α- hemihydrate gypsum

申请号 JP15340498 申请日 1998-06-02 公开(公告)号 JP3763672B2 公开(公告)日 2006-04-05
申请人 三井化学株式会社; 发明人 晃一 前田; 吉田  浩隆; 清人 土井; 正 芳野;
摘要
权利要求
  • 火成岩性燐鉱石を用いた湿式燐酸製造法において、二水−半水法により該火成岩性燐鉱石を硫酸で分解し、湿式燐酸を製造する際に副生するα−半水石膏に水酸化マグネシウムが添加されたα−半水石膏。
  • α−半水石膏に添加する水酸化マグネシウムが、α−半水石膏100重量部(ドライベース)当たり、0.1〜5重量部である請求項1記載のα−半水石膏。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、コーラ鉱(旧ソ連)、ファラボワ鉱(南アフリカ)等に代表される火成岩性燐鉱石を用い、湿式燐酸製造において、二−半水法により、該火成岩性燐鉱石を硫酸で分解し、湿式燐酸を製造する際に副生するα−半水石膏に関する。 更に詳しくは、湿式燐酸製造法によって得られたα−半水石膏に特定の添加剤を加えることにより、凝結速度が長期的に安定する良質なα−半水石膏に関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    湿式燐酸製造法によって得られる燐酸石膏を工業的に利用することは重要である。 特に土地が狭く燐酸石膏を廃棄することが困難で、かつ天然資源の少ない我が国においては、湿式燐酸製造法の際に多量に副生する石膏(湿式燐酸P 換算当り二水石膏として約5倍量の石膏が副生する)の有効利用は極めて重要であり、また、燐酸製造コストの点でも重要な問題である。
    【0003】
    しかし、かかる燐酸石膏は燐鉱石中に含まれる種々の不純物の為、水和性が悪く、工業的に大量使用する為には、何らか改質が必要である。 その方法については、本出願人等による特願平6−320409号公報で開示されている方法で、改質することが可能である。 この方法により、二水−半水法で得られる燐酸副生α−半水石膏の水和性は飛躍的に向上するが、得られるα−半水石膏を水と混練した場合、その凝結固化に要する時間が、該α−半水石膏にアルカリを添加した日を始めとして経日的に遅延する問題があり、長期保存した場合に安定した凝結時間で固化させることができない。
    【0004】
    【発明が解決しようとする課題】
    燐酸副生α−半水石膏はアルカリを添加することにより水和性は向上するが、添加して長期保存する場合に凝結時間の著しい遅延が発生し、安定した凝結時間を持つ石膏にならないという問題点がある。
    【0005】
    【課題を解決するための手段】
    本発明者らは、上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、従来の方法において火成岩性燐鉱石を用いる湿式燐酸製造法において、副生するα−半水石膏に特定の物質を添加することにより、これらを解決することを見出した。
    【0006】
    即ち、本発明は火成岩性燐鉱石を用いた湿式燐酸製造法において、二水−半水法により該火成岩性燐鉱石を硫酸で分解し、湿式燐酸を製造する際に副生するα−半水石膏に水酸化マグネシウムが添加されたα−半水石膏に関する。
    【0007】
    【発明の実施の形態】
    以下に本発明を詳細に開示する。
    本発明に使用するα−半水石膏は、火成岩性燐鉱石を用い、湿式燐酸製造において、二水−半水法により、該燐鉱石を硫酸で分解して、湿式燐酸を製造する際に副生する湿式燐酸副生α−半水石膏を所定の方法で洗浄、乾燥を行ったものである。 その後、該α−半水石膏の粉砕を行い比表面積の調節を行う。 ここで、水酸化マグネシウムを添加、混合を行うが添加は粉砕する前のα−半水石膏に添加し、ともに粉砕しても良いし、粉砕後に添加、混合してもよい。
    【0008】
    本発明でいう水酸化マグネシウムとは、一般に工業用として使用されている程度の純度があれば何ら問題はない。 添加する水酸化マグネシウムはα−半水石膏100重量部(ドライベース)当たり、0.1〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜2重量部、最も好ましくは0.25〜1重量部が好適である。 添加する水酸化マグネシウムが、0.1重量部未満では水和が充分進行せず成型物の強度が充分得られないので好ましくない。 また、5重量部を越えてもその凝結時間、水和速度に変化がなく、不純物としてマグネシウムの量が多くなるため好ましくない。
    【0009】
    水酸化マグネシウムを添加したα−半水石膏を水と混練するか、または水との混練時に添加した石膏スラリーは、アルカリの添加にもかかわらず、初期のpHが7.0程度と中性域であり、使用の際に安全に取り扱うことができ、本発明の優れた特徴となっている。 ここでいうpHとは、混練時の石膏スラリーを適量採取し、5重量%スラリーになるよう調整を行った後、攪拌を行い5分後の値を測定したものをいう。 これにより、従来、木材に塗布する場合に問題となっている木材のアルカリによる変色が、飛躍的に改善されほとんど変色がみられなくなる。 また、従来使用していたアルカリの場合、アルカリを添加しないα−半水石膏に比べ、その理由は明らかではないが、添加することで標準混水量が5〜10%増加するため、本来のα−半水石膏の持つ特徴である低混水量での混練ができなかった。
    【0010】
    本発明の水酸化マグネシウムを添加した場合、標準混水量は低下する傾向にあり、低混水量での混練が可能となり、成型品の強度の増加につながると伴に、使用水量の削減によるコストダウンとなり、その効果は大なるものがある。 本発明によれば、従来の方法の場合、添加したアルカリが長期保存した場合の凝結時間の経日変化を引き起こす原因となっていたが、水酸化マグネシウムを添加することで、その理由は明らかではないが、水和速度は維持したまま、凝結時間を経日的に安定化することが可能となる。
    【0011】
    【実施例】
    以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する。 また、以下に数値の単位として記載する%は、特に断りのない限り重量%を表す。
    実施例1
    二水−半水法により得られた湿式燐酸副生α−半水石膏(以下、単に石膏という)を所定の方法により乾燥、粉砕し、比表面積2000cm /g前後に調節した石膏を用いた。 石膏100重量部あたり0.5重量部の水酸化マグネシウムを添加し、均一に混合したサンプルを作成した。
    このサンプルを用い標準混水量、濡れ引っ張り強さ、凝結時間、水和速度(結晶水の経時変化)、pH値を測定した。 その結果、標準混水量、濡れ引っ張り強さを表1に、凝結時間(始発時間、見掛けの終結時間)を表2、3に、水和速度、pH値を表4に示す。
    【0012】
    測定方法は下記の方法で行った。
    標準混水量(JIS R−9112)
    約300mlの乾燥したビーカーに15〜25℃の水100mlを入れ、次にビーカー中に少量ずつ散布しながら石膏を水中に沈め、余剰の上澄み液がなくなった時に投入した石膏の質量をはかり、次式により少数1位まで求め、少数1位を四捨五入して求める。
    標準混水量(%)=〔100g(使用した水の質量)/使用した試料の質量(g)〕×100
    【0013】
    濡れ引っ張り強さミハエリス型引っ張り強さ試験機を使用し、金属型をガラス板上に置き、流し込み時間に達したペーストを金属型に流し込み、表面を平滑にし、約40分後に脱型し、大気中に放置し投入開始3時間経過したものについて測定する。
    【0014】
    凝結時間(JIS R−9112)
    流し込み開始時間:内径約150mm、高さ約120mmの適宜の円筒形容器を使用し、これに混水量の水を注入し、供試石膏800gを1分間に水面に均一に散布し、2分放置後、直径15mmの棒で1分間に100回の速度で約2分間以上かき回し、棒のあとがかすかに現れても直ちに消滅するような粘さとなるまでの時間を流し込み開始時間始発時間:ビガー針装置凝結時間測定器を利用し、金属円筒型に流し込み時間に達したペーストを流し込み、測定器の標準針が供試体の底から1mmの高さに止まるようになるまでの時間見掛けの終結時間:測定器の標準針が供試体の表面から1mmの高さに止まるようになるまでので時間【0015】
    水和速度:JIS R−9112の方法に従い混練した石膏を、経時的にサンプリングし、水和反応を停止させるためにメタノールと混合攪拌し、付着水を除去した。 メタノールで洗浄した石膏を濾過し、40℃で24時間乾燥した後、200℃で3時間脱水し、乾燥減量を測定することで石膏の結晶水を計算した。 結果を石膏中の結晶水の割合で表し、この結晶水の経時変化を水和速度とした。
    【0016】
    pH値水100mlに石膏5重量部投入し、5%のスラリーとし、マグネチックスターラーを用いて4分間撹拌を行った後、pH電極をスラリーに浸し、引き続き撹拌し、サンプル投入後から5分後のpHを測定した。
    【0017】
    比較例1
    実施例1の水酸化マグネシウムを水酸化カルシウムに変更した以外は、実施例1と同様に行った。 このサンプルを用い標準混水量、凝結時間、水和速度(結晶水の経時変化)、pH値を測定した。 その結果、標準混水量、濡れ引っ張り強さを表1に、凝結時間(始発時間、見掛けの終結時間)を表2、3に、水和速度、pH値を表4に示す。
    【0018】
    【表1】

    【0019】


    【表2】


    【0020】


    【表3】


    【0021】


    【表4】


    【0022】


    【発明の効果】


    以上詳細に説明した如く、湿式燐酸副生α−半水石膏に本発明の方法である水酸化マグネシウムの添加により、従来より懸念されていた長期保存時の凝結速度の経日変化を大幅に抑制でき、長期的に安定した凝結時間をもつα−半水石膏を得ることができる。 また、pHが中性に近いため、取り扱い上の危険が激減する。 また、混水量が大幅に低下するため、成型品強度が増すと伴に、使用水量の削減によるコストダウンも見込まれる。 さらには、合板に塗布した場合の着色がみられなくなり、使用可能な分野が広がった。

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