バージ船搭載式淡水化プラントの設置方法

申请号 JP2015179697 申请日 2015-09-11 公开(公告)号 JP2016027973A 公开(公告)日 2016-02-25
申请人 デウ シップビルディング アンド マリーン エンジニアリング カンパニー リミテッド; 发明人 クォン ヒュク; イー イン ベ; キム ヒョン ジン; アン ソン イル;
摘要 【課題】海上に浮いて移動するように構成されたバージ船上に、海から 海 水 を引き込んで 淡水 化させる 海水 淡水化プラント及び発電プラントが搭載されてなるバージ船搭載式海水淡水化プラントの設置方法を提供する。 【解決手段】海水淡水化プラントは蒸発式海水淡水化プラント20であり、バージ船搭載式海水淡水化プラントを、重量物運搬船に載せて引き船によって曵いて、水不足地域や島地域の海岸に隣接する場所に固定して設置する。発電プラント40は、石炭、ディーゼル、LNG及びLPGからなる群より選択された 燃料 を燃焼して生成した電気を、海水淡水化プラントに供給し、発電プラントで発生するガスまたは蒸気を、海水淡水化プラントで淡水を生産するための熱源として供給し、海水淡水化プラントで生産された淡水を、発電プラントに蒸気を発生させるための源水として供給する。 【選択図】図9
权利要求

海上に浮いて移動するように構成されたバージ船上に、海からを引き込んで淡水化させる海水淡水化プラント及び発電プラントが搭載されてなるバージ船搭載式海水淡水化プラントを実際の使用場所に設置する方法であり、 前記海水淡水化プラントは蒸発式海水淡水化プラントであり、 前記バージ船搭載式海水淡水化プラントを、重量物運搬船に載せて引き船によって曵いて、水不足地域や島地域の海岸に隣接する場所に固定して設置するにあたり、前記バージ船搭載式海水淡水化プラントを、固定物を用いて海底面に固定させる方式、または、海岸に隣接する陸地に埋め込む方式、のうちいずれか一つの方式で設置し、 前記発電プラントは、石炭、ディーゼル、LNG及びLPGからなる群より選択された燃料を燃焼して生成した電気を、前記海水淡水化プラントに供給し、 前記発電プラントで発生するガスまたは蒸気を、前記海水淡水化プラントで淡水を生産するための熱源として供給し、 前記海水淡水化プラントで生産された淡水を、前記発電プラントに前記蒸気を発生させるための源水として供給することを特徴とするバージ船搭載式海水淡水化プラントの設置方法。水不足地域や島地域の海岸に隣接する陸地には淡水貯蔵タンクが設置され、 前記バージ船搭載式海水淡水化プラントで生産された淡水は前記淡水貯蔵タンクに貯蔵されることを特徴とする請求項1に記載のバージ船搭載式海水淡水化プラントの設置方法。

说明书全文

本発明は淡水化させる海水淡水化プラントの設置方法に関し、さらに詳しくは、このような海水淡水化プラントが海上に浮いて移動するように構成されたバージ船搭載式海水淡水化プラントの設置方法に関する。

近年、全世界の人口が増加し、産業が発展することにより、生活の質を向上させるための水の使用量が増加傾向にある。しかし、人間が使用可能な水資源は地球全域に分布する水の3%以内に限定されており、それすらも、水質汚染の拡散などによって供給潜在が急減することによって水資源不足が深化し、国際紛争の原因になることもある。

だが、地球表面の3/4以上を占め、地球上に存在する水の97%に該当する海水を淡水化して人間の生活に使用可能にする技術、すなわち海水淡水化技術を実用化すれば、不足する水の使用問題に対する代案になり得るはずである。

そこで、最近、先進国と水不足の国を中心に海水淡水化技術に対する多くの研究が進められている。そのうち、蒸発法を利用した海水淡水化技術、逆浸透法を利用した海水淡水化技術及び蒸発法と逆浸透法を複合した方法に研究が集中している。

そして、海水淡水化プラントは、一般に、陸上固定式で建設されるが、このような陸上固定式海水淡水化プラントは、移動が不可能で、建設用地の購入費用及び基礎工事費用が多くかかると共に、建設時間が長くかかり、一度建設するとその場所でしか使用ができない制限があるという問題点がある。

また、陸上固定式海水淡水化プラントを建設しようとする水不足地域や島地域は、一般に、気象条件や作業条件が厳しく、陸上固定式海水淡水化プラントを建設することが困難である。

また、陸上固定式海水淡水化プラントを建設しようとする現地で、建設エンジニアを含む作業人材の確保が難しいという問題点がある。

また、陸上固定式海水淡水化プラントの建設によって山林が破壊され、施設周辺が汚染されるなどの環境汚染の問題点がある。

また、上記のような地域は淡水のみならず電気も不足している場合が多く、電気を生成するための発電プラントを陸上固定式で建設すると、上述と同様の問題点が発生する。

したがって、本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためのものであり、海水を淡水化させる海水淡水化プラントが海上に浮いて移動するように構成されたバージ船搭載式海水淡水化プラントの設置方法を提供することをその主な目的とする。

上記の目的を達成するための本発明の一側面によれば、海上に浮いて移動するように構成されたバージ船上に、海から海水を引き込んで淡水化させる海水淡水化プラントが搭載されてなることを特徴とするバージ船搭載式海水淡水化プラントが提供される。

前記バージ船は内部に空気チャンバが形成された複数のブロックを互いに組み立ててなることが好ましい。

前記ブロックはスチール材質であるのが好ましい。

前記海水淡水化プラントは蒸発式海水淡水化プラントであり、前記蒸発式海水淡水化プラントは、海水を前記蒸発式海水淡水化プラント内へ強制的に導入する海水導入器と、海水を蒸発させて発生する蒸気を再び凝縮させて凝縮水を集めることで淡水を生産する蒸発器と、を含むことが好ましい。

前記海水導入器には、海水と共に流入する生物体が海水の通路を塞ぐことを防止するために、前記海水導入器内へ塩素ガスを注入する塩素ガス注入器が連結されることが好ましい。

前記蒸発器の前段(上流側)には、前記蒸発器で海水を蒸発させる前に化学薬品を海水に注入して海水に化学薬品処理を行う化学薬品前処理器が設置されることが好ましい。

前記蒸発器には、海水を蒸発させるために必要な熱を供給する熱源としてボイラーが連結されることが好ましい。

前記蒸発器の後段(下流側)には、前記蒸発器で生産された蒸溜水にミネラルを添加して飲料水基準に合わせるミネラル添加器が設置されることが好ましい。

前記海水淡水化プラントは逆浸透式海水淡水化プラントであり、前記逆浸透式海水淡水化プラントは、海水を前記逆浸透式海水淡水化プラント内へ強制的に導入する海水導入器と、海水に逆浸透方式で圧力を加えて淡水を生産する逆浸透モジュールと、を含むことが好ましい。

前記海水導入器の後段には、海水を前記逆浸透モジュールの逆浸透膜の要求水質に合わせるために、二層ろ過フィルターが設置されることが好ましい。

前記二層ろ過フィルターには、前記二層ろ過フィルターを逆洗浄するための逆洗浄水を貯蔵する逆洗浄水貯蔵タンクと、前記二層ろ過フィルターを逆洗浄した後の汚染された逆洗浄水を処理する汚水処理タンクと、が連結されることが好ましい。

前記逆浸透モジュールの前段には、前記逆浸透モジュールで海水に逆浸透方式で圧力を加える前に化学薬品を海水に注入して海水に化学薬品処理を行う化学薬品前処理器が設置されることが好ましい。

前記逆浸透モジュールには、海水に圧力を加えるために必要な圧力を供給する圧力供給源として高圧ポンプが連結されることが好ましい。

前記化学薬品前処理器と前記逆浸透モジュールとの間には、前記逆浸透モジュールの逆浸透膜と前記高圧ポンプを保護するための安全フィルターとが設置されることが好ましい。

前記海水淡水化プラントで大容量発電または海水から淡水への高い転換率を所望する時は、前記蒸発式海水淡水化プラントと前記逆浸透式海水淡水化プラントが共に構成された複合式淡水化システムを利用して淡水を生産することが好ましい。

造船所で前記バージ船と前記海水淡水化プラントとがそれぞれ製造された後、前記バージ船上に前記海水淡水化プラントが搭載されることが好ましい。

前記海水淡水化プラントが設置されたバージ船に発電プラントを搭載すると、発電プラントから出る電気と蒸気を海水淡水化に有用に使用することができ、さらに周辺地域に剰余電力を供給することができるので、発電プラントを追加的に設置することが好ましい。

前記バージ船には、造船所で製造された発電プラントがさらに搭載されることが好ましい。

また、上記の目的を達成するための本発明の他の一側面によれば、海上に浮いて移動するように構成されたバージ船上に、海から海水を引き込んで淡水化させる海水淡水化プラントが搭載されてなるバージ船搭載式海水淡水化プラントを実際の使用場所に設置する方法として、前記バージ船搭載式海水淡水化プラントを、重量物運搬船に載せて引き船によって曵いて、水不足地域や島地域の海岸に設置することを特徴とするバージ船搭載式海水淡水化プラントの設置方法が提供される。

前記バージ船搭載式海水淡水化プラントの前記バージ船を、水不足地域や島地域の海岸に隣接する海上に浮遊させた状態で、錨を用いて停泊させることが好ましい。

前記バージ船搭載式海水淡水化プラントの前記バージ船を、水不足地域や島地域の海岸に隣接する海上に浮遊させた状態で、固定物を用いて海底面に固定させることが好ましい。

前記バージ船搭載式海水淡水化プラントの前記バージ船を水不足地域や島地域の海岸に隣接する陸地に埋め込むことが好ましい。

水不足地域や島地域の海岸に隣接する陸地には、淡水貯蔵タンクが設置され、前記バージ船搭載式海水淡水化プラントで生産された淡水は、前記淡水貯蔵タンクに貯蔵されることが好ましい。

前記バージ船には、発電プラントがさらに搭載されることが好ましい。

上述したように、本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントによれば、バージ船上に海水淡水化プラントが搭載される構成なので、建造した後に海上で移動できるので、水不足地域や島地域に設置されることによって場所と状況に応じて移動しながら使用することができ、また、従来の陸上固定式海水淡水化プラントにかかる建設用地の購入費用及び基礎工事費用に比べてバージ船の建造にかかる費用の方が少なくて済み、従来の方法に比べて建造時間が短縮される。また、造船所でバージ船搭載式海水淡水化プラントを完成させて設置場所へ移動するため、現地で建設エンジニアを含む作業人材を確保する負担が減少し、現地の気象条件や作業条件に関係なく建造することができる。また、海水淡水化プラントを設置しようとする地域の山林が破壊されることを回避することができ、施設周辺を汚染させる憂いが無くなるという長所がある。

また、海水淡水化プラントのみならず発電プラントも共にバージ船に搭載して、発電プラントで生産された電気又は水蒸気などを海水淡水化プラントに使用したり、余分な電気を陸上の電気需要先に供給したりすることもできるので、陸上の電気不足も解消しながら発電プラントから出る電気と水蒸気も效率的に使用することができる。

本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントの概略図である。

本発明の第1実施形態による海水淡水化プラントを構成する要素をブロックで表示したブロック構成図である。

本発明の第2実施形態による海水淡水化プラントを構成する要素をブロックで表示したブロック構成図である。

本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントを製造する過程を概略的に示す図である。

本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントを移動させる過程を示す図である。

本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントが実際の使用場所に設置された状態を示す図である。

本発明の実施形態によるバージ船搭載海水淡水化プラントが実際の使用場所に設置された状態を示す図である。

本発明の実施形態によるバージ船搭載海水淡水化プラントが実際の使用場所に設置された状態を示す図である。

本発明の実施形態による海水淡水化プラントに発電プラントがさらに搭載された構成を示す概略図である。

以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントの概略図である。図1に示すように、本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラント1は、バージ船10上に海水淡水化プラント20が搭載されてなるものである。本実施形態でバージ船10を含むバージ船搭載式海水淡水化プラントは符号「1」で表示し、バージ船10上に搭載される海水淡水化プラントは符号「20」で表示することにする。

バージ船10は海上に浮いて移動するように構成されたもので、複数のブロック11を互いに組み立ててなるものであり、ブロック11の内部には空気チャンバ13が形成されている。 このようなブロック11はスチールで作られることが好ましい。

また、海水淡水化プラント20は、海から海水を引き込んで淡水化させた後、使用場所へ供給する設備であり、蒸発法又は逆浸透法を用いて海水を淡水にする工程を行う。

図2は、本発明の第1実施形態による海水淡水化プラントを構成する要素をブロックで表示したブロック構成図である。本発明の第1実施形態による海水淡水化プラントは、蒸発法を用いて海水を淡水にする蒸発式海水淡水化プラントである。本明細書では、第1実施形態による蒸発式海水淡水化プラントを符号「200」で表示することにする。

図2に示すように、蒸発式海水淡水化プラント200は、海水導入器201と、塩素ガス注入器203と、化学薬品前処理器205と、蒸発器207と、ボイラー209と、ミネラル添加器211と、を含む。

海水導入器201は、淡水にしようとする源水である海水を蒸発式海水淡水化プラント200内へ強制的に導入するための設備である。海水導入器201には、ポンプなどの液体強制導入手段が備わることがわかるはずである。

海水導入器201で海水を引き込む時に、海の中の魚、貝類、海藻類などの生物体が共に流入して海水の通路に付着及び生息して海水の通路を塞ぐようになるが、これを防止するために、海水導入器201には、その中へ塩素ガスを注入する塩素ガス注入器203が連結されている。これに要する塩素ガスは主に海水を電気分解して得る。

海水導入器201から導入した海水は、化学薬品前処理器205を経て蒸発器207に供給される。蒸発器207は、海水を蒸発させて発生する蒸気を再び凝縮させて凝縮水を集めることで淡水を生産する淡水化設備であり、外部から供給された熱と熱交換させて海水を蒸発させるための熱交換チューブと、凝縮器とを具備する。

このような蒸発器207は、海水を蒸発させて発生する蒸気を再び凝縮させる過程を何度も繰り返して凝縮水を集める多段フラッシュ蒸発(MSF(Multi−Stage Flash) Distillation)方式であるのが好ましい。この場合、蒸発器207は2〜3つのステージを具備する。

化学薬品前処理器205は、蒸発器207の前段に設置され、蒸発器207で海水を蒸発させる前に化学薬品を海水に注入して海水に化学薬品処理を行う。化学薬品前処理器205で処理を行う化学薬品はスケール生成防止剤(Anti−Scale Agent)、消泡剤(Anti−Foam Agent)、脱酸素剤(Oxygen Scavenger)などである。

蒸発器207で海水を蒸発させるために海水の温度を高めると、海水に溶存するイオンのうち温度が高くなるほど溶解度が下がる物質が析出されて、蒸発器207内の熱交換チューブの内壁にスケール(Scale)を形成するようになるが、スケール生成防止剤はこれを防止するための化学薬品である。

また、消泡剤は、後述する蒸発器207で蒸発している海水でバブルが生成されることを防止するための化学薬品であり、酸素除去剤は、海水に溶存する物質のうち腐食を誘発する酸素を除去するための化学薬品である。

化学薬品前処理器205には、化学薬品を貯蔵する化学薬品貯蔵タンク206が連結されている。

蒸発器207には、海水を蒸発させるために必要な熱を供給する熱源としてボイラー209が連結されている。ボイラー209では蒸気を作って蒸発器207へ供給し、このように蒸発器207へ供給された蒸気は、蒸発器207内で海水と熱交換して海水を蒸発させる。

ボイラー209で蒸気を作るために使用される水は、機器の損傷を防止するために空気が完全に除去されていなければならず、このためにボイラー209には、脱気器(De−aerator)210が連結されている。

蒸発器207の後段には、ミネラル添加器211が設置されている。蒸発器207で生産された水は、蒸溜水で飲料水(上水道水)としての使用には適さないが、ミネラル添加器211は、蒸発器207で生産された蒸溜水にミネラルを添加して飲料水基準に合わせる設備である。

ミネラル添加器211を経た淡水は、図6乃至図8に示すように、陸地に設置された淡水貯蔵タンク7に貯蔵される。

淡水貯蔵タンク7は、海水淡水化プラント20で生産された淡水を貯蔵する水タンクとして、通常1日生産量以上の淡水を貯蔵する。淡水貯蔵タンク7に貯蔵された淡水は、高圧の大型ポンプによって使用場所(都市、村、工場など)へ供給される。

このような海水導入器、塩素ガス注入器、化学薬品前処理器、蒸発器、ミネラル添加器は公知の技術であるので、本明細書では、その構成及び作動関係に対するさらに詳しい説明は省略する。

図3は、本発明の第2実施形態による海水淡水化プラントを構成する要素をブロックで表示したブロック構成図である。本発明の第2実施形態による海水淡水化プラントは、逆浸透法を用いて海水を淡水にする逆浸透式海水淡水化プラントである。本明細書では、第2実施形態による逆浸透式海水淡水化プラントを符号「300」で表示することにする。

図3に示すように、逆浸透式海水淡水化プラント300は、海水導入器301と、二層ろ過フィルター303と、逆洗浄水貯蔵タンク305と、汚水処理タンク307と、化学薬品前処理器309と、安全フィルター311と、逆浸透モジュール313と、高圧ポンプ315と、を含む。

海水導入器301は、淡水にしようとする源水である海水を逆浸透式海水淡水化プラント300内へ強制的に導入するための設備である。海水導入器301にはポンプなどの液体強制導入手段が備わることがわかるはずである。

海水導入器301で引き込んだ海水を逆浸透モジュール313の逆浸透膜の要求水質に合わせるために、海水導入器301の後段には、二層ろ過フィルター(Dual Media Filter)303が設置されている。二層ろ過フィルター303は、海水からコロイド(Colloid)、浮遊物質などを除去する。

逆浸透式海水淡水化プラント300では二層ろ過フィルター303に蓄積されたコロイド、浮遊物質などを周期的に逆洗浄することになるが、このために二層ろ過フィルター303には、逆洗浄水を貯蔵する逆洗浄水貯蔵タンク305が連結されている。

また、二層ろ過フィルター303を逆洗浄した後の汚染された逆洗浄水は、二層ろ過フィルター303に連結された汚水処理タンク307へ送られる。汚水処理タンク307では、汚水を環境規制値に合わせて処理した後に排出する。

二層ろ過フィルター303を経た海水は、再び化学薬品前処理器309及び安全フィルター311を経て逆浸透モジュール313に供給される。逆浸透モジュール313は、海水に逆浸透方式で圧力を加えて淡水を生産する淡水化設備であり、逆浸透膜とメンブレン圧力容器を具備する。

化学薬品前処理器309は、逆浸透モジュール313の前段に設置され、逆浸透モジュール313で海水に逆浸透方式で圧力を加える前に化学薬品を海水に注入して海水に化学薬品処理を行う。化学薬品前処理器309で処理を行う化学薬品は凝集剤(Coagulant)、高分子凝集補助剤(Polymer Coagulant Aid)、硫酸(H2SO4;スケール抑制剤)、塩素除去剤(Dechlorinator)、スケール防止剤(antiscalant)、水酸化ナトリウム(NaOH;逆浸透膜のホウ素(Boron)除去効率を上げるため)などである。

化学薬品前処理器309には、化学薬品を貯蔵する化学薬品貯蔵タンク310が連結されている。

逆浸透モジュール313には、海水に圧力を加えるために必要な圧力を供給する圧力供給源として高圧ポンプ315が連結されている。

化学薬品前処理器309と逆浸透モジュール313との間には、安全フィルター311が設置されている。安全フィルター311は、逆浸透モジュール313の逆浸透膜と高圧ポンプ315とを保護するための安全フィルターである。

逆浸透モジュール313で生産された淡水は、図6乃至図8に示すように、陸地に設置された淡水貯蔵タンク7に貯蔵される。

淡水貯蔵タンク7は、海水淡水化プラント20で生産された淡水を貯蔵する水タンクとして、通常1日生産量以上の淡水を貯蔵する。淡水貯蔵タンク7に貯蔵された淡水は高圧の大型ポンプによって使用場所(都市、村、工場など)へ供給される。

このような海水導入器、二層ろ過フィルター、逆洗浄水貯蔵タンク、汚水処理タンク、化学薬品前処理器、安全フィルター、逆浸透モジュールは公知の技術であるので、本明細書では、その構成及び作動関係に対するさらに詳しい説明は省略する。

図4は、本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントを製造する過程の概略図である。図4に示すように、本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラント1は造船所3で製造される。

造船所3でバージ船10と海水淡水化プラント20がそれぞれ製造された後バージ船10上に海水淡水化プラント20が搭載される。

図5は、本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントを移動させる過程を示す図である。図5に示すように、造船所3でバージ船10上に海水淡水化プラント20が搭載されてなるバージ船搭載式海水淡水化プラント1は、重量物運搬船2(Heavy lift Vessel)に載せられて、引き船2aによって実際の使用場所まで曳かれる。

図6乃至図8は、本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントが実際の使用場所に設置された状態を示す図である。

バージ船10上に海水淡水化プラント20が搭載されてなる本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラント1は、引き船2aによって曳かれて、水不足地域や島地域の海岸に設置されて、稼働される。

図6は、引き船2aによって曳かれたバージ船搭載式海水淡水化プラント1のバージ船10が、水不足地域や島地域の海岸に隣接する海上に浮遊する状態で、錨4を用いて停泊している状態を図示している。錨4は、バージ船10から下されて海底面に打ち込まれることで、バージ船10を停泊させる。

水不足地域や島地域の海岸に隣接する陸地は図面で符号「5」で表示されている。

図7は、引き船2aによって曳かれたバージ船搭載式海水淡水化プラント1のバージ船10が、水不足地域や島地域の海岸に隣接する海上に浮遊する状態で、固定物6を用いて海底面に固定された状態を図示している。固定物6は、バージ船10の底面と海底面の間に設置されて、バージ船10の底面を海底面に支持、固定する支持台である。

図8は、引き船2aによって曳かれたバージ船搭載式海水淡水化プラント1のバージ船10が、水不足地域や島地域の海岸に隣接する陸地に埋め込まれた状態を図示している。図8では、水不足地域や島地域の海岸に隣接する陸地にバージ船埋め込み用穴8を掘って、バージ船搭載式海水淡水化プラント1のバージ船10を埋め込んでいる。

図6乃至図8に示すように、水不足地域や島地域の海岸の陸地には、淡水貯蔵タンク7が設置されており、バージ船搭載式海水淡水化プラント1で生産された淡水は、淡水供給パイプライン9を通して淡水貯蔵タンク7に供給される。また、海水は、海水導入パイプライン11を通して海から海水淡水化プラント1へ導入される。

図9の(a)、(b)は、本発明の第1実施形態、第2実施形態による海水淡水化プラントに、発電プラントがさらに搭載された構成をそれぞれ示す概略図である。本発明の第1実施形態による海水淡水化プラントは、蒸発法を用いて海水を淡水にする蒸発式海水淡水化プラントであり、本発明の第2実施形態による海水淡水化プラントは、逆浸透法を用いて海水を淡水にする逆浸透式海水淡水化プラントである。

図9に示すように、蒸発式海水淡水化プラント20と逆浸透式海水淡水化プラント30とは、それぞれ発電プラント40が共にバージ船に搭載される。

発電プラント40は、陸上の燃料供給元から燃料(石炭、ディーゼル、LNG、LPGなど)を受け入れてこれを燃焼させて電気を生成し、その過程で高温のガス、蒸気などが発生する。

発電プラント40で生産された電気は、蒸発式又は逆浸透式海水淡水化プラント20、30の種々の装備や勤務者の作業・住居空間であるリビングクォーター(living quarter)に供給され、余分な電気は近くの陸上の電気需要先に供給され得る。

また、図9(a)のように、蒸発式海水淡水化プラント20の場合には、発電プラント40で発生する高温のガスや蒸気などを利用することもでき、海水淡水化プラント20で海水を熱交換させて淡水を生産する淡水化設備に熱源を供給するために使用されるか、リビングクォーター(living quarter)に温水を供給するために使用され得る。

また、蒸発式又は逆浸透式海水淡水化プラント20、30で生産された淡水は、発電プラントで高温の蒸気を発生させるための源水として供給されるか、他の様々な用途に使用され得る。

また、前記のような蒸発式海水淡水化プラントと逆浸透式海水淡水化プラントとは、共に、バージ船に搭載されて複合式で使用され得る。この場合、現場の状況により適したプラントを使用して淡水を生産することができ、大容量の淡水を生産することもできる。また前記複合式の海水淡水化プラントに発電プラントを追加して設置すると、前記図9に説明したように電気及び蒸気などを效率的に使用できるようになる。

本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントによれば、バージ船上に海水淡水化プラントが搭載される構成なので、建造した後に海上で移動できるので、水不足地域や島地域の海岸に設置されることによって国内外から石炭及び天然ガスなどの燃料供給源を円滑に確保することができる上、場所と状況に応じて移動しながら使用することができる。また、本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントによれば、従来の陸上固定式海水淡水化プラントにかかる建設用地の購入費用及び基礎工事費用に比べてバージ船の建造にかかる費用の方が少なくて済み、従来の方法に比べて建造時間が短縮される。また、本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントによれば、造船所でバージ船搭載式海水淡水化プラントを完成させて設置場所へ移動するため、現地で建設エンジニアを含む作業人材を確保する負担が減少し、現地の気象条件や作業条件に関係なく建造することができる。また、本発明の実施形態によるバージ船搭載式海水淡水化プラントによれば、海水淡水化プラントを設置しようとする地域の山林が破壊されることを回避することができ、施設周辺を汚染させる憂いが無くなる長所がある。

また、発電プラントを共に上記の海水淡水化プラントに設置すると、発電プラントで生成された電気と蒸気、海水淡水化プラントで生産された淡水などを互いに利用して発電プラント及び海水淡水化プラントの効率を上げることができ、余分な電気を陸上に提供できるという経済的な利点がある。

以上、本発明を特定の実施形態を中心に説明したが、本発明の趣旨及び添付された特許請求の範囲内での様々な変形、変更又は修正が、本発明の属する技術分野ではあり得る。したがって、上述した説明及び図面は本発明の技術思想を限定するものでなく、本発明を例示するものとして解釈されるべきである。

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