Method for producing a calcium phosphate mineral cement

申请号 JP36091697 申请日 1997-12-26 公开(公告)号 JP4294111B2 公开(公告)日 2009-07-08
申请人 ノリアン コーポレイション; 发明人 シー.イゾン イラ; エム.バール ブライアン; アール.コンスタンツ ブレント; フルマー マーク;
摘要 A room temperature stable, substantially phase pure ±-C 3 P product is provided, which may be included in a reactive composition suitable for preparation of calcium phosphate cements. The ±-C 3 P product may be obtained by heating a tricalcium phosphate source to a temperature sufficient to convert substantially all of the tricalcium phosphate source to a substantially phase pure ±-C 3 P product. The temperature of the resultant product is rapidly cooled to a temperature below about 700°C, resulting in the room temperature stable, ±-C 3 P product. The resultant ±-C 3 P product may be milled to provide a composition suitable for use in cement production.
权利要求
  • リン酸カルシウムセメント配合物と生理学的に受容可能な潤滑剤とを混合してリン酸カルシウム鉱セメントを形成する工程を包含する、リン酸カルシウム鉱セメントを製造する方法であって、
    該リン酸 カルシウムセメント配合物が 1.0μm未満〜30μmの範囲の粒径を有する反応性α−リン酸三カルシウム;少なくとも1種の付加的なカルシウム源;および部分的に中和されたリン酸源を含有する、方法。
  • 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記反応性α−リン酸三カルシウムが、2.5m /g〜3.5m /gの範囲の表面積を有し、そして広いピークおよび上がり肩を有する曲線としてグラフ上で表される粒径分布を有する、3〜5μmのサイズ範囲の反応性α−リン酸三カルシウム組成物であり、
    該反応性α−リン酸三カルシウム組成物が、室温において安定であり実質的に純粋な相のα−リン酸三カルシウム生成物を10分〜2時間の範囲の間に粉砕する工程を包含する方法によって製造される、方法。
  • 請求項2に記載の方法であって、ここで、前記実質的に純粋な相のα−リン酸三カルシウムが、
    リン酸三カルシウム源を、純粋な相のα−リン酸三カルシウムに実質的に均一に遷移させるために十分な第1の温度に加熱する工程;および 該純粋な相のα−リン酸三カルシウムを約10分未満で少なくとも600℃下げる速度で、第2の温度まで急速に冷却する工程を包含する方法によって製造される、室温において安定であり実質的に純粋な相のα−リン酸三カルシウムである、方法。
  • 請求項1〜3のいずれかに記載の方法であって、ここで、前記少なくとも1種の付加的なカルシウム源がCaCO である、方法。
  • 請求項1〜4のいずれかに記載の方法であって、ここで、前記部分的に中和されたリン酸源がCa(H PO ・H Oである、方法。
  • 請求項1〜5のいずれかに記載の方法であって、ここで、前記生理学的に受容可能な潤滑剤がNa HPO の水溶液である、方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明の分野は、りん酸カルシウムセメントである。
    【0002】
    【従来の技術】
    背景
    りん酸カルシウム鉱物質は、天然に存在する骨の主要な無機成分である。 骨に含まれる大部分のりん酸カルシウムはヒドロキシアパタイト、またはその変形、たとえばダーライト(ヒドロキシアパタイトの炭酸塩置換体)として存在する。 天然に存在する骨が、劣化または破損したとき、欠陥のある骨を、骨置換物質で代換することが望ましい場合が多い。 ヒドロキシアパタイトおよびその置換体は、天然に存在する骨に見出されるりん酸カルシウム物質に、化学的にも構造的にも極めて類似しているので、合成ヒドロキシアパタイトは、骨の修復および代換に使用する魅的な物質である。
    【0003】
    合成ヒドロキシアパタイトは、乾燥および湿潤成分を含むりん酸カルシウム鉱物質セメントから製造することができ、これらの成分を混合して混練可能な生成物とし、次に固体の塊に凝結させる。 このようなセメントに見出される乾燥原料は、りん酸源およびカルシウム源を含む。
    【0004】
    りん酸カルシウム鉱物質の製造に使用するために適切な多様なセメントを記載する米国特許として、4,880,610; 5,047,031;5,129,905;5,053,212および5,178,845があり、これらの開示を参照としてここに引用する。
    【0005】
    りん酸カルシウムセメントの凝結時間および圧縮強度は、セメントの製造に使用する多様なカルシウム源によって影響を受ける。 たとえばりん酸三カルシウムをセメント前駆体のカルシウム源として含むとき、圧縮強度の高いセメントを得る。 さらに、セメントの製造において、りん酸三カルシウムを使用すると、一層常に再現可能な特性を有するセメントを得ることができる。 また、りん酸三カルシウムから製造したセメントは、pHの点において一層生理学的に適合する。
    【0006】
    りん酸カルシウム鉱物質セメントの製造において、カルシウム源としてりん酸三カルシウムを使用することは有利であるが、現在入手可能なりん酸三カルシウム源には問題がある。 たとえば、主としてβ−りん酸三カルシウムからなるりん酸三カルシウムを使用して製造したセメントは、典型的に凝結時間が、長いことを必要とするので、セメントをその場で凝結させることを意図する応用を含めて、多くの場合において実際に使用することができない。 さらに、現在入手可能な多くのりん酸三カルシウム源は、純粋な相(phase pure)ではなく、たとえば焼結したヒドロキシアパタイトも含み、これがセメントの強度および凝結特性を低下させる。
    【0007】
    このようなわけで、室温において安定であり、かつりん酸カルシウムセメントの製造においてカルシウム源として使用するときに、比較的急速に凝結して、圧縮強度の高いりん酸カルシウム鉱物質となるセメントを生成する、新規なりん酸三カルシウム源を開発することに関心がもたれている。
    【0008】
    関連する文献
    関連する特許としては、米国特許3,787,900; 3,913,229; 3,679,360; 4,097,935; 4,481,175;4,503,157;4,612,053; 4,659,617および4,693,986を含む。 なお、英国特許出願2,248,232−Aは、α−およびβ−りん酸三カルシウムを含む和性りん酸カルシウムを記載するので参照。 特開平3-112838も参照。 また、Gregoryら、 J.Res. NBS (1974) 74 : 667-674、およびChow, Cer. Soc. of Jop. (1991)99:954-964も参照。 さらに、ArendsおよびJongeb l oed, Rec. Trav. Chim. Pays-Bas (1981) 100 :3-9も参照、りん酸カルシウムを封止剤−充填剤として使用することが、Chohayebら、 J.Endodontics (1987) 13 : 384-387に記載。 またOhwakiら、 13th Ann. Mtg. of the Soe. for Biomaterials, June 2-6, 1987、ニューヨーク、ニューヨーク州、p.209も参照。
    【0009】
    【発明が解決しようとする課題】
    本発明の目的は、室温において安定であり、実質的に純粋な相のα−C 3 P生成物を得る方法を提供することにある。 本発明のさらなる目的は、りん酸カルシウム・セメントの製造に使用するために適したα−C 3 P生成物を提供することにある。 本発明のさらなる目的は、このα−C 3 P生成物を粉砕して、その場で凝結させるように設計したセメントの製造に使用するために十分な反応性を有するα−C 3 P組成物を製造する方法を提供することにある。
    【0010】
    【課題を解決するための手段】
    発明の要旨
    室温において安定であり、実質的に純粋な相のα−りん酸三カルシウム(α−C 3 P)を製造する方法を提供する。 本発明の方法は、りん酸三カルシウムを実質的に純粋な相のα−C 3 Pに変換するのに十分な温度に、りん酸三カルシウム源を加熱する。 生成した純粋な相のα−C 3 Pを急冷して、室温において安定である純粋な相のα−C 3 P生成物を得る。 生成したα−C 3 Pは粉砕して、りん酸カルシウム無機質セメントの製造において、カルシウム源として使用するために適切な反応性のα−C 3 P組成物を得る。
    【0011】
    【発明の実施の形態】
    実質的に純粋な相の反応性α−C 3 P生成物を製造する方法を提供する。 本発明の方法において、少なくとも実質的にすべてのりん酸三カルシウム源を、実質的に純粋な相のα−C 3 P生成物に変換するために、十分な温度にりん酸三カルシウム源を加熱する。 次に実質的に純粋な相のα−C 3 P生成物を急冷して、室温において安定であり、実質的に純粋な相のα−C 3 P生成物とする。 急冷したα−C 3 P生成物は、次に粉砕して、りん酸カルシウム鉱物質セメントの製造に使用するα−C 3 P組成物を得る。
    【0012】
    本発明の方法の第1工程は、りん酸三カルシウム源を加熱して、少なくとも実質的にすべてのりん酸三カルシウムをα−C 3 Pに変換する。 りん酸三カルシウム源は典型的にはβ−C 3 Pである、β−C 3 Pは、多様な販売元から入手できるが、容易に入手可能な反応剤から調製することもできる。 たとえば、β−C 3 Pは、まず化学量論量のCaHP O 4とCaC O 3とを結合させて、カルシウム対りん酸基の比が1.5:1の生成物を得る。 化学量論量のCaHP O 4とCaC O 3とは、水性反応媒体に加える。 得られたスラリー中の固体を、加圧下で液体から分離し、このとき圧力は約0.35〜2.1kg/cm 2 (約5〜30psi)、さらに通常は約0.35〜1.75 kg/cm 2 (約5〜25psi)、典型的には約0.56〜1.05kg/cm 2 (約8〜15psi)とする。
    【0013】
    少なくとも実質的にすべてのりん酸三カルシウム源を純粋な相のα−C 3 Pに変換させるとき、実質的にすべてのりん酸三カルシウム源をα−C 3 Pに変換させるために十分な温度にりん酸三カルシウムを直接加熱する。 この温度は、典型的には約1200℃〜1700℃の間の範囲、通常は約1250℃〜1500℃の間の範囲、好ましくは約1400℃とする。 温度を上昇させて指示された範囲で比較的一定な値に保つと、結晶格子相が、実質的に均一な多形遷移を行なって、α−C 3 P相となる、α−C 3 P相への実質的に均一な遷移は、最初のりん酸三カルシウム源の、少なくとも約80%、一般に少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、さらに好ましくは少なくとも99%が、X線回折(XRD)による分析で測定して、α−C 3 Pに変換した点として規定する。
    【0014】
    りん酸三カルシウム源の加熱は、炉、たとえばキュポラ炉、るつぼ炉、平炉、誘導加熱炉、電気アーク炉などによって行なうことができる。 所望の温度範囲に達したとき、所望のα−C 3 Pへの熱力学的結晶遷移が、通常は約1〜8時間、さらに通常は約2〜6時間、典型的には約4時間でおきる。 得られるα−C 3 P生成物は、通常固体の塊状である。
    【0015】
    実質的にすべてのりん酸三カルシウム源をα−C 3 Pに変換させた後、α−C 3 Pは冷却(急冷)して、加熱されたα−C 3 Pの温度を急速に低下させる。 このとき温度低下は、少なくとも約300℃の量、通常は少なくとも約600℃の量、さらに通常は少なくとも約700℃の量とする。 固体α−C 3 Pの温度は、約80℃〜約900℃の間の温度、通常は約0℃〜約700℃の間の温度、さらに通常は約0℃〜約200℃の間の温度、特に約0℃〜約60℃の間の温度、および典型的には室温に急冷する。 この急冷によって室温で安定なα−C 3 P生成物を得る。
    【0016】
    加熱された純粋な相のα−C 3 Pを急冷するには、通常の手段を使用することができる。 利用する急冷手段は、加熱されたα−C 3 P生成物を低温の強制された気体流または液体流中に配置するか、加熱されたα−C 3 P生成物を、熱伝導性および熱容量の大きい吸熱装置(低温の金属板)の上に載置することなどを含む。 急速な冷却は、また加熱されたα−C 3 Pを機械的に粉砕して、表面積を増大させて冷却面を広げることによって容易に行なわれる。 またこの物質を、熱伝導性および熱容量の大きい低温の2枚の板の間に密接させて急冷し、α−C 3 Pから一層急速に熱を除去することもできる。 一般にα−C 3 P生成物を、所望の温度範囲に急冷するには、約2時間未満、通常は約45分未満、さらに通常は約10分未満を要する。
    【0017】
    純粋な相のα−C 3 Pを製造するには、(陰イオンまたは陽イオンのいずれかの)イオン添加剤をりん酸三カルシウム源に導入することにより、高温の相を安定させて、容易に行なうことができる。 これらの添加剤は、アルカリまたはアルカリ土類、金属塩、特に陰イオンたとえばりん酸基および硫酸基を有する金属塩、または急冷中にα−C 3 Pの安定性をさらに増大させる他のイオンを含む。 これらの安定剤をりん酸三カルシウム源に加える場合、安定剤対りん酸三カルシウムの比を通常は、0. 0 01〜5%、好ましくは0.01〜1%の範囲とする。
    【0018】
    生成した実質的に純粋な相のα−C 3 Pは室温で安定である。 実質的に純粋な相とは、生成物のα−C 3 P含量が、少なくとも約80%、一般に少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、さらに好ましくは少なくとも99%であることを意味する。 生成したα−C 3 Pの純度は、XRD分析によって確認することができ、純粋な相のα−C 3 P生成物は、図1に示すXRDパターンと同様なパターンを有する。
    【0019】
    室温で安定であり、実質的に純粋な相の生成したα−C 3 Pは、りん酸カルシウム鉱物質セメントの製造に使用することができ、このセメントを1つ以上のカルシウム源から製造する場合のカルシウム源となる。 一般に、実質的に純粋な相のα−C 3 Pは、粉砕してセメントを製造するための粒状組成物とする。 この粒状組成物の粒子の粒径は、1. 0未満〜180μm、通常は1. 0未満〜30μmの範囲である。 使用する粉砕方式にもよるが、粉砕時間は、 0 .1〜80時間、通常は0.5〜4時間の範囲である、粉砕手段は、ボール・ミル、ジェット・ミル、SWEC Oミル、アトリッション・ミル、ハンマー・ミル、遊星ボール・ミルなど通常の手段を使用することができる。
    【0020】
    カルシウム源として使用するα−C 3 P組成物の特性は、これを含むセメントの機能的特性に影響を与える。 たとえば、りん酸カルシウム鉱物質セメントで使用する粉砕されたα−C 3 P組成物の粒子の平均粒径、表面積および粒径分布は、セメントの凝結時間およびこのセメントから製造するりん酸カルシウム鉱物質の圧縮強度に影響する。 りん酸カルシウムの特性に影響する他の因子としては、α−C 3 P組成物の純度を含む。
    【0021】
    特に興味があるのは、その場で凝結することを意図したセメントの製造に使用するために十分な反応性を有するα−C 3 P組成物、すなわち反応性α−C 3 P組成物である。 このような反応性α−C 3 P組成物は、(a)平均直径が3〜5μmの範囲、通常は約4μmの粒子を含み、(b)表面積が約2.5〜3.5m 2 /gの範囲、通常は約3m 2 /gであり、かつ(c)粒径分布が1未満〜30μmの範囲である。 図4aに示す粒径分布と実質的に同一の粒径分布は、特に興味がある。 当業者に周知であり、かつこの特許出願において使用する「実質的に同一」とは、実際の粒径曲線が、図4aに示す曲線と10%相違していても、図4aに示す曲線と同一であると見傲すことを意味する。 図4aで明かなように、粒径分布のグラフによる表現は、粒子の数を粒径の関数として示し、曲線は広いピーク部と始めの肩部とを有し、始めの肩部は、広いピーク部から2〜4μmの間、通常は約3μmだけ変位しており、広いピーク部は、4〜6μmの間、通常は約5μmに現われる、反応性α−C 3 P組成物は、また図3dに示すX線回折パターンと同一であることが好ましい。 ここで使用する「同一」とは、図3dに示すパターンに正確に対応するX線回折パターンを含み、図3dに示すパターンより10%だけ相違することがある回折パターンを意味すると理解すべきである。
    【0022】
    上記特性に加えて、反応性α−C 3 P組成物は、不純物たとえば粉砕媒体からの不純物である酸化亜鉛、酸化鉄などを実質的に含まないことが好ましい。 ここで不純物を実質的に含まないとは、不純物を含まない程度が、少なくとも90%、通常は少なくとも95%、好ましくは少なくとも約99%であることを意味する。 実質的に純粋な相のα−C 3 P生成物を粉砕して、上記特性を有する組成物を得るためには、どのような通常の手段を利用してもよいが、1つの好ましい粉砕方法は、アトリッション・ミルである。 これは当業者に周知のものであり、Richardson, Modern Ceramic Engineering (1982) およびTreatise on Materials Science Technology, Volume 9(Franklin Wang 編集)(1976)に記載されている。 アトリッション・ミルの粉砕媒体はどのような通常の材料でもよいが、特にα−C 3 P生成物の粉砕に適する材料の1つの型は、イットリアで安定化したジルコニアであり、これは極めて硬くて、摩耗に耐える。 α−C 3 Pを、アトリッション・ミルで粉砕するには、粉砕時間が、10分〜24時間、通常は30分〜2時間の範囲である。
    【0023】
    反応性りん酸三カルシウム組成物を製造する上述の方法は、りん酸三カルシウム源として、本発明の純粋な相のα−C 3 Pを使用するものとして記載するが、反応性りん酸三カルシウム組成物を製造する本発明の方法によって、他の形のりん酸三カルシウムも粉砕することができる。 当業者に周知な他の形のりん酸三カルシウムとしては、β−りん酸三カルシウム、α'−りん酸三カルシウムなどを含む。
    【0024】
    本発明の反応性C 3 P組成物、たとえばα−C 3 Pから調製された組成物は、りん酸三カルシウムセメントの製造に応用され、たとえば欧州特許0416761、欧州特許公開A−0347,028および国際公開92/02453に記載されているので、これらの開示を参照として引用する。 りん酸カルシウム鉱物質は、実質的に非結合水を含まないりん酸源およびカルシウム源、ならびに製品を固体の塊に凝結させることが可能で、生理学的に受容可能で、かつ混練可能な生成物を得るための潤滑剤を混合して製造することができる。 アパタイト生成物を望む場合は、カルシウム対りん酸基の好ましい比は約1.0〜約2.0の間、好ましくは約1.67である。 任意に、結晶核、特にヒドロキシアパタイトまたはりん酸カルシウムの結晶も、混合物に含ませることができる。 りん酸カルシウム鉱物質セメントの製造に使用するとき、本発明の反応性α−C 3 P生成物は、β−C 3 P、りん酸四カルシウム(C 4 P)、炭酸カルシウム(CaCO 3 )、または水酸化カルシウム(Ca(OH) 2 )を含む、少なくとも1つ付加的カルシウム源と結合することができる。 反応性のα−C 3 P組成物は、カルシウム源が酸性りん酸塩源と少なくとも部分的に反応したときにも、りん酸カルシウム鉱物質セメントの製造に使用することができる。 このようなセメントは、1993年7月22日提出の同時継続米国特許出願08/096,161および1994年8月23日提出の米国特許出願08/294,325に記載してあり、これらの開示を参照としてここに引用する。
    【0025】
    本発明の反応性α−C 3 P組成物をりん酸カルシウムセメントの製造に使用して、りん酸カルシウムセメントを製造するとき、残りのカルシウム源がβ−C 3 P,TCP,CaCO 3またはCa(OH) 2である場合、反応性α−C 3 P組成物の百分率が、少なくとも20%、通常は少なくとも50%、さらに通常は少なくとも70%を含む混合物の形であることが好ましい。 付加するカルシウム源として、水酸化カルシウムを使用する場合は、混合物中の乾燥原料の、典型的には約0 .1〜約10重量%、好ましくは1〜2重量%とする。 特にダーライト生成物を望む場合は、付加するカルシウム源として炭酸カルシウムを使用して、好ましくは約2〜約40重量%を混合物中に存在させ、または必要であれば、最終生成物が炭酸塩約3〜約8重量%を含むようにする。 付加するカルシウム源または炭酸塩源として炭酸カルシウムを使用する場合は、中性化剤、たとえば水酸化カルシウムおよび酸化カルシウムに比べて比較的低い温度上昇で反応するが、かなりの気体が、発生し、混合中にこれを除去する必要がある。 酸源の性質に応じて、カルシウム源の使用量は、反応混合物中の乾燥原料の約1〜約95重量%、好ましくは約40〜約90重量%とするが、必要であれば、所望の生成物について、カルシウム対りん酸基の適切なモル比とする。
    【0026】
    反応に使用するりん酸源としては、部分的に中和したどのようなりん酸でもよいが、特に最初の2つの水素基、さらに特に最初の1つの水素基を完全にまで中和したりん酸、たとえば前者としてはりん酸二塩基性カルシウム、後者としてはりん酸−カルシウム−水和物(MCPM)とすることができる。 あるいは、またはさらに、好ましくは実質的に結合水を含まない、結晶形のオルトりん酸からなることができる。 一般に、酸源は、混合物中の乾燥原料の約1.0〜約40重量%とすることができる。
    【0027】
    適切な潤滑剤または液体原料は、生理学的に受容可能な液体の群から選択したどのような潤滑剤も含む。 これは水または精製した水、水性アルカノール、たとえば少量、好ましくは約20体積%未満のアルカノールが存在するグリセリン、pHを緩衝したか、または緩衝しない溶液、米国特許5,336,264に記載する溶液などを含むが、これに限定されるものではない。 なお、この特許の開示を参照としてここに引用する。
    【0028】
    乾燥原料は、混合物として液体原料に結合する前に調製し、次にこの原料が実質的に均一に分散するまで、液体原料に混合することができる。 多様な成分を加えるので、混合は、原料を結合させるためにも、セメント成分の間での反応程度を調整するためにも利用できる。 混合の開始前、または機械的混合の終了前に、いずれかの原料またはすべての原料を加える。 混含方法は、ボール・ミル、ブラベンダ混合、1つ以上のローラと可撓性容器との間でのロールがけ、などを含む。 混合は完全に行ない、比較的短時間または原料が均一に分散するまで行なうことが好ましい。
    【0029】
    ガスが発生する場合は、混合によって大きなガス・ポケットを放出する。
    【0030】
    混合した後、混合物は静止させたまま徐冷し、次に長時間かけて混合物を硬化させる。 硬化中に、結合させたカルシウム源とりん酸源とが実質的に完全に反応して、結晶が成長し、かつ生成物は一体となった塊になる。
    【0031】
    本発明の反応性α−C 3 Pの調製によって製造されたりん酸カルシウムセメントは、pHが約5〜8の範囲、通常は約6〜7.5の範囲であって、生物学的受容可能である。 セメントは、温度約0〜45℃、典型的には、ほぼ通常の生理学的温度37℃の環境において使用できるように製造する。 このりん酸カルシウム生成物は、上述の方法によって製造したとき、毒性が低いかまたは皆無であり、また実質的に不活性であり、かつ多様な主体成分を損なう相互作用が実質的に皆無である。 すなわち、アレルギーを発生せず、免疫性を発生せずに、容易に植え込むことができる。
    【0032】
    本発明のα−C 3 P組成物で製造したりん酸カルシウムセメントは、アパタイトのような表面、たとえば主としてダーライトおよびコラーゲンからなる骨または歯に、接着剤または充填剤として適用したときに、他のアパタイトに接着する。 この応用可能な組成物は、湿潤しているか、または、つば、血液もしくはりんぱ液で被覆されている表面に付着して接着し、空洞を充填し、かつ凹形または凸形の不規則な表面に適合する。 この組成物は、破片またはばらばらの粒子を形成することが著しく少なくて、連続する塊として適用することができる。 さらに本発明の生成物から部分的になる組成物は、置換された骨に構造的機能を与えるために構造的に適合していることが判明した。
    【0033】
    次に示す実施例は、本発明を例示するものであって、限定するものではない。
    【0034】
    【実施例】
    実験
    例1 室温において安定である純粋な相のα−C 3 Pの合成、方法1
    2モルのCaHPO 4と1モルのCaCO 3とを、272mlの水に加えて、カルシウム対りん酸基の比が1.5:1のスラリーを生成した。 このスラリーをフィルタ・プレスに注入して、圧力0.70kg/cm 2 (10psi)で固体を液体から分離した。 得られたフィルタ・ケークを炉内で約1400℃に4時間加熱した。
    【0035】
    加熱したフィルタ・ケークを急冷するために、炉から取り出して、大きな平鍋に移し、大きな乳捧で小片に粉砕した。 室温の条件に露出させたとき、これらの小片の温度は、約30秒の間に700℃低下し、続いて室温に低下した。 冷却した小片をXRD分析した結果、これらの小片は実質的に純粋な相のα−C 3 Pであることが判明した。 図1を参照。
    【0036】
    この実験および以下の実験において、XRDパターンは、多様な反応時間で、反応させたりん酸カルシウム組成物を走査して得た。 粉末のX線回折は、乳鉢および乳棒で粉砕し、アルミニウム製試料容器に入れた生物学的物質試料を、42271/0度計を取り付けたPhilips XRG5000を、使用して銅のkα線で測定した。 試料は、2θ範囲を20〜35°とし、走査速度を3°/分、ステップの大きさを0.02として走査した。
    【0037】
    温度低下速度が十分に速くない場合は、 生成物中にヒドロキシアパタイトが同定されて、生成物が純粋な相でないことを示した。 本発明の方法によって得られたα−C 3 Pの純度を、市販のα−C 3 Pと比較するために、日本のサンキン業(Sankin Industries)によって(アパタイト・ライナとして市販される)α−C 3 P生成物も、XRD分析した。 図2を参照。 市販のα−C 3 Pは純枠なα−C 3 Pではなくて、β−C 3 Pおよびヒドロキシアパタイトも含んでいた。
    【0038】
    例2 反応性α−C 3 Pの合成、方法2
    1モルのMCPMと2モルのCaCO 3とを、316mlの水に加えて、カルシウム対りん酸基の比が1.5:1 のスラリーを生成した。 このスラリーを薄い鋳型(浅い皿)に注入して、CaC O 3とMCPMとを反応させた。 得られた反応生成物を「グリーン・ウェア」と標示した。 このグリーン・ウェアを炉内で、1400℃に4時間加熱した。 次に1400℃のグリーン・ウェアを炉から取り出して、陶器の摺鉢に入れて、急冷した。
    【0039】
    加熱されたグリーン・ウェアの冷却速度は、最終生成物の形成にとって重要である。 加熱された物質の温度が、2分間で600℃だけ低下すると、室温において安定であって、XRD分析によって実質的に純枠な相であることが判明したα−C 3 P生成物を得た。 もし、温度が、2時間で少なくとも600℃だけ低下しない場合は、生成するりん酸三カルシウム生成物は、α−C 3 Pの他にβ−C 3 Pを含むであろう。
    【0040】
    例3 反応性α−C 3 Pの合成、方法3
    化学量論量のMCPMとCaCO 3とを結合させて、カルシウム対りん酸基の比が1.5:1の組成物を生成した。 この組成物をプレスして小球とした。 次にこの小球をコンベアに乗せて、温度が1400℃の加熱領域を通過させた。 コンベア・ベルトは、小球が加熱領域に4時間滞留するような速度で移動させた。 加熱領域の終りにおいて、小球をコンベアから冷却された吸熱装置内に落して小球の温度を急速に低下させた。
    【0041】
    例4 反応性α−C 3 P調製物を含むセメントからりん酸カルシウム鉱物質の製造 りん酸カルシウム鉱物質は、例1で調製した反応性α−C 3 Pを、ボール・ミルによって粒径1未満〜100μmの範囲の粒子に粉砕したものを、オルトりん酸(oPA)、炭酸カルシウム(CaC O 3 )または水酸化カルシウム(Ca( O H) 2 )、およびりん酸ナトリウム水溶液と混合し、これらの化合物の種類と水溶液4のりん酸ナトリウム濃度とを調節して、多様な配合の間で、適切な流動学的性質を得るようにした。 この配合によって、乾燥原料に加えるりん酸ナトリウム水溶液の量を、6ml〜8.25mlの範囲とした。 CaC O 3およびCa( O H) 2は、ともに反応中に加えるカルシウムとして作用する。 炭酸塩は、炭酸塩化したアパタイトの合成に必要であり、かつ、pH緩衝剤として作用する。
    【0042】
    上記成分を含む幾つかの多様な配合物を試験して、凝結時間および圧縮強度††を多様な配合について測定した。 これらの試験の結果は次の表1および2に示す。
    【0043】
    †凝結時間を測定するためには、圧痕形成試験を行なった。 圧痕形成試験には、りん酸カルシウム組成物を混合して、外径32mm、内径25mmおよび厚さ5mmの試料リングに入れた。 へらを使って、この物質を試料リングに押し込み、頂部を平らにして、凝結用リングの頂部と同じ高さにした。 凝結用リングを置いた平坦表面から、凝結用リングを、2分間以内に、滑らせて脱し、37℃のウシ血清に浸漬し、培養器内に入れた。 試料を10分間養生させた後、培養器から取り出して試験した。 Gi l more針装置を使用した。 クロス・ヘッドの速度は15mm/分(0.6in/分)に設定し、クロス・ヘッドの移動は1.2mm( 0 .05in)に設定し、電子的負荷限界は、最大45kg(100lb)に設定した。 Gilmore針装置を、(試料の調製前に)較正し、針を試料中に1.2mm(0.05in)圧入した。 この深さに針入させるのに必要な負荷を測定した。
    【0044】
    ††多様な配合物について圧縮強度を測定するために、骨セメント(PMMA)の圧縮強度測定用のASTM F451試験から誘導した試験を行なった。 りん酸カルシウム組成物は混合して、シリンジに後から充填した。 次にこの組成物をシリンジから、直径6mm、長さ(深さ)12mmの円筒形孔を有する圧縮ダイスに注入した。 ダイスに組成物を溢れる程充填し、指で押し込んだ。 過剰の組成物を拭い去り、さらに溢れる程充填し、再び指で押し込んだ。 過剰の組成物はダイスの面一杯に薄い被覆を形成した。 ダイスの他の側もこの物質の薄層が被覆した。 次にダイスを、やや大きいバッグ内に配置してある小さなジッパ封止バッグに入れ、これに37℃のウシ血清を充填し、温度37℃、相対湿度100%に保った培養器内で、水浴に浸漬した。 試料は24時間加温し、さきの薄層を摺り取ってダイスから除去した後に、Instron装置で試験した。 Instron上の凝結は、クロス・ヘッド速度を2.5mm(0.1in)/分とし、最大負荷を180kg(400 lb)とした。 試料はプラテンの上において粉砕した。
    【0045】
    【表1】

    【0046】


    【表2】


    【0047】


    †低い圧痕形成強度は試料の調製に問題があることを示す。


    【0048】


    上述の結果によれば、本発明の室温において安定であり、実質的に純粋な相のα−C

    3 Pで製造したりん酸カルシウムセメントは、圧縮強度の高いりん酸カルシウム鉱物質製品を与えることを示す。 しかしこれらの配合物は凝結時間が比較的長いので、ボール・ミルで粉砕したα−C

    3 P組成物を含むセメントは、凝結時間が短かいことを必要とする用途には適していない。


    【0049】


    例5 α−C

    3 P組成物の調製例1の方法によって調製した、室温において安定であり、実質的に純粋な相のα−C

    3 Pの大量のロット(約10kg)を、4つの等量の部分に分割した。 各部分について相違する粉砕方法を行なってα−C

    3 P組成物を得た。


    【0050】


    第1の部分は、アトリッション・ミルを使用して粉砕してα−C

    3 P組成物を得た。 α−C

    3 P組成物を粉砕するアトリッション・ミルは、大きなアルミナ被覆ミル本体に、これから多様な角度で突出するイットリアで安定化した数本のジルコニア・シャフトを有する1本の粉砕シャフトを含む。 このミルを運転するとき、粉砕シャフトを350r.Pmで回転させる。 このミル本体内に、イットリアで安定化したアルミナからなる直径5mmの数千本の円筒を含む。 アトリッション・ミルにα−C

    3 Pを導入した後、60分間このミルを回転させた。 各10分ごとに、1.5mlの無水エタノールをミルに加えて粉砕効果を助けた。


    【0051】


    第2の部分は、Fluid Energy Aljet(ペンシルバニア)によって粉砕した。 α−C

    3 Pは、最初は、0.70kg/cm

    2 (10psig)で7.7kg/k(17 lb/k)の供給割合で、このミルに導入し、次に7.70kg/cm

    2 (110psig)で2.3kg/k(5 lb/k)の供給割合でこのミルに導入した。 この第2工程はさらに4回反復した。


    【0052】


    第3の部分は、湿式ボール・ミルを使用し、Norian Corporationによりエタノールの存在で18時間粉砕した。


    【0053】


    第4の部分は、Swenco(ケンタキー)による、SWENCOミルを使用して78時間粉砕した。


    【0054】


    これらの多様な粉砕方法によって得た、4種類の多様なα−C

    3 P組成物の特性を、次の表3に示す。


    【0055】


    【表3】


    【0056】


    †粉砕したりん酸三カルシウムの粒径分布は、Malverr Master sizer MS20装置によって測定した。 約1gの試料を試料カップに入れ、次に約30mlのイソプロピルアルコールを加えて、乾燥試料を分散させた。 次に試料カップを振動板の上に置き、このカップ内に超音波発振器を浸漬した。 この方法は、分析すべき粒子を含むスラリーを通して指向させたレーザー源を使用した。 試料を試験する前に、この装置を整合させて較正し、試料室内のイソプロピルアルコールを通してバック・グラウンドを測定した。 あいまい値(obsuration value)が、0.2と0.3の間になるように十分な試料を加えて測定した。 試料を試験し、その結果を自動的に計算した。 平均の直径および分布を得た。


    【0057】


    ††表面積の測定は、粉砕したりん酸三カルシウム試料について、Micromeretics Gemini 2360 BET 表面積分析器を使用して行なった。 1gと2gの間の試料を、試料容器に採取し、正確な重量を記録した。 この分析装置のガス除去室内に置いた試料容器にゴム栓をおいた。 試料粉末に針状のガス管を注意深く押し込み、試料に窒素ガスを流し、この窒素ガス流は、試料に吸収したガスを追い出すためのキャリァ・ガスとして使用した。 次に試料管を、温度を250℃に設定した炉材で内張りしたガス除去室内においた。 試料は、試験前に12時間以上ガスを除去し、その後封止して放冷した。 試料が室温条件に平衡したとき、分析装置に移して、試料の同定、重量および周囲条件を入力して試験を行なった。 この方法において、試料を液体窒素浴に浸漬して、その温度に平衡させた。 窒素ガスを試料に通した。 平衡に達した後、粒子表面から脱着して試料管から出戻ったときに、窒素分子を検知した。 5つの試料点を取り、これらの点から比表面積を測定した。


    【0058】


    アトリッション・ミルによれば、使用する特殊な粉砕媒体から混入する不純物が最も少ないα−C

    3 P組成物を得る。


    【0059】


    アトリッション・ミルで粉砕したα−C

    3 Pは白色を呈したが、ボール・ミルで粉砕したα−C

    3 Pは灰色、ジェット・ミルで粉砕したα−C

    3 Pは薄い灰色、SWENCOミルで粉砕したα−C

    3 Pは褐色を呈した。


    【0060】


    多様なミルで粉砕したα−C

    3 P組成物の結晶格子の構造をXRD分析によって比較した。 図1は、焼結したα−C

    3 PのXRDパターンであり、これは約30.00において鋭いピークを示し、結晶構造が極めて整然としていることを示す。 図3aおよび3bは、それぞれジェット・ミルおよびボール・ミルで粉砕したα−C

    3 P組成物のXRDパターンであり、焼結したα−C

    3 Pより結晶格子構造がやや乱れていることを示す。 図3cは、SWENCOミルで粉砕したα−C

    3 P組成物のXRDパターンであり、結晶構造は著しく崩れていて、完全な結晶構造は極めて小さいことを示す。


    【0061】


    最後に、図3dのアトリッション・ミルで粉砕したα−C

    3 P組成物のXRDパターンは、アトリッション・ミルによる粉砕は、ボール・ミルまたはジェット・ミルで粉砕したα−C

    3 Pより、平均粒径が小さい結晶構造に一層欠陥が多いが、SWENCOミルで粉砕したα−C

    3 Pより、平均粒径が大きい結晶の結晶構造が一層整然としている組成物を生ずることを示す。


    【0062】


    例6 多様なα−C

    3 P組成物の反応性例4で調製し、多様な方法で粉砕したα−C

    3 P組成物の反応性を、次のセメント配合を有する組成物を使用して測定した。


    【0063】


    0.00196Ca(H

    2 PO

    4 )

    2・H

    2

    O + 0.048Ca

    3 (PO

    4 )

    2 +0.0185CaCO

    3


    アトリッション・ミル、湿式ボール・ミルおよびジェット・ミルで粉砕したα−C

    3 Pには、12.65gのα−C

    3 P,1.85gのCaCO

    3および0.493gのMCPMを、 7.2gの0.075m Na

    2 HP

    O

    4と結合させた。 SWEC

    Oミルで粉砕したα−C

    3 Pには、上記の量の乾燥原料を9.6gの0.075m Na

    2 HP

    O

    4と結合させた。


    【0064】


    各セメントの凝結速度、および各セメントから作成したりん酸カルシウム鉱物質の圧縮強度を測定して、反応性を決定した。 その結果を下の表4に示す。


    【0065】


    【表4】


    【0066】


    この結果から明らかなように、特殊なα−C

    3 P組成物を調製するために使用した粉砕方法は、これを含むりん酸カルシウム鉱物質セメントに著しい影響を与える。 強度達成速度は、ジェット・ミル、湿式ボール・ミルおよびSWENC

    Oミルの方法によって粉砕した物質を含むセメントについては同様である。 セメント配合においてアトリッション・ミルで粉砕したα−C

    3 Pは、37℃に平衡させた血清に浸漬したとき、10分未満で最大負荷が45.4kg(100lb)を超えた。 凝結時間が10分であることは、セメント組成物をその場で凝結させようとする臨床応用に望ましいと考えられる。 アトリッション・ミルで粉砕したα−C

    3 P組成物は、研究したセメントのうちで凝結特性が最良であった。


    【0067】


    機能的には、SWENC

    Oミルで粉砕したα−C

    3 Pを使用したセメントは、極めて乾燥したペーストを生成し、これは注入することができず、取り扱いが困難であり、さらに最終的に得られるりん酸カルシウム鉱物質の圧縮強度は、アトリッション・ミルで粉砕したα−C

    3 Pを使用して製造したセメントで得られる圧縮強度より著しく低くかった。


    【0068】


    結論として、アトリッション・ミルによる粉砕は、理想的な時間で凝結する圧縮強度の高いりん酸カルシウム鉱物質を得るので、りん酸カルシウム・セメントで使用するために適切な反応性を有するα−C

    3 P組成物を与える。 さらに、アトリッション・ミルによる粉砕は、臨床的に適切な凝結および強度の特性を有するセメントを得るために必要な粒径分布を示すα−C

    3 P組成物を与える。


    【0069】


    【発明の効果】


    上述の実験および解説から明らかなように、室温において安定であり、実質的に純粋な相のα−C

    3 P生成物を得る方法を提供する。 本発明のα−C

    3 P生成物は、りん酸カルシウム・セメントの製造に使用するために適しており、このセメントから形成した生成物に高い引張り強度を与える。 また本発明は、このα−C

    3 P生成物を粉砕して、その場で凝結させるように設計したセメントの製造に使用するために十分な反応性を有するα−C

    3 P組成物を製造する方法を提供する。


    【0070】


    本明細書において言及したすべての出版物および特許出願は、本発明に関連する当業者の技術水準を示すものである。 すべての出版物および特許出願は、あたかも各個別の出版物または特許出願が、特定かつ個別に参照として引用したことを示す程度に、ここに参照として引用した。


    【0071】


    前述の発明は、理解を明らかにする目的で、説明および例示により、やや詳紬に記載したが、自明のように、特許請求の範囲内において、部分的に変更および修正をなし得るものである。


    【図面の簡単な説明】


    【図1】 本発明によって調製した、室温において安定な純粋な相のα−C

    3 P生成物のX線回折パターンである。


    【図2】 日本のサンキン

    業(Sankin Industries)によってアパタイト・ライナーとして販売されている市販のα−C

    3 PのX線回折パターンである。


    【図3】 図3a-3dは、ジェット・ミル、湿式ボール・ミル、SWENCOミルおよびアトリッション・ミルによって、それぞれ調製したα−C

    3 PのX線回折パターンである。


    【図4】 図4a-4dは、アトリッション・ミル、湿式ボール・ミル、SWENC

    Oミルおよびジェット・ミルによって、それぞれ調製したα−C

    3 Pの粒径分布曲線である。

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