鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置

申请号 JP2014000869 申请日 2014-01-07 公开(公告)号 JP5965417B2 公开(公告)日 2016-08-03
申请人 本田技研工業株式会社; 发明人 西田 洋一; 多田 雅志;
摘要
权利要求

車体(B)の後部の左右に固定されるバッグ基体(17)に開閉可能に取付けられるとともに前記バッグ基体(17)とともにサドルバッグ(16)を構成する蓋(18)に複数のストライカ(38,39)が設けられ、それらのストライカ(38,39)に係合して前記蓋(18)の閉鎖位置をロックするロック状態ならびに前記ストライカ(38,39)の係合を解除して前記蓋(18)の開放を可能とするアンロック状態を切替えることを可能とした複数のキャッチ機構(40,41)が前記バッグ基体(17)に設けられ、複数の前記キャッチ機構(40,41)がロック状態からアンロック状態に同調して切替え作動するように手動操作することを可能とした切替え操作手段(42)が、手動操作可能な操作部材(43)を有して前記車体(B)側に設けられる鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置において、 前記サドルバッグ(16)が、側面視で上方に膨らんだ山形の膨出部(44)を上部に有するように形成されて、前記膨出部(44)の裾野部(44a,44b)に配置される複数の前記キャッチ機構(40,41)と、前記切替え操作手段(42)とが各キャッチ機構(40,41)に個別に対応したケーブル(45,46)で結ばれ、 前記切替え操作手段(42)が、2枚の板状の支持板部(48a)を有して前記バッグ基体(17)に固定されるブラケット(48)と、前記キャッチ機構(40,41)を前記ロック状態から前記アンロック状態に切替えるときに上方に引き上げ操作することを可能として前記支持板部(48a)に枢軸(49)を介して支持される前記操作部材としての操作レバー(43)と、複数の前記ケーブル(45,46)に個別に連結されるとともに前記操作レバー(43)の引き上げ操作に応じて車両前後方向に移動するようにして前記支持板部(48a)に支持される複数のロックプレート(50)とを備えるとともに、複数の前記キャッチ機構(40,41)よりも上方かつ側面視で前記膨出部(44)の上部に重なる位置に配置されることを特徴とする鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置。前記キャッチ機構(40,41)が、前記ストライカ(38,39)の係合開始および係合解除を可能とするアンロック位置ならびに前記ストライカ(38,39)の係合解除を不能とするロック位置間での作動を可能としつつ前記アンロック位置側に付勢されるストライカ係合部材(76,93)と、前記ロック位置にある前記ストライカ係合部材(76,93)に係合して該ストライカ係合部材(76,93)を前記ロック位置に規制する規制位置ならびに前記ストライカ係合部材(76,93)との係合を解除する規制解除位置間での作動を可能としつつ前記規制位置側に付勢される規制部材(77,94)とを備え、前記ケーブル(45,46)が、前記操作レバー(43)の引き上げ操作に応じて前記規制部材(77,94)を前記規制解除位置側に牽引するようにして前記規制部材(77,94)に連結されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置。前記ロック位置および前記アンロック位置間の中間位置に在る前記ストライカ係合部材(76,93)に当接して前記規制部材(77,94)が前記規制位置および前記規制解除位置間の中間位置にあるときに非操作位置側に付勢された前記操作レバー(43)に当接して該操作レバー(43)の非操作位置側への回動を阻止する回動阻止部(50a)が前記ロックプレート(50)に設けられることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置。一対の前記ケーブル(45,46)の前記切替え操作手段(42)側の端部に同調用調整機構(66,67)がそれぞれ設けられ、一対の前記キャッチ機構(40,41)の前記ストライカ係合部材(76,93)および前記規制部材(77,94)には、前記ロック位置に在る前記ストライカ係合部材(76,93)に前記規制位置にある前記規制部材(77,94)が係合した状態で相互の位置を定めるための位置決め用マーク(90,91;107,108)がそれぞれ設けられることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置。平板状の操作板部(43a)を有するとともに車両前後方向に沿う前記操作板部(43a)の後部を上方に引き上げて操作することを可能とした前記操作レバー(43)の非操作位置での前記操作板部(43a)の上面が、車体カバー(C)の一部を構成するカバー部材(22)の前上がりに傾斜した上面(22a)に面一に連なって配置され、一対の前記ケーブル(45,46)が、一対の前記ロックプレート(50)の車両前後方向に沿う前部に連結されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置。前記蓋(18)が車幅方向外側に開放することを可能として前記バッグ基体(17)の下部にヒンジ(26)を介して支承され、前記バッグ基体(17)および前記蓋(18)の車両前後方向に沿う前部に、前記車両前後方向に沿う後方側に凹む凹部(27,28)が形成され、乗員が足を置くようにした足置き部(31)が前記凹部(27,28)に配設されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置。車体(B)の後部の左右に固定されるバッグ基体(17)に開閉可能に取付けられるとともに前記バッグ基体(17)とともにサドルバッグ(16)を構成する蓋(18)に複数のストライカ(38,39)が設けられ、それらのストライカ(38,39)に係合して前記蓋(18)の閉鎖位置をロックするロック状態ならびに前記ストライカ(38,39)の係合を解除して前記蓋(18)の開放を可能とするアンロック状態を切替えることを可能とした複数のキャッチ機構(40,41)が前記バッグ基体(17)に設けられ、複数の前記キャッチ機構(40,41)がロック状態からアンロック状態に同調して切替え作動するように手動操作することを可能とした切替え操作手段(42)が、手動操作可能な操作部材(43)を有して前記車体(B)側に設けられる鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置において、 前記サドルバッグ(16)が、側面視で上方に膨らんだ山形の膨出部(44)を上部に有するように形成され、前記膨出部(44)の裾野部(44a,44b)に配置される複数の前記キャッチ機構(40,41)と、前記切替え操作手段(42)とが各キャッチ機構(40,41)に個別に対応したケーブル(45,46)で結ばれ、前記蓋(18)が車幅方向外側に開放することを可能として前記バッグ基体(17)の下部にヒンジ(26)を介して支承され、前記バッグ基体(17)および前記蓋(18)の車両前後方向に沿う前部に、前記車両前後方向に沿う後方側に凹む凹部(27,28)が形成され、乗員が足を置くようにした足置き部(31)が前記凹部(27,28)に配設されることを特徴とする鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置。

说明书全文

本発明は、車体の後部の左右に固定されるバッグ基体に開閉可能に取付けられるとともに前記バッグ基体とともにサドルバッグを構成する蓋に複数のストライカが設けられ、それらのストライカに係合して前記蓋の閉鎖位置をロックするロック状態ならびに前記ストライカの係合を解除して前記蓋の開放を可能とするアンロック状態を切替えることを可能とした複数のキャッチ機構が前記バッグ基体に設けられ、複数の前記キャッチ機構がロック状態からアンロック状態に同調して切替え作動するように手動操作することを可能とした切替え操作手段が、手動操作可能な操作部材を有して前記車体側に設けられる鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置に関する。

サドルバッグに設けられた前後一対のキャッチ機構を同調して作動させるために、剛体である連結ロッドが両キャッチ機構間に設けられるようにしたものが、特許文献1で知られている。

特開2006−281893号公報

ところで、上記特許文献1で開示される連結ロッドは、伝達するによる撓みや変形の影響を抑制して一対のキャッチ機構の動きを同調させるために、ほぼ直線的に延びるように配置される必要がある。このためサドルバッグのデザインに制限が生じるとともにサドルバッグの容量が低下して、商品としての魅力が低下する可能性があった。

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、サドルバッグのデザイン上の自由度および容量の増大を可能として商品としての魅力向上を図った上で、複数のキャッチ機構を同調させ得るようにした鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明は、車体の後部の左右に固定されるバッグ基体に開閉可能に取付けられるとともに前記バッグ基体とともにサドルバッグを構成する蓋に複数のストライカが設けられ、それらのストライカに係合して前記蓋の閉鎖位置をロックするロック状態ならびに前記ストライカの係合を解除して前記蓋の開放を可能とするアンロック状態を切替えることを可能とした複数のキャッチ機構が前記バッグ基体に設けられ、複数の前記キャッチ機構がロック状態からアンロック状態に同調して切替え作動するように手動操作することを可能とした切替え操作手段が、手動操作可能な操作部材を有して前記車体側に設けられる鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置において、前記サドルバッグが、側面視で上方に膨らんだ山形の膨出部を上部に有するように形成され、前記膨出部の裾野部に配置される複数の前記キャッチ機構と、前記切替え操作手段とが各キャッチ機構に個別に対応したケーブルで結ばれ、前記切替え操作手段が、2枚の板状の支持板部を有して前記バッグ基体に固定されるブラケットと、前記キャッチ機構を前記ロック状態から前記アンロック状態に切替えるときに上方に引き上げ操作することを可能として前記支持板部に枢軸を介して支持される前記操作部材としての操作レバーと、複数の前記ケーブルに個別に連結されるとともに前記操作レバーの引き上げ操作に応じて車両前後方向に移動するようにして前記支持板部に支持される複数のロックプレートとを備えるとともに、複数の前記キャッチ機構よりも上方かつ側面視で前記膨出部の上部に重なる位置に配置されることを第1の特徴とする。

本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記キャッチ機構が、前記ストライカの係合開始および係合解除を可能とするアンロック位置ならびに前記ストライカの係合解除を不能とするロック位置間での作動を可能としつつ前記アンロック位置側に付勢されるストライカ係合部材と、前記ロック位置にある前記ストライカ係合部材に係合して該ストライカ係合部材を前記ロック位置に規制する規制位置ならびに前記ストライカ係合部材との係合を解除する規制解除位置間での作動を可能としつつ前記規制位置側に付勢される規制部材とを備え、前記ケーブルが、前記操作レバーの引き上げ操作に応じて前記規制部材を前記規制解除位置側に牽引するようにして前記規制部材に連結されることを第2の特徴とする。

本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記ロック位置および前記アンロック位置間の中間位置に在る前記ストライカ係合部材に当接して前記規制部材が前記規制位置および前記規制解除位置間の中間位置にあるときに非操作位置側に付勢された前記操作レバーに当接して該操作レバーの非操作位置側への回動を阻止する回動阻止部が前記ロックプレートに設けられることを第3の特徴とする。

本発明は、第3の特徴の構成に加えて、一対の前記ケーブルの前記切替え操作手段側の端部に同調用調整機構がそれぞれ設けられ、一対の前記キャッチ機構の前記ストライカ係合部材および前記規制部材には、前記ロック位置に在る前記ストライカ係合部材に前記規制位置にある前記規制部材が係合した状態で相互の位置を定めるための位置決め用マークがそれぞれ設けられることを第4の特徴とする。

本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、平板状の操作板部を有するとともに車両前後方向に沿う前記操作板部の後部を上方に引き上げて操作することを可能とした前記操作レバーの非操作位置での前記操作板部の上面が、車体カバーの一部を構成するカバー部材の前上がりに傾斜した上面に面一に連なって配置され、一対の前記ケーブルが、一対の前記ロックプレートの車両前後方向に沿う前部に連結されることを第5の特徴とする。

さらに本発明は、第1〜第5の特徴の構成のいずれかに加えて、前記蓋が車幅方向外側に開放することを可能として前記バッグ基体の下部にヒンジを介して支承され、前記バッグ基体および前記蓋の車両前後方向に沿う前部に、前記車両前後方向に沿う後方側に凹む凹部が形成され、乗員が足を置くようにした足置き部が前記凹部に配設されることを第6の特徴とする。

さらにまた本発明は、車体の後部の左右に固定されるバッグ基体に開閉可能に取付けられるとともに前記バッグ基体とともにサドルバッグを構成する蓋に複数のストライカが設けられ、それらのストライカに係合して前記蓋の閉鎖位置をロックするロック状態ならびに前記ストライカの係合を解除して前記蓋の開放を可能とするアンロック状態を切替えることを可能とした複数のキャッチ機構が前記バッグ基体に設けられ、複数の前記キャッチ機構がロック状態からアンロック状態に同調して切替え作動するように手動操作することを可能とした切替え操作手段が、手動操作可能な操作部材を有して前記車体側に設けられる鞍乗り型車両のサドルバッグロック装置において、前記サドルバッグが、側面視で上方に膨らんだ山形の膨出部を上部に有するように形成され、前記膨出部の裾野部に配置される複数の前記キャッチ機構と、前記切替え操作手段とが各キャッチ機構に個別に対応したケーブルで結ばれ、前記蓋が車幅方向外側に開放することを可能として前記バッグ基体の下部にヒンジを介して支承され、前記バッグ基体および前記蓋の車両前後方向に沿う前部に、前記車両前後方向に沿う後方側に凹む凹部が形成され、乗員が足を置くようにした足置き部が前記凹部に配設されることを第7の特徴とする。

本発明の第1の特徴によれば、サドルバッグが側面視で上方に膨らんだ山形の膨出部を上部に有しており、鞍乗り型車両の後部形状に沿わせたサドルバッグ形状を実現可能としてサドルバッグのデザイン上の自由度を増大することができる。しかもこのような山形の形状のサドルバッグで蓋の閉鎖状態を効率的に支持するためにはキャッチ機構が膨出部の裾野部に配置されることが望ましく、その場合、従来のように剛体の連結ロッドを用いるとデッドスペースが生じて容量増大にはつながらないが、切替え操作手段が各キャッチ機構に個別に対応したケーブルで複数のキャッチ機構に連結されるので、デッドスペースを極力少なくして膨出部による容量増大を効果的に活かすことができる。すなわちサドルバッグのデザイン上の自由度を増大するともに、容量の増大を可能として商品としての魅力向上を図ることができる。

た、操作部材としての操作レバーを上方に引き上げ操作するのに応じて車両前後方向に移動するロックプレートにケーブルが連結されるので、サドルバッグの上方からの操作による上下方向の力を車両前後方向に変換してケーブルを牽引し、それによって複数のキャッチ機構を同調して動かすようにして、操作性を確保することができる。

本発明の第2の特徴によれば、キャッチ機構が、ストライカを係合させ得るストライカ係合部材と、そのストライカ係合部材に、ストライカの係合解除を不能とするロック位置で係合する規制部材とを備え、ケーブルが、操作レバーの引き上げ操作に応じてストライカ係合部材との係合を解除する側に規制部材を牽引するようにして規制部材に連結されるので、キャッチ機構をロック状態からアンロック状態とする力をケーブルで効果的にキャッチ機構に伝達することができる。

本発明の第3の特徴によれば、ストライカ係合部材がロック位置およびアンロック位置間の中間位置に在る状態、すなわちキャッチ機構が完全なロック状態となっていない状態で該ストライカ係合部材に規制部材が当接しているときに、非操作位置側に付勢された操作レバーはロックプレートに設けられた回動阻止部に当接して非操作位置側への回動が阻止されるので、センサ等を用いることなく、キャッチ機構が完全なロック状態となっていないことを操作レバーが非操作位置に戻らないことで容易に確認することができ、コストの低減を図ることができる。

本発明の第4の特徴によれば、切替え操作手段側のケーブルの端部に設けられる同調調整機構と、一対のキャッチ機構のストライカ係合部材および規制部材にそれぞれ設けられる位置決め用マークとを用いて、一対のキャッチ機構および操作レバー間の同調調整を容易に行うことができる。

本発明の第5の特徴によれば、操作レバーが有する平板状の操作板部の上面が、操作レバーの非操作位置ではカバー部材の前上がりに傾斜した上面に面一に連なるので、優れた外観性を得ることができるとともに、車両前後方向に沿う操作板部の後部を上方に引き上げて操作することができるので操作性も高めることができる。

さらに本発明の第6,第7の特徴によれば、蓋が車幅方向外側に開放することを可能としてバッグ基体の下部にヒンジを介して支承され、バッグ基体および蓋の車両前後方向に沿う前部に設けられる凹部に乗員の足置き部が配設されるので、蓋の開放を容易としつつ、蓋が閉鎖状態にあっても乗員の足置き部を確保することができる。

自動二輪車をその一部が省略された状態で示す側面図である。

図1の2矢視図である。

図2の3−3線に沿う断面図である。

車体の一部およびサドルバッグを図2の4矢視方向から見た一部切欠き断面図図である。

切替え操作手段および一対のキャッチ機構の構成を示す斜視図である。

切替え操作手段を図5の6矢視方向から見た斜視図である。

切替え操作手段を図5の7矢視方向から見た図である。

図7の8−8線断面図である。

切替え操作手段の操作状態での図8に対応した断面図である。

前部キャッチ機構を図5の10矢視方向から見てロック状態(A)およびアンロック状態(B)で対比して示す側面図である。

後部キャッチ機構を図5の11矢視方向から見てロック状態(A)およびアンロック状態(B)で対比して示す側面図である。

切替え操作手段のレバーロック状態での図9に対応した断面図である。

本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお以下の説明で、上下、前後および左右は、自動二輪車に乗車した乗員から見た方向を言うものとする。

先ず図1および図2において、鞍乗り型車両である自動二輪車の車体Bの後部の左右両側には、乗員が乗車する乗車用シート15の後方に位置するようにしてサドルバッグ16,16がそれぞれ設けられており、これらのサドルバッグ16,16は、車体Bに固定されるバッグ基体17と、該バッグ基体17に開閉可能に取付けられる蓋18とでそれぞれ構成される。

図3および図4を併せて参照して、前記車体Bは、車体フレームFと、該車体フレームFを覆う合成樹脂製の車体カバーCとで構成されるものであり、前記車体カバーCは、前記車体フレームFの後部を上方から覆うようにして前記乗車用シート15の後方に配置されるリヤカバー21と、前記乗車用シート15の左右両側から前記リヤカバー21の左右両側にかけて配置される左右一対の上部サイドカバー22,22とを備え、前記サドルバッグ16,16は前記上部サイドカバー22,22の外側方に配置される。

左右のサドルバッグ16,16は、左右対称に構成されており、基本的には同一の構成を有するものであるので、以下には右側のサドルバッグ16に関連した構成についてのみ説明し、左側のサドルバッグ16については説明を省略する。

前記車体フレームFがその後部に備えて車幅方向に延びる前後一対のクロスメンバー23,23の外端部には、金属製パイプから成るバッグ支持枠24が締結されており、前記バッグ基体17の車幅方向内方側の内面の複数箇所が前記バッグ支持枠24にボルト25でそれぞれ締結され、前記バッグ基体17は、前記バッグ支持枠24を介して前記車体フレームFの後部に支持されることになる。

前記蓋18は、インナーリッド19に、該インナーリッド19を外側から覆う化粧カバー20が取付けられて成り、閉じた状態では車幅方向外側に膨らむようにした椀状に形成される。この蓋18は、車幅方向外側に開放することを可能として前記バッグ基体17の下部の前後に間隔をあけた2箇所にヒンジ26,26を介して支承される。

前記バッグ基体17の前部には後方側に凹む凹部27が形成され、その凹部27の2箇所に配置される開口部29,30が前記バッグ基体17に設けられる。また前記蓋18にも、前記バッグ基体17の前記凹部27に対応した凹部28が後方側に凹んで形成されており、前記乗車用シート15に座った乗員が足を載せるための足置き部31が前記凹部27,28に配設される。前記足き部31は、合成樹脂製の足き部形成部材32で形成されており、この足置き部形成部材32は、前記バッグ基体17の前記凹部27の2箇所の開口部29,30で前記バッグ支持枠24に締結される。

ところで前記サドルバッグ16は,その閉鎖状態では車幅方向外方に膨らんだ形状を有するものであり、このサドルバッグ16および前記車体カバーCを滑らかに結んで外観性を良好とするために、前記足置き部31から前方に延びる前部延長カバー33が前記バッグ基体17の前部に取付けられ、前記サドルバッグ16にその後方から滑らかに連なる後部延長カバー34が前記上部サイドカバー22の後部側方に配置され、この後部延長カバー34は、前記バッグ基体17に取付けられる支持板35で支持される。

図5を併せて参照して、前記蓋18には、略U字状である複数のストライカ38,39が設けられるものであり、この実施の形態では、前記蓋18のインナーリッド19における前部に前部ストライカ38が固定され、前記蓋18の前記インナーリッド19における後部に後部ストライカ39が固定される。一方、前記バッグ基体17には、複数のキャッチ機構40,41が設けられるものであり、この実施の形態では、前記前部ストライカ38に係合して前記蓋18の閉鎖位置をロックするロック状態ならびに前記前部ストライカ38の係合を解除するアンロック状態を切替えることを可能とした前部キャッチ機構40と、前記後部ストライカ39に係合して前記蓋18の閉鎖位置をロックするロック状態ならびに前記後部ストライカ39の係合解除を許容するアンロック状態を切替えることを可能とした後部キャッチ機構41とが、それらのキャッチ機構40,41のアンロック状態で前記蓋18を開放することを可能として前記バッグ基体17に設けられる。

また前記前部キャッチ機構40および前記後部キャッチ機構41がロック状態からアンロック状態に同調して切替え作動するように手動操作することを可能とした切替え操作手段42が、手動操作可能な操作部材である操作レバー43を有して前記車体B側に設けられており、この実施の形態では、前記車体Bに固定される前記バッグ基体17に前記切替え操作手段42が設けられる。

ところで前記サドルバッグ16は、側面視で上方に膨らんだ山形の膨出部44を上部に有するように形成されており、その膨出部44の前方側の裾野部44aに前記前部キャッチ機構40が配置され、前記膨出部44の後方側の裾野部44bに前記後部キャッチ機構41が配置される。また前記切替え操作手段42は、前記前部キャッチ機構40および前記後部キャッチ機構41よりも上方かつ側面視で前記膨出部44の上部に重なる位置に配置される。しかも前記前部キャッチ機構40および前記後部キャッチ機構41と、前記切替え操作手段42とは、各キャッチ機構40,41に個別に対応したケーブル45,46で結ばれる。

図6〜図8を併せて参照して、前記切替え操作手段42は、2枚の板状の支持板部48a,48aを有して前記バッグ基体17に固定されるブラケット48と、前記前部キャッチ機構40および前記後部キャッチ機構41を前記ロック状態から前記アンロック状態に切替えるときに上方に引き上げ操作することを可能として前記支持板部48a,48aに枢軸49を介して支持される前記操作レバー43と、前記前部キャッチ機構40および前記後部キャッチ機構41に個別に対応した前記ケーブル45,46に個別に連結されるとともに前記操作レバー43の引き上げ操作に応じて前後方向(この実施の形態では後方)に移動するようにして前記支持板部48a,48aに支持される一対のロックプレート50,50とを備える。

前記バッグ基体17の車幅方向に沿う内面には支持ステー51が締結されており、この支持ステー51上に前記ブラケット48が固着される。前記操作レバー43は、平板状の操作板部43aと、その操作板部43aの車幅方向両側に連設される一対の側板部43b,43bとを一体に有するように形成されており、一対の前記側板部43b,43bが前記枢軸49を介して前記ブラケット48の前記支持板部48a,48aに支承される。

ところで前記操作レバー43は、図9で示すように、前記操作板部43aの後部を上方に引き上げて操作した操作位置と、車体カバーCの一部を構成するカバー部材としての前記上部サイドカバーカバー22の前上がりに傾斜した上面22aに前記操作板部43aの上面を面一に連ならせる非操作位置(図8で示す位置)との間で回動可能であり、前記上部サイドカバー22の前上がりに傾斜した上面22aには前記操作板部43aの前記後部を掴むための操作凹部52(図8参照)が形成される。

また前記ブラケット48の前記支持板部43b,43bと、前記操作レバー43の側板部43b,43bとの間には、前記枢軸49を囲繞するねじりばねである戻しばね47,47が設けられており、前記操作レバー43は前記戻しばね47,47が発揮するばね力で前記非操作位置側に向けてばね付勢される。

前記操作レバー43の前記操作板部43aには、該操作板部43aの上面中央部にキー孔53を開口させるようにしてシリンダ錠54のシリンダボディ55が取付けられており、正規のメカニカルキーを前記キー孔53に挿入して回動操作するのに応じて回動するロータ56が前記シリンダボディ55に回動可能に挿入され、このロータ55の前記シリンダボディ44からの突出部に設けられた係合突部57をシリンダ錠54の非操作状態で係合させる係止突部48bが前記ブラケット48に設けられ、シリンダ錠54の解錠操作に応じて前記係合突部57の前記係止突部48bへの係合状態が解除されることで前記操作レバー43を前記非操作位置から前記操作位置側に回動操作することが可能となる。

一対の前記ロックプレート50,50は前後方向に延びるようにして前記ブラケット48における前記支持板部48a,48aおよび前記操作レバー43の前記側板部43a,43a間に配置される。これらのロックプレート50,50には、前記操作レバー43が、該操作レバー43における前記側板部43a,43aの内方に配置されて前後方向に延びる一対の連結ロッド58,58を介してそれぞれ連結される。

前記連結ロッド58,58の前端部は、前記操作レバー43における前記側板部43a,43aの前部に、両連結ロッド58,58に共通な単一の第1連結ピン59を介して連結される。また前記連結ロッド58,58の後端部には、個別に第2連結ピン60,60が設けられており、これらの第2連結ピン60,60は、前記ロックプレート50,50の後部に形成されて前後方向に長く形成された長孔状の連結孔61,61に挿入され、前記操作レバー43が非操作位置にある状態で第2連結ピン60,60が前記連結孔61,61の後端位置にあるように設定される。

このような前記操作レバー43および前記ロックプレート50,50の連結構造によって、前記操作レバー43を前記操作板部43aの後部を上方に引き上げるようにして操作すると、前記連結ロッド58,58の第2連結ピン60,60で押されることによって前記ロックプレート50,50が後方に移動することになる。

前記ケーブル45,46は、アウターケーブル62,63内にインナーケーブル64,65が移動可能に挿通されて成るものであり、これらのケーブル45,46は、前記切替え操作手段42が備える一対のロックプレート50,50の前部に連結される。すなわち前記操作レバー43の操作によって前記ロックプレート50,50が後方に移動することで前記ケーブル45,46は牽引されることになる。

前記ブラケット48の前部には、前記アウターケーブル62,63の一端部を支持するケーブル支持部48c,48dが一体に設けられており、前記アウターケーブル62,63の一端部およびケーブル支持部48c,48d間には、同調用調整機構66,67が設けられる。

同調用調整機構67は、前記アウターケーブル63の一端部に設けられて前記ケーブル支持部48dを貫通するねじ軸部63aと、前記ケーブル支持部48dの両側から前記ねじ軸部63aに螺合する一対のナット68,69とを備えるものであり、前記アウターケーブル63の一端部の前記ケーブル支持部48dへの支持位置を調整することができる。また同調用調整機構66も、上記同調用調整機構67と同様に構成されており、前記アウターケーブル62の一端部の前記ケーブル支持部48cへの支持位置を調整することができる。

前記ロックプレート50の前部には、前後方向に長いガイド孔70が設けられており、前記ブラケット48の支持板部48aには、前記ロックプレート50を嵌合させる環状溝71を外周に有して前記連結孔61に挿入される第1ガイド部72と、前記ロックプレート50を嵌合させる環状溝73を外周に有して前記ガイド孔70に挿入される第2ガイド部74とが設けられており、前記ロックプレート50の前後方向移動は第1および第2ガイド部72,74でガイドされる。

図10を併せて参照して、前記前部キャッチ機構40は、前部ストライカ38の係合開始および係合解除を可能とするアンロック位置ならびに前記前部ストライカ38の係合解除を不能とするロック位置間での作動を可能としつつ前記アンロック位置側に付勢されるストライカ係合部材76と、前記ロック位置にある前記ストライカ係合部材76に係合して該ストライカ係合部材76を前記ロック位置に規制する規制位置ならびに前記ストライカ係合部材76との係合を解除する規制解除位置間での作動を可能としつつ前記規制位置側に付勢される規制部材77とを備えて、前記バッグ基体17の車幅方向内面に設けられるものであり、前記前部ストライカ38を前記前部キャッチ機構40側に挿入するための挿入孔78(図3参照) が前記バッグ基体17に設けられる。

前記前部キャッチ機構40は、前記バッグ基体17に固定される前部キャッチ機構用ブラケット79上に設けられており、前記ストライカ係合部材76は、図10(B)で示すアンロック位置にある状態で前記前部ストライカ38に係合するとともに、前記前部ストライカ38で押されて図10(A)で示すロック位置まで回動するようにして、前記前部キャッチ機構用ブラケット79に設けられる第1支軸80で回動可能に支承されており、第1支軸80を囲繞して前記前部キャッチ機構用ブラケット79および前記ストライカ係合部材76間に設けられる第1ねじりばね81で前記アンロック位置側に向けてばね付勢される。

このストライカ係合部材76の外周には、前記アンロック位置にあるときに前記前部ストライカ38を受け入れるようにして該前部ストライカ38を係合可能な係合凹部82と、該係合凹部82に挿入される前記前部ストライカ38で押されることを可能として前記係合凹部82に周方向で隣接して外側方に突出する嵌合突部83と、第1支軸80に関して前記係合凹部82と反対側で外側方に規制突部84とが設けられており、前記規制突部84は、前記アンロック位置で前記前部キャッチ機構用ブラケット79に設けられるストッパ79aに当接し、ストライカ係合部材76をアンロック位置に保持する。また前記嵌合突部83の外周面は第1支軸80の軸線を中心とした仮想円に沿う円弧状に形成される。

前記規制部材77の一端部は、第1支軸80と平行な軸線を有して前記前部キャッチ機構用ブラケット79に設けられる第2支軸85で、図10(A)で示す前記規制位置ならびに図10(B)で示す前記規制解除位置間で回動可能に支承されており、第2支軸85を囲繞して前記前部キャッチ機構用ブラケット79および前記規制部材77間に設けられる第2ねじりばね86で前記規制位置側に向けてばね付勢され、前記ケーブル45が、前記操作レバー43の引き上げ操作に応じて前記規制部材77を前記規制解除位置側に牽引するようにして前記規制部材77の他端部に連結される。

この規制部材77の前記ストライカ係合部材76側に臨む面には、その規制解除位置で前記ストライカ係合部材76における前記嵌合突部83の円弧状の外端部に当接する円弧状の当接面87と、前記規制位置で前記ストライカ係合部材76における前記嵌合突部83を嵌合させるようにして前記当接面87に隣接した嵌合凹部88とが形成され、その規制解除位置で前記ストライカ係合部材76がそのアンロック位置からロック位置に回動すると、前記ケーブル45からの牽引力が作用していない状態で前記規制部材77が規制解除位置から規制位置に回動し、前記嵌合突部83が前記嵌合凹部88に嵌合することで前記ストライカ規制部材77のロック状態が保持されることになる。

また規制部材77の前記ストライカ係合部材76とは反対側に臨む面には規制突部89が突設されており、この規制突部89は、前記前部キャッチ機構用ブラケット79に設けられるストッパ79bに当接することで規制位置側への規制部材77の回動端を規制する。

また前記ロック位置に在る前記ストライカ係合部材76に前記規制位置にある前記規制部材77が係合した状態で相互の位置を定めるために前記ストライカ係合部材93の嵌合突部83に直線状の位置決め用マーク90が設けられ、前記規制部材77にはその規制位置で前記位置決め用マーク90に連なる直線状の位置決め用マーク91が設けられる。

図11を併せて参照して、前記後部キャッチ機構41は、前記後部ストライカ39の係合開始および係合解除を可能とするアンロック位置ならびに前記後部ストライカ39の係合解除を不能とするロック位置間での作動を可能としつつ前記アンロック位置側に付勢されるストライカ係合部材93と、前記ロック位置にある前記ストライカ係合部材93に係合して該ストライカ係合部材93を前記ロック位置に規制する規制位置ならびに前記ストライカ係合部材93との係合を解除する規制解除位置間での作動を可能としつつ前記規制位置側に付勢される規制部材94とを備えて、前記バッグ基体17の車幅方向内面に設けられるものであり、前記後部ストライカ39を前記後部キャッチ機構41側に挿入するための挿入孔95(図3参照) が前記バッグ基体17に設けられる。

前記後部キャッチ機構41は、前記バッグ基体17に固定される後部キャッチ機構用ブラケット96上に設けられており、前記ストライカ係合部材93は、図11(B)で示すアンロック位置にある状態で前記後部ストライカ39に係合するとともに、前記後部ストライカ39で押されて図11(A)で示すロック位置まで回動するようにして、前記後部キャッチ機構用ブラケット96に設けられる第3支軸97で回動可能に支承されており、第3支軸97を囲繞して前記後部キャッチ機構用ブラケット96および前記ストライカ係合部材93間に設けられる第3ねじりばね98で前記アンロック位置側に向けてばね付勢される。

このストライカ係合部材93の外周には、前記アンロック位置にあるときに前記後部ストライカ39を受け入れるようにして該後部ストライカ39を係合可能な係合凹部99と、該係合凹部99に挿入される前記後部ストライカ39で押されることを可能として前記係合凹部99に周方向で隣接して外側方に突出する嵌合突部100と、第3支軸97に関して前記係合凹部99と反対側で外側方に規制突部101とが設けられており、前記規制突部101は、前記アンロック位置で前記後部キャッチ機構用ブラケット96に設けられるストッパ96aに当接し、ストライカ係合部材93をアンロック位置に保持する。また前記嵌合突部100の外周面は第3支軸97の軸線を中心とした仮想円に沿う円弧状に形成される。

前記規制部材94の一端部は、第3支軸97と平行な軸線を有して前記後部キャッチ機構用ブラケット96に設けられる第4支軸102で、図11(A)で示す前記規制位置ならびに図11(B)で示す前記規制解除位置間で回動可能に支承されており、第4支軸102を囲繞して前記後部キャッチ機構用ブラケット96および前記規制部材94間に設けられる第4ねじりばね103で前記規制位置側に向けてばね付勢され、前記ケーブル46が、前記操作レバー43の引き上げ操作に応じて前記規制部材94を前記規制解除位置側に牽引するようにして前記規制部材94の他端部に連結される。

この規制部材94の前記ストライカ係合部材93側に臨む面には、その規制解除位置で前記ストライカ係合部材93における前記嵌合突部100の円弧状の外端部に当接する円弧状の当接面104と、前記規制位置で前記ストライカ係合部材93における前記嵌合突部100を嵌合させるようにして前記当接面104に隣接した嵌合凹部105とが形成され、その規制解除位置で前記ストライカ係合部材93がそのアンロック位置からロック位置に回動すると、前記ケーブル46からの牽引力が作用していない状態で前記規制部材94が規制解除位置から規制位置に回動し、前記嵌合突部100が前記嵌合凹部105に嵌合することで前記ストライカ規制部材94のロック状態が保持されることになる。

また規制部材94の前記ストライカ係合部材93とは反対側に臨む面には規制突部106が突設されており、この規制突部106は、前記後部キャッチ機構用ブラケット96に設けられるストッパ96bに当接することで規制位置側への規制部材94の回動端を規制する。

また前記ロック位置に在る前記ストライカ係合部材93に前記規制位置にある前記規制部材94が係合した状態で相互の位置を定めるために前記ストライカ係合部材93の嵌合突部100に直線状の位置決め用マーク107が設けられ、前記規制部材94にはその規制位置で前記位置決め用マーク107に連なる直線状の位置決め用マーク108が設けられる。

ところで前記切替え操作手段42における一対のロックプレート50,50には、前記ロック位置および前記アンロック位置間の中間位置に在る前記ストライカ係合部材76,93に当接して前記規制部材77,94が前記規制位置および前記規制解除位置間の中間位置にあるときに非操作位置側に付勢された前記操作レバー43に当接して該操作レバー43の非操作位置側への回動を阻止する回動阻止部50a,50aが設けられる。

すなわち前記規制部材77,94の少なくとも一方が、前記規制位置および前記規制解除位置間の中間位置にあるときには、図12で示すように、前記ロックプレート50は、操作レバー43が非操作位置にあるときの位置まで前進することはなく、この状態で前記ロックプレート50の前記回動阻止部50aに操作位置側から当接する当接部43cが前記操作レバー43における側板部43b,43bにそれぞれ設けられており、前記当接部43cは、前記規制部材77,94が前記規制位置にあって前記ロックプレート50,50が操作レバー43の非操作位置に対応した位置まで前進した状態では前記回動阻止部50aに当接することはなく、前記操作レバー43の前記非操作位置側への回動が許容される。

しかも前記ロックプレート50,50は、個別の前記ケーブル45,46を介して前部キャッチ機構40および後部キャッチ機構41に連結されており、前部キャッチ機構40および後部キャッチ機構41の作動状態に応じて個別に移動し得るので、前部キャッチ機構40および後部キャッチ機構41の少なくとも一方でロック状態が不完全であるときに前記操作レバー43の非操作位置側への回動が阻止されることになる。

次にこの実施の形態の作用について説明すると、サドルバッグ16が、側面視で上方に膨らんだ山形の膨出部44を上部に有するように形成され、その膨出部44の裾野部44a,44bに配置される前部および後部キャッチ機構40,41と、切替え操作手段42とが、各キャッチ機構40,41に個別に対応したケーブル45,46で結ばれるので、自動二輪車の後部形状に沿わせたサドルバッグ形状を実現可能としてサドルバッグ16のデザイン上の自由度を増大することができる。しかもこのような山形の形状のサドルバッグ16で蓋18の閉鎖状態を効率的に支持するためには前部および後部キャッチ機構40,41が膨出部44の裾野部44a,44bに配置されることが望ましく、その場合、従来のように剛体の連結ロッドを用いるとデッドスペースが生じて容量増大にはつながらないが、切替え操作手段42が各キャッチ機構40,42に個別に対応したケーブル45,46で前部および後部キャッチ機構40,41に連結されることによってデッドスペースを極力少なくして膨出部による容量増大を効果的に活かすことができる。すなわちサドルバッグ16のデザイン上の自由度を増大するともに、容量の増大を可能として商品としての魅力向上を図ることができる。

また切替え操作手段42が、2枚の板状の支持板部48aを有してバッグ基体17に固定されるブラケット48と、前部および後部キャッチ機構40,41をロック状態からアンロック状態に切替えるときに上方に引き上げ操作することを可能として前記支持板部48aに枢軸49を介して支持される操作レバー43と、前記ケーブル45,46に個別に連結されるとともに前記操作レバー43の引き上げ操作に応じて車両前後方向に移動するようにして前記支持板部48aに支持される複数のロックプレート50とを備えるとともに、前部および後部キャッチ機構40,41よりも上方かつ側面視で前記膨出部44の上部に重なる位置に配置されるので、サドルバッグ16の上方からの操作による上下方向の力を車両前後方向に変換してケーブル45,46を牽引し、それによって前部および後部キャッチ機構40,41を同調して動かすようにして操作性を確保することができる。

また前部および後部キャッチ機構40,41が、前部および後部ストライカ38,39の係合開始および係合解除を可能とするアンロック位置ならびに前記前部および後部ストライカ38,39の係合解除を不能とするロック位置間での作動を可能としつつ前記アンロック位置側に付勢されるストライカ係合部材76,93と、前記ロック位置にある前記ストライカ係合部材76,93に係合して該ストライカ係合部材76,93を前記ロック位置に規制する規制位置ならびに前記ストライカ係合部材76,93との係合を解除する規制解除位置間での作動を可能としつつ前記規制位置側に付勢される規制部材77,94とを備え、前記ケーブル45,46が、前記操作レバー43の引き上げ操作に応じて前記規制部材77,94を前記規制解除位置側に牽引するようにして前記規制部材77,94に連結されるので、前部および後部キャッチ機構40,41をロック状態からアンロック状態とする力を前記ケーブル45,46で効果的に前部および後部キャッチ機構40,41に伝達することができる。

また前記ロック位置および前記アンロック位置間の中間位置に在る前記ストライカ係合部材76,93に当接して前記規制部材77,94が前記規制位置および前記規制解除位置間の中間位置にあるときに非操作位置側に付勢された前記操作レバー43に当接して該操作レバー43の非操作位置側への回動を阻止する回動阻止部50aが前記ロックプレート50に設けられるので、センサ等を用いることなく、前部および後部キャッチ機構40,41が完全なロック状態となっていないことを操作レバー43が非操作位置に戻らないことで容易に確認することができ、コストの低減を図ることができる。

また一対の前記ケーブル45,46の前記切替え操作手段42側の端部に同調用調整機構66,67がそれぞれ設けられ、前部および後部キャッチ機構40,41の前記ストライカ係合部材76,93および前記規制部材77,94には、前記ロック位置に在る前記ストライカ係合部材76,93に前記規制位置にある前記規制部材77,94が係合した状態で相互の位置を定めるための位置決め用マーク90,91;107,108がそれぞれ設けられるので、同調調整機構66,67と、位置決め用マーク90,91;107,108とを用いて、前部および後部キャッチ機構40,41と、操作レバー43間の同調調整を容易に行うことができる。

また平板状の操作板部43aを有するとともに操作板部43aの後部を上方に引き上げて操作することを可能とした前記操作レバー43の非操作位置での前記操作板部43aの上面が、車体カバーCの一部を構成する上部サイドカバー22の前上がりに傾斜した上面22aに面一に連なって配置され、一対の前記ケーブル45,46が、一対の前記ロックプレート50の前部に連結されるので、優れた外観性を得ることができるとともに、操作板部43aの後部を上方に引き上げて操作することができるので操作性も高めることができる。

さらに蓋18が車幅方向外側に開放することを可能としてバッグ基体17の下部にヒンジ26を介して支承され、バッグ基体17および蓋18の前部に、後方側に凹む凹部27,28が形成され、乗員が足を置くようにした足置き部31が前記凹部27,28に配設されるので、蓋18の開放を容易としつつ、蓋18が閉鎖状態にあっても乗員の足置き部31を確保することができる。

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。

16・・・サドルバッグ 17・・・バッグ基体 18・・・蓋 22・・・カバー部材である上部サイドカバー 26・・・ヒンジ 27,28・・・凹部 31・・・足置き部 38,39・・・ストライカ 40,41・・・キャッチ機構 42・・・切替え操作手段 43・・・操作部材である操作レバー 43a・・・操作板部 44・・・膨出部 44a,44b・・・裾野部 45,46・・・ケーブル 48・・・ブラケット 48a・・・支持板部 49・・・枢軸 50・・・ロックプレート 50a・・・回動阻止部 66,67・・・同調用調整機構 76,93・・・ストライカ係合部材 77,94・・・規制部材 90,91,107,108・・・位置決め用マーク B・・・車体 C・・・車体カバー

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