金属カルコゲニド薄膜電極、その生産方法及び使用

申请号 JP2016557189 申请日 2014-12-04 公开(公告)号 JP2017503084A 公开(公告)日 2017-01-26
申请人 テクニシェ ウニヴェルズィテート ベルリンTechnische Universitat Berlin; テクニシェ ウニヴェルズィテート ベルリンTechnische Universitat Berlin; 发明人 ミヒャエル ラブロウ,; ミヒャエル ラブロウ,; アナ フィッシャー,; アナ フィッシャー,; マシアス ドリエス,; マシアス ドリエス,; トーマス シェデル−ニードリグ,; トーマス シェデル−ニードリグ,; マルセル−フィリップ ルーケ,; マルセル−フィリップ ルーケ,;
摘要 本発明は、金属カルコゲニド 薄膜 電極を生産するための方法に関する。上記方法は、(a) 非 水 性溶媒中で金属又は金属 酸化 物とハロゲン元素とを 接触 させて、上記溶液中でハロゲン化 金属化 合物を生産するステップと、(b) ステップ(a)由来の上記溶液と接触している電気伝導性 基板 又は半導体基板に負電圧を印加するステップと、(c) ステップ(b)の間及び/又は後に、上記基板とカルコゲン元素とを接触させて、金属カルコゲニド層を前記基板上に形成するステップとを有する。また、本発明は、上記方法によって製造することができる金属カルコゲニド薄膜電極と、(光)電気化学的水分解の間、酸素を放出するアノードとしてのその使用に関する。【選択図】なし
权利要求

金属カルコゲニド薄膜電極を生産する方法であって、 (a) 非性溶媒中で金属又は金属酸化物とハロゲン元素とを接触させて、前記溶液中でハロゲン化金属化合物を生産するステップと、 (b) ステップ(a)由来の前記溶液と接触している電気伝導性基板又は半導体基板に負電圧を印加するステップと、 (c) ステップ(b)の間及び/又は後に、前記基板とカルコゲン元素とを接触させて、金属カルコゲニド層を前記基板上に形成するステップと、を有する、金属カルコゲニド薄膜電極を生産する方法。前記金属は、前記金属が+2又は+3以上の酸化状態で存在するハロゲン化金属化合物を形成することができる、請求項1に記載の方法。ステップ(b)において、前記金属は、還元によって基板上に析出し、 負電圧に起因して前記基板は、前記還元の間、電子伝達装置である、請求項1又は2に記載の方法。前記金属は、鉄、コバルト及びニッケル又はこれらを含む若しくはこれらからなる合金若しくは混合物からなる群より特に選択される少なくとも一つの遷移金属を含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。前記金属は、固体金属体であり、特に、工業用金属又はスクラップ金属である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。前記カルコゲン元素は、酸素元素、硫黄元素又はセレニウム元素である、請求項1から6のいずれかに記載の方法。前記基板は、n-半導体、特に、nドープシリコン又はフッ素ドープ酸化スズ(FTO)を含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。前記ハロゲン元素は、ヨード(I2)又は臭素(Br2)である、請求項1に記載の方法。前記非水性溶媒は、有機溶媒、特に、カルボニル基又はシアノ基を有する有機溶媒、好ましくは、アセトン又はアセトニトリルである、請求項1から8のいずれかに記載の方法。非水性溶媒中の水の割合は、多くても0.2wt.%である、請求項1から9のいずれかに記載の方法。前記基板と前記カルコゲンとを接触させることは、前記溶液中の前記カルコゲンの存在によって、又は、前記基板とカルコゲン含有環境空気とを接触させることによって実行される、請求項1から10のいずれかに記載の方法。(d) 前記金属カルコゲニド層を含む前記基板に熱後処理を行なうステップを更に有する、請求項1から11のいずれかに記載の方法。請求項1から11のいずれかに記載の方法によって生産される又は生産可能な、電気伝導性基板又は半導体基板及びその上に析出した金属カルコゲニド化合物の薄膜を備える金属カルコゲニド薄膜電極。前記金属カルコゲニド層は、炭素又は炭素含有化合物を有する、請求項12に記載の金属カルコゲニド薄膜電極。電気化学的水分解に関して酸素を発生させる電極としての、請求項13又は14に記載の金属カルコゲニド薄膜電極の使用。

说明书全文

本発明は、金属カルコゲニド薄膜電極を生産する方法、上記方法によって生産することができる金属カルコゲニド薄膜電極及び電気化学的分解でのその使用に関する。

(光)電気化学的水分解(H2O → H2 + 1/2 O2)による安価で環境にやさしい水素の生産は、(例えば燃料電池のための)代替燃料の生産のための主要な課題である。電気分解の間、二つの部分反応が電極で生じる:カソードにおいて、プロトンが還元され水素が生じ(2H+ + 2 e- → H2)、アノードにおいて、酸素の酸化が生じる(O2- → 1/2 O2 + 2 e-)。良好な総合効率のために、両部分反応は、高速且つ同等の速度で生じなければならない。現在では、アノードでの酸素の生成(即ち、酸素発生反応OER)は、律速反応を表すものであり、この目的のために改良型電極物質が求められている。光活性アノード材料は、ソーラーパワー光電気化学的水分解を可能にすることから特に好ましいものである。改良型触媒電極物質は、アノードでの過電圧を低下させるために必要である。

遷移金属酸化物は、水分解電極系での酸素の(光)電気化学的生成のための特殊な活性物質クラスである(Cook et al., Chem. Rev. 110 (2010), S. 6474-6502; Walter et al., Chem. Rev. 110, (2010), S. 6446-6473)。適切な電極の製造は、主に、(アノード条件下での)金属前駆体の酸化、即ち、電極を配置している間、水存在下での電極(基板)上へ金属の析出及びその酸化に基づく。例えば、水性RuCl3溶液からFTO基板上へのRuO2膜の電気化学析出(Tsuji et al., Electrochim. Acta 56, (2011), S. 2009-2016)が知られている。

更なるアプローチとしては、予め化学的又は電気化学的に形成された金属酸化物クラスターを電極表面に電気泳動的に移動させることが挙げられる。例えば、カマダ外(Kamada et al., Electrochimica Acta 47 (2002), 3309-3313)は、プラチナカソード上へのTiO2膜の電解析出法が記載されている。この場合、チタン犠牲アノードが、TiO2析出のための基板として機能するプラチナカソードに対するカウンター電極として使用され、この反応は、ヨード(I2)の存在下で、微量H2Oを含むアセトン中で実行される。この場合、チタンは、水存在下でのヨードによる酸化反応によってTiO2+に酸化され、カソード方向に移動する電場により犠牲アノードから放出される。Ptカソード上への析出は、そこで、TiO(OH)2からH2が放出されTiO2に変換されることで生じる。チタニルイオンのカソードへの電気泳動的移動を実行するために、この手順は、電気伝導性カソードを必要とする。

(溶液中での)金属酸化物の形成が、マクマーリ反応として知られている、オレフィンに対する有機分子(ケトン)のカップリング反応が生じ得る還元条件下で生じることができることは、論文からも公知である(McMurry & Fleming, J. Am. Chem. Soc. 96 (1974), S. 4708-4709)。ここで、LiAlH4とTiCl3の組み合わせを用いて、水素化アルミニウムリチウムTi(+III)が、ケトンと次々に反応するTi(+II)に部分的に還元される。二酸化チタンが、副産物として放出される。

本発明の根底にある目的は、電気化学的水分解の間、酸素を電子触媒的に発生させる金属カルコゲニド薄膜電極を生産する方法を提案することであり、これは、実行しやすく、理想的には安価な出発物質に基づくものである。この方法によって生産される電極は、電子触媒的酸素発生に関して良好な活性を示すべきであり、理想的には光活性であるべきである。加えて、生産された金属カルコゲニド層は、高い安定性を有するべきである。

上記目的は、金属カルコゲニド薄膜電極を生産する方法、この方法によって生産できる対応する電極及び独立項の特徴を有するその使用によって、完全に又は部分的に成し遂げられる。

金属カルコゲニド薄膜電極を生産するための本発明による方法は、 (a) 非水性溶媒中で金属又は金属酸化物とハロゲン元素とを接触させて、上記溶液中でハロゲン化金属化合物を生産するステップと、 (b) ステップ(a)由来の上記溶液と接触している電気伝導性基板又は半導体基板に負電圧を印加するステップと、 (c) ステップ(b)の間及び/又は後に、上記基板とカルコゲン元素とを接触させて、金属カルコゲニド層を上記基板上に形成するステップと、を有する。

従って、本発明によれば、後に金属カルコゲニド層が形成される金属又は金属酸化物から中間ハロゲン化金属化合物を溶液(ステップa)に発生させ、上記金属又は金属酸化物は、部分的に溶解する。その後、基板に電気化学的錯体化及び析出が実行され(ステップb)、薄膜が析出される上記基板は、ハロゲン化金属含有溶液において負電圧が加えられ、即ちは、アノードに関してカソード的にスイッチされ。公知の電気泳動析出とは対照的に、基板の負荷電は電場の形成には至らなず、粒子の移動は導かれるが、基板は、電気化学的還元反応の間、電子伝達装置として機能することになる。従って、ステップ(b)において、還元によって金属が基板上に析出し、負電圧によって還元の間、基板が電子伝達装置となることは特に有利である。(ステップbの間又は後に)ステップ(c)において析出膜とカルコゲン元素とを接触させるステップは、最終的に、金属カルコゲニド化合物を形成させる。

その後及び/又は同時に、カルコゲン元素は、負カソード(基板)から電子を受け入れることによって還元され、ハロゲン化金属の金属カチオンと反応して、対応する金属カルコゲニドとなり、基板の表面に析出する。この方法によって、高度に凝縮し非常に安定した金属カルコゲニド層が基板上に形成される。従って、得られた金属カルコゲニド層は、電気化学的水分解の間、電気化学的アノード酸素発生に関する活性が高い。

好ましくは、酸化状態が+2又は+3以上で存在する金属(即ち、2又は3以上のハロゲン化物アニオンに結合可能)であるハロゲン化金属化合物を形成することができる金属を用いる。一価の形態(酸化状態+1)でしか存在できない金属と比較して、二価又は三価以上の状態の金属は、驚くべきことに、より大きなカルコゲニド析出となり得る。この理由は、おそらく、使用する溶媒による二価又は三価以上の状態の金属カチオンの錯体化がより良好なためである。

本発明の好ましい実施形態において、金属は、遷移金属である。好ましくは、鉄(Fe)、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)並びにこれらを含む又はこれらからなる合金及び混合物からなる群より選択される。この場合、合金又は混合物は、周囲温度でのハロゲン化物の形成が文書で裏付けされていない金属(例えばクロム(Cr)又はマンガン(Mn))を含むこともできる。また、これらの金属は、金属カルコゲニドとして、本発明による方法によって同時析出される。このようにして、混合金属カルコゲニド層(例えば種々の金属の混合酸化物)を析出することができ、これによって、電極の触媒特性を改善することができる。

本方法特有の利点は、固体金属体、特に、特定の工業用金属又はスクラップ金属を開始物質として用いることができる。このようにして、安価な原料を、必要に応じて金属を化学的に又は機械的に洗浄した後に、出発物質として用いることができる。

「カルコゲン」という用語は、元素周期表の第VI族の主要なグループの元素を指す。好ましくは、本発明の範囲内において、カルコゲンは、酸素元素、硫黄元素又はセレニウム元素を含む。このようにして、この方法によって、金属酸化物、金属硫化物又は金属セレン化物層を生産することができる。好ましい生産された金属酸化物は、特に、酸化ニッケルNixOy、酸化コバルトCoxOy及び酸化鉄FexOyである。種々の金属硫化物が、特に、適切な光活性基板に良好な電子触媒特性を与え、これらを光電水電解に使用することができるようになる。これには、特に、硫化鉄(例えば二硫化鉄FeS2(黄鉄鉱))又は様々なCuZnSnS-化合物(例えば黄錫亜鉛鉱Cu2(Zn, Fe)SnS4)が含まれる。対応する硫化物の生産のために硫化水素を使用する先行技術の方法と比較して、本発明による方法は、より有毒性が低い調製法を提供する。

基板自体は、本方法の様々な種々の反応において、化学的な影響を受けず、特に、金属又は他の反応成分のプロバイダーとして先行技術の犠牲アノードのように使用されない。金属カルコゲニドの電気化学析出のために、そして、後の電極としての使用のために、基板が電気伝導性又は半導性であり、電子供与体として機能することだけは必須である。例えば、フッ素ドープ酸化スズ(FTOフッ素ドープ酸化スズ)を基板として用いる。あるいは、n-半導体を、光効果で電子欠陥(ホール)を生産(即ち光活性)する基板として用いられる。n-半導体は、特に、水電解の間、酸素を発生させる光アノードとしての使用に適している。この場合、光効果で生産される電子欠陥は、基板から金属カルコゲニド層に、そこから固体/電解質境界線に到達するために且つO2へのO2-の酸化を触媒するために、移動する。特に、nドープシリコンは、基板となり得るn-半導体である。

金属酸化物膜の析出について、基板の還元溶解及び関連した水の形成を回避するために、酸化物フリーの伝導性基板が特に好ましい。従って、(エッチングされた)シリコンは、膜が析出するカソードにも、電子受容体として閉回路を完成させるために使用されるアノードにも、好ましい選択である。溶媒中に水が存在しないことをできるだけ確実にするために、湿気からの水の侵入を防止するために、環境(即ち環境空気)から、電気化学セル(金属酸化物膜はここから析出する)を封止することは有利である。本発明の本実形態において、空気中の二酸化炭素からの炭酸の形成も防止することができる。

本方法のステップ(a)においてハロゲン化金属を生産するために、ハロゲン元素を用いる。適切なハロゲン元素としては、特に、固体材料として用いることができるヨードI2又はガスとして溶媒にスパッタリングを行なうことができる臭素Br2が挙げられる。好ましくは、結晶性ヨードが用いられる。

好ましくは、有機溶媒を非水性溶媒として用いる。特に好ましくは、有機溶媒は、カルボニル基(CO)又はシアノ基(CN)を含む。かかる溶媒がハロゲン化物化合物の金属カチオンとカルボニル基又はシアノ基の遊離電子対とを配位させることで、カソード生成カルコゲニドアニオンとの次反応のためにそれらを活性化させると仮定されている。加えて、驚くべきことに、溶媒が炭素又は炭素含有化合物との共析出の反応に関与すると観察されている。生産された金属カルコゲニド層における炭素又は炭素含有化合物の割合は、最高30原子パーセントである。溶媒から生じた薄膜における炭素又は炭素含有化合物の割合は、予想外に凝縮した金属カルコゲニド薄層となることから、安定性及び不浸透性が向上する。一般的に電気化学セルにおける水性電解質との接触から保護すべき半導体を基板として使用するとき、不浸透性は特に重要である。更に、炭素及び/又は炭素含有化合物を薄膜に埋め込むことによって、基板と金属カルコゲニドとの間の荷電移動を向上させることができる。

この方法は、水が金属カルコゲニドの形成を阻害するため、できるだけ水を除外して実行される。好ましくは、使用される非水性溶媒中の水の割合は、多くても0.2wt.%、特に好ましくは多くても0.1wt.%である。

好適な実施形態において、残留水は、ハロゲン化物の析出及び/又は形成前に溶媒から排除される。これは、前電解によって好ましくは実行され、例えば、2本の電極を、ハロゲンが既に含まれている溶媒に導入する。電圧を(特に、5〜20Vの範囲、好ましくは7〜12Vの範囲、特に好ましくは10Vを)2本の電極に印加することによって、残留水が分解され、電極(アノード)の一つに酸化が生じる一方で、他の電極(カソード)に水素分子が形成されガスとして電解質から排除される。

電気化学的に改良された基板とカルコゲン元素を接触させて金属カルコゲニドを形成することは、種々の方法で実行することができる。一方で、カルコゲンは、溶媒に既に存在していてもよく、これを能動的に加えてもよい。例えば、溶媒は、溶存酸素を微量に含んでいてもよく、酸素は、溶液に撹拌することによって導入してもよい。カルコゲンとして硫黄又はセレニウムを使用する場合、硫黄元素又はセレニウム元素を溶液に加えることができる。あるいは、カルコゲンは、環境空気に存在していてもよく(例えば環境空気に既に存在している酸素)、環境空気に能動的に加えてもよい。この場合、基板を、ステップ(b)後の溶液からの除去後に環境空気と接触させることで、カルコゲンと接触させることができ、その結果、金属カルコゲニドが基板の表面に形成される。この手順は、特に、金属酸化物層を生産する必要があることから大気中酸素を用いることができる場合に適切である。

本発明の好適な実施形態において、金属カルコゲニド層を基板上に形成した後、析出層の化学的又は電気化学的後処理は、金属カチオンの酸化状態を安定させる(例えば増加させる)ために実行される。これは、水性水酸化物含有電解質における電気化学的処理によって実行することができる。

本発明の特に好ましい実施形態において、基板上の金属カルコゲニド層の形成後に、又は、上述した(電子)化学的後処理後に、熱後処理が実行される。このようにして、基板及びその上に析出した金属カルコゲニド層からなる構造は、1分〜10時間の期間、特に1〜30分の期間、150〜800℃、特に150〜500の℃、好ましくは200〜400℃の範囲の温度で処理される。熱後処理(また、「アニーリング」とも称する)は、析出層の結晶化度及び/又は感光性を増加させる。特定の条件は、カルコゲン及び所望の結晶化度の方向に主に向けられる。

本発明の更なる態様は、本発明による方法によって生産することができる金属カルコゲニド薄膜電極に関する。電極は、電気伝導性基板又は半導体基板及びその上に析出した金属カルコゲニド化合物の薄膜を有する。本発明による方法によって生産された電極は、特に、生産された金属カルコゲニド薄膜中に炭素及び/又は炭素の化合物を見けることができるという点で特徴づけられる。生産された金属カルコゲニド層における炭素又は炭素含有化合物の割合は、最高30原子パーセントである。炭素は、薄膜の強度及び不浸透性の増加に関与する。このように、両方によって、金属カルコゲニドへの基板の荷電輸送を最適化することができ、基板の安定性を増加させることができる。これは、一般的に水性電解質との接触から保護する必要がある半導体を使用するときに、特に重要である。従って、本発明による金属カルコゲニド薄膜電極は、安定性の向上によって特徴づけられる。本発明による薄膜電極は、50〜1000nmの範囲、特に100〜500nmの範囲の金属カルコゲニド層の層厚さを有する。加えて、析出層は、平均サイズが≦500nmの範囲の電子顕微鏡で確認可能な構造要素を有するナノ構造表面形態を有する。

本発明の更なる態様は、外部電圧の印加及び光の照射による電気化学的水分解で酸素を発生させる電極としての本発明による金属カルコゲニド薄膜電極の使用に関する。言い換えると、好ましくは、水電解の間、電極をアノードとして用いる。特に、基板が光活性半導体(例えばnドープシリコン)である場合、電極が光電気化学的水分解のために(即ち光アノードとして)用いることができる。光活性半導体基板及びその上に析出した金属カルコゲニド層のヘテロ構造は、そこから固体/電解質境界線に到達するために、半導体から金属カルコゲニド層への電子欠陥(ホール)を輸送することを光の供給によって可能にする。

本発明の更なる好ましい実施形態は、従属請求項に記載の残りの特徴から規定される。

本願に記載の本発明の様々な異なる実施形態は、個別に断りがない限り、都合よく互いに組み合わせることができる。

本発明を、添付の図面を参照しつつ以下の実施形態によって説明する。

図1は、Ni(a)、Co(b)、Fe(c)及びCu(d)のカソード析出の後、本発明の金属酸化物FTO薄膜電極の形態及び電気化学的性質を示す。

図2は、Si(111)上に析出させたNi

xO

y層の化学分析の結果を示す。a)は、アノード使用の前後のXPS。b)は、EDX。

図3は、Si(111)上に析出させたCo

xO

y層の化学分析の結果を示す。a)は、アノード使用の前後のXPS。b)は、EDX。

図4は、Si(111)上に析出させたFe

xO

y層の化学分析の結果を示す。a)は、アノード使用の前後のXPS。b)は、EDX。

図5は、Si(111)上に析出させたCu(0)層の化学分析の結果を示す。a)は、アノード使用の前後のXPS。b)は、EDX。

図6は、Ni

xO

y/Si(100)薄膜電極の調査を示す。a)は、連続光照射(実線曲線)及び周期的光照射(破線曲線)に関する光電気化学的酸素発生の間の電流電圧挙動。b)は、斜視図のSEM画像。c)は、平面図のSEM画像。d) 平面図のTEM画像。

図7は、Ni

xO

y/Si(100)薄膜電極のSEM画像である。a)は、本発明の水分のない溶液において製造したもの。b)は、25容量%のH

2Oを有する混合溶媒において製造したもの。

図8は、FTOに析出されたFe/Si/Ni/Cr/Co/Mn酸化層の分析を示す。a)は、熱後処理前後のSEM画像。b)は、EDX分析。

図9は、電気化学的酸素発生に関する、アニーリングしたFe/Si/Ni/Cr/Co/Mn酸化物/FTO電極の電気化学的調査を示す。左側は、0-1.4Vの外部電圧での暗反応。右側は、0.65Vの一定電位を印加された間欠光照射。

本発明による方法は、以下でより詳細に説明する。このケースにおいて、より明確な概要のためにヨードをハロゲンとして使用し、酸素をカルコゲンとして使用し、固体金属体を金属カルコゲニド層の金属のためのプロバイダーとして使用するが、本発明は、これに限定されるものではない。

任意のステップ1において、金属は、表面上の任意の潜在的な表面ゴミ及び/又は酸化又は水酸化物層を洗浄される。洗浄ステップは、例えば、研磨材料(例えば、紙やすり等)を用いて、機械的に実行することができる。あるいは、洗浄は、化学処理剤(例えば酸化物溶解反応)によって実行することができる。好ましくは、固体金属体を金属として使用し、特に工業用金属又はスクラップ金属由来とすることができる。任意の幾何学的形態(例えば金属板、粉末等の形)の固体を用いることができる。化学的には、金属は、好ましくは、鉄、コバルト及び/又はニッケルを含むもの又はこれらでできているものが用いられる。

ステップ2において、ハロゲン化金属が形成され、ここでは、金属ヨウ化物である。この目的のために、おそらくステップ1において洗浄された金属を、多くても0.2wt.%の含水量の非水性溶媒に設置する。好ましくは、アセトン又はアセトニトリルを溶媒として使用する。ハロゲン(ここでは結晶化ヨード)を、溶媒:ヨードの質量比(少なくとも1:1又は1超の量のヨード)で溶媒に加える。好ましくは、より良好な混合結果を成し遂げるために、超音波を混合物に加える。反応は、好ましくは周囲温度で、少なくとも5分間実施する。このようにして、例えば、以下の式のように、溶液において、金属固体を部分的に溶解しつつヨードと反応して、対応する金属ヨウ化物になると仮定されている。 M(0) + I2 → MI2

次のステップ3において、電気化学的処理を行なう。このために、一旦残留固体金属体をそこから取り除き、2本の電気伝導性電極又は半導性電極を、ステップ2由来の金属ヨウ化物含有溶液と接触するように移動させる。上記電極のうちの1本を、生産される薄膜電極用の基板として用いるが、もう1つは、電気化学的処理のためのカウンター電極に相当する。基板電極は、例えば、金属又は金属合金(FTO、nドープシリコン又は炭素)から製造される。カウンター電極は、原則として同一材料から、又は、基板電極とは異なる物質から製造することができる。電圧は、電極に印加され、基板電極には、負電圧が割り当てられ、即ち、カソードとして接続される。印加電圧は、≦-2ボルト、特に、-5から-10ボルトの範囲内であり、(-)記号は、金属酸化物膜が析出する基板電極を指す。電気化学析出は、周囲温度で好ましくは実行される。反応の長さは、析出する金属酸化物層の厚さに対応し、印加電圧に依存する。

特定の理論に縛られるものではないが、溶液中の金属ヨウ化が、有機溶媒、特に、そのカルボニル基又はシアノ基と配位され、金属有機錯体が形成されると仮定されている。上記錯体は、溶媒又は環境空気に微量に既に存在している遊離酸素と比較して高い反応性を示す。酸素は、電子を捕獲する(即ち、負に)極性を与えられた基板電極であるカソードで、ハロゲン化金属と反応するO2-アニオンに還元され、対応する金属酸化物を形成する。これは、基板上の金属酸化物の直接的な析出を引き起こす(以下の反応方程式を参照)。おそらく、負に極性を与えられた電極を溶液から取り外した後、湿ったままで、空気の酸素と接触した場合にのみ、酸素との反応が生じ、関連した金属酸化物が析出する。 1/2 O2 + e- → O2- O2- + x MI → MxOy

化学プロセスは、既に詳述しているが、有機溶媒は、生産された金属酸化物層に充分な量の炭素及び/又は炭素含有化合物が析出する反応に関与するように見える。

その後、基板電極の上に析出層を有する基板電極は、溶媒/ヨード-浴槽から取り出される。これは、好ましくは、乾燥窒素下で実行して、湿気の除去と共に、おそらく形成されたヨウ化水素の蒸発を可能にする。

任意のその後のステップ4において、析出層の化学的又は電気化学的後処理が、金属酸化物層の安定性を増加させる目的で行われる。特に、後処理の目的は、金属の酸化状態を増加させること、即ち、更にこれを酸化させることである。この目的のために、電極を、例えば、水性水酸化物含有電解質溶液に導入し、電気化学的に処理することができる。

更に任意のステップ5において、電極の熱後処理を、析出金属カルコゲニド層の結晶化度を増加させるために行なう。このために、電極を、1分〜10時間の期間で、150〜800℃の範囲の温度でアニーリングする。

本発明による方法によって得られた金属カルコゲニド薄膜電極は、炭素も含み、特に不浸透性且つ安定金属カルコゲニド層を有することによって特徴づけられる。

測定技術 XPS X線光電子分光(XPS)を、サンプルの化学分析のために実行した。特定の酸化状態に対するコア輪郭線のアロケーションは、刊行されたデータ(Chastain & King (Ed.)、Handbook of X-Ray Photoelectron Spectroscopy, Physical Electronics、ミネソタ州、米国、1995)を使用して実行した。

EDX エネルギー分散型X線分析(EDX)は、走査電顕上の、全体的(即ち、全サンプル表面に対する平均)及び局所的(横方向の分解(最も小さい分解能約100nm))の両方について化学元素分析を実行した。励起エネルギーは、元素に対する予想元素特異的K又はL線が検出できるように選択した(即ち、3keVから10keV)。測定されたX線ラインのアロケーションは、コントロールソフトウェア(NSS 2.2、Thermo Fisher Scientific、米国)によって、データベース値によって自動化された。

電気化学的特徴 実施例で生産される電極は、0.1モル/lのNaOH(pH 13)において酸素を発生させるためのそれらの適合性に関して、電気化学的標準セルにおいて試験した。これのために、サンプルは、Ptカウンター電極及びAg/AgCl基準電極を有する3つの電極配置において、又は、Ptカウンター及びAg/AgCl基準電極の短絡を有する2つの電極配置において測定した。電圧は、ポテンシオスタット(VSP、BioLogic、フランス)によって、それぞれ制御した。光化学的研究のために、照明は、白色光のW-I源(MI-150, Dolan-Jenner, the Netherlands)を使用して光ファイバーによって提供した。

実施例1 NixOy/FTO電極の生産 固体金属体として、2cm2の極めて純粋なNi-金属膜(Goodfellow Corp.、米国、純度> 99.95wt%)をアセトン(15ml、w(H2O) < 0.2%)及びヨード結晶粉末(80mg)の混合物に設置した。この混合物を、37kHzの超音波浴で5分間混合した。この処理の間、温度を、周囲温度から約35℃へ増加させた。その後、金属膜を、溶液から除去した。

FTO膜(Solaronix、スイス、シート抵抗7Ωcm2、3×1.5cm)をアセトンによって予め洗浄した。アセトン溶液に、FTOサンプルを、カソード(基板)として設置し、もう一つをカウンター電極(アノード)として、互いに5-10mm離れたところに設置した。10Vの電圧を、5分間、基板とカウンター電極との間に印加した。

その後、基板電極を溶液から取り出して乾燥させた。

実施例2 CoxOy/FTO電極の生産 固体金属体として、2cm2の極めて純粋なCo金属膜(Goodfellow Corp.、米国、純度> 99.95wt.%)を用いた点を除く、実施例1の方法を実施した。

実施例3 FexOy/FTO電極の生産 固体金属体として、2cm2の極めて純粋なFe金属膜(Goodfellow Corp.、米国、純度> 99.95wt.%)を用いた点を除く、実施例1の方法を実施した。

実施例4 Cu/FTO電極の生産 固体金属体として、2cm2の極めて純粋なCu金属膜(Goodfellow Corp.、米国、純度> 99.95のwt.%)を用いた点を除く、実施例1の方法を実施した。

実施例5-8 種々のMxOy/Si(100)電極の生産 2cm2のn型Si(100)ウェーハ(ABC Company、ドイツ、ドーピングND 〜6×1015)を基板電極(カソード)として用いた点を除く、実施例1-4の方法をそれぞれ実施した。前処理のために、Si(100)ウェーハを、エタノール及び水によって予め洗浄し、次に、フッ化水素酸(50%)とエタノール(HF : C2H5OH = 3:1)の混合溶媒中で30秒及び10秒間、化学的にエッチングし、そして、水でリンスし、N2によって乾燥させた。FTOを、実施例1-3のFTOのようにカウンター電極として使用した。

実施例9-12 種々のMxOy/Si(111)電極の生産 2cm2のn型Si(111)ウェーハ(ABC Company、ドイツ、ドーピングND 〜6×1015)を基板電極(カソード)として用いた点を除く、実施例1-4の方法をそれぞれ実施した。前処理のために、Si(111)ウェーハを、エタノール及び水によって予め洗浄し、最初にNH4F(100秒)で、次にフッ化水素酸(50%、10分)で化学的にエッチングし、そして、N2によって乾燥させた。FTOを、実施例1-3のようにカウンター電極として使用した。

実施例13 混合酸化物/FTO電極の生産 固体金属体の代わりに、2cm2の金属Fe/Si/Ni/Cr/Co/Mnのスチール合金を使用して、実施例1の方法を実施した。更に、実施例1とは異なり、乾燥の後、サンプルを、300℃で10分間、アニーリングした。

実施例14 CoO/ZnO/CoZnO/Si電極の生産 実施例1の方法を実施した。しかしながら、代わりに、化学的に合成されたCoZnOナノ粒子を使用し、そして、nドープSi(100)を基板として使用した。

実施例1から14において使用した基板及び金属を表1に示す。

比較例1 水存在下でのNixOy/Si(100)電極の生産 生産の方法は、Ni金属膜及び結晶性ヨードを用いる実施例5にて説明した通りである(但し、アセトンの代わりに、アセトンと25容量%のH2Oとの混合溶媒を使用した)。

比較例2 水存在下でのFexOy/Si(100)電極の生産 アセトンの代わりに、アセトンと25容量%のH2Oとの混合溶媒を用いた点を除く、実施例7にて説明した方法を実施した。

生産された金属酸化物薄膜電極の特徴 図1のa)からd)は、0.1MのNaOH溶液中での酸素発生の間の、実施例1〜4において得られた薄膜電極に印加した電圧の関数としての電流密度を示し、これらは、暗中で、3つの電極配置として、Ag/AgClに対して0から2ボルトで測定した。比較のために、純粋なFTOの挙動は、それぞれのグラフに破線として示している。酸化ニッケル、酸化コバルト及び酸化鉄は、酸素発生に関する明白な活性を示す(図1のa)からc))。過電圧は、340から420mVの曲線範囲によって決定され、酸化コバルト及び酸化ニッケル電極は、活性が最も高く、酸化鉄電極は活性が最も低い。しかしながら、銅電極は、高い外部電圧の場合にだけ活性がある(図1のd))。酸素発生は、微分電気化学質量分析(DEMS)によって個々に確認した。

それぞれの表面のSEM画像も、図1のa)からd)に示している。これらによって、ナノメートル範囲の粗さを有する表面形態が確認される。

図2〜5は、実施例9〜12による、Si(111)上に析出した金属酸化層の化学分析の結果を示している。このケースにおいて、a)は、それぞれ、析出後(それぞれ上側のグラフ)及び電気化学的酸発生のための電極の使用後(それぞれ下側のグラフ)の、金属酸化物層のXPS分析の結果を示している。図2〜5のb)は、それらの生産の後(電気化学的な使用の前)の、金属酸化物層のEDX測定の結果を示している。

特定の酸化状態に対する個々のXPSシグナルのアロケーションは、新しい酸化物層を静電的に荷電することで、それらの生産の後、困難になった(それぞれ図2のa)から図5のa)の上側を参照)。比較のために、電気化学的酸素発生のための電極の使用の後、金属の種々の酸化状態に対するアロケーションは、可能であった(それぞれ図2のa)から図5のa)の下側を参照)。例えば、図2のa)の結果は、この方法での約2〜3nmの情報深さ内にNi2O3及びNiOが同時に存在していることを示している。

EDX結果は、ニッケル、コバルト及び鉄に関して、対応する酸化物の形で酸素が結合して存在していることを示している(図2〜4b)を参照)。析出層中の銅の場合、比較的少ない酸素量だけが見つかった(図5のb))。XPS分析によれば、これは、金属銅Cu(0)の主要な析出を示している。予想通り、これは、酸素発生に関して活性が低いことと関連している(図1のd)を参照)。酸化銅の不十分な析出が、生産の間、一価のヨウ化物CuIだけを形成する銅の特性に関連していると仮定されている。カソードからの単一電子移動の間、金属銅の形成は、有機溶媒中での錯体化及びその後の酸化により好ましいように見える。

面白いことに、炭素は、生産されたこの薄膜の全てにおいて見つかった(図2のb)から図5のb))。これは、おそらく、使用した溶媒(アセトン)から生じるのであろう。

実施例5に従って生産されたNixOy/Si(100)薄膜電極の実施例に基づいて、光電子触媒挙動を図6のa)に示している。この場合、実線曲線は、連続照明での電流電圧挙動を示し、破線曲線は、周期的照明での電流電圧挙動を示す。3つの電極配置において測定をそれぞれ行った。本発明によるNixOy/Si(100)薄膜電極が良好な感光性を有することが明らかである。しかしながら、それは、暗中において、2ボルトの印加電圧によっては、それ自身不活性である。これは、光のスイッチオフの後、電流密度の低下によって引き起こされる。

図6のb)、c)及びd)は、実施例5由来のNixOy/Si(100)薄膜電極のSEM又はTEM画像を示している。酸化ニッケル層がナノメートル範囲の粗さ及び約100〜150nmの層厚さを有していることが分かる。

図7は、実施例5の発明による水分のない方法によって生産されたNixOy/Si(100)薄膜電極(図7a)と、比較例1による、25vol.%の水分を含む溶液での製品(図7b)を示している。水の存在が層の形成を主に妨げていることが分かる。Ni、O及びCを含む個々の島だけが、観察できる(EDX-分析によって確認される)。

同様の結果が、鉄に関する比較例2において得られた。ここでも、膜形成に対する水の妨げ効果は明白であった。得られた平坦な島が、EDX分析を可能にした。これは、析出した島におけるFe、O及びCを示している(結果は示さず)。

図8は、実施例13に従う(熱後処理前後の)金属酸化物層の分析の結果を示しており、スチール合金を、金属の出発物質として使用した。これは、主要な成分である鉄及びクロムに加えて、ニッケル、コバルト、マンガン及びシリコンを添加物として含ませた。図8のb)に示されるEDX分析において、出範囲は、上側で0から5keVまで、下側で5から10keVまでを示している点に留意する必要がある。スチール出発物質(曲線I)、その析出後の金属酸化物薄層(曲線II)、及び、300℃10分のアニーリング後の金属酸化物薄層(曲線III)を示している。EDX分析法は、スチールに含まれる元素の全てが酸化物としてFTO基板上へ析出されることを示している。

図9は、酸素発生のためのアノードとして、図8と同じサンプルの電気化学的特徴を示している。この場合では、左側は、光を作用させずに0〜1.4Vの外部電圧を印加した電流電圧挙動を示す。電極は、酸素発生と関連して約300mVの過電圧を示した。これによって、その電子触媒的活性が確認される。間欠照明における0.65ボルトの一定の印加電圧での測定値を図9の右側に示している。この測定値から、電極の感光性が確認される。

析出される薄膜に関する出発物質としてCoZnOナノ粒子を用いた実施例14に従って生産された薄膜も分析した(結果は示さない)。分析は、互いの上に析出した2枚の異なる層を示す。酸化物CoO及びZnoの薄膜は、n-Si(100)基板の直後に同定することができ、ある量の炭素も含まれていた。上記アモルファスCoO/ZnO/C層に、出発物質による析出CoZnO粒子からなる第二層を同定することができる。このヘテロ構造の2つの薄膜が種々の反応経路によって生産されたと仮定される。この場合、ヨード含有溶液と接触する金属酸化物粒子は、部分的に溶解され、金属成分は金属ヨウ化物として溶液に入った。続く電気化学的処理は、(急速な反応相において)基板上にアモルファス炭素含有境界層を生産する。しかしながら、残留する未溶解の酸化物粒子は、(より遅い反応相において)電気泳動的移動によって上記境界層上へ析出する。

実施例14は、粉末として生産された化学合成金属酸化物が、(アモルファス)保護層を基板上に形成する方法によって、基板上へ析出できることを示している。従って、これによって、腐食しない操作にて基板/酸化物ヘテロ構造の形成が可能になる。これは、特に、感応性半導体基板の使用による、光に基づく水分解に利点がある。

上述したカソード条件における実施例3の酸化鉄層形成の副産物として、溶液中に黒い粒子の分散が依然として存在していた。上記粒子は、常磁性特性を示した。即ち、それらは、永久に磁化することなく、強磁性のように、永久磁石の磁界によって引きつけられた。溶液中の粒子に関して、外部磁界が取り除かれると、それらは、再び分散することを意味する。従って、この方法は、鉄又は他の金属物質のナノ粒子を生産するために用いることもできる。

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