合致するので採用した。

    【0013】一般に、ガラス転移温度とは高分子物質を加熱した場合にガラス状のかたい状態からゴム状に変わる温度(「化学大辞典2」、共立出版)と解されている。 通常、セメント系下地調整塗材の下地への付着性は、それに含まれているポリマーのガラス転移温度の高い方が低いものに比して高く、またポリマーがゴム状である場合に膜形成性を有し付着性も高く、逆に温度が低くガラス状の場合に付着性が低下する傾向にある。 しかし、本発明者らが種々実験したところ、意外にもガラス転移温度が相違する特定の粉末ポリマーを少なくとも2
    種類組み合わせることによって、気温変化があっても高い付着強さを保持することを確認した。

    【0014】粉末ポリマーの少なくとも2種類は前述したそれぞれのガラス転移温度の範囲内にあることが肝要である。 例えば、2種類の粉末ポリマーを用いるならば、共に5℃以下、または共に10〜20℃に偏った場合、あるいは1種類の粉末ポリマーは規定したガラス転移温度に適合するが、もう1種類の粉末ポリマーは規定外のガラス転移温度である場合、いずれの場合も規定のガラス転移温度の粉末ポリマーを欠いた温度領域において付着強さが急激に低下し、JIS A6916に規定する品質基準C−2を満足しない。

    【0015】粉末ポリマー(A)及び(B)に該当するものとしては、アクリル−酢酸ビニル−ヴェオバ共重合体、エチレン−酢酸ビニル−ヴェオバ共重合体、アクリル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、
    酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。 ここで、同一化合物名の共重合体であっても、それを構成する軟質成分と硬質成分との比率(つまり共重合率)によってガラス転移温度が相違するので、使用するさいその共重合体が粉末ポリマー(A)、(B)いずれに該当するのかを確認する必要がある。

    【0016】なお、一つのガラス転移温度範囲に属する粉末ポリマーを2種類以上併用することは差し支えない。 例えば、粉末ポリマー(A)に属する2種類以上と粉末ポリマー(B)に属する1種類とを組み合わせて使用することは可能である(この場合は3種類の粉末ポリマーを使用することになる)。

    【0017】(A)および(B)の粉末ポリマーのほかに、それらのガラス転移温度に属さない粉末ポリマー(C)を添加することは差し支えないが、その配合量は本願目的を害さない程度に置き換えが可能である。 具体的には、(A)、(B)及び(C)の合量に対し該(C)の割合が30重量%以下でなければならない。 ここでは、規定外ポリマー(C)として粉末のものを説明したが、本発明のセメント系下地調整組成物を現場で混練するさいに、粉末のものに換えてポリマーディスパージョンを添加するようにしてもよい。

    【0018】粉末ポリマーの配合量(規定以外のガラス転移温度に属する粉末ポリマーも用いる場合は、その粉末ポリマーも含む)は、粉末ポリマーを含む全粉粒に対し3.0〜20重量%、好ましいのは4.5〜15重量%である。 配合量が3.0重量%以下または20重量%
    を超えると、付着強さが低下する場合もあるので好ましくない。

    【0019】粉末ポリマー(A)及び同(B)との配合割合は15〜85重量%、85〜15重量%である。 粉末ポリマー(A)が15重量%未満の場合は低温における付着強さの発現が低く、逆に85重量%を超える場合は相対的に粉末ポリマー(B)が少なすぎて常温付近での付着強さが著しく低下するので、いずれも好ましくない。 付着強さの観点から好ましい配合割合は30〜70
    重量%、70〜30重量%である。

    【0020】本発明で使用するセメントは、慣用のセメント、例えば普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超速硬性セメントのほか、高炉セメント、シリカセメントなどの混合セメントである。

    【0021】細骨材は、特に材質について限定しない。
    その最大粒径は調整しようとする基板(下地)面のオープンポア、平滑度などの状態や塗布厚に応じて適宜選択すればよい。 セメントと細骨材の比率は用途に応じ又従来法に従い適宜決めればよく、特に本願では限定しない。 なお、セメント系下地調整塗材に従来から添加されている可塑剤、繊維材料、混和剤(例:防水剤、増粘剤、分散剤、安定剤)、無機質粉体(例:炭酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、けい石粉)等々を本発明の目的に影響しない程度に添加することは差し支えない。

    【0022】本発明のセメント系下地調整組成物を構成する材料は、全て容易に入手可能な粉粒物を採用した。
    しかも、それら材料を前述した配合割合にしたがい工業的常套手段で混合すれば、一定品質のセメント系下地調整組成物の製造ができるので、実施化が非常に容易である。

    【0023】[実施例1−45、比較例1−24]種々の粉末ポリマーを用いてセメント系下地調整組成物を製造し、ガラス転移温度が付着強さに及ぼす影響、粉末ポリマー(A)と(B)の配合割合の影響等を調べた。

    【0024】1. 使用材料 1)粉末ポリマー8種類(ガラス転移温度:Tg) (a)アクリル−酢酸ビニル−ヴェオバ共重合体(T
    g:−5℃) (b)エチレン−酢酸ビニル−ヴェオバ共重合体(T
    g:0℃) (c)アクリル−スチレン共重合体(Tg:3℃) (d)アクリル−スチレン共重合体(Tg:7℃) (e)酢酸ビニル−ヴェオバ共重合体(Tg:8℃) (f)アクリル酸エステル共重合体(Tg:10℃) (g)アクリル酸エステル共重合体(Tg:15℃) (h)酢酸ビニル共重合体(Tg:20℃) 2)セメント 早強ポルトランドセメント(日本セメント社製) 3)細骨材 けい砂7号及びけい砂8号(いずれも最大粒径は0.4
    mm)を3:1(重量比)に混合したものを使用した。

    【0025】2. セメント系下地調整組成物の調整 上記各材料を用いて表1に示す比率で配合し、ビニル袋内で十分混合してそれぞれの粉末組成物を調整した。

    【0026】3. 付着強さ測定方法 得られた各粉末組成物を機械練り混ぜ用モルタルミキサーに投入し、次に全粉粒に対して24重量%の水を添加し、4分間十分に混練してモルタルをつくった。 供試体の作製および測定方法は、JIS A6916「仕上塗材用下地調整塗材」の6.14に準拠した。

    【0027】すなわち、別途に作製した70×70×2
    0mmの大きさのモルタル製基板上に載置した型枠内に、上記粉末組成物のモルタル混練物をこてを用いて4
    0×40×2mmに塗布し成形したのち、下記2とおりの条件のもとで24時間養生し脱型した。 温度:20℃、相対湿度:60% 温度: 3℃、相対湿度:50% さらに同条件のもとでそれぞれの供試体を13日間養生した。 次いで、同条件下で供試体の表面に2液形エポキシ樹脂接着剤を用いて引張用ジグを取り付け、24時間静置したのち、供試体面に対して鉛直方向の最大引張荷重を求め、材令15日の付着強さを算出した。 得られた結果を表1及び表2に記載した。 判定はJIS A69
    16の「下地調整塗材C−2」に依った。

    【0028】[実施例46−73、比較例25−42]
    粉末ポリマー(A)(B)の合量の全粉粒に占める割合の影響、ガラス転移温度が規定外である粉末ポリマーの影響等を調べた。 前記実施例・比較例で説明した使用材料中、セメントを早強ポルトランドセメントから普通ポルトランドセメント(日本セメント社製)に取り替えた以外は同一材料を用い、同様の方法で供試体をつくり、
    同一条件のもとで該供試体の付着強さを測定した。 各粉末ポリマー、配合割合、測定結果を表3に示した。

    【0029】

    【表1】

    【0030】

    【表2】

    【0031】

    【表3】

    【0032】

    【発明の効果】以上の結果、特定のガラス転移温度を有する2種類以上の粉末ポリマーを組み合わせたセメント系下地調整組成物を建築物の内外装仕上材として下地調整に使用した場合、気温の大幅な変化に対しても高付着強さを保持することが確認された。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI C09D 1/08 C09J 1/00 C09J 1/00 E04F 13/02 A E04F 13/02 C08L 101/00 // C04B 111:72 (56)参考文献 特開 平5−170500(JP,A) 特開 昭63−79746(JP,A) 特開 昭63−8253(JP,A) 特開 平6−24820(JP,A) 特開 平8−283059(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) C04B 28/02 C04B 24/26 C04B 111:72

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