Preparation of cesium salts and other alkali metal salts

申请号 JP2002577725 申请日 2002-03-29 公开(公告)号 JP2005504694A 公开(公告)日 2005-02-17
申请人 キャボット コーポレイションCabot Corporation; 发明人 エフ. ベイック,バート;
摘要 セシウム塩の製造法が記載され、それは、 硫酸 セシウム含有溶液を石灰と反応させて、1)少なくとも 水 酸化 セシウムを含有する溶液、及び、2)硫酸カルシウムを含んで成る残留物を形成させることを伴う。 該方法は、該溶液から該残留物を除去すること、及び、該溶液中に存在する該水酸化セシウムを少なくとも1種類のセシウム塩に転化させることをさらに伴う。 本発明は、さらに、石灰を用いた水酸化セシウムの製造法に加え、セシウム塩の使用に関する。 さらに、アルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物の製造法がまた記載される。
权利要求
  • a)硫酸セシウム含有溶液を石灰と反応させて、1)少なくとも水酸化セシウムを含んで成る溶液、及び、2)硫酸カルシウムを含んで成る残留物を形成させること、
    b)該溶液から該残留物を除去すること、並びに、
    c)前記溶液中の水酸化セシウムを、少なくとも1種類のセシウム塩に転化させることを含んで成る、セシウム塩の製造法。
  • 工程c)ごとに結果として得られる該溶液を用いて、工程a)〜工程c)を1回又は複数回繰り返すことをさらに含んで成る、請求項1に記載の方法。
  • 工程c)で結果として得られる前記溶液中に、硫酸セシウムが実質的に存在しなくなるまで、工程a)〜工程c)を繰り返すことをさらに含んで成る、請求項1に記載の方法。
  • 前記転化工程が、前記溶液に少なくとも1つの酸を添加することを含んで成る、請求項1に記載の方法。
  • 前記酸がギ酸である、請求項4に記載の方法。
  • 前記酸が、酢酸、クエン酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、酪酸、プロピオン酸、シュウ酸、及び、サリチル酸から選択される、請求項4に記載の方法。
  • 前記酸が、実質的にすべての水酸化セシウムをセシウム塩に転化するのに十分な量で存在する、請求項4に記載の方法。
  • 使用される酸の量が前記溶液を中和するのに十分である、請求項4に記載の方法。
  • 前記硫酸セシウム含有溶液が約0℃〜約100℃の温度である、請求項1に記載の方法。
  • 前記硫酸セシウム含有溶液が約0℃〜約50℃の温度である、請求項1に記載の方法。
  • 前記硫酸セシウム含有溶液が約0℃〜約30℃の温度である、請求項1に記載の方法。
  • 該硫酸セシウム含有溶液が、前記溶液中に可溶性の約1wt%〜約50wt%硫酸セシウムを含む、請求項1に記載の方法。
  • 該硫酸セシウム含有溶液が、該溶液中に可溶性の約1wt%〜約10wt%硫酸セシウムを含む、請求項12に記載の方法。
  • 該硫酸セシウム含有溶液が、前記溶液中に可溶性の約5wt%硫酸セシウムを含む、請求項12に記載の方法。
  • 前記溶液中の最初に含まれる硫酸セシウムの質量に基づいて、約8wt%〜約25wt%の該水酸化セシウムが、工程b)の該溶液中に形成され且つ存在する、請求項1に記載の方法。
  • 工程b)における溶液のpHが、室温で測定した際に約12.5〜約13.5である、請求項1に記載の方法。
  • 前記石灰が、消石灰、水和石灰、又は、その両方である、請求項1に記載の方法。
  • 前記石灰が酸化カルシウムである、請求項1に記載の方法。
  • a)硫酸セシウム含有溶液を石灰と反応させて、1)少なくとも水酸化セシウムを含んで成る溶液、及び、2)硫酸カルシウムを含んで成る残留物を形成させること、
    b)該溶液から該残留物を除去すること、並びに、
    c)工程b)からの前記溶液にギ酸を添加して、ギ酸セシウムを形成させることを含んで成る、ギ酸セシウムの製造法。
  • 工程c)ごとに結果として得られる該溶液を用いて、工程a)〜工程c)を1回又は複数回繰り返すことをさらに含んで成る、請求項19に記載の方法。
  • a)硫酸セシウム含有溶液を石灰と反応させて、1)少なくとも水酸化セシウムを含んで成る溶液、及び、2)硫酸カルシウムを含んで成る残留物を形成させること、並びに、
    b)該溶液から該残留物を除去することを含んで成る、水酸化セシウムの製造法。
  • 前記少なくとも水酸化セシウムを含んで成る溶液が、水酸化セシウム以外にセシウム塩をさらに含んで成る、請求項1に記載の方法。
  • 前記セシウム塩が、硫酸セシウム、ギ酸セシウム、又は、それらの組合せから選択される、請求項22に記載の方法。
  • 前記残留物が、水酸化マグネシウム、過剰な水酸化カルシウム、金属不純物、又は、それらの組合せをさらに含んで成る、請求項1に記載の方法。
  • a)アルカリ金属硫酸塩含有溶液を石灰と反応させて、1)少なくともアルカリ金属水酸化物を含んで成る溶液、及び、2)硫酸カルシウムを含んで成る残留物を形成させること、
    b)該溶液から該残留物を除去すること、並びに、
    c)前記溶液中のアルカリ金属水酸化物を、少なくとも1種類のセシウム塩に転化させることを含んで成る、アルカリ金属塩の製造法
  • 工程c)ごとに結果として得られる該溶液を用いて、工程a)〜工程c)を1回又は複数回繰り返すことをさらに含んで成る、請求項25に記載の方法。
  • アルカリ金属硫酸塩が、工程c)で結果として得られる前記溶液中に実質的に存在しなくなるまで、工程a)〜工程c)を繰り返すことをさらに含んで成る、請求項25に記載の方法。
  • 前記転化工程が、前記溶液に少なくとも1つの酸を添加することを含んで成る、請求項25に記載の方法。
  • 前記酸がギ酸である、請求項28に記載の方法。
  • 前記酸が、酢酸、クエン酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、酪酸、プロピオン酸、シュウ酸、及び、サリチル酸から選択される、請求項28に記載の方法。
  • 前記酸が、実質的にすべてのアルカリ金属水酸化物をアルカリ金属塩に転化するのに十分な量で存在する、請求項28に記載の方法。
  • 使用される酸の量が前記溶液を中和するのに十分である、請求項28に記載の方法。
  • 前記アルカリ金属硫酸塩含有溶液が約0℃〜約100℃の温度である、請求項25に記載の方法。
  • a)硫酸セシウム含有溶液を石灰と反応させて、1)少なくとも水酸化セシウムを含んで成る溶液、及び、2)硫酸カルシウムを含んで成る残留物を形成させること、
    b)該溶液から該残留物を除去すること、並びに、
    c)前記溶液中の水酸化セシウムを硫酸セシウムに転化させることを含んで成り、工程c)の前記硫酸セシウムが、工程a)の前記硫酸セシウムよりも高純度である、硫酸セシウムの精製法。
  • 前記溶液中の該水酸化セシウムの硫酸セシウムへの前記転化が、前記水酸化セシウムを硫酸セシウムに転化させるのに十分な量の硫酸を添加することによって達成される、請求項34に記載の方法。
  • a)アルカリ金属硫酸塩含有溶液を石灰と反応させて、1)少なくともアルカリ金属水酸化物を含んで成る溶液、及び、2)硫酸カルシウムを含んで成る残留物を形成させること、並びに、
    b)該溶液から該残留物を除去することを含んで成る、アルカリ金属水酸化物の製造法
  • a)アルカリ金属硫酸塩含有溶液を石灰と反応させて、1)少なくともアルカリ金属水酸化物を含んで成る溶液、及び、2)硫酸カルシウムを含んで成る残留物を形成させること、
    b)該溶液から該残留物を除去すること、並びに、
    c)前記溶液中のアルカリ金属水酸化物をアルカリ金属硫酸塩に転化させることを含んで成り、工程c)の前記アルカリ金属硫酸塩が、工程a)の前記アルカリ金属硫酸塩よりも高純度である、アルカリ金属硫酸塩の精製法。
  • 前記溶液中の該アルカリ金属水酸化物のアルカリ金属硫酸塩への前記転化が、前記アルカリ金属水酸化物をアルカリ金属硫酸塩に転化させるのに十分な量の硫酸を添加することによって達成される、請求項37に記載の方法。
  • 少なくとも1つの可溶性炭酸塩源を工程bからの該溶液に添加して、不純物を沈殿させること、及び、工程cを続ける前に前記不純物を除去することをさらに含んで成る、請求項1に記載の方法。
  • 該可溶性炭酸塩源が、セシウム、ルビジウム、カリウム、ナトリウム、リチウムの炭酸塩及び/若しくは重炭酸塩、二酸化炭素、又は、それらの組合せを含んで成る、請求項39に記載の方法。
  • 少なくとも1つの可溶性炭酸塩源を工程bからの該溶液に添加して、不純物を沈殿させること、及び、工程cを続ける前に前記不純物を除去することをさらに含んで成る、請求項25に記載の方法。
  • 該可溶性炭酸塩源が、セシウム、ルビジウム、カリウム、ナトリウム、リチウムの炭酸塩及び/若しくは重炭酸塩、二酸化炭素、又は、それらの組合せを含んで成る、請求項41に記載の方法。
  • 少なくとも1つの可溶性炭酸塩源を工程bからの該溶液に添加して、不純物を沈殿させること、及び、工程cを続ける前に前記不純物を除去することをさらに含んで成る、請求項34に記載の方法。
  • 該可溶性炭酸塩源が、セシウム、ルビジウム、カリウム、ナトリウム、リチウムの炭酸塩及び/若しくは重炭酸塩、二酸化炭素、又は、それらの組合せを含んで成る、請求項43に記載の方法。
  • 少なくとも1つの可溶性炭酸塩源を工程bからの該溶液に添加して、不純物を沈殿させること、及び、工程cを続ける前に前記不純物を除去することをさらに含んで成る、請求項37に記載の方法。
  • 該可溶性炭酸塩源が、セシウム、ルビジウム、カリウム、ナトリウム、リチウムの炭酸塩及び/若しくは重炭酸塩、二酸化炭素、又は、それらの組合せを含んで成る、請求項45に記載の方法。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、セシウム塩及び他のアルカリ金属塩、並びに、その製造法に関する。
    【背景技術】
    【0002】
    ギ酸セシウムなどのセシウム塩は、炭化素回収の分野など、さまざまな産業の用途に有用な添加剤として次第に知られつつある。 したがって、比較的高純度のセシウム塩を効率的且つ経済的に製造するプロセスを開発することが望まれている。
    【0003】
    以前には、水酸化バリウム及び可溶性バリウム塩が、セシウム塩の形成において、硫酸セシウム溶液との反応体として用いられてきた。 しかしながら、バリウム化合物は非常に高価な反応体であり、それゆえ、望ましくない。
    【0004】
    他のプロセスが、バリウム化合物の使用を避け、水の存在下で、水酸化カルシウム及び水溶性カルシウム塩と反応するセシウムアルミニウムミョウバンの使用を試みた。 しかしながら、このようなプロセスは、ギ酸カルシウムのような石灰の可溶性酸塩の使用を必要とし、形成されるセシウム塩溶液に存在する多数の不純物を除去することに対処していない。 必要とされる正確な化学量論的量をわずかでも超えると、結果として得られる生成物の中に、可溶性カルシウム塩の汚染物質を有するという非常に実際的な恐れもある。
    【0005】
    したがって、上記不利のうちの1つ又は複数を回避する、セシウム塩及び他のアルカリ金属塩の改善された製造プロセスを開発することが必要とされる。
    【発明の開示】
    【発明が解決しようとする課題】
    【0006】
    本発明の特徴は、専ら高価なバリウム化合物の使用を回避できる、セシウム塩及び他のアルカリ金属塩の製造法を提供することである。
    【0007】
    本発明の別の1つの特徴は、出発反応体のうちの1つとして、硫酸セシウムを用いるセシウム塩の製造法を提供することである。
    【0008】
    本発明の1つの付加的な特徴は、多量の不純物のない比較的高純度のセシウム塩を形成するプロセスを提供することである。
    【0009】
    本発明の付加的な特徴及び利点は、以下の説明に部分的に記載され、部分的には、その説明から明らかであり、又は、本発明を実践することで知ることができる。 本発明の目的及び他の利点は、特にその説明及び特許請求の範囲に示される要素及び組合せによって、実現され且つ達成される。
    【課題を解決するための手段】
    【0010】
    これらの及び他の利点を達成するために、本発明の目的に従って、明細書に例示され且つ概括的に説明されるように、本発明はセシウム塩の製造法に関する。 該方法においては、硫酸セシウム含有溶液は石灰と反応して、少なくとも水酸化セシウムを含む溶液を形成し、さらに、硫酸カルシウムを含む残留物も形成する。 次いで、該残留物が溶液から除去される。 次いで、溶液中の水酸化セシウムが、少なくとも1つのセシウム塩に転化される。 これらの工程は、所望とされる場合、溶液中に残ったままである任意の残留硫酸セシウムを転化するために、最後の工程で結果として得られる溶液を用いて、1回又は複数回繰り返すことができる。
    【0011】
    さらに、本発明は、ギ酸セシウムの製造法に関する。 この方法においては、硫酸セシウム含有溶液は石灰と反応して、水酸化セシウムを含む溶液を形成し、さらに、硫酸カルシウムを含む残留物も形成する。 該残留物が溶液から除去される。 その後、溶液中の水酸化セシウムが、ギ酸を導入することによってギ酸セシウムに転化される。
    【0012】
    さらに、本発明は、少なくとも水酸化セシウムを含む溶液を形成させるために、硫酸セシウム含有溶液を石灰と反応させることを伴い、さらに、硫酸カルシウムを含む残留物が形成される水酸化セシウムの製造法に関する。 該残留物は、次いで水酸化セシウムを含む溶液から除去される。
    【0013】
    さらに、本発明は、a)アルカリ金属硫酸塩含有溶液を石灰と反応させて、1)少なくともアルカリ金属水酸化物を含んで成る溶液、及び、2)硫酸カルシウムを含んで成る残留物を形成させること、b)該溶液から該残留物を除去すること、並びに、c)該溶液中のアルカリ金属硫酸塩の水酸化物を、少なくとも1種類のアルカリ金属塩に転化させることを含んで成る、アルカリ金属塩の製造法に関する。
    【0014】
    加えて、本発明は、a)アルカリ金属硫酸塩含有溶液を石灰と反応させて、1)少なくともアルカリ金属水酸化物を含んで成る溶液、及び、2)硫酸カルシウムを含んで成る残留物を形成させること、並びに、b)該溶液から該残留物を除去することを含んで成る、アルカリ金属水酸化物の製造法に関する。
    【0015】
    本発明はまた、a)アルカリ金属硫酸塩含有溶液を石灰と反応させて、1)少なくともアルカリ金属水酸化物を含んで成る溶液、及び、2)硫酸カルシウムを含んで成る残留物を形成させること、b)該溶液から該残留物を除去すること、並びに、c)該溶液中のアルカリ金属水酸化物を、アルカリ金属硫酸塩に転化させることを含んで成る、アルカリ金属硫酸塩の精製法に関し、工程c)のアルカリ金属硫酸塩は、工程a)のアルカリ金属硫酸塩よりも高純度である。
    【0016】
    上記の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、単に例示的で且つ説明的であるに過ぎず、主張する通り、本発明のさらなる説明を提供することを意図しているということが理解されるべきである。
    【発明を実施するための最良の形態】
    【0017】
    本発明は、セシウム塩の製造法に関し、さらに、水酸化セシウムの製造法に関する。 加えて、本発明は、アルカリ金属塩、及び、アルカリ金属水酸化物の製造法に関する。
    【0018】
    好ましいセシウム塩の製造法においては、硫酸セシウム含有溶液は石灰と反応して、少なくとも水酸化セシウムを含んで成る溶液を形成する。 さらに、該反応において、硫酸カルシウムを含んで成る残留物も形成し、典型的には沈殿物の形である。 次いで、硫酸カルシウムを含んで成る残留物が該溶液から除去され、該溶液中の水酸化カルシウムが、少なくとも1つのセシウム塩に転化される。
    【0019】
    硫酸セシウム含有溶液の石灰との反応は、本質的に任意の温度で起こることができ、好ましくは約0℃〜約100℃の温度で起こり、より好ましくは約0℃〜約50℃の温度で起こり、さらにより好ましくは約0℃〜約30℃の温度で起こる。 より低い反応温度は、石灰の溶解度がより低い温度で相当により高いので、本発明において好ましい。 例えば、硫酸セシウム含有溶液における石灰の溶解度は、95℃での石灰の溶解度に比べて、約20℃〜約25℃で2倍の高さである。
    【0020】
    硫酸セシウム含有溶液又はスラリーは、典型的には、溶液中に任意の硫酸セシウム溶解量を含む水溶液である。 本発明の目的のために、懸濁物質が溶液中に存在できる。 例えば、約0ppm〜約3000ppmの懸濁物質が溶液中に存在できる。 好ましくは、懸濁物質は、潜在的に可溶性のセシウム塩ではない。 したがって、本発明の目的のために、硫酸セシウム含有溶液はまた、スラリーとみなすことができる。 好ましくは約1wt%〜約50wt%の硫酸セシウムが、硫酸セシウム含有溶液中に存在し、より好ましくは約1wt%〜約10wt%、さらにより好ましくは約5wt%の硫酸セシウムが、硫酸セシウム含有溶液中に存在する。 硫酸セシウムは、ポルサイト鉱石の温浸から得られる中和したセシウムミョウバンを濾過すること、さまざまなセシウム塩の屑を再利用する際に、意図的に形成される中和したセシウムミョウバンを濾過すること、使い終わった触媒から硫酸セシウム塩へ再加工することなどを含むが、それに限定されないさまざまな原料から得ることができる。 超高純度の又は不純物のある硫酸セシウム溶液は、所望のセシウム塩に転化することができる。
    【0021】
    硫酸セシウム含有溶液と反応させるのに用いる石灰は、任意の種類の石灰であることができ、好ましくは、酸化カルシウム、又は、(水和石灰としても公知の)水酸化カルシウムである。 酸化カルシウムを用いる場合、典型的には、この石灰は、水と結合して、又は、硫酸セシウムを含む溶液に導入されて、水酸化カルシウムを形成する。 硫酸セシウム含有溶液との反応に添加する石灰の量は任意の量であることができ、好ましくは、全容液のpHを約12.5〜約13.5のpH、好ましくはできるだけ高いpHに上げるのに十分な量である。 本発明の目的のために、硫酸セシウム溶液へ直接酸化カルシウムを添加することができる。 好ましい原料は、硫酸セシウムへ添加する前に消石灰のスラリーであるか、乾燥した水和石灰の添加物であるかのどちらかである。
    【0022】
    一般に、溶液が、硫酸セシウムと、硫酸セシウム含有溶液と完全に反応するのに必要とされる石灰の最大添加量を含む場合、最初に含まれる硫酸セシウムの約8wt%〜約25wt%を水酸化セシウムに転化することができる。 これらの値は、硫酸カルシウムを含む残留物を除去した後で、溶液中の最初に含まれる硫酸セシウムに基づいている。 該残留物はまた、ストロンチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、及び/又は、金属不純物、又は、他の不純物を含むことができる。 該残留物は、濾過などを含むが、それに限定されない沈殿物を除去するための任意の標準的な技術によって除去することができる。
    【0023】
    いったん残留物が除去されると、残りの溶液は、溶液中の任意の残留可溶性硫酸セシウムに加えて、転化した水酸化セシウムを含む。 最初に含まれる硫酸セシウムの約8wt%〜約25wt%が、それぞれの操作後に水酸化セシウムに転化されるので、典型的に硫酸セシウムが溶液中に残留している。 いったん残留物が除去されると、次いで、溶液中の水酸化セシウムは、少なくとも1種類のセシウム塩に転化することができる。 水酸化セシウムを転化させる好ましい方法は、適切な酸を使用することである。 例えば、所望のセシウム塩がギ酸セシウムである場合、ギ酸が、生成した及び溶液中に存在する水酸化セシウムを中和するのに用いられる。 そのギ酸が、可溶性のギ酸セシウムを形成させる。 本発明のプロセスで形成することのできる他のセシウム塩は、酢酸セシウム、クエン酸セシウム、塩化セシウム、臭化セシウム、硝酸セシウム、ヨウ化セシウム、プロピオン酸セシウム、シュウ酸セシウム、酪酸セシウム、サリチル酸セシウム、又は、純度の増した硫酸セシウムを含むが、それに限定されない。 適切な酸が、酢酸セシウムのための酢酸など、これらのセシウム塩のそれぞれを形成するのに用いられる。 他の酸は、クエン酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、酪酸、プロピオン酸、シュウ酸、及び、サリチル酸を含む。
    【0024】
    先に示した通り、上記のプロセスは、溶液中の硫酸セシウムが、ほとんど使い尽くされる、又は、完全に使い尽くされるまで、任意の回数繰り返すことができる。 したがって、上記のように第1の操作後、水酸化セシウムはセシウム塩に転化され、そうして、溶液は、溶液中に可溶性のセシウム塩と、残留する硫酸セシウムを含む。 次いで、この溶液は、好ましくは新たな石灰と結合して、硫酸カルシウムを含む新たな残留物を形成するとともに、少なくとも水酸化セシウム、前に形成したセシウム塩、及び、任意の残留可溶性硫酸セシウムを含む溶液を形成する。 次いで、該残留物が、先に説明したのと同様の方法で除去される。 次いで、水酸化セシウムがセシウム塩に転化され、該セシウム塩は、最初に形成したセシウム塩と同じ又は異なってもよい。 好ましくは、同じセシウム塩が、先に説明したプロセス工程を繰り返すことによって形成される。 このプロセスは、何回も、好ましくは、硫酸セシウムが使い尽くされる又はほとんど使い尽くされるまで、繰り返すことができる。 それぞれの一連の反復工程の後で用いられる酸及び/又は石灰は、同じもの又は異なるものであることができる。
    【0025】
    1つの実施態様においては、水酸化セシウムは、セシウム塩を含む全溶液を、カルシウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウム、並びに、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、及び、ケイ素のような金属不純物の2価の陽イオンを含むが、それに限定されない多くの不純物の除去を促進させる高いpHに保持するので、好ましくは、すべての水酸化セシウムが、セシウム塩に転化されるというわけではなく、又は、直ちに転化されないというわけではない。 石灰は、硫酸セシウム溶液から金属不純物を沈殿させることができる。 上に挙げた金属不純物は、概して、pHを上げることで沈殿する。 加えて、pHだけが常に2価の陽イオンを沈殿させることができるというわけではないが、pHの高さは、このプロセスによって達成されるものと一致しており、二酸化炭素のような少なくとも1つの可溶性の炭酸塩源が後で導入されるときに、2価の陽イオンが、好ましくは、不溶性の炭酸塩及び/又は他の不純物として沈殿するほど十分に高い。 可溶性炭酸塩源の他の例は、セシウム、ルビジウム、カリウム、ナトリウム、リチウムの炭酸塩、及び/若しくは、重炭酸塩、又は、それらの組合せを含むが、それに限定されない。
    【0026】
    好ましくは、水酸化セシウムを所望のセシウム塩に転化させるのに用いる酸に関して、添加する酸の量は、すべての水酸化セシウムを所望のセシウム塩に完全に転化させるのに十分である。 好ましくは、水酸化セシウムを所望のセシウム塩に転化させるのに必要とされる化学量論的量以下の酸を添加する。 一般には、水酸化セシウムが完全にセシウム塩に転化したときには、溶液中に可溶性セシウム塩と任意の残留硫酸セシウムを含む溶液は、典型的に約7〜約9のpHであり、言い換えると、溶液は実質的に中和している。
    【0027】
    本発明は、まさに1つの例である以下の好ましい反応スキーム、即ち、
    工程1:中性5%硫酸セシウム溶液への第1の石灰の添加反応1:Cs 2 SO 4 +Ca(OH) 2 →2CsOH+CaSO 4 ↓(最初に含まれるCs 2 SO 4の8〜25%がCsOHに転化)
    反応2:MgSO 4 +Ca(OH) 2 →Mg(OH) 2 ↓+CaSO 4
    工程2:CaSO 4飽和セシウム液から沈殿したCaSO 4及びMg(OH) 2固体の濾過工程3:ギ酸のような所望の酸による透明な濾液に含まれるCsOHの中和反応:CsOH+HCOOH→CsCOOH+H 2 O 沈殿なし工程4:硫酸セシウム及びギ酸セシウムを含む中和濾液への第2の石灰の添加による工程1の反復反応:Cs 2 SO 4 +Ca(OH) 2 →2CsOH+CaSO 4 ↓(最初に含まれるCs 2 SO 4の別の8〜25%がCsOHに転化)
    工程5:CaSO 4飽和セシウム液から沈殿したCaSO 4固体を分離するための濾過工程6:ギ酸のような所望による透明な濾液に含まれるCsOHの中和反応:CsOH+HCOOH→CsCOOH+H 2 O 沈殿なし工程7:硫酸セシウム及びギ酸セシウムを含む中和濾液への第3の石灰の添加による工程1の反復反応:Cs 2 SO 4 +Ca(OH) 2 →2CsOH+CaSO 4 ↓(最初に含まれるCs 2 SO 4の別の8〜25%がCsOHに転化)
    工程8:CaSO 4飽和セシウム液から沈殿したCaSO 4固体を分離するための濾過工程10:ギ酸のような所望の酸による透明な濾液に含まれるCsOHの中和反応:CsOH+HCOOH→CsCOOH+H 2 O 沈殿なし工程11:すべてのセシウムが硫酸塩からギ酸塩に転化するまで、又は、望まれるまでの工程7〜10の反復によってさらに説明することができる。
    【0028】
    先に示した通り、可溶性の水酸化カルシウムは、硫酸カルシウムの飽和濾液中に、好ましくは実質的に存在せず、より好ましくは全く存在せず、石灰は、好ましくは、硫酸セシウムの最大限の量を水酸化セシウムに完全に転化させている。
    【0029】
    回収したセシウム塩は、油田の流体、触媒、有機合成、特殊ガラスの製造、医療的用途、及び、当業者に公知の他の多くの用途など、しかし、それに限定されないさまざまな使用のために用いることができる。
    【0030】
    加えて、本発明は、後に続いて、他の望ましいセシウム含有生成物に転化できる水酸化セシウムの製造法に関し、該方法は、硫酸セシウム含有溶液を上記のように石灰と反応させて、少なくとも水酸化セシウムを含む溶液を形成し、さらに、硫酸カルシウムを含んで成る残留物も形成することを伴う。 上記の通り、硫酸カルシウムを含んで成る残留物は除去することができ、可溶性水酸化セシウムを含む溶液は、溶液中の任意の残留硫酸セシウムとともに回収される。 次いで、水酸化セシウムは、例えば、所望の酸を添加することによって、硫酸セシウムを含めて、任意の望ましいセシウム含有生成物に転化できる。 この方法はまた、例えば、硫酸セシウム溶液を精製するのに用いることもできる。 石灰の添加、水酸化セシウム及び少なくとも硫酸カルシウムを含んで成る残留物の生成、並びに、溶液からの残留物の分離によるpHの上昇作用によって溶液が精製される。 可溶性の炭酸塩源は、溶液をさらに精製するためpHを上げるときに、随意に添加することができ、より多くの不純物を沈殿させる。 次いで、水酸化セシウムが、硫酸を用いて中和され、高純度の硫酸セシウム溶液を形成することができる。
    【0031】
    本発明はまた、他のアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、フランシウム)を用いて使用することもできる。 したがって、任意のアルカリ金属の硫酸塩含有溶液が石灰を用いて使用され、次いで、上記の工程を使用して、任意の所望のアルカリ金属含有生成物(例えば、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属塩、及び/又は、精製されたアルカリ金属の硫酸塩)を形成させるように、上記の工程を変えることができる。
    【0032】
    本発明は、以下の例によってさらに明確にされるが、これらの例は、本発明の単に例示的なものであることを意図している。
    【実施例】
    【0033】
    以下の例は、本発明の改善した利点を表すために与えられる。 それぞれの例は、中性pHで且つ名目上6%希釈の硫酸セシウム溶液である、同一濾過原料の溶液から始まる。 例4においては、ギ酸を所望の酸として用いたが、該プロセスは、もちろん他の酸に適用するということもまた注目される。 例1は、未処理の硫酸セシウム溶液である、この出発原料溶液の関連した性質を記載する。
    【0034】
    [例1]
    およそ6wt%の濾過した中性pHの希釈硫酸セシウム溶液を分析して、非アルカリの可溶性不純物の含量を含めて、その関連した性質を評価した。 この試料は、以下の例のそれぞれに使用した。 g/lのセシウムを含めて、1ppm以上の顕著な非アルカリの可溶性不純物を以下の通り表す。
    セシウム 47g/l
    カルシウム 476ppm
    マグネシウム 2470ppm
    マンガン 57ppm
    ケイ素 33ppm
    アルミニウム 3ppm
    ホウ素 1ppm
    タリウム 5ppm
    【0035】
    [例2]
    水酸化バリウム一水和物15gを、例1における原料の硫酸セシウム溶液250mlに添加した。 この量によって、不溶性の硫酸バリウムを沈殿させることで、存在するすべての可溶性硫酸塩を除去した。 スラリーを濾過して、不溶性の沈殿残留物を除去した。 希釈水酸化セシウムの濾過溶液は、10ppm未満の硫酸塩と370ppmのバリウムを含有すると分析された。 用いたわずか1%の過剰バリウムについて調整して、出発硫酸セシウム溶液中の投入可溶性硫酸塩は、28253ppmの可溶性硫酸塩を含有すると算出された。 この共通の希釈硫酸セシウム原料溶液についての、この硫酸塩含量及び水酸化バリウム必要量を、以下に挙げる例に使用する処理工程の基準として用いた。
    【0036】
    [例3]
    原料の硫酸セシウム溶液250mlに、セシウムを含めて、含有する可溶性アルカリの硫酸塩を可溶性アルカリのギ酸塩に転化させるのに一致する量において、可溶性ギ酸カルシウム塩を添加した。 中性pHの硫酸セシウム溶液に、6.3gに相当するギ酸カルシウムを添加した。 不溶性硫酸カルシウムを含んで成る沈殿残留物を濾過して、希釈した中性pHの可溶性アルカリギ酸塩溶液から不溶性残留物を除去した。 この主にセシウムのギ酸塩溶液を分析して、それを例1において上で分析した投入硫酸セシウム溶液、並びに、例4A及び例4Bを含め、他の例と比較且つ対比した。 g/lのセシウムを含めて、1ppm以上の顕著な非アルカリの可溶性不純物を以下の通り表す。
    セシウム 47g/l
    カルシウム 1088ppm
    マグネシウム 2021ppm
    マンガン 25ppm
    ケイ素 46ppm
    アルミニウム 347ppm
    ホウ素 1ppm
    鉄 2ppm
    ストロンチウム 1ppm
    リン 2ppm
    タリウム 4ppm
    硫酸塩 12646ppm
    【0037】
    [例4A]
    12℃の原料硫酸セシウム溶液500mlに、水酸化カルシウム6.4gを添加して、13.26の最大溶液pHに達した。 溶液を濾過して、pH13.21の濾液465mlを回収した。 溶液を翌朝に再度濾過して、溶液の高いpHと大気への曝露の両方によって、一晩に形成した炭酸カルシウム結晶の特徴的な表面小板を除去した。 炭酸塩の薄片は、最小限の量の希釈HCl溶液においてpH3.2で処理すると、完全に溶解して泡立ち、予期した通り、二酸化炭素を放出した。 薄片が完全に溶解することで、存在する硫酸カルシウムが乏しいことが示された。
    【0038】
    溶液を2.05mlのギ酸で中和した。 沈殿物は全く形成しなかった。 ギ酸の添加量は、まず水酸化物に、次いで中和されてギ酸塩に転化した4500ppmのアルカリ硫酸塩に一致した。
    【0039】
    先の中和濾液465mlを使用し、水酸化カルシウム1.8gを約45℃の温度で溶液と反応させることを除いて、2回目のプロセスを繰り返し行った。 45℃でスラリーを濾過して、不溶性残留物を分離した。 溶液は一晩冷却させた。 翌日、炭酸カルシウム結晶の表面小板を除去した後、溶液を再びギ酸で中和した。 高pHの濾液460mlを中和するのに、合計1.4mlを必要とした。 沈殿物は全く形成しなかった。 使用したギ酸の量は、まず水酸化物に、次いで中和されてギ酸塩に転化した3137ppmのアルカリ硫酸塩に一致した。
    【0040】
    先の中和濾液450mlを使用し、水酸化カルシウム1.7gを約60℃の温度で溶液と反応させることを除いて、3回目のプロセスを繰り返し行った。 60℃でスラリーを濾過して、不溶性残留物を分離した。 溶液は一晩冷却させた。 翌日、炭酸カルシウム結晶の表面小板を除去した後、溶液を再びギ酸で中和した。 高pHの濾液415mlを中和するのに、合計0.95mlを必要とした。 沈殿物は全く形成しなかった。 使用したギ酸の量は、まず水酸化物に、次いで中和されてギ酸塩に転化した2360ppmのアルカリ硫酸塩に一致した。
    【0041】
    先の中和濾液415mlを使用し、水酸化カルシウム1.7gを約60℃の温度で溶液と反応させることを除いて、4回目のプロセスを繰り返し行った。 60℃でスラリーを濾過して、不溶性残留物を分離した。 溶液は一晩冷却させた。 翌日、炭酸カルシウム結晶の表面小板を除去した後、溶液を再びギ酸で中和した。 高pHの濾液410mlを中和するのに、合計0.85mlを必要とした。 沈殿物は全く形成しなかった。 使用したギ酸の量は、まず水酸化物に、次いで中和されてギ酸塩に転化した2137ppmのアルカリ硫酸塩に一致した。
    【0042】
    先の中和濾液400mlを使用し、水酸化カルシウム1.7gを約65℃の温度で溶液と反応させることを除いて、5回目のプロセスを繰り返し行った。 65℃でスラリーを濾過して、不溶性残留物を分離した。 溶液は一晩冷却させた。 翌日、炭酸カルシウム結晶の表面小板を除去した後、溶液を再びギ酸で中和した。 高pHの濾液320mlを中和するのに、合計0.8mlを必要とした。 沈殿物は全く形成しなかった。 使用したギ酸の量は、まず水酸化物に、次いで中和されてギ酸塩に転化した2577ppmのアルカリ硫酸塩に一致した。
    【0043】
    先の中和濾液310mlを使用し、水酸化カルシウム1.5gを約95℃の温度で溶液と反応させることを除いて、6回目のプロセスを繰り返し行った。 90〜95℃でスラリーを濾過して、不溶性残留物を分離した。 溶液は一晩冷却させた。 2日後、炭酸カルシウム結晶の表面小板を除去した後、測定した溶液のpHは12.67であった。 このpHは、90〜95℃の反応温度でさえ異例に低いようであり、おそらく優勢を占めるアルカリ硫酸塩がすでに前に転化されてしまったことを示している。 溶液は、1390ppmのカルシウムを含有すると分析された。
    【0044】
    可溶性硫酸カルシウムを含めて、不溶性炭酸カルシウムとして、液から不純物を沈殿させるために炭酸カリウムを添加した。 合計1.2gが溶液250mlと反応した。 添加すると、透明な濾液が即座に濁った。 溶液を濾過して、不溶性沈殿物を分離した。 0.15mlのギ酸を用いて濾液を中和し、そのことによって、619ppmのアルカリ硫酸塩だけが、まず水酸化物に、次いで中和されてギ酸塩に転化したことが示された。 沈殿物は全く形成しなかった。 g/lのセシウムを含めて、1ppm以上の顕著な非アルカリの可溶性不純物を以下の通り表す。
    セシウム 51g/l
    カルシウム 19ppm
    ホウ素 1ppm
    タリウム 2ppm
    硫酸塩 3962ppm
    【0045】
    [例4B]
    10℃の原料硫酸セシウム溶液500mlに、水酸化カルシウム6.4gを添加した。 スラリーを30分間反応させた。 次いで、新たに1gをスラリーに添加して、高pHと大気の攪拌によって形成したであろう任意の炭酸カルシウムを示した。 さらに10分反応させた。 濾過前のスラリーのpHは13.42であった。 濾液のpHは13.33であった。 溶液は直ちにギ酸を用いて中和された。 沈殿物は全く形成しなかった。 回収した濾液480mlを中和するのに2.3mlが必要であった。 ギ酸の添加量は、まず水酸化物に、次いで中和されてギ酸塩に転化した4940ppmのアルカリ硫酸塩に一致した。
    【0046】
    中和濾液に水酸化カルシウム1.9gを添加した。 溶液の温度は、30分を過ぎて約50℃まで徐々に上昇した。 次いで、水酸化カルシウムを新たに0.6g添加し、再び、任意の潜在的な石灰が不溶性の炭酸カルシウムに転化することを示した。 50℃での任意の更なる反応のために、新たに10分を与えた。 溶液を高温で濾過し、ギ酸での中和を続ける前に、室温まで冷却させた。
    【0047】
    室温まで冷却すると、非常に薄い炭酸カルシウム結晶の表面小板の存在が、予期した通り形成したことを観察した。 沈殿物が中和の間に全く形成しないことを確実に観察できるように、中和の直前に濾過によってその表面小板を除去した。 濾液457mlをギ酸1.45mlで中和した。 沈殿物は全く形成しなかった。 ギ酸の添加量は、まず水酸化物に、次いで中和されてギ酸塩に転化した3302ppmのアルカリ硫酸塩に一致した。
    【0048】
    任意の沈殿物が形成するかどうかを観察するために、中和溶液を一晩静置させた。 翌日に観察すると、液は初期の透明さのままであった。
    【0049】
    中和濾液450mlに水酸化カルシウム1.8gを添加した。 溶液の温度は、30分を過ぎて50℃まで徐々に上昇した。 次いで、水酸化カルシウムを新たに0.6g添加し、再び、任意の潜在的な石灰が不溶性の炭酸カルシウムに転化することを示した。 50℃での任意の更なる反応のために、新たに10分を与えた。 溶液を濾過し、ギ酸での中和を続ける前に、室温まで冷却させた。
    【0050】
    室温まで冷却すると、非常に薄い炭酸カルシウム結晶の表面小板の存在が、予期した通り形成したことを観察した。 沈殿物が中和の間に全く形成しないことを確実に観察できるように、中和の直前に濾過によってその表面小板を除去した。 濾液433mlをギ酸1.2mlで中和した。 沈殿物は全く形成しなかった。 ギ酸の添加量は、まず水酸化物に、次いで中和されてギ酸塩に転化した2884ppmのアルカリ硫酸塩に一致した。
    【0051】
    中和濾液に水酸化カルシウム1.7gを添加した。 溶液の温度は、30分を過ぎて55℃まで徐々に上昇した。 次いで、水酸化カルシウムを新たに0.6g添加し、再び、任意の潜在的な石灰が不溶性の炭酸カルシウムに転化することを示した。 55℃での任意の更なる反応のために、新たに10分を与えた。 溶液を濾過し、ギ酸での中和を続ける前に、室温まで冷却させた。
    【0052】
    室温まで冷却すると、非常に薄い炭酸カルシウム結晶の表面小板の存在が、予期した通り形成したことを観察した。 沈殿物が中和の間に全く形成しないことを確実に観察できるように、中和の直前に濾過によってその表面小板を除去した。 濾液416mlをギ酸1.0mlで中和した。 沈殿物は全く形成しなかった。 ギ酸の添加量は、まず水酸化物に、次いで中和されてギ酸塩に転化した2490ppmのアルカリ硫酸塩に一致した。
    【0053】
    さらに進行する前に、中和液を2日間静置した。 この2日後、液が初期の透明さのままであることを観察した。
    【0054】
    中和濾液388mlに水酸化カルシウム1.5gを添加した。 溶液の温度は、30分を過ぎて65℃まで徐々に上昇した。 次いで、水酸化カルシウムを新たに0.5g添加し、再び、任意の潜在的な石灰が不溶性の炭酸カルシウムに転化することを示した。 65℃での任意の更なる反応のために、新たに10分を与えた。 溶液を濾過し、ギ酸での中和を続ける前に、室温まで冷却させた。
    【0055】
    室温まで冷却すると、非常に薄い炭酸カルシウム結晶の表面小板の存在が、予期した通り形成したことを観察した。 沈殿物が中和の間に全く形成しないことを確実に観察できるように、中和の直前に濾過によってその表面小板を除去した。 濾液377mlをギ酸0.73mlで中和した。 沈殿物は全く形成しなかった。 ギ酸の添加量は、まず水酸化物に、次いで中和されてギ酸塩に転化した2015ppmのアルカリ硫酸塩に一致した。
    【0056】
    さらに進行する前に、中和液を4日間静置した。 この4日後、液が初期の透明さのままであることを観察した。
    【0057】
    中和濾液350mlに水酸化カルシウム1.4gを添加した。 溶液の温度は、30分を過ぎて80〜85℃まで徐々に上昇した。 次いで、水酸化カルシウムを新たに0.5g添加し、再び、任意の潜在的な石灰が不溶性の炭酸カルシウムに転化することを示した。 80〜85℃での任意の更なる反応のために、新たに10分を与えた。 溶液を濾過し、室温まで冷却させた後、次に進んだ。
    【0058】
    pH12.87の濾液323mlに、炭酸カリウムを添加し、可溶性の硫酸カルシウムを含む不純物を不溶性の炭酸カルシウムとして沈殿させた。 わずかに多いと考えられる量を添加し、不溶性沈殿物として有利に除去できる他の可溶性不純物を示した。 合計1.9gを添加した。 添加すると、透明な濾液が直ちに濁った。 30分の反応時間を与えた。 溶液を濾過して、不溶性沈殿物を分離した。
    【0059】
    濾液をギ酸で中和した。 濾液306mlを中和するのに、合計0.5mlのギ酸を必要とした。 さらに、中和したときに沈殿物は全くなかった。 ギ酸の添加量は、まず水酸化物に、次いで中和されてギ酸塩に転化した1700ppmのアルカリ硫酸塩に一致した。 g/lのセシウムを含めて、1ppm以上の顕著な非アルカリの可溶性不純物を以下の通り表す。
    セシウム 52g/l
    カルシウム 2ppm
    リン 2ppm
    タリウム 1ppm
    硫酸塩 4069ppm
    【0060】
    [例5A]
    例1で分析した15℃の原料硫酸セシウム溶液250mlに、水酸化カルシウムを添加した。 合計3.2gの水酸化カルシウムを添加した。 スラリーのpHは13.30であった。 濾過によって反応スラリーから不溶性残留物を分離し、可溶性の硫酸セシウム及び水酸化セシウムの希釈濾液を回収した。 回収した濾液220mlのpHは13.20であった。
    【0061】
    この濾液に炭酸カリウム0.8gが添加されたが、可溶性の炭酸塩源は、可溶性の硫酸カルシウムを含む不純物を、高pHで、不溶性の炭酸カルシウムとして沈殿させることを意図している。 次いで、結果として得られる濁った溶液を濾過して、精製した濾液から少なくとも炭酸カルシウムを含んで成る残留物を分離した。 合計210mlの濾液を回収した。
    【0062】
    次いで、回収した濾液210mlを硫酸で中性pHに中和し、0.55mlの硫酸を必要とした。 沈殿物は全く形成しなかった。 中和から算出したアルカリ水酸化物によって、投入アルカリ硫酸塩の4300ppmが、アルカリ水酸化物に転化したことが示された。 硫酸セシウム溶液の分析によって、上記の溶液に添加した炭酸カリウム0.8gは、可溶性硫酸カルシウムのような、すべての関連不純物を、不溶性の炭酸カルシウムとして沈殿させるにはわずかに不足していることが示された。 g/lのセシウムを含めて、1ppm以上の顕著な非アルカリの可溶性不純物を以下の通り表す。
    セシウム 53g/l
    カルシウム 122ppm
    マグネシウム 22ppm
    ケイ素 1ppm
    アルミニウム 31ppm
    ホウ素 1ppm
    リン 3ppm
    タリウム 2ppm
    【0063】
    [例5B]
    例1で分析した90〜95℃の原料硫酸セシウム溶液250mlに、水酸化カルシウムを添加した。 合計3.2gの水酸化カルシウムを添加した。 90〜95℃の範囲に温度を保って、30分の反応時間を与えた。 必要なときには、水を加え、一定体積を維持した。 30分の時点で、新たに0.4gを添加して、任意の石灰が炭酸カルシウムに転化することを示した。 90〜95℃での新たな10分の反応時間を高温濾過の前に与えた。 必要なときには、水を加え、一定体積を維持した。 濾過によって反応スラリーから不溶性残留物を分離して、可溶性の硫酸セシウム及び水酸化セシウムの希釈濾液を回収した。 回収した濾液220mlのpHは室温で12.92であった。
    【0064】
    この高温の石灰添加試験からの濾過残留物の質量は、例5Aにおけるより低い温度試験の質量よりもかなり小さく、より高い反応温度では、アルカリ硫酸塩の水酸化物への転化は相当により低いということを示した。
    【0065】
    この濾液に炭酸カリウム1.3gが添加されたが、可溶性の炭酸塩源は、可溶性の硫酸カルシウムのような不純物を、高pHで、不溶性の炭酸カルシウムとして沈殿させることを意図している。 添加した1.3gは、関連不純物を沈殿させるのに必要とされる炭酸カリウムよりも多いと考えられた。 次いで、結果として得られる濁った溶液を濾過して、精製した濾液から少なくとも炭酸カルシウムを含んで成る残留物を分離した。 合計212mlの濾液を回収した。
    【0066】
    次いで、回収した濾液212mlを硫酸で中性pHに中和した。 沈殿物は全くなかった。 過剰な炭酸カリウムを添加したので、アルカリの硫酸塩から水酸化物へ、次いで硫酸塩に戻る任意の算出添加率は、過剰な炭酸カリウムがまた硫酸塩に中和されるために不正確である。 以下の例5Cは、硫酸の中和に先立ち、炭酸カリウムを全く添加しなかった場合の転化率を表すことを意図している。 g/lのセシウムを含めて、1ppm以上の顕著な非アルカリの可溶性不純物を以下の通り表す。
    セシウム 51g/l
    カルシウム 1ppm
    ケイ素 3ppm
    ホウ素 1ppm
    【0067】
    [例5C]
    例1で分析した90〜95℃の原料硫酸セシウム溶液250mlに、水酸化カルシウムを添加した。 合計3.2gの水酸化カルシウムを添加した。 90〜95℃の範囲に温度を保って、30分の反応時間を与えた。 必要なときには、水を加え、一定体積を維持した。 次いで、濾過によって90〜95℃の反応スラリーから不溶性残留物を除去して、可溶性の硫酸セシウム及び水酸化セシウムの希釈濾液を回収した。 回収した濾液215mlのpHは室温で12.87であった。
    【0068】
    この高温の石灰添加試験からの濾過残留物の質量は、例5Aにおけるより低い温度試験の質量よりもかなり小さく、より高い反応温度では、アルカリ硫酸塩の水酸化物への転化は相当により低いということを示した。
    【0069】
    次いで、回収した濾液195mlの量を、硫酸0.2mlを用いて中和した。 さらに、中和の際に沈殿物は全くなかった。 硫酸(ギ酸ではない)の添加量は、まず水酸化物に、次いで中和されて硫酸塩に転化した1716ppmのアルカリ硫酸塩に一致した。
    【0070】
    挙げられる転化の程度が正確で、且つ、溶液中の任意の過剰な遊離炭酸カルシウムによって影響されないことを確実にするために、炭酸カリウムを全く添加しなかった。 このことは、例4A及び例4Bの工程1で行ったことに類似している。 したがって、上の例5Aは、結果として得られる化学物質の純度レベルによって明示される通り、わずかに不足した炭酸カリウムが、すべての関連不純物を沈殿させるために添加されるので、正確であるとみなすことができる。
    【0071】
    本発明の他の実施態様は、本明細書の考察、及び、本明細書で開示された本発明の実施から当業者にとって明らかである。 本明細書及び例は、特許請求の範囲及びそれと同等のものによって示される本発明の真の範囲及び趣旨に関して、単に例示的とみなされることを意図している。

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