Method of manufacturing a stable oxygen-terminated semiconductor nanoparticles |
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申请号 | JP2011508013 | 申请日 | 2009-04-09 | 公开(公告)号 | JP2012523305A | 公开(公告)日 | 2012-10-04 |
申请人 | ピーエスティ・センサーズ・(プロプライエタリー)・リミテッドPst Sensors (Proprietary) Limited; | 发明人 | デイビッド・トーマス・ブリトン; マルギット・ヘルティング; | ||||
摘要 | 安定な表面を有する無機半導体ナノ粒子の製造方法が提供される。 方法はシリコンまたはゲルマニウムのごとき無機バルク半導体物質を供し、次いで、選択された還元剤の存在下バルク半導体物質を粉砕することを含むことを特徴とする。 還元剤は、半導体物質の1以上の成分元素の 酸化 物を化学的に還元するか、または優先的に酸化することによってかかる酸化物の形成を防止するように作用し、それにより、ナノ粒子間の電気的 接触 を可能にする安定な表面を有する半導体ナノ粒子を供する。 粉砕はミルで行なわれ、粉砕手段および/またはミルの1以上の成分が、選択された還元剤を含む。 | ||||||
权利要求 | 安定な表面を有する無機半導体ナノ粒子を製造する方法であって、 無機バルク半導体物質を供し;次いで 選択された還元剤の存在下バルク半導体物質を粉砕し、還元剤が、半導体物質の1以上の成分元素の酸化物を化学的に還元するか、または優先的に酸化することによってかかる酸化物の形成を防止するように作用し、 それにより、ナノ粒子間の電気的接触を可能にする安定な表面を有する半導体ナノ粒子を供することを含むことを特徴とする該方法。 ナノ粒子の表面が、活性部位を終端する単層の準化学量論的酸化物または個々の酸素、水素およびヒドロキシル基で終端する請求項1記載の方法。 優先的な化学反応によって、半導体物質の1以上の成分元素の安定な化学量論的酸化物が還元されるか、または形成が防止されることを特徴とする請求項1記載の方法。 優先的な化学反応によって、半導体物質の1以上の成分元素の中間体準化学量論的酸化物が還元されるか、または形成が防止され、かくして、酸化物の最終的に安定な化学量論的な相の形成を妨害することを特徴とする請求項1記載の方法。 優先的な化学反応が、室温を上まわり、かつ、半導体物質の融解または分解温度を下回る温度で粉砕を行うことにより促進される請求項3または請求項4記載の方法。 粉砕が100℃〜200℃の温度で行われることを特徴とする請求項5記載の方法。 粉砕手段および/またはミルの1以上の成分が、選択された還元剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1記載の方法。 粉砕手段またはミルが、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、スズ、チタン、タングステン、バナジウムおよびアルミニウムよりなる群から選択される金属、または1以上の該金属を含む合金を含むことを特徴とする請求項7記載の方法。 粉砕手段またはミルが、硬鋼、ステンレス鋼合金またはチタン合金を含むことを特徴とする請求項8記載の方法。 バルク半導体物質がハンマー作用を持つ高エネルギーミルを用いて粉砕され、ミルの乳棒、ミルの乳鉢またはその双方が、選択された還元剤を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1記載の方法。 バルク半導体物質が低エネルギーの撹拌媒体ミルを用いて粉砕され、粉砕手段、ミルのライニングまたは双方が選択された還元剤を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1記載の方法。 選択された還元剤が、バルク半導体物質の粉砕の間に、ミルに含まれた液体を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1記載の方法。 選択された還元剤が、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸もしくは炭酸のいずれかを含む酸性溶液、またはその混合物であることを特徴とする請求項12記載の方法。 粉砕されたバルク半導体物質の温度をその粉砕の間100℃未満に維持することを含むことを特徴とする請求項12または請求項13記載の方法。 粉砕されたバルク半導体物質の温度をその粉砕の間50℃未満に維持することを含むことを特徴とする請求項14記載の方法。 無機バルク半導体物質が第IV族元素であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1記載の方法。 無機バルク半導体物質がシリコンまたはゲルマニウムであることを特徴とする請求項16記載の方法。 無機バルク半導体物質が、半導体酸化物以外に第II、III、IV、VおよびVI族からの元素を含む化合物または合金であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1記載の方法。 化合物または合金がGaAs、InSb、CdTe、PbSまたはCu x In 1−x Seを含むことを特徴とする請求項18記載の方法。 安定な表面を有する無機半導体ナノ粒子を製造するための装置であって、装置が、選択された還元剤を含む粉砕手段および/または1以上の成分を含むミルを含み、還元剤は、粉砕される場合に無機バルク半導体物質の1以上の成分元素の酸化物を化学的に還元するか、または優先的に酸化することによってかかる酸化物の形成を防止するように作用し、それにより、ナノ粒子間の電気的接触を可能にする安定な表面を有する半導体ナノ粒子を供することを特徴とする該装置。 選択された還元剤が、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、スズ、チタン、タングステン、バナジウムおよびアルミニウムよりなる群から選択される金属、または1以上の該金属を含む合金である請求項20記載の装置。 選択された還元剤が、硬鋼、ステンレス鋼合金またはチタン合金を含む請求項21記載の装置。 |
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说明书全文 | 本発明は、安定な表面を有する無機半導体ナノ粒子の製造方法に関する。 数ナノメートルから数百ナノメートルの特徴的なサイズを持つ半導体ナノ粒子は、広く研究されているタイプの物質であり、そこでは、そのサイズ効果はバルク物質の特性を支配する。 アプリケーションに依存して、単一粒子は、マトリックス(量子ドット、OLED、DSCセル、有機半導体インク)中でランダムに分散し;規則的に配置され(光アレイ);または、相互接続構造(無機半導体インク)を形成し得る。 後者は、異なったサイズのクラスターの最密構造、ランダムネットワークまたはフラクタル・アグロメレーションであり得る。 基礎科学研究において、複雑な合成および処理技術を含む高価な先端技術オプションと見られているナノテクノロジーに結び付く、安定でよく特徴付けされた表面が必要とされる。 露出して装飾されていないシリコン表面は、超高真空条件下の場合のみ安定している。 湿式化学合成によって製造された多数のナノ粒子、例えば、Baldwinら (Chemical Communications 1822 (2002))より記載されたもののごときシリコンナノ粒子は、長いアルキル鎖で終端し、これは、界面活性剤として作用して、より大きな粒子の凝集および成長を防止する。 バルクのシリコン表面では、熱酸化物が何十またはさらに何百ミクロンの厚みであり得、温度および湿度に依存して、天然の酸化物は、通常5〜10nmの厚みに成長する。 この厚い層は、いずれのナノ粒子も明らかに絶縁し、その電気的特性を支配するであろう。 Chemical Communications 1822 (2002) 本出願人らの従前の特許出願(WO2007/004014)に記載された発明は、粒子の製造後、酸化が1単層未満にて自己制限され、安定な表面を形成するので、相互接続する粒子間で妨害されず電気伝導を生じさせるという観察を利用した。 バルク物質からの半導体ナノ粒子の代替的な製造方法を提供することが、本発明の目的である。 本発明の第一の態様によれば、安定な表面を有する無機半導体ナノ粒子の製造方法が提供され、その方法は: ナノ粒子の表面は、活性部位を終端する単層の準化学量論的酸化物、または個々の酸素、水素およびヒドロキシル基で終端され得る。 半導体物質の1以上の成分元素の安定な化学量論的酸化物を、優先的な化学反応によって還元するか、または形成を防止し得る。 別法として、半導体物質の1以上の成分元素の中間体準化学量論的酸化物は、優先的な化学反応によって、還元できるか、または形成を防止でき、かくして、その酸化物の最終的な安定な化学量論的な相の形成を妨害できる。 優先的な化学反応は、室温を上まわり、かつ、無機バルク半導体物質の融解または分解温度を下まわる温度にて粉砕を行うことにより促進され得る。 好ましくは、粉砕は、100℃〜200℃の温度で行われる。 もう一つの具体例において、粉砕手段および/またはミルの1以上の成分は、還元剤を含み得る。 例えば、粉砕手段またはミルは、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、スズ、チタン、タングステン、バナジウムおよびアルミニウムよりなる群から選択される金属、または1以上の該金属を含む合金を含み得る。 粉砕手段またはミルは、例えば、硬鋼もしくはステンレス鋼合金、またはチタン合金を含み得る。 方法は、ディスクミル等のごときハンマー作用を持つ高エネルギーミルを用いて行うこともでき、ここに、ミルの乳棒、ミルの乳鉢またはその双方は、選択された還元剤を含む。 別法として、方法は、ボールミル、ロッドミル等の低エネルギーの撹拌媒体ミルを用いて行うこともでき、ここに、粉砕手段、ミルのライニングまたはその双方は、選択された還元剤を含む。 もう一つの具体例において、選択された還元剤は、バルク半導体物質の粉砕の間にミルに含まれた液体を含み得る。 例えば、選択された還元剤は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸もしくは炭酸のいずれかを含む酸性溶液またはその混合物であり得る。 方法は、粉砕されたバルク半導体物質の温度をその粉砕の間100℃未満に維持することを含み得る。 好ましくは、方法は、粉砕されたバルク半導体物質の温度をその粉砕の間50℃未満に維持することを含む。 無機バルク半導体物質は、シリコンまたはゲルマニウムのごとき第IV族元素であり得る。 別法として、無機バルク半導体物質は、半導体の酸化物以外に、第II、III、IV、VおよびVI族からの元素を含む化合物または合金であり得る。 例えば、化合物または合金は、GaAs、InSb、CdTe、PbSまたはCuxIn1−xSeを含み得る。 本発明のさらなる態様によれば、安定な表面を有する無機半導体ナノ粒子を製造するための装置が提供され、その装置は、選択された還元剤を含む粉砕手段および/または1以上の成分を含むミルを含み、その還元剤は、粉砕される場合に無機バルク半導体物質の1以上の成分元素の酸化物を化学的に還元するか、または優先的に酸化することによってかかる酸化物の形成を防止するように作用し、それにより、ナノ粒子間の電気的接触を可能にする安定な表面を有する半導体ナノ粒子を提供する。 選択された還元剤は、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、スズ、チタン、タングステン、バナジウムおよびアルミニウムよりなる群から選択される金属、または1以上の該金属を含む合金であり得る。 選択された還元剤は、硬鋼、ステンレス鋼合金またはチタン合金を含み得る。 本発明は、一般的には、電子および電気アプリケーションのための半導体ナノ粒子の製造に関し、特に、半導体の特性が必要とされるそれらのアプリケーションにおけるものである。 ナノ粒子は好ましくは真性またはドープされたシリコンを含むが、特に、Ge、GaAs、AlGaAs、GaN、InP、SiCおよびSiGe合金を含めた他の元素または化合物の半導体物質を用い得る。 ナノ粒子の製造方法は、通常、トップダウンおよびボトムアップと記載される2群に分類できる。 後者は合成方法を記載し、かかる方法が、いずれかの形態での酸素が反応への関与から除外されるならば、所望の特性を持つナノ粒子を製造できることが知られている。 この基準だけに基づいても、ほとんどの湿式化学合成方法は不適当であるが、公知の適当な製造方法は、シランガスの熱分解である。 トップダウンアプローチは、主として、機械的な摩滅または粉砕をいう。 ナノ粒子を粉砕する公表された方法は、セラミック粉砕手段を用いる低エネルギーボールミリングの使用を特定する。 そのように製造された粒子は、常にひどく酸化され、さらに、酸化被膜を除去し、かつ表面を安定化するようなさらなる処理を必要とする。 1つの顕著な例外は、アルミニウム (C. Araujo-Andrade et al, Scr. Mater. 49, 773 (2003))および炭素粒子(C. Lam et al, J. Cryst. Growth 220, 466-470 (2000))の存在下のナノ構造化多孔性シリカの反応性粉砕である。 しかしながら、アルミニウムの場合には、さらなる処理は、得られたシリコンおよびアルミナのナノ粒子を分離することを必要とする。 本発明は、選択された還元剤または成分が存在する環境において、バルク物質の機械的粉砕による無機半導体ナノ粒子の製造方法を提供する。 還元剤または成分は、酸化物層が形成されると、粒子の表面上の酸化物層を除去するか、または遊離酸素および他の酸化剤が半導体の粒子表面と反応するのを防止する。 後者は優先的反応において酸素を除去することにより達成される。 かくして、半導体物質の1以上の成分元素の安定な化学量論的酸化物または中間体準化学量論的酸化物は、優先的な化学反応によって還元されるか、または形成を防止される。 除去される酸化物は、化学量論的酸化物または、好ましくは中間体準化学量論的相であり得る。 本発明による雰囲気粉砕方法において、反応成分は粉砕手段およびミルのライニングを含み、それは優先的に硬質金属合金であろう。 別法として、ミルライナーおよび粉砕手段は不活性であり得、還元性媒体は、適当な気体雰囲気の形態において、または湿式粉砕については適当な酸の形態にて用いられる。 元素半導体の場合には、方法の目的は、粒子の表面にて厚い酸化物または他のキャッピング層の形成を防止して、安定な表面を粒子上に形成し、粒子間の電気的接触を可能にすることである。 化合物半導体合金について、さらなる目的は、1つの粒子の成分元素の気体酸化物の損失を防止することにより、双方の粒子の全体にわたって、より詳しくは、粒子の表面領域において、粒子の化学量論を維持することである。 特定の例は、カルコゲニド半導体の粉砕の間に放出された二酸化硫黄であろう。 粉砕プロセスにおける還元性媒体の使用に加えて、他の条件を適用し得る。 これらは: 以下の表1は、種々の半導体合金中の元素の酸化物についての形成エンタルピー、ならびに粉砕手段として用い得る金属の酸化物についてのものを示す。 3つの金属元素だけが、シリコンの安定な酸化物、SiO 2よりも負の形成エンタルピーを持つ安定な酸化物を有する。 これらはアルミニウム、クロムおよびチタンである。 アルミニウムは、シリコンを製造するためのナノ構造シリカの反応性粉砕につき報告されている(C. Araujo-Andrade et al, Scr. Mater. 49, 773 (2003))が、一般的には、バルクのシリコンの粉砕については余りにも柔らかすぎると考えられる。 しかしながら、クロム、チタンおよびそれらの合金は硬質物質であり、すべての第IV族の半導体ならびにGaAsおよびInSbのごとき第III−VおよびII−VIの半導体合金の安定な酸化物を還元するのに適当であろう。 シリコン、ゲルマニウムおよび無機半導体合金の成分元素の中間体準化学量論的酸化物を還元する他の金属は、鉄、ニッケル、コバルト、スズ、モリブデン、タングステンおよびバナジウムである。 好ましくは、これらの元素を合金において組み合わせて、粉砕手段またはミルの本体を形成するであろうが、それらは、それらの元素形態で用い得る。 適当な合金の例は、鉄−コバルトベースの硬鋼、鉄−ニッケルおよび鉄−クロムベースのステンレス鋼ならびにチタン−アルミニウム−バナジウムベースの合金である。 本発明方法を行うための装置の好ましい具体例は、図1の模式図に示され、それは、オービタル粉砕機として知られるディスクミルの主構成要素を示す。 ミルは乳鉢12内の移動可能な乳棒10を含む。 矢印によって示されたミルのベースプレートの並進運動は、乳鉢12に対する乳棒10のハンマー作用を引き起こし、それにより、乳鉢内のバルク物質14を粉末にまで砕き、最終的にナノ粒子にする。 商業的に入手可能なこの設計の適当なミルは、Siebtechnik T750およびRetsch RS200である。 本発明の1つの態様によれば、乳棒、乳鉢またはその双方は超硬金属からなり、それは、ナノ粒子の表面にて酸化物形成を低下させる。 例えば、乳棒および/または乳鉢は、304ステンレス鋼、51200クロム鋼、ニクロムまたはTi6Al4Vのごとき適当な合金よりなることができる。 ステンレス鋼および硬鋼合金成分の双方は、それらの硬さのだけのために、鉱物を粉砕するのに用いるために製造者によって提供される。 柔らかな鉱物の粉砕について、メノウ粉砕手段が勧められるが、シリコンのごとき硬質物質の粉砕では、ジルコニアが勧められる。 通常の操作の粉砕下、数十秒かの粉砕時間後にミクロンサイズの粒子がバルク物質から得られる。 一例として、石英(二酸化ケイ素)および他の鉱物は、30秒間、分析目的のために微細粉末に典型的に粉砕され、その時間に、温度は室温近くのままである。 約100nmの平均サイズを持つ前記のナノ粒子は、1〜5時間の総期間の延長された粉砕を介して得ることができる。 さらに、かかるプロセスにおいて、100〜200℃の所望の操作温度範囲は、粉砕および冷却の異なる期間の組合せによって維持できる。 同様のハンマー作用を持つ異なる構築物のミルが知られ、物質および手順の同一の変更を前記のごとく実質的に用いて、本発明方法を行うことができる。 この具体例において、3つのすべての所望の条件:還元性媒体;高損耗率;および温度上昇が得られる。 第2の具体例において、前記の第1の具体例に記載されたミルは、弱酸性溶液を用いて、粒子の湿式粉砕に用いる。 この場合において、乳棒および乳鉢は、セラミックのごときいずれの硬質物質からも製造し得るが、第1の具体例に記載した金属が好ましい。 好ましい酸性液体は、塩酸、硫酸、硝酸、ギ酸、酢酸および炭酸ならびにそれらの混合物の水溶液を含む。 この具体例において、損耗率および温度の双方は低く、酸化物の還元における主作用は液体媒体によって提供される。 損耗率は、恐らく乾式ミリングの10倍まであり、その温度は100℃未満、好ましくは50℃未満の温度であろう。 しかしながら、本明細書で考えられる物質よりなるならば、溶液の酸性度の正確な緩衝を用いて、乳棒または乳鉢の表面での化学反応を介して酸素を移動できる。 第3の好ましい具体例において、ボールミルまたはロッドミルのごとき撹拌媒体ミルにおいて、各粉砕手段は第1の具体例においてと同一の金属および合金から作成される。 また、ミルのライニングは、同一物質よりなり得る。 かかるミルの設計および操作はよく知られており、その差は前記のナノ粒子の製造を可能にするような粉砕手段の選択だけである。 この具体例において、高い損耗率および上昇温度の条件は必ずしも得られない。 第4の具体例において、第3の具体例に記載されたミルは、弱酸性溶液を用いて、粒子の湿式粉砕に用いられる。 粉砕手段は、この場合、セラミックのごときいずれかの硬質物質から製造され得るが、第1の具体例に記載された金属が好ましい。 好ましい酸性液体は、塩酸、硫酸、硝酸、ギ酸、酢酸および炭酸の水溶液、ならびにそれらの混合物を含む。 この具体例において、損耗率および温度の双方は低く、酸化物の還元における主作用は液体媒体によって提供される。 実施例1 第1の具体例の方法によれば、2503グレードシリコン金属を、51200クロム鋼乳棒および乳鉢を装備した実験室ディスクミル中で30分間隔で、空気中5時間までの期間で粉砕した。 温度範囲は、100〜160℃の間に維持した。 第2の具体例によれば、粉砕手段として15mm直径のクロム鋼ボールを用いる以外は、参照物質を粉砕するために用いるのと同一ボールミルを用いて、2503グレードシリコン金属を粉砕した。 粉砕したナノ粒子中の表面酸素濃度は、X線光電子分光法を用いて、空気中で数か月保存後に決定した。 この技術は、粒子の表面で物質の第1のわずかの単層だけを探査し、かつシリコン−酸素化学結合と、水、二酸化炭素および雰囲気酸素のごとき吸着酸素分子における酸素とを識別できるという2つの利点を有する。 図2は、一方では従来のジルコニアボールでボールミルし;および他方ではクロム鋼ボールで、かつクロム鋼成分でのディスクミルを用いて参照物質につきこの測定から決定されたシリコン−酸素結合の相対的な画分を示す。 粉砕時間は、上部軸では、ボールミルについて何日かで与えられ、下部軸では、高エネルギーディスクミルについて何時間かで与えられる。 還元性粉砕手段を用いる有益な効果は、別な方法の同一条件下でボールミルにおいて生成した2つの物質間のシリコン−酸素結合の濃度における差によって明白に示される。 酸化物のさらなる低下は、高い損耗率および高温管理の適用により見られる。 図3は、本発明の第1の具体例により製造されたナノ粒子の高解像度透過電子顕微鏡像であり、図4は、ジルコニアボールで27日間粉砕した参照物質から製造された先行技術のナノ粒子の対応する顕微鏡像である。 図3の顕微鏡像において、ナノ粒子のバルクに対して異なる構造または組成物を持つ表層の存在を観察することは可能ではない。 実際に、画像化された格子面は、明らかに粒子の表面に及ぶ。 従って、発明者らは、この粒子が酸化されるならば、この時、表面の酸化物が準化学量論的であり、この映像技術で解明することができるよりも薄いと結論できる。 対照的に、図4に示された参照物質からの粒子において、2〜5ナノメートルの厚みの明確に規定された表層が存在し、異なる組成物および無秩序構造を有すると分かる。 本発明方法によって形成されたナノ粒子の表面が、活性部位を終端する単層の準化学量論的酸化物または個々の酸素、水素およびヒドロキシル基で終端すると結論付けることができる。 表層の性質は、532nmの励起波長を用いて、ラマン分光法によってさらに調査した。 本発明の第1の具体例によって粉砕したナノ粒子について、図5に示されたラマンスペクトルは、公知の相の結晶(石英またはコーサイト)および非晶質二酸化ケイ素に帰属できる特徴的ピークを最初に示すが、これらは、粉砕時間で強度において減少することが観察された。 これらのピークは、もはや、3時間以上粉砕した粒子からのスペクトルにおいて分割できなかった。 対照的に、ジルコニアボールでのボールミリングによって製造されたナノ粒子については、元の酸化物に対応するピークの強度の低下が存在したが、図6に示されるように粉砕中に発生した新しいラマン散乱ピークは、二酸化ケイ素のスティショバイト位相に対応する。 かくして、本発明方法は、一般的に、電子および電気アプリケーション、特に、半導体特性が必要とされるものにおいて、使用のための半導体の官能性を持つ安定なシリコンナノ粒子の製造を可能にする。 |