超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法及びシステム

申请号 JP2017560861 申请日 2016-02-06 公开(公告)号 JP2018505099A 公开(公告)日 2018-02-22
申请人 中国科学院▲寧▼波材料技▲術▼▲与▼工程研究所; 北京▲衛▼星▲環▼境工程研究所; BEIJING INSTITUTE OF SPACECRAFT ENVIRONMENT ENGINEERING; 发明人 張文武; 向▲樹▼紅; 郭春海; 童靖宇; 張天潤; ▲楊やん▼; 宋涛;
摘要 【課題】超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム及び方法に関する。【解決手段】超高速航空機の機体の内部には冷却源(200)と、冷却源駆動装置(100)とが設けられ、機体壁面(310)には複数の微細孔(300)が設けられ、冷却源駆動装置(100)は空気ポンプ(110)と冷却源格納器(210)と緩衝器(150)とを含み、動作時において、空気ポンプ(110)が冷却源格納器(210)に圧縮空気を供給し、冷却源(200)が空気圧 力 により緩衝器(150)に入り気化され、高圧の気体が微細孔(300)から噴射されて機体外面にガス膜を形成する。当該ガス膜は超高速航空機に対して熱防護を行うことができるとともに、航空機と外気との粘性抵抗を効果的に低減させることができ、熱の壁といった現象の軽減又は解消に寄与することができ、超高速航空機の安全性を向上し、耐用年数を延長することができる。【選択図】図1
权利要求

機体の内部に設けられる冷却源と、機体壁面に設けられる複数の微細孔と、を有する超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法であって、 前記冷却源を駆動により気化し、 気化された前記冷却源を前記微細孔から噴射して、機体外面にガス膜を形成する超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。前記微細孔は、超高速航空機の機体のノーズコーン部位及び/又は尾翼部位に設けられることを特徴とする請求項1に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。前記微細孔は、超高速航空機の機体壁面に規則的に分布されることを特徴とする請求項1に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。前記微細孔は、非円形孔であり、 前記微細孔の直径は、0.05mm〜2.0mmであることを特徴とする請求項1記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。前記冷却源は、液体窒素、固体二酸化炭素、圧縮空気、又は化学反応によって生成されたその他の冷却物質のいずれか1つであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。前記超高速航空機は、飛行速度が5マッハ以上であり、 前記超高速航空機は、ロケット、ミサイル、宇宙船、スペースシャトル、スペースプレーンのいずれか1つであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。超高速航空機の密閉された機体の内部に設けられている冷却源と、冷却源を高圧の気体にして噴射するための冷却源駆動装置と、を含む超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システムであって、 前記超高速航空機の機体壁面の少なくとも一部は、冷却源の気体が通過可能な遷移層と、当該遷移層の表面に位置し、複数の微細孔が設けられ、遷移層と機体の外部とを連通するための外面層とを含む積層構造であり、 前記冷却源駆動装置は、 冷却源格納器と、 冷却源格納器と連通する空気ポンプと、 冷却源格納器と連通する緩衝器入口と、機体壁面の遷移層と連通し、遷移層との連通部位にシール弁が設けられている緩衝器出口とを有する緩衝器と、を含み、 動作状態時において、空気ポンプが冷却源格納器に圧縮空気を供給し、冷却源が空気圧力により緩衝器に入り気化され、シール弁が開かれ、気体が緩衝器出口から遷移層に噴入し、外面層の微細孔を介して機体から噴射されてガス膜を形成することを特徴とする超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記緩衝器出口の数は二つ以上であることを特徴とする請求項7に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記冷却源駆動装置は、緩衝器出口と連通する少なくとも一つの分流器入口と、それぞれ機体壁面の遷移層と連通し、それぞれの遷移層との連通部位にシール弁が設けられている二つ以上の分流器出口とを有する分流器をさらに含み、 気化された冷却源は分流器入口を通って分流器に入り、複数の経路の気体に分流されて、各分流器出口から機体壁面の遷移層に噴入され、微細孔を介して機体から噴射されてガス膜を形成することを特徴とする請求項7に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記空気ポンプと冷却源格納器との間には電動弁と逆止弁が設けられており、動作状態時において、電動弁と逆止弁を開放して、圧縮空気が冷却源格納器に入り、電動弁を調整することにより空気の流量を制御可能であり、 前記冷却源格納器と緩衝器との間には逆止弁が設けられており、動作状態時において、当該逆止弁が開放され、冷却源が緩衝器に入ることを特徴とする請求項7または8または9に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記冷却源駆動装置は、緩衝器内の冷却源の温度を検出するための温度センサをさらに含み、 冷却源格納器には、冷却源格納器内の気体の圧力を検出するための圧力センサと、冷却源格納器内の気体の圧力を調整するための安全弁とが設けられていることを特徴とする請求項7または8または9に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記超高速航空機は、飛行速度が5マッハ以上であり、 前記超高速航空機は、ロケット、ミサイル、宇宙船、スペースシャトル、スペースプレーンのいずれか1つであることを特徴とする請求項7または8または9に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。積層構造を有する機体壁面は、機体のノーズコーン部位及び/又は尾翼部位の壁面であることを特徴とする請求項7または8または9に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記微細孔は、超高速航空機の機体壁面に規則的に分布され、 前記微細孔は、非円形孔であり、 前記微細孔の直径は、0.05mm〜2.0mmであることを特徴とする請求項7または8または9に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記冷却源は、液体窒素、固体二酸化炭素、圧縮空気、又は化学反応によって生成されたその他の冷却物質のいずれか1つであることを特徴とする請求項7または8または9に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。

機体の内部に設けられる冷却源と、機体壁面に設けられる複数の微細孔と、を有する超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法であって、 前記冷却源を駆動力により気化し、 気化された前記冷却源を前記微細孔から噴射して、機体外面にガス膜を形成する超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。前記微細孔は、超高速航空機の機体のノーズコーン部位及び/又は尾翼部位に設けられることを特徴とする請求項1に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。前記微細孔は、超高速航空機の機体壁面に規則的に分布されることを特徴とする請求項1に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。前記微細孔は、非円形孔であることを特徴とする請求項1記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。前記冷却源は、液体窒素、固体二酸化炭素、圧縮空気、又は化学反応によって生成されたその他の冷却物質のいずれか1つであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。前記超高速航空機は、飛行速度が5マッハ以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。前記超高速航空機は、ロケット、ミサイル、宇宙船、スペースシャトル、スペースプレーンのいずれか1つであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法。超高速航空機の密閉された機体の内部に設けられている冷却源と、冷却源を高圧の気体にして噴射するための冷却源駆動装置と、を含む超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システムであって、 前記超高速航空機の機体壁面の少なくとも一部は、冷却源の気体が通過可能な遷移層と、当該遷移層の表面に位置し、複数の微細孔が設けられ、遷移層と機体の外部とを連通するための外面層とを含む積層構造であり、 前記冷却源駆動装置は、 冷却源格納器と、 冷却源格納器と連通する空気ポンプと、 冷却源格納器と連通する緩衝器入口と、機体壁面の遷移層と連通し、遷移層との連通部位にシール弁が設けられている緩衝器出口とを有する緩衝器と、を含み、 動作状態時において、空気ポンプが冷却源格納器に圧縮空気を供給し、冷却源が空気圧力により緩衝器に入り気化され、シール弁が開かれ、気体が緩衝器出口から遷移層に噴入し、外面層の微細孔を介して機体から噴射されてガス膜を形成することを特徴とする超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記緩衝器出口の数は二つ以上であることを特徴とする請求項8に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記冷却源駆動装置は、緩衝器出口と連通する少なくとも一つの分流器入口と、それぞれ機体壁面の遷移層と連通し、それぞれの遷移層との連通部位にシール弁が設けられている二つ以上の分流器出口とを有する分流器をさらに含み、 気化された冷却源は分流器入口を通って分流器に入り、複数の経路の気体に分流されて、各分流器出口から機体壁面の遷移層に噴入され、微細孔を介して機体から噴射されてガス膜を形成することを特徴とする請求項8に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記空気ポンプと冷却源格納器との間には電動弁と逆止弁が設けられており、動作状態時において、電動弁と逆止弁を開放して、圧縮空気が冷却源格納器に入り、電動弁を調整することにより空気の流量を制御可能であることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記冷却源格納器と緩衝器との間には逆止弁が設けられており、動作状態時において、当該逆止弁が開放され、冷却源が緩衝器に入ることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記冷却源駆動装置は、緩衝器内の冷却源の温度を検出するための温度センサをさらに含むことを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。冷却源格納器には、冷却源格納器内の気体の圧力を検出するための圧力センサと、冷却源格納器内の気体の圧力を調整するための安全弁とが設けられていることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記超高速航空機は、飛行速度が5マッハ以上であることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記超高速航空機は、ロケット、ミサイル、宇宙船、スペースシャトル、スペースプレーンのいずれか1つであることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。積層構造を有する機体壁面は、機体のノーズコーン部位及び/又は尾翼部位の壁面であることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記微細孔は、超高速航空機の機体壁面に規則的に分布されることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記微細孔は、非円形孔であることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。前記冷却源は、液体窒素、固体二酸化炭素、圧縮空気、又は化学反応によって生成されたその他の冷却物質のいずれか1つであることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システム。

说明书全文

本発明は超高速航空機の技術分野に属し、特に超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法及びシステムに関する。

超高速航空機とは、飛行速度が5マッハ以上の航空機であり、ロケット、ミサイル、宇宙船、スペースシャトル、スペースプレーン等のうちのいずれか1つである。超高速航空機は飛行中において主な問題が二つある。(1)超高速航空機が大気層に出入する時、空気の粘性抵抗の問題があり、大量のエネルギを消費して空抵抗を克服する必要がある。(2)超高速航空機は飛行中において激しい空力衝撃によって摩擦熱が発生する現象に直面し、熱の壁が現れ、厳しい場合には、数千度の高温のプラズマを生成することができ、通信が中断されるが、この段階が航空機にとって危険性が高い期間である。

空気の粘性抵抗について、現在の超高速航空機は通常に流線型の外形設計によって空気抵抗を減らしている。

超高速航空機の熱防護について、現在中国国内外における熱防護方法の研究は主に、ヒートシンク防熱、放射防熱、アブレーション防熱、発汗冷却防熱、表面断熱防熱及びヒートパイプ放熱、の六種類に分類されている。その中、アブレーション防熱と発汗冷却防熱は防熱効果が良く、熱現象が深刻な(例えば摩擦熱の発生によるプラズマの生成)航空機に適用する。しかしながら、この二つの方法はいずれも長時間の持続的な熱防護が困難であるため、高額な航空機を頻繁にオーバーホールする必要があったり、複数回使用すると廃棄してしまったりする現状に直面する。次に、この二つの方法を利用した場合、航空機の内部温度の制御が難しくなるが、航空機の内部温度が持続的に上昇すると、携帯システムの安全性に危険を及ぼす。また、関連する防護システムは構造が複雑であり、意外な故障が起こりやすい。

そこで、空気の粘性抵抗を効果的に減らすことができる抵抗軽減技術及び、熱の壁を効果的に軽減、克服して過度な熱エッチングを回避することができる熱防護技術は、現在の超高速航空機にとって喫緊に研究すべき課題である。

上記した技術の状況について、本発明は、高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法を提供し、特に超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法を提供し、当該方法を利用することによって、超高速航空機の過度な熱エッチングを防ぐことができるとともに、超高速航空機の空気の粘性抵抗を減らすことができる。

本発明で採用している技術案は以下のとおりである。超高速航空機の機体の内部には冷却源が設けられ、超高速航空機の機体壁面には複数の微細孔が設けられ、当該冷却源が駆動力により高圧の気体状となり、微細孔から噴射されて機体外面にガス膜を形成する超高速航空機の熱防護と抵抗軽減方法である。

前記微細孔は設置位置が限られてなく、超高速航空機の機体のノーズコーン(又は頭部と呼ぶ)及び/又は尾翼などの部位に設けることが好ましい。

前記微細孔は超高速航空機の機体壁面における分布が限られてなく、超高速航空機の機体壁面において規則的に分布されることが好ましく、超高速航空機の機体壁面において空気力学の特徴に基づいて規則的に分布されることがさらに好ましい。

前記微細孔は形状が限られてなく、ストレート穴又は異形穴であってもよく、微細孔の断面が、規則的な形状(例えば、円形等)又は不規則な形状(例えば、バタフライの形状、ちり取りの形状等)であってもよい。データシミュレーションによれば、微細孔が異形穴である場合、噴射された冷却源が機体表面に被覆されてガス膜を形成しやすくなり、少ない微細孔で優れた冷却効果を実現でき、ガス膜の冷却効果を向上させるとともに構造強度をより良く保障する。

前記微細孔は直径が限られてなく、超高速航空機の機体の構造強度及び冷却源による機体壁面の被覆程度を考慮して設計することが好ましい。一実施形態として、前記微細孔は直径が0.05mm〜2.0mmの円形ストレート穴である。

前記冷却源は限られてなく、液体窒素、固体二酸化炭素、圧縮空気、又は化学反応によって生成されたその他の冷却物質等のうちのいずれか1つである。

前記駆動力は限られてなく、圧力、弾性力、電力などを含む。

前記超高速航空機は飛行速度が5マッハ以上である。前記超高速航空機はロケット、ミサイル、宇宙船、スペースシャトル、スペースプレーン等のうちのいずれか1つである。

前記超高速航空機の機体の材料は限られてなく、耐高温腐食性の炭素複合材料、炭素と炭化ケイ素の複合材料などを含む。

以上により、本発明の方法は高速航空機、特に超高速航空機に適用する。本発明は超高速航空機の機体表面に低温ガス膜を形成し、以下の有益な効果を有する。

(1)当該低温ガス膜は超高速航空機の機体表面に位置し、外気と当該ガス膜が相互に作用するため、外気と超高速航空機が直接に摩擦して大量の熱が発生することを効果的に回避するとともに、外気が最初に当該ガス膜層と摩擦するため、超高速航空機と外気との粘性抵抗を効果的に低下させ、粘性抵抗の低下はさらに超高速航空機の表面温度の低下に寄与することができる。

(2)当該低温ガス膜は、超高速航空機の機体の内部から冷却源が噴射されて形成され、この過程において、冷却源により高速航空機の機体の内部の大量の熱が奪われるため、当該方法は超高速航空機の内部温度を効果的に制御し、航空機の内部温度の持続的な上昇による危害を効果的に回避することができる。

そこで、本発明の方法によれば、超高速航空機に対して熱防護を行うことができるとともに、高速航空機と外気との粘性抵抗を効果的に低減させることができ、超高速航空機のエネルギ効率と限界速度を向上させ、熱の壁といった現象を軽減又は回避することができ、熱防護層の材料へのアブレーションを低下させ、超高速航空機の安全性を向上し、耐用年数を延長することができ、良好な応用展望を有する。

本発明は、超高速航空機の密閉された機体の内部に設けられている冷却源と、冷却源を高圧の気体にして噴射するための冷却源駆動装置と、をさらに含む、高速航空機の抵抗軽減と熱防護システム、特に超高速航空機の抵抗軽減と熱防護システムを提供する。

前記超高速航空機の機体壁面の少なくとも一部は、冷却源の気体が通過可能な遷移層と、当該遷移層の表面に位置し、複数の微細孔が設けられ、遷移層と機体の外部とを連通するための外面層とを含む積層構造である。

前記冷却源駆動装置は、冷却源格納器と、冷却源格納器と連通する空気ポンプと、冷却源格納器と連通する緩衝器入口と機体壁面の遷移層と連通し、遷移層との連通部位にシール弁が設けられている緩衝器出口とを有する緩衝器と、を含む。

動作状態時において、空気ポンプが冷却源格納器に圧縮空気を供給し、冷却源が空気圧力により緩衝器に入り気化され、シール弁が開かれ、気体が緩衝器出口から機体壁面の遷移層に噴入し、外面層の微細孔から機体の外部へ噴射されてガス膜を形成する。

前記遷移層は、冷却源の気体を外面層に導くためのものであり、中空層であってもよく、冷却源の気体が通過可能なその他の媒質層などであってもよい。

冷却源の噴射効果を向上させるために、好ましい形態として、緩衝器出口は、数が二つ以上であり、それぞれ機体壁面の遷移層と連通し、連通部位にシール弁が設けられている。

冷却源の噴射効果を向上させるために、好ましいその他の形態として、前記冷却源駆動装置は、緩衝器出口と連通する少なくとも一つの分流器入口と、それぞれ機体壁面の遷移層と連通し、それぞれの遷移層との連通部位にシール弁が設けられている二つ以上の分流器出口とを有する分流器をさらに含み、気化された冷却源は分流器入口を通って分流器に入り、複数の経路の気体に分流されて、各分流器出口から機体壁面の遷移層に噴入され、最後に外面層の微細孔を介して機体から噴射されてガス膜を形成する。

前記空気ポンプと冷却源格納器との間には電動弁と逆止弁が設けられていることが好ましく、動作状態時において、電動弁と逆止弁を開放して、圧縮空気が冷却源格納器に入り、電動弁を調整することにより空気の流量を制御可能である。

前記冷却源格納器と緩衝器との間には逆止弁が設けられていることが好ましく、動作状態時において、当該逆止弁が開放され、冷却源が緩衝器に入る。

前記冷却駆動装置は、緩衝器内の冷却源の温度を検出するための温度センサをさらに含むことが好ましい。

冷却源が冷却源格納器から緩衝器に入る速度を調整するために、冷却源格納器には、冷却源格納器内の圧力を検出するための圧力センサと、冷却源格納器内の気体の圧力を調整するための安全弁とが設けられている。

積層構造を有する機体壁面は、機体のノーズコーン部位及び/又は尾翼などの部位の壁面であることが好ましい。

前記微細孔は超高速航空機の機体壁面に規則的に分布されることが好ましい。

前記微細孔は非円形孔であることが好ましく、前記微細孔の直径は0.05mm〜2.0mmであることがさらに好ましい。

前記冷却源は限られているのではなく、液体窒素、固体二酸化炭素、圧縮空気、又は化学反応によって生成されたその他の冷却物質等のうちのいずれか1つである。

前記超高速航空機は飛行速度が5マッハ以上である。前記超高速航空機はロケット、ミサイル、宇宙船、スペースシャトル、スペースプレーン等のうちのいずれか1つである。

前記超高速航空機の機体の材料は限られているのではなく、耐高温腐食性の炭素複合材料、炭素と炭化ケイ素の複合材料などを含む。

本発明のシステムによれば、超高速航空機の機体表面に低温ガス膜を形成することができ、超高速航空機に対して熱防護を行うことができるとともに、高速航空機と外気との粘性抵抗を効果的に低減させることができ、超高速航空機のエネルギ効率と限界速度を向上させることができ、熱の壁といった現象を軽減又は回避することができ、熱防護層の材料に対するアブレーションを低下させ、超高速航空機の安全性を向上し、耐用年数を延長することができ、良好な応用展望を有する。

図1は本発明の第1の実施形態における超高速航空機の熱防護及び抵抗軽減システムの構造を概略的に示す図である。

図2は図1の機体頭部の壁面の構造を概略的に示す斜視図である。

図3は図2の構造を概略的に示す平面図である。

図4は図3のA−A断面に沿った構造を概略的に示す図である。

図5は図4の局部Bの拡大図である。

以下、本発明について、図面及び実施形態を組み合わせて更に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明に対する理解の便宜のためのものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。

(第1の実施形態) 以下、本発明の技術案をより明確にするために、本発明の超高速航空機の熱防護と抵抗軽減システムについて、図面と組み合わせて更に詳細に説明する。なお、ここで説明している具体的な実施形態は、ただ本発明を解釈するためのものであり、本発明の範囲を限定するためのものではない。

本実施形態において、図1に示すように、超高速航空機は、密閉された機体を含み、超高速航空機の抵抗軽減と熱防護システムは、超高速航空機の密閉された機体の内部に設けられている冷却源200と、冷却源200を高圧の気体にして噴射するための冷却源駆動装置100と、を含む。超高速航空機の密閉された機体頭部の壁面310は積層構造である。図2は当該機体頭部の壁面の構造を概略的に示す斜視図であり、図3は図2の構造を概略的に示す平面図であり、図4は図3のA−A断面に沿った構造を概略的に示す図であり、図5は図4の局部Bの拡大図である。図2〜図5により、当該積層構造が機体の内部から機体の外部への方向にかけて、遷移層320と、遷移層320の表面に位置し、複数の微細孔300が設けられ、遷移層320と機体の外部とを連通するための外面層330と、を含むことが分かる。当該微細孔300は、超高速航空機の密閉された機体頭部の壁面310において拡散状に分布され、各微細孔がちりとりの形状であり、各微細孔の法線と当該機体頭部の壁面310の法線との夾が0°〜90°の範囲にある。

冷却源駆動装置100は、冷却源格納器210と、空気ポンプ110と、緩衝器150と、分流器170と、を含む。空気ポンプ110は冷却源格納器210と連通している。緩衝器150は緩衝器入口と緩衝器出口とを有する。分流器170は少なくとも一つの入口と二つ以上の出口とを有する。緩衝器入口は冷却源格納器210と連通し、緩衝器出口は分流器入口と連通し、各分流器出口は機体壁面の遷移層320(図1において、三つの分流器出口が機体壁面の遷移層320と連通していることが概略的に示されている)と連通し、各分流器出口と機体壁面の遷移層320との連通部位にシール弁が設けられている(図1では図示せず)。

空気ポンプ110と冷却源格納器210との間には、電動弁120と、空気が冷却源格納器210に入るための逆止弁130が設けられている。

冷却源格納器210と緩衝器150との間には、冷却源200が緩衝器150に入るための逆止弁140が設けられている。

冷却源格納器210には、圧力センサ230と安全弁220が設けられている。

本実施形態において、冷却源200は液体窒素である。

動作状態時において、電動弁120と逆止弁130を開放して、空気ポンプがオンになり、圧縮空気が冷却源格納器210に入り、電動弁120を調整することにより空気の流量を制御可能である。逆止弁140が開放され、液体窒素が空気圧力により緩衝器150に入り、緩衝器150において気化された窒素が圧力により分流器170の入口を通って分流器に入り、複数の経路の窒素に分流される。シール弁が開かれ、窒素が分流器170の各出口から機体頭部の壁面の遷移層320に噴入し、気体が当該遷移層320を通ると、外面層330の微細孔300を介して機体から噴射されてガス膜を形成する。

圧力センサ230は冷却源格納器210内の気体の圧力を検出し、圧力センサ230を観察しながら、リアルタイムに安全弁220を調整することによって、冷却源格納器210内の気体圧力を調整し、液体窒素が冷却源格納器210から緩衝器150へ排出される速度を調整して制御する。

緩衝器150は温度センサ160に接続され、温度センサ160により緩衝器150内の窒素の温度を検出する。

上記した実施形態は本発明の技術案について詳細に説明したが、上記した実施形態は、ただ本発明の具体的な実施形態であり、本発明の範囲を限定するためのものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で行われる種々の修正、追加、または類似方式の置き換えなどは、いずれも本発明の範囲内に含まれる。

100 冷却源駆動装置 200 冷却源 300 微細孔 210 冷却源格納器 110 空気ポンプ 120 電動弁 130 逆止弁 140 逆止弁 150 緩衝器 160 温度センサ 170 分流器 220 安全弁 230 圧力センサ 310 機体頭部の壁面 320 遷移層 330 外面層

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