For analyte detection, addressable array using morphology dependent resonances

申请号 JP2001527223 申请日 2000-09-26 公开(公告)号 JP2003510607A 公开(公告)日 2003-03-18
申请人 アレイ バイオサイエンス コーポレイション; 发明人 オレグ エイ イェヴィン; デイヴィッド アイ クライマー;
摘要 (57)【要約】 2つの 光源 (2、3)、バンドパスフィルタ(4)、ミラー(5、6)、偏 光子 (7)、 基板 (8)、光エネルギーを光源(2、3)からマイクロキャビティに送るための光ファイバ(10)、 信号 解析器(21)、及びデータプロセッサ(23)から成る装置。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】 マイクロキャビティ(microcavity)と; 前記マイクロキャビティと関連する受容体(receptor)と; 電磁放射線源と;および 検出器(detector)とを具備する、検体検出器(analyte detector)。 【請求項2】 前記受容体と関連する検体をさらに具備する、請求項1に記載の検体・ディテクタ。 【請求項3】 粒子構造をさらに具備する、請求項1−2のいずれかに記載の検体検出器。 【請求項4】 粒子構造をさらに具備する、請求項2に記載の検体検出器。 【請求項5】 前記マイクロキャビティは、円柱形、円錐形、球形、楕円形および正多角形を含むグループから選択される内部形状を有することを特徴とする、請求項1−3のいずれかに記載の検体検出器。 【請求項6】 前記正多角形の形状は、三角形、四辺形、五角形、六角形、
    七角形、八角形、九角形および十角形を含むグループから選択されることを特徴とする、請求項5に記載の検体検出器。 【請求項7】 前記受容体と関連するビード(bead)をさらに具備する、請求項1−6のいずれかに記載の検体検出器。 【請求項8】 前記検体および前記受容体と関連するビードをさらに具備する、請求項1−7のいずれかに記載の検体検出器。 【請求項9】 前記ビードは、球体、楕円体および正多面体を含む形状のグループから選択されることを特徴とする、請求項7に記載の検体検出器。 【請求項10】 前記ビードによって、入射電磁放射線の少なくとも一部が、前記ビードに入ることを特徴とする、請求項7−9のいずれかに記載の検体検出器。 【請求項11】 前記粒子構造は、フラクタル(fractal)であることを特徴とする、請求項1に記載の検体検出器。 【請求項12】 前記粒子構造は、フラクタルであることを特徴とする、請求項2に記載の検体検出器。 【請求項13】 粒子構造をさらに具備する、請求項7に記載の検体検出器。 【請求項14】 粒子構造をさらに具備する、請求項8に記載の検体検出器。 【請求項15】 前記電磁放射線源は、単色放射線を生成することを特徴とする、請求項1−14のいずれかに記載の検体検出器。 【請求項16】 前記電磁放射線源は、様々な波長の放射線の混合を生成することを特徴とする、請求項1−15のいずれかに記載の検体検出器。 【請求項17】 複数の電磁放射線源をさらに具備する、請求項1−16のいずれかに記載の検体検出器。 【請求項18】 複数のマイクロキャビティであって、そのうちの少なくとも一つが、受容体を含む前記マイクロキャビティと; 前記少なくとも一つの受容体と関連する検体と; 電磁放射線源と;および 前記複数のマイクロキャビティの各々を、独立して検出することができるディテクタとを具備する、検体の検出のための装置。 【請求項19】 前記複数のマイクロキャビティの少なくとも一部が、異なる受容体と関連することを特徴とする、請求項18に記載の装置。 【請求項20】 そこに、マイクロキャビティを有する複数の定義された領域を有するマトリックスと; ソースおよびディテクタの独立した電磁放射線と関連する少なくとも一つの領域と; を具備する、検体検出のためのアレイ。 【請求項21】 前記定義された領域は、位置的に定義されることを特徴とする、請求項20に記載のアレイ。 【請求項22】 前記定義された領域は、独自の特性を用いて定義されることを特徴とする、請求項20−21のいずれかに記載のアレイ。 【請求項23】 前記定義された領域は、ビードの独自の特性を用いて定義されることを特徴とする、請求項20−22のいずれかに記載のアレイ。 【請求項24】 前記マトリックスは平面であることを特徴とする、請求項20−23のいずれかに記載のアレイ。 【請求項25】 前記マトリックスは湾曲しており、凸面と凹面を有することを特徴とする、請求項20−23のいずれかに記載のアレイ。 【請求項26】 前記マトリックスは、円柱状であることを特徴とする、請求項25に記載のアレイ。 【請求項27】 前記マイクロキャビティは、前記マトリックスの凸面にあることを特徴とする、請求項25に記載のアレイ。 【請求項28】 前記マイクロキャビティは、粒子構造を具備することを特徴とする、請求項20−27に記載のアレイ。 【請求項29】 前記粒子構造は、フラクタル構造であることを特徴とする、請求項28に記載のアレイ。 【請求項30】 そこにマイクロキャビティのアレイを有するマトリックスであって、前記複数のマイクロキャビティの、少なくとも一つは、受容体と関連する、前記マトリックスと; 電磁放射線源と; ディテクタと;および 検出された電磁放射線を解析するためのコンピュータとを具備する、検体を解析するためのシステム。 【請求項31】 前記検出された電磁放射線を解析するために、プログラムを記憶するためのメモリ装置をさらに具備する、請求項30に記載のシステム。 【請求項32】 そこに受容体を有するビードをさらに具備する、請求項3
    0−31のいずれかに記載のシステム。 【請求項33】 そこに受容体を有するビードと、および前記マイクロキャビティの少なくとも一つと関連する粒子構造をさらに具備する、請求項30−3
    2のいずれかに記載のシステム。 【請求項34】 データベースから情報を検索するための入力装置をさらに具備する、請求項30−33のいずれかに記載のシステム。 【請求項35】 情報をデータベースに送信するための出力装置をさらに具備する、請求項30−34のいずれかに記載のシステム。 【請求項36】 検体を検出するための方法であって: そこにマイクロキャビティのアレイを有するマトリックスであって、複数の前記マイクロキャビティのうち、少なくとも一つが受容体と関連する前記マトリックスと; 電磁放射線源と; ディテクタと;および 検出された電磁放射線を解析するためのコンピュータと を具備するシステムを供給し; 検体を供給し; 前記検体を、前記少なくとも一つの受容体の近くに配置し; 前記検体に、入射電磁放射線を当て、および 前記検体と関連する電磁信号を検出するステップを具備する、前記方法。 【請求項37】 前記電磁信号と、わかっている部分と関連する信号とを比較するステップをさらに具備する、請求項36に記載の方法。 【請求項38】 前記検体と関連する前記信号と関連するデータを、データベースに保管するステップをさらに具備する、請求項36−37のいずれかに記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 (関連出願) 本出願は、アメリカ合衆国特許仮出願、「ラマン分光法のための受容体を伴うナノ粒子構造(Nanoparticle Structures With Receptors for Raman Spectrosc
    opy)」、発明者:David I. Kreimer博士、Oleg A. Ye
    vin博士、Thomas H. Nufert,提出日:1999年9月27日、出願番号:第60/156,195号、アメリカ合衆国特許仮出願、「検体検出のための、形態依存共鳴を用いたアドレス指定可能なアレイ(Addressable Ar
    rays Using Morphology Dependent Resonance for Analyte Detection)」、発明者:Oleg A. Yevin博士、David I. Kreimer博士、
    提出日:1999年9月27日、出願番号:第60/156,145号、およびアメリカ合衆国特許仮出願、「広範囲熱放射吸収能を有する熱パイプのためのフラクタル・アブソーバ(Fractal Absorber for Heat Pipes with Broad Range H
    eat Radiation Absorptivity)」、発明者:Oleg Yevin,Thoma
    s H. NufertおよびDavid I. Kreimer、出願番号:第6
    0/156,471号の優先権を主張する。 これらの特許仮出願の各々は、参照により、ここに完全に組み込まれている。 【0002】 (技術分野) 本発明は、検体の検出のための装置の製造および使用のための方法に関する。
    特定的には、本発明は、形態依存共鳴状態を作るための、微小物体と関連する検体の検出のための方法および装置に関する。 より特定的には、本発明は、フラクタル表面を含む、特定的に仕上げられた表面に検体を結合させ、および検体を、
    ラマン法、蛍光法または他の分光のための方法を用いて、その検出に適した領域に配置すると、他の分子から検体を分離するための方法および装置に関する。 【0003】 (背景技術) 関連技術 検体の検出は、現在の生物学、生物工学、化学、および環境産業の重要な側面である。 検体の検出は、化学的方法であるクロマトグラフィや質量分析法を含む、多くの様々な方法を用いて達成することができる。 検体を検出するための他の方法は、検体あるいは“配位子(ligands)”の、ここでは“受容体”と呼ばれる他の分子への、特定的な結合に依存する。 【0004】 1. 検体の検出 検体、すなわち“配位子”分子の検出は、現在の生物学、生物工学、化学、および環境産業の重要な側面である。 配位子の検出は、化学的方法である、クロマトグラフィ、質量分析法、核酸混成、および免疫学を含む、多くの様々な方法を用いて達成することができる。 混成および免疫学的方法は、配位子を、ディテクタ、あるいは“受容体”分子に特定的に結合することに依存する。 これらの方法の特異性に対する原理は、受容体分子によって与えられ、特定の方法で、配位子分子に結合することができ、それによって結合複合体を生成する。 非結合配位子の除去に有利である状況の下で複合体を扱う時に、結合複合体を分析することができる。 結合の特異性、結合ならびに非結合配位子と受容体との分離の完全性、
    および配位子の検出の感度によって、検出システムの選択性が与えられる。 【0005】 例えば、生物学および生物工学の産業において、デオキシリボ核酸(“DNA
    ”)およびメッセンジャー・リボ核酸(“mRNA”)等の検体は、特定の遺伝子学的、生理学的、あるいは病理学的状態の重要な標識である。DNAは、有機体の遺伝子構造に関する重要な情報を含むことができ、mRNAは、どの遺伝子が、特定の生理学的または病理学的状態において活動的であり、どのタンパク質が、遺伝子作用の結果、生成されるかを示す、重要な標識となりうる。さらに、
    タンパク質の直接的検出は、個人の生理学的または病理学的状態を理解するのに重要となりうる。 【0006】 DNAは、二本鎖の二重らせんでできており、その各々は、一連の、あるいは一“配列”のヌクレオチド塩基からなる。 DNAに見られる塩基は、アデニン、
    チミン、シトシン、およびグアニンを含む。 二重らせんの一つの鎖は、ここでは“読み取り鎖”と称される、mRNAに転写することができるヌクレオチドの配列を有し、他方の鎖は、塩基の配列を有し、その各々は、読み取り鎖での対応する位置における塩基に相補的である。 読み取り鎖におけるすべてのアデニンに関して、チミンは他方の鎖に存在する。 同様に、読み取り鎖におけるすべてのシトシンに関して、グアニンが他方の鎖に存在する。 読み取り鎖におけるすべてのグアニンおよびアデニンに関して、それぞれシトシンおよびチミンが、他方の鎖に見られる。 このように、二本鎖が他方に関して適切に配列されている時、各鎖の相補塩基は、素結合を形成することができ、それによって、WatsonおよびCrickのモデル(“Watson−Crick混成)に従って、複合体、
    すなわち“混成”で二つの鎖が保持される。 このように二本鎖は、ここでは互いに“相補的”であると考えられる。 リボ核酸は、チミンが、通常はウラシル塩基によって置き換えられることを除いては、DNAと類似の構造を有する。 しかしながら、ウラシルはアデニンと相補的であり、RNAの混成は、DNAとともに起こりうる。 核酸の情報内容は、核酸を構成する単位の配列において顕著に存在するので、ヌクレオチド塩基の存在のみを検出することができる、純粋な化学的方法では、有用性に制限がある。 このように、特定のDNAまたはRNAの存在を検出するための方法は、該核酸の塩基の配列の特性に依存する。 【0007】 核酸およびタンパク質の検出には、多くの様々な方法が現在使用されているが、これらの方法は、時間がかかり、高価であり、あるいは再現性(reproducible
    )に劣る。 例えば、DNAまたはRNA分子における特定の核酸配列の検出は、
    混成反応を用いることで達成することができ、検体DNAまたはRNA分子は、
    DNAの相補配列に付属することを許される。 相補DNA分子は、支持マトリックス(supporting matrix)に付属することができ、結合DNAおよびマトリックスは、ここでは“基質(substrate)”と称される。 検体核酸を、相補基質D
    NAに露出する結果、相対的に安定した混成を形成することができる。 二重DN
    A混成の検出は、標識付きDNA検体を検出することができる方法を用いて、特徴的に実行される。 前記標識付けは、通常、放射性、スピン共鳴、色原体または他の標識を用いて実行され、それらは、検体分子に付属する。 標識付き検体が基質に付属する時、非結合検体は除去することができ、結合、または特定の検体は、検出し、および定量化することができる。 【0008】 例えば、現在の方法を用いて特定の配列を有するmRNA分子を検出するために、自然発生する、すなわち“ネイティブな(native)”mRNAは、通常、標識付きヌクレオチドをcDNAに統合する状況の下で、“逆転写酵素”と称される酵素を用いて、相補DNA(“cDNA”)に変換される。 標識付きcDNAを混成基質と結合する時、結合配位子は、使用される標識の種類によって、シンチレーション計数、蛍光法またはスピン共鳴法等、放射性技術を使用して検出することができる。 【0009】 核酸およびタンパク質を検出するための、現在利用可能な方法は、望ましくない特性を有する。 前記方法は、時間がかかり、高価な装置や試薬を必要とし、専門的な手技を必要とし、および前記試薬は、環境上、有害となりうる。 さらに、
    mRNAを分析するために、前記方法は、逆転写の正確さにおける瑕疵にも敏感になりうる。 逆転写の間に作られたcDNAは、mRNAと正確に相補的でないかぎり、検体は、ネイティブmRNAと同じ配列を有さず、誤った結果が得られるかもしれない。 ポリメラーゼ連鎖反応(“PCR”)による核酸配列の増幅が、検出されうる核酸分子(相補DNAまたは“cDNA”)の数を増加させるために、使用されてきた。 PCRは、cDNAを増幅させるために、DNAポリメラーゼ酵素を必要とする。 いくつかのDNAポリメラーゼは、不正確な塩基を、
    新たに合成されたcDNAの成長する鎖へと挿入することがある。 さらに、PC
    Rに使用されるDNAポリメラーゼやプライマによる一定のcDNAの認識は、
    増幅されるべきサンプルにおけるDNAの特定の配列によって、変わりうる。 この変化の結果、異なるcDNA分子の非比例増幅を生じることがある。 不正確な配列を有する鎖の次の増幅の結果、同じサンプルにおけるいくつかの異なるcD
    NA配列が存在しうる。 このように、PCRを用いたcDNAの解析の正確性および感度が犠牲になりうる。 【0010】 さらに、医学的診断あるいは法医学の目的で、試験の結果を迅速に利用できるようにすることが、大変重要になりうる。 特定の核酸配列の検出のために一般的に使用される方法は、治療または法医学のための使用には、遅すぎるかもしれない。 そのため、核酸配列の、迅速で正確な計測に対する必要性が存在する。 2. 蛍光分光法 問題となる検体は、弁別蛍光信号を生成することができる、対応する抗体に特定的に結合する時、標識付けは必要ではない。 しかしながら、そのような固有蛍光は弱すぎるか、または存在せず、よってこれらの方法は使用することができない。 様々な種類の蛍光標識が市販されており、蛍光検出の使用を可能にする。 3. ラマン分光法 ラマン分光法は、検体分子において信号を生成するための電磁放射線の使用を伴う。 ラマン分光法は、ごく最近になって、必要な感度が可能になる点まで発展したばかりである。 ラマン分光法およびラマン分光法の感度を向上させるいくつかの方法が、以下に記述されている。 【0011】 A. ラマン散乱(Raman Scattering) ラマン分散理論によれば、近赤外、可視または紫外範囲の波長を有する入射フォトン(incident photons)が、一定の分子を照射する時、前記入射光のフォトンは、分子によって散乱させることができ、それによって分子の振動状態を、より高いレベル、またはより低いレベルに変えることができる。 分子の振動状態は、分子結合の、一定の種類の伸展(stretching)、曲げ(bending)、または屈曲(flexing)を特徴とする。 前記分子は、自発的に、その本来の振動状態に戻ることができる。 分子がその本来の振動状態に戻る時、それは入射フォトンと同じ波長を有する特性フォトンを放出しうる。 前記フォトンは、分子と相対してあらゆる方向に放出することができる。 この現象は、“レイリー光散乱(Raleigh
    Light Scattering)”と称される。 【0012】 変更された振動状態を有する分子は、フォトンの放出後、本来の状態とは異なる振動状態に戻ることができる。分子が、本来の状態とは異なる状態に戻る場合、前記放出されたフォトンは、入射光のそれとは異なる波長を有しうる。この種類の放出は、“ラマン散乱(Raman Scattering)”として知られており、この効果の発見者であるC.V.Ramanにちなんで名づけられた。分子が、本来の振動状態よりも高い振動レベルに戻る場合、放出されたフォトンのエネルギーは、入射フォトンの波長よりも低い(すなわち、より長い波長を有する)であろう。この種類のラマン分散は、“ストークス・シフト・ラマン散乱(Stokes-shift
    ed Raman scattering)”と称される。逆に、分子がより高い振動状態にある場合、本来の振動状態に戻った時に、放出されたフォトンは、より低いエネルギを有する(すなわち、より短い波長を有する)。この種類のラマン散乱は、“アンチ・ストークス・シフト・ラマン散乱(anti-Stokes-shifted Raman scattering
    )”と称される。上昇した振動エネルギ状態よりも、本来の状態に、より多くの分子があるので、通常、ストークス・シフト・ラマン散乱は、アンチ・ストークス・シフト・ラマン散乱より優勢である。その結果、ラマン分光法で観察される波長の典型的なシフトは、より長い波長へのシフトである。ストークス・シフトもアンチ・ストークス・シフトも、ラマン分光計を用いて量子化することができる。 【0013】 B.共鳴ラマン散乱(Resonance Raman Scattering) 入射光の波長が、該分子に対して最大吸収の振動数であり、またはその近くである時、フォトンの吸収は、分子の電気的状態および振動状態のいずれをも上昇させる。これらの波長のラマン散乱の有効性は、約1000倍にも向上されうる。それゆえに、電気的基底状態に戻りつつフォトンの放出をする時、ラマン散乱の強度は、類似の要因によって増加しうる。この現象は、ここでは“共鳴ラマン散乱”と称される。 【0014】 C.表面増強ラマン散乱(Surface Enhanced Raman Scattering) ラマン活性分子が、一定の種類の金属面の近くで励起される時、ラマン散乱の強度における顕著な向上が見られる。これらの波長において見られる、向上したラマン散乱は、ここでは“表面増強ラマン散乱”と称される。ラマン強度において、最大の向上を呈する金属面は、微小な、またはナノスケール(nanoscale)
    の粗い表面を含み、通常は、微小金属粒子で覆われている。 例えば、金属コロイド等、ナノスケールの粒子は、金属粒子がない場合のラマン散乱の強度よりも、
    約10 6倍かそれ以上、ラマン分散の強度を向上させることができる。 向上した強度のラマン分散のこの効果は、“表面増強ラマン散乱”または“SERS”と称される。 【0015】 SERSのメカニズムは、確実には知られていないが、ある要因が、前記増強に影響を与えているかもしれない。 電子は通常、“プラズモン(plasmon)”振動と称される、振動動作を呈することがある。 入射光の波長の約1/10の直径を有する粒子は、前記効果の一因となりうる。 入射フォトンは、粒子に場を誘導し、それによって金属における可動電子の動きを変えることができる。 入射光が、その波長を循環すると、電子の誘導された動きは、その光の循環に続くことができ、それによって入射光と同じ振動数を有する金属面の中で電子の振動を作り出す。 電子の動きは、金属粒子の中に、可動電子ダイポール(dipole)を作りうる。 金属粒子が一定の構成を有する場合、入射光によって、表面電子のグループは、調和した方法で振動し、それによって電界の建設的干渉がそのように生成され、ここで“共鳴領域(resonant domain)”と称される領域を作る。 増強した電界は、そのような共鳴領域によって、ラマン散乱の強度を向上させることができ、それによってラマン分光計によって検出される信号の強度を向上させることができる。 【0016】 表面増強および共鳴の、ラマン散乱への結合した効果は、“表面増強共鳴ラマン散乱(Surface Enhanced Resonance Raman scattering)”または“SERR
    S”と称される。SERRSの結合した効果は、約10 14倍かそれ以上、ラマン散乱の強度を向上させることができる。増強したラマン散乱に対する上述の理論は、前記効果を説明するための、唯一の理論ではないかもしれないことが注目される。他の理論が、これらの条件下で、ラマン散乱の向上した強度を説明するかもしれない。 【0017】 D.核酸およびタンパク質の検出のためのラマン法 核酸およびタンパク質の検出のために、いくつかの方法が使われてきた。典型的には、検体分子は、該分子を検出するための分析方法の能を向上させるために、それに加えられたレポータ(reporter)グループを有しうる。レポータ・グループは、放射性、蛍光、スピン標識でもよく、合成中に検体に組み込まれる。
    例えば、レポータ・グループは、関心のあるレポータ・グループを含む前駆体(
    precursor)からDNAを合成することによって、 mRNAから作られたcDNAへと導入されうる。 さらに、ローダミンやエチジウム等、他の種類の標識は、分析において、結合核酸の鎖の間に挿入され、および混成された核酸オリゴマーのレポータ・グループとして振舞うことができる。 【0018】 上述の方法に加え、ラマン分光法を用いて核酸を検出するための、いくつかの方法が使用されてきた。 Vo−Dinh、アメリカ合衆国特許第5,814,5
    16号;Vo−Dihn、アメリカ合衆国特許第5,783,389号;Vo−
    Dinh、アメリカ合衆国特許第5,721,102号;Vo−Dinh、アメリカ合衆国特許第5,306,403号。 これらの特許は、参照によって、ここに完全に組み込まれている。 最近、ラマン分光法は、タンパク質を検出するために、使用されてきた。 Tarchaら、アメリカ合衆国特許第5,266,49
    8号;Tarchaら、アメリカ合衆国特許第5,567,628号は、両方とも、参照によって、ここに完全に組み込まれており、試験混合物において、ラマン活性標識を用いて標識付けされた検体、および標識付けされていない検体を供給する。 上述の方法は、ラマン活性標識、あるいは“レポータ”グループを、検体分子に導入することに依存している。 レポータ・グループは、検体の存在を検出し、および量子化するために使用されるラマン信号を供給するために選択される。 【0019】 レポータ・グループが、検体に導入されることを求めることによって、追加的ステップおよび時間が求められる。 さらに、上述の方法は、分析の選択性および感度を供給するために、結合および非結合ラマン標識付け検体の、包括的洗浄(
    extensive washing)を必要とするかもしれない。 さらに、特定のラマン標識は、使用される分析システムの各種に供給されなければならないので、検体の属性は、分析の前に決定されなければならない。 4. 受容体分子に結合するタンパク質および低分子量検体の検出 タンパク質および低分子検体の検出は、これらの検体の分離および純化検体の検出を目的とした様々な技術か、またはそのような対象の、高度に特化した認識ができる特定の試薬を利用する検出に基づいている。 分離に基づいた技術は、手間がかかり、高価であり、および高度に訓練された人員を要する。 さらに、不安定なタンパク質は、純化工程を困難にしうる。 前記認識はしばしば、抗体と呼ばれる高度に特化したタンパク質を使用することによって達成される。 しかしながら、検体のしっかりした、および選択的な結合をすることができる抗体、タンパク質分子は市販されており、あるいはいくつかの企業による要求があれば、作ることができる。 【0020】 問題となる検体との複合体を形成する前に、対応する抗体が基質に付属し、前記固定化抗体に結合した検体は、前記基質に保持されうる。 これは、タンパク質、ペプチド、糖、有機起源の低分子量化合物、および自然には存在しないかもしれない、イン・ビトロ(in vitro)で合成された革新的な、化学的化合物等、様々な検体の検出のための、大量の免疫アッセイ(immunoassay)のための原理である。 これら従来の免疫アッセイの特徴は、検出されるようにいくらか標識付けされた検体を有する必要性である。 典型的には、標識は、弁別蛍光、放射、または酵素活性を利用する。 これらの信号は、他の抗体を用いて、または検体分子の化学的変更によって、導入される。 これらの、追加的工程は、しばしば非線形であり、それゆえに、翻訳するのに厄介であり、困難となりうる。 これらの問題は、検出の感度を向上させることによって、および/または標識の導入を排除するアプローチを開発することによって、取り組むことができる。 【0021】 5. 形態依存共鳴(Morphology Dependent Resonance)(MDR) 光信号も、円柱または球形のマイクロキャビティ、中空管または他の光共振器において、増強することができる。 一つの理論によれば、この増強は、これらの共振器内に放射線を閉じ込めることから生じる共鳴によって、生じる。 検体の光信号の増強のために特に魅力的なのは、マイクロキャビティまたは他の微小物体であり、それらは、検体を内部に包含するか、またはそれらの表面上で、それを外部に配置することを考慮している。 これらの微小物体およびマイクロキャビティは、実際に、直径数ミクロンから数センチまで、大きさが変化しうる。 そのような誘電システムにおける共鳴は、形態依存共鳴(“MDRs”)と称され、全内部反射によって生じることがあり、その結果、そのような微小物体内で、またはその表面で、光が集積する。 前記集積は、入射光の強度を増加させることにつながりうる。 放出された光も、これらの状況下で集積しうる。 検体の信号は、増強されうる。 しかしながら、MDR増強に現在利用できる前記方法および装置は、十分には、使いやすくない。 【0022】 6. アレイ(array) その各々が、対応する検体のために設計され、および対応する位置に付属している、数種類の固定化受容体分子が同時に利用される時、そのような受容体の前記システムは、アレイを形成する。 そのようなアレイは、いくつかの検体の同時検出を考慮する。 二つの相補オリゴヌクレオチド(上述参照)の間の高い親和性を利用したDNAアレイ(DNAチップ)が、最も発達している。 タンパク質も、互いに、オリゴヌクレオチドと、および小さな基質分子(上述参照)と高い親和性を有する。 このように、タンパク質、オリゴヌクレオチド、または他の細胞組成物の、それら個別の高親和性対象分子への選択的結合は達成可能であり、およびそのような受容体分子は、これらの外来検体の平行解析のためのアレイで、
    配列することができる。 外来検体の、そのような平行解析は、通常の生物学的過程、およびウィルスならびに細菌感染を含む病気の包括的生化学的特徴付けに大変重要である。 【0023】 アレイは、対象となる分子を、公知の空間的順序で、マトリックス平面に配置することによって、配列される。 代替的には、対象分子は、可動マトリックス・
    エレメント(ビード(Bead))へと付属することができ、それは個別の検体を結合する時に、ビードの色によって分離され、および識別される(Michael
    KL,Taylor LC,Schultz SL,Walt DR ランダムに順序付けられてアドレス指定可能高密度光センサ・アレイ(Randomly ordered
    addressable high-density optical sensor arrays)分析化学70;1242
    −1248(1998)、参照によって、ここに完全に組み込まれている)。 結合検体の検出は、通常、その放射性、蛍光、特定の化学反応を刺激する能力等、
    検体の独自の属性を利用して、実行される。 これらのアプローチの中には、一種類の検体の検出には有用であるが、一般的は、外来検体の平行検出には応用できない。 【0024】 結合種(bound species)が蛍光標識付けされる時、アレイ上での検体の結合の結果を同時に読み取ることが、高く望まれる。 現在の配列で配置された(何万もの)大量の様々な受容体によって、一つずつ読み取ることは、許容しがたいほど長くなりうる。 そのようなアレイの細胞単位から蛍光信号を読み取ることは、
    CCD(charge-coupled device)で可能であり、それはアレイから来る蛍光信号の像を作ることができる。 しかしながら、問題は、像の信号対ノイズ比が高い場合にのみ、微弱信号が検出できることである。 ノイズは、隣接するサンプルから散乱した蛍光から生じる。 【0025】 (発明の開示) このように、本発明の目的は、ラマン法、蛍光法、および他の、効率的な検出のためのMDR増強の効果を利用する検体によって生成された電磁信号を検出するための方法の開発である。 【0026】 本発明の他の目的は、製造方法の開発、および増幅器と結合した検体検出のためのアレイの製造である。 【0027】 本発明のさらに他の目的は、製造方法の開発、および検体と受容体の間に存在するための、検体標識付けまたは弁別的なスペクトル的差異を必要としない検出を使用した、外来検体のためのアレイの製造である。 【0028】 本発明の追加的目的は、製造方法の開発、およびMDR状況下での検体の検出ならびに検体を加えられた誘電微小物体での、光整列(optical alignment)を達成することを可能にする装置の製造である。 【0029】 本発明のさらなる目的は、製造方法の開発、および信号対ノイズ比を向上させると同時に、平行読み取りによって結合の結果を容易に読み取ることができるようにする装置の製造である。 【0030】 これらのおよび他の目的は、ラマン、赤外線、紫外線、蛍光および他の分析の特性を含む、電磁放射線の検出器と結合した、形態依存共鳴状態(MDR状態)
    を供給する検体およびキャビティあるいは微小物体を組み込む装置の設計および製造によって、達成される。 微小物体は、球体、円柱、中空管、曲線的な断面を有する他の構造、柱、六角形、および他の、より高い正多角形を含むがそれらに限定されない、様々な形状および構成を有することができる。 円錐構造は、検体からの、広範なスペクトル特性の追加的増強を供給する。 この結合に関わる、
    これら、三つの主な構成要素(検体、微小物体および検出器)の可動特性は、二つの主なステップの弁別を考慮する。 すなわち:検体をMDR状況下に置き、および検体からの信号を計測することである。 結合によって、誤った光配列の問題を排除し、単純で、高価でない計装を可能にし、より少ない電力を必要とし、および信号対ノイズ比を向上させる。 同時に、本発明の特徴は、検体からの光信号を劇的に向上させることができる。 【0031】 本発明の一定の実施形態において、対応する検体のための受容体を、ビードの表面に配置することによって、好ましい結合が達成され、およびこのビードはそれから、信号変換(signal transduction)のための光ファイバまたは導波管と結合した、MDRマイクロウェル(MDR-microwell)へと配置される。 他の実施形態において、ビードは、その表面に粒子構造を有することができ、増強した共鳴を供給する。 さらに他の実施形態においては、粒子構造は、マイクロキャビティの中に配置することができる。 さらに他の実施形態においては、平面または非平面支持における受容体分子のアレイは、対応する検体の結合をすると、マイクロキャビティへと配置することができ、代替的には、マイクロキャビティのシステムは、前記支持の表面に配置することができる。 【0032】 他の実施形態において、隣接するサンプルから散乱する光信号から生じるノイズの問題を回避するための方法が開発される。 これは、個別のマイクロウェルにサンプルを包含し、または保持することによって、および個別の光パス(optic
    path)を用いて光信号を集積することによって、達成される。 代替的にアレイの非平面配列は、MDR状態下で、検体すべてのセットをそのようなアレイに配置するために採用することができ、および光ファイバが、このアレイのサンプル区画(sample compartments)に近接して配置され、こうして、一つの区画から生じた光が、近くの区画において、誤って検出されないようにする(ここでは“寄生”信号(“parasite” signal)と称される)。 【0033】 結合システムを使用して、各サンプル区画からの光信号の集積が、平行して達成されうる。 この信号集積方法は、同時に、または定義された順番で、すべてのサンプル区画からの信号を、CCD装置、フォト・ダイオード(photo-diodes)
    、光電子増倍管(photomultiplier tube)(“PMT”)等、光検出器へ簡便に方向付けをすることを考慮することができる。 信号トランスミッタは、サンプルから直接光を集めるためにプレキャストされた(precast)、光ファイバまたは波導管でできているので、そのような解析のための計装は、特別な光整列を必要としない。 【0034】 (定義) 本発明においては、以下の語及び用語を使用する。 【0035】 本明細書において使用する用語“検体(analyte)”は、その存在及び/または量が決定される粒子または他の材料のことを意味する。 検体の例は以下のものを含むが、それらに限定されるものではない。 即ち、デオキシリボ核酸(“DN
    A”)、リボ核酸(“RNA”)、アミノ酸、タンパク質、ペプチド、糖質、脂質、グリコプロテイン、細胞、亜細胞オルガネラ、細胞の凝集、及び他の生物学的関心材料である。 【0036】 本明細書において使用する用語“定義領域”または“細胞”は、独立して製造または検出することができるアレイ内の位置を意味する。定義領域は、位置的に、またはポリマーまたは特徴的特性を有するビードによって識別することができる。 【0037】 本明細書において使用する用語“フラクタル”は、要素からなる構造を意味し、観測のスケールと要素の数との間にある関係、即ちスケール・不変を有している。単なる例示に過ぎないが、連続する線は一次元オブジェクトである。面は二次元オブジェクトであり、体積は三次元オブジェクトである。しかしながら、もし線がその中に間隙を有しており、連続する線でなければ、次元は1よりも小さい。例えば、もし線の1/2が失われば、フラクタル次元は1/2である。同様に、もしある面内の点が失われれば、その面のフラクタル次元は1と2との間である。
    もしある固体の点の1/2が失われれば、そのフラクタル次元は2.5である。 スケール不変構造では、観測される面積のサイズには無関係に、オブジェクトの構造は同じように見える。 従って、フラクタル構造は、順序付けられていないランダム構造とは区別される型の順序付けられた構造である。 【0038】 本明細書において使用する用語“フラクタル会合”は、少なくとも約100の個々の粒子が一緒に会合し、フラクタル会合を構成している個々の粒子のサイズによって下側境界と、フラクタル会合のサイズによって上側境界とを限定されている観測の面積内においてスケール不変を呈する限定されたサイズの構造を意味する。 【0039】 本明細書において使用する用語“フラクタル次元”は、式N∝R Dの指数Dを意味する。 上式において、Rは観測の面積であり、Nは粒子の数であり、そしてDはフラクタル次元である。 従って、非フラクタル固体においては、もし観測の半径を2倍まで増加させれば、その体積内で観測される粒子の数は2 3まで増加する。 しかしながら、対応するフラクタルにおいては、観測の半径を2倍まで増加させても、観測される粒子の数の増加は2 3より少ない。 【0040】 本明細書において使用する用語“フラクタル粒子会合”は、単位体積当たり(
    従属変数)、または表面単位当たりの粒子の数が観測のスケール(独立変数)とは非線形に変化するように配列された多数の粒子を意味する。 【0041】 本明細書において使用する用語“標識”は、物理化学特性を有するモイエティ(moieties)を意味する。 この特性は、標識が1つの部分である検体の存在及び/または量の決定を可能にする他のモイエティの特性とは区別される。 標識の例には、以下のものが含まれるが、これらに限定されない。 即ち、蛍光、スピン共鳴、放射性モイエティである。 これらは、リポーターグループとしても知られている。 【0042】 本明細書において使用する用語“リンカー”は、ある表面に結合することができる2つ以上の化学グループを有し、粒子を一緒に付着させて粒子のグループを形成させることができる原子、分子、モイエティ、または分子錯体を意味する。
    最も簡単なリンカーは、2つの粒子を接続する。 枝分かれしたリンカーは、多数の粒子を一緒にリンクすることができる。 【0043】 本明細書において使用する用語“マイクロオブジェクト”、“マイクロキャビティ”または“MDR増幅器”は、光ビームと検体モイエティとの間に多重相互作用を生じさせるように、光ビームの多重経路を与える空洞を意味する。 一般的に言えば、マイクロオブジェクトまたはマイクロキャビティは、約3λ乃至約4
    cmの範囲内の平均寸法を有している。 【0044】 本明細書において使用する用語“形態依存共鳴”または“MDR”は、光のビームが検体モイエティと多重相互作用し、光のビームと検体との相互作用により生成される電磁信号の大きさを増加させるような状況を意味する。 【0045】 本明細書において使用する用語“順序付けられた構造”は、非ランダムである構造を意味する。 【0046】 本明細書において使用する用語“粒子構造”は、入射電磁放射に応答して電場を増強することができるようの、互いに会合し合う個々の粒子のグループを意味する。 粒子の例は、金属、金属被膜ポリマー、及びフラーレンを含む。 また、誘電体表面上の、または誘電体材料内に埋め込まれた粒子からなるフィルムまたは複合体も、用語“粒子構造”の意味に含まれる。 【0047】 本明細書において使用する用語“浸出点”は、導電性表面または媒体が、媒体内の表面またはバルクの何れかの導電率を介して導電率の増加を呈する時の、その導電性表面または媒体上での時点を意味する。 表面または“シート”導電率を測定する1方法は、該表面に当てられた電気プローブを介してである。 【0048】 本明細書において使用する用語“ラマンアレイリーダー”は、光源及び光検出器を有するデバイスを意味する。 【0049】 本明細書において使用する用語“ラマン信号”は、ラマンスペクトルまたはラマンスペクトルの一部を意味する。 【0050】 本明細書において使用する用語“ラマンスペクトル特色”は、検出の状態の下で、検体のために発生させたラマンスペクトルの分析の結果として得られた値を意味する。 ラマンスペクトル特色は、以下のものを含むが、これらに限定されるものではない。 即ち、ラマン帯域周波数、ラマン帯域強度、ラマン帯域幅、帯域幅の比、帯域強度の比、及び/またはこれらの組合わせである。 【0051】 本明細書において使用する用語“ラマン分光”は、散乱した電磁放射の強度間の関係を、その電磁放射の周波数の関数として決定する方法を意味する。 【0052】 本明細書において使用する用語“ラマンスペクトル”は、散乱した電磁放射の周波数の関数としての散乱した電磁放射の強度間の関係を意味する。 【0053】 本明細書において使用する用語“ランダム構造”は、順序付けられてもいず、
    またはフラクタルでもない構造を意味する。 ランダム構造は、観測の点及びスケール(観測のスケールは、少なくとも数粒子を包含する)には無関係に、均一に見える。 【0054】 本明細書において使用する用語“受容体”は、検出の状態の下で、検体に結合することができる、または検体を保持することができるモイエティを意味する。 【0055】 本明細書において使用する用語“共鳴”は、入射、散乱、及び/または放出された電磁放射の何れかとの相互作用、及び電磁放射によって励起させることができる電子を有し、電磁放射の電場の強度を増加させる表面を意味する。 【0056】 本明細書において使用する用語“共鳴ドメイン”は、入射電磁放射の増加が発生する粒子構造内の、または該構造に近接する領域を意味する。 【0057】 本明細書において使用する用語“リポーターグループ”は、標識を意味する。 【0058】 本明細書において使用する用語“逆ラマン分光”(“RRS”)は、ある検体が、その検体のための受容体内に、または分析が遂行される媒体内に見出されないラマンスペクトル特色の存在によって区別されるようなラマン分光の適用を意味する。 【0059】 本明細書において使用する用語“スケーリング直径”は、粒子のサイズには無関係に、粒子直径の比(スケーリング比)が同一であるような、ネストされた構造内の粒子間の関係を意味する。 【0060】 本明細書において使用する用語“表面増強されたラマン分光”(“SERS”
    )は、ラマン散乱の強度が、増強される表面が存在すると増強されるような、ラマン分光の適用を意味する。 【0061】 本明細書において使用する用語“表面増強された共鳴ラマン分光”(“SRR
    RS”)は、検体のラマン信号が、増強される表面が存在すると増強され(SE
    RS参照)、且つ検体の吸収帯が入射電磁放射の波長と重畳する時のラマン分光の適用を意味する。 【0062】 (実施の形態) 本発明のデバイス及び方法の若干の実施の形態は、検体を含む区画と、形態依存共鳴状態(MDR状態)を与えるマイクロオブジェクトとの複合体を、信号送信機と組合わせたことに基づいている。 この複合体内に含まれるこれら3つの主要成分(検体区画、マイクロオブジェクト、及び信号送信機)の移動特性により、2つの主要ステップ、即ち、検体を形態依存共鳴状態の下に配置するステップと、検体から信号を測定するステップの分解が可能になる。 本発明は、その光特性を使用して検体を検出する方法を更に含む。 【0063】 本発明の方法及び組成は、検体分子を検出及び定量化する分光方法のための既存方法の改良を表している。 詳述すれば、組成及び方法は、赤外分光、蛍光分光、表面プラスモン共鳴、ラマン分光、質量分光、または電磁放射による検体の励起を使用する他の何等かの方法と共に使用することが望ましい。 【0064】 本発明の若干の実施の形態は、表面増強ラマン分光(“SERS”)、表面増強共鳴ラマン分光(“SERRS”)、及び逆ラマン分光(“RRS”)に基づいている。 本発明は、活性構造に付着された特定検体受容体分子を有するラマン活性構造の製造方法を含む。 本発明は、更に、ラマン分光、逆ラマン分光、逆ラマン分光のために有用な組成、及びラマン分光方法を実現するアレイ及び試験キットを使用して検体を検出する方法を含む。 【0065】 本発明の方法に従って使用することが望ましい構造は、以下に粒子構造という構造内の小さい粒子の構造(サブセットとしてフラクタル会合体を含む)を含む。 粒子構造は、入射及び退去電磁放射と共鳴して電子の振動を可能にする物理的及び化学的構造を有していることを特徴とする。 I. 粒子構造の製造本発明に従って使用することが望ましいラマン活性構造は、ラマン信号を増幅することができる何等かの構造を含むことができる。 金属フラクタル構造に関する以下の説明は、本発明の範囲を限定する意図になされるものではなく、単なる例示に過ぎない。 【0066】 A. 金属粒子の製造本発明の若干の実施の形態によるナノスケールの受容体のアレイのための金属粒子を作るために、我々は従来技術、即ち、本明細書がその全文を参照として採り入れているTarchaらの米国特許第5,567,628号に開示されている方法を使用することができる。 金属コロイドは、貴金属(即ち、元素金または銀)、銅、白金、パラジウム、及び表面増強を与えることが知られている他の金属からなることができる。 一般的に言えば、金属コロイドを作るために、金属塩を含む希釈溶液を還元剤と化学的に反応させる。 還元剤は、アスコルビン酸塩、クエン酸塩、水素化ホウ素、水素ガス等を含むことができる。 金属塩の化学的還元により溶液内に元素金属が発生し、それを組合わせて形状が比較的球形の金属粒子を含むコロイド溶液を形成させることができる。 【0067】 例 1:金コロイド及びフラクタル構造の製造本発明の1実施の形態では、勢いよく攪拌しながら水中でNaAuCl 4の0.01%
    溶液を準備することによって金核の溶液を作る。 1ミリリットル(“ml”)の1%クエン酸ナトリウムの溶液を添加する。 1分間の混合の後に、0.075%のNa
    BH 4及び1%のクエン酸ナトリウムを含む1mlの溶液を、勢いよく攪拌しながら添加する。 約5分にわたって反応を進行させ、約2nmの平均直径を有する金核を準備する。 必要になるまで、金核を含む溶液を4℃で冷蔵することができる。 この溶液は、そのままで使用することも、または勢いよく攪拌しながら、10
    0mlのH 2 O内に希釈した1%のHAuCl 4 3H 2 Oの溶液に、金核及び0.4ml
    の1%クエン酸ナトリウム溶液を含む溶液の30μlを急速に添加することによって大きいサイズ(例えば、約50nm直径まで)の粒子を発生させるために使用することもできる。 この混合体を15分にわたって沸騰させ、次いで室温まで冷却する。 冷却中に、溶液内の粒子はフラクタル構造を形成することができる。 得られたコロイド及び/またはフラクタル粒子構造は、暗い瓶内に貯蔵することができる。 【0068】 ガラスを含む誘電体表面上に増強粒子を堆積させると、電磁信号を増強することができるフィルムを生成することができる。 これらのフィルムは、約10nm程度に薄くすることができる。 詳述すれば、このようなフィルムの表面上の電場増強の分布は、不均一であることができる。 これらの増強領域が、共鳴ドメインである。 これらの領域は、検体結合及び検出のための受容体を位置決めするために特に有用であり得る。 誘電体材料内に埋め込まれたフィルムまたは粒子の場合、
    増強構造を製造する1方法は“浸出点”が現れるまで表面を処理することである。 シート抵抗及びバルク抵抗を測定する方法は、当分野においては公知である。 【0069】 例 2:レーザアブレーションを使用する金属粒子及びフラクタル構造の製造金属粒子を作るために、上述した液相合成の他に、レーザアブレーションが使用される。 金属箔の片を、低濃度のヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、またはクリプトンのような貴ガスを容れたチャンバ内に配置する。 箔をレーザ光または他の熱源に曝すと金属原子が蒸発し、チャンバ内に懸濁するこれらの原子は自発的に凝集し、ランダム拡散の結果としてフラクタルまたは他の粒子構造を形成することができる。 【0070】 B. 粒子を含むフィルムの製造本発明の1実施の形態の金属コロイド粒子を含む基体を製造するために、例1
    または2に記載したようなコロイド金属粒子を石英スライド上に堆積させることができる。 同じようにしてランダム構造または非フラクタル順序付けされた構造を組み入れた他のフィルムを作ることができる。 【0071】 例 3:金フラクタル構造を含む石英スライドの製造石英スライド(2.5cm×0.8cm×0.1cm)を、数時間にわたってHCl;H
    NO 3の混合体内で浄化する。 次いで、これらのスライドを約18MΩの抵抗まで脱イオンH 2 O(Millipore Corporation)で、次いでCH 3 OHですすぐ。 次に、スライドを18時間にわたってCH 3 OH内で1:5に希釈されたアミノプロピルトリメトキシシランの溶液内に浸漬させる。 次いで、スライドをCH 3 OH(
    吸光分析グレード)及び脱イオンH 2 Oですすぎ、その後に上述したコロイド金溶液内に浸漬させる。 この時間中に、金コロイド粒子を堆積させ、石英スライドの表面に付着させ始めることができる。 24時間後、コロイド誘導体化が完了する。 一旦付着すると、石英表面へのコロイド金ナノ組成の結合は強く、本質的に不可逆的である。 この手順中、誘導体化手順の品質及び再現性を評価するために、
    これらの誘導体化されたスライドの紫外光及び/または可視光吸収スペクトが使用される。 この製造プロセスは、コロイド被膜の密度、表面上の金コロイド粒子の分布、及び金コロイド粒子のサイズを評価するために、電子顕微鏡を使用して監視される。 【0072】 C. 粒子構造を形成させるための粒子の凝集本発明の他の実施の形態によれば、粒子構造を形成させるために幾つかの方法を使用することができる。 金属コロイドを表面上に堆積させることができること、及び凝集させた時に約1.8のフラクタル次元を有するフラクタル構造を形成させることができることは公知である。 Physical Review Letters 80(5) : 1102-1
    105 (1998)に所載のSafonovらの論文Spectral Dependence of Selective Photom
    odification in Fractal Aggregates of Colloidal Particlesを参照されたい。
    図1に、本発明の方法と共に使用するのに適する粒子構造を示す。 粒子は、レーザ光によって照明された時に共鳴ドメインの形成が促進されるようなスケール不変態様に配列されている。 【0073】 フラクタル構造の他に、順序付けられた非フラクタル構造及びランダム構造を生成させることができる。 これらの異なる型の構造は、電磁放射を使用する検体の検出に伴う信号を増強するための望ましい特性を有することができる。 【0074】 順序付けられた非フラクタル構造を作るために、以下に詳述するように、例えば、異なる長さを有する化学リンカーを使用することができる。 更に、同一サイズのリンカーを使用して、若干の応用に有用である順序付けられた構造を生成することができる。 【0075】 本発明の若干の実施の形態では、粒子を互いに付着させて共鳴特性を有する構造を形成させることができる。 一般的に言えば、粒子は、球体、楕円体、または棒の形状を有していることが望ましい。 楕円体粒子の場合、粒子が長軸(x)、
    別の軸(y)、及び第3の軸(z)を有していることが望ましい。 一般的に言えば、xは使用される入射電磁放射の波長(λ)の約0.05から約1倍までを有することが望ましい。 棒の場合、xは、約4λより小さい、代替として約3λより小さい、代替として約2λより小さいことが望ましく、他の実施の形態では約1λ
    より小さく、そして更に他の実施の形態では、約1/2λより小さいことが望ましい。 棒の両端は、平坦、テーパー付き、横長、または共鳴を助長し得る他の形状の何れかを有することができる。 【0076】 2つの粒子構造の場合、粒子対が、約4λより小さい、代替として約3λより小さい、代替として約2λより小さい、他の実施の形態では約1λより小さい、
    そして更に他の実施の形態では1/2λより小さいx寸法を有していることが望ましい。 【0077】 二次元構造の場合、粒子、棒、棒プラス粒子の対を一緒に使用することができる。 これらの要素の配列は、ランダムに分布させることも、または観測のスケールに依存して非線形な分布密度を有することもできる。 【0078】 他の実施の形態では、棒は端と端とを互いにリンクして、増強された共鳴特性を与えることができる長い構造を形成することができる。 【0079】 三次元構造に対して、フラクタル構造での又は規則正しいネスト状アレイでの化学的リンカーの何れか関係して、規則的なネスト状粒子又は粒子の化学的アレイを使用することができる。 【0080】 三次構造を有する更に別の実施の形態においては、粒子の懸垂が望ましい場合がある。 これらの実施の形態の或るものにおいて、懸垂された粒子は、約1/2
    λから1ミリ(mm)の範囲内の大きさを有することができる。 【0081】 本発明の戦略的手法を使用して、研究者又は開発者は、粒子要素による電磁波放射の吸光度、選択された表面の性質、共鳴領域の数、共鳴特性、共鳴増強を示す電磁波放射の波長、粒子構造の隙間率、及び限定されないが構造のフラクタル寸法を含む粒子構造の全体的構造の選択を非限定的に含む多くの要請に満足することができる。 【0082】 1. 光凝集 光凝集は、ラマン分光で使用するのに望ましい場合がある特性を有する粒子構造を造るのに使用することができる。 フラクタルナノ複合材への或る閾値以上のエネルギーを有するレーザパルスを照射すると、選択的光修飾、レーザ波長近くの吸収スペクトル内に「二色性ホール」の形成を結果する工程(Safonov等のPhysical Revie
    w Letters 80(5):1102−1105(1998)、本願明細書にただ参考として組み込まれている)が導かれる。 幾何学的構造の選択的光修飾は、銀及び金コロイドの両方、金属凝集体でドープされたポリマー、及び金属ターゲットのレーザ蒸着によって製造されたフィルムに対して観測することができる。 【0083】 選択的光修飾の形成の一つの理論は、フラクタル構造内の光励起の局所化がランダムなナノ復合材で支配的であるというものである。 この理論に従うと、フラクタル内の選択的光修飾の局所化は、大きく分極し得る粒子(モノマー)のスケール不変分布のために生じる。 結果として、異なる局所構成を有する粒子の複数の小なグループは、互いに独立して、入射光と相互作用することができ、異なる周波数で共鳴することができ、「光モード」と呼ばれる異なる領域を発生する。
    同じ理論に従うと、フラクタル中のモノマー間の相互作用によって形成された光モードは、領域内に局所化される。 この領域は、入射光の光波長よりも小さく且つコロイド内の粒子のクラスターの大きさよりも小さくすることができる。 光モードの周波数は、表面のプラズモン共鳴と関係するモノマーの吸収帯域よりも広いスペクトル範囲に渡ることができる。 しかしながら、他の理論でフラクタル構造の光修飾の効果を説明することができる。 本発明は、作用について特定の理論に制限されない。 【0084】 銀フラクタル凝集体の光修飾は、約24x24x48nm 3つの小ささの領域内で生じる。 (Safonov等のPhysical Review Lett
    ers 80(5):1102−1105(1998)、本願明細書にただ参考として組み込まれている)。 フラクタル媒体によって吸収されたエネルギーは、
    レーザ波長が増大するにつれて、漸次より少ない数のモノマー中で局所化することができる。 共鳴領域に吸収されたエネルギーが増大すると、それらの位置の温度が上昇する。 パワー11mJ/cm 2で、波長550nmを有する光が、約6
    60Kの温度を発生することができる。 (Safonov等のPhysical
    Review Letters 80(5):1102−1105(1998
    )、本願明細書にただ参考として組み込まれている)。 銀の溶解温度の約半分のこの温度において、コロイドにシンターが発生し(Safonov等の上記論文、本願明細書にただ参考として組み込まれている)、安定てフラクタルナノ複合体が形成される。 【0085】 この発明で使用される様に、光凝集は、約400nm乃至約2000nmの範囲内波長を有する入射光のパルスを表面上の金属コロイドに曝すことにより達成することができる。 代替の実施の形態において、波長は、約450nm乃至約1
    079nmの範囲とすることができる。 入射光の強度は約5mJ/cm 2乃至約20mJ/cm 2の範囲とすることができる。 代替の実施の形態においては、入射光は11mJ/cm 2の強度で1079nmを有することができる。 【0086】 本発明に対して特に有用なフラクタル凝集体は、直径約10nm乃至約100
    nmの範囲の大きさを有する金属粒子から作られる。 代替の実施の形態においては、直径約50nmである。 本発明の典型的なフラクタル構造は、約1000粒子からなり、大規模配列に対して典型的に使用される凝集領域は、約100μm
    x100μmの大きさを有することができる。 【0087】 図2は、光凝集され且つ本発明の方法での使用に対して好適なた粒子構造を示している。 金属粒子の融合の局所領域を観測することができる(円)。 【0088】 2. 粒子構造の化学的に統制された合成 本発明の或る実施の形態において、粒子構造は、化学的方法を使用して作ることができる。 第1に、金属粒子は、上述した方法に従って、又は代替的に、商業供給者(NanoGram Inc.,Fremont, Califrnia
    )から購入することができる。 第2に、粒子は、一次構造、例えば、粒子対を形成するために、一緒に結合される。 次に、一次構造が一緒に結合して、二次構造、例えば、粒子対の対を形成される。 最終的に、三次フラクタル構造が二次構造を一緒に結合することにより作られる。 【0089】 本発明の代替の実施の形態において、金属粒子のフラクタルアレイの形成は、
    化学的方法を使用して実行することができる。 金属コロイド粒子が一度製造されると、各粒子は、チオール又は他の形態の好適な化学結合を介してリンター分子に取り付けられる。 リンカー分子は、次に、互いに付着されて、隣接のコロイド粒子を一緒にリンクすることができる。 粒子間の距離は、リンカー分子の全長さの関数である。 粒子とリンカー分子との化学量論的比を選択することが望ましい場合がある。 少な過ぎるリンカー分子が使用される場合は、粒子のアレイは疎に成り過ぎるか、全く形成されない場合がある。 逆に、粒子に対するリンカー分子の比が高過ぎる場合は、アレイは密に成り過ぎる場合があり、ランダムではない結晶構造を形成する可能性もあり、従って、表面増強ラマン散乱を促進する方向にはない。 【0090】 一般に、リンク手順は順次的に達成することが望ましい場合がある。 第1工程は、粒子同士の交差結合を可能にしない条件下で、リンカー分子を個別の粒子に結合することからなる。 実施例としてのみであるが、この様なリンカーは、一端のみに反応グループを有するオリゴヌクレオチドから成ることができる。 第1工程中、オリゴヌクレオチドの反応端は、金属粒子と結合することができ、第1の粒子リンカー種を形成し、リンカーの一端には、金属粒子がない。 粒子に対するリンカー分子の比を、粒子に付着されるべきリンカー分子の数に依存して、選択することができる。 第2のリンカーを、異なる反応チャンバー内の粒子の別のグループに付着することができ、第2のリンカー粒子種を結果し、再び、リンカーの一端には、金属粒子がない。 【0091】 これらの反応が進行した後、異なるリンカー粒子種は一緒に混合することができ、リンカーは一緒に結合して、リンカー分子によって結合された「粒子対」を形成する。 【0092】 II.MDR装置の設計及び製造増強のためのMDRベースの装置は、基質の表面に近接して設置された形態依存共鳴状態を提供する少なくとも一つのマイクロキャビティからなる。 図1は、
    NDR装置1内の包囲されたバイオチップ上の結合の蛍光及び/又はラマン検出にための概略図である。 蛍光及びラマンスペクトルを組み合わせたこの検出は、
    受容体の存在又は不存在の状態において、検体の広範囲に渡るスペクトル特性に対して有用である。 この様な組合せは、説明の目的のためにのみ使用されている。 蛍光のみ又はラマン信号のみの検出も、この様なシステムを使用するが、一つのみの光源及び一つの検出システムを使用して、可能である。 【0093】 図1に示されるシステムは,2つの光源2及び3から成る。 光源2は蛍光測定用とすることができ、光源3はラマン測定用とすることかできる。 このシステムは、ハンドパスフィルタ4、ミラー5及び5、可変位相板を有する偏光子7、サンプル9を伴う基質8、光エネルギーをエネルギー源2又は3からマイクロキャビティ11に送るための光ファイバ10も含むことができる。 集光器は、マイクロキャビティの包囲体に対する一端にキャビティを有する光ファイバ13、集光光学系14、ラマンホログラフィクフィルタ14、及び蛍光信号を送信するための光ファイバ17、信号をラマン分光計系又は蛍光分光計の何れかに送信することができるファイバ収集器18から成る。 結合光学系19は、蛍光光学信号の収集を行い、この信号を蛍光信号解析器21に送信する。 データプロセッサ23が、蛍光信号の解析のために設けられている。 結合光学系20、信号解析器22及びデータプロセッサ24が、試料9からのラマン信号の解析のために設けられている。 集光器1は、定められたバイオチップ表面領域からの光信号をCCD又はホトダイオード解析器の定められた領域に送るように位置決めされている。 CC
    D又はホトダイオード解析器はバイオチップの表面を走査することなしに、信号光を並列的に又は順次的に解析する。 【0094】 図2は、光ファイバのチップに先端部に筒状キャビティを有する本発明の「外部」収集システムを示す。 このシステムは、マイクロキャビティ25、光エネルギーをマイクロキャビィティに送るための光ファイバ26、試料28を有する基質、光蛍光又はラマン信号を収集ためのキャビティ12を有する光ファイバ29
    、及び光ファイバの外表面状の不透明カバー31から成る。 ソフトラバーチップ30は、バイオチップ表面上に光ファイバ29を位置決めする際の、バイオチップの機械的損傷う避けるために使用することができる。 矢印32は信号送信方向を示す。 【0095】 図3は、「内部」収集システムを示す。 収光器は、マイクロキャビティ内に挿入された光ファイバである。 このシステムは、マイクロキャビティ25、光エネルギーをマイクロキャビティに送る光ファイバ26、試料28を有する基質27
    、マイクロキャビティ内に挿入された光ファイバ33(この光ファイバ(34)
    の外表面上の不透明カバーを有する)から成る。 マイクロキャビティの外表面はミラー25を有する。 マイクロキャビティ36の端部は、光路内の信号の損失を避けるために、且つ、外部からの外的寄生信号の浸透を避けるために、不透明か又はミラー状の何れかとするここができる。 【0096】 図4a−4bは、この発明の或る実施の形態に従う検体隔室構成の異なる形態を示す。 検体は受容体29に結合されており、この受容体は、平面37、凸27
    、又は半球状39又は、粒子構造28と関係する受容体29と結合している。 【0097】 図5a−5cは、本発明の低密度アレイの代替的実施の形態を示す。 図5aは、MDR用装置の平面図を示す。 半球体39が、円筒キャビィティ29内に示されている。 入射光チャネル29aが、円筒29の壁に取り付けられている。 半球体39は、その表面に粒子構造40を有することができる。 図5bは、図5bに示される装置の線A−A'に沿った断面図を示す。 図5bにおいて、受容体38
    は、円筒キャビティ29内に設置された半球体39上に示される。 粒子構造40
    は、半球体39上に示されている。 図5cは、キャビティ29内で、受容体38
    を有する六角状に配置された半球体39を有する本発明の低密度の実施の形態を示す。 【0098】 図6a−6cは、マイクロキャビティの低密度線形アレイの2つの代替の本発明の実施の形態を示す。 図6aは、内部光チャネル29aが取り付けられた円筒キャビティ29を示す。 検出器42はキャビティ29と関連して示されている。
    矩形状アレイ39には、受容体38が取り付けられており、曲がったアレイ41
    がその上に受容体38を有して示されている。 アレイ39又は41は検体38a
    間に異なる長さを有することができる(図6b、h1、h2)。 図6cは、サンプル38aからのラマン又は蛍光信号の追加的増強のための、粒子構造43でカバーされた曲がったアレイ41の表面を示している。 【0099】 図7a−7bは、本発明の代替の実施の形態を示している。 図7aは、信号を検体から検出器(図示せず)に送信するための円錐光ファイバ44を示している。 円錐端部は、キャビティ48aの内部表面及びファイバ44間の距離(h1)
    の調整を可能とする。 光ファイバ49及び50は入射光を届け、キャビティ48
    aの一部を複数の位置で照明するように示されており、検体からの信号を増強することが可能にされている。 光ファイバの表面46はナノ粒子構造47でカバーすることができる。 【0100】 図7bは、キャビティ48の代替の実施の形態を示すが、ファイバ49及び5
    0及びキャビティの壁48の大きさは、キャビティ48aの全てを入射光が照明するようにしている。 光ファイバの表面46はナノ粒子構造47でカバーすることができる。 光ファイバの表面46はナノ粒子構造47でカバーすることができる。 【0101】 図7cは、信号を検出に送信するためのファイバが存在しないことを除いて、
    図7a及び7bに示される実施の形態と類似の本発明の実施の形態を示す。 むしろ、信号は、他の手段(図示せず)を使用して、送信される。 図7cに示される装置は、図2の検出システムと容易に組み合わせることができる。 光ファイバの表面46はナノ粒子構造47でカバーされている。 【0102】 III.アドレス指定可能なアレイを使用するMDR状態下での異種検体の検出ここに開示される本発明の他の特徴は、ビード支持ターゲット分子のアドレス指定可能なアレイを使用するマイクロキャビィティ内での同時分離の際の、表面増強ラマン散乱(SERS)に基づく、異種検体の並列直接検出用方法にある。
    この方法は、タンパク質、オリゴヌクレオチド、低分子重量分子等の、生化学的/構造的に異なる種の混合物内での量の決定を、高いスループットで、標識無しに、可能にする。 組織サンプル、組織又はセル培養、バクテリア懸濁等内に存在する異種検体の密度の定量的決定は、3つの主要なステップを使用して達成することができる。 1)特別に準備されたビードを使用するホモジェネートから全ての所望の検体の同時励起。 各ビードの表面は極めて多数の認識分子によって被われており、対応する検体の全ての分子は、ビード表面上の受容体分子を結合することができる。 各ビードは識別可能な色又は他の物理的特徴も有しており、ラマン散乱、蛍光又は他の技術を使用して、認識することができる。 2)未結合検体から結合検体を有するビードの物理的分離は、一つのチューブ内のに一つのビードを置くことによって達成することができる。 各ビードの識別可能な色は、チューブ及びこの中で検出されるべき検体に、対応をもたらす。 従って、異なるチューブ内のビードは、アドレス指定可能なアレイを形成する(このアレイは、検体毎にランダムに異なることができる。)。 そして3)全てのチューブ内のビードは、完全に洗浄することができ、特別に結合された分子のみが、ビードの表面に残るようにされる。 従って、検体と対応の結合分子との結合は、全てのチューブに変成剤(又は対応するチューブに対応する変成剤)を加えることにより、分断される。 ビードは次に全てのチューブから除去することができる(例えば,常磁性ビードに対して磁石を使用して)。 検体はチューブ内の変成溶剤中に留まる。
    各検体の内容は、MDR増強と結びついた表面増強状態の基で、ラマン散乱又は蛍光の手段によって検出することができる。 表面増強状態は、プレキャスト又は測定前に作られた、特別に準備された粒子構造内で達成される。 代替的に、或る検体をビードの存在下で検出可能とする、弁別可能なスペクトル特徴が有る場合には、変成剤による処理無して、ビームの除去が達成される。 【0103】 図8a及び8bは、本発明のランダムアドレス指定可能なアレイ57内のマイクロ井戸51の構成を示している。 図8aは、基質57aとこれを通過する光ファイバ44を示す本発明のアレイの断面を示している。 ファイバ44の端部は、
    丸められ且つマイクロキャビィティ内に位置して示されている。 入射光チャネル50は、マイクロキャビティ51を囲む壁52内に示されている。 小さいビード53が、キャビティ51内に示されている。 一つのマイクロキャビティ内に、大きなビード53aがその表面上に粒子構造54を有して示されている。 受容体5
    4aか粒子構造54の表面に取り付けられて示されいる。 【0104】 図9a−9cは、本発明の外検出シテスムを示している。 図9aは、アレイに構成された、マイクロキャビィティ29を有する2つのマイクロキャビィティ構造25を示している。 各構造は、マイクロキャビィティ29を囲む壁25、光チャネル26、半球表面39、ビード53、信号を検出器(図示せす)に送信するための構造25を囲む外部光ファイバ31を有する。 ファイバ31の端部は、ソフトラバー層30を有している。 空間29aは、構造25をかき乱すこと無く、
    ファイバ31を下げたり上げたりすることを可能にするために、設けられている。 光チャネル26の直径はビード53の直径よりも大きく、ビードに完全な照明を与える。 半球表面39は、マイクロキャビィティ25及びビード53でのより良いMDRのために、マイクロキャビティ25の内壁に近接して、ビード53の位置を決めるために使用される。 【0105】 一般的に、本発明の装置と共に使用されるビードは球、楕円、又は、限定ではないが、立方体、切子面、測地線等を含む正多角面的な形状を有することができる。 代替的に、ビードは重合体とすることができ、不規則な形状とすることがてきる。 或る実施の形態において、ビードは、電磁放射の波長に対して少なくとも部分的に透過であり、MDR状態を作り出すことができることが望ましい。 【0106】 図9bは、ビード53、53a及び53bの2つの実施の形態を示している。
    ビード53aは粒子構造53c、受容体53d、及び受容体53dによって保持される検体53dを有する。 ビード53bは、粒子構造53cを有さず、検体5
    3eを保持する受容体53dを有する。 【0107】 図9cは、基質57a上に配列された複数の構造25のマトリックスアレイを示している。 【0108】 図10a−10bは、本発明の高密度なアドレス指定可能なアレイの2つの実施の形態を示している。 各々は、マイクロキャビティ29の壁25、光チャネル26、ビード53、支持ビード53に適合されたマイクロ井戸51を有する。 各々は、ビータから信号を検出器(図示せず)に送信するための光ファイバ44を有する。 【0109】 図10bは、ホールダ44aがファイバ44の光束を同時に配し且つ光チャネル26による照明領域を制限するのに使用することができることを除いて、図1
    0aと同様の実施の形態を示している。 【0110】 IV.非平面アレイ通常、アレイは平面上に配することができる。 しかしながら、非平面配置を利用する装置は、異なる利点を得ることができる。 第1に、アレイは、MDR状態の基で、検体を検出するために、マイクロキャビティに容易に、包含することができる。 次に、MDR状態及びSERS状態は、非平面アレイ上で容易に組み合わせることができる。 最後に、隣接サンプル区画からの寄生光信号は、曲線形状によってシールドすることができる。 或る実施の形態において、円筒構成が、ここでは、非平面機構の一例として記述されているが、半球又は他の非平面構成も使用できる。 非平面アレイは高密度又は低密度サンプル区画で、作り出すことができる。 【0111】 図11a−11bは、サンプル区画58aに導かれる光ファイバ62を有するマイクロ円筒アレイを示している。 光ファイバ62は、アレイ58の内側から区画58aに近づいて示されている。 サンプル区画58aち対する詳細構成が、図11bに示されている。 或る実施の形態59cにおいて、サンプル区画58aは、光ファイバ62の凹状面65上に受容体64のみを含む。 別の実施の形態58
    dにおいて、特定の構造67は受容体54う有するビードを支持する。 【0112】 図12はキャビティ29の壁59内の円筒アレイ58を示している。 幾つかの光チャネル60はキャビティ29を照明する。 アレイ58の内側から延びる光ファイバ62の信号を検出器のアレイ(図示せず)に送信する。 【0113】 図13a−13b円筒66内の円筒アレイ63を示している。 マイクロ井戸6
    5からの信号を検出器(図示せず)に送信するための放射状光ファイバ67を有している。 光エネルギーの送信機は、図13aに示される様な光ファイバ68又は図13bに示される様に構成された導波路68aとすることができる。 導波路68aから出る光(矢印)が示されている。 【0114】 図14a−14bは、本発明の円筒アレイを示している。 図14aはマイクロ井戸65を有するアレイ63及び照明のための光チャネルを示している。 【0115】 図14bは、3つのマイクロキャビティ65を示している。 マイクロ井戸65
    は、マイクロ円筒63の表面に埋め込まれている。 アレイ63のマイクロ井戸6
    5は、光チャネル68に隣接して示されている。 受容体65aが、粒子構造又は検体の何れかを伴わずに、左マイクロ井戸内に位置されている。 中央のマイクロキャビティ67a、粒子構造67、受容体65a、及び検体65bが示されている。 右端のマイクロキャビティにおいて、粒子構造67が検体65bを伴うが、
    受容体無しに、示されている。 マイクロ井戸65と接触する光ファイバ67aの束も示されている。 これらのファイバ67aはマイクロ井戸65に隣接して設置されている。 光ファイバ67aの直径は、マイクロ井戸65の直径によりも小さい。 【0116】 これらの実施の形態は、説明の目的のために記述されたが、本発明の範囲を制限することは意図していない。 発明の他の実施の形態を、過度の経験無しに設計し且つ製造でき、これを本発明の一部と考えることができる。 【0117】 産業上の応用 マイクロキャビティ、検体及び検出装置は、形態依存共鳴の状態の基で、検体の検出を行うために有用である。 従って、本発明の方法及び装置を、多くの異なる形態の解析方法の感度及び精度を改良するために、有利に使用することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 図1は、基質での結合の、結合蛍光およびラマン検出のための、本発明のシステムの図である。 【図2】 図2は、光ファイバの先端上にキャビティを有する、本発明の“外部”光収集システムを示す。 【図3】 図3は、本発明の、“内部”光収集システムを示す。 【図4a−4d】 図4a−4dは、本発明のアレイ検出システムにおける、検体区間構成の様々な実施形態を示す。 【図5a−5c】 図5a−5cは、本発明の低密度アレイのための、様々な種類の構成を示す。 【図6a−6c】 図6a−6cは、様々なバイオチップ(biochips)の、本発明のマイクロキャビティへの包含を示す。 【図7a−7c】 図7a−7cは、バイオ検体(bioanalyte)から検出器へ信号を送信するための、円錐形光ファイバを組み入れた、本発明のMDR装置を示す。 【図8aa−8b】 図8aa−8bは、本発明の、ランダムにアドレス指定可能なアレイのための構成を示す。 【図9a−9c】 図9a−9cは、本発明の外部光トランスミッタを伴う、ランダムにアドレス指定可能なアレイのための構成を示す。 【図10a−10b】 図10a−10bは、マイクロキャビティの内部へ配置された、本発明の、高密度な、ランダムにアドレス指定可能なアレイの様々な種類を示す。 【図11a−11b】 図11a−11bは、円筒として配列された、本発明の非平面アレイを示す。 【図12】 図12は、マイクロキャビティの内部の、本発明の非平面アレイを示す。 【図13a−13b】 図13a−13bは、円筒光送信機システムの内部の、本発明の非平面(微小円筒(maicrocylindric))アレイを示す。 【図14a−14b】 図14a−14bは、本発明の微小円筒アレイを示す。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/156,471 (32)優先日 平成11年9月27日(1999.9.27) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 クライマー デイヴィッド アイ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94703 バークレイ ドワイト ウェイ 1841 Fターム(参考) 2G043 AA03 BA16 DA06 EA01 EA03 HA02 HA07 JA01 LA01 LA03 2G045 DA13 DA14 FA28 FB02 FB03 FB12

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