折りたたみ二輪車

申请号 JP2015548105 申请日 2015-09-14 公开(公告)号 JP6195136B2 公开(公告)日 2017-09-13
申请人 有限会社 デザイン・アンリミテッド; 发明人 馬場 和久;
摘要
权利要求

前輪、後輪、サドル、ハンドル及びこれらを支持する本体フレームを備えた折りたたみ二輪車であって、 前記本体フレームは、前記前輪、後輪、サドル及びハンドルを収納可能な収納空間を内部に有する薄い箱型の一体フレームとして形成されるとともに、前記後輪を取り付ける左右一対の取付部材を備え、当該取付部材はそれぞれ左右方向に貫通する貫通孔を有しており、 前記貫通孔は略上下方向に延びる長孔であり、 前記後輪の車軸は、第1取付位置と第2取付位置との間で前記長孔内をスライド可能とされ、 前記後輪は、前記車軸が前記第1取付位置に取り付けられると前記本体フレームから突出し、前記車軸が前記第2取付位置に取り付けられると前記本体フレーム内に収納される、折りたたみ二輪車。前記長孔の下端側が前方に向かって折れ曲がって形成されており、前記長孔の下端側の前方端が前記第1取付位置である、請求項1記載の折りたたみ二輪車。前記本体フレームは、上フレーム、下フレーム、前フレーム及び後フレームを備えるとともに、前記上フレーム、前記下フレーム、前記前フレーム、前記後フレームの各交点を結ぶ左右一対のX字形状の補強フレームを備え、前記取付部材は前記一対の補強フレームの後方位置にそれぞれ設けられる、請求項1又は請求項2に記載の折りたたみ二輪車。前記サドルは左側部と右側部を備え、当該左側部と右側部とはそれぞれ折りたたみ可能に構成されており、前記左側部と右側部の座面を前記本体フレームの側面と略平行にすることで、前記本体フレーム内に収納可能とされる、請求項1〜請求項3の何れかに記載の折りたたみ二輪車。前記ハンドル及び前記前輪がフロントフォークを介して前記前フレームに取り付けられ、 前記フロントフォークは、前記ハンドルが接続されるステアリングコラムと、前記前輪を支持するブレードと、これらを連結する連結部材とを備え、前記ステアリングコラム及び前記ブレードと前記連結部材とがそれぞれ相対回転可能に連結されており、 前記前輪は、前記ステアリングコラムに対して前記連結部材を回転させるとともに、前記連結部材に対して前記ブレードを回転させることで、前記本体フレーム内に収納可能とされる、請求項1〜請求項4の何れかに記載の折りたたみ二輪車。前記本体フレームの上部には前記サドル及び前記ハンドルを出し入れ可能な第1の開口が設けられ、前記本体フレームの下部には前記前輪及び後輪を出し入れ可能な第2の開口が設けられており、 前記折りたたみ自転車は、前記本体フレームを覆う着脱可能なカバー部材をさらに備え、 当該カバー部材は、前記本体フレームに取り付けるための取付口を下方に有するとともに、前記第1の開口に対応する位置に上部開口を有しており、 前記カバー部材を取り付けた状態で運転可能とされる、請求項1〜請求項5の何れかに記載の折りたたみ二輪車。前記本体フレームは、左右方向の幅が120mm以下である、請求項1〜請求項6の何れかに記載の折りたたみ二輪車。

说明书全文

本発明は、折りたたみ二輪車、特に、折りたたみ時に車輪、サドル、ハンドル等をフレームの内部に収納することの可能な保管収納性の高い折りたたみ二輪車に関するものである。

近年、環境負荷が少ない交通手段である自転車の利用が年々拡大している。中でも、持ち運びや収納のため折りたたんでコンパクトにすることのできる、様々な機構を持った折りたたみ自転車が多数開発されている。

折りたたみ自転車の多くは、フレームが中間部分で分割され、その部分で二つ折りにするタイプである(例えば、特許文献1参照)。このものは、折りたたんだ時(収納時)に自転車の前後方向の長さを短くすることが可能となっている。一方、特許文献2に記載のものは、車輪を車軸と平行な軸回りに回転させることで、車輪を対向する2枚の側面パネルの間に収納する構成となっており、折りたたんだ時にハンドル、車輪及びサドルをフレーム内に収納することができるようになっている。なお、自転車に限らず、折りたたむことの可能な電動二輪車も開発されている。

特開平8−290791号公報

特表2002−504461号公報

しかしながら、特許文献1のような構成では、2つの車輪、すなわち前輪及び後輪を重ねるため、幅方向の寸法が大きくなってしまううえ、収納時でもハンドルやサドル、車輪等が突起となるため、必ずしも持ち運びや収納がしやすいものとは言えなかった。また、突起があることで保管の必要面積が大きくなり、上部はデッドスペースとなってしまっていた。さらに、チェーン等の駆動部が露出したままとなっているため、油等で周囲を汚してしまうおそれもあった。

一方、特許文献2のものは、ハンドル、サドル及び車輪がフレーム内に収納されるものの、前輪及び後輪を共に内側に回転させて収納する構成となっているため、収納時に両輪が干渉しないよう車輪の径を小さくする必要があり、路面の影響を受けやすく不安定で、高い走行性能を得ることができなかった。また、折りたたみ操作をするには、構造上後輪を先に収納する必要があり、左右に振れる前輪を支点として一度本体の後輪側を持ち上げ、その間にフレーム上部奥まで後輪を収納する操作は簡単であるとは言い難いものであった。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な操作によって、折りたたみ時に車輪、サドル及びハンドル等をフレーム内部の収納空間に収納することが可能な、薄型の折りたたみ二輪車を提供するものである。

本発明によれば、前輪、後輪、サドル、ハンドル及びこれらを支持する本体フレームを備えた折りたたみ二輪車であって、前記本体フレームは、前記前輪、後輪、サドル及びハンドルを収納可能な収納空間を内部に有する薄い箱型の一体フレームとして形成されるとともに、前記後輪を取り付ける左右一対の取付部材を備え、当該取付部材はそれぞれ左右方向に貫通する貫通孔を有しており、前記貫通孔は略上下方向に延びる長孔であり、前記後輪の車軸は、第1取付位置と第2取付位置との間で前記長孔内をスライド可能とされ、前記後輪は、前記車軸が前記第1取付位置に取り付けられると前記本体フレームから突出し、前記車軸が前記第2取付位置に取り付けられると前記本体フレーム内に収納される、折りたたみ二輪車が提供される。

このような構成によれば、簡単な操作によって、折りたたみ時に前輪、後輪、サドル及びハンドル等をフレーム内部の収納空間に収納することができる薄型の折りたたみ二輪車を提供することが可能となる。特に、本発明に係る折りたたみ二輪車の後輪は、車軸を貫通穴の内部の第1取付位置から第2取付位置へ移動させるだけの簡単な操作によってフレーム内部の収納空間に収納できるようになっている。

以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。 好ましくは、前記貫通孔は略上下方向に延びる長孔であり、前記車軸は当該長孔内をスライド可能とされ、前記長孔の下端側を前記第1取付位置とし、前記長孔の上端側を前記第2取付位置とする。 好ましくは、前記長孔の下端側が前方に向かって折れ曲がって形成されており、前記長孔の下端側の前方端が前記第1取付位置である。 好ましくは、前記本体フレームは、上フレーム、下フレーム、前フレーム及び後フレームを備えるとともに、前記上フレーム、前記下フレーム、前記前フレーム、前記後フレームの各交点を結ぶ左右一対のX字形状の補強フレームを備え、前記取付部材は前記一対の補強フレームの後方位置にそれぞれ設けられる。 好ましくは、前記サドルは左側部と右側部を備え、当該左側部と右側部とはそれぞれ折りたたみ可能に構成されており、前記左側部と右側部の座面を前記本体フレームの側面と略平行にすることで、前記本体フレーム内に収納可能とされる。 好ましくは、前記ハンドル及び前記前輪がフロントフォークを介して前記前フレームに取り付けられ、前記フロントフォークは、前記ハンドルが接続されるステアリングコラムと、前記前輪を支持するブレードと、これらを連結する連結部材とを備え、前記ステアリングコラム及び前記ブレードと前記連結部材とがそれぞれ相対回転可能に連結されており、前記前輪は、前記ステアリングコラムに対して前記連結部材を回転させるとともに、前記連結部材に対して前記ブレードを回転させることで、前記本体フレーム内に収納可能とされる。 好ましくは、前記本体フレームの上部には前記サドル及び前記ハンドルを出し入れ可能な第1の開口が設けられ、前記本体フレームの下部には前記前輪及び後輪を出し入れ可能な第2の開口が設けられており、前記折りたたみ自転車は、前記本体フレームを覆う着脱可能なカバー部材をさらに備え、当該カバー部材は、前記本体フレームに取り付けるための取付口を下方に有するとともに、前記第1の開口に対応する位置に上部開口を有しており、前記カバー部材を取り付けた状態で運転可能とされる。 好ましくは、前記本体フレームは、左右方向の幅が120mm以下である。 また、本発明の別の観点によれば、前輪、後輪、サドル、ハンドル及びこれらを支持する本体フレームを備えた折りたたみ二輪車であって、前記本体フレームは、前記前輪、後輪、サドル及びハンドルを収納可能な収納空間を内部に有する薄い箱型の一体フレームとして形成され、前記本体フレームの上部には前記サドル及び前記ハンドルを出し入れ可能な第1の開口が設けられ、前記本体フレームの下部には前記前輪及び後輪を出し入れ可能な第2の開口が設けられており、前記折りたたみ自転車は、前記本体フレームを覆う着脱可能なカバー部材をさらに備え、当該カバー部材は、前記本体フレームに取り付けるための取付口を下方に有するとともに、前記第1の開口に対応する位置に上部開口を有しており、前記カバー部材を取り付けた状態で運転可能とされる、折りたたみ二輪車が提供される。

本発明の実施形態に係る折りたたみ自転車の運転状態及び収納状態を示す斜視図である。

図1の折りたたみ自転車の運転状態を示す側面図である。

図1の折りたたみ自転車の運転状態を下方から見た斜視図である。

図1の折りたたみ自転車の前フレームの支持パイプ及びフロントフォークを示す拡大図である。

図1の折りたたみ自転車のサドル部を示す拡大図である。

図1の折りたたみ自転車の本体フレームの取付部材を示す拡大図である。

図1の折りたたみ自転車の本体フレームにカバー部材を装着した際の模式図である。

図1の折りたたみ自転車を折りたたむ手順を示す説明図である。

本発明の実施形態の変形例に係る折りたたみ自転車のスタンドを示す斜視図である。

図9のスタンドの使用状態及び収納状態を示す説明図である。

本発明の実施形態の変形例に係る折りたたみ自転車のサドルを示す斜視図である。

本発明の実施形態の変形例に係る折りたたみ自転車のフロントフォークを示す斜視図である。

以下、本発明の実施形態をについて説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。

図1及び図2に示す本発明の一実施形態に係る折りたたみ二輪車としての折りたたみ自転車は、収納空間Rを有する薄型で略直方体形状の本体フレーム1に、車輪(前輪2、後輪3)、サドル4、ハンドル5及び駆動部6が取り付けられて構成され、モノコック構造をなしている。この折りたたみ自転車は、乗車して運転が可能な運転状態(図1(a)参照)から、前輪2、後輪3、サドル4、ハンドル5及び駆動部6を収納空間Rに収納する収納状態(図1(b)参照)へと変形させることが可能となっている。また、本実施形態の折りたたみ自転車は、図7に示すように、本体フレーム1にカバー部材7を装着することが可能となっている。以下、この折りたたみ自転車の具体的な構成を説明する。

本体フレーム1は、図1及び図2に示すように、上フレーム11、下フレーム12、前フレーム13及び後フレーム14からなる外枠フレーム10と、左右一対のX字形状の補強フレーム15とを備えて一体形成されており、これらのフレームによって収納空間Rを形成している。本体フレーム1は、薄型でかつ軽量化を図るため、カーボン繊維によるCFRP一体成型フレームで形成することが好ましい。ただし、パイプフレームや樹脂製のフレームとすることもでき、アルミ等を切削することで形成する金属フレームとすることも可能であり、自転車としての強度が得られる限り、任意の材料を用いることが可能である。

上フレーム11は、前フレーム13からサドル4の後方位置まで連続し、上下方向に貫通する略矩形の第1の開口11aを備えている。そして、サドル4及びハンドル5が、この開口11aを介して本体フレーム1の上方に突出する運転位置P1,P2と本体フレーム1内に収納される収納位置Q1,Q2との間で動作可能となっている。

下フレーム12は、図3に示すように、それぞれ上下方向に貫通する前フレーム13側の開口12aと後フレーム14側の開口12bとを備えている(これらを合わせて第2の開口とする)。そして、前輪2が、開口12aによって本体フレーム1の下方に突出する運転位置P3と本体フレーム1内に収納される収納位置Q3との間で動作可能とされ、後輪3が、開口12bによって本体フレーム1の下方に突出する運転位置P4と本体フレーム1内に収納される収納位置Q4との間で動作可能とされている(図1参照)。なお、前輪2が運転位置P3にある場合に、前輪2を収納していた部分にアタッシュケース等を収納し、収納した状態で折りたたみ自転車を運転することができるようしてもよい。

前フレーム13は、横断面が略コの字形状をなしており、内側には図4に示す支持パイプ13aが固定部材13bによって取り付けられている。この支持パイプ13aには、フロントフォーク20が挿入され、ベアリング及びクイックリリースクランプ等の保持部材13cによってフロントフォーク20を支持している。

ここで、フロントフォーク20は、図4に示すように、ハンドル軸50が接続されるステアリングコラム21と、下方で左右に分岐して前輪2の車軸2aを支持するブレード22と、これらを連結する連結部材23とから構成される。ステアリングコラム21の下端とブレード22の上端には、それぞれ横断面形状が半円となる突出部21a,22aが形成されており、突出部21a,22aには左右方向に貫通する貫通孔21b,22bが設けられている。また、連結部材23は、上記突出部21a,22aと対応する横断面形状が半円の部材であり、左右方向に貫通する上下2つの貫通孔23a,23bが設けられている。そして、突出部21a,22aの平面部分と連結部材23の平面部分を当接させた状態で、貫通孔21bと貫通孔23a、貫通孔22bと貫通孔23bとにそれぞれピン24,25を挿入することで、連結部材23と突出部21a及び突出部22aとが、それぞれ相対回転可能に連結される。

フロントフォーク20は、上述した突出部21a,22b及び連結部材23によって関節機構20aを構成しており、ステアリングコラム21とブレード22とが一直線状に並ぶ運転位置P3から、ブレード22が本体フレーム1の収納空間R内へ収納される収納位置Q3までブレード22を回動させることができるようになっている。なお、フロントフォーク20のステアリングコラム21と連結部材23とは、運転位置P3においては支持パイプ13a内に収納されるようになっている。

後フレーム14は、横断面が略コの字形状をなしており、図1〜図3に示すように、一部が後輪3を覆うようになっている。また、後フレーム14と上フレーム11の接続部分には傾斜部14aが形成され、後フレーム14と下フレーム12の接続部分には傾斜部14bが形成されている。 補強フレーム15は、側面視が略矩形の外枠フレーム10の各頂点を2本の直線で対に結ぶように形成され、本体フレーム1の両側面を形成している。また補強フレーム15の2本の直線が交差する交差部15aの収納空間R側には、サドル4及び駆動部6を支持する支持パイプ40が取り付けられている。また、補強フレーム15の後方位置、より具体的には交差部15aと後フレーム14の前後方向のほぼ中間位置には、後輪3の車軸3aを取り付けるための左右一対の取付部材31が設けられている。

以上のように、本実施形態に係る折りたたみ自転車は外枠フレーム10と補強フレーム15によるモノコック構造となっていることから、少ない部品構成で製造することができ、軽量化の実現も可能となっている。なお、車輪2,3、サドル4、ハンドル5、駆動部6を支持する本体フレーム1のこのような形状は、ペリメーターフレームとも称することができる。この本体フレーム1の収納空間Rには、必要に応じてライトやGPS、無線接続機器、USB充電器、ナビゲーション機器、電動アシスト機などを設置することも可能である。

取付部材31は、図6に示すように、略上下方向に延びる横向きの略台形形状の部材であり、補強フレーム15の2本の直線をまたぐように取り付けられ(図2参照)、略上下方向に延びて左右方向に連通する貫通孔としての長孔32を有している。この長孔32は、内部に後輪3の車軸3aがスライド可能に位置づけられており、長孔32の下端側が前方に向かって折れ曲がるL字型の形状をなしている。このように下端側が前方に向かって折れ曲がっていることで、運転時に車軸3aが上方にスライドしてしまうことを防止している。また、車軸3aは、クイックレバー33とボルト34を含む周知のクイックリリース機構35を利用することで、容易に着脱することが可能になっている。そして、後輪3は、車軸3aが長孔32の下端側の第1取付位置としての前方端32aに取り付けられると運転位置P4となり、車軸3aが長孔32の第2取付位置としての上端32bに取り付けられると収納位置Q4となる(図1参照)。

なお、本体フレーム1の左右方向の幅は、好ましくは約80mm〜約120mmであり、より好ましくは、約100mmである。また、これに合わせて、上フレーム11の開口11aと下フレーム12の開口12a及び開口12bの左右方向の幅は、それぞれ約60mm〜約100mmとするのが好ましく、約80mmとするのがより好ましい。また、前輪2及び後輪3は、走行性能を向上させるため、本体フレーム1の収納空間Rに収納可能な限りできるだけ大きい径とすることが好ましく、例えば16インチや18インチのものが用いられる。また、前輪2及び後輪3のホイール幅は、前記開口12a及び開口12bを通過できるよう、例えば75mmであることが好ましい。なお、本実施形態においては、ブレーキとしてディスクブレーキが用いられている。ただし、ブレーキ部が幅方向に突出して開口12a及び開口12bと干渉しなければ、キャリパーブレーキやVブレーキ等を用いることも可能である。また、本体フレーム1の左右方向の幅を約100mmとした時の本体フレーム1の前後方向の長さ及び上下方向の高さは、好ましくはそれぞれ約1000mm、約400mmである。

次に、サドル4は、図5に示すように、座部41と、座部41を支持する支持部42と、支持部42に接続され下方に延びる円筒状のサドル軸43とから主に構成され、座部41は、左座部41aと右座部41bに分割されて構成されている。左座部41aと右座部41bとは、サドル4の長手方向、すなわち折りたたみ自転車の略前後方向に設定された回転軸44を中心に、支持部42に対してそれぞれ回転可能になっており、クイックリリース機構45によって回転軸44に対して固定と固定の解除を行うことが可能となっている。そして、この左座部41aと右座部41bとは、それぞれの座面を本体フレーム1の側面と略平行となるよう回転させることで左右方向の幅を狭めることができ、運転位置P1から本体フレーム1内の収納位置Q1に収納することが可能となっている。なお、サドル4の支持部42はサドル軸43に対して左右方向の軸回りに回転可能とされ、座面の角度を調節できるようになっていて、ここでも、角度の固定及び固定の解除にはクイックリリース機構46が用いられている。また、サドル軸43は、支持パイプ40内に挿入され、クランプ40aによって固定される。

なお、このクランプ40aもクイックリリースタイプのものを用いることが好ましい。また、支持パイプ40とサドル軸43の間に別のパイプを追加してサドル軸43を2本継ぎとし、サドル4の高さを2段階で調節する構成とすることもできる。このようにすることで、より広範囲でサドル4の高さを調節することが可能となる。

ハンドル5は、図1(a)に示すように、ハンドル軸50と、ハンドル軸50の上端に取り付けられるハンドルステム51と、ハンドルステム51に支持される2本の横パイプ52と、各横パイプ52に取り付けられるグリップ53及びブレーキレバー54から構成される。ハンドル軸50は、図示しないクイックリリースクランプ等を用いてフロントフォーク20の上部に伸縮可能に取り付けられ、ハンドル5が運転位置P2と収納位置Q2との間で移動できるようになっている。なお、ハンドル軸50とフロントフォーク20の間に別のパイプを追加して、ハンドル5の高さを多段階で調節する構成とすることもできる。この伸縮のための機構については、各種既知の技術を用いることができるため、その詳細な説明を省略する。

ハンドルステム51は、一端側がハンドル軸50の上端に取り付けられ、他端側で2本の横パイプ52を支持しており、運転状態において横パイプ52をハンドル軸50よりも前方に突出させるように構成されている。また、横パイプ52は、ハンドルステム51の他端側から左右方向に延びる状態と、ハンドルステム51の下方に延びる状態との間で移動させることができるようになっている。移動可能とする構成としては、ハンドルステム51に設けられた把持部材51aによって横パイプ52を付け替える構成のほか、回転軸を設けて回転によって移動させる構成とすることも可能である。

駆動部6は、本体フレーム1中央部のペダル60、クランク61、クランク軸62及びクランク軸62に固定されるスプロケット63と、このスプロケット63とチェーン(図示せず)を介して連動する後輪3側のスプロケット(図示せず)とから主に構成され、ペダル60を漕ぐを後輪3に伝達して後輪3を駆動させる。駆動部6の駆動原理は、一般の自転車の場合と同様であるため、その詳細な説明を省略する。ペダル60はクランク61の端部に着脱可能に取り付けられ、クランク61はクランク軸62に対してクイックリリースクランプ等の取付手段64によって着脱可能に取り付けられる。なお、チェーンの張りを調節するため、駆動部6にテンショナーを設けても良い。テンショナーを設けることによって、後輪3の運転位置P4と収納位置Q4との間の移動をスムーズに行うことが可能となる。

カバー部材7は、図7に示すように、本体フレーム1の外形と略同一の形状をなし、本体フレーム1全体を覆う伸縮性素材等で形成されており、本体フレーム1に取り付けるための取付口70が下方に設けられている。また、上方には上フレーム11の開口11aの形状に対応した上部開口71を有し、両側面にはクランク軸62を通すための孔72及び後輪3のクイックリリース機構35を操作するためのスリット73を有している。カバー部材7は、収納状態及び運転状態のいずれの場合にも装着しておくことができ、取付口70及び上部開口71は、面ファスナ等で閉じることができるようになっていて、駆動部6等の防性を向上させることが可能になっている。 なお、カバー部材7は、側面に任意の模様やイラストをプリントすることが可能となっており、カバー部材7を装着したまま運転することが可能な構成であることと相まって、ユーザの嗜好に合わせて多彩なバリエーションを揃えることが可能となっている。また、カバー部材7に光反射布材を用いることで、被視認性を大幅に向上させ、夜間走行の安全性を高めることも可能となっている。 また、被視認性を向上させるためには、カバー部材7を半透明の素材とするとともに、本体フレーム1の内側にLEDライト等の光源を装着して、間接的にカバー部材7を光らせる構成とすることも可能である。

ここで、上記のような折りたたみ自転車を運転状態から収納状態に折りたたむ際の操作について、図1及び図8を用いて説明する。図1(a)に示す運転状態にある折りたたみ自転車を折りたたみ、図1(b)及び図8(c)に示す収納状態にするには、以下の操作を行う。なお、操作の順番は任意であり、どの順番で折りたたんでもよい。

<サドルの収納:P1→Q1> まず、左座部41aと右座部41bを、回転軸44を中心に回転させ、それぞれの座面を左右に折りたたむ。そして、クランプ40aの締め付けを緩め、サドル4を180度回転させる(図8(a)参照)とともに、サドル軸43を縮めて支持パイプ40内に収納してゆき、サドル4が収納空間Rに収納された状態(図8(b)参照)でクランプ40aを再び締め付ける。

<ハンドルの収納:P2→Q2> 横パイプ52を把持していた把持部材51aを解除して、横パイプ52を左右方向に伸びた状態から下方に延びる状態に付け替える(図8(a)参照)。また、保持部材13c(図4参照)の締め付けを緩めてハンドル5を180度回転させ、ハンドル軸50を縮めてステアリングコラム21内かつ支持パイプ13a(図4参照)内に収納して、ハンドル5が収納空間Rに収納された状態(図8(b)参照)で保持部材13cを再び締め付ける。なお、保持部材13cの締め付けを緩めた際、フロントフォーク20は支持パイプ13aに対して下方に移動可能な状態となる(図8(b)参照)。

<前輪の収納:P3→Q3> 保持部材13c(図4参照)の締め付けを緩めてフロントフォーク20を支持パイプ13aに対して下方に移動させると、支持パイプ13aから関節機構20aが下方に突出する(図8(b)参照)。この状態でブレード22を折りたたむことで、前輪2を収納空間Rに収納する。なお、図8(b)の状態では、ステアリングコラム21に対して連結部材23が前方向に回転した状態となっている。このように、連結部材23(図4参照)が一度前方向にも回転できるようになっていることで、収納操作時に前輪2が支持パイプ40及び駆動部6と干渉することを防止ししており、前輪2の径を大きく取りつつ、本体フレーム1の前後方向の長さを抑えることが可能となっている。また、収納位置Q3において、ハンドル5の横パイプ52は前輪2よりも外側に位置づけられるようになっており、前輪2と干渉しないようになっている。

<後輪の収納:P4→Q4> クイックレバー33を引いて図6に示す長孔32の前方端32aでの車軸3aの固定を解除し、車軸3aを上方にスライドさせて長孔32の上端32bまで移動させ、クイックレバー33を戻して車軸3aを固定する。なお、本実施形態では車軸3aを長孔に沿ってスライドさせるだけで後輪3を運転位置P4から収納位置Q4に収納することができるようになっていることから、特許文献2に記載の構成に比べて後輪3を容易に収納することが可能になっている。

<ペダル、クランク及びクランク軸の収納> 左右のペダル60をクランク61から取り外し、取付手段64を緩めることで左右のクランク61をクランク軸62から取り外して、2つのペダル60、2つのクランク61及びクランク軸62に分解する。なお、収納空間R上部の支持パイプ40の後方位置には、袋状の収納部材16(図8参照)が設けられており、取り外したペダル60,クランク61及びクランク軸62等はこの収納部材16に収納することが可能になっている。

以上の操作によって、サドル4、ハンドル5、前輪2、後輪3及び駆動部6が薄い箱型の本体フレーム1の収納空間Rに収納され、本体フレーム1の外部にはいかなる突起物も有さなくなる。このような構成となっていることで、本実施形態に係る収納状態の折りたたみ自転車は薄型のほぼ直方体形状に収まるため、持ち運びに便利であるうえ、他の物を傷つけずにすき間収納を可能とし、複数台の折りたたみ自転車をコンパクトに整列させることも可能となっている。また、限られた空間における複数台収納でも集積密度が高くなっているため、災害時の帰宅困難者用備蓄品として事業所などに保管することも可能となっている。

なお、本実施形態に係る折りたたみ自転車を持ち運ぶ際には、後輪3を出したまま転がして移動させることも可能である。そのため、例えば特許文献2に開示されるような補助輪を別途設ける場合よりも大径の車輪によって転がすことができ、別部材を必要としないため重量の増加を防ぐことも可能となっている。

なお、上記のような手順で収納状態となった折りたたみ自転車の各部材を運転状態に戻すには、単に上記と反対の手順を踏めば良い。その際の操作の順番も任意であり、どの順番で行っても良い。

ところで、本実施形態の折りたたみ自転車の後部に、図9及び図10に示すスタンド8を取り付けることも可能である。このスタンド8は、折りたたみ自転車を立たせた状態で支持するものであり、後フレーム14の後方部分に固定される固定部80と、この固定部80に対して上下にスライド可能な可動部81とから構成される。なお、後フレーム14後方の、スタンド8の上部には、左右方向に延びる支持バー9(図9参照)も設けられている。

固定部80は、上下方向に延びる薄型で略直方体形状の部材であり、上端から下端まで連続して後方に開口するスライド溝82を有している。また、スライド溝82の下部と上部の2ヶ所には、係止穴82a,82bが設けられている。一方、可動部81は、下方に延びる2本のスタンド足83と、これらのスタンド足83を保持する保持部材84を有しており、スライド溝82内を上下にスライドすることが可能となっている。また、保持部材84には固定部80側に突出する係止片84aが設けられており、スライド溝82の係止穴82a,82bに係止させて可動部81の上下方向のスライドを規制することができるようになっている。2本のスタンド足83は、一端側が保持部材84内部の軸(図示せず)に回転可能に支持され、図10(b)に示す左又は右方向に約45°開いた状態と、図10(c)に示す下方に閉じた状態との間で開閉することが可能となっている。また、スタンド足83の他端側には、後方側に突出する突出部83aが設けられている。

本実施形態に係る折りたたみ自転車は、このような構成のスタンド8を備えることによって、図9(a)の運転状態においては、前輪2、後輪3及び2本のスタンド足83の端部によって支持され、図9(b)の収納状態においては、2本のスタンド足83の突出部83a、保持部材84の後面、及び支持バー9によって支持することで、縦置きをすることも可能となっている。そして、図10(c)のように可動部81を上方にスライドさせスタンド足83を閉じることによって、後フレーム14から突出する部分をほとんどなくし、カバー部材7を取り付ける際に干渉しないようにすることも可能となっている。

なお、本発明は、以下の態様でも実施可能である。・上記実施形態は、二輪車の1つである自転車の形態のものであったが、クランクを有さない電動二輪車に対して本発明を適用することも可能である。・上記実施形態では、補強フレーム15はX字形状をなしていたが、本体フレーム1の強度が保証されれば、他の形状とすることも可能であり、例えば、側面の略全体を覆う板状としてもよい。また、必要な強度が得られれば、補強フレーム15を設けず、外枠フレーム10のみで本体フレーム1を構成してもよい。・上記実施形態では、後輪3の取付部材31に形成される長孔32はL字型をなしていたが、直線状とすることや、クランク軸62を中心とする円弧状にすることも考えられる。なお、長孔32を上述の円弧状にすることで、後輪3を運転位置P4と収納位置Q4との間で移動させる際にテンショナーを用いなくてもチェーンが伸びてしまわないようにすることが可能となる。・上記実施形態では、サドル4の座部41は左座部41a及び右座部41bの2つに分割されて構成されていたが、図11に示すように、左座部41a、右座部41b及び前座部41cの3つに分割される構成とすることもできる。この場合は、左座部41aと右座部41bのみが回転することになり、前座部41cは支持部42に固定されたままの構成となる。・また、サドル4は、座部として柔軟性の高い素材のものを用いることで、回転軸44を設けずに座部を折り曲げて本体フレーム1内に収納する構成としてもよい。・上記実施形態では、ブレード22の突出部22aに設けられた貫通孔22bはピン25に対応する丸孔であったが、図12に示すように長孔122bとしてもよい。このように突出部22aの貫通孔を長孔122bとすることによって、この変形例に係る関節機構20aは前輪2の収納操作時にブレード22を前方側にずらすことができるようになっており(図12(c)参照)、これによって前輪2が支持パイプ40及び駆動部6と干渉することが防止されるようになっている。なお、図12に示すブレード22の突出部22aの上端には、弾力性のある緩衝部材22cが取り付けられており、運転状態においてステアリングコラム21及びブレード22の間に位置づけられることによって、フロントフォーク20のサスペンションとして機能するようになっている。

R:収納空間、1:本体フレーム、3:後輪(車輪)、3a:車軸、4:サドル、5:ハンドル、31:取付部材、32:長孔(貫通孔)、32a:前方端(第1取付位置)、32b:上端(第2取付位置)

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