Acoustic jet, which is passively drive to control the boundary layer

申请号 JP2000600893 申请日 2000-02-25 公开(公告)号 JP2002537184A 公开(公告)日 2002-11-05
申请人 ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション; 发明人 シー. マコーミック,デュアン; ケイ. ロード,ウェスレイ;
摘要 Existing pressure oscillations created by axial or centrifugal fans in a diverging shroud are utilized to power a passive, acoustic jet, the nozzle of which directs high momentum flux gas particles essentially tangentially into the boundary layer of the flow in a diffuser, or a duct, the fluid particles in the resonant chamber of the passive acoustic jet being replenished with low momentum flux particles drawn from the fluid flow in a direction normal to the surface, thereby to provide a net time averaged flow of increased momentum flux particles to defer, even eliminate, the onset of boundary layer separation in the diffuser or duct. The passive acoustic jet is used in the vicinity of fan blade tips to alleviate undesirable flow effects in the tip region, such as leakage.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 表面を有するとともに、内部を流れる流体の流れを有し、かつ、この流体の流れが、上記表面に隣接して境界層を有するとともに、振動する圧力変動を有してなる流体流路と、 上記表面の近くに配置された受動的音響チャンバと、 上記流体流路と上記チャンバとを連通させる流体通路と、 を備え、上記チャンバと上記流体通路とによって、上記流体通路がノズルとなる共鳴型受動的音響ジェットが構成され、該音響ジェットの共鳴周波数は、該音響ジェットの共鳴周波数における上記振動圧力変動が、流体粒子の波動を上記境界層内に供給するのに十分な強度であるように選択されていることを特徴とする流体流れシステム。
  • 【請求項2】 上記流路は、ディフューザを含み、上記の流体圧力成分は、上記ディフューザの入口付近のものであり、 上記ノズルは、上記チャンバと上記ディフューザとを、該ディフューザの境界層剥離点付近の点で接続していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  • 【請求項3】 上記受動的音響チャンバは、固定壁を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  • 【請求項4】 上記受動的音響チャンバは、少なくとも一つの可撓性の壁を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  • 【請求項5】 上記受動的音響チャンバは、一つの可動の壁を有し、 さらに、上記受動的合成ジェットの作動を強化するために上記可動壁を駆動する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  • 【請求項6】 上記ノズルは、ガス粒子の波動を上記境界層内にほぼ接線方向に供給するように、上記表面に対し小さな鋭角をなすように上記の流れの中に向けられていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  • 【請求項7】 上記流体はガスであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  • 【請求項8】 上記チャンバの少なくとも一つの壁は可動であり、その動きによってチャンバ内に流体圧力成分が生成され、 さらに、上記壁を動かすために上記流れの流体圧力に同調する手段を備え、これによって上記合成ジェットの受動的動作を強化していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  • 【請求項9】 上記手段は、電気機械的な変換器からなり、さらに、 上記表面付近の流れの圧力を検出するように配設された圧力センサと、 上記圧力センサに応答して、上記電気機械的変換器に、上記壁が上記流れの圧力に同調動作するように信号を与える信号処理回路と、を備えていることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
  • 【請求項10】 上記信号処理回路は、上記信号を選択的に接続および分離する手段を含んでいることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
  • 【請求項11】 上記流れは、原動機によって生成され、 上記手段は、上記原動機によって駆動される機械的なデバイスであることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
  • 【請求項12】 上記機械的デバイスは、上記原動機から選択的に切り離されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
  • 【請求項13】 上記流体通路は、上記チャンバおよび上記流体通路が、接線方向音響ジェットを構成するように、上記表面に対する小さな鋭角でもって上記流れ内に向けられていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  • 【請求項14】 表面を有する流体流路と、 上記流体流路内に流体流れを作るように該流体流路内に配設された原動機であって、上記流体流れは上記表面に隣接して境界層を有し、かつ上記流体流れは該原動機の付近で振動性の圧力変動を有する原動機と、 上記表面の近くに配設された共鳴型受動的音響チャンバと、 上記流体流路と上記チャンバとを連通させる流体通路と、 を備え、上記チャンバと上記流体通路とによって、上記流体通路がノズルとなる共鳴型受動的音響ジェットが構成され、該音響ジェットの共鳴周波数は、該音響ジェットの共鳴周波数における上記振動圧力変動が、流体粒子の波動を上記境界層内に供給するのに十分な強度であるように選択されていることを特徴とする流体流れシステム。
  • 【請求項15】 上記原動機はブレードを有する軸流ファンであり、 上記流体流路は、上記ファンを囲むシュラウド内に構成され、かつ、 上記ノズルは、上記チャンバと上記流体流路とを、上記ブレードの先端に隣接する点で連通していることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
  • 【請求項16】 上記ファンは、ガスタービンエンジンの第1段であり、かつ、 空気入口がナセル内にあることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
  • 【請求項17】 上記ファンのブレード1個当たりに、整数であるN個の受動的音響ジェットがあることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
  • 【請求項18】 N=4であることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
  • 【請求項19】 上記原動機はブレードを有する軸流ファンであり、 上記流体流路は、上記ファンを囲むシュラウド内に構成され、かつ、 上記ノズルは、上記チャンバと上記流体流路とを、上記ブレードの下流側の点で連通していることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
  • 【請求項20】 上記ファンは空気流れ機器の一部であり、その空気入口がプレナムであることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
  • 【請求項21】 上記原動機は回転するブレードを含み、かつ、 上記振動性圧力変動は、上記原動機のブレード先端の通過周期に関連していることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
  • 【請求項22】 上記原動機はファンであることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
  • 【請求項23】 上記原動機は、ベーン型軸流ファンであることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
  • 【請求項24】 上記原動機は、遠心ファンであることを特徴とする請求項2
    2に記載のシステム。
  • 【請求項25】 上記遠心ファンは、 カットオフ部を備えた渦巻部と、 上記渦巻部内で回転するブレード付きのロータと、 上記カットオフ部の上流で上記渦巻部と交わるディフューザと、 を備え、上記流体流路は、上記ディフューザ内部にあり、かつ上記表面は、上記渦巻部の上記カットオフ部側に隣接した上記ディフューザの表面であることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
  • 【請求項26】 上記チャンバの一つの壁は、上記カットオフ部下流の渦巻部の可撓性の壁を含んでおり、かつこの壁は、上記圧力変動の付勢力の振幅が最大となる位置にあり、 上記ノズルは、境界層の活発化が最も効果的となる位置で上記表面に配置されていることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
  • 【請求項27】 上記ノズルは、上記圧力変動の付勢力の振幅が最大となる位置と境界層の活発化が最も効果的となる位置との間の点において、上記表面に配置されていることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
  • 【請求項28】 上記流体通路は、上記チャンバおよび上記流体通路が、接線方向音響ジェットを構成するように、上記表面に対する小さな鋭角でもって上記流れ内に向けられていることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【関連出願のクロスリファレンス】

    出願人が共に保有する同時に出願した米国特許出願(事件番号R−4128、
    R−4238、R−4239)は、本願に開示および請求された主題に関連する主題を含む。

    【0002】

    【技術分野】

    本発明は、周囲の騒音を、ノズルを有する受動的共鳴音響ジェットの駆動に用いることに関し、ノズルは、好ましくは実質的に接線方向に向かって、流体流れの中に向けられ、その流れの境界層の活発化を行う。

    【0003】

    【背景技術】

    表面付近の境界層における流体流れは、表面と相互作用する分子粘性の摩擦によって速度低下を示し、壁面からの垂直距離の関数として急激な速度勾配を生じる。 表面においては速度は実質的にゼロであり、境界層の外側端部では、主流の速度まで高くなる。 この速度の減少によって、流体密度と速度の二乗との積である、運動量フラックスが低くなる。 この壁面近くの低運動量の流体は、流れの方向に沿って静圧が上昇する場合に問題となりうる。 例えば、ディフューザ、ファンブレードや航空機翼などのエアフォイルの負圧面、のように、発散する表面(
    つまり主流の流れ方向から徐々に離れる面)では、表面に沿った流れは、圧の上昇を伴う。 これは、運動量フラックスの変換のみによって起こる。 もし圧力上昇が十分に大きければ、表面に沿った流体の運動量およびエネルギは、この圧力上昇に打ち勝つために消費され、流体粒子は最終的に静止し、そして、流れが壁面から離れ始め、境界層の剥離に至る。 境界層の剥離は、流れのエネルギが乱流に変換し最終的に熱となることにより、圧力上昇(回復)を終わらせ、従って性能(例えばエアフォイルの揚力)の損失およびシステム効率の劇的な低下を招く。 表面付近を流れる流体粒子の運動量フラックスを高めることによって境界層の剥離を阻止することができることが知られている。 この技術においては、境界層剥離の阻止もしくは除去は、一般に、「境界層剥離の開始の遅延」と呼ばれている。

    【0004】 境界層剥離に打ち勝つ最も単純でかつ最も一般的な方法は、小型の渦発生部を備えたものであり、この渦発生部は、一般に表面(例えば航空機翼の上面)から外側へ延びたタブとすることができ、表面に沿って流れ方向の渦の列を作る。 この渦は、低運動量の粒子(これは上流では表面付近を流れている)を下流で表面から離れるように移動させ、また、高運動量の粒子(これは上流では表面から離れて流れている)を下流で表面へ向かうように移動させる。 これにより、境界層内の表面付近を流れる粒子の運動量フラックスが向上する。 これは、与えられた速度および(渦発生部の下流で制御不能な剥離が生じる場合)迎えのある範囲に亘って境界層剥離を防止する効果がある。 しかし、周知のように、タブ型の渦発生部は、有効かつ実際に抑制することができる境界層剥離の程度を制限するパラサイト抗力を発生させる。

    【0005】 他の周知の方法は、境界層内へ入る、あるいは境界層から外へ出る連続的な流れを利用するものである。 境界層剥離線(すなわち、エアフォイルもしくはディフューザの表面に亘って完全な境界層剥離が始まる線)の上流の壁面吸込部が、
    単に、表面付近の流れから低運動量フラックスの流体粒子を取り除き、これにより生じた空間が、表面からより離れた流れの中から引き込まれる高運動量フラックス粒子によって満たされるのである。 同様の方法として、単に、高エネルギ流体をスロットを通して接線方向に下流側へ吹き込み、表面付近の流れを直接活発化させる方法がある。 しかしながら、これら双方の流れ技術は、負圧源あるいは加圧源、およびこの負圧源,加圧源から表面のオリフィスへ至る内部配管を必要とする。 これは、システムのコスト、重量、および複雑さを増加させ、しかも広い適用範囲に亘って使用するのに十分に有効であるか、未だ確認されていない。

    【0006】 近年の「動的剥離制御」と呼ばれる方法では、米国特許第5,209,438
    号に図示されているように、剥離点のすぐ前方における表面付近の振動の摂動を利用する。 これは、表面と同一面となる位置と下流端部が表面から突出する位置との間で振動する回動可能なフラップと、表面に平行で、かつその平均位置が、
    表面内の位置と流れ内へと外側に延びた位置との間で振動するリボンと、流れの中および外へと振動する垂直な障害物と、流れを周期的に妨害するとともに振動性の吹き込みを行う回転ベーン(マイクロタービン)と、を含んでいる。 これらの装置は、流れの渦度を周期的に乱し、不安定な剥離剪断層内の渦を大きな翼幅方向の渦構造に拡大する。 この大きな渦は、高運動量の流れを表面へ向けて循環させ、これによって、圧力回復が行われる。 このような流れは、一般的な定義では、付着も剥離もしていない。 しかしながら、このような摂動は、流れおよび幾何学的な総てのパラメータの関数として動的に制御する必要があり、複雑で不安定な流れ構造の高コストなモデリングや、開ループスケジューリングまたは流れ内のセンサからのフィードバックに応答して流れの変化に対応するための情報を得るのに、かなりの試験が要求される。

    【0007】 動的な剥離制御に関する最近の変形例は、境界層剥離線の上流で表面に垂直に向けられた、いわゆる”合成”ジェット(”音響ジェット”あるいは”ストリーミング”とも呼ばれる。)を利用するものである。 この方法は、パラメータに対する依存度が高いと報告されており、従って、同様に動的な制御が必要となり、
    これまで得られた結果では、そのコストや複雑さに対し十分な利点が得られていない。

    【0008】 種々の適用において、境界層の他の全体的な問題が明らかとなっており、その重要な一つは、航空機のターボ圧縮機の入口ファンである。 ブレードの先端において、ブレード先端と隣接する壁面との間の隙間を通した、ブレード先端漏れと呼ばれる現象がある。 ブレード先端漏れによる出力の損失は著しいが、この問題は、実用的には解決されていない。

    【0009】

    【発明の開示】

    本発明の課題は、境界層の流れの改善、流体流れの境界層剥離の抑制向上、流体流れ機器における騒音の低減、流体流れ機器における効率の向上、先端漏れの低減、有効かつ効率的で初期コストが低く運転コストがゼロである境界層制御、
    および、比較的単純で本体となる構造やシステムへの影響が少ない境界層制御、
    を含む。

    【0010】 この発明は、音響ジェットから流出する噴流が、オリフィスつまりノズルの領域を、負の圧力の開始前に十分に空にし、従って、ジェットのキャビティは、ジェット流として出た粒子以外のガス粒子によって補充される、という事実に一部基づいている。 この発明は、また、ガス流れの境界層内へ接線方向へ向かう音響ジェットによって、表面に対し概ね垂直な、時間平均した正味の負の流れと、表面に対し概ね平行な、時間平均した正味の正の流れと、が生成される、という我々の発見に一部基づいている。

    【0011】 本発明によれば、流体流れ(例えば空気)の境界層内に向かう音響ジェットは、周囲の流体で発生した音波によって受動的に駆動される。 ジェットのノズルとチャンバの組み合わせは、流体流れ内の騒音ないしは他の圧力変化におけるエネルギが大きな周波数を含む周波数帯域において、境界層を制御するのに十分な強度のノズル速度を生成するように、明確に共鳴する。 ジェットのノズルは、望ましくは、境界層に対し小さな入射角に向けられている。 本発明の一つの適用では、小さな入射角でもって、ディフューザの境界層剥離点付近に向けられており、
    これによって境界層剥離を阻止ないしは防止する。 さらに本発明によれば、境界層剥離を阻止ないしは防止するために、ジェットをディフューザの入口部に配置することができる。 他の適用においては、ジェットは、シュラウドから軸流ファンの先端へ向けられており、境界層の大きさを低減し、かつブレード先端と壁面との作用を緩和する。

    【0012】 音響ジェットのサイクルの負の圧力部分では、低運動量フラックスガス粒子が、チャンバ内に流入して、表面に垂直な流れが生成され、これによって、進行してくる境界層から低運動量フラックス流体粒子が除去される。 この流体粒子は、
    ガス流れの高エネルギ圧力成分による共鳴によってエネルギが付与され、エネルギ付与された流体粒子は、より高い運動量フラックスを有するものとなって、境界層内に、好ましくはほぼ接線方向に、噴射される。 これにより、境界層内の運動量フラックスを適当なものとして下流側の境界層剥離の開始を阻止し、あるいは、境界層の大きさを低減して、ファンにおけるブレード先端と壁面との作用を緩和する。 騒音エネルギの利用は、音響エネルギがガス流れに変換されることから、いくつかの場合には、より静かなシステムが得られることになる。

    【0013】 好ましい実施例においては、ノズルは、実際的なように、境界層に対し小さな鋭角に向けられており、ここでは、これを「ほぼ接線方向」と呼び、この角度は、0度近くから40度もしくはより大きな角度までの範囲とし得る。

    【0014】 本発明は、固定壁の共鳴キャビティを用いたものとして実施でき、この場合、
    付勢エネルギは、ジェットの首部を通して作用する。 本発明は、また、可撓性の壁を備えたキャビティを用いたものとして実施でき、この場合、付勢エネルギをジェットの首部やオリフィスから離れた位置で作用させることができる。 これにより、首部およびオリフィスを、境界層に対し所望の作用が最も大きく得られる位置に配置しつつ、ジェットの付勢のために、可撓性の壁を、圧力変化が最大となる箇所に近接させて配置することが可能となる。

    【0015】 本発明の他の目的、特徴、および作用は、後述の実施例の詳細な説明および添付した図面から、より明らかになるであろう。

    【0016】

    【発明を実施するための最良の形態】

    図1を参照すると、本発明の一実施例として、インタープレナム・シュラウド7内に配置されたベーン型軸流ファン6が示されており、シュラウド7は、スロート部11を形成するように、収束部9と発散部10とを有している。 ファンは、一般的なものであり、複数のブレード14を備えたハブ13を有しているとともに、整流ベーン16(一般に多数用いられているが、2つのみが図示されている)によって支持されたハブ15に、適宜に軸受されている。 ファン6は、一般的な方法で駆動することができ、例えば、ハブ取付型モータ17あるいはベルト駆動式プーリ(図示せず)といった手段で駆動される。 このファン6およびその駆動機構は、本発明には関係がなく、単に、本発明における音響ジェットを作動させるに十分な騒音を一般に有する空気流れシステムの例として挙げたものであり、上記音響ジェットの作動により、騒音エネルギをガス流れ内に収束させる利点を伴い、空気流れシステムはより効率的に動作し、いくつかの場合には、より静かになる。

    【0017】 本発明によれば、複数の受動的音響ジェット18のそれぞれが、シュラウド7
    内に形成された共鳴音響チャンバ19を備え、このチャンバ19は、図2のように、スロート部11の表面に対して極端な鋭角をなすノズルつまり首部20を有し、首部20の端部に形成されたオリフィス21は、スロート部11の表面においてブレード14の先端に対向している。

    【0018】 図3および図4は、ブレード14およびシュラウド11の展開図であり、スロット21を示す。 これらの図は、シュラウドをある種の曲線柱ではなく一平面に展開させた軸方向に準じた図である。 音響ジェットの各々は、隣接するブレードに加わる圧力に応答する。 ブレードの整数倍に等しい個数のスロットを有することが望ましく、この実施例では、ブレード当たり4個のスロットを有する。 図3
    に示すように、ブレード14aがスロット21aを通過すると、スロット21a
    近傍の圧力低下によって、矢印22で示すように、スロットから噴出する流れが生じる。 これと同時に、スロット21b近傍の圧力の上昇によって、矢印23で示すように、スロット(さらには関連するジェットのチャンバ19)に流入する流れが生じる。 同様の作用が、ブレード14bとスロット21d,21eとについても発生する。 図4に示すように、ブレード14aがスロット21bを通過すると、今度は、圧力低下によって矢印24で示すような外側への流れが生じ、一方、同時に、スロット21cにおける圧力上昇によって、矢印25で示すように、該スロットおよび関連するジェット18のチャンバ19内に流入する流れが生じる。 同様の作用が、ブレード14bとスロット21e,21fとについても発生する。 各々の場合に、矢印22,24で示すようなスロットから噴出する流れは、ブレード先端におけるブレードの翼弦に対し、概ね直交し、かつ、先端における漏れに対向する方向となる。 最終的な作用は、ブレード先端の負荷を軽減し、先端の漏れ、先端での失速、ばたつき、を抑制することである。

    【0019】 図5においては、音響ジェット18が、商用航空路線用ジェットエンジン28
    のナセル27内部に形成されている。

    【0020】 図6の実施例においては、渦巻部(スクロール)35と、ブレード37を備えたロータ36と、を有する遠心ファン34のディフューザ32の入口に音響ジェット31が設けられている。 本発明によれば、共鳴チャンバ38はノズル39を有し、このノズル39によって、ディフューザ32の隣接した表面つまり壁面4
    1にオリフィス40が形成される。 このオリフィス40は、付勢力の振幅が最大となる点(これはちょうどカットオフ部43の内側となる)と境界層の活発化が最も効果的となる点(これは図2に示すオリフィス40の位置が相当し得る)との間におおよそ位置し、あるいは、これよりも多少下流側に位置する。 ブレード37がカットオフ部43を通り過ぎることにより生じた振動性圧力変化のエネルギは、ガス粒子の高い運動量フラックスに変換され、かつ、オリフィス40において境界層内に接線方向に案内される。 図6において、周囲騒音が正の圧力部分にある間に、低い運動量フラックスのガス粒子がチャンバ38内に入り、チャンバ38は、ディフューザ32の騒音とほぼ等しい周波数で共鳴し、チャンバ38
    内の正の圧力がディフューザ32の負の圧力と一致して、ノズル39を通過しディフューザ32の隣接する壁面に沿って流れる高運動量フラックス粒子が引き起こされる。 これによって、境界層の剥離が遅れ、境界層がディフューザ32の隣接表面に絶対的に付着することも実際に起こりうる。

    【0021】 図7に、本発明の僅かに異なる実施例が符号31aで示されており、これは、
    可撓性の壁50を備えたチャンバ38aを有し、上記壁50は、振幅変化が顕著となり得るカットオフ部43下流の領域51の圧力変化に応答して振動(破線で示すように)し得る。 これにより、壁50を、ちょうどカットオフ部43を過ぎたところ、つまり付勢力の振幅が最大となるところに、配置することができる。
    首部39aおよびオリフィス40aは、境界層の活発化が最も効果的となる箇所、図7に示すようなディフューザ32内部でカットオフ部43の下流となる箇所、に配置することができる。

    【0022】 前述した実施例においては、音響ジェット18,31.31aが純粋に受動的であると想定している。 しかしながら、受動的に得られるものよりも高いノズル速度が必要である場合には、動力駆動手段によってこれを増強するようにしてもよい。 図8では、流体圧力振動発生器130が、ロッド132によって駆動されるピストン131を備えており、ソレノイド133によって左方へ引っ張られ、
    かつスプリング134によって右方へ押されて、交互に動く。 ピストン131は、構造体139内に形成されたチャンバ138に開口しているシリンダ136内を摺動するようになっており、上記構造体139は、航空力学的なプロファイル140を有し、かつ接線方向へ方向付けられた本発明のノズル142を有している。 図示のようにピストン131が静止している状態では、チャンバ138およびノズル142は、前述したような形式の受動的音響ジェットを構成する。 しかしながら、対象とするファンもしくは他の装置、あるいは、表面140近傍の流れ、が特に厳しい運転条件にあるときには、チャンバ138内の圧力振動がピストン131によって強化される。 これを達成する例示的な方法は、表面140上のノズル142のすぐ上流の圧力を検出し、信号ライン145におけるその出力を、増幅器やフィルタなどを備えた信号処理回路156に供給することを含む。
    この信号は、次に、ソレノイド133を、適当な位相で駆動するために用いられ、ノズル142における周期的圧力変化が高い圧力部分にある間には、ピストン131がソレノイド133へ向かって後退し、かつノズル142における周期的圧力変化が負の圧力部分にある間には、ピストン131がチャンバ138へ向かって前進するようにする。 厳しい運転条件が終了した時には、信号処理回路15
    6内の機能157の作用によって、ピストン131を、ノズル142における圧力波に同期する図8に示す位置に停止させることができ、これ以後は、この装置は、前述したように、受動的接線方向音響ジェットとして作用する。 本発明の受動/能動型接線方向音響ジェットのために、圧力振動を高めるように他の電気音響的デバイスを同様に用いることもできる。

    【0023】 図9を参照すると、表面149に隣接した機械音響的なガス圧力振動発生器が示されている。 これは、チャンバ151内で、実線で示す位置と破線で示す位置との間で振動するパドル状のベーン150を用いており、図示するようにジェットノズル154の排出行程およびジェットノズル155の吸入行程を与え、次に、破線で示す位置へ向かって動いてジェットノズル154の吸入行程およびジェットノズル155の排出行程を与えるように、交互に動作する。 ベーン150は、ベルクランク162のスロット161に係合したピン159を有するクランクディスク158によって駆動される。 ベルクランク162は、固定軸受166上の支点164によって軸支されている。 ベルクランク162は、軸170上を回転するN極磁石168およびS極磁石169に応答して、矢印167で示すように支点164の回りを往復動する。 上記磁石は、本発明の接線方向音響ジェットが用いられるファンもしくは他の装置の軸によって駆動することができる。 磁石168,169が回転すると、ベルクランク162上に配置されたN極,S極の磁石172,173が、交互に、引き寄せられ、あるいは反発しあう。 図9において、クランクディスク158は、軸175に固定され、これと一緒に往復動する。 軸175は、捩りコイルばね手段、あるいは、好ましくは、ルーカス・フリーフレックス(登録商標)撓みピボット178を用いて、下の構造体176に対し弾性的に軸支されており、摩擦のない軸受が可能であるとともに中央位置から両側への回転に対しスプリングによる抵抗が得られるようになっている。 これは、最大効率での共鳴動作を提供する。 図9の装置は、本発明に従い、スロット型ノズル154,155を通して境界層の流れに接線方向に空気流パルスを与える。 この装置は、境界層が生じる表面を備えた構造体176の内部に、本発明に係る接線方向音響ジェットを一対構成する。 ベーン150が中央位置(図9では垂直位置)にあって、軸170が駆動源から切り離されている場合には、図9の装置は、前述したような形式の一対の受動的音響ジェットとして動作する。 軸17
    0は、表面149に隣接する流れに関連する例えば前述したファンのような駆動源によって、クラッチを介して駆動することができ、駆動源に関連する圧力変化に同期して前述したような方法でもってベーンを駆動することにより、受動的ジェットの作用を強化することができる。 本発明の圧力振動の強化のために、他の機械音響的デバイスおよび電気音響的デバイス、例えば、他の機械的なもの、電気機械的なもの、電気磁気的なもの、圧電性のもの、あるいは他のメカニズム、
    を用いることもできる。

    【0024】 図10を参照すると、本発明の一実施例として、インタープレナム・シュラウド212内に配置されたベーン型軸流ファン211が示されており、シュラウド212は、スロート部215を形成するように、収束部213と発散部214とを有している。 ファンは、一般的なものであり、複数のブレード219を備えたハブ218を有しているとともに、整流ベーン222(一般に多数用いられているが、2つのみが図示されている)を支持するハブ221に、適宜に軸受されている。 ファン211は、一般的な方法で駆動することができ、例えば、ベルト駆動式プーリ223あるいはハブ取付型モータ(図示せず)といった手段で駆動される。 このファン211およびその駆動機構は、本発明には関係がなく、単に、
    本発明における音響ジェットを作動させるに十分な騒音を一般に有する空気流れシステムの例として挙げたものであり、上記音響ジェットの作動により、騒音エネルギを消費する利点を伴い、空気流れシステムはより静かに動作し、かつシステムの効率が向上する。

    【0025】 本発明によれば、共鳴音響チャンバ226が適宜なシュラウド227によって形成されており、このチャンバは、スロート部215の表面に対して極端な鋭角をなす首部228を有し、首部228の端部に形成されたオリフィス229は、
    スロート部215の表面において剥離点のすぐ上流側に位置している。 図においては、ノズル229は、明瞭化のために、スロート部215の上下の断面部分にのみ示されている。 しかしながら、スロット型のノズル、あるいは環状もしくは他の形式のノズルの列、を備えた複数の分割されたチャンバ226が通常用いられる。 また、オリフィス229を、剥離点近傍よりもさらに下流側に配置することもできる。 さらに、もし必要であれば、受動的音響合成ジェットを、流れに沿って複数点に配置してもよく、但し、これらが、合成ジェットを作動させ得る高エネルギ振動圧力波の付近にある必要がある。

    【0026】 前述した総ての特許出願は、本願に参考として組み込まれる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 本発明の固定壁の実施例を備えたディフューザを有する軸流ファン要部の様式化した部分断面側面図である。

    【図2】 図1の2−2線に沿った要部の部分断面正面図である。

    【図3】 図1および図2のファンとシュラウドの軸方向の展開図である。

    【図4】 図1および図2のファンとシュラウドの軸方向の展開図である。

    【図5】 本発明に係る商用ジェットエンジンを示す一部を切り欠いた部分断面側面図である。

    【図6】 本発明の固定壁の実施例を用いた遠心ファンの部分断面側面図である。

    【図7】 本発明の可撓性壁の実施例を用いた遠心ファンの部分断面側面図である。

    【図8】 電気音響的流体圧力振動強化手段を備えた受動的合成ジェットの部分断面側面図である。

    【図9】 機械音響的流体圧力振動強化手段を備えた受動的音響ジェットの部分断面側面図である。

    【図10】 本発明の固定壁の実施例を備えたディフューザを有するベーン型軸流ファン要部の様式化した部分断面側面図である。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04D 29/44 F04D 29/44 V X 29/46 29/46 F J 29/54 29/54 B G 29/66 29/66 N 29/68 29/68 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU ,ZA,ZW (72)発明者 ロード,ウェスレイ ケイ. アメリカ合衆国,コネチカット,サウス グラストンベリー,ブルーベリー レーン 62 Fターム(参考) 3H034 AA02 AA16 BB03 BB06 BB08 BB17 CC04 DD06 DD08 DD09 DD26 EE06 EE08 3H035 DD02 DD04 DD05 DD06

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